JP2005515159A - 癌を治療するためのrankアンタゴニストの使用 - Google Patents
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Abstract
本明細書が提供するのは、RANKおよびRANKL間の相互作用にアンタゴナイズする薬剤の有効量を投与することによる、癌を治療する方法である。
Description
本特許出願は、米国仮出願第60/296,670号に基づく米国特許法第119条の優先権を主張し、その開示は参考文献として本明細書に援用する。
発明の属する技術分野
本願発明は概して、癌を治療するためのRANK/RANKLの相互作用のアンタゴニストの治療上の利用に関する。
発明の属する技術分野
本願発明は概して、癌を治療するためのRANK/RANKLの相互作用のアンタゴニストの治療上の利用に関する。
発明の背景
RANK(NF−κBの受容体アクチベーター)およびそのリガンド(RANKL)は、免疫応答および骨代謝に重要な役割を果たす受容体/リガンドの対である。RANKおよびRANKLは、マウスおよびヒトの両方について、クローニングおよびキャラクタリゼーションが行われた(例えば、U.S. 6,017,729、WO 98/25958、EP 0 873 998、EP 0 911 342、U.S. 5,843,678、WO 98/46751、およびWO 98/54201を参照)。
RANK(NF−κBの受容体アクチベーター)およびそのリガンド(RANKL)は、免疫応答および骨代謝に重要な役割を果たす受容体/リガンドの対である。RANKおよびRANKLは、マウスおよびヒトの両方について、クローニングおよびキャラクタリゼーションが行われた(例えば、U.S. 6,017,729、WO 98/25958、EP 0 873 998、EP 0 911 342、U.S. 5,843,678、WO 98/46751、およびWO 98/54201を参照)。
I型膜貫通タンパク質であるRANKは、TNF受容体スーパーファミリーのメンバーである(例えば、U.S. 6,017,729を参照)。完全長ヒトRANKポリペプチドは616アミノ酸を有している。ヒトRANKLは、腫瘍壊死因子リガンドファミリーの317アミノ酸タンパク質であり、シグナルペプチドが欠如しており、短い細胞質ドメインおよびRANKと特異的に結合する細胞外領域を有するII型の膜タンパク質である(例えば、U.S. 6,017,729を参照)。RANKLは、“オステオプロテゲリン結合タンパク質”、“破骨細胞形成分化因子”および“TRANCE”とも呼ばれる(例えば、Kodaira et al., 1999; Yasuda et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 95:3597 (1998);およびWong et al., J Biol Chem 273(43):28355-59 (1998)、を参照)。RANKLは、RANKだけでなく、腫瘍壊死因子レセプターファミリーのメンバーである、オステオプロテゲリン(OPG)と呼ばれる天然に生じるRANKデコイタンパク質にも結合する(例えば、U.S. 6,015,938およびWO 98/46751を参照)。OPGは可溶性タンパク質であり、骨代謝におけるその役割は、Hofbauerら、J Bone Min Res 15(1):2-12 (2000)に概説されている。RANK/RANKLおよびOPGの生物学のさらなる側面については、たとえば、Simonetら、Cell 89:309-319 (1997); Kodairaら、Gene 230:121-27 (1999); U.S. 5,843,678; および、U.S. 6,015,938; で論じられている。RANKとは対照的に、OPGは、“TNF関連アポトーシス誘導リガンド”または“TRAIL”として知られる第二の結合パートナーにも結合する。
RANKタンパク質は、種々のTNFレセプター関連因子(TRAF)と相互作用することで細胞内事象を起こさせる(例えば、Galibert et al., J Biol Chem 273(51):34120-27 (1998); Darnay et al., J Biol Chem 273(32):20551-55 (1998); および Wong et al., 1998を参照)。そのレセプターRANKLとの相互作用などによるRANKの刺激は、TRAF媒介細胞内事象を活性化し、免疫系の細胞中において広く利用される、偏在性の転写因子である転写因子NF−κBのアップレギュレーションという結果になる。RANK/RANKL相互作用によって媒介されるシグナルは、骨の再吸収を担う破骨細胞の分化と機能の刺激に関わっている(例えば、Lacey et al., Cell 93:165-76 (1998); Yasuda et al., 1998 を参照)。従って、オステオプロテゲリンまたはRANKの可溶性型は破骨細胞の活性を阻害するのに用いることができることが提唱されてきた(例えば、WO 98/46751、WO 99/58674、WO 01/16299、および Hofbauer et al., 2000 を参照)。OPGや他のRANKLのアンタゴニストは、癌の高カルシウム血症および溶骨性転移を含む様々な系において、骨損失におけるそれらの役割について研究されてきた(WO 98/46751; WO 01/03719; WO 01/16299; WO 01/17543; WO 01/03719; およびZhang et al., J Clin Invest 107:1235-44 (2001))。数名の研究者は、RANKタンパク質に由来するRANKアンタゴニストのインビボでの効果について報告している(例えば、米国特許第6,015,938号 および WO 98/46751を参照)。その他は、可溶性RANKの投与は、ヒト疾患のマウスモデルにおいて骨破壊を減少させたことを報告した(Oyajobi et al., J Bone Min Res 15 (suppl. 1):S176, 要約#1151 (2000年9月);Oyajobi et al., Cancer Res 61:2572-78 (2001);Childs et al., 要約、Orthopedic Reserch Society、サンフランシスコ、2001年、を参照)。
幾人かの研究者は、ある癌細胞が、高カルシウム血症または悪性骨病変の形成に寄与すると思われる、RANKLの可溶型を分泌するのを観察した(Nagai et al., Biochem Biophys Res Comm 269:532-536 (2000); および Zhang et al., 2001)。副甲状腺ホルモン関連タンパク質の過剰生産もまた、癌の高カルシウム血症に寄与すると考えられている(例えば、Rankin et al., Cancer (Suppl) 80(8): 1564-71 (1997))。癌の末期合併症である高カルシウム血症は、通常のカルシウム濃度を維持する体の能力を破壊し、疲れ、腎臓へのカルシウムの蓄積、心臓疾患、および神経不全という結果になり得る。高カルシウム血症は、肺癌及び乳癌の患者において最も頻繁に起こり、多発性骨髄腫、頭部および頸部癌、肉腫、原発巣不明癌、リンパ腫、白血病、黒色腫、腎臓癌、ならびに、食道癌、胃癌、腸癌、結腸癌および直腸癌を含む消化管の癌の患者において起こることも知られている。高カルシウム血症の発症は、それが存在する患者の大多数は1〜3ヶ月の後に死ぬという、癌患者にとって重大な前兆の意義を有している。現在入手可能なカルシウム低減剤は悪性の高カルシウム血症の患者の致死率を減少させることにおいてはほとんど効果がない。このことおよびその他の理由から、高カルシウム血症になる前の、および転移が起こる前の、病気の早い段階の間に有効な治療を受けることが癌患者にとって有利である。
発明の概要
本明細書に提供されるのは、癌を治療するためにRANK/RANKL相互作用のアンタゴニストを利用するための方法および組成物である。
本明細書に提供されるのは、癌を治療するためにRANK/RANKL相互作用のアンタゴニストを利用するための方法および組成物である。
本明細書に開示した治療により利益を受ける患者は、後の段階で高カルシウム血症および/または骨転移を伴う種類の癌における初期段階の患者を含む。本発明の1つの態様では、RANKアンタゴニストは、そのような癌を有している患者に、高カルシウム血症または骨への転移が発生する前に投与される。さらに、本願発明の方法は、後の段階において一般に高カルシウム血症および/または骨への転移を伴わない様々な種類の癌を患っている患者を治療するためにも用いられる。
本発明で用いるRANKアンタゴニストは、RANKに特異的に結合する抗体、RANKLに特異的に結合する抗体、RANK/RANKL相互作用またはRANKもしくはRANKLの合成を遮断する低分子、RANK mRNAの翻訳もしくは転写を遮断するアンチセンス核酸、あるいは、RANKLに結合することのできる可溶性RANKポリペプチドを含む。RANKアンタゴニストとして有用な可溶性RANKタンパク質は、RANKポリペプチドの細胞外領域のRANKL結合部分を含む。
発明の詳細な説明
本発明は、疾患の初期段階にある原発性癌の患者を治療するための方法および組成物を提供する。そのような患者は高カルシウム血症を患っておらず、そしてその癌が転移する前に治療され得る。これらの方法が適用される患者には、骨の病変または溶骨性転移が存在しない。一般的に、患者はヒトであるが、本発明の方法はペット及び飼育動物のような家畜を含むいずれの哺乳動物にも適用してもよい。本発明の方法は、腫瘍増殖および/または転移を阻害するのに有効な量のRANKアンタゴニストを、それを必要とする患者に投与することを伴う。固形腫瘍の場合、本発明の方法は腫瘍の縮小という結果になってもよい。血液の癌であって固形腫瘍量で特徴づけされない場合、本発明の方法は患者の血液中の検出可能な悪性細胞の数の減少という結果になってもよい。さらに、本発明の方法は転移および/または高カルシウム血症の発症を遅らせる、または、防いでもよい。本明細書において、“癌”または“腫瘍”という用語は、互換性をもって用いられ、固形腫瘍、血液−骨の癌、および様々な過剰増殖の病態を含むいずれの悪性疾患をも意味する。
本発明は、疾患の初期段階にある原発性癌の患者を治療するための方法および組成物を提供する。そのような患者は高カルシウム血症を患っておらず、そしてその癌が転移する前に治療され得る。これらの方法が適用される患者には、骨の病変または溶骨性転移が存在しない。一般的に、患者はヒトであるが、本発明の方法はペット及び飼育動物のような家畜を含むいずれの哺乳動物にも適用してもよい。本発明の方法は、腫瘍増殖および/または転移を阻害するのに有効な量のRANKアンタゴニストを、それを必要とする患者に投与することを伴う。固形腫瘍の場合、本発明の方法は腫瘍の縮小という結果になってもよい。血液の癌であって固形腫瘍量で特徴づけされない場合、本発明の方法は患者の血液中の検出可能な悪性細胞の数の減少という結果になってもよい。さらに、本発明の方法は転移および/または高カルシウム血症の発症を遅らせる、または、防いでもよい。本明細書において、“癌”または“腫瘍”という用語は、互換性をもって用いられ、固形腫瘍、血液−骨の癌、および様々な過剰増殖の病態を含むいずれの悪性疾患をも意味する。
本発明の治療方法に用いるRANKアンタゴニストは、一般的に患者と同じ種の動物に由来するタンパク質である。“RANKアゴニスト”は、NF−κB活性を誘導するような、RANKの刺激に関連した生物活性を誘導する薬剤である。本明細書において“RANKアンタゴニスト”は、RANKまたはRANKLの合成を阻害する薬剤を含む、RANKおよびRANKLの間の相互作用を遮断または減少させる薬剤である。RANKアンタゴニストは一般的に、1以上のRANKの刺激に関連した生物活性、例えば、NF−κB活性、junキナーゼ活性、または破骨細胞分化の刺激など、を減少させる。ある態様において、RANKアンタゴニストは、RANKおよびRANKLの間の相互作用を阻害又は遮断し、そしてRANK活性をアンタゴナイズしない、可溶性RANKタンパク質、またはRANKもしくはRANKLに対する抗体を含む。
本明細書に提供する治療は、有効な量のRANKアンタゴニストを高カルシウム血症ではない癌患者に投与することを含み、本明細書に記載する全ての例において、単独で、あるいは、切除手術、放射線療法、化学療法、腫瘍細胞表面タンパク質に対するモノクローナル抗体、抗腫瘍活性を有するサイトカイン、または腫瘍増殖もしくは腫瘍残存を促進するサイトカインを阻害する薬剤などの他の治療と共に投与してもよい。RANKアンタゴニストとの併用投与に適したサイトカインには、GM−CSFおよびG−CSFが含まれる。RANKアンタゴニストは腫瘍ワクチンと併用して投与しても良い。“併用”投与は、同時の、交互の、および連続的な投与計画を意味する。
本発明の方法は、癌の初期段階にあり、高カルシウム血症を呈していない患者の治療的処置を提供する。“高カルシウム血症”という用語は、癌患者の血清カルシウム濃度がナショナル・キャンサー・インスティテュート(National Cancer Institute)が定義した標準範囲、すなわち、男性で9.0から10.3mg/dL(=4.5−5.2mEq/L、または2.25−2.57mmol/L)、女性で8.9から10.2mg/dL(=4.4−5.1mEq/L、または2.22−2.54mmol/L)、よりも高い状態を意味する。血清カルシウム濃度について測定された値は、ナショナル・キャンサー・インスティテュートが提供するガイドラインと一致した低アルブミン血症および/または酸−塩基状態に関する計算に訂正されてもよい。
本発明の一側面において、治療は、骨への転移が好発し、および疾患の末期段階において高カルシウム血症をしばしば発症する種類の癌を有する患者に提供される。本発明の治療はそのような疾患の初期段階にある患者に、転移前および高カルシウム血症の発症前に行われる。この治療方法の利益を受ける患者は以下のタイプの癌を有する者を含む:肺癌;乳癌;頭部および頸部癌;肉腫;原発巣不明癌;リンパ腫;白血病;黒色腫;腎臓癌;ならびに、食道癌、胃癌、腸癌、結腸癌、肛門部の癌、および直腸癌を含む消化管の癌。
本発明の1つの態様において、本願明細書に記載する方法は、高カルシウム血症ではない前立腺癌の初期段階にある患者を治療するために用いられる。そのような患者は、Jewettステージングシステムによって決定された、前立腺癌のステージA、BまたはCにある。このステージングシステムを用いると、ステージAは前立腺に限られた臨床的に検出不可能な腫瘍であって、前立腺の外科手術で偶然に見つかる;ステージBは前立腺に限られた腫瘍;ステージCは臨床的に前立腺周囲の領域に局在しているが前立腺嚢を通して広がり、精嚢に及ぶこともある;ステージDは転移性疾患;である。一方、転移性となる前の前立腺癌患者は、初期腫瘍(T)、リンパ節(N)、および転移(M)の別個の評価を伴う、修正された“TNMシステム”を用いて定義することができる。修正されたTNMシステムはJewettシステムと同じ広い腫瘍段階(Tステージ)分類を使用するが、Tステージの副分類、およびPSAスクリーニングを含む。この方法を用いてステージIおよびステージIIに分類された患者は転移性となる前であり、本発明の方法で治療される。
本発明は、高カルシウム血症を発症していないステージ0、I、II、およびIIIの乳癌患者をRANKアンタゴニストの投与によって治療する方法を提供する。乳癌において、ステージ0は非侵襲性癌または粘膜内の癌と呼ばれる、ステージIおよびIIは癌が葉(lobe)または管(duct)を超えて広がり、近くの組織に侵襲した初期段階、ステージIIIは局所的に進行した癌、および、ステージIVは転移性の癌、である。
本発明の方法は、高カルシウム血症を発症していないステージIおよびステージIIの、腎細胞癌およびウィルムの(Wilm's)腫瘍を含む、腎の(renal)または腎臓(kidney)の癌の患者に有用である。NCIガイドラインに一致して段階分けされた腎/腎臓癌については、ステージIおよびIIは腎臓を包含する嚢を癌細胞が浸透していない病態を意味する。
本発明は、高カルシウム血症を発症していない肺癌患者のステージ0、I、II、およびIIIの肺癌を、RANKアンタゴニストを治療を必要とする患者に投与することによって治療する方法を提供する。肺癌の段階分けに現在使用されているシステムによると、ステージ0−IIIは、非転移性である一方、ステージIVは転移性である。肺癌は、癌において発見された細胞の種類によって名付けられた非小細胞肺癌であって、扁平上皮細胞癌(類表皮癌とも呼ばれる)、腺癌、大細胞癌、腺扁平上皮癌、および未分化癌を含むものを含む。本発明の肺癌を治療する方法は、小細胞癌、小細胞/大細胞混合癌、複合小細胞癌(新生物形成の扁平上皮および/または腺成分と複合した小細胞肺癌)、ならびに、気管支の類癌腫および肺の高分化型神経内分泌系の癌(悪性類癌腫、転移性気管支腺腫、多態性類癌腫、非良性類癌腫腫瘍、または非典型類癌腫とも呼ばれる)を含む肺の神経内分泌系の癌、を含む小細胞肺癌を治療する方法を含む。
また、本願発明の治療方法は、プラズマ細胞腫、意義未確定の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)、ワルデンストロームマクログロブリン血症、およびリンパプラズマ細胞性リンパ腫のようなプラズマ細胞新生物を含む、黒色腫関連症候群の治療に有用である。治療を始めるときには患者は高カルシウム血症ではない。
RANKアンタゴニストで治療することができる血液性の新形成および新形成様の病態は、ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫(ブルキット(Brukitt's)リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫/慢性リンパ球性白血病、菌状息肉腫、外套細胞リンパ腫、卵胞性リンパ腫、広汎性大B細胞リンパ腫、周辺帯リンパ腫、有毛細胞性白血病、およびリンパプラズマ細胞性白血病);B細胞型急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫、およびT細胞型急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫を含むリンパ球前駆細胞の腫瘍;胸腺腫;末梢性T細胞型白血病、成人性T細胞型白血病/T細胞型リンパ腫、および大顆粒リンパ球性白血病を含む成熟T細胞およびNK細胞の腫瘍;ランゲルハンス細胞組織球増殖症;成熟を伴うAML、分化を伴わないAML,急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、および急性単球性白血病を含む、急性骨髄性白血病のような骨髄新形成;骨髄異形成症候群;および、慢性骨髄性白血病を含む慢性骨髄増殖性障害を含むが、これらに限定されない。
本発明の治療は、まれに骨に転移するまたは全く骨に転移しない、および、一般的に高カルシウム血症が起こらない種類の癌の治療にも有用である。これらの癌は転移前に治療され、そのような癌には以下のものが含まれるが、これらに限定されない:神経膠腫、神経芽細胞腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、上衣細胞腫および網膜芽細胞腫を含む、脳腫瘍のような中枢神経系の腫瘍;鼻咽頭癌、基底細胞癌、膵臓癌、胆管の癌、カポジ肉腫、精巣癌、子宮癌、膣の癌、子宮頚癌、卵巣癌、原発性肝臓癌、または子宮内膜癌を含む種々の固形腫瘍;血管肉腫および血管上皮細胞腫を含む血管系の腫瘍。
本発明の方法に用いるのに適切なRANKのアンタゴニストは、たとえば、破骨細胞の生物学的活性を測定するアッセイなどの適切なアッセイにおいて、RANKにより刺激される生物学的兆候を阻害または防ぐ能力によって特徴付けされる。膜結合型もしくは可溶性RANKL、またはアンタゴニスト性抗RANK抗体との接触によるなどのRANKによる刺激は、免疫系の細胞内で広く利用されている偏在性転写因子である転写因子NF−κB野活性化、およびjunキナーゼ(JNK;例えば、Gilbert et al., J. Biol. Chem. 273: 34120-27 (1998)を参照)の活性化を含んでもよい、RANK媒介細胞応答を起こさせる。破骨細胞前駆細胞におけるRANK刺激は、前駆細胞が成熟破骨細胞へと分化するのを誘導する。RANK活性化はまた、成熟破骨細胞の骨再吸収を高める。
RANKにアンタゴナイズする分子の能力、およびしたがって本発明の方法に用いられるものは、例えば、RANKを発現する細胞におけるNF−κBの量または活性を測定するアッセイ(例えば米国特許第6,017,729号(その全体が参考文献として本願明細書に援用される)に記載されている)によって容易に決定することができる。そのようなアッセイにおいては、293/EBNA細胞のような、RANKを発現する細胞が用いられる。293/EBNA細胞は、エプスタイン・バーウイルス核抗体−1をコードする遺伝子で293細胞系をトランスフェクションして誘導した細胞系である。そのようなアッセイを行うために、293/EBNA細胞または他のRANK発現試験細胞を、推定RANKアンタゴニストの存在下または非存在下でRANK刺激に曝す。RANK刺激は、RANKLまたは可溶性RANKLまたはRANK活性をアゴナイズする抗体を発現する細胞であることができる。推定のアンタゴニストに曝した後、誘発した試験細胞のNF−κBの量または活性を測定する。もし推定アンタゴニストがRANKによる誘発を阻害すれば、NF−κBの量または活性は誘発した試験細胞において上昇しない。もし推定RANKアンタゴニストに曝した試験細胞において、その分子に曝さなかった細胞と比較してより少ないNF−κBが検出されたのであれば、その分子はRANKアンタゴニストであると決定される。あるいは、JNK活性化は、潜在的なRANKアンタゴニストを評価するためのRANK活性の指標となる。
マウスRANKをコードする核酸配列の例は配列番号1に表し、そしてヒトRANKをコードする核酸配列の例は配列番号3に表し;対応する完全長RANKポリペプチドはそれぞれ配列番号2および4に示した。ヒトRANKタンパク質は616アミノ酸残基を有する一方、ネズミRANKは625アミノ酸を有し、それぞれRANKLに結合可能な細胞外ドメイン、膜貫通領域および細胞質ドメインを含む。RANKの細胞質ドメインはTRAF1、2、3、5および6に結合することができる。ヒトRANKの細胞外ドメインは、配列番号4のアミノ酸1−213に対応し、マウスRANKの場合は配列番号2のアミノ酸1−214に対応する。ヒトRANKタンパク質は、配列番号4の残基24から33の間のいずれかのアミノ酸の後で切断されるが、好ましくはアミノ酸29の後で切断される、シグナル配列を有している。マウスRANKは、配列番号2の残基25から35の間のいずれかのアミノ酸の後で切断されるが、好ましくはアミノ酸30および31の間で切断させる、シグナル配列を有している。
本発明の1つの態様において、RANKタンパク質の細胞外ドメインの全てまたはフラグメントを含む、RANKLに結合することができる可溶性RANKタンパク質を含むRANKアンタゴニストを投与することによって、それが必要な患者を治療する。患者はヒトであってもよく、そして可溶性RANKはヒトRANKポリペプチドに由来する。可溶性RANKは、本願明細書で開示したヒトまたはマウスRANKポリペプチドの例のシグナルペプチド及び細胞外ドメインを含んでいてよい。そのようなポリペプチドはそれぞれ、配列番号4のアミノ酸1−213、および配列番号2のアミノ酸1−214を含み、または代わりにそれらのRANKL結合フラグメントを含んでいてもよい。有用なRANKアンタゴニストは配列番号4の30−213を含むものである。所望により、配列番号4のアミノ酸30−213を含むRANKアンタゴニストは、二量化を促進する他のタンパク質と融合してもよい。
可溶性RANKポリペプチドを含むRANKアンタゴニストは、細胞外ドメイン以外のRANKの他の部分を含んでもよいが、膜貫通領域は含まない。ヒトおよびマウスRANKの膜貫通領域は、それぞれ、配列番号4のアミノ酸214−234および配列番号2のアミノ酸215−235に位置する。したがって、本発明の方法に適した可溶性RANKアンタゴニストは、配列番号4の30−213および235−625を含むタンパク質のようなRANK細胞内領域に直接融合したヒトRANK細胞外領域を含むタンパク質、またはそのRANKL結合部分を含む。
ヒトおよびマウスRANKをコードするDNAの単離は米国特許第6,017,729号に記載されている。RANKL結合変異体およびRANKの対立遺伝子は、米国特許第6,017,729号に提供される方法および試薬を用いて得てもよい。配列番号4で示されるアミノ酸配列とごくわずかに異なるヒトRANKの対立遺伝子変異体の単離は報告されている(WO 98/54201)。WO 98/54201のこの変異体は、例えば、配列番号4の残基192に対応する位置にアラニンの代わりにバリンを有しており、および配列番号4の残基番号513に対応する位置にセリンの代わりにイソロイシンを有している。このRANK変異体はTRAFに結合することができ、そして、NF−κBおよびJNKを刺激することができる。米国特許第6,017,729号もしくはWO 98/54201に記載のヒトRANKタンパク質、または他のどんなRANKL結合性突然変異タンパク質(mutein)もしくはRANKの対立遺伝子変異体も、本発明におけるアンタゴニストとして用いるための可溶性RANKタンパク質を誘導するのに用いてもよい。RANKアンタゴニストとして用いるための可溶性RANKを誘導するために用いられるRANK類似体または突然変異タンパク質の能力は、その類似体または突然変異タンパク質がRANKLに結合する能力を、例えば米国特許第6,017,729号に記載されているようにして、試験することで決定してもよい。この目的のための適切なアッセイは、例えば、上述したようにNF−κBまたはJNK活性を測定する細胞を基礎としたアッセイ、酵素免疫検定法またはドットブロット法、RANKの結合を遮断することが期待される推定アンタゴニストの量を増加させながら存在させて、標識したRANKの、固定化または細胞表面RANKLへの結合を検出するアッセイ、あるいは、推定遮断剤の存在下で、標識したRANKLの、固定化または細胞表面RANKへの結合を検出するアッセイ、を含む。そのような方法は当該分野において周知である。
本発明の1つの態様において、RANKLに結合可能な可溶性RANKポリペプチドは、配列番号2または4に記載の天然型RANKタンパク質の細胞外領域のアミノ酸配列と、アミノ酸配列が少なくとも約70%同一である。1つの態様において、可溶性RANKポリペプチドはRANKLに結合し、そして、配列番号2または4に示したRANKポリペプチドの細胞外領域と、アミノ酸配列が少なくとも約80%同一である。一般的に、これらの可溶性ポリペプチドはRANKLに結合可能であり、そして、配列番号2または4に示したRANKの天然型の細胞外領域と少なくとも約90%同一である。パーセント同一性はコンピュータプログラム、例えば、Devereuxら(Nucl. Acids Res. 12:387 (1984))に記載され、そしてウイスコンシン大学ジェネティクスコンピュータグループ(UWGCG)から入手可能なGAPコンピュータプログラムを用いて決定してもよい。RANKタンパク質に由来するフラグメントについては、同一性はそのフラグメントが存在するRANKタンパク質の部分に基づいて計算する。配列番号2および4のマウスおよびヒトRANKタンパク質がここに記載されたようにアラインメントされたときは、それらは約70%同一性となる。
本発明を実施するために有用なRANKアンタゴニストは、RANK細胞外領域のRANKL結合部分をコードする核酸(またはその相補体)にストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸分子にコードされる可溶性RANKポリペプチドを含む。そのようなRANKアンタゴニストはさらに、異種性シグナルペプチド、またはイムノグロブリンのFc領域、あるいは合成、精製を容易にするもしくは治療剤として用いたときにそのタンパク質の臨床的効率を促進するいくつかの他の部分、を含んでいてもよい。適切なハイブリダイゼーション条件の選択は当該技術分野において良く知られており、いくらかの選択肢は、たとえば、Sambrookら(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版(Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, ニューヨーク州;1989);
9.50-9.57頁および11.45-11.57頁、参考文献として本願明細書に援用する)に記載されている。約50塩基の長さより長いプローブについては、ストリンジェントな条件は融点(Tm)より20−25℃低い温度でハイブリダイズすることで達成される。一方、オリゴヌクレオチドプローブ(典型的には14−40塩基の長さ)については、ストリンジェントな条件は一般に、融点より5−10℃低い温度でハイブリダイズすることが必要である(Sambrookら, 11.45頁を参照)。約14塩基の長さより大きいプローブについては、Tmは式 Tm(℃)=81.5+16.6(log10[Na+])+0.41(%G+C)−(600/N)(ここで、Nはハイブリッド二重鎖中の塩基の数、および、[Na+]はハイブリダイゼーションバッファー中のナトリウムイオン濃度(1xSSCの[Na+]=0.165M))を用いて妥当な精度で計算することも可能である(Sambrookら, 11.46頁を参照)。ホルムアミドがハイブリダイゼーション溶液に加えられた場合は、Tmおよび従って最適ハイブリダイゼーション温度が1%ホルムアミドごとに約0.63℃低下する(Sambrookら, 9.51頁を参照)。標的核酸が固体担体に取り付けられた場合は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、例えば、6xSSC中、63℃でハイブリダイズし、3xSSC中、55℃で洗浄することで達成してよい。または、ストリンジェントな条件は6xSSC、50%ホルムアミド中、42℃でハイブリダイズし、2xSSC中、室温(約22℃)で洗浄し、次いで0.2xSSC、68℃で洗浄することで達成してもよい。
9.50-9.57頁および11.45-11.57頁、参考文献として本願明細書に援用する)に記載されている。約50塩基の長さより長いプローブについては、ストリンジェントな条件は融点(Tm)より20−25℃低い温度でハイブリダイズすることで達成される。一方、オリゴヌクレオチドプローブ(典型的には14−40塩基の長さ)については、ストリンジェントな条件は一般に、融点より5−10℃低い温度でハイブリダイズすることが必要である(Sambrookら, 11.45頁を参照)。約14塩基の長さより大きいプローブについては、Tmは式 Tm(℃)=81.5+16.6(log10[Na+])+0.41(%G+C)−(600/N)(ここで、Nはハイブリッド二重鎖中の塩基の数、および、[Na+]はハイブリダイゼーションバッファー中のナトリウムイオン濃度(1xSSCの[Na+]=0.165M))を用いて妥当な精度で計算することも可能である(Sambrookら, 11.46頁を参照)。ホルムアミドがハイブリダイゼーション溶液に加えられた場合は、Tmおよび従って最適ハイブリダイゼーション温度が1%ホルムアミドごとに約0.63℃低下する(Sambrookら, 9.51頁を参照)。標的核酸が固体担体に取り付けられた場合は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、例えば、6xSSC中、63℃でハイブリダイズし、3xSSC中、55℃で洗浄することで達成してよい。または、ストリンジェントな条件は6xSSC、50%ホルムアミド中、42℃でハイブリダイズし、2xSSC中、室温(約22℃)で洗浄し、次いで0.2xSSC、68℃で洗浄することで達成してもよい。
1つの態様において、本発明のRANKアンタゴニストとして用いる可溶性RANKをコードする核酸分子は、配列番号1(マウスRANK)のヌクレオチド91−642または配列番号3(ヒトRANK)のヌクレオチド126−677を含む。これらの核酸分子の何れかにコードされる可溶性RANKは、RANKLへの結合を確実にするために充分な量のRANK細胞外領域が存在し、そして当該タンパク質がRANK膜貫通領域を含まない限り、完全長RANKポリペプチドのどんな所望の部分に対応してもよい。所望により、組換えDNA技術を用いて、天然型のリーダーを異種性のシグナルペプチドに置換することができる。RANKLに結合可能な可溶性RANKは、配列番号4のアミノ酸1から33の間のアミノ末端、および続くアミノ酸213までを有するヒトRANKの部分を含んでもよい。そのようなタンパク質の部分を含むRANKL結合フラグメントは、RANKアンタゴニストとして有用であり、本明細書に記載されているような種々の結合アッセイで同定することができる。あるいは、独特の制限部位または当該技術分野で知られているPCR技術を用いて多くのRANKの切断型を調製することができ、それらは発現させることができ、およびRANKL結合活性について解析することができる。
本発明の方法のためのRANKアンタゴニストとして用いるのに適した、RANKL結合性可溶性RANKポリペプチドをコードする核酸の例は、以下を含む:
(a)配列番号4のアミノ酸xからyを含むポリペプチドをコードする核酸分子であって、ここで、xは配列番号4のアミノ酸1から33からなる群から選択され、そしてyは配列番号4のアミノ酸196から213からなる群から選択される;
(b)配列番号2のアミノ酸xからyを含むポリペプチドをコードする核酸分子であって、ここで、xは配列番号2のアミノ酸1から35からなる群から選択され、そしてyは配列番号2のアミノ酸197から214からなる群から選択される;並びに、
(c)(a)もしくは(b)の核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸分子、またはその相補体であって、ここで、ストリンジェントな条件は6xSSC中、63℃でハイブリダイズし、3xSSC中、55℃で洗浄することを含む。
(a)配列番号4のアミノ酸xからyを含むポリペプチドをコードする核酸分子であって、ここで、xは配列番号4のアミノ酸1から33からなる群から選択され、そしてyは配列番号4のアミノ酸196から213からなる群から選択される;
(b)配列番号2のアミノ酸xからyを含むポリペプチドをコードする核酸分子であって、ここで、xは配列番号2のアミノ酸1から35からなる群から選択され、そしてyは配列番号2のアミノ酸197から214からなる群から選択される;並びに、
(c)(a)もしくは(b)の核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸分子、またはその相補体であって、ここで、ストリンジェントな条件は6xSSC中、63℃でハイブリダイズし、3xSSC中、55℃で洗浄することを含む。
本発明の範囲においてアンタゴニストとして用いる可溶性RANKポリペプチドは、組換え培養においてN末端またはC末端融合体として合成するような、当該タンパク質またはそのフラグメントと他のタンパク質またはポリペプチドとの共有結合性または会合性の複合体を含む。例えば、複合化したペプチドは当該タンパク質のN末端領域のシグナル(またはリーダー)ポリペプチド配列であってもよく、これは当該タンパク質をそれが合成される場所から細胞膜または細胞壁の内側または外側のそれが機能する場所への運搬を翻訳と同時に、または翻訳後に指示する(例えば、酵母α−因子リーダー)。タンパク質融合体は、RANKタンパク質および類似体の精製および同定を容易にするために加えられたペプチドを含んでもよい(例えば、ポリHis)。本発明のタンパク質のアミノ酸配列は、Hoppら、Bio/Technology 6:1204 (1988)(FLAGTM)に記載されているような、同定用ペプチドと連結してもよい。そのような高い抗原性を有するペプチドは、発現した組換えタンパク質の迅速なアッセイと容易な精製を可能にする特異的なモノクローナル抗体に可逆的に結合するエピトープを提供する。Hoppらの配列はまた、ウシ粘膜エンテロキナーゼによって特異的に切断され、精製したタンパク質から当該ペプチドを除くことができる。
可溶性RANKを含む融合タンパク質は本発明の治療方法においてRANKアンタゴニストとして利用するのに非常に望ましい。そのような融合タンパク質は、例えば、イムノグロブリンFcドメインのような部分、FLAGTMタグ、好ましくは6のHis残基を有するポリ(His)タグ(配列番号6)、ロイシンジッパー、ポリエチレングリコール、または、これらの組み合わせ、を含んでいてよい。治療剤として用いる例示的なRANK:Fc融合タンパク質は、配列番号5に示したアミノ酸配列を有するもの、または配列番号5のアミノ酸30−443を有するものである。
本明細書に記載の使用に適した可溶性RANKのRANKL結合型を含む融合タンパク質は、組換え発現技術を用いて作成してもよい。そのような融合タンパク質は二量体またはより高次型の多量体を形成してもよい。多量体型は、RANK活性を阻害する増大した能力を有する。多量体化できる融合タンパク質の例は、二量体を形成することができるRANK/Fc融合タンパク質、およびジッパー部分(即ち、ロイシンジッパー)の融合タンパク質、を含む。その他の有用な融合タンパク質は、当該技術分野で公知の様々なタグを含んでもよい。RANKとRANKLとの相互作用に対するその他のアンタゴニスト(すなわち、RANKLに対する抗体、低分子)は、本発明の治療方法に有用である。
本発明の1つの態様において、RANKアンタゴニストは、イムノグロブリンFc領域へと連結したRANKのアミノ酸配列を含む融合タンパク質である。ヒト患者が治療される場合、当該融合タンパク質のRANKおよびFc領域はヒト原料に由来することが好ましい。この目的のために使用してよいFc領域の1つは、ヒトIgG1イムノグロブリンに由来するものである。Fc領域のフラグメントも用いてもよく、Fc突然変異タンパク質でもよい。例えば、Fc領域のヒンジ領域のある残基はFcγRIへの高親和性結合に重要である。CanfieldおよびMorrison(J. Exp. Med. 173:1483 (1991))は、Leu(234)およびLeu(235)は、U937細胞上に存在するFcγRIへのIgG3の高親和性結合に重要であると報告している。同様の結果がLundらによって得られた(J. Immunol. 147:2657 (1991); Molecular Immunol. 29:53 (1991))。IgG1のFcRに対する親和性を減少させるために、そのような変異を、単独でまたは組み合わせて、IgG1 Fc領域に入れてもよい。使用するFc領域の部分によって、融合タンパク質は鎖間ジスルフィド結合の形成によって二量体として発現してもよい。融合タンパク質が抗体の重鎖および軽鎖の両方で作られた場合、4つまでのRANK領域を有するタンパク質オリゴマーを形成することが可能である。RANKアンタゴニストとして用いるRANK:Fc融合タンパク質の例は配列番号5に示した。これは、アミノ酸1−213にヒトRANKの細胞外ドメイン、およびアミノ酸214−443にヒトIgG1イムノグロブリンに由来するFc領域を含む。配列番号5のアミノ酸1−29は哺乳動物細胞で当該タンパク質が翻訳された後に切断され、したがってRANKアンタゴニストとして用いるための配列番号5のアミノ酸30−443を含むタンパク質が生じさせる、リーダー配列に相当する。
別の態様において、RANKアンタゴニストとして用いるRANKタンパク質は、さらにジッパードメインのようなオリゴマー化ペプチドを含む。ロイシンジッパーは、当初いくつかのDNA結合性タンパク質中で同定され、fos、junおよびc−mycタンパク質に存在する(Landschulz et al., Science 240:1759 (1988))。“ジッパードメイン”はこれらの(および他の)タンパク質に存在し、タンパク質の多量体化を担う、保存されたペプチドドメインを意味するのに用いられる用語である。ジッパードメインは、4つまたは5つのロイシン、イソロイシンまたはバリン残基が、他のアミノ酸と共に散在して、反復性の7アミノ酸繰り返しを含む。ジッパードメインの例は、酵母の転写因子であるGCN4およびラット肝臓で見つかった熱安定性DNA結合性タンパク質(C/EBP;Landschulz et al., Science 243:1681 (1989))で見つかったものである。核腫瘍形成遺伝子fosおよびjunの産物は、ヘテロ二量体を選択的に形成するジッパードメインを含む(O'Shea et al., Science 245:646 (1989); Turner and Tjian, Science 243:1689(1989))。これらの目的のために有用なジッパー部分は、例えば、米国特許第5,716,805号に記載されている。
本発明の更に別の態様においては、例えば、RANKもしくはRANKL mRNA転写物の翻訳を阻害するまたは防ぐための周知のアンチセンスまたはリボザイムの手法;およびRANKもしくはRANKL遺伝子の転写を阻害するためのトリプルヘリックスの手法;を用いて、内在性RANKもしくはRANKL遺伝子発現のレベルを減少させるようにデザインされたアンタゴニストが用いられる。そのような分子を生産し使用する技術は当業者に周知である。
RANKアンタゴニストとして有用なアンチセンスRNAおよびDNA分子は、標的の内在性mRNAにハイブリダイズすることにより、mRNAの発現を直接遮断するように働くことができ、それによって翻訳を妨害する。または、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、RANKまたはRANKL遺伝子の転写を防ぐためにそれを標的としてもよい。翻訳の遮断は、例えば、U.S. 6,171,860に記載の抗RANKアンチセンスオリゴヌクレオチドのようにRANKまたはRANKL mRNAに相補的なオリゴヌクレオチド(DNAまたはRNAのいずれか)を用いて成し遂げてもよい。この目的のために有用なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、mRNAの5’末端、例えばAUG開始コドンまでおよびそれを含む5’非翻訳配列、に相補的なものを含む。しかしながら、RANKまたはRANKL遺伝子転写物の5’−または3’−非翻訳、非コーディング領域に相補的なオリゴヌクレオチド、またはコード領域に相補的なオリゴヌクレオチドを用いてもよい。アンチセンス核酸は少なくとも6塩基の長さであるものとし、一般的には6から約50ヌクレオチドの長さの範囲のオリゴヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドは、DNAまたはRNAまたはキメラ混合物またはそれらの誘導体もしくはそれらの修飾形であってよく、一本鎖または二本鎖である。本発明のキメラオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、または混合オリゴヌクレオチド/オリゴヌクレオシドは、いくつかの異なるタイプであってよい。これらは、ヌクレオチドの“gap”セグメントが連結したオリゴヌクレオチドの5’および3’“wing”セグメントの間に位置する第一のタイプ、および、“gap”セグメントがオリゴマー化合物の3’または5’末端のどちらかに位置する第二の“open end”タイプ(例えば、米国特許第5,985,664号を参照)を含む。オリゴヌクレオチドは、たとえば、分子、ハイブリダイゼーションなどの安定性を高めるために、塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格で修飾してもよい。オリゴヌクレオチドは、ペプチド(例えば、インビボで宿主細胞受容体を標的とするためのもの)、または細胞膜を横切る輸送を促進する剤、またはハイブリダイゼーション誘発切断用剤、またはインターカレート剤のような、他の付随的なグループを含んでいてもよい。
RANKまたはRANKLを発現する細胞へ運ぶために、アンチセンスDNAもしくはRNAは誘導部位の組織もしくは細胞に直接注射してもよく、または、目的の細胞を標的とするようにデザインした修飾アンチセンス分子(例えば、標的細胞表面上に発現した受容体または抗原に特異的に結合するペプチドまたは抗体に連結したアンチセンス)は全身に投与してもよい。1つの手法においては、標的細胞は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが強力なpol IIIまたはpol IIプロモーターの制御下におかれている組換えDNA構築物でトランスフェクトされる。そのようなベクターは、目的のアンチセンスRNAを生産するために転写できる限り、エピソームにとどまるか、または染色体に組み込まれてもよい。ベクターは、バクテリア細胞、酵母細胞、昆虫細胞または哺乳動物細胞において複製及び発現するために用いられる、プラスミド、ウイルス性、または当該技術分野において公知の他のものであることができる。
RANKまたはRANKL mRNA転写物を触媒的に切断するようデザインされたリボザイム分子は、RANKもしくはRANKL mRNAの翻訳およびRANKもしくはRANKLポリペプチドの発現を妨害するために用いてもよい(例えば、WO 90/11364または米国特許第5,824,519号を参照)。本発明で用いてもよいリボザイムは、ハンマーヘッドリボザイム(Haseloff and Gerlach, 1988, Nature, 334:585-591)、テトラヒメナ・テルモフィラ(Tetrahymena thermophila)で天然に存在するもの(IVS、またはL−19 IVS RNAとして知られる)であって詳細に記載されている(例えば、WO 88/04300; Been and Cech, Cell, 47:207-216 (1986)を参照)もののようなRNAエンドリボヌクレアーゼ(以降“Cech型リボザイム”)を含む。リボザイムは、修飾オリゴヌクレオチドで構成されてもよく(例えば、向上した安定性、ターゲッティングのために)、およびRANKまたはRANKLポリペプチドを発現する細胞にインビボで運ばれるものとする。用いてもよい運搬方法の1つは、トランスフェクトされた細胞が、内在性RANKまたはRANKLメッセージを破壊して翻訳を阻害するのに充分な量のリボザイムを生産する、強力な構成的なpol IIIまたはpol IIプロモーターの制御下におかれているリボザイムをコードするDNA構築物を伴う。
本発明のさらに他の態様において、用いるRANKアンタゴニストは、RANKまたはRANKLに特異的に結合する抗体である。そのような抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAB)、ヒト化もしくはキメラ抗体、一本鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fab発現ライブラリーによって生産されたフラグメント、抗イディオタイプ(anti−Id)抗体、および上記の何れかについてのエピトープ結合性フラグメントを含むが、これらに限定されない。“特異的に”結合する抗体は、(非特異結合に対して)当該抗体の抗原結合部位を介して、RANKまたはRANKLのようなそれらの標的に結合する抗体である。特異的に結合する抗体は、本明細書に記載したような標的のRANKまたはRANKLポリペプチド、またはそれらのサブポーション、それらの相同体および変異体を特異的に認識して結合する。RANKアンタゴニストとして用いるためのモノクローナル抗体は、ヒトRANKまたはRANKLに存在するがマウスRANKまたはRANKLには存在しないエピトープに特異的なものが選択されてもよい。マウスおよびヒトRANKの両方に結合する、あるいはマウスおよびヒトRANKLの両方に結合するモノクローナル抗体もまた、本発明の治療方法のためのRANKアンタゴニストとして用いてもよい。目的の特異性を有するモノクローナル抗体を得る方法は、当該技術分野において周知であり、それらは例えば、米国特許第6,017,729号に記載されている。本明細書に記載のRANKおよびRANKLポリペプチド、フラグメント、変異体およびRANK融合ポリペプチドは、RANKまたはRANKLに特異的な免疫反応性を有する抗体の製造において免疫源として使用してもよい。もし抗RANK抗体がRANKアンタゴニストであるなら、当該抗体がRANKの細胞外ドメインに結合したときには、RANK活性を誘発しない。アンタゴニスト性抗RANK抗体は、従ってRANKを発現している細胞においてNF−κB活性の増大を誘導しない。
精製されたRANKの可溶型、アンタゴニスト性抗体、およびそれらの相同体もしくは誘導体、のようなタンパク質を含むRANKアンタゴニストは、当該アンタゴニストをコードするDNAの組換え翻訳産物を発現する適切な宿主/ベクターシステムを培養することで調製され、それはその後、培養培地または細胞抽出物から精製される。本発明の単離された、好ましくは少なくとも1つの発現制御配列に機能可能なように連結された、核酸を含む宿主細胞は、“組換え宿主細胞”であり、“形質転換された”と呼ばれる。
ポリペプチドであるRANKアンタゴニストを組換えにより発現するには、アンタゴニストをコードする単離された核酸を、pDC409ベクター(Giri et al., EMBO J., 13:2821 (1990))または誘導pDC412ベクター(Wiley et al., Immunity 3:673 (1995))のような発現制御配列に機能可能なように連結させてもよい。pDC400系のベクターは、CV−1または293細胞のような一過性の哺乳動物発現系に有用である。あるいは、単離された核酸は、pDC312、pDC316、またはpDC317ベクターのような発現ベクターに連結させてもよい。pDC300系のベクターは全て、SV40複製起点、CMVプロモーター、アデノウイルス三部(adenobirus tripartite)リーダー、ならびに、SV40ポリAおよび終結シグナルを含有し、これらはCHO細胞またはそれらの誘導体のような安定な哺乳動物発現系に対して有用である。あるいは、アンタゴニストをコードする核酸は、WO 01/27299に記載されているような内部ポリアデニル化シグナルを有するベクターを用いて発現してもよい。ポリペプチドを組換えで生産するために、pMT2またはpED発現ベクター(Kaufman et al., Nucleic Acids Res. 19:4485-4490 (1991); およびPouwels et al., 1985, Cloning Vectors: A Laboratory Manual, Elsevier, New York)およびGATEWAY Vectors(Life Technologies; Rockville, MD)のような、その他の発現制御配列およびクローニング技術を用いてもよい。GATEWAYシステムでは、attB配列に隣接した本発明の単離された核酸は、attP配列を含有するpDONR201のようなGATEWAYベクターにインテグラーゼ反応を通して組換えることができる。これは、本発明の単離された核酸を含有する、GATEWAYシステムのためのエントリーベクターを提供する。このエントリーベクターは、上述したようなpDC400およびpDC300系のベクターのような、他の適切に調製された発現制御配列に更に組換えてもよい。多くの適切な発現制御配列が当該技術分野において知られている。組換えポリペプチドを発現する一般的な方法は、R. Kaufman, Methods in Enzymology 185:537-566 (1990)にも記載されている。本明細書において、“機能可能なように連結された”とは、本発明の核酸と発現制御配列が、適切な分子(例えばポリメラーゼ)が存在するときに当該核酸にコードされるポリペプチドが発現する様式で、構築物、ベクター、または細胞中に位置することを意味する。本発明の1つの態様において、組換え宿主細胞またはその後代中に少なくとも1つの発現制御配列が本発明の核酸に機能可能なように連結し、当該核酸および/または発現制御配列が宿主細胞に、例えば、形質転換またはトランスフェクションにより、または他のいずれかの適切な方法により、導入されている。本発明の別の態様において少なくとも1つの発現制御配列が、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列に機能可能なように連結して、組換え宿主細胞のゲノム中に組み込まれている。本発明のさらなる態様において、少なくとも1つの発現制御配列が、インビトロまたは組換え宿主細胞内のいずれかにおいて、転写因子のようなトランス作用性の因子の働きによって本発明の核酸に機能可能なように連結している。
多くの種類の細胞が、RANKアンタゴニスト活性を有するポリペプチドの組換え発現のための適切な宿主細胞として働いてもよい。適切な哺乳動物宿主細胞は、例えば、サル腎臓細胞のCOS−7系(ATCC CRL 1651)(Gluzman et al., Cell 23:175 (1981))、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、BHK(ATCC CRL 10)細胞系、McMahanら(EMBO J. 10:2821 (1991))に記載されているアフリカミドリザル腎臓細胞系CV1(ATCC CCL 70)に由来するCV1/EBNA細胞系、ヒト腎臓293細胞、ヒト表皮A431細胞、ヒトColo205細胞、その他の組換え霊長類細胞系、正常二倍体細胞、一次組織のインビトロ培養に由来する細胞株、一次移植片、HL−60、U937、HaK、またはJurkat細胞、を含む。あるいは、ポリペプチドは酵母のような下等真核生物、またはバクテリアのような原核生物において生産されてもよい。適切な酵母の株は、サッカロミセス・セレビジェ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)属、カンジダ属(Candida spp.)、ピキア属(Pichia spp.)、または異種性のポリペプチドを発現可能な何れかの酵母菌株を含む。潜在的に適切なバクテリア菌株は、大腸菌(Escherichia coli)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、または異種性のポリペプチドを発現可能ないずれかのバクテリア菌株を含む。ポリペプチドが酵母またはバクテリアによって作られる場合は、機能性RANKアンタゴニストを得るために、例えば、適切な部位のリン酸化またはグリコシル化によって、その製造されたポリペプチドを修飾する必要があり得る。そのような共有結合性の付属物は、公知の化学的または酵素的な方法によって成し遂げてもよい。
ポリペプチドはまた、本発明の単離した核酸を、1以上の昆虫発現ベクター中の適切な制御配列に機能可能なように結合させ、昆虫発現システムを使用することによって産生してもよい。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系の材料と方法は、キットの形態で、例えばInvitrogen、サンディエゴ、カリフォルニア州、米国(MaxBacRキット)、から市販されており、そして、SummersおよびSmith、Texas Agricultural Experiment Station Bulletin No. 1555 (1987)、ならびにLuckowおよびSummers、Bio/Technology 6:47 (1988)に記載されているように、そのような方法は当該技術分野においてよく知られている。
本願明細書に開示した核酸構築物に由来するRNAを用いてポリペプチドを産生するのに、無細胞翻訳系を用いてもよい。
本発明のポリペプチドは、形質転換した宿主細胞を、組換えペプチドの発現を支持するのに適した条件下で培養することにより産生してもよい。得られた発現したポリペプチドは、そのような培養物から(すなわち、培養培地または細胞抽出物から)、種々の塩を用いる選択的沈殿、ゲルろ過、およびイオン交換クロマトグラフィーのような、公知の精製方法を用いて精製してもよい。ポリペプチドの精製は、当該ポリペプチドに結合する剤を含むアフィニティーカラム;コンカナバリンA−アガロース、ヘパリン−トヨパールR、またはチバクロムブルー3GAセファロースRというようなアフィニティー樹脂による1以上のカラムステップ;フェニルエーテル、ブチルエーテルまたはプロピルエーテルというような樹脂を用いた疎水性相互作用クロマトグラフィーを伴う1以上のステップ;あるいは、RANKアンタゴニストの1以上のエピトープに特異的に結合する抗体を用いたイムノアフィニティークロマトグラフィー、をも含んでよい。
本発明のポリペプチドは、形質転換した宿主細胞を、組換えペプチドの発現を支持するのに適した条件下で培養することにより産生してもよい。得られた発現したポリペプチドは、そのような培養物から(すなわち、培養培地または細胞抽出物から)、種々の塩を用いる選択的沈殿、ゲルろ過、およびイオン交換クロマトグラフィーのような、公知の精製方法を用いて精製してもよい。ポリペプチドの精製は、当該ポリペプチドに結合する剤を含むアフィニティーカラム;コンカナバリンA−アガロース、ヘパリン−トヨパールR、またはチバクロムブルー3GAセファロースRというようなアフィニティー樹脂による1以上のカラムステップ;フェニルエーテル、ブチルエーテルまたはプロピルエーテルというような樹脂を用いた疎水性相互作用クロマトグラフィーを伴う1以上のステップ;あるいは、RANKアンタゴニストの1以上のエピトープに特異的に結合する抗体を用いたイムノアフィニティークロマトグラフィー、をも含んでよい。
ポリペプチドRANKアンタゴニストを回収するには、組換えタンパク質を培養培地中に分泌する系からの上清を、まず、例えばアミコンまたはミリポアペリコン限外ろ過ユニットなどの市販のタンパク質濃縮フィルターを用いて濃縮してもよい。濃縮ステップに続いて、濃縮物は適切な精製マトリクスに適用してもよい。例えば、適切なアフィニティーマトリクスは、適切な支持体に結合した対の構造のタンパク質またはレクチンまたは抗体分子を含んでいてもよい。あるいは、例えば、ペンダントのジエチルアミノエチル(DEAE)基を有するマトリクスまたは基質の、アニオン交換樹脂を使用してもよい。マトリクスはアクリルアミド、アガロース、デキストラン、セルロースまたはタンパク質精製に広く使用されるその他のタイプであってもよい。あるいは、カチオン交換ステップを使用してもよい。適切なカチオン交換体は、スルホプロピル基またはカルボキシメチル基を含む種々の不溶性マトリクスを含む。スルホプロピル基が好ましい。ゲルろ過クロマトグラフィーも、本発明のタンパク質を精製する手段を提供する。
アフィニティークロマトグラフィーは、RANKおよびその相同体を精製する、特に有用な方法である。例えば、イムノグロブリンFcを含む融合タンパク質として発現したRANKは、プロテインAまたはプロテインGアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製することも可能である。さらに、オリゴマー化ジッパードメインを含むRANKタンパク質は、オリゴマー化ジッパードメインに特異的な抗体を含む樹脂上で精製してもよい。RANKタンパク質に対するモノクローナル抗体は、当該技術分野において周知の方法を利用することにより、アフィニティークロマトグラフィーによる精製において有用である。リガンドを用いて、可溶性RANKタンパク質またはその他のRANKアンタゴニストをアフィニティー精製するためのアフィニティーマトリクスを調製してもよい。
RANKアンタゴニストを更に精製するために、たとえばペンダントのメチル基またはその他の脂肪族基を有するシリカゲルなどの疎水性RP−HPLC媒体を使用する、1以上の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)ステップを用いてもよい。適切な方法は、Urdalら(J. Chromatg. 296:171 (1984))が開示した方法に類似の方法を含む。上述の精製ステップのいくつかまたは全てを、様々な組み合わせで、均質な組換えタンパク質を提供するのに使用することも可能である。
バクテリア培養で生産された組換えタンパク質は通常、細胞ペレットからの最初の抽出、続いて1以上の濃縮、塩析、水性イオン交換またはサイズ排除クロマトグラフィーのステップにより単離される。最終的に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を最終精製ステップとして使用してもよい。組換えタンパク質の発現に使用した微生物細胞は、冷凍−解凍サイクリング、超音波処理、力学的破砕、または細胞溶解剤の使用、のいずれの都合のよい方法によっても破砕できる。本発明のタンパク質を分泌タンパク質として発現する酵母の発酵は、精製を大いに単純化する。
組換え体培養で合成されるタンパク質は、タンパク質を含む細胞構成物の、培養物から本発明のタンパク質を回収するのに用いる精製ステップによって決まる量およびその特徴における存在によって、特徴づけられる。これらの構成物は通常、酵母、原核生物、または非ヒト高等真核生物由来のものであり、好ましくは、約1重量%未満程度の無害の混入量で存在する。さらに、組換え細胞培養は、起源となる種に天然に見いだされるタンパク質に通常付随する他のタンパク質がない、本発明のタンパク質の製造を可能にする。
本発明の治療方法の実施において、RANKアンタゴニストは、非高カルシウム血症の癌患者であってその癌が骨に転移していない患者に、以下の終点の1以上を達成するのに有効な投与量および投与頻度で投与される:腫瘍負荷(tumor burden)の減少;腫瘍負荷の安定化;悪性細胞の増殖速度の遅延化;患者に疾患がない状態にとどめる時間の長さの増加;および、癌が進行しない時間の長さの増加。本発明の更に別の側面において、RANKアンタゴニストは、特定の種類の癌に関連した代理マーカーの量を減少させるのに有効な量および頻度で投与される。そのような代理マーカーの例は、乳癌における血清HER2/neuおよび、前立腺癌における血清PSAである。RANKアンタゴニストは、固形腫瘍の外科的除去の前もしくは直後に、または手術後いつでも、投与してよい。
治療の継続時間は変化するが、典型的には、反復投与が少なくとも2週間またはそれ以上の期間を通して行われるか、無期限に行われてもよい。治療しない期間を変えながら、数ラウンドの治療が行われてもよい。中断されたとしても、癌の再発が起こるようであれば、治療を再開してもよい。
RANKアンタゴニストによる癌の治療は、他の治療と併用して行ってもよく、通常は化学療法または放射線療法と併用して行われる。1つの例は、RANKアンタゴニストは、Apo2リガンド/TRAILまたは、VEGFに対する抗体もしくはEGF受容体に対する抗体のような抗血管形成剤などの、様々な腫瘍タイプに効果的な剤と併用して与えてもよい。RANKアンタゴニスト治療はまた、たとえば、腫瘍特異的抗原を標的としたモノクローナル抗体のような特定の種類の癌を標的とする他の治療、または特定の種類の癌に用いられる他の治療、と組み合わせてもよい。例えば、乳癌は、RANKアンタゴニストを、化学療法、ホルモン治療、タモキシフェン、ラロキシフェンもしくは、ハーセプチンR(HERCEPTINR)(Genentech, Inc.)などの抗HER2抗体のような、HER2をターゲットとする剤、またはいずれのそれらの組み合わせ、と併用して投与することによって治療してよい。別の例において、慢性リンパ球性白血病または非ホジキンリンパ腫はRANKアンタゴニストおよび抗CD20モノクローナル抗体リトゥキシンR(RITUXINR)(Genentech, Inc.)の組み合わせで治療する。本発明はまた、様々な可溶性サイトカイン受容体もしくはサイトカインまたは癌の化学療法に用いられる薬物とのRANKアンタゴニストの併用投与を意図する。「併用投与」は、組み合わせの成分の同時または逐次的な治療、ならびに薬物が交互になる投与計画、または1つの成分が長期に渡って投与され他の成分が断続的に投与されることを指す。そのような他の薬物は、例えば、癌患者の骨損失を回復するのに用いられるビスホスホネート類、または併用して投与される1より多いのRANKアンタゴニストの使用を含む。併用して投与される他の薬物の例は、抗ウイルス薬、抗生物質、鎮痛薬、副腎皮質ステロイド、炎症性サイトカインのアンタゴニスト、DMARD、種々の全身性化学療法、および、例えば、COX I阻害剤またはCOX II阻害剤のような非ステロイド性抗炎症薬を含むが、これらに限定されない。
1つの有用な組み合わせは、RANKアンタゴニストおよび、炎症性応答に関連するサイトカインであるTNFαのアンタゴニストの併用投与を含む。TNFα阻害剤は、単独で本願明細書に記載した何れの病気を治療するのに用いてもよく、または、RANKアンタゴニストを併用して用いてもよい。使用しうるTNFα阻害剤は、TNFα受容体(TNFR)IもしくはIIまたは他のTNFRから誘導してもよいTNFRの細胞外領域を含む可溶性タンパク質を含む。そのようなTNFαインヒビターの1つは、エタネルセプトである。これは、p75TNFα受容体の細胞外部分の二分子の二量体であり、それぞれの分子は232アミノ酸のヒトIgG1のFc部分に融合した235アミノ酸のTNFRに由来するポリペプチドからなる。エタネルセプトは現在イミュネックス社より商品名ENBRELRで販売されており、一般的に、25または50mg/投与の均一な投与量で、または、5−12mg/m2の投与量で、皮下注射で1週間あたり1−3回投与される。他の適切なTNFα阻害剤は、ヒト化抗体を含むTNFαに対する抗体を含む。RANK阻害剤と同時投与するヒト化抗体の例は、インフリキシマブ(CentocorからREMICADERとして販売されている)である。これは、キメラIgG1κモノクローナル抗体である。他の適切な抗TNFα抗体は、ヒト化抗体D2E7およびCDP571、ならびに、EP 0 516 785 B1、U.S. 5,656,272、およびEP 0 492 448 A1に記載の抗体である。さらに、TNFαは、TNFαの競合的阻害剤としてはたらくTNFα由来のペプチド(U.S. 5,795,859またはU.S. 6,107,273に記載されているようなもの)、p55TNFα受容体の細胞外部分を含んでいるような、エタネルセプト以外のTNFR−IgG融合タンパク質、IgG融合タンパク質以外の可溶性TNFR、もしくは、TNFα変換酵素の阻害剤(例えばU.S. 5,594,106を参照)のような、内因性TNFα濃度を減少させるその他の分子、または、ペントキシフィリンもしくはサイドマイドのような低分子、の投与により阻害してもよい。
同様に、炎症性サイトカインIL−1の阻害剤を、上述したいずれかの癌を治療するのに単独で用いてもよく、または、RANKアンタゴニストと併用して投与してもよい。適切なIL−1阻害剤は、例えば、IL−1の受容体結合性ペプチドフラグメント、IL−1αまたはIL−1βまたは他のIL−1ファミリーメンバーを含むIL−1に対する抗体、I型IL−1受容体に対するアンタゴニスト性抗体、および、IL−1の受容体の全体もしくは部分を含む組換えタンパク質または遺伝子改変した突然変異タンパク質、多量体型、および徐放性形態を含むその修飾変異体、を含む。他の有用なIL−1アンタゴニストは、IL−1raポリペプチド、IL−1β変換酵素(ICE)阻害剤、I型IL−1受容体およびII型IL−1受容体のIL−1結合型、並びにIL−1捕捉剤(IL-1 traps)として知られる治療薬、を含む。IL−1raポリペプチドは、US 5,075,222に記載のIL−1raの型、ならびに、U.S. 5,992,573、WO 91/17184、WO 92/16221、およびWO 96/09323に記載のものを含む修飾型および変異体、を含む。IL−1β変換酵素(ICE)阻害剤は、PCT特許出願WO 91/15577、WO 93/05071、WO 93/09135、WO 93/14777およびWO 93/16710;ならびにEP 0 547 699に記載のものを含む、ペプチド性のおよび低分子のICE阻害剤を含む。非ペプチド化合物は、WO 95/26958、U.S. 5,552,400、U.S. 6,121,266およびDolle et al., J. Med. Chem. 39:2438-2440 (1996)、に記載のものを含む。さらなるICE阻害剤は、米国特許第6,162,790号、第6,204,261号、第6,136,787号、第6,103,711号、第6,025,147号、第6,008,217号、第5,973,111号、第5,874,424号、第5,847,135号、第5,843,904号、第5,756,466号、第5,656,627号、第5,716,929号に記載されている。I型IL−1受容体およびII型IL−1受容体のIL−1結合型は、U.S. 4,968,607、US 4,968,607、US 5,081,228、U.S Re 35,450、U.S. 5,319,071および5,350,683に記載されている。IL−1捕捉剤は、WO 018932に記載されている。
さらに、適切なIL−1アンタゴニストは、抗体分子およびIL−1アンタゴニスト分子の両方の部分を含むキメラタンパク質を包含する。そのようなキメラ分子は、単量体、二量体またはより高次の多量体を形成してよい。他の適切なIL−1アンタゴニストは、IL−1シグナル受容体であるI型IL−1 Rに競合的に結合可能な、IL−1に由来するペプチドを含む。
本発明のある態様は、IL−1および特にIL−1βに結合し、そしてIL−1シグナル伝達を遮断し、よってIL−1および特にIL−1βの炎症誘発性および免疫調節性の効果を妨害する型のII型IL−1受容体を利用する。U.S. 5,350,683にII型IL−1受容体ポリペプチドが記載されている。用いてもよいII型IL−1受容体ポリペプチドのあるタイプは、IL−1および特にIL−1βへの結合可能性を保持する切断された可溶性フラグメントを含む。IL−1アンタゴニストとして有用な可溶性II型IL−1受容体分子は、例えば、天然型II型IL−1受容体の類似体またはフラグメントであって天然分子の膜貫通領域を欠失しているもので、IL−1、特にIL−1βに結合可能なものを含む。
II型IL−1受容体に由来するアンタゴニスト(例えば、IL−1βに結合する可溶性型)は、IL−1について細胞表面上のIL−1受容体と競合して、IL−1が細胞に結合するのを阻害し、それによってその生物学的活性が現れるのを防ぐ。可溶性II型IL−1受容体または、IL−1もしくはIL−1βのフラグメントの結合は、ELISAまたはいずれかの他の都合のよいアッセイによって検定することも可能である。注射するのであれば、可溶性II型IL−1受容体の大人一人当たりの有効な投与量は1−20mg/m2の範囲であり、一般的には、5−12mg/m2となる。あるいは、均一投与量で投与してもよく、その量は5−100mg/投与の範囲、または20−50mg/投与の範囲である。
本発明の実施において適切な可溶性II型IL−1受容体ポリペプチドまたはフラグメントは、キメラタンパク質を形成するように第二のポリペプチドと融合してもよい。そのようなキメラタンパク質の1つの態様において、第二のポリペプチドはキメラタンパク質による二量体、三量体またはより高次の多量体の自発的形成を促進してもよく、それはIL−1分子に結合可能で、そして細胞に結合した、IL−1シグナリングを促進する受容体へそれが結合するのを防ぐ。アンタゴニストとして用いるキメラタンパク質は抗体分子および可溶性II型IL−1受容体の両方の部分を含むタンパク質であってよい。
治療上の使用について、RANKアンタゴニストは、適応症に適した方法で、ヒトを含む個体に投与される。全身投与は、一般的にどんな種類の癌を治療するのにも適している。RANK/RANKLアンタゴニストは局所的に投与してもよく、これは皮膚癌の患者に適当であり得る。しかし、所望であればこれらの患者は全身的に治療してもよい。局所投与の手段は、例えば、局所注射、またはこの目的に適した徐放性マトリクスに混合したもしくは重合したアンタゴニストの投与を含み、これらの多くは公知である。
本発明はさらに癌を治療するための薬剤を製造するための、RANKアンタゴニストおよびRANKアンタゴニストと共に併用して投与する薬物の使用を提供する。RANKアンタゴニストおよび他の薬物は、有効量のアンタゴニストを含む治療用組成物へと調製してよい。本発明の1つの態様において、治療用薬剤は、RANKアンタゴニスト活性を有する精製された可溶性タンパク質を、生理的に許容可能なキャリアー、賦形剤、または希釈剤と共に含む医薬組成物の形態で投与される。そのようなキャリアーはレシピエントに対して、使用する投与量および濃度において非毒性である。医薬組成物のためのRANK/RANKL相互作用の阻害剤は、ポリエチレングリコール(PEG)、金属イオンと複合化する、あるいは、ポリ酢酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル、デキストランなどのようなポリマー性化合物に組み込む、あるいは、リポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単層もしくは多層ベシクル、赤血球ゴースト、またはスフェロブラストに組み込んでもよい。PEGとのタンパク質複合体は、例えば、米国特許第5,849,860号、米国特許第5,766,897号に記載のような公知の方法、または他の適切な方法を用いて作成してもよい。リポソーム製剤に適した脂質は、非限定的に、モノグリセリド、ジグリセリド、コレステロール、スルファチド、リゾレシチン、リン脂質、サポニン、胆汁酸などを含む。リポソーム製剤の製造は、当該技術分野の水準にあり、例えば、米国特許第4,235,871号;米国特許第4,501,728号;米国特許第4,837,028号;米国特許第4,737,323;および米国特許第5,858,397号に開示されている。そのような組成物は物理的状態、溶解性、安定性、インビボ放出速度、およびインビボクリアランス速度に影響を及ぼし、従ってそれらは目的の投与に従って選択され、キャリアーの特徴は選択された投与経路に依存する。
本発明の1つの態様において、RANKアンタゴニストの徐放性形態が用いられる。開示された方法における使用に適した徐放性形態は、ゆっくりと溶解する(slow-dissolving)徐放性の生体適合性ポリマー(例えばU.S. No. 6,036,978に記載のアルギネートミクロパーティクル)に被包され、徐放性ポリマー(局所適用するヒドロゲルを含む)と混合され、および/または生体適合性の半透性インプラントに組み込まれた、可溶性RANKポリペプチドおよびアンタゴニスト性抗RANKもしくは抗RANKL抗体、を含むがこれらに限定されない。
1投与当たり投与されるRANKアンタゴニストの量は、用いるアンタゴニストおよび投与方法によって変化する。アンタゴニストが可溶性RANKであり、注射によって投与された場合、大人一人当たりの有効な投与量は0.5−20mg/m2の範囲、または5−12mg/m2の範囲である。あるいは、均一用量で投与してもよく、その量は5−100mg/投与の範囲である。皮下注射により投与される均一用量の用量範囲の例は、5−25mg/投与、25−50mg/投与、および50−100mg/投与である。選択された用量は、特に慢性疾患の場合に、繰り返し投与されてもよく、または1投与当たりの投与量は治療の成果によって増加または減少させてよい。小児患者(4−17歳)には、適切な投与計画は0.4mg/kg、最大投与量25mgまでを1週間当たり1回以上投与する皮下注射を伴う。RANKまたはRANKLに対する抗体がRANKアンタゴニストとして用いられる場合、有用な用量範囲は0.1から20mg/kg体重、0.75から7.5mg/kg体重、および1−10mg/kg体重を含む。ヒト化抗体が好ましく、これは、抗体分子の抗原結合部分のみが非ヒト資源に由来する抗体である。抗体は、静脈内点滴を含む注射により投与してもよい。適切な投与量は治験で決定することができる。投与量及び投与頻度は、もちろん、治療される適応症の性質及び重篤度、期待される応答、患者の状態などの要因に左右される。
通常、RANKアンタゴニストを含む医薬組成物の調製は、治療用のタンパク質と、バッファー、アスコルビン酸のような抗酸化剤、低分子量(約10残基以下)ポリペプチド、タンパク質、アミノ酸、グルコース、スクロースまたはデキストリンを含む炭水化物、EDTAのようなキレート剤、グルタチオンおよびその他の安定剤、ならびに賦形剤とを組み合わせることを伴う。中性の緩衝生理食塩水、または同種の血清アルブミンを混合した生理食塩水は、適切な希釈剤の例である。ある態様において、製品は適切な賦形剤溶液(例えば、滅菌水またはスクロース溶液)を希釈剤として用いた凍結乾燥品として処方する。本発明の1つの態様は、凍結乾燥したRANKアンタゴニストを、戻した時に1包装あたり1から3回分の用量となる用量ユニットの形態で包装することを伴う。
本発明の化合物は、経口的に、非経口的に、舌下に、吸入スプレーによって、直腸に、または局所的に、所望により慣用の非毒性の医薬的に許容可能なキャリアー、アジュバント、およびビヒクルを含有する用量ユニット処方で投与してもよい。局所的投与は、経皮的パッチまたは電気泳動デバイス(ionophoresis devices)のような、経皮的投与の使用を伴ってもよい。注射は用いてもよい投与経路であり、非経口的注射を含む。非経口的注射は、皮下注射、脊髄内、くも膜下腔内、眼窩内、静脈内、動脈内、筋肉内、胸骨内、および、点滴技術を含む。RANKアンタゴニストを含む組成物は、大量瞬時投与または連続的点滴によって投与することができる。用いてよい全身投与の経路は、皮下注射及び静脈内点滴である。
本発明の他の態様において、RANKアンタゴニストを発現するように遺伝子改変した細胞を使用する。例えば、可溶性RANKまたはRANKアンタゴニスト活性を有する他のタンパク質をコードするDNAを患者の体から取り出した細胞に導入し、そして当該細胞をその後当該患者に戻す。DNAは、レシピエント細胞中でアンタゴニストの発現を促進する形で導入する、すなわち、コーディング領域は細胞内での発現に適切な制御要素に機能可能なように連結する。DNAは、レトロウイルスもしくはアデノウイルスベクター、またはリポソーム中に被包されるような、適切なベクターを用いて導入してよい。この薬物投与の様式に適切な細胞は、患部組織に戻る細胞である。他の同様の態様において、細胞系はRANKアンタゴニストをコードするDNAの導入によってアンタゴニストを発現するように修飾し、そして、当該細胞を患者に導入する。そのような細胞は、RANKアンタゴニストの安定なまたは一過性の発現の何れかを促進するDNA構築物で形質転換してもよい。あるいは、アンタゴニストをコードするDNAは、リポソーム中に被包された形態で、患者に導入されてよく、全身的にまたは患部組織に局所的に導入してもよい。
治療される疾患の様々な動物モデルが当該技術分野において知られている;よって、RANKアンタゴニストの至適投与量および至適投与経路を決定する日常の試験を、最初に動物モデルで、その後ヒト患者で、行うことができる。どんな特定の患者の特定の投与計画も、使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、身体全体の健康、性別、食習慣、投与時間、投与経路、排泄速度、薬物の組み合わせ、および患者の症状の重篤度を含む様々な要因に左右される。当該患者の担当医が最適の結果を得るために必要な投与量及び投与頻度を調節するだろう。
実施例
ヒト癌細胞系におけるRankの発現
実験は、2つのヒト乳癌細胞系(MDA−MB−231およびMCF−7)および2つのヒト前立腺癌細胞系(PC−3およびDU145)を含む、4つの異なるヒト癌細胞の系統におけるRANKの発現を証明するために行った。
ヒト癌細胞系におけるRankの発現
実験は、2つのヒト乳癌細胞系(MDA−MB−231およびMCF−7)および2つのヒト前立腺癌細胞系(PC−3およびDU145)を含む、4つの異なるヒト癌細胞の系統におけるRANKの発現を証明するために行った。
上記の細胞系は10cm組織培養プレート上で約75%コンフルエントまで増殖させた。培地をデカントした後、細胞をPBSで2回洗浄し、1mlの溶解バッファー(HNTG:20mM HEPES,pH7.0,150mM NaCl,0.1%Triton X−100,10%グリセロール)で溶解した。浄化した溶解物は5mcgのヒトRANKに特異的なモノクローナル抗体(mAb)(クローンM330またはクローンM331)と共に、4℃で1時間インキュベートした。免疫複合体は、プロテインA/プロテインGセファロースビーズ(ファルマシア)の混合物と共にインキュベートすることにより精製し、HNTG中で2回、50mM Tris−HCl(pH 7.5)で1回洗浄した。ビーズ上の精製した免疫複合体はSDSサンプルローディングバッファー中で再懸濁し、100℃でインキュベートしてタンパク質をビーズから離し、8−16%SDS/PAGEで電気泳動に供した。分離したタンパク質を膜に転移した後、RANKタンパク質は、ヒトRANK細胞質ドメイン全体(GST−RANK CYTO)に対して作成したラットポリクローナル抗体、または、ヒトRANK(9A725)から誘導したペプチドに特異的なmAbを用いたウエスタンブロッティングで可視化した。RANKは、4つの試験した細胞系すべてに由来する分離したタンパク質から検出された。
Claims (40)
- 高カルシウム血症でなく、そして、癌が骨に転移していない、ヒト患者における癌を治療する方法であって、RANKアンタゴニストを当該患者に投与することを含み、ここで、当該患者は男性患者の場合9.0から10.3mg/dLの間、女性患者の場合8.9から10.2mg/dLの間の血清カルシウムレベルを有し、さらに、RANKアンタゴニストが、当該患者が患っている腫瘍が減少すること、および、当該患者における悪性細胞の増殖速度が減少すること、からなる群から選択される終点を達成するのに有効な量および頻度で投与されることを含む方法。
- RANKアンタゴニストが、RANKに特異的に結合する抗体、RANKLに特異的に結合する抗体、オステオプロテゲリン、およびRANK mRNAの翻訳もしくは転写を遮断するアンチセンスオリゴヌクレオチド、からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- RANKアンタゴニストが、RANKLに結合できる可溶性RANKポリペプチドである、請求項1に記載の方法。
- 可溶性RANKポリペプチドが、
(a)配列番号4のアミノ酸xからyを含むポリペプチドをコードする核酸分子であって、ここで、xは配列番号4のアミノ酸1から33からなる群から選択され、そしてyは配列番号4のアミノ酸196から213からなる群から選択される;
(b)配列番号2のアミノ酸xからyを含むポリペプチドをコードする核酸分子であって、ここで、xは配列番号2のアミノ酸1から35からなる群から選択され、そしてyは配列番号2のアミノ酸197から214からなる群から選択される;並びに、
(c)(a)もしくは(b)の核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸分子、またはその相補体であって、ここで、ストリンジェントな条件は6xSSC中、63℃でハイブリダイズし、3xSSC中、55℃で洗浄することを含む;
からなる群から選択される核酸分子によってコードされる、請求項3に記載の方法。 - 可溶性RANKポリペプチドがさらに、イムノグロブリンFcドメイン、FLAGTMタグ、少なくともおよそ6つのHis残基を含むペプチド、ロイシンジッパー、ポリエチレングリコール、およびこれらの組み合わせ、からなる群から選択される部分を含む、請求項4に記載の方法。
- 可溶性RANKポリペプチドが、配列番号5のアミノ酸30〜443を含む、請求項5に記載の方法。
- 患者が、プラズマ細胞腫、意義未確定の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)、および、ワルデンストロームマクログロブリン血症、からなる群から選択される癌を有する、請求項1に記載の方法。
- 患者が、肺癌、乳ガン、黒色腫、肉腫、前立腺癌、頭部および頸部癌、原発巣不明癌、リンパ腫、白血病、腎臓癌、および消化管の癌、からなる群から選択される癌を有する、請求項1に記載の方法。
- 患者が、脳の腫瘍;神経膠腫;神経芽細胞腫;星状細胞腫;髄芽細胞腫;上衣細胞腫;網膜芽細胞腫;鼻咽頭癌;基底細胞癌;膵臓癌;胆管の癌;カポジ肉腫;胸腺腫;精巣癌;子宮癌;膣の癌;子宮頚癌;卵巣癌;肝臓癌;子宮内膜癌;および、血管上皮細胞腫;からなる群から選択される癌を有する、請求項1に記載の方法。
- 患者が、ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫;B細胞型急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫;T細胞型急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫;末梢性T細胞型白血病;成人性T細胞型白血病/T細胞型リンパ腫;NK細胞腫;大顆粒リンパ球性白血病;ランゲルハンス細胞組織球増殖症;骨髄新形成;急性骨髄性白血病;急性前骨髄球性白血病;急性骨髄単球性白血病;急性単球性白血病;骨髄異形性症候群;および、慢性骨髄増殖性障害;からなる群から選択される癌を有する、請求項1に記載の方法。
- 高カルシウム血症でなく、そして、癌が骨に転移していない、ヒト患者における癌を治療する方法であって、RANKアンタゴニストを当該患者に投与することを含み、ここで、当該患者は男性患者の場合9.0から10.3mg/dLの間、女性患者の場合8.9から10.2mg/dLの間の血清カルシウムレベルを有し、さらに、RANKアンタゴニストが、当該患者が患っている腫瘍が安定化するのに有効な量および頻度で投与されることを含む方法。
- RANKアンタゴニストが、RANKに特異的に結合する抗体、RANKLに特異的に結合する抗体、オステオプロテゲリン、およびRANK mRNAの翻訳もしくは転写を遮断するアンチセンスオリゴヌクレオチド、からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
- RANKアンタゴニストが、RANKLに結合できる可溶性RANKポリペプチドである、請求項11に記載の方法。
- 可溶性RANKポリペプチドが、
(a)配列番号4のアミノ酸xからyを含むポリペプチドをコードする核酸分子であって、ここで、xは配列番号4のアミノ酸1から33からなる群から選択され、そしてyは配列番号4のアミノ酸196から213からなる群から選択される;
(b)配列番号2のアミノ酸xからyを含むポリペプチドをコードする核酸分子であって、ここで、xは配列番号2のアミノ酸1から35からなる群から選択され、そしてyは配列番号2のアミノ酸197から214からなる群から選択される;並びに、
(c)(a)もしくは(b)の核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸分子、またはその相補体であって、ここで、ストリンジェントな条件は6xSSC中、63℃でハイブリダイズし、3xSSC中、55℃で洗浄することを含む;
からなる群から選択される核酸分子によってコードされる、請求項13に記載の方法。 - 可溶性RANKポリペプチドがさらに、イムノグロブリンFcドメイン、FLAGTMタグ、少なくともおよそ6つのHis残基を含むペプチド、ロイシンジッパー、ポリエチレングリコール、およびこれらの組み合わせ、からなる群から選択される部分を含む、請求項14に記載の方法。
- 可溶性RANKポリペプチドが、配列番号5のアミノ酸30〜443を含む、請求項15に記載の方法。
- 患者が、プラズマ細胞腫、意義未確定の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)、および、ワルデンストロームマクログロブリン血症、からなる群から選択される癌を有する、請求項11に記載の方法。
- 患者が、肺癌、乳ガン、黒色腫、肉腫、前立腺癌、頭部および頸部癌、原発巣不明癌、リンパ腫、白血病、腎臓癌、および消化管の癌、からなる群から選択される癌を有する、請求項11に記載の方法。
- 患者が、脳の腫瘍;神経膠腫;神経芽細胞腫;星状細胞腫;髄芽細胞腫;上衣細胞腫;網膜芽細胞腫;鼻咽頭癌;基底細胞癌;膵臓癌;胆管の癌;カポジ肉腫;胸腺腫;精巣癌;子宮癌;膣の癌;子宮頚癌;卵巣癌;肝臓癌;子宮内膜癌;および、血管上皮細胞腫;からなる群から選択される癌を有する、請求項11に記載の方法。
- 患者が、ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫;B細胞型急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫;T細胞型急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫;末梢性T細胞型白血病;成人性T細胞型白血病/T細胞型リンパ腫;NK細胞腫;大顆粒リンパ球性白血病;ランゲルハンス細胞組織球増殖症;骨髄新形成;急性骨髄性白血病;急性前骨髄球性白血病;急性骨髄単球性白血病;急性単球性白血病;骨髄異形性症候群;および、慢性骨髄増殖性障害;からなる群から選択される癌を有する、請求項11に記載の方法。
- 高カルシウム血症でなく、そして、癌が骨に転移していない、ヒト患者における癌を治療する方法であって、RANKアンタゴニストを当該患者に投与することを含み、ここで、当該患者は男性患者の場合9.0から10.3mg/dLの間、女性患者の場合8.9から10.2mg/dLの間の血清カルシウムレベルを有し、RANKアンタゴニストが、
当該患者が病気でない時間の長さを増加させるのに、または癌が進行しない時間の長さを増加させるのに有効な量および頻度で投与されることを含む方法。 - RANKアンタゴニストが、RANKに特異的に結合する抗体、RANKLに特異的に結合する抗体、オステオプロテゲリン、およびRANK mRNAの翻訳もしくは転写を遮断するアンチセンスオリゴヌクレオチド、からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
- RANKアンタゴニストが、RANKLに結合できる可溶性RANKポリペプチドである、請求項21に記載の方法。
- 可溶性RANKポリペプチドが、
(a)配列番号4のアミノ酸xからyを含むポリペプチドをコードする核酸分子であって、ここで、xは配列番号4のアミノ酸1から33からなる群から選択され、そしてyは配列番号4のアミノ酸196から213からなる群から選択される;
(b)配列番号2のアミノ酸xからyを含むポリペプチドをコードする核酸分子であって、ここで、xは配列番号2のアミノ酸1から35からなる群から選択され、そしてyは配列番号2のアミノ酸197から214からなる群から選択される;並びに、
(c)(a)もしくは(b)の核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸分子、またはその相補体であって、ここで、ストリンジェントな条件は6xSSC中、63℃でハイブリダイズし、3xSSC中、55℃で洗浄することを含む;
からなる群から選択される核酸分子によってコードされる、請求項21に記載の方法。 - 可溶性RANKポリペプチドがさらに、イムノグロブリンFcドメイン、FLAGTMタグ、少なくともおよそ6つのHis残基を含むペプチド、ロイシンジッパー、ポリエチレングリコール、およびこれらの組み合わせ、からなる群から選択される部分を含む、請求項21に記載の方法。
- 可溶性RANKポリペプチドが、配列番号5のアミノ酸30〜443を含む、請求項25に記載の方法。
- 患者が、プラズマ細胞腫、意義未確定の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)、および、ワルデンストロームマクログロブリン血症、からなる群から選択される癌を有する、請求項21に記載の方法。
- 患者が、肺癌、乳ガン、黒色腫、肉腫、前立腺癌、頭部および頸部癌、原発巣不明癌、リンパ腫、白血病、腎臓癌、および消化管の癌、からなる群から選択される癌を有する、請求項21に記載の方法。
- 患者が、脳の腫瘍;神経膠腫;神経芽細胞腫;星状細胞腫;髄芽細胞腫;上衣細胞腫;網膜芽細胞腫;鼻咽頭癌;基底細胞癌;膵臓癌;胆管の癌;カポジ肉腫;胸腺腫;精巣癌;子宮癌;膣の癌;子宮頚癌;卵巣癌;肝臓癌;子宮内膜癌;および、血管上皮細胞腫;からなる群から選択される癌を有する、請求項21に記載の方法。
- 患者が、ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫;B細胞型急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫;T細胞型急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫;末梢性T細胞型白血病;成人性T細胞型白血病/T細胞型リンパ腫;NK細胞腫;大顆粒リンパ球性白血病;ランゲルハンス細胞組織球増殖症;骨髄新形成;急性骨髄性白血病;急性前骨髄球性白血病;急性骨髄単球性白血病;急性単球性白血病;骨髄異形性症候群;および、慢性骨髄増殖性障害;からなる群から選択される癌を有する、請求項21に記載の方法。
- 高カルシウム血症でなく、そして、癌が骨に転移していない、ヒト患者における癌を治療する方法であって、RANKアンタゴニストを当該患者に投与することを含み、ここで、当該患者は男性患者の場合9.0から10.3mg/dLの間、女性患者の場合8.9から10.2mg/dLの間の血清カルシウムレベルを有し、RANKアンタゴニストが、
当該患者の癌に関連する代理マーカーの量を減少させるのに有効な量および頻度で投与されることを含む方法。 - RANKアンタゴニストが、RANKに特異的に結合する抗体、RANKLに特異的に結合する抗体、オステオプロテゲリン、およびRANK mRNAの翻訳もしくは転写を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド、からなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
- RANKアンタゴニストが、RANKLに結合できる可溶性RANKポリペプチドである、請求項31に記載の方法。
- 可溶性RANKポリペプチドが、
(a)配列番号4のアミノ酸xからyを含むポリペプチドをコードする核酸分子であって、ここで、xは配列番号4のアミノ酸1から33からなる群から選択され、そしてyは配列番号4のアミノ酸196から213からなる群から選択される;
(b)配列番号2のアミノ酸xからyを含むポリペプチドをコードする核酸分子であって、ここで、xは配列番号2のアミノ酸1から35からなる群から選択され、そしてyは配列番号2のアミノ酸197から214からなる群から選択される;並びに、
(c)(a)もしくは(b)の核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸分子、またはその相補体であって、ここで、ストリンジェントな条件は6xSSC中、63℃でハイブリダイズし、3xSSC中、55℃で洗浄することを含む;
からなる群から選択される核酸分子によってコードされる、請求項31に記載の方法。 - 可溶性RANKポリペプチドがさらに、イムノグロブリンFcドメイン、FLAGTMタグ、少なくともおよそ6つのHis残基を含むペプチド、ロイシンジッパー、ポリエチレングリコール、およびこれらの組み合わせ、からなる群から選択される部分を含む、請求項34に記載の方法。
- 可溶性RANKポリペプチドが、配列番号5のアミノ酸30〜443を含む、請求項35に記載の方法。
- 患者が、プラズマ細胞腫、意義未確定の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)、および、ワルデンストロームマクログロブリン血症、からなる群から選択される癌を有する、請求項31に記載の方法。
- 患者が、肺癌、乳ガン、黒色腫、肉腫、前立腺癌、頭部および頸部癌、原発巣不明癌、リンパ腫、白血病、腎臓癌、および消化管の癌、からなる群から選択される癌を有する、請求項31に記載の方法。
- 患者が、脳の腫瘍;神経膠腫;神経芽細胞腫;星状細胞腫;髄芽細胞腫;上衣細胞腫;網膜芽細胞腫;鼻咽頭癌;基底細胞癌;膵臓癌;胆管の癌;カポジ肉腫;胸腺腫;精巣癌;子宮癌;膣の癌;子宮頚癌;卵巣癌;肝臓癌;子宮内膜癌;および、血管上皮細胞腫;からなる群から選択される癌を有する、請求項31に記載の方法。
- 患者が、ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫;B細胞型急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫;T細胞型急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫;末梢性T細胞型白血病;成人性T細胞型白血病/T細胞型リンパ腫;NK細胞腫;大顆粒リンパ球性白血病;ランゲルハンス細胞組織球増殖症;骨髄新形成;急性骨髄性白血病;急性前骨髄球性白血病;急性骨髄単球性白血病;急性単球性白血病;骨髄異形性症候群;および、慢性骨髄増殖性障害;からなる群から選択される癌を有する、請求項31に記載の方法。
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