JP2005509171A - 伝達されたフォースと摩擦係数ポテンシャルの連続的な測定のためのタイヤセンサシステム - Google Patents

伝達されたフォースと摩擦係数ポテンシャルの連続的な測定のためのタイヤセンサシステム Download PDF

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Abstract

本発明によれば、タイヤ(1)の外周面(2)に配置された複数のセンサ(6)からなり、これらのセンサによって測定量がピックアップされ、信号としてアンテナ装置(10)を介して評価ユニット(18)に供給される形式の伝達されたフォースと摩擦係数ポテンシャルμの連続的な測定のためのタイヤセンサシステム(7)において、
タイヤ(1)の外周面の領域で、タイヤ接地面(4)に相応する各セクタ(3)において複数の個々の同一的なセンサ(6)が設けられており、それらのセンサによって、機械的な緊張がタイヤ(1)の各状態において、静止状態においても測定可能であり、それによってタイヤ(1)における瞬時のフォース分散が確定可能となるように構成される。

Description

【0001】
本発明は、伝達されたフォース(トラクション)と摩擦係数ポテンシャルμの連続的な測定のためのタイヤセンサシステムであって、タイヤの外周面に配設された複数のセンサからなっており、これらのセンサによって測定量がピックアップされ、信号としてアンテナ装置を介して評価ユニットに供給される、タイヤセンサシステムに関している。
【0002】
従来技術
車両のタイヤは、ホイールひいては車両と走行路との間の接点となる部材である。この場合、車両の駆動や制動並びに車線変更、車線維持からなる走行に起因する全てのフォースは、タイヤと走行路の間のタイヤ接地面を介して伝達される。この伝達のもとで生じるフォースは、まず周知のパラメータ、特にタイヤと車両に関するパラメータに依存しているが、しかしながら実際にはこのフォースはそのつど作用するホイール荷重と摩擦係数μによっても定まる。これは天候に依存すると共に走行路の短時間の変化にも影響を受ける。
【0003】
実質的にはタイヤのトレッドの変形と、タイヤゴムと路面の間のスリップ量が、道路に対するタイヤのトラクション並びに縦方向と横方向へのフォース伝達を可能にしている摩擦特性を確定しているので、伝達されるフォースおよび摩擦係数μに関する情報が必要となる。それ故に一般的には、タイヤの個々のストールエレメント“Stollenelement”(トレッドないしトレッドパターン)の変形を測定することが知られている。タイヤないしストールエレメントの弾性特性のデータに基づいて、そのつどのストールエレメントによって伝達されるフォースが推定できる。同時にストールエレメントの変形の監視によって摩擦係数μも推定できる。なぜなら、路面上のタイヤ接地面積に関するタイヤのそのつどのストールエレメントの走波中は、可用な動力伝達ポテンシャルに依存した局所的なスリップ過程が常に発生する。
【0004】
伝達されるフォースに関する情報と車両に対するタイヤの摩擦係数μに関する情報を得るために、基本的には複数のセンサが用いられる。それにより例えば1つのタイヤのストールエレメントの変形が、ホールセンサを用いてこのために設けられたマグネットの動きを検出することによって測定可能となる。先の特許出願 DE 100 25 502.7 明細書によれば、容量性のものでもよいし誘導性のものでもよいが、複数のセンサを、タイヤのトレッドパターンの変形とタイヤ接地面の領域における機械的な緊張度の測定のために用いることが提案されている。ここでは多数のセンサが走行路面に対して、タイヤのトレッドパターンエレメント内部に配置されるかないし埋込まれている。それらのセンサには、1つのアンテナが割当てられており、このアンテナを介して、得られた測定量が信号として評価ユニットに供給される。常に複数のセンサがアンテナの受信領域内に存在するので、タイヤの接地面における変形に関する所期の情報を得るためには、これらのセンサを符号化する必要がある。
【0005】
ここではまた次のようなことも示唆されている。すなわち多くの公知のセンサ装置があるにも係わらず、その構成の考慮下では、伝達されるフォースと摩擦係数μに関する所期の特性量のオンライン測定が不可能であることも示唆されている。それどころか伝達されるフォースの算出も、タイヤの摩擦係数μの算出も、まずはタイヤの接地面をあてにしなければならず、そのため例えば長手方向に伝達されるフォースに続いて、方向性を持つ面積を用いてカーブのもとでストールエレメント内の局所的な緊張が進んだ距離の関数として算出され得る。その際特殊なカーブ形状、極端な緊張およびカーブの変化率ないし曲率からタイヤゴムにおける緊張度の零交差のもとで摩擦係数μが算出される。しかしながら伝達されるフォースと摩擦係数μの測定のもとであっても速度が低い場合には著しい困難性が生じる。特に車両の停止状態ではこの測定は完全に不可能である。
【0006】
発明の利点
本発明によれば、伝達されるフォースおよび摩擦係数ポテンシャルμを連続的に測定するタイヤセンサシステムが得られる。それによれば、所要の測定量が回転するタイヤの速度が比較的高い場合にしか検出できないというのではなく、速度が低い場合でも、特にタイヤが停止している場合でも検出できる。この場合はセンサの配線を必要とすることなくノイズの少ないリアルタイムのフォース及びμ値の測定が可能である。
【0007】
この利点は、次のことによって達成される。すなわちタイヤの外周面の領域における、周面の分割によって形成される、タイヤ接地面積に相応する各セクタにおいて、多数の同一的な個々のセンサが配設されることによって達成される。これによって機械的な緊張がタイヤのあらゆる位置において、たとえ停止状態にあっても局所的に測定可能となり、ひいてはタイヤにおける瞬時のフォース分散が確定できる。
【0008】
これに基づけば、、回転しているタイヤのみならず、停止状態にあるタイヤであっても機械的な緊張度の局所的な測定の際に、進行した距離の関数として前記緊張度から得られた特性曲線を描くことができ、これは詳細には、タイヤの外周面における、そのつどのタイヤ接地面に相応するあらゆるセクタに配置され得る位に多くの測定点からのものである。その際にセンサの数の分だけ生じる個々の支持点に1つの特性曲線が適合化され、それらのパラメータからは伝達フォースおよび摩擦係数ポテンシャルμが算出可能である。
【0009】
それにより、本発明によるタイヤセンサシステムによれば、回転するタイヤの全ての速度の場合だけでなく、タイヤの静止状態においても、伝達フォースと摩擦係数ポテンシャルμの絶え間ない測定が可能となる。そのためタイヤ接地面によるストールエレメントの完全な走破による個々のストールエレメントの変形の監視を用いた伝達フォースと摩擦係数ポテンシャルμの算出は必要なくなる。それにより、今までは常に回避できるとは限らなかった結果の誤り、例えば路面におけるわずかな局所的起伏に起因して生じた誤った結果などが排除できる。
【0010】
本発明の有利な構成例によれば、タイヤ周面が約2mで、タイヤ接地面の長さが10cmである場合に、200個のセンサがタイヤ外周面に配設される。それにより、タイヤ接地面に相応する各セクタに、10個のセンサが、つまり測定点として用いられる10カ所の支持点が、特性曲線の適合化(フィッティング)のために対応付けられる。もちろんこのことは、例えばタイヤ接地面が比較的広い場合に、伝達フォースと摩擦係数ポテンシャルμのより正確な測定結果をもたら目的で、1つのセクタに割当てられるセンサの数を増やすことを妨げるものでもない。また別の観点からみれば、1つのセクタに割当てられるセンサの数を低減することもできる。このことはタイヤの周面が比較的短い場合などに該当する。これによって本発明のもくろみによる効果の現れに影響はでない。
【0011】
本発明のさらなる特徴によれば、複数のセンサが、その電磁的な特性が機械的な緊張によって可変である材料からなっており、そのためこれらの緊張に依存してヒステリシス曲線と材料の減衰も可変となる。機械的な緊張により材料の電磁的な特性が変化するのに適したあらゆる材料が材料として使用可能であるにもかかわらず、センサに対する材料として、“Girant-Stress-Impedance-Material”が有利には、電磁的特性の所期の変化を得るのに適している。
【0012】
有利にはこのような材料の考慮下で、電磁的振動に対して機械的な緊張の作用を励起し得る線材からなるセンサが、実質的にその長さによって定められ得るその固有周波数に対してさらに振動するように構成される。線材としてのセンサの構成のもとで、タイヤ外周面の各セクタに割当てられる個々のセンサの同定を可能にするために、線材として構成された複数のセンサがその長さにおいて可変である。そのためその結果として、応答関数の種々の周波数に関してこれらのセンサが同定可能である。その際例えば線材として構成された複数のセンサを、タイヤの外周面の各セクタ内部に、次のように配設する手段が可能である。すなわちそれらの線材の長さが常に増減するよう配設するか、もしくは長めの線材に対して短めの線材が追従するような配置構成が行えるように配設する手段が可能である。
【0013】
センサによって求められた測定量がアンテナ装置へ伝送された後でも、これを評価ユニットからの呼出しの際には直ぐに提供できるようにするために、受信アンテナには記憶ユニットが後置接続されており、この記憶ユニットは要求があった時には測定量を提供する。測定量の即時提供が目的であるならば、記憶ユニットを省くことができ、受信アンテナは信号の受信の後で測定量を直接評価ユニットに伝送する。
【0014】
アンテナ装置の送信アンテナの有利な配置構成によれば、その配置構成によってタイヤの車軸近傍に到達し得る。
【0015】
本発明によって構成されたタイヤセンサシステムを、伝達フォースと摩擦係数ポテンシャルμの測定の際に用いる場合、アンテナ装置の送信アンテナも受信アンテナも有利には光電的な変換器で構成される。
【0016】
アンテナ装置の構成に依存して、特に送信アンテナの構成に依存して、当該アンテナ装置は、タイヤ外周面に配置されそのつどのタイヤ接地面領域に存在する複数のセンサが検出した信号を送信するためのロッド形状の指向特性を有する。
【0017】
同時に本発明によって構成され配置されたタイヤセンサシステムによれば、タイヤのたわみ距離と接地面の長さも測定可能なので、タイヤの内圧もコントロールできる。
【0018】
図面
以下の明細書では本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。この場合、
図1は、タイヤに配属されたタイヤセンサシステムと共に走行路上に接地されている、車両のタイヤ部分を示した断面図であり、
図2は、図1によるタイヤのタイヤ接地面領域の展開図であり、
図3は、図1によるタイヤセンサシステムのブロック回路図である。
【0019】
実施例の説明
図1によれば、車両のタイヤ1が、その外周面2の領域において複数のセクタ3に分割されている。この場合各セクタ3には、走行路5上のタイヤ1の接地面4が対応している。ここでのタイヤ1は、その周面が2mで、タイヤ接地面4の長さは10cmであるものとする。これによりタイヤ1の外周面2の領域には20個のセクタ3が存在する。
【0020】
タイヤ1のあらゆる状態における伝達フォースと摩擦係数ポテンシャルμに関する情報、つまり回転するタイヤ1の速い速度や低い速度のもとだけでなく、その静止状態における情報も得るために、当該タイヤ1の外周面2の領域において、各セクタ3毎に10個の同一の個別センサ6が設けられている。これらのセンサによって機械的な緊張が局所的に測定可能であり、実質的に図3によるタイヤセンサシステム7が形成されている。1つのセクタ3における10個のセンサ6からなる配置構成に基づいて、機械的な緊張の局所的測定に対して10個の測定点が存在する。これにより1つの特性曲線の適合化がなされ、それらのパラメータから伝達フォースと摩擦係数ポテンシャルμが算出できる。
【0021】
その電磁的な特性が機械的な緊張によって可変であるような材料からなるセンサ6が設けられるならば、この緊張に依存して当該材料のヒステリシス特性曲線と減衰が可変となる。これはセンサ6が例えば“Girant-Stress-Impedance-Material”からなっている場合に可能となる。つまりセンサ6は、路面5上のタイヤ1のタイヤ接地面4を介した当たり面から生じた機械的な緊張の作用のもとで電磁的な振動を励起され、これはその固有周波数に引継がれる。
【0022】
その場合に種々異なる周波数を得るためには(これはその結果として生じた応答関数によって個々のセンサの同定を可能にするためである)、これらのセンサは、図2に示されているような線材9として種々異なる長さで構成される。この場合これらのセンサ6は、タイヤ1の外周面2の各セクタ3内で次のように配置されている。すなわちそれらの長さ、つまり線材9の長さが連続的に低減するように配置されている。
【0023】
図1と図2からさらに明らかなことは、実質的にこのような複数のセンサ6からなるタイヤセンサシステム7にはアンテナ装置10が対応付けられており、このアンテナ装置10は、送信アンテナ11と受信アンテナ12からなっており、それらは光電変換器13,14で構成されていてもよい。その際図1によれば、送信アンテナ11はタイヤ1の車軸15近傍に配設されており、タイヤ1の外周面2に設けられた、タイヤ接地面4領域に存在する複数のセンサ6によって検出された信号の送信のために、すりこぎ形状の指向特性16を有している。
【0024】
図3からあきらかなことは、タイヤセンサシステム7の複数のセンサ6によって求められた測定量が、アンテナ装置10を介してメモリユニット17に供給されることである。このメモリユニット17は、受信アンテナ12に後置接続されている。呼出しの際には、求められた測定量が記憶ユニット17から評価ユニット18へ提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
タイヤに配属されたタイヤセンサシステムと共に走行路上に接地されている、車両のタイヤ部分を示した断面図である。
【図2】
図1によるタイヤのタイヤ接地面領域の展開図である。
【図3】
図1によるタイヤセンサシステムのブロック回路図である。

Claims (13)

  1. 伝達されたフォースと摩擦係数ポテンシャルμの連続的な測定のためのタイヤセンサシステムであって、タイヤ(1)の外周面に配置された複数のセンサ(6)からなっており、これらのセンサによって測定量がピックアップされ、信号としてアンテナ装置(10)を介して評価ユニット(18)に供給される形式のタイヤセンサシステムにおいて、
    タイヤ(1)の外周面の領域で、タイヤ接地面(4)に相応する各セクタ(3)において複数の個々の同一的なセンサ(6)が設けられており、それらのセンサによって、機械的な緊張がタイヤ(1)の各状態において、静止状態においても測定可能であり、それによってタイヤ(1)における瞬時のフォース分散が確定可能となるように構成されていることを特徴とするタイヤセンサシステム。
  2. 機械的な緊張の局所的測定の際に1つの特性曲線が生成可能であり、該特性曲線は、当該緊張から距離の関数として、そのつどのタイヤ接地面(4)に相応するタイヤ(1)のセクタ(3)に配置されている複数のセンサ(6)と同じ数の測定点から得られる、請求項1記載のタイヤセンサシステム。
  3. センサ(6)の数だけ結果的に生じる個々の支持点(8)に特性曲線が適合化され、そのパラメータから伝達フォースおよび摩擦係数ポテンシャルμが算出される、請求項2記載のタイヤセンサシステム。
  4. 前記タイヤ(1)の周面が約2mで、タイヤ接地面(4)の長さは10cmである場合に、200個のセンサ(6)がタイヤ(1)の外周面(2)に設けられており、それによって、タイヤ接地面(4)に相応している各セクタ(3)毎に10個のセンサ(6)、つまり測定点として用いられる10個の支持点(8)が、特性曲線の適合化のために対応付けられる、請求項3記載のタイヤセンサシステム。
  5. 前記センサ(6)は、その電磁的特性が機械的な緊張によって可変である材料からなっており、それにより、当該の機械的な緊張に依存して材料のヒステリシス特性曲線と減衰特性が可変である、請求項1から4いずれか1項記載のタイヤセンサシステム。
  6. センサ(6)に対する材料として“Girant-Stress-Impedance-Material”が設けられている、請求項5記載のタイヤセンサシステム。
  7. 前記センサ(6)は、複数の線材からなっており、該線材は、機械的な緊張の影響のもとで電磁的な振動に対して、その固有周波数に引継がれるように励起可能であり、該周波数は、実質的にその長さによって定まる、請求項6記載のタイヤセンサシステム。
  8. タイヤ(1)の外周面(2)の各セクタ(3)に対応付けられている、線材(9)として構成された複数のセンサ(6)の長さが可変であり、それによって、結果として生じる応答関数の種々異なる周波数を介して個々のセンサ(6)が同定可能である、請求項7記載のタイヤセンサシステム。
  9. センサ(6)によって求められた測定量が、その伝送の際にアンテナ装置(10)によって、受信アンテナ(12)に後置接続されたメモリユニット(17)に供給可能であり、該メモリユニット(17)は、呼出しの際に当該測定量を評価ユニット(18)に提供する、請求項8記載のタイヤセンサシステム。
  10. 前記アンテナ装置(10)の送信アンテナ(11)は、タイヤ(1)の車軸(15)近傍に配設されている、請求項9記載のタイヤセンサシステム。
  11. 前記アンテナ装置(10)の送信アンテナ(11)も受信アンテナ(12)も、光電変換器(13,14)からなっている、請求項10記載のタイヤセンサシステム。
  12. 前記送信アンテナ(11)は、タイヤ(1)の外周面(2)配設されそのつどのタイヤ接地面(4)の領域に存在する複数のセンサ(6)から検出された信号の送信に対して1つの指向特性(16)、有利にはロッド形状の指向特性を有している、請求項11記載のタイヤセンサシステム。
  13. 前記タイヤセンサシステムによれば、タイヤ内圧のコントロールのために、タイヤ(1)のたわみ距離と接地面の長さが同時に測定可能である、請求項1から12いずれか1項記載のタイヤセンサシステム。
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