JP2005514155A - ステントおよびその製造方法(変形形態) - Google Patents

ステントおよびその製造方法(変形形態) Download PDF

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Abstract

本発明は、血管外科に関する。本発明のステントは、いくつかの群の同一繊維の巻きを編み上げることによって形成された網状の中空の3次元体の形態で、有形に実施される。糸の材料は、弾性体で、形状記憶性を有する。ステントの軸に関して対向するセルは、互いにずらして配置されており、ステントの糸は、その全長に沿って等しい厚さをもちながら、部分によって異なる弾性を示す。第2の変形形態では、ステントの幾何学構造は、ステントが部分によって異なる軸方向曲率を有するように有形に実施することによって変更される。ステントの第3の実施形態は、ステントの第1の実施形態と第2の実施形態を統合する。本発明のステント生産方法は、マンドレル上に金属糸を巻くことによって金属糸の巻きを編み上げ、630℃から660℃の範囲の温度において水で急冷することによって前記マンドレル上のステントを圧縮し、それによって当該ステントについての最大の弾性を当該ステントに与えるものである。マンドレルが除去され、330℃から550℃の範囲の温度で1〜30分間繰返し急冷することによって、ステントの個々の部分の弾性が低減される。他の変形形態では、ステントの圧縮が2回実施される。ステントの個々の部分の糸の弾性および/またはステントの軸方向曲率は、第2急冷の時間および温度を変更することによって変更される。

Description

本発明は、医学の分野に関し、血管および他の中空臓器の狭窄部に管腔を再構築する体内人工器官を作製するときに使用することができる。
血管または他の中空臓器の狭窄もしくは完全な閉塞を引き起こす多数の病変が存在しており、その結果として血管または他の中空臓器の機能が一部または完全に阻害され、そのことが次には発作や梗塞等のような重篤な疾病から死に至る結末までの原因になる場合がある。
そのようなタイプの疾病が広がっているので、それらを処置する効果的な方法の開発が必要とされている。そのような処置のうち最も広く行き渡っている方法の1つが、ステントと呼ばれる中空の体内人工器官を使用する方法である。それらは、通例、中空円筒状の回転体の外見をしており、血管または他の中空臓器内に導入され、必要な場所に固定されて、臓器内で必要な管腔を維持する。
ステントは、多数の要件を満たす必要があるが、要件の中には互いにいくらか矛盾しているものもあり、そのことが最適な解決策の探求を妨げている。
ステントは、
−血管および他の中空臓器の管腔の効果的な再構築および支持
−体組織との生物学的適合性
−中空臓器の異なる解剖学的領域での使用可能性
−広範囲の間隔での使用可能性
−作業実施中の外傷性傷害が最小限であること、術後合併症を最小限に低下すること
−単純かつ安全なステント送達システムの使用可能性
−X線および他の放射線の支援によるステント留置作業の制御可能性、を備えるべきである。
それに加えて、多くの他の追加要件があり、その中でも、ステントの製造に高価な技術および材料を使用することの弊害を指摘することができ、これは、作業コストを増大させ、体内人工器官の大量適用(mass application)の障害になる。
これらの条件すべてが、医療行為での使用に推奨できるステント設計の選択に、かなり厳しい条件を課している。
現在、多種多様なステント設計が存在するが、そのうち最も広く行き渡っているものが、表面に格子またはセル構造を有する中空の回転体として作製されたステントである。ステントの製造には、非金属材料および金属材料が使用される。材料選択時には、他の条件に加えて、作業過程を制御するために体内人工器官に使用される、X線および他の放射線を透過しない材料を使用することが好まれる。
金属材料の中では、ステンレス鋼、タンタルベース合金、チタンニッケル合金など、高い弾性および/または形状記憶効果を有する様々な金属および合金が幅広く使用されていることを指摘すべきである。チタンニッケル合金の中では、特に、いわゆる「医療用ニチノール」、すなわちTiNi合金(55.5〜56.0重量%がNi、残りがTi)の使用を選ぶべきである。合金の選択およびその構成成分の関係は、大部分が、その合金から製造されるステントが当初指定された形態に戻る、その合金に固有の温度範囲によって決定される。現在、ニチノール製ステントを、血管系、胃腸管、尿産生器官、肝胆管系などに植え込む手法は、公知である。
格子またはセル表面を備えたステントの製造時には、円筒状のマンドレルが広く使用されるようになってきており、マンドレルの上に金属糸(metallic thread)が巻き付けられ、その両方がステントに特定の形状をもたらし、それらが編組(braiding)または他の何らかの方法によって互いに連結されてステントセルを形成する。
大半の公知のステントでは、人工器官の作製対象である臓器の表面に均一な圧力をかけるという課題が解決されている。しかし、人工器官が植え込まれる臓器の個々の部位に高い圧力または低い圧力をかけるという、相反する課題を解決する必要性を解決しなければならない。このような課題は、例えば、腺腫が存在するとき、またはステントが人工器官の作製対象である臓器の屈曲部に留置されるときに生じる場合がある。さらに、このタイプの部位がいくつか存在する場合もあり、それらが異なる曲率を有することもある。この場合、ステントを屈曲した形態にすべきである。ただし、ステントがその長さ全体に沿って同一の弾性を有しており、人工器官が植え込まれる臓器の屈曲部との幾何学的適合性がステントの弾性だけによる場合、人工器官が植え込まれる臓器の屈曲部には、ステントが曲げモーメントの影響を受けるときに生じる追加的な弾性力が作用するので、その直線部よりも高い負荷がかかることになる。もちろん、前述の好ましくない影響は、血管の目立った変形を引き起こさない短いステントをいくつか植え込む方法を用いれば、かなりの程度まで回避することができる。しかし、その方法では、作業過程が複雑になり、作業にかかる費用が大幅に増大するので、その方法の幅広い用途は見出されていない。多くの場合、ステントの送達時および留置時に直径の小さいカテーテルを使用する必要があると、やはり、さらなる問題が引き起こされる。そのような状況は、人工器官の作製対象である臓器自体が屈曲部をもたず、直径も小さくないが、ステントをその留置場所に送達させるのに細い屈曲した血管を使用しなければならないときに起こる場合がある。直径の小さいステントを設計すると、ステントの製造に直径の小さいワイヤを使用する必要があり、それに必要な剛性を与える必要があるので、さらなる問題が生じる。
したがって、前述の問題を克服するには、一方では、変形した血管、胆管、尿管、および他の管状臓器のためのフレームを創り出し、一方では、正常な機能を歪ませる原因になり得る、人工器官が植え込まれる臓器を乱暴に伸ばしてまっすぐにする操作をせずに、臓器の屈曲部の形態を再現するステントを開発する必要がある。大動脈および骨盤静脈、腎臓の動脈、食道−胃腸経路、腸、様々な種類の血管の狭窄、胃腸、胆管−消化管、ならびに他のタイプの吻合部(anastomosis)などは、この点で最も損傷を受けやすい。さらに、ステントの設計は、人工器官が植え込まれる臓器への送達が便利なようにすべきである。
これらの課題は、公知のステントにおける様々な設計解決策によって解決される。
ここで、様々な軸寸法比を有する、堅固に連結された菱形のセルの複数の列で形成された、編組設計を示すステントが知られている。各セルは、分離不可能なユニットを用いて頂点で連結されている(例えば、特許文献1参照)。それによって、セルは、堅固に閉じられた機能要素になり、長方形および台形の形態にすることができる。セルの堅固な連結は、相互保持ループを堅固に織り合わせることによって提供することができる。連続した糸(ワイヤ)からステントを編み上げることも可能である。ステントの設計で、糸の断面積および列の数を変化させることによって、ステントの軸方向および径方向の剛性を広範囲に変化させることができる。ステントを、その長さに沿った直径が異なる様々な回転体の形態に作製することができ、それによってステントの長さに沿った弾性を変化させることができる。しかし、それとともにセルの幾何学的寸法も変化し、結果として、人工器官が埋め込まれた臓器のステントと接触する領域での、ステント留置に対する反応の均質性が損なわれ、それが術後合併症の原因になる場合がある。それに加えて、人工器官の作製対象である血管に望ましくない局所作用を及ぼす、セルの多数の堅固な連結節が利用可能であることが、合併症の原因になる場合もある。また、前述の堅固な連結節は、ステントの変形可能性を低減させ、ステントの応用範囲が制限される。したがって、この設計は、(合理化された)製造に対する高い適合性をもたない。
進入方向が逆の螺旋状スパイラルに沿って置かれた少なくとも2群の糸(ワイヤ)を巻いたものを織り合わせることによってステントのフレームが形成されるようなステントの設計では、前述の欠点が部分的に解消される。
したがって、進入方向が逆の螺旋状に巻き付けられた多数のワイヤ片を織り合わせることによってそのフレームが形成された、円筒状のステントが知られている(例えば、特許文献2参照)。ステントの弾性は、ワイヤの巻付けピッチを変化させることによって、またはステントの直径を部位によって変化させることによって、ステントの長さに沿って異なるものにすることができる。しかし、これらの変化は、ステントの端部でしか予測されない。ステントは、コバルトクロムニッケル合金またはステンレス鋼から製造される。このステントは、先行技術の類似品に比べて変形性が高いことで区別されるが、やはり、人工器官の作製対象である臓器のステント留置場所における均質な反応はもたらされない。またさらに、人工器官の作製対象である臓器の屈曲部におけるステント留置に関する問題も解決されない。
進入方向が逆の螺旋状スパイラルに沿って何重にも巻かれて置かれた少なくとも2群の糸を織り合わされることによってその表面が形成される、容積体として作製されたステントが知られている(例えば、特許文献3参照)。その容積体は、横断方向の直径が可変であり、例えばニチノールなど、形状記憶効果を有する材料で作製される。ステントの弾性は、ステントの直径を変化させることによって、ステントの長さに沿って変えることができる。異なる群の糸が互いに滑り合って容積体の直径を変化させることができるので、そのステントは、良好な変形性を有する。しかし、やはりそれも、先行技術の類似品に特有のすべての欠点を完全には解消しない。
ニチノール糸のジグザグ形ワイヤスプリングの形態に作製された、円筒状のスパイラル形態のステントであって、スパイラルの巻きが、それぞれ指定された同数のジグザグで形成されているステントが知られている(例えば、特許文献4参照)。それによって、一方のスパイラルの巻きの屈曲部が、他方のスパイラルの巻きの隙間に互いに対向して配置される。このステント設計は、ステントと中空臓器の曲線部との幾何学的適合性を促進するためのものである。ステントの弾性は、スパイラルパターンの「密度」を変化させることによって変わるが、ステントの長さに沿った弾性の区別される多様性については、その特許のどこにも言及されていない。さらに、そのようなステント設計では、スパイラルパターンの「密度」がステントの凸状部と凹状部とで異なり、そのことが、人工器官の作製対象である臓器のステント留置領域における反応の不均質性を引き起こすことになる。また、必要な場合に、血管壁に加わる均一な圧力および小さなスプリングピッチを必要とし、イオン交換を低下させるが、十分な圧力均一性をもたらさないという、スプリングステントに共通した欠点が、前述の設計に特有であることに注目すべきである。
セルおよび可撓性コネクタを備える円筒状の金属格子の形態に作製された、少なくとも2つの剛直なセグメントを含むステントであって、周辺の剛直なセグメントのところで隣接セルの頂点を連結する多数の可撓性接合部を有するステントが知られている(例えば、特許文献5および6参照)。弾性体ではなく、塑性体の、形状記憶効果の小さい生体適合性材料から、ステントを製造することが推奨されている。そのステント設計によって、ステントを人工器官が植え込まれる臓器の屈曲部で使用することができ、またさらにステントの個々の部位に異なる弾性が与えられる。しかし、剛直なセグメントのセルおよびコネクタの寸法および形態が異なるので、人工器官の作製対象である臓器のステント留置領域における反応の均質性がもたらされない。またそのステントは、変形にいくぶん制限があるので、そのことがステントを細い血管内で使用する障害となっており、また、かなり複雑な製造技術も必要になる。
ニチノール製の円筒形ワイヤフレームを含むステントが知られている(例えば、特許文献7および8参照)。その開発品では、フレームの表面が、互いに連結された多くのセル列で形成されている。各セルは、2つのU字形ワイヤ要素を含んでおり、それらの要素が相まって、長軸が円筒の円周に沿った方向を向き、短軸がステントの軸に平行する、ほぼ細長い楕円形を形成している。周辺の列にある隣接セルは、互いに対して楕円の軸に沿って配置されている。典型的な閉じたセル列は、少なくとも1つの閉じた、円形形態の、U字形ワイヤ要素を含む。前述した列の中の隣接セルは、例えばそれらの枝部分を織り合わせることによって互いに柔軟に連結されている。そのステント設計は、ステントの径方向の剛性を与え、ステントに曲げモーメントが作用しているときに現れる弾性力の作用が減少するときに、ステントを中空臓器の幾何学構造にかなりうまく適合させることができる。ステント要素の総断面積を変化させることによって、その軸方向の剛性を変化させることが可能であり、さらに、ワイヤ要素の断面を変化させることによって、ステントの径方向および軸方向の剛性を変化させることが可能である。しかし、その際、ステントの剛性をステントの部位によって変化させることは不可能であり、またステントの剛性をステントの長さ全体に沿って変化させることも不可能である。さらに、提案されたステント設計は、フレーム内に比較的剛性の高い要素、すなわち円形のセル列が存在するので変形困難であり、したがって、人工器官が植え込まれる臓器の直径が小さい場合、そのステントを使用できるとは言いがたい。また、この設計が、製造にかなり多くの労働投入量を必要とすることに注目すべきである。
連続ワイヤから正弦波構造が形成されるステント製造方法であって、連続ワイヤが螺旋状の線に沿って円筒状のマンドレル上に巻き付けられ、隣接した巻きの頂点が連結されて閉じたセルを形成し、その閉じたセルからステントの円筒状表面が形成される方法が知られている(例えば、特許文献9参照)。そのステントは、形状記憶効果のレベルが低い材料から製造されており、ステントのフレームが完成した後に、ステント製造プロセスでワイヤに発生した張力を低減させる目的で、フレームを焼鈍することができる。提案された技術によって、人工器官が植え込まれる臓器への外傷性傷害が少なく、変形性が比較的良好で、十分な径方向剛性をもつことを特徴とするステントの製造が可能になる。しかし他方で、この技術は、比較的多くの労働投入量を必要とし、いわゆる「自動開口式」ステントの製造には向いていない。またその技術は、部位によって弾性の異なるステントの製造を提供せず、さらに動作条件で曲線状の形態を有するステントの製造も提供しない。
2片のワイヤから正弦波構造が形成されるステント製造方法であって、2片のワイヤが円筒状のマンドレル上に巻き付けられ、正弦波構造の隣接した巻きの頂点が編み合わせて連結されて、閉じたセルを形成しており、その閉じたセルからステントの円筒状表面が形成される方法が知られている(例えば、特許文献10参照)。そのステントは、高い耐食性および良好な可塑性を有する生体適合性材料から製造される。その著者の見解によれば、そのような材料には、タンタル、ステンレス鋼、チタン、ニオブ、金、ニチノールを含めたニッケルチタン合金などを挙げることができる。前述の方法は、例えば特許文献9の方法よりも製造に対する適合性が高いことを特徴とするが、やはり、部位によって異なる弾性を与えることのできるステントの製造を提供せず、さらに曲線状の形態をしたステントの製造も提供しない。さらに、多数の縒り(twist)の存在が、ステントの変形性を低下させ、人工器官が植え込まれる臓器との生物学的適合性を低下させる。
特許請求されるステントの変形形態すべてに最も近い、プロトタイプとして選択された類似品は、網状の中空容積体の形態に作製されたステントであり、単一の長さの糸で作製される、進入方向が逆の螺旋状スパイラルに沿って置かれた少なくとも2群の巻きを織り合わせることによって形成される(例えば、特許文献11、12、および13参照)。糸の材料は、弾性および形状記憶効果を有する。そのステント設計では、スパイラルの巻きピッチの変化、ステントの横断方向の直径の変化、または巻き付ける糸の追加によって、ステントの個々の部位でステントの弾性を区別して変化させる可能性が予見される。その設計は、ステントの側面部での剛性を含め、ステントの必要な剛性を提供し、高い弾性および十分に高い変形度を提供する。この設計は、製造に対する良好な適合性を有する。しかし、提案される手段によって、ステントの弾性をステントの部位によって変化させると、セル寸法の不変性および均質性がもたらされず、このことは、血栓形成、狭窄の出現、および他の術後合併症の危険性によって、人工器官が植え込まれる臓器の機能を損なう理由になる場合がある。それに加え、ステントの輸送または留置の目的で、小さな断面および/または曲線状の形態を有する臓器でのステントの使用可能性をもたらすように、ステントの変形性を増大させ、さらに必要に応じてステントに曲線状の形態を与える必要がある。
特許請求されるステント製造方法の両方の変形形態に最も近い、プロトタイプとして選択された類似方法は、例えば特許文献14に記載されている方法である。この方法によれば、網状の中空容積体が、逆の進入方向で円筒状のマンドレル上に螺旋状に巻き付けられた、複数のワイヤ片から形成される。ワイヤを巻き付けるピッチを変化させ、ステントの直径を変化させることによって、ステント端部でのステントの弾性を、ステント中央部の弾性と異なるものにすることができる。ステント端部の直径を変化させるには、ステントを管状のマンドレル上に置いた状態で、長手方向に変形作用力を加えることによってステント端部を形成し、次いでステントを熱処理によって予備変形させて、ステントにその動作状態に対応する指定の形態および寸法を与え、その後マンドレルが除去される。この方法は、他の類似の方法に比べて必要な労働投入量が少ないが、やはり、ステントのセルの幾何学的寸法を維持しながらステントの任意の部位の弾性を変化させることのできるステントの製造は可能でなく、ステント端部での十分な剛性を提供せず、変形性を改善せず、人工器官が植え込まれる臓器が曲線状の形態および小さな内径を有するときにその臓器の外傷を引き起こす危険も排除されない。さらに、ステント製造技術は、依然としてかなり複雑である。
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単一の発明思想を成す、提案される本発明の変形形態によって解決される技術的課題は、曲線状の臓器を含めた中空臓器の管腔の効果的な再構築および支持をもたらし、体組織との良好な生物学的適合性を有し、外傷性傷害が軽微で、一般性のある物理機械的および幾何学的特徴を有し、典型的なサイズ範囲が広く、直径の小さいカテーテルの使用可能性をもたらし、さらに、複雑なステント送達システムおよび高価な製造技術を必要としないステントを創り出すことである。
前述の課題は、ステントの縦断平面に対して対向するセルを互いに位置をずらして配置して、当該縦断平面に対するセル頂点の投射の不整合をもたらし、ステントの全長に沿ってステント糸の厚さを同一に維持しながら、ステント糸の弾性をステントの部位によって異なるものにすることによって達成される。これが、弾性および形状記憶効果を有する材料製の単一の長さの糸で作製される、進入方向が逆の螺旋状スパイラルに沿って置かれた少なくとも2群の巻きを織り合わせることによって形成される、網状の中空容積体として作製された公知のステントにおける新規部分である。
第2の変形形態では、基礎的な技術的課題が、基本的に同一の方法で解決される。相違点は、糸の弾性を変化させるのではなく、ステントの長さ全体に沿って湾曲部および直線部でのセルの幾何学的寸法の偏差を最小限に維持しながら、すなわちステントの許容される最大曲率で前記偏差が20%を超えないように維持しながら、異なる部位で異なる軸方向曲率をもつようにステントを作製することによって、ステントの幾何学構造を変化させることにある。
第3の変形形態では、主要な技術的課題が、やはり基本的に同一の方法で解決される。相違点は、この変形形態が、ステントの第1の変形形態と第2の変形形態とを融合させていることにあり、すなわち、ステントの長さ全体に沿ってステントの曲線部および直線部でのセルの幾何学的寸法の偏差を最小限に維持しながら、すなわちステントの許容可能な最大曲率において前記偏差が20%を超えないように維持しながら、ステントが異なる部位で異なる軸方向曲率を有するように作製され、さらに、ステントの全長に沿ってステント糸の厚さを同一に維持しながら、ステント糸がステントの異なる部位で異なる弾性を有する。
それに加え、3つの変形形態すべてにおいて、ステントがニチノールTiNi(55.5〜56重量%がNi、残りがTi)で製造される。
ステントを製造する公知の方法は、直線的な長手軸を備える回転体の形態に作製されたマンドレル上に巻き付けられた金属糸の巻きを織り合わせることによって、金属糸から網状の中空容積体を形成することと、マンドレル上のステントを熱処理によって予備変形させて、ステントにその動作条件に対応する指定の形態およびサイズを与えることと、その後マンドレルを除去することとを含むが、新規方法は、ステント本体を単一の長さのニチノール糸で形成し、ステントを630〜660℃の温度から水に入れて急冷することによってステントの予備変形を実施し、この操作でこのステントに最大の弾性を与えており、マンドレルが除去された後、330〜550℃の温度で1分間から30分間2次熱処理することによってステントの個々の部位の弾性を低減させるものであり、この熱処理の温度および時間は、合金中のNi含有量に比例し、ステントの個々の部位に指定された弾性値に反比例する条件に基づいて、前述の範囲内で選択される。
この方法の第2の変形形態では、主要な技術的課題が、基本的に同一の方法で解決される。相違点は、ステント本体が単一の長さのニチノール糸で形成され、ステントの予備変形が2回実施され、その1回目は、直線状の長手軸を備えたマンドレル上のステントを330〜390℃の温度で5〜20分間1次熱処理することによって実施され、熱処理が終了して前述のマンドレルが除去された後、ステントが、人工器官が植え込まれる血管の形態に対応する形態をした、曲線状の長手軸を備えたマンドレル上に置かれ、その後、ステントを630〜660℃の温度から水に入れて急冷することによってステントの繰返し予備変形が実施され、この操作でこのタイプのステントに最大の弾性を与え、次いでマンドレルが除去されることにあり、この前述した範囲内の熱処理の温度および時間は、合金中のNi含有量に比例し、このステントに与えられた最大弾性値に反比例する条件に応じて選択される。
この方法の第3の変形形態では、主要な技術的課題が、やはり基本的に同一の方法で解決される。相違点は、ステント本体が単一の長さのニチノール糸で形成され、ステントの予備変形が2回実施され、その1回目は、直線状の長手軸を備えたマンドレル上のステントを330〜390℃の温度で5〜20分間1次熱処理することによって実施され、熱処理が終了して前述のマンドレルが除去された後、ステントが、人工器官が植え込まれる血管の形態に対応する形態をした、曲線状の長手軸を備えたマンドレル上に置かれ、その後、ステントを380〜450℃の温度で1〜30分間2次熱処理することによってステントの繰返し予備変形が実施され、マンドレルが除去されることにあり、ここで、前述した範囲内の熱処理の温度および時間は、合金中のNi含有量に比例し、ステントに設定された弾性値に反比例する条件に基づいて選択される。
この方法の第4の変形形態では、主要な技術的課題が、やはり基本的に同一の方法で解決される。相違点は、この変形形態が、方法の第1の変形形態と第2の変形形態とを融合させており、すなわち、この方法は、ステント本体が単一の長さのニチノール糸から形成され、ステントの予備変形が2回実施され、その1回目は、直線状の長手軸を備えたマンドレル上のステントを330〜390℃の温度で5〜20分間1次熱処理することによって実施され、熱処理が終了して前述のマンドレルが除去された後、ステントが、人工器官が植え込まれる血管の形態に対応する形態をした、曲線状の長手軸を備えたマンドレル上に置かれ、その後、ステントを630〜660℃の温度から水に入れて急冷することによってステントの2次予備変形を実施し、この操作でこのタイプのステントに最大弾性を与えることを特徴とする。マンドレルの除去後、ステントを330〜550℃の温度で1分間から30分間追加的に熱処理することによって、ステントの個々の部位の弾性が低減され、前述した範囲内の熱処理の温度および時間は、合金中のNi含有量に比例し、ステントの個々の部位に指定された弾性値に反比例する条件に応じて選択される。
さらに、方法の4つの変形形態すべてにおいて、ステント本体の形成が、ステントの縦断平面に対して対向するセルの位置をずらして、当該縦断平面に対するセル頂点の投射の不整合を与えている状態で実施される。
それに加え、方法の4つの変形形態すべてにおいて、ステントがニチノールTiNi(55.5〜56重量%がNi、残りがTi)から製造される。
特許請求されるステントの利点は、提案したステントの設計およびステントの製造方法によって達成される。
ステントの縦断平面に対して対向するセルの位置をずらして、当該縦断平面上へのセル頂点の投射の不整合を与えると、ステントの変形性が生じ、ステント送達デバイスのカテーテル内でのより厳密なステントの位置決めがもたらされ、そのことが次にはカテーテルの直径を減少させ、それに対応して、内径の小さい臓器でのステントの輸送および留置可能性をもたらし、さらに血管内作業の外傷性傷害を低減させる。
ステントの全長に沿ってステント糸の厚さを同一に維持しながら、ステント糸の弾性をステントの異なる部位で異なるものにすると、ステントの構造およびセルの幾何学構造の均質性を損なわずにステントの個々の部位の弾性を変化させることができ、その結果、一方では、必要なときに、例えば腺腫の場合に、人工器官を植え込まれる臓器の個々の部位に高い圧力を生み出すことができ、他方では、人工器官を植え込まれる臓器に曲率があるときに現れる曲げモーメントの作用によって生じる追加的な弾性力の作用が最小限に抑えられる。ステントの全長に沿って弾性が等しいときには、人工器官が植え込まれる臓器の屈曲部との幾何学的適合性は、ステントの弾性だけを用いて達成されることになり、屈曲部は、追加的な弾性力が作用するので直線部よりも大きな負荷にさらされることになり、このことが術後合併症の原因になる場合がある。
ステントの長さ全体に沿って直線部および曲線部でのセルの幾何学的寸法の偏差を最小限に維持しながら、すなわちステントの許容可能な最大曲率において前記偏差が20%を超えないように維持しながら、ステント内に軸方向曲率の異なる部位を存在させ、またさらに、ステントの全長に沿ってステント糸の厚さを同一に維持しながら、ステントの部位によってステント糸に異なる弾性を与えると、人工器官の植え込みが特に複雑な場合、すなわち、前述のステントの送達および留置に直径の小さいカテーテルが必要な場合を含めて、人工臓器が植え込まれる臓器、またはステントを留置場所に送達するときに使用される臓器が、大きな曲率またはいくつかの屈曲部を有するときにも、効果的なステント利用がもたらされる。これによって、提案したステントの設計特徴を使用して得られる前述のすべての利点が達成され、さらに、ステントの製造に直径の小さいワイヤを使用しながらそのステントに必要な剛性を与えるという課題が解決される。
それに加えて、ステントの製造に、ニチノールTiNi(55.5〜56重量%がNi、残りがTi)を使用すると、体組織との良好な生物学的適合性がもたらされ、さらにステントの送達システムおよび除去が簡略化される。
ステント本体を単一の長さのニチノール糸で形成すると、ステント留置時の作業による外傷性傷害ならびに術後合併症の可能性が低減され、さらにステント側面部の必要な弾性がもたらされる。
ステントを製造する際に、提案した熱処理方式および曲線状のマンドレルを使用すると、ステントの全長に沿ってセルの厚さを同一に維持し、さらに直線部および曲線部でのセルの幾何学的寸法の偏差を最小限に維持しながら、糸の材料の弾性を変化させることによって、弾性および幾何学構造の変化をもたらすことができる。
ステントを630〜660℃の温度から水に入れて急冷することによって、直線状の長手軸を備えたマンドレル上でステントを予備変形させると、ステントに指定された形態および寸法が与えられ、さらにステントの設計、材料、形態、および寸法に固有の最大弾性が与えられる。
マンドレル除去後に330〜550℃の温度で1分間から30分間実施されるステントの2次熱処理を用いると、ステントの個々の部位の弾性が、これらの部位での糸の材料の弾性を変化させることによって、必要な値まで低減される。
合金中のNi含有量に比例し、ステントの個々の部位に指定された弾性値に反比例する条件に応じて、熱処理の温度および時間を前述の範囲内で選択すると、ステントの様々な部位で糸の必要な弾性が達成される。
直線状の長手軸を備えたマンドレル上でステントに330〜390℃の温度で5〜20分間の予備変形を実施すると、ステントに指定された寸法がもたらされる。
人工器官が植え込まれる血管の形態に対応する形態をした、曲線状の長手軸を備えたマンドレル上のステントを、630〜660℃の温度から水に入れて急冷することによって繰返し予備変形させると、ステントに指定された曲線形態をもたらすと同時に、このステントに最大の弾性を与えることができる。
人工器官が植え込まれる血管の形態に対応する形態をした、曲線状の長手軸を備えたマンドレル上のステントを、380〜450℃の温度から1分間から30分間急冷することによって繰返し予備変形させると、ステントに指定された曲線形態をもたらすと同時に、このステントに必要な弾性を与えることができるが、いわゆる「軟性」ステントの製造に必要なことのある、可能な最大値には達しない。
曲線状の長手軸を備えたマンドレル上のステントを630〜660℃の温度から水に入れて急冷することによってステントを繰返し予備変形させ、前述のマンドレルを除去した後に、330〜550℃の温度で1分間から30分間ステントの追加的な熱処理を実施すると、ステントが曲線状の形態になるとともに、ステントの個々の部位の糸の材料の弾性を変化させることによって、それら個々の部位の弾性が可能な最大値から必要な値まで低減される。
ステントの製造にニチノールTiNi(55.5〜56重量%がNi、残りがTi)を使用すると、提案された操作および熱処理方式を使用することで生じた課題が解決される。
提案した技術的解決策の骨子は、添付図面によって図示されている。
提案したステントは、弾性および形状記憶効果を有する材料製の単一の長さの糸で作製される、進入方向が逆の螺旋状スパイラルに沿って置かれた少なくとも2群の巻きを織り合わせることによって形成される、網状の中空容積体1、2として作製される。そのような合金は、人体で使用するには、体組織との適合性という不可欠な条件を満たすことに加えて、指定された形態に復帰する温度を−10〜+40℃の範囲内に有し、36℃を超える温度で現れる超弾性効果を有するべきである。そのような材料として、いわゆる「医療用ニチノール」、すなわちTiNi合金(55.5〜56重量%がNi、残りがTi)の使用が推奨される。医療要件によっては、直線状の長手軸および曲線状の長手軸の両方を備えたステントを作製することができる。ステントの縦断平面に対して対向するセル3、4は、互いに位置をずらして配置されて、当該縦断平面に対するセル頂点の投射の不整合をもたらしている。これは、糸を織り合わせて、重なり合って接触したステントのセルの頂点を形成するという、このステント設計の特質に関係する。この場合、ステントを送達デバイス内に取り付けるときに起こる、ステントの径方向圧縮のときに、前述した対向するセルの位置のずれがなければ、セルの頂点が接触する場所でステントの合計の厚さが、糸の直径4つ分以上を構成することになる。対向するセルの位置が、いくつか平行なセル側部の対に沿って一方向にずらされているときには、セルが接触する場所でのステントの合計の厚さは、糸の直径3つ分以上を構成することになる。対向するセルがいくつかの方向にシフトしている場合(セルの位置がセルの側部に平行な方向にずらされている場合)にだけ、あるいはセルの位置のずれとセルの巻きとが組み合わされたとき、またはセルの位置が対角線の方向にずらされる場合にだけ、セルが接触する場所でのステントの合計の厚さの下限を糸の直径2つ分にすることができる。本明細書から、対向するセルの可能な接触場所でのステントの合計の厚さを、様々な方法で最小限に抑えるのが可能なことが自明である。ステントの縦断平面に対して対向する頂点の当該縦断平面上への投射の不整合をもたらすことだけが重要である。特許請求される設計に従ってステントが製造されるときには、そのセル3、4が、ステントの軸に沿った対角線のうちの1つによって向きが定められた菱形になる。この構成に最大の径方向剛性を与えるには、セルの短い方の対角線をステントの軸に沿って配向させ、ステントの縦断平面に対して対向するセルの位置をステントの軸に沿って距離hだけずらすことによって、対向する頂点の投射の不整合を提供するのが望ましい。もちろん、径方向圧縮時にステントの一部のセルの頂点が対向するセルの側部と接触しない場合を完全に除外するのが不可能であるので、前述したことを、これらの条件下で糸の直径2つ分の限度以内にあるステントの最小厚さが、ステントのどの場所でも必然的に与えられるという意味に理解すべきではない。ただし、ステントの縦断平面に対して対向するセルの位置を互いにずらして、当該縦断平面に対するセルの投射の不整合をもたらすようにステントが作製されるときには、そのような事例が起こる確率を最小限に抑えることが可能であるので、ステントの変形性が改善され、送達デバイス内に置かれている間ステントの密度が増大する。ステントは、いくつかの変形形態で製造されるが、その変形形態の選択は、具体的な動作条件によって決定される。推奨される第1の変形形態では、ステントの全長に沿ってステントの厚さを同一に維持しながら、ステント糸に、部位(例えば、図1の部位a、b、c)によって異なる弾性が与えられる。第2の変形形態では、ステントの全長に沿ってステントの曲線部および直線部でのセルの幾何学的寸法の偏差を最小限に維持しながら、すなわちステントの許容可能な最大曲率で前記偏差が20%を超えないように維持しながら、ステントが部位によって異なる軸方向曲率をもつことを特徴とする。ステントの第3の変形形態では、ステントの全長に沿った糸の厚さを同一に維持しながら、ステントの部位によって異なる軸方向曲率が存在することと、ステントの部位(例えば、図2の部位a’、b’、c’)によってステント糸に異なる弾性を与えることとが組み合わされる。ステント設計の特質に応じて、ステント製造のいくつかの変形形態が提案される。
方法の第1の変形形態は、部位によって糸の弾性が異なる直線状のステントの製造を意図しており、スパイラルの巻付けに必要なピッチを設定するガイドが設けられた、直線状の長手軸を備える回転体の形態に作製されたマンドレル上に、ニチノール糸が巻き付けられる。編組プロセスでは、進入方向が逆の螺旋状スパイラルに沿って置かれた少なくとも2群の巻きを織り合わせて、その動作状態に対応する指定の形態および寸法をもったステントの網状の中空容積体を形成する。ステントの縦断平面に対して対向するステントのセルの位置をずらす操作は、マンドレル上の糸を織り合わせている連結節の場所、つまりステントのセルの頂点の場所を用いて、ステントの軸に沿ってガイドをシフトさせ、スパイラルの巻付けに指定されたピッチを与えることによって実施される。したがって、ステント長手軸に対して対向する頂点のステント縦断平面上への投射の不整合をもたらすには、マンドレルの対角線上の対向する点におけるシフトhが糸の直径の1.2〜1.5個分を成すように、ガイドを軸方向にシフトさせれば十分である。さらに、実験的に確立されているように、前述したガイドのシフトは、対向するステントのセルの位置を軸方向にずらすだけでなく、セルの回転移動(turning)も引き起こし、このことが、前述のシフトでセルの回転移動前のステントの径方向剛性の5%以下に相当する、ステントの径方向剛性のわずかな低下の原因になるが、これは、後続の熱処理の結果として糸の弾性を増大させることによって容易に補償される。ステント本体の形成が終了した後、ステントの形態および寸法を維持し、記憶させるために、ステントを630〜660℃の温度から水に入れて急冷することによってステントに予備変形が実施される。この操作で、このステントに、糸の弾性(糸材料のヤング率E≒83400MPa(メガパスカル))によって決定される最大弾性が与えられる。次いで、ステントをマンドレルから取り外し、ステントを330〜550℃の温度で1分間から30分間2次熱処理することによって、ステントの個々の部位の弾性を低減させる。熱処理は、指定された直径および幅の従来の円形加熱器を用いて実施することができ、この操作で、ステントの個々の部位の糸の弾性が指定値まで(E≒54000〜58900MPaまで)低減される。このようなステントは、人工器官が植え込まれる臓器の個々の部位に外圧が加わることによって引き起こされた狭窄を取り除くため(例えば、腺腫の場合)に推奨され、および/または人工器官が植え込まれる臓器の曲率が比較的小さい場合に推奨される。
方法の第2の変形形態は、その最大の弾性を有する曲線状のステントの製造を意図しており、ステント本体の形成は、いくつかの段階で達成される。第1段階では、方法の第1の変形形態と同様に、直線状の長手軸を備えた回転体の形態に作製されたマンドレルを使用して、指定された寸法のステントの網状の中空容積体が形成される。ステント本体を形成する第1段階の終了後、得られた形態および寸法を維持し、記憶させるために、直線状の長手軸を備えたマンドレル上でステントを330〜390℃の温度で5〜20分間熱処理することによって、ステントに予備変形が施される。その後、ステントが、前述のマンドレルから取り外されて、人工器官が植え込まれる血管の形態に対応する形態をした、曲線状の長手軸を備えたマンドレル5上に置かれ、その後、ステントを630〜660℃の温度から水に入れて急冷することによってステントの繰返し予備変形が実施され、この操作でこのタイプのステントについて最大の弾性をもたらしており、その後マンドレルが除去される。ステントを製造するこの変形形態で2つのマンドレルを使用することは、曲線状のマンドレル上に直接巻き付けて織り合わせることによってステント本体を形成しようと試みるときに生じる大きな技術的困難によって決定される。この方法によって製造されるステントは、人工器官が植え込まれる臓器にかなり大きな曲率が存在するときに使用することが推奨される。
方法の第3の変形形態は、可能な最大値には達しない、指定された弾性を有する曲線状のステントの製造を意図しており、ステント本体の形成は、やはりいくつかの段階で起こる。第1段階では、方法の第1および第2の変形形態と同様に、直線状の長手軸を備えた回転体として作製されたマンドレルを使用して、指定された寸法のステントの網状の中空容積体が形成される。ステント本体を形成する第1段階が終了した後、得られた形態および寸法を維持し、記憶させるために、直線状の長手軸を備えたマンドレル上でステントを330〜390℃の温度で5〜20分間熱処理することによって、ステントに予備変形が施される。その後、ステントが、前述のマンドレルから取り外されて、人工器官が植え込まれる血管の形態に対応する形態をした、曲線状の長手軸を備えたマンドレル上に置かれ、その後、ステントを380〜450℃の温度で1分間から30分間2次熱処理することによってステントの繰返し予備変形が実施され、その後マンドレルが除去される。この方法によって製造される、「軟性ステント」と呼ぶことのできる曲線状ステントは、ステントの最大剛性が必要とされない場合、例えば、しばしば破裂または内膜剥離が起こる、曲率の大きい動脈をバルーンで拡張させるときの影響をなくすために使用することが推奨される。他の例には、X線照射の支援によって作業過程を制御するのが困難な身体の領域、例えば腹腔内で、特に太った患者に作業を実施する場合を挙げることができる。この場合、他の制約がなければ、X線照射におけるステントの視認性を向上させる、糸断面がいくぶん大きいステントを使用して、必要ならばステントの余計な弾性を低減することが可能な場合がある。
方法の第4の変形形態は、異なる部位で糸の弾性が異なる曲線状のステントの製造を意図しており、ステント本体の形成は、やはりいくつかの段階で達成される。第1段階では、方法の前述の変形形態と同様に、直線状の長手軸を備えた回転体として作製されたマンドレルを使用して、指定された寸法のステントの網状の中空容積体が形成される。ステント本体を形成する第1段階の終了後、得られた形態および寸法を維持し、記憶させるために、長手軸を備えたマンドレル上でステントを330〜390℃の温度で5〜20分間熱処理することによって、ステントに予備変形が施される。その後、ステントが、前述のマンドレルから取り外されて、人工器官が植え込まれる血管の形態をした、曲線状の長手軸を備えたマンドレル上に置かれ、その後、ステントを630〜660℃の温度から急冷することによってステントの繰返し予備変形が実施され、この操作で、糸の弾性(E≒83400MPa)によって決定される、このステントについての最大弾性が与えられる。次いで、ステントをマンドレルから取り外し、ステントを330〜550℃の温度で1〜30分間2次熱処理して、ステントの個々の部位の弾性を低下させる。熱処理は、第1の方法と同様に、指定された直径および幅の従来のリング型加熱器を用いて実施することができ、この操作で、ステントの個々の部位の糸の弾性が指定値まで(E≒54000〜58900MPaまで)低下する。このようなステントは、人工器官が植え込まれる臓器の形状が特に複雑な場合に使用することが推奨される。
すべての方法では、ステント本体は、「医療用ニチノール」、すなわちTiNi合金(55.5〜56重量%がNi、残りがTi)で作製された、単一の長さの金属製ワイヤから形成される。前述した範囲内の熱処理の温度および時間は、ステント製造時に、合金中のNi含有量に比例し、ステントの個々の部位に指定された弾性値に反比例する条件に基づいて選択される。前述した関係は、「医療用ニチノール」、すなわち構成成分を所与の含有量で含むことができるニチノールについて、実験的に設定された。したがって、例えば、方法の第4の変形形態では、ステントの個々の部位で糸の材料にE≒58700MPaの弾性を与えるときに、合金中のニッケル含有量に応じて、熱加工の温度および時間が次の範囲内で選択された。
Figure 2005514155
提案したステント製造技術は、提案した設計のステントの製造に限定されず、他の設計のニチノール製ステントの製造にも使用することができる。ただし、特許請求される技術の最大の効率は、はっきり言えば、提案した設計のステントを製造する際に示される。
デバイスの操作は、次の方法で実施される。人工器官を植え込まれる臓器が、ステント留置部位でカテーテル挿入され、必要ならば狭窄が取り除かれる。医療用ニチノールから製造されたステントは、ニチノールにおいて直接マルテンサイト変態を開始させる温度以下の温度まで、例えばクロロエチルで処理することによって冷却され(推奨される糸材料組成についての冷却温度は、−5℃から+15℃の範囲で選択される)、次いで、軸方向に引くことで最小の直径が与えられて、送達デバイス内に置かれる。ステントが引かれるときには、ステント糸が互いに滑り合うが、このことを、対向するセルの位置が互いに指定された通りにずれていることと組み合わせると、ステントの構造に復元不可能な損傷を生じさせず、また糸の厚さを変化させずに、操作で使用されるカテーテルの直径を最小限に抑えることができる。ステントを植え込むための送達デバイスとして、公知のデバイス、例えば特許文献15に記載のデバイスを使用することができる。次いで、送達デバイスがステントとともに、永久的なX線制御下で、カテーテルの支援によって人工器官が植え込まれる位置に送達され、その後、ステントが解放され、送達デバイスが除去される。体温の影響を受けてステントが加熱され始め、ステント糸の温度がニチノールのマルテンサイト変態点よりも高くなり、解放プロセスの数秒間で、ステントが最初に設定された形態に戻る。その後、ステントは、人工器官が植え込まれた臓器、例えば動脈の壁面と相互作用し、その弾性によって、管腔および幾何学構造を必要な時間にわたって一定に維持する。
本明細書で提案したステントは、曲線状の臓器を含めた中空臓器の管腔の効果的な再構築および支持をもたらし、有機体の組織との良好な生物学的適合性を有し、外傷性傷害が軽微で、一般性のある物理機械的および幾何学的特徴を有し、典型的なサイズ範囲が広く、直径の小さいカテーテルの使用をもたらし、さらに、複雑なステント送達システムを必要としないので、血管および他の中空臓器の狭窄部に管腔を再構築するための体内人工器官を使用する医学分野に、幅広い用途を見出だすことができる。
このステントの設計によって、大きな曲率を有する臓器を含めた中空臓器の幾何学構造にステントをうまく調節して、ステント屈曲時に発生する弾性力の望ましくない作用を最小限に抑えることができる。
本明細書に提案したステント製造方法によって、特許請求される設計のステントを連続生産して、特許請求される特徴を達成することができる。したがって、この方法は、高価な機器および複雑な製造技術を必要とせず、さらに、具体的な患者の人工器官が植え込まれる臓器の個々の特質に適合したステントの製造も可能にする。
提案したステントおよびその製造方法の前述した特質は、中空臓器の疾病を処置する際の体内人工器官の大量適用に必要な条件の形成に寄与する。
特許請求されるデバイスの使用効果について、以下の実例によって説明することができる。
63歳の患者Kは、長期間にわたり、骨盤および下肢の主要動脈の動脈硬化症を患っていた。入院する前の月に、50〜70メートルの歩行後に右下肢の側部から間欠性跛行の症状、すなわち右脚の腓腹筋の痛みが現れていた。
骨盤の動脈造影で、右側の総回腸動脈の狭窄が明らかになった。この動脈の狭窄のバルーン拡張が実施された。しかし、バルーンカテーテルを除去した後、骨盤の対照動脈造影で、拡張された動脈に狭窄がかなり残っていることが観察された。これに関して、1カ月後に、サイズ10×60mm、糸の厚さ0.2mmの、本明細書で特許請求される設計のニチノール製ステントが、患者の狭窄領域に植え込まれた。術後に実施された骨盤の動脈造影で、狭窄が完全に排除されたことが観察された。下肢の側部からの間欠性跛行の症状は、早くも翌日に消失した。短期間の解体治療(desagregational therapy)後、患者は、退院して外来治療に移った。8カ月後に実施された骨盤の対照動脈造影で、右脚の完全な透過性(permeability)が指摘された。ニチノール製ステントは、内部から新生内膜の薄い層によって覆われた。
直線状の長手軸を備えたステントの概略図である。 曲線状の長手軸を備えたステントの概略図である。 ステント縦断平面に対して対向するセルの当該縦断平面上への投射の概略図である。 組み立てた状態のステントおよび曲線状の長手軸を備えたマンドレルの概略図である。

Claims (10)

  1. 網状の中空容積体の形態に作製されたステントであって、弾性および形状記憶効果を有する材料製の単一の長さの糸で作製される、進入方向が逆の螺旋状スパイラルに沿って置かれた少なくとも2群の巻付けを織り合わせることによって形成されており、前記ステントの縦断平面に対して対向するセルは、互いに位置をずらして配置されて、前記縦断平面に対する前記セル頂点の投射の不整合をもたらしており、前記ステント糸は、前記ステントの長さ全体に沿って前記ステント糸の厚さを同一に維持しながら、個々の部位で異なる弾性を有することを特徴とするステント。
  2. 網状の中空容積体の形態に作製されたステントであって、弾性および形状記憶効果を有する材料製の単一の長さの糸で作製される、進入方向が逆の螺旋状スパイラルに沿って置かれた少なくとも2群の巻付けを織り合わせることによって形成されており、前記ステントの縦断平面に対して対向するセルは、互いに位置をずらして配置されて、前記縦断平面に対する前記セル頂点の投射の不整合をもたらしており、前記ステントは、ステントの全長に沿ってステントの湾曲部および直線部に沿ったセルの幾何学的寸法の偏差を最小限に維持しながら、すなわちステントの許容可能な最大曲率において前記偏差が20%を超えないように維持しながら、異なる軸方向曲率を有する個々の部位を持つように作製されていることを特徴とするステント。
  3. 網状の中空容積体の形態に作製されたステントであって、弾性および形状記憶効果を有する材料製の単一の長さの糸で作製される、進入方向が逆の螺旋状スパイラルに沿って置かれた少なくとも2群の巻付けを織り合わせることによって形成されており、前記ステントの縦断平面に対して対向するセルは、互いに位置をずらして配置されて、前記縦断平面に対する前記セル頂点の投射の不整合をもたらしており、前記ステント糸は、前記ステントの全長に沿って前記ステント糸の厚さを同一に維持しながら、個々の部位で異なる弾性を有しており、前記ステントは、ステントの全長に沿ってステントの湾曲部および直線部に沿ったセルの幾何学的寸法の偏差を最小限に維持しながら、すなわちステントの許容可能な最大曲率において前記偏差が20%を超えないように維持しながら、異なる曲率を有する個々の部位を持つように作製されていることを特徴とするステント。
  4. 55.5〜56重量%がNiで、残りがTiの、ニチノールTiNiから製造されることを特徴とする請求項1、2、または3に記載のステント。
  5. ステントの製造方法であって、直線的な長手軸を備える回転体として作製されたマンドレル上に巻き付けられた、金属糸の巻付けを織り合わせることによって、金属糸から網状の中空容積体を形成することと、前記マンドレル上のステントを熱処理によって予備変形させて、前記ステントにその動作条件に対応する指定の形態および寸法を与えることと、その後前記マンドレルを除去することとを含んでおり、前記ステント本体は、単一の長さのニチノール糸から形成され、前記ステントの予備変形は、前記ステントを630〜660℃の温度から水に入れて急冷することによって実施され、これによって前記ステントについて最大の弾性がもたらされており、前記マンドレルの除去後、330〜550℃の温度で1分間から30分間2次熱処理することによって前記ステントの個々の部位の弾性が低減され、前記範囲内の熱処理の温度および時間は、合金中のNi含有量に比例し、前記ステントの個々の部位に指定された弾性値に反比例する条件に基づいて選択されることを特徴とする方法。
  6. ステントの製造方法であって、直線的な長手軸を備える回転体として作製されたマンドレル上に巻き付けられた、金属糸の巻付けを織り合わせることによって、金属糸から網状の中空容積体を形成することと、前記マンドレル上のステントを熱処理によって予備変形させて、前記ステントにその動作条件に対応する指定の形態および寸法を与えることと、その後前記マンドレルを除去することとを含んでおり、前記ステント本体は、単一の長さのニチノール糸から形成され、前記ステントの予備変形は、2回実施され、その1回目は、直線状の長手軸を備えたマンドレル上のステントを330〜390℃の温度で5〜20分間初期熱処理することによって実施され、熱処理が終了して前記マンドレルが除去された後、前記ステントは、人工器官が植え込まれる血管の形態に対応する形態をした、曲線状の長手軸を備えたマンドレル上に置かれ、その後、前記ステントを630〜660℃の温度から水に入れて急冷することによって前記ステントの繰返し予備変形が実施され、この操作によって前記ステントに最大の弾性がもたらされており、前記マンドレルが除去され、前記範囲内の熱処理の温度および時間は、合金中のNi含有量に比例し、前記ステントに与えられた最大弾性値に反比例する条件に基づいて選択されることを特徴とする方法。
  7. ステントの製造方法であって、直線的な長手軸を備える回転体として作製されたマンドレル上に巻き付けられた、金属糸の巻付けを織り合わせることによって、金属糸から網状の中空容積体を形成することと、前記マンドレル上のステントを熱処理によって予備変形させて、前記ステントにその動作条件に対応する指定の形態および寸法を与えることと、その後前記マンドレルを除去することとを含んでおり、前記ステント本体は、単一の長さのニチノール糸から形成され、前記ステントの予備変形は、2回実施され、その1回目は、330〜390℃の温度で5〜20分間行われる、直線状の長手軸を備えたマンドレル上でのステントの初期熱処理によって実施され、熱処理が終了して前記マンドレルが除去された後、前記ステントは、人工器官が植え込まれる血管の形態に対応する形態をした、曲線状の長手軸を備えたマンドレル上に置かれ、その後、前記ステントを380〜450℃の温度で1分間から30分間2次熱処理することによって前記ステントの繰返し予備変形が実施され、前記マンドレルが除去され、前記範囲内の熱処理の温度および時間は、合金中のNi含有量に比例し、前記ステントに与えられた弾性値に反比例する条件に基づいて選択されることを特徴とする方法。
  8. ステントの製造方法であって、直線的な長手軸を備える回転体として作製されたマンドレル上に巻き付けられた、金属糸の巻付けを織り合わせることによって、金属糸から網状の中空容積体を形成することと、前記マンドレル上のステントを熱処理によって予備変形させて、前記ステントにその動作条件に対応する指定の形態および寸法を与えることと、その後前記マンドレルを除去することとを含んでおり、前記ステント本体は、単一の長さのニチノール糸から形成され、前記ステントの予備変形は、2回実施され、その1回目は、330〜390℃の温度で5〜20分間行われる、直線状の長手軸を備えたマンドレル上でのステントの初期熱処理によって実施され、熱処理が終了して前記マンドレルが除去された後、前記ステントは、人工器官が植え込まれる血管の形態に対応する形態をした、曲線状の長手軸を備えたマンドレル上に置かれ、その後、前記ステントを630〜660℃の温度から水に入れて急冷することによって前記ステントの繰返し予備変形が実施され、これによって前記ステントについて最大の弾性がもたらされており、前記マンドレルの除去後、330〜550℃の温度で1分間から30分間追加的に熱処理することによって前記ステントの個々の部位の弾性が低減され、前記範囲内の熱処理の温度および時間は、合金中のNi含有量に比例し、前記ステントの個々の部位に与えられた弾性値に反比例する条件に基づいて選択されることを特徴とする方法。
  9. 前記ステント本体の形成は、前記ステントのセルの縦断平面に対して、対向し、位置をずらして配置されて、前記縦断平面上への前記セル頂点の投射の不整合をもたらすように行われることを特徴とする請求項5、6、7、または8に記載の方法。
  10. 55.5〜56重量%がNiで、残りがTiの、ニチノールTiNiから製造されることを特徴とする請求項5、6、7、または8に記載のステント。
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