JP2005512360A - 通信信号の平均対最小電力比の低減 - Google Patents

通信信号の平均対最小電力比の低減 Download PDF

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Abstract

平均電力と最小電力との比を低減するように、変調信号を修正することを提案する。これは、変調信号の分析、電力最小値の出現の識別、および電力最小値の出現中における訂正信号の生成によって達成される。

Description

本発明は、通信信号の平均対最小電力比の低減に関する。
多くのモデムデジタル無線通信システムは、電磁波の大きさおよび位相の両方を変化させることによって、情報を送信する。情報を送信信号の大きさおよび位相に変換するプロセスは、変調と通常呼ばれる。多くの異なる変調技術が、通信システムにおいて使用される。変調技術の選択は、通常、信号の生成に必要な計算の複雑さ、無線チャネルの特性、および移動無線応用分野では、スペクトル効率、電力効率、ならびに小さい形態ファクタの必要性によって影響を受ける。ある特定の応用分野について変調技術が選択された後は、変調を変更することは、しばしば困難であり、または本質的に不可能である。たとえば、セルラ無線応用分野では、すべてのユーザは、現行移動電話を、新しい変調技術に関して機能するように設計された新しい電話に交換する必要がある。明らかに、これは実用的ではない。
多くの既存の変調フォーマットは、直交座標(rectangular coordinates)において信号を処理する無線で送信されるように設計されていた。直交座標システムにおける2成分は、しばしば、同相(in-phase)および直交(quadrature)(IおよびQ)成分と呼ばれる。そのような送信器は、しばしば、直交変調器(quadrature modulator)と呼ばれる(情報を送信無線信号(BPSK、FSK、GMSKなど)に変換するために使用される方法の数学的記述である変調と、この動作を実施するために使用される物理的な装置である変調器とは区別される)。代替として、送信器は、極座標(polar coordinates)において信号を処理することが可能である。この場合、信号は、大きさおよび位相について表される。この場合、送信器は、ポーラ変調器(polar modulator)と呼ばれる。ポーラ変調器は、より高い信号忠実度、より良好なスペクトル純度、および装置の性能の温度変化に対するより低い依存性を含めて、より従来的な直交変調器に対していくつかの性能上の利点を有することができる。
ポーラ変調器は、直交変調器に対して実用上の利点を有することができるが、信号の大きさ成分および位相成分は、通常、同相成分および直交成分よりはるかに高い帯域幅を有する。この帯域幅の拡張は、大きさおよび位相のデジタル処理を意味するが、その理由は、大きさおよび位相を処理しなければならないレートが、帯域幅に依存するからである。
大きさおよび位相が変化するレートは、変調技術に非常に依存する。具体的には、非常に小さい大きさの値(平均的な大きさの値に対して)をもたらす変調フォーマットは、一般に、非常に大きさ位相成分帯域幅を有する。実際、信号の大きさがゼロになる場合、信号の位相は、最高で180度瞬間的に変化する。この場合、位相成分の帯域幅は、本質的に無限であり、信号は、ポーラ変調器による送信に適していない。
多くの一般的に使用される変調技術は、実際、非常に小さい相対的な信号の大きさをもたらす。より精確には、平均対最小信号大きさ比(AMR)は大きい。大きなAMRを有する変調技術の重要な実際の例は、UMTS 3GPPアップリンク(モバイルから基地局)において使用される技術である。
この分野の従来の作業は、2つのカテゴリに分類することが可能である。一方は、一般にピーク電力の低減に対処し、他方は、特に「ホールブローイング(hole-blowing)」に対処する。ホールブローイングは、時間変化包絡線を有する通信信号の低電力事象を除去するプロセスを指す。この名称は、この技術を使用すると、「ホール」が修正信号のベクトルダイアグラムに出現することによる。
多くの作業は、信号電力を局所的に低減することを目的とするピーク電力の低減に対処していた。対照的に、ホールブローイングに対処する作業(これは、信号電力を局所的に増大させることを追及する)は、比較的少なかったようであり、従来の手法は、所望より劣る性能となることが判明している。
「Method and apparatus for conditioning modulated signal for digital communications」という名称の米国特許第5,805,640号明細書('640特許)、ならびに「Method and apparatus for conditioning digitally modulated signals using channel symbol adjustment」という名称の米国特許第5,696,794号明細書('794特許)は、両方とも、通信信号の低大きさ(低電力)事象を除去する手法について記載している。両特許とも、実際には、信号配置において「ホール」を創出することに言及している。これらのホールの創出に与えられる動機は、具体的にはLINC電力増幅器である、ある電力増幅器は、信号振幅の動的範囲が大きいとき、実施が困難であるということである。
簡潔には、'794特許は、ある最小電力を維持するために、送信されるシンボルの大きさおよび位相を修正することを教示する。シンボルは、パルス成形前に修正されるので、修正信号は、元の信号と同じスペクトル特性を有する。'640特許において使用される手法は、パルス成形前に、ある大きさおよび位相を有するパルスを元のデジタルシンボル間に追加する。したがって、前者の特許では、データはシンボルレート(T=1)において処理されるが、後者の特許では、データは、シンボルレートの2倍(T=2)において処理される。簡潔にするために、これらの2つの方法をそれぞれシンボルレート方法およびT/2方法と呼ぶ。訂正パルスの大きさおよび位相を計算するために使用される方法は、両特許ではほぼ同一である。
訂正大きさおよび位相を計算するためにこれらの特許の両方によって使用される方法は、単に非常に粗い近似であるので、性能は所望より劣る。より具体的には、これらの2つの手法のどちらかを使用して信号を処理した後、低電力事象の確率は低減されるが、依然として所望より著しく高い。
T/2方法において使用される特有の手法は、パルス成形の前に、半シンボルタイミングにおいて(すなわち、t=k*T+T/2において)規定の大きさおよび位相を信号に追加する。追加パルスの大きさおよび位相は、信号の大きさがある所望の閾値より小さくなるのを防止するように設計される。この方法は、任意のタイミングでパルスを配置することを見込まない。その結果、有効性は低下し、EVM(誤りベクトル度)は悪化する。
追加のパルスの大きさおよび位相を計算するためにT/2の手法において使用される方法は、以下の点で非常に制約される。
1)信号包絡線が、半シンボルタイミング(t=i*T+T/2)の最小値についてのみ試験される。
2)修正の位相が、信号包絡線ではなく、低大きさ事象を調節する2つのシンボルにのみ基づく。
これらの2つの制約は、修正パルスの大きさおよび位相について誤差をもたらすことがある。具体的には、真の信号最小値は、T/2ではなく、あるわずかに異なる時間において生じる可能性があり、その結果、誤差が、修正パルスの大きさに導入される。この想定の正当性は、特有の信号変調およびパルス形状に非常に大きく依存する。たとえば、これは、1つのDPDCHを有するUMTSアップリンク信号については妥当な想定である可能性があるが、2つの活動DPDCHを有するUMTSアップリンク信号には妥当な想定ではない。この大きさ誤差のサイズは、非常に大きいことがある。たとえば、いくつかの場合、T/2における大きさは、所望の最小の大きさに非常に近いが、真の最小値は、ゼロに非常に近い。そのような場合、計算された訂正大きさは、所望よりはるかに小さく、低大きさ事象は除去されていないことになる。
T/2における信号包絡線は、所望の最小値より大きい可能性があるが、信号の大きさは、シンボル間時間間隔中、閾値より小さい可能性があり、その結果、低大きさ事象が完全になくなる可能性がある。
あらゆる事象において、得られる修正大きさは、しばしば、必要とされるものとはかけ離れている。
訂正位相を計算するために使用される方法は、T/2におけるパルス成形波形の位相が、隣接シンボル間に引かれる直線の位相に非常に近いことを本質的に想定する。これは、あらゆる場合の近似であり(一般には妥当な近似であるが)、ある誤差を位相に導入する。しかし、この近似は、原点が、以前に記述した直線と真の信号包絡線との間にない場合にのみ有効である。この想定が有効ではないとき、訂正位相は、適切な値から約180度シフトする。これにより、低大きさ事象は、通常、訂正されずに残る。
T/2方法は、半シンボルタイミングにおいてパルスを追加するし、一方、シンボルレート方法は、低大きさ事象に隣接する2つのシンボルにパルスを追加する。すなわち、信号がt=kT+T/2において低大きさ事象を有する場合、シンボルkおよび(k+1)が修正される。両方法とも、追加のパルスの位相を同じ方式で計算し、両方法とも、同じ方式で低大きさ事象を試験する。すなわち、半シンボルタイミングにおける信号包絡線が試験される。したがって、以前に留意した大きさ誤差および位相誤差の同じ源は、この方法に同様に適用される。
T/2方法は、訂正プロセスを反復方式で繰返し適用する。すなわち、この方法は、「最小閾値より小さいシンボル間隔最小値が存在しなくなるまで」、反復して適用される。
以上の方法と比較して、米国特許第5,727,026号明細書「Method and apparatus for peak suppression using complex scaling values」は、明確に異なる問題に対処し、すなわち、通信信号のピーク対平均電力比(PAR)を低減する。大きなPARは、ほとんどではないが、多くの従来の電力増幅器(PA)にとって問題である。大きなPARを有する信号は、高度に線形の増幅を必要とし、これは、PAの電力効率に影響を与える。低減は、ピーク電力が低減されるように適切な大きさおよび位相を有するパルスを、元のパルス成形波形に追加することによって達成される。パルスは、あらゆる所望のスペクトル特性を有するように設計することができ、それにより、(ACPRを最適にするために)ひずみを帯域内に維持することができ、または、(EVMを最適にするために)いくらか帯域外に漏れることが可能になる。追加パルスのタイミングは、ピーク電力のタイミングに依存し、あるタイミング瞬時にあるようには制約されない。
より具体的には、このピーク低減方法は、低帯域幅パルスを元の(高PAR)信号に追加する。追加されたパルスは、ピークの大きさにある信号とは位相が180度異なり、追加パルスの大きさは、所望のピーク値と実際のピーク値との差である。パルスは信号に追加されるので(線形動作)、追加パルスのスペクトル特性は、信号スペクトルに関するピーク低減技術の効果を完全に決定する。サンプリング瞬間には対応しないある時間に生じるピーク値の可能性について対処する。方法は、信号スプラッタおよび/または信号ひずみの量を制御する能力を強調する。
米国特許第6,175,551号明細書も、具体的にはOFDM信号およびマルチコードCDMA信号について、PAR低減方法を記載している。この場合、「時間シフトおよびスケーリング基準関数が、サンプル済み信号間隔またはシンボルから減算され、それにより、各減算された基準関数が、ピーク電力を低減する」。基準関数は、好ましい実施形態では、ウィンドウシンク関数であり、または、「送信信号とほぼ同じ帯域幅を有する」ある他の関数である。
対象となる他の特許には、米国特許第5,287,387号明細書、第5,727,026号明細書、第5,930,299号明細書、第5,621,762号明細書、第5,381,449号明細書、第6,104,761号明細書、第6,147,984号明細書、第6,128,351号明細書、第6,128,350号明細書、第6,125,103号明細書、第6,097,252号明細書、第5,838,724号明細書、第5,835,536号明細書、第5,835,816号明細書、第5,838,724号明細書、第5,493,587号明細書、第5,384,547号明細書、第5,349,300号明細書、第5,302,914号明細書、第5,300,894号明細書、および第4,410,955号明細書が含まれる。
米国特許第5,805,640号明細書 米国特許第5,696,794号明細書 米国特許第5,727,026号明細書 米国特許第6,175,551号明細書 米国特許第5,287,387号明細書 米国特許第5,930,299号明細書 米国特許第5,621,762号明細書 米国特許第5,381,449号明細書 米国特許第6,104,761号明細書 米国特許第6,147,984号明細書 米国特許第6,128,351号明細書 米国特許第6,128,350号明細書 米国特許第6,125,103号明細書 米国特許第6,097,252号明細書 米国特許第5,838,724号明細書 米国特許第5,835,536号明細書 米国特許第5,835,816号明細書 米国特許第5,838,724号明細書 米国特許第5,493,587号明細書 米国特許第5,384,547号明細書 米国特許第5,349,300号明細書 米国特許第5,302,914号明細書 米国特許第5,300,894号明細書 米国特許第4,410,955号明細書 McCune、「The Derivative-Zeroed Pulse Function Family」という名称の論文、CIPICリポート#97-3、カルフォルニア大学、カルフォルニア州デービス、1997年6月29日
必要であり、かつ従来の技術では見られないと思われるのは、信号品質を著しく低下させずに、通信信号のAMRを大きく低減することができるプロセスである。このプロセスは、非常に高いAMRを有する信号についても、ポーラ変調器の実用的な実施を可能にすることが望ましい。
本発明は、一般的に、平均電力対最小電力の比を低減するために、パルス振幅変調信号を修正する。信号は、信号品質が依然として許容可能であるように修正される。信号品質は、電力スペクトル密度(PSD)および誤りベクトル度(EVM)の点で記述される。
本発明は、添付の図面と関連する以下の記述からさらに理解することが可能である。
ポーラ変調器は、位相変調器と振幅変調器との組合せと見なすことができる。位相変調器および振幅変調器に対する要求は、信号の位相成分および大きさ成分の帯域幅にそれぞれ直接依存する。大きさおよび位相の帯域幅は、信号の平均対最小大きさ比(AMR)に依存する。以下で示すように、大きなAMRを有する信号は、位相が非常に突然変化することがあり、これは、信号位相成分が、非常に高い周波数内容を有することを意味する。さらに、あるトランジスタ技術は、実際の振幅変調器において達成することができるAMRを限定する。この限定により、必要な大きさ動的範囲が、トランジスタ回路によって生成することができる範囲を超える場合、送信信号がひずむことがある。したがって、信号AMRの最小化は、信号がポーラ変調器で送信される場合、非常に望ましい。ポーラ変調器の一例は、本明細書と同じ日に出願され、かつ参照によって本明細書に組み込まれている「Multi-mode communications transmitter」という名称の米国特許出願第_(整理番号_)に記載されている。
本明細書において記述する非線形デジタル信号処理技術は、ポーラ変調器の実施を容易にするために、通信信号の大きさおよび位相を修正する。具体的には、修正信号の大きさは、値のある所望の範囲内にあるように制約される。この制約により、AMRは元の信号と比較して小さくなり、これにより、大きさおよび位相の帯域幅は低減される。帯域幅をこのように低減する対象として、信号品質は低下する。しかし、信号品質の低下は一般に小さく、したがって、最終的な信号品質は、十分である。
信号品質の用件は、通常、帯域内要件および帯域外要件に分けることができる。帯域内信号品質に対処する仕様は、意図した受信器が、送信器によって送信されたメッセージを、そのメッセージがボイス、ビデオ、またはデータであるかに関係なく、抽出することができることを一般に保証する。帯域外信号品質に対処する仕様は、送信器が、意図した受信器以外の受信器と過度に干渉しないことを一般に保証する。
従来の帯域内品質の尺度は、RMS誤りベクトル度(EVM)である。数学的に関係する尺度はrhoであり、これは、送信信号とその理想的なバージョンとの間で正規化された相互相関係数である。EVMおよびrhoは、意図した受信器が、送信信号からメッセージを抽出することができる場合に関する。EVMがゼロより大きく増大する際に、またはrhoが1より小さく減少する際に、送信信号は、理想信号に対してますますひずむようになる。このひずみにより、受信器が、メッセージを抽出する際に誤差を生じる確率が高くなる。
従来の帯域外品質の尺度は、送信信号の電力スペクトル密度(PSD)、または、ACLR、ACPなど、送信信号から導出されるある尺度である。PSDに関して特に対象となるのは、送信信号が他の無線チャネルと干渉する程度である。無線通信ネットワークでは、他の無線チャネルとの干渉は、ネットワークの能力全体を低下させる(たとえば、同時ユーザの数は減少する)。
平均対最小大きさ比(AMR)を低減するあらゆる手段は、可能な限り小さい干渉を創出し、一方、同時に、信号品質の帯域内尺度(すなわち、EVMまたはrho)を許容可能レベルに維持しなければならないことが明らかなはずである。これらの考慮事項が、本発明の動機である。本発明は、AMRを低減し、一方、帯域外信号品質を維持する。これは、無線通信ネットワークのオペレータには特に重要である。
一般に、AMRの低減は、送信される信号を分析して、慎重に形成されたパルスを信号大きさがある閾値より小さい時間間隔において信号に追加することによって実施される。信号分析およびパルス形成を含む例示的な実施形態の詳細について以下に記述し、まず、本発明が有用である信号のクラスについて記述する。
パルス振幅変調(PAM)
多くの現在の通信システムは、パルス振幅変調(PAM)と呼ばれる方式を使用して、デジタルメッセージを送信する。PAM信号は、単に、単一パルスの振幅スケーリングバージョン、位相シフトバージョン、および時間シフトバージョンの周波数アップ変換合計である。パルスのn番目の時間シフトバージョンの振幅スケーリングおよび位相シフトは、デジタルメッセージのn番目の成分によって決定される。通信システムの分野では、PAM信号の広範なクラスには、一般にPAM、QAM、およびPSKと呼ばれる信号ならびにその変形が含まれる。数学的には、時間tにおけるPAM信号x(t)は、通信理論の分野の当業者なら理解するように、以下のように記述することができる。記述は、図1に示すように2つの部分、すなわち、周波数アップ変換および増幅プロセス、ならびに基底帯域変調プロセスで与えられる。
周波数アップ変換および増幅プロセスは、数学的には以下のように記述することができる。
Figure 2005512360
上式で、Re{}は複素数偏角の実数部分を表し、ωc=2πfcは、それぞれ1秒あたりのラジアンおよびHzで表され、無線搬送波周波数を確定し、jは負の1の虚数平方根、gは増幅器利得である。この式は、複素基底帯域信号s(t)を周波数アップ変換および増幅するために使用される周波数アップ変換プロセスを記述し、いわゆる信号のI/Q(同相/直交)表示でもある。信号s(t)は、基底帯域変調プロセスによって創出され、以下によって数学的に定義される。
Figure 2005512360
上式で、p(t)は時間tにおけるパルス、Tはシンボル周期である(1/Tはシンボルレートである)。s(t)が望ましいあらゆる時間瞬間tにおいて、和は、p(t-nT)が無視可能ではないnのすべての値にわたって行われる。また、anは、デジタルメッセージのn番目の成分に対応するシンボルである。シンボルanは、実数または複素数とすることができ、固定マッピングまたは時間変化マッピングによって、デジタルメッセージのn番目の成分から得ることができる。固定マッピングの例は、QPSK信号について生じ、この場合、デジタルメッセージのn番目の成分は、集合{0,1,2,3}の整数dnであり、マッピングは、an=exp(jπdn/2)によって与えられる。時間変化マッピングの例は、π/4シフトQPSKについて生じ、これは、an=exp(jπ(n+2dn)/4)によって与えられる修正QPSKマッピングを使用する。すなわち、マッピングは、メッセージ値dnだけでなく、時間指標nに依存する。
本発明では、PAM信号の重要な特性は、シンボルシーケンスanが白色雑音と同じ2次の統計特性を有するという想定の下で、PAM信号のPSD(fの関数として)の形状が、パルスp(t)によって独占的に決定されることである。この特性は、信号s(t)を、インパルス応答p(t)を有し、かつ重みanを有するインパルスのシーケンスによって駆動されるフィルタリングの出力として考慮することによって理解することが可能である。すなわち、x(t)のPSD Sx(f)は、以下に等しいことがわかる。
Figure 2005512360
上式で、P(f)は、パルスp(t)のフーリエ変換であり、σ2 aは、シンボルシーケンスの平均2乗値である。
この重要な観測が、本発明の動機となるが、その理由は、パルスの余分なコピーをs(t)に追加することにより、PSDの形状が変化しないことを示唆するからである。すなわち、このように実施される非線形フィルタリングは、PSDについて、小さな変化だけでなく、実際には感知できないほどの変化をもたらすことがある。パルスの余分なコピーを信号に追加することを使用して、たとえばx(t)の振幅がある閾値より小さくなったとき、その振幅を所望に応じて増大させることができる。具体的には、s(t)は、追加のパルスをそれに追加して、新しいs^(t)(s^は、sの真上に^を記した符号を意味するものとする)およびx^(t)(x^は、xの真上に^を記した符号を意味するものとする)を形成することによって、修正することができる。
Figure 2005512360
上式で、摂動インスタンスtmは、信号を摂動させることが望ましい時点において生じる(たとえば、s(t)の大きさがある閾値より小さくなるときはいつでも)。摂動シーケンスbmは、時間tmを中心としてパルスに加えられる振幅スケーリングおよび位相シフトを表す(たとえば、時間tmの周辺においてs(t)の大きさを増大させるように選択される)。s^(t)の第1項と同様に、s^(t)の第2項は、インパルス応答p(t)を有し、かつ重みbmを有するインパルスのシーケンスによって駆動されるフィルタの出力と見なすことができる。したがって、x^(t)およびx'(t)のPSDが、非常に類似した形状(周波数fの関数として)を有することを予期することが妥当である。
この理論的な基盤により、図2aに示すように、本発明を、上記で使用したものよりわずかにより一般的な形態で、詳細に記述することができる。本発明は、信号s(t)を入力として取り入れる。この信号は、分析装置に進み、分析装置は、適切な摂動インスタンスtmを決定し、時間瞬間tmにおいて摂動シーケンス値bmを出力する。摂動シーケンスは、インパルス応答r(t)でパルス成形フィルタを通過し、その出力は、s(t)に追加されてs^(t)を生成し、s^(t)は、所望の電力へ周波数アップ変換および増幅する任意の適切な手段に渡される。パルス成形フィルタr(t)は、上述したように、元のパルスp(t)と同一とすることができ、または、p(t)とは異なることができる(たとえば、実施を簡単にするために、p(t)の切頭バージョンとすることが可能である)。
より詳細なブロック図を図2bに示す。これは、2つの信号チャネルIおよびQの主要信号経路および訂正信号経路を示す。パルス成形は、パルス成形後(サンプルレート訂正)またはパルス成形前(シンボルレート訂正)に行うことが可能である。訂正経路では、IおよびQのシーケンス値を使用して、信号最小値の計算および所望の最小値との比較を実施する。比較結果に基づいて、訂正が必要な場合、各チャネルについて、必要な訂正の大きさが計算される。パルス(パルス成形に使用されるパルスと同じとすることが可能である)は、必要な訂正に従ってスケーリングされ、主要経路のチャネルに追加される。この経路は、訂正動作が実施される時間を可能にするように遅延されていることになる。
訂正パルスのタイミング、大きさ、および位相を決定するために使用される方法は、変調フォーマットに依存する。考慮すべきファクタには、以下が含まれる。
1.シンボル期間に対する低大きさ事象の持続期間
2.低大きさ事象のタイミング分布
すべての低大きさ事象の持続期間が、シンボル(またはチップ)持続時間と比較して短い場合、各低大きさ事象は、パルス成形に使用されるものと同一とすることができる単一複素重み付きパルスを追加することによって訂正することができる。この手法は、M値(M-ary)PSK変調などでは効果的である。この場合の適切なホールブローイング方法は、「厳密(exact)」ホールブローイング方法と呼ばれる。厳密ホールブローイング方法、ならびに該方法の実際の実時間ハードウエア実施について以下で記述する。他の変調フォーマットは、持続期間が比較的長い低大きさ事象をもたらす可能性がある。これは、通常、QAM変調およびマルチコードCDMA変調などの場合である。そのような場合、複数のパルスを追加することが可能であり、または代替として、厳密ホールブローイング方法を複数回反復して使用することが可能である。極領域(polar-domain)ホールブローイングの有用性は、以上の技術の1つを使用して実施される信号の「最終クリーンアップ」を実施して、さらにより良好なEVM性能を達成することが実証されている。大きさ情報は極領域表示において明示的に利用可能であるので、ホールブローイングは、以上の技術の場合にはシンボル(またはチップ)ごとであるのと比較して、サンプルごとに実施することが可能である。
厳密ホールブローイング方法
厳密ホールブローイングの詳細な動作について、ここで例によって実証する。平方根レイズドコサイン(raised-cosine)パルス成形のQPSK信号が、この例では使用される。パルス成形フィルタは、22%の過剰帯域幅を有し、図3に示されている。この信号の通常のI/Qを図4に提示する。明らかに、信号大きさは、任意に小さくなることができる。短時間にわたる信号電力を図5に示す。平均電力は、1に正規化される(0dB)。この図は、この信号のAMRが少なくとも40dBであることを示す。実際には、この信号電力は任意に小さくなることができるので、このQPSK信号のAMRは、事実上無限である。最小電力のタイミングは重要であるが、その理由は、訂正パルスを挿入する時間瞬間を決定しなければならないからである。電力最小値は、nを整数、Tをシンボル期間として、ほぼt=nT/2において生じると予期される。これは、最小電力がT/2に非常に近接して生じることを示す図5によって補足される。
この仮説をさらに補足するために、電力最小値分配タイミングを調査した。このために、ランダムメッセージを有するパルス成形QPSK波形を生成し、電力最小値が生じるタイミングを決定した。この例では、低電力事象は、瞬間信号電力が平均信号電力より12dBを超えて小さい場合に生じると想定される。
図6は、QPSK信号大きさ最小値のタイミングのヒストグラムである。これらの結果は、16384の独立した同一分布シンボルに基づく。最小値は、実際、予期したように、T/2のシンボルタイミングの周辺に接近して集中していることに留意されたい。信号最小値の探索を実施しなければならない範囲が限定されるので、これは重要な結果である。(図6に示すヒストグラムは、この特定の信号タイプ(QPSK)についてのみ有効であることに留意されたい。高次QAMなどの他の信号タイプは、異なる分布を有する可能性があり、局所電力最小値の探索を考慮に入れなければならない。)
以前に記述したように、低電力事象は、信号位相の迅速な変化に関連する。この対応を、図5に示した電力プロファイルに対応するQPSK信号の位相を示す図7に示す。最小電力に対応して、位相がt=T/2の近傍で迅速に変化することが明らかである。この特性は、図8においてより明らかに見ることができる。図8は、ここでは以下のようにサンプルデータ波形について確定される瞬間周波数を示す。
Figure 2005512360
上式で、θ(t)は、時間瞬間tにおける信号位相であり、δは、サンプリング期間である。図8は、この間隔にわたる瞬間周波数が、最高でシンボルレートの45倍であることを示す。これを客観的に捉えると、UMTS3GPP広帯域CDMA規格のチップレートは、3.84MHzである。我々の例のQPSK信号のシンボルレートが、3.84MHzであった場合、瞬間周波数は、45×3.84=172.8MHzを超える。そのような高瞬間周波数で信号を処理することは、まだ実用的ではない。
信号位相の帯域幅は、ポーラ変調器の実用的な実施を可能にするために、低減されなければならないことが明らかである。最も明らかな手法は、単に位相(または同様な意味合いで位相差)を低域通過フィルタリングするものである。しかし、位相差のあらゆる実質的なフィルタリングは、信号の許容できない大きな非線形ひずみをもたらす。このひずみは、帯域外信号エネルギーの大きな増大をもたらし、これは、通常許容可能ではない。代わりに、信号位相の迅速な変化は、信号大きさが非常に小さいときのみ起きることが再認識される。したがって、信号大きさをある最小値より大きく維持することができる場合、信号位相の帯域幅は、低減される。PAM信号スペクトル特性の議論から明らかなように、信号は、信号帯域幅に明らかな影響を与えずに、慎重に選択されたパルスを追加することによって修正することができる。
低大きさ事象を回避し、その結果瞬間周波数を低減するために、パルス成形フィルタの複素重み付きバージョンが信号に追加される。この複素重み付きパルスは、訂正パルスと呼ばれる。パルスの位相は、最小大きさの点において信号とコヒーレントに組み合わされるように選択される。訂正パルスの大きさは、信号の所望の最小大きさと実際の最小大きさとの差に等しい。
所望の効果を得るために、訂正大きさおよび位相の計算は慎重に行われなければならない。最も重要なことは、最小信号大きさが、サンプリング瞬間に対応しない可能性があることを認識しなければならないことである。位相および大きさは、局所電力最小値の近傍において迅速に変化するので、信号最小値に対応しない信号値に基づいて訂正位相を選択することにより、位相および/または大きさの誤差が大きくなることがある。誤差が大きくなる可能性は、最小大きさがより小さくなる際に増大する。誤差が大きくなる可能性は、非常に高いサンプリングレート(すなわち、シンボルあたり多数のサンプル)を使用することによって小さくすることができるが、これにより、計算の負荷が、大きくかつ不必要に増大する。
代わりに、いわゆる「局所線形モデル」を局所電力最小値の時間近傍にある信号に当てはめて、モデルの最小大きさを数学的に解く。局所線形モデルは、あらゆる任意の時間瞬間において大きさを直接計算することができるように、効果的に信号を補間する。このようにして、訂正パルスの計算は、サンプリング済みデータ波形に存在する値には限定されない。これは、最小大きさ、および同様に重要である必要な訂正位相の高度に精確な計算を見込む。
訂正大きさおよび位相を計算するために、完全なパルス成形信号が存在する必要がないことに留意されたい。少数の重要なサンプリング瞬間において、複素基底帯域信号を計算するだけでよく、非線形フィルタリングが最終パルス成形ステップ前に未加工シンボルに作用することが可能になる。この手法は、実時間実施において有利なことがある。
信号は、図9aに示すように、時間的にかなり近い2点における所望の最小値によって確定される排他領域外にあるが、2点間において排他領域を通過することが可能である。信号大きさおよびその対応する位相の真の最小値を見つけるために、以下の手法を使用することが好ましい。この手法は、図9bに示すように、複素基底帯域信号包絡線について局所線形モデルを使用する。モデルは、局所電力最小値の周辺において、I/Q空間の直線によって複素信号包絡線を近似する。多くの場合、所望の最小電力が小さく、かつ信号変調が過度に複雑ではない場合(PSKなど)、このモデルは、非常に精確である。このモデルを信号に当てはめた後、局所線形モデルの最小大きさを直接解くことができる。
モデルを定式化するために、2つより少なくない別々の時間瞬間において複素信号を認識しなければならない。これらの時間瞬間は、信号の真の最小値に近いことが好ましいが、その理由は、モデルの精度が、この場合より良好であるからである。これらの時間瞬間は、サンプリング済み信号包絡線に存在するサンプリング瞬間に対応する必要はない。
時間t1における複素信号をs(t1)によって表す。s(t1)の実数部分および虚数部分をそれぞれx1およびy1と表す。同様に、s(t2)の実数部分および虚数部分をそれぞれx2およびy2と表す。これらの時間瞬間における信号は、以下によって与えられる。
Figure 2005512360
上式で、t2>t1、かつt2-t1<<Tである。したがって、以下のように定義される。
Figure 2005512360
局所線形モデルが精確である程度まで、時間tについてあらゆる瞬間における複素信号は、次のように表すことができる。
Figure 2005512360
上式で、cは傾きパラメータである。
この線形モデルの最小大きさを見つけるために、図9bに基づく幾何学的手法を使用する。最小大きさの点は、原点を通り、かつ線形モデルと直交する第2線と交差する局所線形モデル上の点に対応する。この直交線は、以下の式によってパラメータにより(パラメータgを使用して)記述することができる。
Figure 2005512360
交差点は、線形モデルおよび直交線のx軸成分およびy軸成分を等しいと置くことによって見つけられる。これにより、以下の式の組が得られる(2つの式および2つの未知数)。
Figure 2005512360
この式を再構成すると、以下を得る。
Figure 2005512360
これらの2つの式を等しいと置いて、gについて解くと、以下を得る。
Figure 2005512360
したがって、線形モデルの最小大きさは、以下のようになる。
Figure 2005512360
局所線形モデルから計算される最小大きさは、低大きさ事象について試験し、かつ訂正大きさを計算するために、明示的に計算されなければならない。最小大きさは、以下によって与えられる訂正パルスの大きさを計算するためにも使用される。
Figure 2005512360
訂正位相は、線形モデルから決定される最小大きさにおける信号の位相に等しい。訂正がI/Q領域において実施されている場合、訂正の位相θを明示的に計算する必要はない。sin(θ)およびcos(θ)のみを計算すればよい。図9bを参照すると、以下がわかる。
Figure 2005512360
上式で、あらゆるスカラcについて、c/|c|=sign(c)である。同様に、以下のようになる。
Figure 2005512360
直交座標では、同相訂正ファクタおよび直交訂正ファクタは、それぞれ、以下の形態を有する。
Figure 2005512360
したがって、訂正ファクタを計算するために、cos(θ)およびsin(θ)が十分であり、信号の位相θを独立して決定することは必要ないことがわかる。直交座標の修正信号は、以下によって与えられる。
Figure 2005512360
上式でt_minは、極小値が生じる近似時間であり、パルスは、p(0)=1であるように正規化されると想定される(一般性を失わずに)。
いくつかの応用分野では、最小信号電力に対応する時間t_minの精確な推定を得ることが望ましい可能性がある。「精確」は、ここではサンプルレートによって限定されない推定を意味するために使用され、任意の精度を有することが可能である。たとえば、t_minが与えられた場合、補間されたまたは非常にオーバーサンプリングされた原型パルスp(t)に基づいて、訂正パルスを信号に追加することが可能である。このために、局所線形モデルを利用する3つの以下の手順のいずれかを使用することができる。初めの2つの手法は、幾何学的議論に基づく。第3の手法は、信号大きさの直接最小化に基づく。
信号が、2つ以上の離散時間指標においてのみ既知であるとき、ある任意の時間tにおける信号値を推定するために、線形補間が通常使用される。すなわち、線形補間を使用して、tを与えるs(t)を見つける。しかし、線形補間を使用して、s(t)を与えるtを見つけることもできる。この特性は、図9cの例示に従って、以下のように利用することができる。線形モデルは、以下のようになる。
Figure 2005512360
信号の実数部分については、以下のようになる。
Figure 2005512360
この式をtについ解くと、以下を得る。
Figure 2005512360
t_minの計算は、極小大きさにおける信号の実数部分であるx_minの計算に依存する。以前に記述したように、信号の最小大きさは、ρminである。最小大きさにおける信号の実数部分は、ρmincosθである。したがって、以下のようになる。
Figure 2005512360
信号の虚数部分の同様の議論に基づいて、代替として、以下のようになる。
Figure 2005512360
上述した2つの式は、信号の実数部分または虚数部分にのみ依存する。有限精確実施では、これは、xまたはyの変化が小さい場合、欠点である可能性がある。したがって、信号の実数部分および虚数部分の両方に依存する式を使用することが、実際にはより良好である可能性がある。そのような式は、標準的な最適化手順を使用する信号大きさの直接最小化によって導出することができる。線形モデルを使用すると、信号大きさは、以下のようになる。
Figure 2005512360
cについて微分すると、以下のようになる。
Figure 2005512360
導関数をゼロに等しいと置いて、cについて解くと、以下のようになる。
Figure 2005512360
したがって、t_minの最終的な式は、以下のようになる。
Figure 2005512360
したがって、「厳密」ホールブローイングアルゴリズムは、以下のようにまとめることができる。
1.信号の可能な低大きさ事象の近似タイミングt=t1を決定する。
2.可能な低大きさ事象の時間近傍において、少なくとも2つの別々の時間瞬間t1およびt2>t1、t2-t2>>Tについて、パルス成形信号s(t)を計算する。シンボルレートホールブローイングの場合、信号s(t)は、後で加えられる帯域限定パルスと、t1の周辺におけるある数のシンボルおよびt2の周辺におけるある数のシンボルとに基づいて計算される。サンプルレート(すなわちオーバーサンプリングされた)ホールブローイングの場合、パルス成形は、すでに実施されていることになり、それにより、s(t1)およびs(t2)を、隣接するサンプルと対応するように選択することが可能である。
3.上記で詳述して「局所線形モデル」最小大きさρminを計算し、およびρminの時間であるtminを計算する。
4.計算した最小大きさを所望の最小大きさと比較する。
5.計算した最少大きさが所望の最小大きさより小さい場合、上記で詳述したように、同相訂正重みCIおよび直交訂正重みCQを計算する。
6.同相訂正値および直交訂正値によって、それぞれ、パルス成形フィルタの2つのコピーに重みを付ける。
7.パルス成形フィルタのこれらの重み付きコピーを信号の同相成分および直交成分に追加し、tminと示す。
8.修正同相成分および直交成分を大きさおよび位相に変換して、ポーラ変調器によって処理されるように信号を形成する。
上述した厳密ホールブローイング方法の有効性は、元のQPSK信号と厳密ホールブローイング方法で処理した後の信号との瞬間電力を比較する図10において明らかである。この例の所望の最小電力の閾値は、RMS電力より12dB小さく選択された。厳密ホールブローイング方法は、信号電力を所望の最小値より大きく維持するのに非常に有効であることがわかる。ホールブローイング後のQPSK信号のI-Qプロットを図11に示す。すべての軌跡が、所望の限界より外側に押し出されていることがわかる。「ホール」が、以前には全く明らかではなかったI-Qプロットにおいて出現する。
修正信号の瞬間周波数を図12に示す。図8と比較することによって、瞬間周波数が、約45×シンボルレートから約1.5×シンボルレートまで低減されていることがわかる。明らかに、該方法は、瞬間周波数を大きく低減する。
ここで記述する厳密ホールブローイング方法は、タイミング誤差については非常に許容的であるが、大きさおよび位相の誤差(または訂正ファクタcIおよびcQにおける等価な誤差)については比較的許容可能ではないことに留意されたい。タイミング誤差は、訂正パルスが元の信号に追加される時間を指す。タイミング誤差に対するこの許容性は、パルス成形フィルタが、一般に、低大きさ事象の持続時間に対してかなり広い大きさピークを有するということによる。この種類のタイミング誤差の影響を図13に示す。シンボル期間の最高で4分の1のタイミング誤差は、AMRをわずかに1dBだけ低下させる。
厳密ホールブローイング方法が低大きさ事象の除去について有効であることを示したので、帯域内および帯域外の信号品質に対する効果に対してここで記述する。ホールブローイング前後のQPSK信号のPSDは、図14に示すように、周波数領域では区別がつかない。EVMに対する効果を、整合フィルタリングおよびボー同期サンプリング後の修正信号のI-Qプロットを示す図15aに示す。結果は、修正信号を復調した際に受信器が得るメッセージを示す。すべてのサンプルが、4つのQPSK配置点の1つの上に厳密にはないという点で、ひずみが信号に導入されていることがわかる。RMS EVMは、以下のように確定することができる。
Figure 2005512360
上式でakおよびa^k(a^は、aの真上に^を記した符号を意味するものとする)は、それぞれ、理想的および実際のPAMシンボルである。図14に示した特定の例では、RMS EVMは、N=16384のシンボルを使用して計算され、6.3%であることが判明した。同様に、ピークEVMは、以下のように確定される。
Figure 2005512360
この例では、ピークEVMは、約38%であることが判明している。信号がより大きい大きさ動的範囲を有することが可能である場合、RMS EVMはより低くなる。しかし、可能な大きさ動的範囲を増大させることにより、瞬間周波数の帯域幅およびピークの値も増大することを思い出されたい。したがって、所望の信号品質(EVM)と、実際のポーラ変調器に対して提示される瞬間周波数要件との間で、兼合いを取ることがある。
信号PSDに対する感知できない効果を保証するために(図14参照)、訂正パルス成形の選択は、信号帯域限定パルス形状とほぼ整合すべきである。パルスオーバーサンプリングレートが4以上である場合(シンボル時間当たりのサンプル)、先行アルゴリズムを簡単にすることができる。具体的には、tminの計算を省略することができ、訂正パルスは、既存の信号サンプルs(t1)と時間合わせされて挿入される。図13に示すように、最小大きさの最大誤差は、4×サンプリングについて1dBであり、8×オーバーサンプリングについて、0.2dBまで減少する。
tminを考慮に入れてホールブローイングが実施される手法と、tminの計算を省略することができる手法との実際的な相違を、それぞれ図15bおよび図15cの例に示す。図15bの例では、ホールブローイングは、パルス成形パルスと同じである平方根レイズドコサインパルスを使用して実施された。図15cの例では、ホールブローイングは、持続時間がシンボル持続時間の1/2に等しい訂正パルスのハニングウィンドウを使用して実施された。図15cでは、元の信号の軌跡は、ホールの領域を避けるように、可能な限りわずかに変更されることがわかる。しかし、多くの場合(ほとんどではないにしても)、tminの計算は、省略することができる(図15bと同様に)。
図16aは、シンボルレートホールブローイングの構成を示す。デジタルメッセージが、パルス成形およびアップ変換が実施される主要経路に加えられる。補助経路が、訂正信号を生成する分析装置ブロックを含む。アダーが、主要信号と、分析装置によって生成される訂正信号とを合計するために、主要経路において提供される。
図16bを参照すると、シンボルレートホールブローイングを実施する特に有利な実施形態が示されている。主要経路および補助経路の2つの信号経路が提供される。主要信号経路および補助信号経路の出力は、最終出力信号を形成するように合計される。
主要信号経路は、シンボル(またはチップ)を受け取り、それらのシンボル(チップ)に対してパルス成形を実施し、ほぼ従来通りである。しかし、主要信号経路は、主要信号経路と補助信号経路との同期化を達成するために使用される遅延要素を含む。
補助経路では、シンボル(またはチップ)は、訂正DSP(ハードウエア、ファームウエア、またはソフトウエアにおいて実現することが可能である)に加えられる。訂正DSPは、上記で概述した厳密方法に従ってホールブローイングを実施し、その結果、シンボル(またはチップ)の補助ストリームを出力する。これらのシンボル(またはチップ)は、シンボルの主要ストリームと同じレートで出現するが、大きさは比較して小さく、実際、主要経路の信号がホールに入るとき、またはホールの付近にあるときを除いて、ゼロである。主要経路および補助経路の相対タイミングは、補助経路の小さい値のシンボルが主要信号経路の半シンボルタイミングにおいて出現するように、T/2だけずれることが可能である。
例示的な実施形態では、訂正DSPは、それぞれのシンボル(またはチップ)に対応する信号値を計算し、局所線形モデルを適用することによって、シンボル(またはチップ)の各連続対に関して信号最小値を計算する。シンボル(またはチップ)に対応する信号値を計算する際に、主要信号経路の場合と同じパルスが、そのシンボル(またはチップ)およびある数の先行ならびに後続のシンボル(またはチップ)に加えられる。パルス成形に続いて、特定の時間における信号の値を計算するためにパルスをこのように使用することは、通常のパルス成形自体とは異なる。
補助信号経路の訂正シンボル(またはチップ)は、決定された後、主要信号経路のものと同様の方式でパルス成形される。次いで、主要経路および補助経路のパルス成形出力信号は、組み合わされて、最終出力信号を形成する。
p(t)の持続時間は有限(L)であるので、信号は、低大きさ事象と入力シンボルストリームとの間の訂正時間の前に評価することができる。(LMの場合)。次いで、分析装置は、{ai}に関してのみ動作して、ciおよびtiを決定することができる(訂正シンボルciは非常に小さく、かつメッセージストリームに対して無視できる効果を有する)。シンボルレートホールブローイングのこの変形形態では、計算されたシンボルbmは、元のメッセージストリームに追加され、新しいストリーム全体は、フィルタを通過した後、帯域限定される。
反復方法
以上の記述は、シンボルレートおよびシンボルレートホールブローイングの技術を対象としていた。「厳密」という用語は、これらの技術を指すために使用されていたが、ある程度の不正確さおよび不明確さは不可避である。すなわち、結果的な信号は、依然として所望のホールに当たる。特定のシステムの要件に応じて、信号をさらに処理して、これらの残留低大きさ事象を除去することが必要である、または望ましい可能性がある。1つの手法は、単に、実際に必要なものより大きいホールを特定して、ある誤差の限界を見込むものである。他の手法は、ホールブローイングを繰り返して、または反復して実施するものである。
直交領域では、サンプルレートホールブローイングは、1回または複数回実施することが可能であり(図16c)、シンボルレートホールブローイングは、1回または複数回実施することが可能である(図16d)。しかし、後者の場合、各反復時に、シンボルレートは2倍になる。たとえば、第1反復では、訂正シンボルは、T/2において挿入される可能性がある。第2反復では、訂正シンボルは、T/4および3T/4などにおいて挿入される可能性がある。シンボルレートホールブローイングの1回または複数回の反復には、サンプルレートホールブローイングの1回または複数回の反復が続く可能性がある(図16e)(一般に、サンプルレートホールブローイングにシンボルレートホールブローイングが続くことはできない)。
他の代替法は、極領域におけるサンプルレートホールブローイングである。
極領域ホールブローイング
以上の直交領域ホールブローイング技術は、EVMをある程度犠牲にして、ACLRを非常に良好に維持する。他の技術は、異なる兼合いを提示する可能性がある。たとえば、極領域ホールブローイングは、ACLRを犠牲にして、EVMを非常に良好に維持する。したがって、特定の応用分野では、直交領域ホールブローイング、極領域ホールブローイング、または両方の組合せを適用することが可能である。
極座標システムの大きさ成分および位相成分は、以下のように、直交座標システムの同相成分および直交成分に関係付けることができる。
Figure 2005512360
図17aは、極領域非線形フィルタリング(すなわち「ホールブローイング」)が実施される無線送信器の一部のブロック図である。この図は、以上の式に表した大きさおよび位相が極領域(polar-domain)非線形フィルタリングおよびポーラ変調器(polar modulator)に関係する様子を示す。
図17aにおいて、Gは、ポーラ変調器の利得を表す。動作の際、デジタルメッセージは、まず、直交座標システムにおいて同相成分および直交成分にマッピングされる。同相(in-phase)成分および直交(quadrature)成分は、直交から極への変換器(rectangular-to-polar converter)によって、大きさおよび位相差に変換される。位相および位相差の開始点を遅れずに知ることによって、対応する位相を遅れずに計算することができる。この位相計算は、ポーラ変調器では、後の段階で実施される。位相差をポーラ変調器に供給する前に、極領域非線形フィルタリングが実施される。
より詳細なブロック図を、2つの信号チャネルρおよびθについて主要信号経路および訂正信号経路を示す図17bに示す。訂正経路では、ρの連続値を使用して、信号最小値の計算および所望最小値との比較を実施する。比較の結果に基づいて、訂正が必要な場合、各チャネルについて、必要な訂正の大きさを計算する。パルス(またはθチャネルの場合はパルスの対)は、必要な訂正に従ってスケーリングされ、主要経路のチャネルに追加される。主要経路のチャネルは、訂正動作を実施する時間を可能にするように遅延されることになる。
極座標における大きさ成分および位相成分(位相差)の例を図18に示す。プロットからわかるように、大きさが降下するとき、対応するスパイク(正または負)が位相差成分に存在する。
位相差成分のスパイクは、位相および位相差は以下の関係を有するので、信号の位相が迅速に変化したことを示唆する。
Figure 2005512360
大きさの降下および迅速な位相変化は、両方のピークが、各極信号成分の帯域幅を拡張するので、非常に望ましくない。極領域非線形フィルタリングの目的は、振幅スイングの動的変化を低減し、ならびに、瞬間的な位相変化を低減することである。ポーラ変調器が対処することができる振幅成分の動的範囲および最大位相変化は、ハードウエアによって限定される。極領域非線形フィルタリングは、信号がポーラ変調器によって処理される前に、信号を処理する。この事前処理により、信号動的範囲がポーラ変調器の実装ハードウエア能力の限界を超えないことが保証され、したがって、望ましくない信号ひずみが回避される。
極座標システムにおける非線形フィルタリングは、直交座標システムにおける非線形フィルタリングよりいくらか複雑である。極座標システムにおける両方の成分(大きさおよび位相)は、深刻な信号低下を防止するように、慎重に対処されなければならない。
以下の記述は、例示的な実施形態において極領域非線形フィルタリングを実施する方式について述べる。極領域非線形フィルタリングは、2つの部分からなる。第1部分は、大きさ成分の非線形フィルタリングであり、第2部分は、位相成分(位相差)の非線形フィルタリングである。これらの2つの部分について、それぞれ順番に記述する。
大きさ成分の非線形フィルタリング
大きさ動的範囲がポーラ変調器の能力を超える場合、出力信号はクリッピングされる。このクリッピングは、スペクトルの再成長をもたらし、したがって、隣接チャネル漏れ比(ACLR)を大きく増大させる。大きさ成分の動的範囲を低減するために適用することができる1つの手法は、ホールブローイング(または非線形フィルタリング)である。
大きさ成分のこの非線形フィルタリングの目的は、入力大きさρ(t)から低大きさ事象を除去し、したがって、大きさスイングの動的範囲を低減することである。最小大きさの閾値(THmag)を想定する。信号ρ(t)を観測することによって、信号が閾値より小さくなる時間間隔を得ることが可能である。信号が閾値より小さくなるNの時間間隔が存在し、かつこれらの時間間隔のそれぞれの大きさ最小値が、それぞれt1,・・・,tNに生じると想定する。したがって、大きさ成分の非線形フィルタリングは、以下のように表すことができる。
Figure 2005512360
上式で、bnおよびpn(t)は、n番目の時間間隔について、挿入された大きさおよびパルスを表す。非線形フィルタリング済み信号は、元の信号および挿入信号からなる。挿入パルスの大きさは、以下のように与えられる。
Figure 2005512360
挿入パルスpn(t)は、ACLRに関する信号低下が最小限に抑えられるように慎重に選択されなければならない。パルス関数が滑らかな前遷移および後遷移を有することが望ましい。適切なパルス(DZ3)は、「The Derivative-Zeroed Pulse Function Family」という名称のCIPICリポート#97-3、カルフォルニア大学、カルフォルニア州デービス、1997年6月29日のマッキューン(McCune)の論文に基づく。DZ3パルスのインパルス応答を図19に示す。
大きさ成分の非線形フィルタリングの例の結果を図20に示す。プロットからわかるように、大きさが閾値より下がった信号間隔は、挿入パルスによって補償される。その結果、大きさスイングの動的範囲は低減される。
位相成分の非線形フィルタリング
例示的な実施形態では、ポーラ変調器への入力は、位相ではなく、位相差である。ポーラ変調器の電圧制御発振器(VCO)は、位相差を積分して、ポーラ変調器の出力において位相成分を生成する。位相差は、VCOがどれだけ迅速に積分をしなければならないかに直接関係する。位相差がVCOの能力を超える場合、出力信号位相は、実際の信号位相より遅延(または先行)する。その結果、VCOが実際の信号位相に常に遅れずについていくことができない場合、位相ジッタが生じる。この位相ジッタは、配置回転をもたらし、したがって、EVMを深刻に低下させる可能性がある。
位相成分の非線形フィルタリングの目的は、位相累積誤差が生じないように、大きな(正または負の)位相差事象を抑制することである。VCOの出力が入力(位相差)の累積であることを認識することが重要である。したがって、位相差に対するあらゆる追加の処理は、位相誤差が累積しないことを保証しなければならない。ここで記述する位相成分の非線形フィルタリングは、累積位相が時間ごとに元の位相軌跡から逸脱することが可能であるような方式で、位相差を慎重に修正する。しかし、ある時間間隔後、累積位相は、常に元の位相経路に再び統合される。
位相成分の非線形フィルタリングは、まず、位相差の絶対値がVCOの積分能力を超える位置を見つけることによって実施される。位相差の絶対値がVCOの能力を超える全体でMの事象が存在し、かつ各事象のピーク絶対値がtmにおいて生じると想定する。したがって、位相差成分の非線形フィルタリングを以下の式によって記述することが可能である。
Figure 2005512360
上式でpp,m(t)は、時間tmにおいて位相差成分に挿入されるパルスであり、cmは、以下によって与えられる対応する大きさである。
Figure 2005512360
上式で、THpは、位相差の閾値である。
挿入パルスは、以下の式を満たすはずである。
Figure 2005512360
パルスを挿入した結果は、位相軌跡を変更する場合と基本的には同じである。しかし、上式を満たすパルスを挿入することによって、修正された位相軌跡は、最終的には、元の位相軌跡に統合される。これは、以下の式によって理解することができる。
Figure 2005512360
右辺の第2項は、最終的にはなくなる。したがって、修正位相軌跡は、再び元の位相軌跡に統合される。
位相成分の非線形フィルタリングに適切な追加パルスpp(t)の例を図21に示す。再び、パルス関数が、滑らかな前遷移および後遷移を有することが非常に重要である。位相差経路における非線形フィルタリングに使用されるパルスは、2つのパルスからなる。これらの2つのパルスは、同じ領域を有するが、極性および持続時間は異なる。したがって、組合せパルスの時間に関する積分はゼロになる。
位相差成分の非線形フィルタリングの例の結果を図22に示す。プロットからわかるように、修正位相軌跡は、元の位相軌跡より滑らかな軌跡を有する。修正位相軌跡は、元の位相軌跡より、小さい帯域幅をVCOに要求する。
極領域非線形フィルタリングは、大きさ成分および位相成分のフィルタリングからなる。非線形フィルタリングが共同して実施される場合(大きさおよび位相の両方)、より良好なスペクトルロールオフを達成することができる。しかし、各非線形フィルタリングの動作は、やはり独立して実施することができる。
位相差成分の非線形フィルタリングの代わりに、位相成分の直接非線形フィルタリングを実施することもできる。図23は、元の信号が、時間t1からt2まで位相の急激な変化を有する例を示す。位相変化を低減する1つの方式は、直線ν(t)と元の位相経路との間を補間することによる。補間は、以下のように表すことができる。
Figure 2005512360
上式で、w(t)は重みファクタである。重みファクタは、一定とすることができ、または、DZ3、ガウス関数などに従って変化することが可能である。再び、重み関数が滑らかな前縁および後縁を有することが重要である。
極領域非線形フィルタリングは、直交領域非線形フィルタリングと関連して使用することができる。そのような手法は、反復直交領域非線形フィルタリングより複雑でない計算を有することが可能である。
直交領域非線形フィルタリングの単一反復が実施される場合、低大きさ高位相変化事象は依然として生じるが、確率は低い。これらの低確率事象は、適切に管理されない場合、信号品質を低下させることがある。これらの低確率事象を排除するために、直交領域非線形フィルタリングの単一反復に続いて、以上の極領域非線形フィルタリング方法を使用して、低EVMおよび低ACLRを維持することが可能である。図24は、この共同システムのブロック図を示す。図25は、直交極非線形フィルタリングモジュールによって処理された出力信号のPSDを示す。曲線Aは、直交領域非線形フィルタリングを8回反復した信号を示す。曲線Bは、直交領域非線形フィルタリングを1回反復し、それに続いて極領域非線形フィルタリングを1回反復した信号を示す。スペクトルの再成長は、-60dBより小さい。さらに、良好なスペクトルロールオフが達成される。
実時間アプリケーションの計算負荷の低減
実際のポーラ変調器では、ホールブローイングアルゴリズムは、デジタルハードウエアおよび/またはソフトウエアを使用して実時間で実施されなければならない。厳密ホールブローイング方法の実時間実施は、いくつかの課題を提示する。直面する特定の課題は、ある程度、選択されるアークテクチャ全体に依存する。厳密ホールブローイングアルゴリズムを実施する(少なくとも)2つの代替アーキテクチャが存在する。シンボルレートホールブローイングと呼ばれる第1アーキテクチャでは、訂正インパルスが計算され、適切なタイミングでデータストリームに追加され、その後、パルス成形が実施される。サンプルレート(またはオーバーサンプル)ホールブローイングと呼ばれる第2アーキテクチャでは、完全パルス成形信号が計算され、その後、重み付きパルスがパルス成形信号に追加される。
計算が複雑であるために、以前に記述した厳密ホールブローイングアルゴリズムは、デジタルハードウエアを使用して実施するのが困難である。厳密ホールブローイングアルゴリズムでは、算術の除算、2乗、および平方根の演算が必要である。これらの算術演算は、デジタルハードウエアの複雑さを大きく増大させ、可能であれば回避されるべきである。実施されるアルゴリズムの計算の複雑さを低減することにより、ハードウエアの複雑さが直接低減されることになる。本明細書において記述する実時間ホールブローイングアルゴリズムは、除算、2乗、または平方根の演算を必要としない。
実時間ホールブローイングアルゴリズムは、シンボルレートまたはサンプルレートの形態で実施することができるが、シンボルレートホールブローイングを実施することが、一般により望ましい。具体的には、シンボルレートホールブローイングアルゴリズムにより、より遅いクロック速度でデジタルハードウエアを動作させることが可能になり、パルス挿入を実施するために、多くのメモリを必要としない。したがって、シンボルレート実時間ホールブローイングアルゴリズムについて記述する。
一般的に、実時間ホールブローイングアルゴリズムは、厳密ホールブローイングアルゴリズムに非常に類似している。しかし、実時間ホールブローイングアルゴリズムでは、実施を簡単にするために、いくつかの想定および近似が行われる。実時間ホールブローイングアルゴリズムでは、大きさの最小値が、信号配置の構造に基づいて、どこで生じる可能性が最も高いかに関して想定が行われる。この想定は、信号の大きさ全体を計算せずに、必要であれば、どこでパルスを挿入すべきかの決定を見込む。さらに、厳密ホールブローイングの算術演算アルゴリズムは、下式
Figure 2005512360
を1に正規化することによって、非常に簡単になる。この正規化により、除算、2乗、および平方根の演算の必要性が排除される。
実時間ホールブローリングアルゴリズムと厳密ホールブローイングアルゴリズムとの相違は、以下の疑問に対する答えを考慮することによって理解することが可能である:
1.低大きさ事象の可能なタイミングは何か?
2.大きさ最小値の値は何か、およびどのようにして効率的かつ精確に計算することができるか?
3.信号が規定の閾値より小さくなった場合、大きさ最小値の同相訂正重みおよび直交訂正重みは何か?
これらの疑問は、UMTS信号を例として使用して対処される。
1.低大きさ事象の可能なタイミングは何か?
大きさ最小値のタイミングを入力データビットに基づいて推定することができる場合、大きさ最小値を得るために、全波形を計算する必要はない。このショートカットにより、計算が大きく軽減される。低大きさ事象の近似タイミングが既知である場合、局所線形モデルを使用して、優れた精度で最小値を計算することができる。
以前に記述したように、帯域限定QPSK信号の最小大きさは、通常、半シンボルインスタンス(nT+T/2)の近傍で生じる。この想定は、図6のヒストグラムによって支持される。この想定は、配置点が同じ円上にあるより高次のパルス成形PSK信号にも適用することができる。このタイプの信号の良好な例は、1つの活動データチャネルを有するUMTS信号である。図26は、1つの活動データチャネルを有するUMTS信号配置の例を示す。プロットからわかるように、すべての配置点は、同じ円上にある。ヒストグラムがこの特定の信号について構築された場合、低大きさ事象のタイミングは、各半シンボルインスタンスにおいて生じる可能性が非常に高いことがわかる。したがって、この特定の信号では、低大きさ事象のタイミングは、nを整数として、nT+T/2において生じると想定される。
上記の想定は、より複雑な信号配置の場合には当てはまらない。図27は、2つの活動データチャネルを有するUMTS信号配置の例を示す。プロットからわかるように、すべての配置点が同じ円上にあるわけではない。より複雑な信号配置の大きさ最小値を見つけるために使用されるアルゴリズムを図28aに示し、以下のように記述する。
1.時間nTにおける配置点P1からの信号遷移が、時間(n+1)Tに点P2において終了する場合、2つの点を接続する直線が引かれる。この線を第1線と表記する。
2.第2線が、P1とP2を接続する線に垂直に引かれる。第2線は、原点を含み、点Mにおいて第1線と交差する。
3.第2線は、第1線を、長さがD1およびD2にそれぞれ比例する2つのセクションに分割する。低大きさ事象のタイミングは、近似的にnT+D1/(D1+D2)Tである。
4.第2線と第1線とが交差しない場合、パルスを挿入する必要はない。
5.大きさ最小値が生じる最も可能性の高い場所を決定した後、局所線形モデルを使用して、局所大きさ最小値を計算する。
上記のアルゴリズムにより、異なる信号配置のルックアップ表を作成することができる。ルックアップ表のサイズは、配置点がx軸およびy軸の両方に対して対象である場合、低減することができる。1つの活動データチャネルを有するUMTS信号に対応して、D1が常にD2に等しい以上のアルゴリズムの特別な場合が生じる。したがって、1つの活動データチャネルの大きさ最小値は、常に、時間nT+T/2の近傍で生じる。大きさ最小値の近似位置を見つける上記のアルゴリズムは、より複雑な配置を有する信号に一般化することもできる。
図28bは、以前に記述した厳密な方法および直前で記述した実時間近似の両方について、訂正が必要な最小大きさ事象の確率密度関数をサンプル間隔(シンボルあたり15サンプルを想定)によって示す。2つの関数には、密接な対応があることに留意されたい。
2.大きさ最小値の値は何か、およびどのようにして効率的および精確に計算することができるか?
大きさ最小値が生じる可能性が高いタイミングを認識することにより、局所線形モデルを使用して、大きさ最小値を計算する。信号の大きさが、規定の閾値より小さくなるかについて判定しなければならない。大きさが規定の閾値より小さくなる場合、挿入パルスについて、同相訂正重みCIおよび直交訂正重みおよびCQを計算しなければならない。
厳密ホールブローイングアルゴリズムから、大きさ最小値は、以下の式によって計算することができる。
Figure 2005512360
上式で、x1およびy1は、時間t1における信号の同相サンプルおよび直交サンプルであり、t1は、大きさ最小値が生じる可能性が最も高い時間である。
上式は、1つの除算、1つの平方根演算、2つの2乗演算、ならびに乗算、加算、および減算のいくつかの他の演算を含む。式の複雑さは、上式の分母を正規化することによって緩和することができる。
ベクトル(Δx,Δy)を以下のように表す。
Figure 2005512360
上式で、ρxyおよびθxyは、ベクトル(Δx,Δy)の大きさおよび位相である。したがって、信号の最小大きさは、以下のように表すことができる。
Figure 2005512360
この正規化により、除算、2乗、または平方根の演算は必要とされない。さらに、ρxyを知る必要もない。しかし、sin(θxy)およびcos(θxy)の値は必要である。したがって、ベクトル(Δx,Δy)が与えられた場合、(sin(θxy),cos(θxy))を効率的に得る方式が必要である。
比較的ハードウエアの複雑さが低い状態で、sin(θxy)およびcos(θxy)を評価する2つの方式について記述する。第1の方式は、線比較方法を使用し、第2の方式は、CORDIC(デジタルコンピュータの座標回転)アルゴリズムを使用する。
まず、線比較方法を使用するsin(θxy)およびcos(θxy)の近似を考慮する。図29からわかるように、関数y=Mxの線は、第1象限をいくつかのサブセクションに分割する。点(|Δx|,|Δy|)と線y=Mxとを比較することによって、点が(|Δx|,|Δy|)中にあるサブセクションを決定することができる。あるサブセクション内のあらゆる点は、事前に正規化された点
Figure 2005512360
によって表される。iは、点(|Δx|,|Δy|)が属するセクションを表す。
アルゴリズムの詳細は、以下のように記述される。
1.まず、ベクトル(Δx,Δy)を第1象限(|Δx|,|Δy|)に変換する。
2.|Δy|と、Mが正であるM|Δx|とを比較する。
3.|Δy|がM|Δx|より大きい場合、(|Δx|,|Δy|)は、線y=Mxの左側に位置する。
4.|Δy|がM|Δx|より小さい場合、(|Δx|,|Δy|)は、y=Mxの右側に位置する。
5.異なる線との上記の比較に基づいて、点(|Δx|,|Δy|)が属するサブセクションを特定することができる。点がセクションiに属すると想定すると、ベクトル(sin(θxy),cos(θxy))は、ベクトル
Figure 2005512360
によって近似することができる。
表を使用して、
Figure 2005512360
の事前に計算した値を格納することができる。全体でWの線が比較に使用される場合、第1象限には、(W+1)のサブセクションが存在する。その結果、全ベクトル面は、4*(W+1)のサブセクションに分割される。
(sin(θxy),cos(θxy))を近似するために使用される第2の方法は、CORDIC様アルゴリズムである。この方法は、線比較方法と同様である。しかし、CORDIC様アルゴリズムは、ベクトル面をより均等に分割する。アルゴリズムのより詳細な記述は、以下のように提示され、図30に示されている。
1.まず、ベクトル(Δx,Δy)を第1象限(|Δx|,|Δy|)に変換する。
2.次に、ベクトル(|Δx|,|Δy|)を角度Θ0=tan-1(1)時計方向に回転させる。角度回転後のベクトルを、(|Δx|0,|Δy|0)と表記する。
3.i=1とする。
4.|Δy|i-1が0より大きい場合、ベクトル(|Δx|i-1,|Δy|i-1)をΘi=tan-1(2-i)時計方向に回転させる。そうでない場合は、ベクトルを角度Θi半時計方向に回転させる。角度回転後のベクトルは、(|Δx|i,|Δy|i)である。
5.i=i+1とする。
6.必要であれば、ステップ4および5を繰り返す。
7.全体でKのベクトル回転が実施されると想定する。このアルゴリズムは、第1象限を2^kのサブセクションに分割する。|Δy|0,|Δy|1,・・・,|Δy|K-1の符合を使用して、ベクトル(|Δx|,|Δy|)が2^kのサブセクションのどれに属するかを決定することができる。
8.事前に量子化および正規化された値で埋められた表を使用して、ベクトル(|Δx|,|Δy|)を近似する。
9.ルックアップ表が、ベクトル(|Δx|,|Δy|)について
Figure 2005512360
のベクトルを与える場合、(sin(θxy),cos(θxy)は、ベクトル
Figure 2005512360
によって近似することができる。
CORDICアルゴリズムのベクトル回転は、ベクトル回転が算術シフトのみによって達成されるように、慎重に行われる。これにより、非常に効率的な構造となる。近似の精度は、より多くのCORDIC反復を経ることによって改善することができる。全体で2つのベクトル回転が実施される場合、第1象限の結果的な分割は、図29に示す線比較方法の場合と同様である。
Figure 2005512360
の正規化および(sin(θxy),cos(θxy))を近似する効率的なアルゴリズムにより、局所最小値方法の計算の複雑さが大きく低減される。これらの方法を使用して、ρminを容易に評価することが可能である。大きさ最小値ρminが閾値ρdesiredより小さくなる場合、ホールブローイングアルゴリズムに基づいて、パルス挿入が実施される。これにより、第3の疑問に至る。
3.信号の大きさ最小値が事前に規定された閾値より小さくなる場合、同相訂正重みおよび直交訂正重みは何か?
以下のように、ΔxをΔx=ρxycos(θxy)で置き換え、かつΔyをΔy=ρxysin(θxy)で置き換えることによって、同様の技法をsin(θ)およびcos(θ)の計算に適用することができる。
Figure 2005512360
上記のように簡略化することにより、同相訂正重みCIおよび直交訂正重みCQは、簡単な減算および乗算で容易に計算することができる。
Figure 2005512360
実時間ホールブローイングアルゴリズムのまとめ
実時間実施を容易にするために、低大きさ事象のタイミングを評価する新規な手法を取り入れる。また、極小値方法は、式
Figure 2005512360
を正規化することによって、非常に簡単になる。その結果、除算、平方根演算、または平方根演算は必要とされない。
2つの方法は、ベクトル(Δx,Δy)が与えられた場合に、(sin(θxy),cos(θxy))を評価するために提案されている。第1の方法は、線比較方法であり、第2の方法は、CORDIC様アルゴリズムである。上記の2つの方法を実施する複雑さは、算術シフトおよび比較のみが必要とされるので、一般に低い。
アペンディックス1
A1.0 オディー(O'Dea)ホールブルーイング方法の分析
このアペンディックスでは、米国特許第5,696、794号明細書および第5,805,640号明細書において提案されたホールブローイング方法の詳細な分析を提示する。これらの2つの特許は、非常に類似しており、したがって、同時に扱う。主な相違は、前者の特許(5,696,794)は、送信されるシンボルを修正し、一方、後者の特許(5,805,640)は、T/2シンボルタイミング瞬間においてパルスを追加する。簡潔にするために、特許第5,696,794号をシンボルレート方法と呼び、特許第5,805,640号をT/2方法と呼ぶ。まず、両方法の概観を提示し、次いで、2つの異なる信号変調の実施を調査する。第1試験信号は、ゼロISIレイズドコサインパルス成形を有するπ/4QPSKである。これは、2つの特許において使用される変調である。第2試験信号は、1つの活動DPDCHおよび7/15のDPDCH/DPCCH振幅比を有するUMTS 3GPPアップリンク信号である。UMTSは、0.22ロールオフ特性を有する平方根レイズドコサインパルス成形を使用する。
A.1.1 オディー(O'Dea)ホールブローイングアルゴリズムの概観
「半シンボルタイミング」という用語は、シンボル時間の間の正確に中間である時間瞬間であるように定義される。すなわち、PAM信号が、Tをシンボル期間、p(t)をパルス形状として、
Figure 2005512360
とモデリングされる場合、半シンボル時間は、kを整数として、t=kT+T/2に相当する。提示を明瞭にするために、p(t)の最大値は1に正規化されていると想定する。
両方法は、半シンボル時間瞬間における信号大きさを測定し、この値をある所望の最小大きさmag_d
Figure 2005512360
と比較することによって、望ましくない低電力事象の存在を試験する。
両特許は、同じ方法を使用して、訂正パルスの位相を計算する。低大きさ事象は、シンボルkとk+1との間で生じると想定する。まず、いわゆる位相回転θrotを決定する。これは、図31に示すように、シンボルkからシンボルk+1への遷移の単なる位相変化である。訂正位相θadjは、以下によって与えられる。
Figure 2005512360
上式で、θkは、k番目のシンボルの位相である。図31に示すように、調整位相に等しい位相を有するベクトルが、シンボルkからシンボルk+1に引かれた直線に直交する。有限の数の可能な位相回転が存在し、有限な数の可能な位相調整も存在し、したがって、回転位相の明示的な計算は必要ではない。
シンボルレートの手法(5,696,794)を使用する場合、低大きさ事象(すなわちシンボルkおよびk+1)に隣接する2つのシンボルは、複素スカラを追加することによって修正される。この複素スカラの大きさは、以下によって与えられる。
Figure 2005512360
上式でpmidは、t=T/2におけるパルス成形フィルタの振幅である(しかし、このように訂正の大きさを計算する原理は、明瞭ではない)。したがって、複素スカラ調整は、以下のようになり、
Figure 2005512360
結果的な修正シンボルは、以下によって与えられる。
Figure 2005512360
両シンボルとも、同じように修正されることに留意されたい。
したがって、情報シンボル{ak}の意図的な再配置によって、雑音成分が信号に追加される。これは、受信器におけるあらゆる等化器を「混乱させる」ことがあり、あらゆる信号ひずみはチャネルによることが予期される。
T/2の手法(5,805,640)を使用する場合、パルス成形前に、適切な半シンボル時間瞬間において、複素スカラがシンボルストリームに追加される。低大きさ事象が、t=kT+T/2において検出されたとき、大きさ
Figure 2005512360
およびθadjに等しい位相を有する複素シンボルが、k=kT+T/2において追加される。
T/2の挿入タイミングに対するこの制約により、この方法は、円形信号配置に限定される。
シンボルレート方法とT/2方法との1つの追加の相違は、シンボルレート方法は、信号大きさがある閾値より小さくならない限り、反復して適用されることを意図していることである。T/2特許には反復プロセスについては記載されていない。
A1.2 π/4QPSKを有する実施
ここで、対象信号がπ/4 QPSKであるとき、開示した「厳密」ホールブローイング方法と比較した、既知のホールブローイングアルゴリズムの性能について考慮する。この信号は、ロールオフが、α=0.5など、高い場合、配置に「ホール」を有することに留意することが興味深い。信号が、既存ホールを有さないように、0.22のロールオフが選択された。
図32は、上述したp/4 QPSK信号に関する開示した方法および2つの既知の方法から得られるCDFを示す。所望の最小電力レベルは、RMSより9dB小さくに設定された。これらのシミュレーションの結果は、32サンプル/シンボルを有する16384のシンボルに基づく。図は、厳密な方法が、既知の方法のどちらよりもはるかに効果的であることを示す。また、既知の方法は両方とも、同様に実施されることも明らかである。これは、2つの手法の類似性を考慮すると、意外なことではない。
図32に示す既知の方法の性能のある説明は、整然としている。訂正パルスの大きさおよび位相の両方の計算には、誤差の源が存在する可能性があることに上記で留意した。図33は、従来の技術のシンボルレート方法がかなりよく機能する例を示す。信号包絡線は、所望のホールから完全には押し出されないが、方法は、ある程度意図したように機能している。対照的に、図34は、従来の技術のシンボルレート方法が良好には機能しない例を示す。この例は、訂正パルスの大きさおよび位相の両方の誤差を示す。この例では、トレースは、訂正位相を計算する際の想定に関して、原点の「誤った側」を通過する。したがって、トレースは、誤った方向に押し出される。さらに、この例から、T/2における大きさは最小大きさではないことが明らかであり、したがって、位相が正確に計算された場合でも、信号は、十分遠くには押し出されていない。
図35は、従来の技術のT/2方法が良好には機能しない例を示す(図35に示したセグメントは、シンボルレート方法が良好には機能しない図34に示した信号のセグメントと同じである)。図34と図35とを比較すると、2つの方法は、ほぼ同一のトレースをもたらすことが明らかである。シンボルレート方法は、低大きさ事象に隣接するシンボルのみを変更するが、T/2方法は、より多くのシンボルに影響を与えることがわかる。
A1.3 3GPPアップリンク信号の性能
ここで、1つの活動DPDCHおよび7/15の振幅比を有する3GPPアップリンク信号である、より現実的な信号に関する既知の方法の性能について考慮する。図36は、32サンプル/チップを有する信号の1つのフレーム(38400チップ)に適用されたとき、開示した厳密方法および既知のホールブローイング方法で得られるCDFを示す。厳密訂正方法は、既知の方法よりはるかに性能が優れており、かつ既知の方法は、同程度に機能することが明瞭である。
PAM信号の生成の一般的なブロック図である。 AMR低減のために修正されたPAM生成装置のブロック図である。 図2aの装置と同様の装置のより詳細なブロック図である。 22%過剰帯域幅を有する平方根レイズドコサインパルス成形のインパルス応答を示す図である。 平方根レイズドコサインパルス成形を有するQPSK信号の一部のI-Qプロット(ベクトル図)である。 パルス成形QPSK信号の電力のセクションを時間の関数として示す図である。 平均電力より12dBを超えて小さい最小値のみを含む、信号大きさ最小値の時間位置を示すヒストグラムである。 QPSK信号の位相を時間の関数として示す図である。 図7の信号についてシンボルレートの倍数として表された瞬間周波数である。 数学モデルを使用して低大きさ事象の出現を検出することが可能である状況を示す図である。 複素信号包絡線について局所線形モデルの幾何学的に示す図である。 局所線形モデルに基づくt_minの計算を示す図である。 元の信号の電力と、最小電力を-12dBの平均電力より大きく維持するように設計された単一複素重み付きパルスを追加した後の信号の電力との比較を示す図である。 瞬間電力をRMS電力に対して-12dBより大きく維持するように修正されたQPSK信号のI-Qプロットである。 シンボルレートの倍数として表された、修正信号の瞬間周波数を示す図である。 訂正パルスが追加される時間における誤差の関数として修正信号の最小電力を示す図である(訂正パルスの大きさおよび位相は、一定に維持される)。 従来のQPSK信号および厳密ホールブローイング方法の適用後の同じ信号の推定PSDを示す図である。 あるひずみが信号に導入されたことを示す、復調後の修正信号のI-Qプロットである(測定RMS EVMは6.3%である)。 パルス成形フィルタと同じである根レイズドコサインパルスを使用した非線形フィルタリングの結果を示す図である。 シンボル持続時間の1/2に等しい持続時間を有する、訂正パルスについてハニングウィンドウを使用した非線形フィルタリングの結果を示す図である。 シンボルレートホールブローイングを示すブロック図である。 シンボルレートホールブローイングを示すより詳細なブロック図である。 シンボルレートホールブローイングの反復を示すブロック図である。 シンボルレートホールブローイングの反復を示すブロック図である。 シンボルレートホールブローイングの1つまたは複数の反復が続く、シンボルレートホールブローイングの1つまたは複数の反復の連鎖を示すブロック図である。 極領域非線形フィルタリングが実施される無線送信器の一部のブロック図である。 図17の装置と同様の装置のより詳細なブロック図である。 極座標信号の大きさ成分を示し、かつ極座標信号の位相成分の差を示す波形図である。 DZ3パルスのインパルス応答の図である。 大きさ成分の非線形フィルタリングの結果を示す波形図である(極領域非線形フィルタリング前の元の大きさ成分、極領域非線形フィルタリング後の大きさ成分、閾値、および大きさ成分に追加されたパルスを示す)。 位相成分の非線形フィルタリングに適切な追加されたパルスの例を示す図である。 位相差成分の非線形フィルタリングの結果を示す波形図である。 極座標システムにおける位相成分の非線形フィルタリングの代替方式を示す図である。 非線形フィルタリングがまず直交領域において実施され、次いで極領域において実施される、無線送信器の一部のブロック図である。 図34の非線形フィルタリングの結果を示すPSDである。 1つの活動データチャネルおよび7/15のベータ比を有するUMTS信号配置のI-Qプロットを示す図である。 2つの活動データチャネルおよび7/15のベータ比を有するUMTS信号配置のI-Qプロットを示す図である。 低大きさ事象のタイミングを見つける方式を示す図である。 適切なアルゴリズムを使用し、かつ実時間近似を使用して、低大きさ事象の確率密度関数を比較する図である。 ベクトル量子化の線比較方法を示すI-Qプロットを示す図である。 ベクトル量子化のCORDIC様アルゴリズムを示す図である。 訂正パルスの位相を計算する既知の方法を示す図である。 信号がレイズドコサインパルス成形および22%の過剰帯域幅を有するpi/4 QPSKであるとき、本発明の方法および既知の方法で得られる累積分布関数を示す図である(所望の最小電力は、RMSより9dB小さい)。 既知のシンボルレート方法がかなり良好に機能する例を示す図である(元の信号の包絡線を示し、修正包絡線を示し、および訂正大きさを計算するために使用されたサンプルを示す)。 既知のシンボルレート方法が良好に機能する例を示す図である。 既知のT/2方法が良好には機能しない例を示す図である。 信号が、1つの活動DPDCHおよび7/15の振幅比を有する3GPPアップリンク信号であるとき、本発明の方法および2つの既知の方法で得られる累積分布関数(CDF)を示す図である(所望の最小電力は、RMSより9dB小さい)。
符号の説明
P1、P2 配置点
D1、D2 長さ

Claims (20)

  1. 通信信号の平均対中間電力比を低減するために、通信信号を変化させる方法であって、前記通信信号が、所与の形態のパルスのインスタンスに適用されるパルス成形技術を使用して形成され、前記方法が、少なくとも1つの信号成分について、
    所望の信号最小値を設定するステップと、
    前記信号が、前記所望の信号最小値より小さい周辺において時間瞬間を識別するステップと、
    前記時間瞬間の時間間隔において前記通信信号の数学的モデルを使用して、前記時間間隔中の前記通信信号の最小値を決定するステップと、
    前記時間間隔中の前記通信信号の前記最小値に対応する前記通信信号の大きさおよび位相の少なくとも一方の尺度を決定するステップと、
    前記通信信号の前記最小値が、所望の信号最小値より小さい場合、
    大きさおよび位相の前記一方に従って、スケーリング済み訂正パルスを形成するステップと、
    前記信号成分に前記スケーリング済み訂正パルスを前記信号に関して時限的に追加して、低減された平均対中間電力比を有する修正通信信号を形成するステップとを有している方法。
  2. 前記修正通信信号から他の修正通信信号を形成するために、前記識別、決定、形成、および追加するステップを繰り返すステップを有している、請求項1に記載の方法。
  3. 前記近似時間瞬間において、前記通信信号の大きさおよび位相の両方の尺度を決定するステップを有している、請求項1に記載の方法。
  4. 前記近似時間瞬間の近傍の少数の点において、前記通信信号の値を評価するステップと、
    数学関数を前記値に当てはめるステップとを有している、請求項3に記載の方法。
  5. 前記通信信号が、ゼロの大きさの信号の表記する原点を有する信号面内において表され、大きさの尺度を決定するステップが、前記信号面内において、前記関数と、前記関数に対して所定の関係を有し、かつ前記原点を含む交差線との交差点を決定するステップを有している、請求項4に記載の方法。
  6. 前記少数の点が2であり、前記数学的関数が、前記2点間の距離をスパンするスパン線である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記点間の直線距離を表す値を決定するステップを有している、請求項6に記載の方法。
  8. 前記直線距離の値を表す前記値が、関数を使用して計算される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記値1を使用して、前記直線距離値を表す、請求項7に記載の方法。
  10. 前記近似時間瞬間における前記通信信号の前記位相の前記尺度が、前記位相の三角関数によって表される、請求項7に記載の方法。
  11. 前記三角関数が、前記直線距離の値を使用して計算される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記三角関数が、
    複数の比較演算を実施するステップと、
    前記比較演算の結果に基づいて、複数の事前格納値の1つを選択するステップとによって近似される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記点から、前記信号面の第1象限内にある線セグメントを導出するステップを有していて、前記比較演算が、前記線セグメントの傾きと複数の所定の傾きとを比較する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記点から、前記信号面の第1象限内にある線セグメントを導出するステップを有していて、前記比較演算が、前記線セグメントに対し、連続回転を施すステップと、各回転後、複素平面における前記線セグメントの位置に二進基準を適用するステップとを有している、請求項12に記載の方法。
  15. 通信信号の平均対最小電力比を低減するために、通信信号を変更する方法であって、前記通信信号が、大きさ成分および位相関係成分を有する極の形態で表され、該方法が、少なくとも1つの信号成分について、
    所望の信号最小値を設定するステップと、
    前記信号が前記所望の信号最小値より小さくなる時間瞬間を識別するステップと、
    前記信号成分に訂正パルスを前記信号に関して時限的に追加して、低減された平均対最小比を有する修正通信信号を形成するステップとを有している方法。
  16. 位相が、位相関係成分であり、前記通信信号の前記位相が、第1値から第2値に変化する時間間隔中に、実際の位相値と、前記第1値と前記第2値との間に延びる線との間を補間するステップを有している、請求項15に記載の方法。
  17. 前記信号成分が、位相に関係し、
    前記信号成分に、限定時間期間外では前記信号成分に対し無視できる影響を共に有する2つの訂正パルスを追加するステップを有している、請求項15に記載の方法。
  18. 通信信号の平均対最小電力比を低減するために、通信信号を変更する方法であって、
    修正通信信号を形成するために、第1領域において、前記通信信号の調整を実施するステップと、
    他の修正通信信号を形成するために、第2領域において、前記修正通信信号の調整を実施するステップとを有していて、
    前記第1領域が、直交領域および極領域の一方であり、前記第2領域が、前記直交領域および前記極領域の他方である方法。
  19. 前記交差線が、前記スパン線に直交する、請求項6に記載の方法。
  20. 前記通信信号が、少なくとも2つの信号が前記複素面の前記原点から異なる距離にある信号配置に従って形成され、前記信号が前記所望の信号最小値より小さくなる可能性が高い前記周辺において時間瞬間を識別するステップが、
    2つの配置点間の遷移線に沿った直線距離を、前記遷移線と前記原点を通る法線との交点に基づいて、2つの比率部分に分割するステップとを有している、請求項6に記載の方法。

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