JP2005521765A - コポリエステルカーボネートの合成法 - Google Patents

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Abstract

1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分及び1以上の芳香族ジカルボン酸部分から誘導された連鎖構成員を含んでおり、ポリエステル連鎖セグメントの2以上のモノマー単位を結合する無水物結合を実質的に含まない熱的に安定なブロックコポリエステルカーボネートが、(a)1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分と1以上の芳香族ジカルボン酸部分から誘導された構造単位を含んでなるヒドロキシ末端ポリエステル中間体を製造し、(b)水、水と実質的に非混和性の有機溶媒、及び塩基からなる反応混合物中でポリエステル中間体とホスゲンの反応を実施する工程を含んでなる方法によって製造される。ここで、塩基とホスゲンは、加えるホスゲンの総量の約60%以上の期間、塩基とホスゲンのモル比を実質的に一定にして、同時に反応混合物に加える。

Description

本発明は、1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分及び1以上の芳香族ジカルボン酸部分から誘導された連鎖構成員(以後本明細書においてはアリーレート連鎖構成員ということがある)を有する1以上のカーボネートブロック及び1以上のポリエステルブロックを含むコポリエステルカーボネートを製造する方法に関する。特定の実施形態において、本発明は、1以上の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分及び1以上の芳香族ジカルボン酸部分から誘導された連鎖構成員(本明細書においては以後レゾルシノールアリーレート連鎖構成員ということがある)を有する1以上のカーボネートブロック及び1以上のポリエステルブロックを含むコポリエステルカーボネートを製造する方法に関する。
ポリマーを含んでなる様々な樹脂状物品は長期の色不安定性の問題を抱えている。多くの場合、この不安定性はポリマーの黄変として見られ、その物品の魅力、またそのポリマーが初期に透明であったときの透明性を減じることとなる。また、光沢の喪失も、樹脂状物品における望ましくない長期現象となり得る。
ポリマーの黄変は紫外線の作用によって引き起こされることが多く、かかる黄変はしばしば「光黄変」といわれる。光黄変を抑制するために数多くの手段が用いられ提案されて来ている。これらのうちの多くで、紫外線吸収性化合物(UVA)をポリマー中に混入する。大部分のUVAは低分子量の化合物であり、加熱撓み温度に反映される衝撃強さ及び高温特性のようなポリマーの物理的性質の悪化を避けるために比較的低レベルで、通例1重量%までで使用しなければならない。芳香族ポリカーボネートやスチレンのようなアルケニル芳香族化合物の付加ポリマーのようなポリマーに関連する別の問題は、有機液体による攻撃に対する感受性である。
光黄変や光沢の喪失に対して樹脂状物品を保護する一つの方法は、耐候性の第2のポリマーのコーティングを設けることである。本明細書で使用する「耐候性」という用語は、かかる現象に対する抵抗性・耐性を意味している。レゾルシノールアリーレート連鎖構成員を含有するポリエステルから作成されたコーティングは良好な耐候性を有していることが多い。このアリーレート部分は通例、イソフタレート単位、テレフタレート単位、殊にイソフタレート単位とテレフタレート単位の混合物を含有している。
レゾルシノールアリーレート連鎖構成員を含有するポリエステルの良好な耐候性は、主として、前記連鎖構成員が提供し得る紫外(UV)光に対する遮蔽効果に起因すると考えられる。UV光に暴露されたとき、レゾルシノールアリーレート連鎖構成員を含むポリマーは、その連鎖構成員の少なくとも一部をポリエステル型連鎖構成員からo−ヒドロキシベンゾフェノン型連鎖構成員に変換する光化学Fries転位を受け得る。このo−ヒドロキシベンゾフェノン型連鎖構成員は、さらなるUV光を遮蔽し、レゾルシノールアリーレート含有組成物中のUV感受性成分を保護する機能を果たす。レゾルシノールアリーレート連鎖構成員を含むポリマーは、このように良好な耐候性を有するため、ブレンド中に、また前記ポリマーがより感受性の基材成分に対する保護層として機能し得る多層物品に、殊に有用なものとなっている。
コポリエステルカーボネートは、このコポリマー中の対応するブロックと類似の連鎖構成員を含むその親ポリエステル又はポリカーボネートと比較して特性の利点を保有することが多い。例えば、レゾルシノールと、イソフタレート連鎖構成員とテレフタレート連鎖構成員の混合物との組合せから誘導されたコポリエステルカーボネートは、良好な耐候性を有し得、樹脂状基材上に塗布されたとき光黄変に対する保護を提供し得る。コポリエステルカーボネートの製造方法は、例えば、米国特許第3030331号、同第3169121号、同第3207814号、同第4194038号、同第4156069号、同第4238596号、同第4238597号、同第4286083号、同第4487896号、同第4506065号、同第5321114号、及び同第5807965号に開示されている。レゾルシノールアリーレート連鎖構成員をカーボネート連鎖構成員と組み合わせて含むブロックコポリエステルカーボネートが、公開されたPCT出願第00/26274号に開示されている。これらのコポリマーは優れた耐候性をもち、ブレンド中でポリカーボネートと相溶性である。一つの実施形態において、これらのブロックコポリエステルカーボネートは、(A)1以上の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分と1以上の芳香族ジカルボン酸二塩化物との反応により4以上の重合度を有するヒドロキシ末端ポリエステル中間体を製造し、(B)前記ポリエステル中間体とカーボネート前駆体との反応を実施する工程からなる方法によって製造される。このポリエステル中間体は、一つの実施形態において、非置換レゾルシノール、二塩化イソフタロイル、二塩化テレフタロイル、水及びジクロロメタン(これは最適な有機溶媒であることが多い)を用いる界面法によって合成される。このヒドロキシ末端ポリエステル中間体は、以後のカーボネート前駆体及び任意の第2のジヒドロキシ含有化合物との反応工程でポリカーボネート連鎖を成長させるのに適したフェノール性ヒドロキシ末端基を含んでいる。
Brunelleらの米国特許第6265522号は、界面コポリエステルカーボネート合成法のホスゲン化工程が、7.5〜8.5の初期pH目標値で、その後目標値のpHをゆっくり10〜10.5に上昇させて実施することができるということを教示している。通例、合計で化学量論量より15%過剰のホスゲンを添加する。この方法では反応pHの慎重な監視が必要である。しかし、界面合成では、pH電極で得られる読みが、一般に実際のpHをより正確に示す指示薬試験紙で示されるpHから(pH7の方へ)1pH単位以上外れることが多い。誤った又は信頼性の低いpH電極の読みのため、このタイプの苛性剤添加を工業的規模で実施するのは現実には不可能である。
Silvaらの米国特許第5973103号は、ホスゲンの速度に対して固定された比の速度で苛性水溶液を添加するポリカーボネートホモポリマーの製造方法を教示している。苛性剤対ホスゲンの比は1.8モル/モルまでとすることができる。この方法の一つの目的は、二段階重合法の第1段階で特定の分子量のクロロホルメート末端オリゴマーを作成することである。これは、苛性剤添加を限定することによりホスゲンの変換を部分的にのみ可能とすることによって達成された。本発明はこの教示の範囲外である。
米国特許第3030331号 米国特許第3169121号 米国特許第3207814号 米国特許第4194038号 米国特許第4156069号 米国特許第4238596号 米国特許第4238597号 米国特許第4286083号 米国特許第4487896号 米国特許第4506065号 米国特許第5321114号 米国特許第5807965号 国際公開第00/26274号 米国特許第6265522号 米国特許第5973103号
従って依然として、塩基添加の調節された条件下でpH電極の正確さに対する依存度を最小にして進行させられるコポリエステルカーボネートの製造方法を開発することに関心がもたれている。また、ホスゲンの使用を最小限に抑えてコポリエステルカーボネートを製造する方法を開発する必要もある。
本発明は、その局面の一つにおいて、1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分及び1以上の芳香族ジカルボン酸部分から誘導された連鎖構成員を含み、ポリエステル連鎖セグメントの2以上のモノマー単位を結合する無水物結合を実質的に含まないブロックコポリエステルカーボネートを製造する方法を提供する。この方法は、以下の工程を含んでいる。
(a)1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分及び1以上の芳香族ジカルボン酸部分から誘導された構造単位を含むヒドロキシ末端ポリエステル中間体を製造する。
(b)水、水と実質的に非混和性の有機溶媒、及び塩基を含む反応混合物中でポリエステル中間体とホスゲンとの反応を実施する。この際、ホスゲンの総添加量の約60%以上が添加されるまでの期間、実質的に一定の塩基対ホスゲンモル比で塩基とホスゲンを反応混合物に同時に添加する。
一つの実施形態において、本発明は、1以上のカーボネートブロックと、1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分及び1以上の芳香族ジカルボン酸部分から誘導された連鎖構成員を有する1以上のポリエステルブロックとを含むコポリエステルカーボネートを製造する方法からなる。もう一つ別の実施形態において、本発明は、1以上のカーボネートブロックと、1以上の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分及び1以上の芳香族ジカルボン酸部分から誘導された連鎖構成員を有する1以上のポリエステルブロックとを含むコポリエステルカーボネートを製造する方法からなる。様々な実施形態において、コポリエステルカーボネートは熱的に安定である。本発明で、熱的安定性とは、熱的条件下における分子量低下に対するポリマーの抵抗性をいう。すなわち、熱的安定性の悪いポリマーは押出、成形、熱成形、ホットプレス中などのような熱的条件下、及び同様な条件下でかなりの分子量低下を示す。分子量低下はまた、着色・変色として、及び/又は耐候性、光沢、機械的性質、及び/又は熱的性質のような他の性質の悪化・劣化としても具現され得る。さらに分子量低下は、ポリマーの溶融粘度が変化するので加工・処理条件に大きな変化を生じさせる可能性もある。
その局面の一つにおいて、本発明の方法はアリーレートポリエステル連鎖構成員を含む熱的に安定なコポリエステルカーボネートを提供する。この連鎖構成員は1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分を1以上の芳香族ジカルボン酸部分と組み合わせて有する。一つの特定の実施形態において、ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分は、本明細書を通じて一般にレゾルシノール又はレゾルシノール部分といわれる下記式(I)の構造部分に示されている1,3−ジヒドロキシベンゼン部分から誘導される。式(I)で、Rは1以上のC1-12アルキル又はハロゲンであり、nは0〜3である。本発明で使用するレゾルシノール又はレゾルシノール部分は、特に明示しない限り、非置換の1,3−ジヒドロキシベンゼンと置換された1,3−ジヒドロキシベンゼンの両者を含むものと理解されたい。
Figure 2005521765
適切なジカルボン酸残基には、イソフタル酸、テレフタル酸、若しくはイソフタル酸とテレフタル酸の混合物を始めとする単環式部分、又は多環式部分から誘導された芳香族ジカルボン酸残基がある。様々な実施形態において、芳香族ジカルボン酸残基は、通例次式(II)の構造部分に示されるようにイソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導される。
Figure 2005521765
従って、一つの特定の実施形態において、本発明は、通例次式(III)の構造部分に示されるようにレゾルシノールアリーレートポリエステル連鎖構成員を含む熱的に安定なコポリエステルカーボネートを提供する。
Figure 2005521765
式中、Rとnは既に定義したとおりである。
幾つかの実施形態において、本発明のブロックコポリエステルカーボネートは、水及び実質的に水と非混和性の1以上の有機溶媒を含む反応混合物中で界面法によりヒドロキシ末端ポリエステル中間体を製造する第1の工程を含む方法によって製造される。ポリエステル中間体を製造する以前の界面法では通例、熱的安定性が悪く、しかも制御されていない分子量を有するポリマーが得られる。本発明者らは、熱的安定性が悪いことの主たる原因が、ポリエステル連鎖セグメント中に無水物結合が存在することであるということを発見した。無水物結合の特定の一例を下記式(IV)の構造部分に示す。この式中のRとnは既に定義したとおりである。かかる無水物結合はポリエステル連鎖セグメント内で2以上のモノマー単位を結合しており、2つのイソフタレート若しくはテレフタレート部分又はこれらの混合物の結合によって生ずる可能性がある。式(IV)にはイソフタレート及び/又はテレフタレートが示されているが、コポリエステルカーボネート中の無水物結合は反応混合物中に存在するあらゆる適切な類似のジカルボン酸残基又は適切な非類似のジカルボン酸残基の混合物の結合によって生じる可能性があることが理解される。また、式(IV)に示したレゾルシノールから誘導された部分は例示であり、例示したレゾルシノールから誘導された部分に加えて又はその代わりにある種の他のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分が存在し得るものと了解されたい。
Figure 2005521765
本発明は理論に限定されるものではないが、無水物結合はポリエステル連鎖内の弱い結合であり、熱的加工・処理条件下で壊れて酸末端基を有するより短い鎖を生成することができると考えられる。これらの酸末端基が今度はアリーレート部分の加水分解を促進し、追加のカルボキシル及びヒドロキシル末端基を生成し、さらに分子量低下、及びその他の望ましい性質の損失に寄与し得る。無水物結合は幾つかのメカニズムによって生成し得る。一つのメカニズムでは、エステル化反応が高いpHで起こるときカルボン酸塩化物が加水分解してカルボン酸を生じ得る。このカルボン酸又は対応するカルボキシレートは次に他のカルボン酸塩化物と反応して無水物結合を生成し得る。
無水物結合は13C核磁気共鳴分光法(NMR)のような当業者に公知の手段によって検出することができる。例えば、イソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導されたジカルボン酸残基を含むレゾルシノールアリーレートポリエステルは通例、(デューテロクロロホルム中でテトラメチルシランに対して)161.0及び161.1ppmに無水物に帰属する13CNMR共鳴を、そしてポリマーのカルボン酸及びヒドロキシル末端基に対する共鳴を示す。熱的加工・処理(例えば、押出及び/又は成形)後、ポリマーの分子量は低下し、無水物の共鳴は通例低減する一方で、酸及びヒドロキシル末端基の共鳴は通例増大する。
例えばレゾルシノールアリーレートポリエステル連鎖構成員を含むポリマー中の無水物結合は、ポリマーと第二アミンのような求核試薬との反応によって検出することもできる。例えば、ポリマーの試料をジクロロメタンのような都合のよい溶媒に溶かし、ジブチルアミンやジイソブチルアミンのような第二アミンを用いて数分間周囲温度で処理することができる。出発ポリマーの分子量をアミン処理後と比較すると通例分子量の低下を示すが、これを典型的な熱的加工・処理条件下で観察される対応する低下と関連付けることができる。本発明が理論によって限定されることを意味するものではないが、第二アミンやフェノール性化合物のような求核試薬が反応条件下で(エステル結合ではなく)無水物結合を選択的に攻撃すると考えられる。従って、アミン求核試薬との反応の際の分子量の低下はポリマー中に無水物官能性が存在することの指標である。
ヒドロキシ末端ポリエステル中間体を製造するのに適切なジヒドロキシ置換芳香族炭化水素としては、次式(V)で表されるものがある。
(V) HO−D−OH
式中、Dは二価芳香族基である。幾つかの実施形態においてDは次式(VI)の構造を有する。
Figure 2005521765
式中、A1はフェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、などのような芳香族基を表す。Eはメチレン、エチレン、エチリデン、プロピレン、プロピリデン、イソプロピリデン、ブチレン、ブチリデン、イソブチリデン、アミレン、アミリデン、イソアミリデン、などのようなアルキレン又はアルキリデン基でよい。Eがアルキレン又はアルキリデン基である場合、芳香族結合、第三アミノ結合、エーテル結合、カルボニル結合、含ケイ素結合、又は含イオウ結合(例えば、スルフィド、スルホキシド、スルホン、など)、又は含リン結合(例えば、ホスフィニル、ホスホニル、など)のようなアルキレン又はアルキリデンとは異なる部分により連結された2以上のアルキレン又はアルキリデン基からなっていてもよい。加えて、Eは環式脂肪族基(例えば、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン、メチルシクロヘキシリデン、2−[2.2.1]−ビシクロヘプチリデン、ネオペンチリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン、アダマンチリデン、など)、スルフィド、スルホキシド若しくはスルホンのような含イオウ結合、ホスフィニル、ホスホニルのような含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三窒素基、又はシラン若しくはシロキシのような含ケイ素結合であってもよい。R1は水素、又はアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、若しくはシクロアルキルのような一価炭化水素基を表す。Y1はハロゲン(フッ素、臭素、塩素、ヨウ素)のような無機原子、ニトロのような無機基、アルケニル、アリル、若しくは上記R1のような有機基、又はORのようなオキシ基でよく、必要なことはY1がコポリエステルカーボネートを製造するのに使用する反応体及び反応条件に対して不活性であるか又はそれらの影響を受けないということだけである。文字「m」は0からA1上の置換可能部位の数までの任意の整数を表し、「p」は0からE上の置換可能部位の数までの任意の整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0か又は1であり、「u」は0を含む任意の整数を表す。
Dが上記式(VI)で表されるジヒドロキシ置換芳香族炭化水素化合物で、2以上のY置換基が存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。R1置換基についても同じである。式(VI)で「s」が0、「u」が0でない場合、芳香環はアルキリデンその他の橋架けが介在することなく直接結合する。炭化水素残基の2以上の環炭素原子がY1及びヒドロキシル基で置換されている場合、芳香核残基A1上のヒドロキシル基及びY1の位置はオルト、メタ、又はパラの位置で変化することができ、その配置は隣接、非対称又は対称の関係にあることができる。幾つかの特定の実施形態では、パラメーター「t」、「s」、及び「u」が各々1であり、A1基がいずれも非置換フェニレン基であり、Eがイソプロピリデンのようなアルキリデン基である。幾つかの特定の実施形態においてはA1基がいずれもp−フェニレンであるが、両方がo−若しくはm−フェニレンであってもよいし、又は一方がo−若しくはm−フェニレンで、他方がp−フェニレンであってもよい。
式(V)のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素の幾つかの具体的な非限定例としては、名称又は式(一般名称若しくは式又は一般式若しくは個々の式)が米国特許第4217438号に開示されているジヒドロキシ置換芳香族炭化水素がある。ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素の幾つかの特定の例としては、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−ビス(3,5−ジメチル)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−クロロフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(一般にビスフェノールAといわれる)、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、3,5,3’,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、2,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ヒドロキノン、レゾルシノール、C1-3アルキル置換レゾルシノールがある。
また、適切なジヒドロキシ置換芳香族炭化水素には、下記式(VII)で表される3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,3−トリメチルインダン−5−オールという化合物、及び下記式(VIII)で表される1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン−5−オールという化合物のようなインダン構造単位を含有するものも含まれる。
Figure 2005521765
また、適切なジヒドロキシ置換芳香族炭化水素の中には、次式(IX)を有する2,2,2’,2’−テトラヒドロ−1,1’−スピロビ[1H−インデン]ジオールもある。
Figure 2005521765
式中、各R6は独立に一価炭化水素基及びハロゲン基から選択され、各R7、R8、R9、及びR10は独立にC1-6アルキルであり、各R11及びR12は独立にH又はC1-6アルキルであり、各nは独立に0〜3の値を有する正の整数から選択される。特定の実施形態において、2,2,2’,2’−テトラヒドロ−1,1’−スピロビ[1H−インデン]ジオールは、2,2,2’,2’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビ[1H−インデン]−6,6’−ジオール(「SBI」といわれることがある)である。
本発明の様々な実施形態で使用する「アルキル」という用語は、直鎖アルキル、枝分れアルキル、アラルキル、シクロアルキル、及びビシクロアルキル基のいずれもを指称するものである。様々な実施形態において、直鎖及び枝分れのアルキル基は1〜約12個の炭素原子を含有するものであり、具体的な非限定例としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、第三−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシルがある。様々な実施形態において、シクロアルキル基は3〜約12個の環炭素原子を含有するものである。これらのシクロアルキル基の幾つかの具体的な非限定例としては、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、及びシクロヘプチルがある。様々な実施形態において、アラルキル基は7〜約14個の炭素原子を含有するものであり、限定されることはないが、ベンジル、フェニルブチル、フェニルプロピル、及びフェニルエチルがある。様々な実施形態において、本発明の様々な実施形態で使用するアリール基は6〜18個の環炭素原子を含有するものである。これらのアリール基の幾つかの具体的な非限定例としては、フェニル、ビフェニル、及びナフチルがある。
コポリエステルカーボネートの製造の際、上記ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素は単独で使用してもよいし、又は2種以上の異なるジヒドロキシ置換芳香族炭化水素の混合物として使用してもよい。一つの特定の実施形態において、コポリエステルカーボネートの製造に適切なジヒドロキシ置換芳香族炭化水素は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(一般にビスフェノールA又は「BPA」といわれる)である。
もう一つ別の特定の実施形態においてジヒドロキシ置換芳香族炭化水素はレゾルシノール部分である。本発明の方法で使用するのに適切なレゾルシノール部分は次式(X)の単位を含んでいる。
Figure 2005521765
式中、Rは1以上のC1-12アルキル又はハロゲンであり、nは0〜3である。存在する場合アルキル基は、様々な実施形態で、直鎖、枝分れ又は環式アルキル基であり、両方の酸素原子に対してオルト位にあることが最も多いが他の環の位置も考えられる。適切なC1-12アルキル基としては、限定されることはないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−ブチル、t−ブチル、ノニル、デシル、ドデシル、及びベンジルを始めとするアリール置換アルキルがある。特定の実施形態において適切なアルキル基はメチルである。適切なハロゲン基としてはブロモ、クロロ、及びフルオロがある。アルキル及びハロゲン置換基を混合して含有する1,3−ジヒドロキシベンゼン部分も幾つかの実施形態で適している。nの値は、一つの実施形態においては0〜3の範囲、もう一つ別の実施形態においては0〜2の範囲、さらに別の実施形態においては0〜1の範囲にあり得る。一つの実施形態においてレゾルシノール部分は2−メチルレゾルシノールである。もう一つ別の実施形態においてレゾルシノール部分は、nが0である非置換レゾルシノール部分である。非置換レゾルシノールと2−メチルレゾルシノールの混合物のような1,3−ジヒドロキシベンゼン部分の混合物から誘導された構造単位を含有するポリマーも考えられる。
一つの実施形態において、レゾルシノール部分を使用する場合、このレゾルシノール部分は水溶液として、又は少なくともある程度未溶解のレゾルシノール部分を含む水との混合物として反応混合物に添加する。多くの状況で非置換レゾルシノールのようなレゾルシノール部分を含有する水溶液は時間と共に変色する。本発明は理論に依存することはないが、溶液の着色・変色の少なくとも幾らかはレゾルシノール部分種の酸化の結果であり得ると考えられる。レゾルシノール部分を含む変色した溶液を本発明のポリマーの合成に使用すると、生成物のポリマーは所望のものより色が濃くなることがあり、そのポリマーは多くの用途に使用するのに向かなくなる。レゾルシノール部分を含む水溶液と水の混合物の変色が、pHを、一つの実施形態において水溶液中で約5以下、もう一つ別の実施形態においては水溶液中で約4以下、さらに別の実施形態においては水溶液中で約3以下にすることによって阻止できることが発見された。一つの実施形態において、約5以下のpHでレゾルシノール部分を含む水溶液を本発明の実施形態でポリマーの合成に使用すると、生成物のポリマーは通例、酸を添加することなくレゾルシノール部分を含む水溶液を用いて製造した対応するポリマーより色が薄くなる。もう一つ別の実施形態において、約5以下のpHでレゾルシノール部分を含む水溶液を本発明の実施形態でポリマーの合成に使用すると、生成物のポリマーは通例、水溶液のpHが約5を超える場合のレゾルシノール部分を含む水溶液を用いて製造した対応するポリマーより色が薄い。色は目視観察又は分光学的方法のような当業者に公知の他の方法によって決定することができる。
水と1以上のレゾルシノール部分を含む溶液又は混合物中に存在する水の量は、一つの実施形態において約0.5〜約70wt%の範囲、もう一つ別の実施形態においては約0.5〜約30wt%の範囲、もう一つ別の実施形態においては約1〜約25wt%の範囲、もう一つ別の実施形態においては約2〜約20wt%の範囲、そしてさらに別の実施形態においては約5〜約15wt%の範囲にある。一つの特定の実施形態において、水及び1以上のレゾルシノール部分を含む溶液又は混合物中に存在する水の量は約50〜約60wt%の範囲にある。
約5以下のpHは、幾つかの実施形態において、1以上の無機酸若しくは1以上の有機酸、又は1以上の無機酸と組み合わせた1以上の有機酸を用いて提供することができる。様々な実施形態において無機酸は塩酸、リン酸、亜リン酸、硫酸、及びこれらの混合物からなる。様々な実施形態において、有機酸は有機スルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、スルホン酸で官能化されたイオン交換樹脂、有機カルボン酸、乳酸、リンゴ酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、チオグリコール酸、タルトロン酸、酢酸、ハロゲン化された酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、グルコン酸、アルコルビン酸、及びこれらの混合物からなる。幾つかの実施形態においては、他のある種の酸と比較してその鉄錯化能及び腐食性の欠如のためグルコン酸が特に有益であろう。
他の実施形態において、pH5以下の水溶液は、ポリマーを含む有機溶液を、酸を含む水溶液で洗浄することにより生ずる再循環水流から得られる。ある特定の実施形態では、この再循環水流は縮合ポリマー及び1以上の塩(例えば、アルカリ金属ハロゲン化物)を含む有機溶液の洗浄により得られる。別の特定の実施形態では、再循環水流はビスフェノールAポリカーボネートポリマーを含む有機溶液を酸性水溶液で洗浄することにより得られる。別の特定の実施形態では、再循環水流はレゾルシノールアリーレートを含むポリマーを含む有機溶液を酸性水溶液で洗浄することにより得られる。さらに別の特定の実施形態では、再循環水流はコポリエステルカーボネートを含む有機溶液を酸性水溶液で洗浄することにより得られる。様々な実施形態において適切な再循環水流は、限定されることはないが、塩化ナトリウム、フッ化ナトリウム、塩化カリウム、又はフッ化カリウムのような1以上のアルカリ金属ハロゲン化物を含み得る。他の実施形態において適切な再循環水流は水酸化トリアルキルアミン塩のような1以上のアミン塩を含み得る。幾つかの実施形態においてアミン塩は以下に記載するトリアルキルアミンから誘導される。様々な実施形態において適切な再循環水流は1以上のアルカリ金属ハロゲン化物と1以上のアミン塩を両方とも含む。特定の実施形態において適切な再循環水流は水酸化トリエチルアミンと塩化ナトリウムを含む。他の実施形態において、適切な再循環水流は、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩、又はグアニジニウム塩である1以上のアミン塩を含み得る。幾つかの実施形態において適切な第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩、又はグアニジニウム塩は後述するものである。再循環水中にレゾルシノール部分を含む水溶液は、一つの実施形態において約5以下のpH、もう一つ別の実施形態においては約4以下のpH、もう一つ別の実施形態においては約3以下のpH、もう一つ別の実施形態においては約1〜約3の範囲のpH、もう一つ別の実施形態においては約1〜約2の範囲のpH、さらに別の実施形態においては約1〜約1.6の範囲のpHを有する。
再循環水流がアミン塩、水酸化トリアルキルアミン塩、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩、及びグアニジニウム塩からなる群から選択される1以上の構成員を含む実施形態において、一つの実施形態で、再循環水流から得られる前記1以上の構成員種がコポリエステルカーボネートの合成法で触媒として必要とされる場合、この再循環水流がそれらの種の総量の少なくとも一部の供給源として機能し得る。他の実施形態において、再循環水流はこれらの種が触媒として必要とされる場合それらの種の総量の供給源として機能し得る。特定の実施形態においては、再循環水流中に存在する触媒種を分析し、必要に応じて、追加の触媒種を再循環水流に添加したり又は再循環水流を追加の水で希釈したりして触媒種の濃度を調節し、反応混合物に添加される触媒種の総量が別途触媒を添加する必要なく再循環水から得られるようにすることができる。特定の実施形態において、分析及び任意の濃度調節は、レゾルシノール部分を含む再循環水を使用する前に行う。当業者には認識されるように、ポリマーを含む有機溶液を洗浄するのにレゾルシノール部分を含まない水性組成物を実際に使用しなかったとしても、レゾルシノール部分及び再循環水流の成分を含む水性組成物を調製し、重合反応に使用してもよい。
レゾルシノール部分及び酸を含む水溶液又は酸性再循環水流は使用する前に調製し、所望であれば、別の場所に輸送し、及び/又は一定期間貯蔵することができる。これらの溶液は実質的に室温であってもよいし、又は室温より高い温度であってもよい。一つの実施形態において水を含むレゾルシノール部分の溶液はレゾルシノール部分の融点より高い温度、例えば非置換レゾルシノールの融点より高い温度であってもよい。
もう一つ別の実施形態において、レゾルシノール部分のようなジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分は溶融状態で反応混合物に添加してもよい。ある特定の実施形態では溶融レゾルシノール部分が水を含んでいてもよい。別の特定の実施形態において、溶融レゾルシノール部分は水と、1以上の無機酸若しくは1以上の有機酸又は1以上の無機酸と1以上の有機酸の組合せとを含む。別の特定の実施形態において、溶融レゾルシノール部分は実質的に水を含まず、1以上の無機酸若しくは1以上の有機酸、又は1以上の無機酸と1以上の有機酸との組合せを含んでいる。いずれのタイプの酸も上記したものの中から選択することができる。幾つかの実施形態において、有機酸はその低めの腐食性に基づいて選択することができる。本明細書中で実質的に水を含まないとは、遊離の水を意図的に添加しないこと、及び存在する水が偶発的に、例えば周囲の環境からの吸着によって得られたものであることを意味している。幾つかの実施形態において、実質的に水を含まないとは、溶融レゾルシノール部分が約0.5wt%未満の水を含むことを意味している。レゾルシノール部分を溶融状態で反応混合物に添加するときに存在し得る酸の量は、酸を添加していないレゾルシノール部分を含む対応する組成物と比較して一定期間にわたり着色・変色を遅らすのに充分な量である。様々な実施形態において存在し得る酸の量は、一つの実施形態において約0.1〜約100000ppmの範囲、もう一つ別の実施形態においては約1〜約10000ppmの範囲、もう一つ別の実施形態においては約10〜約8000ppmの範囲、もう一つ別の実施形態においては約50〜約4000ppmの範囲、さらに別の実施形態においては約100〜約3000ppmの範囲である。
ヒドロキシ末端ポリエステル中間体を製造する方法はさらに、1以上の触媒を反応混合物と合わせることを含んでいる。この触媒は、酸塩化物基の総モル量を基準にして、一つの実施形態において約0.1〜約10モル%の範囲、もう一つ別の実施形態においては約0.2〜約6モル%の範囲の合計レベルで存在し得る。適切な触媒は、第三アミン、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩、グアニジニウム塩、及びこれらの混合物からなる。適切な第三アミンとしては、トリエチルアミン、ジメチルブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、及びこれらの混合物がある。その他の考えられる第三アミンとしては、N−エチルピロリジンのようなN−C1〜C6−アルキル−ピロリジン、N−エチルピペリジン、N−メチルピペリジン、及びN−イソプロピルピペリジンのようなN−C1〜C6−ピペリジン、N−エチルモルホリン及びN−イソプロピル−モルホリンのようなN−C1〜C6−モルホリン、N−C1〜C6−ジヒドロインドール、N−C1〜C6−ジヒドロイソインドール、N−C1〜C6−テトラヒドロキノリン、N−C1〜C6−テトラヒドロイソキノリン、N−C1〜C6−ベンゾモルホリン、1−アザビシクロ−[3.3.0]−オクタン、キヌクリジン、N−C1〜C6−アルキル−2−アザビシクロ−[2.2.1]−オクタン、N−C1〜C6−アルキル−2−アザビシクロ−[3.3.1]−ノナン、及びN−C1〜C6−アルキル−3−アザビシクロ−[3.3.1]−ノナン、N,N,N’,N’−テトラアルキルアルキレンジアミン、例えばN,N,N’,N’−テトラエチル−1,6−ヘキサンジアミンがある。特定の実施形態において第三アミンはトリエチルアミン及びN−エチルピペリジンである。
触媒が1以上の第三アミンを含む場合、その触媒は、酸塩化物基の総モル量を基準にして、一つの実施形態において約0.1〜約10モル%の範囲、もう一つ別の実施形態においては約0.2〜約6モル%の範囲、もう一つ別の実施形態においては約1〜約4モル%の範囲、さらに別の実施形態においては約2〜約4モル%の範囲の合計レベルで存在し得る。別の特定の実施形態において、第三アミンは酸塩化物基の総モル量を基準にして約0.5〜約2モル%の範囲の合計レベルで存在し得る。本発明の一つの実施形態において、1以上の第三アミンはその全てが、酸塩化物をジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分に添加する前の反応の始めに存在する。本発明のもう一つ別の実施形態においては、1以上の第三アミンの全てが、酸塩化物をレゾルシノール部分に添加する前の反応の始めに存在する。もう一つ別の実施形態においては、第三アミンの一部分が反応の始めに存在し、一部は酸塩化物をジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分に添加した後又はその添加中に添加する。さらに別の実施形態においては、第三アミンの一部分が反応の始めに存在し、一部は酸塩化物をレゾルシノール部分に添加した後又はその添加中に添加する。この後者の実施形態において、ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分と共に初期に存在する第三アミンの量は、アミン全体を基準にして、一つの実施形態において約0.005〜約10wt%、もう一つ別の実施形態においては約0.01〜約1wt%、さらに別の実施形態においては約0.02〜約0.3wt%の範囲であり得る。
適切な第四アンモニウム塩及び第四ホスホニウム塩としては第四アンモニウム及び第四ホスホニウムハロゲン化物があり、その具体的な例としては、限定されることはないが、臭化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化メチルトリブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化セチルジメチルベンジルアンモニウム、臭化オクチルトリエチルアンモニウム、臭化デシルトリエチルアンモニウム、臭化ラウリルトリエチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリエチルアンモニウム、塩化N−ラウリルピリジニウム、臭化N−ラウリルピリジニウム、臭化N−ヘプチルピリジニウム、塩化トリカプリリルメチルアンモニウム(ALIQUAT 336といわれることがある)、塩化メチルトリ−C8〜C10−アルキル−アンモニウム(ADOGEN 464といわれることがある)、米国特許第5821322号に開示されているようなN,N,N’,N’,N’−ペンタアルキル−α,ω−アミン−アンモニウム塩、臭化テトラブチルホスホニウム、塩化ベンジルトリフェニルホスホニウム、臭化トリエチルオクタデシルホスホニウム、臭化テトラフェニルホスホニウム、臭化トリフェニルメチルホスホニウム、臭化トリオクチルエチルホスホニウム、臭化セチルトリエチルホスホニウムがある。適切なグアニジニウム塩としては、限定されることはないが、ヘキサアルキルグアニジニウム塩及びα,ω−ビス(ペンタアルキルグアニジニウム)アルカン塩、例えば、ヘキサアルキルグアニジニウムハロゲン化物、α,ω−ビス(ペンタアルキルグアニジニウム)アルカンハロゲン化物、ヘキサエチルグアニジニウムハロゲン化物、及び塩化ヘキサエチルグアニジニウムがある。
ヒドロキシ末端ポリエステル中間体の合成に使用するのに適切な実質的に水と非混和性の有機溶媒として、一つの実施形態においては反応条件下で約5wt%未満の水溶性、もう一つ別の実施形態においては約2wt%未満の水溶性のものがある。適切な有機溶媒としては、限定されることはないが、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、クロロトルエン、及びこれらの混合物がある。特定の実施形態において、水非混和性溶媒はジクロロメタンのような塩素化脂肪族化合物である。
本発明の方法に使用するのに適切な酸塩化物は、単環式部分を含む芳香族ジカルボン酸二塩化物、例えば、二塩化イソフタロイル、二塩化テレフタロイル、若しくは二塩化イソフタロイルと二塩化テレフタロイルの混合物、又は多環式部分を含む芳香族ジカルボン酸二塩化物、例えば、ジフェニルジカルボン酸二塩化物、ジフェニルエーテルジカルボン酸二塩化物、ジフェニルスルホンジカルボン酸二塩化物、ジフェニルケトンジカルボン酸二塩化物、ジフェニルスルフィドジカルボン酸二塩化物、及びナフタレンジカルボン酸二塩化物(例えば、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸二塩化物)、又は単環式部分を含む芳香族ジカルボン酸二塩化物の混合物、又は多環式部分を含む芳香族ジカルボン酸二塩化物の混合物、又は単環式部分と多環式部分の両者を含む芳香族ジカルボン酸二塩化物の混合物からなるジカルボン酸二塩化物からなる。幾つかの実施形態において、ジカルボン酸二塩化物は、通例次式(XI)で示される二塩化イソフタロイル及び/又は二塩化テレフタロイルを含有する混合物からなる。
Figure 2005521765
二塩化イソフタロイルと二塩化テレフタロイルのいずれか又は両者が存在し得る。様々な実施形態において、この酸塩化物は、イソフタロイル対テレフタロイルのモル比が幾つかの実施形態で約0.25〜4.0:1である二塩化イソフタロイルと二塩化テレフタロイルの混合物からなる。イソフタレート対テレフタレートの比が約4.0:1を超えると、許容できないレベルの環式オリゴマーが生成し得る。イソフタレート対テレフタレートの比が約0.25:1未満であると、許容できないレベルの不溶性ポリマーが生成し得る。幾つかの実施形態においてイソフタレート対テレフタレートのモル比は約0.4〜2.5:1、他の実施形態では約0.67〜1.5:1である。
別の実施形態において、本発明は、レゾルシノールアリーレートポリエステル連鎖構成員をジカルボン酸アルキレンから誘導された連鎖構成員又はジオールアルキレン連鎖構成員(いわゆる「ソフトブロック」セグメント)と組み合わせて含み、ポリエステルセグメント中に無水物結合を実質的に含まないヒドロキシ末端コポリエステル中間体を包含する。ソフトブロツクセグメントを含有する関連のコポリエステルは本出願人の米国特許第5916997号に開示されている。
本明細書で使用するソフトブロックという用語は、これら特定のポリマーの幾つかのセグメントが非芳香族モノマー単位からできていることを示す。かかる非芳香族モノマー単位は一般に脂肪族であり、そのソフトブロックを含有するポリマーに柔軟性を付与することが知られている。かかるコポリエステル中間体には、次式(I)、(XII)、及び(XIII)の構造単位を含むものがある。
Figure 2005521765
式中、Rは1以上のC1-12アルキル又はハロゲンであり、nは0〜3であり、Zは二価芳香族基であり、R2はC3-20直鎖アルキレン、C3-10枝分れアルキレン、又はC4-10シクロ−若しくはビシクロアルキレン基であり、R3及びR4は各々独立に次式の基を表す。
Figure 2005521765
式(XIII)は幾つかの実施形態でこのポリエステル中間体のエステル結合の約1〜約45モルパーセントを占める。本発明の別の実施形態は、式(XIII)が幾つかの実施形態でポリエステル中間体のエステル結合の約5〜約40モルパーセントを占め、他の実施形態ではポリエステル中間体のエステル結合の約5〜約20モルパーセントを占める組成物を提供する。他の実施形態は、R2がC3-14直鎖アルキレン又はC5-6シクロアルキレンを表す組成物を提供する。さらに他の実施形態では、R2がC3-10直鎖アルキレン又はC6−シクロアルキレンを表す組成物を提供する。式(XII)は芳香族ジカルボン酸残基を表す。式(XII)で二価芳香族基Zは前記した1以上の適切なジカルボン酸残基から誘導され、例えば1以上の1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、又は2,6−ナフチレンであり得る。幾つかの実施形態においてZは約40モルパーセント以上の1,3−フェニレンを含む。ソフトブロック連鎖構成員を含有するコポリエステル中間体の様々な実施形態において式(I)中のnは0である。
幾つかの実施形態において、レゾルシノールアリーレート連鎖構成員を含有するコポリエステル中間体は約1〜約45モル%のセバケート又はシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート単位を含むものである。特定の実施形態において、レゾルシノールアリーレート連鎖構成員を含有するコポリエステル中間体はレゾルシノールイソフタレート及びレゾルシノールセバケート単位を8.5:1.5〜9.5:0.5のモル比で含む。代表的な方法では、前記コポリエステル中間体は塩化セバコイルを二塩化イソフタロイルと組み合わせて使用して製造される。
様々な実施形態において、本発明は、無水物結合を実質的に含まないコポリエステルカーボネートの界面製造方法を提供する。この方法は、1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分、1以上の触媒及び1以上の実質的に水と非混和性の有機溶媒を含む混合物を製造する工程と、pHを約3〜約8.5に維持したまま、混合物に1以上の酸塩化物を添加する工程を含んでおり、ここで酸塩化物基の総モル量はフェノール性の基の総モル量に対して化学量論的に不充分である。もう一つ別の実施形態において、本発明は無水物結合を実質的に含まないコポリエステルカーボネートの界面製造方法を提供するが、この方法は、1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分、1以上の触媒及び1以上の実質的に水と非混和性の有機溶媒を含む混合物を製造する工程と、この混合物に1以上の酸塩化物と塩基を、時間と共に変化してもしなくてもよいある特定の塩基対酸塩化物の化学量論比で、時間と共に変化してもしなくてもよい特定の速度で添加する工程とを含んでおり、ここで酸塩化物基の総モル量はフェノール性基の総モル量に対して化学量論的に不充分である。
ポリエステル中間体の製造方法において、1以上の酸塩化物の添加中の反応混合物のpHは、大部分の1以上の酸塩化物を1以上のレゾルシノール部分に添加する間中、一つの実施形態においては約3〜約8.5に、もう一つ別の実施形態においては約4〜約8.5に、もう一つ別の実施形態においては約5〜約8.5に、もう一つ別の実施形態においては約5〜約8に、もう一つ別の実施形態においては約5〜約7.5に維持する。このpHは通例1以上の塩基を用いることによって維持する。pHを維持するのに適切な塩基としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類水酸化物、及びアルカリ土類酸化物がある。幾つかの実施形態において、塩基は水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムである。特定の実施形態において、塩基は水酸化ナトリウムである。pHを維持するための塩基は固体又は液体のようないかなる都合のよい形態でも反応混合物に含ませることができる。特定の実施形態において、塩基は水溶液として反応混合物に含ませる。様々な実施形態において、塩基と酸塩化物は、限定されることはないが、1以上の個別の液体添加容器、重量計量供給装置、液体計量ポンプ又は計量系、溶融供給手段及びその他公知の装置を始めとする当技術分野で公知の手段によって別々に添加される。
様々な実施形態において、塩基の総量の少なくとも一部分を、酸塩化物の添加と同時に水溶液として反応混合物に添加する。幾つかの実施形態においては、塩基対酸塩化物の化学量論比を、添加工程中実質的に一定の値に保つ。ここで、実質的に一定とは、比のあらゆる変化が偶発的であることを意味する。特定の実施形態においては、塩基対酸塩化物の比を、同時添加中化学量論値の約80〜約105%の範囲で一定の値に保つ。他の特定の実施形態においては、同時添加中塩基対酸塩化物の比を、一つの実施形態においては化学量論値の約85〜約105%の範囲、もう一つ別の実施形態においては化学量論値の約90〜約105%の範囲、もう一つ別の実施形態においては化学量論値の約90〜約100%の範囲、もう一つ別の実施形態においては化学量論値の約90〜約99%の範囲で一定の値に保つ。他の実施形態において、同時添加中の塩基対酸塩化物の比は、幾つかの実施形態においては化学量論値の約0〜約1000%の範囲、他の実施形態においては化学量論値の約0〜約500%の範囲、他の実施形態においては化学量論値の約0〜約200%の範囲、他の実施形態においては化学量論値の約0〜約125%の範囲、他の実施形態においては化学量論値の約0〜約105%の範囲、他の実施形態においては化学量論値の約85〜約110%の範囲、他の実施形態においては化学量論値の約90〜約105%の範囲、他の実施形態においては化学量論値の約90〜約100%の範囲、他の実施形態においては化学量論値の約90〜約99%の範囲で添加工程中変化させる。同時添加中特に高い比の塩基と酸塩化物を使用する場合、かかる高い比は通例短い時間、例えば幾つかの実施形態においては酸塩化物添加量の約0.1〜約5%の間使用し得る。化学量論から外れたいかなる添加比も通例残りの酸塩化物の添加中に補償される。すなわち、様々な実施形態において、酸塩化物の全添加にわたる塩基と酸塩化物の平均添加比は、例えば幾つかの実施形態では化学量論の約85〜約105%の範囲であり得るが、瞬間的な添加比はずっと広い範囲であることができる。幾つかの実施形態において、酸塩化物の添加中に添加しなかった残りの塩基はすべて、酸塩化物の添加完了後に添加する。さらに他の実施形態において、酸塩化物の添加は塩基の添加開始前に開始して、塩基対酸塩化物の初期の比が0%になるようにする。特定の実施形態において、この遅延時間は、pHが一つの実施形態においては約3〜約8.5、もう一つ別の実施形態においては約5〜約8.5の所望の範囲内に留まるようなものとし得る。さらに他の実施形態においては、酸塩化物添加中の1以上の時点で塩基の添加を止め、その後再開して、塩基対酸塩化物の化学量論比が一時的に0%になるようにする。他の特定の実施形態において、塩基と酸塩化物の添加速度は添加工程中実質的に一定の値に保つ。他の特定の実施形態においては、塩基若しくは酸塩化物、又は塩基と酸塩化物の両方の添加速度を添加工程中に変化させる。
本発明の他の実施形態において、塩基と酸塩化物は、塩基対酸塩化物のモル比を実質的に一定にして、一つの実施形態においては全部の酸塩化物添加の約60%以上、もう一つ別の実施形態においては全部の酸塩化物添加の約70%以上、もう一つ別の実施形態においては全部の酸塩化物添加の約80%以上、もう一つ別の実施形態においては全部の酸塩化物添加の約90%以上、もう一つ別の実施形態においては全部の酸塩化物添加の約94%以上、もう一つ別の実施形態においては全部の酸塩化物添加の約98%以上、もう一つ別の実施形態においては全部の酸塩化物添加の98%を超える、もう一つ別の実施形態においては全部の酸塩化物添加の実質的に100%の期間にわたり、同時に反応混合物に導入する。他の実施形態において、酸塩化物の添加中、一つの実施形態においては全部の酸塩化物添加の約60%以上、もう一つ別の実施形態においては全部の酸塩化物添加の約70%以上、もう一つ別の実施形態においては全部の酸塩化物添加の約80%以上、もう一つ別の実施形態においては全部の酸塩化物添加の約90%以上、もう一つ別の実施形態においては全部の酸塩化物添加の約94%以上、もう一つ別の実施形態においては全部の酸塩化物添加の約98%以上、もう一つ別の実施形態においては全部の酸塩化物添加の98%を超える期間にわたり塩基対酸塩化物の平均モル流量比が実質的に一定の値に維持される限り、酸塩化物と塩基の流量を変化させてもよい。
幾つかの特定の実施形態において、塩基と酸塩化物は約94〜96%の範囲の化学量論比で添加を開始し、その後その比を添加の期間中連続的に又は2以上の段階で又は単一の段階で約96〜120%の範囲の値に増大させる。一つの特定の実施形態においては、この比を、反応混合物のpHが約6〜7.5の範囲の値より低くなり始めたときに増大させる。他の特定の実施形態においては、添加の期間中連続的に又は2以上の段階で又は単一の段階で、塩基と酸塩化物の両方の添加速度を増大させる。他の特定の実施形態においては、添加の期間中連続的に又は2以上の段階で又は単一の段階で、塩基と酸塩化物の両方の添加速度を低下させる。他の特定の実施形態においては、塩基と酸塩化物の添加速度を互いに独立に変化させる。様々な実施形態において、塩基は、異なる濃度の塩基を含む2以上の液体添加容器から順に添加することができる。他の実施形態において、塩基は、2以上の液体添加容器から異なる添加速度で順に添加することができる。幾つかの実施形態で、限定されることはないが、反応器の構成形態、攪拌機の幾何学的形状、攪拌速度、温度、全体の溶媒体積、有機溶媒体積、無水物濃度、pHを始めとする要因に応じて、塩基と酸塩化物の合計添加時間は、約120分未満であり得、他の実施形態においては約1〜約60分の範囲、さらに他の実施形態においては約2〜約30分の範囲、さらに他の実施形態においては約2〜約15分の範囲である。
本発明の様々な実施形態において、塩基と酸塩化物を決められた比で添加することにより、反応混合物のpHが、一つの実施形態においては約3〜約8.5の範囲、もう一つ別の実施形態においては約5〜約8.5の範囲になる。従って、反応混合物のpHを測定することにより反応を監視することに加えて又はその代わりに添加された塩基の量を監視することによって、反応の経過を測定することができる。これは、粘稠な界面反応混合物中でpHを正確にかつ瞬間的に測定しなければならない(これは実行困難であろう)場合一つの利点である。
ポリエステル中間体製造中の反応混合物の温度は、適切な反応速度及び無水物結合を実質的に含まないポリエステル中間体が得られるいかなる都合のよい温度でもよい。都合のよい温度とは、約10℃から、反応条件下で反応混合物中の最低沸点バルク成分の沸点までのものである。反応は加圧下で行ってもよい。様々な実施形態において反応器の圧力はゲージの読みで約0ポンド/平方インチ(psig)〜約100psigの範囲であり得る。幾つかの実施形態において、反応温度は、周囲温度から反応条件下における水−有機溶媒混合物の沸点までの範囲であり得る。一つの実施形態において、反応は、水−有機溶媒混合物中の有機溶媒の沸点で行う。特定の実施形態において、反応はジクロロメタンの沸点で行う。
様々な実施形態において、反応混合物に添加される酸塩化物基の総モル量はフェノール性基の総モル量に対して化学量論的に不充分である。前記化学量論比は、酸塩化物基の加水分解が最小になり、かつフェノール及び/又はフェノキシドのような求核試薬が存在して反応条件下で生成するあらゆる偶発的な無水物結合を破壊し得るので、望ましいであろう。酸塩化物基の総モル量には、1以上のジカルボン酸二塩化物、並びに使用することがあるあらゆるモノカルボン酸塩化物連鎖停止剤及びあらゆるトリ−又はテトラ−カルボン酸三−又は四−塩化物枝分れ剤が含まれる。フェノール性基の総モル量には、ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分、並びに使用することがあるあらゆるモノ−フェノール性連鎖停止剤及びあらゆるトリ−又はテトラ−フェノール性枝分れ剤が含まれる。総フェノール性基対総酸塩化物基の化学量論比は、一つの実施形態においては約1.9:1〜約1.01:1の範囲、もう一つ別の実施形態においては約1.5:1〜約1.01:1の範囲、もう一つ別の実施形態においては約1.25:1〜約1.01:1の範囲、さらに別の実施形態においては約1.10:1〜約1.01:1の範囲である。
1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分に対する1以上の酸塩化物の添加完了後の偶発的な無水物結合の存否は、通例、反応体の正確な化学量論比及び存在する触媒の量、並びにその他の可変物に依存する。例えば、充分なモル過剰の総フェノール性基が存在すると、無水物結合は存在しないことが多い。幾つかの実施形態において酸塩化物基の総量より約1%以上、他の実施形態において約3%以上モル過剰の総量のフェノール性基が、反応条件下で無水物結合を排除するのに充分であろう。無水物結合が存在し得るとき、フェノール、フェノキシド及び/又は水酸化物のような求核試薬が存在してあらゆる偶発的な無水物結合を破壊し得るように、反応混合物の最終pHは、一つの実施形態において約7〜約12、もう一つ別の実施形態においては約7〜約9、もう一つ別の実施形態においては約7.2〜約8.8、もう一つ別の実施形態においては約7.5〜約8.5、さらに別の実施形態においては約7.5〜約8.3の範囲であるのが望ましいことが多い。従って、その実施形態の幾つかにおいて、本発明の方法は、さらに、1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分に対する1以上の酸塩化物の添加完了後反応混合物のpHを一つの実施形態において約7〜約12の範囲の値に調節する工程を含んでいてもよい。このpHは何らかの都合のよい方法により、例えば水性水酸化ナトリウムのような水性塩基を用いて調節することができる。
反応混合物の最終pHが一つの実施形態において約7〜約12の範囲、もう一つ別の実施形態においては約7〜約9の範囲になることを条件として、本発明の方法はもう一つ別の実施形態において、さらに、存在する場合あらゆる偶発的な無水物結合を破壊するのに充分な時間反応混合物を攪拌する工程を含んでいてもよい。必要な攪拌時間は反応器の構成形態、攪拌機の幾何学的形状、攪拌速度、温度、全体の溶媒体積、有機溶媒の体積、無水物濃度、pH、その他の要因に依存する。適切な攪拌速度は当業者に公知の類似の要因に依存し、容易に決定できる。幾つかの実施形態で適切な攪拌速度は約50〜約600rpmの範囲、他の実施形態においては約100〜約500rpmの範囲、他の実施形態においては約200〜約500rpmの範囲、さらに他の実施形態においては約300〜約400rpmの範囲である。幾つかの場合、必要な攪拌時間は実質的に瞬時であり、例えばあらゆる偶発的な無水物結合が始めに存在していたと仮定して約7〜約12の範囲の値にpHを調節する数秒以内である。典型的な実験室規模の反応装置の場合、攪拌時間は一つの実施形態において約1分以上、もう一つ別の実施形態においては約3分以上、もう一つ別の実施形態においては約5分以上が必要であろう。この工程によって、フェノール、フェノキシド及び/又は水酸化物のような求核試薬が、存在する場合のあらゆる偶発的な無水物結合を完全に破壊する時間があるであろう。
1以上の連鎖停止剤(以後本明細書においては封鎖剤ということもある)が本発明の方法及び組成物中に存在していてもよい。1以上の連鎖停止剤を添加する一つの目的は、ポリマーの分子量を制限し、従って調節された分子量を有するポリマーを提供することである。他の実施形態においては、ポリエステル中間体を、溶液中で使用するか、又はポリエステルセグメント上に反応性末端基(通例フェノール性ヒドロキシ)が存在する必要があり得るコポリマーの生成といったような以後の用途のために溶液から回収しようとするとき、少なくとも幾らかの連鎖停止剤を添加することがある。連鎖停止剤は1以上のモノ−フェノール性化合物、モノカルボン酸塩化物、及び/又はモノ−クロロホルメートでよい。反応中のいずれかの時に添加する連鎖停止剤の量は、ポリマー鎖末端基の全部又は少なくとも一部を封鎖するようなものとすることができる。通例、存在するときの1以上の連鎖停止剤は、モノ−フェノール性化合物の場合はジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分を基準にして、モノカルボン酸塩化物及び/又はモノ−クロロホルメートの場合は酸二塩化物を基準にして、0.05〜10モル%の量で存在することができる。
適切なモノ−フェノール性化合物としては、単環式フェノール、例えば、非置換フェノール、C1〜C22アルキル置換フェノール、p−クミル−フェノール、p−第三−ブチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、ジフェノールのモノエーテル、例えばp−メトキシフェノールがある。アルキル置換フェノールとしては、8〜9個の炭素原子を有する枝分れ鎖アルキル置換基をもち、幾つかの実施形態においては米国特許第4334053号に記載されているように水素原子の約47〜89%がメチル基の一部となっているものがある。幾つかの実施形態ではモノ−フェノール性UV遮蔽剤を封鎖剤として使用する。かかる化合物としては、4−置換−2−ヒドロキシベンゾフェノン及びそれらの誘導体、サリチル酸アリール、ジフェノールのモノエステル、例えばモノ安息香酸レゾルシノール、2−(2−ヒドロキシアリール)−ベンゾトリアゾール及びそれらの誘導体、2−(2−ヒドロキシアリール)−1,3,5−トリアジン及びそれらの誘導体、並びに類似の化合物がある。様々な実施形態において、モノ−フェノール性連鎖停止剤はフェノール、p−クミルフェノール、又はモノ安息香酸レゾルシノールの1以上である。
適切なモノカルボン酸塩化物としては、単環式、モノカルボン酸塩化物、例えば、塩化ベンゾイル、C1〜C22アルキル置換塩化ベンゾイル、塩化トルオイル、ハロゲン置換塩化ベンゾイル、ブロモ塩化ベンゾイル、塩化シンナモイル、塩化4−ナジミドベンゾイル、及びこれらの混合物、多環式モノカルボン酸塩化物、例えば、トリメリト酸無水物塩化物、及び塩化ナフトイル、並びに単環式と多環式のモノカルボン酸塩化物の混合物がある。炭素原子数22以下の脂肪族モノカルボン酸の塩化物も適切である。脂肪族モノカルボン酸の官能化された塩化物、例えば塩化アクリロイル及び塩化メタクリロイルも適切である。適切なモノ−クロロホルメートとしては、単環式モノ−クロロホルメート、例えば、フェニルクロロホルメート、アルキル置換フェニルクロロホルメート、p−クミルフェニルクロロホルメート、トルエンクロロホルメート、及びこれらの混合物がある。
連鎖停止剤は、何らかの都合のよい方法で反応混合物に添加することができる。幾つかの実施形態において、連鎖停止剤は、ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分と組み合わせることもできるし、酸塩化物の溶液中に含有させることもできるし、酸塩化物とは別々に添加することもできるし、また、予備縮合物の生成後反応混合物に添加することもできる。幾つかの実施形態においては、連鎖停止剤の少なくとも幾らかが酸塩化物添加前の反応混合物中に存在する。他の実施形態においては、連鎖停止剤の全てが酸塩化物添加前の反応混合物中に存在する。幾つかの実施形態においては、連鎖停止剤の少なくとも幾らかを、酸塩化物の添加中に反応混合物に添加する。他の実施形態においては、全ての連鎖停止剤を、酸塩化物の添加中又は添加後反応混合物に添加する。他の特定の実施形態において、連鎖停止剤は、酸塩化物の添加中連続的に又は2以上の段階で又は単一の段階で反応混合物に添加する。連続添加の一例では、液体又は溶融形態の連鎖停止剤を、酸塩化物の添加中実質的に一定の速度又は可変速度で連続的に計量して反応混合物中に導入する。段階的な添加の一例では、固体の連鎖停止剤を、酸塩化物の添加中複数回又は一回で反応混合物中に添加する。モノカルボン酸塩化物及び/又はモノ−クロロホルメートを連鎖停止剤として使用する場合、幾つかの実施形態ではこれらをジカルボン酸二塩化物と混合して導入する。これらの連鎖停止剤はまた、ジカルボン酸二塩化物が既に実質的に又は完全に反応してしまったとき一時に反応混合物に添加することもできる。フェノール性化合物を連鎖停止剤として使用する場合、これらは、一つの実施形態においては反応中に、またもう一つ別の実施形態においてはジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分と酸塩化物部分との反応の開始前に、反応混合物に添加することができる。実質的にヒドロキシ末端のアリーレート含有予備縮合物又はオリゴマーが所望の場合は、連鎖停止剤は存在させなくてもよいし、又はオリゴマーの分子量の調節を補助するように小量のみ存在させてもよい。
もう一つ別の実施形態において、本発明の方法は、三官能性以上の官能性のカルボン酸塩化物及び/又は三官能性以上の官能性のフェノールのような1以上の枝分れ剤を含ませることも考えられる。かかる枝分れ剤は、含ませる場合、様々な実施形態において、それぞれ使用する酸塩化物又はジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分を基準にして0.005〜1モル%の量で使用することができる。適切な枝分れ剤としては、例えば、三官能性以上のカルボン酸塩化物、例えばトリメシン酸三塩化物、シアヌル酸三塩化物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸四塩化物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸四塩化物又はピロメリト酸四塩化物、及び三官能性以上のフェノール、例えばフロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼン、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、2,2−ビス−[4,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキシル]−プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)−フェノール、テトラ−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、2,6−ビス−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−プロパン、テトラ−(4−[4−ヒドロキシフェニルイソプロピル]−フェノキシ)−メタン、1,4−ビス−[(4,4−ジヒドロキシトリフェニル)メチル]−ベンゼンがある。様々な実施形態において、フェノール性枝分れ剤はジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分と共に最初に又は酸塩化物の添加中に導入し得るが、酸塩化物枝分れ剤は酸二塩化物と一緒に導入するとよい。
所望であれば、本発明のポリエステル中間体は、還元剤の添加をさらに含む本方法によって作成してもよい。適切な還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、又はホウ水素化ナトリウムのようなホウ水素化物がある。存在する場合、還元剤は通例ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分のモル数を基準にして0.25〜2モル%の量で使用する。また、反応混合物はグルコン酸ナトリウムのような金属キレート化剤を含んでいてもよい。
幾つかの実施形態において、ポリエステル中間体は、コポリエステルカーボネート合成の前に反応混合物から回収してもよい。回収の方法は当業者には周知であり、例えば以下のような1以上の工程を挙げることができる。すなわち、例えば上記のような1以上の無機酸又は有機酸で混合物を酸性化し、混合物を液−液相分離にかけ、有機相を水及び/又は上記した1以上の無機酸又は有機酸のような希酸で洗浄し、水による処理又は例えばメタノール、エタノール及び/又はイソプロパノールのようなアルコールによる逆溶剤沈澱のような通常の方法により沈澱させ、得られた沈澱を単離し、乾燥して残留溶媒を除去する。しかし、酸性化や相分離をすることなく以後の工程に進むことも考えられ、これはヒドロキシ末端ポリエステル中間体の収率や純度を損なうことなく可能であることが多い。
もう一つ別の実施形態において、ポリエステル中間体は、以後の工程のために溶液中に留めておいてもよい。特定の実施形態においては、ポリエステル中間体、水、及び水非混和性有機溶媒を含む界面反応混合物全体を、ブロックコポリエステルカーボネートを製造するためのホスゲン化のような以後の工程に持ち越す。
本発明のもう一つ別の実施形態において、ポリエステル中間体は、1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分を1以上のジカルボン酸のジエステルと合わせることによりメルト中でエステル交換反応によって製造される。本発明の特定の実施形態においては、1以上の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分を1以上のジカルボン酸のジエステルと合わせることによりメルト中でエステル交換反応によってレゾルシノールアリーレート含有ポリエステル中間体を製造する。適切なジカルボン酸ジエステルとしては、上記ジカルボン酸二塩化物に対する正規の前駆体であるジカルボン酸に対応する構造を有するものがある。一つの実施形態において、ジカルボン酸ジエステルは、ジカルボン酸とモノヒドロキシ芳香族化合物から誘導されるジアリールエステルであり、その芳香族部分は単環式又は多環式の芳香族部分である。特定の実施形態において、ジカルボン酸ジアリールエステルの具体例は、イソフタル酸ジアリール、テレフタル酸ジアリール又はこれらのハロゲン若しくは塩素置換誘導体のような単環式芳香族ジカルボン酸ジアリールエステル、又は、ナフタレンジアリールエステルを始めとする縮合多環式芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルのような多環式芳香族ジカルボン酸ジアリールエステル、又は、ビアリールジアリールエステル若しくはビフェニルジアリールエステルを始めとする結合多環式芳香族部分、すなわち式Ar’O−Ar−Y1−Ar−OAr’の部分からなり得る。この式中、Ar及びAr’は独立に本明細書中で定義された芳香族部分であり、Y1はC1-10アルキレン、ハロアルキレン、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−(R13)P(=O)−、又は−(R13)N−であり、R13はアルキル、ハロアルキル、アリール、ハロアリール、アルカリール、ハロアルカリール、アラルキル、ハロアラルキル、シクロアルキル、又はハロシクロアルキルからなる。幾つかの特定の実施形態において、多環式芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルは、ビフェニル−4,4’−ジアリールジカルボキシレート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジアリールジカルボキシレート、ジフェニルスルホン−4,4’−ジアリールジカルボキシレート、ジフェニルケトン−4,4’−ジアリールジカルボキシレート、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジアリールジカルボキシレート、ジフェニルメタン−4,4’−ジアリールジカルボキシレート、ジフェニルジクロロメタン−4,4’−ジアリールジカルボキシレート、又はナフタレンジアリールジカルボキシレート、例えばナフタレン−2,6−ジアリールジカルボキシレート及びナフタレン−2,7−ジアリールジカルボキシレート、又は前記多環式芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルのハロゲン若しくは塩素置換誘導体からなる。他の実施形態において、ジカルボン酸ジエステルはアルキレンジカルボン酸ジエステルからなり、特定の実施形態においてはアルキレンジカルボン酸ジアリールエステルからなり、ここでアルキレン基は様々な実施形態においてC3-20直鎖アルキレン、C3-20枝分れアルキレン、又はC4-20シクロ−若しくはビシクロアルキレン基からなる。幾つかの特定の実施形態において、脂肪族ジカルボン酸ジエステルはセバシン酸ジフェニル及びシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジフェニルからなる群から選択される。
幾つかの実施形態において、ジカルボン酸ジエステルは、以上のアルキレン、単環式及び多環式の芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルを、ポリエステル中間体に上記のような割合の構造単位をもたらす量で組み合わせて含む混合物からなる。様々な実施形態においてジアリールエステルはジフェニルエステルからなり、フェノールから誘導される。他の実施形態において、ジアリールエステルは、モノヒドロキシ部分の酸素置換基に対してオルト、メタ、若しくはパラ位に1以上の電子吸引基を含むモノヒドロキシ芳香族化合物から誘導されたものからなる。もう一つ別の実施形態において、ジアリールエステルは、モノヒドロキシ部分の酸素置換基に対してオルト又はパラ位に1以上の電子吸引基を含むモノヒドロキシ芳香族化合物から誘導されたものからなる。もう一つ別の実施形態において、ジアリールエステルは、モノヒドロキシ部分の酸素置換基に対してオルト又はパラ位に、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、カルボアリール、ハロ、シアノ、及びニトロ、並びにこれらの混合物からなる群から選択される1以上の電子吸引基を含むモノヒドロキシ芳香族化合物から誘導されたものからなる。もう一つ別の実施形態において、ジアリールエステルは、o−カルボメトキシフェノール、o−カルボメトキシメチルフェノール、o−カルボエトキシフェノール、o−カルボプロポキシフェノール、o−クロロフェノール、o−カルボフェニルフェノール、o−カルボフェノキシフェノール、o−カルボベンゾキシフェノール、及びo−ニトロフェノールからなる群から選択されるモノヒドロキシ芳香族化合物から誘導されたものからなる。
幾つかの実施形態において芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルはイソフタル酸ジフェニル、テレフタル酸ジフェニル、又はこれらの混合物からなる。イソフタレート及びテレフタレート部分のいずれか一方又は両方が存在し得る。殆どの場合、イソフタレート対テレフタレートのモル比が約0.2〜5.0:1の範囲で両者が存在する。もう一つ別の実施形態においてはイソフタレート対テレフタレートのモル比が約0.4〜2.5:1、もう一つ別の実施形態においては約0.67〜1.5:1である。
一つの実施形態において、使用するジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分対使用するジカルボン酸ジエステルのモル比は1:1を超え、もう一つ別の実施形態においては約1.01:1〜約1.90:1の範囲、もう一つ別の実施形態においては約1.01:1〜約1.25:1の範囲、さらに別の実施形態においては約1.1:1〜約1.2:1の範囲である。
本方法によって作成されるポリエステル中間体は、ポリエステル連鎖の2以上のモノマー単位を結合する無水物結合を実質的に含まない。特定の実施形態において、このポリエステルは、次式(XIII)に示されるように、イソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導されたジカルボン酸残基と、1以上のレゾルシノール部分から誘導されたジヒドロキシ置換芳香族炭化水素残基とを含んでいる。
Figure 2005521765
式中、Rは1以上のC1-12アルキル又はハロゲンであり、nは0〜3であり、mは約8以上である。様々な実施形態において、nは0であり、mは約4〜約300である。イソフタレート対テレフタレートのモル比は一つの実施形態において約0.25〜4.0:1の範囲、もう一つ別の実施形態においては約0.4〜2.5:1の範囲、さらに別の実施形態においては約0.67〜1.5:1の範囲である。
もう一つ別のその実施形態において、本発明は、ポリエステルブロックセグメントを有機カーボネートブロックセグメントと組み合わせて含む熱的に安定なブロックコポリエステルカーボネートからなる。一つの特定の実施形態において、ポリエステルブロックセグメントはレゾルシノールアリーレートを含有する連鎖構成員からなる。かかるコポリマー内のポリエステル連鎖構成員を含むセグメントは無水物結合を実質的に含まない。無水物結合を実質的に含まないとは、そのコポリエステルカーボネートを約280〜290℃の温度に5分間加熱した際にこのコポリエステルカーボネートが示す分子量低下が一つの実施形態においては10%未満、もう一つ別の実施形態においては5%未満であることを意味する。
ブロックコポリエステルカーボネートには、特定の実施形態に対して次式(XIV)に示されるようにアリーレートブロックと有機カーボネートブロックとを交互に含むものがある。ここで、ジカルボン酸残基はイソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導され、ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素残基は1以上のレゾルシノール部分から誘導され、式中のRは1以上のC1-12アルキル又はハロゲンであり、nは0〜3であり、R5は1以上の二価有機基である。
Figure 2005521765
様々な実施形態において、アリーレートブロックは、mで表される重合度(DP)が、一つの実施形態においては約4以上、もう一つ別の実施形態においては約10以上、もう一つ別の実施形態においては約20以上、さらに別の実施形態においては約30〜150である。幾つかの実施形態においてmは約3以上、他の実施形態においては約10以上、さらに他の実施形態においては約20〜300である。他の実施形態においてmは約20〜約50である。pで表される有機カーボネートブロックのDPは、一つの実施形態において約1以上、もう一つ別の実施形態においては約3以上、もう一つ別の実施形態においては約10以上、さらに別の実施形態においては約20〜200である。他の実施形態においてpの値は約20〜約50の範囲である。本発明で「交互のカーボネート及びアリーレートブロック」とは、このコポリエステルカーボネートが1以上のカーボネートブロックと1以上のアリーレートブロックを含んでいることを意味している。特定の実施形態において、ブロックコポリエステルカーボネートは1以上のアリーレートブロックと2以上のカーボネートブロックからなる。もう一つ別の特定の実施形態において、ブロックコポリエステルカーボネートは、1以上のアリーレートブロック(「B」)と2以上のカーボネートブロック(「A」)とを有するA−B−A構造からなる。別の特定の実施形態において、ブロックコポリエステルカーボネートは、2以上のアリーレートブロック(「B」)と1以上のカーボネートブロック(「A」)とを有するB−A−B構造からなる。異なる構造を有するブロックコポリエステルカーボネートの混合物も本発明の範囲内である。
本発明のコポリエステルカーボネートで、ブロックの分布は、カーボネートブロックに対して所望の重量割合のアリーレートブロックを有するコポリマーが得られるようにするとよい。異なる用途では、カーボネートブロックに対して異なる重量割合のアリーレートブロックが必要になることがある。幾つかの実施形態において、幾つかの射出成形用途では、5〜60重量%のアリーレートブロックが必要となろう。他の実施形態において、幾つかのフィルム用途では60〜95重量%のアリーレートブロックが必要となり得る。コポリエステルカーボネートは、一つの実施形態において約10〜約99重量%のアリーレートブロック、もう一つ別の実施形態においては約40〜約99重量%のアリーレートブロック、もう一つ別の実施形態においては約60〜約98重量%のアリーレートブロック、もう一つ別の実施形態においては約80〜約96重量%のアリーレートブロック、さらに別の実施形態においては約85〜約95重量%のアリーレートブロックを含有する。
イソフタレートとテレフタレートの混合物が式(XIV)に示されているが、アリーレートブロック中のジカルボン酸残基は、上記で定義された任意の適切なジカルボン酸残基、又は適切なジカルボン酸残基の混合物から誘導されたものでもよく、例えば、脂肪族二酸二塩化物から誘導されたもの(いわゆる「ソフトブロック」セグメント)でもよい。幾つかの実施形態において、nは0であり、アリーレートブロックはイソフタル酸とテレフタル酸残基の混合物から誘導されたジカルボン酸残基からなっており、その際のイソフタレート対テレフタレートのモル比は、一つの実施形態において約0.25〜4.0:1の範囲、もう一つ別の実施形態においては約0.4〜2.5:1の範囲、さらに別の実施形態においては約0.67〜1.5:1の範囲である。
有機カーボネートブロックに関して、式(XIV)の各R5は独立に二価有機基である。様々な実施形態において、この基は1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素から誘導され、ポリマー中のR5基の総数の約60パーセント以上が芳香族有機基であり、残りは脂肪族、脂環式、又は芳香族基である。適切なジヒドロキシ置換芳香族炭化水素には、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体の合成に使用するものとして上記したものが全て含まれる。
未反応のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素が、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体の合成で残った反応混合物中に存在するか否か、又はその後反応混合物に添加されるか否かに応じて、式(XIV)のカーボネートブロック中のR5は、全部又は少なくとも一部が、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体の合成に使用した1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素から誘導された基からなり得る。特定の実施形態において、未反応の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分が、反応混合物中に存在するか否か、又はその後反応混合物に添加されるか否かに応じて、式(XIV)のカーボネートブロック中のR5は、全部又は少なくとも一部が、1,3−ジヒドロキシベンゼン部分から誘導された基からなり得る。従って、本発明の特定の実施形態において、コポリエステルカーボネートは、ポリアリーレートブロック中の1以上の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分と同じジヒドロキシ置換芳香族炭化水素から誘導されたR5基を有するカーボネートブロックを含んでなる。もう一つ別の実施形態において、コポリエステルカーボネートは、ポリアリーレートブロック中のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分とは異なるジヒドロキシ置換芳香族炭化水素から誘導されたR5基を有するカーボネートブロックを含んでなる。別の特定の実施形態において、コポリエステルカーボネートは、ポリアリーレートブロック中の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分とは異なるジヒドロキシ置換芳香族炭化水素から誘導されたR5基を有するカーボネートブロックを含んでなる。さらに別の実施形態において、コポリエステルカーボネートはジヒドロキシ置換芳香族炭化水素から誘導されたR5基の混合物を含有するカーボネートブロックを含んでなり、そのうちの1以上がポリアリーレートブロック中のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素と同一であり、また1以上がそれとは異なる。さらに別の特定の実施形態において、コポリエステルカーボネートはジヒドロキシ置換芳香族炭化水素から誘導されたR5基の混合物を含有するカーボネートブロックからなり、そのうちの1以上がポリアリーレートブロック中の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分と同一であり、1以上がそれとは異なる。ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素から誘導されたR5基の混合物が存在する場合、ポリアリーレートブロック中に存在するものと同じジヒドロキシ化合物と、ポリアリーレートブロック中に存在するものとは異なるジヒドロキシ化合物とのモル比は、通例約1:999〜999:1である。幾つかの特定の実施形態において、コポリエステルカーボネートは、非置換レゾルシノール、置換レゾルシノール、及びビスフェノールAの1以上から誘導されたR5基の混合物を含有するカーボネートブロックを含んでなる。他の特定の実施形態において、コポリエステルカーボネートは、非置換レゾルシノール、置換レゾルシノール、及びビスフェノールAの2種以上から誘導されたR5基の混合物を含有するカーボネートブロックを含んでなる。
ジブロック、トリブロック、及び多ブロックのコポリエステルカーボネートが本発明に包含される。(イソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導された連鎖構成員と、1以上のレゾルシノール部分から誘導されたジヒドロキシ置換芳香族炭化水素残基とを含むコポリエステルカーボネートに対して例示されるように)アリーレート連鎖構成員を含むブロックと、有機カーボネート連鎖構成員を含むブロックとの間の化学結合は、次の(a)及び(b)の1以上からなり得る。
(a)例えば次式(XV)で示されるような、アリーレート部分の適切なジカルボン酸残基と有機カーボネート部分の−O−R5−O−部分との間のエステル結合。ただし、式中のR5は式(XIV)に関して既に定義した通りである。
Figure 2005521765
(b)次式(XVI)で示されるような、レゾルシノールアリーレート部分のジフェノール残基と有機カーボネート部分の−(C=O)−O−部分との間のカーボネート結合。ただし、式中のRとnは既に定義した通りである。
Figure 2005521765
タイプ(a)のエステル結合がかなりの割合で存在すると、コポリエステルカーボネートに望ましくない着色・変色が生じることがある。本発明は理論に制限されるものではないが、例えば、式(XIV)中のR5がビスフェノールAであり、式(XIV)の部分が以後の加工・処理及び/又は光暴露中にFries転位を受けるときに、色が生じ得ると考えられる。特定の実施形態において、コポリエステルカーボネートは実質的に、アリーレートブロックと有機カーボネートブロックとの間にカーボネート結合を有するジブロックコポリマーからなる。別の特定の実施形態において、コポリエステルカーボネートは実質的に、アリーレートブロックと有機カーボネート末端ブロックとの間にカーボネート結合を有するA−B−Aトリブロックカーボネート−エステル−カーボネートコポリマーからなる。もう一つ別の特定の実施形態において、ブロックコポリエステルカーボネートは実質的に、有機カーボネートブロックとアリーレート末端ブロックとの間にカーボネート結合を有するB−A−Bトリブロックエステル−カーボネート−エステルコポリマーからなる。カーボネート結合若しくはエステル結合、又はカーボネート結合とエステル結合の混合物によって結合された異なる構造のブロックコポリエステルカーボネートの混合物も本発明の範囲内である。
もう一つ別の実施形態において、コポリエステルカーボネートは、例えば(イソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導された連鎖構成員と、1以上のレゾルシノール部分から誘導されたジヒドロキシ置換芳香族炭化水素残基とを含むコポリエステルカーボネートについて)次式(XVII)の代表的な構造に示されるようにカーボネート結合によって連結された複数のアリーレートブロックを含む。
Figure 2005521765
式中、Rは1以上のC1-12アルキル又はハロゲンであり、nは0〜3であり、Arは芳香族部分であり、各mは独立に、一つの実施形態においては約4以上、もう一つ別の実施形態においては約10以上、もう一つ別の実施形態においては約20以上、さらに別の実施形態においては約30〜150であり、アリーレート構造単位は前記式(X)に対して記載したとおりである。幾つかの実施形態においてArはジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分(例えば、1,3−ジヒドロキシベンゼン部分)から誘導されたヒドロキシフェノール残基又は芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルから誘導されたアリールオキシカルボキシフェニル残基からなる。他の実施形態において、式(XVII)中のアリーレートブロックは、例えばモノ−フェノール性連鎖停止剤のようなモノ−フェノール性部分で末端が停止されていてもよい。式(XVII)を有するコポリエステルカーボネートは、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体とは異なるジヒドロキシ化合物を実質的に存在させないでヒドロキシ末端ポリエステル中間体をカーボネート前駆体と反応させることによって生成し得る。他の実施形態において、コポリエステルカーボネートは、例えば本明細書中に記載したような異なる構造単位及び異なる構造を有するコポリエステルカーボネートの混合物からなっていてもよい。
本発明のコポリエステルカーボネートは、一つの実施形態において、本発明の方法で製造された連鎖上に少なくとも幾つかのヒドロキシ−末端部位を含有するポリエステル中間体から製造される。幾つかの実施形態において、この中間体は、大部分の連鎖上に1以上、多くの場合2以上のヒドロキシ−末端部位を含有している。様々な実施形態において、この中間体は、中間体の分子量とカルボン酸末端基濃度が最小になり、フェノール性ヒドロキシ末端基濃度が最大になるような本発明の方法によって製造できる。この中間体は、重量平均分子量(ポリスチレン標準に対するもの)が、一つの実施形態において約900以上、もう一つ別の実施形態においては約2000以上、さらに別の実施形態においては約4000以上である。特定の実施形態において、このポリエステル中間体は、重量平均分子量が、一つの実施形態において約4000〜約40000、もう一つ別の実施形態においては約10000〜約30000、もう一つ別の実施形態においては約16000〜約25000、もう一つ別の実施形態においては約18000〜約22000である。幾つかの実施形態において、この中間体は、約300〜1500ppmのカルボン酸末端基を有する。他の実施形態において、この中間体は約2〜37000ppmのフェノール性ヒドロキシ末端基を有し、さらに他の実施形態においては約2400〜9700ppmのフェノール性ヒドロキシ末端基を有する。ポリエステル中間体は多くの実施形態において、カルボン酸末端基と比較してそれより高い濃度のフェノール性末端基を有する。カルボン酸末端基は、例えば、反応条件下における酸塩化物基の加水分解により、及びジカルボン酸二塩化物出発物質中に存在する偶発的な酸基として、存在し得る。
本発明の一つの実施形態において、熱的に安定なコポリエステルカーボネートは、前記ヒドロキシ末端ポリエステル中間体をカーボネート前駆体と、多くの場合触媒の存在下で、反応させることによって製造できる。もう一つ別の実施形態において、熱的に安定なコポリエステルカーボネートは、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体をカーボネート前駆体及び1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素と、多くの場合触媒の存在下で、反応させることにより製造できる。一つの特定の実施形態において、熱的に安定なコポリエステルカーボネートは、レゾルシノールアリーレート含有ポリエステル中間体をカーボネート前駆体及び1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素と、多くの場合触媒の存在下で、反応させることによって製造できる。場合により、上記のような枝分れ剤及び/又は連鎖停止剤を反応混合物中に存在させてもよい。
様々な実施形態においてカーボネート前駆体はホスゲンである。ホスゲンを使用する場合、この合成工程は、適切な界面重合触媒と塩基を用いる業界で認められている界面法(すなわち、2相系)に従って実施することができる。この界面反応法は水、及び実質的に水と非混和性の1以上の有機溶媒とを含み得る。適切な水非混和性溶媒としては、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体の製造について上記したものがある。一つの実施形態において適切な水非混和性溶媒はジクロロメタンである。適切な塩基としては上記したものがある。一つの実施形態において適切な塩基は水性水酸化ナトリウムである。触媒はヒドロキシ末端ポリエステル中間体の製造について上記したタイプ及び種のものでよい。様々な実施形態において適切な触媒は、第三アミン、通例トリエチルアミンのようなトリアルキルアミン、又は4−ジメチルアミノモルホリンのような高度に求核性の複素環式アミン、又は相間移動触媒、最も多くの場合塩化若しくは臭化テトラブチルアンモニウムのような第四アンモニウム塩又は塩化若しくは臭化テトラブチルホスホニウムからなり得る。かかる触媒の混合物、殊にトリアルキルアミンとテトラアルキルアンモニウム塩の混合物も使用し得る。
本発明の様々な実施形態において、場合により、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体とは異なる1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素が反応混合物中に存在していてもよい。存在させる場合、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体とは異なる1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素は、何らかの都合のよい組合せ法によって、コポリエステルカーボネート合成用の反応混合物中に導入することができる。一つの実施形態において、1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素は、ポリエステル合成からの未反応のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素として存在し得る。一つの特定の実施形態において、1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素は、レゾルシノールアリーレート含有ポリエステル合成からの未反応の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分として存在し得る。もう一つ別の実施形態において、1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素は、ポリエステル合成後、コポリエステルカーボネート合成におけるカーボネート前駆体との反応の前又はその間に添加することができる。一つの特定の実施形態においては、1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素がレゾルシノールアリーレート含有ポリエステル合成からの未反応の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分として存在し、ポリエステル合成後、コポリエステルカーボネート合成におけるカーボネート前駆体との反応の前又はその間に、1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素を添加する。ポリエステル合成後、コポリエステルカーボネート合成におけるカーボネート前駆体との反応の前又はその間に添加されるジヒドロキシ化合物は、ポリエステル中間体合成で最初に存在するジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分と同一であっても異なっていてもよい。もう一つ別の特定の実施形態において、ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素は、ポリエステル合成からの1以上の非置換レゾルシノール又は置換レゾルシノールと、ポリエステル合成後に添加される、非置換レゾルシノール又は置換レゾルシノールとは異なる1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素とからなる。もう一つ別の実施形態においては、(存在する酸塩化物種の全モル数に対して)モル過剰のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素をポリエステル合成に使用し、この場合幾らかの未反応ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素が残留し得、コポリエステルカーボネート合成におけるカーボネート前駆体との反応の前又はその間に第2のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素を添加する。別の特定の実施形態においては、(存在する酸塩化物種の全モル数に対して)モル過剰の1,3−ジヒドロキシベンゼンをポリエステル合成に使用し、この場合幾らかの未反応1,3−ジヒドロキシベンゼンが残留し得、コポリエステルカーボネート合成におけるカーボネート前駆体との反応の前又はその間にビスフェノールAを添加する。ポリエステル合成から未反応のまま残るジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分(例えば、1,3−ジヒドロキシベンゼン部分)の量は、ポリエステル合成で最初に存在するジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分の、一つの実施形態においては約98モル%未満、もう一つ別の実施形態においては約96モル%未満、もう一つ別の実施形態においては約80モル%未満、もう一つ別の実施形態においては約60モル%未満、もう一つ別の実施形態においては約40モル%未満、もう一つ別の実施形態においては約30モル%未満、もう一つ別の実施形態においては約15モル%未満、もう一つ別の実施形態においては約10モル%未満、さらに別の実施形態においては約5モル%未満である。別の特定の実施形態において、ポリエステル合成から未反応のまま残るジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分(例えば、1,3−ジヒドロキシベンゼン部分)の量は、ポリエステル合成で最初に存在するジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分の約2モル%未満である。もう一つ別の特定の実施形態において、ポリエステル合成から未反応のまま残るジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分の量は、ポリエステル合成で最初に存在するジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分の約2〜約10モル%の範囲である。
様々な実施形態において、ホスゲンをカーボネート前駆体として使用する場合、場合により反応のpHを、ホスゲン化の前に所望の値、例えば約5〜約11の範囲の値に調節してもよい。様々な実施形態において、ホスゲンは、ヒドロキシ基1モル当たり毎分約0.005〜約0.2モルの速度で反応混合物に導入することができる。通例、反応混合物に添加するホスゲンの総量の目標値は、ヒドロキシ基全体を基準にして、一つの実施形態において化学量論値の約100〜約300%の範囲、もう一つ別の実施形態においては約110〜約200%の範囲、もう一つ別の実施形態においては約110〜約170%の範囲、もう一つ別の実施形態においては約120〜約150%の範囲である。ヒドロキシ基は、反応混合物中に存在し得る、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体及びヒドロキシ末端ポリエステル中間体とは異なるあらゆるジヒドロキシ置換又はモノヒドロキシ置換芳香族炭化水素からなるヒドロキシ含有化合物中に存在するものである。ホスゲンの添加速度は実質的に一定であっても変化させてもよい。
本発明の方法の様々な実施形態において、ホスゲン添加と同時に塩基を反応混合物中に導入する。幾つかの実施形態において、塩基とホスゲンは、塩基対ホスゲンのモル比を実質的に一定にして、同時に反応混合物に導入する。このモル比は、一つの実施形態においてホスゲン1モル当たり塩基約1.8〜約2.5モルの範囲、もう一つ別の実施形態においてはホスゲン1モル当たり塩基約1.9〜約2.4モルの範囲、さらに別の実施形態においてはホスゲン1モル当たり塩基約1.95〜約2.2モルの範囲であり得る。各々の比はホスゲン化中の平均モル流量比を表しており、ここでモル流量比は塩基添加のモル流量をホスゲン添加のモル流量で割った値である。他の実施形態において、ホスゲンと塩基の流量は、塩基対ホスゲンの平均モル流量比が所望の範囲内に維持される限りにおいてホスゲン化中変化させてもよい。平均モル流量比は、一つの実施形態において、ホスゲン添加中のモル流量比に対する設定値の平均である。特定の実施形態において、平均モル流量比は、所望の範囲から外れる不慮の瞬間的なずれを表すモル流量比を含み得る。但し、モル流量比の平均は所望の範囲になければならない。すなわち、本発明に従って使用する塩基の割合は、従来技術のように主として確立されたpH設定値を維持するように計算されるのではなく、ホスゲンに関して確立されたモル比を維持するように計算される。これは、反応中約5.5〜約11の範囲のpHを本来的にもたらすことが発見された。
様々な実施形態において、塩基対ホスゲンの比は、実験により容易に決定することができるように、特定の境界内で有利に変化させることができる。幾つかの特定の実施形態においては、塩基とホスゲンの両者の添加速度を、添加の期間中連続的に又は2以上の段階で又は単一の段階で増大させる。他の特定の実施形態においては、塩基とホスゲンの両者の添加速度を、添加の期間中連続的に又は2以上の段階で又は単一の段階で低下させる。ホスゲンの総量に到達したら、ホスゲンを止め、必要ならば、塩基を最終のpH目標値に達するのに充分な量添加することができる。この目標値は多くの実施形態において約5.5〜約11.5の範囲、幾つかの実施形態においては約7〜約11である。
ホスゲン添加中、過度に低いpHのずれ(例えば、約5〜6より低いpH)を避けるために、反応のpHを監視し塩基対ホスゲンのモル流量比を調節することも本発明の範囲内である。これは安全性の理由から行われ得る。所望であれば、反応のpHを所望の範囲にするために、塩基対ホスゲンのモル流量比を一時的に、幾つかの実施形態においては約2.5〜約4の範囲の値に上げてもよい。これは時として必要である。例えば、特定の実施形態において、ビスフェノール等価体1モル当たり約1モル以上のホスゲンが反応混合物に導入された後に必要となる。逆に、pHが高い目標値(例えば、コポリエステルカーボネートホスゲン化に対する約9.5より高いpH)を超えた場合、塩基の比を一時的に0〜約2.0の範囲の値に低下させることがある。最小の実験により、一定の塩基対ホスゲン比から外すのがあまり必要とならないような適切な範囲の塩基対ホスゲン比を見出すことができる。界面条件下ではpH電極の性能が劣ることが多いので、塩基添加の制御のためにpH測定よりも流量測定を利用するのが好ましいことが多い点にも留意されたい。しかし、幾つかの実施形態においては、pHを監視し、測定されたpHに基づいて塩基対ホスゲン比を調節するという簡単な方式を利用するのが有利であろう。例えば、ホスゲン化中の塩基対ホスゲンのモル流量比を、7.5〜9.0の範囲の測定されたpHに対して約1.9〜2.4の範囲にし、7.5より低い測定されたpHに対しては約2.4〜4の範囲にし、また9.0より高い測定されたpHに対しては約0〜1.9の範囲にする系は本発明の範囲内である。正確な比とpH範囲は実験により容易に決定できる。
時には、初期ホスゲン化工程の完了後、後−反応ホスゲン化工程を実施するのが望ましいことがある。例えば、生成物の試料の定性又は定量分析に基づいて初期ホスゲン化反応が不完全であると判定されるので、かかる工程を実施するとよい。例えば、生成物が未反応のフェノール性ヒドロキシ基を示すことがある。未反応ヒドロキシ基の検出のための分析法のような適当な分析方法は当業者に周知である。後−反応のホスゲン化は、従来のpH制御の下で、又は調節された比の塩基添加の下で行うことができる。調節された比の塩基添加を使用する場合、そのモル比は様々な実施形態においてホスゲン1モル当たり約1.8〜約4.0モルの塩基の範囲でよい。任意の後−反応ホスゲン化におけるホスゲンの添加量は、一つの実施形態において、初期ホスゲン化の前に最初から存在するヒドロキシル基を基準にして、化学量論量の約1〜約25%の範囲、もう一つ別の実施形態においては約2〜約20%の範囲、もう一つ別の実施形態においては約5〜約15%の範囲である。幾つかの実施形態においては任意の量の後−反応ホスゲンを添加するが、未反応のヒドロキシ基を反応させるのに必要なこの量は実験により容易に決定できる。
本発明の他の実施形態において、塩基とホスゲンは、塩基対ホスゲンのモル比を実質的に一定にして、一つの実施形態においては添加ホスゲン全体の約60%以上、もう一つ別の実施形態においては添加ホスゲン全体の約70%以上、もう一つ別の実施形態においては添加ホスゲン全体の約80%以上、もう一つ別の実施形態においては添加ホスゲン全体の約90%以上、もう一つ別の実施形態においては添加ホスゲン全体の約94%以上、もう一つ別の実施形態においては添加ホスゲン全体の約98%以上、もう一つ別の実施形態においては添加ホスゲン全体の98%を超え、もう一つ別の実施形態においては添加ホスゲン全体の実質的に100%の時間、同時に反応混合物に導入する。他の実施形態において、ホスゲンと塩基の流量は、ホスゲン化中、塩基対ホスゲンの平均モル流量比が実質的に一定の値に維持される限りにおいて、一つの実施形態においては添加ホスゲン全体の約60%以上、もう一つ別の実施形態においては添加ホスゲン全体の約70%以上、もう一つ別の実施形態においては添加ホスゲン全体の約80%以上、もう一つ別の実施形態においては添加ホスゲン全体の約90%以上、もう一つ別の実施形態においては添加ホスゲン全体の約94%以上、もう一つ別の実施形態においては添加ホスゲン全体の約98%以上、もう一つ別の実施形態においては添加ホスゲン全体の98%を超える時間にわたり変化させることができる。
ブロックコポリエステルカーボネートは溶液中で使用してもよいし、又は使用するためにある種の他の溶媒に何らかの都合のよい方法で移してもよい。幾つかの実施形態においてはコポリエステルカーボネートを従来の手順により溶液から回収し単離する。これらの方法としては、例えば、逆溶剤沈澱、洗浄、乾燥及び揮発分除去−ペレット化又は押出によるフィルム形成からなる群から選択される1以上の工程を挙げることができる。
本発明の方法によって作成されたブロックコポリエステルカーボネートは、一つの実施形態において約100ppm未満、もう一つ別の実施形態においては約50ppm未満、さらに別の実施形態においては約20ppm未満のフェノール性の末端基を有している。このコポリマーは、一つの実施形態において約50ppm未満、もう一つ別の実施形態においては約25ppm未満の遊離1,3−ジヒドロキシベンゼン部分を含有している。また、コポリマーは、一つの実施形態において約2000ppm未満、もう一つ別の実施形態においては約500ppm未満、もう一つ別の実施形態においては約200ppm未満、もう一つ別の実施形態においては約100ppm未満、さらに別の実施形態においては約50ppm未満のカルボン酸末端基を有している。幾つかの実施形態において、コポリエステルカーボネートは、0〜約100ppmの範囲のカルボン酸末端基濃度を有している。コポリエステルカーボネート中のカルボン酸末端基の濃度は通例ヒドロキシ末端ポリエステル中間体中に存在するものより少ない。このポリエステル中間体中のカルボン酸末端基はコポリエステルカーボネート合成工程でカーボネート前駆体と反応し得る。例えば、ホスゲンがカーボネート前駆体である場合、カルボン酸基は反応してカルボン酸塩化物を形成することができ、これはその後、存在するあらゆるフェノール性基、例えばポリエステル中間体及び、例えばヒドロキシ末端ポリエステル合成で残ったか若しくはその後添加された遊離のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分のフェノール性末端基と反応することができる。
本発明のコポリエステルカーボネートの製造方法において、ホスゲン化後、カーボネート部分と共有結合してない幾らかのポリエステル中間体が存在することがある。例えば、ホスゲン化反応混合物中に、カーボネート前駆体と反応性でない末端基を保有する一部分以上のポリエステル中間体が存在し得る。かかる末端基の具体例としては、カルボン酸若しくはカルボン酸塩化物、又は官能性基をもたない末端封鎖種を挙げることができる。従って、本発明は、その別の実施形態において、本発明のコポリエステルカーボネート中のポリアリーレートブロックの構造単位からなる構造単位を含有するポリアリーレートと組み合わせて本発明のコポリエステルカーボネートを製造する方法からなり、このポリアリーレートは前記コポリエステルカーボネートと同じ工程で作成される。実質的に純粋なコポリエステルカーボネートを単離するのが望まれる場合、コポリエステルカーボネート中に存在する前記ポリアリーレートのレベルは、一つの実施形態においてコポリエステルカーボネートの約20wt%未満、もう一つ別の実施形態においては約10wt%未満、さらに別の実施形態においては約4wt%未満である。特定の実施形態において、前記ポリアリーレートのレベルは単離された実質的に純粋なコポリエステルカーボネートの約1wt%未満である。本明細書中に記載した方法によってコポリエステルカーボネートとポリアリーレートのブレンドを製造するのが望まれる場合、かかるブレンド中のコポリエステルカーボネートの割合は通例組成物の約80wt%以下であり、残りがポリアリーレートである。
コポリエステルカーボネートの合成を、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体とは異なる1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分の存在下で行うと、ポリエステル中間体と共有結合していないポリカーボネートが生成し得る。ヒドロキシ末端ポリエステル中間体とは異なる2種以上の異なるジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分が存在する一つの実施形態では、ポリカーボネートコポリマーが生成し得る。第2のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素と共に1,3−ジヒドロキシベンゼン部分が存在する特定の実施形態では、1,3−ジヒドロキシベンゼン部分と第2のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素との両方から誘導された構造単位を有するポリカーボネートコポリマーが生成し得る。従って、本発明は、その別の実施形態において、1以上のポリカーボネートと組み合わせた前記コポリエステルカーボネートからなり、このポリカーボネートは前記コポリエステルカーボネート合成のカーボネートブロック生成工程と同じ方法で作成される。特定の実施形態においては、コポリエステルカーボネート中のポリカーボネートブロックの構造単位からなる構造単位を含有するポリカーボネートが生成する。別の特定の実施形態においては、コポリエステルカーボネート中のポリカーボネートブロックの構造単位と、反応混合物中に存在する第2のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素から誘導された構造単位とを含む構造単位を含有するポリカーボネートが生成する。もう一つ別の特定の実施形態においては、1,3−ジヒドロキシベンゼン部分から誘導された構造単位を含むポリカーボネートが生成する。さらに別の特定の実施形態では、1,3−ジヒドロキシベンゼン部分とビスフェノールAから誘導された構造単位を含むポリカーボネートが生成する。実質的に純粋なコポリエステルカーボネートを単離するのが望まれる場合、コポリエステルカーボネート中に存在する前記ポリカーボネートのレベルは、幾つかの実施形態においてコポリエステルカーボネートの約20wt%未満、他の実施形態においては約10wt%未満、さらに他の実施形態においては約4wt%未満である。他の特定の実施形態において、前記ポリカーボネートのレベルは単離された実質的に純粋なコポリエステルカーボネートの約2wt%未満である。本発明の方法による合成によってコポリエステルカーボネートと1以上のポリカーボネートのブレンドを製造するのが望まれる場合、ブレンド中の1以上のポリカーボネートはコポリエステルカーボネートの合成においてカーボネートブロックの生成と実質的に同時に製造することができる。或いは、ブレンド中の1以上のポリカーボネートは、ブロックコポリエステルカーボネートの生成が少なくとも部分的に又は実質的に完了した後、例えば一つの選択肢では、ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分、カーボネート前駆体、及び、場合により連鎖停止剤を含む追加の成分を添加することによって製造することができる。かかるブレンド中のコポリエステルカーボネートの割合は、主として、得られるアリーレートブロック(これが耐候性を改良する活性な実体をなす)の割合によって決定され、典型的な割合ではブレンド中に約10〜50重量%のアリーレートブロックが得られる。通例、コポリエステルカーボネートと約95wt%以下のポリカーボネートのブレンドが、本発明の方法による合成によって製造され得る。特定の実施形態では、ホスゲンの存在下で本発明の方法による合成によって、ビスフェノールAカーボネートブロックを含むコポリエステルカーボネートのブレンドを、ビスフェノールAからなるポリカーボネートと共に製造することができる。
本発明のコポリエステルカーボネートの耐候性及びその他の幾つかの有益な性質は、少なくとも部分的に、UV放射線に対する安定剤として機能するo−ヒドロキシベンゾフェノン部分又はその類似体を生成する熱的又は光により誘発されるアリーレートブロックのFries転位の発生に帰因し得ると考えられる。さらに特定的には、アリーレート連鎖構成員の少なくとも一部分が転位して、1以上のケトン基のオルト位に1以上のヒドロキシ基を有する連鎖構成員を生成することができる。かかる転位した連鎖構成員は通例o−ヒドロキシベンゾフェノン型連鎖構成員であり、(イソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導された連鎖構成員と、1以上のレゾルシノール部分から誘導されたジヒドロキシ置換芳香族炭化水素残基とを含むコポリエステルカーボネートに対して示す)次の構造部分の1以上を含むことが多い。
Figure 2005521765
式中、R及びnは式(XIV)について既に定義した通りである。式(XVIII)、(XIX)、及び(XX)に示したタイプの部分を、適当なモノマーの合成と重合によって、本発明の方法により作成されるコポリエステルカーボネートに導入することも考えられる。様々な特定の実施形態において、本発明は、式(III)及び(XVIII)で表される構造単位を含み、式(III)で表される構造単位対式(XVIII)で表される構造単位のモル比が一つの実施形態において約99:1〜約1:1、もう一つ別の実施形態においては約99:1〜約80:20の範囲にある熱的に安定なコポリエステルカーボネートを提供する。
本発明の方法によって作成されたコポリエステルカーボネートを含んでなる物品は本発明のもう一つ別の実施形態である。様々な実施形態において、物品は、コポリエステルカーボネートを、例えば、射出成形、熱成形、絵付成形、及び類似の用途などのような用途で使用する従来のUV遮蔽剤のような当技術分野で公知の添加剤との混合物として含み得る。他の実施形態において、本発明の物品は、通例互いに隣接接触して重ね合わされた2以上の層を含む多層物品である。様々な実施形態において、多層物品は、1以上の熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、セルロース材料、ガラス、セラミック、又は金属からなる基材層と、その上の1以上のコーティング層とからなり、このコーティング層が本発明の方法によって作成されたコポリエステルカーボネートを含む。場合により、この多層物品はさらに、任意の基材層と、本発明の方法によって作成されたコポリエステルカーボネートを含む任意のコーティング層又はフィルムとの間に中間層、例えば接着中間層(又はつなぎ層)を含んでいてもよい。本発明の多層物品としては、限定されることはないが、基材層と本発明の方法によって作成されたコポリエステルカーボネートを含むコーティング層とからなるもの、基材層の両側に前記コポリエステルカーボネートを含むコーティング層を有するもの、並びに基材層及び本発明の方法によって作成されたコポリエステルカーボネートを含む1以上のコーティング層及び基材層とコーティング層の間の1以上の中間層からなるものがある。任意の中間層は透明でもよいし、及び/又は添加剤、例えば着色剤又は金属フレークのような装飾材料を含有していてもよい。所望であれば、例えば磨耗又は引っ掻き抵抗性を付与するために、本発明の方法によって作成されたコポリエステルカーボネートを含むコーティング層を覆ってオーバー層を含ませてもよい。一つの実施形態において、基材層、本発明の方法によって作成されたコポリエステルカーボネートを含むコーティング層、及び任意の中間層又はオーバーコーティングは互いに隣接し接触して重ね合わせられている。いずれの実施形態においても、コポリエステルカーボネート層は従来のUV遮蔽剤、熱安定剤、流動促進剤、潤滑剤、染料、顔料、などを始めとして従来のコポリエステルカーボネート又はポリカーボネートと共に使用されている当技術分野で公知の添加剤を含んでいてもよい。
本発明の組成物を含んで作成することができる代表的な多層物品としては、航空機、自動車、トラック、軍用車輌(例えば、自動車、航空機、及び水上輸送車輌)、及びオートバイの外装及び内装部品、例えば、パネル、クォーターパネル、ロッカーパネル、トリム、フェンダー、ドア、デッキリッド、トランクリッド、フード、ボンネット、屋根、バンパー、フェイシア、グリル、ミラーハウジング、ピラーアップリケ、クラッディング、ボディサイドモールディング、ホイールカバー、ホイールキャップ、ドアハンドル、スポイラー、ウィンドウフレーム、ヘッドランプベゼル、ヘッドランプ、テールランプ、テールランプハウジング、テールランプベゼル、ナンバープレートエンクロージャー、ルーフラック、及びステップ、屋外用車輌及び装置のエンクロージャー、ハウジング、パネル、及び部品、電気・通信装置のエンクロージャー、屋外用家具、ボート及び海洋装置、例えば、トリム、エンクロージャー、及びハウジング、船外モーターハウジング、水深測定器ハウジング、水上バイク、ジェットスキー、プール、温泉、ホットタブ、階段、ステップカバー、建築及び建設用途、例えばグレイジング、屋根、窓、床、装飾窓用備品又は処置、写真、絵、ポスター、及び類似の展示品用の処理ガラスカバー、光学レンズ、眼科用レンズ、矯正用の眼科用レンズ、移植可能な眼科用レンズ、壁板、及びドア、保護グラフィック、屋外及び屋内用標識、現金自動預入支払機(ATM)用のエンクロージャー、ハウジング、パネル、及び部品、芝生及び庭園用トラクター、芝刈り機、及び工具、例えば芝生及び庭園用工具用のエンクロージャー、ハウジング、パネル、及び部品、窓及びドアトリム、スポーツ用品及び玩具、スノーモービル用のエンクロージャー、ハウジング、パネル、及び部品、レクリエーショナルビークルのパネル及び部品、運動場設備、プラスチックと木の組合せで作成された物品、ゴルフコースマーカー、ユーティリティーピットカバー、コンピューターハウジング、デスクトップコンピューターハウジング、ポータブルコンピューターハウジング、ラップトップコンピューターハウジング、パームヘルドコンピューターハウジング、モニターハウジング、プリンターハウジング、キーボード、FAX機ハウジング、複写機ハウジング、電話機ハウジング、携帯電話ハウジング、無線送信機ハウジング、無線受信器ハウジング、照明設備、照明器具、ネットワークインターフェイス装置ハウジング、変圧器ハウジング、エアコンディショナーハウジング、公共輸送用クラッディング又は座席、列車、地下鉄、又はバス用クラッディング又は座席、計器ハウジング、アンテナハウジング、サテライトディッシュ用クラッディング、被覆加工ヘルメット及び個人用保護用品、被覆加工合成又は天然繊維製品、被覆加工写真用フィルム及び印画、被覆加工塗装品、被覆加工染色品、被覆加工蛍光品、被覆加工発泡品、及び類似のものがある。本発明ではさらに、限定されることはないが、成形、絵付成形、塗装オーブン内でのベーキング、積層、及び/又は熱成形のような追加の製造・加工作業を前記物品に施すことが考えられる。
本明細書の記載に基づき当業者は、さらに苦労することなく、本発明を最大限に利用することができると考えられる。本発明を実施する上での追加の指針を当業者に提供するために以下の実施例を挙げる。これらの実施例は本出願の教示の基となった研究の単なる代表例である。従って、これらの実施例は、いかなる意味でも、特許請求の範囲に記載の本発明を限定するものではない。
実施例1及び比較例1
1100リットルのバッチ式反応器に、攪拌機、還流凝縮器、ホスゲン及び苛性水溶液を導入する手段、pH電極、並びに再循環ループを備えた。この反応器を使用して、レゾルシノール、イソフタル酸二塩化物及びテレフタル酸二塩化物、フェノール、ビスフェノールA、並びにホスゲンからコポリエステルカーボネートのバッチを合成した。合成反応は2つの主要な工程からなっていた。第1の工程は反応器にレゾルシノール、ジクロロメタン、フェノール及びトリエチルアミン触媒の水溶液を仕込むことを含んでいた。これらの反応の配合を表1に示す。イソフタル酸二塩化物とテレフタル酸二塩化物の50:50混合物(66kg、溶融)を、49.3kgの50wt%NaOH溶液を同時に添加しながら15分にわたって添加した。酸塩化物の添加終了時に、pHを約7.5〜8.5に約3〜10分保った。このために、さらに2.58kgの50wt%NaOH溶液が必要であった。この第1工程は本発明の実施例と比較例の両方で共通であった。
第2の工程では、9.52kgのビスフェノールAと148リットルの水を反応器に添加した。ホスゲンを固定した速度で添加し、pH制御下で(比較例)又は塩基対ホスゲンのモル比を一定にして(本発明の実施例)苛性水溶液を添加した。塩基対ホスゲンの一定のモル比は2.18〜2.19の範囲であった。生成物の残留カルボン酸末端基(ppmCOOH)とフェノール性末端基(ppmOH)を分析した。これら2つの一連の反応の結果を表2に示す。
Figure 2005521765
Figure 2005521765
表2は、実施例1でホスゲン化工程に苛性剤の添加比を用いると、残留酸と残留フェノール性末端基の両方のレベルが大幅に低下し、しかもこれらの値の変動も小さいことを示している。さらに、実施例1の苛性剤添加比で必要とされる過剰のホスゲンの量は、比較例1の苛性剤添加のpH制御で必要とされるものよりかなり低かった。
実施例2
実施例1に記載したようにして、レゾルシノール、イソフタル酸二塩化物及びテレフタル酸二塩化物、フェノール、ビスフェノールA、並びにホスゲンを含む反応混合物中でコポリエステルカーボネートを合成した。第2の工程では、9.52kgのビスフェノールAと148リットルの水を反応器に添加した。ホスゲンは固定した速度で添加し、苛性水溶液は一定のモル比の塩基対ホスゲンで添加した。このときこの比は反応のpHが9.0を超えるか又は7.5より低くなるように調節した(本発明の実施例)。塩基対ホスゲンの一定のモル比は2.18〜2.19の範囲であった。pHが9.0を超えたときは苛性剤又はホスゲンの流量を調節して1.63〜1.64の比にし、一方pHが7.5より低くなったときはホスゲン又は苛性剤の流量を調節して2.73〜2.74の比にした。これらの比をpH測定値が7.5〜9.0になるまで維持し、この時点でホスゲン又は苛性剤の流れを調節して比を2.18〜2.19の範囲にした。生成物の残留カルボン酸末端基(ppmCOOH)とフェノール性末端基(ppmOH)を分析した。結果を表2に示した。表2は、ホスゲン化工程に苛性剤の添加比を用いると、残留酸及び残留フェノール性末端基のレベルがかなり低下することを示している。さらに、苛性剤添加比で必要とされる過剰のホスゲンの量が比較例1の苛性剤添加のpH制御で必要とされるものよりかなり低かった。
実施例3
実施例1に記載したようにして、レゾルシノール、イソフタル酸二塩化物及びテレフタル酸二塩化物、フェノール、ビスフェノールA、並びにホスゲンを含む反応混合物中でコポリエステルカーボネートを合成した。ホスゲンと苛性水溶液は1.89の一定の塩基対ホスゲンのモル比で添加した。このコポリエステルカーボネートは25ppm未満のフェノール性OH末端基と25ppm未満のカルボン酸末端基を有していた。
実施例4
実施例1に記載したようにして、レゾルシノール、イソフタル酸二塩化物及びテレフタル酸二塩化物、フェノール、ビスフェノールA、並びにホスゲンを含む反応混合物中でコポリエステルカーボネートを合成した。ホスゲンと苛性水溶液は1.93の一定の塩基対ホスゲンのモル比で添加した。コポリエステルカーボネートは25ppm未満のフェノール性OH末端基と25ppm未満のカルボン酸末端基を有していた。
実施例5
実施例1に記載したようにして、レゾルシノール、イソフタル酸二塩化物及びテレフタル酸二塩化物、フェノール、ビスフェノールA、並びにホスゲンを含む反応混合物でコポリエステルカーボネートを合成した。ホスゲンと苛性水溶液は2.0の一定の塩基対ホスゲンのモル比で添加した。このコポリエステルカーボネートは25ppm未満のフェノール性OH末端基と25ppm未満のカルボン酸末端基を有していた。
実施例6
実施例1に記載したようにして、レゾルシノール、イソフタル酸二塩化物及びテレフタル酸二塩化物、フェノール、ビスフェノールA、並びにホスゲンを含む反応混合物でコポリエステルカーボネートを合成した。ホスゲンと苛性水溶液は2.07の一定の塩基対ホスゲンのモル比で添加した。このコポリエステルカーボネートは25ppm未満のフェノール性OH末端基と25ppm未満のカルボン酸末端基を有していた。
比較例6
実施例1に記載したようにして、レゾルシノール、イソフタル酸二塩化物及びテレフタル酸二塩化物、フェノール、ビスフェノールA、並びにホスゲンを含む反応混合物中でコポリエステルカーボネートを合成した。ホスゲンは固定した速度で添加し、水性塩基はpHの測定値に応答して添加した。図1に、このホスゲン化反応の時間に対する測定されたpHをグラフで示す。使用したホスゲンのモル数対この反応で化学量論により必要とされるホスゲンのモル数の比は3.10であった。
実施例7
実施例1に記載したようにして、レゾルシノール、イソフタル酸二塩化物及びテレフタル酸二塩化物、フェノール、ビスフェノールA、並びにホスゲンを含む反応混合物でコポリエステルカーボネートを合成した。ホスゲンと苛性水溶液は一定の塩基対ホスゲンのモル比で添加した。表3にホスゲン添加の手順の詳細を示す。
Figure 2005521765
表中のバッチ796で、塩基対ホスゲンのモル流量比は、ビスフェノールA等価体1モル当たり添加されたホスゲン1.57モルに対応する反応の初期期間の間2.18で一定であった。ここで、ビスフェノールA等価体は反応混合物中の芳香族ヒドロキシ基の全体を2で割ったものである。この初期ホスゲン添加の後、最後の1.22キログラムのホスゲンの間に塩基対ホスゲンのモル流量比は3.03に上昇した。最後に、後−反応工程で追加の1.77キログラムのホスゲンを添加した。表中のバッチ798では、塩基対ホスゲンのモル流量比は、ビスフェノールA等価体1モル当たり添加されたホスゲン1.64モルに対応する反応の初期期間の間2.18で一定であった。この初期ホスゲン添加後、最後の0.39キログラムのホスゲンの間に塩基対ホスゲンのモル流量比は3.32に増大した。最後に、後−反応工程で追加の2.04キログラムのホスゲンを添加した。表中のバッチ799と840では、塩基対ホスゲンのモル流量比は反応の全期間にわたって2.19の一定であり、後−反応工程でホスゲンを添加しなかった。
図2に、表3の4つのホスゲン化反応の時間に対する測定されたpHのグラフを示し、ここで反応中水性塩基はホスゲンに対して一定のモル比で添加した。pHの経時的ばらつきが、図1に示したようなpHの測定値に応答して塩基を添加した場合より小さい範囲であることが分かる。使用したホスゲンのモル数対化学量論により必要なホスゲンのモル数の比は、表3の4つのホスゲン化反応では1.68〜2.01の範囲であった。pHの測定値に応答した塩基添加の代わりに制御された化学量論添加を使用すると、ホスゲン化反応におけるホスゲンのより効率的な使用が可能になる。
典型的な実施形態について本発明を例示し説明して来たが、本発明の思想からいかなる意味でも外れることなく様々な修正と置換が可能であるので本発明が上述の記載に限定されることはない。すなわち、本明細書中に開示した本発明のさらなる修正及び等価体が日常の実験を超えることなく当業者には自明であるので、そのような修正及び等価体は全て特許請求の範囲に記載された本発明の思想と範囲内にある。本明細書で引用した米国特許及び米国特許出願は全て引用により本明細書の一部をなすものとする。
図1は、pHの測定値に応答して水性塩基を添加したホスゲン化反応の時間に対する測定されたpHのグラフである。 図2は、反応中を通じてホスゲンに対して一定のモル比で水性塩基を添加した4つのホスゲン化反応の時間に対する測定されたpHのグラフである。

Claims (95)

  1. 1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分及び1以上の芳香族ジカルボン酸部分から誘導された連鎖構成員を含んでおり、ポリエステル連鎖セグメントの2以上のモノマー単位を結合する無水物結合を実質的に含まないブロックコポリエステルカーボネートを製造する方法であって、
    (a)1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分及び1以上の芳香族ジカルボン酸部分から誘導された構造単位を含むヒドロキシ末端ポリエステル中間体を製造し、
    (b)水、水と実質的に非混和性の有機溶媒、及び塩基を含む反応混合物中でポリエステル中間体とホスゲンとの反応を実施し、この際、ホスゲンの総添加量の約60%以上が添加されるまでの期間実質的に一定の塩基対ホスゲンモル比で塩基及びホスゲンを同時に反応混合物に添加する
    工程を含んでなる、前記方法。
  2. 1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分が構造HO−D−OHを
    有しており、Dは次式の構造の二価芳香族基である、請求項1記載の方法。
    Figure 2005521765
    式中、A1は芳香族基であり、Eは1以上のアルキレン、アルキリデン、又は環式脂肪族基、含イオウ結合、含リン結合、エーテル結合、カルボニル基、第三窒素基、又は含ケイ素結合であり、R1は水素又は一価炭化水素基であり、Y1は水素、一価炭化水素基、アルケニル、アリル、ハロゲン、臭素、塩素、ニトロ、及びORからなる群から選択され、ここでRは一価炭化水素基であり、「m」は0からA1上で置換可能部位の数までの任意の整数を表し、「p」は0からE上で置換可能部位の数までの整数を表し、「t」は1以上の整数を表し、「s」は0又は1であり、「u」は0を含む任意の整数を表す。
  3. ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分が、3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,3−トリメチルインダン−5−オール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン−5−オール、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−ビス(3,5−ジメチル)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−クロロフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、3,5,3’,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、2,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ヒドロキノン、レゾルシノール、及びC1-3アルキル置換レゾルシノールからなる群から選択される1以上の構成員である、請求項1記載の方法。
  4. 芳香族ジカルボン酸部分が芳香族ジカルボン酸二塩化物又は芳香族ジカルボン酸ジエステルからなる、請求項1記載の方法。
  5. 芳香族ジカルボン酸部分が、二塩化イソフタロイル、二塩化テレフタロイル、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸二塩化物、及びこれらの混合物からなる群から選択される芳香族ジカルボン酸二塩化物である、請求項4記載の方法。
  6. ジカルボン酸二塩化物が二塩化イソフタロイルと二塩化テレフタロイルの混合物である、請求項5記載の方法。
  7. 二塩化イソフタロイル対二塩化テレフタロイルの比が約0.25〜4.0:1である、請求項6記載の方法。
  8. 二塩化イソフタロイル対二塩化テレフタロイルの比が約0.67〜1.5:1である、請求項6記載の方法。
  9. 芳香族ジカルボン酸部分が、イソフタル酸ジフェニル、テレフタル酸ジフェニル、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジフェニル、及びこれらの混合物からなる群から選択される芳香族ジカルボン酸ジエステルである、請求項4記載の方法。
  10. ジカルボン酸ジエステルがイソフタル酸ジフェニルとテレフタル酸ジフェニルの混合物である、請求項9記載の方法。
  11. イソフタル酸ジフェニル対テレフタル酸ジフェニルの比が約0.25〜4.0:1である、請求項10記載の方法。
  12. イソフタル酸ジフェニル対テレフタル酸ジフェニルの比が約0.67〜1.5:1である、請求項10記載の方法。
  13. 塩基が1以上のアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類水酸化物、又はアルカリ土類酸化物である、請求項1記載の方法。
  14. 塩基が水性水酸化ナトリウムである、請求項13記載の方法。
  15. 有機溶媒が、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  16. ポリエステル中間体とホスゲンの反応がさらに、第三アミン、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩、ヘキサアルキルグアニジニウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上の触媒を含む、請求項1記載の方法。
  17. 触媒が、トリエチルアミン、ジメチルブチルアミン、N−エチルピペリジン、N−メチルピペリジン、ジイソプロピルエチルアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、臭化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化メチルトリブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、塩化ヘキサエチルグアニジニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項16記載の方法。
  18. 触媒が1以上の第三アミンである、請求項16記載の方法。
  19. ポリエステル中間体とホスゲンの反応を、ホスゲンと反応性でない末端基を有する一部分以上のポリエステル中間体の存在下で行う、請求項1記載の方法。
  20. ポリエステル中間体とホスゲンの反応がさらに、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体とは異なる1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分を含む、請求項1記載の方法。
  21. ヒドロキシ末端ポリエステル中間体とは異なる1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分が、ポリエステル中間体の合成に用いた1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分と同一である、請求項20記載の方法。
  22. 1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分が、ポリエステル中間体の合成に用いたジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分とは異なる、請求項20記載の方法。
  23. ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分がビスフェノールAである、請求項22記載の方法。
  24. コポリエステルカーボネートの存在下で又は同時に1以上のポリカーボネートを製造する、請求項20記載の方法。
  25. ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分がビスフェノールAである、請求項24記載の方法。
  26. ポリエステル中間体とホスゲンの反応をジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分の混合物の存在下で行い、その1以上がポリエステル中間体の合成に用いたジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分と同一であり、またその1以上が前記ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分とは異なる、請求項20記載の方法。
  27. ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分の混合物の1以上の構成員がビスフェノールAからなる、請求項26記載の方法。
  28. ホスゲンの総添加量の約80%以上が添加されるまでの期間実質的に一定の塩基対ホスゲンモル比で塩基及びホスゲンを同時に反応混合物に添加する、請求項1記載の方法。
  29. 塩基対ホスゲンのモル比を実質的に一定にして、添加されるホスゲンの総量の98%を超える期間、塩基とホスゲンを同時に反応混合物に添加する、請求項1記載の方法。
  30. 塩基対ホスゲンのモル比を実質的に一定にして、添加されるホスゲンの総量の実質的に100%の期間、塩基とホスゲンを同時に反応混合物に添加する、請求項1記載の方法。
  31. 塩基対ホスゲンの化学量論比が、ホスゲン1モル当たり塩基約1.8〜約2.5モルの範囲である、請求項1記載の方法。
  32. 添加工程中モル比を実質的に一定にしたまま水性塩基及びホスゲンの両者の添加速度を変える、請求項1記載の方法。
  33. 反応混合物からコポリエステルカーボネートを回収する、請求項1記載の方法。
  34. 1以上の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分及び1以上の芳香族ジカルボン酸部分から誘導された連鎖構成員を含んでおり、ポリエステル連鎖セグメントの2以上のモノマー単位を結合する無水物結合を実質的に含まないブロックコポリエステルカーボネートを製造する方法であって、
    (a)1以上の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分及び1以上の芳香族ジカルボン酸部分から誘導された構造単位を含むヒドロキシ末端ポリエステル中間体を製造し、
    (b)水、水と実質的に非混和性の有機溶媒、及び塩基を含む反応混合物中でポリエステル中間体とホスゲンとの反応を実施し、その際、ホスゲンの総添加量の約60%以上が添加されるまでの期間実質的に一定の塩基対ホスゲンモル比で塩基及びホスゲンを同時に反応混合物に添加する
    工程を含んでなる、前記方法。
  35. 1,3−ジヒドロキシベンゼン部分が、次式の化合物からなる群から選択される1以上の構成員である、請求項34記載の方法。
    Figure 2005521765
    式中、Rは1以上のC1-12アルキル又はハロゲンであり、nは0〜3である。
  36. 1,3−ジヒドロキシベンゼン部分が、非置換レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項35記載の方法。
  37. 1,3−ジヒドロキシベンゼン部分が非置換レゾルシノールである、請求項36記載の方法。
  38. 芳香族ジカルボン酸部分が芳香族ジカルボン酸二塩化物又は芳香族ジカルボン酸ジエステルからなる、請求項34記載の方法。
  39. 芳香族ジカルボン酸部分が、二塩化イソフタロイル、二塩化テレフタロイル、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸二塩化物、及びこれらの混合物からなる群から選択される芳香族ジカルボン酸二塩化物である、請求項38記載の方法。
  40. さらに、1以上の脂肪族ジカルボン酸二塩化物を含む、請求項39記載の方法。
  41. 脂肪族ジカルボン酸二塩化物が、塩化セバコイル及びシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸二塩化物からなる群から選択される、請求項40記載の方法。
  42. ジカルボン酸二塩化物が二塩化イソフタロイルと二塩化テレフタロイルの混合物である、請求項39記載の方法。
  43. 二塩化イソフタロイル対二塩化テレフタロイルの比が約0.25〜4.0:1である、請求項42記載の方法。
  44. 二塩化イソフタロイル対二塩化テレフタロイルの比が約0.67〜1.5:1である、請求項42記載の方法。
  45. 芳香族ジカルボン酸部分が、イソフタル酸ジフェニル、テレフタル酸ジフェニル、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジフェニル、及びこれらの混合物からなる群から選択される芳香族ジカルボン酸ジエステルである、請求項38記載の方法。
  46. さらに、1以上の脂肪族ジカルボン酸ジエステルを含む、請求項45記載の方法。
  47. 脂肪族ジカルボン酸ジエステルが、セバシン酸ジフェニル及びシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジフェニルからなる群から選択される、請求項46記載の方法。
  48. ジカルボン酸ジエステルがイソフタル酸ジフェニルとテレフタル酸ジフェニルの混合物である、請求項45記載の方法。
  49. イソフタル酸ジフェニル対テレフタル酸ジフェニルの比が約0.25〜4.0:1である、請求項48記載の方法。
  50. イソフタル酸ジフェニル対テレフタル酸ジフェニルの比が約0.67〜1.5:1である、請求項48記載の方法。
  51. 塩基が1以上のアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類水酸化物、又はアルカリ土類酸化物である、請求項34記載の方法。
  52. 塩基が水性水酸化ナトリウムである、請求項51記載の方法。
  53. 有機溶媒が、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項34記載の方法。
  54. ポリエステル中間体とホスゲンの反応がさらに、第三アミン、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩、ヘキサアルキルグアニジニウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上の触媒を含む、請求項34記載の方法。
  55. 触媒が、トリエチルアミン、ジメチルブチルアミン、N−エチルピペリジン、N−メチルピペリジン、ジイソプロピルエチルアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、臭化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化メチルトリブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、塩化ヘキサエチルグアニジニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項54記載の方法。
  56. 触媒が1以上の第三アミンである、請求項54記載の方法。
  57. ポリエステル中間体とホスゲンの反応を、ホスゲンと反応性でない末端基を有する一部分以上のポリエステル中間体の存在下で行う、請求項34記載の方法。
  58. ポリエステル中間体とホスゲンの反応がさらに、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体とは異なる1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分を含む、請求項34記載の方法。
  59. ヒドロキシ末端ポリエステル中間体とは異なる1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分が、ポリエステル中間体の合成に用いた1以上の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分と同一である、請求項58記載の方法。
  60. ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分が非置換レゾルシノールである、請求項59記載の方法。
  61. 1以上のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分が、ポリエステル中間体の合成に用いた1,3−ジヒドロキシベンゼン部分とは異なる、請求項58記載の方法。
  62. ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分がビスフェノールAである、請求項61記載の方法。
  63. コポリエステルカーボネートの存在下で又は同時に1以上のポリカーボネートを製造する、請求項58記載の方法。
  64. ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分がビスフェノールAである、請求項63記載の方法。
  65. ポリエステル中間体とホスゲンの反応をジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分の混合物の存在下で行い、その1以上がポリエステル中間体の合成に用いた1,3−ジヒドロキシベンゼン部分と同一であり、その1以上が前記1,3−ジヒドロキシベンゼン部分とは異なる、請求項58記載の方法。
  66. ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素部分の混合物が非置換レゾルシノール及びビスフェノールAからなる、請求項65記載の方法。
  67. ホスゲンの総添加量の約80%以上が添加されるまでの期間実質的に一定の塩基対ホスゲンモル比で塩基及びホスゲンを同時に反応混合物に添加する、請求項34記載の方法。
  68. ホスゲンの総添加量の約98%超が添加されるまでの期間実質的に一定の塩基対ホスゲンモル比で塩基及びホスゲンを同時に反応混合物に添加する、請求項34記載の方法。
  69. ホスゲンの総添加量の実質的に100%が添加されるまでの期間実質的に一定の塩基対ホスゲンモル比で塩基及びホスゲンを同時に反応混合物に添加する、請求項34記載の方法。
  70. 塩基対ホスゲンの化学量論比がホスゲン1モル当たり塩基約1.8〜約2.5モルの範囲である、請求項34記載の方法。
  71. 添加工程中モル比を実質的に一定にしたままで水性塩基及びホスゲンの両方の添加速度を変える、請求項34記載の方法。
  72. 反応混合物からコポリエステルカーボネートを回収する、請求項34記載の方法。
  73. 約0.4〜2.5:1の範囲のモル比の二塩化テレフタロイルと二塩化イソフタロイルの混合物及び非置換レゾルシノールから誘導された連鎖構成員を有するポリエステルブロックセグメントと、1以上の非置換レゾルシノール及びビスフェノールAから誘導された連鎖構成員を有するポリカーボネートセグメントとを含んでおり、ポリエステルブロックの2以上のモノマー単位を結合する無水物結合を実質的に含まないブロックコポリエステルカーボネートのであって、
    (a)4以上の重合度を有するヒドロキシ末端ポリエステル中間体を製造し、
    (b)水、ジクロロメタン、1以上の触媒、及び塩基を含む反応混合物中でポリエステル中間体とホスゲンとの反応を実施し、その際、ホスゲンの総添加量の約60%以上が添加されるまでの期間実質的に一定の塩基対ホスゲンモル比で塩基及びホスゲンを同時に反応混合物に添加する
    工程を含んでなる、前記方法。
  74. ポリエステル中間体の合成及びコポリエステルカーボネートの合成をいずれも、水性相及びジクロロメタンを含む2相系で行う、請求項73記載の方法。
  75. 前記ポリエステル中間体とホスゲンの反応を実施する前に溶液からポリエステル中間体を単離しない、請求項74記載の方法。
  76. ポリエステル中間体とホスゲンの反応を、ホスゲンと反応性でない末端基を有する一部分以上のポリエステル中間体の存在下で行う、請求項73記載の方法。
  77. コポリエステルカーボネートの存在下で又は同時に1以上のポリカーボネートを製造する、請求項73記載の方法。
  78. ポリカーボネートがビスフェノールAから誘導された連鎖構成員を含んでなる、請求項77記載の方法。
  79. 塩基対ホスゲンの化学量論比がホスゲン1モル当たり塩基約1.8〜約2.5モルの範囲である、請求項73記載の方法。
  80. コポリエステルカーボネートを反応混合物から回収する、請求項73記載の方法。
  81. 約0.4〜2.5:1の範囲のモル比の二塩化テレフタロイルと二塩化イソフタロイルの混合物及び非置換レゾルシノールから誘導された連鎖構成員を有するポリエステルブロツクセグメントと、1以上の非置換レゾルシノール及びビスフェノールAから誘導された連鎖構成員を有するポリカーボネートセグメントとを含んでおり、ポリエステルブロックの2以上のモノマー単位を結合する無水物結合を実質的に含まないブロックコポリエステルカーボネートの界面製造方法であって、
    (a)水及び実質的に水と非混和性の1以上の有機溶媒の混合物中で1以上の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分及び1以上の触媒を合わせ、
    (b)前記(a)で得られた混合物に、pHを約5〜約8.5に維持しながら、調節された化学量論比の1以上の酸塩化物及び1以上の塩基を添加し、
    (c)酸塩化物の添加完了後、反応混合物のpHを約7〜約9の範囲の値に調節し、ポリマー鎖中の無水物結合を破壊するのに充分な時間反応混合物を攪拌することにより、ポリエステル中間体を製造し、
    (d)水、ジクロロメタン、1以上の触媒、及び塩基を含む反応混合物中でポリエステル中間体とホスゲンとの反応を実施し、その際、添加工程中塩基対ホスゲンのモル比をホスゲン1モル当たり塩基約1.8〜約2.5モルの範囲で実質的に一定にして塩基及びホスゲンを同時に反応混合物に添加する
    工程を含んでなる、前記方法。
  82. ポリエステル中間体の合成及びコポリエステルカーボネートの合成をいずれも水性相及びジクロロメタンを含む2相系で行う、請求項81記載の方法。
  83. 前記ポリエステル中間体とホスゲンの反応を実施する前にポリエステル中間体を溶液から単離しない、請求項81記載の方法。
  84. ポリエステル中間体とホスゲンの反応を、ホスゲンと反応性でない末端基を有する一部分以上のポリエステル中間体の存在下で行う、請求項81記載の方法。
  85. コポリエステルカーボネートの存在下で又は同時に1以上のポリカーボネートを製造する、請求項81記載の方法。
  86. ポリカーボネートがビスフェノールAから誘導された連鎖構成員を含んでなる、請求項85記載の方法。
  87. コポリエステルカーボネートを反応混合物から回収する、請求項81記載の方法。
  88. ポリマー鎖の2以上のモノマー単位を結合する無水物結合を実質的に含まないブロックコポリエステルカーボネートを製造する方法であって、
    (a)1以上の1,3−ジヒドロキシベンゼン部分及び1以上の芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルを含む溶融反応混合物中、エステル交換条件下で、4以上の重合度を有するヒドロキシ末端ポリエステル中間体を製造し、反応混合物からコポリエステルカーボネートを回収し、
    (b)水、ジクロロメタン、1以上の触媒、及び塩基を含む反応混合物中でポリエステル中間体とホスゲンとの反応を実施し、その際、塩基及びホスゲンを塩基対ホスゲンのモル比を実質的に一定にして同時に反応混合物に添加する
    工程を含んでなる、全方法。
  89. ジカルボン酸ジエステルがイソフタル酸ジフェニルとテレフタル酸ジフェニルの混合物である、請求項88記載の方法。
  90. イソフタル酸ジフェニル対テレフタル酸ジフェニルの比が約0.25〜4.0:1である、請求項88記載の方法。
  91. イソフタル酸ジフェニル対テレフタル酸ジフェニルの比が約0.67〜1.5:1である、請求項88記載の方法。
  92. 塩基対ホスゲンの化学量論比がホスゲン1モル当たり塩基約1.8〜約2.5モルの範囲である、請求項88記載の方法。
  93. コポリエステルカーボネートの存在下で又は同時に1以上のポリカーボネートを製造する、請求項88記載の方法。
  94. ポリカーボネートがビスフェノールAから誘導された連鎖構成員を含んでなる、請求項93記載の方法。
  95. コポリエステルカーボネートを反応混合物から回収する、請求項88記載の方法。
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