JP2005513431A - 腐敗しやすい製品用の環境パラメータインジケータ - Google Patents

腐敗しやすい製品用の環境パラメータインジケータ Download PDF

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Abstract

1つの期間中に腐敗しやすい製品に随伴して、製品が温度のような環境パラメータに暴露されるのを監視するための電子装置が提案される。装置は、直前の期間中に製品が環境パラメータに暴露されるのを表わす、データを受信するためのデータインタフェースを含む。それは、環境パラメータを測定するためのセンサをさらに含む。しかも、装置は、受信データおよびセンサの出力を用いて、製品の特性を1つの期間の最後に計算するために、製品固有の関係(例えば、その製品に対するアレニウス(Arrhenius)の式)を用いるためのプロセッサを含む。装置はセンサの出力を記録するためのメモリをさらに含む。メモリの使用を節約するために、データは、データが最も有意である(例えば、それは高い温度を示す)期間中、より速い割合で格納される。スイッチが、データは、短い間隔中、例えば、装置が取り扱われている間、計算に勘案されてはならないことを指示するために設けられる。

Description

本発明は、腐敗しやすい、または劣化しやすい製品に随伴して、製品がさらされている、少なくとも1つの環境パラメータを監視するための(携帯用)電子装置に関する。本発明は、腐敗しやすい製品が環境パラメータに暴露されるのを監視する、システムおよび方法にも関する。
温度モニタが、温度に影響されやすい製品に係わるどんな産業においても重要である。これは、食品、飲料、医薬品、生物学的製剤、化学薬品、および接着剤のような、広い範疇を含む。製品の環境の監視も、販売業者、供給業者、貯蔵施設、あるいは病院または大手レストランチェーンのような、大手サービスプロバイダにとって重要である。
一部の腐敗しやすい製品が、保管中および輸送中、それらの保存のために低い温度を必要とする。コールドチェーンが破壊された場合には、そのような製品は通常2〜3時間以内にかなり早急に使用されなければならない。肉類またはデザートクリームのような食品が典型的な例であるが、この制約は、血液成分のような、他の製品にも当てはまる。例えば、血液銀行に42日間+4℃で保存される赤血球濃縮液が、いったん輸血施設によって配られると、周囲温度が+10℃を超える場合、非常に早急に使用されなければならない。水性接着剤、水性インク、アルミベースのワクチン、麻酔薬、または移植用臓器のような、他の温度に影響されやすい製品が、実行可能性を確実にするために、或る温度より上で、または或る温度範囲内で保存される必要がある。
今まで、1つの型の市販の温度監視装置があり、これは化学的または有色のインクマーカーをベースとする。そのような装置は通常、所与の温度で突然に色が変化する閾値インジケータとして機能するか、或いは時間および温度の関数として徐々に着色される、狭いバンドシステムで連続して動作する。
他の市販されている温度監視装置が、データロガーまたはレコーダを含む。そのようなロガーは、オンにされた後、温度データを一定時間ごとに収集し、このデータは装置のメモリに格納される。監視期間の最後に、データはインタフェースによってコンピュータ、あるいは外部読出し装置またはディスプレイにダウンロードされ得る。
生産品または製品は他の環境状態にも影響されやすい。例えば、血液製剤の赤血球が、或るレベルの加速度または衝撃に暴露されると破裂する。あるいは、血液中の血小板が、製剤の凝固および/または凝集を防止するために一定の運動を必要とする。
温度、圧力、湿度、および/または加速度(すなわち、衝撃または振動)を監視するための、データロガーの一般的部類に入る電子監視装置が、国際公開第93/08451号、米国特許第6,122,959号、および米国特許第5,426,595号に記載されている。
FR 2,774,763号が、所与の期間製品によって受け取られる熱量を推定するための電子装置を記載している。記載された装置は製品が暴露される温度を一定時間ごとに測定し、測定温度が特殊な数学的アルゴリズムによって係数に変換される。この装置は、変換された係数を記録し、かつこれらの係数をメモリに累積するための手段、および装置メモリ内の累積係数を適合する外部読出し装置へ伝送するための手段を含む。累積係数は、製品が監視期間中にさらされた熱量の推定を表わす。大きい累積係数は、製品は総じてより高い温度にさらされたことを示すだろうし、小さい累積係数は、総じてより低い温度にさらされたことを示すだろう(そうはいっても、監視期間中に高い温度に短くさらされたことを、小さい累積係数によって除外することができない)。
国際公開第01/23841号が、開始信号の起動後、時間および1つ以上のパラメータが1つの期間にわたって連続して測定され、かつ保管および輸送状態に関する重要な時間的パラメータ状態が、組み込まれたディスプレイに同時に永続的に表示される、監視装置を記載している。記載されている装置はプログラムを含み、このプログラムは、期限切れの保管または輸送時間、および/または正常な満期の下での残りの保管または輸送時間、および/またはその期間中の測定されたパラメータ状態によって削減される時の残りの保管または輸送時間を可能にする。
上述の監視装置は、それらはさらされたことに関する情報しか提供しない、および/またはそれらが監視した期間に関する情報しか提供しないということで、不都合であることが分かった。
生産または製品起源から始まる、その最終使用までの腐敗しやすい製品の寿命の間に、そのような製品は、例えば、貨物または積荷の(再)包装、配布、または分割によって、多くの場合何度も、製品のより小さい実体またはバッチに分割されることを認識する必要がある。任意のそのような細分に先立って、製品が監視装置を用いて監視されている場合、監視を続けるために、製品の少なくとも一部が、新しい監視装置を用いて再びタグ付けされる必要がある。新しい監視装置を用いて再びタグ付けすると、前に監視した期間中に製品が環境パラメータにさらされたことを表わすデータが失われる。したがって、腐敗しやすい製品の実質的に全寿命の監視を可能にし、同時に必要または要望に応じてそのような製品の再タグ付けを可能にするだろう、監視装置およびそのための監視システムを提供する必要があることが分かった。実質的に完全な環境パラメータ履歴の詳細な知識を用いて、監視される製品の安全マージンまたは有効期限ならびに残存寿命の割り当てが、はるかに正しく規定されるので、そのような監視装置およびシステムの提供がやはり望ましい。
第1態様において、本発明は、大まかに言えば、腐敗しやすい製品は、その寿命のある期間中、電子監視装置によって添えられることを提案する。装置は、この期間の前に製品が環境パラメータにさらされたことを表わすデータを提供され、装置はこの期間中に環境パラメータを測定するためのセンサを含む。装置は製品固有の関係を使用して、提供されたデータおよびセンサの出力を用いて、期間の最後に製品の特性を計算する。
具体的に言えば、本発明のこの第1態様は、1つの期間中に腐敗しやすい製品に随伴して、製品が、その1つの期間中、少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを監視する、電子装置として表わされ、装置は、
a)製品が直前の期間中に少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを表わす第1データをインポートするためのデータインポート手段と、
b)製品が前記1つの期間中に少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを表わす第2データを生成するためのセンサ手段と、
c)第1および第2データ、ならびに製品固有の特性とパラメータとの間の製品固有の関係を用いて、前記1つの期間の最後に特性を計算するための処理手段と、
d)特性を出力するための出力手段と、を備える。
用語「インポート」および「エクスポート」は、本明細書において、例えば、コード化された電気または電磁信号によって、機械可読形式でのデータ転送を参照するために使用される。用語「出力」は、本明細書で、データのエクスポートを含むために、しかもユーザへのデータの表示を含むために使用される。装置の出力手段は、ディスプレイ手段およびデータエクスポート手段の両方を含むことが好ましい。インポート/エクスポート装置は、アンテナ、および/または光学検出器、および/または電気接点、および/または(超)音波検出器、または同等品を備える。超音波伝送は、電磁放射が製品またはそれらの容器によって強く減衰または反射される(そのため電磁伝送は都合が悪い)か、または認められない場合に有用である。
製品固有の特性は、予想期限、残存寿命、または期限切れの寿命(いずれの場合にも、現在の環境状態のような、環境状態のセットが続くと仮定する)のような、製品の有効期限と直接関係する特性(本明細書で「有効期限データ」と呼ばれる)である。本発明は、予想される保管/輸送状態でなくて実際の保管/輸送状態に基づいているので、それは、先行技術で利用できたよりもはるかに正確な有効期限データを生成することを可能にする。
そのような改善した有効期限データの利点の中には、製品が受け入れることができる形で配達されるであろうという、より大きい確実性が挙げられ、そのため品質管理上の改善がある。製品が有効期限に近づいたリスクがあるという理由だけで、製品が廃棄処分される必要がもはやなくなるであろうし、それよりむしろ、製品がその寿命の最後に実際に達したかどうかは、それに添えた監視装置によって正確に判定され得るので、それによりさらに無駄を省くことができる。換言すれば、製品がそれらの有効期限に達しなかったことを確かにするために使用する必要がある安全マージンが、著しく減らされ得る。監視装置は、第1データをインポートすることができるので、その計算が製品の全履歴を、監視装置があった前の履歴さえも潜在的に勘案することができる。
あるいは、製品固有の特性は、製品の任意の規定有効期限に直接関係しない、製品の期待品質であるかもしれない。このオプションは、特に、ワインのような、賞味期限が過ぎることがなくてむしろ「熟成する」製品の場合に、しかし決して排他的にではなく該当する。この場合は、時間の経過が或る温度状態で製品の向上を実際にもたらし得る。従って、装置は、製品の品質が、製品が有用であるほど充分に高くなったことを示すために使用される。
製品がその前歴において環境パラメータにさられたことに関連するデータ(このデータは環境パラメータの前の値、および/または計算した製品固有の値である)をインポートするインポーティング装置によって、1つの監視装置によって収集される情報が、再タグ付け手続き中、次の監視装置へ引き渡される。このようにして、腐敗しやすい製品の実質的に完全な寿命を監視し、同時に、必要または要望に応じて、そのような製品を再びタグ付けすることが可能である。
人間を有害な放射線から護るために、光子放射線の線量率および線量の蓄積を検出するための装置が、米国特許第5,173,609号に記載されていることに留意されたい。開示される装置は、ベアラーの前の線量測定情報を装置にロードする手段、ならびに装置を情報処理センターに接続する手段を含む。しかしながら、前記文献は、腐敗しやすい製品の監視、ならびにそれらの監視された環境パラメータ履歴を考慮する、そのような製品の残存寿命または期待品質のような、製品固有の特性の計算に関して言及していない。
輸送または保管される製品が暴露される環境パラメータが、温度、可視または不可視の光子放射線、荷電または非荷電粒子、磁場、湿度、圧力、加速度、または角度位置のような物理的原因による。環境パラメータはまたpH値または物質濃度のような化学的性質にもよる。パラメータはまた微生物学的量のような生物学的なものでもある。基本的には、装置は全てのタイプの環境パラメータを監視するのに有利であり、それは温度の監視に特に適している。
しかも、本発明は、温度および加速度(衝撃および振動)、または温度および湿度、または温度、湿度、および振動のような、2つ以上の環境パラメータの組合せの製品に与える影響を監視するために使用される。
センサ手段は、測定された量は製品が暴露される環境パラメータに相当することを確かめるために、監視される製品にすぐ隣接して取り付けられる、少なくとも1つのセンサを備えることが有利である。製品の異なる位置で同じ環境パラメータを測定する、いくつかのセンサがある。異なるセンサが異なる環境パラメータを同時に測定することも可能である。
ディスプレイは視覚的または聴覚的な方法を用いて、情報を出力する。例えば、それは、エネルギー消費が小さいLCD(液晶ディスプレイ)、フォトダイオード、電子ブザー、またはスピ−カーを使用する。製品固有の特性が製品の有効期限データである場合に、有効期限データが表示されることが好ましい。そのような表示によって、製品の寿命が尽きたかどうか、かつ製品の使用を思いとどまるべきかどうかが、製品を取り扱うか、または使用する、誰にでも明らかである。
監視装置は使い捨てできることが好ましい。環境パラメータモニタを広く応用する場合、それらの廃棄性は重要な特徴である。監視装置が余りにも高価であり、輸送後に戻される必要がある場合、製品を監視するための費用が、広い応用を可能にするために非常に高くなる。従って、返却が実施困難であるか不可能である場合、装置の1回使用は重要である。その上、1回使用の製品は、プログラムされると不正開封が防止されるか、または外部の影響を極めて困難にする方法で設計されるハードウェアである。
このため、装置は、装置の動作を起動させるか、または停止させるための非可逆オン・オフ手段(例えば、スイッチ)を備えることが好ましい。そのような手段は装置の不正開封防止機能を向上させて、いったん監視が起動されると、製品は間断なく監視されることを確かにする。停止手段は監視を止め、それは監視の状況を凍結する証明書または文書を与える機能を備える。例えば、製品がいくつかの運送業者によって輸送される場合、ある運送業者が、別の運送業者に対して、製品は運送業者の責任の下で正しく取り扱われ、所要の保管または輸送条件が維持されたことを証明する。他方、運送業者は、製品がさらされた環境の履歴について表示によって知る。前の輸送または保管中に正しく取り扱われなかった場合に、運送業者は、例えば、生産業者か、或いは貨物の受取人へ報告する。非可逆オン・オフ手段は、監視装置の高いレベルの信頼性を確かにし、監視結果を信頼できるものにする。
オン手段および/またはオフ手段はスイッチであり、これは押しボタン型スイッチであるか、あるいは壊れやすい部分内に電気接点を備える。いったんスイッチの電気接点が壊れやすい部分で破壊されると、それを再接続することはもはや不可能である。壊れやすい部分は非可逆性機能を備える。
計算は、装置の起動と停止との間の期間の全体からの測定値を使用しないことが好ましく、その理由は、その場合、計算はこの期間内に間隔を含むだろうし、この間隔内にセンサ手段はパラメータの不正確な値を与えることをユーザが偶然に知るからである。そのような間隔は、装置が起動された直後で、通常それは製品に取り付けられたばかりであろう時間、装置が停止させられる直前で、それは製品から取り外されている時間、および、例えば、データを装置から出力できるように、装置は製品から取り外されている、任意の中間の時間を含む。このため、ユーザが、これらの間隔において、センサ手段からのデータが計算に含まれないことを確かなものにする動作を実行できるならば、それは好ましい。この動作は別個のスイッチによって実行されるものであり、あるいは、それはオン・オフ手段を用いて装置を起動/停止する動作である。
実際に、この概念は本発明の第2の独立の態様を与え、この態様は第1態様と自由に組み合わせることが可能であり、1つの期間中に腐敗しやすい製品に随伴して、製品がその1つの期間中に少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを監視するための電子装置として示すことが可能であり、装置は、
a)製品が前記1つの期間中に少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを表わすデータを生成するためのセンサ手段と、
b)前記データを用いて、前記1つの期間の最後に製品固有の特性を計算するための処理手段と、
c)特性を出力するための出力手段と、
d)前記1つの期間内の間隔中に生成されるデータを用いる計算を阻止するために、ユーザによって動作される中断手段と、を備える。
中断手段はオン・オフ手段であり、この手段の動作が期間を実際に規定する。あるいは、中断手段は別個の中断手段(例えば、スイッチ)である。
本発明の第1および第2の態様の両方において、製品固有の特性は、環境パラメータに依存する製品の劣化を表わす、製品固有の相関または関数によって計算されることが好ましい。劣化関数は、製品の環境履歴と品質との間の相関を立証する、試験および実験で見つけられる。多くの製品の場合、劣化のレベルをいわゆるアレニウス(Arrhenius)の式によって計算することが可能であり、従って製品固有の特性は、製品固有の数値変数を含む、そのような式を用いて計算されることが好ましい。実際に、アレニウス(Arrhenius)の式を用いて製品を監視することは、本発明の第3の独立の態様を与え、この態様は第1態様または第2態様と自由に組み合わせることができる。
この第3態様によれば、本発明は、1つの期間中に腐敗しやすい製品に随伴して、製品がその1つの期間中に可変温度に暴露されるのを監視するための電子装置を提供し、装置は、
a)製品が前記1つの期間中に温度に暴露されることを表わすデータを生成するためのセンサ手段と、
b)データ、およびアレニウス(Arrhenius)の式によって与えられる製品固有の関係を用いて、前記1つの期間の最後に製品固有の特性を計算するための処理手段と、
c)特性を出力するための出力手段と、を備える。
本発明の全ての上の態様において、処理手段は、センサ手段の瞬間の出力に基づいて「すぐに」、製品固有の特性を連続的に更新するように構成されることが好ましい。従って、前記或る期間の最後に、それはその時の製品固有の特性を計算するであろう。
処理手段が「すぐに」動作するように構成される場合は、原則として、装置はセンサ手段の出力を格納しないで動作することが可能である。また一方、更にできれば、本発明の全ての態様において、装置は、センサ手段の出力、およびできれば、すぐに計算される任意の製品固有の特性をも格納するためのメモリ(本明細書で「被曝履歴」と呼ばれる)を含むことが好ましい。連続する監視は、ユーザが、輸送および/または保管履歴における不具合または欠陥をさかのぼることを可能にする。
エクスポートされるデータは、さらされたことの履歴、および/または製品固有の特性、および/または環境パラメータおよび製品に関連する他の情報を含む。履歴は、異なる監視装置によって記録され、かつデータインポート手段を用いて監視装置にインポートされた、前のさらされたことの履歴も含む。前のさらされたことの履歴は、センサが監視を開始した時間より前、または製品が生産された前までもの製品の履歴に関する情報を含む。例えば、製品が生産工程中に異常な環境状態に暴露される場合、この情報は製品固有の特性を計算するための計算装置へ転送される。前の履歴は、別のセンサによってもっと以前に、および/または異なる位置で収集される情報を含む。
他の態様と自由に組み合わせることができる、本発明の第4態様において、大まかに言えば、メモリにおけるデータ記憶の頻度がデータの重要度によって決定される。
具体的に言えば、本発明の第4態様は、1つの期間中に腐敗しやすい製品に随伴して、製品がその1つの期間中に少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを監視するための電子装置として示され、装置は、
a)製品が前記1つの期間中に少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを表わすデータを生成するためのセンサ手段と、
b)センサ手段から導出され、製品が前記1つの期間中にパラメータに暴露されることを表わすデータを記録するためのメモリ手段と、
c)データを出力するための出力手段と、を備え、
前記メモリ手段は、複数のゼロ以外の値から選択できる記憶頻度でデータを格納するように構成され、データの任意のセクションの記憶頻度が、環境パラメータの対応する測定値に基づいて選択される。
例えば、環境履歴を測定するためのサンプリングが通常、発振器、例えばクロックによってトリガされる、所与のタイムステップで実行され、測定値の格納、例えば、測定値を格納する速度、およびそれに対応して格納される測定値の選択が、環境パラメータの測定値がそれらは特に重要であることを示す時に記録する、より多い頻度があるように選ばれる。
一方、とはいえ、サンプリング自体は、メモリ手段がデータを格納する(例えば、メモリ手段が、センサ手段によって生成されるデータの全て、または少なくとも一定の割合を格納する場合)頻度を同様に決定する、選択可能な頻度で行われることはあまり好ましくはない。
メモリ手段は前記1つの期間を通じてデータを格納する、すなわち記憶は或るゼロ以外の記憶頻度でいつも実行されることが好ましいことに留意されたい。しかしながら、あまり好ましくない実施形態において、メモリ手段が、いくつかの選択された間隔、例えば、中断手段によって開始する間隔の間を通じて、データを完全に格納するのを中止することが可能である。換言すれば、複数のゼロ以外の値に加えて、メモリ手段は、そのような選択された間隔の間を通じて、データを格納するのを中止するようにも構成される(すなわち、ゼロの頻度で)。
本発明の態様の各々が、腐敗しやすい製品を監視するための装置を用いる方法として代わりに示される。
その方法を用いて、生産品または製品の寿命履歴を、全く最初から、例えば、その生産時、またはもっと早くから、それらがエンドユーザによって使用される時まで監視することが可能である。
いくつかの環境の下で、製品に関する極めて重要な情報の全てを誰にでも示さないことは、有用である。そのような場合、情報はディスプレイに簡単に示されないか、または暗号化される。また一方、特別のアクセスで、この情報は許可された人に提供される。製品の状況に関する情報の一部が、許可された人によってだけアクセスされる。
任意に、識別番号が各監視装置に付与される。そのような識別番号を用いて、監視装置は他と区別され、各製品の輸送ルートをさかのぼることができる。環境履歴に関する情報の外部データシステムへのデータ転送とともに、この個性化を用いれば、環境履歴に関する情報のすべてが、前の監視装置から次の監視装置へ渡される必要があるとは限らない。これは監視装置の記憶空間を節約するのに役立つ。輸送および/または保管ラインの全体が、外部データシステムに格納される識別番号と関連付けられるデータによって回復され得る。
これから、本発明の実施形態が、詳細に、例示のみを目的として、図を参照して説明されるであろう。
図1は、腐敗しやすい製品の寿命の期間中にそれに添えるための、本発明による好ましい装置9(図2に物理的実施形態で示される)のブロック図を示す。装置9は処理装置2を備え、この装置2は、例えば、温度センサを用いて製品の温度を検出するセンサ装置1に接続される。センサ装置1は監視される製品に密接して設置されることが好ましい。処理装置2は、例えば、製品の予想残存寿命を計算するためのマイクロプロセッサを使用する。それは、センサ装置1によって測定される温度から処理装置2によって処理される、データを記録するメモリ装置3に接続される。
処理装置2は、非可逆性機能を備えるオン・スイッチ10、および非可逆性機能を備えるオフ・スイッチ11にも接続される。非可逆オン・スイッチ10を用いて、測定は起動される。監視の動作を終了させる、非可逆オフ・スイッチ11が入れられるまで、測定を中断することはできない。発振器またはクロック7が処理装置2に時間変量を与えて、測定のサンプリングをトリガする。
データインポート装置6およびデータエクスポート装置5の両方が、情報を交換するための外部データシステム8への接続を構築するための無線アンテナを使用する。両方とも処理装置2に接続される。外部データシステム8の助けを借りて、センサ装置1がその測定を開始した前の時間の環境に関する情報が、装置9に送られる。外部データシステム8が装置9へ伝送する情報が、環境パラメータを前の期間に測定した他の装置によって、および/または製品の周りの様々な場所に設置される追加装置によって、製品の生産工程中に収集される情報を含むことができる。
ディスプレイ4およびエクスポート装置5が、装置9の出力をともに構成する。ディスプレイ4は、処理装置2によって実行される製品の特性の計算の結果を(或る形で)表示することが好ましい。ディスプレイは、さらされたことの履歴自体またはその一部、閾値またはその他の所望の情報のような、さらされたことの履歴に関する情報を表示するためにも使用される。装置9からエクスポート装置5を経由して出力される情報が、処理装置2によって実行される計算の結果、および/またはメモリ3に格納されるセンサ装置1からの累積測定値を含む。情報出力を暗号化することは有利である。
データインポート装置6およびデータエクスポート装置5は、本明細書において、音波信号のような他の信号が原理上考えられるけれども、通常、電磁(大抵の場合、無線)信号を用いて、データの遠隔伝送に適当であるように設計される。遠隔伝送は、ユーザがアンテナの助けを借りて、各単一製品に体を接触させる必要なしに、製品のバッチ全体に関する情報を収集することを可能にする。例えば、トラックが外部データシステム8にアプローチする場合、全部のトラック積荷が同時に点検される。製品の状況に関する全ての関連した情報が直ぐに利用できる。ディスプレイ4は、品質の予想レベル、および/または予想残存寿命のような、製品に関する極めて重要な情報への直接アクセスを与える。従って、ロガー、ディスク、他の情報担体の送信は、さらされたことの履歴を評価するのにそれ以上は全く必要ではない。それどころか、製品固有の特性が直ちに計算される。予想残存寿命が切れる場合に、直接アクセスは、輸送または保管中の欠陥へ簡単で速く、かつ確実にさかのぼることを可能にする。
他の実施形態において、装置5、6の両方のうちの1つが、装置9への/からのデータの電子伝送のための電子インタフェースを備えるように、もう一つの選択肢として、または追加として、設計される。
装置9は、電力を処理装置2、メモリ装置3、およびディスプレイ4に供給するための電源(図示せず)をさらに含む。電源は電池またはアキュムレータである。それは、アキュムレータまたはコンデンサに給電するために、周囲の放射線または光を捕捉するためのアンテナまたは太陽電池も含む。
図2に示すように(図1に示す装置の斜視図であり、適切な場合、図1に使用される参照数字を用いる)、装置9はクレジットカードの形状をしたプラスチック金型の形を取る。ディスプレイ4が、関連データの選択された部分をそれが関係する誰にでも示す。ディスプレイ4は、製品が環境パラメータの影響を受けた後の製品の残存寿命および/または製品の期待品質を表示する。ディスプレイ4の助けを借りて、製品の品質はОKであるとまだ期待されるかどうかを、および/または残存寿命は切れたかどうかを判定することが容易である。ディスプレイ4は、製品が受け入れ難い、または極端な環境パラメータにさらされた時も表示する。ディスプレイはまた一般的な状況情報のほかに、要望に応じて警報または警告も提供する。装置9のバーコード(26)および/または電子識別番号が、製品および/または個別装置9を識別するのに役立つ。
非可逆オン・スイッチ10の助けを借りて、監視装置9の動作は起動される。非可逆オフ・スイッチ11の助けを借りて、装置9の動作は停止される。図2に示すように、オン/オフ・スイッチ10、11は、それぞれの壊れやすい部分12を各々備え、この部分12は破壊されて、信号をそれぞれのスイッチに伝送し、そのため非可逆性が確保される。いったん非可逆オン・スイッチ10が起動されると、監視の動作は、非可逆オフ・スイッチ11の壊れやすい部分12が取り除かれる時まで実行される。図2に示すように、壊れやすい部分12の各々は、装置9のそれぞれの隅である。あるいは、オン/オフ・スイッチは押しボタン型のスイッチである。
装置9(図1)は、装置のいくつかの動作または計算の短い中断があることを表示するために、ユーザによって動作可能であるスイッチ14をさらに含む。具体的に言えば、短い間隔(例えば、1〜5分)、センサ装置1からのデータが無視され、例えば、製品固有の特性に関する計算において処理装置2によって使用されない。好ましくないけれども、センサ装置からのデータはメモリ装置3へ伝送さえもされない。データはメモリ装置へ伝送されることが好ましく、それは中断間隔中に生成されるデータとして識別され得るように、印を付けられることがさらに好ましい。前記間隔の最後に、装置は正常な動作へ自動的に戻る。正確に、短い間隔が装置9によって監視される期間中に置かれる時が、スイッチ14が動作させられる期間内のポイントに依存する。それは、例えば、スイッチ14が動作させられる瞬間で中央に置かれる間隔であるか、あるいはスイッチ14が動作させられる瞬間で開始するか、または終了する間隔である。従って、スイッチ14を動作させることによって、ユーザが、例えば、製品固有の特性、誤用のレベルなどに関する計算、または、要望に応じて、エクスポート装置5および/またはディスプレイ4を経由してその後に出力されるであろうデータを乱すことなしに、装置9を安全に操作できる。
図2を参照すると、ディスプレイ4は、製品固有の特性、および/またはさらされたことの履歴に関する他の情報を表示するためのディスプレイ24(例えば、LCD)を含む。ディスプレイ4は、警報または警告型ディスプレイ用の他のインジケータ20、21、22、および23も含む。インジケータ20は、センサ装置1(図2に示さず)が環境パラメータ、例えば、規定の下方閾値より低い温度を感知する場合に信号を表示し、そしてインジケータ22は、規定の上方閾値より上の環境パラメータ値が測定される場合に信号を表示する。いくつかのインジケータ21は、監視の開始以来、どのくらいの期間、製品はユーザ定義限界(場合によっては、上位および/または下位)を超える状態にさらされたかを表示するために点灯される。インジケータ23は、処理手段2が計算を実行した場合に信号を表示し、このインジケータは製品の有効期限が切れたことを表示する。装置は、書かれたデータまたはしるしのための部分25、およびそのような情報を伝えるバーコード26を含む。
装置9の筐体は、36cm3より小さい容積を有する防水容器であることが好ましく、26cm3より小さければより好ましく、21cm3より小さければなおさら好ましく、16cm3より小さければ最も好ましい。それは、装置9を製品に取り付けるための取付け手段(例えば、接着剤、フック、マジックテープ、製品のホルダーに滑り込むように構成される部分、または製品に設けられたそのような部分を受け入れるためのホルダー)を含む。従って監視システムは、過大な容積または重量なしに生産品または製品に容易に取り付けられる。
図3は、製品、ここでは、例えば、ワクチンが暴露される、温度プロファイル対時間を示す。温度は生産および充填中にすでに監視されている。保管中温度は低い。ラベリング、荷下ろし、再積込、および輸送中のいくつかの時に、温度は上昇する。期間Aにおいて、ワクチンはバッチとして保管され、輸送され、このバッチは1つの装置によって本発明に従って監視される(9’)。期間Bにおいて、ワクチンのバッチは、例えば、2つの大きい包装貨物にさらに分割され、包装貨物の各々が単一の装置によって本発明に従って監視される(9”)。これらの装置の各々が、期間A中のワクチンの暴露される状況の監視からインポートされるデータを含む。期間Cにおいて、包装は、その最終使用に対応するサイズを有する、より小さい積荷単位にさらに分割される。再び、各積荷単位が使用時まで個別に監視され、各監視装置(9”’)が、期間AおよびB中のワクチンの暴露される状況の監視からインポートされるデータを含む。従って、環境パラメータ(例えば、温度)を監視するための装置および方法は、製品の予想残存寿命および/または期待品質が、製品を実質的にその全寿命時間にわたって監視することによって収集される情報を含むことによって、高い精度で計算されることを可能にする。
図4は、装置が、製品が生産される原料を、製品の生産(期間A)前の期間中に、監視するために使用されることが有利であることを示す。例えば、原料または部品のさらされたことの履歴が、特定の製品を生産するために使用され、その製品固有の特性(例えば、有効期限特性または品質特性)に影響を及ぼす場合、そのような監視は有利でありうる。図4に示すように、製品の生産に使用された、3つの部品が、それぞれの装置を用いて本発明に従って監視される(9)。これらの3つの装置からの出力が装置9’に伝送され、この装置9’は、製品を期間A中監視するために使用される。
これから、処理装置2の機能について述べる。
処理装置2の第1の好ましい機能は、環境パラメータに関する、法律上の仕様(通常、製品固有の最大/最小閾値、例えば、しきい温度によって表わされる)が満足されたことを確かなものにすることである。これは、処理装置2は、監視中、最大/最小環境パラメータ、例えば、温度の限界を超えた、重要な時間間隔が全くないことを確認できなければならないことを意味する。例えば、温度が特定の温度、例えば0℃より下に下がる場合、いくつかの生産品が害を被る。それでこの場合は、もしセンサ1が前記最小閾値より下の温度を検出するなら、プロセッサ2は、(i)事象を検出し、(ii)製品に関する事象の結果について決定し(すなわち、事象によって、製品は、この型の製品に対して規定される法律上の仕様の外にあることを示す、製品固有の特性を出力する)、(iii)後戻りのための事象を格納する、ことが必要であることが好ましい。
第2の好ましい機能は、品質/有効期限特性のような、製品固有の特性を装置9の能動期間中に計算することである。普通、装置は相関または関数で入力され、これは製品固有の特性の計算を可能にする。例えば、環境パラメータと劣化の相関が、実験的に決定される関係に基づいて入力され得る。特に、特定の環境パラメータに対する特定の製品の具体的な劣化関係が入力され得る。しかも、アレニウス(Arrhenius)、ワイブル(Weibull)、アイリング(Eyring)、またはベレラデック(Belehradek)型関数を含む劣化関係をモデル化する、いくつかの関数がある。
多くの生産品が、ポリオワクチンの温度に関する劣化関係(例えば、老化速度)を示す、図5に示される形を有するアレニウス(Arrhenius)の式によって与えられる劣化関係を有する。図5において、横軸が温度を与え、縦軸が老化速度を1日当りの%で与える。図5への挿入画が、実質上完全なワクチンが劣化するのに要するであろう、結果として生じる日数を所与温度の各々に対して表示する。
アレニウス(Arrhenius)の式は、多くの生産品の挙動を説明するので、処理装置2は、アレニウス(Arrhenius)の式に基づく関数を用いることによって、特性を計算するように適合されることが好ましい。温度に影響されやすい製品に関してアレニウス(Arrhenius)の式を適用する際に(例えば、老化速度=1/e(a+b(温度)))、製品固有の定数、例えばaおよびbの知識に加えて、長期にわたる温度の知識、および、必要に応じて、劣化開始状態が入力される。これは、上に説明したように、制限温度値および最大時間値をただ単に見張るよりも、製品固有の特性を予測する、より正確な方法である。処理装置2は、監視期間中に特性を「すぐに」、すなわち、連続的に(または短い、できれば等しい間隔で)計算することが好ましい。特性は相応して連続的に出力されて、ユーザに製品特性の連続的に更新される状況を提供することが望ましい。
第3の好ましい機能は環境パラメータ、例えば、温度、履歴の記憶である。既知のデータロガーにおいて、記憶は、測定値の固定時間間隔における連続的な記憶として実行される。最大ロギング時間はデータロガーの記憶容量の関数であるので、固定時間間隔は、アプリケーションの開始前に予め設定される必要がある。例えば、10,000ログの記憶容量を有するデータロガーを用いて、積み荷を30日間にわたって監視するために、通常、5分間の時間間隔が適用されるだろう。このように、ロギング期間とサンプリング密度との間に妥協がある。さらに、2つの測定の間の間隔中に起きる、任意の潜在的に有害な事象が見逃されるであろう。対照的に、本実施形態は、測定値の重要度によって、メモリが使用される割合(記憶の頻度)に自動的に適合する。そのような記憶機能は、特定の装置に対して可能である最大の割合で(すなわち、最短の可能な時間間隔で)環境パラメータの感知および測定を有利に可能にし、その上、ほんのいくつかの測定値を規定の重要度に従って記録することによって、メモリの消費を最小限に抑える。これはデータ記憶の量を減らすけれども、製品の特性を正確に決定するために必要とされるデータの記憶を可能にする。これは、特定の記憶容量を有する特定の装置に対する、より正確な監視(短いサンプリング間隔)および最大監視時間も可能にする。さらに、監視時間は、通常、より高価な、および/またはより大きい、膨大な記憶装置を使用する必要なしに、非常に増大され得る。しかも、データ記憶の減った量は、次には、データを後に評価するために必要である作業を著しく減らして、データ転送および/または解析に対する、より小さい電力消費および減じた時間を生じる。
好ましい実施形態において、データ値の重要度は、例えば、アレニウス(Arrhenius)関数によって決定されるような劣化速度として規定される。
上述のように、通常、環境パラメータの感知またはサンプリングは、特定の装置に対して可能である最短時間間隔で実行される。各サンプリング後、生産品の劣化または老化速度が、(例えば、上述の処理装置2の第2機能によって)計算される。老化速度に基づいて、測定値の記憶間隔が規定される(従って、適切な測定値が格納される)。換言すれば、記憶の間隔は老化速度の値によって与えられる。老化速度が大きいほど、記憶の間隔は短い(サンプリングの間隔に近づくか、またはそれに等しくなる)。
これは図6に示され、そこでは横軸が時間を表わす。第1線(約7日にピークを有する)がグラフの左側の縦軸を参照して温度を表わす。第2線(同様に、約7日にピークを有する)が老化速度を表わす。この製品固有の特性は、製品固有のパラメータを用いて、上述のようにアレニウス(Arrhenius)の式によって計算される。この製品固有の特性は、製品の残存寿命、第2製品固有の特性を表わす第3線(グラフの右側の縦軸を参照して図6を横切って左から右へ減少する)を導出するために使用される。図6の第1(温度)線上の四角が、測定値が格納される時点を表わす。図6で分かるように、老化速度が大きくなるにつれて、記憶点間の(時間)間隔が減少する、すなわち、記憶の頻度が増加する(見やすくするために、図6に示す記憶データ点の数は、実際に使用されるだろうよりも非常に少ないことに留意する必要がある)。
上述のように、そのような記憶機能は記憶データの量の削減を可能にする。例えば、可能な記録速度は、劣化の0.1%毎に1回の記憶を行うことであり得る。これは、100%劣化に対して1000回の測定の理論上の必要な記憶容量をもたらすだろう。実際には、そのような状況に対して、通常、いくつかの理由で、例えば、強化された精度または有効期限を超える監視により、より多くの測定が記録されるように規定されるだろうし、たとえ記憶される測定の数が倍加(例えば、2000)されるとしても、これは小さい記憶容量を表わす。
より特殊な実施形態において、2つの記憶される測定間の時間間隔は或る範囲内にあることが好ましく、そのため、相応して測定される環境パラメータに基づく、計算された劣化が、規定の劣化ステップを超えない。劣化ステップは0.002以下であるように規定されることが好ましく、0.001〜0.00005であればより好ましく、0.0005〜0.00008であれば最も好ましい。最新の測定環境パラメータに基づく実際の劣化の全体が、最後の記憶測定値および劣化ステップにおける劣化値の合計よりも大きい場合、前の測定パラメータ値/時間(最新の測定の直前)が格納されるべきである。前述の実際の劣化が前述の合計よりも小さい場合、システムは次の測定の評価に進む。図7は、監視装置用のかかるメモリ/記憶制御の方法(制御論理)を例示する流れ図を示す。普通、この方法はステップ50で開始し、初期設定を行い(ステップ51)、第1環境パラメータ、ここでは、例えば、温度の測定値が温度センサから受け取られ(ステップ52)、第1測定温度および時間を格納する(ステップ53)。次の2つのステップ(54aおよびb)において、通常、時間同期が次の測定を準備する際に実行される。温度が測定され(ステップ55で)、最後のデータ記憶以来の劣化差が計算される(ステップ56)。ステップ57において、最後のデータ記憶以来の劣化差は劣化ステップよりも大きいかどうか判定される。そうでない場合(そしてループを出る理由が全くない場合(ステップ59))、この方法はループの開始へ戻る(ここではステップ54a)。そうである場合、直前の測定の時間および温度がステップ58において格納される。そのような記憶(ステップ58)の後に、再びループを出る理由が全くない場合(ステップ59)、この方法はループの開始へ戻る。
環境パラメータ/時間の履歴の経済的な記憶に関する高度化の更に進んだレベルにおいて、連続する記憶の間の時間間隔が、予め規定した間隔の系列から選択されることが有利であり、そこでは、最短の間隔が感知/サンプリングの間隔と等しいことが好ましい。この系列は8〜128要素を有することが好ましく、12〜128であればさらに好ましく、12〜64であればなお一層好ましく、16〜64要素であれば最も好ましい。記憶測定値の間の可能な時間間隔のそのような限定数を用いることによって、前記時間情報は、実際の時間ではなく、どの予め規定した時間間隔が使用されたかを、例えば数秒で記録することによって実現され得るので、特定の記録される測定が行われた時間を記録するために必要な記憶容量を著しく減らすことができる。一般に老化速度は、環境パラメータ、例えば温度に対して対数的に変化することが予想されるので、記憶のための規定時間間隔のほぼ対数的な系列から選択することが有利である。例えば、1秒当り1感知の感知/サンプリング率を適用する場合、記憶のための規定時間間隔の適当な系列は次のようであり、すなわち1、2、5、10、20、60、120、300、600、1200、3600、および7200秒である。しかも、記憶のための規定時間間隔のそのような系列を適用する場合、2つの記憶される測定の間の時間間隔が或る範囲内にあり、そのため、相応して測定される環境パラメータに基づく、計算された劣化が、規定の劣化ステップを超えない(上に与えられたように)ことが好ましい。この場合に、最新の測定環境パラメータに基づく実際の劣化の全体が、最後の記憶測定値および劣化ステップにおける劣化値の合計よりも大きい場合、最後の記憶データに対して適切な時間間隔を有する、前の測定パラメータ値/時間が格納されるべきである。換言すれば、制御は図7に示すそれに類似であるが、ステップ58において、記憶される時間/温度データは、最後の先行する時間および温度の測定データであり、そのため、その時間と先行する記憶との間の間隔は規定間隔の1つである。
監視される環境パラメータ(特に、温度)値の記憶の圧縮をさらに改善するために、記憶は、絶対値ではなく、連続する測定の値の間の差によって行われることが好ましい。例えば、温度が変化する速度が、サンプリング時間と比較してしばしば遅いので、温度差を均等スケールで格納することが、記憶圧縮の経済的方法であることが分かった。
別の好ましい実施形態において、データ値の重要度は、監視される環境パラメータ自体の絶対値によって規定される。これは、例えば、老化速度のような、製品固有の特性が(連続的に)計算されない、監視装置で適用され得ることが有利である。特に、製品の監視される環境パラメータに対する感受性、およびサンプリング時の測定環境パラメータの値を考慮して、測定値の記憶間隔が規定される。例えば、熱の感じやすい製品の場合、測定温度が高いほど、記憶の間隔は短い(サンプリングの間隔に近づくか、またはそれに等しくなる)。
さらに別の望ましい実施形態において、データ値の重要度は、監視される環境パラメータの変化の割合によって規定されることが可能であり、そこでは記憶の頻度は、環境パラメータ対時間の曲線の絶対的傾きによって与えられる。
上述のように、スイッチ14は、短い時間間隔(例えば、1〜5分)計算から除外するように動作され得る(例えば、図6に示すものと同様に)。これは、そのような計算の結果が、この間隔内に起きる、装置によって感知される任意の事象、例えば、装置が読み取るために保冷容器に保管される製品から分離された後に、高温によって破損されないであろうことを意味する。
起動時に、センサ装置は、製品の温度の不正確な読取りを与えるかもしれないので、処理装置2は、装置の最初の起動が計算から短い時間間隔同様に除外するように構成されることが望ましい(例えば、図6に示すものと同様に)。例えば、監視期間の開始を規定する、オン・スイッチ10の動作が、計算が、規定間隔(例えば、1〜5分)後に、あるいは温度が特定のユーザ定義値に達する場合に始まるように、構成され得る。
同様に、装置9の使用の最後に、ユーザは装置9を製品から分離し、そのため、センサ装置1の出力が、製品が暴露される真の環境パラメータに対応しない。従って、装置は、オフ・スイッチ11の動作(上に述べたように、監視期間の最後を規定する)が、直前の間隔(例えば、1〜5分)中に行われる測定を廃棄させる、すなわち計算に使用させないように構成される。
本発明は単一の実施形態を参照して上に説明されたけれども、多くの変形形態が、当業者には明らかであるように、本発明の範囲内で可能である。
例えば、スイッチ10、11、14が、装置と物理的に接触するように、図1に示されるけれども、それらは実際には装置と隔たっており、遠隔信号システム(例えば、無線による)を経由してそれと接触することがある。さらに、スイッチのどれも(特に、開始スイッチ)が、環境パラメータ(例えば、センサ装置1によって測定されるもの)に基づいて自動的にトリガーされ得る。例えば、装置9はスリープモードを有し、ユーザの動作であるか、あるいはセンサ装置1または別のセンサによって測定される環境パラメータの変化(例えば、暗くなる)である、外部の影響に反応する開始スイッチ10によって、スリープモードから「起こされる」。
しかも、詳細に上述した実施形態は、しばしば単一環境パラメータの温度とだけ関連するけれども、本発明はこの点に限定されない。それどころか、複数の環境パラメータが勘案され、例えば、それらの全てに因る製品の累積劣化を示す単一特性を生成するために使用される。
装置を用いて、製品の「誤用」のレベルを判定することも可能であり、このレベルは、ユーザ定義限界を超える、測定される環境パラメータ値に基づいて計算される。この限界(場合によって、上限および/または下限)は、通常、特定の製品の監視される特定の環境パラメータに対する感受性、および/または前記製品に対する規定の最適保管状態を考慮して選択される。例えば、熱に敏感であり、かつ最適保管状態が5℃より低い製品の場合、5℃より高い温度にさらされていることが測定されれば、これは「誤用」と考えられ、対応する、さらされていることの測定値が、前記誤用のレベルを計算するのに使用されるだろう。
誤用のレベルは、製品が前記限界を超える環境パラメータにさらされた時間を合計し、前記合計を総時間で割って、前記限界の外側でさらされた%を誤用のレベルの量として与えることによって計算される。
あるいは、誤用のレベルは、前記限界を超える測定パラメータ値を或る係数で重み付けし、全ての係数を総計することによって計算され得る。重み付けは、測定される環境パラメータの大きさによって決定される。適用される重み付けの方法が、特定の製品の監視される環境パラメータに対する感受性、および/または測定されるパラメータ値と限界との間の差の大きさを考慮して選択されることが望ましい。
本発明の好ましい実施形態であり、腐敗しやすい製品の寿命の期間中にそれに添えるのに適した装置の略図である。 図1の装置の斜視図である。 製品がさらされた環境の履歴を示すグラフである。 図3の変形である。 ポリオワクチンに関する温度と劣化との間の関係を示す図である。 例えば、図1の装置によって使用される監視方法を示す図である。 メモリを制御するための制御論理を示す流れ図である。

Claims (21)

  1. 腐敗しやすい製品に1つの期間に渡り随伴して、該製品が該1つの期間中に少なくとも1つの環境パラメータに暴露されるのを監視するための電子装置であって、
    a)前記製品が直前の期間中に前記少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを表わす第1データをインポートするためのデータインポート手段と、
    b)前記製品が前記1つの期間中に前記少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを表わす第2データを生成するためのセンサ手段と、
    c)前記第1および第2データを用いて前記1つの期間の最後に製品固有の特性を計算するとともに、該特性と前記パラメータとの間の製品固有の関係を計算するための処理手段と、
    d)前記特性を出力するための出力手段と、
    を備える装置。
  2. 前記出力手段が、前記特性をユーザに対し表示するためのディスプレイ手段を備える、請求項1に記載の装置。
  3. 前記出力手段が、前記特性を電気または電磁信号としてエクスポートするための手段を備える、請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記特性は、前記第1および第2データによって表わされる暴露の後の、前記製品の予想品質を示す品質特性である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記特性は、前記製品の有効期限に関連する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記特性は、前記製品の予想有効期限日または残存寿命である、請求項5に記載の装置。
  7. 前記センサ手段が温度を測定するためのものであり、前記製品固有の関係がアレニウスの式によって与えられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記センサ手段から生成される第3データであって、前記製品が前記1つの期間中に前記パラメータに暴露されることを表わす第3データを記録するためのメモリ手段をさらに備え、前記特性に加えて、前記出力手段が該第3データを出力する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記第3データは前記第2データに等しいものである、請求項8に記載の装置。
  10. 前記メモリ手段は、複数のゼロ以外の値から選択できる頻度で前記第3データを格納するよう動作し、前記第3データの任意の部分に対する格納頻度は、前記環境パラメータの対応の測定値に基づいて選択される、請求項8または9に記載の装置。
  11. 前記計算が前記1つの期間内に任意間隔で生成されるデータを用いることを防止するために、ユーザによって動作される中断手段を備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 腐敗しやすい製品に1つの期間に渡り随伴して、該製品が該1つの期間中に少なくとも1つの環境パラメータに暴露されるのを監視するための電子装置であって、
    a)前記製品が前記1つの期間中に前記少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを表わすデータを生成するためのセンサ手段と、
    b)前記データを用いて前記1つの期間の最後に製品固有の特性を計算するための処理手段と、
    c)前記特性を出力するための出力手段と、
    d)前記1つの期間内に任意間隔で生成されるデータを用いる計算を防止するために、ユーザによって動作される中断手段と、
    を備える装置。
  13. 腐敗しやすい製品に1つの期間に渡り随伴して、該製品が該1つの期間中に少なくとも1つの環境パラメータに暴露されるのを監視するための電子装置であって、
    a)前記製品が前記1つの期間中に前記少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを表わすデータを生成するためのセンサ手段と、
    b)前記センサ手段から生成されるデータであって、前記製品が前記1つの期間中に前記環境パラメータに暴露されることを表わすデータを記録するためのメモリ手段と、
    c)前記データを出力するための出力手段と、を備え、
    前記メモリ手段は、複数のゼロ以外の値から選択できる格納頻度で前記データを格納するように構成され、前記データの任意の部分に対する該格納頻度が、前記環境パラメータの対応の測定値に基づいて選択される、
    装置。
  14. 腐敗しやすい製品に1つの期間に渡り随伴して、該製品が該1つの期間中に可変温度に暴露されるのを監視するための電子装置であって、
    a)前記製品が前記1つの期間中に温度に暴露されることを表わすデータを生成するためのセンサ手段と、
    b)前記データを用いて前記1つの期間の最後に製品固有の特性を計算するとともに、アレニウスの式によって与えられる製品固有の関係を計算するための処理手段と、
    c)前記特性を出力するための出力手段と、
    を備える装置。
  15. 前記装置をそれぞれに起動および停止する非可逆オンおよびオフ手段をさらに備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
  16. 前記オンおよびオフスイッチが、電気接点を含む壊れやすい部分をそれぞれに備え、それぞれの前記壊れやすい部分の破壊が、前記装置をそれぞれに起動および停止する、請求項15に記載の装置。
  17. 腐敗しやすい製品が少なくとも1つの環境パラメータに暴露される1つの期間中の、該製品の製品固有の特性を確立する方法であって、
    a)前記製品が直前の期間中に前記少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを表わす第1データをインポートすることと、
    b)前記製品が前記1つの期間中に前記少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを表わす第2データを生成することと、
    c)前記第1および第2データを用いて前記1つの期間の最後に製品固有の特性を計算するとともに、該特性と前記パラメータとの間の製品固有の関係を計算することと、
    d)前記特性を出力することと、
    を含む方法。
  18. 腐敗しやすい製品が1つの期間中に少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを示すデータを記録する方法であって、
    a)前記製品が前記1つの期間中に前記少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを表わすデータを生成することと、
    b)前記データを用いて前記1つの期間の最後に製品固有の特性を計算することと、
    c)前記特性を出力することと、を含み、さらに、
    前記1つの期間内にユーザによって実行される所定の動作を登録し、この登録に際し、前記1つの期間内に対応の間隔で生成されるデータを用いる前記計算を防止することを含む、
    方法。
  19. 腐敗しやすい製品が1つの期間中に少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを示すデータを記録する方法であって、
    a)前記製品が前記1つの期間中に前記少なくとも1つの環境パラメータに暴露されることを表わすデータを生成することと、
    b)前記データを記録することと、
    c)前記データを出力することと、を含み、
    前記データの記録は、前記環境パラメータの対応の測定値に基づいて、複数のゼロ以外の頻度から選択される記憶頻度で実行される、
    方法。
  20. 腐敗しやすい製品が可変温度に暴露される1つの期間中の、該製品の製品固有の特性を確立する方法であって、
    a)前記製品が前記1つの期間中に温度に暴露されることを表わすデータを生成することと、
    b)前記データを用いて前記1つの期間の最後に製品固有の特性を計算するとともに、アレニウスの式によって与えられる製品固有の関係を計算することと、
    c)前記特性を出力することと、
    を含む方法。
  21. 腐敗しやすい製品が少なくとも1つの環境パラメータに暴露されるのを監視するためのシステムであって、
    前記製品がその寿命における1つの期間中に暴露されるのを監視するための監視手段と、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の電子装置と、
    前記監視手段によって生成されるデータを前記電子装置のデータインポート手段へ伝送する手段と、
    を備えるシステム。
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