JP2005513063A - 眼の障害および疾患の治療用スーパーオキシドジスムターゼ模擬体 - Google Patents

眼の障害および疾患の治療用スーパーオキシドジスムターゼ模擬体 Download PDF

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Abstract

本発明は、AMD、DRおよび網膜浮腫の治療のための、スーパーオキシドジスムターゼ模擬体、特にペンタアザ環状Mn(II)錯化合物SOD模擬体の使用に関する。

Description

本発明は滲出型および非滲出型の加齢性黄斑変性症、糖尿病網膜症および網膜浮腫の治療のためのスーパーオキシドジスムターゼ酵素の模擬体(mimics)に関する。
加齢性黄斑変性症(AMD)は、西欧諸国では老人における視力障害の最もよく知られた原因である。滲出型AMDまたは湿潤型AMDは、脈絡膜の過剰な血管新生が特徴であり、網膜剥離および視力喪失につながる。非滲出型あるいは乾燥型のAMDは、網膜色素上皮の下側のブルック基底膜における、ドルーセンとよばれる細胞破片の蓄積が特徴である。滲出型AMDはAMD患者の少数に出現するが、より攻撃型のタイプであり、レーザー光凝固術治療または光線力学療法により治療が可能であるがその成功率は限られている。後者の治療法では、適切な波長の光を照射すると周囲の血管を破壊する活性中間体を産生する化合物を、患部に投与する処置が含まれる。現在では、非滲出型AMDの治療に認められている治療法はない。
視サイクルは、オプシンと結合した11−シス−レチナールのシッフ塩基により光受容細胞が光量子を吸収して始まり、該レチナールは相当する全トランス−レチナール誘導体に異性化する。オプシンから全トランス−レチナールが放出され、フォスファチジルエタノールアミンと縮合して新規なシッフ塩基であるNRPE(N−レチニルホスファチディルエタノールアミン)を形成する。このようにして生成したNRPEは、光受容細胞の外側膜全体に輸送され、そこで全トランス−レチナールに加水分解される。次いで、酵素により全トランス−レチノールへ還元された後、網膜色素上皮細胞(RPE)へ輸送され、そこで該化合物は酵素的に11−シス−レチノールに異性化され、該レチノールは11−シス−レチナールに酸化される。このレチナール化合物は、再び光受容細胞へ輸送され、そこでオプシン結合シッフ塩基を形成し、視サイクルを完成させる。
Figure 2005513063
レチナールを再循環させることにより視サイクルの完成に役立つ他に、RPE細胞の重要な機能は、外側の不要断片を貪喰、あるいはそれらをRPE細胞リソソーム中で消化することにより、レチナール光受容体の継続的な再構築を支えることにある。加齢と共に、脂褐素と呼ばれる非消化性色素の蓄積がリソソーム中で生じる(ドルーセンの出現は、脂褐素の蓄積に符合すると考えられる)。脂褐素は、スペクトルの青色部分の光を吸収し、スペクトルの黄色部分の蛍光を発する。この蛍光物質は近くの酸素にエネルギーを運び、これがスーパーオキシドイオン等の活性酸素種(ROS)に形を変える。これらのROSは、リソソーム膜中のリン脂質を酸化し、膜の完全性を破壊する。膜の完全性が破壊されることにより、リソソーム中の毒性内容物が細胞質に漏出してRPE細胞を死滅させる。RPE細胞の支援がないと、レチナール光受容体は視覚変換システムに関与することはできず、かくして視力の喪失を導く(総説参照:Winkler, et. al., Mol. Vision, Vol. 5:32, 1999, online journal http:/www.molvis.org/molvis/v5p32; CA 132:235390)。
中西および共同研究者は、A2Eと呼ばれる脂褐素の主要蛍光構成成分を明らかにし、化学的に合成した(Nakanishi et. al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 95:14609−14613, 1998および本報中の参照文献)。この化合物の生成は、求電子性NRPEの求核性エナミン1への生合成的な異性化、他の全トランス−レチナール分子との縮合によるアザトリエン2の生成、ジヒドロピリジン3への電子環状反応、N−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウム種A2PEへの自動酸化およびホスホリパーゼD酵素によるリン酸エステルの酵素的加水分解によるA2E産生によるものと考えられている。二つの大きな疎水性の“尻尾”部分と荷電された極性の“頭部”部分とを有するA2Eの化学構造は、細胞膜を破壊する洗剤様の傾向を示唆するものである。その光酸化能力に加えて、RPE細胞に対する化合物の毒性効果についての重要な成分となっている可能性がある(参照:Nakanishi et. al., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 11:1533-1540, 2001)。
Figure 2005513063
光受容細胞からの全トランスレチナールの不完全な輸送がAMD疾患の進行において果たす重大な役割が、以下に述べる発見により脚光を浴びた。つまり、ホモ接合性である場合にはスタルガルト病と呼ばれる稀な急性加齢性黄斑変性症を導く遺伝子突然変異は、ヘテロ接合性で発現されると非滲出型AMDを伴う可能性があるという発見である(Dean et. al., Science, Vol. 277:1805-1807, 1997)。その遺伝子は、ABCR(ATP結合カセット輸送網膜)遺伝子と呼ばれ、そのプロテイン産生物(rimプロテインとも呼ばれる)は、ATP加水分解の際に放出されるエネルギーを利用して分子を細胞膜通過させる。その輸送体基質は、上記したシッフ塩基NRPEであると考えられる。充分な機能的輸送タンパク質が存在しないと、基質NRPEは、レチノールへの還元のために往復する代わりに、光受容細胞中に蓄積する。オプシンから放出された全トランス−レチナール分子との縮合および上記した更なる反応により、A2Eが産生される。A2Eは、光受容細胞外側膜断片の残渣と共にRPE細胞によって摂取され、リソソーム中に蓄積される。この仮説を支持するTravisらの報告によれば、RPE細胞中におけるA2Eの蓄積は、ABCR遺伝子におけるホモ接合変異体のマウスでは、正常なコントロール群と比べてより急激に起こる(Travis et. al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 97:7154-7159, 2000)。
いくつかの研究によれば、視褐素を網膜中に存在しているのと似た条件下で光および酸素に曝すことにより、細胞膜の過酸化および細胞死がもたらされると結論づけている。Wihlmarkらは、視褐素負荷リソソームを有するRPE細胞に青色光を照射すると、視褐素の非存在下で照射した正常なコントロ−ル群と比較して、細胞膜の過酸化を増大させ、細胞の生存率が低下したと報告している(Wihlmark et. al., Free Radical Biol. Med. Vol.
22: 1229-1234, 1997)。BoultonおよびShamsiは、視褐素を含む培養RPE細胞を投与し、光に曝すと、細胞の生存率が24時間後では40%超減少すること、およびスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性を含むリソソームの酵素活性および抗酸化活性が減少することを明らかにした(Boulton and Shamsi, Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., Vol. 42: 3042-3046, 2001)。
この立証および他の証明から、酸化代謝物の毒性副産物を処理するための身体の自然防御メカニズムの欠陥が、AMDの進行に重要な役割を担っていることは明白である。この重要な防御システムのひとつの重要な成分は、SOD酵素ファミリーである。
これらの酵素は、非常に反応性であるスーパーオキシドラジカルアニオンからより毒性の少ない種である酸素および過酸化水素への不均化反応を触媒する低原子価の金属(MnIIまたはCuI/ZnIの2核結合)を含んでいる。もし反応が停止されないと、スーパーオキシドアニオンはそのプロトン体を経由して脂肪酸のアリル部位から水素を引き抜き、膜に損傷を与えることになる。さらに、スーパーオキシドアニオンは一酸化窒素と反応し、過剰の一酸化窒素産生による有害な生物学的作用において重要な役割を果たすと考えられている強力な酸化剤である、ペルオキシナイトライトを産生することがある。
式1
Figure 2005513063
RPE細胞の生存性を高める際のSODの潜在的な重要性がBoultonらの文献により提示されており、Boultonらは、視褐素の存在下で脂質膜、タンパク質および酵素に光照射することにより生じる有害な作用は、SOD添加により有意に減少させることができることを報告している(Boulton et. Al., J. Biol. Chem., Vol. 272:23828-23832, 1999)。滲出型AMDについても、日本人被検者での最近の研究によれば、この型の疾患と、酵素の目的配列中のバリンがアラニンに置換されているSOD遺伝子における変異との間には重要な相関関係があることが明らかにされた(Isashiki et. Al., Am. J. Ophthalmol., Vol. 130:769-773, 2000)。従って、SOD機能を高めることは、滲出型および非滲出型のAMDの進行を予防するための有力な標的となりうる。
酸化的ストレスもまた、糖尿病誘因の血管障害および神経障害に関与している。あらゆる型の糖尿病は、網膜、腎糸球体および末梢神経の糖尿病に特異的な微細血管病理の進行に帰着する(M. Brownlee, “Biochemistry and Molecular Cell Biology of Diabetic Complications”, Nature, Vol. 414:813-820, 2001)。糖尿病に伴う酸化的障害の主要源は、スーパーオキシド濃度の上昇にある。スーパーオキシドの放出は、糖尿病患者から摘出された血管で検出される(Guzik, et. al., “Mechanisms of Increased Vascular Superoxide Production in Human Diabetes Mellitus” Circulation, Vol. 105:1656-62, 2002)。スーパーオキシド源としては、血管組織および多形核白血球が挙げられる(Shurtz-Swirski et. al., “Involvement of Peripheral Polymorphonuclear Leukocytes in Oxidative Stress and Inflammation in Type 2 Diabetic Patients” Diabetes Care, Vol. 24:104-110, 2001)。スーパーオキシドジスムターゼ模擬体は、クローン細胞で糖尿病の発症を遅らせること(AEOL10113−Piganelli, et. al., “A Metalloporphyrin-Based Superoxide Dismutase Mimic Inhibits Adoptive Transfer of Autoimmune Diabetes by a Diabetogenic T-Cell Clone,” Diabetes, Vol. 51:347-55, 2002)、そして糖尿病ラットにおいて血管障害および神経障害を予防すること(M40403 - Coppey,, et. al., “Effect of M40403 Treatment of Diabetic Rats on Endoneurial Blood Flow, Motor Nerve Conduction Velocity nd Vascular Function of Epineural Arterioles of the Siatic Nerve,” British Journal of Pharmacology, Vol. 134:21-9, 2001)が証明されている。糖尿病網膜症患者の過酸化脂質の血清濃度は、健常者または糖尿病網膜症に罹患していない糖尿病患者のそれよりも高い。SOD濃度は糖尿病患者の場合でも健常者の場合でも変化はないが、重要な抗酸化剤であるアスコルビン酸の濃度は、全ての糖尿病患者において低い(Gurler, et. al., “The Role of Oxidative Stress in Diabetic Retinopathy” Eye, Vol. 14:73035, 2000)。これらの研究結果は、内因性抗酸化メカニズムが、糖尿病網膜症患者においては制圧されていることを示唆している。
ヒトにおける酸化的ストレス関連の、例えば脳または心筋の虚血再潅流障害による組織障害を治療または予防するために、マンガンSODを静脈内投与して使用することは、生物学的利用能および免疫学的諸問題からうまくいかなかった。これらの問題はマンガンSODが高分子であるという事実に基づくと考えられる。内因性マンガンSODと比肩しうる効果でスーパーオキシドの不均化反応を触媒する低分子化合物が、上記した副作用を最小限にする良い候補となるであろう。Salveminiらは、一群のMn(II)−ペンタアザ大環状錯化合物を低分子のSOD模擬体として報告している。例えば、腸虚血再潅流のラットモデルにおいて、1mg/kgの化合物4を投与すると4時間後では90%のラットが生存していたのに対し、未処置群では生存率は0%であった(Salvemini, et. al., Science, Vol. 286:304, 1999; WO 98/58636; Salvemini, et. al., Drugs Future, Vol. 25(10):1027, 2000)。また、これらの化合物は、移植された生高分子補綴具の安定性を向上するものとして(眼の移植を含む;Ornberg et. al., WO 00/72893 A2)、また痛みを治療するものとして(Salvemini et. al., U.S. Patent Nos. 6,180,620 B1および6,214,817 B1)報告されている。
Figure 2005513063
また、SODおよびカタラーゼ模擬体として、治療活性を有するある種のマンガン−サレン錯体の使用が報告されている。例えば、化合物5は、ラット発作モデルにおいて神経保護作用があることが証明されており(Baker et. al., J. Pharmacol. Exp. Ther., Vol. 284:215-221, 1998; Doctrow et. al., J. Med. Chem., Vol. 45:4549-4558, 2002) 、一方化合物6は酵素スーパーオキシドジスムターゼ2の内因性発現を欠損しているマウスの寿命を延ばすことが発見された(Melov et. al., J. Neurosci., Vol. 21:8348-8353, 2001)。
Figure 2005513063
他の研究者達は、眼の疾患を治療するための抗酸化剤の使用を報告している。Crapoらは、緑内障および黄斑変性症を治療するためのポルフィリン含有SOD模擬体を開示している(Capro et. al., U.S.Patent Nos. 5,994,339および6,127,356)。Campbellらは、フリーラジカル関連疾患の治療用に、ある種のビピリジル−マンガン(IIまたはIII)フェノラート錯体を報告している(Campbell et. al., U.S.Patent No. 6,174,419 B1)。Levinは、カルベジロール(carvedilol)およびその誘導体と代謝物をROS捕捉剤として使用することにより、網膜神経節細胞死が減少することを報告している(WO 00/07584 A2)。Brownleeは、糖尿病網膜症の治療のために、高ブドウ糖条件下でROSの蓄積を減少させるマンガン−テトラキス(安息香酸)ポルフィリンの使用について報告している(Brownlee, WO 00/19993 A2)。安定なフリーラジカルである4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルは、金属を含まないSOD模擬体であるが、アルビノラットで光誘因網膜障害を抑制することが報告されている(Wang et. al., Res. Commun. Mol. Pathol. Pharmacol., Vol. 89:291-305, 1995)。しかしながら、これらの報告のどれにも、AMDの治療用として本発明化合物が記載も示唆もされていない。
本発明は、滲出型および非滲出型AMD患者、前増殖糖尿病網膜症を含む糖尿病網膜症(まとめてDRという)患者および網膜浮腫患者を治療するための、酵素スーパーオキシドジスムターゼ模擬体の使用に関する。
後極部 (Posterior segment) 血管新生は、先進国において後天的失明の最も一般的な2大原因である滲出型加齢性黄斑変性症(AMD)および増殖糖尿病網膜症(PDR)を引き起こす、視力を脅かす病理である。現在、滲出型AMDに生じる後極部血管新生の治療に対して認められている治療法は、Visudyne(登録商標)を用いたレーザーによる光凝固術または光線力学的療法のみであるが、このふたつの治療法は患部の脈管構造の閉塞を伴い、それにより局所的にレーザー誘因性の障害を網膜に与えることになる。硝子体摘出術や膜除去を伴う外科的処置は、前増殖糖尿病網膜症の患者に対して使用しうる唯一の選択肢である。現在、例えば、AMD治療に対するアネコルタベ酢酸(anecortave acetate:Alcon社)、EYE 001(Eyetech社)、rhuFabV2(Genentech社)および糖尿病網膜症治療に対するLY333531(Lilly社)、Fluocinolone (Bausch & Lomb社)等の、いくつかの異なる化合物が臨床的に評価されているが、後極部血管新生に対して使用することが認められた厳密に薬理学的な処置はこれまでにはなかった。
糖尿病患者における高血糖によって誘因され黄斑浮腫につながる網膜の微小血管系の変化に加え、血管新生膜の増殖もまた血管漏出および網膜浮腫を伴う。この浮腫が黄斑を含む場合には、視力は悪くなる。糖尿病網膜症においては、黄斑浮腫は視力喪失の主要原因である。血管新生疾患のように、レーザーによる光凝固術は、浮腫の状態を安定化、あるいは回復させるために使われる。レーザーによる光凝固術は、浮腫がさらに進行するのを抑えるが、細胞を破壊する方法であり、不幸なことに病気に罹っている眼の視界を変えてしまう。
眼の血管新生および浮腫に対する有効な薬理学的治療法であれば、多くの疾患において患者に大きな効果を与えることになるであろうし、それにより侵襲的な外科手術や損傷を与えるレーザーによる治療法を回避することができる。血管新生および浮腫の効果的な治療法は、患者の生活の質および社会における生産性の向上をもたらすであろう。また、盲人に対する介護および健康管理に伴う社会コストは劇的に減少することであろう。
今般、ある種のSOD模擬体がAMD、DRおよび網膜浮腫の治療に有用であることを見出した。これらの化合物は式Iで示される。
Figure 2005513063
式中、R1〜R20は独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクロアルキル基またはヘテロシクロアルケニル基を表し、これら上記の各基はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルケニル基、ハロゲン、トリハロメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基で、または遊離のあるいは機能的に修飾されている、水酸基、アミノ基またはチオール基で置換されていてもよい;
または、同じ位置(例えばR1とR2、またはR3とR4、またはR5とR6、など)あるいは隣接した位置(例えば、R1とR3、またはR3とR5、またはR6とR7、など)にあるR群の二つはそれらが結合する炭素原子と一緒になって、不飽和のまたは芳香族の炭素数3〜20の炭素環を形成してもよく、該炭素環はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルケニル基、ハロゲン、トリハロメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基で、または遊離のあるいは機能的に修飾された、水酸基、アミノ基またはチオール基で置換されていてもよい;
または、同じ位置(例えばR1とR2、またはR3とR4、またはR5とR6、など)あるいは隣接した位置(例えば、R1とR3、またはR3とR5、またはR6とR7、など)にあるR群の二つはそれらが結合する炭素原子と一緒になって、不飽和のまたは芳香族の炭素数2〜20の窒素含有複素環を形成してもよく、該複素環はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルケニル基、ハロゲン、トリハロメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基で、または遊離のあるいは機能的に修飾された、水酸基、アミノ基またはチオール基で置換されていてもよい;
式Iにおいて中心のマンガンに結合している窒素は、該窒素がすでに三置換されているとき(例えば、当該窒素がピリジン環の一部であるとき)は、いずれの場合も水素を含まないと解釈される;
X,YおよびZは薬理学的に許容されるアニオンである;および
nは0〜3である。
本発明の化合物Iは公知であり、その合成法は米国特許6,214,817B1に開示されており、引用することにより本願明細書に包含される。
本願明細書で使用されている“薬理学的に許容されるアニオン”とは、健康に重大な毒性を与えることなくあらゆる常法により患者に治療投与するのに適した全てのアニオンを意味する。好ましい薬理学的に許容されるアニオンとしては、塩素イオン、臭素イオン、酢酸イオン、安息香酸イオン、マレイン酸イオン、フマール酸イオンおよびコハク酸イオンが挙げられる。
“遊離の水酸基”とはOHを意味する。“機能的に修飾された水酸基”とは、機能化されて、OHの水素原子がアルキル基で置換されたエーテル基を、OHの水素原子がアシル基で置換されたエステル基を、OHの水素原子がアミノカルボニル基で置換されたカルバメート基を、あるいはOHの水素原子がアルコキシカルボニル基で置換されたカルボネート基を形成するOHを意味する。好ましくは、OH、O(CO)CH3、OCH3、OPh、OCH2PhおよびOC(O)Phが挙げられる。
“遊離のアミノ基”とは、NH2を意味する。“機能的に修飾されたアミノ基”とは、機能化されて、2個の水素原子の1個がアルコキシ基または水酸基で置換されたアルコキシアミノ基またはヒドロキシアミノ基を;1個または2個の水素原子がアルキル基で置換されたアルキルアミノ基を;2個の水素原子の1個がアシル基で置換されたアミド基を;2個の水素原子の1個がアルコキシカルボニル基で置換されたカルバメート基を;2個の水素原子の1個がアミノカルボニル基で置換されたウレイド基を形成するNH2を意味する。これらの置換パターンの組み合わせ、例えばNH2において1個の水素原子がアルキル基で置換され、他方の水素原子がアルコキシカルボニル基で置換された場合もまた“機能的に修飾されたアミノ基”の定義に含まれ、本発明の範囲に包含される。好ましい例示としては、NH2、NHCH3、N(CH32、NHPh、NHC(O)Ph、NHC(O)CH3、NHC(O)OCH3およびNHC(O)OPhが挙げられる。
“遊離のチオール基”とは、SHを意味する。“機能的に修飾されたチオール基”とは、機能化されて、水素原子がアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルケニル基、アルキニル基またはヘテロアリール基で置換されたチオエーテル基を、または水素原子がアシル基で置換されたチオエステル基を形成するSHを意味する。好ましくは、SH、SPh、SC(O)CH3、SCH3、SC25、SC(CH33、S−シクロヘキシル、SCH2CO2CH3、SCH2CO225、SCH2C(O)C25およびSCH2C(O)CH3が挙げられる。
“アシル基”とは、酸素原子に対して2重結合および別の炭素原子に対して単結合を有する炭素原子によって結合している基を意味する。
“アルキル基”とは、炭素数1〜15の飽和の直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素基を意味する。これらのアルキル基は、ハロゲン、水酸基またはアルコキシ基のような他の置換基で置換されていてもよい。好ましい直鎖状または分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基およびt−ブチル基が挙げられる。
“シクロアルキル基”とは、結合して1個以上の環を形成する、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基を意味し、これは縮合することができるし単環でもよい。上記環は、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基または低級アルキル基のような他の基で置換されていてもよい。好ましいシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基が挙げられる。
“アルケニル基”とは、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する、炭素数1〜15の直鎖状または分岐状の炭化水素基を意味する。鎖上の水素原子はハロゲンなどの他の基で置換することができる。好ましい直鎖状または分岐状のアルケニル基としては、アリル基、1−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基および4−ペンテニル基が挙げられる。
“シクロアルケニル基”とは、炭素−炭素二重結合を含む、結合して1個以上の非芳香環を形成する直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基を意味し、上記環は縮合できるし、単環でもよい。上記環は、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基または低級アルキル基のような他の基で置換されていてもよい。好ましいシクロアルケニル基としては、シクロペンテニル基およびシクロヘキセニル基が挙げられる。
“アルコキシ基”とは、酸素結合を介して結合しているアルキル基を意味する。
“カルボニル基”とは、酸素に二重結合している炭素原子を意味し、該炭素原子は二つのフリーの結合手を有する。
“アルコキシカルボニル基”とは、カルボニル基の炭素にアルコキシ基の酸素が結合しているアルコキシ基を意味し、カルボニル基自身は別の原子にその炭素原子により結合している。
“アミノカルボニル基”とは、アミノ基の窒素原子がカルボニル基の炭素原子に結合しているアミノ基を意味し、カルボニル基自身は別の原子にその炭素原子により結合している。
“低級アルキル基”とは、炭素数1〜6のアルキル基を意味する。
“ハロゲン”とは、フッ素、塩素、臭素または沃素を意味する。
“アリール”とは、炭素を基本とする芳香族の環を意味し、フェニル基のような単環であってもよいし、ナフチル基のような縮合環であってもよい。上記環の水素原子は低級アルキル基あるいはハロゲンなどの他の基で置換されていてもよい。
“ヘテロアリール基”とは、環に少なくとも1個の酸素、硫黄または窒素のようなヘテロ原子を有する芳香族の炭素環を意味する。ヘテロアリール環は、5〜6個の環構成原子を有する単環であってもよいし、8〜10個の環構成原子を有する縮合環であってもよい。ヘテロアリール環の水素原子または結合手が空いているヘテロ原子は、低級アルキル基またはハロゲンなどの他の基で置換されていてもよい。ヘテロアリール基としては、イミダゾール、ピリジン、インドール、キノリン、フラン、チオフェン、ピロール、テトラヒドロキノリン、ジヒドロベンゾフランおよびジヒドロベンズインドールが挙げられる。
本発明の好ましい化合物は、式Iで表される化合物を包含し:
式I中、R78C−N−CR910は、5〜8員の飽和または不飽和(芳香族を含む)の環を形成し、この環はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルケニル基、ハロゲン、トリハロメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基で、または遊離のあるいは機能的に修飾されている、水酸基、アミノ基またはチオール基で置換されていてもよい;
5、R6、R11、R12、R17、R18、R19およびR20は、同一または異なって水素またはアルキル基である;
12C−CR34およびR1314C−CR1516は同一または異なって、5〜8員の飽和または不飽和(芳香族を含む)の環を形成し、この環はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルケニル基、ハロゲン、トリハロメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基で、または遊離のあるいは機能的に修飾されている、水酸基、アミノ基またはチオール基で置換されていてもよい;
XおよびYは、塩素である;および
nは0である。
本発明の特に好ましい化合物は、以下の化合物である。
Figure 2005513063
これらの化合物の合成法は、米国特許6,214,817B1に開示されている。
SOD模擬体は、当該分野で当業者に公知の製剤方法に従い、種々のタイプの医薬組成物に含ませることができる。例えば、該化合物は、経口投与用に適した錠剤、カプセル、溶液剤、懸濁液およびその他の投与形態に含ませることができるし;非経口投与用に適した溶液剤および懸濁液に含ませることができるし;局所用目薬、徐放性製剤あるいは眼内注射液に適した溶液剤および懸濁液に含ませることができる。徐放性製剤、経口用製剤、眼内注射剤および局所用目薬の投与に適した点眼薬や組織灌注液などの溶液剤、懸濁液およびその他の製剤は、急性または慢性の網膜障害あるいは視神経乳頭障害の予防または治療に特に好ましい。これらの組成物は、WO 96/05840の記載(引用することにより本願明細書に含まれる)に従い、眼に局所的に投与することができる。
本発明はまた、網膜組織および視神経乳頭組織の処置に適した組成物を提供する。本発明の眼用組成物は、1つ以上のSOD模擬体と薬理学的に許容されるビヒクルを含む。各種のビヒクルを使用することができる。ビヒクルは、一般的には本来、水性のものである。製剤化が容易であるのみならず、患者がそのような組成物1〜2滴を眼の患部に垂らすことによって容易に投与できることから、水性溶液が一般的には好ましい。しかしながら、本発明のSOD模擬体はまた、懸濁液、粘性または半粘性ゲルあるいは他の固形または半固形組成物のような、その他のタイプの組成物にも容易に配合させることができる。比較的水に溶け難いSOD模擬体に対しては、懸濁液が好ましい。本発明の眼用組成物は、緩衝剤、保存剤、共溶媒および粘性形成剤等のその他の各種成分を含んでいてもよい。
適切な緩衝系(例えば、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムまたはホウ酸ナトリウム)を、保存中にpH変化を回避するために添加してよい。
眼科用製品は、概して多剤型でパッケージされる。従って、使用中の微生物汚染を回避するために、保存剤が必要である。適当な保存剤としては、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロブタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸二ナトリウム、ソルビン酸、ポリクオタニウム−1またはその他の当該分野で当業者に公知の薬剤等が挙げられる。そのような保存剤は、代表的には0.001〜1.0 w/v%の濃度で使用される。
投与経路(例えば、局所的、眼内注射、非経口的または経口的)および服用処方は、治療すべき病状の正確な状態、病状の重篤度および患者の年齢および一般的な肉体的健康状態等の要素を勘案して、熟練した医者によって決められる。
一般的に、上記目的のために使用される服用量は様々であるが、AMD、DRおよび網膜浮腫を予防または治療するための有効量である。本願明細書で使用されている“薬理学的な有効量”とは、AMD、DRおよび/または網膜浮腫をヒト患者において有効に治療するための1つ以上のSOD模擬体の量を意味する。上記目的のいずれかのために使用される投与量は、一般的に体重1kg当たり約0.01〜約100mgであり、1日に1〜4回投与される。組成物が局所的に投与されるときは、一般的に約0.001〜約5%(w/v)の濃度範囲で、1〜2滴が1日に1〜4回投与される。
本願明細書で使用されている“薬理学的に許容される担体”とは、安全な如何なる製剤をも意味し、少なくとも1個の本発明化合物の有効量を、所望の投与経路において適切に送達させるものである。
以下の実施例1および2は、眼内投与用、眼球周囲投与用または眼球後投与用注射または灌流に有用な製剤である。
Figure 2005513063
Figure 2005513063
以下に示す錠剤が、引用することにより本願明細書に含む米国特許5,049,586の記載に従い製造できる。
Figure 2005513063
本願発明は好ましい態様に言及して記載されている。しかしながら、本願発明の思想と本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形式あるいは変化したものに具体化されてもよいことを理解すべきである。従って、上記した具体的態様は、あらゆる点で実例に過ぎず、これに限定されるものではなく、本願発明の範囲は上記した記載よりも、むしろ添付の特許請求の範囲によって示される。

Claims (3)

  1. 式Iで表される化合物の薬理学的な有効量を治療が必要な患者に投与することを特徴とする、加齢性黄斑変性症(AMD)、前増殖糖尿病網膜症を含む糖尿病網膜症(DR)および/または網膜浮腫の治療方法。
    Figure 2005513063
    式中、R1〜R20は独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクロアルキル基またはヘテロシクロアルケニル基を表し、これら各基はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルケニル基、ハロゲン、トリハロメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基で、または遊離のあるいは機能的に修飾されている、水酸基、アミノ基またはチオール基で置換されていてもよく;
    または、同じ位置(例えばR1とR2、またはR3とR4、またはR5とR6、など)あるいは隣接した位置(例えば、R1とR3、またはR3とR5、またはR6とR7、など)にあるR群の二つはそれらが結合する炭素原子と一緒になって、不飽和のまたは芳香族の炭素数3〜20の炭素環を形成してもよく、該炭素環はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルケニル基、ハロゲン、トリハロメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基で、または遊離のあるいは機能的に修飾された、水酸基、アミノ基またはチオール基で置換されていてもよく;
    または、同じ位置(例えばR1とR2、またはR3とR4、またはR5とR6、など)あるいは隣接した位置(例えば、R1とR3、またはR3とR5、またはR6とR7、など)にあるR群の二つはそれらが結合する炭素原子と一緒になって、不飽和のまたは芳香族の炭素数2〜20の窒素含有複素環を形成してもよく、該複素環はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルケニル基、ハロゲン、トリハロメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基で、または遊離のあるいは機能的に修飾された、水酸基、アミノ基またはチオール基で置換されていてもよく;
    式Iにおいて中心のマンガンに結合している窒素は、該窒素がすでに三置換されているとき(例えば、当該窒素がピリジン環の一部であるとき)は、いずれの場合も水素を含まないと解釈され;
    X,YおよびZは薬理学的に許容されるアニオンであり;および
    nは0〜3である。
  2. 該式Iの化合物において、
    78C−N−CR910は、5〜8員の飽和または不飽和(芳香族を含む)の環を形成し、該環はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルケニル基、ハロゲン、トリハロメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基で、または遊離のあるいは機能的に修飾されている、水酸基、アミノ基またはチオール基で置換されていてもよく;
    5、R6、R11、R12、R17、R18、R19およびR20は、同一または異なって水素原子またはアルキル基であり;
    12C−CR34およびR1314C−CR1516は同一または異なって、5〜8員の飽和または不飽和(芳香族を含む)の環を形成し、該環はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルケニル基、ハロゲン、トリハロメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基で、または遊離のあるいは機能的に修飾されている、水酸基、アミノ基またはチオール基で置換されていてもよく;
    XおよびYは、塩素であり;および
    nは0である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の治療方法。
  3. 化合物が下記グループから選ばれることを特徴とする請求項3に記載の治療方法。
    Figure 2005513063
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