JP2005517802A - 生物医学用途のための重合方法および材料 - Google Patents

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Abstract

架橋され、水で飽和された、ヒドロゲルを形成する架橋可能な非水溶性ポリマーから、生物医学用途のための成形部品または成形品を調製する。ポリマーの他に非水性希釈剤を含む組成物としてポリマーを調合し、希釈剤は、ポリマーが架橋され水で飽和されると形成されるヒドロゲル中の水の体積部に実質的に等しい体積部で存在する。組成物を鋳型中で鋳造する。鋳型内では、組成物は、非水性希釈剤が不活性な反応により架橋が引き起こされる条件に曝露される。架橋反応により成形非水性ゲルが生成し、その後、非水性希釈剤を水または生理食塩水などの水溶液で置換すると、ヒドロゲルに変換される。硬化が本質的に完全に架橋から構成される成形組成物を使用することにより、収縮がほとんどまたは全くない成形法が得られ、ヒドロゲル中の水と本質的に同じ体積部の非水性希釈剤を使用することによりヒドロゲルの形成を通して、寸法的な完全性が維持される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、共に係属中の、2002年2月15日に出願された米国特許仮出願第60/357,578号および2002年3月22日に出願された同第60/366,828号の恩典を、これらにより法的に供給できる全ての目的に対し、主張する。これらの各特許仮出願の内容は、本明細書全体を通して引用された全ての他の特許および参考文献と同様に、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、ポリマー成形品、例えば医療装置成形品および光学レンズ、好ましくはコンタクトレンズ、眼内レンズ、および眼科用レンズを製造するための、架橋可能なポリマー前駆体混合物を合成し、成形する重合方法(process)に関する。本発明はまた、その方法により得られる架橋可能な新規ポリマー前駆体混合物および成形品に関する。
従来技術の説明
ポリマー材料は生物医学用途、例えば、コンタクトレンズ、眼内レンズおよび眼科用レンズにおいて広く使用されている。他のポリマー生物医学成形品の例は包帯または創縫合装置、心臓弁、冠動脈ステント、人工組織および器官、ならびにフィルムおよび膜である。ポリマー材料の利点は、材料の成分および組成を選択することにより製品の所望の機械的、物理的、化学的および光学特性を得るのに多くの材料を使用することができることである。ポリマー材料の特性はまた、混合などの処理条件を調整することにより操作することができるその形態に依存する。
ポリマー材料の生物医学用途では、主な関心事は生体適合性および毒性である。その結果、全ての生物医学装置は米国食品医薬品局(FDA)により適用される厳重な規制に見合う必要がある。生体適合性および毒性への関心は、材料の選択ならびに方法設計に影響する。
生体適合性および安全性を確保するために、一般的な方法は、生物医学用途用にポリマー材料に製造後処理を適用することである。液体モノマー(すなわち、モノマーを基本とする鋳造系)の直接重合により作製した要素に対し、単調な抽出処理がしばしば必要とされる。この場合、生物医学製品または装置が水または他の非毒性液に長時間、しばしば何時間も高温で浸漬される。抽出工程中、残留モノマー、触媒および他の有害な種が徐々に進む拡散により除去される。抽出工程が完了すると、処理されたポリマー部品は本質的に毒性成分を含まず、安全に生物医学用途に使用することができる。このように、生物医学用途用のポリマー材料の製造では、モノマーを基本とする鋳造系はコストがかかる。というのは、製造後抽出工程では追加の機器、時間および労力が必要になり、この工程によりコストが増大し製造効率が著しく減少するためである。
コンタクトレンズ、眼内レンズおよび眼科用レンズなどの精密部品を製造する場合、モノマーを基本とする鋳造系の他の欠点は、硬化物品の形状がしばしば鋳型の空洞の形状を正確に再現することができないことである。モノマーの硬化時に収縮が生じるためである。
収縮が成形の主な関心事である場合、射出成形、圧縮成形または当技術分野で周知の一般的に実施される他の技術によりポリマー樹脂からポリマー製品を製造してもよい。しかしながら、これらの技術では、高い処理温度が必要であり、眼科用レンズに有益な高屈折率ポリマーなどの熱感応性ポリマーを加工するのに適していない。
このように、コストのかかる精製、過度の収縮無く、またはポリマーを過酷な処理条件に曝露することなく、生物医学用途用のポリマー製品を製造することができる効率の良い手段を有することが望ましい。
発明の概要
本発明は上記問題を多少なりとも解決し、または減少させることを目的とする。本発明は、当技術分野において周知の硬化可能な液体調合物に比べ硬化時の収縮が少なく、および/または、使用目的前の抽出工程が必要ない成形品、特に医療装置成形品、さらに特定的には光学的レンズ成形品を製造するための方法に関する。好ましい成形品は、コンタクトレンズ、眼内レンズ、および眼科用レンズである。他の適用可能な成形品の例としては、包帯または創縫合装置、心臓弁、冠動脈ステント、人工組織および器官、ならびにフィルムおよび膜などの生物医学成形品である。
成形段階中のポリマーの収縮は、本発明により、モノマーではなく、架橋可能な非水溶性予備成形ポリマーを含む成形組成物を使用することにより減少または排除される。組成物はまた、架橋反応に対し不活性な非水性希釈剤を含む。成形組成物中の非水性希釈剤の体積部は、ポリマーが架橋され、水で飽和された後に示す周知の特性から導き出される。特に、ポリマーは架橋され水または水性液体、例えば生理食塩水で飽和されると直ちに、架橋したポリマー自体の分子特性により決定される周知の体積部の水を含むヒドロゲルを形成するが、その体積部をポリマーがまだ架橋していない成形組成物中の非水性希釈剤の体積部として使用する。成形段階中の成形組成物の架橋により、その後非水性ゲルが生成し、その後の工程で、水性液体と置換されヒドロゲルを形成する。ヒドロゲル中の水の体積部は、鋳型に入れられた組成物中の非水性希釈剤の体積部と実質的に同じである。その結果、水または水性液体の非水性希釈剤との実質的に等体積交換となる。「水性液体」という用語は、本明細書では、水または水溶液のいずれか、特に生理食塩水などの希水溶液を示すために使用される。
本明細書で、非水性希釈剤および水の体積部と共に使用される「実質的に等しい」という用語は、体積部の間には小さな差異が生じることがあり、このため、非水性希釈剤と水性液体との置換時には少量の変化が生じることがあるが、依然として本発明の範囲内にあることを示す。唯一の制限は、そのような任意の変化は、製品が製造、販売される業界により、および製品に適用される任意の規則制限により確立される許容限界内にあるということである。このように、コンタクトレンズでは、例えば、非水性ゲルとヒドロゲルとの体積のずれはコンタクトレンズのために業界で許容される許容限界内にあれば、許容される。そのような許容限界は、各型の成形製品に対し、当業者には周知であり、適当な監督官庁により発行されている文献から容易に決定することができる。
本方法は所望の形状に成形され硬化される、低温で合成されたポリマー前駆体混合物を使用する。好ましくは、成形は前駆体混合物を2つの鋳型の半分の間に入れることにより実施し、その後硬化し、鋳型から取り出し、対象の成形品を製造する。本発明の他の局面は本発明の方法により得られるポリマー前駆体混合物、ならびにそのように製造された成形品に関する。本発明のこれらの局面およびいくつかの現在好ましい態様を以下、より詳細に説明する。
より特定的には、1つの局面における本発明は、本発明により得られる、架橋可能な官能基を含むプレポリマーを有する架橋可能な新規ポリマー前駆体混合物に関する。前駆体混合物は選択的にデッドポリマー(dead polymer)、非反応性希釈剤および/または反応性可塑剤を含んでもよい。
他の局面では、本発明は、架橋可能なポリマー前駆体材料を構成し、好ましくは2つまたはそれ以上の鋳型部分の間の空洞により規定される寸法とすることによりポリマーおよび非水性希釈剤を含む組成物として所望の形状に成形し、重合エネルギー源により硬化し、鋳型から外し、水または生理食塩水などの水性液体に浸漬し、非水性希釈剤をその液体と置換し、対象の成形品を製造する新規方法に関する。
さらなる局面では、本発明は、第1に、架橋可能なプレポリマーを含む前駆体混合物を得る工程を含む成形品を調製するための方法に関する。架橋可能なプレポリマーは、本発明によれば、1)i)1つまたは複数の異なる型のモノマーと、ii)選択的に、1つまたは複数の非反応性希釈剤と、iii)選択的に、溶媒とを共に混合する工程;2)モノマーを重合しポリマーを得る工程;3)1つまたは複数の異なる型の機能化(functionalizing)または誘導体化剤を添加する工程;4)ポリマーを機能化または誘導体化する工程;5)選択的に、反応性可塑剤、および工程2)で合成したプレポリマーとは異なるプレポリマーからなる群のうちの1つまたは複数を添加する工程;ならびに6)溶媒、残留不純物、未反応機能化または誘導体化剤および副生成物を除去し、架橋可能なプレポリマーを含む前駆体混合物を得る工程により得られる。選択的に、実質的に非反応性のデッドポリマーもまた、溶媒を除去する前に所望の時点で前駆体混合物に添加する。
得られた架橋可能なプレポリマー調製物をその後、所望の形状を有する鋳型に入れ;鋳型を圧縮し、これにより架橋可能なプレポリマー調製物は鋳型の内部空洞の形状をとり;架橋可能なプレポリマー調製物を重合エネルギー源に曝露し;硬化成形品を得る。
本発明による方法は、連続法および段階的方法の両方を含む。連続法は、第1の段階が非水性希釈剤および選択的に追加溶媒の存在下での、モノマーまたはモノマーの組み合わせの重合であり、その後の段階で、得られたポリマーを機能化し(functionalized)、架橋可能なポリマーとする方法を含む。これらの連続法では、溶媒および不純物(例えば、未反応モノマーおよび機能化剤、残留開始剤、重合触媒、および任意の反応副生成物)は、減圧蒸留により除去され、鋳造および等体積交換のための架橋可能なポリマーおよび非水性希釈剤のみが残る。
段階的な方法では、各反応ならびに各反応間の単離および精製手順に対し異なる溶媒を使用することができる。このように、残留モノマー、オリゴマーおよび重合溶媒などの不要成分は、重合工程後に除去することができ、未反応機能化剤、不要反応の生成物および溶媒は機能化工程後に除去できる。また、異なる溶媒を使用することにより、各段階に最も適した溶媒を選択することができる。
本発明は新規ポリマー前駆体混合物を製造するための効率のよい手段を提供する。反応媒質の成分および組成は前駆体混合物を製造するのに望ましい処理条件が達成されるように選択する。前駆体混合物の所望の加工性、所望の反応程度(硬化時間および収縮に対する影響を含む)、ならびにそのように製造された成形品の最終的な物理、化学および光学特性が達成されるように、前駆体混合物の成分を選択し、組成を調整する。
本発明の方法の利点は、硬化により生じることがある収縮が少ないことである。下記でより詳細に記述するように、反応種の全体濃度はポリマー前駆体混合物中でかなり低い。他の利点は、ポリマー前駆体混合物を硬化させることができる速度である。このように、反応の所望の程度は、適当な反応開始剤および重合エネルギー源を使用すると非常に急速に達成することができる。
本発明の1つの態様では、方法は、硬化時に精製工程が必要なく、生理食塩水中における平衡後体積の正味の変化がほとんどない、コンタクトレンズなどの生物医学用途用のポリマー前駆体混合物を製造するように設計される。
本発明の他の態様では、前駆体混合物は半固体の重合可能な組成物として調合される。半固体の前駆体混合物の使用は、鋳型充填中の従来の液体の取り扱い問題、例えば、蒸発リング、気泡または空隙の含有、およびシュリーレン効果を避けることができる、および半固体混合物では、眼科用レンズなどの物品を製造するための鋳型アセンブリ内でガスケットが必要ないという点で、液体前駆体混合物よりも好都合である。本発明の半固体前駆体混合物の他の利点は下記で記述する。
本発明のさらに他の態様では、前駆体混合物は、プレポリマー、デッドポリマー、ならびに選択的に、反応性可塑剤および/または非反応性希釈剤を含む。本発明の方法により達成される急速硬化により確定される所望の相形態が形成されるように、前駆体混合物の成分および組成が選択される。
硬化成形品中の架橋ポリマーネットワークの構造に関しては、本発明のポリマー前駆体混合物は、成形品が多官能モノマー(すなわち、架橋剤)および単官能モノマーを含むモノマー混合物の直接重合により製造される従来のモノマーを基本とする鋳造法により得られるものとは異なる架橋ポリマーネットワークを提供する。多官能モノマーは単官能モノマーよりも反応性が高いので、モノマー混合物を直接重合して成形品を製造する間に、多官能モノマーのクラスタリングがしばしば起こる。本発明では、架橋結合はプレポリマー骨格(backbone)上の機能化基部位で形成される。ポリマーは均一に機能化することができるので、本発明のポリマーネットワーク中の架橋結合は、従来のモノマーを基本とする鋳造系に比べより均一に分布する。このように、さらに他の局面では、本発明は、本発明のポリマー前駆体混合物から製造される成形品にも関する。
本発明の詳細な説明および好ましい態様
本明細書および添付の請求の範囲で使用されるように「1つの(a)」および「1つの(an)」は、「1つのまたは複数の」を意味する。
本明細書において、「モノマー」という用語は、重合してコポリマーを形成する2つまたはそれ以上の異なるモノマーの混合物、および単一の繰り返し単位のみで構成されるポリマーを形成する単一種を含むように使用される。「ポリマー」という用語は、本明細書で、コポリマーおよび単一の繰り返し単位のみで構成されるポリマーを含むように使用される。
本発明では、重合可能な官能基が、重合工程および機能化または誘導体化工程を含む本発明の連続法により得られるプレポリマーを介して前駆体混合物中に組み込まれる。重合工程はまずモノマー混合物からポリマーを製造する。そのように製造されたポリマーはその後、反応基により機能化または誘導体化され、機能化された架橋可能なポリマーであるプレポリマーが得られる。選択的に、前駆体混合物はまた、反応性可塑剤および、本発明の方法において合成されたプレポリマーとは異なる追加のプレポリマーを含む。
本明細書において、「機能化」および「誘導体化」という用語は、同じ意味で使用され、本明細書で使用されるように「反応基で機能化された」という用語は、複数の反応基、特に架橋可能な官能基をポリマーの骨格上に提供するポリマーの修飾を示す。「架橋可能な」という用語は、架橋は無いが架橋条件下で架橋することができるポリマー、または限られた程度の架橋を含み適当な条件下でさらに架橋することができるポリマーのいずれかを示す。
さらに、ポリマー前駆体混合物は非反応性のまたは実質的に非反応性の希釈剤を含んでいてもよい。希釈剤は、系の反応性には寄与しない増量剤として機能してもよく、または混合物中の他の成分の相分離傾向を軽減する相溶化剤として機能してもよい。希釈剤は重合工程においていくらか役割を果たしていてもよいが、希釈剤は典型的には非反応性であることが前提とされ、すなわち、希釈剤は、重合時に形成されるポリマー鎖またはネットワークに有意な寄与を示さない。
反応基を有する、またはそうでなければ反応性であるオリゴマーまたはポリマーは、本明細書では、ある位置で、「プレポリマー」と呼ばれる。この開示のために、プレポリマーはさらに、300を超える化学式量を有する分子、または2つ以上の共に結合された繰り返し単位を含む分子を示す。300未満の化学式量を有し、1つの繰り返し単位しか含まない機能化分子は、下記で記述するように「反応性可塑剤」と呼ばれる。プレポリマーは末端および/またはペンダント反応基を有してもよく、または単に、ポリマー前駆体混合物を構成するために使用される重合系の存在下でグラフト反応または他の反応をする傾向があってもよい。本発明のポリマー前駆体混合物は、本発明の方法により、モノマー混合物から合成されたポリマーを機能化することにより得られる少なくとも1つのプレポリマーを含む。前駆体混合物はまた、本方法で合成されるプレポリマーとは異なる他のプレポリマーも含んでいてもよい。
また、小分子反応種(すなわち、約300未満の化学式量を有するモノマー)を選択的にポリマー前駆体混合物に添加し、反応度をさらに付与してもよく、およびまたは所望の半固体のコンシステンシー(consistency)および相溶性を達成してもよい。この場合、小分子反応種はポリマー成分を可塑化するように機能してもよい。そうでなければ、小分子種は反応中に、重合伸長剤、促進剤、または停止剤として機能してもよい。ポリマー前駆体混合物およびその後の重合反応に対するそれらの最終的な効果に関わらず、そのような成分は以後、「反応性可塑剤」と呼ぶ。
ポリマー前駆体混合物はさらに、非反応性または実質的に非反応性のポリマーを含んでもよく、以後、「デッドポリマー」と呼ぶ。デッドポリマーは、実質量の反応基を添加することなくポリマー前駆体混合物に嵩を追加するように機能してよく、またはデッドポリマーは、対象の成形品に様々な化学的、物理的、光学的および/または機械的特性を付与するように選択されてもよい。デッドポリマーはまた、反応媒質中のモノマー濃度を減少させることにより重合工程に対する希釈剤として機能してもよい。半固体前駆体混合物では、デッドポリマーはさらに、前駆体混合物に所望の程度の半固体コンシステンシーを付与するために使用されてもよい。
非反応性、すなわち不活性希釈剤は、混合成分の相溶性を達成し、所望の反応官能基濃度を達成し、および所望の半固体コンシステンシーを達成するために、本発明のポリマー前駆体混合物に都合よく添加されてもよい。希釈剤は半固体前駆体混合物中のプレポリマー、デッドポリマー、および反応性可塑剤構成要素との相溶性およびそれらに対する可塑化効果に基づき選択される。典型的には、相分離が避けられないまたは最終成形品のいくつかの所望の材料特性を達成するのに望ましい場合を除き、相溶性混合物が対象の成形品の製造には望ましい。眼科用レンズの製造では、硬化時に透明な系が望ましい。そのような系は、ポリマー前駆体混合物のプレポリマーおよびデッドポリマーと相溶性のある非反応性希釈剤を選択することにより容易に達成することができる。
不活性希釈剤はポリマー前駆体材料の重合系において表面上非反応性であるが、実際にはいくらかの程度の低い反応が起こり、そのような反応は一般に許容され、避けることができない。希釈剤はまた、連鎖停止剤として機能することにより重合反応に影響を与えてもよく(例えば、アニオン性重合系において水が存在する場合の周知の現象)、このように、硬化速度、最終硬化度、または最終的に得られる分子量分布が小さくなる。幸いなことに、本発明の重合系は最初から最後まで、大部分がモノマーである系に比べ、総括反応がほとんど必要ないので、希釈剤の相互作用効果が著しく、しばしば硬化反応に対する測定可能な影響がない点まで減少する。これにより、本発明の方法で使用してもよい希釈剤の選択が著しく容易になる。反応阻害効果が起きにくくなるためである。
例えば、非反応性希釈剤としては、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールなど、ならびにそのメトキシおよびエトキシエーテル;グリコール、例えばモノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、…ポリエチレングリコールならびのそのモノ-およびジ-メトキシおよび-エトキシエーテル、モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、…ポリプロピレングリコールならびにそのモノ-およびジ-メトキシおよび-エトキシエーテル、モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、…ポリブチレングリコールならびにそのモノ-およびジ-メトキシおよび-エトキシエーテル、など、モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、…ポリグリセロールならびにそのモノ-およびジ-メトキシおよび-エトキシエーテル;アルコキシル化グリコシド、例えば米国特許第5,684,058号に記述されたおよび/またはアメルコール社(Amerchol Corp.)により登録商標「Glucam」として販売されているエトキシル化およびプロポキシル化グリコシド;ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン;エステル、例えば酢酸エチルまたは酢酸イソプロピル;ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、シクロヘキサン、ジアセトンジアルコール、ホウ酸エステル(例えば、米国特許第4,495,313号、第4,680,336号および第5,039,459号において開示されているようなグリセロール、ソルビトール、または他のポリヒドロキシ化合物との)、などが挙げられるが、それらに限定されない。
コンタクトレンズの製造のために使用される希釈剤は、最終的に、水と置換可能でなければならないが、対象の成形品の製造に使用される希釈剤は、所望であれば、最初に水以外の溶媒で抽出され、続いて第2の工程で水抽出されてもよい。
眼科用組成物内での粘滑剤の「店頭」使用は、米国食品医薬品局(FDA)により規制される。例えば、店頭使用のための点眼薬製品:最終モノグラフ(Ophthalmic Drug Products for Over-the-Counter Use:Final Monograph)と題する官報(21 CFR 349部)は、許容された粘滑剤と共に各々に対する適当な濃度範囲を列挙する。とりわけ、§349.12は以下の承認された「モノグラフ」粘滑剤を列挙する:(a)セルロース誘導体:(1)カルボキシメチルセルロースナトリウム、(2)ヒドロキシエチルセルロース、(3)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース;(b)デキストラン70;(c)ゼラチン;(d)ポリオール、液体:(1)グリセリン、(2)ポリエチレングリコール300、(3)ポリエチレングリコール400、(4)ポリソルベート80、(5)プロピレングリコール;(e)ポリビニルアルコール;および(f)ポビドン(ポリビニルピロリドン)。§349.30はさらに、モノグラフ内に収めるために、上記識別した粘滑剤のうちの3つ以下を結合させてもよいことを提供する。
本発明により使用される希釈剤は好ましくは、FDA-承認眼科用粘滑剤または眼科用粘滑剤と水または生理食塩水との混合物である。水が重合工程を妨害する場合(液体モノマー前駆体を使用する従来の重合スキームにおいてよりも本発明のポリマー前駆体混合物を使用するとその可能性は低い)、純粋な粘滑剤または粘滑剤とプレポリマー、デッドポリマーおよび/または反応性可塑剤との混合物を使用してもよい。硬化中の成形品内の粘滑剤の濃度は、成形品が消費者により使用される前に水もしくは生理食塩水中で希釈されまたは平衡化される場合、例えば、コンタクトレンズ成形品を貯蔵および出荷用に過剰の生理食塩水を有するパッケージ内に入れる場合、FDAにより認められた濃度よりもずっと高くてよい。
半固体前駆体混合物が望ましい場合、所望の半固体コンシステンシーが達成されるように成分および組成も調整する。「半固体」により、混合物は実質的に架橋されておらず、変形可能で、可融性であるが、鋳型中への挿入などの短時間の操作中、別個の独立した構成要素として取り扱うことができることを意味する。純粋ポリマー系では、純粋ポリマー材料の弾性係数は、分子量カットオフ値として知られるある一定の値より大きい分子量に対し大体一定である。このように、この開示のために、および本発明の1つの局面では、半固体は、温度および圧力などの一定条件で、高分子量の、すなわち分子量カットオフ値を超える一定の純粋ポリマー系に対し見られる一定係数値よりも低い係数を示す材料として規定される。半固体コンシステンシーを達成するために使用される係数の減少は、半固体前駆体混合物に、1つまたは複数のプレポリマーまたはデッドポリマー成分を可塑化するように機能する可塑剤(反応性または非反応性希釈剤)を混入することにより達成してもよい。また、ある一定のプレポリマーに対する分子量カットオフ値より低い低分子量類似体を、完全に重合されたバージョンの代わりに使用し、処理温度での係数の減少を達成してもよい。これらのことを考慮すると、好ましい分子量は約10,000〜約1,000,000、より好ましくは約10,000〜約300,000、最も好ましくは約50,000〜約150,000の範囲内にある。分子量を調整するために変えることができるシステムパラメータはモノマー量に対して使用される開始剤の量、連鎖移動剤の有無、反応温度、反応進行時間、ならびに使用する溶媒の型および濃度である。これらの因子の各々の影響および特別な分子量範囲のポリマーを達成するための各個の適当な選択は、当業者であれば容易に明らかとなるであろう。
半固体前駆体混合物を使用することにより、本発明の方法は、従来の成形技術に比べ好都合である。半固体前駆体材料は、流動性に対しわずかではあるが有限の抵抗を有し、そのため、半固体材料は、静鋳造技術と共に使用される液体前駆体とは異なり、鋳型に導入してもそこから流出しないためである。しかしながら、半固体材料は容易に圧縮、変形するのに十分適合性を有し、2つの静的圧縮鋳型を合わせると過度の抵抗なく所望の鋳型空洞形状または表面特徴を呈する。さらに、典型的な熱可塑性物質とは異なり、半固体材料は、典型的に従来の材料を用いる圧縮または射出成形技術で見られる過剰のまたは望ましくない量の加熱および/または圧縮力を必要としない。このように、本発明の半固体材料は、液体の変形容易性と、固体の取り扱い容易性とを合わせもち、反応性の(しかし、収縮性は低い)、硬化により架橋要素となりうる系であると考えられる。
液体前駆体混合物に対し、半固体前駆体混合物の利点は、鋳型充填中の従来の液体を取り扱う際の問題、例えば、蒸発リング、気泡または空隙の含有、およびシュリーレン効果を、半固体前駆体混合物を使用することにより避けることができることである。さらに、眼科用レンズの成形では、半固体前駆体混合物は成形アセンブリ内にガスケットを必要としない。
半固体前駆体混合物を使用する成形方法はまた、眼科用レンズの製造について米国特許第4,260,564号に開示されている部分的に硬化したゲル予備成形品を使用する従来の方法に比べ、好都合である。部分的に硬化したゲルを基本とする成形法では、鋳型アセンブリ内の液体モノマー混合物が最初に部分的に硬化されゲルが形成され、そのゲルは対象の最終物体の形態に近い形状をとる。この部分的に硬化されたゲル状予備成形品はその後、他の鋳型センブリに移され、そこで、予備成形品はさらに成形され所望の形状となり、完全に硬化される。ゲルは可融性ではないので、部分的に硬化されたゲル予備成形品の表面上の引っかき傷および成形動作中に導入された内部応力などの欠点が、部分的に硬化したゲル予備成形品から製造される硬化品内に残る。本発明の半固体前駆体はこれらの問題を克服する。半固体は実質的に未架橋であり、可鍛性および可融性を有するためである。
半固体前駆体混合物の他の利点は、フリーラジカルを基本とする重合スキームを使用して半固体前駆体混合物を硬化する際の、酸素による阻害効果が減少することである。理論に縛られるのは望まないが、この効果は、従来の液体を基本とする鋳造系に比べ、硬化前および硬化中の半固体材料内の酸素移動度が低いことに起因すると考えられる。このように、酸素を成形工程から排除するために現在使用されている複雑でコストのかかるスキーム(鋳型の成形および最終部品の成形の両方、例えば、米国特許第5,922,249号および同第5,753,150号に記載)を除外することができ、反応は上記のように時宜に即して完了するまで進行する。
本発明では、好ましくは半固体前駆体混合物が使用され、反応が急速に進行する。反応は架橋反応であり、前駆体ポリマーは少数の架橋部位のみを含み、半固体前駆体混合物中での酸素による阻害効果が減少するためである。「急速硬化時間」は、本発明のポリマー前駆体混合物が、液体調合物が同じ型の反応基を有し他の硬化パラメータ、例えばエネルギー強度および部分形態が一定である場合、液体組成物よりも速く硬化することを意味する。典型的には、半固体前駆体を含む光開始系を使用する場合、所望の硬化度を達成するには、重合エネルギー源への約10分以下の曝露が必要である。より好ましくは、硬化は、約100秒未満の露光で、さらに好ましくは約10秒未満で起こる。最も好ましくは、硬化は、重合エネルギー源への約2秒未満の曝露で起こる。そのような急速硬化時間は、コンタクトレンズなどの薄い成形品でより容易に実現可能である。
半固体材料は急速に硬化可能であり、かなり少量のモノマーを含むので、各成形サイクル後レンズ鋳型のリサイクルまたは再利用(reuse)において高い処理利点が実現できる。硬化後に鋳型から取り出すと、半固体前駆体混合物では、液体前駆体混合物に比べ、鋳型表面上に残留するモノマーがずっと少ない。このように、本発明の1つの態様は、本明細書で記述されるように半固体前駆体混合物を使用することによる、コンタクトレンズおよび眼科用レンズ鋳型が2つ以上の成形サイクルで再利用される(使用間には選択的に洗浄工程がある)方法である。
本発明により開示したポリマー前駆体混合物を都合よく使用して、重合および/または架橋成形品を製造してもよい。そのため、さらに他の局面では、本発明はポリマー前駆体混合物を硬化することにより製造される成形品に関する。コンタクトレンズまたは眼科用レンズを製造する目的で、完全に硬化させた成形品の組成は、本質的に水溶液中に入れるとヒドロゲルとなるように選択される。すなわち、成形品は純粋水性環境で平衡に達すると約10〜90%の水を吸収するが、水溶液中では溶解しない。前記成形品は以後、「ヒドロゲル」と呼ぶ。
また、本発明のポリマー前駆体混合物を都合よく使用して、架橋結合が均一にまたは実質的に均一に分布する均質ヒドロゲルを製造してもよい。前に記述したように、モノマー混合物の直接重合により合成される従来のゲルでは、多官能モノマーのクラスタリングにより架橋結合が均一に分布しない。
この開示のために、本質的に水性の溶液は、主成分として水を有する溶液、および特に塩水溶液を含む。ある一定の生理学的塩溶液、すなわち生理食塩水を好ましくは使用し、純水の代わりに成形品を平衡化し保存してもよい。特に、好ましい塩水溶液は、1リットル中約200〜450ミリオスモル濃度の浸透圧を有し;より好ましい溶液は約250〜350ミリオスモル/Lである。塩水溶液は、好都合なことに、コンタクトレンズケアの分野で周知のリン酸塩として生理学的に許容される塩の溶液である。そのような溶液はさらに、塩化ナトリウムなどの等張化剤(これもまた、コンタクトレンズケア分野で周知である)を含んでもよい。そのような溶液は以後、一般に生理食塩水と呼ぶ。コンタクトレンズケア分野で現在周知の塩濃度および組成の範囲外でもよい。
本発明の成形品を、都合よく成形して「膨張または収縮が最小」であるコンタクトレンズまたは眼科用レンズとしてもよい;すなわち、生理食塩水中に入れた時にヒドロゲルの膨張または収縮がほとんどまたは全く起こらない。これは、成形品を生理食塩水環境で平衡化した場合に起こるヒドロゲルの正味の体積変化がないように、存在する希釈剤量を調節することにより達成される。この目的は、唯一の希釈剤として生理食塩水を使用することにより、ヒドロゲル形成後の平衡量と同じ濃度で半固体前駆体混合物中に混入させる限り、容易に達成することができる。この量は簡単な試行錯誤実験により容易に決定することができる。半固体前駆体混合物中で生理食塩水と共に、または無しで他の希釈剤を使用したい場合、生理食塩水と平衡化した際のヒドロゲルの正味の体積変化の無い希釈剤濃度は、平衡生理食塩水濃度と同じではないが、これもまた、簡単な試行錯誤実験により容易に確定することができる。
「抽出」は、不要なまたは望ましくない種(通常、小分子不純物、重合副生成物、未重合、または部分重合モノマー、など、時として抽出可能物として呼ばれる)を硬化ヒドロゲルから、その所定の使用目的前に除去する工程である。「使用目的前」は、例えば、コンタクトレンズの場合、目に挿入する前を意味する。抽出工程は、例えば(米国特許第3,408,429号および同第4,347,198号を参照のこと)、コンタクトレンズを製造するために使用される従来の方法の必須の特徴である。これにより、成形品製造法の複雑さ、処理時間、および費用が増す。
本発明の利点は、いったん重合工程が完了すると、抽出工程の必要ない、または最低抽出工程のみを必要とする成形品を製造することができることである。「最低抽出工程」および「最小限抽出」とは、抽出可能物の量が十分低く、および/または抽出可能組成物が十分非毒性であり、必要な抽出はレンズが消費者への出荷用にパッケージされた容器内の流体により供給されることを意味する。「最低抽出工程」および「最小限抽出」という語句はさらに、離型操作の任意の局面、ならびに任意の取り扱い工程の一部として行う任意の洗浄またはリンスを含んでもよい。例えば、1つの容器から他の溶液への移動、1つまたは複数のレンズ鋳型からの離型などの、レンズの移動を容易にするために液ジェットが時として使用される。そのジェットは一般に集束水または生理食塩水ストリームを含む。これらの工程中、任意の抽出可能なレンズ材料のいくらかの抽出または洗い流しが起こると考えられるが、いずれの場合も、本開示で示したように、最低抽出工程を必要とする材料および方法のクラスに該当すると考えられる。
例えば、本発明の1つの態様では、ポリマー前駆体混合物は30〜70重量%のプレポリマー、光開始剤、ならびに水およびFDA承認眼科用粘滑剤からなる群より選択される非反応性希釈剤を含む。硬化後、成形品を貯蔵のために約3.5mlの生理食塩水を含むコンタクトレンズパッケージ容器に直接入れてもよく、1つまたは複数の液ジェットを活用して、離型工程を助け、さらに機械的接触無しでのレンズの取り扱いを容易にしてもよい(例えば、米国特許第5,836,323号を参照のこと)。この場合、成形品はパッケージ内の周囲の流体と平衡化される。コンタクトレンズの成形品体積(例えば、約0.050mL)はレンズパッケージ内の流体体積に比べ小さく、粘滑剤の濃度は平衡後の溶液およびレンズの両方で少なくとも約1wt%以下である。この濃度は消費者の目に直接適用することが許容される。このように、厳密な観点からは、この態様では、抽出工程が使用されるが、抽出工程は、離型、取り扱いおよびパッケージング工程中に本質的に生じる最低抽出工程まで減少する。本質的には別個の抽出工程は使用されないという事実は、本明細書で開示した本発明の重要な利点を示す。
1つの態様では、本発明は、実施的に非水溶性のプレポリマーに関する。「水溶性」は、雰囲気条件下で、プレポリマーが約1〜10wt%のプレポリマーの全濃度範囲にわたり、水または生理食塩水に溶解することができること、より好ましくは約1〜70%プレポリマーが水または生理食塩水中に溶解することができることを示す。このように、この開示のために、「非水溶性」または「不水溶性」プレポリマーは、雰囲気条件で、水に約1〜10%の濃度範囲にわたり完全には溶解しないものである。好ましい態様では、非水溶性プレポリマーから作製されるヒドロゲルは、膨潤性であってもよく、そのため、10〜90%の水を吸収すると均一な混合物が生成可能である。一般に、そのような水膨潤性ヒドロゲルは最大水吸収(すなわち、平衡水含量)を示す。これは、ヒドロゲルを形成するポリマーの化学組成、ならびにヒドロゲル架橋密度の関数である。本発明による好ましいヒドロゲルは、水または生理食塩水中で約20〜80wt%水の平衡水含量を示すものである。架橋すると、そのような非水溶性であるが水膨潤性材料は望ましくは透明なヒドロゲルを生成し、これは本発明の有益な生成物である。
本発明の好ましい態様では、1つまたは複数のプレポリマーおよび1つまたは複数の非反応性希釈剤の均質混合物は、プレポリマーの調製において使用されるモノマー、オリゴマーまたはポリマー化合物(および調製中に形成される副生成物)を実質的に含まず、ならびに不純物または眼科用粘滑剤ではない希釈剤などの任意の他の不要成分を含まない。「実質的に含まない」は、本明細書では、半固体前駆体混合物中の不要成分の濃度は好ましくは0.001重量%未満、およびより好ましくは0.0001%(1ppm)未満であることを意味する。そのような望ましくない成分に対する許容濃度範囲は、結局最終製品の使用目的により決定される。この混合物は好ましくは、水またはFDAにより許容されている、目において限られた濃度の眼科用粘滑剤として認められている希釈剤のみを含む。混合物はさらに、任意の他のコモノマーまたは反応性可塑剤を含まないように構成される。このように、不要成分を全くまたは本質的に全然含まないポリマー前駆体混合物が構成され、このようにこれから製造された成形品は全くまたは本質的に全然不要成分を含まない。このため、硬化成形品が製造された後、パッケージング容器内で、離型および中間取り扱い工程中に起こる抽出/平衡化工程の他に、別個の抽出工程を使用する必要のない成形品が製造される。
本発明の他の好ましい態様では、ポリマー前駆体混合物中の希釈剤組成および濃度は、硬化およびその後の生理食塩水溶液中での平衡後、ヒドロゲル体積の正味の変化がほとんど起こらないように選択される。好ましくは、ヒドロゲルの体積変化は、生理学的に許容される生理食塩水中での平衡後せいぜい10%である。より好ましくは、ヒドロゲル体積変化は5%未満、さらに好ましくは2%未満である。最も好ましくは、ヒドロゲル体積変化は、成形、硬化および離型後生理食塩水中での平衡後、1%未満である。
本発明の新規ポリマー前駆体混合物により、生理食塩水中での平衡後のヒドロゲル体積変化を最小にすることができる。ポリマー重合可能組成物は、(1)硬化後低い収縮性を示し、(2)水の平衡含量を補償するのに必要な量の希釈剤を含むように調合することができるためである。
さらに他の好ましい態様では、希釈剤濃度は、一定量のヒドロゲル膨潤が水中での平衡化後に起こる様に調節される。これは時として、離型工程を支援するのに有益であるが、ヒドロゲル体積変化は、最終成形品の少量の、しかし一定の量の膨潤を考慮した適当な鋳型設計により対応することができる。
現在のところ好ましい態様では、ポリマー前駆体混合物は、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(pHEMA)の機能化コポリマーである、非水溶性であるが水膨潤性のプレポリマーを含む。コポリマーはメタクリル酸、アクリル酸、n-ビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミド、ビニルアルコール、および他のモノマーをHEMAと共に含むことができる。現在好ましい態様は、約2%メタクリル酸(MAA)と共重合されたpHEMAを含む。さらに、反応染料および反応UV吸収剤などの重合可能な添加剤もまたモノマーと共重合させることができる。このコポリマーはその後、メタクリレート基またはアクリレート基に機能化され、コンタクトレンズとして有益な眼科用成形品の製造に適した反応性プレポリマーが形成される。反応基はHEMAのヒドロキシル基を介してポリマー骨格に共有結合により結合される。pHEMA-コ-MAAコポリマーは、平均分子量が400のポリエチレングリコール(PEG)により約50wt%の濃度で希釈され、IRGACURE(登録商標)184、DAROCUR(登録商標)1173、および/またはIRGACURE(登録商標)1750などの光開始剤がが約1重量%の濃度で添加される。
本発明の1つの好ましい態様では、pHEMA-コ-MAAコポリマーを含むポリマー前駆体混合物は、
i)1つまたは複数の異なる型のモノマーおよび熱開始剤と、ii)成形後、生理食塩水との等体積交換を可能とする量の少なくとも1つの非反応性の低揮発性希釈剤と、iii)不溶性ゲルが重合および機能化工程中に形成されないようにする量の揮発性の非水溶媒とを共に混合する工程;
モノマーを重合しポリマーを得る工程;
1つまたは複数の異なる型の機能化または誘導体化剤を添加する工程;
ポリマーを機能化または誘導体化し、光開始剤を添加する工程;および
溶媒、残留不純物、未反応機能化または誘導体化剤および副生成物を除去し、非反応性希釈剤を含むポリマー前駆体混合物を得る工程
を含む方法により得られる。
本発明の方法の利点は、重合工程後、ポリマーを回収および精製し、ポリマーを非反応性希釈剤とブレンドする必要がないことである。ポリマーは、最終前駆体混合物を構成する非反応性希釈剤の存在下、連続して合成および機能化されるためである。揮発性溶媒の使用は、ポリマーがHEMAなどの、不純物として多官能性モノマーを含むモノマーから合成されるポリマー前駆体混合物を製造するのに好都合である。揮発性溶媒が存在すると、反応媒質中に少量の多官能性モノマーが存在しても、不溶性ゲルの形成が阻止される。また、その揮発特性により、過剰の追加の処理無しで、容易に除去することができる。
このように得られる材料は、光学的に透明な均質前駆体混合物である。バルクな量から少量の前駆体混合物を取り出し、離散量として鋳型空洞内に挿入することができる。鋳型を閉じると、前駆体は変形し、鋳型の半部品により規定される内部空洞の形状をとる。サンプルに熱またはUV光などの重合エネルギー源により照射すると、前駆体混合物は硬化し水膨潤性架橋ゲルとなり、その後離型し、平衡化のための生理食塩水に入れることができる。得られたヒドロゲルは平衡時に約30〜70%の水を吸収するが、市販のコンタクトレンズ材料と同様の引張破断伸度およびモジュラス(modulus)などの機械的特性を示すように設計することができる。このように、そのように製造された成形品は眼科用レンズ、とりわけコンタクトレンズまたは眼内レンズとして有益であり、前記レンズは急速硬化工程中の収縮性が低いポリマー前駆体材料で製造され、前記レンズはパッケージ内での平衡工程の他に別個の抽出工程を必要としない。
他の好ましい態様は、開始モノマー、デッドポリマー、または追加の官能基を有する場合は、プレポリマーもしくは反応性可塑剤として、シリコーン系モノマーおよび親水性シリコーンを使用する。親水性シリコーンは親水性成分と、高い酸素透過性を示すシリコーン成分とのコポリマーである。これらの材料はコンタクトレンズに対し特に有益である。本発明のポリマー前駆体混合物を製造するための適したシリコーン系モノマーおよびプレポリマーは米国特許第4,136,250号、同第4,153,641号、同第4,740,533号、同第5,010,141号、同第5,034,461号、同第5,057,578号、同第5,070,215号、同第5,314,960号、同第5,336,797号、同第5,356,797号、同第5,371,147号、同第5,387,632号、同第5,451,617号、同第5,486,579号、同第5,789,461号、同第5,807,944号、同第5,962,548号、同第5,998,498号、同第6,020,445号、および同第6,031,059号、ならびにPCT出願国際公開公報第094/15980号、同第097/22019号、同第099/60048号、同第099/60029号、および同第001/02881号、ならびに欧州特許出願第00940447号、同第00940693号、同第00989418号、および同第00990668号において開示されている。
他の好ましい態様は、ペルフルオロアルキルポリエーテルを使用する。ペルフルオロアルキルポリエーテルは、フッ素化されており、良好な酸素透過性および不活性を示し、ポリマー骨格および/または親水性ペンダント基のために許容される程度の親水性を示す。そのような材料はデッドポリマーとして、または追加の官能基を有する場合は、プレポリマーもしくは反応性可塑剤として、本発明のポリマー前駆体混合物中に容易に混入できる。そのような材料の例としては、米国特許第5,965,631号、同第5,973,089号、同第6,060,530号、同第6,160,030号および6,225,367号を参照のこと。
原則として、合成されたポリマーが機能化可能な官能基を含めば、本発明の重合工程では任意のモノマー混合物を使用してもよい。「機能化可能な官能基」とは、機能化または誘導体化反応を受け、官能基をポリマー骨格上に導入することができる官能基を意味する。モノマーはアクリレート、メタクリレート、無水アクリル酸、アクリアミド、ビニル、ビニルエーテル、ビニルエステル、ハロゲン化ビニル、ビニルシラン、ビニルシロキサン、(メタ)クリレートシリコーン、ビニルヘテロサイクル、ジエン、アリルなどとしてもよい。他のあまり知られていないが重合可能な系も使用することができ、例えばエポキシ(硬化剤と共に)およびウレタン(イソシアネートとアルコールとの間の反応)がある。
本発明で使用することができる重合機構としては、全く例示的に、フリーラジカル重合、カチオンまたはアニオン重合、付加環化、ディールス・アルダー(Diels-Alder)反応、開環複分解重合、および加硫が挙げられる。ポリマーは直鎖、分枝、樹状、または軽く架橋した構造のホモポリマーまたはコポリマーとしてもよい。
本発明において使用することができるモノマーの多様性を証明するために、我々は何百〜何千の市販の化合物のリストからほんの数個のみを列挙する。例えば、単官能性モノマーとしては(メタ)クリレート、例えばメチル(メタ)クリレートおよび2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ビニルラクタム、例えばN-ビニル-2-ピロリドン、(メタ)クリルアミドならびにその類似体、例えばN-イソプロピルアクリルアミド、ビニルアクリル酸、例えばメタ(クリル)酸、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、スチレン、α-メチルスチレン、無水マレイン酸、およびアクリロニトリルが挙げられる。「(メタ)クリレート」または「(メタ)クリルアミド」という表示は選択的なメチル置換を示すために使用されることに注意すべきである。
他の単官能性(メタ)クリルモノマーとしては、エチル(メタ)クリレート;プロピル(メタ)クリレート;ブチル(メタ)クリレート;オクチル(メタ)クリレート;イソデシル(メタ)クリレート;ヘキサデシル(メタ)クリレート;ステアリル(メタ)クリレート;プロピル(メタ)クリレート;ペンチル(メタ)クリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)クリレート;カプロラクトン(メタ)クリレート;ベンジル(メタ)クリレート;フェニル(メタ)クリレート;2-フェニルフェニル(メタ)クリレート;フェノキシエチル(メタ)クリレート;1-ナフチルオキシエチル(メタ)クリレート;シクロヘキシル(メタ)クリレート;イソボルニル(メタ)クリレート;ノルボルニル(メタ)クリレート;アダマンチル(メタ)クリレート;トリシクロ[5,2,1,02,6]-デカン-8-イル(メタ)クリレート;エチレングリコールフェニルエーテル(メタ)クリレート;3-ヒドロキシ-2-ナフチル(メタ)クリレート;2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA);2-ヒドロキシブチル(メタ)クリレート;2-ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート;3-フェノキシ-2-ヒドロキシ-フェノキシエチル(メタ)クリレート;3-ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート;4-ヒドロキシブチル(メタ)クリレート;4-t-ブチル-2-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)クリレート;2-エチルヘキシル(メタ)クリレート;2-エトキシエチル(メタ)クリレート;エトキシエチル(メタ)クリレート;メトキシエチル(メタ)クリレート;メトキシトリエチレングリコール(メタ)クリレート;ヒドロキシトリメチレン(メタ)クリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)クリレート;グリシジル(メタ)クリレート;2-ホスファトエチル(メタ)クリレート;モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、…ポリエチレングリコールモノ(メタ)クリレート;1,2-ブチレン(メタ)クリレート;1,3-ブチレン(メタ)クリレート;1,4-ブチレン(メタ)クリレート;モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、…ポリプロピレングリコールモノ(メタ)クリレート;グリセリル(メタ)クリレート;グルセリンモノ(メタ)クリレート;2-エチル-2-(ヒドロキシ-メチル)-1,3-プロパンジオールトリメチル(メタ)クリレートが挙げられる。
他の型のモノマーとしては、メチルアクリルアミド;N,N-ジメチル(メタ)クリルアミド;ジアセトン(メタ)クリルアミド;N-メチル(メタ)クリルアミド;N,N-ジメチル-ジアセトン(メタ)クリルアミド;N-(1,1-ジメチル-3-オクトブチル)(メタ)クリルアミド;N-(ホルミルメチル)(メタ)クリルアミド;4-および2-メチル-5-ビニルピリジン;N-(3-(メタ)クリルアミドプロピル)-N,N-ジメチルアミン;N-(3-(メタ)クリルアミドプロピル)-N,N,N-トリメチルアミン;N-(3-(メタ)クリルアミド-3-メチルブチル)-N,N-ジメチルアミン;1-ビニル-および2-メチル-1-ビニルイミダゾール;N-ビニルイミダゾール;N-ビニルスクシンイミド;N-ビニルジリコリルイミド;N-ビニルグルタルイミド;N-ビニル-3-モルホリノン;N-ビニル-5-メチル-3-モルホリノン;ジメチルジフェニルメチルビニルシロキサン;α-(ジメチルビニルシリル)-ω-[(ジメチルビニル-シリル)オキシ]-ジメチルジフェニルメチルビニルシロキサン;プロピオン酸ビニル;ビニルアルコール;2-((メタ)クリロイロキシ)エチルビニルカーボネート;ビニル[3-[3,3,3-トリメチル-1,1-ビス(トリメチルシロキシ)ジシロキサニル]プロピル]カーボネート;4,4'-(テトラペンタコントメチルヘプタコサシロキサニレン)ジ-1-ブタノール;N-カルボキシ-β-アラニンN-ビニルエステル;2-メタクリロイルエチルホスホリルコリン;メタクリルオキシエチルビニル尿素;ビニルトルエン;1-ビニルナフタレン;(メタ)クリル酸の金属塩;第四アンモニウム塩を含むモノマー;などが挙げられる。
「モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、…ポリ-」という表記は、所定の繰り返し単位のポリマーに至るまでのモノマー、2量体、3量体、4量体などを示すために使用される。
高屈折率材料が望ましい場合、高い屈折率を有するようにモノマーを選択してもよい。そのようなモノマーの例としては、上記のものの他に、臭素化または塩素化フェニル(メタ)クリレート(例えば、ペンタブロモメタクリレート、トリブロモメタクリレートなど)、臭素化または塩素化ナフチルまたはビフェニル(メタ)クリレート、トリブロモフェノキシエチル(メタ)クリレート、トリブロモフェニルジ(オキシエチル)(メタ)クリレート、トリブロモネオペンチル(メタ)クリレート、トリブロモベンジル(メタ)クリレート、ブロモエチル(メタ)クリレート、臭素化または塩素化スチレン、ビニルナフチレン、ビニルビフェニル、ビニルフェノール、ビニルカルバゾール、臭化または塩化ビニル、臭化または塩化ビニリデン、ブロモフェニルイソシアネート、フェニルチオール(メタ)クリレート、4-クロロフェニルチオール(メタ)クリレート、ペンタ-クロロフェニルチオール(メタ)クリレート、ナフチルチオール(メタ)クリレート、などが挙げられる。モノマーの芳香族、硫黄および/またはハロゲン量を増大させることは、高屈折率特性を達成するのに周知の技術である。
本発明の方法は、プレポリマーを製造するための重合および機能化または誘導体化工程を含む。モノマー混合物の成分は、得られたポリマーが機能化可能なまたは誘導体化可能な官能基を含むように選択される。機能化または誘導体化工程では、機能化剤はポリマーと反応し、ポリマー骨格上に反応基が導入されることによりプレポリマーが製造される。「機能化剤」は、ポリマーに対し反応性のある官能基を有し、ポリマーと反応すると、反応基がポリマー骨格上に導入され、これによりポリマーは架橋可能となる分子を意味する。機能化反応は適した機能化剤を使用して単一工程として実施してもよい。また、ポリマー骨格上の機能化可能な官能基はさらに、分子と反応することにより他の型の機能化可能な官能基に移され、その後機能化剤と反応する。機能化可能な官能基の例としては、ヒドロキシル、アミン、カルボキシレート、チオール(ジスルフィド)、無水物、ウレタンおよびエポキシが挙げられるが、これらに限定されない。
ヒドロキシルを含むポリマーの機能化では、機能化剤はヒドロキシル反応基、例えばエポキシドおよびオキシラン、カルボニルジイミダゾール、過ヨウ素酸塩による酸化、酵素酸化、酸ハロゲン化物、ハロゲン化アルキル、イソシアネート、ハロヒドリンおよび無水物(これらに限定されない)を含む。アミン基を含むポリマーの機能化では、機能化剤は、アミン-反応基、例えばイソチオシアネート、イソシアネート、アシルアジド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、塩化スルホニル、ケトン、アルデヒドおよびグリオキサール、エポキシドおよびオキシラン、カーボネート、アリール化剤、イミドエステル、カルボジイミド、無水物、ならびにハロヒドリンを含む。チオール官能基を含むポリマーの機能化では、チオ反応性化学反応物の例はハロアセチルおよびハロゲン化アルキル誘導体、マレイミド、アジリジン、アクリロイル誘導体、アリール化剤、およびチオール-ジスルフィド交換薬剤(例えば、ピリジルスルフィド、ジスルフィド還元剤、および5-チオ-2-ニトロ安息香酸)である。
現在好ましい態様では、プレポリマー骨格上の反応基は、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドおよび/またはビニルエーテル部分であり、これらは好都合な急速硬化UV誘発系を提供することがわかっている。
高屈折率眼科用レンズ用のプレポリマーを製造するために、1つの好ましい態様は、ハロゲン原子および機能化可能な官能基、例えはヒドロキシルを含むモノマーを使用する。例えば、3-(2,4,6-トリブロモ-3-メチルフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート;3-(2,4-ジブロモ-3-メチルフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート;3-(3-メチル-5-ブロモフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート;2-(4-ヒドロキシエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)-2-(4-アクリルオキシエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン;2-(4-ヒドロキシエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)-2-(4-アクリルオキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン;および2-(4-ヒドロキシジエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)-2-(4-メタクリルジエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパンが挙げられるが、これらに限定されない。
モノマー混合物はまた、多官能性モノマーを含んでもよい。その場合、非反応性希釈剤および/または溶媒の組成および成分は、重合および機能化工程中に不溶性ゲルが形成されないように選択される。
選択的に、反応性(すなわち、重合可能な)染料および反応性(すなわち、重合可能な)UV吸収剤などの重合可能な添加剤をモノマー混合物中に含有させてもよい。本発明のある一定の好ましい態様では、UV吸収カラーコンタクトレンズの製造のために、プレポリマーは反応染料および反応UV吸収剤も含むモノマー混合物から合成される。1つのそのようなモノマー混合物は、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸および「ブルーヒドロキシエチルメタクリレート」または「ブルーHEMA」として周知の反応染料を含む。他のそのようなモノマー混合物は、これらの3成分に加えて「Norbloc」として周知の反応性UV吸収剤を含む。ブルーHEMAの化学名は2-メチル-アクリル酸2-{4-[5-(4-アミノ-9,10-ジオキソ-3-スルホ-4a,9,9a,10-テトラヒドロアントラセン-1-イルアミノ)-2-スルホフェニルアミノ]-6-クロロ-[1,3,5]-トリアジン-2-イルオキシ}-エチルエステルであり、化学式は、
Figure 2005517802
である。Norblocの化学名は2-メチル-アクリル酸2-(3-ベンゾトリアゾール-2-イル-4-ヒドロキシフェニル)-エチルエステルであり、化学式は、
Figure 2005517802
である。
好ましいプレポリマーの1つの群は、追加の反応基により機能化されたポリマー骨格構造内の、またはその構造に吊り下げられたスルホキシド、スルフィドおよび/またはスルホン基を有するポリマーまたはコポリマーを含む。スルホキシド含有モノマー、スルフィド含有モノマー、および/またはスルホン含有モノマーから得られるゲル(最初の重合後、追加の反応基を有しない)では、従来のコンタクトレンズ調合物中でタンパク質吸着の減少が見られた(米国特許第6,107,365号およびPCT国際公開公報第00/02937号を参照のこと)。これらのモノマーは、プレポリマー用の開始モノマーとして、および/またはデッドポリマーを介して、本発明のポリマー前駆体混合物中に容易に混入させることができる。
好ましいプレポリマーの他の群は、1つまたは複数のペンダントまたは末端ヒドロキシ基を含むプレポリマーから構成される。それらの官能基の一部はフリーラジカルを基本とする重合を受けることができる反応基により機能化されている。そのようなプレポリマーの例としては、ポリヒドロキシエチル(メタ)クリレート、ポリヒドロキシプロピル(メタ)クリレート、ポリエチレングリコール、セルロース、デキストラン、グルコース、スクロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレン-コ-ビニルアルコール、モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、…ポリビスフェノールA、およびε-カプロラクトンのC2〜6アルカンジオールおよびトリオール付加物の機能化バージョンが挙げられる。上記ポリマーのコポリマー、エトキシル化およびプロポキシル化バージョンもまた、好ましいプレポリマーである(例えば、PCT国際公開公報第098/37441号を参照のこと)。
特に好ましいプレポリマーは、メタクリレート機能化またはアクリレート機能化ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート-コ-メタクリル酸)コポリマーである。最も好ましいプレポリマーは、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)と約0〜2%メタクリル酸(MAA)とのコポリマーである。この場合、コポリマーの約0.2〜5%のペンダントヒドロキシル基がメタクリレート基により機能化されており、本発明のポリマー前駆体混合物および方法に適した反応性プレポリマーが得られる。メタクリレート機能化のより好ましい程度は、ヒドロキシル基の約0.5〜2%である。HEMAのヒドロキシルの機能化では、機能化剤の例としては、無水メタクリル酸およびメタクリル酸グリシジルが挙げられる。
他の好ましい態様では、プレポリマーは、約0〜2%MAAから構成される反応染料および反応UV吸収剤と共重合させたメタクリレート機能化またはアクリレート機能化pHEMA-コ-MAAコポリマーである。ここで、コポリマーの約0.2〜5%のペンダントヒドロキシル基はメタクリレートまたはアクリレート基により機能化され、本発明のポリマー前駆体混合物および方法に適した反応性プレポリマーが得られる。より好ましくは、メタクリレート機能化の程度はヒドロキシル基の約0.5〜2%であり、官能基はメタクリレートである。
高屈折率プレポリマーが考慮すべき重要事項である場合、前述したように、芳香族量、ハロゲン量(とりわけ、臭素)、および/または硫黄量を増大させることは、ポリマー材料の屈折率を増大させるための当技術分野で周知の一般に有効な手段である。
本発明では、ポリマー前駆体混合物はまた、反応性可塑剤を含んでもよい。機能化または誘導体化反応が完了した後、反応媒質に反応性可塑剤を添加する。成形および硬化操作中、反応性可塑剤が存在すると、前駆体混合物の軟化温度が低くなることにより処理加工性が改善される。軟化温度の低下に関しては、反応性可塑剤は、非反応性希釈剤を含まないが温度感応性高屈折率ポリマーを含む眼科用レンズのための前駆体混合物で特に有益である。このように、本発明の1つの態様では、ポリマー前駆体混合物は高屈折率プレポリマーおよび反応性可塑剤を含む。より好ましくは、前駆体混合物は半固体である。
反応性可塑剤はまた、プレポリマーの架橋反応を促進するために、および/または硬化成形品の架橋密度を増加させるために使用してもよい。それ自体で架橋ゲルを形成しないプレポリマーは、少量の反応性可塑剤の存在下、架橋し不溶性ヒドロゲルを形成することができる。生物医学用途によっては、硬化成形品中の残留反応基を最小に抑えなければならないかもしれない。反応基の存在により生体適合性が低下するためである。このように、本発明の他の態様では、ポリマー前駆体混合物はプレポリマーと反応性可塑剤、ならびに選択的に非反応性希釈剤を含み、前駆体混合物は反応性可塑剤が存在しないと硬化して不溶性ゲルを形成しない。
相分離系において光学的に透明な材料が望ましい場合、混合物成分(すなわち、プレポリマー、デッドポリマー、衝撃改質剤、非反応性希釈剤、および/または反応性可塑剤)は、相間で同じ屈折率(等屈折)が得られるように選択してもよく、これにより光散乱が減少する。等屈折成分が使用できない場合、希釈剤および反応性可塑剤は、それにもかかわらず、2つの非混和ポリマー間のドメインサイズの減少を支援するために相溶化剤として機能してもよく、光の波長が低くなり、これにより、そうでなければ不透明であった、光学的に透明なポリマー混合物が製造される。反応性可塑剤が存在すると、場合によっては、衝撃改質剤とデッドポリマー間の接着性が改善され、得られる混合物の特性が改善される。
反応性可塑剤は単独でまたは混合物中で使用することができる。反応基は、アクリレート、メタクリレート、無水アクリル酸、アクリルアミド、ビニル、ビニルエーテル、ビニルエステル、ハロゲン化ビニル、ビニルシラン、ビニルシロキサン、(メタ)クリレートシリコーン、ビニル複素環、ジエン、アリルなどが挙げられるが、これらに限定されない。他のそれほど周知でないが重合可能な官能基、例えばエポキシ(硬化剤と共に)およびウレタン(イソシアネートとアルコールとの間の反応)を使用することができる。原則として、本発明により反応性可塑剤として任意のモノマーを使用してもよいが、周囲温度またはその温度よりもわずかに高い温度で液体として存在し、光または熱などの重合エネルギー源を適した開始剤の存在下で適用すると、容易にかつ急速に重合するものが好ましい。
アクリレートまたはメタクリレート官能基を含む反応性モノマー、オリゴマーおよび架橋剤は周知であり、サートマー(Sartomer)、ラドキュア(Radcure)およびヘンケル(Henkel)から市販されている。同様に、ビニルエーテルはアライドシグナル/モルフレックス(Allied Signal/Morflex)から市販されている。ラドキュアはまた、UV硬化脂環式エポキシ樹脂を供給する。ビニル、ジエンおよびアリル化合物は多くの薬品供給元から入手可能である。反応性可塑剤の例については、例えば、PCT国際公開公報第00/55653号において記述されている。
高屈折率材料が望ましい場合、反応性可塑剤は高屈折率を有するように選択してもよい。前述したように、反応性可塑剤の芳香族、硫黄、および/またはハロゲン量を増大させることは、ポリマー材料の高屈折率特性を達成するための周知の技術である。
現在好ましい態様では、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、および/またはビニルエーテル部分を含む反応性可塑剤により、好都合な、急速硬化UV誘発系が得られることがわかっている。
反応性可塑剤は、それ自体、単官能性、二官能性、三官能性、または他の多官能性要素から構成される混合物とすることができる。例えば、重合時に、単官能性および多官能性の反応性可塑剤の混合物を混入すると、反応性可塑剤ポリマーネットワークが得られる。この場合、反応性可塑剤ポリマー鎖は互いに架橋する(すなわち、半IPN)。重合中、成長している反応性可塑剤ポリマー鎖はプレポリマーと反応しIPNが形成される。反応性可塑剤およびプレポリマーはまた、デッドポリマー鎖内に不飽和または他の見かけ上反応性の要素が存在しなくても、デッドポリマーにグラフトし、またはそれと反応し、ある型のIPNが形成される。このように、プレポリマーおよびデッドポリマー鎖は硬化中架橋要素として機能してもよく、単官能性反応性可塑剤のみが、プレポリマーおよび/またはデッドポリマーの混合物中に存在していても、架橋反応性可塑剤ポリマーネットワークが形成される。
プレポリマーに加えて、本出願の対象の系は、1つまたは複数の実質的に非反応性のポリマー成分、すなわちデッドポリマーを含んでもよい。デッドポリマーは、実質的に反応基を添加することなくポリマー前駆体混合物の嵩を増やすように機能することができ、または、デッドポリマーは対象の成形品に様々な化学、物理、光学および/または機械特性を付与するように選択されてもよい。
デッドポリマーは直線、分枝または架橋ポリマーとしてもよい。そのような系の最も簡単なものは、普通のホモポリマーであると考えられる。そのような場合、デッドポリマーは一般に、少なくともある所望の処理条件の温度および圧力で、対象の前駆体混合物中でプレポリマーと相溶性を有するように選択される。「相溶性」はデッドポリマーおよびプレポリマーを含む混合物が均質な混合物を形成する熱力学的状態を示す。実際には、構造的類似性を有する分子セグメントは相互溶解を促進することがわかっている。このように、デッドポリマー上の芳香族部分は一般に芳香族プレポリマーとの相溶性を促進し、逆もまた同様である。親水性および疎水性は、ポリマー前駆体混合物のためのデッドポリマーとプレポリマーの対を選択する際の追加的考慮事項である。相溶性は一般に、混合後澄むまたは透明となる系で仮定されるが、本発明のためには、相溶性は必要ではなく、特に透明な物体が製造される場合に、単に好ましいだけである。
室温では部分相溶性のみが観察され場合であっても、混合物はしばしばわずかに温度を高くすると均一になり、すなわち、多くの系がわずかに高い温度で透明になる。そのような温度は周囲温度よりわずかに高く、例えば100℃以上近傍まで拡張してもよい。そのような場合、本発明の方法により達成される急速硬化時間のため、反応成分は高温で急速硬化され、系の冷却前に硬化樹脂中で相溶相状態が「確定」される。このように、相形態のトラッピングを使用すると、そうでなければ冷却時に形成する半透明または不透明な材料の代わりに光学的に透明な材料が製造できる。
相形態トラッピングは本開示において示したさらに他の利点である。光学的に透明な材料の製造にもかかわらず、実質的には任意の熱可塑性物質を形態トラップ材料の製造のためのデッドポリマーとして使用することができる。完成物体において光学的透明度、高屈折率、低複屈折、優れた衝撃耐性、熱安定性、UV透明性または遮断、引き裂きもしくは破裂抵抗、望ましいレベルもしくは多孔性、生理食塩水中での平衡後の望ましい水含量、望ましい浸透物質に対する選択的透過性(例えば、高い酸素透過性)、変形抵抗、低コスト、またはこれらのおよび/または他の特性の組み合わせを得るために、熱可塑性ポリマーを選択してもよい。
例えば、熱可塑性ポリマーとしては、ポリスチレン、ポリスチレン-コ-メチルメタクリレート、ポリスチレン-コ-アクリロニトリル、ポリ(α-メチルスチレン)、ポリ無水マレイン酸、ポリスチレン-コ-無水マレイン酸、ポリメチル(メタ)クリレート、ポリブチル(メタ)クリレート、ポリ-イソ-ブチル(メタ)クリレート、ポリ-2-ブトキシエチル(メタ)クリレート、ポリ-2-エトキシエチル(メタ)クリレート、ポリ(2-(2-エトキシ)エトキシ)エチル(メタ)クリレート、ポリ(2-ヒドロキシエチル(メタ)クリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート)、ポリ(シクロヘキシル(メタ)クリレート)、ポリ(イソボルニル(メタ)クリレート)、ポリ(2-エチルヘキシル(メタ)クリレート)、ポリテトラヒドロフルフリル(メタ)クリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリ(1-ブテン)、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、ポリエチレン-コ-(メタ)クリル酸、ポリエチレン-コ-酢酸ビニル、ポリエチレン-コ-ビニルアルコール、ポリエチレン-コ-エチル(メタ)クリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ絡酸ビニル、ポリ吉草酸ビニル、ポリビニルホルマール、ポリアジピン酸エチレン、ポリアゼライン酸エチレン、ポリオクタデセン-コ-無水マレイン酸、ポリ(メタ)クリロニトリル、ポリアクリロニトリル-コ-ブタジエン、ポリアクリロニトリル-コ-メチル(メタ)クリレート、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリホスフィンオキシド、ポリエーテルイミド、ナイロン(6、6/6、6/9、6/10、6/12、11、および12)、ポリ(アジピン酸1,4-ブチレン)、ポリヘキサフルオロプロピレンオキシド、フェノキシ樹脂、アセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ(2,3-ジヒドロフラン)、ポリジフェノキシホルファゼン、モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、…ポリエチレングリコール、モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、…ポリプロピレングリコール、モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、…ポリグリセロール、ポリビニルアルコール、ポリ-2または4-ビニルピリジン、ポリ-N-ビニルピロリドン、ポリ-2-エチル-2-オザゾリン、ピリジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピペラジン、アゾリジン、およびモルホリンのポリ-N-オキシド、ポリカプロラクトン、ポリ(カプロラクトン)ジオール、ポリ(カプロラクトン)トリオール、ポリ(メタ)クリルアミド、ポリ(メタ)クリル酸、ポリガラクツロン酸、ポリ(t-ブチルアミノエチル(メタ)クリレート)、ポリ(ジメチルアミノエチル(メタ)クリレート)、ポリエチレンイミン、ポリイミダゾリン、ポリメチルビニルエーテル、ポリエチルビニルエーテル、ポリメチルビニルエーテル-コ-無水マレイン酸、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、デキストラン、ゼラチン、ポリサッカライド/グルコシド(例えば、グルコースおよびスクロース)、ポリソルベート80、ゼイン、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシラン、ポリジエトキシシロキサン、ポリジメチルシロキサン-コ-メチルフェニルシロキサン、ポリジメチルシロキサン-コ-ジフェニルシロキサン、ポリメチルヒドロシロキサン、ポリ(4-メチルペンテン-1)、およびシクロ-オレフィンコポリマー、例えばJSRからのARTON(登録商標)、日本ゼオン(Nippon Zeon)からのZEONEX(登録商標)およびZEONOR(登録商標)、およびタイコーマ(Ticona)からのTOPAS(登録商標)が挙げられるが、これらに限定されない。上記ポリマーのエトキシル化および/またはプロポキシル化バージョンもまた、この開示では適したデッドポリマーとして含まれる。
1つの好ましい態様では、ポリマー前駆体混合物は、プレポリマーと、デッドポリマーと、選択的に、硬化後に選択的に透明な均質成形品を提供する反応性可塑剤および/または非反応性可塑剤とを含む。好ましい前駆体混合物は半固体である。
好ましいデッドポリマーの1つの群は、ポリマー骨格構造内に、またはその構造に吊り下げられたスルホキシド、スルフィド、および/またはスルホン基を有するポリマーまたはコポリマーを含む。これらの官能基を含むゲルは、従来のコンタクトレンズ調合物中でタンパク質吸着が低いことが示された(米国特許第6,107,365号およびPCT国際公開公報第00/02937号を参照のこと)。これらのポリマーおよびコポリマーは本発明のポリマー前駆体混合物中に容易に混入される。
さらに好ましいデッドポリマーは、1つまたは複数のペンダントまたは末端ヒドロキシ基を含むものである。そのようなポリマーの例としては、ポリヒドロキシエチル(メタ)クリレート、ポリヒドロキシプロピル(メタ)クリレート、ポリエチレングリコール、セルロース、デキストラン、グルコース、スクロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレン-コ-ビニルアルコール、モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、…ポリビスフェノールA、ならびにε-カプロラクトンのC2〜6アルカンジオールおよびトリオール付加物が挙げられる。上記ポリマーのコポリマー、エトキシル化およびプロポキシル化バージョンもまた好ましいプレポリマーである。
これらのポリマーと他のモノマーとのコポリマーおよび眼科用レンズ材料として使用するのに適した材料もまた開示する。デッドポリマーの共重合のために使用する追加のモノマーとしては、例として、ビニルラクタム、例えばN-ビニル-2-ピロリドン、(メタ)クリルアミド、例えばN,N-ジメチル(メタ)クリルアミドおよびジアセトン(メタ)クリルアミド、ビニルアクリル酸、例えば(メタ)クリル酸、アクリレートおよびメタクリレート、例えば2-エチルヘキシル(メタ)クリレート、シクロヘキシル(メタ)クリレート、メチル(メタ)クリレート、イソボルニル(メタ)クリレート、エトキシエチル(メタ)クリレート、メトキシエチル(メタ)クリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)クリレート、ヒドロキシトリメチレン(メタ)クリレート、グリセリル(メタ)クリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)クリレートおよびグリシジル(メタ)クリレート、スチレン、ならびに第四アンモニウム塩を含むモノマー/骨格単位が挙げられるが、これらに限定されない。
熱可塑性物質は選択的に、ポリマー骨格に付着された(共重合された、グラフトされた、またはそうでなければ組み込まれた)少量の反応性要素を有し、硬化時の架橋が促進される。熱可塑性物質はアモルファス、半結晶、または結晶であってもよい。熱可塑性物質は、高性能技術熱可塑性物質(例えば、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、など)として分類してもよく、または熱可塑性物質は生体分解性、天然ポリマー(例えば、デンプン、プロラミン、およびセルロース)としてもよい。熱可塑性物質は本質的にオリゴマーまたはマクロマーとしてもよい。これらの例は、本発明の実施中に可能な組成物の範囲を制限することを意味するものではなく、単に、本開示において許容される熱可塑性化学の広い選択を示したにすぎない。
本発明では、形態トラッピングの実施は均質系に限定されない。光学的に透明な相分離系もまた、相分離等屈折プレポリマー、プレポリマー混合物またはデッドポリマーとプレポリマーの混合物を系に含有させることにより、都合よく調製することができる。その場合、ポリマー成分の相溶性は必要ない。相間で大体同等に分配される非反応性希釈剤を添加すると、硬化により透明な部分が得られる。同様に、(1)相間で大体同等に分配される、または(2)硬化時デッドポリマー混合物と同じ屈折率を有する反応性可塑剤を添加すると、硬化により透明な部分が得られる。また、反応性可塑剤が相間で同等に分配されず、硬化時にポリマー混合物と同様の屈折率を有しない場合、相の1つの屈折率はポリマー組成を適当に選択することにより変えることができ、最終的に等屈折混合物が得られる。本発明によれば、そのような操作が都合よく実施でき、ある材料系でこれまで達成できない特性(すなわち、同時機械、光学および加工特性)が実現される。
相分離形態のトラッピングに関しては、1つの好ましい態様は、プレポリマーと、デッドポリマーと、ならびに選択的に反応性可塑剤および/または非反応性可塑剤とを含み、硬化時に、相分離等屈折成形品が形成される相分離ポリマー前駆体混合物を使用する。より好ましくは、前駆体混合物は半固体である。最も好ましくは、前駆体混合物は高屈折率を有する半固体である。
本発明の相形態トラッピングは光学的に透明な系に限定されない。実際、本発明は、本発明のポリマー前駆体混合物中で作成できる実質的に任意の形態に適用できる。ほとんどのポリマーブレンドおよびブロックコポリマー、ならびに多くの他のコポリマーは相分離系となり、材料設計者により多くの相構造が開発されている。2つまたはそれ以上のポリマーを物理的に混合することにより達成されるポリマーブレンドはしばしば、ある一定の材料系において所望の機械的特性を導き出すために使用される。例えば、衝撃改質剤(通常、軽く架橋された粒子または直線ポリマー鎖)を様々な熱可塑性物質または熱可塑性エラストマー中にブレンドしてもよく、最終硬化樹脂の付与強度が改善される。実際、そのようなブレンドは機械的な、ラテックス、または溶媒鋳造ブレンド;グラフト型ブレンド(表面改良グラフト、副次的グラフト(occasional graft)(IPN、メカノケミカルブレンド)、またはブロックコポリマーとしてもよい。ポリマーの化学構造、分子サイズおよび分子構造により、ブレンドは相溶性および非相溶性の両方の、アモルファス、半結晶または結晶構成要素を含む混合物となることがある。
相ドメインの物理的配列は単純または複雑であってもよく、連続、離散/不連続、および/または両連続形態を示してもよい。これらのうちのいくつかは以下の例により説明される:相IIに分散された相Iの球;相IIに分散させた相Iの円柱;互いにつながった円柱;相II中の相Iの規則正しい両連続のダブルダイヤモンド相互連絡円柱(星形ブロックコポリマーについて記述されている);交互ラメラ(ほとんど同様の鎖長のジ-ブロックコポリマーについて周知);ネスト球状殻を形成するリングまたはらせん;ある相内のある相内の相(HIPSおよびABS);および相分離の熱力学(核生成および成長の両方、ならびにスピノーダル分解機構)、相分離の動力学、および混合方法、またはこれらの組み合わせにより生じるこれらの形態の同時複数形態。
材料の他のカテゴリーはデッドポリマーまたはプレポリマーとして「熱可塑性エラストマー」を使用する。例示的な熱可塑性エラストマーは一般構造「A-B-A」のトリブロックコポリマーであり、式においてAは熱可塑性剛性ポリマー(すなわち、ガラス転移温度が室温より高い)、およびBはエラストマー(ゴム状)ポリマー(ガラス転移温度が室温より低い)である。純粋な状態では、ABAはマイクロ相分離またはナノ相分離形態を形成する。この形態はゴム状鎖(B)により接続され、取り囲まれた剛性ガラス状ポリマー領域(A)、またはガラス状(A)連続相により取り囲まれたゴム状相(B)の閉鎖から構成される。ポリマー中の(A)および(B)の相対量により、ポリマー鎖の形状または構造(すなわち、直線、分枝、星形、非対称の星形、など)および使用する処理条件により、交互ラメラ、半連続ロッド、または他の相ドメイン構造が熱可塑性エラストマー材料において見られる。一定の組成および処理条件下では、関連するドメインサイズが可視光の波長より小さくなるような形態とされる。このため、そのようなABAコポリマーから製造された部品は透明、または最悪でも半透明とすることができる。熱可塑性エラストマーは、加硫無しで、従来のゴム加硫物と同様のゴム状特性を有するが、ガラス状ポリマー領域のガラス転移温度より高い温度では熱可塑性物質として流れる。市販の重要な熱可塑性エラストマーの例は、SBS、SISおよびSEBSであり、ここでSはポリスチレンであり、Bはポリブタジエンであり、Iはポリイソプレンであり、EBはエチレンブチレンコポリマーである。多くの他のジブロックまたはトリブロック候補が周知であり、例えばポリ(芳香族アミド)-シロキサン、ポリイミド-シロキサン、およびポリウレタンである。SBSおよび水素化SBS(すなわち、SEBS)はクラトンポリーマーズビジネス(Kraton Polymers Business)の周知の製品である(KRATON(登録商標))。デュポン(DuPont)のLYCRA(登録商標)もまたブロックコポリマーである。
熱可塑性エラストマーを調合用のデッドポリマーとして選択すると、ことのほか衝撃耐性を有するが透明な部品を製造することができる。熱可塑性エラストマーはそれだけでは、化学的に架橋せず、成形にはかなり高温の処理工程が必要である。冷却すると、そのような温度の変動により部品が寸法的に不安定になり、収縮または歪みが生じる。プレポリマーを選択し、それ自体で硬化させると、かなりガラス状の剛性ネットワークまたはかなり柔らかいゴム状ネットワークが形成されるが、どちらの場合も収縮はかなり低い。熱可塑性エラストマー(すなわち、デッドポリマー)およびプレポリマーを共に混合し、反応させ、硬化樹脂が形成させると、それらは優れたショック吸収および衝撃耐性特性を有する複雑なネットワークを形成するが、硬化中の収縮はほとんどみられない。「衝撃耐性」は入射物体が当たった際の破砕または粉砕に対する耐性を意味する。反応性可塑剤を含有させてもよく、架橋反応が促進され、半固体コンシステンシーが達成される。熱可塑性エラストマーを含む系では、衝撃強度はさらに、硬化前に前駆体混合物を圧縮成形することにより増大させることができる。
調合物において使用するプレポリマー、デッドポリマー、希釈剤および/または反応性可塑剤の性質により、最終硬化樹脂の可撓性をデッドポリマーに比べより高くまたは低く(または、より硬くまたはより柔らかくする)することができる。ポリマー鎖に沿って重合可能な官能基をそれ自体が含む熱可塑性エラストマーを使用することにより、特に高い強靱性を示す複合物品を製造することができる。これについては、好ましい組成は例えば、SBSトリブロックまたは星形コポリマーであり、この場合、反応性可塑剤はSBSポリマーのブタジエンセグメントの不飽和基と軽く架橋すると考えられる。これらのポリマーを含む最終硬化成形品はまた、良好な引っかき耐性および溶媒耐性を示す。硬化成形品はプレポリマーとデッドポリマーの架橋ネットワークを含むためである。
本発明の1つの好ましい態様では、ポリマー前駆体混合物はプレポリマーと、熱可塑性エラストマーと、選択的に反応性可塑剤および/または非反応性希釈剤とを含む。好ましい熱可塑性エラストマーはSBSコポリマーである。
光学的に透明で衝撃耐性の高い材料を開発するための好ましい調合物は、約75%までのスチレンを含むスチレンリッチのSBSトリブロックコポリマーを使用する。これらのSBSコポリマーはクラトンポリーマーズビジネス(KRATON、登録商標)、フィリップスケミカルカンパニー(Phillips Chemical Company)(K-RESIN、登録商標)、BASF(STYROLUX、登録商標)、フィナケミカルズ(Fina Chemicals)(FINACLEAR、登録商標)、アサヒケミカル(Asahi Chemical)(ASAFLEX、登録商標)、などから市販されている。高衝撃耐性および良好な光学透明度の他に、そのようなスチレン-リッチコポリマーから、他の時として望ましい特性、例えば比較的高い屈折率(すなわち、屈折率が約1.54以上)および/または低密度(30%以下の反応性可塑剤を有する場合、その密度は約1.2g/cc未満であり、より典型的には約1.0g/ccである)を示す材料系が得られる。
本発明の他の態様では、前駆体混合物は、プレポリマーと、熱可塑性エラストマーと、選択的に反応性可塑剤および/または非反応性可塑剤を含む、硬化後、光学的に透明な相分離等屈折成形品が製造される相分離系である。より好ましくは、前駆体混合物は半固体である。最も好ましくは、前駆体混合物は高屈折率を有する半固体である。
混合物屈折率がとりわけ重要な考慮事項である場合、1つまたは複数のデッドポリマー成分として高屈折率ポリマーを使用してもよい。そのようなポリマーの例としては、ポリカーボネートならびにハロゲン化および/またはスルホン化ポリカーボネート、ポリスチレンならびにハロゲン化および/またはスルホン化ポリスチレン、ポリスチレン-ポリブタジエンブロックコポリマーならびにその水素化、スルホン化、および/またはハロゲン化バージョン(これらはすべて、直線、分枝、星形、または非対称分枝もしくは星形、などであってもよい)、ポリスチレン-ポリイソプレンブロックコポリマーならびにその水素化、スルホン化および/またはハロゲン化バージョン(直線、分枝、星形、ならびに非対称分枝および星形バリエーションなどを含む)、ポリエチレンまたばポリブチレンテレフタレート(またはその他のバリエーション)、ポリ(ペンタブロモフェニル(メタ)クリレート)、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルナフタレン、ポリビニルビフェニル、ポリナフチル(メタ)クリレート、ポリビニルチオフェン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィドまたはオキシド、ポリホスフィンオキシドまたはホスフィンオキシド含有ポリエーテル、尿素-、フェノール-またはナフチル-ホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルフェノール、塩素化または臭素化ポリスチレン、ポリ(フェニルα-またはβ-ブロモアクリレート)、ポリ塩化または臭化ビニリデンなどが挙げられる。
前述したように、芳香族量、ハロゲン量(特に臭素)、および/または硫黄量を増加させる手段は一般に、ポリマー材料の屈折率を増大させるための当技術分野で周知の有効な手段である。高屈折率、低密度、および衝撃耐性は、眼科用レンズにはとりわけ好ましい特性である。そのような特性により、目立たない外観および着用者の快適性および安全性のために望ましい超薄型の軽量眼鏡レンズの製造が可能となるためである。
また、エラストマー、熱硬化性樹脂(例えば、未硬化状態のエポキシ、メラミン、アクリレートエポキシ、アクリレートウレタンなど)、および他の非熱可塑性ポリマー組成物を、望ましくは本発明の実施中にデッドポリマーとして使用してもよい。
本発明の方法の1つの態様は、1)重合、2)機能化または誘導体化、ならびに3)成形および硬化の3つの工程から構成される。重合前駆体混合物は、重合工程および機能化または誘導体化工程を含む連続法により製造される。本発明の連続法は経済的である。コストのかかるプレポリマーの単離および回収工程が排除されるためである。本方法はまた、プレポリマーをデッドポリマー、非反応性可塑剤、および/または反応性可塑剤と混合する、しばしばポリマーの分解が問題となる高温で実施しなければならない工程も排除される。
重合工程では、重合触媒は中程度に高い温度でフリーラジカルを発生させる熱開始剤とすることができる。過酸化ラウリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル、t-ブチルヒドロペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過硫酸カリウムまたはアンモニウムが、例えば、周知であり、アルドリッチ(Aldrich)などの化学薬品供給元より入手可能である。1つまたは複数の熱開始剤の代わりに、またはそれらと共に光開始剤を使用してもよく、そのため、重合反応は化学線源またはイオン照射源により誘発されてもよい。サートマーからのEsacure(登録商標)シリーズのように、Irgacure(登録商標)およびDarocur(登録商標)シリーズなどの光開始剤が周知であり、チバガイギー(Ciba Geigy)から入手可能である。光開始剤系の例は、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ベンゾインメチルエーテル、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン(Ciba Specialty Chemicalsから商品名DAROCUR 1173として販売されている)、およびアルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)から入手可能な4,4'-アゾビス(4-シアノ吉草酸)である。開始剤に対する参考文献としては、例えば、「Polymer Handbook」、J. Brandrup, E.H.Immergut編、第3版、ニューヨーク州ワイリー、1989を参照のこと。
重合は溶媒を使用しておよび/または最終前駆体混合物を構成する非反応性希釈剤の存在下で実施してもよい。溶媒は機能化または誘導体化工程後除去される。好ましい溶媒は蒸発または真空蒸留により容易に除去できる揮発溶媒である。等積鋳造に対する前駆体混合物が望ましい場合、非反応性希釈剤は、生理食塩水中での平衡後成形品がほとんど正味の体積変化を示さないように調節される。
反応媒質の粘度を減少させるように都合よく溶媒を使用してもよく、これにより溶液の混合が良好になる。溶液粘度を減少させると、しばしばポリマーが劣化する高温および/または高せん断混合が避けられる。さらに、多官能性モノマーを含むモノマー混合物では、溶媒の存在により、モノマー濃度を減少させることにより重合反応中の不溶性ゲルの形成が排除され、または最小に抑えられる。揮発溶媒はまた、機能化工程後に、蒸発または真空蒸留により残留不純物を除去するのを補助する。
本方法の任意の段階、すなわち機能化前後のいずれかでのポリマーの精製は、従来の方法により達成することができる。そのような方法の例は、蒸発、真空蒸留、および真空乾燥である。精製はまた濾過、例えば粒子を除去する精密濾過および限外濾過膜の選択により決定される特別な分子量以下の物質を除去する限外濾過により達成することができる。
限外濾過法の例は、米国特許第6,072,020号(Arcellaら、2000年6月6日)(参照により本明細書に組み込まれる)において開示されている。そのような方法によれば、機能化後、機能化が実施された溶媒中に依然として溶解しているポリマーは、0.05μm〜0.5μmの範囲の細孔を有する半透膜により濾過され、その後分子量限界が5〜500kDaの細孔を有する膜を用いて第2段階濾過が実施される。第2段階濾過は、エタノールまたはメタノールなどの第2の揮発溶媒のグラジエント下で実施される。第1の溶媒全てを第2の溶媒で置換するには、第1の溶媒の最初の体積に対し6体積の第2の溶媒が必要であるかもしれない。その後、非水性希釈剤を添加することができ、溶媒を減圧蒸発により除去すると、鋳造および硬化用の組成物が得られる。
本発明では、重合反応前、中、および/もしくは後、ならびに/または機能化反応後の所望の時間に反応媒質にデッドポリマーを添加してもよい。前述したように、デッドポリマーは所望の形態を生成するように都合よく使用してもよい。形態は、反応調合物の成分および組成、ならびに温度、圧力および混合条件などの処理条件に依存する。反応媒質の組成は反応の進行と共に変化する。このように、本発明の方法では、ポリマー前駆体混合物の所望の形態は、反応媒質にデッドポリマーを添加する時間を操作することにより得られることがある。これもまた本開示において示す他の利点である。
重合反応後、ポリマーを反応基で機能化するとプレポリマーが得られる。機能化の反応化学は、ポリマー骨格上の機能化可能な官能基の型に依存し、反応条件はそれに応じて選択される。例えば、無水メタクリル酸によるヒドロキシルの機能化反応は室温、触媒無しで自発的に進行する。
本発明の方法は、硫黄および/またはハロゲンを含む眼科用レンズ用の高屈折率ポリマーなどの熱感応性ポリマーを含む半固体前駆体混合物を製造するのに特に有益である。プレポリマーおよび反応性可塑剤をブレンドすることにより半固体前駆体混合物を得る場合、しばしば高温(例えば、250℃以上)で混合を実施しなければならず、その温度ではポリマーの分解が問題となる。本発明では、半固体前駆体混合物は中間温度、好ましくは150℃以下、より好ましくは100℃以下で得られる。
機能化または誘導体化反応を完了した後、典型的にはポリマー前駆体混合物に開始剤または重合触媒も添加すると、前駆体混合物を光や熱などの重合エネルギー源に曝露した際の硬化が容易になる。選択的に、他の添加剤を前駆体混合物中に含有させてもよく、例えば、離型剤、保存剤、顔料、フォトクロミック染料を含む染料、有機または無機繊維または粒状強化または増量フィラー、チキソトロープ剤、指示薬、阻害剤または安定化剤(耐候または耐黄変剤)、UV吸収剤、界面活性剤、流量補助剤(flow aid)、連鎖移動剤、起泡剤、多孔度調節剤などである。開始剤および他の選択的な添加剤は、デッドポリマーおよび/またはプレポリマーと合わせる前に反応性可塑剤および/または希釈剤成分中に溶解または分散させ、ポリマー成分中への完全な溶解およびポリマー成分との均一な混合を容易にしてもよい。
眼科用成形品の製造のために、本発明の新規方法においてポリマー前駆体混合物を使用することができるかどうかを決定する際の重大な基準は、前駆体混合物が、硬化すると光学的透明度が得られる十分な程度まで均質でなければならない;混合物は光、熱または他の形態の重合エネルギーまたは重合誘発機構が適用されると重合反応を受けることができる;および、半固体前駆体では、混合物は対象の成形品を製造するのに使用される製造方法の少なくとも一部において半固体コンシステンシーを示すということである。
本発明の半固体前駆体材料は、当技術分野において周知の、一般に実施されているいくつかの異なる成形技術により都合よく成形してもよい。例えば、成形材料を2つの鋳型の半分に入れ、その後これを閉じて内部空洞を規定すると、製造されるべき成形品形状が規定される静鋳造技術は眼科用レンズ製造分野では周知である。例えば、米国特許第4,113,224号、同第4,197,266号および同第4,347,198号を参照のこと。同様に、2つの鋳型の半分を再び1つにし(しかし、必ずしも互いに接触させる必要はない)、1つまたは複数の成形表面を規定する圧縮成形技術は熱可塑性物質成形の分野で周知である。射出成形は、本発明の本半固体前駆体材料と共に使用するために適合することができる他の技術であり、この場合、半固体材料は2つの温度制御された鋳型の半分により規定された空洞に急速に投入され、材料は選択的に鋳型中で硬化され、その後鋳型の半分から取り出され、必要であればその後成形およびまたは硬化工程が実施される(半固体が射出成形機中で硬化されておらず、または部分的にしか硬化されていない場合)。
鋳型中で硬化されない、または部分的にしか硬化されないそのような方法は、予備成形品が半固体コンシステンシーを維持する限り、予備成形品の製造に適している。予備成形品は、例えば、スラブ、ディスク、ボール、またはシートの形態をとってもよい。これらは後に静鋳造または圧縮成形法において使用され、硬化により対象の最終品が製造される。眼科用レンズの製造では、静鋳造、圧縮および射出成形は全て好ましい方法である。現在、非反応性熱可塑性材料(射出および圧縮成形)または液体状態の反応前駆体(静鋳造)のいずれかを用いることが当技術分野で普及しているためである。
以下の実施例は説明のために示したものであり、本発明の範囲を制限しようとするものではない。
実施例1
温度計、凝縮器、および窒素入口を備えた温度制御した250mLの4首フラスコに、平均分子量400のポリエチレングリコール(PEG400、Aldrich)を非反応性不揮発性希釈剤として10g、およびアセトンを揮発性溶媒として20g入れた。混合物を数分間撹拌し、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)10g、メタクリル酸(MAA)0.15g、および開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)12mgを添加した。その後、混合物を約15分間撹拌しながら、精製窒素をパージした。
溶液を60℃まで徐々に加熱し約2時間その温度で維持し、重合させた。重合後、透明な高粘性液体、半固体またはヒドロゲルを形成させた。混合物を室温まで冷却し、無水メタクリル酸(MA)0.21gを機能化剤として注入した。HEMAのヒドロキシルとMAとの間の反応は、室温で触媒の使用せずに、自発的に進行する。溶液を12時間撹拌し、機能化反応を実施させた。この反応で、反応性メタクリル基がポリマー骨格上に導入された。機能化反応が完了し、揮発性アセトンおよび残留不純物を蒸発または真空蒸留により除去すると、PEG400およびメタクリレート-機能化pHEMA-コ-MAAコポリマーを含むポリマー前駆体混合物が得られた。得られた材料は高粘度液体、半固体、またはヒドロゲルであった。
この実施例では、反応混合物中のアセトン濃度を10wt%〜80wt%まで変化させることができる。アセトン濃度が80wt%より高いと、pHEMA-コ-MAAコポリマーは重合中に沈澱した。アセトン濃度が10wt%より低いと、かなりのゲル化が起きた。HEMA中に不純物として少量の二官能性モノマーが存在することによるコポリマーの架橋によりゲル化が引き起こされる。前駆体混合物の特性は溶媒、溶媒濃度、反応時間、反応温度、および希釈剤濃度の選択を変動させると変えることができる。
機能化の程度は、機能化剤として反応混合物に添加するMAの量を調節することにより容易に変えることができる。HEMAおよびMAAの量を変えなくても、MAの量を調節することにより、上記手順に従い、機能性が0.3〜5%の様々なpHEMA-コ-MAAコポリマーも合成されている。適した置換剤を使用し、他の型の反応基(例えば、アクリレートおよびメタクリルアミド)を、pHEMA-コ-MAAコポリマーの骨格に導入してもよい。
実施例2
実施例1と同じ反応容器にPEG400 15gおよびアセトン18gを入れた。混合物を数分間撹拌した後、HEMA 15g、MAA 0.21g、およびAIBN 15mgを添加した。その後混合物に窒素をパージしながら、約15分間撹拌した。次に、溶液を60℃まで徐々に加熱し約3時間その温度で維持し、重合させた。重合中に反応媒質の粘度が増大するので、重合中に反応媒質にさらに溶媒を添加すると、反応の完了が確認され、コポリマーの架橋が減少し、好都合であるかもしれない。この実施例では、重合反応の開始から1時間後、アセトン10gを反応混合物にさらに添加し、重合の開始から2時間後、さらにアセトン10gを溶液に添加した。
重合後、反応混合物を室温まで冷却し、MA 0.32mLを添加した。溶液を12時間激しく撹拌し、機能化反応を実施させた。最後に、揮発性アセトンおよび残留不純物を真空蒸留により除去した。
実施例3
実施例1で記述した手順により、pHEMA-コ-MAAコポリマーを合成した。重合後、メタクリル酸グリシジル0.18gを機能化剤として反応混合物中に注入し、機能化反応を室温で24時間、激しく撹拌しながら実施した。その後、真空蒸留により揮発性溶媒および残留不純物を除去した。得られた前駆体混合物は、使用目的の前に必要とされる精製工程が最小に抑えられた生物医学製品および装置に適した透明な半固体であった。
実施例4
反応容器にPEG400 10gおよびアセトン20gを入れた。混合物を数分間撹拌した後、HEMA 10g、MAA 0.15g、およびAIBN 10mgを添加した。続いて、反応混合物に精製窒素をパージしながら、約15分間撹拌した。その後、溶液を60℃まで徐々に加熱し約2時間その温度で維持し、重合させた。重合後、高粘性液体、半固体またはヒドロゲルである透明な混合物が得られた。混合物を12時間撹拌し、コポリマー骨格にメタクリル反応基を導入することにより機能化反応を実施させた。機能化反応の完了後、IRGACURE184、DAROCUR1173またはIRGACURE1750などの光開始剤を総モノマー量に対し1wt%で溶液と混合した。最後に、揮発性アセトンおよび残留不純物を真空蒸留により除去した。
反応条件によって、得られる前駆体混合物は光開始剤を含む高粘性液体、半固体、またはヒドロゲルであった。この実施例で得られる前駆体混合物はさらに開始剤と混合することなく直ちに成形および硬化することができる。
実施例5
実施例1〜4で使用したものと同様の手順を用い、異なる溶媒を用いてpHEMAまたはpHEMA-コ-MAAを合成した。反応混合物の他の構成要素の成分および組成は変えなかった。アセトンの代わりに、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、またはこれら両方の組み合わせを揮発性溶媒として反応混合物に添加した。アセトンに比べMEKまたはTHFを使用する利点は、これらの溶媒がかなり高い沸点を有するので、より揮発性のアセトンでは達成できない約70℃の温度で重合を実施することができることである。しかしながら、MEKおよびTHFは依然として十分に揮発性であり、蒸発または真空蒸留により容易に除去できる。重合反応、特にフリーラジカル重合はより高温で急速に進行し、完了に近づく。この実施例で合成したpHEMAまたはpHEMA-コ-MAAについては、欠点は、これらのポリマーのMEKおよびTHF中での溶解度が、アセトン中よりも低いことである。コポリマーが沈澱しないように、MEKまたはTHF濃度は、反応混合物の総量に対し、50〜60%未満、好ましくは50%未満に維持すべきである。
実施例6
実施例1と同じ反応容器に、PEG400 10gおよびエタノール40gを入れた。混合物を数分間撹拌した後、HEMA 10g、MAA 0.15g、およびAIBN 10mgを添加した。続いて、混合物に精製窒素をパージしながら、約15分間撹拌した。その後、溶液を60℃まで徐々に加熱し2.5時間その温度で維持し重合させた。ここでは、合成されるコポリマーに対し、アセトンよりもエタノールが良好な溶媒であるので、溶媒としてエタノールを使用し、反応混合物中の溶媒量を増大させ、モノマー濃度を、溶媒としてアセトンを使用して達成できる最低モノマー濃度以下に減少させることができる。重合後、透明な粘性液体が得られた。
しかしながら、エタノールのヒドロキシ基は好ましくは、次の機能化工程で機能化剤として使用するMAと共に反応することがある。エタノールとMAの間の副反応を最小に抑えるために、エタノールを真空下で除去し、1つまたは複数の非水性溶媒、例えば、アセトン、THF、およびMEKを、pHEMA-コ-MAAコポリマーおよびPEG400を含む混合物に添加した。
0.32gのMAを溶液に添加することによりコポリマーを機能化した。混合物を室温で、12時間激しく撹拌した。機能化反応が完了した後、揮発性溶媒および残留不純物を真空蒸留により除去した。
得られた前駆体混合物は高粘性液体、半固体またはヒドロゲルである。実施例1〜4で合成したコポリマーに比べ、この実施例で合成したコポリマーは架橋が少ない。重合反応中に使用したモノマー濃度が低かったためである。
実施例7
実施例1と同じ反応容器に、PEG400 10gおよびアセトン20gを入れた。混合物を数分間撹拌した後、HEMA 8g、N-ビニル-2-ピロリドン1.5g、MAA 0.5g、およびAIBN 10mgを添加した。続いて、混合物に窒素をパージしながら、約15分間撹拌した。その後、溶液を60℃まで徐々に加熱し約3時間その温度で維持し、重合させた。重合後、混合物は透明で、半固体またはヒドロゲルが得られた。混合物を室温まで冷却し、MA 0.55gを注入した。その後、溶液を12時間撹拌し、反応性メタクリル基をコポリマーの骨格上に導入することにより、機能化反応を実施した。機能化反応の完了後、揮発性アセトンおよび残留不純物を真空蒸留により除去した。
得られた前駆体混合物は高粘性液体、半固体、またはヒドロゲルであった。この実施例で合成したプレポリマーはかなり程度の高い機能化を有し、そのため、前の実施例で合成したプレポリマーよりも多く硬化時に架橋する。
実施例8
この実施例はコンタクトレンズを製造する成形および硬化法を記述する。前駆体混合物は50wt%の0.75%機能化pHEMA-コ-MAAおよび50wt%のPEG400を含む。この前駆体混合物0.1gをまず、IRGACURE184(光開始剤) 0.002gと、2つのガラスプレート間で数分間、手で混合した。すでに光開始剤を含む前駆体混合物では、成形前に前駆体混合物を光開始剤と混合する必要はない。
得られた材料、約0.08gをその後、ポリスチレン製の2つのコンタクトレンズ鋳型間に入れた。アセンブリを50℃のプレス上に配置し、わずかに圧力をかけ、制御可能に鋳型を互いにその周囲で接触させた。2つの鋳型が一体となると過剰の材料が鋳型から排除され、溢れた量を、初めに鋳型に入れた材料の量対鋳型空洞体積により決定した。ポリスチレン製の鋳型では、鋳型を変形させることなく、約80℃までのより高い成形温度を使用することができる。
上記成形手順では、混合物を手作業により鋳型に移す時に、前駆体混合物に時としてトラップされる気泡が排除されることがわかった。しかしながら、鋳型を閉じる前に前駆体混合物から気泡を完全に除去することが望ましい。鋳型内の前駆体混合物から気泡を除去する1つのアプローチは、後方コンタクトレンズ鋳型内に材料を入れ、約10分間鋳型をわずかに減圧するものである。また、材料を後方鋳型に数時間〜1日入れたままにしてもよく、その間、前駆体混合物は徐々に沈下し、真空を適用しなくても前駆体混合物からしばしば自発的に気泡が出て行き、または多くの小さな気泡が合体して数個の大きな気泡となり、これらは単に鋳型を閉じることにより容易に排除される。これらの2つのアプローチは、トラップされた気泡を鋳型内の前駆体混合物から除去するのにかなり効果的である。しかしながら、後者のアプローチは、高粘性半固体前駆体混合物では効果的ではない。
鋳型を互いに押し付けると直ちに、D-、H-、またはV-バルブを用いて融合UV光源下、約20秒、眼科用成形品を硬化した。ある光開始剤では、電球の型は、光開始剤による最適光吸収が達成されるように選択される。硬化時間を短くすることが可能であり、20秒はこの特別な成形組成物および形態を硬化するのに必要とされる時間量に対する上限として機能する。鋳型アセンブリをUVランプから除去し、溢れた材料をレンズ鋳型の縁から取り除いた。室温まで冷却した後、レンズ鋳型を開き、その後、眼科用コンタクトレンズを得た。
本実施例の眼科用レンズは、約50〜60%の平衡水量を含む。この水量はコポリマー組成、硬化レンズの架橋密度を決定するコポリマーの機能性の程度に依存する。約0.5〜1%で機能化されたポリマーは、同様の水量を有する市販のコンタクトレンズ材料に対し見られるものと同様の機械モジュラス(mechanical modulus)を示し、破壊前に元の長さの2〜4倍伸びることができた。
この実施例で記述した成形および硬化手順は、本発明により得られるコンタクトレンズ用の任意の前駆体混合物に適用することができる一般手順である。
実施例9
実施例8で記述した方法とはわずかに異なる成形および硬化法では、可視光開始剤4,4'-アゾビス(4-シアノ吉草酸)を実施例1〜3の前駆体混合物と1wt%で混合した。前駆体混合物を含む眼科用鋳型を、実施例8で記述した手順に従い調製し、高密度照射源(Fiber-Lite Ringlight System、Dolan-Jenner)により20分間硬化した。より強力な可視光源を使用すると硬化時間を短くできる。
実施例10
実施例4の0.08gの前駆体混合物を一対のコンタクトレンズ鋳型に入れた。この前駆体混合物では開始剤との混合は必要ではなかった。光開始剤がすでに、前駆体混合物の調製中に混合物に溶解されているためである。レンズ鋳型を実施例8で記述した手順により閉じ、鋳型アセンブリを散乱UV光源(Black-Ray100AP、UVP、Inc.)により10分間硬化させた。硬化時間はより強力なUV光源を用いて短くすることができる。
硬化したレンズを鋳型から取り出し、緩衝生理食塩水中で水和させた。平衡水含量は54%であり、サンプルレンズは伸長させると約250%で壊れた。
実施例11
希釈剤の数および量は必要条件および所望の特性に従い選択してもよい。特に、希釈剤の数および量は、希釈剤と生理食塩水との間で等体積交換が達成されるように調節してもよい。最も簡単なアプローチは重合工程で所望の量の希釈剤を添加するものである。稀に、成形工程前に希釈剤を調節してもよい。
例えば、イソプロパノール0.1gおよびアルコキシル化グルコシド0.15gを実施例5により合成した材料0.167gと混合した。その後、混合物を後方コンタクトレンズ鋳型に入れ、5分間脱ガスした。続いて、鋳型アセンブリを軽く加圧し、20秒間UV硬化させた。
一般に、このようにして得られたコンタクトレンズは本質的にコンタクトレンズ鋳型と同じ形状および直径を有する。レンズを生理食塩水中に浸漬させた時の平衡水含量と同じ量の希釈剤を、成形材料が含むためである。その結果、希釈剤と水の淘汰移籍変換が達成される。
実施例12
PEG400 10mL、アセトン33mL、HEMA 10mLおよびMA 0.21mLを含む透明溶液を調製した。混合物に、ブルーHEMA 1.5mg、UVブロックN7966 50mgおよびAIBN 12mgを添加した。混合物を窒素パージ下、約15分間撹拌した。その後、温度を58℃に上昇させ、モノマーを90分間重合させた。重合後、透明な青みを帯びた濃縮ポリマー溶液または半固体が形成された。反応部位を導入するために、濃縮液またはゲルを室温まで冷却した後、無水メタクリル酸0.35mLを注入した。混合物を12時間撹拌し、誘導体化した。最後に、揮発性溶媒および残留不純物を真空蒸留により除去した。
得られた材料を使用して、コンタクトレンズ、眼内レンズおよび生物医学装置を作製した。
実施例13
高屈折率を有する眼科用レンズのために、高屈折率モノマーを含むプレポリマーから半固体前駆体混合物を得る。例えば、開始モノマー混合物は、クロロスチレン、高屈折率モノマー、および機能化可能なヒドロキシルを含む3-フェノキシ-2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを有する。モノマー混合物の他の例は、ブロモスチレン、高屈折率モノマー、および高屈折率を提供し機能化可能なヒドロキシルを有する3-(2,4-ジブロモ-3-メチルフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)クリレートを含む。
適した溶媒中での重合反応の完了後、無水メタクリル酸をポリマー溶液に添加し、機能化させると、メタクリレート反応基により機能化されたプレポリマーが得られる。次に、反応性可塑剤および光開始剤をプレポリマー溶液に添加する。反応性可塑剤の型および相対量は、光学的透明度を維持したまま、前駆体混合物および硬化品の所望の特性、例えは、半固体コンシステンシー、高衝撃強度、および高屈折率が得られるように選択される。その後、溶媒を除去し、UVにより急速硬化可能な高屈折率眼科用レンズのための半固体前駆体混合物を得る。
実施例14
眼科用レンズに適した半固体前駆体混合物はまた、良好な衝撃強度を示すデッドポリマーとしてスチレンリッチSBSブロックコポリマーを使用する相分離等屈折系から製造される。市販のスチレンリッチSBSブロックコポリマー、例えばクラトンポリーマーズビジネスのKRATON(登録商標)およびフィリップスケミカルカンパニーのK-RESIN(登録商標)の屈折率は約1.57である。SBSブロックコポリマーと不相溶のプレポリマーの例は、スチレン-メチルメタクリレート(SMMA)コポリマー、スチレン-アクリロニトリル(SAN)コポリマーおよびスチレン-無水マレイン酸(SMA)コポリマーの機能化バージョンであり、この場合、コポリマー組成はプレポリマーの屈折率が室温でSBSブロックコポリマーの屈折率と一致するように調節される。SMMAおよびSANコポリマーはまた、機能化可能な官能基を含むモノマーと共重合させることができる。SMAの無水物基はヒドロキシル基を含むものなど適した機能化剤で機能化することができる。
例えば、コポリマーは、適した溶媒に溶解したスチレン、メタクリル酸メチルおよび2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を含むモノマー混合物から合成する。重合はデッドポリマーとしてSBSブロックコポリマーの存在下で、実施してもよい。所望であれば、機能化完了後デッドポリマーをプレポリマー溶液と混合する。得られた形態は反応混合物にデッドポリマーを添加した時間に依存しうる。
HEMAのヒドロキシルは機能化剤として無水メタクリル酸を使用してメタクリレート反応基により機能化される。機能化が完了すると、反応性可塑剤および光開始剤を反応混合物に添加する。反応性可塑剤の型および相対量は、光学的透明度を失わずに所望の半固体コンシステンシーを達成するように選択される。SBSブロックコポリマーおよびSMMAコポリマーの混合物では、反応性可塑剤の例として、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)クリレートおよびベンジル(メタ)クリレートが挙げられる。
その後、混合物から溶媒を除去すると、相分離等屈折半固体前駆体混合物が得られる。SBSブロックコポリマーを含む系では、硬化品の衝撃強度は、硬化前に半固体前駆体混合物に対し圧縮成形を実施することによりさらに増大させることができる。このように、SBSブロックコポリマーを含む半固体前駆体混合物では、圧縮成形予備成形品が都合よく得られる。その後、かなり高い屈折率および良好な衝撃強度を有する眼科用レンズなどの対象の最終物体の製造に、これらの予備成形品を使用する。
実施例15
この実施例は、重合反応用の溶媒としてエタノールを使用する、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸、およびブルーHEMAのコポリマーの調製を示す。
温度計、凝縮器、窒素入口、および熱電対を備えた1000mLの4首フラスコに、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)53.65g、メタクリル酸(MAA)1.07g、ブルーHEMA 6mg、およびエタノール500mLを入れた。混合物に高純度窒素ガスをパージし、約15分間撹拌した。続いて、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.82gを添加し、溶液を撹拌しAIBNを溶解した。溶液を70℃まで加熱し、その温度を5時間維持することにより重合を実施した。
重合完了後、溶液を室温まで冷却させた。その後、溶液を漏斗に移し、撹拌したヘキサン3000mL中に徐々に滴下した。青みがかった固体コポリマーが沈澱し、これを濾過により収集し、その後真空オーブン内に24時間置き、乾燥固体を得た。乾燥固体の収率は90%であった。
実施例16
この実施例は、機能化反応のための溶媒としてピリジンを使用する、無水メタクリル酸による実施例15で調製したコポリマーの機能化を示す。
不活性雰囲気下で、撹拌棒および隔壁を備えた250mLの丸底フラスコに、実施例15により合成したポリ(HEMA-コ-MAA)5.29gを入れた。無水ピリジン(50mL)を添加し、混合物を撹拌し、ポリマーを完全に溶解した。その後、無水メタクリル酸(94mg)を添加し、得られた混合物を周囲温度で一晩中撹拌した。無水メタクリル酸により機能化された、最終ポリ(HEMA-コ-MAA)溶液をその後、激しく撹拌させたヘキサン450mLを含むビーカーに徐々に注ぎ入れると、粘着性の粘性油として機能化コポリマーが沈澱した。そのように得られた生成物をエタノール100mL中で撹拌することにより再溶解し、激しく撹拌したヘキサン550mLに徐々に添加することによりよく分散された固体として再沈澱させた。2追加部のヘキサンで固体のデカンテーションおよび洗浄を実施し、その後真空で乾燥させると、自由に流れる(free-flowing)淡青色粉末4.57gが得られた。
実施例17
この実施例は、実施例16で調製した機能化コポリマーをさらに処理し鋳型内で架橋させるためのコポリマーを調製することを示し、メタノールを使用してコポリマーの溶解およびコポリマーの鋳型への移動を容易にすることを示す。
実施例16で調製した機能化コポリマー(0.6g)をPEG400(0.9g)およびIRGACURE184(0.0006g)とメタノール(2g)溶液中で合わせた。約0.2gの溶液を前方鋳型の半分に入れ、その後、この半分の鋳型を真空オーブン内に置き、メタノールを除去した。最終成形および硬化に直ちに使用できる粘性または半固体組成物が得られた。
前の記載は主に説明目的のために示したものである。本発明の範囲内にある他の変更および置き換えは当業者には容易に明らかになると思われる。

Claims (73)

  1. (a)(i)架橋可能な非水溶性で、架橋反応により架橋され水で飽和されると、予め決められた体積部の水を含むヒドロゲルを形成するポリマーと、
    (ii)架橋反応に対し不活性で、ヒドロゲル中の予め決められた体積部と実質的に等しい体積部の非水性希釈剤と
    を含む組成物を、架橋可能な非水溶性ポリマーを架橋させることにより組成物を非水性ゲルに変換させる条件下で、鋳型中で鋳造する工程;および
    (b)非水性ゲル中の非水性希釈剤を水性液で置換し、ヒドロゲルを形成する工程
    を含む成形ヒドロゲル製造法。
  2. 組成物が半固体である、請求項1記載の方法。
  3. 組成物が粘性液である、請求項1記載の方法。
  4. 水性液が生理食塩水である、請求項1記載の方法。
  5. (A)非水溶性前駆体ポリマーに機能化剤をカップリングさせることにより架橋可能な非水溶性ポリマーを形成する工程であって、機能化剤は、そのようにカップリングさせると架橋反応を受けることができる薬剤として規定される工程を、さらに含む請求項1記載の方法。
  6. 工程(A)が、非水性希釈剤中の非水溶性前駆体ポリマーに機能化剤をカップリングさせ、組成物を形成する工程を含む、請求項5記載の方法。
  7. 工程(A)が、(A.1)機能化剤を非水溶性前駆体ポリマーにカップリングさせ、架橋可能な非水溶性ポリマーを形成させる工程と、(A.2)カップリング後、架橋可能な非水溶性ポリマーを非水性希釈剤と合わせ、組成物を形成する工程とを含む、請求項5記載の方法。
  8. 組成物が、デッドポリマーをさらに含む、請求項1記載の方法。
  9. 組成物がデッドポリマーをさらに含み、工程(A)が、(A.1)機能化剤を非水溶性前駆体ポリマーにカップリングさせ、架橋可能な非水溶性ポリマーを形成させる工程と、(A.2)カップリング後、架橋可能な非水溶性ポリマーを非水性希釈剤およびデッドポリマーと合わせ、組成物を形成する工程とを含む、請求項5記載の方法。
  10. 組成物が、反応性可塑剤をさらに含む、請求項1記載の方法。
  11. 半固体組成物が、反応性可塑剤をさらに含み、工程(A)が、(A.1)機能化剤を非水溶性前駆体ポリマーにカップリングさせ、架橋可能な非水溶性ポリマーを形成させる工程と、(A.2)カップリング後、架橋可能な非水溶性ポリマーを非水性希釈剤および反応性可塑剤と合わせ、組成物を形成する工程とを含む、請求項5記載の方法。
  12. 組成物が、デッドポリマーおよび反応性可塑剤をさらに含む、請求項1記載の方法。
  13. 組成物が、デッドポリマーおよび反応性可塑剤をさらに含み、工程(i)が、(i.1)機能化剤を非水溶性前駆体ポリマーにカップリングさせ、架橋可能な非水溶性ポリマーを形成させる工程と、(i.2)カップリング後、架橋可能な非水溶性ポリマーを非水性希釈剤、デッドポリマーおよび反応性可塑剤と合わせ、組成物を形成する工程とを含む、請求項5記載の方法。
  14. 非水溶性前駆体ポリマーが、機能化剤にカップリング可能な複数の部位を含み、工程(i)が、機能化剤をその部位の約0.2%〜約5%にカップリングさせる工程を含む、請求項5記載の方法。
  15. 部位が、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシレート、チオール、ジスルフィド、無水物、ウレタン、およびエポキシド基からなる群より選択される反応基から構成される、請求項14記載の方法。
  16. 反応基がヒドロキシル基である、請求項15記載の方法。
  17. 機能化剤が、エポキシド、オキシラン、カルボニルジイミダゾール、過ヨウ素酸塩、酸ハロゲン化物、ハロゲン化アルキル、イソシアネート、ハロヒドリン、および無水物からからなる群より選択されるメンバーである、請求項16記載の方法。
  18. 機能化剤が無水物である、請求項17記載の方法
  19. 非水溶性前駆体ポリマーが、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、およびヒドロキシプロピルメタクリレートからなる群より選択されるモノマーのポリマーである、請求項5記載の方法。
  20. 非水溶性前駆体ポリマーが、ヒドロキシエチルメタクリレートを含むモノマーのポリマーである、請求項5記載の方法。
  21. 非水溶性前駆体ポリマーが、ヒドロキシエチルメタクリレート、ブルーヒドロキシエチルメタクリレート、およびメタクリル酸のコポリマーである、請求項5記載の方法。
  22. 架橋可能な非水溶性ポリマーが、(1)ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、およびヒドロキシプロピルメタクリレートからなる群より選択されるモノマーのポリマー、および(2)無水メタクリル酸の生成物である、請求項1記載の方法。
  23. 架橋可能な非水溶性ポリマーが、(1)ヒドロキシエチルメタクリレートを含むモノマーのポリマー、および(2)無水メタクリル酸の反応生成物である、請求項1記載の方法。
  24. 部位がチオール基であり、機能化剤が、ハロアセチル、酸ハロゲン化物、ハロゲン化アルキル、マレイミド、アジリジン、アクリル化剤、ピリジルジスルフィド、ジスルフィド還元剤、および5-チオ-2-ニトロ安息香酸からなる群より選択されるメンバーである、請求項15記載の方法。
  25. 架橋可能な非水溶性ポリマーが、
    (1)3-(2,4,6-トリブロモ-3-メチルフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート、3-(2,4-ジブロモ-3-メチルフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート、3-(3-メチル-5-ブロモフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート、2-(4-ヒドロキシエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)-2-(4-アクリルオキシエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2-(4-ヒドロキシエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)-2-(4-アクリルオキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、および2-(4-ヒドロキシジエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)-2-(4-メタクリルオキシジエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパンからなる群より選択されるモノマーのポリマーと、
    (2)エポキシド、オキシラン、カルボニルジイミダゾール、過ヨウ素酸塩、酸ハロゲン化物、ハロゲン化アルキル、イソシアネート、ハロヒドリン、および無水物からなる群より選択される機能化剤
    との間の反応生成物である、請求項1記載の方法。
  26. 架橋可能な非水溶性ポリマーが、
    (1)ヒドロキシエチルメタクリレートと、メタクリル酸、アクリル酸、N-ビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミド、およびビニルアルコールからなる群より選択されるメンバーとのコポリマーと、
    (2)コポリマーにカップリングさせると、架橋反応を受けることができる機能化剤
    との間のカップリング反応生成物である、請求項1記載の方法。
  27. 架橋可能な非水溶性ポリマーが、
    (1)ヒドロキシエチルメタクリレートおよびメタクリル酸のコポリマーと、
    (2)無水メタクリル酸
    との間のカップリング反応生成物である、請求項1記載の方法。
  28. 非水性希釈剤が、ポリエチレングリコールならびにポリエチレングリコールのモノメトキシ、ジメトキシ、モノエトキシ、およびジエトキシエーテル;ポリプロピレングリコールならびにポリプロピレングリコールのモノメトキシ、ジメトキシ、モノエトキシ、およびジエトキシエーテル;ポリブチレングリコールならびにポリブチレングリコールのモノメトキシ、ジメトキシ、モノエトキシ、およびジエトキシエーテル;ポリグリセロールならびにポリグリセロールのモノメトキシ、ジメトキシ、モノエトキシ、およびジエトキシエーテル;ならびにアルキル化グルコシドからなる群より選択されるメンバーである、請求項1記載の方法。
  29. 非水性希釈剤が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロール、およびアルキル化グルコシドからなる群より選択されるメンバーである、請求項1記載の方法。
  30. 非水性希釈剤がポリエチレングリコールである、請求項1記載の方法。
  31. (a)モノマーの重合をもたらし、非水溶性ポリマーを形成する工程であって、そのポリマーは架橋され水で飽和されると、予め決められた体積部の水を含むヒドロゲルを形成し、モノマーは、そのモノマーの重合後、機能化剤にカップリングすることができる反応基を有し、機能化剤は反応基にカップリングすると架橋反応を受けることができる薬剤として規定される工程;
    (b)非水溶性ポリマーを上記のように規定した機能化剤と接触させ、非水溶性ポリマーを架橋可能な非水溶性ポリマーに変換する工程;
    (c)(i)架橋可能な非水溶性ポリマーと、
    (ii)架橋反応に対し不活性で、ヒドロゲル中の水の体積部と実質的に等しい体積部の非水性希釈剤と
    を含む組成物を、架橋反応を引き起こし、組成物を非水性ゲルに変換する条件下、鋳型中で鋳造する工程;および
    (d)非水性希釈剤を水性液と置換し、非水性ゲルをヒドロゲルに変換する工程
    を含む、成形ヒドロゲル品の製造方法。
  32. 水性液が生理食塩水である、請求項31記載の方法。
  33. 工程(b)が、液体プレポリマー混合物を、反応基の約0.2%〜約5%に機能化剤をカップリングさせるように選択したある一定量の機能化剤と接触させる工程を含む、請求項31記載の方法。
  34. 反応基が、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシレート、チオール、ジスルフィド、無水物、ウレタン、およびエポキシド基からなる群より選択されるメンバーである、請求項31記載の方法。
  35. 反応基がヒドロキシル基である、請求項31記載の方法。
  36. モノマーが、重合により、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリエチレングリコール、セルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリ(酢酸ビニル-コ-ビニルアルコール)、ポリエチレン-コ-ビニルアルコール、およびポリビスフェノールAからなる群より選択されるメンバーとなるモノマーまたはモノマー混合物である、請求項31記載の方法。
  37. モノマーが、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、およびヒドロキシプロピルメタクリレートからなる群より選択されるメンバーである、請求項31記載の方法。
  38. モノマーがヒドロキシエチルメタクリレートである、請求項31記載の方法。
  39. モノマーが、ヒドロキシエチルメタクリレート、ブルーヒドロキシエチルメタクリレート、およびメタクリル酸の混合物である、請求項31記載の方法。
  40. 反応基がヒドロキシル基であり、機能化剤が、エポキシド、オキシラン、カルボニルジイミダゾール、過ヨウ素酸塩、酸ハロゲン化物、ハロゲン化アルキル、イソシアネート、ハロヒドリン、および無水物からなる群より選択されるメンバーである、請求項31記載の方法。
  41. 反応基がヒドロキシル基であり、機能化剤が無水物である、請求項31記載の方法。
  42. モノマーが、ヒドロキシエチルメタクリレート、および機能化剤が無水メタクリル酸である、請求項31記載の方法。
  43. 反応基がチオール基であり、機能化剤が、ハロアセチル、酸ハロゲン化物、ハロゲン化アルキル、マレイミド、アジリジン、アクリロイルサクリル化剤、ピリジルジスルフィド、ジスルフィド還元剤、および5-チオ-2-ニトロ安息香酸からなる群より選択されるメンバーである、請求項31記載の方法。
  44. モノマーが、3-(2,4,6-トリブロモ-3-メチルフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート、3-(2,4-ジブロモ-3-メチルフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート、3-(3-メチル-5-ブロモフェノキシ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート、2-(4-ヒドロキシエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)-2-(4-アクリルオキシエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2-(4-ヒドロキシエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)-2-(4-アクリルオキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、および2-(4-ヒドロキシジエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)-2-(4-メタクリルオキシジエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパンからなる群より選択されるモノマーであり、機能化剤が、エポキシド、オキシラン、カルボニルジイミダゾール、過ヨウ素酸塩、酸ハロゲン化物、ハロゲン化アルキル、イソシアネート、ハロヒドリン、および無水物からなる群より選択されるメンバーである、請求項31記載の方法。
  45. モノマーがヒドロキシエチルメタクリレートであり、工程(a)が、メタクリル酸、アクリル酸、N-ビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミド、およびビニルアルコールからなる群より選択されるコモノマーの存在下で実施され、非水溶性前駆体ポリマーがコポリマーである、請求項31記載の方法。
  46. コポリマーがメタクリル酸である、請求項45記載の方法。
  47. モノマーが、ヒドロキシエチルメタクリレートであり、工程(a)がブルーヒドロキシエチルメタクリレートおよびメタクリル酸のコモノマーの存在下で実施される、請求項31記載の方法。
  48. 非水性希釈剤が、ポリエチレングリコールならびにポリエチレングリコールのモノメトキシ、ジメトキシ、モノエトキシ、およびジエトキシエーテル;ポリプロピレングリコールならびにポリプロピレングリコールのモノメトキシ、ジメトキシ、モノエトキシ、およびジエトキシエーテル;ポリブチレングリコールならびにポリブチレングリコールのモノメトキシ、ジメトキシ、モノエトキシ、およびジエトキシエーテル;ポリグリセロールならびにポリグリセロールのモノメトキシ、ジメトキシ、モノエトキシ、およびジエトキシエーテル;ならびにアルキル化グルコシドからなる群より選択されるメンバーである、請求項31記載の方法。
  49. 非水性希釈剤が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロール、およびアルキル化グルコシドからなる群より選択されるメンバーである、請求項31記載の方法。
  50. 非水性希釈剤がポリエチレングリコールである、請求項31記載の方法。
  51. 工程(a)が、熱重合開始剤の存在下、モノマーを高温に曝露する工程を含む、請求項31記載の方法。
  52. 熱重合開始剤が、過酸化ラウリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル、t-ブチルヒドロペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、過硫酸カリウム、および過硫酸アンモニウムからなる群より選択されるメンバーである、請求項51記載の方法。
  53. 工程(c)が、光開始剤の存在下、組成物を光に曝露する工程を含む、請求項31記載の方法。
  54. 光開始剤が、ベンゾインメチルエーテル、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、4,4'-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、およびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシドからなる群より選択されるメンバーである、請求項53記載の方法。
  55. 非水溶性前駆体ポリマーが、約10,000〜約1,000,000の分子量を有する、請求項31記載の方法。
  56. 非水溶性前駆体ポリマーが、約10,000〜約300,000の分子量を有する、請求項31記載の方法。
  57. 非水溶性前駆体ポリマーが、約50,000〜約150,000の分子量を有する、請求項31記載の方法。
  58. 硬化して非水性ゲルとなることが可能で、半固体を形成する非水性希釈剤に溶解された架橋可能な非水溶性ポリマーを含む組成物であって、架橋可能なポリマーが、架橋反応において架橋可能なポリマーを架橋させることができる官能基を有し、非水性希釈剤が架橋反応に不活性である、組成物。
  59. 架橋可能なポリマーが、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリエチレングリコール、セルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリ(酢酸ビニル-コ-ビニルアルコール)、ポリエチレン-コ-ビニルアルコール、およびポリビスフェノールAからなる群より選択されるヒドロキシル-置換前駆体ポリマーと、エポキシド、オキシラン、カルボニルジイミダゾール、過ヨウ素酸塩、酸ハロゲン化物、ハロゲン化アルキル、イソシアネート、ハロヒドリンおよび無水物からなる群より選択されるメンバーとの反応により得られるポリマーである、請求項58記載の組成物。
  60. 架橋可能なポリマーが、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート)、およびポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)からなる群より選択されるヒドロキシル-置換前駆体ポリマーと、無水物との反応により得られるポリマーである、請求項58記載の組成物。
  61. 架橋可能なポリマーが、無水メタクリル酸との反応により機能化されたヒドロキシエチルメタクリレートを含むモノマーのポリマーである、請求項58記載の組成物。
  62. 架橋可能なポリマーが、無水メタクリル酸との反応により機能化されたヒドロキシエチルメタクリレートおよびメタクリル酸を含むモノマーのコポリマーである、請求項58記載の組成物。
  63. 架橋可能なポリマーが、無水メタクリル酸との反応により機能化されたヒドロキシエチルメタクリレート、ブルーヒドロキシエチルメタクリレート、およびメタクリル酸のコポリマーである、請求項58記載の組成物。
  64. デッドポリマーをさらに含む、請求項58記載の組成物。
  65. 反応性可塑剤をさらに含む、請求項58記載の組成物。
  66. デッドポリマーおよび反応性可塑剤をさらに含む、請求項58記載の組成物。
  67. ポリマーのヒドロキシ基の約0.2%〜約5%が官能基にカップリングされる、請求項61記載の組成物。
  68. 架橋可能なポリマーが、約10,000〜約1,000,000の分子量を有する、請求項58記載の組成物。
  69. 架橋可能なポリマーが、約10,000〜約300,000の分子量を有する、請求項58記載の組成物。
  70. 架橋可能なポリマーが、約50,000〜約150,000の分子量を有する、請求項58記載の組成物。
  71. 非水性希釈剤が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロール、およびアルキル化グリコシドからなる群より選択されるメンバーである、請求項58記載の組成物。
  72. 架橋可能なポリマーが、ヒドロキシル基の約0.2〜約5%が無水メタクリル酸により機能化された、ヒドロキシメチルメタクリレートおよびメタクリル酸を含むモノマーのコポリマーである、請求項58記載の組成物。
  73. 架橋可能なポリマーが、ヒドロキシル基の約0.2〜約5%が無水メタクリル酸により機能化され、分子量が約50,000〜約150,000である、ヒドロキシメチルメタクリレートおよびメタクリル酸を含むモノマーのコポリマーである、請求項58記載の組成物。
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