JP2005513141A - 修飾トリデジン(tridegins)、その製剤、およびトランスグルタミナーゼ阻害剤としてのその使用 - Google Patents

修飾トリデジン(tridegins)、その製剤、およびトランスグルタミナーゼ阻害剤としてのその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、修飾トリデジンである、配列番号1由来のポリペプチドであって、修飾が、システイン残基、および/または以下のアミノ酸−Lys2、Lys7、His10、Gly12、Leu24、Tyr31、Phe34、Arg39、Ile45、Met48、Asp50、Pro55、Phe58、Asn60、Pro65、Arg66−の1つと別のアミノ酸との交換、および/または残ったポリペプチドが、少なくともアミノ酸配列DDIYQRXVXFPXLPL(配列番号89)を含んでなる、N末端またはC末端の欠失、および/またはポリエチレングリコールへの共有結合である、前記ポリペプチドに関する。前記ポリペプチドは、トランスグルタミナーゼ、特に、血液凝固カスケードの最終酵素であるXIIIa因子の新規阻害剤である。本発明は、さらに、前記阻害剤の産生法およびトランスグルタミナーゼ阻害剤としてのその使用に関する。

Description

本発明は、修飾トリデジンである、配列番号1由来のポリペプチドであって、修飾が、少なくとも1つのシステイン残基、および/または以下のアミノ酸−Lys2、Lys7、His10、Gly12、Leu24、Tyr31、Phe34、Arg39、Ile45、Met48、Asp50、Pro55、Phe58、Asn60、Pro65およびArg66−の1つと別のアミノ酸との交換、および/または残ったポリペプチドが、少なくともアミノ酸配列DDIYQRXVXFPXLPL(配列番号89)を含有する、N末端およびC末端の欠失、および/またはポリエチレングリコールとの共有結合からなる、前記ポリペプチドに関する。本発明記載のポリペプチドは、トランスグルタミナーゼ、特に血液凝固カスケードの最終酵素であるXIIIa因子の新規阻害剤である。本発明はまた、これらの阻害剤を調製する方法、およびトランスグルタミナーゼ阻害剤としての後者の使用に関する。
トランスグルタミナーゼ(EC 2.3.2.13)は、以下の反応スキームにしたがって、ポリペプチド鎖内または異なるポリペプチド鎖間のアミド結合の形成を触媒する:
Figure 2005513141
該酵素は、2つのポリペプチド鎖間にγ−グルタミル−ε−リジン結合を形成することによって、結果的に、タンパク質の架橋を触媒し、そしてそれによって、多くのタンパク質凝集体を安定化するのに寄与する。
XIIIa因子は、臨床的に非常に重要なトランスグルタミナーゼである。XIIIa因子は、血液凝集カスケードの最終酵素であり、そしてトランスグルタミン化によって、「柔らかい」血栓中のフィブリンポリマーを共有架橋する。さらに、XIIIa因子は、トランスグルタミン化による、フィブリンネットワークへのα−アンチプラスミンの共有結合に関与する。架橋され、そして修飾された、こうした血栓は、「硬い」血栓と称され、そしてまったく共有架橋されていないフィブリンポリマーで構成される「柔らかい」血栓が、線維素溶解酵素によって分解されるほど迅速には、該酵素によって分解されない。その結果、XIIIa因子は、血栓を安定化させるのに重要な寄与を果たす。
XIIIa因子の阻害剤は、フィブリンネットワークの異なる鎖間の架橋反応を防止し、そしてまた、α−アンチプラスミンの共有結合も防止し、そしてそれによって、血栓事象の予防的治療とともに、血栓溶解治療を促進する。
トランスグルタミナーゼのいくつかの阻害剤は、すでに先行技術に記載されてきている(セレクションを表1に示す)。これらの阻害剤は
・トランスグルタミナーゼに結合する免疫グロブリン、
・システインと反応する低分子量化学的化合物、
・天然基質と競合する低分子量アミン、および
・ヘメンテリア・ギリアニー(Haementeria ghilianii)種に属するヒル(leech)から単離した活性分画
である。
表1:XIIIa因子の公開され、そして特許された阻害剤のセレクション
Figure 2005513141
XIII因子に対して向けられる免疫グロブリンが、例えばUS5,470,957に開示されている。この刊行物では、XIIIa因子のサブユニットに対してモノクローナル抗体が調製され、そしてこれらの抗体が、トロンビンによるXIII因子の活性化を阻害することが観察された。しかし、これらの抗体を療法的に使用しようとするならば、通常、ヒトキメラの調製など、大規模な修飾が必要である。
別の種類の阻害剤は、XIIIa因子活性中心、すなわちシステイン残基に不可逆的に結合する、低分子量反応性化学的化合物からなる。しかし、WO92/13530に開示されるような化合物は、非常に反応性であり、そしてin vivoで比較的不安定である点が不都合である。これらはまた、他のタンパク質のシステイン残基とも反応し、そしてその結果、XIIIa因子に特異的でない。その結果、これらは薬学的活性化合物として用いられない。
さらなるトランスグルタミナーゼ阻害剤は、トランスグルタミナーゼ反応の競合的基質として作用する、WO91/10427に開示されるような低分子量アミンである。しかし、これらはトランスグルタミン化反応によって消費され、そして、トランスグルタミナーゼ反応の結果、該アミンがカップリングするタンパク質の官能性を、予測不能な方式で改変する。さらに、これらは、比較的高濃度の約200μMで使用しなければならず、それによって療法的価値は制限される。
高い度合いの親和性および特異性でXIIIa因子を阻害する分画が、ヘメンテリア・ギリアニー種に属するヒルの唾液腺から単離されてきている(US6,025,330に開示)。精製された活性分画には、少なくとも2つの異なるタンパク質が存在し、1つのタンパク質は、およそ7〜8kDaの大きさを有し、これが活性分画の主なタンパク質構成要素を構成する。タンパク質生化学の方法を用いて、長さ66アミノ酸である、このポリペプチドの一次配列がほぼ決定された。このポリペプチドはトリデジン(tridegin)と名付られ、そして該タンパク質は、一般的にトランスグルタミナーゼを、そして特にXIIIa因子を阻害すると仮定されている。
しかし、活性分画になお存在する他のタンパク質からトリデジンを分離する試みはなされず、これは、XIIIa因子を阻害するのがこれらのタンパク質であるという可能性が排除されていないことを意味する(特に、Finneyら(Finneyら,Biochem.Journal 324,797−805(1997)、図2、レーン3)を参照されたい)。XIIIa因子阻害活性が実際にペプチドであるかどうかさえ、確かめられていなかった。その結果、活性分画に存在する他のバイオポリマーが、例えば複合糖質もしくは脂質または糖脂質であって、SDSゲル上での解析中に明瞭でない場合、これらがXIIIa因子の真の阻害活性を構成する可能性がある。その結果、これらの刊行物は、トリデジンがXIIIa因子を阻害することを立証しない。
その結果、組換え的に調製した、例えば、原核生物である大腸菌(Escherichia coli)で発現させたトリデジンがXIIIa因子の阻害剤として機能可能であるかどうかに関しては、完全に不確実である。US6,025,330(、12〜18)および対応する科学論文(Finneyら,Biochem.Journal 324,797−805(1997))の両方において、ヘメンテリア・ギリアニー種に属するヒルから精製されたトリデジンが、翻訳後修飾されることが観察された(Finneyら,Biochem.Journal(1997)324,800、右側の欄、最後の文)。これがまさに分泌タンパク質であり、トリデジンもその1つである分泌タンパク質が機能するには、しばしばこうした修飾が必要であることが知られているが(例えばKemball−Cookら,Gene,139(2):275−279(1994)またはPangら,Endocrinology 140(11):5102−5111(1999))、これらの2つの刊行物は、トリデジンの仮定される機能には、どの程度の翻訳後修飾が必要であるかには取り組んでいない。しかし、こうした修飾は、大腸菌で組換え的に調製されたタンパク質には欠けている。このため、該タンパク質はまさに、通常は細胞外に局在し、異種系で発現された場合、しばしば不活性であるタンパク質である。
WO49039は、融合タンパク質を精製する新規技術を記載し、そしてこれに関連して、トリデジンをコードする合成DNA配列を開示する。さらに、融合タンパク質として、トリデジンとグルコースデヒドロゲナーゼをともに発現させ、そして精製した;しかし、XIIIa因子の阻害剤としての融合タンパク質の活性を試験しなかった。
したがって、本発明の目的は、適切な量および純粋な形で、組換え的に、または合成的に、トランスグルタミナーゼの新規ポリペプチド阻害剤を調製することである。
驚くべきことに、異種系、例えば大腸菌において発現させ、そして精製したトリデジンポリペプチドは、トランスグルタミナーゼの有効な阻害剤、特にXIIIa因子、特にヒトXIIIa因子の阻害剤であることが見出された。これによって、初めて、トリデジンポリペプチドが、実際にトランスグルタミナーゼ阻害剤、特にXIIIa因子、特にヒトXIIIa因子の阻害剤であることが立証された。驚くべきことに、1以上の修飾を所持するトリデジンポリペプチドもまた、トランスグルタミナーゼ阻害剤、特にXIIIa因子、特にヒトXIIIa因子の阻害剤としての活性を示した。驚くべきことに、酵母ピキア・パストリス(Pichia pastoris)で発現させた組換えトリデジンポリペプチドは、先に言及した、大腸菌から調製した組換えトリデジンポリペプチドよりもさらにより有効なトランスグルタミナーゼ阻害剤であることが見出された。
したがって、本発明は、配列番号1に由来し、そして1以上の修飾を所持する、修飾トリデジンポリペプチドに関する。
本発明の意味において、ポリペプチドは、15アミノ酸(AA)より多く、そして2000アミノ酸未満を有するペプチド、好ましくは15AAより多く、そして500AA未満を有するペプチド、特に16、17、18、19または20AAより多く、そして400、300、200、100、80、60、50、40または30AA未満を有するペプチドを示すと理解される。
本発明の意味において、修飾は、少なくとも1つのシステイン残基と別のアミノ酸との交換、および/または以下のアミノ酸−Lys2、Lys7、His10、Gly12、Leu24、Tyr31、Phe34、Arg39、Ile45、Met48、Asp50、Pro55、Phe58、Asn60、Pro65、Arg66−の少なくとも1つと別のアミノ酸との交換、および/またはN末端およびC末端の欠失、および/またはポリエチレングリコールへの共有結合によってもたらされる野生型トリデジンポリペプチド中の変化を示すと理解される。
本発明の意味において、交換は、ポリペプチドのアミノ酸配列における、特定の部位でのアミノ酸と別のアミノ酸、好ましくは他の19の天然アミノ酸の1つとの交換を示すと理解される。
本発明の意味において、欠失は、トリデジンポリペプチドのアミノ酸配列のN末端および/またはC末端領域の除去、例えば、残ったポリペプチドが、少なくともアミノ酸配列DDIYGRPVEFPNLPL(配列番号92)またはDDIYGRPVEFPNLPLK(配列番号47)をなお含有する、合計で、5、10、15、20、25、30、35または40アミノ酸(これによってN末端およびC末端で除去されるアミノ酸の合計を意味する)さえも超えるアミノ酸の除去を示すと理解される。
驚くべきことに、修飾トリデジンポリペプチドは、大腸菌で発現させた野生型トリデジンポリペプチドと比較した際、以下の好適な特性を示した。
大腸菌から得た組換え野生型トリデジンポリペプチドは、高分子量凝集体もまた形成するが、少なくとも1つのシステイン残基、好ましくは1〜4のシステイン残基、特に好ましくは3または4のシステイン残基が、別のアミノ酸、好ましくはバリン、アラニン、グリシンまたはセリンなどの小さいアミノ酸、特に好ましくはアラニンまたはセリン、特にアラニンと交換されている修飾トリデジンポリペプチドは、凝集体形成の減少を示した。これは、比較解析ゲルろ過実験で確証された。ゲルろ過実験の実験条件を実施例4に示しており、読者はこちらを参照されたい。
さらに、前記修飾トリデジンポリペプチドは、4℃での保存中、野生型トリデジンが示すよりも、より遅い、高分子量凝集体の形成を示す。これは、比較解析ゲルろ過実験で確証される。ゲルろ過実験の実験条件を実施例4に示しており、読者はこちらを参照されたい。
ピキア・パストリスで発現させた野生型トリデジンポリペプチドは、ごくC末端で1以上のプロテアーゼによって切断されるが、驚くべきことに、変異体Arg66Leuは完全に発現され、そして精製可能であった。阻害活性はピキア・パストリスで発現させた野生型トリデジンポリペプチドに比較すると本質的に変化がないが、大腸菌で発現させた野生型トリデジンポリペプチドのものより優れていることが観察された。
宿主によって分泌されたトリデジンポリペプチドは、例えばピキア・パストリスから得たトリデジンを用いて本明細書で立証するように、細胞内で産生させたトリデジンポリペプチドより高い比活性を所持する可能性があり、そしてその結果、特に好適である可能性がある。このため、宿主から分泌によって得ることが可能な組換えトリデジンポリペプチドは、特に、宿主から分泌によって得られた際に、本発明の主題の一部である。同様に、分泌工程中、宿主から、細胞外部に、特に培地に遊離したトリデジンポリペプチドを用いて、トリデジンポリペプチドを調製する方法は、本発明の主題の一部である。これは、トリデジンポリペプチドを分泌する工程を含んでなる、トリデジンポリペプチドを調製するすべての組換え法に適用可能である。こうした分泌工程は、トリデジンポリペプチドが宿主において、細胞膜を横断するならば、存在することが可能である。分泌工程は、トリデジンポリペプチド合成中に、またはポリペプチドがすでに細胞に存在するようになってから後に、起こることが可能である。
組換え的に操作可能な宿主において発現させる、本発明の組換えポリペプチドの分泌は、例えばSambrookら,“Molecular Cloning:A Laboratory Manual.”第3版(2001)CSHL Pressに記載されるような、適切な分子生物学的方法を用いて、対応する宿主における発現に適したプロモーターの調節下にある核酸を含んでなり、そして好ましくはそのN末端に、シグナルペプチドと称するものを含んでなるポリペプチドをコードする、DNA発現ベクターを産生することによって達成可能である。シグナルペプチドは、細胞の分泌機構に認識されることが可能であり、そして細胞膜を通じたタンパク質の転位置を仲介することが可能である。転位置プロセスは、一般的に、転位置機構によって仲介され、該機構は、脂質膜を通じて、特定のタンパク質用のある種のチャネルを形成する。すべての場合ではないが、一般的に、分泌されるタンパク質のシグナルペプチドは、このチャネルを通じた転位置の間に切り離される。転位置機構の機能様式および構成要素は、Rapoport T.A.ら,Annu.Rev.Biochem.(1996)65:271−303に論じられ、真核生物および原核生物の転位置機構の共通の特徴および相異に関しても、該論文に論じられる。本発明のポリペプチドを発現させ、そして分泌させる宿主は、いかなる微生物宿主であることも可能であるが、宿主が、組換え法を用いて操作可能であり、そして組換えタンパク質を分泌可能である限り、宿主はまた、培養中のより高次の真核細胞、例えばヒト細胞(例えばHeLa細胞)または昆虫細胞(例えば異所タンパク質発現を達成するために、バキュロウイルスで感染可能な昆虫細胞)であることも可能である。微生物宿主は、古細菌、真正細菌またはより低次の真核生物、例えば真菌(例えば細胞性粘菌(acrasiomycetes)、変形菌(myxomycetes)、藻菌(phycomycetes)、子嚢菌(ascomycetes)、担子菌(basidomycetes)または不完全真菌、特にピキア・パストリスまたはサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)などの酵母)、または原生生物(例えば鞭毛虫(flagellates)、根足上綱(rhizopoda)、胞子虫(sporozoa)または繊毛虫(ciliates)、特にキイロタマホコリカビ(Dictostelium discoideum)などの粘菌(slime mould)も)であることが可能である。適切なベクターでトランスフェクションした結果、哺乳動物細胞株などのより高次の真核生物の細胞もまた、細胞質においてタンパク質を発現可能である(例えばpcDNA3.1、Invitrogen Inc.)か、または分泌するように発現可能である(例えばpSecTag2、Invitrogen Inc.)(例えば“Mammalian Cell Biotechnology:A Practical Approach,”M.Butler(監修),IRL Press,オックスフォード−ニューヨーク−東京,9ページ,23行:実施例6および7を参照されたい)。この目的に適した宿主細胞にはCHO細胞およびHEK293細胞が含まれる。特に、宿主は、大腸菌またはセラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)などのグラム陰性細菌であることが可能である。これらの細菌において、分泌された組換えタンパク質は、周辺質に放出されることが可能であり、そしてこれらの分泌されたタンパク質は、宿主細胞自体を破壊することなく単離可能である。グラム陰性細菌、例えば大腸菌で使用するのに適したシグナルペプチドが、Pines O.およびInouye M.,Mol.Biotechnol.(1999)12:25−34に記載されている。
特に、宿主は、枯草菌(Bacillus subtilis)、およびB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)またはB.リケニフォルミス(B.licheniformis)などの関連バチルス属種などのグラム陽性細菌であることが可能であり、これは、これらの細菌が、同様に、培地にタンパク質を放出可能なためである。グラム陽性細菌、例えば枯草菌で使用するのに適したシグナルペプチドが、Tjalsma H.ら, Microbiology and Molecular Biology Reviews,(2000)64:515−547に記載されている。
宿主として、より低次の真核生物を用いるのもまた好ましく、これは、これらの低次の真核生物に分泌される組換えタンパク質が、培地に放出されることが可能であり、そしてその結果、常には宿主細胞を破壊する必要がないためである。真核生物で使用するのに適したシグナルペプチドが、Rapoport T.A.ら,Annu.Rev.Biochem.(1996)65:271−303に記載されている。さらに、実施例6で使用するアルファ因子シグナルペプチド、並びにKjeldsen T.,Appl.Microbiol.Biotechnol.(2000)54(3):277−86およびBrake A.J.Biotechnology(1989)13:269−80を参照されたい。特定の理論に束縛されることなく、細菌および真核生物の間で、進化上、部分的に保存されている転位置機構を、分泌トリデジンポリペプチドが通過すると、該ポリペプチドに、何らかの好都合な点を持つ折り畳みが提供されるようである。さらに、分泌と関連して活性である品質管理機構が、分泌トリデジンポリペプチドが不正確に折り畳まれたトリデジンポリペプチドを本質的に含まず、それによって分泌トリデジンポリペプチドが高い特異性の阻害活性を有することを可能にする可能性がある。さらに、分泌工程の結果、トリデジンポリペプチドが、細胞質の還元環境から酸化細胞区画に通過し、それによって、ジスルフィド架橋の形成が促進される。
少なくとも1つ、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜6、特に1〜3、しかし特に1つのみの以下のアミノ酸−Lys2、Lys7、His10、Gly12、Leu24、Tyr31、Phe34、Arg39、Ile45、Met48、Asp50、Pro55、Phe58、Asn60、Pro65、Arg66−が、別のアミノ酸、好ましくはバリン、アラニン、グリシンまたはセリンなどの小さいアミノ酸、特に好ましくはアラニンおよびグリシン、特にアラニンと交換されている修飾トリデジンポリペプチドは、驚くべきことに、野生型トリデジンより低い抗原性を示し、これは驚くべきことに、ヒトXIIIa因子に対する阻害活性と連動しており、次に驚くべきことに、該阻害活性は野生型トリデジンポリペプチドのものと匹敵する。
野生型トリデジンポリペプチド由来であり、そしてXIIIa因子を阻害する最少アミノ酸配列に関して検索すると、驚くべきことに、少なくともアミノ酸配列DDIYQRXVXFPXLPL、特にアミノ酸配列DDIYQRPVEFPNLPLまたはDDIYGRPVEFPNLPLKを含有するポリペプチドが、ヒトXIIIa因子に対する阻害効果を示すことが見出された。したがって、上述のアミノ酸配列を含有する、わずか長さ16アミノ酸のポリペプチドであっても、ヒトXIIIa因子を阻害した。阻害活性を所持し、そしていずれの場合も、アミノ酸が1つずつアラニンと交換されている、野生型トリデジンポリペプチド由来ポリペプチドの変異体によって、これらの結果を確認した。さらに、これらの実験によって、阻害効果に必須な残基を推定することが可能となる。
元来のポリペプチド、配列番号25におけるアラニン置換の結果(配列中の置換残基をXで示す)は、以下のように要約可能である:
出発配列(配列番号25):PMDDIYQRPVEFPNLPLKPR
以下のXアミノ酸の場合の、活性にはまったく減少がなかった置換:
XXDDIYQRXVXFPXLPLKXX
以下のXアミノ酸の場合の、活性にわずかな減少があった置換:
PMXXIYXXPXEXXNXXLXPR
以下のXアミノ酸の場合の、活性により多くの減少があった置換:
PMDDXXQRPVEFPNLPXKPR。
これらの結果から、最少FXIIIa阻害ポリペプチドは、以下の配列:DDIYQRXVXFPXLPL(配列番号89)を有することがわかり、ここで、Xで示すアミノ酸は、互いに独立に、好ましくは天然アミノ酸から選択される、アミノ酸いずれか、特にバリン、アラニン、グリシンまたはセリンなどの小さいアミノ酸、特に好ましくはアラニンおよびグリシン、しかし特にアラニンであることが可能である。上記配列番号89配列中のXで示すアミノ酸の1つ、2つまたは3つはまた、対応する部位の野生型アミノ酸であることも可能である。
40未満、好ましくは30未満、特に好ましくは25未満のアミノ酸を含有し、そして少なくともアミノ酸配列DDIYQRXVXFPXLPL(配列番号89)[脱落]短いポリペプチドであって、Xで示すアミノ酸が、互いに独立に、好ましくは天然アミノ酸から選択される、アミノ酸いずれか、特にバリン、アラニン、グリシンまたはセリンなどの小さいアミノ酸、特に好ましくはアラニンおよびグリシン、しかし特にアラニンであることが可能であり、そして上記配列番号89配列中のXで示すアミノ酸の1つ、2つまたは3つがまた、対応する部位の野生型アミノ酸、特にアミノ酸配列DDIYQRPVEFPNLPLまたはDDIYQRPVEFPNLPLKが含有するものであることも可能である、前記ポリペプチドは、凝集する傾向がより低いという、さらなる利点を所持し、多量に化学的に合成可能であり、そして野生型トリデジンポリペプチドより低い抗原性を示す。
さらなる好適な修飾トリデジンポリペプチドは、ポリエチレングリコールに共有結合したトリデジンポリペプチドである。PGEでの修飾の反応条件は、例えばCohenら,Biochem.J.,357(3):795−802(2001)に記載される。修飾反応に用いるポリエチレングリコールは、500Da〜20000Da、好ましくは1000Da〜10000Daの間、特に好ましくは2000Da〜5000Daの間の分子量を有するべきである。ポリエチレングリコールは、0.5:1〜10:1の間、好ましくは0.8:1〜4:1の間、特に好ましくは1:1〜2:1の間のポリエチレングルコール:本発明記載のポリペプチドのモル比であるべきである。これらの修飾ポリペプチドは、哺乳動物の血流への注射後、非修飾ポリペプチドより遅く分解されるという利点を有する。
本発明はさらに、上述のポリペプチドを含有する化合物に関する。
これらの化合物には、特に、トリデジンポリペプチド由来でなく、例えば5〜500、好ましくは5〜400、5〜300、5〜200、5〜100、5〜50、特に5〜20アミノ酸の別のタンパク質由来であるアミノ酸配列の内容を有する融合タンパク質(LaVallieおよびMcCoy,Curr.Opin.Biotechnol.6(5):501−506(1995))とともに、トリデジンポリペプチド由来でなく、例えば5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、30または50アミノ酸より多く、そして500、450、400、350、300、250、200、150、100、75、50または40アミノ酸未満の別のタンパク質由来のアミノ酸配列の内容を有する融合ポリペプチド、並びにその単離型のすべての並べ替えが含まれる。これに関連して、トリデジンポリペプチド由来のアミノ酸配列の内容は、好ましくは、50、45、40、35、30、25または20アミノ酸未満である。
外来(foreign)タンパク質由来のこうしたアミノ酸配列の例は、例えば大腸菌ガラクトシダーゼ由来であることが可能な、原核生物ペプチドおよびポリペプチド配列である。さらにまた、この方式で、当業者に知られるファージディスプレー法(McCaffertyら,Nature 348(6301):552−554(1990))用の融合タンパク質を生成するため、例えばバクテリオファージN13由来の、ウイルスペプチドおよびポリペプチド配列を使用することも可能であろう。さらに、この方式で、in vivoで検出可能な蛍光融合タンパク質を生成するため、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP、Prasherら,Gene 111(2):229−233(1992)に記載される)由来の真核生物ポリペプチド配列を使用することも可能である。GFPの変異体(Tsien,Annu.Rev.Biochem.67:509−544(1998))とともに赤色蛍光タンパク質もまた、使用可能である。さらに、グルコースデヒドロゲナーゼおよびそのポリペプチド断片が、融合パートナーとして排除可能である。
融合タンパク質用のペプチドおよびポリペプチド配列の他の好ましい例は、上述の融合タンパク質の精製を促進するペプチド、すなわち、タグと呼ばれ、そして結果として本発明記載のポリペプチドを精製するのに使用可能なペプチドである(Nilssonら,Protein Expr.Purif.11(1):1−16(1997)を参照されたい)。本発明記載のポリペプチドにタグを付けると、例えば、ポリペプチドが高い親和性でマトリックス上に吸収され、そして融合タンパク質およびマトリックス間の複合体が溶出されることなく、有意な度合いいずれかまで、適切な緩衝液でストリンジェントに洗浄され、そして続いて、マトリックスに結合した融合タンパク質が、選択的に溶出されることが可能になる。こうしたタグの例は、精製用のタグとして、5つの連続ヒスチジンを使用することがすでに可能であった(His)タグ、Mycタグ、FLAGタグ、キチン結合タグ、ポリペプチド・グルタチオントランスフェラーゼ(GST)、およびポリペプチド・マルトース結合タンパク質(MBP)である。当業者は、同等の機能を有する他のタグに精通している。
融合タンパク質用のペプチドおよびポリペプチド配列の他の好ましい例は、宿主から上述のポリペプチドが分泌されるのを仲介するペプチドおよびポリペプチドである。こうしたペプチドおよびポリペプチド配列の例は、Pines O.およびInouye M.、上記;Rapoport T.A.ら、上記、およびTjalsma H.ら、上記に見出すことが可能である。
本発明はさらに、上述のポリペプチドを調製する方法に関する。したがって、本発明記載のポリペプチドは、組換え法またはペプチド化学反応法を用いて、調製可能である。
前記ポリペプチドの1つを調製する組換え法は、例えば、記載するポリペプチドの1つをコードする核酸を、適切な方式(Sambrookら,“Molecular cloning:a laboratory manual”第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989);Sambrookら,“Molecular cloning:a laboratory manual”第3版,Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001))で、原核または真核発現ベクターにクローニングすることからなる。こうした発現ベクターは、少なくとも1つのプロモーター、少なくとも1つの翻訳開始シグナル、本発明記載のポリペプチドの1つをコードする、少なくとも1つの核酸配列、および原核発現ベクターの場合、翻訳終結シグナル、そしてさらに、転写終結シグナル、およびまた真核発現ベクターの場合、ポリアデニル化シグナルを含んでなる。本発明記載のポリペプチドの1つをコードする核酸は、例えば、プラスミド、ファージミド、コスミド、BACまたはYACなどのベクターの一部、特に原核または真核発現ベクターの一部であることが可能である(Sambrookら,“Molecular cloning:A laboratory Manual”第3版,“Cold Spring Harbor Laboratory Press”(2001);プラスミドは1.3−1.29に記載され、ファージミドは3.42−3.52に記載され、コスミドは4.1−4.10に記載され、そして真核発現ベクターは17.83−17.111に記載される)。
原核発現ベクターのさらなる例は、例えば、大腸菌での発現に適した、US4,952,496に記載されるような、T7 RNAポリメラーゼに認識されるプロモーターに基づく発現ベクター、例えば枯草菌での発現に適した、Le Grice S.F.J.によってMethods in Enzymol.(1990)vol.185,201−214ページに記載される発現ベクター、または枯草菌での分泌に適した、Nagarajan V.によって、Methods in Enzymol.(1990)vol.185,214−223ページに記載される発現ベクターであり、一方、真核発現ベクターの例は、例えばベクターp426Met25またはp526GAL1(Mummbergら(1994)Nucl.Acids Res.,22,5767−5768)、あるいはサッカロミセス・セレビシエでの発現に適した、Mylin L.M.ら(297−308)、Price V.L.ら(308−319)およびEtcheverry T.(319−329)によってMethods in Enzymol.(1990)vol.185,297−329ページに記載されるベクター、あるいはS.セレビシエでの分泌に適した、Brake A.J.(408−421)およびHitzeman R.A.ら(421−440)によってMethods in Enzymol.(1990)vol.185,408−440ページに記載されるベクター、ピキア・パストリスでの発現に適した、例えばCregg J.M.ら,Mol.Biotechnol.(2000)16(1):23−52または“Pichia Protocols”D.R.HigginsおよびJ.M.Cregg(監修)Humana Press,ニュージャージー州トトワに記載されるベクター、他の酵母、例えばハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)での発現に適した、Gellissen G.,Appl.Microbiol.Biotechnol.(2000)54(6):741−50に記載されるベクター、昆虫細胞での発現に適した、EP−B1−0 127 839またはEP−B1−0 549 721に開示されるような、例えばバキュロウイルスベクター、および例えばベクターRc/CMVおよびRc/RSV、またはSV40ベクター、あるいは哺乳動物細胞での発現に適した、Kaufman R.J.によってMethods in Enzymol.(1990)vol.185,487−512ページに記載されるベクターであり、これらのベクターはすべて、一般的に入手可能である(さらなる適切な発現系に関しては、Andersen D.C.およびKrummen L.,Curr. Opin.Biotechnol.(2002)13(2):117−23もまた参照されたい)。
当業者は、これらの発現ベクターを調製する分子生物学的方法とともに、宿主細胞に発現ベクターを導入する方法、そしてまた形質転換宿主細胞を培養する条件、そして最後に、宿主細胞において、本発明記載の望ましいポリペプチドの発現を誘導する条件に精通している(Sambrookら、上記もまた参照されたい)。本発明記載のポリペプチドの組換え調製の例を実施例1、2および4に示す。
しかし、上述のポリペプチドはまた、ペプチド化学反応を伴う方法、すなわち例えばMerrifield,J.Am.Che.Soc.85:2149(1962)に記載されるような周知の固相合成を用いる方法によって、実施例3におけるように調製可能である。ペプチドを合成し、そして精製する技術は、例えば、StewartおよびYoung,“Solid Phase Peptide Synthesis”(Freeman,サンフランシスコ,1969)の27−62ページに、それとともにUS4,269,827にもまた記載される。
本発明はまた、トランスグルタミナーゼ、特にXIIIa因子、特にヒトXIIIa因子の阻害剤としての、上述のポリペプチドの1つの使用にも関する。上述のポリペプチドは、例えばBehrichrom(登録商標)アッセイ(Dade Behring GmbH、マールブルグ)におけるように、XIIIa因子が触媒する反応中、グリシンエチルエステルを用いて特定のペプチド基質から放出されるアンモニウムイオンの、XIIIa因子が触媒する放出を、阻害する特性を有する。上述のポリペプチドの阻害効果は、例えば、実施例1〜4に記載されるように、Behrichrom(登録商標)アッセイにおいて、検出可能である。
さらに、本発明記載のポリペプチドは、ヒトXIIIa因子に相同な哺乳動物タンパク質、例えばヒトXIII因子に相同であり、そして732アミノ酸のうち617アミノ酸が同一(84%)であり、そして732アミノ酸のうち689アミノ酸が関連している(93%)、ドブネズミ(Rattus norvegicus)タンパク質を阻害可能である。
XIIIa因子に対するその阻害効果に加えて、上述のポリペプチドはまた、他のトランスグルタミナーゼ、例えば角化細胞で発現されるトランスグルタミナーゼ1、表皮形成に関与するトランスグルタミナーゼ3、輸精管において、タンパク質の架橋およびポリアミンのコンジュゲート化に関与するトランスグルタミナーゼ4とともに、角化細胞の角化に関与するトランスグルタミナーゼ5、およびその結果、これまでに記載した、ヒトプロテオームトランスグルタミナーゼの6つすべても阻害する。
本発明の別の態様は、血栓症を防止し、そして治療するための、本発明記載のポリペプチドの使用にある。本発明記載のポリペプチドは、XIIIa因子を阻害するため、これらはまた、フィブリンポリマー架橋の形成も阻害する。それによって、これは、線維素溶解酵素による分解に抵抗性である「硬い」血栓の形成を阻害する。
例えば、本発明記載のポリペプチドは、実施例5に記載するように、ヒト血栓がより迅速に溶解されるのを可能にし、そしてまた、血液凝集の開始を阻害した。該タンパク質は、その結果、血栓症を防止し、そして治療するのに適している。
本発明はさらに、本発明記載のポリペプチドおよび少なくとも1つのガレン(galenic)アジュバントを含んでなる、薬剤に関する。本発明記載のポリペプチドは、強力なトランスグルタミナーゼ阻害剤であるが、これらはわずかな度合いの毒性しか示さず、そしてしたがって、薬剤を産生するのに特に容易に使用可能である。
本発明にしたがって、用語「ガレンアジュバント」は、本発明記載のポリペプチドまたは患者と、許容し得ない不都合な方式で反応しない限り、いかなる、不活性、非毒性の固形または液体増量剤(filler)、希釈剤またはパッケージング材料も示す。液体ガレンアジュバントの例は、無菌水、生理学的塩化ナトリウム溶液、糖溶液、エタノールおよび/または油である。錠剤およびカプセルを製造するためのガレンアジュバントは、例えば、結合剤および増量剤を含んでなることが可能である。
本発明はまた、本発明記載のポリペプチドとともに、少なくとも1つの薬学的活性化合物を含んでなる併用製剤にも関する。
本発明の好ましい態様は、少なくとも1つの本発明記載のペプチドとともに、抗凝血剤の形のさらなる活性化合物を含んでなる併用製剤からなる。抗凝血剤は、血栓の溶解を促進するか、または血栓の形成を阻害するかいずれかである。例えば、活性トロンビンまたはプロトロンビンの分解を促進する活性化合物である血栓溶解活性化合物、ポリマー性フィブリンの分解を促進する活性化合物である線維素溶解活性化合物、またはフィブリノーゲンの分解を促進する活性化合物であるフィブリノーゲン溶解(fibrinogenolytic)活性化合物がある。プラスミンまたはプラスミノーゲンのアクチベーター、あるいはトロンビンおよびXa因子の阻害剤、あるいは血小板凝集の阻害剤である抗凝血剤が好ましい。
併用製剤において、本発明記載のペプチドと組み合わせて使用可能な、特に好ましい抗凝血剤は、アセチルサリチル酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパリノイド、ヒルジン、ビバリルジン(bivalirudin)、メラガトラン(melagatran)、アブシキシマブ、エプチフィバビド(eptifibabide)、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、ストレプトキナーゼ、スタフィロキナーゼ、ウロキナーゼ、エミナーゼ(eminase)、ヘメンチン(hementin)および/またはプラスミンである。
アセチルサリチル酸は、とりわけ、血小板凝集阻害剤として作用する。ヘパリンは、分子量6000Da〜30000Daの分子量を有する、内因性ポリアニオン性多糖であり、そして内因性アンチトロンビンIIIの活性を増加させる。ヘパリンの限定分解によって、低分子量ヘパリンが得られ、そして低分子量ヘパリンは、4000Da〜6000Daの分子量を有する。ヒルジンは、例えばEP 0347376およびEP 0501821に記載される。「ヒルジン」は、ヒル由来であり、そしてトロンビンおよび血液凝固を阻害する、相同ポリペプチドのファミリーを示すよう用いられる。ビバリルジンは、トロンビン阻害ペプチドである(Kellyら,Proc.Natl.Acad.Sci USA,89,6040−6044(1992))。メラガトランはトロンビン阻害ペプチド擬似体(mimetic)である(Thromb Haemost 79(1):110−118(1998))。アブシキシマブは抗体であり、そしてエプチフィバビドはペプチドであり;どちらもGP IIb/IIIb、すなわち血小板糖タンパク質IIb/IIIbに結合し、そして血小板凝集を阻害する。ヘメンチンは、例えばWO91/15576に記載され、多様なヒルに見られ、そしてフィブリノーゲンを分解し、そしてそれによって血液凝固を防止する。同じ方式で、プラスミンまたはエミナーゼはフィブリンの分解を導き、一方、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、スタフィロキナーゼおよび組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)はプラスミノーゲンを活性化し、そして活性プラスミンを生成することによって、フィブリン分解を導く。
本発明記載のポリペプチドを抗凝血剤と、そして適切な場合、さらなる薬学的活性化合物と組み合わせる、特別の利点は、1つの活性化合物自体によるよりも、活性化合物の組み合わせによる協同作用で、血栓がより迅速に分解することである。特に、ウロキナーゼおよび組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)などの線維素溶解剤との併用は、実施例5に詳細に記載するように、血栓の安定性の減少、およびより迅速な分解をもたらした。
本発明はここで、本発明を制限することなく、図および実施例を活用して、以下にさらに明確にされるであろう。
Figure 2005513141
配列番号1:
Figure 2005513141
配列番号1は、野生型トリデジンポリペプチドを示す。
配列番号2〜配列番号26は、いずれの場合も、配列番号1由来の長さ20アミノ酸のペプチドを示す。
配列番号27〜配列番号46は、トリデジンポリペプチドに突然変異を誘発するのに用いるオリゴヌクレオチドを示す。
配列番号47は、配列番号1由来の長さ16アミノ酸のペプチドを示し、一方、配列番号92は、配列番号1由来の長さ15アミノ酸のペプチドを示す。
配列番号48〜配列番号88は、一部切除(truncated)ペプチドおよびペプチド変異体を示す。
配列番号89は、長さ15アミノ酸のペプチドを示す。
配列番号90および配列番号91は、ピキア・パストリスにおける発現に用いるコードDNA配列を示す。
(実施例1)
大腸菌からの組換えトリデジンポリペプチド(配列番号1)の発現および精製
組換えトリデジンポリペプチドをコードする配列を含有する発現プラスミドpET22b−14を図1に示す。現在の方法を用いて、大腸菌発現株Origami(登録商標)B(DE3)(Novagen、注文番号70837)に該プラスミドを移入し、その後、この株を、アンピシリン(100μg/ml)、カナマイシンおよびテトラサイクリン(いずれの場合も、5μg/ml)を含有する液体LB培地中で培養した。発現株BL21(DE3)(Novagen)も同様の結果を生じ、そしてまた修飾トリデジンポリペプチドを発現するのに使用可能である。メインの培養を、0.7のOD600に到達するまで、37℃および220rpmで震蘯した。0.7〜0.9 OD600/mlの細胞密度で、遺伝子発現を誘導するため、培養を2mM IPTG/mlで処理し、そしてその後、37℃および200〜240rpmでさらに4時間震蘯した。続いて、遠心分離(15分間、5825xg)によって細胞を採取した。非常に純粋な水で1:10に希釈しておいた10xBugBusterタンパク質抽出試薬(Novagen)に、細胞沈降物を再懸濁し、そして破壊する目的で、ベンゾナーゼ(benzonase)(Novagen)およびプロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche Diagnostics GmbHのEDTA不含Complete(登録商標))とともに、震蘯しながら4℃で10〜20分間インキュベーションした。続いて、16000xgおよび4℃で20分間遠心分離することによって、上清を得て、そしてその後、上清を等体積の溶解緩衝液(50mM NaHPO、pH8.0、300mM NaCl、10mMイミダゾール)で処理した。生じたタンパク質懸濁物を4℃で一晩保存した。精製するため、3mlのニッケルNTAアガロース(Quiagen)を空のカラムに充填し、そして5カラム体積の溶解緩衝液で平衡化した。タンパク質懸濁物をカラム上に装填し(ポンピングなしで、引力の結果、流れる)、そしてその後、洗浄緩衝液(50mM NaHPO、pH8.0、300mM NaCl、20mMイミダゾール)で洗浄した(10カラム体積)。溶出緩衝液(2〜3カラム体積)(50mM NaHPO、300mM NaCl、250mMイミダゾール、pH8)でカラムから溶出させた。分画を収集し、そしてトランスグルタミナーゼ阻害剤の存在に関して、SDS−PAGEによって調べた(図2を参照されたい)。収量は、発現培養物1リットルあたり、組換えトリデジンポリペプチド20mgであり、純度は>90%であった。組換えトリデジンポリペプチドを含有する分画を合わせ、そして50mM NaHPO、pH8.0、300mM NaClに対して、徹底的に透析した(2lに対して2回)。その後、XIIIa因子に対する精製タンパク質の阻害活性を試験した。Berichrom(登録商標)アッセイ(Dade Behring)を試験法として用いた。
Behrichrom(登録商標)アッセイの実行:
該アッセイは、XIII因子が、試薬中に存在するトロンビンによってXIIIa因子を形成するように活性化されることに基づく。XIIIa因子は、特定のペプチド基質をグリシンエチルエステルに連結し、このとき、アンモニウムイオンが放出される。後者を、平行して進行する酵素反応で測定する。340nmでの消光を用いて、NADHの減少を測定した。測定のため、ペプチドをストック濃度5mMで50%アセトニトリルに入れた。製造者によって供給されるNADHおよび検出試薬を3mlの水に溶解し、続いて、アクチベーター試薬を3mlのNADH試薬に溶解した。使用のため、アクチベーター試薬および検出試薬を1:1の比で混合した。マイクロタイタープレート形式で測定を実行するため、100μlの試料(阻害剤または対照緩衝液)、25μlのXIII因子(10U/ml)および150μlの実験試薬を混合した。マイクロタイタープレート光度計中、340nmおよび37℃で20分間連続して測定を行った。評価するため、16分後および20分後に測定した値の相異を比較した。
測定によって、精製トランスグルタミナーゼ阻害剤に関して、2〜4μMのIC50が得られた(図3を参照されたい)。
(実施例2)
大腸菌からの修飾トリデジンの発現および精製
野生型トリデジンポリペプチドをコードする発現プラスミドの部位特異的突然変異誘発によって、修飾トリデジンを産生した。製造者の指示にしたがって、QuikChange試薬(Stratagene)を用いたPCRによって、突然変異誘発を行った。オリゴヌクレオチド、配列番号27〜配列番号40およびそれぞれの逆相補配列を突然変異誘発に用いた。
生じた突然変異体のDNA配列を、配列決定によってチェックした。現在の方法を用いて、すでに上に記載したように、大腸菌発現株Origami(登録商標)B(DE3)(Novagen)に、プラスミドpET22b中の各コード配列を移入し、その後、この株を、アンピシリン、カナマイシンおよびテトラサイクリンを含有する液体LB培地中で培養した。さらに、発見された、自発的に生じる二重突然変異体もまた、発現させ、そして精製した。実施例1に記載するように、発現、精製および活性測定を行った。個々の修飾トリデジンに関して、以下の表2に示す活性を測定した。XnY式にしたがって、修飾トリデジンに名前を付けた。
この式では、Xは、突然変異誘発によって変化したアミノ酸を示し、一方、nはポリペプチド鎖中のこのアミノ酸の位置を定義し、そしてYは、突然変異誘発後に存在するアミノ酸を示す。
表2:Berichrom(登録商標)アッセイにおける、XIIIa因子に対する修飾トリデジンの阻害効果
Figure 2005513141
以下のオリゴヌクレオチドを用いて、上述の変異体を産生した:
Figure 2005513141
5.45μMの最終変異体濃度で、相対阻害効果(%)を測定した。組換えトリデジンポリペプチドの阻害効果を100%に規準化した(5.45μMのもの)。
(実施例3)
トリデジンポリペプチド断片の阻害効果
ペプチド合成の現在の方法(Pepscan、Lelystad、NL)を用いて、組換えトリデジンポリペプチドに基づいて、長さ20アミノ酸の25のペプチドを化学的に合成した。該ペプチドはN末端にアセチル基を持ち、そして対応して、C末端にアミド基を持つ。配列は、
a)配列1全体を含み、そして
b)いずれの場合も、18アミノ酸残基が重複する(表3、配列2〜26を参照されたい)
ように選択された。
上述のBerichrom(登録商標)アッセイを用いて、7.27μMのペプチド最終濃度で、相対阻害効果(%)を測定した。最終濃度7.27μMの組換えトリデジンポリペプチドの阻害効果を100%に規準化した。
表3:Berichrom(登録商標)アッセイにおける、XIIIa因子に対する組換えトリデジンペプチドの阻害効果
Figure 2005513141
再び、Berichrom(登録商標)アッセイを用いて、HPLCによってペプチドを精製した後、XIIIa因子に対する、3つのC末端ペプチド(配列番号24、26および26)の阻害効果を別個に測定した。以下のIC50値を測定した:
・配列番号24:IC50:7μM
・配列番号25:IC50:4μM
・配列番号26:IC50:5μM
最少の長さを決定するため、現在の方法を用いて、いずれの場合も、C末端から、またはN末端から、1アミノ酸ずつ一部切除した20のペプチド(アセチル化またはアミド化)を合成した。
Figure 2005513141
最も重要な残基を同定するため、いずれの場合も、1アミノ酸がアラニンと交換されている、さらに20のペプチドを合成した。
Figure 2005513141
上述のBerichromアッセイにおいて、これらの未精製ペプチド(アッセイ中の最終濃度〜7.27μM)の阻害活性を調べた。図7に示す測定値を得た。
結果をさらにチェックするため、2つの配列MDDIYQRPVEFPNLPL(配列番号87)(16量体)およびDDIYQRPVEFPNLP(配列番号88)(14量体)を合成し、そして精製した。精製ペプチドを用いて、出発配列(配列番号25)の値を比較のために測定した。これによって、その後、上述のBerichrom(登録商標)試験において、阻害活性(IC50)を決定することが可能になった:
−(配列番号87)IC50=19μM
−(配列番号88)IC50=〜280μM
(実施例4)
システイン残基の交換によって修飾されているトリデジンの大腸菌からの発現および精製
野生型トリデジンに存在するシステインの部位特異的突然変異誘発によって、これらの修飾トリデジンを産生した。この突然変異誘発の目的は、段階的な方式で、分子間ジスルフィド架橋を形成するのに適したシステイン残基を交換することであった。還元剤(例えばメルカプトエタノールおよびDTT)の存在下または非存在下で、元来のトランスグルタミナーゼ阻害剤(配列番号1)の適切なクロマトグラフィー解析を行うことによって、ジスルフィド架橋を形成する傾向、およびそれに付随する最終産物の凝集を検出した。したがって、1つのゲルろ過実験(Amersham−Pharmacia HiPrep26/60 Sephacryl S200 HRカラム上;20mMリン酸ナトリウム、pH8.0、300mM NaCl;1ml/分)では、精製組換えトリデジンポリペプチドは、およそ80%の含量で多量体高分子量凝集体を有した。組換えトリデジンを、1.5mM DTT、20mMリン酸ナトリウム、pH8.0、300mM NaCl中の還元条件下、ゲルろ過実験で分離すると、凝集体の含量は、有意により低かった(<20%)。
製造者の指示にしたがって、QuikChange試薬(Stratagene)を用い、突然変異誘発を行った。オリゴヌクレオチド、配列番号41〜配列番号46、およびそれぞれの逆相補配列を突然変異誘発に用いた。生じた突然変異体のDNA配列を、配列決定によってチェックした。
現在の方法を用いて、すでに上に記載したように、大腸菌発現株Origami(登録商標)B(DE3)(Novagen)に、プラスミドpET22b中の各コード配列を移入し、そしてその後、この株を、上述のように、液体LB培地中で培養した。実施例1に記載するように、発現、精製および活性測定を行った。個々の突然変異体に関して、測定した活性を以下の表4に示す。XnY式にしたがって、突然変異体に名前を付けた。
この式では、Xは、突然変異誘発によって変化したアミノ酸を示し、一方、nはポリペプチド鎖中のこのアミノ酸の位置を定義し、そしてYは、突然変異誘発後に存在するアミノ酸を示す。
表4:Berichrom(登録商標)アッセイにおける、XIIIa因子に対する、システイン残基の交換によって修飾しておいたトリデジンの阻害効果
Figure 2005513141
5.45μMの最終変異体濃度で、相対阻害効果(%)を測定した。組換え野生型トリデジンポリペプチドの阻害効果(5.45μMのもの)を100%に規準化した。上述の変異体を産生するのに用いたオリゴヌクレオチドはまた、表中にも明記される。
(実施例5)
組換えトリデジンまたはトリデジン断片の存在下、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)およびウロキナーゼの線維素溶解活性の改善
本発明記載のポリペプチドの療法的潜在能力を立証するため、大腸菌由来組換えトリデジンポリペプチド(配列番号1、図5)またはピキア・パストリス由来トリデジンポリペプチド(配列番号91、図11)またはトリデジン断片(配列番号25、図10)の存在下、全血において、血液凝固および線維素溶解を測定した。これを行うため、血栓弾性図(thrombelastogram)と呼ばれるものをプロットした。血栓弾性検査(thrombelastography)は、凝血および線維素溶解を測定する、現在の方法である。該方法は、血液中に存在するプランジャーの回転に対する抵抗性の変化によって、血液の粘性の変化を測定する(Calatzisら、2000)。図4は、血栓弾性図における、典型的な凝血相および線維素溶解相を示す。血栓弾性図は、止血の重要なパラメーターを定量化する:
・凝血時間(凝血の開始および血液粘性における測定可能な変化の開始の間の時間、CT)
・血栓安定性(最大の幅(amplitude)、最大の血餅の硬さ、MCF)
・線維素溶解時間(血液粘性における測定可能な変化の開始および凝血前の出発値の達成の間の時間、溶解時間、LT)
Pentapharm GmbH、ミュンヘンから供給されるROTEG(登録商標)装置を、示す測定に用いた。図5および6は、Ca2+(Starteg試薬、Pentapharm GmbH)およびトロンボプラスチン・リン脂質(Integ試薬、Pentapharm GmbH)を添加した後の、全クエン酸血液の血栓弾性図を示す。これらの試薬を用いて、凝血を誘導する。血栓療法に用いられる慣用的な線維素溶解剤、並びに組換えトリデジンポリペプチドおよび修飾トリデジンの協同効果を、本発明にしたがって立証する目的で、多様な実験を行った。血栓弾性図によって、例として選択した線維素溶解剤である組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)およびウロキナーゼによってもたらされる線維素溶解を、組換えトリデジンポリペプチド、および修飾トリデジンが、加速し、そして改善することが示される。これは
a)幅がより小さく(血栓の安定性がより低く)、そして
b)線維素溶解速度が増加している
ことによって明らかとなる。
さらに、凝血時間(CT)が、トランスグルタミナーゼ阻害剤の非存在下での190秒間から、大腸菌由来組換え野生型トリデジンポリペプチド(配列番号1)または修飾トリデジンの存在下では380秒間に延長されたことから、組換えトリデジンポリペプチドおよび修飾トリデジンがまた、血液凝固も阻害することが示される(図5AおよびBを参照されたい)。
(実施例6)
ピキア・パストリスからの組換えトリデジンポリペプチド(配列番号90にコードされるもの)の発現および精製
組換えトリデジンをコードする配列を含有する、発現プラスミド、トリデジンpPICZαA(発現ベクターpPICZαA、Invitrogenに基づく)を図8に示す。
配列番号90:
Figure 2005513141
アルファ因子シグナルペプチドに融合させることによって、トリデジンを培地に分泌させることが可能である。現在の方法を用いて、該プラスミドを、ピキア・パストリス株KM71HおよびSMD1168に移入した。ゼオシン耐性クローンを選択して、そしてその後、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の慣用法を用いて、トリデジンDNA配列を検出することによって、安定に組み込まれたトリデジン配列を含有するクローンを選択した。
生じたクローンをおよそ16〜24時間、そして震蘯しながら、100mlのBMGH(1%酵母エキス;2%ペプトン;100mM リン酸K、pH6;1.34%酵母窒素基剤;4x10−5%ビオチン;1%グリセロール)中、単一コロニーとして培養した(30℃)。細胞を遠心分離して落とし(3000xg、5分間)、そして20〜30mlのBMMH(1%酵母エキス;2%ペプトン;100mM リン酸K、pH6;1.34%酵母窒素基剤;4x10−5%ビオチン;0.5%メタノール)中に再懸濁し、そして再度、震蘯しながら30℃でインキュベーションした。24時間後、メタノール(最終濃度0.5%)を添加した。さらに24時間インキュベーションし、上述のように細胞を遠心分離して落とした。培養上清を直接プロセシングするか、または−70℃で保存した。
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動およびクーマシーブリリアントブルー染色によって、トリデジンポリペプチドを検出した。ポリペプチドをN末端配列決定(Edman分解、Toplab GmbH)に供することによって、シグナルペプチドが正しくプロセシングされたことを確認した。しかし、6つのC末端ヒスチジン残基を含有する、完全に発現されたトリデジンポリペプチドは、現在のウェスタンブロッティング法(5つの連続ヒスチジン残基に対する抗体、Quiagen AG)を用いると、少量しか検出されなかった。質量分析(MALDI、Toplab GmbH)によって、C末端タンパク質配列GluGluSerLeuGluHisHisHisHisHisHisが失われていることが見出された。
主な産物である、11のC末端残基を含まないトリデジンポリペプチドを、以下の方法を用いて精製した。培養上清25mlあたり10gの(NHSOの比で、培養上清を(NHSOで処理した。生じた沈降物を遠心分離して落とし、そして20mM CHES、pH9に溶解した;その後、この溶液を20mM CHES、pH9に対して透析した。その後、試料をSepharose Q(25ml)またはResource Q(1ml)イオン交換カラム(どちらもAmersham Biosciencesから得た)上に装填した(流速、1〜4ml/分)。20mM CHES、1M NaCl、pH9に対する20mM CHES、pH9の勾配で、カラムから溶出させた。溶出中に収集した分画を、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分画し、そしてクーマシーブリリアントブルーで染色した。この方式で、トリデジンポリペプチド含有分画を同定した。これらの分画を合わせて、そしてPBS(0.2g KCl/l、0.2g KHPO/l、8g NaCl/l、1.15g NaHPO/l、pH7.2)に対して透析し、そして限外ろ過(Centricon YM−3、Amicon)によって、濃縮した。図9は、ピキア・パストリスから単離したトリデジン試料を用いて得た、FXIIIa阻害曲線を示す。活性を測定するため、上述のBerichromアッセイを用いた。
(実施例7)
ピキア・パストリスからの修飾組換えトリデジンポリペプチド(配列番号91にコードされるもの)の発現および精製
実施例6で発現させ、そして精製したトリデジンポリペプチドは、6つのC末端ヒスチジンを欠く。これらのヒスチジンは、おそらく、プロテアーゼによって切断された。したがって、現在の部位特異的突然変異誘発法を用いて、コードされるトリデジンポリペプチドをプロテアーゼが消化するのを阻害するため、コードDNA配列を改変した。これに関連して、発現プラスミドpPICZアルファA−トリデジンR66Lを生成した(トリデジン配列、配列番号91)。該トリデジンポリペプチド配列において、C末端のアルギニン残基をロイシンと交換した。
配列番号91:
Figure 2005513141
実施例6に記載するようにトリデジンポリペプチドを発現するのに、発現プラスミドを用いた。これに関連して、上述のウェスタンブロッティング法を用いて、驚くべき高収率で、C末端ヒスチジンを含有する完全タンパク質配列を検出可能であることが発見された。
以下の方法を用いて、この産物を精製した。7.4のpHに達するまで、1M リン酸Na、pH8を培養上清に添加した。その後、培養上清を、1:1で、緩衝液A(50mM NaHPO、pH8、300mM NaCl、10mMイミダゾール)で希釈し、そして実施例1に記載するように、ニッケル−NTAカラム(Quiagen)を通過させた。その後、溶出緩衝液(50mM NaHPO、300mM NaCl、250mM イミダゾール、pH8)を用いて溶出させた。分画を収集し、そしてトランスグルタミナーゼ阻害剤の存在に関して、SDS−PAGEによって検査した。トリデジンポリペプチドを含有する分画を合わせて、そしてPBS(0.2g KCl/l、0.2g KHPO/l、8g NaCl/l、1.15g NaHPO/l、pH7.2)に対して透析した。図9は、この方法で、ピキア・パストリスから単離した、これらのトリデジン試料を用いて得た、FXIIIa阻害曲線を示す。活性を測定するのに、上述のBerichrom(登録商標)アッセイを用いた。
(実施例8)
血液凝固および線維素溶解に対するトリデジンポリペプチド由来ペプチドの影響もまた測定した(図10)。ペプチド(配列番号25および配列番号88)をPBSに溶解して、そして希釈した。全血(4℃で24時間保存)を図10に示す測定に用いた。
血液凝固および線維素溶解に対する、ピキア・パストリスから単離した組換え精製トリデジンポリペプチドの影響を図11に示す。トリデジンポリペプチド(トリデジンR66L、配列番号91にコードされる)をこれらの測定に用いた。該ポリペプチドは、血栓弾性図の最大の幅(すなわち血餅の安定性、MCF)を減少させ、そして、さらに、tPAまたはウロキナーゼの存在下で、線維素溶解時間(LT)を短縮する。
発現プラスミドpET22b−14のマップ(A)およびトリデジンポリペプチドコード配列の明細(B)。塩基はプラスミドマップにしたがって番号付けしている。 SDS−PAGE(10%ゲル)によって調べた、組換え野生型トリデジンポリペプチドの精製。 レーン1は、Ni−NTAカラム上に装填する前の総大腸菌溶解物である。 レーン2〜7は、イミダゾールでの溶出分画である。すべての試料をSDS試料緩衝液で処理し、そして95℃で5分間インキュベーションした。 Berichom(登録商標)アッセイにおける、XIIIa因子に対する組換え精製トリデジンポリペプチドの阻害効果。 対照物質としてセルレニン(Calbiochem)を用いた。 血栓弾性図の図式的表示。 記載する実験に関係するパラメーターは、CT(凝血時間)、MCF(血餅の最大の硬さ)およびLT(溶解時間)である。 組換えトリデジンの非存在下(A、CおよびE)および存在下(B、DおよびF)での全クエン酸血(citrate blood)の血栓弾性図。 すべてのアッセイ試料は、全クエン酸血(300μl)、Ca2+(Starteg試薬20μl)およびトロンボプラスチン・リン脂質(Integ試薬10μl)を含有する。 B:+配列番号1を有するトランスグルタミナーゼ阻害剤(10μM) C:+ウロキナーゼ(25U) D:+配列番号1を有するトランスグルタミナーゼ阻害剤(10μM)およびウロキナーゼ(25U) E:+tPA(40.5ng) F:+配列番号1を有するトランスグルタミナーゼ阻害剤(10μM)およびtPA(40.5ng) 配列番号25の非存在下(A、CおよびE)および存在下(B、DおよびF)での全クエン酸血の血栓弾性図。 すべてのアッセイ試料は、全クエン酸血(300μl)、Ca2+(Starteg試薬20μl)およびトロンボプラスチン・リン脂質(Integ試薬10μl)を含有する。 B:+配列番号25を有するトランスグルタミナーゼ阻害剤(20μM) C:+ウロキナーゼ(25U)+不活性対照ペプチド(Bachemのアセチル−アドヘシン(1025−1044)アミド) D:+配列番号25を有するトランスグルタミナーゼ阻害剤(20μM)およびウロキナーゼ(25U) E:+tPA(40.5ng)+不活性対照ペプチド(20μM) F:+配列番号25を有するトランスグルタミナーゼ阻害剤(20μM)およびtPA(40.5ng) Berchrom(登録商標)アッセイにおける、XIIIa因子に対するトリデジン由来ペプチドおよびその変異体の阻害効果(A〜D)。既定の濃度の組換え精製大腸菌トリデジン、およびペプチド25(配列番号25;アッセイ中の最終濃度〜7.27μM)を対照として用いた。使用したペプチドの配列を列挙する(E)。エラーバーは標準誤差に関する(n=3)。 発現プラスミド、トリデジンpPICZαAのマップ(A)およびトリデジンポリペプチドコード配列の明細(B)。塩基はプラスミドマップにしたがって番号付けしている。 Berichrom(登録商標)アッセイにおける、XIIIa因子に対する組換え精製トリデジンポリペプチド(A)、またはピキア・パストリス(KM71H)由来変異体トリデジンR66L(B)の阻害効果。 配列番号87または25(どちらも25μM)の非存在下(A、DおよびG)および存在下(B、C、E、F、HおよびI)での全クエン酸血の血栓弾性図。すべてのアッセイ試料は、全クエン酸血(300μl)、Ca2+(Starteg試薬20μl)およびトロンボプラスチン・リン脂質(Integ試薬10μl)を含有する。 B:+配列番号87を有するトランスグルタミナーゼ阻害剤(TI)(25μM) C:+配列番号25を有するTI(25μM) D:+ウロキナーゼ(25U) E:+配列番号87を有するTI(25μM)+ウロキナーゼ(25U) F:+配列番号25を有するTI(25μM)+ウロキナーゼ(25U) G:+tPA(40.5ng) H:+配列番号87を有するTI(25μM)+tPA(40.5ng) I:+配列番号25を有するTI(25μM)+tPA(40.5ng) 組換え精製ピキア・パストリス由来トリデジンR66L(配列番号91にコードされるもの)の非存在下(A、CおよびE)および存在下(B、DおよびF)での全クエン酸血の血栓弾性図。すべてのアッセイ試料は、全クエン酸血(300μl)、Ca2+(Starteg試薬20μl)およびトロンボプラスチン・リン脂質(Integ試薬10μl)を含有する。 B:+配列番号91を有するトランスグルタミナーゼ阻害剤(TI)(5μM) C:+ウロキナーゼ(25U) D:+配列番号91を有するTI(5μM)+ウロキナーゼ(25U) E:+tPA(40.5ng) F:+配列番号91を有するTI(5μM)+tPA(40.5ng)

Claims (12)

  1. 配列番号1に示すようなポリペプチドであって、少なくとも1つのシステインと別のアミノ酸との交換、および/または以下のアミノ酸−Lys2、Lys7、His10、Gly12、Leu24、Tyr31、Phe34、Arg39、Ile45、Met48、Asp50、Pro55、Phe58、Asn60、Pro65−の少なくとも1つと別のアミノ酸との交換、および/または残ったポリペプチドが、少なくともアミノ酸配列DDIYQRXVXFPXLPL(配列番号89)を含有する、N末端およびC末端の欠失、および/またはポリエチレングリコールへの共有結合から選択される、少なくとも1つの修飾を含有することで特徴付けられる、前記ポリペプチド。
  2. 請求項1記載のポリペプチドを少なくとも1つ含有する化合物。
  3. 融合タンパク質である、請求項2記載の化合物。
  4. 融合タンパク質が、融合タンパク質を精製するために使用するタグを含有する、請求項3記載の化合物。
  5. タグが少なくとも5つの連続ヒスチジンを含有する、請求項4記載の化合物。
  6. 請求項1〜5の少なくとも1つに記載のポリペプチドを調製する方法であって、組換え法またはペプチド化学反応法であることで特徴付けられる、前記方法。
  7. トランスグルタミナーゼ阻害剤としての、請求項1〜5の少なくとも1つに記載のポリペプチドの使用。
  8. 血栓症を防止し、そして治療するための、請求項1〜5の少なくとも1つに記載のポリペプチドの使用。
  9. 請求項1〜5の少なくとも1つに記載のポリペプチドおよび少なくとも1つのガレン(galenic)アジュバントを含んでなる、薬剤。
  10. 請求項1〜5の少なくとも1つに記載のポリペプチドおよび少なくとも1つのさらなる薬学的活性化合物を含んでなる、併用製剤。
  11. さらなる活性化合物が抗凝血剤、好ましくはトロンビンおよびXa因子の阻害剤および/または血小板凝集阻害剤であることで特徴付けられる、請求項10に記載の併用製剤。
  12. アセチルサリチル酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパリノイド、ヒルジン、ビバリルジン(bivalirudin)、メラガトラン(melagatran)、アブシキシマブ、エプチフィバビド(eptifibabide)、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、ストレプトキナーゼ、スタフィロキナーゼ、ウロキナーゼ、エミナーゼ(eminase)、ヘメンチン(hementin)および/またはプラスミンと任意に併用する、請求項1〜5の少なくとも1つに記載のポリペプチド、および適切な場合、さらなる薬学的活性化合物を含んでなる、併用製剤。
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