JP2005512560A - Dnaポリメラーゼを利用する組成物及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規の単離されたファミリーBのDNAポリメラーゼ、ThermococcusポリメラーゼJDF−3、及びその変異組み換え型を特徴とする。本発明の変異ポリメラーゼは、3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性を欠失しているか、及び/または、ポリメラーゼの野生型に比べて非従来型ヌクレオチドに対する識別が減少している。
本発明は、非従来型ヌクレオチドに対する識別が減少したDNAポリメラーゼ酵素を利用する組成物及び方法に関する。本発明の酵素は、検出可能な核酸の標識が求められる多くの用途において有用であり、DNAシーケンシング用途において特に有用である。
核酸の検出可能な標識は、研究ならびに臨床診断技術用途を含め、分子生物学における多くの用途に対して必要とされている。一般的に用いられている核酸の標識方法では、1つ以上の非従来型ヌクレオチドと、新しく合成される相補鎖への非従来型ヌクレオチドの鋳型依存性取り込みを触媒するポリメラーゼ酵素とを使用する。
本発明は、非従来型なヌクレオチドに対する識別が減少したDNAポリメラーゼ酵素を用いる組成物よび方法に関する。この特質をもつ酵素は、核酸の検出可能な標識を必要とする多くの用途において有用であり、DNAシーケンシング用途において特に有用である。
(a)第1のプライマーを鋳型DNA分子と接触させる工程であって、接触により第1のプライマーを鋳型DNA分子の所定位置にあるヌクレオチドの3’に隣接してアニールして、第1のプライマーと鋳型DNA分子との間に二本鎖が形成される工程と、
(b)工程(a)で得られる二本鎖を、ファミリーBのDNAポリメラーゼ及び少なくとも1つの連鎖終結用ヌクレオチドアナログの存在下においてインキュベートする工程であって、ファミリーBのDNAポリメラーゼは非従来型ヌクレオチドに対する識別が減少しており、ターミネータは第1の検出可能なラベルで標識されており、インキュベート工程によって、標識された連鎖終結用ヌクレオチドアナログのDNAポリメラーゼによる鋳型依存的第1のプライマーへの取り込みが可能になるインキュベーション工程と、
(c)第1の検出可能なラベルから発生されるシグナルによって工程(b)で得られる二本鎖の存在または正体を判定する工程とを含む。
(a)第1のプライマーと第2のプライマーとを鋳型DNA分子に接触させる工程であって、接触により、第1のプライマーは鋳型DNA分子の所定位置にあるヌクレオチドの3’に隣接してアニールし、第2のプライマーは鋳型DNA分子の所定位置にあるヌクレオチドの5’に隣接してアニールして、鋳型DNA分子と第1及び第2のプライマーとの間で複合体を形成し、該第1のプライマーは第2の検出可能なラベルで標識されており、第2のプライマーは第3の検出可能なラベルで標識されている接触工程と、
(b)工程(a)で得られる複合体を、DNAリガーゼの存在下でインキュベートする工程であって、インキュベーションにより第1のプライマーと第2のプライマーとが繋がれて単一の分子が形成されるインキュベーション工程と、
(c)第2及び第3の検出可能なラベルから発生されるシグナルによって、工程(b)で得られる単一の分子の存在または正体を判定する工程とを含む。
本発明は、非修飾の野生型に比べて非従来型ヌクレオチドに対する識別の減少をもたらす1つ以上の遺伝子変異を有する、ファミリーBのDNAポリメラーゼの発見に基づいている。ここで述べる全ての引例は、そっくりそのまま引用により本願に取り込む。
非従来型ヌクレオチドに対する識別の減少を見せるファミリーBのDNAポリメラーゼは以下のとおりである。
本発明に従えば、ファミリーBのDNAポリメラーゼは非従来型ヌクレオチドに対して識別の減少をみせる酵素を生じるように変異させることができる。表Iはこのファミリーによって分類した周知のDNAポリメラーゼの非限定的リストを含んでいる。
B.プラスミド
本発明に従うファミリーBのDNAポリメラーゼの生成のための出発配列は、プラスミドベクターに含有させることができる。クローン化したファミリーBのDNAポリメラーゼの非限定的なリスト、及びそれらのGeneBankアクセス番号が表IIに列挙されている。
ファミリーBのDNAポリメラーゼの修飾型の発現を許容するプラスミドは、既知の多数の中から当業者によって選択可能である。本発明に従う修飾DNAポリメラーゼの発現のためのプラスミドベクターは、DNAポリメラーゼの高レベル発現を指示する配列を含むことが好ましく、DNAポリメラーゼの誘導可能な高レベル発現を指示する配列を含むことがより好ましい。誘導可能な高レベル発現系の一例として、本発明に従う修飾DNAポリメラーゼをコードする配列をバクテリオファージT7プロモータの制御下においたプラスミドを、染色体内に誘導可能なT7RNAポリメラーゼ遺伝子を有した細菌に導入するようにしてもよい。T7RNAポリメラーゼ遺伝子の誘導によって、T7プロモータによって駆動される修飾DNAポリメラーゼ遺伝子の高レベル発現が誘導される(例えば、Gardner&Jack,Nucleic Acids Res.27:2545を参照のこと)。
C.突然変異誘発
様々な方法により、クローン化した野生型のファミリーBのDNAポリメラーゼに変異をかけて、非従来型ヌクレオチドに対して識別の減少を示す型を作成することができる。
プラスミド鋳型DNA(約0.5pモル)をPCRカクテルに加える。PCRカクテルは、1×変異バッファ(20mM トリスHCl,pH7.5;8mM MgCl2;40μg/mL BSA);12〜20pモルの各プライマー(当業者であれば、オリゴヌクレオチドプライマーのアニーリング特性に影響を及ぼす、塩基組成、プライマー長及び目的とするバッファ塩濃度などを考慮しながら、必要に応じて変異プライマーを設計するであろう。1つのプライマーには所望の変異が含まれていなければならず、1つ(同一または他の)には、その後のライゲーションを容易にするための5’ホスフェートを含んでいなければならない)、250μMの各dNTP、2.5UのTaqDNAポリメラーゼ、及び2.5UのTaqExtender(Stratageneより市販、Nielsonら(1994)Strategies7:27及び米国特許第5,556,772号を参照のこと)を含んでいる。PCRサイクルは以下のようにして行った。94℃4分間、50℃2分間及び72℃2分間の1サイクル行った後、94℃1分間、54℃2分間及び72℃1分間のサイクルを5〜10サイクル行う。親の鋳型DNA、及び線形の変異プライマーを取り込んだPCRで生成されたDNAをDpnI(10U)及びPfuDNAポリメラーゼ(2.5U)を用いて処理する。これにより、インビボでメチル化された親鋳型のDpnI消化と、PfuDNAポリメラーゼによる、線形PCR産物上の鋳型非指向性TaqDNAポリメラーゼによって延長された塩基の除去が達成される。反応は、37℃で30分間インキュベートした後、72℃にしてさらに30分間インキュベートする。0.5mM ATPを含有する変異バッファ(1×、115μL)をDpn−消化し、PfuDNAポリメラーゼで研磨したPCR産物に加える。溶液を混合し、そのうちの10μLを新しい微量遠心管に取り、T4DNAリガーゼ(2〜4U)を加える。ライゲーションは37℃で60分以上行う。最後に、処理済溶液を標準的な方法に従ってコンピテント大腸菌に形質転換する。
D.本発明に従う有用な非従来型ヌクレオチド
当該技術分野においては広範な非従来型ヌクレオチドが市販されている。それらのどれもが本発明のDNAポリメラーゼとともに使用できるものとする。そのような非従来型ヌクレオチドの非限定的リストが表IIIに示されている。
本発明に従って有用なさらなる非従来型ヌクレオチドとしては、限定されないが、7−デアザ−dATP、7−デアザ−dGTP、5’−メチル−2’−デオキシシチジン−5’−三リン酸などが挙げられる。さらなる非従来型ヌクレオチドまたは上記リスト以外の変形は、Wright&Brown,1990,Pharmacol.Ther.47:447によって検討されている。リボヌクレオチドは一般にDNAポリメラーゼによって取り込まれないことから、リボヌクレオチドは従来型ヌクレオチドとして適格でないことを特記しておく。ポリメラーゼが標識または未標識のリボヌクレオチドを取り込む能力を与える、もしくはその能力を高めるファミリーBのDNAポリメラーゼの修飾が、ここでは特に意図されている。
E.変異体の識別の減少の評価方法
当該技術分野において知られるようにして、あるいは本明細書に記載したようにして作成され、細菌中で発現されたランダムまたは部位特異的変異体について、いくつかの異なるアッセイによって非従来型ヌクレオチドに対する識別の減少をスクリーニングすることができる。1つの方法において、例えばLambda ZapII(登録商標)に基づいて発現ベクターによって宿主に感染させることによって生成された溶菌λファージプラーク中で発現させたファミリーBのDNAポリメラーゼタンパク質を、メンブレン支持体に転移させる。固定化されたタンパク質について、メンブレンを取り込みについて調べたいDNA鋳型と非従来型ヌクレオチドを含むバッファ中に浸漬することにより、メンブレン上のポリメラーゼ活性を検定する。
F.本発明に従う変異をかけたファミリーBのDNAポリメラーゼの発現
本発明に従うファミリーBのDNAポリメラーゼの変異型を発現させて単離するために、当該技術分野において周知の方法を適用することができる。多くの細菌発現ベクターは、外来配列によってコードされるタンパク質を高レベルで誘導可能に発現させることのできる配列要素または配列要素の組み合わせを含んでいる。例えば、上述のように、組み込まれた誘導可能型のT7RNAポリメラーゼ遺伝子を発現する細菌を、T7プロモータと連結した変異DNAポリメラーゼ遺伝子を保有する発現ベクターで形質転換するようにしてもよい。適当なインデューサ、例えば、lac誘導性プロモータに対するイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)を加えることによる、T7RNAポリメラーゼの誘導により、T7プロモータからの変異遺伝子の高レベル発現が誘導される(前掲Gardner&Jack,1999を参照のこと)。
G.ThermococcusJDF−3種の識別が減少した熱安定性DNAポリメラーゼの調製
ジデオキシヌクレオチド三リン酸(ddNTP)に対する識別の減少を示す熱安定性ファミリーBのポリメラーゼを調製するために、超好熱性古細菌ThermococcusJDF−3種に由来する3’→5’エキソヌクレアーゼ欠失(D141A)ファミリーBポリメラーゼをコードするDNA配列に対し、本明細書中に記載した「変異性PCR」を用いてランダム突然変異誘発を行い、バクテリオファージλZap(登録商標)II中にクローニングした。JDF−3に由来するポリメラーゼを選んだ理由は、Pyrococcus furiosus(Pfu)に由来するファミリーBのDNAポリメラーゼに比べて、プロセッシビティならびに、重合速度及びddNTP取り込みが優れているからである(下記の表IVを参照のこと)。変異体のライブラリーを大腸菌宿主上にプレーティングし、溶菌プラークを示したタンパク質を固体支持体上に移し、これをDNA鋳型ならびに4つすべてのα−33P標識されたジデオキシヌクレオチドを含むバッファ中に浸漬した。標識されたジデオキシヌクレオチドを取り込んだ変異体は、それらのα−33PddNTPを取り込む能力に対応するシグナルを発生した。単離されたクローンについて、全部で4つのdNTP及びH−TTPトレーサを用いるDNAポリメラーゼヌクレオチド取り込みアッセイにおいて、低レベルの各4つのジデオキシヌクレオチドに対する感受性の特徴づけを行った。ジデオキシヌクレオチドの取り込みはDNA鎖長延長を停止するので、ジデオキシヌクレオチドの優れた取り込み能力は、トリチウム標識されたデオキシヌクレオチドの取り込みを減少させる。未変異の原体DNAポリメラーゼはジデオキシヌクレオチドをめったに取り込まず、高いddNTPレベル(各ddNTP100〜160マイクロモル)でも50%しか阻害されない。変異酵素は、5〜40マイクロモル濃度のddNTPにおいて50%の阻害しか示さず、4つすべてのddNTPに対して高い取り込みが観察された(ddATP,ddCTP,ddTTP及びddGTP、下記実施例1の表V及びVIを参照のこと)。
実施例
以下の実施例は説明のみを意図して与えられるものであって、請求される本発明の範囲を限定することは一切意図していない。
A.Thermococcus JDF−3種DNAポリメラーゼからのDNAポリメラーゼ遺伝子のクローニング
Thermococcus種をフアンデフカ海峡より採取した海洋試料から培養した。ゲノムDNAを単離し、標準的な手順を用いてZAPII(Stratagene)中にゲノムDNAライブラリーを調製するために用いた。λライブラリーをXL1−BlueMRFの大腸菌上にプレーティングし、サンガーら(Sanger,G.,Ruger,R.,and Kessler,C.(1991)Gene97:119-123)によって記載されている方法の変形を用いて、DNAポリメラーゼ活性を有するクローンをスクリーニングした。活性ポリメラーゼを含むプラークの芯を抜き、SMバッファ中に保存した。陽性の一次プラークを再度プレーティングし、再度アッセイして、単離クローンの精製を可能にした。二次クローンをZAPIIシステム(Stratagene)によって提供される説明書に従って切り出し、インサートのDNA配列を決定した(図1)。
B.JDF−3DNAポリメラーゼをコードする遺伝子からのインテインの除去
ファミリーBのDNAポリメラーゼ配列とのアライメントにより、JDF−3DNAポリメラーゼクローンは、インテイン配列を含むことが分かった(図3及び図4)。組換え型JDF−3ポリメラーゼの発現を向上させるために、インテインを逆PCRによって除去した。PCRプライマーは、インテイン末端をコードする配列のすぐ上流または下流から開始するように設計し、プライマーの3’末端がインテインから遠ざかるような向きとした。プライマーにはライゲーションを容易にするために5’−リン酸基の修飾も行った。プラスミド/インサート配列を標準的な方法によってPCR増幅し環状化した。
C.3’−5’エキソヌクレアーゼ活性の減少したJDF−3DNAポリメラーゼ変異体の構築
3’−5’エキソヌクレアーゼ(プルーフリーディング)活性を欠失するDNAポリメラーゼは、ヌクレオチドアナログ取り込みを必要とする用途(例えば、DNAシーケンシング)に対して、取り込み後のヌクレオチドアナログの除去を防ぐために好ましい。プルーフリーディングDNAポリメラーゼに付随する3’−5’エキソヌクレアーゼ活性は、突然変異誘発によって減少または無くすことができる。配列の比較から、DNAポリメラーゼの3’−5’エキソヌクレアーゼドメイン中に3つの保存されたモチーフ(エキソI,II,III)が同定されている(V.Derbyshire,J.K.Pinsonneault,and C.M.Joyce,Methods Enzymol.262,363(1995)に概説)。Vent(H.Kong,R.B.Kucera,and W.E.Jack,J.Biol.Chem.268,1965(1993))及びPfu(Strawtagene,非公開)などの古細菌DNAポリメラーゼを含む、多数のDNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性は、保存されたアスパラギン酸またはグルタミン酸残基のどれをアラニンに置換しても無くすことができることが証明されている。保守的な置換により、古細菌9°N−7DNAポリメラーゼの変異体について示されているように、エキソヌクレアーゼ活性の減少が起こる(M.W.Southworth,H.Kong,R.B.Kuera,J.Ware,H.Jannasch,and F.B.Perler,Proc.Natl.Acad.Sci.93,5281(1996))。
複合エキソヌクレアーゼ変異体D141A+E143Aは、L項に記載のようにして作成した。
D.JDF−3DNAポリメラーゼ遺伝子の変異性PCR増幅
高フィデリティ複製を支持しないような条件下において全遺伝子(クローン#550)を増幅することにより、ランダム変異をエキソJDF−3中に導入した。潜在的変異体のスペクトルを広げるために、3つの異なるPCR酵素を変異性条件下で用いた。
サイクルパラメータ
PCRは、Hot Topアセンブリを備えたStratagene社のROBOCYCLER(商標)40温度サイクラを用いて実施した。以下は使用したサイクル条件である。
サイクルパラメータ
PCRは、Hot Topアセンブリを備えたStratagene社のROBOCYCLER(商標)40温度サイクラを用いて実施した。以下は使用したサイクル条件である。
サイクルパラメータ
PCRは、Perkin-Elmer社の9600温度サイクラを用いて実施した。以下は使用したサイクル条件である。
2)95℃で1分間
3)53℃で1分間
4)72℃で5分間
5)2)〜4)の工程を30回反復
順方向プライマー
変異体ライブラリーの初期バージョンを順方向プライマー461を用いて作成した。このプライマーは、EcoRI部位を含んでいる。プライマー461及び923によって増幅された産物を制限酵素によって切断し、以下のセクションに記載するようにλベクター中にクローニングした場合、ベクターによってコードされるβ−ガラクトシダーゼ(lacZ)タンパク質の最初の39のアミノ酸を有する融合タンパク質が合成される。
プライマー461を用いて単離されたクローンがp#で示されている。
E.クローニング用PCR産物の調製
PCR産物は、STRATAPREP(商標)PCR精製キット(Stratageneカタログ番号:400771)を用いて精製し、濃縮した。PCR産物を1.5×ユニバーサルバッファ(10×ユニバーサルバッファの組成は、1M KOAc、250mM トリス−Acetate(pH7.6)、100mM MgOAc、5mMβ−メルカプトエタノール及び100μg/mLBSAである)中、37℃で1時間、50ユニットのXhoIと50ユニットのEcoRIにて消化した。消化した試料を1%アガロース、1×TBEゲルに泳動し、臭化エチジウム染色によって可視化した。2.3kb増幅産物を、STRATAPREP(商標)DNAゲル抽出キット(Stratageneカタログ番号:400766)を用いてゲル分離し、精製した。
F.PCRインサートのUni−Zap(登録商標)XRλベクターへのクローニング
200ngの精製した増幅産物を、EcoRI及びXhoIで予め消化し、アルカリホスファターゼ(Stratageneカタログ番号:237211)で脱リン酸化しておいた1μgのUNI−Zap(登録商標)XRλベクター(Stratageneカタログ番号:239213)とライゲーションした。DNAは2ユニットのT4DNAリガーゼ(Stratageneカタログ番号:600011)及び0.5mMのATPを用いて、1×リガーゼバッファ(50mM トリス−HCl(pH7.5)、7mM MgCl2、1mM DTT)中、10〜15μLの反応体積でライゲーションした。ライゲーションは16℃にて最低16時間実施した。
G.λパッケージング及び細菌感染
各ライゲーション反応から2マイクロリットルをGIGAPACK(登録商標)IIIゴールドパッケージング抽出物(Stratageneカタログ番号:200201)を用いて室温で90分間パッケージングした後、500μLのSMバッファ(50mM トリスpH7.5、100mM NaCl、8mM MgSO4及び0.01%ゼラチン)及び20μLのクロロホルムで停止した。パッケージングされたλベクターを大腸菌XL1−BlueMRF宿主細胞上にプレーティングした。
H.ジデオキシヌクレオチドスクリーニング
変異ポリメラーゼライブラリーを、Sangerら(Sanger,G.,Ruger,R.,and Kessler,C.(1991)Gene97:119-123)によって用いられている技術の変形を用いてスクリーニングした。λファージクローンを1平方センチメートルあたり10〜20プラークの密度でプレーティングした。プラーク中に存在するタンパク質をフィルターに移し、ポリメラーゼスクリーニングバッファで濡らした(50mM トリス(pH8.0),7mM MgCl2,3mMβ―ME)。フィルターをプラスチックラップとガラスの層の間に保った状態で、65℃で30分間インキュベートすることにより、宿主細胞タンパク質を熱不活性化した。熱処理したフィルターを新鮮なプラスチックラップに移し、約35μLのポリメラーゼアッセイカクテルをフィルター1平方センチメートル毎に加えた。ポリメラーゼアッセイカクテルは、1×クローン化Pfuマグネシウム非含有バッファ(Stratagene、カタログ番号:200534)、125ng/mL 活性化させた子牛胸腺またはサケ精子DNA、1.29μCi/mLα−33PddNTP(Amersham)及び0.5mM MnCl2から構成される。最初のスクリーニングは、MnCl2の存在下で行われたが、1×Taqポリメラーゼバッファ中でスクリーニングすることを好ましい方法とした(1.5mM MgCl2)。再度プラスチックラップとガラス板の間にフィルタを置き、65℃で1時間インキュベートした後、70℃で1時間15分間インキュベートした。フィルターを1回の洗浄につき5分間ずつ、2×SSC中で3回洗浄し、その後100%エタノール中で2回リンスし、真空乾燥器中で乾燥させた。次にフィルターを約16時間X線フィルムに露光した。強いシグナルに対応するプラークの芯を抜き、SMバッファ中においた。陽性の一次プラークをさらに薄い濃度で再度プレーティングし、実質的に類似する条件下においてアッセイし、単離されたプラークを精製できるようにした。
Dye−ジデオキシヌクレオチドスクリーニング
dye−デオキシヌクレオチド及びdye−ジデオキシヌクレオチドの利用能力が高められた変異ポリメラーゼを検出するために、JDF−3変異DNAポリメラーゼライブラリーを以下のことを除いては前述のようにしてスクリーニングした。
Flu−12−dUTPスクリーニングのためのポリメラーゼアッセイカクテル:
0.9×Taqバッファ(Stratageneカタログ番号:200435)、65μM dATP、65μM dCTP、65μM dGTP、65μM dTTP、0.3μMフルオレセイン−12−dUTP(Stratagene社内製品)、0.75μg/μL活性化子牛胸腺DNA。
ROX ddNTPのためのポリメラーゼアッセイカクテル
1×Taqバッファ、0.9μM dATP,0.9μM dCTP,0.9μM dGTP,0.9μM dTTP,0.6μM ROX ddATP(New England Nuclear(NEN)NEN478)、0.06μM ROX ddGTP(NEN NEL479)、0.06μM ROX ddCTP(NEN NEL477)、0.06μM ROX ddUTP(NEN NEL476)、0.84μg/μL活性化子牛胸腺DNA(注意:DNAポリメラーゼがddGTPに対する識別をしないことから、ROX ddGTPを含まないスクリーニング系が好ましい方法である)。
フルオレセインddUTPのためのポリメラーゼアッセイカクテル
1×Taqバッファ、70μM dATP、70μM dTTP、70μM dCTP、15μM dTTP、1μM フルオレセイン−12−ddUTP(NEN NEL401)、0.84μg/μL活性化子牛胸腺DNA。
フルオレセインへの抗体の結合
フィルタをTBST(50mM トリスpH8.0、150mM NaCl、0.05%Tween−20)中に溶解した1%の脱脂粉乳によって4℃で一晩ブロックした。フィルタをTBST中で簡単に洗浄した後、イルミネータキット(Stratageneカタログ番号:300360)からのアルカリホスファターゼ共役抗フルオレセイン抗体を、50mLのTBST中、1/10,000希釈で加えた。100mM トリスpH9.5、100mM NaCl、及び5mM MgCl2からなるバッファ中にそれぞれ0.3mg/mL及び0.15mg/mLの濃度のNBT/BCIPで抗体を検出した。
ローダミンへの抗体の結合
抗ROX抗体(Zymedカタログ番号71−3600ウサギローダミン(5−ROXポリクローナル、1mg/mL)をTBST中に1:1000希釈した。ブロックしたフィルタを簡単に吸い取って余分な水分を除き、プラスチックラップ上に置いて、2.5mLの希釈抗体溶液で覆った。プラスチックラップをもう1枚フィルター上に置いてから、室温で1時間インキュベートした。フィルタをTBSTで簡単に3回洗浄し、それぞれ15分間を3回穏やかに攪拌しながら洗浄した。洗浄したフィルタを、TBST中に1:5000希釈したアルカリホスファターゼ共役ヤギ抗ウサギ抗体とともにインキュベートした。フィルタを抗体とともに1時間インキュベートしてから、前述のようにNBT/BCIPを用いて検出した。
I.ジデオキシヌクレオチド認定
一次ライブラリスクリーニングにおいて33P標識ddNTPを取り込んだλファージクローンを再度スクリーニングして、ポリメラーゼ活性を確認し、33P−ddNTP取り込みに対する二価金属イオンの寄与を調べた。この回のスクリーニングのあいだに選択されたクローンをp#として示した。これらのクローンはすべて、「順方向プライマー」のタイトルの項において考察したように、アミノ末端タグを含んでいた。図5は、クローンp1,p2,p3,p6,p7,p8,p9,p10,p11,p12,p14,p15及びp16が、親#550クローンとのシグナル強度の類似性に基づいて、野生型レベルのDNAポリメラーゼ活性を示すことを表している(図5、パネル3)。最初のスクリーニングは0.5mM MnCl2の存在下で行われたにも拘わらず、p9とp10を除くすべてのクローンが、33P標識ddNTPを、1.5mM MgCl2(パネル2)の存在下と同等の程度に取り込むことができ、クローンp2,p4,p8,p11,p12,p13,p14,p15,p17,及びp18は最も高いシグナルを発生した。
Dye−ジデオキシヌクレオチド認定
前述のように、一次λクローンを大腸菌芝上にスポッティングし、適当な抗体又は抗原を用いて再スクリーニングした。
J.λクローンの切り出し
ラムダZap(商標)ベクターは、適切な条件下でヘルパーファージとともにインキュベートした場合に、pBluescript(SK−)及びインサートを含むベクターの一部のファージミドコピーを生産するように設計されている。このプロセスにより、ラムダクローン中に含まれていたものと同一のインサートを保持するプラスミド(pBluescriptSK−)ベクターが得られる。所望の表現型を有するクローンの切り出しは、EXASSIST(商標)システム(Stratageneカタログ番号:200253)のなかの説明書に従って実施した。
K.変異体の配列解析
変異体のシーケンシングは、以下のプライマーを用いてSequentech Corporation(カリフォルニア州、マウンテンビュー)によって行われた。
5’CCAGCTTTCCAGACTAGTCGGCCAAGGCC3’
プライマー5(またはJDF3−1128)
5’AACTCTCGACCCGCTG3’
L.ジデオキシヌクレオチド突然変異誘発
ddNTP識別の減少に寄与するアミノ酸を結論的に同定するために、QUIKCHANGE(商標)部位特異的突然変異誘発キット(Stratageneカタログ番号:200518)を用いて個々の点変異をエキソ−JDF−3#550クローン中に導入した。以下の変異体を調製した。L408H,L408F,P410L,A485T,S345P,D373Y,A619V及びL631V。さらに、A485T変異をエキソ−JDF−3P410L変異クローン中に導入することにより、二重変異(P410L/A485T)を構築した。すべての3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を完全に除去するために、変異D141Aをすべてのクローンに与えた。すでに存在している5’→3’エキソヌクレアーゼ変異(E143A)は、親鋳型JDF−3 550中に存在していた。
Dye−ジデオキシヌクレオチド突然変異誘発
ダイヌクレオチドの識別の減少に寄与するアミノ酸を結論的に同定するために、変異S345P単独と、P410L及びP410L+A485Tと組み合わせたものとを作成した。
M.熱処理された細菌抽出物の調製
切り出したプラスミドを含む大腸菌SOLR細胞を37℃で一晩増殖させた。500μLの培養物に含まれる細胞を微量遠心分離によって回収した。細胞ペレットを50μLの50mM トリス(pH8.0)中に再懸濁した。リゾチームを最終濃度1μg/μLとなるように加え、細胞を37℃で10分間、次に65℃で10分間インキュベートする間に溶解した。熱不活性化細胞材料を微量遠心分離によって回収し、上清について以下のようにしてdNTP及びddNTP取り込みを調べた。
N.JDF−3及びJDF−3ポリメラーゼ変異体の精製。
i.細菌溶解物の調製
凍結細胞ペースト(3〜14グラム)を、50mM トリス−HCl(pH8.0)、1mM EDTA及び10mMβ−メルカプトエタノールからなる3倍体積の溶解バッファで再懸濁した。リゾチームを0.2mg/mLで加え、PMSFを最終濃度1mMで加えた。細胞を1時間かけて氷上で溶解した。溶解物を2分間超音波処理した(90%効率、2×2.5、1×3.0レベル)。超音波処理に続いて、溶解物を65℃で15分間加熱し、細菌のタンパク質を変性させた。加熱した溶解物を、SorvallSS−34ロータを用いたSorvallRC−2B遠心機中、14.5Krpmで30分間遠心分離し、上清を回収した。
ii.硫酸アンモニウム分画及びQセファロース/DNAセルロースクロマトグラフィ(方法1)
硫酸アンモニウムを細胞溶解物に最終濃度45%で加えた。硫酸アンモニウムは15分間かけて加え、混合物はさらに30分間攪拌した。混合物を上述のように遠心分離し、上清を回収した。追加の硫酸アンモニウムを最終濃度が65%となるまで加えた。混合物を上述のように遠心分離し、上清を除去した。ペレットを、50mM トリス−HCl(pH7.5)、1mM EDTA、10mMβ−メルカプトエタノール、01%(v/v)Tween20、及び10%(v/v)グリコールから成るバッファA10mL中に再懸濁した。バッファーAを2回交換(各3リットル)しながら、上清を一晩透析した。
iii.HiTrapQ/HiTrapヘパリンクロマトグラフィー(方法2)
複数の変異体を迅速に精製するのに好ましい方法は以下のとおりである。熱変性工程の直前にTwee20とイゲパールCA630とを最終濃度が0.01%(v/v)となるように添加し、熱変性温度として72℃を用いたことを除いては、細菌細胞溶解物を上記方法1のようにして調製した。
iv.精製タンパク質の分析
JDF−3及び変異DNAポリメラーゼの濃度は、Pierceのクーマシーブルータンパク質アッセイ試薬を用いて、BSA基準(Pierce)に対して決定した。さらに、種々のポリメラーゼ調製物の純度と相対タンパク質濃度をSDS−PAGEにより確認した。ポリメラーゼ試料を4〜20%トリス−グリシンゲル(Novex)上で電気泳動し、標準的な方法を用いてゲルを銀染色した。
O.ヌクレオチド取り込みアッセイ
DNAポリメラーゼ活性は、精製したJDF−3ポリメラーゼ変異体または様々な変異体クローンから調製した熱処理後の細菌抽出物を用いて測定した。DNAポリメラーゼ活性は、活性化された子牛胸腺DNAへの3H−TTPの取り込みによってモニターすることにより測定した。典型的なDNAポリメラーゼ反応カクテルは以下のものを含んでいた。
取り込みは、1μLのポリメラーゼ試料を10μLのポリメラーゼカクテルのアリコートに加えることによって測定した。DNAポリメラーゼ試料を適当な保存バッファ(例えば、25mM トリス−HCl(pH7.5)、100mM KCl、0.1mM EDTA、1mM DTT、0.1%(v/v)Tween20、0.1%(v/v)イゲパール630、10μg/mL BSA、及び50%(v/v)グリセロール)中に希釈した。重合反応は、72℃で30分間行った。延長反応を氷上で停止させ、5μLのアリコートをDE81イオン交換フィルター(2.3cm;Whatman#365323)に迅速にスポットした。未取り込みの[3H]TTPは、2×SCC(0.3M NaCl,30mMクエン酸ナトリウム、pH7.0)で6回洗浄し、100%エタノールで簡単に洗浄することによって除去した。取り込まれた放射能をシンチレーションカウントによって測定した。酵素を欠如する反応についても、試料のインキュベーションと平行して行い、「全cpms」(フィルタ洗浄工程を省略)及び「最小cpms」(フィルタを上述のように洗浄)を決定した。
P.ddNTP取り込み効率の定量化
相対ddNTP取り込み効率を調べるために、JDF−3ポリメラーゼ変異体について評価を行った。様々な濃度の各ddNTPターミネータ(ddATP,ddCTP,ddGTP及びddTTP)の存在下で、ヌクレオチド取り込みを測定した。ddNTP取り込みによって延長不能末端が生成されるため、ddNTPを効率的に取り込むポリメラーゼに対して重合は強力に阻害される。ヌクレオチド取り込みの約50%阻害をもたらすddNTP濃度(I50%)を比較することにより、様々なポリメラーゼまたはポリメラーゼ変異体のddNTP取り込み効率を比較することができる。ddATP,ddCTP,ddGTP及びddTTPのI50%値を比較することにより、特定の塩基に対する感受性が減少した変異体を同定することができる。このような変異体は、より均一なDNAシーケンシングラダーを生むと予想された。
1.5mM MgCl2
50mM KCl
0.001%ゼラチン
5μM[3H]TTP(NEN#NET−221H,20.5Ci/ミリモル;エタノールを除去するために部分的に蒸発)
250μg/mLの活性化子牛胸腺DNA(例えば、Pharmacia#27−4575−01)
12の反応カクテルのそれぞれに、以下にまとめたように適当な量のdNTP及びddNTPを加えた。
10μLの各ポリメラーゼカクテルに、1μLの適当に希釈した細菌抽出物(10,000cpm)を加えることにより取り込みを測定した。重合反応は72℃で30分間行った。延長反応は上記のようにして計数した。
より多数の変異クローンのスクリーニングを行えるようにするために、次の実験ではJDF−3ポリメラーゼ変異体を含む細菌抽出物を用いた。さらに、低濃度の各ddNTP阻害剤(5〜20μM)を用いることにより、感受性を高めた。表VIの結果は、一次フィルタースクリーニングから選択された変異体のすべてがddNTP取り込みの向上を示したことが示されている。ddNTP取り込みの向上は20倍を超えるものであった。アミノ酸408(L408H/F)、410(P410L)、または485(A485T)における変異(「一次変異」と呼ぶ)を含むすべての変異体が、4つすべてのddNTPに対して識別の減少を示した。全部ではないにせよ大半のL408H/F一次変異を有する変異体が、4つすべてのddNTPに対して非常に類似したI50%値(2倍未満の相違)を示し、塩基選択性を持たないか減少していることがわかった。
Q.精製JDF−3ポリメラーゼ変異体を用いたシーケンシング
i.放射性標識したジデオキシヌクレオチドによるシーケンシング
1〜2μLの精製酵素をThermo Sequenase放射性標識ターミネータサイクルシーケンシングキット(Amersham-Pharmacia#US79750)に代入した。試料は、キットによって提供される対照プライマーと鋳型を用いて、製造業者の指示に従って処理した。各3マイクロリットルの各シーケンシング反応系を、6%アシルアミド−7M尿素、1×TBE CASTAWAY(商標)プレキャストゲル(Stratageneカタログ番号:401090及び401094)上にローディングした。ブロモフェノールブルー指示染料がゲルの端に到達したところで、ゲルを固定し、乾燥させ、24〜72時間、フィルムに露光した(図6)。
ii.放射性標識されたプライマーと蛍光ジデオキシヌクレオチドを用いたシーケンシング
様々なDNAポリメラーゼ及びポリメラーゼ変異体は、ジデオキシヌクレオチドアナログ上のダイ部分に対して様々な程度の識別を示すと思われる。JDF−3ポリメラーゼ変異体によるダイ標識ジデオキシヌクレオチドアナログの利用を評価した。以下の方法を用いた。
シーケンシングプライマーSKをKINACE-IT(商標)キナージングキット(Stratageneカタログ番号:200390)を用いて放射性標識した。インキュベーション反応系(40μL)は、以下の成分を含んでいた。
0.75 μCi/μL γ−33P ATP
0.375 μ/μL T4ポリヌクレオチドキナーゼ
2.5 pmol/μL SKプライマー
反応系を37℃で45分間インキュベートした。プライマーをサイズ排除マトリックス(NUC TRAP(登録商標)Stratageneカタログ番号:400701)を用いて遊離のヌクレオチドから精製した。
b.ダイ標識したジデオキシヌクレオチド:dNTP比
蛍光ジデオキシヌクレオチドはNew England Nuclear(NEN)より購入した。
R110−ddTP NENカタログ番号:NEL−495
TAMRA−ddUTP NENカタログ番号:NEL−472
ROX−ddCTP NENカタログ番号:NEL−477
3つの異なる濃度のダイ標識ジデオキシヌクレオチド(ddNTP)及び一定量のデオキシヌクレオチド(dNTP:2.14μM)を用いて取り込みを測定した。
条件2)1:0.1 (2.14μM各dNTP:0.214μMダイ標識ddNTP)
条件1)1:0.01 (2.14μM各dNTP:0.0214μMダイ標識ddNTP)
c.DNAシーケンシング反応混合物の調製
4つのポリメラーゼ、エキソ−JDF−3(#550クローン)、Thermo Sequenase(4U/μL)、JDF−3 P410L(補助変異を有するクローンp8及びアミノ末端タグ)及びJDF−3L408H(クローン1−1)について、ダイ標識ddNTPの利用を調べた。以下の試薬を含む混合物を構成した。
13.7μL H2O
1μL 標識SKプライマー(2pmol/μL)
1μL pBluescript KS(0.2μg/μL)
1μL ポリメラーゼ(〜1.5U/μL)
2μL 10×バッファ(1.5mM MgCl2を利用するL408H以外のすべてに対して反応バッファ1、バッファ(下記参照)
10×反応バッファ1
260mM トリスpH9.5
65mM MgCl2
10×1.5mM MgCl 2 バッファ
24mM MgCl2
260mM トリスpH9.5
2.5μLの各ダイ標識ddNTPターミネータ(ddGTP,ddATP,ddTTP及びddGTPを4本のチューブの1つに別々に分注した。4.5μLの各ポリメラーゼ反応系を4本のチューブそれぞれに加え、最終反応体積7μLとした。
試料は、Hot Topアセンブリ(Stratageneカタログ番号:400870及び400894)を備えたRoboCycler(登録商標)96温度サイクラにおいて、以下の条件を用いて循環させた。
2)95℃で1分間
3)50℃で1分間
4)72℃で2分間
5)ステップ2)〜4)を30回反復
4μLの停止溶液(95%ホルムアミド、20mM EDTA、0.05%ブロモフェノールブルー、0.05%キシレンシアノールFF)を各増幅反応系に加えてから、99℃で5分間加熱した。試料を上述のように6%CASTAWAY(商標)ゲル上に電気泳動した。ゲルを乾燥させ、フィルムに72時間露光した(図7)。
iii.二重変異エキソ−JDF−3DNAポリメラーゼによるシーケンシング
残基408,410及び485における変化が、ddNTP取り込みを向上するのに十分であるかどうかを確認するために、個々の変異を部位特異的突然変異誘発により親550(JDF−3エキソ−DNAポリメラーゼ)クローンに導入した。さらに、点変異を組み合わせて、単一の変異をもつポリメラーゼに比べてジデオキシヌクレオチド取り込みを向上させるかどうかについて調べた。
9μL −20ロングプライマー(2pmol/μL)
6μL pBluescript KS(0.2μg/μL)
**μLポリメラーゼ
12μL10×バッファ(260mM トリスpH9.5,65mM MgCl2)
上記一覧に示した18μLのカクテルを、適当な数のチューブ(ポリメラーゼにつき1本)に等分した。各ポリメラーゼ(2μL)をカクテルのアリコートに加え、チューブをよく混合した。得られたそれぞれのポリメラーゼ混合物(4.5μL)を、予め0.06mMの4つの−33P−ジデオキシヌクレオチド(ddATP,ddTTP,ddGTPまたはddTTP;1500Ci/mmol;450μCi/mL)のうちの1つと、6mMの各デオキシヌクレオチドを2.5μLの体積中に含む、4本のチューブのそれぞれに加えた。
2)95℃で45秒間
3)60℃で45秒間
4)72℃で1.5分間
5)ステップ2)〜4)を30回反復
停止溶液(μL;95%ホルムアミド、20mM EDTA、0.05%ブロモフェノールブルー、0.05%キシレンシアノールFF)を各反応系に加えてから、99℃で5分間加熱した。各試料(4μL)を6%アクリルアミド変性CASTAWAYゲル上にローディングした。ゲルを泳動し、前述のように処理した。
iv.JDF−3ポリメラーゼ変異体によるリボヌクレオチド取り込み
一本鎖DNA鋳型にアニールしたプライマーを、変異体及び原体ポリメラーゼを用いて、すべてのリボヌクレオチドまたはすべてのデオキシヌクレオチドを含有する混合物中で延長した。
38マープライマー:
5’GGTTTTCCCAGTCACGACGTTGTAAAACGACGGCCAGT3’
非最大レベルでの取り込み活性を調べるために酵素のどの程度の希釈が必要であるかを決定するために、予備アッセイを行った。最終アッセイ溶液は、以下の組成とした。
リボヌクレオチド混合物
20ng/μL アニールされるプライマー/鋳型
1× クローン化Pfuバッファ(Stratageneカタログ番号:200532)
200μM 各GTP,UTP,ATP
50μM CTP
1μM 5−3H CTP20.2Ci/ミリモル
0.05〜0.3ユニット JDF−3ポリメラーゼ*
デオキシリボヌクレオチド混合物
20ng/μL アニールされるプライマー鋳型
1× クローン化Pfuバッファ
200μM 各dGTP,dATP,dCTP
50μM TTP(デオキシリボヌクレオチド)
1μM チミジン5’−三リン酸、[メチル−3H]20.5Ci/ミリモル
0.05〜0.3ユニット JDF−3ポリメラーゼ*
*別々に添加
9マイクロリットルのポリメラーゼを含まない混合物を0.2mLのチューブに入れてから、ポリメラーゼを加えた。試料は、Hot Topアセンブリ(Stratageneカタログ番号:400870及び400894)を備えたROBOCYCLER(登録商標)96温度サイクラー中72℃でインキュベートした。2分後にデオキシリボヌクレオチド混合物を取り出し、約2℃においた。リボヌクレオチド混合物は30分間インキュベートした。7マイクロリットルのアッセイ混合物を円形のDE81フィルタ(Whatmann)にスポッティングし、乾燥させてから、2×SSC(0.3M NaCl,0.03Mクエン酸ナトリウム)中で各回5分間ずつ3回洗浄した。フィルタをエタノール中で2回リンスし、乾燥させてからシンチレーションカウンタで定量化した。
ポリメラーゼ NTP/dNTP比 JDF−3に対する
550
JDF-3 550 0.000165162 1
JDF-3 L408H 0.041087258 249
JDF-3 L408F 0.051703924 313
JDF-3 AL485T 0.007628583 46
v.JDF−3ポリメラーゼ変異体を用いてリボヌクレオチドシーケンシング
デオキシリボヌクレオチドポリマーに取り込まれたリボヌクレオチドは、ポリマー長のサブ集団を与えうるアルカリ加水分解を受けやすい。標識したプライマーを特定のリボヌクレオチド塩基(例えばATP)及び4つのデオキシリボヌクレオチド塩基の存在下で延長すると、アルカリ加水分解によって得られる断片が、ATPが取り込まれた可能性のある位置のすべてに対応する、異なる長さの集団を形成する。これらの断片を大きさによって分けると、他のリボヌクレオチド塩基(CTP,UTP及びGTP)加水分解産物に関する、それらの移動パターンによって、鋳型配列の読みとりを行うことができる。前述したように、殆どのDNAポリメラーゼは非従来型デオキシヌクレオチドに対する区別を行う。非従来型ジデオキシヌクレオチドの取り込みが向上したJDF−3DNAポリメラーゼ変異体のサブセットもまた、リボヌクレオチド取り込みに対して耐性が高められている。
38マープライマー:
5’GGTTTTCCCAGTCACGACGTTGTAAAACGACGGCCAGT3’
10T.1E(10mM トリスpH8.0,0.1mM EDTA)中、NUCTRAP(登録商標)プローブ精製カラム(Stratageneカタログ番号:400701)を用いて、混入している遊離のヌクレオチドから標識オリゴヌクレオチドを精製した。0.32mM MgCl2の存在下で95℃に加熱してから室温に冷却することにより、標識したオリゴヌクレオチド(〜7ピコモル)を0.09ピコモルのM13mp18+にアニールした。
延長成分
0.054 pM アニールされるプライマー/鋳型
200μM 各dNTP
1×cPfu DNAポリメラーゼバッファ(Stratageneカタログ番号:200532)
4〜200 ATP*
0.1〜5ユニット JDF−3ポリメラーゼ*
*別個に添加
上記最初の3つの成分を含む8マイクロリットルのカクテルを、0.2mLチューブに等分した。1μLのポリメラーゼと1μLの2mM、0.2mM、または0.4mM ATPを加え、反応系を72℃で15分間インキュベートした。1×cPfuポリメラーゼバッファを用いて反応体積を100μLにし、1.5mLチューブに移した。反応系を70mM NaOHの存在下、100℃で15分間加熱した後、反応系は70mM HClで中和し、10μLの3M酢酸ナトリウム及び327.5μLのエタノールを加えることにより沈殿させた。試料を14krpmで30分間微量遠心分離してから、上清を除去し、ペレットを80%エタノールで洗浄した。真空乾燥後、試料を5μLのシーケンシング停止溶液(95%ホルムアミド、20mMEDTA、0.05%ブロモフェノールブルー、0.05%キシレンシアノールFF)中に再懸濁し、2.5μLを6%アシルアミド−7M尿素、1×TBE CASTAWAY(商標)プレキャストゲル(Stratageneカタログ番号:401090及び401094)上にローディングした。ゲルはブロモフェノールブルー染料がゲルの底部を通過するまで50ワットで泳動し、その後ゲルを固定し、乾燥し、72時間フィルムに露光した。
vi.dye−ジデオキシヌクレオチドターミネータによるシーケンシング
プライマーはFAMddCTP(NENNEL481)の存在下で延長させた。シーケンス反応系を精製し、ABI370上で泳動した。
55℃ 30秒間
72℃ 2分間
試料は製造業者の指示に従って、CentriSepを用いて精製した。乾燥後、試料を66.7%脱イオンホルムアミド、16.7mg/mLブルーデキストラン、及び8.3mMEDTAからなる3μLのローディング染料中に再懸濁した。試料を95℃で3分間加熱し、ABI PRISM377DNAシーケンサー中、5%LongRangenゲル上にローディングした。
実施例2
DNAの標識
本発明の修飾DNAポリメラーゼは、DNAのラベリングにも応用することができる。当業者には、放射性標識ヌクレオチドの取り込みを含めて、DNAを標識するためのいくつかの手段があることが知られている。そのような一般的な手段の1つとして、典型的には約50〜1000塩基長の標識されたDNA断片を生成することを可能にするランダムプライミングがある。本明細書中に記載する手順は、F.Ausubelら、Ahort Protocols in Molecular Biology,Third Edition,John Wiley and Sons,Inc.,1995に準じたものである。
R.Dye−ジデオキシヌクレオチド取り込みに対するゲルアッセイ
標識したオリゴヌクレオチド二本鎖を、ジデオキシヌクレオチドとdye−ジデオキシヌクレオチドの混合物によって延長した。二本鎖を変性20%アクリルアミド/7M尿素ゲル上で分離すると、ジデオキシヌクレオチドによって終結された標識オリゴヌクレオチドを、dye−デオキシヌクレオチドで終結されたオリゴヌクレオチドから分解することができる。
オリゴヌクレオチド:
259C 32P−TAACGTTGGGGGGGGGCA→
258C TGCAACCCCCCCCCGTAT
259Cの5’末端は、32Pγ−ATPを用いたことを除いては、Q.ii.の項で記載したように標識し、精製した。標識したオリゴヌクレオチオド259Cは約0.7ng/μLの濃度であった。相補的オリゴヌクレオチド(258C)を同濃度で加え、95℃で3分間、50℃で5分間、室温で20分間加熱した。関連する変異体の熱殺傷溶解物は、実施例のC.項に記載のようにして調製した。反応系を、30mM トリスpH8.0及び3mM MgCl2からなる5μL体積中、全体で0.1mMのヌクレオチド混合物とともにインキュベートした。FLUddUTPまたはROXddUTPに対するddTTPの比は、10:1であった。2量体は、1.2ピコモルの濃度で存在しており、0.5μLの酵素または粗溶解物または精製酵素を反応系に加えてから、Hot Topを備えたRobeCycler(登録商標)Gradient96温度サイクラー中、50℃でインキュベートした。試料を20秒間インキュベートしてから、3μLのホルムアミドをベースとするローディング染料を加え、試料を95℃で3分間熱変性させた後、20%アクリルアミド/7M尿素ゲル上にローディングし、一定の60ワットにて電気泳動した。ゲルをX線フィルムに露光し、フィルムをEagleEye(登録商標)Eeagle Sightソフトウェアパッケージにおいて分析した。
実施例3
本発明の修飾DNAポリメラーゼは、鋳型DNA分子の所定の位置にあるヌクレオチドを、例えばミニシーケンシングによって、同定するためにも応用することができる。例えば、JDF−3DNAポリメラーゼP410L/A485T変異体(JDF−3 D141A/E143A/P410L/A485T)は、低ddNTP/dNTP比(1/100)を用いて最長かつ最も均一な放射性DNAシーケンシングラダーを発生し、このことは、効率的なddNTP取り込み、最小の塩基選択性、及び高いポリメラーゼ活性を示している。本例では、このJDF−3DNAポリメラーゼP410L/A485T変異体の特性、及び変異ポリメラーゼを用いたミニシーケンシングに対する条件を最適化する手順について記載する。
A.実験プロトコール
i.材料
StrataPrep PCRカラム、StrataPrep DNAゲル抽出カラム、冷ddNTP、子牛アルカリホスファターゼ及びpBluescriptIIはStratagene社製のものを用いた。ローダミン標識ddNTPは、NENより購入した。EDTA/ブルーデキストラン、ローダミン染料−マトリックス標準、及びSNaPshot ddNTPプライマー延長キットは、Applied Biosystemsより購入した。Thermo Sequenase(TaqF667Y変異体)は、Amersham Pharmacia Biotech社製のものを用いた。Long Rangerポリアクリルアミドゲル(6%)はBMAより購入した。エビアルカリホスファターゼ及びエキソヌクレアーゼIは、USB社製のものを用いた。CENTRI-SEPスピンカラムは、Princeton Separationsより購入した。脱イオン化ホルムアミドは、Sigma社製のものを用いた。表VIIに配列が挙げられているオリゴヌクレオチド(PAGE精製済)は、Genset oligosより購入した。他のすべての試薬は分子生物学グレードのものを用いた。
ii.プライマー:鋳型形成
二本鎖のプライマー鋳型対は、10mM トリス−HCl(pH8)及び0.1mM EDTAを含む溶液中で、95℃5分間、室温までゆっくり冷却という温度レジメを用いて鋳型を10倍過剰の適当なプライマーとアニーリングすることによって形成した。プライマー:鋳型の濃度は、一本鎖鋳型のモルとして表される。
iii.産物の分析
ダイ標識した産物を6%ポリアクリルアミド/尿素ゲル上で分解し、Applied Biosystemsモデル377DNAシーケンサ上で、3.1.2GeneScan断片分析ソフトウェアを用いて、ピーク同定及び蛍光測定のために可視化した。ローダミン染料マトリックスを製造業者のプロトコールに従ってABI377シーケンサ上にインストールした。
iv.JDF−3P410L/A485TDNAポリメラーゼの精製と最適な反応バッファ
JDF−3 P410L/A485TをXL−10 Gold中で発現させ、上記Brad Scottによる「JDF−3 P410L/A485T変異体の精製」Product Transfer Documentにおいて記載したようにして精製した。1ユニットの酵素とは、72℃、30分間以内に全10ナノモルのヌクレオチドを酸不溶状態に取り込むことを触媒する量として定義される。JDF−3P410L/A485Tに対する10×反応バッファは、200mM トリス−HCl(pH8.8)、100mM KCl、100mM(NH4)2SO4、20mM MgSO4を含有する。
v.酵素アッセイ
a.ローダミン標識−ddNTP取り込み及び誤取り込みの速度論的分析
ローダミン標識−ddNTP取り込みに対するKm及びVmax値は、50mMのプライマー:鋳型を、限界量のポリメラーゼ(0.1ユニットまたは5nM)とともにインキュベートし、ローダミン標識−ddNTPの濃度を0.1nMから500nMの範囲で変化させることによって測定した。試料は60℃で10分間インキュベートした。その後、反応を氷冷0.2MEDTA(最終濃度)を用いて停止した。CENTRI−SEPスピンカラム上で延長されたプライマー:鋳型を精製することにより、取り込まれなかったローダミン標識ddNTPを除去した。次に反応系を乾燥させ、ペレットを3:1ホルムアミド:EDTA/ブルーデキストラン中に溶解し、ABI377シーケンサ上で6%変性PAGEにより解析した。3.1.2GeneScanソフトウェアを用いてすべてのピーク領域の定量化を実施し、Lineweaver-Burkプロットを用いてKm及びVmax値を算出した。
b. フィデリティのスクリーニング
反応(10μL)は1×反応バッファ中に1ユニットの酵素、15nMプライマー鋳型、25nMの非標識相補的ddNTP、及び25,100,500または1000nMのローダミン標識非相補的ddNTPとを4つの異なる反応系に含むものとした。反応系をPerkin-Elmer9600中で、96℃10秒→50℃5秒→60℃30秒を1サイクルとして25サイクルにわたってインキュベートした。次に氷冷0.2MEDTA(最終濃度)で反応を停止し、取り込まれなかったローダミン標識ddNTPから産物を精製し、上述のように解析した。
c.ローダミン標識ddNTP取り込みについてのアッセイ
これらの実験は、1ユニットの酵素と、15mMプライマー:鋳型と(4つの別個の反応系中にpBL25C及びTemp−A、Temp−T、Temp−C、またはTemp−G)、50nMdye−ddNTP(TAMRA−またはR110−標識)とを用いて実施した。反応系を60℃で10分間インキュベートした後、氷冷0.2MEDTA(最終濃度)で反応を停止し、取り込まれなかったローダミン標識ddNTPから産物を精製し、上述のように解析した。
B.最適化手順:
i.ミニシーケンシング用DNA鋳型の調製
インサートのSNPを含む断片を標準的なPCR条件を用いてゲノムDNAから増幅する。この研究では、PCR反応を、2.5ユニットのTaqPlus PrecisionDNAポリメラーゼブレンドを用いて実施した。ヒトα−1−抗トリプシン遺伝子の4kb断片を、10pmolのpPC26G及びpPC29Cプライマー(表VII)を用いて、100ngのヒトゲノムDNAから増幅した。Robocyclerにおいて以下のプログラムを用いた。95℃2分間を1サイクル、95℃1分間、58℃1分間、及び72℃4分間を30サイクル、続いて72℃7分間を1サイクル。
ii.プラスミドまたはPCR増幅された断片を用いたミニシーケンシングプロトコール
pBluescript(0.25pmol)のミニシーケンシングは、0.15pmolの各プライマー(例えば、pBL25C)、1ユニットの酵素、0.04μMのR6G−ddA、R110−ddG、及びROX−ddC、及び0.2μMのTAMRA−ddUを用いて行った。PCR増幅された断片を用いる場合には、0.02pmol/rxnと低い鋳型濃度を用いた。すべての反応は10μLの体積中で実施した。熱サイクルプログラムは以下のように構成した。Perkin-Elmer9600において96℃10秒間、50℃5秒間、及び60℃30秒間のサイクルを25サイクル、またはRobocyclerにおいて96℃50秒間、50℃50秒間、及び60℃50秒間のサイクルを25サイクル。
C.結果
i.バッファ及び反応温度の最適化
ThermococcusJDF−3種のDNAポリメラーゼが、古細菌P.furiosusのDNAポリメラーゼ(Pfu)と密接に関係しているため、クローン化Pfuバッファ(10×バッファ:200mM トリス−HCl(pH8.8)、100mM KCl、100mM(NH4)2SO4、20mM MgSO4、1%TritonX100、及び1mg/mL BSA)をバッファ最適化の出発点として用いた。バッファ及び反応温度変化による酵素活性の変化は、pBL34A:pBluescriptプライマー:鋳型の系を用いてR6G−ddATPを測定することによって決定した。このバッファ中にTritonX−100及びBSAが存在すると、シーケンシングゲル中に人工産物(二重バンド効果)を生み出すことが判明した(データ示さず)。酵素活性は、それぞれ様々な濃度のKCl(20,40または80mM)、(NH4)2SO4(5または20mM)、及びMgSO4(4または8mM)の存在下、pH8.4及び9.5にて測定した。これらの変化のいずれもJDF−3P410L/A485Tの活性に顕著な影響を与えなかった。したがって、BSA及びTritonを含まないクローン化Pfuバッファが、ミニシーケンシングにとって最適の反応バッファであると同定された。さらに、JDF−3P410L/A485Tの活性対温度プロファイルから、ヌクレオチド組み込みは60℃〜72℃において有意に増大しないことが分かった(データ示さず)。延長温度をミニシーケンシングプライマーの融点未満に保つために、後続のすべての実験は60℃で実施した。
ii.ローダミン−ジデオキシリボヌクレオチドの取り込み
JDF−3P410L/A485T及びTaqF667Y変異体によるローダミン標識−ddNTPの相対取り込みを決定した。我々はTAMRA−及びR110−標識ddNTPの両方を用い、取り込まれたdye−ddNTPの量をフルオレセインユニットとして測定した。これらの実験は、プライマーとしてpBL25C、相補的鋳型としてTemp−A,Temp−T,Temp−CまたはTemp−Gを4つの別個の反応系中で用いて実施した。これらの4つのプライマー:鋳型系の間での唯一の違いは、SNP部位であり、これにより当該プライマー:鋳型配列がdye−ddNTP取り込みに効果をもつ可能性を評価することができる。図16のパネルBは、JDF−3P410L/A485TがTAMRA−ddGTP及びTAMRA−ddCTPを、TAMRA−ddATP及びTAMRA−ddUTPに比べてわずかに効率良く取り込むことを示している。R110標識したddNTPを用いた場合、ddCTP及びddGTPもまた、ddATPとddUTPよりも効率よく取り込まれる(図16パネルA)。GardnerとJackは、VentDNAポリメラーゼ(古細菌Thermococcus litoralisに由来)15のA488L変異体(JDF−3A485と等価)によるリボヌクレオチドの取り込みにおける変化も観察している。実際に、VentA488L変異体は、UMPをCMP,GMP及びAMPよりも10倍も低い効率でしか取り込まず、野生型VentDNAポリメラーゼは、dUMP取り込みい対して同等の偏りを示した。
iii.重合反応に対する速度論的パラメータ
プライマー:鋳型及びローダミン−ddNTPに対するKm及びVmax値は、実験プロトコールに記載のようにして決定した。これらの値は表VIIIに報告する。この表ではJDF−3P410L/A485TとTaqF667Yの速度論的特性を比較している。この比較により、JDF−3P410L/A485TとTaqF667変異体とが類似した定常状態速度論的パラメータを示し、したがって、プライマー:鋳型及びローダミン−ddNTP基質の両方に対して類似のアフィニティを有することが確立された。
iii.フィデリティ
フィデリティは、増加量の非相補的ヌクレオチドの存在下において、DNAポリメラーゼが正確なヌクレオチドを取り込む傾向として決定した。これらのアッセイでは、実験プロトコールのなかで記載したように、一定量のプライマー:鋳型、非標識相補的ddNTP及びDNAポリメラーゼ、及び様々な濃度のローダミン標識非相補的ddNTPを用いた。誤延長されたプライマーの量を、ローダミン標識された誤ったddNTP/非標識の正しいddNTPの比に対してプロットする(図18パネルA及びB)。我々は、すべての可能性のあるミスペアに対して同様のアッセイを行った(表IX)。
太字で示した2つのミスペアは、JDF−3P410L/A485T変異体と比較して、TaqF667YDNAポリメラーゼによってより効率よく形成された。
ddT:dC及びddG:dTの2つのミスペアは、JDF−3P410L/A485Tと比べて、TaqF667Y変異体(ThermoSequenase及びAmpliTaqFS)によって有意に高い頻度で(3〜20倍)形成された(図18パネルA及びB)。他のミスペアは、JDF−3P410L/A485T及びTaqF667Yに対して、より低い頻度かつ、同等の速度で形成された。
表Xに示されるように、ddG:dTに対するTaqF667Yの誤挿入頻度は、JDF−3P410L/A485Tによって示されるものよりも有意に高い(〜17倍)。この相違の殆どは、誤dye−ddNTP:プライマー:鋳型の三重複合体に対するKmの違いによるものである。TaqF667Y変異体は、JDF−3P410L/A485T変異体と比べて、dTに対する誤ったヌクレオチド(ddGTP)に対して7倍低いKm(高い結合アフィニティ)を示した。
iv.ミニシーケンシングキットの開発:
ミニシーケンシングとゲル電気泳動とによるSNP検出には次の5つの主たる工程が含まれている。(i)血液または組織試料からのDNAの抽出;(ii)DNPを含むゲノムDNAの特異的断片のPCR増幅;(iii)未反応のPCRプライマーとdNTPを除去するためのミニシーケンシング前のPCR産物の処理;(iv)PCR産物のミニシーケンシングと延長されたプライマーの精製;(v)ゲル電気泳動とGeneScanソフトウェア(ABI)を用いた蛍光標識プライマーの分析。ここで、我々は工程(iii)及び(iv)を最適化し、酵素、反応バッファ、ローダミン標識ddNTP及び対照プライマー:鋳型系とを含んだミニシーケンシングキットを開発した。
他の実施形態
他の実施形態は同業者には明らかであろう。上記詳細な説明は明確化のためだけに提供されるものであって、説明的なものにすぎない。本発明の精神及び範囲は、上記実施例には限定されるのではなく、請求項によって包含される。
Claims (61)
- 鋳型DNA分子の所定位置にあるヌクレオチドを同定するための組成物であって、前記組成物は、非従来型ヌクレオチドに対する識別が減少したファミリーBのDNAポリメラーゼと、第1のプライマーとを含み、前記第1のプライマーは前記鋳型DNA分子の所定位置にある前記ヌクレオチドの3’に隣接してアニールすることを特徴とする組成物。
- 前記ファミリーBのDNAポリメラーゼは、JDF−3DNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- 前記JDF−3DNAポリメラーゼは、配列番号:2の配列を有し、さらに、D141,E143,A485,L408またはP410における1つ以上のアミノ酸変異をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の組成物。
- 前記JDF−3DNAポリメラーゼは、D141AまたはD141T、E143A、L408HまたはL408F、A485T、及びP410Lからなる群より選ばれる1つ以上のアミノ酸変異を有することを特徴とする請求項3に記載の組成物。
- 前記JDF−3DNAポリメラーゼは、D141A,E143A,P410L及びA485Tに4つのアミノ酸変異を含むことを特徴とする請求項4に記載の組成物。
- 前記ファミリーBのDNAポリメラーゼは、3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性を欠失していることを特徴とする請求項1〜5に記載の組成物。
- 少なくとも1つの連鎖終結用ヌクレオチドアナログをさらに含み、前記連鎖終結用ヌクレオチドアナログは、前記ファミリーBのDNAポリメラーゼによって鋳型依存的に前記第1のプライマー中へ取り込まれることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- 少なくとも1つの連鎖終結用ヌクレオチドアナログは、第1の検出可能なラベルで標識されていることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- 1つより多い連鎖終結用ヌクレオチドアナログが標識されており、各連鎖終結用ヌクレオチドアナログは異なる第1の検出ラベルによって標識されていることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- 前記連鎖終結用ヌクレオチドアナログは、ジデオキシヌクレオチドであることを特徴とする請求項7に記載の組成物。
- 前記ジデオキシヌクレオチドは、ddATP,ddTTP,ddCTP及びddGTPからなる群より選択されることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
- 前記第1のプライマーは、第2の検出可能なラベルによって標識されていることを特徴とする請求項8に記載の組成物。
- 第1及び第2の検出可能なラベルは、鋳型DNA分子の所定位置にある前記ヌクレオチドを同定するためのシグナルを発生することを特徴とする請求項12に記載の組成物。
- 第2のプライマーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- 前記第1のプライマーは第2の検出可能なラベルで標識されており、前記第2のプライマーは第3の検出可能なラベルで標識されており、前記第2及び第3の検出可能なラベルは、鋳型DNA分子の所定位置にある前記ヌクレオチドを同定するためのシグナルを発生することを特徴とする請求項14に記載の組成物。
- 前記第2のプライマーは、前記鋳型DNA分子の所定位置にある前記ヌクレオチドの5’に隣接してアニールすることを特徴とする請求項15に記載の組成物。
- DNAリガーゼをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の組成物。
- 前記ファミリーBのDNAポリメラーゼのための反応バッファをさらに含む請求項1に記載の組成物。
- 前記鋳型DNA分子は、ポリメラーゼ連鎖反応の産物またはプラスミドDNAであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- 前記第1または第2または第3の検出可能なラベルは、蛍光ラベル、放射性同位体、化学発光ラベル、量子ドットラベル、抗原、またはアフィニティ分子からなる群から選ばれる1つであることを特徴とする請求項8,12または15に記載の組成物。
- 前記第1の検出可能なラベルは、ローダミンラベルまたはシアニンラベルであることを特徴とする請求項20に記載の組成物。
- 鋳型DNA分子の所定位置にあるヌクレオチドを同定するためのキットであって、前記キットは、非従来型ヌクレオチドに対する識別が減少したファミリーBのDNAポリメラーゼと、第1のプライマーとを含み、前記第1のプライマーは前記鋳型DNA分子の所定位置にある前記ヌクレオチドの3’に隣接してアニールすることを特徴とするキット。
- 前記ファミリーBのDNAポリメラーゼは、JDF−3DNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項22に記載のキット。
- 前記JDF−3DNAポリメラーゼは、配列番号:2の配列を有し、さらに、D141,E143,A485,L408またはP410における1つ以上のアミノ酸変異をさらに含むことを特徴とする請求項23に記載のキット。
- 前記JDF−3DNAポリメラーゼは、D141AまたはD141T、E143A、L408HまたはL408F、A485T、及びP410Lからなる群より選ばれる1つ以上のアミノ酸変異を有することを特徴とする請求項24に記載のキット。
- 前記JDF−3DNAポリメラーゼは、D141A,E143A,P410L及びA485Tに4つのアミノ酸変異を含むことを特徴とする請求項25に記載のキット。
- 前記ファミリーBのDNAポリメラーゼは、3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性を欠失していることを特徴とする請求項22〜26に記載のキット。
- 少なくとも1つの連鎖終結用ヌクレオチドアナログをさらに含み、前記連鎖終結用ヌクレオチドアナログは、前記ファミリーBのDNAポリメラーゼによって鋳型依存的に前記第1のプライマー中へ取り込まれることを特徴とする請求項22に記載のキット。
- 少なくとも1つの連鎖終結用ヌクレオチドアナログは、第1の検出可能なラベルで標識されていることを特徴とする請求項22に記載のキット。
- 1つより多い連鎖終結用ヌクレオチドアナログが標識されており、各連鎖終結用ヌクレオチドアナログは異なる第1の検出ラベルによって標識されていることを特徴とする請求項22に記載のキット。
- 前記連鎖終結用ヌクレオチドアナログは、ジデオキシヌクレオチドであることを特徴とする請求項28に記載のキット。
- 前記ジデオキシヌクレオチドは、ddATP,ddTTP,ddCTP及びddGTPからなる群より選択されることを特徴とする請求項31に記載のキット。
- 前記第1のプライマーは、第2の検出可能なラベルによって標識されていることを特徴とする請求項29に記載のキット。
- 第1及び第2の検出可能なラベルは、鋳型DNA分子の所定位置にある前記ヌクレオチドを同定するためのシグナルを発生することを特徴とする請求項33に記載のキット。
- 第2のプライマーをさらに含むことを特徴とする請求項22に記載のキット。
- 前記第1のプライマーは第2の検出可能なラベルで標識されており、前記第2のプライマーは第3の検出可能なラベルで標識されており、前記第2及び第3の検出可能なラベルは、鋳型DNA分子の所定位置にある前記ヌクレオチドを同定するためのシグナルを発生することを特徴とする請求項35に記載のキット。
- 前記第2のプライマーは、前記鋳型DNA分子の所定位置にある前記ヌクレオチドの5’に隣接してアニールすることを特徴とする請求項36に記載のキット。
- DNAリガーゼをさらに含むことを特徴とする請求項37に記載のキット。
- 前記ファミリーBのDNAポリメラーゼのための反応バッファをさらに含む請求項22に記載のキット。
- 前記鋳型DNA分子は、ポリメラーゼ連鎖反応の産物またはプラスミドDNAであることを特徴とする請求項22に記載のキット。
- 前記第1または第2または第3の検出可能なラベルは、蛍光ラベル、放射性同位体、化学発光ラベル、量子ドットラベル、抗原、またはアフィニティ分子からなる群から選ばれる1つであることを特徴とする請求項29,33または36に記載のキット。
- 前記第1の検出可能なラベルは、ローダミンラベルまたはシアニンラベルであることを特徴とする請求項41に記載のキット。
- 対照鋳型及び/または少なくとも1つの対照プライマーをさらに含む請求項22,28または39に記載のキット。
- 対照鋳型及び4つの対照プライマーを含む請求項43に記載のキット。
- 試料中の鋳型DNA分子の所定位置にあるヌクレオチドを同定する方法であって、前記方法は、
(a)第1のプライマーを前記鋳型DNAに接触させる工程であって、前記接触によって前記第1のプライマーは、前記鋳型DNA分子の所定位置にある前記ヌクレオチドの3’に隣接してアニールすることができ、これにより前記第1のプライマーと前記鋳型DNAとの間で二本鎖が形成される工程と、
(b)工程(a)からの前記二本鎖を、ファミリーBのDNAポリメラーゼ及び少なくとも1つの連鎖終結用ヌクレオチドアナログの存在下でインキュベートする工程であって、非従来型ヌクレオチドと前記ターミネータに対する識別が減少した前記ファミリーBのDNAポリメラーゼは第1の検出可能なラベルで標識されており、前記インキュベーション工程によって、DNAポリメラーゼによる標識された連鎖終結用ヌクレオチドアナログの前記第1のプライマーへの鋳型依存的取り込みが可能になるインキュベーション工程と、
(c)工程(b)からの前記二本鎖の有無または正体を、前記第1の検出可能なラベルによって発生されるシグナルによって判定する工程とを含む方法。 - 前記ファミリーBのDNAポリメラーゼは、JDF−3DNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項45に記載の方法。
- 前記JDF−3DNAポリメラーゼは、配列番号:2の配列を有し、さらに、D141,E143,A485,L408またはP410における1つ以上のアミノ酸変異をさらに含むことを特徴とする請求項46に記載の方法。
- 前記JDF−3DNAポリメラーゼは、D141AまたはD141T、E143A、L408HまたはL408F、A485T、及びP410Lからなる群より選ばれる1つ以上のアミノ酸変異を有することを特徴とする請求項47に記載の方法。
- 前記JDF−3DNAポリメラーゼは、D141A,E143A,P410L及びA485Tに4つのアミノ酸変異を含むことを特徴とする請求項48に記載の方法。
- 前記ファミリーBのDNAポリメラーゼは、3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性を欠失していることを特徴とする請求項45〜49に記載の方法。
- 少なくとも1つの連鎖終結用ヌクレオチドアナログが第1の検出可能なラベルによって標識されていることを特徴とする請求項45に記載の方法。
- 1つより多い連鎖終結用ヌクレオチドアナログが標識されており、各連鎖終結用ヌクレオチドアナログは異なる第1の検出ラベルによって標識されていることを特徴とする請求項45に記載の方法。
- 前記連鎖終結用ヌクレオチドアナログは、ジデオキシヌクレオチドであることを特徴とする請求項45に記載の方法。
- 前記ジデオキシヌクレオチドは、ddATP,ddTTP,ddCTP及びddGTPからなる群より選択されることを特徴とする請求項53に記載の方法。
- 前記第1のプライマーは、第2の検出可能なラベルによって標識されていることを特徴とする請求項45に記載の方法。
- 第1及び第2の検出可能なラベルは、鋳型DNA分子の所定位置にある前記ヌクレオチドを同定するためのシグナルを発生することを特徴とする請求項55に記載の方法。
- 前記鋳型DNA分子は、ポリメラーゼ連鎖反応の産物またはプラスミドであることを特徴とする請求項45に記載の方法。
- 工程(a)の前に、PCR産物からPCRプライマー及びdNTPを除去する工程をさらに含む請求項57に記載の方法。
- 試料中の鋳型DNA分子の所定位置にあるヌクレオチドを同定する方法であって、前記方法は、
(a)第1のプライマーと第2のプライマーを、前記鋳型DNA分子に接触させる工程であって、前記接触によって前記第1のプライマーは、前記鋳型DNA分子の所定位置にある前記ヌクレオチドの3’に隣接してアニールすることができ、前記第2のプライマーは、前記鋳型DNA分子の所定位置にある前記ヌクレオチドの5’に隣接してアニールすることができ、これにより前記鋳型DNA分子と前記第1のプライマー及び前記第2のプライマーの間で複合体が形成され、前記第1のプライマーは第2の検出可能なラベルで標識されており、前記第2のプライマーは第3の検出可能なラベルで標識されている工程と、
(b)工程(a)からの前記複合体を、DNAリガーゼ存在下でインキュベートする工程であって、該インキュベーション工程によって、単一の分子を形成するように前記第1及び第2のプライマー間のライゲーションが可能になる工程と、
(c)工程(b)からの単一の分子の有無または正体を、前記第2及び第3の検出可能なラベルによって発生されるシグナルによって判定する工程とを含む方法。 - 前記第1または第2または第3の検出可能なラベルは、放射性ラベル、蛍光ラベル、化学発光ラベル、比色ラベル、及び酵素ラベルからなる群より選択される1つであることを特徴とする請求項45,55または59に記載の方法。
- 前記第1の検出可能なラベルは、ローダミンラベルまたはシアニンラベルであることを特徴とする請求項60に記載の方法。
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