JP2005513515A - 波長スイッチング装置の、もしくは、これに関連する改良 - Google Patents

波長スイッチング装置の、もしくは、これに関連する改良 Download PDF

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Abstract

【課題】
【解決手段】光学装置(10)は、第1の光路(12)と第2の光路(14)との間でビームをスイッチングするスイッチング装置(22、24)を有する。このスイッチング装置は、かけられた電圧に応じてビームの偏光を変える手段(22)と、これの偏光に従って第1の光路と第2の光路とのどちらかに沿ってビームを方向付ける手段(24)とを有する。

Description

本発明は、波長スイッチング装置の、もしくは、これに関連する改良に関する。
レーザ放射線で物品を照射する装置は、特定の偏光及び波長を有する放射線を透過させる必要があることが多い。例えば、水平偏光された1064nmの放射線で対象物を照射することが望ましい場合がある。これは可能だが、1064nmの放射線が‘目に安全’であり、よって、装置を調べられるか守られることが可能である、とは言い難いため、この装置は、‘目に安全な’第2の波長の放射線、例えば1500nmの放射線を発生させることができなくてはならない。
光学装置でビームを1つの波長から他の波長へとスイッチングするために用いられる従来の波長スイッチング装置は、可動部品を有する。従って、こうした部品が1つの位置から他の位置へと動く際にこれらの動作を可能にするスペースが必要になる。
本発明の目的は、可動部品を一切必要としない波長スイッチング装置を提供することである。
本発明の一態様に関れば、電圧感応結晶と光変調手段とを有し、この光変調手段は、電圧感応結晶によって放射された放射線の偏光に従って放射線の波長を変えるように機能する、発生された放射線の波長を第1の波長から第2の波長へと変えるスイッチング装置が与えられる。
本発明の他の態様に関れば、透過されるビームを第1の波長と第2の波長との間でスイッチングする方法が与えられる。この方法は、所望の波長に従ってビームの偏光を変える工程を有する。
効果的には、ビームの偏光を変える手段は、電圧感応結晶を有する。
好ましくは、電圧感応結晶は、電気光学結晶、例えばLiNbO結晶を有する。
本発明の一実施形態では、偏光感応手段が、夫々の偏光に従って第1もしくは第2の光路に沿ってビームを方向付けるために設けられている。
本発明のスイッチング装置は、レーザビームが、このビームが例えば波長を変えることによって変えられ得る光路上に方向付けられることを可能にする。
本発明の第2の実施形態では、偏光感応手段が設けられており、レーザビームが夫々の透過偏光に従って変えられて、様々の波長を有して様々に偏光された成分を含むビームが発生され、切替えられるのを可能にする。
本発明をよりよく理解するために、添付図面をあくまでも例として参照する。
図1を参照すると、2つの可能な光路12及び14を有する光学装置10が示されている。光路12は、波長板18及び20を通る光軸16と一致している。光軸16上に、また、LiNbO結晶22と、偏光子キューブ24と、更なる波長板26と、ダイクロイックビームスプリッター28が位置されている。これら要素の働きを後で詳しく説明する。前記光路14は、偏光子キューブ24と、ステアリング光学系30と、第2の偏光子キューブ32と、テレスコープ34と、光変調手段36と、ミラー38と、第2のステアリング光学系40と、ダイクロイックビームスプリッター28とを有する。前記偏光子キューブ32の代わりに、プリズム、ミラー、もしくは他の適当なりフレクターであってもよい。同様に、ミラー38の代わりに、偏光子キューブ、プリズム、もしくは他の適当なりフレクターであってもよい。
前記波長板18は、水平偏光の入力レーザビーム42を垂直偏光のビーム44に変更するように働く。水平偏光、垂直偏光という用語は、相対的な用語であり、互いに直交する偏光平面に関し、夫々に、水平偏光はページの平面内に、垂直偏光はこれに直交する平面内にあると考えられる。これら偏光平面は、水平偏光は両頭の矢印によって、垂直偏光は中点を有する円によって、夫々に図に示されている。
LiNbO3結晶22は、これに電圧が印加されているとき、ビーム44の偏光を変えるように機能する。このことは、結晶22を出るビーム46が、水平か垂直のいずれにも偏光され得ることを意味する。偏光子キューブ24は、図2及び3を参照してより詳しく説明されるように、ビーム46の偏光に従って、このビーム46を波長板26に向けて透過させるか光路14上のステアリング光学系30に向けて反射させるように働く。
偏光子キューブ24を透過したビーム46は、波長板26に進む。この波長板によってビーム46の偏光が水平偏光から垂直偏光に変えられ、ビーム48を形成する。ビーム48は、ダイクロイックビームスプリッター28を透過し、出力波長板20へ向かう。波長板20は、これから出るビーム50の射出偏光を変えるように調節可能である。
光路14上の前記ステアリング光学系30は、楔52、54と、光学マイクロメーター56とを有する。偏光子キューブ24によって反射されたビーム58は、ステアリング光学系30を通って偏光子キューブ32に到達した後、テレスコープ34を通って光変調手段36へと向かう。テレスコープ34は、リバーステレスコープである。光変調手段36は、光学パラメトリック発振器(OPO)入力ミラー60と、OPO非線形結晶62、64と、OPO出力カプラー66とを有する。OPO非線形結晶62、64は、カリウムチタンアルセネート(KTA)もしくはカリウムチタンリン酸塩(KTP)で形成され得る。光変調手段36から出た変調されたビーム68は、ミラー38によってステアリング光学系40中へとダイクロイックビームスプリッター28に向けて反射される。このミラー38の代わりに、上述されたような配向性プリズムであってもよい。このステアリング光学系40は、前記ステアリング光学系30と類似しており、光学マイクロメーター70と楔72及び74を有する。ダイクロイックビームスプリッター28は、ビーム68を、光軸16上、つまり、出力波長板20に向けて反射する。
本発明の光学装置10の働きを、図2及び3を参照してより詳しく説明する。図1で既に説明された項目は、同じ参照符号で示されている。
光路12をより詳しく示した図2を参照すると、入力レーザビーム42は、1.064μmの波長を有し、図示されるようにほぼ一直線状に、光軸16に沿って通される。このことは、LiNbO結晶22が、これに電圧がかけられ、これによって、透過されるビーム44の偏光を垂直偏光から水平偏光へと変え、ビーム46を形成することによって果たされている。
図1を参照して説明したように、ビーム42(水平偏光されている)は、ビーム44(垂直偏光されている)を形成するように、波長板18によって偏光が変えられている。このビーム44は、ビーム46を形成するように、結晶22によって偏光が水平偏光に戻されている。偏光子キューブ24は、水平偏光のビーム46を波長板26に向けて透過させる。ビーム46は、波長板26で垂直偏光のビーム48に変えられる。ダイクロイックビームスプリッター28は、ビーム48を出力波長板20に向けて透過させ、この波長板20によって決定される最後の偏光と、1.064μmの波長とを有する出力ビーム50を与える。
光路14をより詳しく示した図3を参照すると、入力レーザビーム42は、1.064μmの波長を有し、水平に偏光されている。ビーム42は、波長板18を通った後、垂直偏光のビーム44になる。ビーム44は、結晶22を通るが、この際、この結晶に電圧がかけられていないことから、偏光が変わらない状態で透過される。ビーム44は、垂直に偏光されていることから、偏光子キューブ24を透過せずに、光路14上へとビーム58として反射される。ビーム58は、ステアリング光学系30を通り、偏光子キューブ32によって反射され、テレスコープ34を通って光変調手段36へと向かう間、光路14に沿った偏光を維持する。光変調手段36は、1.5μmの波長を有するが変わらず垂直偏光のビーム68を形成するように、ビーム44の波長を変える。ビーム68は、ミラー38によって反射され、ステアリング光学系40を通った後、ダイクロイックビームスプリッター28によって波長板20に向けて反射される。従来通り、出力ビーム50は、波長板20に従って偏光されるが、1.5μmの波長を有する。
上述された光学装置10において、2つの光路間での切替えが、透過されるビームの偏光をこのビームが第1の光路12に沿って方向付けられるように変えるが、第2の光路14に沿って方向付けられるようには変えないLiNbO結晶22によって果たされることが分かるだろう。
本発明の説明された実施形態は、第2の光路を通るビームの波長を変えることに関連しているが、第2の光路は、他の目的でも用いられ得ることが分かるだろう。例えば、第2の光路は、ビームをモニターしたり、ビームによって運ばれる信号をサンプリングするためにも用いられ得る。唯一必要なのは、ビームの偏光の変更が、2つの光路の間でビームをスイッチングするために用いられることである。
本発明の第2の実施形態の光学装置100の働きを、図4及び5を参照してより詳しく説明する。図1、2及び3に既に説明された項目は、同じ参照符号で示される。
図4及び5を参照すると、光学装置100は、単一の光路102のみを有するとして示されている。光軸と一致した光路上には、LiNbO3結晶22と、光変調手段36と、波長板104と、ダイクロイックビームスプリッター106とが設けられている。
波長板104は、垂直偏光の入力レーザビームを水平偏光のビームにスイッチングするように機能する。水平偏光と垂直偏光という用語は、相対的な用語であり、互いに直交する偏光平面に関連しており、夫々に、水平偏光はページの平面内に、垂直偏光はこれに直交する平面内にあると考えられる。これら偏光平面は、水平偏光は両頭の矢印によって、垂直偏光は中点を有する円によって、夫々に図に示されている。
LiNbO3結晶22は、電圧がかけられているときに、ビーム44の偏光を変えるように機能する。これは、結晶22を出るビームが、水平か垂直のいずれにも偏光され得ることを意味する。
1064nmの波長を有し、水平偏光のレーザビーム42は、結晶22を透過する。この結晶22では、結晶22への1/2波の電圧の印加によって、ビーム42の偏光が水平偏光から垂直偏光に変えられ、よって、ビーム48が形成される。続いて、ビーム48は、光変調手段36を透過する。光変調手段36は、光学パラメトリック発振器(OPO)入力ミラー60と、OPO非線形結晶62、64と、OPO出力カプラー66とを有する。OPO非線形結晶62、64は、カリウムチタンアルセネート(KTA)もしくはカリウムチタンリン酸塩(KTP)で形成され得る。光変調手段36は、ビーム48が垂直に偏光されているとき、ビーム48に何の影響も与えず、1064nmのビームを波長板104へと透過させる。波長板104は、垂直偏光のビーム48を水平偏光のビーム110に変えるように機能する。波長板104を出たビーム110は、水平に偏光され、1064nmの波長を有するビーム112を透過させるように機能するダイクロイックビームスプリッター上に入射される。
結晶22に電圧が印加されない図5に示された装置を見てみると、入力レーザビーム42は、1064nmの波長を有し、水平に偏光されている。ビーム42は、結晶22を通るが、この際、この結晶22に電圧がかけられていないことから、偏光が変わらない状態で透過される。ビーム42は、結晶22を出て、光変調手段36へ進む。光変調手段36は、ビーム42が水平に偏光されているとき、1500nmの波長を有するが変わらず水平偏光のビーム114を形成するように、ビーム42の波長を変える。しかし、ビーム114はまた、同様に水平に偏光され、1064nmの波長を有する成分も有する。ビーム114は、1064nmの波長を有する成分を水平偏光から垂直偏光された状態に変える一方、1500nmの波長を有する水平偏光の成分をこれの水平偏光を維持した状態で透過させるように機能する波長板104を通る。かくして、波長板104を出たビーム116は、夫々異なった偏光の2つの波長の成分を有するようになる。ビーム116は、ダイクロイックビームスプリッター106へと進む。ダイクロイックビームスプリッターは、ビーム116の水平偏光された1500nmの成分を透過させて出力ビーム118を形成する一方、垂直偏光された1064nmの成分を反射する。
このように、同じ装置が、LiNbO結晶にかけられた電圧に応じて、レーザ放射線の様々な波長をスイッチングするように使用され得る。偏光子キューブ24及び32、ステアリング光学系30及び40、テレスコープ34及びダイクロイックビームスプリッター28は、光学装置内で従来から使用されていた要素である。また、光変調手段36の代わりに、波長の様々の変更を可能にするか他の方法でビームを変える同様の要素であってもよい。
詳しく上述された実施形態では、特定の結晶22と、波長板と、ダイクロイックビームスプリッターとを使用していることが分かるだろう。これらの要素の代わりに、例えば変換もしくは反射の特性に所定の変更を与える同じ要素であってもよい。様々の位相変化を導入し得る波長板が知られており、様々の偏光のビームを提供するように上述されたものに代わって使用されてもよい。
本発明に係る光学装置を示す。 図1の装置を通る第1の光路を示す。 図1の装置を通る第2の光路を示す。 本発明の第2の実施形態に係る波長スイッチング装置を示す。 本発明の第2の実施形態に係る波長スイッチング装置を示す。

Claims (17)

  1. 電圧感応結晶と放射線変調手段とを具備し、この放射線変調手段は、電圧感応結晶によって放射された放射線の偏光に従って放射線の波長を変えるように機能する、発生された放射線の波長を第1の波長から第2の波長へとスイッチングするスイッチング装置。
  2. 第1の波長及び第2の波長を夫々有する放射線の成分の偏光に従って第1の波長の放射線と第2の波長の放射線とを分離する手段を更に具備する請求項1の装置。
  3. 前記第1の波長の成分が透過されたときに第2の放射線の成分をそらす手段を更に具備する請求項1もしくは2の装置。
  4. ビームの偏光を変える手段が、電圧感応結晶を有する請求項3の装置。
  5. 前記電圧感応結晶は、電気光学結晶を有する請求項4の装置。
  6. 前記電気光学結晶は、LiNbO結晶を有する請求項5の装置。
  7. 所望の波長に従ってビームの偏光を変える工程を具備する、透過されたビームを第1の波長と第2の波長との間でスイッチングする方法。
  8. 所望の光路に従ってビームの偏光を変える工程を具備する、第1の光路と第2の光路との間でビームをスイッチングする方法。
  9. 所望の光路に従ってビームの偏光を変える手段を具備する、第1の光路と第2の光路との間でビームをスイッチングするスイッチング装置。
  10. 前記ビームの偏光を変える手段は、電圧感応結晶を有する請求項9の装置。
  11. 前記電圧感応結晶は、電気光学結晶を有する請求項10の装置。
  12. 前記電気光学結晶は、LiNbO結晶を有する請求項11の装置。
  13. ビームをこれの偏光に従って第1の光路もしくは第2の光路に沿って方向付ける偏光感応手段を更に具備する請求項9乃至12のいずれか1の装置。
  14. 前記ビームの偏光を変える手段は、偏光を、1平面からこれに直交する平面に変えるえ請求項9乃至13のいずれか1の装置。
  15. 図1乃至3を参照して上述されたように、第1の光路と第2の光路との間でビームをスイッチングする方法。
  16. 図1乃至3、図4及び図5を参照して上述されたようなスイッチング装置。
  17. 図4及び図5を参照して上述されたような、第1の波長と第2の波長との間でビームをスイッチングする方法。
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