JP2005520817A - アスコルビン酸の製造方法 - Google Patents

アスコルビン酸の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005520817A
JP2005520817A JP2003567891A JP2003567891A JP2005520817A JP 2005520817 A JP2005520817 A JP 2005520817A JP 2003567891 A JP2003567891 A JP 2003567891A JP 2003567891 A JP2003567891 A JP 2003567891A JP 2005520817 A JP2005520817 A JP 2005520817A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
klg
ascorbic acid
solvent
alcohol
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003567891A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005520817A5 (ja
Inventor
クリシュナ アルムガム,バスカル
トーマス ペリー,スティーブン
ベアトリス マッケンジー,エレイン
ウェイン ブレア,ラリー
ロバート ゾエラー,ジョセフ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eastman Chemical Co
Original Assignee
Eastman Chemical Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eastman Chemical Co filed Critical Eastman Chemical Co
Publication of JP2005520817A publication Critical patent/JP2005520817A/ja
Publication of JP2005520817A5 publication Critical patent/JP2005520817A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D307/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D307/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
    • C07D307/34Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D307/56Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D307/62Three oxygen atoms, e.g. ascorbic acid

Abstract

本発明は、KLG又はKLG誘導体のアスコルビン酸への転化と、反応生成物の分離を同時に達成するための、模擬移動床(SMB)反応装置を用いたアスコルビン酸の製造方法である。SMB反応器には、KLG又はその誘導体の反応を触媒するのに有効で且つ少なくとも1種の生成物の選択的吸着により反応生成物を分離するのに有効な、固体又は固体混合物が含まれる。一般的な態様において、本方法は、(1)KLG又はその誘導体の、第一の溶媒及びその第一の溶媒と混和性のある脱離剤の溶液を模擬移動床反応器に供給し;(2)KLG又はKLG誘導体を反応させてアスコルビン酸を生成せしめ;そして(3)模擬移動床反応器から、(i)アスコルビン酸の、脱離剤及び第一の溶媒の溶液を含む第一の液体流及び(ii)第一の溶媒及び脱離剤を含む第二の液体流を取り出すことを含む。

Description

本発明はアスコルビン酸の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は2−ケト−L−グルコン酸(KLG)又はKLG誘導体を模擬移動床反応器(simulated moving bed reactor)(SMB)中でアスコルビン酸に転化する方法に関する。
アスコルビン酸の商業上の重要性がその製造に幾多の方法をもたらすことになった。アスコルビン酸製造の公知の商業的生産には、一般に、4つの主工程:
(1)グルコース又はソルボースが醗酵して2−ケト−L−グルコン酸(KLG)を生成する醗酵セクション;(2)無水KLGの精製及び単離;(3)単離KLGの、アルコール、典型的にはメタノールとのエステル化によるアルキルKLGエステル(AKLG)への転化;(4)L−アスコルビン酸を製造するための、理論量の塩基を用いてのAKLGの環化
が含まれる。これらの方法は、原型であるライヒシュタイン法(T.Reichstein, A.Grussner,“Helv. Chim. Acta”,17巻、p.311,1934年)から発展してきたものである。
上記の伝統的なライヒシュタイン法には、特に最後の3工程で多くの不利益がある。例えばKLGのアルキルエステルへのエステル化(工程3)は、典型的には、水性の醗酵ブイヨンから結晶化と乾燥により、固体としてKLGを単離することを必要とする。KLGの結晶化の間、母液流中に存在するかなりの量のKLGが回収されないおそれがある。単離されたKLGは、その後のエステル化工程でKLGエステルの満足な収率を得るため、通常、無水でなければならない。KLGの乾燥は、通常、多量のエネルギーとコスト高の装置が必要な蒸発によって達成される。エステル化は、しばしば、硫酸又はその他の強酸触媒を用いて無水メタノール中で実施するが、その後その酸及びその塩を除去することが必要となる。例えば米国特許第5,391,770号明細書には、可溶性の強酸の存在下にKLGをメタノールでエステル化し、次いで無機塩基により環化し、硫酸によりプロトン化することからなる一連の工程が記載されている。これは冗長な方法であり、エステル化及び環化をもたらすには、KLGの一水和物結晶と、無水に近い条件が必要となる。米国特許第5,744,634号明細書(欧州特許出願公開EP0671405A号明細書)には、イオン交換樹脂の存在下に、KLGをメタノール又はエタノールでエステル化することによる、KLGのメチル又はエチルエステルの製造方法が開示されている。このエステル化法は、イオン交換樹脂を含む管状反応器中で、滞留時間10〜120分で実施する。米国特許第5744634号に開示された方法では、KLGをメタノール又はエタノールでエステル化するために、その一水和物又は好ましくはその無水物が必要となる。
KLGのエステル化の間に生成する水は、平衡転化率を制限し収率のロスをもたらす。上記のように、無水KLGの代わりにKLG一水和物を使用すると、この問題は悪化し、エステル化の間、水の水和を一掃するための追加の工程が必要になる。そのような方法についての実施例はPCT特許出願公開WO99/03853号パンフレットに記載されている。
水除去の効率を向上させることにより、KLGのエステル化を改良する種々の方法が記載されている。米国特許第6,146,534号及び同第6,153,791号明細書には、イオン交換樹脂により促進される溶媒交換法を用いて、KLG固体を脱水する近似方法が記載されている。両方法とも分離を達成するだけであり、KLGをエステル化するための追加の方法が必要である。エステル化の程度は、反応が進行すると同時に水又はエステルを取り出すことにより向上させることができる。WO99/03853号パンフレットには、KLGのエステル化は2段階工程で進行させることができ、そこではその反応が、効率的な水の除去と組合された2−ケト−L−グルコン酸メチルの結晶化によって完了まで進行しうることが開示されている。この方法には多数の結晶化段階と固液分離装置とが必要である。ドイツ特許出願公開DE19938980A1には、酸触媒の存在下に、KLGをC1〜C10アルコールでエステル化することにより、C1〜C10アルキルKLGエステルを製造する方法が開示されているが、この方法ではエステル化は熱表面上の液体フィルム中で、同時に水を除去しながら実施される。この方法は、操作は簡単であるが、かなりのエネルギー及び水除去のための担体として作用する多量のアルコールが必要である。この方法には不純物を除去する手段が用意されていない。エステル化の度合を促進するためのその他の公知の手段には、エステル化の間に水を選択的に除去する膜状反応器が含まれる。これらの方法は周知であり、多くの刊行物、例えば“Chemical Engineering Science”,51巻、20号、p.4673〜4679、1996年の、Feng and Huang著“Studies of a Membrane Reactor: Esterification Facilitated By Pervaporation”; Jennings等の米国特許第2,956,070号明細書; “Journal of Chemical Engineering of Japan”,26巻、5号、p.475〜481、1993年の、Okomoto等著“Pervaporation−aided Esterification of Oleic Acid”; “Biotechnology and Bioengineering”,46巻、p.393〜395、1995年の、Kwon等著“Removal of Water Produced from Lipase−Catalyzed Esterification in Organic Solvent by Pervaporation”; “Chemical Engineering Science”,49巻、24A号、p.4681〜4689、1994年の、Keurentjes著“The Esterification of Tartaric Acid with Ethanol: Kinetics and Shifting the Equilibrium by Means of Pervaporation”; 及び“Water Treatment”,10巻、p.115〜120、1995年の、Xiuyuam等著“Modified Aromatic Polyimide Membrane Preparation and Pervaporation Results for Esterification System”に記載されている。
模擬移動床反応器はエステル化の度合を促進するもう1つの代替法として提案されてきた。例えば、“Chemical Engineering Science”,51巻、11号、p.2971〜2976、1996年の、Kawase等著“Increased Esterification Conversion By Application Of The Simulated Moving−Bed Reactor”; “Ind. Eng. Chem. Res.”,1997巻、p.36,3163〜3172のMazzotti等著“Dynamics Of A Chromatographic Reactor: Esterification Catalyzed By Acidic Resins”;及び米国特許第5,405,992号明細書を参照されたい。これらの刊行物にはカルボン酸のエステル化の間に生成する水を除去する方法が記載されている。
上記方法に対する改良については、Arumugam等による2001年10月12日出願の米国特許出願第09/975,872号に記載されている。この方法ではSMB反応器が使用され、酸性イオン交換樹脂を用いて選択的に水を吸着することにより、KLGを脱水し、エステル化し、そしてエステル化の間に生成する水を除去する。しかしながら、Arumugam等の文献に記載されている方法では、KLGエステルをアスコルビン酸に転化させていない。
KLG及びKLGエステルからアスコルビン酸を製造する幾多の方法が刊行されてきた。先行技術に対する優れた解説は、Crawford等著“Adv. Carbohydrate Chemistry 37”,(1980年)、p.79及び“Ullman’s Encyclopedia of Industrial Chemistry”,A27巻(1996年)、p.551〜557に認められる。KLGのL−アスコルビン酸への転換は、原型であるライヒシュタイン法又はメタノールとのエステル化の後に理論量の塩基を用いて環化することを含むその修正法により実施することができる。或いは、ジアセトン−2−ケト−L−グルコン酸中間体は、アセトンのロスに続いての連続的なラクトン化及びエノール化により、直接環化されてアスコルビン酸を生成することができる。しかしながら、直接環化では、発生するアセトン及びその他の副生物を回収するため大規模な装置が必要となる。また別の方法には、酸を直接使用するKLGエステル又はKLGのラクトン化が含まれる。例えば米国特許第2,185,383号明細書には、KLG及び容易に加水分解されるその誘導体と濃厚塩化水素酸との酢酸溶媒中での反応が記載されている。この方法の変形が、米国特許第2,462,251号明細書に開示されており、この方法では2−ケト−L−グルコン酸は、不活性の有機溶媒中、酸性条件下でアスコルビン酸に転化される。この方法を改良する修正法、例えば界面活性剤の使用(例えば米国特許第5,744,618号明細書;国際特許出願公開WO98/00839号パンフレット;及び特公昭48−15931号公報参照)又は溶融相での反応の実施(欧州特許出願公開EP1048663A1号明細書)についても記載されている。一般に、濃厚酸水溶液中でのアスコルビン酸の分解及び不活性有機溶媒中での溶解性の欠如のために、これらの方法は、アスコルビン酸の満足すべき収率を提供しないか、及び/又は長い精製手続きと、生成物の品質を低下させる不純物を除去するための大規模な装置とを必要とするかの何れかである。
上記の議論から明らかなように、現在アスコルビン酸の製造に採用されている現存の方法は、一般に:(1)乾燥KLGの単離に起因する、高エネルギーの必要性及び高額の資本と操業コスト;(2)KLGの精製の間の収率のロス;(3)エステル化の間に生じ、及び/又はKLG製造工程の結果としてKLG中に存在する水の存在下での、KLGのそのエステルへの不完全な転化;(4)均一系エステル化酸触媒の除去;(5)理論量の、それ故コスト高なNaHCO3の使用;並びに(6)アスコルビン酸を製造するためにアスコルビン酸ナトリウムを酸性化することの必要性を含む多くの不利益を有している。
従って、この技術分野には、上記で論じられた不利益を回避したKLGからアスコルビン酸を製造するための有効で経済的な方法に対する需要が存在する。
本発明の目的は、
I.(i)2−ケト−L−グルコン酸(KLG)又はその誘導体の第一の溶媒の溶液、及び(ii)第一の溶媒と混和性の脱離剤(desorbent)を、KLG又はその誘導体のアスコルビン酸への反応を触媒するのに有効で且つ少なくとも1つの生成物を選択的に吸着することにより反応生成物を分離するのに有効な、固体又は固体混合物を含む模擬移動床反応器に供給し;
II.KLG又はその誘導体を反応させてアスコルビン酸を生成せしめ;そして
III.模擬移動床反応器から(i)脱離剤及び第一の溶媒中のアスコルビン酸の溶液を含む第一の液体流並びに(ii)第一の溶媒及び脱離剤を含む第二の液体流を回収する;
各工程を含んでなるアスコルビン酸の有効な製造方法を提供することである。
本発明の更なる態様はKLG水溶液がKLGを製造するための醗酵生成物からの生成物流である。本発明の別の態様は、KLGエステルのラクトン化を触媒することに有効な固体を含むSMB反応器に、KLGエステルの溶液を供給するものである。本発明の更に別の態様は、
I.(i)KLG又はその誘導体を含む水溶液及び(ii)アルコールを含む脱離剤を、KLG又はその誘導体のエステル化及びラクトン化を触媒するのに有効で且つ少なくとも1つの生成物を選択的に吸着することによりエステル化及びラクトン化生成物を分離するのに有効な酸性イオン交換樹脂を含む模擬移動床反応器に供給し;
II.KLG又はその誘導体とアルコールとを反応させてKLGエステル及びアスコルビン酸を生成せしめ;そして
III.模擬移動床反応器から(i)アスコルビン酸の脱離剤の溶液を含む第一の液体流並びに(ii)工程(I)の水溶液からの水、KLGとアルコールとのエステル化に間に生成する水及び脱離剤を含む第二の液体流を回収する;
各工程を含んでなるものである。
本発明は種々の形体の態様を許容するものであるが、添付の図1、2及び3に示し、以下に詳細に記載するものは本発明の特定の態様である。これらの開示は、詳説されている特定の態様に限定することではなく、本発明の具体例として考慮されるべきものである。
本発明は、KLG又はKLG誘導体のアスコルビン酸への転化と反応生成物の分離とを同時に達成するために、模擬移動床(SMB)反応装置を用いるアスコルビン酸の製造方法である。SMB反応器には、KLG又はその誘導体の反応を触媒するのに有効で且つ少なくとも1つの生成物を選択的に吸着することにより反応生成物を分離するのに有効な固体又は固体混合物が含まれる。一般的な態様において、本発明方法には、(1)(i)2−ケト−L−グルコン酸(KLG)又はその誘導体の第一の溶媒の溶液及び(ii)その第一の溶媒と混和性のある脱離剤をKLG又はその誘導体のアスコルビン酸への反応を触媒すること及び少なくとも1つの生成物を選択的に吸着することにより反応生成物を分離することに有効な、固体又は固体混合物を含む模擬移動床反応器に供給し;(2)KLG又はその誘導体を反応させてアスコルビン酸を生成せしめ;そして(3)模擬移動床反応器から(i)アスコルビン酸の、脱離剤及び第一の溶媒の溶液を含む第一の液体流並びに(ii)その第一の溶媒及び脱離剤を含む第二の液体流を回収することが含まれる。
本発明に用いられる模擬移動床反応器は公知の装置であり、1つ又はそれ以上のチャンバー又はカラムを含み、それらのそれぞれには固体又は固体混合物が含まれている。図1に示すように、SMB反応器(1)は、図1にゾーンI,II,III及びIVとして示す複数のゾーンを含む、1つ又はそれ以上の区分(section)から構成することができ、典型的には複数の入口及び出口が取付けられている。本発明においては、SMB反応器は、典型的には4〜20の区分を有している。SMB反応器には、KLG又はKLG誘導体のアスコルビン酸への反応を触媒するのに有効で且つ選択的な吸着により反応生成物を分離するのに有効な、固体又は固体混合物が充填されている。例えば反応器には、2つの導入流、即ち第一の溶媒に溶解されたKLGを含む第一の供給流及び第二の脱離剤即ち置換剤の供給流が取付けられていることができる。反応器には、何れかの供給流が何れかの区分即ちゾーンに導入され且つ何れかの出口即ち排出流が、何れかの区分即ちゾーンから抜き出されるような方法で調節される、ロータリーバルブ又は複数のバルブが取付けられている。SMB装置の操作の間、そこに供給流が供給され、そしてそこから排出流が抜き出されるゾーン群が周期的に作動する。反応生成物の分離を達成するために、入口流と出口流の位置は、断続的に液体流の方向へ移動する。液体流の方向への断続的な開口部の移動により、床、即ち固体、例えば固体触媒などの床の向流式作動がシュミレートされる。別の装置及び操作上の戦略(strategies)では、液体に関する固体の向流式作動がシュミレートされるのが常だった。例えば、“Separation Science and Technology”,19巻、p.723(1984−1985年)のD.B.Broughton著“Production−Scale adsorptive separations of liquid mixtures by simulated moving bed technology”並びに米国特許第4,764,276号、同第4,923,616号、同第4,182,633号及び同第5,064,539号の各明細書を参照されたい。本発明の方法は、それらSMB概念の全ての変形によって実施することができる。基本的なSMB方法についての詳細は、“Elsevier Applied Science”,1990巻、p.524の、Wankat著“Rate−Controlled Separations”により提供され、またSMB反応器の概念に関する記述は、“Ind. Eng. Chem. Res.”,1997巻、p.36,3163〜3172の、Mazzotti等(Marco Mazzotti, Bernardo Neri, Davino Gelosa及びMassimo Morbidelli)著“Dynamics Of A Chromatographic Reactor: Esterification Catalyzed By Acidic Resins”により提供される。
本発明により提供される方法は、KLG又はKLG誘導体からアスコルビン酸を製造するのに採用することができる。KLG誘導体は、例えば発酵法による生成物など、一般に入手できるか、又はKLGの溶解性もしくはKLGのアスコルビン酸への転化率を改良するために有用である、何れのKLG化合物であってもよい。適当なKLG誘導体には、それらに限定するものではないが、KLGのエステル、アセタール、ケタール又は塩が含まれる。KLGの好適な形体は、KLG、KLGエステル又はKLG塩である。SMBで使用される固体又は固体混合物は、酸又はエステルなど使用されるKLGの形体、KLGに使用される溶媒、脱離剤及び所望の分離に基づいて選択される。KLGを出発物質として使用すれば、例えば酸性を示す固体を選択することができる。KLGエステルを使用すれば、アスコルビン酸への転化を達成するために、酸性又は塩基性の固体を使用できる。
供給物質としてKLG塩を使用してもよいが、存在するKLGは塩としてよりも遊離の酸の形である方が好ましい。カルシウムイオンのようなカチオンが多量に存在すると、触媒の有効性が減少するおそれがある。従って、カチオン、例えばカルシウム、ナトリウム、マグネシウム及びカリウムなどのイオンは、それらがKLGの供給溶液中に存在すれば、除去するのが好ましい。それらのカチオンは、慣用の方法に従って、例えば硫酸を用いた沈殿により、また強酸性カチオン交換樹脂を用いて除去することができる。硫酸塩、リン酸塩及び塩化物などのアニオンを水性供給液から除去してもよいが、それが必要というわけではない。アニオンやカチオンはまた、別の方法、例えば電気透析により除去することもできる。アニオンがKLG供給溶液から除去されなければ、ある種のアニオンは、SMB反応器で2番目の液体流として排出される水と共に除去することができる。或いはアニオンは、改良SMB操作、例えば米国特許第4,970,002号明細書; “Journal of Chromatography A”, 770巻、p.39〜50(1997年)の、A.Navarro, H.Caruel, L.Rigal, P.Phemius等著“Continuous chromatographic separation process: simulated moving bed allowing simultaneous withdrawal of three fraction”などに記載されている手法を用いて、別の3つめの流れとして除去することができる。図2には、3つの生成物を抜き出すためのSMBの一稼動形体の模式的な描写が示されている。その操作は、3番目の流れ(図2の流れ9)がSMB反応器から抜き出されることを除いて、典型的な4ゾーンSMBの操作と同様である。この第三の流れには、不純物、例えば有機及び無機の酸、それらのエステル並びにその他の副生物が含まれる。
KLGの供給溶液は、単一の溶媒又は溶媒混合物を含むことができる。溶媒は、水、アルコール、例えば直鎖又は分枝鎖の、置換又は非置換の炭素原子8までを含むアルコールであることができる。しかしながら、本方法はエステル化及びラクトン化反応の何れかの間で放出される水を除去する手段を提供してはいるが、むしろ無水KLG、KLG一水和物、KLG濃厚水溶液又は水以外の溶媒のKLG溶液を用いる方法が有利に採用することができる。エチレングリコールなどのジオールも使用できる。アルコール以外の溶媒、例えばニトリル(例えばアセトニトリル)、ケトン並びに脂肪族及び環式エーテル(例えばジメチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン)も使用できる。もし必要なら、KLG酸供給溶液の溶媒の性質は、共溶媒、即ち溶媒混合物、例えばエタノール−シクロヘキサノン及びテトラヒドロフラン−メタノールなどを用いて変性することもできる。
本発明方法は、SMB反応器の脱水能力の理由から、原材料としてKLGを含む水性醗酵ブイヨン(fermentation broth)を用いたアスコルビン酸の製造に特に有用である。その醗酵ブイヨンは、典型的には、KLG及び/又はその誘導体を製造するために、1種又はそれ以上の微生物の培養により製造される。KLG及び水に加えて、これらの醗酵ブイヨンには、典型的には、KLGを生産するために採用される微生物に必要な、例えばアミノ酸、無機及び/又は有機の塩、醗酵槽への砂糖供給原料によるグルコース、ソルボース、マンノース、二糖類及び三糖類などの炭水化物並びに種々の成長因子などを含む栄養分などその他の溶解性物質が含まれる。醗酵ブイヨンは、通常、本発明の新規な反応/溶媒交換/精製工程に先立って、濾過してバイオマスやその他の不溶性物質を取り除かれ、脱色のため活性炭で処理することができる。
KLGの水溶液を含み、本発明に従って模擬移動床反応器に供給される醗酵ブイヨンには、典型的には0.5〜50重量%、より典型的には7〜15重量%のKLG;及び50〜98重量%、より典型的には75〜95重量%の水が含まれている。溶解している不純物に対する溶解しているKLGの重量比は、2:1〜10:1の範囲であることができる。
SMB反応器に導入される脱離剤には、選択的に吸着された床からの生成物を追い出すことのできる液体が含まれる。脱離剤は、水、アルコール、例えば直鎖又は分枝鎖の、置換又は非置換の炭素原子8までを含むアルコールであることができ、稼動条件下でKLG酸供給流と混和性のあるものである。エチレングリコールなどのジオールもまた脱離剤として使用できる。もし脱離剤がアルコールであれば、それはSMB内で適宜のエステル化触媒の存在下で、KLGエステル化の反応体として作用することもできる。アルコール以外の脱離剤は、例えばニトリル(例えばアセトニトリル)並びに脂肪族及び環式エーテル(例えばジメチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン)も使用できる。必要なら、脱離剤及びKLG酸供給流の混和性は、温度を変動し及び/又は共溶媒もしくはカルボン酸供給流か脱離剤かの何れかに添加できる、その他の添加剤を使用することによって促進することができる。溶媒の組合せ、例えばエタノール−シクロヘキサノン及びテトラヒドロフラン−メタノールなども、脱離剤をKLG供給溶液と混和させるための共溶媒使用の例である。もし脱離剤が溶媒の混合物であれば、脱離剤混合物はSMB反応器に、単一の場所から供給することができ、又は脱離剤の個々の溶媒成分が複数の場所から供給することもできる。
本発明において、KLG供給溶液及び脱離剤はSMB反応器に2箇所又はそれ以上の場所から供給する。脱離剤が溶媒の混合物であれば、KLG供給溶液、脱離剤又は脱離剤の個々の成分は、前に論じたように、操作の便宜上又は、SMB内で生じる反応及び/もしくは吸着現象を促進するため、2箇所より多い場所からSMBに供給することができる。典型的には、SMB反応器に供給される脱離剤の、KLG供給溶液当りの体積比は1:1〜10:1の範囲であり、体積比2:1〜4:1がより好ましい。
模擬移動床反応器には、KLG又はその誘導体のアスコルビン酸への反応を触媒することに有効で且つ少なくとも1つの生成物を選択的に吸着することにより反応生成物を分離することに有効な、固体又は混合固体が含まれる。これらの固体又は混合固体は、必要なこととして、供給溶液の溶媒、脱離剤、必要に応じての何れかの共溶媒又は使用するその他の添加物に不溶性である。ある種の固体を使用するときには、その固体は触媒機能と吸着機能の両方に有効に作用しなければならない。適当な固体又は混合固体の選択はKLG供給溶液及び脱離剤の性質に依存する。例えばKLG水溶液及び脱離剤がSMB反応器に供給される本発明の一態様において、酸性イオン交換樹脂がKLGのラクトン化を触媒するために、またラクトン化の反応生成物、水及び脱離剤を分離するために用いることができる。ラクトン化なる用語は、環状エステル即ちラクトン、この場合にはアスコルビン酸を生成するために、内部エステル化即ちエステル交換反応によりKLGを環化することを意味する。もし供給水溶液がKLGエステルを含むなら、酸性又は塩基性イオン交換樹脂が、アスコルビン酸へのラクトン化のために適した触媒である。本発明の別の態様においては、KLGのKLGエステルへのエステル化及びそのエステルと幾らかの未反応KLGとのアスコルビン酸へのラクトン化のための触媒として適した酸性イオン交換樹脂を含むSMB反応器に、KLG及びアルコールを供給する。エステル化の反応体として供給するアルコールは、別々の供給液として、又はKLG供給溶液もしくは脱離剤との共供給液として、SMB反応器に導入することができる。模擬移動床反応器は、必要に応じて、1つより多くのタイプの物質を充填することもできる。例えばKLG又はその誘導体のアスコルビン酸への転化に最適化された固体並びに吸着及び反応生成物と不純物との分離のための別の固体を使用することも可能である。模擬移動床装置には、2種(もしくは3種)の固体物質を均一な混合物として充填することができ、又は固体物質は異なるセグメントとして充填することもできる。適当な固体触媒の例としては、ゼオライト、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、酸性イオン交換樹脂及び塩基性イオン交換樹脂をあげることができる。吸着剤として適した固体の例には、活性炭、モレキュラーシーブ、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア及び非酸性の高網状化(macroreticuleted)高分子樹脂が含まれる。異なるKLG誘導体、溶媒及び脱離剤には、触媒対吸着剤の異なる比率及び触媒対吸着剤の異なる組合せが必要になることを理解されたい。
SMB反応器からの排出液は2つ又はそれ以上の液体流として取り出す。典型的には、2つの液体流、その主要溶媒成分が脱離剤で且つ少量成分がKLG供給液体からの溶媒である、アスコルビン酸生成物溶液を含む第一の流れ及びその主要溶媒成分がKLG供給液中に含まれる液体で、且つ脱離剤が少量溶媒成分としてあり、水やその他の不純物などの反応生成物を含む第二の液体流が存在する。KLG供給溶液が発酵法の生成物である本発明の一態様においては、その第二の排出液流もまた、SMB反応器へ供給されるKLG水溶液中に存在する、中性又は非極性の不純物、例えば砂糖などを含むことができる。本発明の別の態様では、SMBから更なる有機及び無機の不純物を取り出すため、第三の排出液流が取り出される。
本発明の方法は広範囲の温度及び圧力にわたって実施することができる。温度は30〜250℃の範囲であり、SMB反応器に供給される物質の操作圧力における沸点により限定される。好適な温度範囲は70〜150℃である。より好ましくは、操作温度は90〜120℃である。圧力も本発明方法の臨界的な特徴ではない。従って、大気圧から3500kPa(ゲージ圧)までの圧力が用いられうる。好適な圧力範囲は350〜2000kPa(ゲージ圧)である。
本発明の好適な態様において、KLG又はKLG誘導体の水溶液がSMB装置のある区分に供給される。KLG供給溶液には更なる不純物が含まれていてもよい。アルコール、アルコール含有溶媒又はアルコールを含む溶媒混合物の何れかである脱離剤流は、KLG又はKLG誘導体のエステル化及びラクトン化反応を触媒するのに有効で且つ少なくとも1つの生成物を選択的に吸着することによりエステル化及びラクトン化反応の生成物を分離するのに有効な、酸性イオン交換樹脂を含むSMB反応器の、別の区分に供給される。アルコールは充填固体と協働して、KLG又はKLG誘導体と水とを分離し、KLG又はKLG誘導体をそのエステルにエステル化し、そしてKLG及びKLGエステルをラクトン化してアスコルビン酸を形成するように機能する。2つの液体排出流:(i)アルコール又は脱離剤とアルコールとの混合物のアスコルビン酸溶液を含む第一の液体流並びに(ii)KLG供給水溶液からの水、エステル化及びラクトン化反応からの水、KLG水性供給流中に存在するか又はエステル化及びラクトン化反応の副生物として生成される不純物、アルコール及び脱離剤を含む第二の液体流がSMB反応器から抜き出される。
SMB反応器中に存在する酸性触媒はアルコールのKLGとの反応を触媒して2−ケト−L−グルコン酸アルキルエステルを生成する。エステル化の間に生成する水は樹脂の水に対する親和力によって反応ゾーンから除去される。従って、この反応は実質的にエステル化の間に生成する水を除去しなかったなら到達したであろう平衡転化率を超えて遂行される。KLGエステル及び未反応KLGの一部又は全部は酸性触媒の触媒作用によりアスコルビン酸に転化される。2−ケト−L−グルコン酸アルキルエステルの転化の程度はそのプロセス温度に依存する。30℃より低い温度では、KLG又はKLGエステルのアスコルビン酸への転換は無視できる。約70℃を超えると、KLG又はKLGエステルの実質的な量がアスコルビン酸に転化する。好ましいプロセス温度範囲は90〜120℃であり、好ましい圧力範囲は350〜2000kPa(ゲージ圧)である。
固体触媒は、ゼオライトもしくはその他の無機酸性物質又は、好ましくは、酸性イオン交換樹脂、例えばスチレン又はスチレンとジビニルベンゼンとから誘導された、側鎖にスルホン酸基を含む高網状化高分子物質であることができる。酸性イオン交換樹脂は、典型的には、KLG及びKLG誘導体のアスコルビン酸への反応を触媒すること並びにSMB反応器中に供給された水及びSMB反応器中で生成した水を分離することの両方を行うことができる。そのような酸性イオン交換樹脂の具体例には、Rohm and Haas Companyにより上市されているAmberlyst(商標)15、Dow Chemical Companyにより上市されているDowex(商標) Monosphere 99H、並びにBayer AGにより上市されているLewatit(商標) MS100, SP112, K1221及びK2641が含まれる。これらの酸性イオン交換樹脂は水に対する親和力を有している。樹脂の酸の部位は、電荷−電荷反撥力によりKLGなどのカルボン酸を排除する傾向がある。この機構は、一般に「イオン排除」と呼ばれる。酸性イオン交換樹脂の、水とKLGなどのカルボン酸に対する親和性の差が、供給KLG中に存在する水とカルボン酸とを分離するために有利に利用されることができる。存在する中性の不純物は荷電された分子ではないので、何れも酸性イオン交換樹脂によっては排除されない。本発明方法の好ましい態様では、KLG及び中性の不純物(荷電されていない分子)に対する、酸性イオン交換樹脂の親和性の間の違いを利用して、荷電されない砂糖などの中性の不純物からの、KLGの部分的な又は完全な分離を実施している。
本発明方法に用いられるアルコールは8個までの炭素原子を含むことができ、典型的には置換又は非置換の脂肪族アルコールである。エタノール及びメタノールが最も好ましいアルコール反応体である。
脱離剤の溶媒は、好ましくはエステル化の反応体及び脱離剤溶媒の両方として作用するアルコールである。最も好ましくは、脱離剤はメタノール又はエタノールである。しかしながら、不活性の溶媒(即ち非反応性溶媒)も脱離剤として使用できるが、その場合には、カルボン酸エステルを生成させるために必要なアルコールは、脱離剤もしくはKLG供給液の何れかと混合することにより、又は別にアルコールを供給することにより、SMB反応器中に導入されることができる。脱離剤としてアルコールに加えて使用することができる適当な溶媒の具体例には、エステル、ジオール、ニトリル、ケトン及びエーテルが含まれる。アルコール、非反応性溶媒又は非反応性溶媒とアルコールとの混合物を含む脱離剤、即ちSMB反応器に供給される供給成分(ii)の体積の、供給される供給成分(i)(第一の溶媒に溶解されたKLG又はKLG誘導体)の体積当りの体積比は、通常、1:1〜10:1の範囲であり、体積比2:1〜4:1がより好ましい。
SMB反応器から取り出される排出液には、アスコルビン酸のアルコール溶液及び脱離剤の成分としてSMBに供給された何れかの補助的溶媒を含む第一の液体流並びにKLG供給液に含まれる溶媒、エステル化反応の水、アルコール及び脱離剤又は脱離剤の成分を含む第二の液体流が含まれる。本発明の好ましい態様において、その第二の液体排出流にはまた、SMB反応器に供給されるKLG水溶液中に存在する、中性の、即ち非極性の不純物、例えば砂糖などが含まれていてもよい。好ましい態様において、その第一の液体排出流の組成には、典型的には、アスコルビン酸0.5〜40重量%、KLGエステル0〜25重量%、KLG 0〜15重量%、水0〜25重量%、SMB反応器に供給されたアルコール又はアルコールと補助的溶媒との混合物50〜95重量%並びにSMB反応器に供給された醗酵ブイヨン/溶液を起源とするか又はエステル化及びラクトン化反応の副生物として生成されたか何れかの不純物0〜10重量%が含まれる。例えばメタノールをエステル化反応の反応体及び脱離剤の両方として使用するとき、その第一の液体排出流には、好ましくはアスコルビン酸0.5〜40重量%、KLGメチルエステル0〜25重量%、KLG 0〜25重量%、水0〜25重量%、メタノール50〜99重量%並びにSMB反応器に供給された醗酵ブイヨン/溶液を起源とする又はエステル化及びラクトン化反応の副生物として生成された不純物0〜10重量%が含まれる。
前記第二の液体排出流には、水2〜85重量%、SMB反応器に供給されたアルコール又はアルコールと補助的溶媒との混合物15〜98重量%並びにSMB反応器に供給された醗酵ブイヨン/溶液を起源とするか又はエステル化もしくはラクトン化反応の副生物として生成されたか何れかの不純物0〜30重量%が含まれる。この流れはまた、幾らかのKLG、アスコルビン酸及びKLGエステルを含むことができる。
別の好ましい態様はSMB反応器から第三の液体排出流を取り出すことである。この態様は更なる有機又は無機の不純物を取り出すのに特に有用である。この流れには、典型的には、有機又は無機の不純物の水溶液、アルコール及びアルコールとは異なるときの脱離剤が含まれる。
模擬移動床反応器から得られる第一の溶液中の、アスコルビン酸に転化されていないKLG又はKLGエステルは何れも、そのエステル又はKLGを単離することなく、直接環化することができる。例えばKLGエステルは、当量のアルカリ金属の重炭酸塩、炭酸塩又はアルコキシド、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム及びナトリウムメトキシドで処理して環化反応を誘発することができる。次いでアスコルビン酸塩生成物を慣用の手法により単離することができる。或いは、SMB反応器から得られる第一の溶液中の未転換KLG又はKLGエステルはまた、その後の工程で、酸触媒を用い溶媒中でアスコルビン酸に環化させることもできる(米国特許第2,491,065号及び第2,462,251号明細書)。酸触媒は均一の酸、例えば硫酸もしくは塩化水素酸又は固体酸触媒であることができる。
何れの未反応KLG又はKLGエステルもアスコルビン酸から分離してSMBR反応器にKLG供給液と共に再循環することもできる。或いは、未反応KLG又はKLGエステルはアスコルビン酸から分離され、そのエステルは前記の何れかの方法によってアスコルビン酸に転化させることができる。KLG、KLGエステル及びアスコルビン酸の分離は、結晶化及びクロマトグラフィなどの方法により達成することができる。
KLGのKLGメチルエステルへのエステル化、その後のKLGメチルエステル及び未反応KLGのアスコルビン酸へのラクトン化を経由するアスコルビン酸の生成について、SMB反応器の操作を以下に詳細に記載する。SMB装置は、通常、複数の区分、典型的には4〜20の区分を含んでおり、酸性カチオン交換樹脂が水素型の形体で充填されている。添付の図1を参照するに、約10重量%のKLGを含有する水溶液を含む醗酵ブイヨンが配管1を経て、典型的には、DOWEX Monosphere 99H樹脂などの酸性イオン交換樹脂で充填された円筒状容器であるSMB反応器2に供給される。SMB反応器2には図1に示すように、4つのゾーンI,II,III及びIVが含まれる。脱離剤及びエステル化反応の反応体の両方として作用するメタノールがSMB反応器2に配管3を通して供給される。SMB反応器2の内容物の一部はSMB反応器の頂部から取り出されてライン6、ポンプ7及びライン8を経由して、SMB反応器の基部に再循環される。メタノール中のアスコルビン酸並びに、未反応のKLGメチルエステル及びKLGを含む、典型的には3〜25重量%のアスコルビン酸、3重量%より少ない水を含む第一の液体生成物流がSMB反応器2から配管4を経由して取り出される。水を含む、典型的には水25〜60重量%及び配管1を経て供給された水性流れ中に含まれる不純物5重量%以下を含む第二の液体生成物流がSMB反応器の配管5から取り出される。SMB反応器2内の液体の流れ方向は再循環ポンプにより設定され、その液体の流れ方向はゾーンIIからゾーンIの方向である。KLG含有醗酵ブイヨンは、SMB反応器2のゾーンI及びIIの間に供給される。KLGはイオン排除機構によりカチオン交換樹脂から排除する。供給流中に存在する水はその樹脂により優先的に吸着される。酸性イオン交換樹脂によるKLGのイオン排除と水の吸着との組合せが、その樹脂にKLG及び水に対する異なる親和性を持たせることになる。結果として、KLGは水よりもその樹脂の上及びその中を通って早く移動する。ゾーンI及びIIにおける適当な流れ条件並びに入口と出口の流れの場所の切換えの適当な段階時間(step time)の設定により、水はKLGから分離されて、ゾーンIIとIIIの間に位置する開口部(port)(図1における配管5)から抜き出される別の流れとして得ることができる。KLGが水から分離されるにつれて、KLGのメチルエステルが、カチオン交換樹脂の触媒作用によって生成される。KLGメチルエステル及びKLGは酸性樹脂の触媒作用によって更にアスコルビン酸に転化される。アスコルビン酸はゾーンIとIVの間の開口部(図1における配管4)から抜き出す。
図2は、上記図1について記載したものと近似した工程フローダイヤグラムであり、5ゾーン:I,II,III,IV及びVを含んでなり、これでは第三の排出液流を経由して無機酸及びその他の不純物の取り出しが準備されている。図2に図解されたSMB反応器2の操作は、第三の流れ(図2の配管9)がSMB反応器2から抜き出されることを除いて、上の図1に記載された操作と同じである。この第三の流れは、典型的には、その有機及び無機酸などの不純物を含んでいる。これらの酸性不純物はKLGよりも強い酸であるため、それらは酸性イオン交換樹脂によりKLGよりも強く排除され、そのカラムを通ってより迅速に移動することになろう。図3は上の図1について記載したものと近似した工程フローダイヤグラムであり、5ゾーン:I,II,III,IV及びVを含んでなり、これでは脱離剤の更なる供給が準備されている。図3に図解されたSMB反応器2は、第三の導入流(図3の配管9)がエステル化反応に必要なアルコールを供給することを除いて、上の図1に記載した操作と同じである。アルコール以外の溶媒を脱離剤として用いれば、エステル化反応に必要なアルコールは、供給流と予備混合することにより、もしくは非アルコール脱離剤と混合することにより、又は図3に示すように別の流れとして供給することにより導入することができる。
本発明により提供される方法を、以下の実施例によって更に詳説する。実施例で付与される%は、特記しない限り、全て重量%である。KLG、KLGエステル及びアスコルビン酸は、液体クロマトグラフィにより分析し、水はカール・フィッシャー法により分析した。パルス試験は、SMB分離の正否を決定するために実施した。主要操作因子(the key operating parameter)を決定するために、また特定の分離にSMBの利用を確立するための試験として、実験室パルス試験を使用することはこの技術分野において周知である(例えばS.R. Perrin, R.M. Nicoud著“Chiral Separation Techniques: A Practical Approach”, Wiley−VCH Verlag GmbH, Weinheim, 2001年刊、10章、262〜267頁を参照されたい)。カラムには、供給混合液から異なる成分を分離することができる固体を充填する。このカラムは水やメタノールなどの移動相を圧送することにより予備調整される。供給混合液のパルスがカラムに導入される。これに続いて、移動相をカラムを通して圧送することにより、その供給液の溶離が起こる。排出留分は分析し、排出留分中の種々の成分の濃度を溶離時間即ち溶離容量に対してプロットすることによりクロマトグラムが作製する。分離されるべき成分の溶離ピークの間のピークとピークの離れ具合が、SMB即ちSMB反応器を用いての、2つの成分分離の可能性を立証する。SMB即ちSMB反応器は、パルス試験から得られる知見に基づいて、当業者により設計することができる。ここに提供された実施例において、パルス試験は、KLGと水とを分離する固体として、DOWEX Monosphere 99H(商標)酸性イオン交換樹脂を用いて実施した。この固体はまた、酸性エステル化触媒及びラクトン化触媒としても作用する。この樹脂はその製造業者によりカルシウム塩の形体で提供されるので、樹脂は、樹脂10Lに7%HCl溶液50Lを通し、続いて水100Lで樹脂を濯いでHClと塩化カルシウムを除去することにより、その水素型に変換された。このDOWEX樹脂は水に再浸漬し、次いで金属カラムに充填した。ジャケットとして被せたガラス製カラムにオイルバスからのオイルを循環させることにより、カラム内の温度を維持した。パルス試験カラム中のDOWEX樹脂は、カラムからの排出液中の水のレベルが1%より低くなるまでメタノールで濯いた。この実施例に記載したパルス試験は同じカラム又は同じ様式で作製した別のカラムの何れかで実施した。
実施例1
KLGをカルシウム塩として含む醗酵ブイヨンは、濃硫酸の添加により酸性化して硫酸カルシウムが沈殿した。沈殿した硫酸カルシウムは濾過によって分離し、酸性化したブイヨンは、Ambersep(商標)200H樹脂(Rohm and Haas Company)に通すことによりカチオン交換されてカチオンレベルが低下した。そのカチオン交換ブイヨンは、Duolite(商標)A561樹脂(Rohm and Haas Company)に通すことによって、アニオン交換され、硫酸根、リン酸根及び塩化物などのアニオンが除去された。得られた溶液には、KLG 9.26%,Ca 19ppm,Mg 3ppm,K 29ppm,Na 74ppm,P 51ppm及びS 143ppmが含まれていた。
上に記載したようにして準備されたKLG溶液の29.5mLのパルスが、4.91mL/分の流速で、上記のパルス試験カラム(容量295mL)に供給され、オイルバスからの加熱オイルの循環により90℃の温度に保持した。カラムへの供給は、KLG溶液の添加完了後メタノールに切換えた。カラムからの排出液は14.75mLずつの留分として回収した。これらの留分は、KLG、アスコルビン酸、KLGメチルエステル及び水について分析した。図4に示される結果は、KLGがアスコルビン酸に転換されたものの、かなりの量のKLGメチルエステルが未転換で残ったことを立証している。温度を上昇させ、及び/又は滞留時間を増加させることにより、より多量のKLGメチルエステルがアスコルビン酸に転化させることができる。図4の結果はまた、アスコルビン酸と水との間ではピークとピークが離れていることを立証した。水平軸は、床容積(bed volume)として表される溶離時間である。床容積は次のように計算する。
Figure 2005520817
溶離成分の濃度は垂直軸で表し、ダイヤ形状のプロットはKLGメチルエステルを表し、四角形状のプロットはKLMを表し、三角形状のプロットはアスコルビン酸を表し、―×―プロットは水を表す。水はその樹脂に吸着されるので、樹脂に排除されるKLGよりも遅く溶離する。KLGはその固体の触媒作用によってアスコルビン酸及びKLGメチルエステルに転換されるので、排出留分中のKLGの量は無視できる。アスコルビン酸は水よりも相当早く溶離する。アスコルビン酸と水の間及びKLGと水の間では、ピークとピークの間がかなり離れている。パルス試験において、KLGと水の間のピークとピークが離れていることが、KLGが水から分離され、同時にKLGがアスコルビン酸に転化されうることを立証している。
実施例2
この実施例では、実施例1に記載したのと同様に準備された供給液を使用した。準備されたKLG溶液の29.5mLのパルスが、4.91mL/分の流速で、上記のパルス試験カラム(容量295mL)に供給され、オイルバスからの加熱オイルの循環により110℃の温度に保持した。カラムへの供給は、KLG溶液の添加完了後メタノールに切換えた。カラムからの排出液は14.75mLずつの留分として回収した。これらの排出液は、KLG、アスコルビン酸、KLGメチルエステル及び水について分析した。図5に示される結果は、KLGがアスコルビン酸に転化し、未転化KLGメチルエステルの量は、大いに減少したことを立証している。溶離成分の濃度は垂直軸で表し、ダイヤ形状のプロットはKLGメチルエステルを表し、四角形状のプロットはKLMを表し、三角形状のプロットはアスコルビン酸を表し、―×―印は水を表す。アスコルビン酸と水との間ではピークとピークが離れており、反応器に供給されたKLGはアスコルビン酸に転化されると同時に、KLG供給液中に存在する水及び、KLGのエステル化の間に生成する水が除去することができるように、SMB反応器を操作することが可能であることを示している。
図1は、KLGと脱離剤のためのそれぞれ2つの供給流及び反応器からの2つの排出流を利用する、本発明に従ったアスコルビン酸を製造する、簡単な模擬移動床反応装置を図説する模式図及び工程フローダイヤグラムである。 図2は、2つの供給流及び反応器からの3つの排出流を利用する、SMBの模式図である。 図3は、3つの供給流及び反応器からの2つの排出流を利用する、SMBの模式図である。 図4は実施例1についてのパルス試験の結果を床容積に対する成分濃度として示すグラフである。 図5は実施例2についてのパルス試験の結果を床容積に対する成分濃度として示すグラフである。

Claims (12)

  1. I.(i)2−ケト−L−グルコン酸(KLG)又はその誘導体の第一の溶媒の溶液及び(ii)第一の溶媒と混和性の脱離剤を、KLG又はその誘導体のアスコルビン酸への反応を触媒するのに有効で且つ少なくとも1種の生成物を選択的に吸着することにより反応生成物を分離するのに有効な、固体又は固体混合物を含む模擬移動床反応器に供給し;
    II.KLG又はその誘導体を反応させてアスコルビン酸を生成せしめ;そして
    III.模擬移動床反応器から(i)脱離剤及び第一の溶媒中のアスコルビン酸の溶液を含む第一の液体流並びに(ii)第一の溶媒及び脱離剤を含む第二の液体流を回収する;
    各工程を含んでなるアスコルビン酸の製造方法。
  2. 模擬移動床反応器が4〜20の区分を含み且つ工程IのKLG誘導体が2−ケト−L−グルコン酸エステル又は2−ケト−L−グルコン酸塩である請求項1に記載の方法。
  3. 第一の溶媒及び脱離剤が、それぞれ、水、アルコール、ジオール、エステル、ニトリル、ケトン及びエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒である請求項1に記載の方法。
  4. 工程Iの溶液(i)がKLG又はその誘導体を製造する醗酵プロセスからの生成物流である請求項1に記載の方法。
  5. 工程Iの溶液(i)及び脱離剤を模擬移動床反応器の2又はそれ以上の反応器部位に供給する請求項1に記載の方法。
  6. 固体混合物がゼオライト、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、酸性イオン交換樹脂及び塩基性イオン交換樹脂よりなる群から選ばれるKLG又はその誘導体のアスコルビン酸への反応を触媒するのに有効な固体を含む請求項1に記載の方法。
  7. 混合固体が活性炭、モレキュラーシーブ、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア及び非酸性高網状化高分子樹脂よりなる群から選ばれる吸着剤として有効な固体を含む請求項1に記載の方法。
  8. I.(i)KLG又はその誘導体を含む水溶液及び(ii)アルコールを含む脱離剤を、KLG又はその誘導体のエステル化及びラクトン化を触媒するのに有効で且つ少なくとも1つの生成物を選択的に吸着することによりエステル化及びラクトン化生成物を分離するのに有効な酸性イオン交換樹脂を含む模擬移動床反応器に供給し;
    II.KLG又はその誘導体とアルコールとを反応させてKLGエステル及びアスコルビン酸を生成せしめ;そして
    III.模擬移動床反応器から(i)アスコルビン酸の脱離剤の溶液を含む第一の液体流並びに(ii)工程(I)の水溶液からの水、KLGとアルコールとのエステル化に間に生成する水及び脱離剤を含む第二の液体流を回収する;
    各工程を含んでなるアスコルビン酸の製造方法。
  9. アルコールが炭素原子1〜8を含む請求項8に記載の方法。
  10. 脱離剤がアルコールと、エステル、ジオール、ニトリル、ケトン及びエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒との混合物を含む請求項8に記載の方法。
  11. 脱離剤がメタノール又はエタノールであり且つ模擬移動床反応器を90〜120℃の温度及び350〜2000kPa(ゲージ圧)の圧力に保持する請求項8に記載の方法。
  12. 工程IIIが(iii)有機及び無機の不純物のアルコール及び脱離剤の溶液を含む第三の液体流を模擬移動床反応器から回収することを更に含む請求項8に記載の方法。
JP2003567891A 2002-02-12 2003-02-10 アスコルビン酸の製造方法 Pending JP2005520817A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/074,829 US6476239B1 (en) 2002-02-12 2002-02-12 Process for the preparation of ascorbic acid
PCT/US2003/003973 WO2003068764A1 (en) 2002-02-12 2003-02-10 Process for the prepatation of ascorbic acid

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005520817A true JP2005520817A (ja) 2005-07-14
JP2005520817A5 JP2005520817A5 (ja) 2006-03-30

Family

ID=22121915

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003567891A Pending JP2005520817A (ja) 2002-02-12 2003-02-10 アスコルビン酸の製造方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US6476239B1 (ja)
EP (1) EP1474410B1 (ja)
JP (1) JP2005520817A (ja)
CN (1) CN1285584C (ja)
AT (1) ATE332297T1 (ja)
AU (1) AU2003219729A1 (ja)
DE (1) DE60306622T2 (ja)
WO (1) WO2003068764A1 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6864376B2 (en) 2000-12-22 2005-03-08 Eastman Chemical Company Process for producing ascorbic acid
US6872314B2 (en) * 2003-08-29 2005-03-29 Eastman Chemical Company Dewatering process
PT103123A (pt) * 2004-05-19 2005-11-30 Univ Do Porto Processo industrial de producao de acetais num reactor adsorptivo de leito movel simulado
JP5756407B2 (ja) * 2008-12-08 2015-07-29 ノヴォ ノルディスク アー/エス ポリペプチドの向流精製
PT104496B (pt) * 2009-04-08 2011-03-14 Univ Do Porto Reactor de membranas adsorptivo de leito móvel simulado, novo processo híbrido de saparação e respectivas utilizações
KR102098843B1 (ko) * 2012-05-23 2020-04-09 란자테크 뉴질랜드 리미티드 발효 및 모사 이동층 공정
US8704016B2 (en) 2012-05-23 2014-04-22 Orochem Technologies, Inc. SMB process for the purification of ethanol and butanediol with integrated regeneration
US8658845B2 (en) 2012-05-23 2014-02-25 Orochem Technologies, Inc. Process and adsorbent for separating ethanol and associated oxygenates from a biofermentation system
US20160297747A1 (en) 2015-04-08 2016-10-13 Invista North America S.A.R.L. Materials and methods for the selective recovery of monovalent products from aqueous solutions using continuous ion exchange
US10343084B2 (en) 2015-04-10 2019-07-09 Invista North America S.A.R.L. Process for separation of diamines and/or omega-aminoacids from a feed mixture
US11097206B2 (en) 2016-12-09 2021-08-24 Orochem Technologies Inc. Method for producing purified steviol product using simulated moving bed chromatography
CN110327883A (zh) * 2019-07-13 2019-10-15 安徽科技学院 脱除维生素c溶液色素碳素材料及制备方法及其脱色方法
CN110343080A (zh) * 2019-08-08 2019-10-18 安徽丰原发酵技术工程研究有限公司 一种以古龙酸为原料的含氮碱转化法制备维生素c的方法
CN110423229A (zh) * 2019-08-08 2019-11-08 安徽丰原发酵技术工程研究有限公司 一种以古龙酸为原料的碱转化法制备维生素c的方法
CN110386908A (zh) * 2019-08-08 2019-10-29 安徽丰原发酵技术工程研究有限公司 一种以古龙酸盐为原料的碱转化法制备维生素c的方法

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2185383A (en) 1937-04-28 1940-01-02 Charles Pflzer & Company Preparation of levo-ascorbic acid
US2491065A (en) 1941-12-01 1949-12-13 Tno Process for producing ascorbic acid from 2-keto-levo-gulonic acid or its derivatives
US2462251A (en) 1945-05-16 1949-02-22 Merck & Co Inc Process for preparing ascorbic acids
US2956070A (en) 1958-04-29 1960-10-11 American Oil Co Organic chemical reactions involving liberation of water
FI69248C (fi) 1976-12-21 1986-01-10 Mitsubishi Chem Ind Foerfarande foer reglering av operationsprocessen av en simulerad roerlig baedd
US4764276A (en) 1984-07-30 1988-08-16 Advanced Separation Technologies Incorporated Device for continuous contacting of fluids and solids
JPH0669521B2 (ja) 1986-12-23 1994-09-07 三菱化成エンジニアリング株式会社 クロマト分離法
US4923616A (en) 1987-09-24 1990-05-08 Mitsubishi Petrochemical Company, Ltd. Method of separating chemical components in simulated moving bed
JPH0746097B2 (ja) 1988-05-17 1995-05-17 三菱化成エンジニアリング株式会社 クロマト分離法
FR2648136B1 (fr) 1989-06-12 1994-06-17 Rhone Poulenc Sante Procede de preparation de l'acide ascorbique
EP0671405A1 (de) 1994-01-18 1995-09-13 F. Hoffmann-La Roche Ag Herstellung von 2-Keto-L-gulonsäureestern
US5405992A (en) * 1994-04-28 1995-04-11 Uop Process for concurrent esterification and separation using a simulated moving bed
JPH08188578A (ja) * 1994-11-11 1996-07-23 Takeda Chem Ind Ltd L−アスコルビン酸の製造方法
US6146534A (en) 1996-08-19 2000-11-14 Reilly Industries, Inc. Thermally-managed separation and dewatering processes for recovering acid products
US5502248A (en) * 1995-02-27 1996-03-26 Uop Process for concurrent hydrolysis of esters and separation of products using a simulated moving bed
DE19547073C1 (de) 1995-12-16 1996-11-14 Merck Patent Gmbh Verfahren zur Herstellung von Ascorbinsäure
US6035396A (en) 1996-07-01 2000-03-07 Iomega Corporation Method for sharing a storage medium between computers having disparate operating systems
WO1999003853A1 (de) 1997-07-16 1999-01-28 Enco Engineering Chur Ag Verfahren zur herstellung von ascorbat
DE19919203A1 (de) 1999-04-28 2000-11-02 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von L-Ascorbinsäure
US6153791A (en) 1999-08-02 2000-11-28 Archer-Daniels-Midland Company Process for purifying 2-keto-L-gulonic acid
DE19938980A1 (de) 1999-08-19 2001-02-22 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von 2-Keto-L-gulonsäureestern
US6740762B2 (en) * 2001-08-24 2004-05-25 Eastman Chemical Company Process for ascorbic acids using alkaline earth silicate catalysts

Also Published As

Publication number Publication date
WO2003068764A1 (en) 2003-08-21
CN1285584C (zh) 2006-11-22
AU2003219729A1 (en) 2003-09-04
ATE332297T1 (de) 2006-07-15
DE60306622D1 (de) 2006-08-17
EP1474410B1 (en) 2006-07-05
US6476239B1 (en) 2002-11-05
CN1633425A (zh) 2005-06-29
EP1474410A1 (en) 2004-11-10
DE60306622T2 (de) 2006-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5702836B2 (ja) 炭水化物からヒドロキシメチルフルフラール(hmf)への変換及び誘導体
JP2005520817A (ja) アスコルビン酸の製造方法
CA2860834A1 (en) Process for making hmf and hmf derivatives from sugars, with recovery of unreacted sugars suitable for direct fermentation to ethanol
US6518454B1 (en) Preparation of esters of carboxylic acids
US6872314B2 (en) Dewatering process
JP2004516318A (ja) L−アスコルビン酸の連続製造方法
CA2932376A1 (en) Method for preparing and isolating carboxylic esters
US11078174B2 (en) Process for making esters of 2,5-furandicarboxylic acid
AU756295B2 (en) Methods of separating FTC isomers and derivatives thereof
JP2004516319A (ja) 亜硫酸塩の存在下でのアスコルビン酸の製造方法
JP2006036710A (ja) 光学活性な3−ヒドロキシテトラヒドロフランの製造法
EA045367B1 (ru) Получение hmf, катализируемое смесью соли и кислоты

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060209

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090804

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100105