JP2005512526A - 定量を標準化するための組成と方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、酵素活性スクリーンの発現標準化のための組成及び方法を提供する。また、アッセイにおける遺伝子発現の標準化及び酵素活性を測定する高処理酵素学的スクリーンの方法も提供する。また、新規インテイン及びそれらをコードする核酸も提供する。

Description

発明の詳細な説明
技術的領域
本発明は、一般に分子遺伝学及び薬化学に関連する。一例として、本発明は、酵素活性スクリーンの発現標準化の組成及び方法を提供する。
背 景
タンパク質スプライシングは、前駆体タンパク分子から内部タンパク配列の除去及び二種の隣接結合による成熟タンパク産物の生成に関与している。このタンパク翻訳後のイベントは、rRNAからのイントロンの除去に類似している。「イントロン」をスプライシングするこれらのタンパクは、「インテイン」と呼ばれている。タンパク質スプライシングが達成されるそのメカニズムは、その内部タンパク配列、あるいはインテイン内に完全にコードされている。
細胞増殖及び遺伝子発現の多様性は、酵素の性質に関する変化の高感度検出を制限する。このような多様性は、遺伝子発現の変化と酵素活性スクリーンにおける比活性の変化を区別することを不可能にしている。発現標準化の導入は、如何なる活性のスクリーンの感度、信頼性及び生産性の改良を可能にするものである。
総 括
本発明は、少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパク質を提供し、そのタンパク質は、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパクドメインを含む第一のドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二ドメイン、及び検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインを含み、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つの解離又はスプライシング活性を持っている。
一例として、酵素とは、ニトリラーゼ(nitrilase)、ラセマーゼ(racemase)、キナーゼ、あるいはエポキシド ハイドロラーゼ(epoxide hydrolase)のようなハイドロラーゼ、フォスファターゼ、リパーゼ、あるいはプロテアーゼである。一例として、結合タンパク質とは、抗体又は受容体である。
一例として、インテインは、SEQ ID NO:1として示される核酸配列にコードされるポリペプチドを含む。あるいは、インテインは、SEQ ID NO:2として示される配列を含む。
一例として、検出可能残基ドメインは、検出可能なペプチド又はポリペプチドを含む。検出可能なペプチド又はポリペプチドは、生物蛍光又は化学蛍光ペプチド又はポリペプチドであり得る。一例として、生物発光又は化学発光ポリペプチドは、グリーン蛍光タンパク質(GFP)、アクオリン(aequolin)、オベリン(obelin)、ネオプシン(mneopsin)、あるいはベロビン(berovin)を含む。一例として、検出可能残基ドメインは、検出可能なシグナルを産生する酵素を含む。検出可能なシグナルを産生する酵素は、アルファー-ガラクトシダーゼ、抗生物質(例えば、クロラムフェニコール アセチルトランスフェラーゼ)、あるいはキナーゼを含めることができる。検出可能残基ドメインは、放射性同位体を含めることができる。
一例として、キメラタンパク質は、組換え融合タンパク質である。
一例として、インテイン ドメインのスプライシング活性は、インテイン ド メインと検出可能ドメインから酵素ドメインの解離を引き起こす。インテイン ドメインのスプライシング活性は、インテイン ドメインと検出可能ドメインから酵素ドメインの解離及びインテイン ドメインから検出可能ドメインの解離を引き起こすことができる。一例として、インテイン ドメインのスプライシング活性は、インテイン ドメインから検出可能ドメインの解離を引き起こす。一例として、インテイン ドメインは、スプライシング活性のみ保持する。インテイン ドメインは、解離活性のみ持ち得る。
一例として、少なくとも一つのドメインは、リンカーにより他のドメインから分離されている。そのリンカーは、フレキシブルなリンカーでもよい。インテイン ドメインは、リンカーにより、検出可能ドメイン及び酵素ドメインから分離されてもよい。
本発明は、本発明のキメラタンパク質をコードする単離又は組換え核酸を提供する。そのタンパク質は、例えば、少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパク質で、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパク ドメインを含む第一のドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二のドメイン、及び検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインを含み、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つの解離又はスプライシング活性を持っている。
本発明は、本発明の核酸を含む発現カセットを提供する。その核酸は、例えば、少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパク質をコードする単離又は組換え核酸であり、そのキメラタンパク質は、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパク ドメインを含む第一のドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二のドメイン、及び検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインから成っており、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つの解離又はスプライシング活性を持っている。
本発明は、本発明の核酸を含むベクターを提供する。その核酸は、その核酸は、例えば、少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパク質をコードする単離又は組換え核酸であり、そのキメラタンパク質は、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパク ドメインを含む第一のドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二のドメイン、及び検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインから成っており、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つの解離又はスプライシング活性を持っている。
本発明は、本発明の核酸を含む細胞を提供する。その核酸は、例えば、少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパク質をコードする核酸であり、そのキメラタンパク質は、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパク ドメインを含む第一のドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二のドメイン、及び検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインから成っており、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つの解離又はスプライシング活性を持っている。
本発明は、本発明の核酸を含む非ヒト形質変換動物を提供する。その核酸は、例えば、少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパク質をコードする核酸であり、そのキメラタンパク質は、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパク ドメインを含む第一のドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二のドメイン、及び検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインから成っており、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つの解離又はスプライシング活性を持っている。
本発明は、以下のステップを含む遺伝子発現を標準化する方法を提供する:(a)少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパク質をコードする核酸を与える。そのキメラタンパク質は、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパク ドメインを含む第一のドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二のドメイン、及び検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインから成っており、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つの解離又はスプライシング活性を持っている。(b)そのキメラタンパク質が発現し、インテインドメインが、少なくとも、一つのスプライシング活性を持つようにその核酸を発現させる。そして、(c)酵素又は結合タンパク質の活性及び発現させた検出可能残基ドメインの量を測定し、それにより遺伝子の発現を標準化する。
一例として、検出可能残基ドメインは、検出可能なペプチド又はポリペプチドを含む。その検出可能なペプチド又はポリペプチドは、蛍光ペプチド又は蛍光ポリペプチドであってもよい。その蛍光ペプチド又は蛍光ポリペプチドは、細胞中で発現させてもよく、FACS又は同等の装置を利用してその蛍光を測定することができる。
一例として、核酸は、インビボで発現させるか、インビトロで発現させる。
本発明は、以下のステップを含む酵素活性を測定するための高処理酵素スクリーン法を提供する:
(a)本発明の核酸又は発現媒体(例えば、ベクター)を与える。それらは、少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパク質をコードし、そのキメラタンパク質は、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパク ドメインを含む第一のドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二のドメイン、及び検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインから成っており、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つの解離又はスプライシング活性を持っている。(b)その核酸又は発現媒体(例えば、ベクター)をインビボ、あるいはインビトロで発現させる。(c)酵素活性及び発現させた検出可能残基ドメインの量を測定する。
本発明は、以下のステップを含む結合活性を測定するための高処理結合タンパク質スクリーン法を提供する:(a)本発明の核酸又は発現媒体(例えば、ベクター)を与える。それらは、少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパク質をコードし、そのキメラタンパク質は、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパク ドメインを含む第一のドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二のドメイン、及び検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインから成っており、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つの解離又はスプライシング活性を持っている。(b)その核酸又は発現媒体(例えば、ベクター)をインビボ、あるいはインビトロで発現させる。(c)結合活性及び発現させた検出可能残基ドメインの量を測定する。
本発明は、以下のポリペプチドを含む(又はを含む)単離、あるいは組換えポリペプチドを提供する。(a)SEQ ID NO:2 少なくとも 100 残基にわたり少なくとも 90 % の同等性を持つアミノ酸配列を含むポリペプチド、あるいは(b)(i) SEQ ID NO:1 少なくとも 100 残基にわたり少なくとも 90 % の同等性を持つ核酸配列;又は (ii) SEQ ID NO:1 として示される配列、あるいはそのサブ配列を含む核酸に厳格な条件下でハイブリダイズする核酸を含む核酸にコードされるポリペプチド。ここに言う配列同等性は、配列比較アルゴリズム又は可視的な検索分析により決定される。別例として、インテイン活性は、解離活性又はスプライシング活性を意味する。そのペプチドは、SEQ ID NO:2 の少なくとも 50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、又はそれ以上の残基にわたり少なくとも 55 %、60 %、65 %、70 %、75 %、80 %、85 %、90 %、95 %、98 %、99 % 又は、それ以上の配列相同性を持つアミノ酸配列を含む(又はを含む)ポリペプチドであり得る。そのポリペプチドは、SEQ ID NO:2 として示されるアミノ酸配列を持てる。
一例として、単離又は組換えインテイン ポリペプチドは、天然においてインテインの N- 末端、C-末端、あるいはそれら両末端に結合している如何なる配列とも結合してない(例えば、Aquifex 配列)。一例として、本発明は、SEQ ID NO:2の少なくとも 100 残基にわたり少なくとも 90 % の同等性を持つアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む(又はを含む)単離又は組換えポリペプチドを提供するが、このポリペプチドは、天然においてインテインの N- 末端、C-末端、あるいはそれら両末端に結合している如何なる配列とも結合してない(例えば、Aquifex 配列)。
本発明は、SEQ ID NO:1 少なくとも 100 残基にわたり少なくとも 90 % の同等性を持つ核酸配列を含む(又はを含む)単離又は組換え核酸を提供する。ここに言う配列同等性は、配列比較アルゴリズム又は可視的な検索分析により決定される。その核酸は、SEQ ID NO:1 の少なくとも 50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、800、900、1000、又はそれ以上の残基にわたり少なくとも 55 %、60 %、65 %、70 %、75 %、80 %、85 %、90 %、95 %、98 %、99 % 又は、それ以上の配列相同性を持つ核酸配列を含めることができる。一例として、配列比較アルゴリズムとは、BLAST 版2.2.2アルゴリズムであり、Blastall -p Blastp -d "nr pataa" -F Fがフィルターセッティングとしてセットされ、他の全てのオプションはデフォルトにセットされる。
一例として、この単離又は組換え核酸は、天然においてインテインをコードする配列の3'末端、5'-末端、あるいはそれら両末端に結合している如何なる配列とも結合してない(例えば、Aquifex 配列)。一例として、本発明は、SEQ ID NO:1 の少なくとも 100 残基にわたり少なくとも 90 % の同等性を持つ配列を含む(又はを含む)単離又は組換え核酸を提供するが、このポリペプチドは、天然においてインテインの 3'- 末端、5'-末端、あるいはそれら両末端に結合している如何なる配列とも結合してない(例えば、Aquifex 配列)。
本発明は、単離又は組換え核酸を与えるが、ここに言う核酸とは、SEQ ID NO:1 として示される配列を含む核酸と、厳格な条件下において、ハイブリダイズする配列を含んでいる。一例として、その核酸は、その遺伝子又は転写体の少なくとも 50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、800、900、1000、又はそれ以上の残基長、あるいは完全長の核酸を意味する。厳格な条件下とは、65 ℃ の温度で0.2 X SSCによるおおよそ15分間の洗浄を含む。
本発明は、インテイン活性を持つポリペプチドをコードしている核酸を同定するための核酸プローブを提供する。ここに言うプローブとは、SEQ ID NO:1 として示される配列を含む配列の少なくとも 10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、あるいはそれ以上の連続塩基配列を含んでいる。
本発明は、インテイン活性を持つポリペプチドをコードしている核酸を増幅するための増幅プライマー配列ペアーを与える。ここに言う増幅プライマーペアーとは、SEQ ID NO:1 として示される配列を含む核酸を増幅することができる。
本発明は、インテイン活性を持つポリペプチドをコードしている核酸を増幅する方法を提供し、SEQ ID NO:1 として示される核酸配列又はそのサブ配列を増幅することのできる増幅プライマー配列ペアーを用いた鋳型核酸の増幅を含んでいる。
本発明は、本発明の核酸を含む発現カセットを与え、その配列とは、例えば、SEQ ID NO:1 の少なくとも 100 残基にわたり少なくとも 90 % の同等性を持つ。ここに言う核酸は、インテイン活性を持つ少なくとも一種のポリペプチドをコードし、その配列同等性は、配列比較アルゴリズム又は可視的な検索分析により決定される。
本発明は、本発明の核酸を含むベクターを与え、その配列とは、例えば、SEQ ID NO:1 の少なくとも 100 残基にわたり少なくとも 90 % の同等性を持つ。ここに言う核酸は、インテイン活性を持つ少なくとも一種のポリペプチドをコードし、その配列同等性は、配列比較アルゴリズム又は可視的な検索分析により決定される。
本発明は、例えば、請求項 65 に示されるような本発明のベクターを含むクローニング媒体を提供する。ここに言うクローニング媒体とは、ウイルスバクター、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、フォスミド、バクテリオファージ、あるいは人工クロモゾームを含む。
本発明は、本発明の発現カセット又はベクターを含む細胞を提供する。その細胞は、細菌、高等動物細胞、カビ、酵母、昆虫細胞、あるいは植物細胞である。
本発明は、本発明の核酸を含む非ヒト形質変換動物を提供する。例えば、その配列は、SEQ ID NO:1 の少なくとも 100 残基にわたり少なくとも 90 % の同等性を持ち、その配列同等性は、配列比較アルゴリズム又は可視的な検索分析により決定される。
本発明は、本発明の核酸を含む形質変換植物を提供する。例えば、その配列は、SEQ ID NO:1の少なくとも 100 残基にわたり少なくとも 90 % の同等性を持つ。ここに言う核酸は、インテイン活性を持つ少なくとも一種のポリペプチドをコードし、その配列同等性は、配列比較アルゴリズム又は可視的な検索分析により決定される。
本発明は、細胞中におけるインテインメッセージの翻訳を阻害する方法を提供し、それは、本発明の核酸を含むアンチセンス オリゴヌクレオチドを細胞に与えるか、あるいは細胞中で発現させることを含んでいる。例えば、その配列は、厳格な条件下において、SEQ ID NO:1の少なくとも 100 残基にわたり少なくとも 90 % の同等性を持つ核酸と相同的であるか、あるいはハイブリダイズする配列を意味する。ここに言う核酸は、インテイン活性を持つ少なくとも一種のポリペプチドをコードし、その配列同等性は、配列比較アルゴリズム又は可視的な検索分析により決定される。
本発明は、本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によりコードされるポリペプチドと特異的に結合することのできる単離又は組換え抗体を提供する。
本発明の一つ以上の具体例の詳細は、添付図表及び以下の記述として示す。本発明の他の特徴、目的、あるいは便宜性は、その記述、図示、あるいは請求項から明らかとなるであろう。
詳細な記述
本発明は、酵素活性スクリーンの発現標準化のための組成及び方法を提供するものである。本発明は、以下のような少なくとも三つのドメインを持つキメラポリペプチド(“融合タンパク質”)を提供する:少なくとも一つの酵素を含む第一のドメイン、少なくとも一つのインテインを含む第一ドメインと第三ドメインの間に存在する第二ドメイン、及び第三度メインは、例えば、蛍光ドメインを持つタンパク、発光タンパク又は他の検出可能残基を含むタンパクのような少なくとも一つの検出可能残基(ドメイン)を含む。
別例として、本発明のキメラポリペプチドは、インビトロ又は細胞を利用したインビボにおいて組換え的に発現される。そのタンパク質の発現後、インテインの解離活性により、二種のタンパク質の量子論的な発現が起こる:例えば、第一ドメインの酵素及び第三ドメインの検出可能残基。従って、本発明のキメラポリペプチドは、例えば、酵素活性の測定及びスクリーンにおける酵素活性の発現標準化に利用できる。本発明の組成及び方法は、如何なる活性のスクリーンに関する感度、信頼性及び生産性を向上させることができる。本発明の組成及び方法は、全細胞又は細胞抽出液中の酵素活性を測定する高処理酵素スクリーンに利用できる。本発明の組成及び方法は、例えば、FACSを利用した直接的又は間接的な単一細胞における酵素的変換又はマイクロタイタープレートで増殖させた一群の細胞における酵素的変換を測定するために使用できる。
本発明の組成及び方法は、たとえ異なる遺伝子(又はベクター内の酵素をコードした配列)が劇的に異なるレベルで発現されたとしても、クローンのような高比活性の酵素とクローンのような高発現酵素を識別するために利用できる。本発明の組成及び方法は、溶液を移す際のエラーや増殖及び発現の違いに起因するバックグラウンド ノイズを減少させるために利用できる。従って、一例として、本発明の組成及び方法は、例えば、酵素活性測定のような測定の感度及び信頼性を改良するために酵素活性と遺伝子発現を標準化するために利用できる。本発明の組成及び方法が高感度であるために、一例として、それらを遺伝子発現の多様性のために従来不可能であったような酵素測定のための新規測定法の開発に利用できる。一例として、感度の改良により、繰り返し行われる酵素進化の各サイクルにおいて生じる活性の微小増加のような僅かな活性の増加を検出することが可能になる。酵素活性の微小増加は、それ自身により酵素の質を大きく改良することはないかもしれないが、小さな変異の繰り返しによる多くの組み合わせの相乗により、酵素活性の劇的な改良が起こり得る。
一例として、本発明の方法、遺伝子発現の蛍光測定は、標準的なマイクロタイタープレートによる酵素活性のスクリーンの感度及び情報を向上させる。本発明のスクリーン法は、例えば、酵素発見及び進化を目的とするような大きな酵素ライブラリーを完全にカバーすることができる。一例として、本発明は、新規発見を目的とした酵素活性の検出のためのサブタイター及び単一細胞測定法を提供する。一例として、本発明は、例えば、好ましい変異種や酵素進化活性測定のための定量的活性測定法を提供する。
一例として、本発明は、発現(例えば、酵素発現)と蛍光を標準化する。従って、本発明の組成及び方法は、超高処理酵素スクリーンのために利用できる。いくつかの例として、これは、数桁のオーダーでスループットを向上させ、酵素ライブラリーの完全なサンプリングを可能にする。
本発明の組成及び方法は、酵素スクリーン及び分光学的測定を含む如何なる測定法に利用することができる。別例として、本発明の組成及び方法は、例えば、マイクロタイタープレートにおける分光学的測定、GigaMatrixTMやFACS に利用される。本発明の別例として、活性は、種々の生物学的及び分析学的な方法により測定される。活性の定量値を提供する全ての測定法が、活性とタンパク質発現を標準化する本発明の方法に組み込まれる。
一例として、本発明の方法は、融合タンパク質の制限なくして二種のタンパク質の量子論的発現を達成するための一般的な技術として使用される。一例として、本発明のキメラポリペプチド(例えば、インテイン-蛍光タンパク)のインテイン ドメインは、自己スプライシング活性を保持している。
本発明のキメラポリペプチド(例えば、インテイン-蛍光タンパク)のインテインドメインは、原核細胞系のみならず真核細胞系においても同等に機能し得る。従って、本発明の組成及び方法は、如何なる細胞系へも応用できる。
本発明のキメラポリペプチド(例えば、インテイン-蛍光タンパク)は、例えば、「進化」酵素の開発に使用できる。例えば、本発明のキメラポリペプチドは、医薬品及び工業試薬やタンパク質のような商業的産物の生体触媒的生産のための酵素を「進化」させるために使用できる。ハイドロラーゼ、ニトリラーゼ、及び/又はエポキシド ハイドロラーゼのような如何なる酵素もインテインを介して検出可能ドメインへ結合させることができる。ラセマーゼの標的は、タンパク原生又は非タンパク原生アミノ酸であり得る。
一例として、本発明のキメラ(多重ドメイン)タンパク質のインテイン ドメインは、スプライシング活性よりも高い解離活性を持つ。別例として、インテイン ドメインは、50 %、60 %、70 %、80 %、90 %、95 %、98 %、又はそれ以上高いインビボ又はインビトロでのスプライシング活性を持つ。
本発明の一例として、標的タンパク質(例えば、基質)は、精製標品を使用できる。一例として、同定された高発現遺伝子。
本発明は、本発明のキメラポリペプチドをコードしている核酸を提供する。又、例えば発現カセット、組換えウイルス、ベクター、及び酵素活性測定において本発明のキメラタンパク質を発現又は利用するような発現システムも提供する。そのコードされている配列は、例えば、内在性又は誘導可能なプロモーターのような転写制御配列に動作可能的に結合させることができる。
定 義
用語「インテイン」には、例えば、インテイン タンパク質配列の除去に関与するタンパク スプライシング又はタンパク解離などの如何なるインテイン活性でも担えるポリペプチド全てが含まれる。一例として、インテインは、二種の隣接配列を結合できる。
本発明は、本発明の核酸を含む発現カセットを提供する。用語「発現カセット」とは、そのような配列と互換性のある宿主において、コードする配列(例えば、本発明のキメラポリペプチド)の発現に影響を及ぼせる核酸配列を含む。発現カセットには、ポリペプチドをコードしている配列に動作可能的に結合したプロモーターが少なくとも含まれる;及びオプションとして転写終了シグナルのような他の配列も含まれる。例えば、エンハンサーのような発現に影響を及ぼす必須又は補助的な付加ファクターを使用してもよい。従って、発現カセットには、プラスミド、発現ベクター、組換えウイルス、如何なる様態の組換え「むき出しのDNA」ウイルス、及びその類をも含める。「ベクター」は、感染、トランスフェクト、一過性又は恒久的に細胞を形質転換できる核酸を含めることができる。ベクターが、むき出し核酸、あるいはタンパク質又はリピドとの核酸コンプレックスであり得ることが理解される。ベクターは、オプショナルにウイルス又は細菌の核酸及び/又はタンパク質、及び/又は膜(例えば、細胞膜、ウイルス リピドエンベロープ等)を含む。ベクターは、レプリコン(例えば、RNAレプリコン、バクテリオファージ)に限らず、付加されたり複製されるようになるDNA断片に含めることができる。ベクターは、従って、RNAに限らず、独立した自己複製する環状又は直鎖DNA又はRNA(例えば、プラスミド、ウイルス、及びその類、米国特許番号5,217,879)を含み、又発現及び非発現プラスミドを含む。組換え微生物又は細胞培養が「発現ベクター」を宿しているような記述は、クロモゾーム外環状又は直鎖DNA及び宿主のクロモゾームに組み込まれているDNAの両方を含む。ベクターが宿主細胞に保持されているという様態は、ベクターは、独立構造として有糸分裂の間に細胞において安定に複製されるか、あるいは宿主ゲノムに取り込まれる。
本発明は、本発明のコード配列に動作可能的に結合した核酸を提供する。ここで用いる「動作可能的」とは、二種以上の核酸(例えば、DNA)間の機能的な関連を言及できる。典型的には、それは、転写制御配列の転写配列に対する機能関連を意味する。例えば、プロモーターが本発明の核酸のようなコード配列と動作可能的に結合している場合、適当な宿主細胞又は他の発現系においてそのコード配列の転写が促進又は調節される。一般的に、転写される配列に動作可能的に結合したプロモーター転写制御配列は、物理的にその転写される配列に隣接、即ち、シス作用的となっている。しかしながら、エンハンサーのように、転写制御配列は、物理的に隣接又はそれらが促進する転写体をコードする配列に接近させる必要はない。このに用いる「プロモーター」とは、例えば、植物細胞のような細胞においてコードする配列の転写を作動できる全ての配列を含めることができる。従って、本発明の構築体に用いられるプロモーターは、シス作動転写制御エレメント及び遺伝子転写のタイミング及び/又は割合の調節又は制御に関わる制御配列を含む。例えば、プロモーターは、転写制御に関与するエンハンサー、プロモーター、転写ターミネーター、複製の起点、クロモゾーム インテグレーション配列、5'及び3'の非翻訳領域、又はイントロン配列を含むシス作動転写制御エレメントであり得る。これらシス作動配列は、転写を行う(スイッチオン/オフする、制御する、調節する)タンパク質又は他の生物分子と特徴的に相互作用する。「内在的」プロモーターは、通常の環境条件下及び細胞の増殖又は分化の状態で断続的に発現を作動させる。「誘導可能」又は「制御可能」プロモーターは、環境条件又は増殖条件の影響下、本発明の核酸の発現を作動させる。誘導可能プロモーターによる転写に影響を及ぼすであろう環境条件の例として、嫌気条件、上昇させた温度、枯渇、又は光の存在が含まれる。
フレーズ「核酸」又は「核酸配列」は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、あるいはそれらのどのような断片、ゲノム又は合成起源の一本鎖又は二本鎖のDNA又はRNA(例えば、mRNA、rRNA、tRNA)、センス又はアンチセンス鎖、例えば、iRNA、リボヌクレオプロテイン(例えば、iRNP)を含めた天然又は合成起源のペプチド核酸(PNA)、あるいは如何なるDNA様又はRNA様物質を意味する。その用語は、天然ヌクレオチドの既知同類体を含む核酸、即ち、オリゴヌクレオチドをも包括する。又、その用語は、合成バックボーンを持つ核酸様構造をも包括する。Mata (1997) Toxicol. Appl. Pharmacol. 144:189-197; Strauss-Soukup (1997) Biochem. 36:8692-8698; Samstag (1996) Antisense Nucleic Acid Drug Dev 6:153-156を参照。
用語「単離された」は、その材料が起源環境(それが天然由来の場合、その自然環境)より採集されたことを意味する。例えば、生物体に存在する天然由来ポリヌクレオチド酵素は、単離されたのではなく、天然界に共に存在する材料より、同一のポリヌクレオチドやペプチドが分離された場合に「単離された」と言う。このようなポリヌクレオチドは、ベクターの一部、そして(もしくは)このようなポリヌクレオチドや酵素は構成成分の一部であり、このようなベクターや構成成分がその自然環境の一部でない場合でも単離される。ここに用いるように、単離された物質又は組成は、「精製された」組成でもあり得る。即ち、それは絶対的な純正純度を要求しない;むしろ、それは相対的な精製度を意味する。ライブラリーから得られた個々の核酸は、電気泳動的に単一なまでに慣習的な手法により精製することができる。別の例として、本発明は、ゲノムDNA、ライブラリー中の他の配列、あるいは他の環境から少なくとも1 桁、2桁、3桁、4桁、5桁、あるいはそれ以上のオーダーに精製された核酸を提供する。
ここに用いる用語「組換え」とは、核酸が「バックボーン」核酸に近く、天然の環境にあるものには近くない核酸を含める。一例において、核酸は、核酸「バックボーン」分子の集団において、5 %又はそれ以上の核酸挿入数を示す。本発明による「バックボーン分子」核酸には、発現ベクター、自己複製核酸、ウイルス、完成しつつある核酸、及び関心対象の挿入核酸の維持又は細工に用いられる他のベクター又は核酸が含まれる。一例として、挿入を豊富にした核酸は、組換えバックボーン分子の集団において15 %、20 %、30 %、40 %、50 %、60 %、70 %、80 %、90 %又はそれ以上の核酸挿入数を示す。「組換え」ポリペプチド又はタンパクは、組換えDNA技術により産生されるポリペプチド又はタンパク、例えば、好ましいポリペプチド又はタンパクをコードした外因性DNA構築体により形質変換した細胞から得られるものを意味する。「合成の」ポリペプチド又はタンパクは、以下に更に述べるように、化学合成により調製されたものである。
ここに用いられる「アミノ酸」あるいは「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド、あるいは如何なるそれらの断片、部分又はサブユニットを含む。ここに用いられる用語「ポリペプチド」及び「タンパク」は、ペプチド結合又は修飾ペプチド結合(即ち、ペプチドイソエステル)によりお互いに結合したアミノ酸を意味し、20種の遺伝子にコードされたアミノ酸以外の修飾アミノ酸を含んでもよい。用語「ポリペプチド」は、また、ペプチドやポリペプチドの断片、モチーフ及びその類をも含む。その用語は、グリコシル化ペプチドをも含む。本発明のペプチド及びポリペプチドは、以下に更に詳細を述べるように、全ての「疑似体」及び「ペプチド疑似体」をも含んでいる。
核酸の作製と細工
本発明は、発現ベクターのような発現カセットを含む本発明のポリペプチドをコードする核酸を提供する。また、本発明は、本発明の核酸を用いた新規キメラ及び新規インテイン配列の発見のための方法を含む。提供される方法は、例えば、合成結合再集合、至適化指向進化システム及び/又は飽和変異により本発明の核酸を修飾するためのものでもある。本発明の核酸は、例えば、cDNAライブラリーのクローニングや発現、メッセージ又はゲノムDNAのPCRによる増幅及びその類により、作製、単離及び/又は細工される。本発明の方法の実践において、相同な遺伝子は、ここに述べられるように、鋳型核酸を細工することにより修飾されることができる。本発明は、科学文献及び特許によく述べられている如何なる方法又はプロトコール又は既に知られている装置との組み合わせにより実践することができる。
一般的な技術
本発明の実践に使われる核酸は、RNA、iRNA、アンチセンス核酸、cDNA、ゲノムDNA、ベクター、ウイルス、又はそれらの雑種の類に関わらず、種々の資源から単離され、遺伝学的にエンジニアされ、増幅され、及び/又は発現(組換え的に作製)されてもよい。これら核酸より作製された組換えポリペプチドは、望まれる活性のために個々に単離又はクローン化して調べることができる。細菌、高等動物、酵母、昆虫又は植物細胞の発現システムを含む如何なる組換え発現システムを使うことができる。
別法として、これら核酸は、例えば、以下に述べられるような、よく知られる化学合成技術によりインビトロで合成することができる。それらは、以下によく述べられている。例えば、Adams (1983) J. Am. Chem. Soc. 105:661; Belousov (1997) Nucleic Acids Res. 25:3440-3444; Frenkel (1995) Free Radic. Biol. Med. 19:373-380; Blommers (1994) Biochemistry 33:7886-7896; Narang (1979) Meth. Enzymol. 68:90; Brown (1979) Meth. Enzymol. 68:109; Beaucage (1981) Tetra. Lett. 22:1859; 米国特許番号4,458,066。
例えば、サブクローニング、プローブの標識(例えば、クレノーポリメラーゼを用いたランダム‐プライマー標識、ニックトランスレーション、増幅)、シークエンシング、ハイブリダイゼーション及びその類のような核酸を細工する技術は、科学文献及び特許文献によく述べられている。例えば、以下を参照:Sambrook 編集、MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL (第二版)、1-3巻、Cold Spring Harbor Laboratory、(1989); CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、Ausubel 編集、 John Wiley & Sons, Inc.、New York (1997); LABORATORY TECHNIQUES IN BIOCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY: HYBRIDIZATION WITH NUCLEIC ACID PROBES, Part I. Theory and Nucleic Acid Preparation、Tijssen 編集、Elsevier, N.Y. (1993)。
本発明の方法を実践するために使われる核酸を得たり細工したりする他の有用な手段は、ゲノムサンプルからクローンすること、望むならば、例えば、ゲノムクローン又はcDNAクローンからスクリーン単離又は増幅したインサートを再クローンすることである。本発明の方法に使われる核酸の起源は、高等動物の人工クロモゾーム(MACs)に含まれるゲノム又はcDNAライブラリーである。例えば、以下を参照。米国特許番号 5,721,118; 6,025,155; ヒト人工クロモゾーム、Rosenfeld (1997) Nat. Genet. 15:333-335; yeast artificial chromosomes (YAC); バクテリア人工クロモゾーム(BAC); P1 人工クロモゾーム、Woon (1998) Genomics 50:306-316; P1-由来 ベクター (PACs)、Kern (1997) Biotechniques 23:120-124; コスミド、組換えウイルス、ファージ又はプラスミド。
一例として、本発明のポリペプチドをコードする核酸は、翻訳されたポリペプチド又はその断片の類が分泌されるようにするリーダー配列を以って適当な段階で修飾することができる。
本発明は、融合タンパク質及びこれらをコードする核酸を提供する。本発明中のポリペプチドは、安定性の増加や精製の簡便化等、目的の特性をそのポリペプチド、例えば、そのN-末端側に与えるために、異種性のペプチドやポリペプチドと融合させることができる。本発明中のペプチドやポリペプチドは、また、増加した免疫原性の獲得、精製の簡便化、抗体、及び抗体産生 B 細胞の同定、あるいは単離などを目的とした融合タンパク質として、一つ、あるいはそれ以上の付加的な領域と結合した形で合成又は発現される。検出や精製に有効な領域として、以下のものが含まれる; 固定化金属による精製のためのポリヒスチジン鎖及びヒスチジントリプトファン モジュールなどの金属キレートペプチド;固定化免疫グロブリンによる精製のための、プロテインA領域; FLAGS伸張/親和性精製システム(Immunex Corp, Seattle WA)において利用される領域;及び精製用領域と、モチーフ含有ペプチドとの間への、Factor Xaやエンテロキナーゼ(Invitrogen, San Diego CA)による切断部位の導入。例えば、発現ベクターは、エピトープをコードする核酸配列と、六つのヒスチジン残基が、チオレドキシンとエンテロキナーゼ切断部位でつながれた配列を含んでいる(Williams (1995) Biochemistry 34:1787-1797; Dobeli (1998) Protein Expr. Purif. 12:404-414 参照)。ヒスチジン残基は、検出や精製に利用され、エンテロキナーゼ切断部位は、エピトープの他の融合タンパク部位からの分離に利用される。融合タンパク質をコードするベクターや、融合タンパク質の利用に関する技術は、科学論文や特許に記述されている。Kroll (1993) DNA Cell. Biol., 12:441-53 を参照。
転写、及び翻訳を調節する配列
本発明は、発現(例えば、転写、あるいは翻訳)調節配列、即ち、RNA合成/発現を誘導又は調節するプロモーターやエンハンサーと動作的に結合した本発明の核酸配列(即ち、DNA)を提供する。それらの発現調節配列は、発現ベクター中に含めることができる。代表的な細菌のプロモーターには、lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、ラムダ PRプロモーター、Pプロモーター、及びtrpプロモーターが含まれる。代表的な真核生物のプロモーターには、CMV 前初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、初期及び後期 SV40プロモーター、レトロウイルス由来LTRプロモーター, 及びマウス メタロチオネインIプロモーターが含まれる。
細菌におけるポリペプチド発現に適したプロモーターには、大腸菌lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、ラムダ PRプロモーター、PLプロモーター、3-フォスフォグリセリン酸キナーゼ(PGK)などの解糖系酵素をコードするオペロン由来のプロモーター、及び酸性ホスファターゼプロモーターが含まれる。真核生物のプロモーターには、CMV前初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、熱ショックプロモーター、初期及び後期 SV40プロモーター、レトロウイルス由来LTRプロモーター、及びマウス メタロチオネインIプロモーターが含まれる。原核細胞、真核細胞、及びそれらのウイルスにおいて、遺伝子発現を調節することが知られているその他のプロモーターもまた使用されるであろう。
発現ベクター、及びクローニング用媒体
本発明は、本発明のタンパク質をコードする核酸を含む発現ベクター及びクローニング用媒体を提供する。これらの発現媒体は、種々のスクリーニングアッセイに使用することができる。一例として、本発明の核酸には、例えば、インテイン構築体のような遺伝子ライブラリー、酵素ドメイン又は結合タンパクドメイン、検出可能ドメイン、選択マーカー及びその類が含まれる。
異なるベクターが異なるアプリケーションの特別な要求を満たすために必要とされるかもしれない。一例として、本発明の核酸又は発現媒体(例えば、ベクター)は、C-末端をインテイン検出可能ドメイン(例えば、インテイン-FP)に融合させた融合遺伝子及び/又はライブラリーのためのマルチクローニング部位を含めることができる。一例として、本発明の核酸又は発現媒体(例えば、ベクター)には、遺伝子の誘導及び/又は内在的発現のためのプロモーターを含めることができる。本発明の核酸又は発現媒体(例えば、ベクター)は、例えば、E. coli、Pseudomonas、Streptomyces、Bacillus等の細菌、酵母、昆虫、植物、高等動物及びその類のような異なる宿主によるスクリーニングに互換性を持てる。
本発明は、例えば、インテインをコードする配列のような、本発明の核酸を含む発現ベクター及びクローニング媒体を提供する。本発明における発現ベクター及びクローニング用媒体には、ウイルス粒子、バキュロウイルス、ファージ、プラスミド、ファージミド、コスミド、フォスミド、バクテリア人工クロモソーム、ウイルスDNA(例えば、ワクチニア、アデノウイルス、ポックスウイルス、仮性狂犬病ウイルス、及び SV40 型ウイルス)、P-1由来人工クロモソーム、酵母プラスミド、酵母人工クロモソーム、及び特定の宿主(bacillus、Aspergillus、及び酵母)に対して特異的なその他のベクターが含まれる。本発明のベクターは、クロモゾーム由来、非クロモゾーム由来、及び合成されたDNA配列を含むことができる。多数の有用なベクターが、関連技術内で知られており、これらは商業的な入手が可能である。代表的なベクターには、細菌用:pQE ベクター(Qiagen)、pBluescript プラスミド、pNHベクター、ラムダ-ZAPベクター(Stratagene);ptrc99a, pKK223-3、pDR540、pRIT2T (Pharmacia);真核細胞用:pXT1、pSG5 (Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVLSV40 (Pharmacia)。しかし、宿主内での複製が可能であるのなら、その他のプラスミドやベクターも利用されるであろう。低コピー数、あるいは高コピー数のベクターが、本発明において使用されるであろう。
発現ベクターは、プロモーター、翻訳開始のためのリボゾーム結合部位及び転写終結配列を含んでいる。これらのベクターは、また、発現を増加させるためのその他の適切な配列も含むであろう。哺乳類発現ベクターは、複製オリジン、必要なリボゾーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライシングドナー及びアクセプター部位、転写終結配列、及び5'非転写配列を含んでいる。ある例では、SV40スプライス由来のDNA配列やポリアデニル化部位等が必要な非転写領域として使用されるであろう。
一例として、発現ベクターは、そのベクターを含んでいる宿主細胞を選別するための一種類以上の選別用マーカー遺伝子を含んでいる。このような選別用マーカーには、真核細胞用として、ジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子、あるいはネオマイシン耐性遺伝子、大腸菌におけるテトラサイクリン又はアンピシリン耐性遺伝子、及びS. cerevisiae TRP1遺伝子が含まれる。プロモーター領域は、選別用マーカー遺伝子を含む、クロラムフェニコール トランスフェラーゼ(CAT)ベクターやその他のベクターを用いて目的の遺伝子より選別される。
真核細胞中でのポリペプチド、あるいはその断片の発現ベクターは、その発現レベルを増加させるためのエンハンサーも含まれるであろう。エンハンサーは、その遺伝子のプロモーターに作用し、その遺伝子の転写を増加させるcis- 作動性のDNA領域で、通常約10〜300塩基対の長さを持つ。その例として、その複製オリジンより約100〜270塩基対下流に存在するSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製オリジン下流に存在するポリオーマエンハンサー及びアデノウイルスエンハンサーがある。
利用されるであろう細菌用ベクターには、pBR322 (ATCC 37017)、pKK223-3 (Pharmacia:Uppsala, Sweden)、GEM1 (Promega:Madison, WI, USA)、pQE70、pQE60、pQE-9 (Qiagen)、pD10、psiX174 pBluescript II KS、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A (Stratagene)、ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5 (Pharmacia)、pKK232-8及びpCM7等の既知のクローニングベクター中の必要な遺伝的配列を含む商業的に入手可能なプラスミドが含まれる。特別な真核細胞用ベクターとしては、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG (Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、及びpSVL (Pharmacia)が含まれる。しかし、宿主内での複製が可能かつ維持されるものであるなら、その他のベクターも利用されるであろう。
本発明の核酸は、発現カセット、ベクター又はウイルスで発現されることができ、植物細胞や種子において一過性又は安定に発現させることができる。一つの具体的な一過性発現システムが、例えば、スーパーコイルDNAを含むエピゾームのミニクロモゾームの転写により核中で産生されるカリフラワー モザイクウイルス(CaMV)のウイルスRNAのような、エピゾーム発現系を用いている。Covey (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1633-1637を参照。別法として、コードしている配列、即ち、本発明の全配列又はサブ配列を植物宿主細胞ゲノムに挿入することができ、宿主クロモゾームDNAの完全な一部にする。センス又はアンチセンス転写体は、この方法により発現できる。本発明の核酸に由来する配列(例えば、プロモーター又はコード領域)を含むベクターは、植物細胞又は種子において選別可能な表現型を与えるためにマーカー遺伝子を含めることができる。例えば、そのマーカーは、カナマイシン、G418、ブレオマイシン、ハイグロマイシンに対する耐性のような、あるいはクロロスルフォン又はバスタに対する耐性のような、抗生物剤耐性、特別な抗生物質耐性をコードすればよい。
宿主細胞、及び形質転換細胞
本発明は、また、本発明の核酸配列、例えば、本発明のインテインをコードした配列、又は本発明のベクターを含む形質転換細胞を提供する。宿主細胞としては、細菌細胞、真菌細胞、酵母細胞、哺乳類細胞、昆虫細胞、あるいは植物細胞を含む、関連技術内で利用されている原核細胞又は真核細胞の何れの宿主細胞も使用されるであろう。代表的な細菌細胞には、E. coli、Streptomyces、Bacillus subtilis、Salmonella typhimurium、及びPseudomonas、Streptomyces、あるいはStaphylococcus属に属する様々な種の細菌が含まれる。代表的な昆虫細胞には、Drosophila S2、及びSpodoptera Sf9が含まれる。また、代表的な動物細胞には、CHO、COS、あるいはBowesメラノーマやその他のマウスやヒト細胞株が含まれる。適切な宿主細胞の選択も、関連技術の範囲内である。広範に高等植物を形質変換させる技術はよく知られており、技術及び科学関連文献において述べられている。Weising (1988) Ann. Rev. Genet. 22:421-477, 米国特許番号 5,750,870を参照。
ベクターは、形質転換、トランスフェクション、トランスダクション、ウイルス感染、遺伝子ガン、あるいはTi-媒介遺伝子導入を含む様々な技術により宿主細胞に導入される。特有の方法として、カルシウムリン酸によるトランスフェクション、DEAE-デキストランによるトランスフェクション、リポフェクション、あるいは電気穿孔法が含まれる(Davis, L., Dibner, M., Battey, I., Basic Methods in Molecular Biology, (1986))。
無細胞翻訳系も、また、本発明のポリペプチドの生産に使用される。無細胞翻訳系は、ポリペプチド、あるいはその断片をコードする核酸と機能的に連結されたプロモーターを含むDNA構成物より転写されたmRNAを利用できる。一例として、それらのDNA構成物は、インビトロ転写反応を受ける前に鎖状化されるであろう。転写されたmRNAは、目的のポリペプチド又はその断片を生産するためにウサギ網状赤血球抽出物のような適切な無細胞翻訳系抽出物とともにインキュベートされる。
発現ベクターは、形質転換された宿主細胞を選別するために、真核細胞用にジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子又はネオマイシン耐性遺伝子、大腸菌にはカナマイシン、テトラサイクリン、あるいはアンピシリン耐性遺伝子等の特定の表現型特性を示す一種以上の選別用マーカー遺伝子を含むことができる。
核酸の増幅
本発明の実践において、本発明のポリペプチドをコードする核酸、あるいは、修飾した核酸は、例えば、増幅により再産生される。増幅は、また、クローンを使用することができ、本発明の核酸を修飾できる。従って、本発明は、本発明の核酸を増幅する増幅配列プライマー ペアーを提供する。別例として、プラーマ−ペアーは、典型的なSEQ ID NO:1又はそのサブ配列を含む核酸配列を増幅できる。
典型的なSEQ ID NO:1の配列は、
atggaaaaga cagaaaaaaa tgagcttgtc agaaaactca ttttcaaccc tcaaggagac 60
agggaggcga gcaaaaggaa gataataaag ggaaacccga caaacatatt tgaacttaac 120
gagataaagt attcctgggc ttttgacctt tacaagttaa tgggctttac aaacttctgg 180
atacccgaag agatacagat gcttgaagac aggaaacagt acgagaccgt tctatcagac 240
tacgaaaaga gggcatacga actcgtcctt tccttcctca tagcccttga ctcctttcaa 300
gtggacatgc ttaaagagtt cggaaggatg ataaccgccc ccgaagtaga aatggccata 360
acagctcagg aatttcagga atccgtccac gcgtactctt accagttcat actcgagtct 420
gtagttgatc cggttaaagc ggacgagatt tacaactact ggcgggagga tgaaagactt 480
ctggaaagga ataaagtaat agcagagctg tacaacgaat tcattagaaa acccaacgaa 540
gaaaacttta taaaggcaac aatagggaac tacatactcg agagcctgta cttttactct 600
ggatttgcct tcttctacac actgggaaga cagggcaaaa tgagaaacac tgtacagcaa 660
atcaaatata tcaacaggga tgagctctgc ttcattgagg gaacggaggt tttgacgaag 720
agggggttcg ttgatttcag ggagctgagg gaagacgatc ttgtagctca gtacgatata 780
gaaacagggg aaatttcctg gacaaaacct tacgcctacg ttgaaaggga ttacgagggt 840
tctatgtaca gattaaaaca tcctaaaagc aactgggaag tagtagctac tgaagggcac 900
gagttcatag taaggaacct gaaaacagga aaggagagaa aggaaccgat agaaaaggta 960
aaactacatc cctactctgc aattcccgtt gcgggaaggt acacgggaga agtggaagag 1020
tacgacctct gggaactcgt aagcggaaaa ggtataactc ttaaaacgag gagtgctgtg 1080
aagaataagt taacaccgat agaaaaactc ctgatagttc ttcaggcgga cgggacaata 1140
gacagtaaga gaaatggaaa gttcacaggc ttccaacaat taaagttctt cttctcaaag 1200
tatagaaaga ttaacgagtt tgaaaaaata ctcaatgaat gtgcacctta cggaattaaa 1260
tggaaaaagt acgagcgcca agacggaatt gcttacacag tttactatcc gaatgacctt 1320
ccgataaagc ctactaagtt ctttgacgaa tgggtgagac ttgatgagat aacggaagaa 1380
tggataaggg aatttgtgga agaactcgtc aagtgggacg gacacattcc gaaagacagg 1440
aataaaaaga aggtttatta ttactccaca aaagaaaaaa gaaacaagga ctttgtgcag 1500
gcactttgtg ctctgggagg tatgagaact gttgtcagta gagagagaaa tccgaaggcg 1560
aaaaaccccg tttacaggat atggatttac ctagaggacg actacataaa tacccaaaca 1620
atggtgaagg aagagttcta ctacaaaggt aaggtgtact gcgtgagcgt tcccaaaggg 1680
aacatagttg tgagatacaa agacagcgtt tgtattgcgg gcaactgcca cgttacgctc 1740
ttcaggaaca taataaacac actcaggaaa gaaaatcccg aattatttac gcctgagata 1800
gaaaagtgga tagtggagta cttcaagtac gcggtgaacg aagaaatcaa atgggggcag 1860
tatgttaccc agaaccagat actcggtatt aacgacgtct tgatagagag gtatataaag 1920
tatctcggaa acctgaggat tactcagatc ggctttgatc cgatatatcc agaggttaca 1980
gaaaacccct taaagtggat agacgagttt agaaagataa acaacactaa aacggacttc 2040
ttccaggcaa agcctcagac ctactcaaaa gccaacgaac tcaagtggta a 2091
である。
従って、典型的な増幅プラーマー配列ペアーは、SEQ ID NO:1の1〜21残基
(atggaaaaga cagaaaaaaa t)及びSEQ ID NO:1の相補配列の最後21残基
(gccaacgaac tcaagtggta a)である。
増幅反応は、サンプル中の核酸の量(細胞サンプルにおけるメッセージ量のような)を定量したり、核酸を標識したり(アレーやブロットに応用するため)、核酸を検出したり、サンプル中の特別な核酸を定量するため等に利用することができる。本発明の一例として、細胞又はcDNAライブラリーから単離したメッセージが増幅される。
熟練した技術者は、好ましいオリゴヌクレオチド増幅プライマーを選択したり設計してよい。増幅の方法は、既によく知られた技術であり、例えば、ポリメラーゼ チェイン リアクション、PCRを含む。PCR PROTOCOLS, A GUIDE TO METHODS AND APPLICATIONS, 編集、Innis, Academic Press, N.Y. (1990) 及び PCR STRATEGIES (1995), 編集、Innis, Academic Press, Inc., N.Y., ligase chain reaction (LCR) (例えば、Wu (1989) Genomics 4:560; Landegren (1988) Science 241:1077; Barringer (1990) Gene 89:117);転写増幅(例えば、Kwoh (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173);及び自己維持配列(例えば、Guatelli (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874);Qベータ−レプリカ−ゼ増幅(例えば、Smith (1997) J. Clin. Microbiol. 35:1477-1491)、自動Qベータ−レプリカ−ゼ増幅アッセイ(例えば、Burg (1996) Mol. Cell. Probes 10:257-271)及び他のRNAポリメラーゼを利用した技術(例えば、NASBA, Cangene, Mississauga, Ontario); また、Berger (1987) Methods Enzymol. 152:307-316; Sambrook; Ausubel; 米国特許番号4,683,195及び4,683,202; Sooknanan (1995) Biotechnology 13:563-564等を参照。
配列同等性の度合い決定
本発明は、SEQ ID NO:1と少なくとも90 %の配列同等性を持つ核酸を提供する。一例として、本発明は、SEQ ID NO:1の配列に少なくとも99 %、98 %、97 %、96 %、95 %、90 %、85 %、75 %、70 %、65 %、60 %、55 %又は50 %の配列同等性(相同性)を持つ核酸及びポリペプチドを提供する。別例として、配列同等性は、核酸又はポリペプチドの5、10、20、30、40、50、100、150、200、又はそれ以上の連続残基又は全長にわたり得る。
配列同等性(相同性)の度合いは、デフォルトのパラメーターを用いてBLAST 2.2.2.又はFASTA バージョン3.0t78のようなこの中に述べられる如何なるコンピュータープログラム及び関連パラメーターを用いて決定できる。
相同的な配列は、その核酸配列中のチミンをウリジンに変えたRNA配列をも含む。相同配列は、ここに述べる如何なる操作を用いて作製してもよく、あるいはシークエンシングのエラーによるものでもよい。この中に示すような核酸配列は、伝統的な単一文字形式(例えば、Stryer、Lubert、 Biochemistry、第三版編集、W. H Freeman & Co.、New York参照)又は配列中のヌクレオチドの同等性を記録する他の如何なる形式によっても表されることができる。
この中で認められる種々の配列比較プログラムは、本発明のこの展望において使用される。タンパク質及び/又は核酸の配列同等性(相同性)は、多様な配列比較アルゴリズム及び既に知られるプログラムのどれを用いて評価されてもよい。そのようなアルゴリズム及びプログラムは、以下を含むがそれらに限定されない:TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTA、及び CLUSTALW (Pearson and Lipman、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85(8):2444-2448, 1988; Altschul他、J. Mol. Biol. 215(3):403-410, 1990; Thompson他, Nucleic Acids Res. 22(2):4673-4680, 1994; Higgins他, Methods Enzymol. 266:383-402, 1996; Altschul他, J. Mol. Biol. 215(3):403-410, 1990; Altschul他, Nature Genetics 3:266-272, 1993)。
相同性又は同等性は、配列分析ソフトウエアー(例えば、Sequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology Center, 1710 University Avenue, Madison, WI 53705)を用いて調べることができる。そのようなソフトウエアーは、種々の削除、置換及び他の修飾に対する相同性の度合いを帰属することにより類似した配列を一致させる。二種以上の核酸又はポリペプチド配列関して用いる用語「相同性」及び「同等性」とは、比較ウィンドウ上で最大の範囲又は指定した領域で比較又は整列させた時に、二種又はそれ以上の配列、あるいはサブ配列が同等か又はある特定の割合で同じアミノ酸又はヌクレオチドを持つ配列、あるいはサブ配列を意味する。配列比較のためには、とある配列が対照配列として働く(本発明の配列、例えばSEQ ID NO:1)。
ここで用いられる「比較ウィンドウ」とは、如何なる近接残基数のセグメントに対する対照を含む。例えば、本発明の別例として、本発明の典型的なポリペプチド又は核酸配列の場所を問わず、20〜完全長の範囲で二種の配列を至適に整列させた後に、対照配列中の同数の近接配列部位とが比較される。もしその対象配列が、本発明の典型的なポリペプチド又は核酸配列に対して必要とされる配列同等性を持つ場合、例えば、SEQ ID NO:1を含む本発明の配列に対して50 %、55 %、60 %、65 %、70 %、75 %、80 %、90 % 又は95 %の配列同等性を持つならば、その配列は本発明のスコープに範囲に入る。
別の具体例として、20〜600、50〜200、100〜150の範囲でサブ配列は、対照配列と至適に整列させた後に、対照配列中の同数の近接配列部位と比較される。比較のための配列アラインメントの方法は、既によく知られた技術である。比較のための至適な配列アラインメントの方法が、SmithとWatermanの局所相同性アルゴリズム;Adv. Appl. Math. 2:482, 1981、NeedlemanとWunschの相同性アラインメントアルゴリズム;J. Mol. Biol. 48:443, 1970、Lipman らの類似性の検索; Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85:2444, 1988、これらアルゴリズムのコンピューターによる実施(GAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA:Wisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group、575 Science Dr.、Madison、WI)、あるいは手動のアラインメント及び視覚的な検索によって行うことができる。BLAST プログラム (Basic Local Alignment Search Tool at the National Center for Biological Information)に加え、相同性又は同等性を決定するための他のアルゴリズムには、例えば、ALIGN、AMAS (Analysis of Multiply Aligned Sequences)、AMPS (Protein Multiple Sequence Alignment)、ASSET (Aligned Segment Statistical Evaluation Tool)、BANDS、BESTSCOR, BIOSCAN (Biological Sequence Comparative Analysis Node)、BLIMPS (BLocks IMProved Searcher)、FASTA、Intervals & Points、BMB、CLUSTAL V、CLUSTAL W、CONSENSUS、LCONSENSUS、WCONSENSUS、Smith-Waterman アルゴリズム、DARWIN、Las Vegas アルゴリズム、FNAT (Forced Nucleotide Alignment Tool)、Framealign、Framesearch、DYNAMIC、FILTER、FSAP (Fristensky Sequence Analysis Package)、GAP (Global Alignment Program)、GENAL、GIBBS、GenQuest、ISSC (Sensitive Sequence Comparison)、LALIGN (Local Sequence Alignment)、LCP (Local Content Program)、MACAW (Multiple Alignment Construction & Analysis Workbench)、MAP (Multiple Alignment Program)、MBLKP, MBLKN, PIMA (Pattern-Induced Multi-sequence Alignment)、SAGA (Sequence Alignment by Genetic Algorithm) 及び WHAT-IFが含まれる。そのようなアラインメント プログラムは、実体的に同じ配列を持つポリヌクレオチド配列ゲノムデーターベースをスクリーンするために使うことができる。多くのゲノム データーベースが使用可能であり、例えば、かなりの部分のヒトゲノムがヒトゲノム シークエンシング プロジェクト(Gibbs、1995)として使用可能である。いくつかのゲノム、例えば、M. genitalium (Fraser他、1995)、M. jannaschii (Bult他、1996)、H. influenzae (Fleischmann他, 1995)、E. coli (Blattner他、1997)、及び酵母 (S. cerevisiae) (Mewes他、1997)、及びD. melanogaster (Adams他、2000)、が既にシークエンスされている。モデル生物体、例えば、C. elegans及び Arabadopsis sp、のシークエンシングに非常に大きな進歩がなされている。いくつかの機能情報を注釈されたゲノム情報を含むデーターベースが異なる組織において維持され、インターネットを通じてアクセス可能である。
BLAST、BLAST 2.0 及びBLAST 2.2.2アルゴリズムを本発明の実行に利用することができる。それらは、例えば、Altschul (1977) Nuc. Acids Res. 25:3389-3402; Altschul (1990) J. Mol. Biol. 215:403-410に述べられている。BLAST分析を行うためのソフトウェアーは、National Center for Biotechnology Informationを通して公共的に入手が可能である。このアルゴリズムは、調べられる配列において、長さWのショートワードを同定することにより高いスコアーを持つ配列(HSPs)を初めに同定することに関与し、それは、あるデーターベース配列において同じ長さのワードで整列させた場合、一致するか又は正の値の閾値スコアーを満たすものである。Tは、近傍ワードスコアー閾値(Altschul (1990) supra)を意味する。これら初期の近傍ワードのヒットは、それらを含むより長いHSPsを見出すための初期検索のシードとして作用する。そのワードは、累積アラインメント スコアーが上昇する限り各配列に沿ってその両方向に伸長される。累積スコアーは、ヌクレオチド配列についてはパラメーターM(一致している残基ペアーに対する報酬スコアー;常に0より大)を用いて計算される。アミノ酸配列については、スコアリング マトリックスを用いて累積スコアーが計算される。各方向におけるワードヒットの伸長は、累積アラインメント スコアがその最大到達値から量Xだけ低下する場合;1つ以上の負のスコアリング残基アラインメントの累積のために累積スコアがゼロ又はそれ以下になる場合:又は、いずれかの配列が末端に到達した場合に停止される。BLASTアルゴリズムパラメーターW、T及びXは、アラインメントの感度と速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、デフォルト値としてワード長(word length、W)11、期待値(E)10、M=5、N=-4、及び両鎖の比較を用いる。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムは、デフォルト値としてワード長(W)3、期待値(E)10、及びBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff & Henikoff(1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 89:10915参照)アラインメント50、期待値(E)10、M=5、N=-4、及び両鎖の比較を用いる。BLASTアルゴリズムは、二種の配列間の類似性の統計的分析も実行する(例えば、Karlin及びAltshul(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5787参照)。BLASTアルゴリズムから提供される類似性の尺度の一つは、最小合計確率(P(N))であり、これは二種のヌクレオチド配列間又は二種のアミノ酸配列間のマッチングが偶然に発生する確率の指標を提供する。例えば、被験配列と参照配列との比較における最小合計確率が約0.2未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合に、その核酸は参照配列と類似であるとみなされる。一例として、タンパク及び核酸の配列相同性は、Basic Local Alignment Search Tool ("BLAST")により評価される。例えば、5種の特別なBLASTプログラムが以下の用件を実行するために使用することができる:(1) BLASTP及びBLAST3は、被験アミノ酸配列をタンパク配列データーベースと比較する;(2) BLASTNは、被験ヌクレオチド配列をヌクレオチド配列データーベースと比較する;(3) BLASTXは、被験ヌクレオチド配列に由来する6種の概念的翻訳産物(両鎖)をタンパク配列データーベースと比較する;(4) TBLASTNは、被験タンパク配列を6種全てのリーディングフレーム(両鎖)に翻訳されたポリヌクレオチド配列データーベースを比較する;そして、(5) TBLANTXは、被験ヌクレオチド配列の6種の翻訳をヌクレオチド配列データーベースの6種の翻訳と比較する。そのBLASTプログラムは、類似した部分を同定することにより相同的な配列を同定し、ここには、被験アミノ酸、あるいはヌクレオチド配列、好ましくは、タンパク又はヌクレオチド配列データーベースから得られる試験配列間の「高スコアーセグメント ペアー」として言及される。高スコアーセグメント ペアーは、好ましくはスコアリング マトリックスにより同定(即ち、アラインメント)され、その大部分は既によく知られている。使用されるスコアリング マトリックスは、 好ましくは、BLOSUM62である(Gonnet他, Science 256:1443-1445, 1992; Henikoff and Henikoff, Proteins 17:49-61, 1993)。より好ましくはないが、PAM、あるいはPAM250を使用することもできる(例えば、Schwartz and Dayhoff, 編集, 1978, Matrices for Detecting Distance Relationships: Atlas of Protein Sequence and Structure, Washington: National Biomedical Research Foundation を参照)。
本発明の一例として、ある核酸が本発明のスコープに入るような必要とされている配列同等性を持つものかを調べるために、NCBI BLAST 2.2.2プログラムが、blastpへのデフォルトオプションで使用される。約38のオプション セッティングがNCBI BLAST 2.2.2プログラムに存在する。本発明のこの典型的な例として、全てのデフォルト値が、デフォルト フィルターリングセッティング(即ち、OFFにセットしてあるフィルターリングを除き、デフォルトへセットされた全てのパラメーター)を除き使用される。デフォルト フィルターリングセッティングでは、「-FF」セッティングが使用され、これはフィルターリングを不能にする。デフォルト フィルターリングの使用は、配列が短いためにKarlin-Altschulバイオレーションを引き起こす。
本発明のこの典型的な例において使用されるデフォルト値は以下を含む。
“低複雑度のためのフィルター : ON
ワードサイズ : 3
マトリックス : BLOSUM62
ギャップコスト :Existence: 11
拡 張: 1“
他のデフォルトセッティングは:低複雑度のためのフィルターがOFF、ワードサイズがタンパクのために3、BLOSUM62マトリックス、ギャップExistence ペナルティーが‐11、拡張ペナルティーが‐1である。
コンピューターシステムとコンピュータープログラム産物
配列同等性、構造相同性、モチーフ及びその類を決定及び同定するために、本発明の配列は、コンピューターによって読まれ、そしてアクセスすることのできる如何なる媒体(メディア)上に保存、記録、及び細工することができる。従って、本発明は、コンピューター、コンピューターシステム、コンピューターで可読性の媒体、コンピュータープログラム産物及び本発明の核酸及びポリペプチド配列を記録保存する類を提供する。ここに用いられるように、用語「記録される」及び「保存される」とは、コンピューターメディア上に情報を保存するための工程を意味する。熟練した研究者は、本発明の一種以上の核酸及び/又はポリペプチドを含む製品をつくるために、コンピューターで可読性のメディア上に配列情報を保存するための既知の如何なる方法にも容易に適応できる。
本発明の別の展望は、少なくとも一種の核酸及び/又ポリペプチド配列を記録したコンピューター可読性媒体である。コンピューター可読性媒体は、磁気的に読める媒体、視覚的に読める媒体、電気的に読める媒体及び磁気/視覚媒体を含む。例えば、コンピューター可読性媒体には、他のタイプの既によく知られている他の媒体に加えて、ハードディスク、フロッピィー、磁気テープ、CD-ROM、デジタル多様ディスク(DVD)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、あるいはリードオンリーメモリー(ROM)でもよい。
核酸のハイブリダイゼーション
本発明は、本発明の典型的な配列、例えば、SEQ ID NO:1として示される配列、又はSEQ ID NO:2のような本発明のポリペプチドをコードする核酸と厳格な条件下にハイブリダイズする単離又は組換えにより得られた核酸を提供する。この厳格な条件とは、高度に厳格な条件、中程度に厳格な条件、あるいは低度に厳格な条件を含み、本発明中で示されている高度に厳格な条件又はその厳格度を低下させた条件が含まれている。一例として、以下に述べるように、核酸が、本発明のスコープに入るかを決定する条件として示される条件が洗浄条件の厳格度である。
他の一例として、厳格な条件でハイブリダイズできる本発明中の核酸の長さは、本発明中の核酸の約5残基から、その核酸の全長の範囲である。例えば、これらは、残基数として、少なくとも 5、10、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、90、100、150、200、250又はそれ以上である。また、その全長より短い核酸も含まれる。これらの核酸は、ハイブリダイゼーション用プローブ、標識化用プローブ、PCR 用オリゴヌクレオチドプローブ、iRNA、アンチセンス、あるいは抗体結合ペプチド(エピトープ)、モチーフ、及び活性部位などをコードする配列として有用である。
一例として、本発明の核酸は、37〜42 ℃で50 %ホルムアミドの条件を含む高い厳格度の条件で、そのハイブリダイズする能力を規定される。一例として、本発明の核酸は、30〜35 ℃で35〜25 %ホルムアミドの条件を含む低厳格度の条件で、そのハイブリダイズする能力を規定される。
また、本発明の核酸は、42 ℃で50 %ホルムアミド、5 X SSPE、0.3 % SDS及びcot-1又はサーモン精液DNAのような反復配列ブロッキング核酸を含む(例えば、200 ng/mlのせん断及び変性サーモン精液DNA)高度に厳格な条件下で、ハイブリダイズする能力により定義される。この厳格な条件とは、一例として、本発明の核酸は、35 %ホルムアミドで35 ℃に低下させた低下させた厳格度の条件下で、ハイブリダイズする能力により定義される。ハイブリダイゼーションに続き、フィルターは、50 ℃において6 X SSC、0.5 % SDS 中で洗浄すればよい。この条件は、25 %以上のホルムアミドで「中程度」、25 %以下のホルムアミドで「低い」条件と考えられる。「中程度」のハイブリダイゼーション条件の特別な例は、上記のハイブリダイゼーションが30 %のホルムアミド中で行われた場合である。「低度の厳格度」のハイブリダイゼーション条件の特別な例は、上記のハイブリダイゼーションが10 %のホルムアミド中で行われた場合である。特別なレベルの厳格度に対応する温度範囲は、興味対象の核酸におけるプリンとピリミジンの比を計算すること、あるいは温度をそれに応じて調整することにより、更に狭めることができる。本発明の核酸は、AusbelとSambrookに示されたように、高、中、及び低度の厳格度の条件下で、ハイブリダイズする能力によって定義される。上記の範囲及び条件のバリエーションは、既によく知られる技術である。ハイブリダイゼーションの条件は、更に以下において述べる。
上記の操作は、プローブの配列に対する相同性のレベルが減少している核酸を同定するために修飾してもよい。例えば、プローブの配列に対する相同性のレベルが減少している核酸を得るために、より低い厳格度の条件を使用してもよい。例えば、ハイブリダイゼーション温度は、おおよそ1 MのNa+を含むハイブリダイゼーション緩衝液の温度を5 ℃ずつ68 ℃から42 ℃まで減少させればよい。ハイブリダイゼーションに続き、フィルターは、ハイブリダイゼーションの温度において2 X SSC、0.5 % SDS 中で洗浄すればよい。この条件は、50 %以上のホルムアミドで「中程度」、50 %以下のホルムアミドで「低度」の条件と考えられる。「中程度」のハイブリダイゼーション条件の特別な例は、上記のハイブリダイゼーションが55 ℃で行われた場合である。「低度の厳格度」のハイブリダイゼーション条件の特別な例は、上記のハイブリダイゼーションが45 ℃で行われた場合である。
また、ハイブリダイゼーションは、42 ℃でホルムアミドを含む6 X SSCのような緩衝液で行ってもよい。この場合、プローブの配列に対する相同性のレベルが減少しているクローンを同定するために、ハイブリダイゼーション緩衝液中のホルムアミドの濃度を、5 %ずつ50 %から0 %まで減少させてよい。ハイブリダイゼーションに続き、フィルターは、50 ℃において6 X SSC、0.5 % SDS 中で洗浄すればよい。この条件は、25 %以上のホルムアミドで「中程度」、25 %以下のホルムアミドで「低度」の条件と考えられる。「中程度」のハイブリダイゼーション条件の特別な例は、上記のハイブリダイゼーションが30 %ホルムアミド中で行われた場合である。「低度の厳格度」のハイブリダイゼーション条件の特別な例は、上記のハイブリダイゼーションが10 %以上のホルムアミド中で行われた場合である。
しかし、ハイブリダイゼーション構成の選択は、厳格なものでない-ある核酸が本発明のスコープに入るものかを調べる条件として示される洗浄条件の厳格度である。本発明のスコープに入る核酸を同定するために使用される洗浄条件は、例えば、pH 7で0.02 M程度の塩濃度及び少なくとも約50 ℃又は55〜60 ℃の温度;又はおおよそ0.15 M NaClの塩濃度で72 ℃、15分間;又はおおよそ2 X SSCの塩濃度、少なくとも約50 ℃又は55〜60 ℃の温度で15〜20分間;で、ハイブリダイゼーションコンプレックスは、0.1 % SDS含有2 X SSCの塩濃度による室温15分間の洗浄の後、0.1 % SDS含有0.1 X SSCによる68 ℃、15分間の洗浄、又はそれと同等の条件により二度の洗浄される。SSC緩衝液及び同等の条件の記述は、Sambrook、Tijssen及びAusubelを参照。
これらの方法は、本発明の核酸を単離するために使用されてもよい。
オリゴヌクレオチドプローブ、及びそれらの使用法
本発明は、また、 例えば、インテインをコードする核酸の同定するために使用することのできる核酸プローブを提供する。一例として、これらのプローブは、本発明の核酸の連続した少なくとも10残基を含んでいる。又は、本発明のプローブは、本発明の核酸として示される配列の少なくとも5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、150あるいは約10〜50 残基、約20〜60 残基、あるいは約30〜70残基の連続塩基配列を含む。これらのプローブは、結合やハイブリダイゼーションにより核酸を同定する。これらのプローブは、キャピラリーアレイを含む本発明中の様々な実験に使用することができる。本発明のプローブは、また、その他の核酸やポリペプチドの単離にも利用される。
本発明のプローブは、土壌試料などの生物試料中に、本発明の核酸配列を持つ生物、あるいはその核酸の得られた生物が含まれるかを検定するために利用される。このような行程において、その核酸が単離される生物を含むと思われる生物試料及びそれらの核酸を試料中より調製する。それらの核酸は、試料中に存在する相補的配列の全てがプローブと特異的に結合できる条件下で、そのプローブと混合される。必要であれば、プローブと相補的配列が特異的に結合する条件は、プローブとその相補的配列を含むことがわかっている試料より得た核酸とを混合することにより決定する。対照として、相補的配列を含まない試料より得た核酸とプローブとの混合も行う。ハイブリダイゼーション緩衝液中の塩濃度、ハイブリダイゼーション緩衝液中のホルムアミド濃度、あるいはハイブリダイゼーションの温度等のハイブリダイゼーション条件は、プローブと相補的核酸が特異的にハイブリダイズする条件を同定するために変更される(特異的ハイブリダイゼーション条件に関する記述を参照)。
核酸の修飾
本発明は、本発明のインテインを含めた本発明の核酸配列に関する変種を作製する方法を提供する。一例として、本方法は、クロモゾームの断片又はクロモゾームの一部を提供すること及びその一種以上の断片に一種以上の変異を導入することを含んでいる。無作為、非無作為、あるいはその両方の如何なる方法を利用して変異を導入してもよい。これらの方法は、一種以上の断片に一種以上の変異を作製するために繰り返し又は種々の組み合わせにより使用することができる。これらの方法は、また、繰り返し又は種々の組み合わせにより使用できる。他の例として、細胞の遺伝的組成が、例えば、本発明の方法及びそれに続く細胞への再挿入によるエックスビボでの相同遺伝子の修飾等によって変えられる。
本発明の核酸は、如何なる手段によっても変えられる。例えば、無作為又は確率的な方法、非確率的又は「指向進化」等の方法は、例えば、米国特許番号6,361,974を参照。遺伝子の無作為的変異の方法は、既によく知られた技術であり、例えば、米国特許番号5,830,696を参照。変異原には、再組換えにより修復され得るDNA解裂を誘導する、例えば、紫外線、ガンマ放射線又はマイトマイシン、亜硝酸、光活性化ソラレン等の化学変異原、単独又は組み合わせによる使用が含まれる。他の化学変異原は、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硝酸、ヒドロキシルアミン、ヒロラジン又は蟻酸を含む。他の変異原には、ヌクレオチド前駆体類似物、例えば、ニトロソグアニジン、5-ブロモウラシル、2-アミノプリン、あるいはアクリジンが含まれる。これらの化薬は、ヌクレオチド前駆体の代わりにPCR反応に加えることができ、それによってその配列を変異させる。プロフラビン、アクリフラビン、キナクリン及びその類の介在試薬もまた使用することができる。
分子生物学のどのような技術でも、例えば、無作為PCR 突然変異誘発;Rice (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5467-5471参照、多数のカセット突然変異誘発の組合わせ;Crameri (1995) Biotechniques 18:194-196参照、使用することができる。別の例として、例えば、遺伝子のような核酸は、無作為又は「確率的」な断片化の後でも再構成できる。例えば、米国特許番号6,291,242;6,287,862;6,287,861;5,955,358;5,830,721;5,824,514; 5,811,238;5,605,793参照。別の例として、修飾、挿入又は削除は、エラープローンPCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド指向変異法、アセンブリーPCR、セクシュアルPCR 変 異法、インビトロ変異法、カセット変異法、再帰的アンサンブル変異法、指数的アンサンブル変異法、部位特異的変異法、遺伝子再集合、遺伝子飽和部位変異法(GSSM)、合成結合再集合(SLR)、リコンビネ−ション、再帰的な配列リコンビネ−ション、フォスフォチオエイトDNA 変異法、ウラシル含有テンプレート変異法、ギャップデュプレックス変異法、ポイントミスマッチリペアー変異法、リペアー欠損宿主変異法、化学変異法、放射線変異法、デリ−ション変異法、リストリクション/セレクション変異法、リストリクション/ピュ−リフィケ−ション変異法、人工遺伝子合成、アンサンブル変異法、キメラ遺伝子重合体の創製及び/又はそれらと他の方法の組み合わせ等の方法によって導入される。
次の出版物は、本発明の方法に組み込むことができる方法び/又は再帰的な配列リコンビネ−ションの操作を記述している: Stemmer (1999) "Molecular breeding of viruses for targeting and other clinical properties" Tumor Targeting 4:1-4; Ness (1999) Nature Biotechnology 17:893-896; Chang (1999) "Evolution of a cytokine using DNA family shuffling" Nature Biotechnology 17:793-797; Minshull (1999) "Protein evolution by molecular breeding" Current Opinion in Chemical Biology 3:284-290; Christians (1999) "Directed evolution of thymidine kinase for AZT phosphorylation using DNA family shuffling" Nature Biotechnology 17:259-264; Crameri (1998) "DNA shuffling of a family of genes from diverse species accelerates directed evolution" Nature 391:288-291; Crameri (1997) "Molecular evolution of an arsenate detoxification pathway by DNA shuffling," Nature Biotechnology 15:436-438; Zhang (1997) "Directed evolution of an effective fucosidase from a galactosidase by DNA shuffling and screening" Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4504-4509; Patten 他. (1997) "Applications of DNA Shuffling to Pharmaceuticals and Vaccines" Current Opinion in Biotechnology 8:724-733; Crameri 他. (1996) "Construction and evolution of antibody-phage libraries by DNA shuffling" Nature Medicine 2:100-103; Gates他 (1996) "Affinity selective isolation of ligands from peptide libraries through display on a lac repressor `headpiece dimer`" Journal of Molecular Biology 255:373-386; Stemmer (1996) "Sexual PCR and Assembly PCR" : The Encyclopedia of Molecular Biology. VCH 出版, New York. pp.447-457; Crameri and Stemmer (1995) "Combinatorial multiple cassette mutagenesis creates all the permutations of mutant and wildtype cassettes" BioTechniques 18:194-195; Stemmer 他 (1995) "Single-step assembly of a gene and entire plasmid form large numbers of oligodeoxyribonucleotides" Gene, 164:49-53; Stemmer (1995) "The Evolution of Molecular Computation" Science 270: 1510; Stemmer (1995) "Searching Sequence Space" Bio/Technology 13:549-553; Stemmer (1994) "Rapid evolution of a protein in vitro by DNA shuffling" Nature 370:389-391; 及び Stemmer (1994) "DNA shuffling by random fragmentation and reassembly: In vitro recombination for molecular evolution." Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747-10751。
多様性を発生させる変異法は、例えば、部位特異的変異法 (Ling 他 (1997) "Approaches to DNA mutagenesis: an overview" Anal Biochem. 254(2): 157-178; Dale 他 (1996) "Oligonucleotide-directed random mutagenesis using the phosphorothioate method" Methods Mol. Biol. 57:369-374; Smith (1985) "In vitro mutagenesis" Ann. Rev. Genet. 19:423-462; Botstein & Shortle (1985) "Strategies and applications of in vitro mutagenesis" Science 229:1193-1201; Carter (1986) "Site-directed mutagenesis" Biochem. J. 237:1-7; 及び Kunkel (1987) "The efficiency of oligonucleotide directed mutagenesis" :Nucleic Acids & Molecular Biology (Eckstein, F. and Lilley, D. M. J. 編集, Springer Verlag, Berlin)); 鋳型を含むウラシルを用いた変異法 (Kunkel (1985) "Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection" Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488-492; Kunkel他 (1987) "Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection" Methods in Enzymol. 154, 367-382; 及び Bass他 (1988) "Mutant Trp repressors with new DNA-binding specificities" Science 242:240-245); oligonucleotide-directed mutagenesis (Methods in Enzymol. 100: 468-500 (1983); Methods in Enzymol. 154: 329-350 (1987); Zoller & Smith (1982) "Oligonucleotide-directed mutagenesis using M13-derived vectors: an efficient and general procedure for the production of point mutations in any DNA fragment" Nucleic Acids Res. 10:6487-6500; Zoller & Smith (1983) "Oligonucleotide-directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors" Methods in Enzymol. 100:468-500; 及びZoller & Smith (1987) "Oligonucleotide-directed mutagenesis: a simple method using two oligonucleotide primers and a single-stranded DNA template" Methods in Enzymol. 154:329-350); フォスフォチオエイト修飾DNA 変異法 (Taylor他 (1985) "The use of phosphorothioate-modified DNA in restriction enzyme reactions to prepare nicked DNA" Nucl. Acids Res. 13: 8749-8764; Taylor他 (1985) "The rapid generation of oligonucleotide-directed mutations at high frequency using phosphorothioate-modified DNA" Nucl. Acids Res. 13: 8765-8787 (1985); Nakamaye (1986) "Inhibition of restriction endonuclease Nci I cleavage by phosphorothioate groups and its application to oligonucleotide-directed mutagenesis" Nucl. Acids Res. 14: 9679-9698; Sayers他 (1988) "Y-T Exonucleases in phosphorothioate-based oligonucleotide-directed mutagenesis" Nucl. Acids Res. 16:791-802; and Sayers他 (1988) "Strand specific cleavage of phosphorothioate-containing DNA by reaction with restriction endonucleases in the presence of ethidium bromide" Nucl. Acids Res. 16: 803-814);ギャップデュプレックス DNAを用いた変異法 (Kramer 他 (1984) "The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed mutation construction" Nucl. Acids Res. 12: 9441-9456; Kramer & Fritz (1987) Methods in Enzymol. "Oligonucleotide-directed construction of mutations via gapped duplex DNA" 154:350-367; Kramer他 (1988) "Improved enzymatic in vitro reactions in the gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed construction of mutations" Nucl. Acids Res. 16: 7207; 及び Fritz他 (1988) "Oligonucleotide-directed construction of mutations: a gapped duplex DNA procedure without enzymatic reactions in vitro" Nucl. Acids Res. 16: 6987-6999、を含んでいる。
本発明の方法に使われる付加的なプロトコールは、点ミスマッチ修復 (Kramer (1984) "Point Mismatch Repair" Cell 38:879-887)、修復不能宿主株を用いた変異法 (Carter 他 (1985) "Improved oligonucleotide site-directed mutagenesis using M13 vectors" Nucl. Acids Res. 13: 4431-4443; 及び Carter (1987) "Improved oligonucleotide-directed mutagenesis using M13 vectors" Methods in Enzymol. 154: 382-403), deletion mutagenesis (Eghtedarzadeh (1986) "Use of oligonucleotides to generate large deletions" Nucl. Acids Res. 14: 5115)、制限-選別及び制限-選別と制限-精製 (Wells 他 (1986) "Importance of hydrogen-bond formation in stabilizing the transition state of subtilisin" Phil. Trans. R. Soc. Lond. A 317: 415-423)、全遺伝子合成による変異法 (Nambiar他 (1984) "Total synthesis and cloning of a gene coding for the ribonuclease S protein" Science 223: 1299-1301; Sakamar and Khorana (1988) "Total synthesis and expression of a gene for the a-subunit of bovine rod outer segment guanine nucleotide-binding protein (transducin)" Nucl. Acids Res. 14: 6361-6372; Wells他 (1985) "Cassette mutagenesis: an efficient method for generation of multiple mutations at defined sites" Gene 34:315-323; 及びGrundstrom他 (1985) "Oligonucleotide-directed mutagenesis by microscale `shot-gun` gene synthesis" Nucl. Acids Res. 13: 3305-3316)、二本鎖解裂修復 (Mandecki (1986); Arnold (1993) "Protein engineering for unusual environments" Current Opinion in Biotechnology 4:450-455. "Oligonucleotide-directed double-strand break repair in plasmids of Escherichia coli: a method for site-specific mutagenesis" Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83:7177-7181). 上記方法の多数の付加的な細部は、Methods in Enzymology 154巻に見ることができ、それは、様々な変異誘発方法のトラブルシューティング問題のための有用な制御手段をも記述している。
本発明の方法において使用される付加的なプロトコールは、以下の文献によく述べられている。米国特許番号5,605,793, Stemmer (2月25日, 1997) "Methods for In Vitro Recombination;" 米国特許番号5,811,238, Stemmer 他 (9月22日, 1998) "Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination;" 米国特許番号 5,830,721, Stemmer 他 (11月3日, 1998) "DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly;" 米国特許番号5,834,252, Stemmer 他 (11月10日, 1998) "End-Complementary Polymerase Reaction;" 米国特許番号 5,837,458, Minshull, 他 (11月17日, 1998) "Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering;" PCT出版番号WO 95/22625, Stemmer 及び Crameri, "Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly;" PCT出版番号WO 96/33207, Stemmer 及び Lipschutz "End Complementary Polymerase Chain Reaction;" WO 97/20078, Stemmer 及び Crameri "Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination;" PCT出版番号WO 97/35966, Minshull 及び Stemmer, "Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering;" PCT出版番号WO 99/41402, Punnonen 他 "Targeting of Genetic Vaccine Vectors;" PCT出版番号WO 99/4138, Punnonen 他 "Antigen Library ImLmunization;" PCT出版番号WO 99/41369, Punnonen 他 "Genetic Vaccine Vector Engineering;" PCT出版番号WO 99/41368, Punnonen 他 "Optimization of Immunomodulatory Properties of Genetic Vaccines;" EP 752008, Stemmer 及び Crameri, "DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly;" EP 0932670, Stemmer "Evolving Cellular DNA Uptake by Recursive Sequence Recombination;" PCT出版番号WO 99/23107, Stemmer 他 "Modification of Virus Tropism and Host Range by Viral Genome Shuffling;" PCT出版番号WO 99/21979, Apt 他 "Human Papillomavirus Vectors;" PCT出版番号WO 98/31837, del Cardayre 他 "Evolution of Whole Cells and Organisms by Recursive Sequence Recombination;" PCT出版番号WO 98/27230, Patten 及び Stemmer, "Methods and Compositions for Polypeptide Engineering;" PCT出版番号WO 98/27230 , Stemmer 他 "Methods for Optimization of Gene Therapy by Recursive Sequence Shuffling and Selection," PCT出版番号WO 00/00632, "Methods for Generating Highly Diverse Libraries," PCT出版番号WO 00/09679, "Methods for Obtaining in Vitro Recombined Polynucleotide Sequence Banks and Resulting Sequences," PCT出版番号WO 98/42832 , Arnold 他 "Recombination of Polynucleotide Sequences Using Random or Defined Primers," PCT出版番号WO99/29902, Arnold 他 "Method for Creating Polynucleotide and Polypeptide Sequences," PCT出版番号WO 98/41653, Vind, "An in Vitro Method for Construction of a DNA Library," PCT出版番号WO 98/41622, Borchert 他 "Method for Constructing a Library Using DNA Shuffling," 及びPCT出版番号WO 98/42727, Pati and Zarling, "Sequence Alterations using Homologous Recombination."を参照。
本発明(方法を作製する多様なディバーシティーに関する詳細を提供する)の実践に利用されるプロトコールは、以下に述べられている。例えば、 " 遺伝子を変えるコドンのシャフリング", Patten 他, 9月28日, 1999年, (米国特許申請番号09/407,800); " 繰り返し配列組換えによる全細胞そして生物体の進化", del Cardayre 他, Jul. 15, 1998 (米国特許申請番号 09/166,188)、及び 6月15日, 1999年 (米国特許申請番号 09/354,922); "オリゴヌクレオチドに媒介された核酸再組換え ", Crameri 他, Sep. 28, 1999 (米国特許申請番号 09/408,392)、及び"オリゴヌクレオチドに媒介された核酸再組換え ", Crameri 他, 1月18日, 2000年 (PCT/US00/01203); "合成シャフリングのための様々なコドンによるオリゴヌクレオチド合成の使用", Welch 他, 9月28日, 1999年 (米国特許申請番号 09/408,393); "好ましい特徴を持つ特性ストリング、ポリヌクレオチド及びポリペプチドの作製のための方法 ", Selifonov 他, 1月18日, 2000年, (PCT/US00/01202) 及び、例えば、"好ましい特徴を持つ特性ストリング、ポリヌクレオチド及びポリペプチドの作製のための方法 ", Selifonov 他, 7月18日, 2000年 (米国特許申請番号 09/618,579); "進化擬態に使用するためのデータ構造集団化の方法", Selifonov 及び Stemmer, 1月18日, 2000年 (PCT/US00/01138); 及び "一本鎖核酸の鋳型に媒介される再組換えと核酸断片の単離", Affholter, 9月6日, 2000年 (米国特許申請番号 09/656,549)。
例えば、飽和変異法(GSSM)、合成結合再構成(SLR)、あるいはそれらの組み合わせを含む非確率的又は「指向進化」の方法は、本発明の核酸を修飾し、変異核酸断片作製するために使用される。修飾された核酸によってコードされるポリペプチドは、蛋白質分解か他の活性を調べる前にある活性についてスクリーンされることができる。如何なる試験形体又はプロトコール、例えば、キャピラリーアレーのプラットホーム、をも使用できる、例えば、米国特許番号 6,361,974; 6,280,926; 5,939,250を参照。
飽和変異法、あるいは、GSSM
本発明の一例として、非確率的な遺伝子の修飾、「指向進化のプロセス」が、変異配列を作製するために使用される。この方法の別名として、「遺伝子部位−飽和変異法」、「部位−飽和変異法 」、「飽和変異法」又は簡単に「GSSM」と呼ばれている。 他の突然変異法との組み合わせでも使用することができる。例えば、米国特許番号 6,171,820; 6,238,884を参照。一例として、GSSMは、鋳型ポリヌクレオチド及び多数のオリゴヌクレオチドを含み、その中の各オリゴヌクレオチドは、鋳型ポリヌクレオチドに相同な配列を含み、それによって、鋳型ポリヌクレオチドの特異的は配列及び相同遺伝子の変種である配列を標的する;オリゴヌクレオチドを用いて鋳型ポリヌクレオチドを複製することによって非確率的な配列多様性を持つ祖先ポリヌクレオチドを作製する。それにより、相同性のある遺伝子配列の多様性を持つポリヌクレオチドを作製する。
本発明の一例として、縮重N,N,G/T配列を含むコドンプライマーが、祖先のポリペプチドの集団を作製するためにポリヌクレオチドに点変異を導入するために使用され、その中には、単アミノ酸置換の全範囲が各アミノ酸の位置、例えば、修飾される標的にされる酵素の活性部位又はリガンド結合部位のアミノ酸残基に表示されている。これらのオリゴヌクレオチドは、近接する第一の相同配列、縮重N,N,G/T配列、及び、任意に、第二の相同配列を含める。そのようなオリゴヌクレオチドの使用に由来する下流の祖先翻訳産物は、縮重N,N,G/T配列が20種全てのアミノ酸のためのコドンを含んでいることからポリペプチドに沿った各アミノ酸で全ての可能なアミノ酸変異を含んでいる。一例として、一つのそのような縮重オリゴヌクレオチド(例えば、一つの縮重N,N,G/Tカセットを含む)が、親ポリヌクレオチド鋳型の各コドンを全範囲でコドン置換させるために使用される。他の例として、同じオリゴヌクレオチド又は異なる少なくとも二種の縮重カセットが、親ポリヌクレオチド鋳型の少なくとも二つコドンを全範囲でコドン置換させるために使用される。例えば、一つ以上のN,N,G/T配列が、一ヶ所以上の部位でアミノ酸の変異を導入するための一つのオリゴヌクレオチドに含めることができる。この多数のN,N,G/T配列は、直接連続的であるか、又は一種以上の付加的なヌクレオチドによって分けられることができる。他の例として、挿入及び削除を導入するために使われるオリゴヌクレオチドは、N,N,G/T配列を持ったコドン単独又は組み合わせで、如何なる組換え、あるいはアミノ酸の挿入、削除、及び/又は置換を導入するために使用可能である。
一例として、二ヶ所又はそれ以上の連続したアミノ酸部位の同時変異誘発が、連続的なN,N,G/Tトリプレットを含んだオリゴヌクレオチド、即ち、縮重N,N,G/T配列を用いてなされる。他の例として、そのN,N,G/T配列よりもより少ない縮重を持つ縮重カセットが使われる。例えば、ある例では、一つのNだけを含む縮重トリプレット配列(例えば、オリゴヌクレオチド)を使用することが望ましいかもしれない。このNとは、トリプレットの第2又は第3番目の位置にある。如何なる組合せ及びここに含まれる変換を含む他のどのような塩基でもトリプレットの残った部位に使用することができる。代わりに、ある例では、縮重N,N,Nトリプレット配列(例えば、オリゴヌクレオチド)を使用することが好ましいかもしれない。
一例として、縮重トリプレット(例えば、N,N,G/Tトリプレット)の使用は、系統的及び容易にポリペプチドのアミノ酸一残基ごとに天然アミノ酸を全体的に(合計で20アミノ酸)発現生成することを可能にする(別例として、その方法は、可能な全てのアミノ酸よりも少ないアミノ酸残基又はコドン部位当たりの置換の作製をも含む)。例えば、100アミノ酸ポリペプチドでは、2000の異なる変種(即ち、部位当たり20種の可能なアミノ酸 X 100アミノ酸部位)を作製することができる。オリゴヌクレオチド又は縮重N,N,G/Tトリプレットを含む一式のオリゴヌクレオチドを用いることによって、32の個々の配列を可能な20種全ての自然アミノ酸でコードさせることができる。従って、親ポリヌクレオチド配列が少なくとも一種類のそのようなオリゴヌクレオチドを用いた飽和変異法に供与されると、試験管内では、20種の異なるポリペプチドをコードしている32種の異なる子孫ポリヌクレオチドが存在する。対照的に、部位特異的変異誘発に非縮重オリゴヌクレオチドを使用することは、反応当たり一種の子孫ポリペプチド産物だけが得られる。非縮重オリゴヌクレオチドは、開示した縮重プライマーの組み合わせにより任意に使用することができる; 例えば、非縮重オリゴヌクレオチドは、対象ポリヌクレオチド中に特定の点変異を発生させるために使用することができる。これは、特定のサイレント点変異、対応するアミノ酸の変異を導く点変異、及び停止コドンやポリペプチド断片の発現を引き起こす点変異を作り出す一つの手段を提供する。
一例として、各飽和変異誘発反応容器には、親ポリヌクレオチド中の変異されるコドンに対応する特定アミノ酸部位で20種の自然アミノ酸全てが表示されるように(他の側面では、20種以下の自然アミノ酸の組合せを使用)、少なくとも20種の子孫ポリペプチド分子をコードしたポリヌクレオチドが含まれている。各飽和変異誘発反応から得られる32倍に縮重した子孫ポリペプチドは、クローンを増幅(例えば、発現ベクターを用いて、大腸菌のような適した宿主にクローン化される)したり、発現スクリーニングにかけることができる。特性の好ましい変化(親ポリペプチドと比較して、アルカリ又は酸性条件の下で増強された蛋白質分解活性のような)を表示する個々の子孫ポリペプチドがスクリーニングによって同定された場合、その中に含まれた相当する好ましいアミノ酸置換を同定するために配列決定が行われる。
一例において、この中に開示されるうような飽和変異誘発法を使用して親ポリペプチドの各アミノ酸部位を変異させた場合、好ましいアミノ酸変異が一ヶ所以上のアミノ酸部位で同定されるかもしれない。これらの好ましいアミノ酸置換を全体又は一部の組合せとして含む一種以上の新しい子孫分子を作製することができる。例えば、ポリペプチドのアミノ酸部位三ヶ所それぞれに二種の特別の好ましいアミノ酸変異が同定されれば、変異は各部位において三つの可能性(元のアミノ酸からの変異が無いか、それぞれ二種の好ましい変異)及び三ヶ所の部位を含んでいる。従って、3 x 3 x 3又は27の可能性が存在し、それには前に調べられた7種を含んでいる-6種の単一点変異(即ち、三ヶ所のそれぞれで二種)とどの部位にも変異の無いもの。
別例において、部位飽和変異誘発法は、配列を変化させるための他の確率的又は非確率的な手段、例えば、合成ライゲーション再集合(以下参照)、シャフリング、キメラ化、再組換え、及び他の変異プロセスや変異試薬等とともに使用することができる。この発明は、反復的な飽和変異誘発を含むあらゆる変異プロセスの使用を提供する。
合成結合再構成 (SLR)
本発明は、本発明の変異配列を作製するための「合成結合再構成」又は単に「SLR」、「指向進化プロセス」と呼ばれる非確率的遺伝子修飾システムにを提供する。SLRは、オリゴヌクレオチド断片を非確率的に集合結合させる方法である。この方法は、核酸のビルディングブロックがシャフルされずに任意に結合又はキメラ化され、むしろ非確率的に組み立てられる点において、確率的オリゴヌクレオチドシャフリングとは異なる。例えば、米国特許申請番号09/332,835 “Synthetic Ligation Reassembly in Directed Evolution” 1999年6月14日ファイル(“米国特許申請番号09/332,835”)を参照。一例において、SLRは、次のステップを含む:(a) 鋳型ポリヌクレオチドを提供する。この鋳型ポリヌクレオチドは、相同遺伝子をコードした配列を含む;(b) 多数のブロックのビルディングブロック ポリヌクレオチドを提供する。このビルディングブロック ポリヌクレオチドは、予め決定された配列部位で鋳型とクロスオーバー(交叉)するように設計され、あるビルディングブロック ポリヌクレオチドは、相同遺伝子の変種であり、かつその変種配列に隣接した鋳型ポリヌクレオチドに相同的な配列を含む;(c) ビルディングブロック ポリヌクレオチドを、ビルディングブロック ポリヌクレオチドが鋳型ポリヌクレオチドと交叉再構成し、相同遺伝子配列の亜型ができるように鋳型ポリヌクレオチドと混合する。
SLRは、再構成されるべきポリヌクレオチド間にハイレベルの相同性が存在してもそれに左右されない。従って、この方法は、非確率的に 10100以上のキメラを含む子孫の分子のライブラリー(又はセット)を作製するために使用することができる。SLRは、101000以上のキメラを含む子孫の分子のライブラリーを作製するために使用することができる。従って、本発明の展望は、デザインにより選択される包括的なアセンブリー オーダーを削る一郡の最終的なキメラ核酸分子を作製するための非確率的方法を含んでいる。この方法は、デザインにより相互に適用性のある結合可能末端を持つようにした多数の特定の核酸ビルディングブロックを作製するステップを含み、又これらの核酸ビルディングブロックをデザインされた包括的なアセンブリー オーダーが達成できるように組み立てる。
組み立てられる核酸ビルディングブロックの相互に適用性のある結合可能末端は、もしそれらが予め決定された順序でそのビルディングブロック結合させ得るならば、このタイプの指示されたアセンブリーのために「利用可能」であると考えられる。従って、核酸ビルディングブロックが結合するその包括的なアセンブリー オーダーは、結合可能末端発注の設計によって特定される。一段階以上のアセンブリー ステップが使用されるなら、核酸ビルディングブロックが結合するその包括的なアセンブリー オーダーは、アセンブリー ステップの連続的なオーダーによっても特定される。一例として、アニールしたビルディングブロック片は、それらを共有的に結合させるためにリガーゼのような酵素(例えば、T4 DNAリガーゼ)で処理される。
一例として、オリゴヌクレオチド ビルディングブロックの設計は、最終的なキメラポリヌクレオチドの子孫集団を産生するための元として働く一郡の子孫核酸配列の鋳型を分析することによりなされる。これらの親オリゴヌクレオチドの鋳型は、例えば、キメラ化又はシャッフルのような、変異のための核酸ビルディングブロックのデザインを援助する。この方法の一例として、多数の親核酸の鋳型の配列が、一ヶ所以上の境界点を選ぶためにアラインメントされる。境界点は、相同性のある区域に設定され、そして一種以上のヌクレオチドを含む。これらの境界点は、好ましくは少なくとも二種の子孫鋳型に共有される。それにより、境界点は、親ポリヌクレオチドを再配置することを目的に、作製されるオリゴヌクレオチド ビルディングブロックの境界を描写するために使われることができる。祖先分子内で同定及び選択された境界点は、最終的なキメラ子孫分子の集合における潜在的なキメラ化点として働く。境界点は、少なくとも二種の祖先鋳型により共有された(少なくとも1つの相同核酸塩基を含む)相同的領域である。別の意味で、境界点は、少なくとも半分の祖先鋳型により共有された相同的領域、又は少なくとも2/3の祖先鋳型により共有された相同的領域である。更により好ましくは、利用可能な境界点は、少なくとも3/4の祖先鋳型により共有された相同的領域、更に一層より好ましくは、殆ど全ての祖先鋳型により共有された相同的領域である。一例として、境界点は、全ての祖先鋳型により共有された相同的領域である。
一例として、徹底的な子孫キメラポリヌクレオチド ライブラリーを作製するために、結合再集合過程が徹底的に実施される。換言すると、核酸ビルディングブロックの全ての可能な順序の組み合わせが最終キメラ核酸分子の集団中に表示される。同時に、別の側面において、各組み合わせにおける集合順序(即ち、各最終キメラ核酸の5'から3'配列における各ビルディングブロックの集合順序)は、上述されたような設計(又は非確率的な設計)による。本発明の非確率的性質のために、好ましくない副産物の可能性は大きく減少する。
別例として、結合再構成法は、体系的に実施される。 例えば、本法は、先祖分子の区分されたライブラリーを作製するために、例えば、一つずつ、体系的にスクリーニングされうる区分を用いて実施される。換言すると、本発明により、特定の核酸ビルディングブロック選択的で適切な使用により、子孫産物の特定の集団が各反応容器中で作製される連続段階的集合反応の選択的で適切な使用と組み合わせが達成され得る。これは、実施される実験及びスクリーニング操作を体系的にする。従って、非常に多数の潜在的な子孫分子がより少ない集団で体系的に調べられることを可能にする。非常に柔軟で、更に、徹底的かつ体系的にキメラ化を実施する能力があることから、本発明は、特に、祖先分子間に低いレベルの相同性しかない場合、多数の子孫分子を含むライブラリー(又は、集団)の作製を提供する。本結合再構成の発明の非確率的な性質のために、作製される子孫分子は、好ましくは、設計により選ばれる包括的なアセンブリー順序を持つ最終的なキメラ核酸分子のライブラリーを含む。飽和変異誘発法及び指向進化法は、異なる子孫の分子種を作製するためにも使用することができる。本発明が、境界点の選択、核酸ビルディングブロックの大きさ及び数、ならびに結合の大きさ及び設計に関する選択と制御の自由を与えることは理解される。更に、分子間相同性の要求性が本発明の操作性に対して非常に緩和されていることも理解される。実際に、殆ど又は全く分子間相同性のない領域においても境界点は選択されることさえできる。例えば、コドンゆらぎ(wobble)、即ち、コドンの縮重のために対応する祖先鋳型に本来コードされたアミノ酸を変えることなく核酸ビルディングブロック中にヌクレオチド置換を導入することができる。異なる側面として、本来のアミノ酸に関するコードが変更されるようにコドンを変更することができる。本発明は、分子間相同的な境界点の頻度を増加させるため及びビルディングブロック間で達成される結合数を増加させるために、そのような置換の核酸ビルディングブロック中への導入を提供し、その結果として、多数の子孫キメラ分子が作製されるようになる。
別例において、ビルディングブロックが作製される段階における合成的性質は、後にインビトロ過程(例えば、変異誘発による)又はインビボ過程(例えば、宿主生物の遺伝子スプライシング能を利用する)において、任意に除去されうるヌクレオチド(例えば、一種以上のヌクレオチド、コドンもしくはイントロン又は調節配列であってもよい)の設計及び導入を可能にする。多くの場合、他の多くの理由により、利用可能な境界点を作製するという潜在的な恩典に加えて 、これらの核酸の導入もまた望ましいことは理解される。
一例として、核酸ビルディングブロックは、イントロンを導入するために使用することができる。従って、機能的イントロンが、この中に述べられる方法により、本発明の人工遺伝子に導入される。人工的に導入したイントロンは、天然に存在するイントロンが遺伝子スプライシングに機能的であるように、宿主における遺伝子スプライシングにおいても機能的であり得る。
至適化指向進化システム
本発明は、本発明の変異配列、例えば、修飾インテイン及び配列をコードするキメラペプチドを作製するために「至適化指向進化システム」と呼ばれる非確率的遺伝子修飾システムを利用する。至適化指向進化システムは、組換えを通して核酸の指向的分子進化を行わせる還元再組合せ、組換え及び選択の反復サイクルを使用を教示する。至適化指向的進化は、進化したキメラ配列の大集団の作製を可能にするもので、この中で作製された集団は、予め決定された数のクロスオーバー(交叉)イベントを有する配列のために非常に富化されている。交叉イベントは、親変異体からその他の親変異体に配列のシフトが起こるキメラ配列の点である。そのような点は、通常二種の親からのオリゴヌクレオチドが互いに連結した単一の配列を形成する交差点である。この方法は、最終的な配列のキメラ集団が選択された回数の交叉イベントのために富化されるようなオリゴヌクレオチド配列の正しい濃度計算を可能にする。これは、予め決定された回数の交叉イベントを有するキメラ変異体選択の高い管理を提供する。
更に、本方法は、他のシステムに比べ、莫大な量の可能なタンパク変異体の領域を調査する手段を与える。以前は、例えば、反応中に1013のキメラ分子が生成されると、特定の活性をそのような多量のキメラ変異体について調べることは非常に困難であった。また、子孫集団の大部分は、特定の活性レベルを高められていないタンパクを産生する非常に多くの交叉イベント数を持っているであろう。これらの方法を使用して、キメラ分子の集団は、特定の数の交叉イベントを有する変異体のために富化されることができる。従って、反応中に1013のキメラ分子を作製されるが、更なる分析を行うために選択したそれぞれの分子は、例えば、わずか三回の交叉イベントしか有していない可能性が高い。結果として生ずる子孫集団は、予め決定された数の交叉イベントを有するように変えられることから、キメラ分子間の機能的多様性の境界限度は減少される。これは、初期親ポリヌクレオチドに由来するどのオリゴヌクレオチドが特定の特質に影響を与えているのかを判断する時に、取り扱い易い変異の数を与える。
キメラ子孫ポリヌクレオチド配列を作製する一つの方法は、それぞれの親配列の断片又は部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することである。好ましくは、それぞれのオリゴヌクレオチドは、それによりオリゴヌクレオチドの混合によって正しい順序でそれぞれのオリゴヌクレオチド断片を有する新しい変異体が得られるように特異的な重複区域を含んでいる。更なる情報は、例えば、米国特許申請番号09/332,835に記載されている。それぞれの親変異体のために作製されたオリゴヌクレオチドの数は、最終的に作製されるキメラ分子内に生ずる交叉の総数と関連がある。例えば、三種の親ヌクレオチド配列の変異体が、例えば、高温下で高活性を示すキメラ変種を探すためのライゲーション反応を起こすために与えられるかもしれない。一例として、それぞれの親変異体のそれぞれの部分に対応して50種のオリゴヌクレオチド配列が作製される。この場合、結合組換えプロセス中には、それぞれのキメラ配列の中に最高で50回の交叉イベントがあることになる。作製されたそれぞれのキメラポリヌクレオチドが、交互に親変種からのオリゴヌクレオチドを含有している確率は極めて低い。それぞれのオリゴヌクレオチド断片が同一の分子数で結合反応中に存在している場合、同じ親ポリヌクレオチドからのオリゴヌクレオチドがいくつかの部位で互いに結合し、そのために交叉イベントが起こらないらしい。それぞれの親からの各オリゴヌクレオチドの濃度は、本例のどのライゲーションステップの間も一定に保たれ、同じ親変異体に由来するオリゴヌクレオチドがキメラ配列内で結合し、かつ、交叉を起こさない確率は(三種の親があると仮定した場合)1/3である。
従って、それぞれの結合反応ステップ中に、決められた数の親変異体、それぞれの変異体に対応するいくらかのオリゴヌクレオチド及びそれぞれの変異体の濃度において起こるであろう交叉イベントの起きる集団を予想するために、確率密度関数(PDF)を決定することができる。PDF決定の統計的及び数学的な背景を以下に説明する。これらの方法を利用して、そのような確率密度関数を推定することができ、その結果、特定の結合反応から生じる予め決められた回数の交叉イベントのためにキメラ子孫集団を富化することができる。更に、交叉イベントの目標回数を予め決定することができ、その後、システムは、結合反応中のそれぞれのステップにおいて各親オリゴヌクレオチドの開始時の量を計算するようにプログラムされ、それによって、予め決められた回数の交叉イベントを集中させる確率密度関数が得られる。これらの方法は、組換えを通してポリペプチドをコードする核酸の指向的分子進化を行わせる還元再組合せ、組換え及び選択の反復サイクルの使用法を教示する。このシステムは、進化したキメラ配列の大集団の作製を可能にするもので、この中では、作製された集団は、予め決定された数の交叉イベントを有する配列のために非常に富化されている。交叉イベントは、親変異体からその他の親変異体に配列のシフトが起こるキメラ配列の点である。そのような点は、通常二種の親由来のオリゴヌクレオチドが互いに連結して単一の配列を形成する交差点である。この方法は、最終的な配列のキメラ集団が選択された回数の交叉イベントのために富化されるように、オリゴヌクレオチド配列の正しい濃度計算を可能にする。これは、予め決定された回数の交叉イベントを有するキメラ変異体選択の高い管理を提供する。
更に、本方法は、他のシステムに比べ、莫大な量の可能なタンパク変異体スペースを調査する手段を与える。これらの方法を使用して、キメラ分子の集団は、特定の数の交叉イベントを有する変異体のために富化されることができる。従って、反応中に1013のキメラ分子を作製されるが、更なる分析を行うために選択したそれぞれの分子は、例えば、わずか三回の交叉イベントしか有していない可能性が高い。結果として生ずる子孫集団は、予め決定された数の交叉イベントを有するように変えられるので、キメラ分子間の機能的多様性の境界限度は減少される。これは、初期親ポリヌクレオチドに由来するどのオリゴヌクレオチドが特定の特質に影響を与えているのかを判断する時に、取り扱い易い変異性の数を与える。
一例として、その方法は、それぞれの親配列の断片又は一部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することによって、キメラ子孫ポリヌクレオチド配列を作製する。好ましくは、各オリゴヌクレオチドは、それによりオリゴヌクレオチドの混合によって正しい順序でそれぞれのオリゴヌクレオチド断片を有する新しい変異体が得られるように、特異的な重複領域を含む。米国特許申請番号09/332,835も参照。
各親変異体のために作製されたオリゴヌクレオチドの数は、最終的に作製されるキメラ分子内に生ずる交叉の総数と関連がある。例えば、三種の親ヌクレオチド配列の変異体が、例えば、高温下で高活性を示すキメラ変種を探すためにライゲーション反応を起こすものとする。一例として、それぞれの親変異体のそれぞれの部分に対応して50種のオリゴヌクレオチド配列が作製される。この場合、結合組換えプロセス中には、それぞれのキメラ配列の中に最高で50回の交叉イベントがあることになる。作製されたそれぞれのキメラポリヌクレオチドが、交互に親変種からのオリゴヌクレオチドを含有している確率は極めて低い。それぞれのオリゴヌクレオチド断片が同一の分子数で結合反応中に存在している場合、同じ親ポリヌクレオチドからのオリゴヌクレオチドがいくつかの部位で互いに結合し、そのために交叉イベントが起こらないらしい。それぞれの親からの各オリゴヌクレオチドの濃度は、本例のどのライゲーションステップの間も一定に保たれ、同じ親変異体に由来するオリゴヌクレオチドがキメラ配列内で結合し、かつ、交叉を起こさない確率は(三種の親があると仮定した場合)1/3である。
従って、それぞれの結合反応ステップ中に、決められた数の親変異体、それぞれの変異体に対応するいくらかのオリゴヌクレオチド及びそれぞれの変異体の濃度において起こるであろう交叉イベントの起きる集団を予想するために、確率密度関数(PDF)を決定することができる。PDF決定の統計的及び数学的な背景を以下に説明する。そのような確率密度関数は、推定することができ、その結果、特定の結合反応から生じる予め決められた回数の交叉イベントのためにキメラ子孫集団を富化することができる。更に、交叉イベントの目標回数を予め決定することができ、その後、システムは、結合反応中のそれぞれのステップにおいて各親オリゴヌクレオチドの開始時の量を計算するようにプログラムされ、それによって、予め決められた回数の交叉イベントを集中させる確率密度関数が得られる。
反復プロセス
本発明の実施において、これらのプロセスは、反復的に繰り返えすことができる。例えば、インテイン活性を担う核酸(例えば、その核酸)は、同定され、再単離され、再び修飾され、その活性が再び調べられる。このプロセスは、好ましい表現型がエンジニアされるまで反復的に繰り返えすことができる。例えば、タンパク分解活性を含む生化学異化又は同化の全経路を細胞中にエンジニアすることが可能である。
同様に、ある特定のオリゴヌクレオチドが望ましい特質に全く影響を与えないと確認された場合、削除される配列を含むより大きな親オリゴヌクレオチドを合成することにより、変異としてそれを削除することができる。より大きな配列内にその配列を組み入れることは、如何なる交叉イベントをも妨げることから、子孫ポリヌクレオチド内にこの配列の如何なる変異種ももはや存在しないことになる。どのオリゴヌクレオチドが最も望まれる特質に関連するか、またどれが関連していないかを決定するこの反復操作は、特定の特質又は活性を提供する可能なタンパク変種の全てをより効果的に調査すること可能にする。
インビボシャッフリング
分子のインビボシャッフリングは、例えば、修飾インテイン及びキメラポリペプチド等を開発するための本発明の方法において利用できる。インビボシャッフリングは、多重体を再組換え細胞の自然特性を利用して行うことができる。インビボにおける組換えは、分子多様性への主要な自然経路を提供するが、遺伝的組換えは、以下の点と関連して、比較的、複雑なプロセスである。
1) 相同性の認識;2) 遺伝子鎖の切断、遺伝子鎖の侵入、及び組換えキアズマ形成に導く代謝ステップ;そして、最後に、3) 個別の組換え分子へのキアズマの解離。キアズマの形成は、相同配列の認識を必要とする。
一例として、本発明は、少なくとも初期ポリヌクレオチド及び第二のポリヌクレオチドからハイブリッドポリヌクレオチドを作製する方法を提供する。本発明は、部分的配列相同性の少なくとも一領域を共有するような、少なくとも初期ポリヌクレオチド及び第二のポリヌクレオチドを適当な宿主細胞へ導入することによるハイブリッド ポリヌクレオチドの作製に使用できる。部分的に配列相同のある領域は、ハイブリッド ポリヌクレオチドを作り出す配列の再編成を生じるようなプロセスを促進する。ここに使用される用語「ハイブリッド ポリヌクレオチド」とは、本発明の方法により生じかつ少なくとも二種の初期ポリヌクレオチド配列由来の配列を含むような如何なるヌクレオチド配列をも意味する。そのようなハイブリッド ポリヌクレオチドは、DNA分子間の配列組込みを促進する分子内再集合の事象により生じ得る。更に、そのようなハイブリッド ポリヌクレオチドは、DNA分子内のヌクレオチド配列を変更するために反復配列を利用する分子内還元的再組合せプロセスにより作製することができる。
配列変種の産生
本発明の方法は、一種以上の変異を一種以上の核酸断片、例えば、本発明のインテイン及びキメラペプチドに導入する。それらは、例えば、無作為又は確率的な方法、あるいは非確率的な方法又は「指向進化」の方法等、上記したような如何なる手段によっても作製できる。
変種は、部位特異的突然変異法、無作為的化学変異、エキソヌクレアーゼIIIデリーション法、及び標準的なクローニング技術のような遺伝的エンジニア技術を用いて作製してもよい。別法として、そのような変種、断片、類似物、あるいは誘導体は、化学的な合成又は修飾によって作製してもよい。変種を作製するための他の方法も熟練した研究者にはよく知られている。これらは、天然から単離されたものに由来する核酸配列を企業又は研究応用における価値を向上させた特性を持ったポリペプチドをコードするように核酸に修飾する方法を含む。そのようなプロセスにおいて、天然から単離されたものから得られた配列に関して、一種又はそれ以上のヌクレオチド変異を持つ非常に多くの変種配列が作製されて調べられる。これらのヌクレオチド変異は、天然から単離されたものから得られた核酸の配列にコードされたポリペプチドにアミノ酸変異を引き起こす。
例えば、変種をエラープローンPCRを利用して作製してもよい。エラープローンPCRにおいて、PCRは、点突然変異が高い割合でPCR産物の全長にわたり得られるように、DNAポリメラーゼのコピー忠実度が低い条件で行われる。エラープローンPCRは、例えば、Leung, D.W., 他, Technique, 1:11-15, 1989及び Caldwell, R. C. & Joyce G.F., PCR Methods Applic., 2:28-33, 1992に述べられている。簡単に言うと、そのような操作は、点突然変異が高い割合でPCR産物の全長にわたり得られるように、変異される核酸をPCRプライマー、反応緩衝液、MgCl2、MnCl2、Taqポリメラーゼ及び適当量のdNTPとを混合する。例えば、その反応は、変異される核酸20 fモル、30 pモルのPCR プライマー、50 mM KCl、10 mM Tris HCl (pH 8.3) 及び0.01 %ゲラチンを含んだ反応緩衝液、7 mM MgCl2、0.5 mM MnCl2、5 ユニットの Taq ポリメラーゼ、0.2 mM dGTP、0.2 mM dATP、1mM dCTP、及び1 mM dTTPを用いて実行される。PCRは、94 ℃ 1分間、45 ℃ 1分間、72 ℃ 1分間のサイクルを30回繰り返すことによって行う。しかしながら、これらのパラメーターは、適当に変えられることは理解されるであろう。変異された核酸は、適当なベクターにクローン化され、変異核酸によってコードされたポリペプチドの活性が理解される。
変種は、興味対象のクローン化DNAに部位特異的な変異を発生させるために、オリゴヌクレオチド特異的変異誘発法を用いて作製してもよい。オリゴヌクレオチドの変異誘発は、例えば、Reidhaar-Olson (1988) Science 241:53-57に記述されている。簡潔に言うと、そのような操作において、クローン化したDNAに導入される一種以上の変異を持つ多数の二本鎖オリゴヌクレオチドが合成され、変異されるDNAに挿入される。変異DNAを含んでいるクローンは、回収され、それらがコードするポリペプチドの活性が評価される。
変種を作製する他の方法は、アセンブリーPCRである。アセンブリーPCRは、小さいDNA断片の混合物に由来するPCR産物のアセンブリを含む。多数の異なったPCR反応が、同じバイアル中で平行して起き、別の反応産物をプライムする他の反応産物が得られる。アセンブリーPCRは、例えば、米国特許番号 5,965,408に記述されている。
変種を作製する更に別の方法は、セクシュアルPCRである。セクシュアルPCRでは、強制的な相同組換えが、PCR反応におけるプライマー伸張による交叉の固定に先行した配列の相同性に基づいたそのDNA分子の無作為な断片化の結果として、インビトロにおいて異なるが非常に関連のあるDNA分子間で起こる。セクシュアルPCRは、例えば、Stemmer (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747-10751に記述されている。簡潔に言うと、そのような操作において、多数の再組換えされる核酸は、平均サイズ50〜200のヌクレオチド断片を作製するためにDNaseによって消化される。好ましい平均サイズの断片は、精製され、PCR混合物中に再懸濁させる。PCRを核酸断片間の再組換えを容易にする条件下に行う。例えば、PCRは、精製した核酸断片を10-30 ng/μlの濃度で以下の組成の溶液中に再懸濁させることによって行ってもよい:0.2 mM dNTP、2.2 mM MgCl2、50 mM KCl、10 mM Tris HCl(pH 9.0)及び0.1 % Triton X-100。Taqポリメラーゼを100 μlの反応溶液中に2.5ユニット加え、PCRは、以下の条件で行われる:94 ℃で60秒間、94 ℃ 30秒間、50〜55 ℃ 30秒間、72 ℃ 30秒間(30〜45サイクル)そして72 ℃ 5分間。しかしながら、これらのパラメーターは、適当に変えられることは理解されるであろう。いくつかの例において、オリゴヌクレオチドがPCR反応中に含まれてもよい。他の例において、最初のPCR反応にDNAポリメラーゼIのクレノー断片を、引き続くPCR反応にはTaqポリメラーゼを使用してもよい。再組換え配列は、単離され、それらがコードするポリペプチドの活性が評価される。
変種は、インビボ変異法によって作製してもよい。いくつかの例において、関心対象の配列における無作為変異は、大腸菌のような細菌株において興味ある配列を増やすことによって作製され、それは、一つ以上のDNA修復経路において変異を伝える。そのような「ミューテーター」株は、野生型の親よりも高い無作為変異率を持っている。これらの株の一つにおいてDNAを増やすことは、結果的に、そのDNA中に無作為な変異を作るであろう。インビボ変異法の使用に適したミューテーター株は、例えば、 PCT 出版番号 WO 91/16427に記述されている。
変異体は、また、カセット変異法を使って作製することができる。カセット変異法において、二本鎖DNA分子の小さな領域が元の配列とは異なる合成オリゴヌクレオチド「カセット」と置き換えられる。そのオリゴヌクレオチドは、完全に及び/又は部分的にランダマイズされた元の配列をしばしば含む。
また、再帰的エンゼンブル変異法は、変種を作製するするために使用される。再帰的エンゼンブル変異法は、アミノ酸配列が異なる表現型的に関連のある変異株の多様な集団を作製するために開発されたタンパク エンジニアリング(タンパク変異)のアルゴニズムである。この方法は、組み合わせカセット変異法の連続したラウンドを制御するフィードバック機構を利用している。再帰的エンゼンブル変異法は、例えば、Arkin (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7811-7815に記述されている。
いくつかの例において、変種は、指数的エンゼンブル変異法によって作製される。指数的エンゼンブル変異法は、高い割合で特徴的又は機能的な変異株を含む混合ライブラリーを作製するためのプロセスであり、その中では、残基の小さな集団が、それぞれ変異された部位で、平行してランダマイズされ、機能タンパクへ導くアミノ酸が同定される。指数的エンゼンブル変異法は、例えば、Delegrave (1993) Biotechnology Res. 11:1548-1552に、無作為及び部位特異的変異法は、例えば、Arnold (1993) Current Opinion in Biotechnology 4:450-455にそれぞれ記述されている。
いくつかの例において、変異体はシャフリング操作を用いて作製され、その中では、異なるポリペプチドをコードした多数の核酸の一部がお互いに融合し、キメラポリペプチドをコードするキメラ核酸を作り出す。これは、例えば、米国特許番号5,965,408; 5,939,250に記述されている。
宿主において高レベルのタンパク発現を達成するためのコドン至適化
本発明は、コドン使用の慣用を修飾するために、インテインをコードした核酸(及び本発明のキメラポリペプチドをコードしている核酸)を修飾するための方法を提供する。一例として、本発明は、宿主におけるその発現を増加又は減少させるために、インテインをコードする核酸中のコドンを修飾する方法を提供する。本発明は、宿主における発現を増加させるために修飾したインテインをコードしている核酸、そのように修飾されたインテイン、及び修飾インテインを作製する方法を提供する。その方法は、インテインをコードする核酸中の「非優先」又は「低優先」コドンを同定し、そして、これら「非優先」又は「低優先」コドンの一つ以上を置換コドンとして同じアミノ酸をコードした「優先」コドンと置き換えることを含み、その核酸中の少なくとも一つの非優先又は低優先コドンを同じアミノ酸をコードする優先コドンにより置き換える。優先コドンは、宿主の遺伝子においてコードしている配列中に過剰表示するコドンであり、「非優先」又は「低優先」コドンは、宿主の遺伝子においてコードしている配列中に低表示されるコドンである。
本発明の核酸、発現カセット及びベクターを発現するための宿主は、細菌、酵母、カビ、植物細胞、昆虫細胞及び高等動物細胞である。従って、本発明は、これら全ての細胞におけるコドン慣用、コドンを変えられた核酸及びそのコドンを変えられた核酸により作られるポリペプチドを至適化する方法を提供する。典型的な宿主細胞は、Escherichia coliやPseudomonas fluorescens のようなグラム陰性細菌を含む;グラム陽性細菌、Streptomyces diversa、Lactobacillus gasseri、Lactococcus lactis、Lactococcus cremoris、Bacillus subtilis。典型的な宿主細胞は真核細胞も含む:Saccharomyces sp.、Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombe、Pichia pastorisを含む種々の酵母、及びKluyveromyces lactis、Hansenula polymorpha、Aspergillus niger、及び高等動物細胞又はその細胞株及び昆虫細胞又はその細胞株。従って、本発明は、これら生物体及び種における発現を至適化した核酸やポリペプチドを含む。
例えば、細菌細胞から単離された本発明のインテイン及びキメラポリペプチドをコードしている核酸のコドンは、その核酸が、インテインが由来した細菌とは異なる細菌、酵母、カビ、植物細胞、昆虫細胞又は高等動物細胞で至適に発現されるように修飾される。コドンの至適化法は、既によく知られた技術である。例えば、 米国特許番号 5,795,737; Baca (2000) Int. J. Parasitol. 30:113-118; Hale (1998) Protein Expr. Purif. 12:185-188; Narum (2001) Infect. Immun. 69:7250-7253を参照。また、マウス システムにおけるコドンの至適化について述べたNarum (2001) Infect. Immun. 69:7250-7253;酵母におけるコドンの至適化について述べた Outchkourov (2002) Protein Expr. Purif. 24:18-24;大腸菌におけるコドンの至適化について述べた; Feng (2000) Biochemistry 39:15399-15409; 大腸菌における分泌に影響を与えるコドンの至適化について述べた Humphreys (2000) Protein Expr. Purif. 20:252-264をも参照。
形質転換非ヒト動物
本発明は本発明の核酸(例えば、インテイン又は本発明のキメラポリペプチドをコードする)、ポリペプチド、発現カセット又はベクター又は感染又は形質変換した細胞を含む形質転換非ヒト動物を提供する。形質転換非ヒト動物は、本発明の核酸を含む、例えば、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ラット及びマウスであり得る。これらの動物は、例えば、インテインの活性を調べるためのインビトロ モデルとして、あるいはインビボでインテイン活性を変化させる因子をスクリーンするためのモデルとして使用できる。形質転換非ヒト動物において発現されるポリペプチドのためにコードされている配列は、内在的、あるいは組織特異的コントロールのもとに、成長特異的又は誘導的な転写制御因子であるようにデザインすることができる。形質転換非ヒト動物は、既によく知られた技術を用いてデザインし作製することができる;例えば、米国特許番号6,211,428; 6,187,992; 6,156,952; 6,118,044; 6,111,166; 6,107,541; 5,959,171; 5,922,854; 5,892,070; 5,880,327; 5,891,698; 5,639,940; 5,573,933; 5,387,742; 5,087,571等の形質転換細胞やその卵及び形質変換マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ及びウシの作製及び使用について述べているものを参照。また、例えば、形質変換酪農動物のミルクにおける組み換えタンパクの産生について記述してある Pollock (1999) J. Immunol. Methods 231:147-157;形質変換ヤギの産生について述べているBaguisi (1999) Nat. Biotechnol. 17:456-461も参照。米国特許番号6,211,428は、あるDNA配列を含む核酸構造物を脳内で発現する形質転換非ヒト高等動物の作製及び使用を述べている。米国特許番号5,387,742は、クローン化した組換え体、あるいは合成DNA配列を受精したマウスの卵への注入、偽妊娠雌への注入卵への移植、及びアルツハイマー病の病理と関係したタンパクを発現する細胞をもつ形質変換マウスの成長について述べている。米国特許番号6,187,992は、アミロイド前駆体(APP)をコードしている遺伝子の分解を含むゲノムをもつ形質転換マウスの作製と使用について述べている。
ポリペプチド及びペプチド
本発明は、少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパク質を提供し、そのタンパク質は、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパク ドメインを含む第一のドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二のドメイン、及び検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインを含み、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つの解離又はスプライシング活性を持っている。本発明は、本発明の典型的な配列、例えば、SEQ ID NO:2に配列同等性を持った単離又は組換えポリペプチドを提供する。SEQ ID NO:2:

Met Glu Lys Thr Glu Lys Asn Glu Leu Val Arg Lys Leu Ile Phe Asn
1 5 10 15
Pro Gln Gly Asp Arg Glu Ala Ser Lys Arg Lys Ile Ile Lys Gly Asn
20 25 30
Pro Thr Asn Ile Phe Glu Leu Asn Glu Ile Lys Tyr Ser Trp Ala Phe
35 40 45
Asp Leu Tyr Lys Leu Met Gly Phe Thr Asn Phe Trp Ile Pro Glu Glu
50 55 60
Ile Gln Met Leu Glu Asp Arg Lys Gln Tyr Glu Thr Val Leu Ser Asp
65 70 75 80
Tyr Glu Lys Arg Ala Tyr Glu Leu Val Leu Ser Phe Leu Ile Ala Leu
85 90 95
Asp Ser Phe Gln Val Asp Met Leu Lys Glu Phe Gly Arg Met Ile Thr
100 105 110
Ala Pro Glu Val Glu Met Ala Ile Thr Ala Gln Glu Phe Gln Glu Ser
115 120 125
Val His Ala Tyr Ser Tyr Gln Phe Ile Leu Glu Ser Val Val Asp Pro
130 135 140
Val Lys Ala Asp Glu Ile Tyr Asn Tyr Trp Arg Glu Asp Glu Arg Leu
145 150 155 160
Leu Glu Arg Asn Lys Val Ile Ala Glu Leu Tyr Asn Glu Phe Ile Arg
165 170 175
Lys Pro Asn Glu Glu Asn Phe Ile Lys Ala Thr Ile Gly Asn Tyr Ile
180 185 190
Leu Glu Ser Leu Tyr Phe Tyr Ser Gly Phe Ala Phe Phe Tyr Thr Leu
195 200 205
Gly Arg Gln Gly Lys Met Arg Asn Thr Val Gln Gln Ile Lys Tyr Ile
210 215 220
Asn Arg Asp Glu Leu Cys Phe Ile Glu Gly Thr Glu Val Leu Thr Lys
225 230 235 240
Arg Gly Phe Val Asp Phe Arg Glu Leu Arg Glu Asp Asp Leu Val Ala
245 250 255
Gln Tyr Asp Ile Glu Thr Gly Glu Ile Ser Trp Thr Lys Pro Tyr Ala
260 265 270
Tyr Val Glu Arg Asp Tyr Glu Gly Ser Met Tyr Arg Leu Lys His Pro
275 280 285
Lys Ser Asn Trp Glu Val Val Ala Thr Glu Gly His Glu Phe Ile Val
290 295 300
Arg Asn Leu Lys Thr Gly Lys Glu Arg Lys Glu Pro Ile Glu Lys Val
305 310 315 320
Lys Leu His Pro Tyr Ser Ala Ile Pro Val Ala Gly Arg Tyr Thr Gly
325 330 335
Glu Val Glu Glu Tyr Asp Leu Trp Glu Leu Val Ser Gly Lys Gly Ile
40 345 350
Thr Leu Lys Thr Arg Ser Ala Val Lys Asn Lys Leu Thr Pro Ile Glu
355 360 365
Lys Leu Leu Ile Val Leu Gln Ala Asp Gly Thr Ile Asp Ser Lys Arg
370 375 380
Asn Gly Lys Phe Thr Gly Phe Gln Gln Leu Lys Phe Phe Phe Ser Lys
385 390 395 400
Tyr Arg Lys Ile Asn Glu Phe Glu Lys Ile Leu Asn Glu Cys Ala Pro
405 410 415
Tyr Gly Ile Lys Trp Lys Lys Tyr Glu Arg Gln Asp Gly Ile Ala Tyr
420 425 430
Thr Val Tyr Tyr Pro Asn Asp Leu Pro Ile Lys Pro Thr Lys Phe Phe
435 440 445
Asp Glu Trp Val Arg Leu Asp Glu Ile Thr Glu Glu Trp Ile Arg Glu
450 455 460
Phe Val Glu Glu Leu Val Lys Trp Asp Gly His Ile Pro Lys Asp Arg
465 470 475
Asn Lys Lys Lys Val Tyr Tyr Tyr Ser Thr Lys Glu Lys Arg Asn Lys
480 485 490 495
Asp Phe Val Gln Ala Leu Cys Ala Leu Gly Gly Met Arg Thr Val Val
500 505 510
Ser Arg Glu Arg Asn Pro Lys Ala Lys Asn Pro Val Tyr Arg Ile Trp
515 520 525
Ile Tyr Leu Glu Asp Asp Tyr Ile Asn Thr Gln Thr Met Val Lys Glu
530 535 540
Glu Phe Tyr Tyr Lys Gly Lys Val Tyr Cys Val Ser Val Pro Lys Gly
545 550 555
Asn Ile Val Val Arg Tyr Lys Asp Ser Val Cys Ile Ala Gly Asn Cys
560 565 570 575
His Val Thr Leu Phe Arg Asn Ile Ile Asn Thr Leu Arg Lys Glu Asn
580 585 590
Pro Glu Leu Phe Thr Pro Glu Ile Glu Lys Trp Ile Val Glu Tyr Phe
595 600 605
Lys Tyr Ala Val Asn Glu Glu Ile Lys Trp Gly Gln Tyr Val Thr Gln
610 615 620
Asn Gln Ile Leu Gly Ile Asn Asp Val Leu Ile Glu Arg Tyr Ile Lys
625 630 635
Tyr Leu Gly Asn Leu Arg Ile Thr Gln Ile Gly Phe Asp Pro Ile Tyr
640 645 650 655
Pro Glu Val Thr Glu Asn Pro Leu Lys Trp Ile Asp Glu Phe Arg Lys
660 665 670
Ile Asn Asn Thr Lys Thr Asp Phe Phe Gln Ala Lys Pro Gln Thr Tyr
675 680 685
Ser Lys Ala Asn Glu Leu Lys Trp
690 695
異なる蛍光タンパク質(FP)を本発明の方法及びキメラ組成に利用できる。一例として、それらは、他の測定法において両立できる。例えば、多様な色(緑、シアン、赤、黄)を使用できる。その多様ないろは、酵素ドメイン又は結合タンパク ドメイン(例えば、標的酵素)の色と重複しない分光活性を持つFPの選択に融通性を与える。本発明のポリペプチド及びペプチドは、天然の資源からの単離、合成によるもの、あるいは組換え的に作製したものであり得る。ペプチド又はタンパク質は、インビトロ又はインビボにおいて組換え的に発現させることができる。本発明のそのペプチド及びポリペプチドは、既によく知られている如何なる技術によって作製及び単離されることができる。本発明のポリペプチド及びペプチドは、既によく知られている化学的方法により、全合成又は部分合成することができる。例えば、Caruthers (1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 215-223; Horn (1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 225-232; Banga, A.K., Therapeutic Peptides and Proteins, Formulation, Processing and Delivery Systems (1995) Technomic 出版社, Lancaster, PAを参照。例えば、ペプチド合成は、種々の固層技術を利用して行うことができ(例えば、Roberge (1995) Science 269:202; Merrifield (1997) Methods Enzymol. 289:3-13参照)、また、例えば、ABI 431A Peptide Synthesizer (Perkin Elmer) を製造業者から提供された手引きに従って自動合成を行ってもよい。
本発明のペプチド及びポリペプチドは、グリコシレーションをされうる。そのグリコシレーションは、化学的あるいは又は細胞の生合成機構によって翻訳後に添加されうる。後者は、既知のグリコシレーション モチーフの利用を含み、それは、その配列に自然(当然)であり得るか、あるいはあるペプチドとして又はその核酸がコードしている配列に付加されうる。グリコシレーションは、O-結合又はN-結合である。
先に明確にしたように、本発明のペプチド及びポリペプチドは、全ての「疑似体」及び「ペプチド疑似体」を含む。用語「疑似体」及び「ペプチド疑似体」は、本発明のポリペプチドと実体的に同じ構造及び/又は機能特性を持つ合成化学化合物を意味する。疑似体は、全てが合成の非天然類似アミノ酸を含むか、部分的に天然のペプチドアミノ酸と非天然類似アミノ酸を含むキメラである。疑似体は、また、天然アミノ酸保存的置換をそのような置換が実体的に疑似体の構造像及び/又は活性を変えない限り如何なる量でも含める。保存的変種である本発明のポリペプチドを用いて行うように、疑似体が本発明のスコープに入るかものか、即ち、その構造及び/又は機能が実体的に変わっていないか、をルーチンに調べられる。従って、一例として、疑似体の組成がインテイン活性を持つ場合には、それは、本発明のスコープに入る。
本発明のポリペプチド疑似体組成は、非天然構造的な組成を如何なる組み合わせでも含められる。別の例として、本発明の疑似体組成は、次の三種の構造基を一つあるいは全て含む:a)天然のアミド結合(「ペプチド結合」)以外の残基結合グループ;b)天然に存在するアミノ酸残基に代わる非天然残基;あるいは、c)二次的な構造疑似を誘導する残基、即ち、例えば、ベーター-ターン、ガンマ-ターン、ベーター‐シート、アルファー-へリックスのコンフォメーション及びその類など、二次的構造を誘導又は安定化するもの。例えば、本発明のポリペプチドは、その全て又は一部が天然のペプチド結合以外の化学的手段によって結合されている場合、疑似体として調べることができる。個々のペプチド疑似体残基は、ペプチド結合、他の化学結合、あるいはカップリング手段、例えば、グルタールアルデヒド、N-ヒドロキシサクシンイミドエステル、二機能性マレイミド、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)等によって結合されることができる。天然のアミド結合(「ペプチド結合」)に代えることのできる結合グループは、例えば、ケトメチレン(例えば、-C(=O)-CH2-)、アミノメチレン(CH2-NH)、エチレン、オレフィン(CH=CH)、エーテル(CH2-O)、チオエーテル(CH2-S)、テトラゾール(CN4-)、チアゾール、レトロアミド、チアミド、あるいはエステル(例えば、Spatola (1983) Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides and Proteins, 7巻, pp 267-357, “Peptide Backbone Modifications,” Marcell Dekker, NY参照)である。
本発明のポリペプチドは、天然に存在するアミノ酸残基を非天然残基を全てに又はいくらか含ませることにより、疑似体として調べることができる。非天然残基は、科学文献又は特許によく述べられている;天然アミノ酸残基の疑似体として有用である典型的な非天然組成及び指針を以下に述べる。芳香族アミノ酸の疑似体は、例えば、次による置換によって作製できる。それらは、D- あるいは L-ナフチルアラニン;D- あるいは L-フェニルグリシン; D- あるいは L-2 チエニルアラニン; D- あるいは L-1、-2、3-、あるいは 4-ピレニルアラニン;D- あるいは L-3 チエニルアラニン;D- あるいは L-(2-ピリジル)-アラニン;D- あるいは L-(3-ピリジル)-アラニン;D- あるいは L-(2-ピラジニル)-アラニン;D- あるいは L-(4-イソプロピル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルアラニン;D-p-フルオロ-フェニルアラニン;D- あるいは L-p-ビフェニルアラニン;K- あるいは L-p-メトキシ-ビフェニルフェニルアラニン;D- あるいは L-2-インドール(アルキル)アラニン;及び D- あるいは L-アルキルアラニン、等で、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソブチル、セクイソチル、イソペンチル、あるいは非アミノ酸で置換してもしなくてもよい。非天然アミノ酸の芳香環には、例えば、チアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ナフチル、フラニル、ピロリル、及びピリジル芳香環が含まれる。
酸性アミノ酸の疑似体は、負に荷電しているが非カルボキシレートアミノ酸、例えば、(フォスフォ)アラニン、硫酸化スレオニンによる置換によって作製できる。カルボキシ側鎖(例えば、アスパルチル又はグルタミル)は、1-シクロヘキシル-3(2-モルフォリニル-(4-エチル) カルボジイミド又は 1-エチル-3(4-アゾニア-4,4-ジメソルペンチル) カルボジイミドのようなカルボジイミド(R'-N-C-N-R')を用いた反応によっても選択的に修飾することができる。アスパルチル又はグルタミルは、アンモニウムイオンを用いた反応によってアスパラギニル又はグルタミニル残基に転換できる。塩基性アミノ酸の疑似体は、(リジン、アルギニンに加え)アミノ酸オルニチン、シトルリン、あるいは (グアニジノ)アルキル-酢酸で、アルキルは、先に明確にしたものを用いた置換によって作製できる。ニトリル誘導体(例えば、COOH に代わりCN-残基を含んでいる)は、アスパラギン又はグルタミンの代わりにすることができる。アスパラギニル又はグルタミニル残基は、対応するアスパラギニル又はグルタミニル残基に脱アミノ化することができる。アルギニン残基疑似体は、アルギニルと 一種以上の古典的な試薬、例えば、フェニルグリオキザール、2,3-ブタンジオン、1,2-シクロ-ヘキサンジオン、あるいはニンヒドリン等を、好ましくはアルカリ条件下で、反応させることにより作製することができる。チロシン残基疑似体は、チロシルを、例えば、芳香族ジアゾニウム化合物又はテトラニトロメタンと反応させることにより作製することができる。N-アセチルイミダゾール及びテトラニトロメタンは、それぞれ O-アセチルチロシル体及び3-ニトロ誘導体を形成するために使われることができる。システイン残基疑似体は、システイニル残基を、例えば、クロロ酢酸又はクロロアセトアミド及び対応するアミン;カロボキシメチル又はカルボキシアミドメチル誘導体を与える、のようなアルファー-ハロアセテートと反応させることにより作製することができる。システイン残基疑似体は、システイニル残基を、例えば、ブロモ-トリフルオロアセトン、アルファー-ブロモ-ベーター-(5-イミドゾイル) プロピオン酸;クロロアセチルフォスフェート、N-アルリルマレイミド、3-ニトロ-2-ピリジルジスルフィッド;メチル 2-ピリジルジスルフィッド;p-クロロマーキュリベンゾエイト;2-クロロマーキュリ-4 ニトロフェノール;あるいはクロロ-7-ニトロベンゾ-オギザ-1,3-ヂアゾールと反応させることにより作製することができる。リジン残基疑似体(及びアミノ末端残基は、変えられることができる)は、リジニル残基を、例えば、サクシン又は他の無水カルボン酸と反応させることにより作製することができる。リジン及び他のアルファー-アミノ含有残基疑似体は、メチルピコリンイミデート、ピリドキサルフォスフェート、ピリドキサル、クロロボロヒドリッド、トリニトロ-ベンゼンスルフォン酸、O-メチルイソウレア、2,4-ペンタンヂオン、及びグリオキシレイトとのトランスアミダーゼ-触媒反応等のようなイミドエステルとの反応により作製することもできる。メチオニン疑似体は、例えば、メチオニンスルホキシドを用いた反応により作製できる。プロリン疑似体は、例えば、ピペコリック酸、チアゾリジン、カルボン酸、3- あるいは 4- ホドロキシプロリン、デヒドロプロリン、3- あるいは 4-メチルプロリン、あるいは 3,3-ジメチルプロリン等を含む。ヒスチジン残基疑似体は、ヒスチジルと、例えば、ジエチルプロカーボネイト又はp-ブロモフェナシルブロミドを反応させることにより作製できる。他の疑似体は、例えば、プロリン及びリジンの水酸化;セリル又はスレオニル残基の水酸基のリン酸化;リジン、アルギニン及びヒスチジンのアルファー-アミノ基のメチル化;N-末端アミンのアシル化;主鎖アミド残基のメチル化又はN-メチルアミノ酸との置換;あるいはC-末端カルボキシル基のアミド化等が含まれる。
本発明のポリペプチドのある残基、例えば、アミノ酸、は、キラリティーが逆のアミノ酸(又はペプチド疑似体)により置き換えることもできる。従って、L-配座(それは、化学的実体の構造に依存してR又はSとして言及されることもできる)で天然に存在する如何なるアミノ酸も、同じ化学構造的タイプのアミノ酸又はペプチド疑似体で置換することができるが、D-アミノ酸と呼ばれる逆のキラリティーのものも、また、R-又はS-型として言及されるができる。
本発明は、本発明のポリペプチドを転写後の修飾(例えば、リン酸化、アシル化、等)のような天然のプロセス、あるいは化学的修飾技術により修飾する方法も提供し、その結果ポリペプチドを修飾する。修飾は、ポリペプチドのどの部分でも起こり、それには、ペプチドバックボーン、アミノ酸側鎖及びアミノ、あるいはカルボキシ末端を含んでいる。同じタイプの修飾が、与えられたポリペプチド中の数ヵ所で同じ、あるいは異なった度合で存在するかもしれないことが理解されるであろう。修飾は、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有的な付加、ヘム基の共有的付加、ヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体の共有的付加、脂質又は脂質誘導体の共有的付加、フォスファチジルイノシトールの共有的付加、クロスリンク環状化、ジスルフィッド結合の形成、脱メチル化、共有クロスリンクの形成、システインの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ-カルボキシル化、グリコシディレーション、GPIアンカーの形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、ペジル化、タンパク分解的修飾、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、及びアルギニル化のようなトランスファーRNAにより媒介されるアミノ酸のタンパクへの付加等が含まれる。例えば、Creighton, T.E., Proteins - Structure and Molecular Properties 2nd Ed., W.H. Freeman and Company, New York (1993); Posttranslational Covalent Modification of Proteins, B.C. Johnson, 編集, Academic Press, New York, pp. 1-12 (1983)を参照。
固層化学的ポリペプチド合成法は、本発明のポリペプチド又は断片の合成に用いることもできる。そのような方法は、1960年代初頭以来よく知られた技術であり(Merrifield, R. B., J. Am. Chem. Soc., 85:2149-2154, (1963); Stewart, J. M. and Young, J. D., Solid Phase Peptide Synthesis, 2nd Ed., Pierce Chemical Co., Rockford, Ill., pp. 11-12))、また、商業的に入手可能な研究室レベルのペプチドデザイン及びキット(Cambridge Research Biochemicals)に最近は利用されている。そのような商業的に入手可能な研究室キットは、一般的に H. M. Geysen 他, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 81:3998 (1984)の教えが使われ、一枚のプレートに全てが結合している多数の「竿」又は「ピン」のチップ上でペプチドの合成を提供する。そのようなシステムが使われる場合、竿及びピンのプレートは二番目のプレートの対応するウェルへ転回及び挿入され、それは、ピン又は竿のチップに適当なアミノ酸を付着又はつなぐための溶液を含む。このプロセスを繰り返すことにより、即ち、その竿及びピンのチップを適当な溶液に転回又は挿入することを繰り返すことにより、アミノ酸が望ましいペプチドに組み込まれる。更に、多数の入手可能なFMOCペプチド合成システムが利用できる。例えば、ポリペプチド又は断片のアセンブリーは、Applied Biosystems, Inc. Model 431A自動ポリペプチド合成機を用いた固層系システムで行うことができる。そのような機器は、直接合成又は既に知られている技術を用いて結合することのできる一連の断片の合成によって、本発明のペプチドへの迅速なアクセスを提供する。
インテイン
本発明のキメラ組成は如何なる既知のインテインをも含められ、それらには、広範囲の配列多様性、スプライシング作用、及び構造が存在している。既存のインテインは、大きなファミリーを含んでいる。例えば、Perler (2000) Nucleic Acid Res. 28:344-345を参照。本発明の方法に使用されるインテインは、本発明のインテインを含み、本発明のキメラ組成の一部として、組換え的に作製されたもの、合成されたもの、単離されたもの、あるいはそれらの組み合わせによるものであり得る。
本発明は、346アミノ酸を含む単離インテインを提供する。このインテインは、単離された野生型Aquifexである。多数の稀なコドンを含んでいる。
インテイン発現を修飾する方法
本発明は、本発明のインテインを含むインテインの機能及び発現を修飾する方法を与える。その方法には、核酸及び/又はポリペプチド配列及び/又は構造を修飾する如何なる操作をも含められる。例えば、本発明の方法は、GSSMTM、あるいはGene Site Saturation MutagenesisTM(部位飽和変異誘発法TM)の使用を含む。GSSMは、ある特別の遺伝子の各アミノ酸部位に可能な全てのアミノ酸を系統的に置き換える方法である。一例として、インテインの変異は、スプライシングに関わる領域にフォーカスされる。
とある標的遺伝子に焦点を絞る場合、このインテインは、劇的に遺伝子発現を減少させる。これは、インテインの大きなサイズ又は至適以下のコドン慣用のためかもしれない。一例として、インテインを修飾する操作は、遺伝子発現に殆ど又は全く影響を及ぼさないインテインを開発する。一例として、本発明のインテインは、ある遺伝子に焦点を絞る場合、遺伝子発現に殆ど又は全く影響を及ぼさない。
一例として、インテイン修飾操作は、スプライシング活性に影響を及ぼすことなく、インテインを至適に発現させるために必要なインテインの最小領域を同定する。多くのインテインにとって、インテインのN-末端及びC-末端の相対的に小さなドメインがスプライシング活性に必要とされている。例えば、Chong (1997) J. Biol. Chem. 272:15587-15590; Telenti (1997) J. Bacteriol. 179:6378-6382; Lew (1998) J. Biol. Chem. 273:15887-15890を参照。従って、ルーチンのスクリーニングを以て、本発明のAquifexインテインのどの領域がその挙動に影響を及ぼさずに除けるかを決定できる。一例として、本発明は、活性、例えば、スプライシング活性、に関与しない配列が削除された変種インテインを提供する。一例として、削除されたインテインの配列は、他の配列、例えば、蛍光タンパク(FP)のような検出可能タンパクをコードしているタンパクと置き換えられる。一例として、本発明は、その非スプライシング配列が検出可能タンパク(例えば、蛍光タンパク)に置き換えられたインテインを提供する。一例として、この配列は、例えば、ベクターのような発現システム中に置かれる。一例として、このキメラ配列は、発現させて遺伝子の発現を標準化するために利用される。
インテインとFPのような検出可能タンパクの直接融合は、インテインのスプライシング又はFPの検出を阻害する立体的な束縛を引き起こす。一例として、リンカーをFPのような検出可能タンパクのN-末端及び/又はC-末端に付加する。一例として、リンカーをコードする配列を検出可能タンパクをコードする配列のN-末端及び/又はC-末端に付加する。一例として、インテインのデリーションをスクリーニングすると同時に、種々のリンカーをFPのような検出可能タンパクのN-末端及び/又はC-末端に付加させることができる。
一例として、インテインの最小構築体が、pEKI1構築体(pEKint1、図2を参照)において、その機能(例えば、スプライシング、酵素活性)についてスクリーニングされる。一例として、これは、インテインがスプライスできる場合、カナマイシン耐性を与える。一例として、スプライシング及びFP機能を保持する最小インテインを見つけるために、インテイン活性及びFP機能の蛍光検出のためのカナマイシン選別を利用して、多数のインテイン/リンカーの組み合わせがスクリーンされる(図9参照)。一例として、この「ミニ-インテイン」は、その小さなサイズのために、標的タンパク質に融合した場合、高いレベルで発現する。
一例として、本発明のインテインを含み、本発明の組成及び/又は方法に用いられるインテインは、例えば、酵母、細菌、あるいはその類のような種々のスクリーニング宿主において高レベルの発現が得られるように、そのコドン慣用を至適化することによって修飾される。最小インテインのコドン慣用の至適化は、完全長インテインのそれに比べて用意であるかもしれない。一例として、これらの修飾は、その発現を有意に減少させることなく標的遺伝子(NPT II、ベーター-ガラクトシダーゼ)に融合させることにより、活性な蛍光インテインを産生する。
一例として、本発明は、インテインを修飾する方法、とりわけ、インテイン スプライシング領域、例えば、本発明のキメラ組成におけるインテイン スプライシング領域、を提供する。インテインのスプライシングに重要な領域が決定的に調べられている。以下を参照。Chong (1997) J. Biol. Chem. 272:15587-15590; Telenti (1997) J. Bacteriol. 179:6378-6382; Chong (1996) J. Biol. Chem. 271:22159-22168; Derbyshire (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:11466-11471; Perler (1997) Nucleic Acids Res. 25:1087-1093。従って、一例として、本発明のインテインを含め、本発明の組成及び/又は方法に用いられるインテインは、インテインのスプライシングに重要な配列のみを含む。
一例として、本発明のインテイン検出残基(例えば、FP)キメラ構築体が従来の検出可能残基(例えば、FP)との遺伝子融合より優れている点は、その結果として起こるキメラ組成のインテイン検出可能残基(例えば、FP)レポーター部位から興味対象のタンパク質を遊離するスプライシングである。これは、多くの場合に、遺伝子又はポリペプチドの末端にたとえ小くてもアフィニティータグが存在すると、遺伝子及び/又はポリペプチドの発現、核酸及び/又はタンパクの安定性及び/又は活性に大きな変化がもたらされる可能性がある。この場合、融合タグのスプライシング又は解離が興味対象の遺伝子及びタンパクを変化させずに遊離させるために必要とされる。他の例として、遺伝子:インテイン検出可能残基が効率的にスプライスされない場合、インテイン テクノロジーを利用した便宜は、減じるか失われる。従って、一例として、好ましいスプライシング効率を持つインテイン構築体が提供される。本発明は、また、好ましいスプライシング効率を持つインテイン構築体を作製、スクリーニングする方法を提供する。
一例として、本発明は、タンパク精製のためのインビトロ スプライシングに影響を及ぼす条件変種を進化作製することを含めたインテイン修飾のための方法を提供する。以下を参照。Telenti (1997) J. Bacteriol. 179:6378-6382; Wood (1999) Nature Biotechnology 17: 889-892; Southworth (2000) EMBO J. 19:5019-5026。一例として、インテインの修飾には、インビボ又はインビトロのスプライシング挙動が含まれる。インビトロの活性を減少又は上昇させた変異種がスクリーンされた。
一例として、本発明は、触媒活性又はインテイン挙動の他の修飾に重要なインテイン ドメインを調べる方法を提供する。別例として、インテインは、温度、pH、DTTに対する依存性、及び/又はインビトロ及び/又はインビボの解離活性を持てるように進化される。Perler (2000) Nucleic Acid Res. 28:344-345.を参照。
pEKI1(pEKInt1) 構築体は、インテインがスプライスする場合のみ、カナマイシン耐性を与える。GSSM又は他の手法により作製された多くの変異種は、インテイン活性を殆ど失活させるであろう。一例として、pEKI1構築体を用いることにより、インテイン変種の大きなライブラリーが、インテインをスプライスし、後にカナマイシン存在下に増殖できるクローンのためにスクリーンされる。図10を参照。一例として、陽性クローンは、どのクローンがより効果的であるものかを調べるために、カナマイシン活性の定量的測定により調べられる。カナマイシン活性の定量的測定は、既によく知られた技術であり、例えば、Henderson (1991) Analytical Biochemistry 194:64-68を参照。一例として、本発明は、強力な抗生物質選択と定量的測定法を組み合わせた方法を提供する。これは、より効率的にスプライシングするインテインを進化作製するために、多数のインテイン変異種の迅速な評価測定を可能にするものである。
別例として、本発明の方法及び組成に用いられるインテインは、70 %、75 %、80 %、85 %、90 %、95 %、97 %、99 %、又はそれ以上のスプライシング効率を保持する。一例として、非スプライス型融合タンパク質(例えば、KanR:インテイン-FP)の量は、タンパクゲルによって調べられる。一例として、非スプライス型融合タンパク質の量は、スプライス型タンパク質(例えば、KanR)の1 %、5 %、10 %、15 %、20 %、又はそれ以下である。一例として、タンパク濃度は、SDS-PAGE及び/又はマススペクトルメーター(MS)により概算評価される。MSは、サンプル中に存在するタンパク質の正確なサイズ及び量を迅速かつ正確に測定することができる。大量のサンプルのスプライシング効率の定量が必要とされる場合、MSを使用できる。
スプライシングよりもむしろ解離に関するインテインの修飾
一例として、本発明のインテイン及び本発明のキメラ組成及びポリペプチドに使用されるインテインは、スプライシング又は解離活性(実体的なスプライシング又は実体的な解離活性)のいずれかのみを保持する。一例として、本発明のインテイン及び本発明のキメラ組成及びポリペプチドに使用されるインテインは、標的遺伝子のC-末端に焦点を絞る場合、スプライシングよりはむしろ解離活性を持つ。一例として、本発明のインテインは、標的遺伝子のC-末端に焦点を絞る場合、スプライシングよりはむしろ解離活性を持つ。この解離作用は、本発明のインテインベクターの応用性を広げるために利用してもよい。一例として、インテインは、「N-エクステイン」としての標的遺伝子と「C-エクステイン」としてのHis6アフィニティータグの間に融合される。図11を参照。一例として、スプライシング後、標的遺伝子は、アフィニティータグに再結合される。スプライシングよりむしろ解離が起こる場合、標的遺伝子は、元のC-末端とアフィニティータグが未だインテインと融合した状態で遊離される。多くの場合、標的遺伝子のC-末端が元のままにあることがその適当なタンパク機能のためには重要であるかもしれない。
pEKI2構築体(pEKint2、図2を参照)は、インテインがスプライスよりも解離をする場合にカナマイシン耐性を与える。もしインテインがスプライスする場合、His6アフィニティータグは、NPT II酵素に結合したままであり、その不活化を起こす可能性がある。pEKI2構築体(pEKint2)において、インテインは解離する。従って、一例として、pEKI2構築体(pEKint2)は、著しい解離を引き起こすインテイン変異種の選別に利用される。
スプライシングよりも効率的な解離を引き起こすインテイン構築体を作製するために、遺伝子進化テクノロジーがインテイン解離スクリーニング選択と組み合わされる。別例として、タンパクゲル及び/又はマススペクトルメーターで測定すると、発現タンパク質の70 %、75 %、80 %、85 %、90 %、95 %、97 %、98 %、99 %、又はそれ以上が解離されている。
インテインを−1アミノ酸部位に対して非認識性にする修飾
一例として、本発明のインテイン及び本発明のキメラ組成及びポリペプチドに使用されるインテインは、それらがどの標的遺伝子に結合しようとも、効率的に機能する。又、一例として、本発明のインテイン及び本発明のキメラ組成及びポリペプチドに使用されるインテインは、種々の標的遺伝子を以て、70 %、75 %、80 %、85 %、90 %、95 %、97 %、98 %、99 %、又はそれ以上のスプライシング及び/又は解離をするように機能する。
いくつかのタンパク、例えば、酵素、が逆にインテイン活性に影響するかもしれない。インテインのN-末端(即ち、−1部位)に位置するアミノ酸は、著しくスプライシング活性に影響し得る。一例として、異なる標的遺伝子持つインテイン構築体が、−1部位のアミノ酸について広範にスクリーンされる。一例として、インテインは、インテインのC-末端に位置する配列に対する認識性を減少させるために進化される。
スクリーニングの方法論と「オンライン」モニターを行う装置
本発明の実践において、種々の装置及び方法論を、例えば、ポリペプチドのインテイン活性をスクリーンするため、インテイン活性の潜在的な調節因子をスクリーンするため、本発明のポリペプチドに結合する抗体のため、本発明の核酸にハイブリダイズする核酸のため、本発明のポリペプチドを発現する細胞をスクリーンするため、又はその類のために、本発明のポリペプチドや核酸とともに利用することができる。一例として、本発明は、遺伝子の発現を標準化する本発明のキメラ組成を用いる活性スクリーンを提供する。その本発明のキメラ組成は、標的遺伝子を以て、70 %、75 %、80 %、85 %、90 %、95 %、97 %、99 %、又はそれ以上の効率で酵素ドメイン又はタンパク結合ドメインをスプライス(又は解離)して除くことができる。
キャピラリーアレー
GigaMatrixTM(ギガマトリックスTM)、Diversa Corporation, CA, USA、のようなキャピラリーアレーが、本発明の方法には利用される。本発明の核酸やポリペプチドは、キャピラリーアレ-を含むアレーに固定化されるか、又はそれらに添加される。アレーは、ライブラリー構成物(例えば、低分子化合物、抗体、核酸など)の本発明の核酸やポリペプチドに対する結合性や活性を評価するためのスクリーニング又は検出に利用される。キャピラリーアレーは、試料の保持及びスクリーニングにおけるもう一つの系として利用できる。例えば、スクリーニング装置は、少なくとも一つの壁により光束と保持された試料が隔てられているキャピラリーを多数連ねたアレーを含むことができる。この装置は、更に、アレー中の隣接したキャピラリーを整列させるための間質材を含んでおり、その間質材の間に一つ、あるいはそれ以上の参照印が押されている。試料をスクリーニングするためのキャピラリーは、キャピラリーアレーで結合するように改良されており、試料を保持するための光束を隔てる第一の壁があり、更に、試料を励起させるために与えられる励起光を透過するためのフィルター材を持つ第二の壁がある。
ポリペプチド又は核酸、即ち、リガンド、は、キャピラリーアレー中における少なくとも一部のキャピラリーに第一の試料として導入される。キャピラリーアレーの各々のキャピラリーは、第一の試料を保持するための光束を隔てる少なくとも一つの壁を持つ。キャピラリー中には、第一の成分の後に空気泡が導入される。第二の試料がキャピラリーへ導入され、ここで第二の試料は、空気泡により第一の試料から分離される。対象試料は、検出可能な粒子で標識された第一液としてキャピラリーアレー中の一つのキャピラリーに導入され、その中で各々のキャピラリーは、第一液と検出用粒子を保持するための光束で仕切られた少なくとも一つの壁を形成しており、そこでは、少なくとも一つの壁が検出用粒子を結合させるための結合基剤で覆われている。本法は、更に、キャピラリーからの第一液の除去についても述べられ、そこでは、結合した検出用粒子がキャピラリー中に保持されており、そして、そのキャピラリーに第二液が導入される。
キャピラリーアレーは光束を隔てる少なくとも一つの外壁を持つ個々のキャピラリーにより形成されている。キャピラリーの外壁は、互いに結合した一つ以上の壁を持つ。同様に、その壁は、それが液体や試料を保持する光束を形成する限り、円筒形、四角、六角形やその他の幾何学的形態の光束を隔たらせる。キャピラリーアレー中のキャピラリーは、平面構造を形成するように近接して、互いに支えあっている。キャピラリーは、融合(この例では、キャピラリーはガラス製)、接着剤、粘結剤、あるいは固定具などにより互いに結着している。キャピラリーアレーは、如何なる数のキャピラリーからでも形成できる(例えば、100〜4,000,000のキャピラリー)。キャピラリーアレーは、約100,000又はそれ以上の互いに結着したキャピラリーを持つマイクロタイタープレートを形成できる。
アレー、あるいは「バイオチップ」
本発明の核酸やポリペプチドは、アレーと固定化されるか、又はそれらに添加される。アレーは、ライブラリー構成物(例えば、低分子化合物、抗体、核酸等)と本発明の核酸やポリペプチドに対する結合性やその調節活性を評価するためのスクリーニングや検出に利用される。例えば、本発明の一例として、測定されるパラメーターは、インテイン遺伝子転写物の発現である。細胞の転写物、転写物である核酸、又は転写物と相補的な核酸を含む試料のハイブリダイゼーションにより、細胞中の一種以上又は全ての転写物が、アレー又は「バイオチップ」上に固定化された核酸とのハイブリダイゼーションにより測定される。マイクロチップ上の核酸の「アレー」を使用し、細胞中の幾つか、あるいは全ての転写物が同時に分析される。又は、ゲノム由来の核酸を含むアレーも本発明の方法により新たに作製された株の遺伝子型を決定するために使用される。「ポリペプチドアレー」は、多数のタンパク質を同時に検定するために用いられる。本発明は、既知の、全ての「アレー」を用いても実行可能であり、これらのアレーには、「マイクロアレー」、「核酸アレー」、「ポリペプチドアレー」、「抗体アレー」、「バイオチップ」、あるいはこれらを改変したものが含まれる。アレーは、一般的に、多数の「スポット」、あるいは「標的成分」であり、一定量の一種以上の生物分子、即ち、オリゴヌクレオチドを含む各々の標的成分は、試料分子、即ち、mRNA転写物との特異的結合を行わせるために基質表面の一定の領域に固定化されている。
本発明の方法を実行するにあたり、既知のアレイ及び/又はアレイの作製法、及びその使用法は、その全て、あるいは一部、又はその改変されたものが、例えば、以下に記述されている:米国特許番号6,277,628; 6,277,489; 6,261,776; 6,258,606; 6,054,270; 6,048,695; 6,045,996; 6,022,963; 6,013,440; 5,965,452; 5,959,098; 5,856,174; 5,830,645; 5,770,456; 5,632,957; 5,556,752; 5,143,854; 5,807,522; 5,800,992; 5,744,305; 5,700,637; 5,556,752; 5,434,049;例えば、以下も参照、PCT出版番号WO 99/51773; WO 99/09217; WO 97/46313; WO 96/17958;例えば、以下も参照、Johnston (1998) Curr. Biol. 8:R171-R174; Schummer (1997) Biotechniques 23:1087-1092; Kern (1997) Biotechniques 23:120-124; Solinas-Toldo (1997) Genes, Chromosomes & Cancer 20:399-407; Bowtell (1999) Nature Genetics Supp. 21:25-32 。又、米国特許申請番号20,010,018,642; 20,010,019,827; 20,010,016,322; 20,010,014,449; 20,010,014,448; 20,010,012,537; 20,010,008,765 も参照のこと。
現存するスクリーニング法に標準化を含めるような適応
殆どの定量的スクリーンは、活性を遺伝子の発現に標準化することにより改良することができる。従って、一例として、本発明の組成及び方法は、遺伝子の発現を標準化する定量的スクリーンに利用することができる。本発明の組成及び方法は、如何なる定量的スクリーンとともに用いることができる。如何なる与えられている定量的方法(例えば、蛍光、吸収、HPLC、MS、生物活性、他)にとって、相対的に簡単なステップが、本発明のキメラ組成(例えば、インテイン-FP)の蛍光を測定するために加えられる。
酵素アッセイにとって、如何なるスクリーン プラットフォームも使用することができる。例えば、本発明の方法は、384穴、あるいは1536穴を持つようなミクロタイタープレートを含められる。典型的な酵素アッセイにおいて、ベーター-ガラクトシダーゼ活性を発現しているクローンは、発色基質である2-ニトロフェニル ベーター-D-ガラクトピラノシド(ONPG)をミクロタイタープレート中で増殖する細菌に加えることにより検出される。一例として、本発明は、ベーター-ガラクトピラノシド(molecular Probe #R-1159)のような高感度の細胞透過性蛍光基質を使用することもできる。一例として、細胞は、基質の存在下に培養できる。一例として、本発明は、例えば、多数回の溶液分配分注ステップ、細胞溶解ステップを含むような多ステップ、及び反応産物をHPLC、MS又は他の手段により調べることを含む酵素活性測定を提供する。
一例として、本発明の方法は、ミクロタイタープレートのようなウェル中で実施される。一例として、より少ないウェル容量が、スループットを上げるため及び試薬コストを下げるために使われる。しかし、より少ないウェル容量は、増殖、発現、及び溶液の分配分注の相違によるバリエーションをも増やすかもしれない。一例として、ギガマトリックスTMが、本発明の方法において使用される。一例として、ギガマトリックスTMは、非常に小さなウェルにおける、例えば、250 nl程度のサンプル量からの蛍光の検出に使用される。ギガマトリックスTMプレートは、標準的ミクロタイタープレートと同フレームサイズ中に100,000ウェルを持つことができる。このスクリーン フォーマットは、スクリーニングのスループット及び試薬の使用に関して便宜を与えるかもしれない。ギガマトリックスTMシステムは、異なる蛍光基質を使用して、多数の酵素クラスのためのライブラリーをスクリーンするために使用されてきている。
一例として、本発明は、例えば、単一細胞フォーマットにおいて酵素活性を測定する蛍光活性化セル選別装置(FACS)を使用することにより、非常に高いスループットを与える。一例として、FACS装置は、107細胞/分以上の速さで単一細胞からの多様な蛍光シグナルを測定する。一例として、本発明は、細胞透過性、無毒及び/又は非蛍光の基質を使用する。一例として、適当な酵素により修飾された場合、その基質は、蛍光性と成り、拡散せずに細胞内に留まる。数クラスの酵素が本発明のキメラ組成に使用でき、またFACS測定(例えば、単細胞フォーマットにおいて酵素活性を測定するため)を含む本発明の方法において使用できる。
如何なるアッセイも遺伝子発現標準化のための本発明の方法に利用できる。本発明は、ミクロタイタープレートの数億の細胞をFACSアッセイにおいて一つの細胞にまでサンプルサイズを減らしたアッセイを提供する。サンプルサイズが減ると、増殖及び発現に関するバリエーションがより著しくなる。より大きいサンプルサイズにおいては、これらのバリエーションは、細胞の数が多いほど平均化される。本発明の組成と方法による標準化は、バリエーションを補正し、正確で定量的な酵素活性を可能にする。
一例として、本発明の標準化されたアッセイ及び/又は本発明の組成は、価値の高いキラル化合物を産生するのための酵素開発に使用することができる。これらのアッセイは、例えば、ラセマーゼ、ニトリラーゼ及びエポキシド ハイドロラーゼ等に使用できる。一例として、本発明の標準化されたアッセイ及び/又は本発明の組成は、価値の高いキラル製薬化合物の生体触媒的産生のための酵素開発に使用することができる。一例として、本発明の標準化されたアッセイ及び/又は本発明の組成は、多様な発現、安定性、pH及び温度至適、基質特異性及び光学選択性等を含む多様な異なる性質及び活性プロファイルを持つ、例えば、ラセマーゼ、ハイドロラーゼ及びニトリラーゼのような酵素開発に使用することができる。一例として、本発明の標準化されたアッセイ及び/又は本発明の組成は、価値の高い酸の光学選択的産生のための酵素開発に使用することができる。高処理の分光学的な方法が利用される。図12に示した本発明の典型的な方法は、二次検出酵素を利用したアミノ酸の光学選択的変換を定量するために使用できる。
図12は、光学選択的ニトリラーゼの変換の定量のための典型的な方法について描写している。D-アミノ酸酸化酵素(D-AAO)及びL-アミノ酸酸化酵素(L-AAO)の反応を、一方をD-修飾酵素による処理、他方をL-修飾酵素による処理を行えるように、平行化してミクロタイタープレートにセットアップできる。生成したL-アミノ酸の量は、アルファー-ケト酸へ変換させることによって測定する。この酸化は、アンモニア及び過酸化水素の付随した遊離を伴う。一例として、産生したH2O2は、例えば、酸化により赤色発色団を生ずるフェノール4-アミノアンチピリンのような発色団水素受容体の存在下に、西洋ワサビパーオキシダーゼを用いたような高い特異性及び感度のアッセイによって測定できる。光学選択性は、その平行化させたアッセイの比較により計算できる。
ニトリラーゼ反応の光学選択性は、D-特異的、又はL-特異的アミノ酸酸化酵素を用いた反応を平行化させることにより測定される。予備的な研究が、D-及びL-アミノ酸が、ニトリラーゼ反応を二つに分割し、二次酵素レポーターシステムを利用することにより、測定できることを示した。この方法を用いたキラルアミノ酸の光学選択的検出が、D-及びL-アラニン、フェニルアラニン、及び数種の非天然アミノ酸を用いてうまく働くことが示された。このアッセイは、例えば、GSSM及び遺伝子再集合法の技術により作製された酵素変異種ライブラリーを定量的にスクリーンするために使用できる。この方法を利用して向上させた光学選択性についてライブラリーをスクリーンすることは、その計算がL-とD-アミノ酸の比に基ずくものであり、酵素変換の全体量に影響されないことから、酸化酵素増殖及び酵素発現の違いに十分な感受性を持たないかもしれない。しかし、インテイン-FPベクターを利用した活性レベルの標準化は、変異種をそれらの光学選択性及び比活性を基にして選択することを可能にする。更に、二次反応におけるインテイン-FPの蛍光を測定することは、元のニトリラーゼ反応を二分割する際の溶液分配エラーを補正できるであろう。
本発明は、本発明の標準化法及び組成を用いたワンステップアッセイを提供する。一例として、ニトリラーゼ反応及び二次的なアミノ酸酸化反応は、同時に進行する。これは、ニトリラーゼ反応を二つのアッセイに分割する必要性を省く。平行したアッセイは、別々に増殖させた二対のサンプルで実行可能である。溶液分配分注ステップの省略により、これは、本アッセイにかかる時間及び労働を減らし、反応のサイズを1536ウェルプレート程度までに減少させることができる。本発明の組成(例えば、インテイン-FPキメラ)及び本発明の標準化法の使用により、スクリーニングにかかる労力及びコストは減少し、感度及び生産性は増加し、そして高い価値のキラルアミノ酸を産生するより効果的なニトリラ−ゼの進化を可能にする。
別例として、例えば、ラセマーゼ、ニトリラーゼ及びハイドロラーゼのような測定は、キャピラリーアレーシステム、例えば、ギガマトリックスTMのスクリーニング プラットフォーム、に適応される。一例として、ギガマトリックスTMのウェルは、アミノニトリル基質、二次酵素のアミノ酸酸化酵素及びH2O2産生を検出するための蛍光性の水素供与体を含む培地で満たされる。スクリーンされるニトリラーゼ変異種ライブラリーを持つE.coliは、ウェルあたり平均一つの細胞に成るように希釈してもよい。各変異種が増殖してニトリラーゼを発現すると、D-又はL-アミノ酸は、アミノ酸酸化酵素との共役反応により、蛍光シグナルを産生できる。一例として、両L-及びD-アミノ酸の産生は、直接的に測定される。一例として、本発明の方法は、ある特定の光学対掌体を産生する変異種を検出するための非常に迅速な一時スクリーニングを提供する。陽性クローンは、ウェルから回収し、二次アッセイにより更に詳細に調べられる。増殖及び発現のバリエーションは、ミクロタイタープレートのより大きいウェルに比べて、ギガマトリックスTMウェルの小容量においては非常に著しい。この点において、本発明の遺伝子発現標準化法の付加は、これらアッセイの感度及び定量性を大きく向上させるものである。
一例として、細菌クローンが反応培地において増殖する。一例として、ギガマトリックスTMの使用は、基質/産物、透過性/毒性及び蛍光試薬を含む多くのファクターに依存して変えられる。図13は、蛍光試薬ジハイドロキシフェノキサジンを用いた典型的なニトリラーゼ活性の測定について描写している。この方法には、数種の異なるアミノニトリルが使用可能であり、高感度検出を可能にするために、それらの基質が十分に無毒及び細胞透過性であることが示されている。
別例として、本発明のキメラ組成及び方法は、例えば、エポキシド及びジオールのような製薬中間体として使用するキラル組成の産生のための、例えば、ラセマーゼ又はニトリラーゼ等の酵素アッセイに使用される。一例として、本発明は、エポキシド ハイドロラーゼ活性のような酵素活性の分光学及び蛍光ベースの測定を含む。これらのアッセイは、図14に描写するように、発色又は蛍光産物を産生するために、合成基質類似体を使用できる。
図14は、典型的なエポキシド ハイドロラーゼのスクリーンを系統的に描写している。図14は、蛍光性エポキシド基質を用いた典型的な蛍光エポキシドアッセイを描写している。エポキシド ハイドロラーゼ活性は、この合成基質が解離すると蛍光シグナルを産生する。エポキシド ハイドロラーゼ活性は、このアッセイが行われると発色を低下させることができる。
このアッセイの有用性を調べるために、発色及び蛍光エポキシド基質が、Diversaで合成された。アッセイにそれら基質を用いることにより、想定されるエポキシド ハイドロラーゼの活性が確認された。ニトリラーゼのアッセイにおけるように、エポキシド ハイドロラーゼ活性の蛍光的検出は、高密度のミクロタイタープレート又はギガマトリックス フォーマットに適応されることができた。インテイン-FPテクノロジーを利用することにより、これらのアッセイは、より定量的と成り、特別に高価値の化合物を与えるであろう更なるエポキシド ハイドロラーゼ酵素の開発を可能にする。
例えば、ミクロタイタープレート、ギガマトリックスTM、及びFACS等における分光学的アッセイに加え、本発明の方法における活性は、種々の生物学的及び分析学的方法により測定される。活性に対して定量値を与える如何なるアッセイも、本発明の方法を用いて、タンパク質発現に標準化することができる。インテイン-検出可能残基(例えば、インテイン-FP)の蛍光は、種々のフォーマットにおいて測定することができる。
別例として、本発明の両ニトリラーゼ及びエポキシド ハイドロラーゼ アッセイを含む標準化アッセイは、高処理 スクリーニングにおいて使用される。一例として、本発明の方法は、データの質及び感度を向上させ、増殖、発現、及びピペッティングによるバックグラウンド「ノイズ」をより低いものとする。一例として、本発明の標準化法による付加的な情報は、細胞全体の活性よりはむしろそれらの比活性を基に酵素を比較するために使用される。
インテインの標準化データを利用した修飾タンパク質のためのライブラリー スクリーニング
一例として、本発明は、修飾酵素又は結合タンパク質(例えば、改良、あるい他の変化させた活性)について、本発明の方法により作製したインテインの標準化データを利用したライブラリー スクリーニングに関する方法を提供する。一例として、本プロジェクトの特別な目標は、例えば、ACE阻害剤のための中間体の産生のための、ニトリラーゼである。一例として、そのゴールは、そのような薬の製造のための重要な中間体、例えば、4-フェニル-2-アミノブタン酸、を産生する適当な酵素を進化させることである。本発明は、また、4-フェニル-2-アミノブタン酸中間体を産生するこの酵素を用いた工程を開発する方法も提供する。これは、4-フェニル-2-アミノブタン酸を製造する工程の開発を含む。別例として、その工程は、光学選択性の多様性、比活性、安定性、発現等を含んだ種々の酵素の性質を含む。本発明の方法は、先に述べたGSSM及び/又は遺伝子再集合法のテクノロジーを含む核酸又はポリペプチドの如何なる修飾法を含めることができる。一例として、変異種ライブラリーが構築され、好ましい酵素の性質のためにスクリーンされる。このスクリーンから得るヒットは、更に詳細に調べることができ、更に酵素の特性を修飾するための進化の二次ラウンドのための鋳型として使用することができる。この変異及びスクリーニングの繰り返しサイクルは、好ましいタンパク質、例えば、酵素又は結合タンパク質、が開発されるまで繰り返すことができる。
本発明のインテインテクノロジーは、遺伝子を蛍光タンパク質のような検出可能標識と1:1の比で発現するために十分な手段を提供する。従って、単一又はある集団の細胞により産生されるタンパク質の量は、サンプル中の蛍光の測定により計算することができる。本発明のその方法は、種々のスクリーニング プラットフォームの感度及び生産性を向上させ、新規スクリーニング法の開発を可能にする。生きている細胞中における遺伝子発現を標準化する本発明の方法は、学問及び商業領域における多くの応用を持つ。
本発明は、高価なキラル分子の製造のための酵素開発のための新規スクリーンを提供する。これらの酵素は、キラリティーを持った分子の選択的(光学選択的)転換を触媒できる。このテクノロジーにより作製される酵素は、この文書において述べられるキラル分子のための需要を満たす製造プロセスにおいて使用できる。
本発明の方法は、発見、開発、製造に使用でき、また、キラルビルディングブロック、酵素ライブラリー及び大量の酵素のような、キラル中間体及び活性を持つ製薬中間体の製造のための酵素に使用できる。本発明の方法は、ニトリラーゼ及びエポキシド ハイドロラーゼの生物学的変換のために使用できる。本発明の方法を以って使用される典型的な酵素の標的は、以下の表に示す。



































Figure 2005512526
インテイン ラリブラリーを作製するための遺伝子再構成
本発明のキメラ組成は、如何なる既知のインテインをも含み、それには広範囲の配列多様性、スプライシングの挙動、及び構造が含まれる。これらの配列は、如何なる技術又は方法論、例えば、多様なライブラリーを作製するために、異なるインテインの配列を再混合するGeneReassemblyTM(遺伝子再集合法)のような遺伝子再集合の技術によっても修飾されることができる。従って、一例として、本発明は、遺伝子のファミリーに由来するドメインを再混合するために遺伝子再集合法を含めた方法を提供する。本発明のその方法は、新しい性質を持つインテイン及びキメラタンパク質を作製するために、異なるインテインに由来するドメインを混合する。遺伝子再集合法を用いたインテイン ライブラリー作製のための本発明の典型的な方法は、図8に示す。一例として、これらのライブラリーは、異なる(例えば、上昇した)スプライシング及び/又は解離効率を持つ変異種のためにスクリーンされる。スクリーニングを容易にするため及び/又は異なるインテインの配列を再混合するために、そのライブラリーは、クローニング媒体、例えば、ベクター、にクローン化されることができる。
遺伝子再集合法を用いて遺伝子又はドメインが再混合される場合、可能な組み合わせの数は大きなものとなり得る。例えば、10種の異なるインテイン遺伝子から4種のインテインス プライシングモチーフが再混合されると、410 = 1,048,576通りの可能な組み合わせが存在する。更に多くの親遺伝子又はスプライシングモチーフのサブドメインを加えることは、更に多くの組み合わせを作ることに成る。ルーチンのスクリーニングは、活性を持つ再混合変異種を同定できる。一例として、抗生物質による選別がルーチンのインテイン活性スクリーニングアッセイにおいて使用される。これは、評価されるべきクローンの数を非常に減らし、そのアッセイをより定量的なものとする。相対的にほんの少数のクローン(1〜1000)のスプライシング効率を定量的に評価する必要がある場合、例えば、Henderson (1991) Anal. Biochem., 194:64-68に述べられているカナマイシン免疫活性アッセイのような抗生物質免疫活性アッセイが使用できる。一例として、このアッセイは、サンプル中のNPT IIタンパク質(カナマイシン耐性を獲得しているタンパク質、また、KanRと呼ばれる)の免疫アフィニティー固定化を含む。一例として、NPT II活性を測定するために二次酵素反応を伴う。
本発明は、選別スクリーンと高処理活性スクリーンの組み合わせを含んだ方法を提供する。例えば、典型的な方法は、ニトリラーゼ活性のための増殖選別と定量的高処理 ニトリラーゼアッセイを含む。一例として、NPT II遺伝子の代わりに、ニトリラーゼが選別及び活性スクリーンのための構築体に使用される。一例として、変異種ライブラリーは、唯一の窒素源としてのニトリルを加えた最小培地において増殖するために活性なニトリラーゼを必要とする細菌の宿主、例えば、E.coli、において選別される。活性なインテインを含むクローンのみがニトリラーゼ活性を持ち、その培地中で増殖する能力を持つことに成る。一例として、これら選別されたクローンは、活性指示薬として蛍光基質を用いてニトリラーゼ活性を測定するために、更に、高処理活性スクリーンによって調べることができる。一例として、このスクリーンは、一日あたり20,000以上のクローンをスクリーンするために使用されており、10 %程度の活性上昇を検出する。
抗体及び抗体を基にしたスクリーニング法
本発明は、本発明のインテインと特異的に結合する単離又は組換え抗体を提供している。これらの抗体は、本発明のスコープに入るポリペプチド又はその他のインテイン関連ポリペプチドを単離するために利用される。抗体は、インテインのスプライス又は解離部位に特異的に結合するようにデザインできる。
抗体は、免疫沈降、染色、及び免疫親和性カラム等に利用される。必要ならば、特定の抗原に対する抗体をコードする核酸配列は、免疫付与に続くポリペプチド又は核酸の単離、増幅又はクローニング、及び本発明のアレーへのポリペプチドの固定化により得られる。又は、本発明における方法は、細胞により生産された抗体の構造の修飾、即ち、抗体の持つ親和性を増加又は減少させることにも利用される。更に、本発明の方法により設計された細胞の抗体を生産又は修飾する能力は、表現型として現れるであろう。
免疫付与、抗体(モノクロナール、及びポリクロナール)の生産、及び単離の方法は、関連研究者には良く知られており、科学文献や特許等にも記述されている: Coligan, CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY, Wiley/Greene, NY (1991); Stites (編集) BASIC AND CLINICAL IMMUNOLOGY (第7版) Lange Medical Publications, Los Altos, CA (“Stites”); Goding, MONOCLONAL ANTIBODIES: PRINCIPLES AND PRACTICE (第2版) Academic Press, New York, NY (1986); Kohler (1975) Nature 256:495; Harlow (1988) ANTIBODIES, A LABORATORY MANUAL, Cold Spring Harbor Publications, New York を参照のこと。動物を使用した通常のインビボにおける方法に加え、抗体は、インビトロにおいても生産できる。例えば、組換え抗体結合部位を発現するファージディスプレイ ライブラリーを使用する: Hoogenboom (1997) Trends Biotechnol. 15:62-70; Katz (1997) Annu. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 26:27-45。
ポリペプチド又はペプチドは、本発明におけるポリペプチド、例えば、本発明のインテイン、と特異的に結合する抗体を生産するために利用される。このようにして得た抗体は、ポリペプチドを単離又は精製するため、免疫親和性クロマトグラフィーに使用されるか、又は生物試料中にそのポリペプチドが含まれるかを試験するためにも利用される。このような工程において、抽出物などのタンパク質含有物又は生物試料は、本発明のポリペプチドのうちの一つと特異的に結合する抗体と混合される。
免疫親和性の手順において、抗体は、ビーズやその他のカラム基材のような固形支持体と結合される。タンパク質含有物は、その抗体と、その抗体が本発明のポリペプチドのうちの一つと特異的に結合する条件下で混合される。非特異的に結合したタンパク質を取り除くための洗浄を行った後、特異的に結合したタンパク質が溶出される。
生物試料中のタンパク質の抗体に対する結合能は、関連研究者が熟知した様々な方法の中の何れによっても決定できる。例えば、その結合は、蛍光試薬、酵素的標識、あるいは放射性同位元素のどの検出可能な試薬による抗体の標識化によって測定してもよい。又は、試料と結合する抗体は、検出可能な試薬と結合した二次抗体を用いた方法によっても測定される。具体的なアッセイ法としては、ELISA法、サンドウィッチ法、放射性免疫法、及びウェスタンブロット法が含まれる。
本発明のポリペプチドに対して作製されたポリクロナール抗体は、そのポリペプチドの動物に対する直接注射又は非ヒト動物への投与により得られる。そして、ここで得られた抗体は、そのポリペプチドと結合する。この様式において、たとえそのポリペプチドの一部の断片が抗体作成に用いられようとも、作製された抗体は、全体の配列を持つそのポリペプチドとの結合能を有する。このような抗体は、そのポリペプチドを発現している細胞からそのポリペプチドを単離するために利用される。
モノクロナール抗体の作製には、継続して培養できる細胞株による抗体の産生が可能な系であれば、何れの方法をも適用できる。これらの例としては、ハイブリドーマ技術、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術及び EBV-ハイブリドーマ技術が含まれる(Cole (1985);Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96 を参照のこと) 。
本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体を作製するために(米国特許番号 4,946,778参照)、本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体作製の操作が適用される。又は、これらのポリペプチド、あるいはその断片に対するヒト化抗体を発現させるために形質転換マウスが使用される。
本発明のポリペプチドに対して作製された抗体は、その他の生物や試料由来の類似ポリペプチドのスクリーニングにも利用される。このような技術において、生物試料より得られたポリペプチドは、抗体と混合され、その抗体と特異的に結合したポリペプチドが測定される。上記に記された何れの方法も、抗体との結合を測定するために利用できる。
キット
本発明は、核酸、発現用カセット、ベクター、細胞、形質変換した種子又は植物又は植物の一部、ポリペプチド (即ち、インテイン)及び/又は本発明の抗体を含む一連のキットを提供する。このキットは、ここで記されたような本発明の使用方法及び工業的利用法が記述された取り扱い説明書をも含んでいる。
代謝パラメーターの測定
アッセイにおける遺伝子発現の標準化のための本発明の方法は、例えば、新規又は修飾された酵素活性、修飾されたインテイン活性のような新しい表現型を持つ新しい細胞株の開発するための細胞に関する全細胞の進化、又は全細胞のエンジニアリング等に利用することができる。一例として、その細胞の遺伝子組成が修飾される。その遺伝子組成とは、本発明の核酸を細胞に加えることにより修飾できる。新規表現型を検出するために、修飾された細胞の少なくとも一種の代謝パラメーターが、ある時間枠で「実時間」的に又は「オンライン」的に測定される。一例として、多数の代謝パラメーターが、「実時間」的に、あるいは「オンライン」的に測定される。その代謝パラメーターは、本発明のインテインを用いて測定される。
代謝流束分析(metabolic flux analysis, MFA)は、既知の生化学的構成成分に基づいている。経路上、独立した代謝マトリックスは、細胞内代謝物における質量保存の法則及び擬似定常状態仮説(pseudo-steady state hypothesis, PSSH)に基づいている。本法を実行するにあたり、構成される代謝ネットワークは、以下に示した要素を含んでいる:
・その経路における、全ての基質、生産物及び中間代謝物の同定
・その経路の代謝物が相互変換される全ての化学反応の同定及びそれらの反応の化学量論的解析
・その経路に関与する全ての酵素の同定及びその酵素の反応速度論的解析
・その経路の構成成分間の調節的相互作用、即ち、アロステリック相互作用、酵素間相互作用等。
・酵素の細胞内局在、あるいはその酵素の他の分子との複合体形成、そして
・代謝産物、酵素又はエフェクター分子の濃度勾配、あるいはそれら細胞の移動における拡散障壁の存在
その細胞における代謝ネットワークが構築されると、オンラインメタボロームに関するデータが利用可能な場合は、その細胞内代謝流束を推定するためのマトリクス概念による数学的解析が行われる。代謝的表現型は、細胞内における全体の代謝ネットワークの変化に依存している。代謝的表現型は、環境条件、遺伝子レベルでの調節、発育状態及びその細胞の遺伝子型等におけるその経路の利用状態の変化にも依存している。本発明の方法の一例として、オンラインによるMFA解析の後、その経路の利用状態を測定することにより、その細胞の動的挙動、表現型及びその他の特性が解析される。例えば、酵母の発酵において、グルコースの供給が増加して酸素量が低下した場合、呼吸経路の利用は低下及び/又は停止され、嫌気的醗酵経路の利用が優位となる。細胞培養における生理学的条件の調整は、その経路の解析の後で可能となる。本発明の方法は、細胞の生理学的条件を目的の状態へと調整するための基質供給、温度、誘導物質等の条件を決定することによる最適な醗酵方法の決定を支援する。本法を実行するにあたり、そのMFA解析データは、又、代謝経路設計又は遺伝子シャッフリング等の実験法やプロトコールを作成するために、トランスクリプトームデータ及びプロテオームデータと比較検討される。
本法を利用することにより、細胞中の修飾又は新規表現型の何れでも比較及び検出可能である。代謝又は生育における何れの特性をも測定できる。
検出可能残基
本発明は、少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパクを提供し、その一つのドメインは、検出可能残基ドメインを含む。検出可能残基は、蛍光、生物発光、化学発光又は放射活性残基を含む検出可能な組成を含む。生物発光は、全ての生物発光、蛍光又は化学発光又は他の光子検出可能な系を含む。
本発明の組成及び方法に用いられる生物発光及び化学発光ポリペプチドは、生物発光又は化学発光であることが知られるか、あるいは特異的な基質(試薬)に対して酵素として作用する全ての既知のペプチドを含み、生物発光又は化学発光分子を産生(それらの酵素活性により)することができる。それらは、例えば、以下に述べるように、単離又は組換えルシフェラーゼ、アエクオリン、オベリン、ネオプシン、ベロビン及びそれらの類似物及びそれらの組み合わせ等を含む。一例として、生物発光又は化学発光は、画像化できる分子をインシーチュで産生する試薬と反応する基質に作用する酵素である。その基質は、キメラポリペプチド(その酵素を含む)を投与する前、と同時(例えば、同じフォーミュレーションで)、又は後に投与することができる。
別例として、これらのポリペプチドは、例えば、ルシフェラーゼ、アエクオリン、オベリン、ネオプシン、ベロビン、又は同等の光タンパク質、及びそれらの組み合わせを含む。本発明の組成及び方法は、また、組換えキメラ又は「融合」タンパクとしてこれらのポリペプチドを含み、キメラ核酸及びそれらをコードする構築体も含んでいる。これら組換え型ポリペプチドを作製する方法は、既に、よく知られた技術であり、以下を参照。Everett (1999) J. Steroid Biochem. Mol. Biol. 70:197-201. Sala-Newby (1998) Immunology 93:601-609, ホタルのルシフェラーゼ及びアエクオリン(ルシフェラーゼ-アエクオリン)の組換え細胞質融合タンパク質の使用について記載。Ca2+-活性化光タンパク質オベリンは、例えば、Dormer (1978) Biochim. Biophys. Acta 538:87-105; 及び 組換えオベリンは、 例えば, Illarionov (2000) Methods Enzymol. 305:223-249。活性化光タンパク質ネオプシンは、例えば、Anctil (1984) Biochem J. 221:269-272に記載。 単量体Ca2+-結合タンパク質アエクオリンは、例えば、Kurose (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:80-84; Shimomura (1995) Biochem. Biophys. Res. Commun. 211:359-363。アエクオリン型光タンパク質のハリスタウリン及びフィアリジンは、例えば、Shimomura (1985) Biochem J. 228:745-749に記載。Ward (1975) Proc. Natl. Acad. Sci USA 72:2530-2534は、ネオプシン、アエクオリン及びベロビンについて記述。本発明の生物発光又は化学発光ポリペプチドは、如何なる方法によっても作製できる。例えば、組換え生物発光キメラタンパク質の作製について述べている米国特許番号6,087,476を参照。米国特許番号6,143,50; 6,074,859; 6,074,859, 5,229,285は、組換え発光タンパク質の作製について述べている。本発明の組換えキメラポリペプチドの生物発光又は化学発光活性は測定可能である。例えば、以下に述べられている測定が使用される。米国特許6,132,983; 6,087,476; 6,060,261; 5,866,348; 5,094,939; 5,744,320。本発明の組成において使用される種々の光タンパク質は、例えば、米国特許番号5,648,218; 5,360,728; 5,098,828に述べられている。
本発明の組成及び方法には、どのような生物発光、蛍光又は化学発光又は他の光子検出システムの使用も含まれる。本発明の方法は、如何なる光子検出装置、又はその類似又は同等のもの、又は、可視的な画像化を含んだ既知の如何なる光子検出方法論の組み合わせを利用して実践できる。具体的な光子検出装置は、画像処理装置と連結したICCDカメラ(intensified charge−coupled device)である。米国特許番号5,650,135。光子検出装置は、例えば、Xenogen (Alameda, CA) (the Xenogen IVISTM 画像システム);又はHamamatsu Corp., Bridgewater,NJにより製造されている。
CCD検出/画像装置(proximal charge-coupled device)が他の画像システムとして本発明の組成及び方法のために使用することができる。その固有の多様性のため、化学発光、蛍光及び放射性同位体標識分子の検出、高処理、及び高感度に適応することができる。この検出/画像装置は、CCDのアレー、光コンダクター付MOSアレー、光コンダクター付CMOSアレー、CID(charge injection device)、薄層トランジスタアレー上の光コンダクター、アモルファスシリコンセンサー、フォトダイオード、及びその類のような複数の固層画像装置を含めることができる。
本発明の組成及び方法は、例えば、以下に述べられているような検出装置全体又は一部デザインしたものを含める。米国特許番号6,197,503; 6,197,498; 6,150,147; 6,083,763; 6,066,448; 6,045,996; 6,025,601; 5,599,695; 5,981,956; 5,698,089; 5,578,832; 5,632,957。
本発明の組成及び方法には、如何なる検出可能な標識をも含められ、それらを利用することができる。典型的な標識には、例えば、32P、35S、3H、14C、125I、131I;蛍光色素(例えば、Cy5TM、Cy3TM、FITC、ローダミン、ランタニド燐、テキサスレッド)、電子密度試薬(例えば、金)、一般にELISAにおいて使用されるような酵素(例えば、西洋ワサビパーオキシダーゼ、ベーター-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリ-フォスファターゼ)、磁気標識(例えば、DynabeadsTM)、ビオチン、ジオキシゲニン、又は抗血清又は単クローン抗体が利用可能なハプテン及びタンパク質等がある。標識は、核酸又は他の検出されるべき標的化合物に直接取り込ませることができ、また、標的にハイブリダイズ又は結合するプローブ又は抗体に結合させることもできる。二次レポーター(例えば、ロイシンジッパー配列、二次抗体の結合部位、転写活性化ポリペプチド、金属結合ドメイン、エピトープタグ)により認識される予め決定されたペプチドエピトープ取り込ませることにより(例えば、ヌクレオチド塩基に) ペプチドを検出可能にさせることができる。標識は、起こり得る立体障害を減らすため、あるいは他の有用な又は好ましい性質を際出させるために種々の長さのスペーサーアームに結合させることができる(キメラ組成のドメインは、種々のスペーサーにより分離させることもできる)。Mansfield (1995) Mol Cell Probes 9:145-156を参照。
メロシアニン、スチリル又はオキソノル色素のようなシアニン及び関連色素は、特に、強い吸光性及び発光性である。例えば、米国特許番号4,337,063; 4,404,289; 6,048,982を参照。Cy3TM及びCy5TMも共に使用することができる:両者は、Amersham Life Sciences (Arlington Heights, IL)により製造されている蛍光シアニン色素である。
本発明の組成と方法において、検出可能な組成を用いた標識(検出可能残基を用いて標識すること)は、また、例えば、「分子合図」又は「アプタマービーコン」としてステム-ループ構造の核酸のような他の生物学的分子に結合させた核酸を含めることができる。検出残基としての分子合図は、既によく知られた技術である;例えば、Sokol (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:11538-11543に、5'及び3'末端に一致した蛍光性の供与又は受容発色団を持つ合成「分子合図」レポーターオリゴヌクレオチドが述べられている。相補的核酸の非存在下において、その分子合図は、蛍光共鳴エネルギー転移がシグナルのエミッションを妨げるステム-ループ構造を採っている。相補的な配列を用いたハイブリダイゼーションで、ステム-ループ構造は、供与及び受容残基間の物理的距離を広げるように開き、それにより蛍光共鳴エネルギー転移が減少し、検出可能シグナルがその合図が適当な波長の光によって励起されると発するようになる。三本鎖を形成するG-リッチな18-マー オリゴヌクレオチドを含む分子合図について記述したAntony (2001) Biochemistry 40:9387-9395を参照。また、米国特許番号6,277,581及び6,235,504も参照。
アプタマービーコンは、分子合図に類似する;Hamaguchi (2001) Anal. Biochem. 294:126-131; Poddar (2001) Mol. Cell. Probes 15:161-167; Kaboev (2000) Nucleic Acids Res. 28:E94を参照。アプタマービーコンは、二種以上のコンホメーションを採ることができ、そのうちの一つは、リガンドの結合を可能にする。蛍光-消光ペアーは、リガンドの結合により誘導されるコンホメーションの変化を知らせるために使われる。例えば、Yamamoto (2000) Genes Cells 5:389-396; Smirnov (2000) Biochemistry 39:1462-1468を参照。
核酸を蛍光色素で標識する方法に加え、多数の蛍光団の同時検出のための方法は、既によく知られた技術となっている。例えば、米国特許番号5,539,517; 6,049,380; 6,054,279; 6,055,325を参照。例えば、スペクトログラフは、発光スペクトルを光ディテクターの二次元アレー上に画像化できる;アレーの完全に分光的に分解された画像はこのようにして得られる。蛍光量子収量及び光分解収量のような蛍光団の光物理、及びディテクターの感度は、オリゴヌクレオチドアレーのための測定時間に関するパラメーターとなる。
実施例
例1:キメラタンパク質の開発とその評価及び本発明の方法
以下の例は、典型的なキメラタンパク質の開発とその評価及び本発明の方法について述べている。
インビボで発現された遺伝子をモニターするための蛍光タンパク質(FP)を含むインテインの使用に関する実施可能性が示されている。数種の典型的なインテイン発現ベクターが構築され、この目的に使用された。多くの例において、そのベクターは、典型的なインテイン発現ベクターを開発する戦略を系統的に記述する図1に示すように、インテインに挿入される蛍光タンパク質(FP)を興味対象の遺伝子(GOI)の下流に融合することがきる。如何なるインテインも、本発明の組成及び方法に含めることができ、その多くは、例えば、Clontech Inc.の蛍光タンパク質のように、商業的に入手可能である。これら典型的なキメラタンパク質に関して、Saccharomyces cerevisiae (Sce VMA)の空泡ATPaseサブユニット由来のインテイン及びグリーン蛍光タンパク質(GFP)が使用される。更に、以下に述べるように、細菌Aquifex aeolicus由来の新規インテインが発見された。
インテインのユニークな自己触媒活性は、興味対象の遺伝子及び蛍光タンパク質の量子論的発現を達成するために利用された。この技術は、酵素活性を結合している蛍光タンパク質の蛍光に標準化することを可能にした。このインテインは、あるタンパク質のC-末端に置かれた場合、そのN-末端で解離する。この典型的なインテイン発現ベクターの実施可能性を示したこの戦略は、図1に総括した。
Aquifex aeolicusゲノムのリボヌクレオチド二リン酸レダクターゼ(nrdF)遺伝子由来のインテインが配列相同性により調べられ、346アミノ酸をコードするインテインを含むことが分かった。そのタンパク前駆体及び外来タンパクの背景から自身の切断を触媒する能力は、未だ実証されていない。Clontechの多様な色の蛍光タンパク質も使用できる;それらは、それらの細菌での発現及びN-又はC-末端融合の慣用に関してGFPと同様の挙動をする。ネオマイシン フォスホトランスフェラーゼ遺伝子(NPT II)(これより後、KanRとして示す)は、カナマイシン耐性を与え、インテイン融合の予備スクリーニングのためのマーカーとして使用された。
インテインを含むnrdF遺伝子の全体が、Aquifex aeolicus (SEQ ID NO:1)からPCR増幅され、E.coliで過剰発現された。タンパクゲル分析は、その元の遺伝子からAquifexインテインが効率的にスプライスされることを明確に示し、そのインテイン活性が確認された。
殆どのインテインは、それら天然のタンパク前駆体からスプライスすると、挿入部位にシステインを残す。従って、標的遺伝子のどのシステインにインテイン配列を挿入することも可能である。KanR遺伝子のシステイン33又はC-末端のいずれかにクローン化されたAquifexインテインの構築体が作製され、pEKI1(pEKint1)及びpEKI2(pEKint2)プラスミドをそれぞれ作製するためにpET21b(Novagen)のT7プロモーターの後にサブクローン化された;典型的なインテイン発現ベクターを作製するために使用される構築体を概要した図2を参照。
KanR遺伝子は、通常、C-末端にシステインを持たず、pEKI2の構築体にそれが加えられた。KanR:インテイン融合体は、また、アフィニティー精製及びスプライスされた産物のウエスタン検出のためにヘキサヒスチジン(His6)タグとの融合体としてサブクローンされた。対照として、KanRが、元のC-末端、C-末端に付加的なシステイン、又はHis6アフィニティータグを持つ同じベクターにサブクローン化され、pEK、pEKCys、及びpEKHがそれぞれ作製された。各プラスミドを保持するE.coliの増殖が、25 μg/mlのカナマイシン存在下に、調べられた(図2参照)。pEKプラスミドは、カナマイシン耐性を獲得したが、pEKH とpEKCysは獲得していない。KanR遺伝子のC-末端に一システイン残基を付加すると、そのカナマイシン耐性を獲得する能力が破壊される。結果として、たとえインテインがスプライスして完全長のKanRタンパク質を再生しようとも、如何なるHis6が付加された構築体にも、カナマイシン耐性を与えることを期待できない。
pEKI1(pEKInt1)プラスミドは、カナマイシン耐性を獲得することができ、外来状況において、Aquifexインテインのスプライシング活性が確認された。pEKI2H(pEKint2H)プラスミドもカナマイシン耐性を与えることができる。これは、His6タグがKanR機能を破壊することを合わせ、pEKI2H(pEKint2)のカナマイシン耐性がスプライシングではなく、インテインのN-末端で起こる解離イベントの結果であることを強く示唆している。この場合、His6タグは、インテインと融合したままで、KanRタンパク質は、元のC-末端に留まっている;Aquifex aeolicusインテインのスプライシングと解離の系統的概要を示す図3を参照。
E.coliにおける過剰発現に続き、全細胞抽出物が調製され、図4に示したように、SDS-PAGEによる分析が行われた。図4において、BL21Star(DE3)pLysSにおけるインテイン融合タンパクの過剰発現が分析された:pEK = カナマイシン単独;pEKH = His6タグとカナマイシン;pEKI1(pEKint1) = Cys33のインテインとカナマイシン;pEKI1H(pEKint1H) = カナマイシン、Cys33のインテインとHis6タグ;pEKI2 = C-末端インテインとカナマイシン; pEKI2H(pEKint2H) = C-末端インテイン及びHis6タグとカナマイシン。U = 非誘導;I = 誘導;K = カナマイシン;KH = カナマイシンとHis6タグ;KI1H = インテイン及びHis6タグとカナマイシン;I1 = スプライスしたインテイン;KI2H = インテイン及びHis6タグとカナマイシン;I2H = His6タグとインテイン。
KanR(元のKanRタンパク質)及び KanRH(His6を持つKanRタンパク質)の予想される分子量は、それぞれ29及び30kDa(SEQ ID NO:2をコードしたSEQ ID NO:1)である。pEKI1Hサンプルにおいて、30kDaタンパクが見られ、KanRHに相当するようである。これは、インテインがスプライスし、His6タグを持つKanRが再生されたことを強く示唆する。対照的に、KanRに相当する29kDaタンパクは、pEKI2Hサンプル中に認められ、インテインがそのN-末端で解離したことを示す確かな事実を与えている。この場合、His6タグは、インテインに融合したままであり、KanRには変化がない。これらの結果は、カナマイシン耐性のスクリーニングで得られたそれらと類似している。
同様な構築体が、Sce VMAインテインを組成として用いて作製された。プロテインゲル分析、図5参照、及びスプライシングのアッセイとしてカナマイシン耐性選別により、VMAインテインも、インテインがKanR遺伝子のCys33に挿入された場合、正確にスプライスすることは示された。しかし、pKanInt2Hと類似したそのVMAコンストラクトは、カナマイシン耐性を獲得できず、VMAインテインがそれらの条件において解離をしないことを示している。これらの結果は、このインビボ解離活性がAquifexインテインの性質であることを示している。図5は、BL21(DE3)RILにおけるVMAインテインの過剰発現を描写している。レーン1 = pEK誘導;2 = pEKH誘導;3 = pEK33V非誘導;4 = pEK33誘導;5 = pEK33VH非誘導;6 = pEK33VH誘導;KVMAH = カナマイシンとVMAインテイン及びHis6タグ;VMA = インテインのみ;KH = カナマイシンとHis6タグ。
三種の蛍光タンパク質(FP)が個々にインテイン構築体に挿入された:プラスミドpIJ8641由来のグリーン蛍光タンパク質(EGFP)の赤色シフト変種(励起波長488 nm;吸収波長507 nm)、Sun (1999) Microbiology 145:2221-2227参照;ベクターpAmCyan(クローンテック)中のAnemonia majano由来のシアン青蛍光タンパク質(励起波長453 nm;吸収波長486 nm);ベクターpZsGreen(クローンテック)のZoanthus sp.由来の野生型緑色蛍光タンパク質(励起波長496 nm;吸収波長506 nm)。他のインテインとの配列比較から、おおよそ500 bpの領域、Aquifexインテインのスプライシング又は解離に要求されるべきでないことが予期された。pEKI2Hプラスミド中のインテインのこの領域を各FPに置換したベクターが構築された。
E.coliにおけるインテイン-FPの過剰発現は、各融合タンパク質の高レベル発現を起こした;しかし、スプライシングも解離も見られなかった。結果として、その融合タンパク質は、カナマイシン耐性を得られなかったことになる。全細胞の蛍光が測定されたが検出されなかった。これは、内部融合としての、EGFPの不活性化によるものかもしれない。一例として、フレキシブルなリンカーが、本発明のキメラポリペプチドに付加された。一例として、図6にインテインの機能及び蛍光を持つ典型的なキメラ構造を示すように、例えば、蛍光タンパク質のような検出可能残基がインテインのC-末端に融合される。図6A:ドメイン間の立体的干渉を緩めるために、フレキシブルなリンカーが、インテインとFPドメインとの間に導入される。図6B:GFPのC-末端のインテインへの融合。転写の後、インテインは解離し、如何なるC-末端への付加なしにGOIが遊離される。
Clontechのグリーン及びシアン青FPが、VMAインテインの残基204に挿入、あるいは残基204-383と置換された。これらの残基は、小さなフレキシブル リンカーにより置換される場合、インテイン活性に影響を及ぼさないことが示された;例えば、Chong (1997) J. Biol. Chem., 272:15587-15590を参照。E.coli及び二種の他のβ-ガラクトシダーゼ遺伝子に由来するlacZ遺伝子が、KanRに代わり、VMA及びVMA-FP構築体のN-末端に融合された。これらβ-ガラクトシダーゼ遺伝子は、それらが広範囲に及ぶ比活性及び発現レベルを示すことから選択された。E.coliで過剰発現された場合、グリーン又はシアン青FPを持った構築体は、いずれのインテイン配座においても検出可能な蛍光を持たなかった。これは、融合の部位によることかもしれない。SDS-PAGEにより調べると、期待されるサイズの融合タンパク質は産生されたものの、どの構築体もスプライスするようには見られなかった。これら全ての構築体は、数種の異なる基質を用いた活性検出においてβ-ガラクトシダーゼ陽性であった。図7は、β-ガラクトシダーゼのVMA-FPインテインへの融合を描写する。三種の異なるβ-ガラクトシダーゼ遺伝子、二種のインテイン配座(部位204における挿入、あるいは部位204-384の削除)、及び二種のFP(クローンテックのグリーン及びシアン青)の全ての組み合わせが作製され、E.coliにおいて過剰発現された。
このプロジェクトのために選択された典型的なAquifexインテインは、発現することが困難であることが判明し、外来背景に挿入された場合、スプライシング活性が著しく低下した。異なるFP遺伝子をAquifex構築体を又はVMAインテインに挿入した場合、インテイン活性もFPの蛍光も観察されなかった。VMA及び他のインテインの操作は、インテイン モチーフのN-及びC-末端のフレキシブルなリンカーが要求されることを示した(Chong (1997) J. Biol. Chem., 272:15587-15590)。FPが挿入された配座が、インテインの非機能性を導く構造干渉を引き起こしたことが考えられる。この干渉は、また、FPの蛍光の欠如を説明するかもしれない。インテインとFP配列間へのフレキシブルなリンカーの付加は、インテインとFPドメインが正常に機能するように、そのコンフォメーションを緩めるのかもしれない。または、一例として、FPは、図6に描写したように、インテインのC-末端に挿入される。Aquifexインテインの解離活性は、好ましいタンパク質を産生する。
これらの実験で構築されたこれらの融合タンパク質に蛍光が検出されなかったが、それは、FP挿入の部位がその機能に影響を及ぼしたらしい。以下の文献のいくつかの例において、GFPがある遺伝子にうまく挿入され、蛍光を保持した。例えば、Bionidi (1998) Nucleic Acid Res., 26:4946-4952を参照。上述したインテイン構築体へのFP挿入の選択は、正確なFPのフォールディングや機能を許さないのかもしれない。
本発明は、ドメイン間にリンカーの挿入を含むキメラ組成(例えば、融合タンパク質)を提供する。インテイン ドメインは、効率的なスプライシング又は解離が起こるように、適当なフォールディングを要求するかもしれない。反応基は、正確に並べられたかもしれない。Chong (1997) J. Biol. Chem., 272:15587-15590の研究において、あるエンドヌクレアーゼをコードしたインテインの一部が削除された。結果として生じたミニ-インテインは、スプライシングを起こせなかった。しかし、二種のフレキシブルなペプチドリンカーが、削除された部位に挿入され、それによりインビボで効率的なスプライシングが起きた。ミニ-インテインのスプライシングを改善するリンカーの挿入例が、Mycobacterium xenpopi由来のMxe GyrAインテインで実証された。Telenti (1997) J. Bacteriol., 179:6378-6382を参照。Chong (1997)又はTelenti (1997)により述べられたものを含む如何なるリンカーも、本発明のキメラ組成に利用することができる。既知のインテインにおいて、特別な目的のための至適化ミニ-インテインを作製するために、ルーチンのスクリーニングを行うことができる。一例として、本発明のキメラ組成は、更に、キチン結合ドメイン、His6タグ、抗体アフィニティー結合のための如何なるエピトープ、及びその類、のようなアフィニティー精製のためのドメインを含む。本発明のキメラ組成は、アフィニティー精製のためのドメインを含むミニ-インテインであり得る。一例として、そのポリペプチドは、Zhang (2001) Gene 275:241-252に述べられているように、標的タンパク質のN-末端及びキチン結合ドメイン-FGP融合タンパク質のC-末端に融合された修飾インテインであり得る。これは、アフィニティー精製のためのオプションとして結合させたGFPの蛍光を見ることにより、可溶性タンパクの発現をモニターすることを可能にした。しかし、Zhang (2001)の論文において、フレーム内でGFPに融合させたインテインは、インビトロでインテインの機能及び機能的な蛍光を保持した。このZhang (2001)のデータは、解離した後のGFP蛍光-インテインの蛍光(例えば、図6Bに描写するようなキメラ組成から)がモニターできることを実証した。
インテインを含む典型的なキメラ組成は、スプライシングの代わりに解離を受けることから、標準化のテクノロジーが利用できる。一例として、インテインは、それらの自然のC-末端を持つ遺伝子産物の発現を可能にするために利用された。別例として、小さなアフィニティータグが、そのC-末端に結合された。
一例として、抗生物質選択が、スプライシング及び解離イベントの両方に使用される。これらの選別は、フェーズIIにおいて、より効率的なものを含んだ付加的なインテインを開発するために使用されることができる。
一例として、pH感受性のGFPが、本発明のキメラ組成に組み込まれる。それは、例えば、加水分解酵素のような酵素によるプロトンの産生を検出するために使用されることができる。従って、一例として、キメラ組成は、pH感受性のGFP及び加水分解酵素(及びインテイン)を含む。
本発明の多くの典型例を記述した。それにもかかわらず、本発明の精神及びスコープから逸脱しない範囲で、種々の修飾がなされてもよいことが理解されよう。他の具体例は、以下の請求項のスコープ内に入るものである。
種々の図における同じ参照符は、同様のエレメントを示す。
インテイン発現ベクターの開発に関する図解的記述。以下、例1において詳細に示す。 典型的なインテイン発現ベクターを作製するための構築体のダイアグラム。以下、例1において詳細に示す。 Aquifex aeolicusインテインのスプライシング-解離に関する図解的ダイアグラム。以下、例1において詳細に示す。 SDS-PAGEにより解析した全細胞抽出物。以下、例1において詳細に示す。 BL21(DE3)RILにおけるVMAインテインの過剰発現。以下、例1において詳細に示す。 インテイン機能及び蛍光を保持する典型的なキメラ構造。以下、例1において詳細に示す。図6A:インテインとFPドメインの間に導入されるフレキシブルなリンカー。図6B:GFP C-末端のインテインへの融合。以下、例1において詳細に示す。 β-ガラクトシダーゼのVMA-FPインテインへの融合。以下、例1において詳細に示す。 遺伝子再集合法 (GeneReassemblyTM)によるインテイン ライブラリー作製のための本発明の典型的な方法。図8Aは、必須のスプライシング モチーフ間の組換え部位を示す。図8Bは、スプライシング モチーフの全組み合わせの複合ライブラリーを作製するための典型的な方法を示す。以下、例1において詳細に示す。 インテイン削除のスクリーンと同時に種々のリンカーを検出可能なタンパク質のN-末端及び/又はC-末端に付加させることができる本発明の典型的な方法を記述している。以下、例1において詳細に示す。 遺伝子変異法(GSSM)及び遺伝子再集合法、カナマイシンによる抗生物質選別、スプライシング効果を上昇させたインテインを調べるそれに続くカナマイシン耐性活性測定を利用したインテイン変異体ライブラリーを作製する本発明の典型的な方法を描写している。以下、例1において詳細に示す。 遺伝子変異法(GSSM)及び遺伝子再集合法、カナマイシンによる抗生物質選別、解離効果を上昇させたインテインを調べるそれに続くカナマイシン耐性活性測定を利用したインテイン変異体ライブラリーを作製する本発明の典型的な方法を系統的に描写している。以下、例1において詳細に示す。このインテインは、"N-エクステイン" としての標的遺伝子と"C-エクステイン"としての His6 アフィニティータグの間に融合させる。以下、例1において詳細に示す。 二次検出酵素を利用したアミノ酸の鏡像変換を定量する本発明の典型的な方法を描写する。以下、例1において詳細に示す。 蛍光試薬ジヒドロフェノキサジンを利用した本発明の典型的なニトリラーゼ活性測定法を図解的に記述する。以下、例1において詳細に示す。 本発明の典型的諸定量法について描写する:図14Aと図14Bにそれぞれ発色性エポキシド定量法及び蛍光性エポキシド定量法。

Claims (78)

  1. 少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパク質で、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパクドメインを含む第一ドメイン、少なくとも一つのインテインドメインを含む第二ドメイン、更に検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインを含み、少なくとも一つのインテインドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つの解離又はスプライシング活性を持っているキメラタンパク質。
  2. 請求項1のキメラタンパク質:その酵素は、ニトリラーゼ、キナーゼ、ラセマーゼ又はハイドロラーゼである。
  3. 請求項2のキメラタンパク質:そのハイドロラーゼは、エポキシド ハイドロラーゼ、フォスファターゼ、リパーゼ又はプロテアーゼである。
  4. 請求項1のキメラタンパク質:その結合タンパクとは、抗体又は受容体である。
  5. 請求項1のキメラタンパク質:そのインテインは、SEQ ID NO:1として示される核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む。
  6. 請求項1のキメラタンパク質:そのインテインは、SEQ ID NO:2として示される配列を含む。
  7. 請求項1のキメラタンパク質:その検出可能残基ドメインは、検出可能なペプチド又はポリペプチドである。
  8. 請求項7のキメラタンパク質:その検出可能ペプチド又はポリペプチドは、蛍光ペプチド又はポリペプチドである。
  9. 請求項7のキメラタンパク質:その検出可能ペプチド又はポリペプチドは、生物発光又は化学発光ペプチド又はポリペプチドである。
  10. 請求項 9のキメラタンパク質:その生物発光又は化学発光ペプチド又はポリペプチドは、グリーン蛍光タンパク質(GFP)、アエクオリン、オベリン、ネオプシン、又はベロビンを含む。
  11. 請求項1のキメラタンパク質:その検出可能残基ドメインは、検出可能なシグナルを産生する酵素を含む。
  12. 請求項11のキメラタンパク質:検出可能なシグナルを産生するその酵素は、アルファー-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコール アセチルトランスフェラーゼ又はキナーゼを含む。
  13. 請求項1のキメラタンパク質:その検出可能残基ドメインは、放射性同位体を含む。
  14. 請求項1のキメラタンパク質:そのキメラタンパク質は、組換え融合タンパク質である。
  15. 請求項1のキメラタンパク質:インテイン ドメインのスプライシング活性は、そのインテイン ドメインと検出可能ドメインから酵素ドメインの解離を起こす。
  16. 請求項1のキメラタンパク質:インテイン ドメインのスプライシング活性は、そのインテイン ドメインと検出可能ドメインから酵素ドメインの解離及び検出可能ドメインからインテイン ドメインの解離を起こす。
  17. 請求項1のキメラタンパク質:インテイン ドメイン スプライシング活性は、インテイン ドメインから検出可能ドメインの解離を起こす。
  18. 請求項1のキメラタンパク質:インテイン ドメインは、プライシング活性のみ保持する。
  19. 請求項1のキメラタンパク質:インテイン ドメインは、解離活性のみ保持する。
  20. 請求項1のキメラタンパク質:少なくとも一つのドメインが他のドメインからリンカーにより分離される。
  21. 請求項20のキメラタンパク質:そのリンカーは、フレキシブルなリンカーである。
  22. 請求項20のキメラタンパク質:インテイン ドメインは、検出可能ドメイン及び酵素ドメインからリンカーにより分離される。
  23. 少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパクをコードする単離又は組換え核酸で、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパクドメインを含む第一ドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二ドメイン、更に検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインを含み、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つのスプライシング又は解離活性を持っている。
  24. 少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパクをコードする単離又は組換え核酸を含む発現カセットで、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパクドメインを含む第一ドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二ドメイン、更に検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインを含み、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つのスプライシング又は解離活性を持っている。
  25. 少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパクをコードする単離又は組換え核酸を含むベクターで、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパクドメインを含む第一ドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二ドメイン、更に検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインを含み、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つのスプライシング活性を持っている。
  26. 少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパクをコードする核酸を含む細胞で、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパクドメインを含む第一ドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二ドメイン、更に検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインを含み、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つのスプライシング又は解離活性を持っている。
  27. 少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパクをコードする核酸を含む非ヒト形質変換動物で、少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパクドメインを含む第一ドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二ドメイン、更に検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインを含み、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つのスプライシング又は解離活性を持っている。
  28. 次のステップを含む遺伝子発現標準化のための方法:
    (a) 少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパクをコードする核酸を与える。少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパクドメインを含む第一ドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二ドメイン、更に検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインを含み、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つのスプライシング又は解離活性を持っている。
    (b) キメラタンパク質が発現し、インテイン ドメインがスプライシング活性を持てるようにその核酸を発現させる;そして、
    (c) 発現させた酵素活性と検出可能残基ドメイン量の両方を測定する。それにより遺伝子発現を標準化する。
  29. 請求項28の方法:その検出可能残基ドメインは、検出可能なペプチド又はポリペプチドを含む。
  30. 請求項29の方法:その検出可能ペプチド又はポリペプチドは、蛍光ペプチド又はポリペプチドである。
  31. 請求項29の方法:その検出可能ペプチド又はポリペプチドは、生物発光又は化学発光ペプチド又はポリペプチドである。
  32. 請求項28の方法:その核酸は、インビボで発現される。
  33. 請求項28の方法:その核酸は、インビトロで発現される。
  34. 次のステップを含む酵素活性を測定する高処理酵素スクリーン:
    (a) 少なくとも三種のドメインを含むキメラタンパクをコードする核酸を与える。少なくとも一つの酵素ドメイン又は結合タンパクドメインを含む第一ドメイン、少なくとも一つのインテイン ドメインを含む第二ドメイン、更に検出可能な残基ドメインを含む第三のドメインを含み、少なくとも一つのインテイン ドメインが、少なくとも一つの酵素又は結合タンパク質及び少なくとも一つの検出可能残基の間に位置し、そのインテイン ドメインは、少なくとも一つのスプライシング又は解離活性を持っている。
    (b) その核酸をインビボ又はインビトロで発現させる;そして、
    (c) 発現させた酵素活性と検出可能残基ドメイン量の両方を測定する。
  35. 単離又は組換えポリペプチドは、以下を含む。
    (a) SEQ ID NO:2の少なくとも100残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つアミノ酸配列を含むポリペプチド、又は
    (b) 以下を含む核酸によりコードされたポリペプチド
    (i) SEQ ID NO:5の少なくとも100残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つ核酸酸配列;又は、
    (ii) SEQ ID NO:1として示される配列、又はそのサブ配列を含む核酸と厳格な条件下にハイブリダイズする核酸、
    その配列同等性は、配列比較アルゴリズム又は可視的な検索分析により決定され、そのポリペプチドは、インテイン活性を持つ。
  36. 請求項35の単離又は組換えポリペプチド:そのインテイン活性は、解離活性又はスプライシング活性である。
  37. 請求項35の単離又は組換えポリペプチド:そのポリペプチドは、SEQ ID NO:2の少なくとも100残基の範囲にわたり、少なくとも95 %の同等性を持つアミノ酸配列を含む。
  38. 請求項37の単離又は組換えポリペプチド:そのポリペプチドは、SEQ ID NO:2の少なくとも100残基の範囲にわたり、少なくとも98 %の同等性を持つアミノ酸配列を含む。
  39. 請求項35の単離又は組換えポリペプチド:そのポリペプチドは、SEQ ID NO:2の少なくとも200残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つアミノ酸配列を含む。
  40. 請求項35の単離又は組換えポリペプチド:そのポリペプチドは、SEQ ID NO:2の少なくとも300残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つアミノ酸配列を含む。
  41. 請求項35の単離又は組換えポリペプチド:そのポリペプチドは、SEQ ID NO:2の少なくとも400残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つアミノ酸配列を含む。
  42. 請求項35の単離又は組換えポリペプチド:そのポリペプチドは、SEQ ID NO:2の少なくとも500残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つアミノ酸配列を含む。
  43. 請求項35の単離又は組換えポリペプチド:そのポリペプチドは、SEQ ID NO:2の少なくとも600残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つアミノ酸配列を含む。
  44. 請求項35の単離又は組換えポリペプチド:そのポリペプチドは、SEQ ID NO:2の少なくとも300残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つアミノ酸配列を含む。
  45. 請求項35の単離又は組換えポリペプチド:そのアミノ酸配列は、SEQ ID NO:2として示される。
  46. SEQ ID NO:1の少なくとも100残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つ核酸配列を含む単離又は組換え核酸。その核酸は、インテイン活性を持つ少なくとも一種のポリペプチドをコードし、その配列同等性は、配列比較アルゴリズム又は可視的な検索分析により決定される。
  47. 請求項46の単離又は組換え核酸:その核酸は、SEQ ID NO:1の少なくとも100残基の範囲にわたり、少なくとも95 %の同等性を持つ核酸配列を含む。
  48. 請求項47の単離又は組換え核酸:その核酸は、SEQ ID NO:1の少なくとも100残基の範囲にわたり、少なくとも98 %の同等性を持つ核酸配列を含む。
  49. 請求項48の単離又は組換え核酸:その核酸配列は、SEQ ID NO:1として示される配列を持つ。
  50. 請求項46の単離又は組換え核酸:その核酸は、SEQ ID NO:1の少なくとも200残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つ核酸配列を持つ。
  51. 請求項50の単離又は組換え核酸:その核酸は、SEQ ID NO:1の少なくとも300残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つ核酸配列を持つ。
  52. 請求項51の単離又は組換え核酸:その核酸は、SEQ ID NO:1の少なくとも400残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つ核酸配列を持つ。
  53. 請求項52の単離又は組換え核酸:その核酸は、SEQ ID NO:1の少なくとも500、600、700、800、900、又は1000残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つ核酸配列を持つ。
  54. 請求項46の単離又は組換え核酸:配列の比較アルゴリズムは、フィルターリングセッティングが、blastall -p blastp -d "nr pataa" -FFに、また、他の全てのオプッションがデフォルトにセットされたBLAST バージョン2.2.2アルゴリズムである。
  55. 単離又は組換え核酸:SEQ ID NO:1として示される配列を含む核酸と厳格な条件下にハイブリダイズする核酸。
  56. 請求項55の単離又は組換え核酸:その核酸は、少なくとも100残基の長さを持つ核酸である。
  57. 請求項56の単離又は組換え核酸:その核酸は、少なくとも200残基の長さを持つ核酸である。
  58. 請求項57の単離又は組換え核酸:その核酸は、少なくとも200、300、400残基の長さを持つ核酸である。
  59. 請求項58の単離又は組換え核酸:その核酸は、少なくとも500、600、700、800、900、1000残基の長さ又は完全長の遺伝子又は転写体である。
  60. 請求項55の単離又は組換え核酸:その厳格な条件は、65 ℃で15分間の0.2 X SSCを用いた洗浄ステップを含む。
  61. インテイン活性を持つポリペプチドをコードしている核酸を同定するための核酸プローブ:そのプローブは、SEQ ID NO:1として示される配列を含む配列の少なくとも10連続塩基配列を含む。
  62. インテイン活性を持つポリペプチドをコードしている核酸を増幅するための核酸プローブ:そのプライマーペアーは、SEQ ID NO:1として示される核酸を増幅することができる。
  63. SEQ ID NO:1として示される配列、又はそのサブ配列を増幅できる増幅プライマー配列ペアーを用いた鋳型核酸の増幅を含むインテイン活性を持つポリペプチドをコードしている核酸を増幅する方法。
  64. SEQ ID NO:1の少なくとも100残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つ核酸配列を含む発現カセット:その核酸は、インテイン活性を持ち、その配列同等性は、配列比較アルゴリズム又は可視的な検索分析により決定される。
  65. SEQ ID NO:1の少なくとも100残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つ核酸配列を含む発現カセット:その核酸は、インテイン活性を持つ少なくとも一種のポリペプチドをコードし、その配列同等性は、配列比較アルゴリズム又は可視的な検索分析により決定される。
  66. 請求項65として示されるベクターを含むクローニング媒体:クローニング媒体は、ウイルスべクター、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、フォスミド、バクテリオファージ、あるいは人工クロモゾームを含む。
  67. 請求項64の形質変換細胞、あるいは請求項65のベクター。
  68. 請求項67の形質変換細胞:その細胞は、細菌、高等動物細胞、カビ、酵母、昆虫細胞、あるいは植物細胞である。
  69. SEQ ID NO:1の少なくとも100残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つ核酸配列を含む非ヒト形質変換動物:その核酸は、インテイン活性を持つ少なくとも一種のポリペプチドをコードする核酸で、その配列同等性は、配列比較アルゴリズム又は可視的な検索分析により決定される。
  70. SEQ ID NO:1の少なくとも100残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つ核酸配列を含む形質変換植物:その核酸は、インテイン活性を持つ少なくとも一種のポリペプチドをコードする核酸で、その配列同等性は、配列比較アルゴリズム又は可視的な検索分析により決定される。
  71. SEQ ID NO:1の少なくとも100残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つ核酸配列と相補的又は厳格な条件下にハイブリダイズできる核酸配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞に投与するか、あるいは細胞中で発現させることを含む、インテイン メッセージの転写を阻害する方法。
  72. 請求項35として示すポリペプチド又は請求項46又は請求項55として示す核酸にコードされるポリペプチドに対して特異的に結合する単離又は組換え抗体。
  73. そのポリペプチドのアミノ末端、カルボキシ末端、又は両末端で天然に結合している部位に如何なる配列も結合していない条件で、SEQ ID NO:2の少なくとも100残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つアミノ酸配列を含む単離又は組換えポリペプチド。
  74. 請求項73の単離又は組換えポリペプチド:そのペプチドは、Aquifexの配列と結合していない。
  75. その配列の3'末端、5'末端、又は両末端で天然に結合している部位に如何なる配列も結合していない条件で、SEQ ID NO:1の少なくとも100残基の範囲にわたり、少なくとも90 %の同等性を持つ配列を含む単離又は組換え核酸。
  76. 請求項75の単離又は組換え核酸:その核酸は、Aquifexの配列と結合していない。
  77. 請求項75の単離又は組換え核酸:その核酸は、Aquifexの配列の3'末端と結合していない。
  78. 請求項75の単離又は組換え核酸:その核酸は、Aquifexの配列の5'末端と結合していない。
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