JP2005523375A5 - - Google Patents

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酸素置換チオアルミネートバリウム蛍光体材料
本発明は、エレクトロルミネセンス表示装置において薄膜として使用される蛍光体材料に関する。より具体的には、本発明は、そのような蛍光体材料における酸素置換、特に酸素置換チオアルミネートバリウム蛍光体材料に関する。また、本発明は、フルカラーエレクトロルミネセンス表示装置、詳細には高誘電率を有する厚膜誘電体層を使用するフルカラーエレクトロルミネセンス表示装置に蛍光体材料が使用されるときのその蛍光体材料の輝度の改善と発光スペクトルの最適化に関する。
厚膜誘電体構造は、例えば米国特許第5,432,015号によって例示されているような薄膜エレクトロルミネセンス(TFEL)表示装置と比べて、絶縁破壊に対する優れた耐性と低い動作電圧を提供する。厚膜誘電体構造は、セラミックス基板に付着されたとき、一般にガラス基板上に作成されるTFEL装置よりも高い処理温度に耐える。この高い耐熱性によって、蛍光体薄膜の高温アニールが容易になり輝度が改善される。これらの利点と青色発光蛍光体材料の最近の進歩によって、表示装置は、従来の陰極線管(CRT)表示装置の技術性能を達成するために必要とされる輝度と色座標に近づいた。しかしながら、表示装置の設計を簡素化し、動作電圧を低くすることによって表示装置の信頼性を高め、表示装置の色温度仕様が高くなる傾向に合わせるために、青色蛍光体性能のさらなる改善が必要とされている。
従来、青色のエレクトロルミネセンス表示装置には、セリウムで活性化した硫化ストロンチウム蛍光体材料が使用されており、一方、赤色と緑色のエレクトロルミネセンス表示装置には、マンガンで活性化した硫化亜鉛が使用されていた。これらの蛍光体材料からの光放射は、赤、緑及び青の副画素に必要な色座標を達成するために、適切な単色フィルタを通さなければならず、その結果、輝度とエネルギー効率が低下する。マンガンで活性化した硫化亜鉛蛍光体は、入力電力1ワット当たり最大約10ルーメンの比較的高い電気−光エネルギー変換効率を有する。セリウムで活性化した硫化ストロンチウム蛍光体は、1ワット当たり1ルーメンのエネルギー変換効率を有し、これは、青色発光では比較的高い。しかしながら、このような蛍光体のスペクトル放射はかなり幅広く、硫化亜鉛系蛍光体材料のスペクトル放射は、緑から赤にわたるカラースペクトルであり、硫化ストロンチウム系材料のスペクトル放射は、青から緑の範囲にわたる。このため、光学フィルタを使用する必要がある。セリウムで活性化した硫化ストロンチウム蛍光体のスペクトル放射は、付着条件と活性体濃度を制御することによって青の方にある程度ずらすことができるが、光学フィルタが不要になるほどずらすことはできない。
また、青の副画素に必要とされる色座標を提供するためにさらに狭い発光スペクトルを有する代替の青色蛍光体材料が開発された。そのような蛍光体材料には、適切な青色座標を提供するが比較的低い輝度と安定性を示すセリウムで活性化したアルカリ土類チオガレート化合物がある。輝度が比較的低い理由の一部は、誘電率と光屈折率が比較的高いことであり、これにより、材料内で生成された光を取り出して有効な輝度を提供する効率が低下する。
また、酸素を含むチオガレート及びチオアルミネート蛍光体材料も開発された。米国特許第5,656,888号は、低濃度の酸素を加えてアルカリ土類チオガレート蛍光体材料の発光効率とCIE色座標を改善する方法を開示している。この方法では、付着ソース材料に酸化物を加えるか、あるいは付着雰囲気に酸素を加える。しかしながら、Sr0.5Ca0.5Ga24:Ce中に4原子百分率を超える濃度で過剰な酸素をドープすると、別個の結晶相として望ましくない酸化物が形成されるので発光効率が低下した。
日本特許出願第2000−081483号は、真空蒸着した2層ユーロピウムで活性化したアルカリ土類チオアルミネート蛍光体薄膜を酸化する方法を開示している。1〜20%の酸素を含むアルゴン雰囲気中で700℃〜1000℃の範囲の温度で約2分間行なうアニール処理に酸素が加えられる。チオアルミネート材料がアニール雰囲気と直接接触しないように、アニール処理は、チオアルミネート薄膜を厚さ1000〜5000オングストロームの硫化亜鉛層で被覆した後行なわれる。アニールしたチオアルミネート薄膜は、アルミニウム、硫黄及び酸素のアルカリ土類元素を含むひとつの層と、酸化アルミニウムを含む別の層の2つの層に分かれることが報告されている。
また、前述の層状酸化蛍光体は、Japanese Journal of Applied Physics Vol. 40,2001, 2451〜55ページにも記載されている。蛍光体のアニール処理は、意図せずに酸素をドープしたアルゴン雰囲気中で920℃の温度で行われている。酸素は、薄膜の付着とアニールの際あるいは付着ソース材料中の酸化物の存在から意図せずに導入されるものと考えられる。蛍光体薄膜のX線回折データは、チオアルミネートバリウム、アルミナ及び非晶質アルミン酸バリウムとして暫定的に識別された非晶質相の存在を示している。層状薄膜内で、XPSデータは、酸化アルミニウム層中のアルミニウムと酸素の原子比率が2:3であることを示し、これは、この層が、実質的にAl23からなることを意味する。バリウム、アルミニウム、硫黄、及び酸素を含む層内の元素の比率は、2つの層の規定の平均実験的組成が共にBaAl22.11.9になるように、ほぼBaAl22.61.4の実験的化学量論比を有する組成を示す。
欧州特許出願第1,170,351 A2号は、スペクトル放射特性を改善するために硫黄をドープした酸化アルミニウムバリウム蛍光体マトリックス材料を開示している。硫化水素を含む雰囲気中で反応性スパッタリングを行った後で、空気中で750℃でアニールして酸素を導入することによって、Ba:Al:O:S:Euの第1の蛍光体組成物が付着される。この組成物は、実験式BaAl2.197.930.95Eu0.03に対応し、きわめて高い酸素硫黄比率を有し、またユーロピウムをドープしたAl23とBaSO4の混合物と似た全体組成を有する。真空蒸着雰囲気中に酸素を導入し、真空中でアニールすることによって、前述の第1の組成物よりもさらに酸素の多い第2の組成物が形成される。酸素と硫黄を加えたものに対する硫黄の比率が酸素と硫黄の比率0.11〜0.43に対応する0.7〜0.9の範囲になるように蒸着条件とアニール条件を調整した場合に、蛍光体の安定性が改善されることが示されている。開示された蛍光体組成物は、硫化物と酸素を含むマトリックス材料であることは明らかであり、蛍光体中の酸素の働きは、硫化物上に安定した被覆を提供して、周囲環境への暴露による劣化に対して硫化物を安定させることである。
欧州特許出願第1,170,350 A2は、アルミン酸バリウムと硫黄含有化合物のマトリックス材料を含む層を有するエレクトロルミネセンス蛍光体スタックの使用を開示している。アルミン酸塩蛍光体材料を作成する方法は、欧州特許第1,170,351号で教示されているものと似ており、硫黄と酸素を加えたものに対する硫黄の平均比率は0.7〜0.9または0.02〜0.5であり、硫黄と酸素を加えたものは、酸素に対する硫黄の比率の範囲が1〜50である。
前述の酸硫化物蛍光体材料は、一般に、酸化物と硫化物の層を含むマトリックス材料すなわち層状構造であり、この材料内への酸素の導入は、非制御的または偶発的に行われる。酸素のそのような非制御的かつ/または偶発的な添加は、蛍光体材料の結晶格子構造に悪影響を及ぼし、蛍光体材料の輝度及び/または安定性に悪影響を及ぼす。
以上を考慮すると、従来技術の欠点をなくしかつエレクトロルミネセンス表示装置の薄膜としての用途を有する改善された特性を有する新しい蛍光体を開発する必要性が残されている。本発明は、以上その他の要求を満たす。
本発明は、エレクトロルミネセンス装置に使用するための新規な酸硫化物薄膜蛍光体を提供する。この酸硫化物薄膜蛍光体は、良好な輝度と安定性を有し、マトリックス材料でも層状薄膜でもないという点で実質的に均質である。また、本発明は、そのような酸硫化物薄膜蛍光体を作成する方法を提供し、この方法では、所望の量の酸素を付着材料に制御可能に導入して単一相の均質蛍光体薄膜を付着させ、そのような酸素によって蛍光体の結晶格子構造が実質的に歪んだり悪影響を受けたりしない。この結果、蛍光体の輝度と安定性が改善される。
本発明のひとつの態様によれば、エレクトロルミネセンス装置用の薄膜蛍光体が提供され、この蛍光体は、元素の周期表のIIA属とIIB属の元素から選択された少なくとも1つのカチオンを有するチオアルミネート、チオガレート、及びチオインデートからなる化合物から選択され、この蛍光体は、希土類金属によって活性化され、結晶格子内の原子空孔と硫黄の一部分が酸素と置き換えられる。好ましい実施形態において、薄膜蛍光体は、元素の周期表のIIA属とIIB属の元素から選択された少なくとも1つのカチオンを有するチオアルミネートまたはチオガレートであり、この蛍光体は、希土類金属によって活性化され、結晶格子内の原子の空孔と硫黄の一部分が酸素と置き換えられる。
本発明のもう1つの態様によれば、エレクトロルミネセンス装置用の単一で均質な薄膜蛍光体化合物が提供され、この蛍光体は、元素の周期表のIIA属とIIB属の元素から選択された少なくとも1つのカチオンを有するチオアルミネート、チオガレート及びチオインデートからなる化合物のグループから選択され、希土類金属によって活性化され、結晶格子内の原子の空孔と硫黄の一部分が酸素と置き換えられている。好ましい化合物は、チオアルミネートとチオインデートから選択される。
本発明は、また、化合物中のアルミニウム、ガリウムまたはインジウムのうちの特定の部分が、スカンジウム、イットリウムまたはランタンから選択された少なくとも1つの異なる原子種によって置き換えられた化合物を対象とする。この態様では、エレクトロルミネセンス装置用の薄膜蛍光体が提供され、前記蛍光体は、元素の周期表のIIA属とIIB属の元素から選択された少なくとも1つのカチオンを有するチオアルミネート、チオガレート及びチオインデートからなるグループから選択され、前記蛍光体は、希土類金属によって活性化され、前記チオガレート、チオインデート及びチオアルミネートのアルミニウム、ガリウムまたはインジウムの一部分の部分置換としてIII属元素を含み、さらに、チオガレート、チオインデートまたはチオアルミネート内の硫黄の部分置換として酸素を含む。
本発明は、さらに、蛍光体中に存在する活性体種の輝度を高めるのに十分な量の補助活性体種が存在する蛍光体化合物を含む。
本発明の蛍光体には、蛍光体組成物のルミネッセンスを高める制御された所望の量の酸素が取り入れられる。制御された所望の量の酸素の導入により、蛍光体の個々の結晶相中の酸化物の形成が回避され、したがってマトリックスすなわち層状の蛍光体材料の形成が実質的に防止される。
本発明の態様によれば、蛍光体材料は、
式A1-xx24-yyであり、ここで、
Aが、IIA属またはIIB属のカチオンであり、
Dが、希土類金属であり、
Zが、Al、Ga、及びInから選択され、
0.005<x<0.1であり、
1.0<y<3.0であり、前記蛍光体材料は単一相の均質の材料である。
より好ましい態様において、1.6<y<2.4である。
蛍光体構造内の硫黄に対する酸素の部分置換は、蛍光体の結晶格子構造を実質的に変化させない。
本発明のさらに他の態様によれば、蛍光体材料は、
式A1-xXDx24-yyであり、ここで、
Aが、IIA属とIIB属のカチオンであり、前記カチオンはガリウムではなく、
Dが、希土類金属であり、
Zが、Al、Ga、そしてInから選択され、
0.005<x<0. 1であり、
1.0<y<3. 0である。
本発明の好ましい実施形態において、蛍光体は、式Ba1-xxAl24-yyであり、0.005<x<0.1、1.6<y<2である。
もう1つの実施形態において、前記希土類金属は、ユーロピウム及び/またはセリウムから選択され、ユーロピウムが最も好ましい。
ユーロピウムの量は、存在するIIA属またはIIB属カチオンの約2〜7原子百分率であり、酸素は、規準の硫黄含有量の約45〜55原子百分率で置き換わることが好ましい。
本発明のさらに他の態様は、本明細書に示したような薄膜蛍光体を含むエレクトロルミネセンス装置である。好ましい態様において、エレクトロルミネセンス装置は厚膜誘電体を含む。
本発明のさらにもう1つの態様は、元素の周期表のIIA属とIIB属の元素から選択された少なくとも1つのカチオンを有するチオアルミネート、チオガレート及びチオインデートからなるグループから選択された蛍光体材料を作成する方法であり、この蛍光体は、希土類金属によって活性化され、蛍光体の一部分が酸素で置き換えられ、蛍光体材料は単一の均質層として付着される。
本発明のさらに他の態様は、
式A1-xx24-yyであり、ここで、
Aが、IIAまたはIIB属のカチオンであり、
Dが、希土類金属であり、
Zが、Al、Ga、及びInから選択され、
0.005<x<0.1であり、
1.0<y<3.0である単一相の均質な蛍光体材料を作成する方法であって、
この方法は、必要量のA、D、Zを含むチオアルミネート、チオガレートまたはチオインデート化合物に約800℃〜1100℃の範囲の温度で酸素を導入する段階を含み、導入する酸素の分圧が約0.01〜15キロパスカルの範囲で提供される。
酸素の分圧は、約0.1〜5キロパスカルの範囲であることが好ましく、約0.2〜1キロパスカルの範囲であることがより好ましい。酸素は、所望の材料を形成するのに十分な期間導入される。
この方法において、チオアルミネート、チオガレート、またはチオインデート化合物は、必要量の酸素の一部分を含むことができる。
本発明のさらに他の態様は、
式A1-xxAl24-yyを有し、
Aが、IIA属のカチオンであり、
Dが、希土類金属であり、
0.005<x<0.1であり、
0<y<1である実質的に単一相の蛍光体薄膜であり、
前記蛍光体薄膜は、
実質的に酸素のない雰囲気中で前記蛍光体薄膜を付着させ結晶化させる段階と、
酸素を蛍光体薄膜の結晶格子内に拡散させ組み込み、その結果単一相の均質な蛍光体薄膜ができる温度と分圧の範囲で酸素を導入する段階とを含む方法によって作成される。酸素の分圧は、約0.01〜15キロパスカルの範囲で提供される。
酸素の分圧は、約0.1〜5キロパスカルの範囲であることが好ましく、約0.2〜1キロパスカルの範囲であることがより好ましい。酸素は、蛍光体薄膜中の酸素を所望の濃度にするのに十分な期間導入される。酸素を導入する温度は、約650℃〜約1100℃の範囲であり、約650℃〜約850℃であることが好ましく、約750℃〜約850℃であることがより好ましい。yの値は<y<0.1であることが好ましく、Aはバリウムであることが好ましく、Dはユーロピウムであることが好ましい。
蛍光体薄膜は、厚膜誘電体構造を有するエレクトロルミネセンス装置に組み込まれることが好ましい。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるでろう。しかしながら、この詳細な説明と具体例は、本発明の実施形態を示されているが、単なる例示として示されており、その理由は、当業者に本発明の趣旨と意図の範囲内の様々な変更及び修正が前記の詳細な説明から明らかになるからである。
図面に示した実施形態を参照して本発明を説明する。
本発明は、希土類金属で活性化したチオアルミネート(thioaluminate)、チオガレート(thiogallate)またはチオインデート(thioindate)蛍光体中の硫黄を酸素と部分置換することに関し、この部分置換によって蛍光体材料の結晶格子構造が実質的に歪んだり悪影響を受けたりすることはない。本発明の酸硫化物蛍光体は、均質な結晶相を有するという特徴を持つ。換言すると、蛍光体は、単一相または単一層であり、従来技術のマトリックス材料すなわち層状構造物ではない。これは、薄膜の付着及び/または熱処理中の温度、酸素の分圧、及び両方への露出時間を制御することによって達成される。
1つの実施形態において、本発明は、エレクトロルミネセンス表示装置における薄膜としてユーロピウムで活性化したアルカリ土類チオアルミネート蛍光体を付着させるときのその蛍光体中の硫黄の部分置換としての酸素に関し、特にそのような蛍光体への酸素の混入に関する。この部分置換は、蛍光体材料及びそのような蛍光体材料を含むエレクトロルミネセンス表示装置に対していくつかの利点を提供する。1つの態様において、酸素は、好ましい結晶相を形成する熱処理(アニール)に必要とされる最高温度を低くする働きをする。さらに、蛍光体組成物の発光は、硫黄に対する酸素の部分交換または部分置換によって強化される。
蛍光体材料において、置換された酸素と共に、例えばセリウムやユーロピウムなどの当業者に既知の様々な希土類活性体を使用することができる。酸素と共に使用される好ましい活性体は、ユーロピウムである。本発明の好ましい実施形態において、蛍光体は、酸素で部分的に置換されたチオアルミネートバリウム(BaAl24-xx)であり、これは青色光を放射する。
本発明は、図1と図2に示したエレクトロルミネセンス表示装置または素子に使用するのに適している。図1は、本発明の蛍光体を利用するエレクトロルミネセンス装置の断面図を示す。図2は、エレクトロルミネセンス装置の平面図を示す。全体を10で示したエレクトロルミネセンス装置は、上に列電極14が配置されたベース基板12を有する。厚膜誘電体16の上に薄膜誘電体18が設けられている。薄膜誘電体18は、20、22及び24と呼ばれる3つの画素行が上に配置された状態で示されている。画素行は、三原色すなわち赤、緑及び青を提供する蛍光体を含む。画素行20は、薄膜誘電体18に接して配置された赤色蛍光体26を有する。赤色蛍光体26上には別の薄膜誘電体28があり、薄膜誘電体28上には行電極30がある。同様に、画素行22は、薄膜誘電体18上に緑色蛍光体32を有し、その上に薄膜誘電体34と行電極36を有する。画素行24は、薄膜誘電体18上に青色蛍光体38を有し、その上に薄膜誘電体40と行電極42を有する。代替の実施形態において、各画素の上に別々に誘電体層が付着されずに、すべての画素の上に一度に共通の薄膜誘電体が付着されてもよい。
当業者によって理解されるように、様々なベース基板を使用することができる。詳細には、ベース基板は、1つの態様において、上に導電体薄膜を付着させ、導電体薄膜上に厚膜誘電体層を付着させた剛性耐熱シートである。適切な耐熱シート材料の例には、アルミナ、金属セラミックス複合物、ガラスセラミックス材料及び耐熱ガラス材料などがあるがこれらに限定されない。適切な導電体薄膜は、金と銀の合金などが当業者に知られているが、これらに限定されない。厚膜誘電体層は、強誘電体材料を含む構造である。また、厚膜誘電体層は、その上に1つまたは複数の薄膜誘電体層を含んでもよい。
付着させた化合物にアニオンが不足する傾向を最小限に抑えるために、付着させるときに、組成物の付着は、H2S、硫黄、または蛍光体薄膜を汚染しない他の揮発性硫黄含有化合物と、必要に応じて低濃度の酸素とを含む雰囲気中で行われることがある。付着ソース材料は、付着中及びその後の付着薄膜の熱処理中に酸素を制御した割合で加えることによって薄膜中の酸素含有量を正確に制御できるように、付着ソース材料が所望の薄膜の所望の酸素含有量に対して低い割合の酸素を含むように選択しなければならない。
1つの実施形態において、付着は、硫化水素雰囲気中で行われ、それにより、薄膜の付着化学種が硫化水素から派生した硫化物と反応して付着薄膜を硫化物で十分に飽和させることができ、その結果、付着薄膜を、約0.1〜5キロパスカルの範囲の分圧の酸素を含む雰囲気中で、約800℃〜約1100℃の範囲の温度で、所望の酸素濃度を達成するのに十分な時間だけ熱処理することによって、所望の濃度の酸素を加えることができる。所望の薄膜組成物を得るために、酸素の分圧は約0.2〜1キロパスカルの範囲であることが好ましく、温度は約850℃〜950℃の範囲であることが好ましい。
蛍光体に最初に実質的にBaAl24からなる組成物を付着させた場合、酸素を導入して最初に原子空孔を満たすことができる。空孔が満たされた後、チオアルミネート結晶格子の単位格子内の特定の原子位置の硫黄原子の規定の部分と酸素が置き換わる。例えば、硫化バリウムと硫化アルミニウムの粉末を適切な割合で混合してBaAl24を形成し、適切な酸素分圧下で加熱すると、材料は、酸素を吸収し、次に2つの連続する化学反応で二酸化硫黄を発生することが分かる。少し残っている硫化バリウムによってBaAl47に実質的に近い結晶単位格子を有する化合物を形成するために、第1の反応は、460℃〜480℃の範囲の温度であり、次に第2の反応は、570℃〜600℃の範囲の温度である。熱重量分析装置を使用した反応中の試料の損失重量の定量化と、反応による排出気体を分析するために質量分析計を使用して消費した酸素と発生した二酸化硫黄の質量の定量化によって、形成された第1の化合物が、式BaAl46Oにほぼ対応し、第2の化合物が、式BaAl452にほぼ対応することが分かる。温度が上昇し続けるとき、約750℃〜790℃の範囲の温度と次に840℃〜860℃の範囲の温度でさらに反応が起き、それにより、低い温度で形成された化合物が、残っている硫化バリウムと反応して、式BaAl222にほぼ対応する化合物ができる。この反応は、酸素の消費と二酸化硫黄の発生に特徴がある。これらの反応が起きたとき、結晶構造は、BaAl24と実質的に同等な単位格子を有するものに変化した。
酸素分圧が高すぎることなくかつ水蒸気が存在する場合は、約425℃の温度で始まる水と酸素の反応を含む他の一連の反応が起きて、式BaAl42O(OH)2にほぼ対応する化合物ができる。
酸素濃度が低すぎると、硫黄が酸素と置き換えられず、最終生成物は、硫黄と酸素の不十分な部分置換による原子アニオン空孔を有する可能性のあるチオアルミネートバリウムになる。
酸硫化物化合物を形成するために温度が上昇するとき、酸素の分圧を制御することによって反応速度を制御することが重要である。様々な化合物が次々とできるような条件でない場合、単一の化合物はできず、処理される蛍光体材料の少なくとも一部分は、酸素を添加し続けたときに、アルミナ、アルミン酸バリウム、硫化バリウム及び様々な亜硫酸バリウムと硫酸バリウム、場合によっては水酸化バリウムまたはオキシ水酸化バリウムあるいは水酸化バリウムアルミニウムまたはオキシ水酸化バリウムのうちの複数に分解する。
蛍光体材料の付着は、様々な方法を使用して行うことができる。例えば、蛍光体の付着は、電子ビーム蒸着、詳細には2000年12月22日に出願された本出願人の同時係属米国特許出願第09/747,315号に例示されているようなデュアルソース電子ビーム蒸着によって行うことができる。また、付着は、硫化水素を含む気体を注入し排出する設備を備えたデュアルソース高周波マグネトロンスパッタリングによって行われてもよい。このスパッタリング方法において、付着基板が加熱手段を有し、スパッタリングターゲットの1つに硫化アルミニウムまたは金属アルミニウムがあり、後者は、2001年5月29日に出願された本出願人の同時係属米国特許出願第09/867,080号に例示されている(この出願の全体は参照により本明細書に組み込まれる)。代替として、付着は、熱蒸着(thermal evaporation)を使用して行うことができる。当業者は、様々な方法を使用して本発明の蛍光体を付着する方法を容易に理解するであろう。酸素は、付着ソース材料に添加されてもよく、付着と熱処理を組み合わせた工程の間に熱処理中の前述の反応が実質的に次々と進む場合には付着工程で添加されてもよい。
アルカリ土類チオアルミネートは、エレクトロルミネセンス蛍光体として有用であるが輝度が低いことが報告されている。現在、エレクトロルミネセンス要素の輝度を高めるために、母材の化学量論比の制御を改善することが役立つことが実証されている。硫黄の部分置換として、チオアルミネート結晶構造の実質的な変更なしにチオアルミネート化合物の結晶構造のアニオン空孔を満たすために酸素が使用されることが現在実証されている。これにより、高い輝度安定性、少なくとも同等の輝度、及び従来から知られているチオアルミネート蛍光体を超える青色純度を有するエレクトロルミネセンス蛍光体が可能になる。
以上の開示は、本発明を概略的に説明している。以下の特定の例を参照することによってより完全な理解を得ることができる。これらの例は、単に例示のために説明され、本発明の範囲を限定しようとするものではない。状況により方策が示唆または提供されることがあるので、形態の変更と等価物の代用が意図されている。本明細書で特定の用語を使用したが、そのような用語は、説明的な意味であり、限定するためのものではない。

例は、説明のために示されており、本発明の適用範囲を限定しようとするものではない。
この開示において参照しているが明示的に説明していない化学的方法、光化学的方法、及び分光分析的方法は、科学文献で報告されており、当業者に周知である。
例1
混合工程を使用して、チオアルミネートバリウム(BaAl24)を生成するのに適した比率の硫化バリウムと硫化アルミニウムを含む粉末を作成した。約8ミリグラムの混合粉末を、アルミナのるつぼに入れ、試料に通すプロセスガスを定量分析する質量分析計が接続された熱重量分析装置と示差走査熱量計の組み合わせに入れた。プロセスガスは、ドーパントとして2000ppmの酸素を含むアルゴンからなる。図3は、5℃/分の割合で温度を高めたときの試料重量の変化と試料との間の熱移動を時間の関数として示している。図4は、同じデータを温度の関数として示している。図5は、プロセスガスの対応する質量分析データを時間の関数として示している。データから、約490℃、600℃、780℃及び850℃で不連続な反応が起きていることが明らかである。重量データから、最初に490℃まで重量が増加し、その後490℃で重量が減少し、490℃から再び重量が増加し、その後600℃で重量が減少していることが分かる。温度が引き続く上昇するとき、試料重量は再び780℃まで増加し続け、次に850℃で突然重量が減少する。これに続いて、重量は再び増加した後1050℃近くで安定する。この階段的な作用は、重量が増加しているときはアニオン空孔を満たす酸素を試料が獲得することと、重量が減少しているときは硫黄が置き換えられ二酸化硫黄として生成されることによって説明される。
消費されたガスと発生したガスの定量化を重量変化の分析と組み合わせることにより、前述のような各段階でできた化合物の性質を推定する手段が提供された。熱移動データによって、試料からの二酸化硫黄の発生に吸熱反応が対応していることが分かる。二酸化硫黄は、原子質量単位48、50、64及び66を含む質量分析断片パターンによって識別される。プロセスガスから水蒸気の消費は同時に起こらないが、酸素の消費はある。850℃のすぐ上でできた最終生成物は、チオアルミネートバリウム(BaAl24)と実質的に同等な単位格子寸法を有する化合物であることがX線回折によって分かった。この温度よりも上での重量増加は、この構造のアニオン空孔が酸素で満たされることによるものである場合がある。全体の質量分光分析と物質収支分析により、化合物がほぼBaAl222の化学組成を有することが分かる。また、約1100℃よりも高い温度では、二酸化炭素の発生が認められ、これは、試料中またはるつぼ内の不純物として最初から存在する炭化カルシウムの酸化または炭酸塩の分解によるものである可能性がある。
例II
例Iと類似の4.3ミリグラムの粉末試料を、プロセスガスの一連の熱重量分析、示差走査熱量測定、及び質量分光分析にかけた。この例では、プロセスガスは、やはり2000ppmの酸素を含むアルゴンであったが、温度上昇率は、5℃/分よりも高い約20℃/分であった。図6に、試料の重量変化、試料に対する熱移動、及び試料温度を時間の関数として示す。プロセスガスの質量分析データを、図7に原子質量単位12〜20に関して示し、図8に原子質量単位21〜40に関して示し、図9に原子質量単位42〜54に関して示し、図10に質量単位64〜80に関して示す。この例では、約490℃と600℃で起こる反応は、質量損失を伴う。同様に、約780℃と840℃での反応は、例Iのような重量増加ではなく850℃より高い温度で連続する質量損失を伴う。全体的な重量変化は類似しており、最終生成物は類似の組成を有する。重量変化に見られる違いは、一連の反応の各反応が次の反応の開始前に完了するために使用できる時間が少ないことによるものである可能性が高い。この例では、瞬間反応速度が高くなっており、図7と図8の質量単位16と32の濃度で測定されたような反応が酸素を消費するときの酸素濃度の低下は、例Iの場合よりも明らかである。
熱量測定データは、例Iと同じように反応と関連した吸熱ピークを示しているが、840℃における吸熱ピークではなくて発熱ピークは、結晶格子の実質的な内部再構築が起こっているが、発生した二酸化硫黄が少なく、同時に起こっている吸熱の量が少ないことを示している。また、950℃、980℃、及び1060℃で小さな熱異常状態があり、これは、これらの温度で初期反応が起きている可能性を示し、850℃での反応が完了していないことを示唆している。1100℃で、プロセスガスが空気に切り換えられ、この時点で、試料の著しい質量増加と同時に実質的な発熱線が観察され、また試料中またはるつぼ内の炭化カルシウムの酸化による可能性があるプロセスガス流中の二酸化炭素(質量単位44)の著しい増大が観察された。また、空気の導入により酸素濃度が高くなるときの酸素濃度の短い低下と、それに対応する二酸化硫黄のピークが観察された(質量単位44、46、64及び66)。試料の物質収支と共に質量分析結果を分析することによって、アルゴン中の2000ppmの酸素により形成された化合物BaAl222が空気と反応してアルミナと硫酸バリウムが直接できたことが分かる。
例III
この例は、蛍光体材料を空気中で加熱したときに蛍光体材料と関連して潜在的に望ましくない化合物がどのようにできるかを示す。
以上の例の試料と類似した試料7.5ミリグラムを、プロセスガスとして空気を使用して、一連の熱重量測定、示差走査熱量測定及び質量分析法測定にかけた。この事例では、420℃と475℃で実質的な発熱線が観察され、600℃でこれよりも弱い発熱線が観察された。図11に熱重量測定及び熱量測定データを示す。図12に、対応する質量分析データを示す。
質量分析データから、420℃と475℃における反応が、原子質量18と原子質量32のデータによって明らかなような水蒸気と酸素の消費と、硫化水素ではなく二酸化硫黄の発生を伴うことが分かる。このデータは、物質収支データと組み合わされて、ほぼ式BaAl22O(OH)2で表される組成を有する化合物ができることを示す。この化合物ができると、後の段階におけるBaAl222の形成が妨げられる。水酸化物イオンを含む化合物ができる原因となる反応の抑制は、例1と例2と同じように、酸素濃度を低くすることによって達成することができ、これは、これらの反応が水と酸素の両方の消費を必要とし、反応平衡定数が、低い酸素圧力下での反応に有利になるように反応の平衡点を後ろにずらす傾向があるためである。この移行は、水蒸気圧を低くすることによって同様に達成することができるが、これは、水が材料に吸収される傾向のため実際には達成が困難である。
水酸化物イオンを含む化合物の形成を抑制することは、含まれる水素が流動的でエレクトロルミネセンス装置の動作中に蛍光体材料の電気化学的劣化の進行に寄与することがあるため有利である。
例IV
分析前に水分を含む空気に様々な程度にさらした20ミリグラムの3つの試料を、125ppmの酸素をドープしたアルゴン中で加熱したときに一連の熱重量測定分析と示差走査熱量測定にかけた。温度は、20℃/分の割合で1100℃の温度まで高めて、その温度を30分間維持し、その後で、20℃/分の割合で500℃まで冷却した。次に、プロセスガスを空気に切り換え、試料を1100℃に再び加熱し、次に1100℃で数時間維持した。そのデータを図13に示す。この図から、試料は、600℃まで加熱されたときにその重量の2〜4パーセントが失われたことが分かる。この差は、硫化物材料と空気からの酸素と水分の少なくとも一方との反応による様々な酸化物または水酸化物の含有量によるものと推定される。600℃より上で、試料は重量が約0.5%増えた。冷却後、空気中で再加熱したとき、試料重量は、温度が1060℃に達するまで安定しており、その温度で試料は数秒以内に約10%の重量損失が生じた。温度が1100℃で維持されたとき、試料は、重量がゆっくりと回復して実質的に最初の重量になる。1060℃における試料の重量変化は、硫化バリウムとアルミナを含む反応生成物にほぼ相当する。その後の重量増加は、硫化バリウムから硫酸バリウムへの変換と関連している。これらの反応生成物は、温度プログラムにおける各点で得られた新しい試料のX回折測定値によって確認された。
1100℃の初期の加熱期間後に室温まで迅速に冷却したひとつの試料と、空気中の2回目の加熱中にかなりの重量を失う直前に冷却した他の試料の2つの追加の試料のX線回折パターンを比較することによって、この両方の試料が、実質的に同じ結晶格子パラメータを有する単一相材料からなるが、試料の回折線の相対強度が、酸素原子で満たされている結晶格子内の空孔と一致して結晶単位格子内の原子の配列が異なることを示すように異なることが分かった。以上の分析は、酸素をドープしたアルゴン雰囲気中の酸素をゆっくりと吸収してBaAl24-xx(ここで、xは約0.1)となるBaAl24-xの形成と一致している。この化合物は、1060℃の空気中で突然分解して、主に硫化バリウムとアルミナ、及び少量のアルミン酸バリウムを含む生成物となる。図14に、酸素を125ppm含むアルゴン中で加熱するための750℃〜1100℃の温度範囲の熱分析データが拡張されている。これは、840℃、950℃、980℃での発熱異常と、1060℃の空気中での高速分解の開始に対応する1040℃での吸熱異常を示す。980℃の発熱異常が最も大きい。このデータは、例1と例2の試料の同じ温度の熱量測定データと比較される。例1では、840℃における異常は吸熱性のものであり、他のものは存在しなかった。例2において、840℃における異常は発熱性のものであり、他の異常は存在するがほとんど分からない程度であった。これらの結果から、この異常が、高い酸素移動を伴う硫化物材料中の初期の結晶学的相転移のある温度に対応するものであり、また十分な酸素が存在する場合に酸硫化物化合物ができることが分かる。酸素が不十分な場合は、反応は部分的にしか起こらないことがあり、初期不安定性がある場合には、材料の一部分は別の温度に達するまで硫化物として残る。この時点で、酸硫化物の形成が再び加速されるが、これは、酸素供給が促進する程度までだけである。温度が高くなるとき、材料が酸素で完全に飽和されるか最後の不安定点が過ぎるまで、不十分な酸素を消費する反応がさらに起こる。
例V
ユーロピウムで活性化したチオアルミネートバリウムからなる薄膜蛍光体層を含む2つの厚膜誘電体エレクトロルミネセンス装置を構成した。厚膜基板は、0.1cmの厚さを有する5cm×5cmのアルミナ基板からなる。2000年5月12日に出願された本出願人の同時係属国際出願PCTCA00/00561号(この出願の全体は参照により本明細書に組み込まれる)に例示された方法により、基板上に金電極を付着させ、次に厚膜高誘電率誘電体層を付着させた。この厚膜誘電体層の上に、2001年1月17日に出願された本出願人の同時係属米国特許出願第09/761,971号(この出願の全体は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されたゾルゲル技術を使用して、約100〜200ナノメートルの厚さを有するチタン酸バリウムからなる薄膜誘電体層を付着させた。
チタン酸バリウム層の上に、2000年12月22日に出願された本出願人の同時係属米国特許出願第09/747,315号(この出願の全体は参照により本明細書において組み込まれる)に記載された方法によるデュアルソース電子ビーム蒸着を使用して蛍光体薄膜を電子ビーム蒸着した。2つの蒸着ソースは、硫化アルミニウムと、ペレットの形の硫化バリウムと硫化ユーロピウムの溶融混合物であった。蛍光体の蒸着は、圧力が約8x10-5〜約2x10-4torrの硫化水素の低圧雰囲気中で約350℃〜500℃の範囲の温度で基板に実行された。蒸着は、テ゛ュアルソースを使用して電子ビーム蒸着によって行った。硫化アルミニウムの蒸着速度は、残りの成分がない状態で水晶モニタを使用して測定したときに5〜7オングストローム/分の範囲であり、残りの構成要素の蒸着速度は、硫化アルミニウムがない状態で、やはり水晶モニタを使用して測定したときに3.5〜5.5オングストローム/分の範囲であった。蒸着した蛍光体薄膜の厚さは、約3000〜4500オングストロームの範囲であった。
熱処理前に、蛍光体層の元素組成がX線(EDX)によるエネルギー分散分析を使用して測定され、硫黄に対する酸素の原子比率は、約0.1〜0.2の範囲であることが分かった。
蒸着後に、蛍光体を被覆した基板を、酸素10%を含むアルゴン雰囲気中で約850℃の温度で約2分間熱処理した。厚さ50ナノメートルのアルミナ薄膜とインジウム酸化錫透明導体を蛍光体の上に付着させて第2の電極を設けた。
比較のために、熱処理前の硫黄に対する酸素の比率が約2:1〜3:1の範囲で熱処理雰囲気が約700℃の温度の純粋窒素からなること以外同じように構成した第2の装置を作成した。
この2つの装置を、交番する極性の32マイクロ秒幅の方形波パルスと240光パルス/秒を提供する周波数120Hzを使用して試験した。パルス振幅を10ボルトづつ260ボルトまで変化させた。前者の装置は、輝度がその最初の輝度の半分に低下するまでに、後者の装置の約100時間に対して、約1000時間動作した。
本発明の代表的な厚膜誘電体層と蛍光体組成物を含むエレクトロルミネセンス要素の断面の概略図である。 フルカラーエレクトロルミネセンス画素とその構成副画素の概略的な平面図である。 2000ppmの酸素を含むアルゴン中で5℃/分の割合で温度を高めたときにチオアルミネートバリウムを構成する適正な割合の成分からなる試料に見られる重量変化と熱移動を示すグラフである。 図3のデータを温度の関数として示すグラフである。 質量分析法を使用して測定した、図3の試料からの排出気体中の原子種の濃度を示すグラフである。 2000ppmの酸素を含むアルゴン中で毎分20℃の割合で温度を高めたときにチオアルミネートバリウムを構成する適正な割合の成分からなる試料に見られる温度と重量変化と熱移動を示すグラフである。 質量分析法を使用して測定された、図5の試料からの発生気体中の原子質量12〜20を有する原子種の濃度を示すグラフである。 質量分析法を使用して測定された、図5の試料からの発生気体中の原子質量21及び40を有する原子種の濃度を示すグラフである。 質量分析法を使用して測定された、図5の試料からの発生気体中の原子質量42及び54を有する原子種の濃度を示すグラフである。 質量分析法を使用して測定された、図5の試料からの発生気体中の原子質量64及び80を有する原子種の濃度を示すグラフである。 空気中で20℃/分の割合で温度を高めたときにチオアルミネートバリウムを構成する適正な割合の成分からなる試料に見られる重量変化と熱移動を示すグラフである。 質量分析法を使用して測定された、図11の試料からの発生気体中の原子種の濃度を示すグラフである。 示した温度プロファイルに従って125pmmの酸素を含むアルゴン中で温度を高めたときにチオアルミネートバリウムを構成する適正な割合の成分からなる試料に見られる温度と重量変化と熱移動を示すグラフである。 750℃〜1100℃の温度における図13に示したものと類似の試料との間の熱移動を示すグラフである。
符号の説明
10 エレクトロルミネセンス装置
12 ベース基板
14 列電極
16 厚膜誘電体
18 薄膜誘電体
20、22、24 画素行
26 赤色蛍光体
28 薄膜誘電体
30 行電極
32 緑色蛍光体
34 薄膜誘電体
36 行電極
40 薄膜誘電体
42 行電極
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