JP2005522582A - 白金族金属の抽出方法 - Google Patents

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Abstract

原料物質を熱処理して、シアン化物の浸出可能な状態でPGMを含む残留物を生成し、その後、シアン化物を含む溶液を用いて前記残留物をシアン化物浸出して、溶けた状態でPGMを含むシアン化物富化浸出溶液を生成することにより、原料物質からPGMを抽出することができる。

Description

本発明は、白金族の金属(PGM)を含む原料物質から、熱処理とそれに続くシアン化物を含む溶液による浸出(leaching)を用いて、PGMを抽出する方法に関する。本明細書では、「PGM」という表現は、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム及びこれらの混合物を含む群から選択される金属を表すために使用される。
原料物質は卑金属を含んでいてもよく、本発明はまた原料物質から卑金属を抽出する方法にも関する。本明細書では、「卑金属(base metal)」という表現は、銅、ニッケル、鉛、スズ、亜鉛、コバルト及びこれらの混合物を含む群から選択される金属を表すために使用される。
PGMは別々の鉱物として、或いは、典型的には主な硫化物鉱物(例えば、ペントランド鉱、黄銅鉱又は磁硫鉄鉱)中に希薄な固溶体として存在し得る。PGMの分離化学は、知られている最も複雑なものの1つであり、処理は通常、鉱石の硫化物又はクロミタイト含量が増加するにつれて一層複雑になる。PGMの豊富な鉱石には、金が存在することが多い。
少量の卑金属硫化物を含む低硫化物PGM鉱石は、通常、微細摩砕(fine grinding)と総合浮選(bulk flotation)により処理されて、比較的低グレードのPGM精鉱(concentrate)となる。使用される浮選試薬は、銅やニッケルの硫化物に通常使用されるものと同じようなものである。次いで、浮選精鉱は、製錬(smelting)の前に乾燥され、ニッケル−銅−鉄−PGMマットとなる。製錬は、還元剤と融剤の存在下で、金属をその鉱石から分離する過程である。
白金族の金属は、ケイ酸塩溶融物より硫化物溶融物に、より大きな親和性があり、従ってスラグよりむしろマット相に多く分配される。溶融している間に、空気をマットに吹き込んでマットを酸化し、鉄及びいくらかの硫黄を除去することにより、マットは「転換」される。次に、転炉マットは、顆粒化されるか、或いは、ゆっくりと放冷されて、硫化ニッケル、硫化銅、及び白金族の金属含有磁性層の別々の結晶相が形成される。次に、このマットは卑金属精錬所(refinery)に送られ、そこで、磁選とそれに続く酸浸出により、或いは直接酸浸出により、銅、ニッケル及びコバルトのような卑金属が除去、採収され、その残りとして高グレードのPGM精鉱が得られる。次いで、高グレードPGM精鉱は、個々のPGM元素を金属の形で生成させるPGM精錬所に送られる。この経路は費用がかかり、比較的低グレードの硫化物鉱石に対しては十分に満足すべきものではない。
経済的に見合う量のニッケルと銅(卑金属)を含む中硫化物鉱石は、通常、微細摩砕と選択浮選により処理されて、ニッケル・銅・PGM硫化物精鉱となる。この精鉱は、自溶炉で製錬されて、PGM含有マットとなる。このマットは、様々な方法で処理されて、ニッケルと銅の金属生成物と、精錬所に送られるPGM含有副生成物となる。
経済的に見合う量のニッケルと銅を含む高硫化物鉱石もまた通常、最初に、微細摩砕と選択浮選により処理されて、磁選され、或いは磁選なしで、ニッケル・銅・PGM及び銅・PGM硫化物の精鉱に分かれる。通常低グレードであるニッケル・銅・PGM精鉱は、いくらかの硫黄を除去するために焼成され、次に、中硫化物鉱石からの精鉱のように、反射又は自溶炉で製錬される。
このような先行技術の方法はまた、浮選ステップの替わりに、或いはそれと共に、比重選鉱を含むことがある。現行の一方法の工程図の単純化されたブロック図が本願明細書の図1に与えられている。比重法又は浮選によるPGMの採収は、硫化物鉱物の含有濃度が低い鉱石では困難であろう。
従来の方法にはいくつかの限界がある。いくつかのPGM鉱石及び、特に既存の操作による酸化物鉱石(oxide ore)を、製錬所(smelter)により処理され得る精鉱を製造するのに十分なだけ浮選によってアップグレードすることはできない。同じことは、高クロミタイト鉱石の場合にあてはまることが多い。全工程の電力消費は大きく、製錬工程は、高クロミタイト鉱石を処理し難く、実収率(recovery)とコストに悪影響を及ぼす。
PGM製錬処理能力は限られた数の国、特に、南アフリカ、カナダ、アメリカ及びロシアに集中している。既存の製錬所は通常、製錬所に付随する鉱山もまた通常運営する少数の企業により所有されている。さらに、既存の製錬所への精鉱の輸送には費用がかかり、既存の製錬所から遠く離れて事業を設立することが困難になっている。
PGM精錬処理能力は製錬処理能力ほど集中しておらず、操業している鉱山と製錬所に付随するもの以外に、ヨーロッパとアジアで操業している独立した多くの精錬所がある。
したがって、PGM精鉱の総合処理市場は、他の多くの金属市場ほど競合的でない。比較的小規模な事業企画は製錬所と精錬所に必要とされる大きな投資を正当化し得ない。したがって、製錬所を通らず、精錬所に直接出荷され得る高グレードの精鉱を提供するために、出荷されるPMG精鉱をアップグレードする改良された方法が求められている。これは、製造コストを低下させるだけでなく、市場での競争力を増大させるであろう。
従来技術で示唆された、従来の処理方法に対する1つの代替方法は、細かく摩砕された鉱石からのPGMの選択的浸出である。先行する技術文献に記載された、白金族の金属に対して認められた溶剤系はまったく存在しない。臭化物、塩化物、水酸化物、シアン化物、二硫化物、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、及びポリ硫化物のイオン並びにアンモニアはすべて、白金族の金属と錯体を形成するのに適する配位子であることが示唆されてきた。しかし、これらの錯体のいくつかの安定性及び低い溶解性、並びに、鉱石中の脈石鉱物とのそれらの反応性のために、これらの配位子のいくつかは、白金族の金属の浸出剤としては不適切である。
PGMは通常、鉱石から採収されるが、使用後の自動車及び他の産業用触媒から、またコンピュータや電子機器スクラップからPMGを回収する重要な市場も存在する。鉱石以外の原料物質からPMGを抽出する改良された方法が求められている。
先行技術の技法は本願明細書に参照されるが、このような参照は、これらの技法の何れかが、オーストラリア又は他のいかなる国における当技術分野の共通の一般的知識一部をなすということを承認することにはならないことが明確に理解されるべきである。
請求範囲も含めて、この明細書を通して、「含む」及び「含んでいる」という用語は、明示的な言語又は必然的な含意により状況が別の意味を要求する場合以外は、非排他的な意味で、すなわち「全体の一部として含む」という意味で使用されている。
本発明は、原料物質中に存在する不溶PGMを、シアン化物溶液に可溶な形に変換するために、熱処理を用いることができ、また、続いてのシアン化物を含む溶液での浸出は、熱処理されたPGMのかなりの量を溶解させ得るという認識に基づいている。
本発明の一態様によれば、1種又は複数のPGMを含む原料物質から少なくとも1種のPGMを抽出するための方法が提供され、この方法は、
原料物質を熱処理して、シアン化物の浸出可能な状態でPGMを含む残留物を生成するステップ;及び
シアン化物を含む溶液を用いて前記残留物をシアン化物浸出して、溶けた状態のPGMを含む、シアン化物富化浸出溶液を生成させるステップ;
を含む。
好ましくは、熱処理ステップは、原料を破壊して原料からPGMを遊離させるために、低温で、例えば550℃未満で実施される。熱処理ステップを高温で、例えば550℃より高温で実施することは可能であるが、熱処理は550℃未満、より好ましくは500℃未満で実施されることが好ましい。高温である程、事業資本と運転支出が大きくなる。さらに、高温では、特に酸化性雰囲気では、原料物質からPGMが遊離する時にPGMの表面が不動態化され易いので、PGMがシアン化物浸出され難くなるであろう。好ましくは、熱処理ステップは、200℃から550℃、より好ましくは275℃から500℃の範囲の温度で実施される。得られる残留物が、シアン化物の浸出可能な状態でPGMを含むのであれば、低温熱処理を、酸化性又は還元性の雰囲気で実施することができる。酸化性雰囲気での低温熱処理は、通常、満足のいくものであることが見出されている。この明細書では、「焼成」という用語は、酸化性雰囲気での熱処理ステップを表すために用いられている。
PGMを含む硫化物含有鉱物が、シアン化物浸出の前に、375℃から425℃の範囲の温度で焼成された時にPGMの実収率は最高であることが、試験で見出されたので、この温度範囲での焼成が特に好ましい。しかし、選択される具体的な熱処理条件は、原料物質の詳細な性質により影響されるであろうということに注意すべきである。
熱処理ステップは、高温で、酸化性雰囲気でも還元性雰囲気でも実施され得るが、高温での表面PGMの不動態化の問題は、還元性雰囲気では軽減されることが見出されたので、高温熱処理は、還元性雰囲気で、550℃と1000℃の間の温度で実施されることが好ましい。別法として、熱処理ステップに酸化性及び還元性条件の組合せを利用してもよい。
好ましくは、シアン化物浸出ステップは、常温と160℃の範囲の温度で実施される。温度上昇によるシアン化物の分解を最小限にするために、温度は80℃を超えないことが好ましい。こうして、より好ましくは、シアン化物浸出ステップは、常温から80℃の範囲の温度で実施される。80℃より高い温度でのシアン化物浸出を用いて、PGMを抽出することもできるが、そうすると、シアン化物を多く消費し、従ってまた運転コストが増加する結果になる。別法として、シアン化物浸出ステップは、金属の溶解速度と金属の全体としての実収率を増大させるために、加圧下に、80℃と160℃の範囲内の温度で実施され得る。
シアン化物浸出ステップは、原料物質のタイプに応じて、120時間、或いはそれ以上かかり得る。好ましくは、シアン化物浸出ステップは、36〜48時間かけて実施される。
加圧下にシアン化物浸出中、反応速度を増加させるために、好ましくは、酸素源が注入される。
さらに、本発明の方法は、シアン化物浸出液中のPGM濃度を増加させるために、シアン化物浸出ステップを繰り返すステップを含んでいてもよい。
原料物質は、少なくとも1種の卑金属もまた含み得る。原料物質が少なくとも1種の卑金属を含む場合、好ましくは、本発明の方法は、シアン化物浸出ステップの前に、少なくとも1種の卑金属を溶けた状態で含む酸富化浸出溶液を生成させるための酸浸出ステップをさらに含み得る。好ましくは、酸浸出ステップは、常温と200℃の間の温度で、大気圧と20barの間の圧力で実施される。より好ましくは、酸浸出ステップは、大気圧で、常温と100℃の範囲の温度で実施される。
好ましくは、酸浸出ステップは、硫酸、塩酸、酸塩化物又はこれらの組合せを含む群から選択される酸での浸出ステップを含む。選択される具体的な酸は通常、鉱区での入手し易さに応じて変わり、硫酸は他の冶金工程の一般的な副生成物であるため、最もコストのかからない入手可能な酸であることが多い。酸は、酸として直接添加されるか、或いは、塩酸の場合には、例えば、塩化ナトリウムと硫酸の添加により、塩酸を生成させて、酸を生成させてもよい。
卑金属の少ない原料物質では、酸浸出ステップは不要であり得ることに注意すべきである。高濃度の卑金属を含む原料物質では、酸浸出ステップは、卑金属の実収率を向上させ、またシアン化物の消費を減らす。
酸富化浸出溶液からの卑金属の採収は、溶剤抽出、イオン交換、電解採収、還元及び沈殿又はこれらの組合せのような、通常の方法の何種類でも用いて実施され得る。好ましくは、本発明の方法は、溶剤抽出と、それに続く電解採収により、酸富化浸出溶液から少なくとも1種の卑金属を採収するステップをさらに含む。別の好ましい手法は、沈殿により酸富化浸出溶液から少なくとも1種の卑金属を採収することである。
好ましくは、酸浸出ステップは、0.7から4.0の範囲内のpHで実施される。より好ましくは、酸浸出ステップは、1から3の範囲内のpHで実施される。尚一層好ましくは、酸浸出ステップは、1から1.5の範囲内のpHで実施される。
好ましくは、前記シアン化物浸出ステップは、シアン化物を含む溶液を用いて、アルカリ性のpHで実施される。より好ましくは、シアン化物浸出ステップは、9から12、最も好ましくは9から10の範囲内のpHで実施される。pHを9から10の好ましい範囲内に保つと、PGM、特に白金の実収率が増加することが見出された。
好ましくは、シアン化物を含む溶液のシアン化物の濃度は、5%より小さく、より好ましくは2%より小さく、さらに好ましくは1%より小さい。典型的には、シアン化物濃度は、0.05%から0.5%のシアン化物の範囲内であろう。最も好ましくは、シアン化物溶液のシアン化物濃度は、0.1%から0.25%のシアン化物の範囲である。好ましくは、シアン化物を含む溶液はシアン化ナトリウムを含む。
シアン化物を含む溶液は、石灰、苛性ソーダ、過酸化物、酸素、硝酸鉛又はこれらの組合せをさらに含み得る。
好ましくは、本発明の方法は、熱処理ステップの前に、原料物質を破砕及び/又は摩砕するステップをさらに含む。原料物質が鉱石である場合、破砕及び/又は摩砕を、PGMが脈石から遊離し易くするために使用することができる。本願明細書では、「脈石」という用語は、鉱物中の、通常1種又は複数のケイ酸質成分である不要な物質を表すために使用されている。脈石は、熱処理と次の(複数の)浸出操作に付される原料の量を減らして実収率を向上させ操業コストを下げるために、望ましくは熱処理の前に除去される。
好ましくは、破砕及び/又は摩砕のステップは、10から150ミクロンの範囲でP80に、原料物質を破砕及び/又は摩砕することを含む。本願明細書では、「P80」という表現は、指定した寸法の篩にかけられた原料の80%がその篩を通過することを表すために使用される。より好ましくは、破砕及び/又は摩砕のステップは、30から80ミクロンの範囲でP80に破砕及び/又は摩砕することを含む。尚一層好ましくは、破砕及び/又は摩砕のステップは、30から50ミクロンの範囲でP80に破砕及び/又は摩砕することを含む。
原料物質が脈石を含む場合、好ましくは、本発明の方法は、熱処理ステップの前に、原料物質から少なくとも一部分の脈石を除去するステップをさらに含む。少なくとも一部分の脈石を除去するステップは、好ましくは、PGM及び/又は卑金属の濃度が浮選前の濃度より高い浮選精鉱を生成する浮選ステップである。
浮選ステップは、脈石からPGM鉱物が分離されるように導くような条件の下で実施されるであろう。NaSH、硫酸銅、SIBX、SNPX、aeropromoter、ケイ酸ナトリウム及び起泡剤のような試薬が、浮選プロセスを容易にするために添加され得るであろう。捕集剤や抑制剤のような特定の試薬、並びに、浮選で選択されるpHのような他の変数は、鉱石のタイプとグレード、並びに、鉱石中に存在する脈石鉱物のタイプに依存するであろう。
直列又は並列に配置された何台の浮選機でも、さらに、実際には、脈石から鉱石を分離する他の適切な装置又は方法、例えば、ジグ選鉱機、振動台、或いはKnelson又はFalcon選鉱機を用いる比重選鉱、磁選、光学的選別、電気集塵(electrostatic precipitation)でも同様に、使用され得ることが理解されるであろう。
浮選精鉱は、さらに摩砕するか、又はミルにかけ、次いで、浮選と再摩砕のさらなる段階に付されてもよい。原料物質の破砕及び/又は摩砕ステップは、好ましくは、脈石の少なくとも一部分を除去するステップの前に行われる。
好ましくは、本発明の方法は、熱処理ステップの前に、浮選精鉱を摩砕するステップをさらに含む。好ましくは、本発明の方法は、熱処理ステップの前に浮選精鉱中のPGM及び/又は卑金属の濃度をさらに増大させるために、除去及び摩砕のステップを繰り返すステップをさらに含む。
好ましくは、熱処理ステップは、流動床又はロータリーキルンの炉で実施される。熱処理ステップは流動床又はロータリーキルンの炉で実施されることが好ましいが、入手し易さに応じて、また、その装置が原料物質を熱処理してシアン化物の浸出可能な状態でPGMを含む残留物を生成することが可能であれば、他のタイプの熱処理装置を使用してもよいことが理解されるべきである。
典型的には、熱処理ステップは、選ばれた熱処理条件の下で、少なくとも1時間、ロータリーキルン炉内に原料物質を保持することを含むであろう。熱処理ステップの好ましい保持時間は、熱処理装置の寸法とタイプ、原料物質の寸法とタイプ、並びに選択された熱処理条件を含む多くの変数に依存するであろう。
好ましくは、本発明の方法は、シアン化物富化浸出溶液からPGMを採収することをさらに含む。本発明の方法は、シアン化物富化浸出溶液から固体を除去してシアン化物浸出濾液とするステップをさらに含み得る。濾過、対向流デカンテーション、サイクロン分離又はこれらの組合せを含めて、固体/液体を分離する何れの適切な手段も用いることができる。
本発明の方法は、PGM及び/又は卑金属をシアン化物浸出濾液から採収するステップをさらに含み得る。採収ステップは、活性化カーボンへの吸着、溶媒抽出、イオン交換樹脂の使用、分子識別技術、電解採収、還元、沈殿、又はこれらの組合せを含み得る。
好ましくは、本発明の方法は、シアン化物浸出濾液から、1種又は複数の卑金属を採収するステップをさらに含む。好ましくは、卑金属を採収するステップは溶媒抽出ステップを含む。
PGMは、シアン化物富化浸出溶液から固体を沈殿させて透明なシアン化物浸出液とするステップ、及び、透明な浸出液から沈殿を分離するステップにより採収することができる。固体を沈殿させるステップは、シアン化物富化浸出溶液のpHを下げて、PGM(及び卑金属)を沈殿させることが含まれ得る。好ましくは、pHは1と2の範囲内に下げられる。
好ましくは、本発明の方法は、本発明の方法で再使用するために、シアン化物富化浸出溶液からシアン化物を回収するステップをさらに含む。通常の方法、例えば、酸性化/揮発/回収(AVR);スラリ又は溶液からの樹脂への吸収;或いは溶媒抽出;を用いて、シアン化物を回収し、本発明の方法にリサイクルすることができる。AVRを用いる場合、スラリ又は溶液は酸性化され、生成するシアン化水素ガスが、気流中の揮発で除去される。次に、シアン化水素ガスは、アルカリ溶液に吸収され、シアン化物浸出の循環経路にリサイクルされる。別法として、酸性化の段階で硫化物沈殿法によりシアン化物を採収することができる。沈殿金属は、固体−液体分離により溶液から採収され、次に、シアン化水素ガスが溶液から揮発させられ、アルカリ溶液に吸収される。
典型的には、原料物質中のPGMの濃度は、1トンあたり、1グラムから1000グラムの範囲にあり、浮選精鉱中のPGMは、1トンあたり、5から1000グラムの範囲にあるであろう。
好ましくは、原料物質はPGM鉱石、硫化物鉱物、浮選精鉱又は使用済み触媒である。
本発明の本質のよりよい理解を容易にするために、白金族金属を採収する方法の好ましい実施形態が、例示のためにのみ、添付図を参照しながら、これから詳細に記載されるであろう。
以下の例示において、処理される原料は硫化物鉱石である。このような鉱石を処理する典型的な工程図が図2に示されている。図2は、本発明の第1の実施形態による処理の典型的な工程図を示している。鉱石が破砕され摩砕され、次いで、浮選されて、尾鉱として報告される脈石からPGMと卑金属の豊富な精鉱に分けられる。精鉱は再摩砕され、摩砕生成物は、275℃から550℃の温度範囲での焼成のために、流動床のような適切な熱処理炉に搬送され得る。焼成過程で生成する二酸化硫黄が多く含まれ得る排出ガスは、通常、浄化されるであろう。原石が、酸浸出ステップを正当化するのに十分なだけ豊富な卑金属を含んでいる場合、焼成残留物は、酸浸出ステップで処理され得る。
酸浸出に続いて、卑金属を豊富に含む酸浸出液を除去するために、固体/液体分離工程が実施される。次に、既存の知られている方法の何れかを用いて、卑金属を採収することができる。次に、固体−液体分離段階で除去された固体に、常温と160℃の間の温度範囲でシアン化物浸出に付される。シアン化物浸出の後、残留物は尾鉱に送られ、シアン化物富化浸出濾液は、卑金属及び/又はPGMを取り去るために、さらに処理されながら、固体/液体分離ステップが再び実施される。採収工程の後、それからPGM精鉱は末端ユーザーに向けて出荷するのに充てられる。
図10に関しては、PGM精鉱又はPGMを含む鉱石は焼成に付され、焼成過程による排出ガスは、大気中に排気される前に、知られている何らかの方法を用いて処理され得る。焼成の後、残留物は再びパルプ化され再摩砕され、次いで、シアン化物浸出が行われる。浸出の後、次に再パルプ化され残留物貯蔵設備に送られる固体と、PGM及び卑金属を沈殿させるために酸が添加される透明なシアン化物浸出液とに分けるために、固体/液体分離段階が用いられる。酸性化ステップの間、シアン化物は揮発し、そのシアン化物はアルカリに吸着させることにより採収され、シアン化物は浸出段階にリサイクルすることができる。
固体/液体分離段階が沈殿したPGM及び卑金属を除去するために用いられ、溶けた状態で残っているPGM又は卑金属は、溶液が、浸出後の固体/液体分離ステップにおいて洗浄液として使用されるか、或いは固体残留物の再パルプ化に使用される前に、イオン交換により溶液から採収される。次に、PGM/卑金属の沈殿に、卑金属を溶解させるために、加圧酸浸出が行われる。これに続いて、PGM含有残留物と、卑金属を含む溶液とを分けるために、固体/液体分離が行われる。次に、卑金属を沈殿させる硫化物の添加により、卑金属が溶液から採収される。
固体/液体分離段階が沈殿した卑金属を除去するために用いられ、次に、透明な溶液は、浸出段階にリサイクルするシアン化物を再生するために、シアン化物の揮発と、アルカリの添加によるシアン化物の吸着を用いて処理される。シアン化物の揮発の後、残りの液は吸着段階に従い、次に溶離と電解採収により、PGMが採収される。溶離段階の後、酸と共にさらに硫化物を添加して、残っている卑金属をすべて沈殿させ得る。
これから、本発明を例示するために、試験に基づく例が示されるが、如何なる仕方においても、本発明の方法を限定していると解釈されるべきではない。試験は、酸化鉱石(oxidised ore)、すなわち、地表近くに存在し酸化されているかもしれない鉱石、60メートル未満と言われる表面鉱石より下にある一次鉱石(primary ore)の何れか、並びに全鉱石について実施された一連の試験として、以下に記載される。試験を通して、シアン化物浸出溶液は、シアン化ナトリウム、石灰、硫酸及び硝酸鉛の組合せであり、各実施例での濃度は、シアン化物浸出溶液中のシアン化ナトリウムのパーセンテージにより決められる。
一次鉱石浮選精鉱の焼成−浸出
最初の一連の試験では、53μmの公称P80通過径をもつ一次鉱石浮選精鉱を一連の温度、すなわち、330℃、400℃、450℃及び500℃で2時間焼成した。次に、焼成された鉱石に、pH9.5、60℃で48時間のシアン化物浸出に付された。シアン化物浸出残留物を24μmのP80に再摩砕して、同じ条件で2回目のシアン化物浸出に付した。図3には、PtプラスPdプラスAuの重み付き平均として表された実収率への焼成温度の効果が示されている。図3により明らかであるように、最高の結果は、400℃の焼成で得られており、48時間後に、Ptの実収率は72.7%、Pdの実収率は91.8%、またAuの実収率は99%であった。
Pt、Pd、Au、Ni、Co及びCuのすべての実収率が下の表1に示されている。
Figure 2005522582
53μmのP80径をもつ一次鉱石浮選精鉱を400℃で2時間焼成し、シアン化物浸出に先立ち続いて行われる再摩砕の効果を評価した。再摩砕なしで、再摩砕して33.5μmのP80径にして、また、第3の試験では再摩砕して12.8μmのP80径にして試験を実施した。次のシアン化物浸出は、pH9.5、60℃で48時間まで実施され、その結果は下の表2に与えられている。図4は、再摩砕のない場合に、時間の関数として、Au、Pt及びPdについて、抽出金属パーセントを示している。図5は、33.5μmのP80径に再摩砕した場合に、時間の関数として、Au、Pt及びPdについて、抽出金属パーセントを示している。図6は、12.8μmのP80径に再摩砕した場合に、時間の関数として、Au、Pt及びPdについて、抽出金属パーセントを示している。
Figure 2005522582
これらの図は、シアン化物浸出の前により細かく摩砕すると、実収率を向上させ得ることを示している。
酸化鉱石浮選精鉱の焼成−浸出
酸化鉱石浮選精鉱をある温度範囲で焼成し、次にシアン化物浸出を行って試験を実施した。酸化鉱石のP80通過径は53μmであった。焼成を、350℃、400℃及び450℃で2時間実施して、次に再摩砕してP80径を20μmにした。次に、試料に、pH9.5、60℃で48時間、シアン化物浸出を行い、実収率が表3と図7に与えられている。
Figure 2005522582
図8は、400℃の温度で焼成した場合について、時間の関数として、Au、Pt、Pd、並びに、Pt+Pd+Auの重み付き平均の実収率パーセントを示している。
焼成された酸化鉱石浮選精鉱の酸浸出
試験は、400℃での焼成後に続いて行われるその後の酸浸出の効果を評価するために実施された。53μmのP80径をもつ酸化鉱石浮選精鉱を、400℃で2時間焼成した。P80径を20μmにする再摩砕を、酸浸出を続いて行わない試料に実施したが、酸浸出される試料には再摩砕を実施しなかった。酸浸出を、硫酸を用いて、pH1.5で、常温で8分間実施した。次に、2つの試料に、pH9.5、60℃で48時間、シアン化物浸出を行った。結果が下の表4に与えられている。
Figure 2005522582
酸浸出の効果は、Pt及びAuの実収率に過度に影響を与えることなく、卑金属であるNi、Co及びCuの実収率を増加させることである。驚くべきことに、Pdの実収率は、続いての酸浸出により向上した。
全鉱石についての酸化物鉱石焼成浸出試験
38μmのP80通過径をもつ酸化物鉱石について、375℃と400℃の間で変えた焼成温度の効果を評価するために試験を実施した。焼成を2時間行い、後で再摩砕も酸浸出も行わなかった。次に、pH9.5、60℃でシアン化物浸出を48時間実施し、その結果は次の表5に与えられている。
Figure 2005522582
図9は、上の表5に記載された結果に対して、時間の関数として実収率パーセントを示している。
浸出温度の効果
シアン化物浸出温度を変える効果を評価するために実施された試験の結果が、下の表6に要約されており、また図11にプロットされている。
試験結果は、PGM金属の実収率が、60℃のシアン化物浸出温度まで増加し、そして横ばいになり、75℃まで僅かに減少することを示している。卑金属の実収率は、試験された範囲内で僅かに変化するが、高温では減少する傾向があった。このように、好ましい浸出温度として、60℃が選択された。
Figure 2005522582
シアン化物浸出濃度
摩砕焼鉱について、pH9.5、60℃、溶存酸素濃度+13ppmで48時間、シアン化物溶液のある濃度範囲に渡って、一連の浸出試験を実施した。
結果は表7に要約され、図12に示されている。
Figure 2005522582
表7と図12から、NaCN濃度が0.2%で、Pt実収率が最も大きく、0.4%のNaCNで、PdとAuの実収率は僅かに増加するにすぎないことが明らかである。こうして、0.2%のNaCN濃度が最適なものとして選択された。卑金属の実収率は、試験された最大のシアン化物濃度で若干大きかった。0.4%NaCNの余分なシアン化物のコストは、小さな実収率の増加によっては正当化されなかった。
石灰によるスラリpH
pH調節剤として石灰を用い、金属の実収率へのpHの影響を評価した。試験を通して記録されたpHの平均を評価の基礎として用いた。
結果は表8に要約され、図13にプロットされている。
Figure 2005522582
試験されたpH範囲で、結果は、PtとPdではpH9.1が最適であり、Auの実収率はpH9.5で最大であるが、pH9.2で僅かに小さいだけである。卑金属の回収は、試験された最低のpHで最大であった。
NaOHによるスラリpH
pH調節剤として苛性ソーダを用い、金属の実収率へのpHの影響を評価した。試験を通して記録されたpHの平均を評価の基礎として用いた。結果は表9に要約され、図14にプロットされている。
Figure 2005522582
試験されたpH範囲で、結果は、Ptの実収率は10.5で、AuはpH9.6で、Pdは10.5で最大であることを示している。しかし、苛性ソーダを用いる最高のPt実収率は、石灰で達成されたものより8%小さい。苛性ソーダで達成された最大のPd及びAuの実収率は、石灰で達成された89.0%と96.2%に比べて、90.7%と96.1%である。石灰による卑金属の実収率は、苛性ソーダより大きかった。
こうして、石灰が好ましいpH調節剤であると決定された。
浸出スラリ中の溶存酸素濃度
密封された浸出タンクの上部スペースに酸素又は空気を供給する速度を調節することにより、浸出スラリ中の溶存酸素(DO)濃度を変えた。金属の実収率への様々なDO濃度の効果が、表10に要約され、結果は図15にプロットされている。
Figure 2005522582
結果は、Ptの実収率が、6から13ppmのDO範囲に渡って最大であり変動が無かったこと、また、PdとAuの実収率は10から13ppmの範囲で最大であることを示している。卑金属の実収率は、6から13ppmのDO範囲に渡って同じように最大である。
10ppmのDO濃度が総合的に最適なものとして選択された。
硝酸鉛の使用
金属の実収率への硝酸鉛の効果が、表11に要約され、結果が図16にプロットされている。
Figure 2005522582
結果は、Pt及びPdの実収率が、0から50g/tの範囲の硝酸鉛添加率で最大になり、Auの実収率は、この添加率を超えて増加したことを示している。全PGM実収率は、0から100g/tの硝酸鉛添加率に渡って、差が0.5%の範囲内であり、添加率が大きくなると減少する。卑金属の実収率については、様々な硝酸鉛添加率で、特別な傾向はまったく認められなかった。硝酸鉛の使用コストと、示された極めて少ない実収率の増加では、この試薬の使用はこの実施例では正当化されない。
酸浸出試験
Midrex製ロータリーキルン中、400℃で焼成した後の精鉱について、酸浸出試験を実施した。硫酸を用いた浸出による卑金属の実収率に、焼成が如何なる効果をもつかを知るために、この試験は行われた。表12に与えられた結果は、それなりに低い卑金属の、特にニッケルの実収率を示している。
Figure 2005522582
酸浸出
焼成の前に卑金属を採収する可能性、並びに、下流の焼成及びPGM浸出と採収への酸浸出の効果を評価するために、精鉱の酸(HSOとHCl)浸出として一連の試験を実施した。
試験では、pH1.5で硫酸浸出を実施し、残ったもの(tail)を乾燥し、焼成/シアン化物浸出試験に回した。卑金属の実収率は一般に低く、銅、ニッケル及びコバルトの実収率は、それぞれ、32から44%、9から13%の範囲、13%であった。結果は表13に要約されている。
試験により、塩化ナトリウム存在下での焼成の後の塩酸浸出もまた調べられた。酸浸出での卑金属抽出は非常に少なく、銅、ニッケル及びコバルトの実収率はすべて10%未満であった。結果はやはり表13に要約されている。
Midrex製ロータリーキルン中で2時間焼成して製造された焼鉱の硫酸浸出を評価するためにも、試験はまた実施された。卑金属抽出は失望させるものであり、銅とコバルトでそれぞれ、最高の実収率は61.5%と63.8%であった。これらの試験結果もまた表13に要約されている。
Figure 2005522582
浸出スラリ密度
標準の条件を用いて、様々なスラリ密度で、一連の浸出実験を実施した。結果は表14に要約され、図17にプロットされている。
Figure 2005522582
結果は、45%固形分でPtの実収率が最大であり、密度の増加につれてPdとAuの実収率が極めて僅かに減少することを示している。卑金属、特にCuの実収率は、概ね、最低のパルプ密度で最大であった。浸出タンクのコスト、シアン化物のコスト及び高含有液による下流での利点についてのスラリ密度の評価により、使用される好ましいスラリ密度は固形分50%であることが示される。
本発明に従ってPGMを抽出する方法の好ましい実施形態が詳細に説明されたので、それが以下のいくつかの重要な利点を提供することが明らかであろう。
a)従来の方法のやり方では処理し得ないと思われる酸化物鉱石を処理できること。
b)従来の方法のやり方では処理し得ないと思われる高クロミタイト鉱石を処理できること。
c)精錬所に直接販売できるPGM精鉱が製造され、輸送コストが減り;金属の採算性がより良くなり;価格をより競争力のあるものとした製品で市場がより広がり;精鉱の出荷と支払いの受け取りの間の期間が短縮され;電力消費が減り、全製造コストが引き下げられる。
d)乾式製錬所を建設したり、或いは精鉱出荷に著しい出費を招くことなく、事業を拡張できること。
本発明の基本的な考え方から逸脱することなく、すでに記載されたもの以外に、多くの変形や修正が、金属工学の当業者には、自ずから示唆されるであろう。例えば、シアン化物浸出の複数の段階がPGM及び/又は卑金属の実収率を向上させるために実施され得る。このような変形と修正のすべては、本発明の範囲内であると見なされるべきであり、本発明の本質は前述の説明と添付の特許請求の範囲により定められるべきである。
白金族の金属を採収する従来技術の方法を示す工程図である。 本発明による方法の好ましい実施形態の工程図である。 実施例1の一次鉱石浮選精鉱について、Pt+Pd+Auの実収率への焼成温度の効果を示すグラフである。 実施例2の、400℃で焼成された一次鉱石浮選精鉱について、シアン化物浸出の前に再摩砕しない場合の、Pt、Pd及びAuの実収率パーセントの経時変化を示すグラフである。 実施例2の、400℃で焼成された一次鉱石浮選精鉱について、再摩砕して33.5μmでp80とした場合の、Pt、Pd及びAuの実収率パーセントの経時変化を示すグラフである。 実施例2の、再摩砕して12.8μmでp80とした場合の実収率を時間の関数として示すグラフである。 実施例3の、Pt、Pd及びAuの実収率とこれらの重み付き平均への焼成温度の効果を示すグラフである。 実施例3で、400℃で焼成された試料について、Pt、Pd及びAuの実収率パーセントの経時変化を示すグラフである。 375及び400℃で浸出された全鉱石試料について、Pt、Pd及びAuの実収率パーセントの経時変化を示すグラフである。 本発明の第2の好ましい実施形態の典型的な工程図である。 PGMの実収率への温度変化による効果を示すグラフである。 PGMの実収率へのシアン化物濃度の効果を示すグラフである。 PGMの実収率への、石灰を用いるpH変化による効果を示すグラフである。 PGMの浸出抽出への、NaOHを用いるpH変化による効果を示すグラフである。 PGMの実収率への、スラリの溶存酸素濃度の変化による効果を示すグラフである。 PGMの実収率への、(Pb(NO)添加量の変化による効果を示すグラフである。 PGMの実収率への、パルプ密度の効果を示すグラフである。
本発明の一態様によれば、1種又は複数のPGMを含む原料物質から少なくとも1種のPGMを抽出するための方法が提供され、この方法は、
原料物質を熱処理して、シアン化物の浸出可能な状態でPGMを含む残留物を生成するステップ;及び
シアン化物を含む溶液を用いて前記残留物をシアン化物浸出して、溶けた状態のPGMを含む、シアン化物富化浸出溶液を生成させるステップ;
を含む。
本発明の第2の態様によれば、1種又は複数のPGMを含む原料物質から少なくとも1種のPGMを抽出するための方法が提供され、この方法は、
原料物質を熱処理して、シアン化物の浸出可能な状態でPGMを含む残留物を生成するステップ;及び
シアン化物を含む溶液を用いて前記残留物をシアン化物浸出して、溶けた状態でPGMを含む、シアン化物富化浸出溶液を生成するステップ;
を含み、前記熱処理ステップが無機酸の添加無く実施されることを特徴とする。
好ましくは、熱処理ステップは流動床又はロータリーキルンの炉で実施される。これらの装置の各々は、熱処理の間、原料物質の攪拌を促進する。熱処理ステップは流動床又はロータリーキルンの炉で実施されることが好ましいが、入手し易さに応じて、また、その装置が原料物質を攪拌しながら熱処理してシアン化物の浸出可能な状態でPGMを含む残留物を生成することが可能であれば、他のタイプの熱処理装置を使用してもよいことが理解されるべきである。
本発明は、白金族の金属(PGM)を含む原料物質から、熱処理とそれに続くシアン化物を含む溶液による浸出(leaching)を用いて、PGMを抽出する方法に関する。本明細書では、「PGM」という表現は、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム及びこれらの混合物を含む群から選択される金属を表すために使用される。
原料物質は卑金属を含んでいてもよく、本発明はまた原料物質から卑金属を抽出する方法にも関する。本明細書では、「卑金属(base metal)」という表現は、銅、ニッケル、鉛、スズ、亜鉛、コバルト及びこれらの混合物を含む群から選択される金属を表すために使用される。
PGMは別々の鉱物として、或いは、典型的には主な硫化物鉱物(例えば、ペントランド鉱、黄銅鉱又は磁硫鉄鉱)中に希薄な固溶体として存在し得る。PGMの分離化学は、知られている最も複雑なものの1つであり、処理は通常、鉱石の硫化物又はクロミタイト含量が増加するにつれて一層複雑になる。PGMの豊富な鉱石には、金が存在することが多い。
少量の卑金属硫化物を含む低硫化物PGM鉱石は、通常、微細摩砕(fine grinding)と総合浮選(bulk flotation)により処理されて、比較的低グレードのPGM精鉱(concentrate)となる。使用される浮選試薬は、銅やニッケルの硫化物に通常使用されるものと同じようなものである。次いで、浮選精鉱は、製錬(smelting)の前に乾燥され、ニッケル−銅−鉄−PGMマットとなる。製錬は、還元剤と融剤の存在下で、金属をその鉱石から分離する過程である。
白金族の金属は、ケイ酸塩溶融物より硫化物溶融物に、より大きな親和性があり、従ってスラグよりむしろマット相に多く分配される。溶融している間に、空気をマットに吹き込んでマットを酸化し、鉄及びいくらかの硫黄を除去することにより、マットは「転換」される。次に、転炉マットは、顆粒化されるか、或いは、ゆっくりと放冷されて、硫化ニッケル、硫化銅、及び白金族の金属含有磁性層の別々の結晶相が形成される。次に、このマットは卑金属精錬所(refinery)に送られ、そこで、磁選とそれに続く酸浸出により、或いは直接酸浸出により、銅、ニッケル及びコバルトのような卑金属が除去、採収され、その残りとして高グレードのPGM精鉱が得られる。次いで、高グレードPGM精鉱は、個々のPGM元素を金属の形で生成させるPGM精錬所に送られる。この経路は費用がかかり、比較的低グレードの硫化物鉱石に対しては十分に満足すべきものではない。
経済的に見合う量のニッケルと銅(卑金属)を含む中硫化物鉱石は、通常、微細摩砕と選択浮選により処理されて、ニッケル・銅・PGM硫化物精鉱となる。この精鉱は、自溶炉で製錬されて、PGM含有マットとなる。このマットは、様々な方法で処理されて、ニッケルと銅の金属生成物と、精錬所に送られるPGM含有副生成物となる。
経済的に見合う量のニッケルと銅を含む高硫化物鉱石もまた通常、最初に、微細摩砕と選択浮選により処理されて、磁選され、或いは磁選なしで、ニッケル・銅・PGM及び銅・PGM硫化物の精鉱に分かれる。通常低グレードであるニッケル・銅・PGM精鉱は、いくらかの硫黄を除去するために焼成され、次に、中硫化物鉱石からの精鉱のように、反射又は自溶炉で製錬される。
このような先行技術の方法はまた、浮選ステップの替わりに、或いはそれと共に、比重選鉱を含むことがある。現行の一方法の工程図の単純化されたブロック図が本願明細書の図1に与えられている。比重法又は浮選によるPGMの採収は、硫化物鉱物の含有濃度が低い鉱石では困難であろう。
従来の方法にはいくつかの限界がある。いくつかのPGM鉱石及び、特に既存の操作による酸化物鉱石(oxide ore)を、製錬所(smelter)により処理され得る精鉱を製造するのに十分なだけ浮選によってアップグレードすることはできない。同じことは、高クロミタイト鉱石の場合にあてはまることが多い。全工程の電力消費は大きく、製錬工程は、高クロミタイト鉱石を処理し難く、実収率(recovery)とコストに悪影響を及ぼす。
PGM製錬処理能力は限られた数の国、特に、南アフリカ、カナダ、アメリカ及びロシアに集中している。既存の製錬所は通常、製錬所に付随する鉱山もまた通常運営する少数の企業により所有されている。さらに、既存の製錬所への精鉱の輸送には費用がかかり、既存の製錬所から遠く離れて事業を設立することが困難になっている。
PGM精錬処理能力は製錬処理能力ほど集中しておらず、操業している鉱山と製錬所に付随するもの以外に、ヨーロッパとアジアで操業している独立した多くの精錬所がある。
したがって、PGM精鉱の総合処理市場は、他の多くの金属市場ほど競合的でない。比較的小規模な事業企画は製錬所と精錬所に必要とされる大きな投資を正当化し得ない。したがって、製錬所を通らず、精錬所に直接出荷され得る高グレードの精鉱を提供するために、出荷されるPMG精鉱をアップグレードする改良された方法が求められている。これは、製造コストを低下させるだけでなく、市場での競争力を増大させるであろう。
従来技術で示唆された、従来の処理方法に対する1つの代替方法は、細かく摩砕された鉱石からのPGMの選択的浸出である。先行する技術文献に記載された、白金族の金属に対して認められた溶剤系はまったく存在しない。臭化物、塩化物、水酸化物、シアン化物、二硫化物、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、及びポリ硫化物のイオン並びにアンモニアはすべて、白金族の金属と錯体を形成するのに適する配位子であることが示唆されてきた。しかし、これらの錯体のいくつかの安定性及び低い溶解性、並びに、鉱石中の脈石鉱物とのそれらの反応性のために、これらの配位子のいくつかは、白金族の金属の浸出剤としては不適切である。
PGMは通常、鉱石から採収されるが、使用後の自動車及び他の産業用触媒から、またコンピュータや電子機器スクラップからPMGを回収する重要な市場も存在する。鉱石以外の原料物質からPMGを抽出する改良された方法が求められている。
先行技術の技法は本願明細書に参照されるが、このような参照は、これらの技法の何れかが、オーストラリア又は他のいかなる国における当技術分野の共通の一般的知識一部をなすということを承認することにはならないことが明確に理解されるべきである。
請求範囲も含めて、この明細書を通して、「含む」及び「含んでいる」という用語は、明示的な言語又は必然的な含意により状況が別の意味を要求する場合以外は、非排他的な意味で、すなわち「全体の一部として含む」という意味で使用されている。
本発明は、原料物質中に存在する不溶PGMを、シアン化物溶液に可溶な形に変換するために、熱処理を用いることができ、また、続いてのシアン化物を含む溶液での浸出は、熱処理されたPGMのかなりの量を溶解させ得るという認識に基づいている。
本発明の一態様によれば、1種又は複数のPGMを含む原料物質から少なくとも1種のPGMを抽出するための方法が提供され、この方法は、
原料物質を熱処理して、シアン化物の浸出可能な状態でPGMを含む残留物を生成するステップ;及び
シアン化物を含む溶液を用いて前記残留物をシアン化物浸出して、溶けた状態のPGMを含む、シアン化物富化浸出溶液を生成させるステップ;
を含む。
好ましくは、熱処理ステップは、原料を破壊して原料からPGMを遊離させるために、低温で、例えば550℃未満で実施される。熱処理ステップを高温で、例えば550℃より高温で実施することは可能であるが、熱処理は550℃未満、より好ましくは500℃未満で実施されることが好ましい。高温である程、事業資本と運転支出が大きくなる。さらに、高温では、特に酸化性雰囲気では、原料物質からPGMが遊離する時にPGMの表面が不動態化され易いので、PGMがシアン化物浸出され難くなるであろう。好ましくは、熱処理ステップは、200℃から550℃、より好ましくは275℃から500℃の範囲の温度で実施される。得られる残留物が、シアン化物の浸出可能な状態でPGMを含むのであれば、低温熱処理を、酸化性又は還元性の雰囲気で実施することができる。酸化性雰囲気での低温熱処理は、通常、満足のいくものであることが見出されている。この明細書では、「焼成」という用語は、酸化性雰囲気での熱処理ステップを表すために用いられている。
PGMを含む硫化物含有鉱物が、シアン化物浸出の前に、375℃から425℃の範囲の温度で焼成された時にPGMの実収率は最高であることが、試験で見出されたので、この温度範囲での焼成が特に好ましい。しかし、選択される具体的な熱処理条件は、原料物質の詳細な性質により影響されるであろうということに注意すべきである。
熱処理ステップは、高温で、酸化性雰囲気でも還元性雰囲気でも実施され得るが、高温での表面PGMの不動態化の問題は、還元性雰囲気では軽減されることが見出されたので、高温熱処理は、還元性雰囲気で、550℃と1000℃の間の温度で実施されることが好ましい。別法として、熱処理ステップに酸化性及び還元性条件の組合せを利用してもよい。
好ましくは、シアン化物浸出ステップは、常温と160℃の範囲の温度で実施される。温度上昇によるシアン化物の分解を最小限にするために、温度は80℃を超えないことが好ましい。こうして、より好ましくは、シアン化物浸出ステップは、常温から80℃の範囲の温度で実施される。80℃より高い温度でのシアン化物浸出を用いて、PGMを抽出することもできるが、そうすると、シアン化物を多く消費し、従ってまた運転コストが増加する結果になる。別法として、シアン化物浸出ステップは、金属の溶解速度と金属の全体としての実収率を増大させるために、加圧下に、80℃と160℃の範囲内の温度で実施され得る。
シアン化物浸出ステップは、原料物質のタイプに応じて、120時間、或いはそれ以上かかり得る。好ましくは、シアン化物浸出ステップは、36〜48時間かけて実施される。
加圧下にシアン化物浸出中、反応速度を増加させるために、好ましくは、酸素源が注入される。
さらに、本発明の方法は、シアン化物浸出液中のPGM濃度を増加させるために、シアン化物浸出ステップを繰り返すステップを含んでいてもよい。
原料物質は、少なくとも1種の卑金属もまた含み得る。原料物質が少なくとも1種の卑金属を含む場合、好ましくは、本発明の方法は、シアン化物浸出ステップの前に、少なくとも1種の卑金属を溶けた状態で含む酸富化浸出溶液を生成させるための酸浸出ステップをさらに含み得る。好ましくは、酸浸出ステップは、常温と200℃の間の温度で、大気圧と20barの間の圧力で実施される。より好ましくは、酸浸出ステップは、大気圧で、常温と100℃の範囲の温度で実施される。
好ましくは、酸浸出ステップは、硫酸、塩酸、酸塩化物又はこれらの組合せを含む群から選択される酸での浸出ステップを含む。選択される具体的な酸は通常、鉱区での入手し易さに応じて変わり、硫酸は他の冶金工程の一般的な副生成物であるため、最もコストのかからない入手可能な酸であることが多い。酸は、酸として直接添加されるか、或いは、塩酸の場合には、例えば、塩化ナトリウムと硫酸の添加により、塩酸を生成させて、酸を生成させてもよい。
卑金属の少ない原料物質では、酸浸出ステップは不要であり得ることに注意すべきである。高濃度の卑金属を含む原料物質では、酸浸出ステップは、卑金属の実収率を向上させ、またシアン化物の消費を減らす。
酸富化浸出溶液からの卑金属の採収は、溶剤抽出、イオン交換、電解採収、還元及び沈殿又はこれらの組合せのような、通常の方法の何種類でも用いて実施され得る。好ましくは、本発明の方法は、溶剤抽出と、それに続く電解採収により、酸富化浸出溶液から少なくとも1種の卑金属を採収するステップをさらに含む。別の好ましい手法は、沈殿により酸富化浸出溶液から少なくとも1種の卑金属を採収することである。
好ましくは、酸浸出ステップは、0.7から4.0の範囲内のpHで実施される。より好ましくは、酸浸出ステップは、1から3の範囲内のpHで実施される。尚一層好ましくは、酸浸出ステップは、1から1.5の範囲内のpHで実施される。
好ましくは、前記シアン化物浸出ステップは、シアン化物を含む溶液を用いて、アルカリ性のpHで実施される。より好ましくは、シアン化物浸出ステップは、9から12、最も好ましくは9から10の範囲内のpHで実施される。pHを9から10の好ましい範囲内に保つと、PGM、特に白金の実収率が増加することが見出された。
好ましくは、シアン化物を含む溶液のシアン化物の濃度は、5%より小さく、より好ましくは2%より小さく、さらに好ましくは1%より小さい。典型的には、シアン化物濃度は、0.05%から0.5%のシアン化物の範囲内であろう。最も好ましくは、シアン化物溶液のシアン化物濃度は、0.1%から0.25%のシアン化物の範囲である。好ましくは、シアン化物を含む溶液はシアン化ナトリウムを含む。
シアン化物を含む溶液は、石灰、苛性ソーダ、過酸化物、酸素、硝酸鉛又はこれらの組合せをさらに含み得る。
好ましくは、本発明の方法は、熱処理ステップの前に、原料物質を破砕及び/又は摩砕するステップをさらに含む。原料物質が鉱石である場合、破砕及び/又は摩砕を、PGMが脈石から遊離し易くするために使用することができる。本願明細書では、「脈石」という用語は、鉱物中の、通常1種又は複数のケイ酸質成分である不要な物質を表すために使用されている。脈石は、熱処理と次の(複数の)浸出操作に付される原料の量を減らして実収率を向上させ操業コストを下げるために、望ましくは熱処理の前に除去される。
好ましくは、破砕及び/又は摩砕のステップは、10から150ミクロンの範囲でP80に、原料物質を破砕及び/又は摩砕することを含む。本願明細書では、「P80」という表現は、指定した寸法の篩にかけられた原料の80%がその篩を通過することを表すために使用される。より好ましくは、破砕及び/又は摩砕のステップは、30から80ミクロンの範囲でP80に破砕及び/又は摩砕することを含む。尚一層好ましくは、破砕及び/又は摩砕のステップは、30から50ミクロンの範囲でP80に破砕及び/又は摩砕することを含む。
原料物質が脈石を含む場合、好ましくは、本発明の方法は、熱処理ステップの前に、原料物質から少なくとも一部分の脈石を除去するステップをさらに含む。少なくとも一部分の脈石を除去するステップは、好ましくは、PGM及び/又は卑金属の濃度が浮選前の濃度より高い浮選精鉱を生成する浮選ステップである。
浮選ステップは、脈石からPGM鉱物が分離されるように導くような条件の下で実施されるであろう。NaSH、硫酸銅、SIBX、SNPX、aeropromoter、ケイ酸ナトリウム及び起泡剤のような試薬が、浮選プロセスを容易にするために添加され得るであろう。捕集剤や抑制剤のような特定の試薬、並びに、浮選で選択されるpHのような他の変数は、鉱石のタイプとグレード、並びに、鉱石中に存在する脈石鉱物のタイプに依存するであろう。
直列又は並列に配置された何台の浮選機でも、さらに、実際には、脈石から鉱石を分離する他の適切な装置又は方法、例えば、ジグ選鉱機、振動台、或いはKnelson又はFalcon選鉱機を用いる比重選鉱、磁選、光学的選別、電気集塵(electrostatic precipitation)でも同様に、使用され得ることが理解されるであろう。
浮選精鉱は、さらに摩砕するか、又はミルにかけ、次いで、浮選と再摩砕のさらなる段階に付されてもよい。原料物質の破砕及び/又は摩砕ステップは、好ましくは、脈石の少なくとも一部分を除去するステップの前に行われる。
好ましくは、本発明の方法は、熱処理ステップの前に、浮選精鉱を摩砕するステップをさらに含む。好ましくは、本発明の方法は、熱処理ステップの前に浮選精鉱中のPGM及び/又は卑金属の濃度をさらに増大させるために、除去及び摩砕のステップを繰り返すステップをさらに含む。
好ましくは、熱処理ステップは、流動床又はロータリーキルンの炉で実施される。熱処理ステップは流動床又はロータリーキルンの炉で実施されることが好ましいが、入手し易さに応じて、また、その装置が原料物質を熱処理してシアン化物の浸出可能な状態でPGMを含む残留物を生成することが可能であれば、他のタイプの熱処理装置を使用してもよいことが理解されるべきである。
典型的には、熱処理ステップは、選ばれた熱処理条件の下で、少なくとも1時間、ロータリーキルン炉内に原料物質を保持することを含むであろう。熱処理ステップの好ましい保持時間は、熱処理装置の寸法とタイプ、原料物質の寸法とタイプ、並びに選択された熱処理条件を含む多くの変数に依存するであろう。
好ましくは、本発明の方法は、シアン化物富化浸出溶液からPGMを採収することをさらに含む。本発明の方法は、シアン化物富化浸出溶液から固体を除去してシアン化物浸出濾液とするステップをさらに含み得る。濾過、対向流デカンテーション、サイクロン分離又はこれらの組合せを含めて、固体/液体を分離する何れの適切な手段も用いることができる。
本発明の方法は、PGM及び/又は卑金属をシアン化物浸出濾液から採収するステップをさらに含み得る。採収ステップは、活性化カーボンへの吸着、溶媒抽出、イオン交換樹脂の使用、分子識別技術、電解採収、還元、沈殿、又はこれらの組合せを含み得る。
好ましくは、本発明の方法は、シアン化物浸出濾液から、1種又は複数の卑金属を採収するステップをさらに含む。好ましくは、卑金属を採収するステップは溶媒抽出ステップを含む。
好ましくは、本発明の方法は、本発明の方法で再使用するために、シアン化物富化浸出溶液からシアン化物を回収するステップをさらに含む。通常の方法、例えば、酸性化/揮発/回収(AVR);スラリ又は溶液からの樹脂への吸収;或いは溶媒抽出;を用いて、シアン化物を回収し、本発明の方法にリサイクルすることができる。AVRを用いる場合、スラリ又は溶液は酸性化され、生成するシアン化水素ガスが、気流中の揮発で除去される。次に、シアン化水素ガスは、アルカリ溶液に吸収され、シアン化物浸出の循環経路にリサイクルされる。別法として、酸性化の段階で硫化物沈殿法によりシアン化物を採収することができる。沈殿金属は、固体−液体分離により溶液から採収され、次に、シアン化水素ガスが溶液から揮発させられ、アルカリ溶液に吸収される。
典型的には、原料物質中のPGMの濃度は、1トンあたり、1グラムから1000グラムの範囲にあり、浮選精鉱中のPGMは、1トンあたり、5から1000グラムの範囲にあるであろう。
好ましくは、原料物質はPGM鉱石、硫化物鉱物、浮選精鉱又は使用済み触媒である。
本発明の本質のよりよい理解を容易にするために、白金族金属を採収する方法の好ましい実施形態が、例示のためにのみ、添付図を参照しながら、これから詳細に記載されるであろう。
以下の例示において、処理される原料は硫化物鉱石である。このような鉱石を処理する典型的な工程図が図2に示されている。図2は、本発明の第1の実施形態による処理の典型的な工程図を示している。鉱石が破砕され摩砕され、次いで、浮選されて、尾鉱として報告される脈石からPGMと卑金属の豊富な精鉱に分けられる。精鉱は再摩砕され、摩砕生成物は、275℃から550℃の温度範囲での焼成のために、流動床のような適切な熱処理炉に搬送され得る。焼成過程で生成する二酸化硫黄が多く含まれ得る排出ガスは、通常、浄化されるであろう。原石が、酸浸出ステップを正当化するのに十分なだけ豊富な卑金属を含んでいる場合、焼成残留物は、酸浸出ステップで処理され得る。
酸浸出に続いて、卑金属を豊富に含む酸浸出液を除去するために、固体/液体分離工程が実施される。次に、既存の知られている方法の何れかを用いて、卑金属を採収することができる。次に、固体−液体分離段階で除去された固体に、常温と160℃の間の温度範囲でシアン化物浸出に付される。シアン化物浸出の後、残留物は尾鉱に送られ、シアン化物富化浸出濾液は、卑金属及び/又はPGMを取り去るために、さらに処理されながら、固体/液体分離ステップが再び実施される。採収工程の後、それからPGM精鉱は末端ユーザーに向けて出荷するのに充てられる。
図10に関しては、PGM精鉱又はPGMを含む鉱石は焼成に付され、焼成過程による排出ガスは、大気中に排気される前に、知られている何らかの方法を用いて処理され得る。焼成の後、残留物は再びパルプ化され再摩砕され、次いで、シアン化物浸出が行われる。浸出の後、次に再パルプ化され残留物貯蔵設備に送られる固体を分けるために、固体/液体分離段階が用いられる。
これから、本発明を例示するために、試験に基づく例が示されるが、如何なる仕方においても、本発明の方法を限定していると解釈されるべきではない。試験は、酸化鉱石(oxidised ore)、すなわち、地表近くに存在し酸化されているかもしれない鉱石、60メートル未満と言われる表面鉱石より下にある一次鉱石(primary ore)の何れか、並びに全鉱石について実施された一連の試験として、以下に記載される。試験を通して、シアン化物浸出溶液は、シアン化ナトリウム、石灰、硫酸及び硝酸鉛の組合せであり、各実施例での濃度は、シアン化物浸出溶液中のシアン化ナトリウムのパーセンテージにより決められる。
一次鉱石浮選精鉱の焼成−浸出
最初の一連の試験では、53μmの公称P80通過径をもつ一次鉱石浮選精鉱を一連の温度、すなわち、330℃、400℃、450℃及び500℃で2時間焼成した。次に、焼成された鉱石に、pH9.5、60℃で48時間のシアン化物浸出に付された。シアン化物浸出残留物を24μmのP80に再摩砕して、同じ条件で2回目のシアン化物浸出に付した。図3には、PtプラスPdプラスAuの重み付き平均として表された実収率への焼成温度の効果が示されている。図3により明らかであるように、最高の結果は、400℃の焼成で得られており、48時間後に、Ptの実収率は72.7%、Pdの実収率は91.8%、またAuの実収率は99%であった。
Pt、Pd、Au、Ni、Co及びCuのすべての実収率が下の表1に示されている。
Figure 2005522582
53μmのP80径をもつ一次鉱石浮選精鉱を400℃で2時間焼成し、シアン化物浸出に先立ち続いて行われる再摩砕の効果を評価した。再摩砕なしで、再摩砕して33.5μmのP80径にして、また、第3の試験では再摩砕して12.8μmのP80径にして試験を実施した。次のシアン化物浸出は、pH9.5、60℃で48時間まで実施され、その結果は下の表2に与えられている。図4は、再摩砕のない場合に、時間の関数として、Au、Pt及びPdについて、抽出金属パーセントを示している。図5は、33.5μmのP80径に再摩砕した場合に、時間の関数として、Au、Pt及びPdについて、抽出金属パーセントを示している。図6は、12.8μmのP80径に再摩砕した場合に、時間の関数として、Au、Pt及びPdについて、抽出金属パーセントを示している。
Figure 2005522582
これらの図は、シアン化物浸出の前により細かく摩砕すると、実収率を向上させ得ることを示している。
酸化鉱石浮選精鉱の焼成−浸出
酸化鉱石浮選精鉱をある温度範囲で焼成し、次にシアン化物浸出を行って試験を実施した。酸化鉱石のP80通過径は53μmであった。焼成を、350℃、400℃及び450℃で2時間実施して、次に再摩砕してP80径を20μmにした。次に、試料に、pH9.5、60℃で48時間、シアン化物浸出を行い、実収率が表3と図7に与えられている。
Figure 2005522582
図8は、400℃の温度で焼成した場合について、時間の関数として、Au、Pt、Pd、並びに、Pt+Pd+Auの重み付き平均の実収率パーセントを示している。
焼成された酸化鉱石浮選精鉱の酸浸出
試験は、400℃での焼成後に続いて行われるその後の酸浸出の効果を評価するために実施された。53μmのP80径をもつ酸化鉱石浮選精鉱を、400℃で2時間焼成した。P80径を20μmにする再摩砕を、酸浸出を続いて行わない試料に実施したが、酸浸出される試料には再摩砕を実施しなかった。酸浸出を、硫酸を用いて、pH1.5で、常温で8分間実施した。次に、2つの試料に、pH9.5、60℃で48時間、シアン化物浸出を行った。結果が下の表4に与えられている。
Figure 2005522582
酸浸出の効果は、Pt及びAuの実収率に過度に影響を与えることなく、卑金属であるNi、Co及びCuの実収率を増加させることである。驚くべきことに、Pdの実収率は、続いての酸浸出により向上した。
全鉱石についての酸化物鉱石焼成浸出試験
38μmのP80通過径をもつ酸化物鉱石について、375℃と400℃の間で変えた焼成温度の効果を評価するために試験を実施した。焼成を2時間行い、後で再摩砕も酸浸出も行わなかった。次に、pH9.5、60℃でシアン化物浸出を48時間実施し、その結果は次の表5に与えられている。
Figure 2005522582
図9は、上の表5に記載された結果に対して、時間の関数として実収率パーセントを示している。
浸出温度の効果
シアン化物浸出温度を変える効果を評価するために実施された試験の結果が、下の表6に要約されており、また図11にプロットされている。
試験結果は、PGM金属の実収率が、60℃のシアン化物浸出温度まで増加し、そして横ばいになり、75℃まで僅かに減少することを示している。卑金属の実収率は、試験された範囲内で僅かに変化するが、高温では減少する傾向があった。このように、好ましい浸出温度として、60℃が選択された。
Figure 2005522582
シアン化物浸出濃度
摩砕焼鉱について、pH9.5、60℃、溶存酸素濃度+13ppmで48時間、シアン化物溶液のある濃度範囲に渡って、一連の浸出試験を実施した。
結果は表7に要約され、図12に示されている。
Figure 2005522582
表7と図12から、NaCN濃度が0.2%で、Pt実収率が最も大きく、0.4%のNaCNで、PdとAuの実収率は僅かに増加するにすぎないことが明らかである。こうして、0.2%のNaCN濃度が最適なものとして選択された。卑金属の実収率は、試験された最大のシアン化物濃度で若干大きかった。0.4%NaCNの余分なシアン化物のコストは、小さな実収率の増加によっては正当化されなかった。
石灰によるスラリpH
pH調節剤として石灰を用い、金属の実収率へのpHの影響を評価した。試験を通して記録されたpHの平均を評価の基礎として用いた。
結果は表8に要約され、図13にプロットされている。
Figure 2005522582
試験されたpH範囲で、結果は、PtとPdではpH9.1が最適であり、Auの実収率はpH9.5で最大であるが、pH9.2で僅かに小さいだけである。卑金属の回収は、試験された最低のpHで最大であった。
NaOHによるスラリpH
pH調節剤として苛性ソーダを用い、金属の実収率へのpHの影響を評価した。試験を通して記録されたpHの平均を評価の基礎として用いた。結果は表9に要約され、図14にプロットされている。
Figure 2005522582
試験されたpH範囲で、結果は、Ptの実収率は10.5で、AuはpH9.6で、Pdは10.5で最大であることを示している。しかし、苛性ソーダを用いる最高のPt実収率は、石灰で達成されたものより8%小さい。苛性ソーダで達成された最大のPd及びAuの実収率は、石灰で達成された89.0%と96.2%に比べて、90.7%と96.1%である。石灰による卑金属の実収率は、苛性ソーダより大きかった。
こうして、石灰が好ましいpH調節剤であると決定された。
浸出スラリ中の溶存酸素濃度
密封された浸出タンクの上部スペースに酸素又は空気を供給する速度を調節することにより、浸出スラリ中の溶存酸素(DO)濃度を変えた。金属の実収率への様々なDO濃度の効果が、表10に要約され、結果は図15にプロットされている。
Figure 2005522582
結果は、Ptの実収率が、6から13ppmのDO範囲に渡って最大であり変動が無かったこと、また、PdとAuの実収率は10から13ppmの範囲で最大であることを示している。卑金属の実収率は、6から13ppmのDO範囲に渡って同じように最大である。
10ppmのDO濃度が総合的に最適なものとして選択された。
硝酸鉛の使用
金属の実収率への硝酸鉛の効果が、表11に要約され、結果が図16にプロットされている。
Figure 2005522582
結果は、Pt及びPdの実収率が、0から50g/tの範囲の硝酸鉛添加率で最大になり、Auの実収率は、この添加率を超えて増加したことを示している。全PGM実収率は、0から100g/tの硝酸鉛添加率に渡って、差が0.5%の範囲内であり、添加率が大きくなると減少する。卑金属の実収率については、様々な硝酸鉛添加率で、特別な傾向はまったく認められなかった。硝酸鉛の使用コストと、示された極めて少ない実収率の増加では、この試薬の使用はこの実施例では正当化されない。
酸浸出試験
Midrex製ロータリーキルン中、400℃で焼成した後の精鉱について、酸浸出試験を実施した。硫酸を用いた浸出による卑金属の実収率に、焼成が如何なる効果をもつかを知るために、この試験は行われた。表12に与えられた結果は、それなりに低い卑金属の、特にニッケルの実収率を示している。
Figure 2005522582
酸浸出
焼成の前に卑金属を採収する可能性、並びに、下流の焼成及びPGM浸出と採収への酸浸出の効果を評価するために、精鉱の酸(HSOとHCl)浸出として一連の試験を実施した。
試験では、pH1.5で硫酸浸出を実施し、残ったもの(tail)を乾燥し、焼成/シアン化物浸出試験に回した。卑金属の実収率は一般に低く、銅、ニッケル及びコバルトの実収率は、それぞれ、32から44%、9から13%の範囲、13%であった。結果は表13に要約されている。
試験により、塩化ナトリウム存在下での焼成の後の塩酸浸出もまた調べられた。酸浸出での卑金属抽出は非常に少なく、銅、ニッケル及びコバルトの実収率はすべて10%未満であった。結果はやはり表13に要約されている。
Midrex製ロータリーキルン中で2時間焼成して製造された焼鉱の硫酸浸出を評価するためにも、試験はまた実施された。卑金属抽出は失望させるものであり、銅とコバルトでそれぞれ、最高の実収率は61.5%と63.8%であった。これらの試験結果もまた表13に要約されている。
Figure 2005522582
浸出スラリ密度
標準の条件を用いて、様々なスラリ密度で、一連の浸出実験を実施した。結果は表14に要約され、図17にプロットされている。
Figure 2005522582
結果は、45%固形分でPtの実収率が最大であり、密度の増加につれてPdとAuの実収率が極めて僅かに減少することを示している。卑金属、特にCuの実収率は、概ね、最低のパルプ密度で最大であった。浸出タンクのコスト、シアン化物のコスト及び高含有液による下流での利点についてのスラリ密度の評価により、使用される好ましいスラリ密度は固形分50%であることが示される。
本発明に従ってPGMを抽出する方法の好ましい実施形態が詳細に説明されたので、それが以下のいくつかの重要な利点を提供することが明らかであろう。
a)従来の方法のやり方では処理し得ないと思われる酸化物鉱石を処理できること。
b)従来の方法のやり方では処理し得ないと思われる高クロミタイト鉱石を処理できること。
c)精錬所に直接販売できるPGM精鉱が製造され、輸送コストが減り;金属の採算性がより良くなり;価格をより競争力のあるものとした製品で市場がより広がり;精鉱の出荷と支払いの受け取りの間の期間が短縮され;電力消費が減り、全製造コストが引き下げられる。
d)乾式製錬所を建設したり、或いは精鉱出荷に著しい出費を招くことなく、事業を拡張できること。
本発明の基本的な考え方から逸脱することなく、すでに記載されたもの以外に、多くの変形や修正が、金属工学の当業者には、自ずから示唆されるであろう。例えば、シアン化物浸出の複数の段階がPGM及び/又は卑金属の実収率を向上させるために実施され得る。このような変形と修正のすべては、本発明の範囲内であると見なされるべきであり、本発明の本質は前述の説明と添付の特許請求の範囲により定められるべきである。
白金族の金属を採収する従来技術の方法を示す工程図である。 本発明による方法の好ましい実施形態の工程図である。 実施例1の一次鉱石浮選精鉱について、Pt+Pd+Auの実収率への焼成温度の効果を示すグラフである。 実施例2の、400℃で焼成された一次鉱石浮選精鉱について、シアン化物浸出の前に再摩砕しない場合の、Pt、Pd及びAuの実収率パーセントの経時変化を示すグラフである。 実施例2の、400℃で焼成された一次鉱石浮選精鉱について、再摩砕して33.5μmでP80とした場合の、Pt、Pd及びAuの実収率パーセントの経時変化を示すグラフである。 実施例2の、再摩砕して12.8μmでP80とした場合の実収率を時間の関数として示すグラフである。 実施例3の、Pt、Pd及びAuの実収率とこれらの重み付き平均への焼成温度の効果を示すグラフである。 実施例3で、400℃で焼成された試料について、Pt、Pd及びAuの実収率パーセントの経時変化を示すグラフである。 375及び400℃で浸出された全鉱石試料について、Pt、Pd及びAuの実収率パーセントの経時変化を示すグラフである。 本発明の第2の好ましい実施形態の典型的な工程図である。 PGMの実収率への温度変化による効果を示すグラフである。 PGMの実収率へのシアン化物濃度の効果を示すグラフである。 PGMの実収率への、石灰を用いるpH変化による効果を示すグラフである。 PGMの浸出抽出への、NaOHを用いるpH変化による効果を示すグラフである。 PGMの実収率への、スラリの溶存酸素濃度の変化による効果を示すグラフである。 PGMの実収率への、(Pb(NO)添加量の変化による効果を示すグラフである。 PGMの実収率への、パルプ密度の効果を示すグラフである。

Claims (26)

  1. 1種又は複数のPGMを含む原料物質から少なくとも1種のPGMを抽出するための方法であって、
    原料物質を熱処理して、シアン化物の浸出可能な状態でPGMを含む残留物を生成するステップ;及び
    シアン化物を含む溶液を用いて前記残留物をシアン化物浸出して、溶けた状態でPGMを含むシアン化物富化浸出溶液を生成するステップ;
    を含む上記方法。
  2. 前記シアン化物浸出ステップを繰り返して前記シアン化物浸出液中のPGM濃度を増すステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記熱処理ステップが200から550℃の範囲の温度で実施される請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記熱処理ステップが275℃から500℃の範囲の温度で実施される請求項3に記載の方法。
  5. 前記熱処理ステップが375℃から425℃の範囲の温度で実施される請求項4に記載の方法。
  6. 前記熱処理ステップが酸化性雰囲気で実施される請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記熱処理ステップが、還元性雰囲気で、550℃から1000℃の範囲の温度で実施される請求項1又は2に記載の方法。
  8. 前記熱処理ステップが、酸化性雰囲気と還元性雰囲気の組合せで実施される請求項1又は2に記載の方法。
  9. 前記シアン化物浸出ステップが、常温と160℃の範囲の温度で実施される請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記シアン化物浸出ステップが、大気圧の下で、常温と80℃の範囲の温度で実施される請求項9に記載の方法。
  11. 前記シアン化物浸出ステップが、20barまでの圧力下で、80℃と160℃の範囲の温度で実施される請求項9に記載の方法。
  12. 前記シアン化物浸出ステップが、120時間までの時間、実施される請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記シアン化物浸出ステップ中に、酸素源を注入するステップをさらに含む請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記原料物質が少なくとも1種の卑金属も含み、前記方法が、前記シアン化物浸出ステップの前に、少なくとも1種の卑金属を溶けた状態で含む酸富化浸出溶液を生成させるための酸浸出ステップをさらに含む請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記酸浸出ステップが、常温と200℃の間の温度と、大気圧と20barの間の圧力で実施される請求項14に記載の方法。
  16. 前記酸浸出ステップが、大気圧で、常温と100℃の範囲の温度で実施される請求項15に記載の方法。
  17. 前記酸富化浸出溶液から卑金属を採収するステップをさらに含む前記請求項14から16までのいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記シアン化物浸出ステップが、9から12の範囲内のpHで実施される請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記シアン化物富化浸出溶液からPGMを採収することをさらに含む請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記シアン化物富化浸出溶液のpHを1から2の範囲内に下げてPGMを沈殿させることにより、PGMが採収される請求項19に記載の方法。
  21. シアン化物を含む前記溶液がシアン化ナトリウムを含み、また、シアン化物の濃度が5%未満である請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. シアン化物を含む前記溶液が、石灰、苛性ソーダ、過酸化物、酸素、硝酸鉛、これらの誘導体又はこれらの混合物をさらに含む請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記熱処理ステップの前に、前記原料物質を破砕及び/又は摩砕するステップをさらに含む請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記原料物質が脈石を含み、前記方法が、前記熱処理ステップの前に、少なくとも一部分の前記脈石を前記原料物質から除去することをさらに含む請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記熱処理ステップが流動床又はロータリーキルンの炉で実施される請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記方法で再使用するために、前記シアン化物富化浸出溶液からシアン化物を回収するステップをさらに含む請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
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