JP2005517043A - キトサンヒドロゲルを含有する皮膚修復用組成物 - Google Patents

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Abstract

慢性または急性創傷タイプ皮膚損傷修復・治癒用組成物は、もっぱら、アセチル化度が多くとも40%、好ましくは2〜6%であるキトサンのヒドロゲルから構成される。それは、場合によりとりわけセルロースからなる支持シートと一体化した1〜10mmの薄厚の板状体の形態あるいは小寸の粒子の形態あるいは粉砕物から調製されたペーストの形態を呈する手当用品とすることができる。最後者の場合、キトサンヒドロゲルを調製し、これを水中で粉砕し、水を部分的に除去して、ペーストを取得する。

Description

本発明は、慢性創傷または急性創傷タイプの皮膚損傷の修復・治癒を目的とした組成物ならびに手当用品(傷当て)に関するものである。より詳しくは、それは、キトサンの物理的真正ヒドロゲルを含有する組成物または手当用品に関するものである。
前記の慢性創傷および急性創傷タイプの皮膚損傷は、同時に表皮および真皮に達する深い損傷である。このタイプの損傷には、痂皮、静脈性または動脈性潰瘍および外傷ならびに熱傷および急性放射性皮膚炎が属するとされる。ここでは、壊死性皮膚脈管炎、表皮水疱症、移植などの皮膚創傷を生じさせる他の皮膚疾患を挙げることができる。
かかる損傷には、手当用品を適用する。その第一の機能は外部環境からの保護であるが、それは、二次機能として、瘢痕形成・治癒の過程を改善する機能をも有しうる。
キチンは、セルロースとともに、自然界にもっとも広く存在する生体高分子である。それは、ある種の動物の骨格から、たとえばある種の甲殻類、たとえばロブスター・オマール、カニまたは小エビの外骨格あるいはイカ類の内骨格から抽出することができる。キチンおよびキトサンは、2種類の同様の単量体単位、N−アセチル−D−グルコサミンおよびD−グルコサミンにより構成されている。キチンは、60%を超える大きい割合でN−アセチル−D−グルコサミン単量体単位を含有する。これに対し、キトサンが含有するN−アセチル−D−グルコサミン単量体単位の割合は60%未満である。キトサンは、とりわけ、キチンの完全または部分脱アセチル化によって得られる。
キチンおよびキトサンは、瘢痕形成・治癒過程の促進、生体適合性、また生分解性および生体吸収性などの生物活性を有し、そのため、これらの重合体が医療領域において大量に利用されるに至っている。とりわけ慢性創傷に関しては、文献FR2,736,835において、キチンまたはアセチル化度が少なくとも60%のアセチルキトサンのゲルからなる手当用品が既に提案されている。このゲルは、上記したキチンの定義に従えばキチンゲルに相当する。
物理的ゲルとは、可逆性(非共有)結合によって互いに結合された重合体鎖の三次元網状構造体である。この定義は、極めて粘性の溶液を誤ってゲルと呼ぶ定義とは異なる。重合体および90%以上の水からなる混合物の場合には、ヒドロゲルと呼ぶ。たとえば文献FR2,736,835においては、当該手当用品は、水とキチンとの混合物からなる三次元網状構造体の形態を呈しており、該網状構造は、採用した操作条件に応じて定まる。この文献によれば、該手当用品を損傷部に適用するとき、細胞増殖が起こり、これがゲル内へ、より正確には、キチンの三次元網状構造体によって自由なものとされたスペースの中へと、広がる。さらに、損傷部と接している手当用品部分においては、リゾチームなどの加水分解系が存在するために、キチンの加水分解による三次元構造の徐々の分解が起こる。それゆえ、細胞が増殖するにつれて、三次元網状構造体の生分解および生体吸収によって該手当用品が徐々に消費され、このことが、前記文献によれば、真皮の復元に導き、表皮を作り直し、完全な上皮化に至らせる。
しかし、本出願人によれば、文献FR2,736,835によって提案された手当用品によっては、この成果が十分には達成されないと認められる。
本出願人が設定した目的は、損傷部を外部環境から保護するだけでなく、完全な治癒に至るまでの真皮および表皮の細胞再構成を最適条件下で可能ならしめる組成物ならびに該組成物を含む手当用品を提案することである。
この目的は、文献FR2,736,835によって既知の方法によりヒドロゲルから構成された慢性または急性創傷タイプの皮膚損傷部の修復および治癒のための組成物によって完全に達成される。本発明が特徴とするところは、それが、アセチル化度が多くとも40%である脱アセチルされたキトサンのヒドロゲルであることである。
N−アセチル−D−グルコサミン単量体単位の割合が多いほど、キトサンはより生分解性で、より生体吸収性のものとなる。従って、文献FR2,736,835が追求しているところとは逆に、本発明の組成物および手当用品は、きわめてゆっくりした生分解性および生体吸収性をもつ。
前記キトサンヒドロゲルのアセチル化度は約30%またはそれ未満であることが好ましい。実際に、キトサンのアセチル化度がやはり低いある閾値に達すると、加水分解系の活性が急激に低下することが確認されている。リゾチームまたはN−アセチル−β−d−グルコサミニダーゼタイプの加水分解系は、その単量体単位が主としてN−アセチル−D−グルコサミンであるキチンの天然構造を完全に認識することが知られている。これに対し、これらの加水分解系は、もっぱらD−グルコサミン単量体単位を含む生体高分子を認識しない。従って、キトサンが脱アセチルされるほど、それの生分解性および生体吸収性が低下する。
より好ましい一変形においては、キトサンのアセチル化度が2〜6%である。
さらに、文献FR2,736,835において想定されているところとは逆に、細胞増殖は本発明のヒドロゲル中に浸透しない。強度に脱アセチルされたキトサンの三次元網状構造は、その中へ細胞を浸透させないような立体障害を示す。実際、このタイプのヒドロゲルの表面細孔の大きさは、0.1〜5μmの間であり、細胞の大きさよりもずっと小さい。
その代りに、本出願人は、この細胞増殖が、損傷部とヒドロゲルとの界面で起こり、この細胞増殖が最適条件下で行われることを確認した。この界面はとりわけ複雑で、それは、瘢痕形成期間中に段階を追って変化する。しかし、この界面は、多くの要素、とりわけフィブリン、フィブリノーゲンなどの血液生産物、ビルブラント因子ならびにフィブロネクチンなどの活性化された血小板によって遊離された生成物、成長因子類PDGF、bFGF、TGFαおよびTGFβによって構成されているものと推測することができる。この界面は、また、炎症期の間に、好中多核球、単球およびこれらの循環細胞によって遊離されるTNFα、TGFβ、VEGFなどの因子を捕捉することによって、重要な役割を果すことができるであろう。さらに、この界面が、血管新生を含む肉芽組織形成期の間にも重要な役割を果すと考えることができる。ここでは、同様の成長因子類(EGF、TNFα、TGFβおよびPDGF)が関与するからである。最後に、この界面が、上皮形成に相当する最後の段階でその瘢痕形成・治癒における「オーケストラの指揮者」の役割を続け、かくして、EGFファミリーの成長因子類を固定することによって上皮細胞の移動を助長すると、推測することができる。
この細胞増殖時に、強度に脱アセチルされたキトサンに特異的な抗体の合成が行われ、弱い炎症反応を惹起すると推測することもできる。このことが、瘢痕形成に対して好ましく影響することはきわめて明らかである。瘢痕形成・治癒過程におけるこの炎症期の制御・調節が、瘢痕ケロイドや肥厚性瘢痕へと導く可能性のある線維芽細胞の無秩序な増殖が起こらないゆえに、美的外観のきわめて良好な瘢痕へと導く。
逆に、三次元網状構造への浸透および定着によって細胞増殖が行われる場合には、この構造は、形成された新生組織の配向およびその血管新生を妨害し、その結果、美的面で欠陥をもたらす。
文献EP.0,296,078において、アセチル化度が10〜40%のキトサンを医用材料の領域で使用することは、確かに既知である。しかし、この場合には、キトサンを、コラーゲンおよびグリコサミノグリカンと強制的に併用している。該組合せの3つの成分が、互いに相互作用するイオン化されうる基を含んでいるために、この組合せが、凝集力の強いイオン性網状構造の形成に導くのである。たとえば、グリコサミノグリカンとしてコンドロイチン4および6−硫酸を用いる場合には、コラーゲンのカルボキシル基およびアミノ基がそれぞれキトサンのアミン官能ならびにコンドロイチン4および6−硫酸の硫酸基およびカルボキシル基に結合する。さらに、コンドロイチン4および6−硫酸の酸性基および硫酸基は、キトサンのアミン官能にイオン結合することができる。
ヒドロゲルに相当するものではなく、スポンジタイプの凍結乾燥製品に相当する文献EP296,078の医用材料は、前記イオン性網状構造内にキトサンおよびグリコサミノグリカンが存在するために酵素分解速度を50%まで減じられているとはいえ、とりわけコラゲナーゼによって、完全に生分解性である。
本発明によれば、皮膚損傷部の修復・治癒のための組成物は、該損傷部と絶えず接触させておかなければならない。それゆえ、通常行われるように、広い意味で瘢痕形成に積極的に関与している細胞生産物のすべてが失われることとなる手当用品の取替えを行うことはしない。実際、細胞増殖は損傷部と本発明の組成物との界面で行われるから、該組成物の撤去は、強度に脱アセチルされたキトサンのヒドロゲルがもたらす好ましい作用を局所的に損なうおそれがある。
本発明の組成物から形成される手当用品は、1〜10mmという薄い厚みをもつ板状体の形態を呈していることが好ましい。その場合、この板状体は、透明であるか、少なくとも半透明であり、これによって、創傷の推移を、少なくとも処置の初期に、場合により滲出液のある種の成分によって目視診断が妨害されることがありうるがそれまでは、目視診断することが可能となる。
上皮化が終了しないかぎり、本発明の手当用品を形成している板状体は創傷に軽度に付着していることが認められている。その反面、瘢痕形成が終了すると、この付着性がなくなり、これにより、処置終了時の該手当用品のとくに容易な除去が可能になる。
さらに、強度に脱アセチルされたキトサンのヒドロゲルによって誘発された細胞再構成は、コラーゲン線維についても、血管新生のためにも、申し分なく配向された新生組織を与える。この新生組織は、過剰な癒着盛上りのない優れた外観をもつ。本発明の組成物を用いることにより、瘢痕形成が損傷部の縁のみで行われることはないこと、さらに、該組成物が痂皮の形成を回避することが指摘される。本出願人は、この細胞再構成が、強度に脱アセチルされたキトサンのヒドロゲルによって成長因子類が捕捉されるために、まったく傑出したものとなると、推測している。とくに、第2度の深い体表熱傷の場合、本発明の組成物を適用すると、毛包の基底にある基底細胞からの細胞増殖が容易になる。
板状体形態で本発明の組成物を提供するのは、表面接触を実現するためである。板状体は、とりわけ、損傷があまり深くなく、広く手の届くくぼみ様の外観を示している場合に適している。
取付け時には、医師・医療補助者が前記板状体を取り扱う。それゆえ、この取扱いの際にそれが変形しないとか、破損するのを避けるために、それが適切な機械的強度を呈することが望ましい。
もっぱらアセチル化度が多くとも40%であるキトサンのヒドロゲルによって形成された板状物に関しては、そのモル質量が少なくとも400,000g/モルであることが好ましい。ゲルの機械的強度は、とりわけこのモル質量に依存し、この閾値から、1〜10mmの板状体が取扱うのに十分な腰の強さを有していると考えられる。モル質量の値は、光散乱法によって測定し、今日では誤った結果を与えると考えられている粘度測定にはよらない。
より正確に言えば、重合体の重量平均モル質量(Mw)は、ドーン(Dawn)DSP−EOS分光計(ワイアット(Wyatt)社)を用い、18の異なる角度で光の散乱を測定した結果に基づいて求める。その場合、レイリー・デバイの方程式から計算した値を用い、ジム(Zimm)の線図の外挿によって平均モル質量に換算する。この方法には、先行実験に用いた溶媒中での重合体の屈折率の増分(dn/dc)を知ることが必要である。このパラメータは、光散乱装置と同じ波長で動作する干渉計を用いて測定する。
修復効果および瘢痕形成・治癒効果はゲルと損傷部との間の界面で生じるので、理論的には、経済的問題のためのみであろうが、板状体の厚みを減じることが可能であるが、取扱いが困難になり、より壊れやすくなるであろう。この不都合を解消するために、たとえば1〜3mmという減少させた厚みの上記のごときキトサンヒドロゲルの板状体の形態を呈し、それが好ましくはセルロース、とりわけ紙をベースとしたシートに支持されている手当用品を提案する。この場合、該手当用品の機械的強度は、主として該支持シートによって与えられ、その支持シートはさらに、手当用品に張力が加わった場合の板状体の変形を回避させる。支持シートがセルロースを主成分としていることによって、アレルゲン性現象がすべて回避される。セルロースは、生物学的観点からいかなる不都合をも示さない天然重合体である。
支持シートは、場合によってはそれを四肢のまわりに巻きつけることを可能ならしめる程度に、該板状体の寸法よりも大きい寸法をもっていることが好ましい。この巻きつけ可能な場合には、前記支持シートが、前記板状体の外側領域において、四肢のいずれかに巻きつけたのちにそれの位置を維持できるようにする固定手段を備えていてもよく、該固定手段はとりわけ粘着性または自己把持性のものであってよい。
前記板状体と支持シートとの集合体は、ゲル形成時に、前記支持シートをキトサン溶液に浸漬することによって作成する。支持体の両面でのゲルの部分的または全面的拡散をともなう表面浸漬であってよい。
紙はもちろん親水性であるから、前記浸漬の際に、それはキトサン溶液の水を吸収し、このために、少なくとも局所的に、キトサンヒドロゲルが濃縮させられる傾向がある。これは、該浸漬時に紙を湿潤させることにより、または支持シートとして硫酸紙あるいは疎水性材料または疎水性化した材料からなるシートを選択することによって、回避できる。硫酸紙の場合には、その細孔がふさがれており、かつある程度の親水性は保持しているので、創傷への水分補給をもっともよく制御・調節することができる。
支持シート付きまたはなしでの板状体形態での提供だけが本発明であるわけではない。強度に脱アセチルされたキトサンのヒドロゲルは、多少とも小寸の粒子形態、たとえばあらかじめ形成した板状体の粉砕によって得られた粒子形態を呈することができる。
とりわけ有利な一提供形態では、これらの粒子が、適当な容器、たとえばチューブまたは注射器に充填されたペーストの形態を呈する。
かかるペーストを得るためには、キトサンヒドロゲル板状体(上述のごとき)を水中で粉砕し、つぎに、該ペーストが得られるまで、遠心分離によって水を部分的に除去する。
前記のペーストはくぼみの中へ導入して、瘢痕形成・治癒までそこに滞留させることができる。この場合、該くぼみが外部に向かって開いておれば、ヒドロゲルの生体吸収は起こらず、それは、新生組織の再構成に応じて、外部へ向けて漸次押出される。
以下の記述は、2〜6%の間のアセチル化度をもつキトサンの物理的真正ゲルの、ヒトまたは動物における慢性または急性創傷タイプの皮膚損傷の修復および治癒のための手当用品として使用できる板状体形態での調製の好ましい一例に関するものである。
このヒドロゲルを得るために使用する出発キトサンは、2〜6%の間のアセチル化度をもち、その粘度は4000cpsを超える(1%酢酸99g中1%溶液、T=25℃)。このものは、イカ類の内骨格の精製キチンから制御された複数の脱アセチル工程によって得られる。各脱アセチル工程は、高い水酸化ナトリウム濃度の苛性浴中で行われる。
溶解後、低粘度の溶液を調製する(酸性溶液中キトサン0.5%)。該重合体に対して、空隙率を下げながら(1.2、0.8および0.45μm)、3段階の膜濾過を適用する。
かくして濾過された重合体溶液をつぎに、濃アンモニア溶液の添加により沈殿させる。この沈殿を繰り返し洗って、過剰のアンモニアを除去する。洗浄水のpHが安定したのち、かくして得られた製品を凍結乾燥すると、固体形態のキトサンを得ることができる。
固体キトサンを好ましくは酢酸媒質に溶解させたのち、1,2−プロパンジオールを滴下する。全体を、速やかに、約1時間にわたって真空下に脱ガスする。
本発明に従った物理的真正ゲルの形成は、溶液状態(前状態)から、疎水性相互作用および水素結合に基づいて鎖間の物理的網状化が生じた物理的ゲルまたはヒドロゲルの状態への移行に相当する。溶液が固まってゲルになる。つまり、アセチル化度が2〜6%であり、キトサン濃度が約0.2〜5%のキトサンゲルが得られる。
ゲルの寸法は、選択した型の寸法に依存する。T=45℃で好都合なゲルを得るには、水および酢酸の部分的蒸発を容易にして、ゲル化に導くところの大きい表面積をもった型を選択することが好ましい。
かくして形成されたヒドロゲルの中和は、塩基性媒質中へ移動させることによって行う。この工程は、生理的pHの水へのヒドロゲルの可溶化またはヒドロゲルが溶液類または生理的媒質と接触したときの可溶化を妨げる。最後に、該ヒドロゲルを継続的洗浄に付して、前記ジアルコールを除去し、7に近いpHを得る。
前記ヒドロゲルは、湿熱条件下(T=121℃、30分間)での高圧滅菌によって滅菌することが好ましい。それを、水または選択した緩衝液の入った容器に入れ、全体をオートクレーブに入れる。高圧滅菌後、無菌のフードの下で水または緩衝液を慎重に容器からあけ、または吸引する。つぎに、ゲルを無菌的に包装し、とりわけ無菌ブリスターに包装し、将来の使用までそのままにしておく。
キトサンヒドロゲル形成時に、いかなる化学的網状化(共有結合の形成)も起こらないことを強調しておくことが重要である。これは、このゲル化を惹起させる純粋に物理化学的な過程である。得られるのは、キトサンの物理的真正ゲルである。
唯一の図面に、アセチル化度が多くとも40%のキトサンゲルから形成された板状体2および該板状体2を支持するセルロースベースの支持紙3を包含する手当用品1の構成の一例を、断面図で示す。板状体2の寸法(たとえば3cmx3cm)は、紙3の寸法(たとえば20cmx5cm)より小さく、該紙3の末端帯域4寄りの中間に配置されている。板状体2を支持する面5の上には、他端領域6寄りに感圧性で粘着性のコーティング7が施されており、非粘着性の保護テープ8によって保護されている。医師または医療補助者は、板状体2を有する手当用品1を腕の損傷を覆うように配置し、支持紙3で腕を取り巻き、保護テープ8を除去したあとに2つの末端帯域4,6が重なり合うようにする。その場合、手当用品1は、腕のまわりに配置されたままとなり、粘着性コーティング7が支持紙3の他面にくっつく。
本発明の手当用品の構成の一例を断面図で示す。

Claims (12)

  1. もっぱらヒドロゲルからなる慢性または急性創傷タイプ皮膚損傷修復・治癒用組成物であって、該ヒドロゲルが、アセチル化度が多くとも40%であるキトサンのヒドロゲルであることを特徴とする組成物。
  2. キトサンヒドロゲルのアセチル化度が約30%以下であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. キトサンヒドロゲルのアセチル化度が2〜6%であることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
  4. 1〜10mmの薄厚の板状体の形態を呈していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の組成物を有する手当用品。
  5. もっぱらアセチル化度が多くとも40%であるキトサンのヒドロゲルによって形成された板状体であって、光散乱法によって測定したキトサンのモル質量が少なくとも400,000g/モルであることを特徴とする請求項4に記載の手当用品。
  6. 前記板状体のキトサンヒドロゲルが支持シート、好ましくはセルロースを主成分とする支持シートによって支持されていることを特徴とする請求項4に記載の手当用品。
  7. 前記支持シートが硫酸紙あるいは疎水性材料または疎水性化された材料からなることを特徴とする請求項6に記載の手当用品。
  8. 前記支持シートが、それを四肢のまわりに巻きつけることを可能ならしめる程度に、該板状体の寸法よりも大きい寸法をもっていることを特徴とする請求項6または7に記載の手当用品。
  9. 前記支持シートが、前記板状体の外側領域において、固定手段、とりわけ粘着性または自己把持性の固定手段を備えていて、四肢のいずれかに巻きつけたのちにそれの位置を維持できるようになっていることを特徴とする請求項8に記載の手当用品。
  10. 複数の小寸粒子の形態を呈していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の組成物を有する手当用品。
  11. ペーストの形態を呈していることを特徴とする請求項10に記載の手当用品。
  12. 請求項1〜3にいずれかに記載の組成を有するキトサンのヒドロゲルを調製し、このヒドロゲルを水中で粉砕し、ペースト状物が得られるまで水を部分的に除去することからなることを特徴とする請求項11に記載の手当用品を調製する方法。
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