JP2005519692A - 毛の成長の管理のための方法及び装置 - Google Patents

Abstract

本発明の毛の成長の管理のための方法及び装置は患者の皮膚の処置領域に低エネルギーの光学的放射線を与える。放射線は処置される各毛包の基質部分を少なくとも損傷させるのに十分であるが、前記各毛包のほとんどの壊死または、その部分の毛幹の即時の著しい変質を生じるのに十分でない出力を持つ。本発明の処置は好まれるものとして、毛の成長の管理の所望のレベルを達成するために、選択された時間間隔で複数回実施される。

Description

本発明は毛の成長の管理に関し、特に、通常の光顕微鏡法によって検出可能な毛包の即時の組織学的変質、あるいは、毛幹または毛包の部分的な破壊を生ぜずに髪の成長を管理または制御するための方法及び装置に関する。

人間の身体には、例えば、女性の顔や足等のように、永久的に毛を取り除くことが望まれる部位もあるが、男性及び女性の両者に対して上述の部位及び他の望まれない毛に対しては低いレベルの毛の成長の管理が望まれる場合も多い。毛の成長の管理は、例えば数週間等の一時的な管理、または毛の成長の永久的な休止；毛の成長の速度の増大または減少の一時的または永久的な変化；並びに（または）、（制限ではないが）毛幹の径、形状、色素形成及び、弾性及び曲がり／カール等の機械的な特徴を含む毛幹の選択された性質の一時的または永久的な変化を含む。毛の成長の管理は毛幹の除去、毛幹の破壊、及び（または）毛包構造の変化を含む。

毛の管理の現在の技術は患者の皮膚に、毛包の蛋白質組織を変性させ、毛包の壊死を生じさせるために十分な比較的高い投与量で、通常光学的放射線である放射線を適用することによる毛の除去に対する技術である。このような技術によって適用されたエネルギーは一般に、毛幹の即時の破壊または大きな変質を生じさせる。しかしながら、患者の皮膚へのこのような高いエネルギーの適用は、特に皮膚の黒い（または、濃い色の）患者の表皮の損傷、真皮の損傷または瘢痕を生じる可能性があり、処理前及び処理中の皮膚の冷却等の保護的な処置を施した場合であっても、患者に対して多様なレベルの不快感や痛みを与える可能性がある。したがって、これらの処置は皮膚科医または他の医者によって、または、少なくともそのような医者の監視の下で実施される必要がある。また、このような処置に使用される高出力／エネルギーの装置は高価である。

このような高価な装置の使用及び特殊な訓練を受けた医者等の必要性は毛の除去処理を高価なものとし、一般人への普及を制限している。さらに、これらの処置は、特に、黒い（または、濃い色の）皮膚の患者の処置の困難性によって利用が制限されている。

したがって、全ての皮膚の種類の患者に対して安全に実施でき、例えば、理髪師、美容師、及びスパの従業員等または家庭内での患者自身等の非医療業務者によって実施できる程度に十分に低い出力を有し安全であり、顔の毛（男性の髭）に対する数日から１ヶ月間、他の身体部分に対する数週間から数ヶ月等の選択された期間に対する毛の成長の管理のための処置が望まれている。このような処置は患者に対してほとんど不快感や苦痛を与えず、患者の皮膚の目視可能な変化や他の副作用を与えず、一回の処置が安価であり、さらに、所望のレベルの毛の成長の管理を達成するために選択された間隔で反復可能である必要がある。しかしながら、これらの目的を達成する従来技術は存在しない。

本発明は患者の皮膚の処置領域に毛の成長の管理をするための方法であって、方法は処置領域の毛包に、処置領域の少なくとも選択された毛包の基質部分（または、マトリックス部分）を少なくとも外傷を与えるのに十分で、かつ、前記各毛包のいくつかまたはほとんどの壊死または、その部分の毛幹の即時の変質を生じるために十分でない波長、出力密度、及び持続時間の光学的放射線を適用することを含む。また、基質と毛包（または、毛嚢）の毛乳頭（または、乳頭）との間に配置された基質の基底膜が損傷されてもよい（または、外傷を受けてもよい）。基質は好まれるものとして、図２に示されている温度範囲まで加熱されるが、少なくとも処置される各毛包のほとんど（または、各毛包のほとんどの部分）はこの温度範囲以下にされる。波長、出力密度、及び持続時間の範囲は処置領域の毛幹の色に依存し、実質的に表１に示されている範囲内にされる。処置方法は好まれるものとして、１日〜８週間、好まれるものとして１週間〜６週間の間隔であってもよい、選択された時間間隔で繰り返される。ゆるんだ毛は処置が実施された後、約１〜２週間後に、例えばテープ等を使用して処置領域から抜かれてもよい。いくつかの実施例において、光学的放射線は通常、表３に示されている範囲内の速度で処置領域上を走査（または、スキャン）され、使用される放射線源からの放射線の出力密度は放射線の波長に依存し、走査ビームの幅及び走査の速度は通常、表３に示されている値にされる。放射線の走査において、使用される光学的放射線源は持続波（ＣＷ）源であってもよい。また、処置領域の少なくとも選択された部分は処理中、複数回照射されてもよい。

本発明の毛の成長の管理の方法はまた、処置領域の毛包に、毛包を過渡的な成長停滞状態（growth arrested state）にするのに十分であり、かつ、前記各毛包のほとんど（または、各毛包のほとんどの部分）の壊死または、その部分の毛幹の即時の変質を生じるのに十分でない波長、出力密度、及び持続時間の光学的放射線を適用することを含む。処置方法はまた、選択された時間間隔で繰り返されてもよい。

本発明はまた、患者の皮膚の処置領域の毛の成長の管理のための装置を含み、装置は光学的放射線源及び、光学的放射線を処置領域に適用するための機構（または、装置）を含む。放射源は処置領域の毛包に適用されたときに、処置領域の少なくとも選択された毛包（または、毛嚢）の基質部分（または、マトリックス部分）に少なくとも外傷を与えるのに十分で、かつ、前記各毛包のほとんどの壊死または、その部分の毛幹の即時の変質を生じるのに十分でない波長、出力密度、及び持続時間の光学的放射線を適用することを含む。放射源の波長、出力密度、及び持続時間の範囲は処置領域の毛幹の色に依存し、実質的に表１に示されている範囲内である。

本発明の上述及び他の目的、特徴、長所は付随する図面とともに以下の説明を参照することによってより明らかになるだろう。また、図面において、共通の部材には同一又は同様な参照番号が使用されている。

基本的な概念
上述したように、従来の光学的放射線を使用した毛の除去はその目的として、毛幹及び関連した毛包の永久的な除去を目的としている。これらの処理はその目的において、電気分解による（脱毛の）実施に類似している。すなわち、両者において、毛幹が除去され、毛包が損傷を受ける。詳細に述べると、従来の電気分解または光学的な毛の除去において、毛の永久的な除去に対する要求は毛包の皮膜組織を損傷させ、瘢痕組織（scar tissue）を形成させ、毛包の永久的な無能性を生じさせることによって達成される。除去の永久性はまた、毛包−皮脂部（folliculo-sebaceous unit）の隆起領域（bulge region）に位置する、毛の成長のサイクルの永続性のために働く幹細胞の破壊によって達成されるかもしれない。

レーザー／光媒介式の、人体の毛の成長管理の臨床研究に基づき、出力密度、パルス幅、及びエネルギー密度に関連した処理が明確に確立されている。レーザー、発光ダイオード（ＬＥＤ）、ランプ、または他の光学的エネルギー源を毛包系（follicle system）による吸収に一致する波長で放射することにより、後で説明される複数の因子に依存する特定のレベル以上の出力密度の放射によって永久的な毛の損失を生じさせることができる。しかしながら、出力密度または流速量（fluence）が低い場合であっても、成長する毛に変化をもたらし、毛を薄い色にしかつ細くし、毛の成長を遅くし、最終的に毛を抜け落とし、一時的な毛の損失を生じさせることが可能であることが判明した。その一方で、処置のパラメーターの他の特定の組合せは逆効果、すなわち、毛の成長の速度、毛幹の径及び色素形成を増大させる結果となることもあるだろう。

このような永久的な毛の損失に必要な大きさ以下の出力密度の光の処理は多毛症の治療における短期的な皮膚病学的なツールとしては望まれないが、それらは毛の美容的な処置等における他の用途において容認可能または望まれるものである。また、それらは多毛症の長期的な治療としても使用することができるだろう。

本発明は多毛症の治療及び永久的な毛の損失として不適当であると考えられている光学的放射線の処置範囲が毛の美容的な処置の機構（または、装置）として利用可能かつ便利であるという発見によって特長付けられるものである。本発明は特に、毛の成長の管理を実施するために非医療的な環境で使用可能な、安全性と効率に対して最適な、新規のパラメーターの範囲を規定する。明記された条件内での操作はセルフ処置モード及び（または）非医療的な人による処置装置の操作を可能にする。本発明は毛の成長の管理の所望のレベルを達成するために本発明のパラメーターを使用する１回の処置によって一時的な利益を得ることもできるが、通常、本発明は１日〜８週間、好まれるものとして、１〜６週間の間で変化してもよい、選択された時間間隔で複数回処置を実施することが望ましい。好まれる処置の間隔は患者、患者の処置される部位、及び他の因子によって変化してもよく、処置の回数が増えるにしたがって処置の時間間隔が増大してもよい。

美容的な用途範囲における光学的放射線装置の特性を説明する可能な機構（または、構成）を考えるために、毛包（または、毛嚢）の基質（または、マトリックス）に注目する。成長期の毛包中にのみ存在する基質は毛の形成、毛の色付け、及び毛の成長のための工場の「エンジン」として特長付けられる。毛包根（follicular bulb）の基質細胞は代謝活動が非常に活発で、人間の頭皮の毛包内の細胞の完全なサイクルが約３９時間程度である多数の未分化細胞を含む。基質細胞の代謝回転の急速な速度は、骨髄を除けば、人体の他の全ての正常な組織より大きい。基質に隣接する毛乳頭に接触する基質細胞は特に急速に増殖する。それらは将来の毛の細胞を皮膚の表面に向かって動かすための動力となっている。基質細胞の毛乳頭からの距離が増大すると、細胞の有糸分裂活動が減少する。

ここで説明されている急速に成長する細胞システムは高い性能を維持するために最適な条件を必要とする。詳細に述べると、代謝処理に対して必要なエネルギーが減少しないように基質全体が毛の生産及び毛乳頭の血液供給へのアクセスのために利用可能である必要がある。したがって、基質または毛乳頭、またはそれらの一部の外傷、または基質の毛乳頭からの血液供給の中断または減少は基質が毛の生産を行う速度を制限または制御する。したがって、これは毛の成長の管理に対する重要な要素となり得る。この制御はどの程度完全に、またはどの程度の大きさで基質細胞の機能及び（または）毛乳頭の血液供給が制限されるかに依存する。従来の光学式毛の成長管理システムにおける目的は毛の永久的な排除であり、すなわち、本説明中における基質及び毛乳頭の完全な破壊を意味する。これに対し、本発明の基礎は概略的に毛包及び、特に基質及び（多かれ少なかれ）毛乳頭の破壊／外乱を、一時的な毛の成長の管理の目的を達成するために、必要な程度に制限することである。この十分かつ制限された損傷／外乱のための要求は本処理を細胞の形成及び破壊を制御するために知られている微妙な処理が実施される体制に置く。

例えば、基質細胞の死の実際の管理は、光のエネルギーの外乱の結果として生ずる分子調節によって媒介されるアポトーシス動作（apoptotic action）によって制御されてもよい。全ての毛包の自然な成長サイクルは基質及び毛乳頭が活動している、活性的な成長状態（発育相）から基質が休止しており、毛乳頭が毛包から分離されている、不活性状態（静止相）に進む。発育相状態と静止相状態との間の遷移期は退行期（または、休止期）と呼ばれ、基質及び付近の毛包の皮膜組織の一部のアポトーシス（プログラムされた細胞死）によって行われる。この自然なサイクルを利用することにより、発育相の毛包は基質及び（または）付近の毛包の皮膜組織の一部の微妙な熱的な損傷によって退行期様の状態に誘発することができる。例えば、基質細胞、毛乳頭細胞、または毛乳頭の血液供給の熱的外乱または損傷の原理によって動作する、光学的放射線媒介式毛の成長の場合、外乱を発生する光学的放射源は基質内の発色団（メラニン細胞）及び（または）血液供給の発色団（ヘモグロビン）によって吸収される正確な波長を持つ必要がある。また、いくつかのケースにおいては、吸収する発色団と目的とするセルとの間の、適当な熱拡散時間を保証するために、光のパルスの継続時間を最適化する必要がある。

本発明の方法において、人体に対する光の処理は主として発育相の毛包に影響する。しかしながら、退行期及び静止相の毛包もまた結果としての毛の損失に影響を与えてもよい。

本発明の方法を利用した、発育相の毛包の光の処理に対する可能な機構（または、構成）において、下記の２つの仮定が毛の成長の減少の観測された臨床パターンと首尾一貫する（または、無矛盾である）。
I．光の処理は影響を受けた毛包が（変化した）退行期状態に類似の状態を介して、発育相からジストロフィー性の発育相状態または静止相状態への移行を誘発または加速させる。
II．影響を受けた毛包は、増殖及びメラニン形成の速度が減少し、毛の成長が時期尚早に停止する、発育相または過渡的な静止休止状態（ＴＧＡ（transitional growth arrested））に留まる。

支配的な機構（または、構成）にかかわらず、毛包内の毛は約１週間から２週間後に抜け落ちるか、あるいは、毛の上にテープ等を通過させることによって容易に除去することができる。毛包が光によって誘発された退行期／静止相またはＴＧＡ状態にあるとき、基質及び毛乳頭は皮下または下部の真皮領域から徐々に皮膚の上方にむかって皮膚の表面付近に移動する。

吸収された光学的エネルギーが上述の１つまたは両方の機構を誘発するためのいくつかの可能な経路が考えられる。これらの可能な経路のうち、以下の経路が最も適当であると思われる。
１．毛母の光の直接的な吸収は増殖細胞を損傷させ、毛の成長に対して完全なまたは部分的な妨害を与える。これはまた、毛包の内部的な退行期誘発機構を誘発する。この経路は上述の２つの仮定と無矛盾である。
２．血液による光の直接的な吸収または、光を吸収するメラニン細胞及び基質の他の着色細胞から発する熱によって皮膚の毛乳頭の毛細血管に十分な損傷が誘発される。これは基質への血流を減少させ、さらに（または）基質細胞への必要な物質の供給を妨害する。すなわち、増殖する毛母への栄養の流れが大幅に減少し、毛の成長の減少を生ずる。この経路は皮膚の毛乳頭の血液によって吸収された光の光熱動作を含み、仮定IIと無矛盾である。
３．内毛根鞘（ＩＲＳ（inner root sheath））の未分化細胞とともに外側に移動する細胞のコンパニオン層（companion layer）に損傷が生じる。結果として、コンパニオン層と外毛根鞘（ＯＲＳ（outer root sheath））の牽引摩擦が増大し、毛幹の通常の外側への動きが妨害される。これはＯＲＳ内に応答機構を誘発する。詳細に述べると、これはＯＲＳの内部調節器の表現（expression）に影響（例えば、通常、他の調節器の発育相抑止活動（anagen-inhibiting activity）を妨害する繊維芽細胞成長因子ＦＧＦ５Ｓの表現（expression）の抑止）を与える。結果として、退行期への遷移が誘発される（上述の仮定Ｉ）。この機構は毛幹への十分な光の吸収及びその後ＩＲＳ、コンパニオン層、及び（あるいは）ＯＲＳへの熱の伝導を意味する。
４．毛包の退行期への遷移は真皮乳頭内の繊維芽細胞の刺激性有糸分裂活動によって開始される。真皮乳頭の繊維芽細胞の細胞サイクルは毛のサイクル時計の基本的な発振器として提唱されている。詳細には、繊維芽細胞はこれらの繊維芽細胞が細胞サイクルのＧ０／Ｇ１相に留まる間だけ、発育相を誘発及び維持する「毛乳頭形態形成（ＰＭ（papilla morphogenes））」のカクテル（cocktail）を隠すと仮定されている。繊維芽細胞が増殖性の活動に入ると、ＰＭの流れが停止し、発育相の停止を導く。一方、光は繊維芽細胞の増殖を誘発することが実証されている。この経路は（可能な光熱の影響とともに）光の光化学活動を示しており、仮定Ｉを支持する。
５．後で詳細に説明するように、毛乳頭に隣接する基質の側部で基質の一部とみなされてもよい、非常に薄い（１マイクロメートル以下の）基底膜が存在する。基質は一般に、対応する毛幹の濃度の３〜１０倍程度の、高いメラニンの濃度を有する。この基底膜への損傷は基質の増殖活動を直接的に減少させ、かつ、毛乳頭から基質への血流を妨害することによって間接的に増殖を妨害する。
６．毛乳頭への損傷は対応する毛包から成長する毛幹の径及び（または）色素形成の減少となり、皮膚内を上方に向かって移動する毛包の基質及び毛乳頭の結果となる。この変化は光学媒介式の毛の成長管理に影響を与えることができる。
光誘発式毛の成長管理／一時的毛の損失の他の経路も可能である。

実施
本発明は望まれない毛の成長を管理（減少または抑圧）するための新規の方法に関する。光学的援助式の毛の除去の従来技術は上述したとおりである。しかしながら、上述の従来技術は全て毛包を極度に損傷または破壊し、髪の成長を即座に停止させるために設計されている。この種の処置は実質的に外科的な毛の除去と同等であると考えられ、したがってＦＤＡ（米国食品医薬品局）によって医療上の処置として規制されることが要求されている。本発明は、しかしながら、毛包を極度に破壊または損傷しない、新規の処置プロトコルを与える。すなわち、本発明は以下に説明されるように、毛の成長及び毛の付着の臨床的な性質に特定の効果を与える、毛包に誘発される小さな変性（または、変質）を与える。これらの効果はユーザーによって望まれるレベルの髪の成長の意図した減少を達成するために、特定の治療体制（または、治療形式）及び（または）特定の他の方法との組合せを必要としてもよい。これらの効果は本発明の斬新的な技術を使用した単一のまたは複数回の処置の後の、特定の挙動（または、作用）のパターンによって認識可能であり、毛の除去のための従来技術とは基本的に異なるものである。良好な美容的結果は通常、直ぐには現れないが、いくらかの遅延、または、約１日〜８週間の短い間隔での複数回の処置の結果として現れる。

本発明は以下の特徴を含む。
１）処置中、毛包及び毛幹は破壊されない。
２）この新規の方法によって処置された毛包の臨床的挙動（または、臨床的作用）の差異。
３）所望の髪の成長管理／減少を達成するための、複数回の処置の使用及び（または）他の特定の方法との処置の組合せの使用。
４）使用されるパラメーターの組合せ／範囲。

以下に各特長の各々を説明する。
１）通常、従来の装置は毛幹を含む毛包を極度に損傷させるように設計されており、そのような従来の方法及び装置は毛幹を実質的に除去または溶解させる。したがって、それらの装置の流測量（fluence）は処置される毛包の毛幹のほとんどを除去、または、変色（褐色化）させるように設定されている。本発明の処置方法によって処置される毛幹及び毛包は大きな変化を伴わない。ときたま、いくらかの毛が曲がる程度である。本発明の処置体制において、極度の茶褐色化、毛幹の破裂または毛の切断、または毛包自体の破裂はほとんど観測されない。したがって、処置の後、毛幹は毛包内に留まる。また、本発明は隆起領域（bulge area）に位置する毛包の幹細胞を熱的に破壊することを意図したものではない。多様な損傷に耐えるように意図された毛包の構造は毛母細胞、毛母細胞とともに位置するメラニン細胞、基質と毛乳頭との間に配置された基質の基底膜部分、毛乳頭細胞、またはケラチノゼイド領域（keratinozeid zone）の細胞を含む毛球に隣接して配置された他の細胞を含む。使用されるパラメーターは侵略的ではないので、本発明の処置方法は事前のシェービングや毛の刈り込みを行わずに適用することができる。

２）本方法の適用後の通常の毛包の臨床的挙動（または、臨床的作用）は概略、以下の通りである。通常、処置の直後の毛幹の識別可能な程度の色の変化や焼けるようなにおいが発生しない。また、処置された毛の周囲には通常、毛包周囲浮腫（ふくらみ）及び紅斑（赤らみ）が全くまたはほとんど存在しない（これは上述の従来技術のほとんどの臨床的な終了点である）。本発明の処置は痛みを伴わない。処置直後の毛幹の付着は通常、大きく変化していない。処置された毛包は処置後、１日〜６週間の持続時間正常に成長し、その時点で、毛幹の毛包への付着は大幅に減少しており、毛幹が抜け落ちる、または接着テープ等によって機械的に容易に除去されることを可能にする。しかしながら、この成長の間、成長の速度は、少なくともこの持続時間のほとんどの間、処置されていない毛包の成長とは異なり、すなわち、成長が遅く、また、この持続時間中、成長の速度自体が変化することもある。約２週間後、比較的急激な毛の抜け落ちが観測されることもある。結果的に、毛包は毛幹を製造し続けることができる。しかしながら、この毛幹は処置後、特に、複数回の定期的な処置の後、比較的色素沈着が少なく、径が小さく、成長が遅くなる。成長速度、径、または色素沈着の変化が顕著になるまでには、数回の処置が必要になるかもしれない。

３）臨床的な性質のために、本方法は例えば以下の他の特定の処置と組み合わせることができる。
１．処置後１〜３週間後の、痛みの無いテープによる緩んだ毛幹の引き剥がし。

２．処置間の間隔とともに計画的または必要に応じた複数回の処置。持続時間は固定的でも可変的でもよく、また、一般的な間隔は約１日〜８週間／２ヶ月で、毎週〜３週または６週に一度の処置が好まれる。もちろん、本発明において他の間隔が使用されてもよく、必要な処置の間隔は患者、事前の処置の回数、事前の処置の間隔、事前の処置のパラメーター等を含む複数の因子に基づいて変化してもよい。例えば、処置の間隔は患者に実施される処置の数の増加とともに増加してもよい。これの１つの理由は発育相状態の毛包は有効な基質を有し、したがって、処置に対してより敏感な状態になっている。したがって、初期の処置中に退行期または静止相であって、その後、週内または週後に毛幹を製造している発育相状態である毛幹の毛包を処置するために週内または週後のもう１度の処置が必要となるかもしれない。しかしながら、処置が進むにしたがって、毛包は通常、同期（syncronicity）に向かい、各処置中に処置される毛包の数が増大してくる。しかしながら、毛幹の数は処置の回数が増大するにしたがって減少するかもしれない。これは処置間の間隔を決定するための１つの因子である。同様に、処置の数が増大するにつれて、他のパラメーターが変化してもよい。例えば、毛包の基質及び毛乳頭は処置が進むにつれて表面に近づくので、光量子は皮膚の奥深くに到達する必要がなくなり、基質のメラニン細胞により強力に吸収される短めの波長の放射線の使用が可能になる。表面に近づいた基質はまた、後の処理で使用される低い出力密度を可能にする。最終的に、短縮された毛包内の基質は毛包の他の部分に近づき、基質から放射される熱は、例えば、毛包の幹細胞等の、毛の成長を制御する、毛包の付加的な部分に熱的な外傷を与える。数回の処置後の基質の位置、毛幹、径、色素沈着等の差、及び毛包の他の変化は、後で説明するように、以降の処置の処置パラメーターの変化を決定付ける。さらに、単一の処置セッション中、放射線適用ヘッド／装置は任意の処置領域に複数回適用または通過されてもよい。本発明の毛幹または毛包の直後の変化または損傷がないという特徴は、このような複数回の適用を実現可能にする。

３．本発明の新規な処理方法は十分な頻度（患者及び患者の身体領域に依存して週に１回から２ヶ月に１回）で適用された場合、望まれない髪の成長の管理の唯一の方法として使用されてもよいし、あるいは、シェービングと組合せで使用されてもよい（この場合、通常の髪の成長の速度に対する髪の成長の減少または一時的な毛の密度の減少により、シェービングの割合が減少するかもしれない）。本発明の処理はまた、処置がシェービングの直前または好まれるものとして、数日前に実施された場合、シェービング後の仮性毛瘡（ＰＦＢ（pseudofolliculitis barbae））を起こり難くする結果となる。この効果の理由は、成長速度の減少が毛の皮膚への再侵入の可能性を減少させるためである。他の理由としては、毛の小型化及び毛幹の物理的／化学的構造の変化が上げられる。本発明の技術は以下の用途に使用できる。
ａ）毛孔性角化症の治療、これは増大したケラチンセーション（keratinisation）による毛漏斗の妨害である。
ｂ）髪の成長の段階の変化を意図的に誘発するための治療、これは癌等の化学療法における薬に関連した剥離（effluvium）を防止するため等の、臨床的な状況において便利である。これは、発育相段階は最も敏感であり、処置前の他の状態へのシフトは薬に関連した剥離（effluvium）を減少または防止するという理由に基づくものである。
ｃ）誘発された髪の成長の同期（synchronization）は髪の成長の段階に対して敏感である、多様な光学援助式毛の管理処理の調節及び最適化のために利用可能である。
ｄ）必要なシェービングの頻度を減少させるために男性の髭の成長を変化させる。

４．本発明の新規の方法は（他の処理との）共同作用及びより優れた美容的な効果のために、例えば、化学脱毛や増大した髪の成長の減少／停止のためのローションの塗布等の他の毛の管理技術と組み合わせることができる。このような付加的な処置は毛幹の抜け落ちや除去の後に特に有効である。すなわち、毛幹が単なる引き抜き、ワックス脱毛、または他の同様な技術によって除去された場合、それらは毛包の漏斗（infundibulum）を妨害する浮腫を生じるが、本発明の処理はそのような浮腫を生じない。したがって、これらの典型的な成分または薬剤がより容易に毛包に入り込み、より高い効果を得られる。すなわち、毛が抜け落ちた後がこれらの成分を適用するための最適な時間である。また、光処理の間に弱いワックス脱毛を実施することもできる。毛の成長の管理に影響を与える内服、植物性、または、他の薬もまた本発明の処理との組合せで使用することができる。

５．本発明の新規の方法は処置結果をさらに良好にするために付加的な皮膚の処理と組み合わせてもよい。例えば、皮膚の（毛母の深さまでの）深い予備加熱は本発明の効果を増大させることができる。この予備加熱は付加的な深部加熱電磁装置または音響装置を使用して実現することができる。予備加熱の時間は１〜１００００秒であってもよい。同様な目的のために温浴及び（または）温ワックスが使用されてもよい。また本発明の装置自体を低出力に設定することにより、予備加熱のために使用することができる。もう１つの可能な付加的な処置は血流の活性化のためのマッサージである。

処置のパターン
毛の毛乳頭に隣接した発育相の毛の毛母、特に基質内のメラニンの濃度及び光の吸収は毛幹内の３〜１０倍高い。したがって、基質及びこの領域１（図１参照）の温度上昇は毛幹を含む毛包の他の部分より大きい。それゆえ、毛包の他の部分に損傷を与えることなく、毛母の基底膜部分を含む毛母、及び隣接する毛の毛乳頭Ｐ（図１参照）を選択的に処置することが可能である。この処置の効果は発育相の毛包のＴＧＡまたは他の相への緩やかな遷移となり得る。

パラメーター
本発明の処置のパラメーターの範囲は毛包の最高熱領域１（図１参照）に対するアレニウス積分（Arrhenius integral）Ａの計算から、以下の表及び図に対して決定することができる。最小の熱的損傷はＡ＝０.１として、最大の損傷はＡ＝１（または、それ以上）として定義される。しかしながら、毛包が照射されたとき領域１は毛包／毛幹の他の領域より大幅に加熱されるので、領域１がＡ＝１の場合でも、毛包／毛幹の残りの部分にはほとんど損傷が生じない。Ａが低い場合、髪の成長を減少または停止するために必要な時間は長くなるだろう。

ここで、以下の表及び図は構造上の細胞の蛋白質の変性（または、変質）に対して周知のパラメーター（活性エネルギー及び周波数因子）を使用してアレニウス計算（Arrhenius computation）から導き出されたものである。機構（または、構成）１〜５は蛋白質の変性ではなく酵素の不活性化を含む。前者の処理は通常、後者の処理より弱いエネルギーを必要とし、低い温度で開始される。したがって、以下のパラメーターは本発明の実施で使用される出力密度及び流速量（fluence）に対する上限を示している。ここで、関連する処理に対するアレニウスパラメーター（Arrhenius parameters）の量的な数値が限られた正確さとともに、現時点で周知な値にすぎないことに注意しなければならない。さらに、全体的な効果に対する重要な寄与は非アレニウス式の処理（例えば、酵素の不活性化）によって生ずる可能性がある。したがって、示されたパラメーターの範囲は例として表示されたものにすぎず、本発明の範囲を制限するものではない。

図２はＡ＝０.１（下部の曲線）及びＡ＝１（上部の曲線）に対するアレニウス積分によって与えられた温度を示している。皮膚の拡散及び熱平衡状態（thermal equation）の標準的なパラメーターを使用して、黒、金髪またはブロンドの毛の毛母の領域１（図１参照）の、選択的な熱的損傷に対して必要な出力密度及び流測量（fluence）が計算された。最小の流速量及び出力密度は黒い毛及びＡ＝０.１に対して決定された。使用される光のパルスは方形であると仮定される。患者の毛及び他の因子に依存するが、任意の処置の温度は図２の２つの曲線の間に入る。処置に対するもう１つの変数は発育相のサブ相（または、副相）である。発育相の初期の相において、毛母は皮膚の表面に接近しており、短い波長に対してより敏感である。

表１．黒い毛に対する最小値及び濃いブロンドまたはブロンドの毛に対する最大値の低出力光脱毛に対する出力密度（Ｗ／ｃｍ²）の範囲。出力密度はこれら明確にされた数値の間の毛の色に対して統合されており、また、これら明確にされた数値の間の波長に対しても統合されている。

表２．黒い毛に対する最小値及び濃いブロンドまたはブロンドの毛に対する最大値の低出力光脱毛に対する流速量（Ｊ／ｃｍ²）の範囲。周波数はこれら明確にされた数値の間の毛の色に対して統合されており、また、これら明確にされた数値の間の波長に対しても統合されている。ここで処理は複数の経路を含み、与えられた流速量は概略、経路当たりのものであり、したがって、累積的な流速量は複数の経路に対してより高いものとなるだろう。

表３．黒い毛に対する最小値及び濃いブロンドまたはブロンドの毛に対する最大値の毛に対する、走査速度の関数としての、持続波（ＣＷ（continuous wave））／連続コンタクト走査（ＣＣＳ（continuous contact scanning））方法（米国特許No.6,273,884参照）による低出力脱毛に対する線形出力密度（Ｗ／ｃｍ）の範囲。

（例えば、米国特許No.6,273,884に記載されているような）持続波（ＣＷ）放射源での接触走査（contact scanning）に対して、毛母の典型的な温度及び損傷ダイナミックス（damage dynamics）は図３の毛球のモデルとして示されている。

図３において、参照番号は以下の意味を持つ。
１．（基底膜を含む）基質
２．毛乳頭（中央）
３．毛乳頭（右側）
４．毛乳頭（左側）

図４は１−基質／基底膜、２−毛乳頭中央、３−毛乳頭（右側）、４−毛乳頭（左側）での、３０ｍｍ／ｓ皮膚タイプIIでのＣＷヘッドの動きに対する温度パルス（temperature pulse）を示している。ＣＷ処置に対して、効果的な温度及びパルス幅はヘッドの動きの速度に依存する。例えば、ＣＷヘッドが３０ｍｍ／ｓでの動きに対して、全幅半最大（ＦＷＨＭ（full width half maximum））温度パルスは２２０ｍｓである。

複数回の処置の後、良好な美容的結果を維持するために、表１、２、３に示された値より低い値が使用されてもよい。

図５は本発明の技術を実施するために適当な装置１１とともに配置された状態の、患者の皮膚の例としての部分１０を図示している。皮膚１０は基底層１５によって下側の皮膚層１４から分離された表皮層１２を含む。また、皮膚層の下には皮下層（subdermal layer）１６がある。発育相状態の通常の毛包１８は基質及び毛乳頭が皮下層１６内に拡張した状態で示されており、一時的に成長が停滞（または、停止）した状態の毛包２０は基質が皮膚の皮下層のかなり上側にある状態で示されている。装置１１は患者の皮膚に接触した状態で配置され、結合物２６によって制御箱２４に接続したヘッド２２を含む。ヘッド２２は好まれるものとして、例えば、１つまたは複数のレーザーダイオード、ＬＥＤ、ランプ、または他の適当な光学的放射線等の放射線源を含む。ヘッド２２の電力は結合物２６を介して制御箱２４内の電源から供給されてもよいし、または、ヘッド２２自体が電池または他の適当な電源を含んでもよい。制御箱２４には制御用の電子回路が含まれてもよい。また、放射線源自体を制御箱２４内に配置し、放射線が結合物を介してヘッド２２に適用されてもよい。放射線源、電源、及び制御器がヘッド２２内に配置される場合、制御箱２４及び結合物２６は省略されてもよい。ヘッド２２はＣＷ源や他の適当なパルス源を備え、皮膚１０上を選択された速度で移動または走査される。また、放射線源は皮膚上の選択された処置領域に連続的に動くヘッド２２を備えたパルス源であってもよい。

上述のように本発明はＣＷ／ＣＣＳモードで使用可能であるが、米国特許No.6,273,884に開示されているような装置が、ここで説明したような出力密度及び他のパラメーターとともに使用することによって、本発明の技術を実施するために利用されてもよい。本発明の光源として、ＧａＡｓまたは他のダイオードレーザー、レーザーバー（laser bar）、ＬＥＤ、ファイバーレーザー、ガス放電ＸｅまたはＫｒランプ、適当な色温度及びフィルターを備えたハロゲン及びタングステンランプ、他のランプ、または他の適当な光源を使用することができるだろう。また、本発明がパルスモードで動作される場合、本発明はコヒーレント／レーザー源、ＬＥＤ、非コヒーレント／ランプ、または他の適当な光学的放射線源を利用した多様な皮膚病学的な装置を使用して実施することができるだろう。本発明のこの処理方法は低価格であり、放射線源が効率的であることが重要であるので、好まれる光源はダイオードレーザーまたはレーザーバー、ＬＥＤ、ファイバーレーザー、ガス放電ランプ、または、適当な色温度及びフィルターを備えたハロゲンまたはタングステンランプである。ガス放電及びタングステンランプは線形、円形、Ｕ型等であってもよい。ランプの色温度は２５００−６０００°Ｋであってもよく、また、ショートアーク（short arc）ランプが使用される場合、さらに高温でもよい。例えば、ショートアークキセノンランプは反射鏡を一体化したセラミック−金属構造でパッケージングされてもよい。利用される装置にかかわらず、装置は上述の範囲の出力密度及びパラメーターで使用される必要がある。本発明は比較的低い出力密度を必要とするので、比較的小型で、安価かつ安全な放射線源を利用することができる。

ここまで本発明は好まれる実施例とともに説明されてきたが、これらは説明のためのものであり、上述の方法及び装置は患者、処置、及び他の因子に依存して変更され、異なったパラメーターが使用されてもよい。このような変更や改良は当業者にとって明白である。したがって、本発明は付随する請求の範囲によってのみ制限される。

発育相の毛包を図示している。 処置される毛包の基質に対する好まれる温度範囲をパルス幅の関数として図示しているグラフである。 毛包の基質及び毛乳頭の図式的な図である。 図３で示されている毛包の点での温度を時間の関数として表しているグラフである。 皮膚部分に配置された本発明の方法を実施するために適当な装置の概略図である。

符号の説明

１ 基質
２ 毛乳頭（中央）
３ 毛乳頭（右側）
４ 毛乳頭（左側）
１０ 皮膚
１１ 毛の成長の管理装置
１２ 表皮層
１４ 下側の皮膚層
１５ 基底層
１６ 皮下層
１８ 発育相状態の通常の毛包
２０ 一時的に成長が停止して状態の毛包
２２ ヘッド
２４ 制御箱
２６ 結合物

Claims (21)

1. 患者の皮膚の処置領域の毛の成長の管理のための方法であって、
   前記処置領域の毛包に、前記毛包の少なくとも選択された基質部分を少なくとも損傷させるのに十分で、かつ、前記各毛包のほとんどの壊死または、その部分の毛幹の即時の著しい変質を生じるために十分でない波長、出力密度、及び持続時間の光学的放射線を適用することを含む方法。
2. 各毛包の基質が毛包の気質と毛乳頭との間に基底膜を含み、前記毛包の基底膜が損傷される、請求項１に記載の方法。
3. 各毛包の基質が図２に示される範囲の温度まで加熱され、かつ各毛包の少なくともほとんどが前記温度範囲未満である、請求項１に記載の方法。
4. 前記波長、出力密度、及び持続時間が処置される領域の毛幹の色に依存して実質的に表１の範囲内である、請求項１に記載の方法。
5. 選択された時間間隔で前記処置を繰り返すステップを含む、請求項１に記載の方法。
6. 前記選択された時間間隔の範囲が１日〜８週間である、請求項５に記載の方法。
7. 前記選択された時間間隔の範囲が１週間〜６週間である、請求項５に記載の方法。
8. 前記処置が実施された後１〜２週間後に、処置によって緩んだ毛を引き抜くステップを含む、請求項１に記載の方法。
9. 前記引き抜くステップが処置領域から緩んだ毛を除去するためにテープを使用することを含む、請求項８に記載の方法。
10. 前記放射線源からの光学的放射線を表３に示された範囲内の速度で前記処置領域上を走査するステップを含み、前記放射線源からの前記放射線の出力密度が表３に示されているように、放射線源の波長、走査ビームの幅、及び走査の速度に依存する、請求項１に記載の方法。
11. 前記光学的放射線が持続波放射線源からの放射線である、請求項１０に記載の方法。
12. 前記処置領域の少なくとも選択された部分が１回の処置中に複数回照射される、請求項１に記載の方法。
13. 患者の皮膚の処置領域の毛の成長の管理のための方法であって、
    前記処置領域の毛包に、前記毛包を一時的な成長停止状態にするのに十分で、かつ、前記各毛包のほとんどの壊死または、その部分の毛幹の即時の著しい変質を生じるために十分でない波長、出力密度、及び持続時間の光学的放射線を適用することを含む方法。
14. 選択された時間間隔で前記処置を繰り返すステップを含む、請求項１３に記載の方法。
15. 患者の皮膚の処置領域に毛の成長の管理をするための装置であって：
    光学的放射線減；及び、
    前記放射線を前記処置領域に適用するための機構を備え、
    前記放射源が前記処置領域の毛包に適用されたときに、少なくとも選択された前記毛包の少なくとも前記基質部分を少なくとも損傷させるのに十分で、かつ、前記各毛包のほとんどの壊死または、その部分の毛幹の即時の変質を生じるために十分でない波長、出力密度、及び持続時間の光学的放射線を適用することを特徴とする装置。
16. 前記波長、出力密度、及び持続時間が処置される領域の毛幹の色に依存して実質的に表１の範囲内である、請求項１５に記載の装置。
17. 患者の皮膚の処置領域の毛の成長の管理のための方法であって：
    前記処置領域の毛包に、前記毛包の少なくとも選択された基質部分を少なくとも損傷させるのに十分で、かつ、前記各毛包のほとんどの壊死または、その部分の毛幹の即時の著しい変質を生じるために十分でない波長、出力密度、及び持続時間の光学的放射線を適用すること；及び、
    前記適用のステップを選択された間隔で繰り返すことを含む方法。
18. 患者の皮膚の処置領域の毛の成長の管理のための方法であって、
    前記処置領域の毛包に、前記毛包を一時的な成長停止状態にするのに十分で、かつ、前記各毛包の少なくとも一部の壊死を生じるのに十分でない波長、出力密度、及び持続時間の光学的放射線を適用することを含む方法。
19. 各毛包の前記基質が約５５度〜７０度まで加熱されるために処理される、請求項１に記載の方法。
20. 前記波長が約６００ｎｍ〜１２００ｎｍである、請求項１に記載の方法。
21. 前記持続時間が約０.１ｍｓ〜１００,０００ｍｓである、請求項１に記載の方法。

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