JP2005509152A - 分析物のためのエネルギー転移センサの同定方法 - Google Patents

分析物のためのエネルギー転移センサの同定方法 Download PDF

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Abstract

組み合わせライブラリを使用して、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を示す分析物−リガンド結合対を同定する方法。この方法は、a)分析物結合リガンドを、リガンドを含む組み合わせライブラリから獲得し;そしてb)非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対(FRET対)の第1成分及び第2成分の少なくとも一方を含む標識を、分析物結合リガンド及び分析物アナログの少なくとも一方に取り付け、これにより、分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されるとFRETが発生し、そして分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されない場合には、FRETに変化が生じるようにすることを含む。同様に、この方法は、場合によりFRET対の成分により標識されたリガンドの組み合わせライブラリと、場合によりFRET対の成分により標識された分析物アナログとを接触させ、そしてFRETの存在を検出することを含む。

Description

関連出願
本出願は、2001年11月7日付けで出願された米国特許仮出願第60/337,800号明細書の優先権を主張する。
本発明は、組み合わせライブラリを使用した分析物についてのエネルギー転移センサを同定することに関する。
蛍光は、高感度の分析物検出モードを可能にする。通常の条件下では、バックグラウンド・レベルに応じて、蛍光は典型的にはナノモル及びピコモルという低い濃度を検出することができる。加えて蛍光測定には、試料は数マイクロリットル未満の小さな容積しか必要とならない。その結果、蛍光は典型的には試料容積内で10-18モル未満の分析物を検出することができる。より特定された条件下では、蛍光は単分子を検出するのに使用されている。
センサ用途における蛍光の使用は制限されている。なぜならば、所与の分析物に対して特異的に感受性を有する蛍光を備えたリガンドを作成する必要があるからである。このような蛍光の例は、カルシウム感受性蛍光色素から成るFURA群、及び、pH感受性蛍光色素から成るBCECF(すなわち、2',7'-ビス-(2-カルボキシエチル)-5(及び6)-カルボキシフルオレセイン)群{これらの色素は両方とも、例えばRichard Haugland 「Handbook of Fluorescent Probes and Research Products Ninth Edition Molecular Probes, Eugene, Oregon 2002)に記載されている}、並びに、UDP-ガラクトース{例えば、2'(又は3')-O-(2,4,6-トリニトロフェニル)-5'-ウリジンジホスフェートガラクトース、例えば米国特許第5,109,126号明細書参照}の蛍光アナログである。この蛍光アナログは、酵素及び推定上の接着分子ガラクトシル-トランスフェラーゼに対して感受性を有する。過去においては、その都度の事例に基づいて分析物感受性蛍光リガンドが作成され、「テーラー・メイド」された。その結果得られる化学的性質は、多くの場合、分析物に対するリガンドの親和性を調整する能力を僅かしか提供しないので、このようなバイオセンサの効果は場当たり的となった。加えて、このようなセンサは紫外線(UV)又は近UV波長でしばしば蛍光を発し、医療用途における使用を制限してしまう。
化学的性質の組み合わせを利用して、種々多様な潜在的な治療標的に対して特異性の高いリガンドが形成されている。このようなライブラリは、哺乳動物抗体ライブラリ、抗体アナログライブラリ、アパタマー・ライブラリ、in vitroペプチド・ライブラリ、及び、例えばファージ表示によって形成されたin vivoペプチド・ライブラリを含む。
概要
本発明は、当該分析物の化学構造から形成された分析物アナログを使用して、当該分析物に選択的に結合するリガンド、すなわち分析物結合リガンドに関して、組み合わせライブラリをスクリーニングする方法を特徴とする。分析物アナログに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)ドナー−アクセプタ対の1つの要素を標識付けすることにより、蛍光分析物アナログを形成する。分析物結合リガンドには、FRETドナー−アクセプタ対の共役要素を標識付けし、これにより蛍光分析物結合リガンドを形成する。蛍光標識付け分析物アナログと、蛍光標識付け分析物結合リガンドとが混合されると、FRETが発生する。分析物の存在は、FRETの量又は効率の減少によって検出される。
第1の側面において、本発明は、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対を同定する方法であって、この方法が:a) リガンドを含む組み合わせライブラリと第1分析物アナログとを接触させ、そして第1分析物アナログが結合するリガンドを選択することにより予め決定された所定の分析物結合リガンドを、組み合わせライブラリから獲得し;そしてb) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分の少なくとも一方を含む標識を、分析物結合リガンド及び第2分析物アナログの少なくとも一方に取り付け、これにより、第2分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されると、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移が発生し、そして第2分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されない場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移に変化が生じるようにすることを含む、分析物−リガンド結合対を同定する方法を特徴とする。
1の実施態様の場合、所定の分析物結合リガンドを獲得する前に、所定の分析物結合リガンドが、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を含む標識を含む。別の実施態様の場合、この方法はさらに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第2成分を、第2分析物アナログに取り付けることを含む。他の実施態様の場合、この方法はさらに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を、分析物結合リガンドに取り付け、そして、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第2成分を、第2分析物アナログに取り付けることを含む。
1の実施態様の場合、標識はさらに、分析物結合リガンドと、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分のうちの少なくとも一方とに取り付けられたリンク部分を含み、リンク部分を、分析物結合リガンドと、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分のうちの少なくとも一方とに結合することができる。他の実施態様の場合、この方法はさらに、分析物結合リガンドの少なくとも1つと、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分のうちの少なくとも一方とに、リンク部分を取り付けることを含み、リンク部分を、分析物結合リガンドと、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分及び第2成分のうちの少なくとも一方とに結合することができる。
他の実施態様の場合、この方法はさらに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分と第2成分とを、分析物結合リガンドに取り付けることを含む。別の実施態様の場合、この方法はさらに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分と第2成分とを、第2分析物アナログに取り付けることを含む。
幾つかの実施態様の場合、組み合わせライブラリはさらに、ペプチド・ライブラリ、抗体ライブラリ、抗体フラグメント・ライブラリ、核酸ライブラリ、アパタマー・ライブラリ、ポリマー・ライブラリ、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されたライブラリを含む。別の実施態様の場合、リガンドは、ポリマー、抗体、抗体フラグメント、ヌクレオチド、ペプチド、アパタマー及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
他の実施態様の場合、第2分析物アナログは、第1分析物アナログと同じ化学構造を有する。幾つかの実施態様の場合、第2分析物アナログは、第1分析物アナログとは異なる化学構造を有する。
第2の側面において、本発明は、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対を同定する方法であって、該方法が:a) リガンドを含む組み合わせライブラリと、分析物アナログとを接触させ;b) 分析物アナログが結合する、分析物結合リガンドである1つ以上のリガンドを同定し;そしてc) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分の少なくとも一方を含む標識を、分析物結合リガンド及び分析物アナログの少なくとも一方に取り付け、これにより、分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されると、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移が発生し、そして分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されない場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移に変化が生じるようにすることを含む、分析物−リガンド結合対を同定する方法を特徴とする。
1の実施態様の場合、この方法はさらに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を、分析物結合リガンドに取り付けることを含む。他の実施態様の場合、この方法はさらに、組み合わせライブラリと分析物アナログとを接触させる前に、組み合わせライブラリのリガンドに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を取り付けることを含む。幾つかの実施態様の場合、この方法はさらに、組み合わせライブラリと分析物アナログとを接触させる前に、分析物アナログに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を取り付けることを含む。別の実施態様の場合、この方法はさらに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分と第2成分とを、分析物結合リガンドに取り付けることを含む。
幾つかの実施態様の場合、この方法はさらに、組み合わせライブラリと分析物アナログとを接触させる前に、組み合わせライブラリのリガンドに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分と第2成分とを取り付けることを含む。他の実施態様の場合、この方法はさらに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分と第2成分とを、分析物アナログに取り付けることを含む。
別の実施態様の場合、この方法はさらに、組み合わせライブラリと分析物アナログとを接触させる前に、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分と第2成分とを、分析物アナログに取り付けることを含む。
幾つかの実施態様の場合、この方法はさらに、分析物アナログが可逆結合を示す分析物結合リガンドを選択することを含む。
他の実施態様の場合、分析物はグルコースである。
第3の側面において、本発明は、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対を同定する方法であって、該方法が:a) 複数のリガンドを含む組み合わせライブラリと、分析物アナログとを接触させ、これにより、分析物アナログがリガンドの少なくとも1つに結合して分析物−リガンド結合対を形成するようにし、リガンドが、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を含む第1標識を含み、分析物アナログ及びリガンドの少なくとも1つが、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第2成分を含む第2標識を含み;そしてb) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対を検出する、分析物−リガンド結合対を同定する方法を特徴とする。1の実施態様の場合、この方法はさらに、分析物−リガンド結合対を同定することを含む。他の実施態様の場合、この同定及び検出が同時又は実質的に同時に生じる。幾つかの実施態様の場合、この方法はさらに、分析物の存在において、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移の変化を示す分析物アナログ−リガンド結合対を同定することを含む。
他の実施態様の場合、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分の少なくとも一方が、緑色蛍光タンパク質ファミリーから選択される。
別の実施態様の場合、この方法はさらに、分析物アナログが可逆結合を示す分析物結合リガンドを選択することを含む。
別の実施態様の場合、この検出は、(a)発光ピークの出現又は消失を測定すること、(b)2つ以上の発光波長で観察された信号の比を測定すること、(c)励起ピークの出現又は消失を測定すること、(d)2つ以上の励起波長で観察された信号の比を測定すること、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。幾つかの実施態様の場合、この検出は、蛍光の励起状態寿命の変化を測定することを含む。別の実施態様の場合、この検出は、励起に対する蛍光の偏光解消を測定することを含む。
第4の側面において、本発明は、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対を同定する方法であって、該方法が:a) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の1つ以上の成分を取り付けるべきリガンド上の定常領域を決定し;b) リガンドを含む組み合わせライブラリと第1分析物アナログとを接触させ、そして第1分析物アナログと結合することができる分析物結合リガンドを選択することにより予め決定された所定の分析物結合リガンドを、組み合わせライブラリから獲得し;そしてc) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分の少なくとも一方を含む標識を、分析物結合リガンド及び第2分析物アナログの少なくとも一方に取り付け、これにより、第2分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されると、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移が発生し、そして第2分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されない場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移に変化が生じるようにすることを含む、分析物−リガンド結合対を同定する方法を特徴とする。幾つかの実施態様の場合、この方法はさらに、分析物結合リガンド上の所定の定常領域で、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を含む標識を、分析物結合リガンドに取り付け、そして分析物結合リガンド及び第2分析物アナログの少なくとも一方に、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第2成分を含む標識を取り付けることを含む。
他の実施態様の場合、この方法はさらに、定常領域を含むリガンドを含む組み合わせライブラリを準備し、組み合わせライブラリと第1分析物アナログとを接触させ、そして第1分析物アナログが結合する、分析物結合リガンドであるリガンドを同定することを含む。1の実施態様の場合、この準備は、組み合わせライブラリのリガンドの定常領域に、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の1つ以上の成分を含む標識を取り付けることを含む。
他の実施態様の場合、リガンドの定常領域は、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の1つ以上の成分を含む。
幾つかの実施態様の場合、第2分析物アナログは、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の1つ以上の成分と結合することができる所定の定常領域を含む。
別の実施態様の場合、この方法はさらに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を含む標識を、分析物結合リガンドの定常領域に取り付け、そして非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第2成分を含む標識を、第2分析物アナログの定常領域に取り付けることを含む。
他の実施態様の場合、この方法はさらに、第2分析物アナログが可逆結合を示す分析物結合リガンドを選択することを含む。
第5の側面において、本発明は、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対を同定する方法であって、該方法が、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の成分を取り付けるべき分析物アナログ上の領域を決定し、この所定の領域を含む分析物アナログを準備し、リガンドを含む組み合わせライブラリと分析物アナログとを接触させ、分析物アナログが結合する、分析物結合リガンドであるリガンドを同定し、そして非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分の少なくとも一方を含む標識を、分析物結合リガンド及び分析物アナログの少なくとも一方に取り付け、これにより、分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されると、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移が発生し、そして分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されない場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移に変化が生じるようにすることを含む、分析物−リガンド結合対を同定する方法を特徴とする。1の実施態様の場合、この方法はさらに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の1つ以上の成分を、分析物アナログの定常領域に取り付けることを含む。他の実施態様の場合、この方法はさらに、分析物アナログが可逆結合を示す分析物結合リガンドを選択することを含む。
幾つかの実施態様の場合、この同定及び検出は同時又は実質的に同時に生じる。
第6の側面において、本発明は、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対を同定する方法であって、該方法が、a) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の1つ以上の成分が結合するリンク部分を同定し、b) リガンドを含む組み合わせライブラリと第1分析物アナログとを接触させ、そして第1分析物アナログと結合することができる分析物結合リガンドを選択することにより予め決定された所定の分析物結合リガンドを、組み合わせライブラリから獲得し、そして、c) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を含む標識を、リンク部分に取り付け、d) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第2成分を含む標識を、分析物結合リガンド及び第2分析物アナログの少なくとも一方に取り付け、そして、e) リンク部分を分析物結合リガンドに取り付け、第2分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されると、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移が発生し、そして第2分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されない場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移に変化が生じるようにすることを含む、分析物−リガンド結合対を同定する方法を特徴とする。幾つかの実施態様の場合、この方法はさらに、分析物結合リガンドにリンク成分を取り付ける前に、標識をリンク部分に取り付けることを含む。
第7の側面において、本発明は、組み合わせライブラリのスクリーニング方法であって、該方法が、a) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を含むリガンドを含む組み合わせライブラリを準備し、b) 組み合わせライブラリと、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第2成分を含む分析物アナログとを接触させ、そしてc) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対を同定することを含む、組み合わせライブラリのスクリーニング方法を特徴とする。
第8の側面において、本発明は、分析物−リガンド結合対を含むセンサであって、該分析物−リガンド結合対が、第1分析物アナログと、組み合わせライブラリと第2分析物アナログとを接触させ、そして該第2分析物アナログが結合するリガンドを選択することにより予め決定された所定の分析物結合リガンドと、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分を含む標識と、を含み、分析物−リガンド結合対は、第1分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されると、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示し、そして第1分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されない場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移の変化を示す、センサを特徴とする。1の実施態様の場合、分析物結合リガンドと分析物アナログとが互いに可逆的に結合される。
他の実施態様の場合、センサはさらに、分析物リガンド結合対を取り囲むマトリックスを含む。幾つかの実施態様の場合、センサはさらに、分析物リガンド結合対を取り囲む半透膜を含む。
第9の側面において、本発明は、本明細書に記載されたセンサを含むキットを特徴とする。
第10の側面において、本発明は、センサの形成方法であって、該方法が、分析物アナログを選択し、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を含む標識を、分析物アナログに取り付け、分析物アナログと結合することができる分析物結合リガンドを、組み合わせライブラリから選択し、分析物結合リガンドに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第2成分を含む標識を取り付け、そして標識付け分析物結合リガンドと、標識付け分析物アナログとをカプセル化することを含み、このセンサが、第1分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されると、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示し、そして第1分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されない場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移の変化を示す、センサの形成方法を特徴とする。
本発明は、分析物のための「テイラー・メイド」蛍光バイオセンサの作成の必要性を低減するメカニズムを特徴とする。本発明は、特定の分析物に適したリガンドを同定する組み合わせ技術と、分析物リガンド結合を検出するFRET技術の感受性とを用いる。FRET、及び、FRETドナー−アクセプタ標識の成分を選択する能力を用いることにより、波長に関連する問題が克服される。
本発明はまた、分析物結合リガンドの選択の標準化を可能にし、従って、分析物結合リガンドの選択をスピード・アップすることができる。本発明はまた、当業者が、特定の感知用途に該当する範囲にある、分析物に対する親和性を有する分析物結合リガンドを選択することを可能にする。本発明はさらに、分析物結合リガンド及び分析物アナログが、分析物の所与のクラスに対して標準化されるのを可能にする。このことは、標識付け方法又は効果的なFRET信号を達成するための要件を標準化するという効果を有する。これらの能力は、特定の分析物又は分析物群のためのFRETに基づくセンサの作成を容易にし、その所要時間を短縮する。
本発明はまた、幅広い選択肢にわたる蛍光色素、及びこれに相応する種々の波長の使用を可能にする。このことは、FRETに基づくセンサーの作成及び使用に関して使用者の選択の幅を広げ、使用者が、潜在的な発蛍光団のより広い範囲内で作業し、この範囲から選択することを可能にし、これにより、より広範囲な電磁スペクトルを採用するアッセイ及びセンサーを作成することができる。この能力は、多数の波長での測定を可能にするというさらなる利点を提供し、これにより、分析物及びこれらの分析物結合リガンドを物理的に分離することなしに、種々の分析物に複数のFRETアッセイを同時に施すことが可能になる。
好ましい実施態様の下記の説明及び特許請求の範囲から、その他の特徴及び利点が明らかになる。
用語の解説
本発明に関して、これらの用語は下記の意味を有する:
本明細書に使用された「リガンド」は、レセプタ分子又はレセプタ分子上の部分に選択的に結合することができる分子を意味する。「選択的」という用語は、非特異的な相互作用又は著しく弱い相互作用のバックグラウンド信号の存在において、定量化可能なアッセイによって、結合相互作用を検出できることを意味する。リガンドは事実上、任意のタイプの分子、例えばペプチド、ポリペプチド、タンパク質、オリゴ核酸、ポリ核酸、炭水化物、脂質、又は任意の有機化合物であってよい。リガンドは、組み合わされた分子、例えばプロテオリピド、グリコリピド、グリコペプチド又は糖タンパク質であってもよい。この用語の定義内には、金属又はその他の無機分子の添加を含め、誘導体、アナログ及び擬似化合物も含まれるものとする。リガンドは、多数の部分に別れていてよく、1つ又は2つ以上のレセプタ分子上の種々異なる部位に結合することができる多重リガンドを含む。多部分から成るリガンドのリガンド化合物は、拡張リンカーによって1つにまとめられる。従ってリガンドという用語は、レセプタ分子に結合することができる分子、及び、分子の一部がレセプタ分子に結合することができる場合には、このような分子のその部分、の双方を意味する。
本明細書に使用される「分析物結合リガンド」は、当該分析物に結合するリガンドを意味する。
本明細書に使用される「アナログ」は、少なくとも幾つかの結合特性を分析物と共有する物質であって、従って両者に結合するリガンドが存在するものを意味する。アナログと分析物とは互いに結合しない。アナログは、分析物の誘導体、例えば、分析物の結合特性の少なくともいくつかに影響を与えることのない官能性化学基を分析物上に導入することにより準備された化合物であってよい。誘導体の別の例は、分析物の結合特性の少なくとも幾つかを維持する、分析物のより低分子量の変異形である。
本明細書中に使用される「分析物アナログ」は、分析物、並びに分析物のアナログを意味する。
本明細書中に使用される「分析物リガンド結合対」は、互いに結合する分析物アナログと分析物結合リガンドとを意味する。
本明細書中に使用される「可逆結合」は、生理学的環境又は生理学的環境以外の環境における、分析物結合リガンドに対する分析物アナログの親和性レベル(すなわち逆方向速度定数に対する順方向速度定数の比)が、分析物結合リガンド上の利用可能な部位を巡って当該分析物と分析物アナログとの間で競合が生じるのを可能にするのに十分であることを意味する。
本明細書中に使用される「蛍光」とは、特定の一組の波長の輻射による励起に応答して放射された輻射線を意味する。この用語は、一時的な(すなわちナノ秒以下の範囲内の)励起状態寿命及び長期的な励起状態寿命の両方を含み、後者は燐光と呼ばれることがある。
本明細書中に使用される「発蛍光団」は、一組の波長の輻射エネルギーを受容し、そして第2の一組の波長の輻射エネルギーを放射する分子を意味する。
本明細書中に使用される「FRET」は、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を意味する。
本明細書中に使用される「FRETドナー−アクセプタ対」は、互いに十分に近接して存在する場合に非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す2つ以上の成分、例えば分子を意味する。
本明細書中に使用される「組み合わせライブラリ」は、多数の化学的サブユニットを組み合わせることにより、化学的な合成又は生物学的な合成(例えばin vivo及びin vitroの生物学的合成)によって発生させられた様々な化合物を集めたものを意味する。サブユニットは、天然成分、非天然成分及びこれらの組み合わせから選択されてよく、例えばアミノ酸、ヌクレオチド、糖、脂質、炭水化物、合成モノマー単位、合成有機モノマー単位、有機モノマー単位及びこれらの組み合わせを含む。組み合わせライブラリの化合物は、化合物を含むサブユニットの数、順序、タイプ、又はこれらのサブユニットのうちの1つ又は2つ以上に加えられた変更に関して、1つ又は2つ以上の面で異なっている。
線状の組み合わせ化学ライブラリ、例えばポリペプチド・ライブラリは、化学ビルディング・ブロックと呼ばれる一組のアミノ酸を可能な限り組み合わせて所与の化合物長(ポリペプチド化合物中のアミノ酸の数)にすることにより、形成される。化学ビルディング・ブロックをこのように組み合わせて混ぜることにより、数百万の化合物を合成することができる。100個の交換可能な化学ビルディング・ブロックを系統的に組み合わせて混ぜる結果、100,000,000個の四量体化合物又は10,000,000,000個の五量体化合物が理論上合成される。一般に、長さnの線状組み合わせライブラリを形成することが可能なビルディング・ブロックがm個ある場合、ライブラリ内にはmn個の潜在的な化合物があることになる。
詳細な説明
本発明は、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移(すなわちFRET)を示すことができる分析物−リガンド結合対を同定する方法を提供する。本発明はまた、FRETに基づいて動作するセンサにおいて使用するのに適した分析物−リガンド結合対を同定する方法を提供する。
I. FRETの原理
FRETは一般に、2つの発蛍光団の間、すなわち一方はエネルギードナー(D)と他方はエネルギーアクセプタ(A)との間のエネルギーの非放射性転移を伴う。任意の適切に選択されたドナー−アクセプタ対を使用することができるが、但し、ドナーの発光がアクセプタの励起スペクトルとオーバラップし、両員が1つの波長で光エネルギーを吸収し、これとは異なる波長の光エネルギーを放射することができることを条件とする。或いは、ドナー及びアクセプタは双方とも光エネルギーを吸収することができるが、しかしこれら2つのうち一方しか光エネルギーを放射しない。例えば、ドナーは蛍光性であってよく、アクセプタは非蛍光性であってよく、そしてその逆も可能である。また、ドナーを励起するのに使用される波長ではアクセプタは通常励起されないドナー−アクセプタ対を使用することも可能である。
FRETの概念を図1A及び1Bに示す。ドナーの吸光{A(D)で示す}及び発光{E(D)で示す}と、アクセプタの吸光{A(A)で示す}及び発光{E(A)で示す}とが図1Aにグラフとして示されている。ドナーの発光スペクトルとアクセプタの吸光スペクトルとの間のオーバラップ領域(重なり積分)は重要である。励起が波長Iで発生する場合、ドナーによって波長IIで光が放射されることになるが、しかし、アクセプタによって波長IIIで光が放射されることはない。なぜならば、アクセプタが波長Iで光を吸収することはないからである。
発生する非放射性転移プロセスが図1Bに示されている。D分子はフォトンを吸収する。このフォトンの電解ベクトルはEで示されている。Dの励起状態は、一方の側に正電荷を、他方の側に負電荷を有する双極子として示されている。アクセプタ分子(A)がDに十分に近接している(例えば100Å未満)場合、アクセプタ分子(A)には対向電荷双極子が誘導される(Aは励起状態にさせられる)。双極子によって誘導されるこの双極子間相互作用は、ドナー−アクセプタ分子間距離の6分の1と反比例して低下する。
古典的には、部分エネルギー転移が発生することが可能である。しかしFRETにおいてはこのような部分エネルギー転移は生じない。FRETの場合、量子力学事象は完全に生じるか全く生じないかのいずれかである。すなわち、ドナーはそのエネルギーの一部をアクセプタに与えることはできない。エネルギーの全てが転移されなければならず、エネルギーレベル(すなわちスペクトル)がオーバラップする場合にだけエネルギー転移が発生することができる。エネルギー転移は分子毎に完全に生じるか又は全く生じない確率的量子力学事象である。Aがその励起状態から出ると、放射された光は入射光に対して旋回又は偏光解消される。その結果、FRETはIIにおいて蛍光強度の減少(すなわちドナー発光量の減少)として、またIIIにおいて蛍光強度の出現(すなわち増感発光量の増加)として、また入射光に対する蛍光の偏光解消として現れる。
励起状態寿命において、FRETの最終顕在化が生じる。蛍光は平衡プロセスと見なすことができる。この平衡プロセスにおいて、分子がその励起状態に留まる時間は、入射光によって分子が励起状態にさせられる速度と、分子をこの状態から脱しさせる速度の和との競合の結果である(蛍光プロセス及び非放射プロセス)。更なる非放射プロセスPRETが加えられると(他の全ては不変のままにする)、減衰が助成される。これは、IIにおけるドナーの寿命が短くなることを意味する。
励起スペクトルと発光スペクトルとがオーバラップする2つの発蛍光団が十分に近接して存在する場合、ドナー分子の励起状態エネルギーは、共鳴双極子によって誘導される双極子間相互作用により、隣接するアクセプタ発蛍光団に転移される。FRETの場合、ドナーを励起するが、しかし理想的にはアクセプタ分子を直接には励起しない波長で、試料又は混合物が照射される。実際には少量の直接的なアクセプタ励起が許容され得る。次いで、試料を2つの波長、すなわちアクセプタ発光の波長及びアクセプタ発光の波長でモニターする。ドナーとアクセプタとが十分に近接していない場合には、FRETは発生せず、発光はドナー波長でのみ発生する。ドナーとアクセプタとが十分に近接している場合には、FRETが発生する。この相互作用の結果、ドナー寿命が短くなり、ドナー蛍光が消光し、アクセプタ蛍光強度が高められ、そして蛍光強度が偏光解消される。エネルギー転移の効率Etは、ドナー分子とアクセプタ分子との間隔Rが増大するのに伴って、急速に減少する。分離されたドナー−アクセプタ対の場合、エネルギー転移の効率は、双極子間相互作用を想定して、以下のように表される:
Et=1/[1+(R/R0)6](1)
上記式中、Rはドナーとアクセプタとの間隔であり、R0は、半転移に対応する距離である。R0は、ドナー発光スペクトルとアクセプタ励起スペクトルとの重なり積分、屈折率、ドナーの量子収量、並びに、ドナー発光モーメント及びアクセプタ吸収モーメントの配向に依存する値である。例えばForster, T., Z Naturforsch 4A, 321-327(1949); Forster, T., Disc. Faraday So. 27.7-17(1959)を参照されたい。
FRETは1/R6に依存するため、FRETは分子間距離に極度に依存し、「分光ルーラ」と呼ばれている。例えば、Stryer, L.,及びHaugland, R.P., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 98:719(1967)を参照されたい。例えばこの技術は、タンパク質及び核酸を含む種々のポリマー中の内在的及び外来的な発蛍光団の双方に関して、ドナーとアクセプタとの間隔を測定するのに有用である。Cardullo他は、2つのオリゴデオキシヌクレオチドのハイブリダイゼーションを、FRETを用いてモニターできることを実証した。例えばCardullo, R他、Proc. Natl. Acad. Sci., 85:8790-8794を参照されたい。
FRETの上記説明は、双極子間相互作用を介した2つの一重項状態間の転移を想定している。FRETは、一重項間相互作用又は双極子間相互作用に限定されるものではない。FRETは、一重項状態とより高次の状態、例えば三重項状態との間、及び、より高次の状態と他のより高次の状態との間で発生することができる。同様に、FRETは、双極子とより高次の極との相互作用を介して、またより高次の極とより高次の極との相互作用を介して発生することができる。
図2a−cに示されたシステム10は、変化しつつある環境内に配置された、FRETに基づく1センサ例の成分を含んでいる。FRETに基づくセンサは、ドナー発蛍光団14標識及び分析物エピトープ34を有する分析物アナログ12と、アクセプタ発蛍光団18標識及び分析物エピトープ結合部位36を有する分析物結合リガンド16とを含む。発蛍光団標識付け分析物アナログ(flAA)22が発蛍光団標識付け分析物結合リガンド(flABL)20に付着されず、第1波長24のエネルギーによって励起されると、flAA22は第2波長26の光を放射する。flAA22がflABL20に結合され、第1波長の励起エネルギーが対22,20に伝達されると、flAA22によって放出されたエネルギー28は、ドナー発蛍光団14からアクセプタ発蛍光団18に転移され、すぐにアクセプタ発蛍光団18は、第3波長30で光を放射する。分析物32がこの環境に加えられると、flAA22とflABL20との複合体は互いに離れて、エネルギー転移量が減少し、そしてドナー発蛍光団18は再び第2波長26で蛍光を発し、すなわち発光する。
本明細書中ではドナーとアクセプタとを「対」と呼んでいるが、この対の2つの「員」は同じ物質であってよい。一般には、これら2つの員は互いに異なるものとなる(例えばフルオレセイン及びローダミン)。1つの分子(例えばフルオレセイン及びローダミン)が、ドナーとしてもアクセプタとしても役立つことが可能であり、この場合、エネルギー転写は、蛍光の偏光解消を測定することにより見極められる。対が3つ以上の員、例えば2つのドナー及び1つのアクセプタを含むことも可能である。
有用なドナー−アクセプタ対の例は、NBD(すなわちN-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾル-4-イル))とローダミンとの対、NBDとフルオレセインとエオシン又はエリトロシンとの対、ダンシルとローダミンとの対、及びアクリジン・オレンジとローダミンとの対を含む。FRETを示すことができる商業的に入手可能な好適な標識の例は、蛍光とテトラメチルローダミン;例えばBODIPY FLの商品名でMolecular Probes (オレゴン州ユージーン)から商業的に入手可能な4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピン酸のスクシニミジル・エステルと、例えばBODIPY R6Gの商品名でMolecular Probesから商業的に入手可能な4,4-ジフルオロ-5-フェニル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピン酸のスクシニミジル・エステル;全てAmersham Biosciences(英国、バッキンガムシャー)から商業的に入手可能な、Cy3.5単官能NHSエステルとCy5.5単官能NHSエステル、Cy3単官能NHSエステルとCy5単官能NHSエステル、及びCy5単官能NHSエステルとCy7単官能NHSエステル;Molecular Probesから商業的に入手可能なALEXA FLUOR 555カルボン酸のスクシニミジル・エステルとALEXA FLUOR 647カルボン酸のスクシニミジル・エステルを含む。
タンパク質及びその他の生体分子にFRETドナー−アクセプタ対を標識付けするための有用なプロトコルは、例えばR.Haugland「Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals」(第6版, 1995)及びG.T.Hermanson, Bioconjugate Techniques(1996)に見出すことができる。これらの内容を本明細書中に引用する。
II. 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示すことができる分析物−リガンド結合対を検出する方法
本発明は、組み合わせライブラリから所定の分析物結合リガンドを獲得し、分析物結合リガンド及び分析物アナログの少なくとも一方に、FRETドナー−アクセプタ対の成分を標識付けし、これにより、分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されると、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移が発生し、そして分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されない場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移に変化が生じるようにすることを含む。分析物アナログが分析物結合リガンドに結合する時に形成される結合対を、以後「分析物−リガンド結合対」と呼ぶ。前記変化は、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移の減少、増大又は完全な損失であってよい。
図3a−eは、組み合わせライブラリのスクリーニング方法を示している。図3a)において、分析物32に変更を加えて、分析物アナログ12を形成する。図3b)において、分析物アナログを使用して、分析物結合リガンド16に関して組み合わせライブラリをスクリーニングする。図3c)において、分析物アナログ12にFRETドナー(D)を標識付けし、これにより、ドナー標識付け分析物アナログ22を形成し、分析物結合リガンド16にはFRETアクセプタ(A)を標識付けする。図3d)において、ドナー標識付けアナログ22と、アクセプタ標識付け分析物結合リガンド20とを組み合わせ、FRETを測定する。図3e)において、分析物32を添加することにより、ドナー標識付け分析物22とアクセプタ標識付け分析物結合リガンド20とを分離し、図2を参照して説明したように測定されたFRETの量を低減する。
A. 分析物結合リガンドの同定
組み合わせライブラリの使用によって当該分析物と結合するのに適するものとして、所定の分析物結合リガンドを同定する。リガンドと当該分析物のアナログとを接触させ、分析物アナログに結合する1つ以上のリガンドを同定することにより、リガンドの組み合わせライブラリをスクリーニングする。組み合わせライブラリをスクリーニングし、分析物結合リガンドを同定するのに使用される分析物アナログは、分析物−リガンド結合対を形成するのに使用される分析物アナログと同じものであってもなくてもよく、すなわち同じ化学構造を有していてもいなくてもよい。
好ましくは、組み合わせライブラリの1つ以上のリガンドが分析物アナログと結合する。分析物又は分析物アナログに結合するリガンドを、本明細書中では「分析物結合リガンド」と呼ぶ。少なくとも1つのリガンドが分析物アナログに結合しない場合には、好適な分析物結合リガンドが同定されるまで、付加的な組み合わせライブラリをスクリーニングする。
組み合わせライブラリは、分析物の性質、分析物に関する知識レベル、分析物と結合する既知のリガンド、及びこれらの組み合わせを含む種々のファクタに基づいて選択することができる。有用な組み合わせライブラリは、例えばペプチド・ライブラリ、抗体ライブラリ、アパタマー・ライブラリ、ポリ核酸ライブラリ{例、デオキシリボ核酸(DNA)ライブラリ及びリボ核酸(RNA)ライブラリ}、及び合成ポリマー・ライブラリ(すなわち、2つ以上のモノマー・タイプに由来するポリマーのライブラリ)を含む。
組み合わせライブラリのリガンドは、1つ以上の可変領域と1つ以上の定常領域とを含むように構成することができる。組み合わせライブラリのリガンド上の可変領域は、分析物アナログに潜在的に結合することができるリガンド上の部位を示す。組み合わせライブラリのリガンド上の定常領域は好ましくは、所定の特性を示すことができるか、所定の機能を発揮できるか、又はこれらの組み合わせが可能であることが予め決定された領域、例えばFRETドナー−アクセプタ対の1つ以上の成分を取り付ける、好ましくは共有結合することができることが予め決定された領域を含む。定常領域はFRET結合部位と呼ぶことができる。好適なFRET結合部位は、FRET標識が取り付けられるとFRETが発生するように、分子上に位置する領域を含む。分子上のFRETドナー−アクセプタ対の成分の好適な配置を決定するための技術が、例えばCardullo, R.,他、Proc. Natl. Acad. Sci., 85:8790-8794(1988)及びRichard Haugland「Handbook of Fluorescent Probes and Research Products」(第9版 Molecular Probes, オレゴン州ユージーン、2002)を含む種々の文献に記載されており、これらの内容を本明細書中に引用する。
或いは、又はこれに加えて、リガンドの定常領域は、FRETドナー−アクセプタ対の成分を含むことができる。このような定常領域を含むように構成された組み合わせライブラリは、例えばペプチド・ライブラリ及び核酸ライブラリを含む。ペプチド・ライブラリは、発蛍光団により標識された核酸又はリシンを含む定常領域の前又は後に位置するランダムなペプチド配列から構成されるか、或いは、γ-EDANS-α-9-フルオレニルメトキシ-カルボニル、L-グルタミン酸(Molecular Probesから商業的に入手可能)、Nα-9-フルオレニルメトキシ-カルボニル、Nα-7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,2-ジアゾル-4-イル、L-ジアミノプロピオン酸(例えばDufau, I.及びMazarguil, H.(2000)「Design of a fluorescent amino acid derivative useful in peptide synthesis」Tetrahedron. Lett., 41, 6063-6066に記載されている)を含む発蛍光団により標識されたアミノ酸又はアミノ酸アナログを含むように合成され、核酸ライブラリは、例えば核酸配列中に蛍光分を組み入れるか、核酸に発蛍光団を標識付けするか、又は核酸リガンドの構造内に緑色蛍光タンパク質を組み入れることにより、発蛍光団部分を含む定常領域を含むように構成することができる。
組み合わせライブラリのリガンド中に定常領域を組み入れる方法が、種々の文献、例えばVaughn他、Nature Biotechnology, 14(3):309-314(1996)、PCT特許出願US96/10287、M.Famulok, E.L. Winnacker及びC.H. Wong編「Current Topics in Microbiology and Immunology Springer, Verlag, Bonn, Germany, 243:87-105(1999)及びShmuel Cabilly「The Basic Structure of Filamentous Phage and its Use in the Display of Combinatorial Peptide Libraries」Methods in Molecular Biology第87巻:Combinatorial Peptide Library Protocols(S. Cabilly Humana Press Inc, Totwa, NJ)(第129-136頁)(1998)に記載されている。これら文献の内容を本明細書中に引用する。
その他の有用な組み合わせライブラリは、FRETドナー−アクセプタ対の1つ以上の成分により標識されたリガンドを含む。
FRETドナー−アクセプタ対の1つ以上の成分を含む組み合わせライブラリは、このFRETドナー−アクセプタ対がライブラリのリガンドに標識付けされているか、又はFRETドナー−アクセプタ対の成分がリガンドの構造内に組み入れられているかに関係なく、所望の場合には分析物結合リガンドの存在及びFRETの存在を両方とも同時に見極めることを可能にする。例えば、分析物アナログにFRETドナー−アクセプタ対の第2の成分を標識付けすることにより、分析物結合リガンドの存在及びFRETの存在を同時に見極めることができる。FRET標識付け分析物アナログがFRET標識付け組み合わせライブラリと接触させられると、FRETの存在は、分析物アナログがリガンドに結合されること、そして結合対がFRETを生成できることを示す。或いは、FRETドナー−アクセプタ対の2つの成分をライブラリのリガンドに取り付けるか、又はリガンド内に組み入れることもできる。
組み合わせライブラリを準備し、組み合わせライブラリをスクリーニングして結合対を同定するための種々の方法が利用可能である。これらの方法は当業者に良く知られており、例えば固相合成(例えばビード法)、ファージ表示及びファージ発現を含む。組み合わせライブラリの形成方法は、種々の特許明細書及び文献、例えばAdvanced ChemTech Handbook of Combinatorial & Solid Phase Organic Chemistry(第7−34頁)(1998);K. Johnsson及びL.Ge「Phage Display of Combinatorial Peptide and Protein libraries and their Applications in Biology and Chemistry」Combinatorial Chemistry in Biology, M. Famulok, E.L. Winnacker 及びC.H. Wong編、Current Topics in Microbiology and Immunology Springer, Verlag, Bonn, Germany, 243:87-105(1999); Kit S. Lam, Michael Lebl「Synthesis of One-Bead one-Compound Combinatorial Peptide Library」Methods in Molecular Biology第87巻:Combinatorial Peptide Library Protocols(S. Cabilly Humana Press Inc, Totwa, NJ)(第1−6頁)(1998);Shmuel Cabilly「The Basic Structure of Filamentous Phage and Its Use in the Display of Combinatorial Peptide Libraries」Methods in Molecular Biology第87巻:Combinatirial Peptide Library Protocols(S. Cabilly Humana Press Inc, Totwa, NJ)(第129−136頁)(1998); M.Famulok, E.L. Winnacker及びC.H. Wong「Combinatorial Chemistry in Biology」、M.Famulok及びG. Mayer「Aptamers as Tools in Molecular Biology and Immunology」(第123−136頁(1999))に記載されている。これらの文献の内容を本明細書中に引用する。
有用なスクリーニング技術は、例えばShmuel Cabilly, Judith Heldman, 及びEphraim Katchalski-Katzir「Screening Phage Display Peptide Libraies on Nitrocellulose Membranes」Methods in Molecular Biology第87巻:Combinatorial Peptide Library Protocols第20章(S. Cabilly Humana Press Inc, Totwa, NJ)(第185−194頁)(1998);M.Famulok, E.L. Winnacker及びC.H. Wong「Combinatorial Chemistry in Biology」J. Hanes及びA. Plueckthun, 「In Vitro Selection Methods for Screening of Peptide and Protein Libraries」(第107−122頁)(1999)を含む文献に記載された技術を含む。
有用な組み合わせ化学ライブラリは例えば、米国特許第5,010,175号明細書、Furka, Int. J. Pept. Prot. Res.,37:487-493(1991)及びHoughton他、Nature, 354:84-88(1991)に記載されているようなペプチド・ライブラリ;例えば国際公開第91/19735号パンフレット(1991年12月26日)に記載されているようなペプトイド;国際公開第93/20242号パンフレット(1993年10月14日)に記載されているようなコードされたペプチド;国際公開第92/00091号パンフレット(1992年1月9日)に記載されているようなランダムなバイオ・オリゴマー;例えば米国特許第5,288,514号明細書に記載されているようなベンゾジアゼピン;例えばHobbs他、Proc. Nat. Acad. Sci. USA90:6909-6913(1993)に記載されているような、例えばヒダントイン、ベンゾジアゼピン及びジペプチドを含むダイバーソマー;
例えばHagihara他、J.Amer.Chem.Soc. 114:6568(1992)に記載されているようなビニロガス・ポリペプチド;例えばHirschmann他、J.Amer.Chem.Soc.114:9217-9218(1992)に記載されているようなベータ-D-グルコース骨格を有する非ペプチダル・ペプチド擬似体;例えばChen他、J.Amer.Chem.Soc.116:2661(1994)に記載されているような小化合物ライブラリの有機合成;例えばCho他、Science 261:1303(1993)に記載されているオリゴカルバメート;
ペプチジルホスホネート(Campbell他、J.Org.Chem.59:658(1994)及びGordon他、J.Med.Chem.37:1385(1994);例えばStrategene, Corp.から商業的に入手可能な核酸ライブラリ;及び米国特許第5,539,083号明細書に記載されているようなペプチド核酸ライブラリ;例えばVaughn他、Nature Biotechnology, 14(3):309-314(1996)及びPCT出願US96/10287に記載されているような抗体ライブラリ、例えばLiang他、Science, 274:1520-1522(1996)及び米国特許第5,593,853号明細書に記載されているような炭水化物ライブラリ;例えばBaum, C&EN,1月18日, 第33頁(1993)に記載されているようなベンゾジアゼピンを含む小有機分子ライブラリ;例えば米国特許第5,569,588号明細書に記載されているようなイソプレノイド;例えば米国特許第5,549,974号明細書に記載されているようなチアゾリジノン及びメタチアザノン;例えば米国特許第5,525,735号明細書及び同第5,519,134号明細書に記載されているようなピロリジン;例えば米国特許第5,506,337号明細書に記載されているようなモルホリノ化合物、及び例えば米国特許第5,288,514号明細書に記載されているようなベンゾジアゼピンを含む。これらの文献の内容を本明細書中に引用する。
組み合わせライブラリを準備するための装置は商業的に入手可能であり、例えば357 MPS, 390 MPS, Advanced Chem Tech(ケンタッキー州ルイビル), Symphony, Rainin(マサチューセッツ州ウォバーン), 433A Applied Biosystems(カリフォルニア州フォスター・シティ)及び9050 Plus, Millipore(マサチューセッツ州ベッドフォード)を含む。
溶液相化学特性のために、数多くのロボット・システムも開発されている。これらのシステムは、例えばTakeda Chemical Industries, LTD(日本国、大阪)によって開発された自動合成装置、及び、ロボット・アームを利用する多くのロボット・システム(Zymate II, Zymark Corporation, マサチューセッツ州ホプキントン;Orca, Hewlett-Packard, カリフォルニア州パロアルト)を含む自動ワーク・ステーションを含む。
商業的に入手可能な好適な組み合わせライブラリは、例えばAdvanced Chem Tech(ケンタッキー州ルイビル)、ComGenex(ニュージャージー州プリンストン)、Asinex(ロシア国モスクワ)、Tripos, Inc(ミズーリ州セントルイス)、ChemStar, Ltd(ロシア国モスクワ)、3D Pharmaceuticals(ペンシルベニア州エクストン)、Phylos(マサチューセッツ州レキシントン)、Cambridge Antibody Technology(英国ケンブリッジ)、MorphSys(ドイツ国ミュンヘン)及びMartek Biosciences (メリーランド州コロンビア)から商業的に入手可能な組み合わせライブラリを含む。
B. 親和性の測定
分析物結合リガンドが同定された後、好ましくは分析物−リガンド結合対をスクリーニングして、分析物アナログが分析物結合リガンドに対して有する親和性レベルを測定する。好ましい親和性レベルは通常、分析物−リガンド結合対が使用されるべき用途に依存する。分析物−リガンド結合対が競合アッセイにおいて使用されるようになっている場合、分析物リガンド結合対を取り囲む環境内に存在する分析物のレベルを、分析物結合リガンドからの分析物類物質の変位に基づいて測定できるように、分析物結合リガンド上の分析物結合部位を巡る好適な競合レベルが、分析物アナログと分析物との間に存在することが好ましい。
競合アッセイは一般に、試料中に存在する分析物と分析物アナログとの間で、分析物結合リガンド上の限られた数の結合部位を巡って行われる競合に関与する。有用な競合アッセイは同質及び異質の競合アッセイを含む。同質アッセイの場合、競合に関与する反応体全てを混ぜ合わせ、分析物結合リガンドと分析物アナログとの結合の程度に及ぼすその効果により、分析物の量を測定する。この場合、結合済分析物アナログと未結合分析物アナログとは分離しない。異質アッセイの場合、遊離分析物アナログから結合済分析物アナログを分離した後で、分析物結合リガンドに結合された分析物アナログの量を測定する。
分析物結合リガンドに対する分析物類似物資の親和性を調査するには、種々の方法が利用可能である。親和性測定アッセイは、直接結合技術又は競合結合技術、又は検出トレーサ、例えば蛍光又は放射能を用いて、溶液中で実施することができる。直接結合アッセイは、分析物アナログに結合された標識付け結合済分析物リガンドの特異的な画分を測定する。競合結合アッセイは、分析物アナログからの標識付け分析物結合リガンドの変位を阻害物質、例えば分析物によって測定することにより、分析物アナログに結合された分析物結合リガンドの画分を推測する。
いずれの場合にも、例えばL.E.Limbird, Cell Surface Receptors: A short course on theory and methods(1986)に記載されているような方法、例えば平衡透析、濾過、ゲル濾過カラム・クロマトグラフィ、遠心分離及びこれらの組み合わせを用いて、未結合分析物結合リガンドから結合済分析物結合リガンドを分離する。直接結合アッセイの結果を分析すると、分析物アナログ結合部位の総数、及び、分析物アナログに対する分析物結合リガンドの平衡結合親和性(KD)が見極められる。競合結合アッセイを分析することにより、分析物結合リガンド上の利用可能な部位の50%を分析物アナログ又は阻害物質、例えば分析物が占める濃度も同定される。この濃度は阻害物質濃度(IC)とも呼ばれる。阻害物質濃度は50%の最大効果、すなわちIC50を引き起こす。IC50は、例えばCheng Y.及びPrusoff, W.H.「Relationship Between the Inhibition Constant (KI) and the Concentration of an Inhibitor that Causes a 50% Inhibition(IC50) of an Enzymatic Reaction」Biochem. Pharacol. 22:3099(1973)に記載されているようなCheng-Prusoffの関係を用いて、平衡結合親和性値(KI)に変換することができる。
同質アッセイ法を用いて、分析物結合リガンドに対する分析物類似体の結合親和性を測定することができる。同質アッセイは、未結合分析物結合リガンドから結合済分析物結合リガンドを分離することを必要とはしない。これらの方法は蛍光検出トレーサに限定され、モニター技術、例えばFRET、蛍光偏光及び蛍光相関分光法を用いて、直接結合アッセイ及び競合結合アッセイの両方において測定することができる。
C. 分析物アナログ
分析物の類似体(すなわち分析物アナログ)は改質分析物、ならびに、分析物分子の断片化部分又は合成部分であってよいが、但し分析物アナログは1つ以上のエピトープ部位を当該分析物と共有するものとする。分析物アナログはいかなるものでも好適である。分析物がタンパク質又はペプチドである場合、好適な分析物アナログの一例は、合成ペプチド配列であって、この合成ペプチド配列は、全分子分析物の少なくとも1つのエピトープで2つに分裂し、これにより分析物に対して特異的な結合員に分析物アナログが結合できるようになっている。分析物が有機分子である場合、好適な分析物アナログの一例は、分析物が共有結合されるタンパク質又はペプチドである。グルコースが分析物である場合、好適な分析物アナログは、例えばグリコシル化されたヒト血清アルブミン、及び米国特許第6,040,194号明細書に記載されているようなグリコシル化アルブミンを含む。
その他の好適な分析物アナログは、タグ結合部位を含有する第2のエピトープを有するように遺伝子工学的に作られた分析物アナログを含む。例えば、ペプチド、タンパク質及びオリゴヌクレオチドをビオチン・エピトープで合成して、これによりビオチン化分析物アナログを形成することができる。これらのビオチン化処理された分析物アナログはストレプトアビジンを認識し、これに結合することになる。ストレプトアビジンには、FRETドナー−アクセプタ対の成分を標識付けすることができる。別の好適な分析物アナログは、ハプテン、例えばジニトロフェニル又はニトロチロシンが組み入れられているペプチド及びタンパク質分析物アナログを含む。この場合、特異的蛍光抗ハプテン抗体が、ハプテン化分析物アナログに結合することになる。
ポリヌクレオチドのような分析物に対するその他の有用なアナログは、例えば、Cardullo, R.,他、Proc. Natl. Acad. Sci., 85:8790-8794(1988)及びRichard Haugland「Handbook of Fluorescent Probes and Research Products」(第9版 Molecular Probes, オレゴン州ユージーン、2002、この文献の内容を本明細書中に引用する)に記載されている蛍光標識付けオリゴ核酸、並びに、ペプチド及びタンパク質に付着されたオリゴ核酸を含む。
或いは又はこれに加えて、分析物のアナログは、FRET標識の1つ又は2つ以上の成分を含むことができる。アナログが、FRETドナー−アクセプタ対の成分により標識された分析物である場合、この成分はしばしばリンク部分を介して分析物に結合される。リンク部分は幾つかの事例において、スペーサを含む。スペーサは数多くの機能を提供することができる。これらの機能は例えば、FRET標識と分析物エピトープとの間の物理的な空間又はクリヤランスを提供して、FRET標識の成分が、分析物結合リガンドと分析物エピトープとの相互作用を妨害しないようにすること、効率的なFRETをもたらすように十分な分節的なフレキシビリティを提供すること、及びこれらの組み合わせを含む。リンク部分を形成する有用な反応性発蛍光団は、例えばC6164の商品名でMolecular Probesから商業的に入手可能な6-カルボキシフルオレセインのスクシニミジル・エステル、及び、例えばF6106の商品名でMolecular Probesから商業的に入手可能な6-(フルオレセイン-5-カルボキサミド)ヘキサン酸のスクシニミジル・エステルを含む。有用なスペーサは、例えばメチレン鎖及びペプチド鎖を含む。
リンク部分はFRET標識、分析物アナログ又は分析物結合リガンドの成分に取り付けることができる。リンク部分の取り付けは、任意の所望の順序で行うことができる。この順序は例えば、先ずリンク部分を分析物結合リガンド又は分析物アナログに取り付け、次いでリンク部分にFRET標識の成分を取り付けるという順序、FRET標識の成分にリンク部分を取り付け、次いで分析物結合リガンド又は分析物アナログにリンク部分を取り付けるという順序、及びこれらを組み合わせた順序を含む。
分析物アナログは好ましくは、FRETドナー−アクセプタ対の少なくとも1つの成分に結合するのに好適であることが予め決定された領域を含む。FRETドナー−アクセプタ対の少なくとも1つの成分に結合するための領域が一旦決定されると、当業者であれば他の分析物のアナログを形成することができる。それというのも、類似体が所定の領域(すなわちFRET標識結合部位)を含むならば、この領域はおそらくFRETドナー−アクセプタ対の同じ成分に結合することができ、特定クラスの組み合わせアッセイから選択された分析物結合リガンドとの相互作用が生じると、FRET対のドナー要素とアクセプタ要素との空間的な関係がFRETを促進することが判るからである。換言すれば、FRETドナー−アクセプタ対の成分に結合することができるアナログ上の結合部位又は結合領域を決定することにより、アナログをその他の分析物との使用のために標準化することができる。
場合により、分析物アナログと組み合わせライブラリとを接触させる前に、分析物アナログにFRETドナー−アクセプタ対の1つ以上の成分を標識付けすることができる。上述のように、分析物アナログ及び組み合わせライブラリのリガンドの双方がFRETドナー−アクセプタ対の成分を含む場合には、FRETの存在によって、分析物結合リガンドに対する分析物アナログの結合の成功を見極めることができる。
D. FRETドナー−アクセプタ対を有する標識付け部分
FRETドナー−アクセプタ対の成分(すなわちFRET標識)を分析物アナログ、分析物結合リガンド又はこれらの組み合わせに取り付けることができる。好ましくは、分析物結合リガンドには、FRETドナー−アクセプタ対の第1成分を標識付けし、分析物アナログには、FRETドナー−アクセプタ対の第2成分を標識付けする。或いは、単一の分析物結合リガンドに付着させることができる分析物アナログが2つあってもよい。これら2つの分析物アナログにそれぞれFRETドナー−アクセプタ対の1成分を標識付けし、これにより2つの成分が互いに十分に近接関係にあると、例えば分析物結合リガンド上の部位に結合されると、FRETが発生するようにすることができる。
FRET標識は分析物リガンド結合対の成分に取り付けられ、この場合、分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されると、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移が発生し、そして分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されない場合には、蛍光エネルギー転移は減少し、好ましくは全体的に消散するようになっている。
FRET標識の2つの成分が分析物リガンド結合対の単一成分、すなわち分析物結合リガンド又は分析物アナログに取り付けられる実施態様の場合、FRETドナー−アクセプタ対の2つの成分は、分析物リガンド結合対の成分上に位置決めされて、分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されると、分析物リガンド結合対の標識付け成分はFRETの発生を許す配向を成し、分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されない場合には、分析物リガンド結合対の標識付け成分はFRETが発生しないような配向を成すようになっている。
リガンド及び分析物にFRETドナー−アクセプタ対を標識付けする任意の好適な方法を用いて、分析物結合リガンドと分析物アナログとに標識付けすることができる。当業者には種々の有用なFRET標識付け法が知られており、これらの方法は例えば、リシン部分のアミノ基にイソチオシアネート又はスクシニミジル・エステルを標識付けする方法、システイン上のチオール基にマレイミドを標識付けする方法、及び、Richard Haugland「Handbook of Fluorescent Probes and Research Products」(第9版 Molecular Probes, オレゴン州ユージーン、2002)及びAnthony K. Tong及びJingyue Ju「Single Nucleotide Polymorphism Detection by Combinatorial Fluorescence Energy Transfer Tags and Biotinylated Dideoxynucleotides」Nucleic Acid Research,第30巻、第5号(2002)及びG.T. Hermanson, Bioconjugate Techniques (1996)を含む種々の文献中に開示された方法を含む。
分析物結合リガンド、分析物アナログ及びこれらの組み合わせに対するFRETドナー−アクセプタ対の標識付けは、方法実施中の任意の時点、例えば組み合わせライブラリと分析物アナログとの接触前、組み合わせライブラリと分析物アナログとの接触後、分析物結合リガンドの決定後であり且つ分析物アナログと分析物結合リガンドとの親和性レベルの決定前、分析物結合リガンドの同定後であり且つ親和性レベルの決定後、及びこれらの組み合わせの時点で行うことができる。
他の実施態様の場合、FRET標識は、組み合わせライブラリが合成されるのに伴って、この組み合わせライブラリの成分に装着されるか又は組み入れられる。このような技術は、1つ以上の蛍光性サブユニットを含むようにペプチド組み合わせライブラリを合成すること、天然蛍光タンパク質のcDNA配列が組み合わせライブラリの定常領域のcDNA配列中に挿入されるように、天然蛍光タンパク質をコードするcDNA、例えば緑色蛍光タンパク質ファミリーに由来するcDNAを使用して、抗体組み合わせライブラリを生成すること、及び、ペプチド中にフルオロ核酸を挿入することを含む。組み合わせライブラリが合成されるのに伴ってFRET標識を組み合わせライブラリのリガンドに装着するか、又はリガンド中に組み入れる有用な方法は、例えば米国特許第6,040,194号明細書及び同第5,491,084号明細書、Chalfie及びPrasher「Uses of Green-Fluorescent Protein」Dufau, I.及びMazarguil, H.(2000)「Design of fluorescent amino acid derivative useful in peptide synthesis」Tetrahedron. Lett. 41, 6063-6066及びRichard Haugland「Handbook of Fluorescent Probes and Research Products」(第9版 Molecular Probes, オレゴン州ユージーン、2002)に記載されている。これらの文献の内容を本明細書中に引用する。
FRET標識が一旦決定されると、同じFRET標識結合部位を含有するアナログを他の分析物のために形成することができる。これら他の分析物は例えば、第1分析物と同じクラスの分析物を含む。
III. 分析物検出のためのFRETの利用法
一般に、分析物検出のために下記2つの方法のうちの一方でFRETを用いる。第1の方法は、分析物アナログ及び分析物結合リガンドが、その一方がドナー発蛍光団で、他方がアクセプタ発蛍光団で標識付けされる競合アッセイである。分析物アナログにはドナーを標識付けすることができ、分析物結合リガンドにはアクセプタを標識付けすることができる。或いは、分析物アナログにはアクセプタを標識付けすることができ、分析物結合リガンドにはドナーを標識付けすることができる。標識付け分析物結合リガンド及び分析物アナログとが分析物と接触すると、分析物は、分析物結合リガンドに結合された分析物アナログを押し退ける。分析物結合リガンド及び分析物アナログとはもはや、FRETが発生するほど十分には互いに近接していないので、FRETによる蛍光信号は減少し、この減少は分析物の濃度と相関関係を有する(FRET信号と濃度との相関関係は、校正ステップ前に確立することができる)。
蛍光試薬、すなわち蛍光標識付け分析物結合リガンドと分析物アナログとを再使用することが望ましい用途の場合、分析物と分析物結合リガンドとの結合は可逆的であるのが好ましい。同様に、分析物−リガンド結合及びアナログ−リガンド結合と関連する平衡結合定数は、分析物がアナログを押し退けることができるような定数であることが好ましい。換言すればアナログ−リガンド結合は、分析物が分析物アナログを押し退けることができないほどには強くはない。
分析物−リガンド結合対は、例えばin vitro及びin vivoの生理学的環境及び液体環境を含む環境内で適度の可逆結合を示すことが好ましい。
IV. FRETに基づくセンサ
本明細書中に記載した方法に従って同定された分析物−リガンド結合対及びFRETドナー−アクセプタ対で標識されたその誘導体は、環境内の分析物の存在を感知することができる種々のセンサにおいて有用である。センサは、例えば生理学的環境及び非生理学的環境を含むin vitro及びin vivoの種々の環境内で分析物の存在、濃度又はこれらの組み合わせを検出するように構成することができる。これらの生理学的環境は、例えば体液(例えば血液、尿、唾液、細胞外液、腹水及び心膜液)を含み、非生理学的環境は、例えば液体、固体及び気体状試料を含む。センサは、交換が必要となる前に長期間(例えば1ヶ月以上)にわたって活性であり続けるように構成することができる。
センサは、例えばマイクロカプセル、キット及びプローブを含む種々の形を成していてよく、好ましくは、センサが機能する環境内の所望の位置でFRET標識付け分析物−リガンド結合対を保持できる材料を含み、これにより分析物との接触又は連通を可能にするように構成される。好適なセンサ構造は例えば、半透膜によって取り囲まれるFRET標識付け分析物−リガンド結合対、マトリックス(例えば球形マトリックス)内に配置された(例えばカプセル化された)FRET標識付け分析物−リガンド結合対、容器(例えばマイクロ透析容器)内に配置されたFRET標識付け分析物−リガンド結合対、及びこれらの組み合わせを含む。或いは、センサは、FRET標識付け分析物−リガンド結合対が油、例えばシリコーン油、フルオロカーボン油、及びこれらの組み合わせ中に分散されるように構成することができる。センサは好ましくは、体内の任意の場所に埋め込むのに好適であるように構成される。
好適な半透膜は、所定のサイズ以下の物質の通過を可能にし、その所定のサイズよりも大きい物質の通過に対する効果的なバリヤを提供する。半透膜は好ましくは分画分子量を有している。すなわち、この分画分子量は、センサ内のFRET対の化学特性を維持するのに十分な、膜を通過することが許される最高分子量であって、分析物がセンサを出入りすることを可能にし、また場合により、センサが埋め込まれた宿主から免疫応答を導き出すのを抑制し、好ましくはこれを阻止するのを可能にする。分画分子量範囲は、センサが埋め込まれた後でセンサに対して予想される免疫応答のタイプ及び範囲に基づいて選択することもできる。分画分子量範囲は、半透膜の孔サイズと関数関係にあることができる。
有用な半透膜材料は、例えばポリリシン、ポリオルニチン、ポリアラニン、ポリアルギニン及びポリヒシチジンを含むポリアミノ酸、キトサン、ポリアクリロニトリル/ポリビニルクロリド、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアセテート、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルジフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリオレフィン(例えばポリイソブチレン及びポリプロピレン)、ポリスルホン、セルロース誘導体(例えば酢酸セルロース、酪酸セルロース)、及びこれらの組み合わせを含む。好適な半透膜は、例えば米国特許第6,126,936号明細書及び同第6,368,612号明細書に記載されており、また、Whatman(マサチューセッツ州ニュートン)から入手可能なヌクレオポア膜技術を含む。
カプセル化マトリックス構造の一部を改質する結果としても、好適な半透膜が得られる。マトリックス構造を改質する1方法は、例えばカルシウム・イオン、バリウム・イオン、鉄イオンを含む金属イオン、化学的架橋剤(例えばグルタルアルデヒド)、及びこれらの組み合わせを使用して、マトリックスを架橋することを含む。架橋度は、結果として得られる膜の多孔性に影響を与える。
好適なカプセル化マトリックスの例は、生物学的適合性を有するゲル、例えばヒドロゲル、すなわち、架橋された親水性ポリマーの三次元網状構造を含む。好適なヒドロゲルは例えば、実効負電荷を担持するゲル(アルギン酸塩)、例えばコラーゲン及びラミニンのような細胞外マトリックス成分を含む実効正電荷を担持するゲル、例えば架橋ポリエチレンオキシド及びポリビニルアルコール及びアガロースを含む実効中立電荷を含むゲル、を含む。好適な細胞外マトリックス成分は、MATRIGELの商品名でCollaborative Biomedical(マサチューセッツ州ベッドフォード)から、また、VITROGENの商品名でCohesion Technologies(カリフォルニア州パロアルト)から商業的に入手可能である。
FRET標識付け分析物結合リガンド対を皮膚内、皮膚上、皮膚下、器官内、脈管(例えば静脈又は動脈)内、及びこれらの組み合わせに配置することを含む種々の技術においてセンサを利用して、FRET標識付け分析物結合リガンド対を分析物と連通(接触)状態にすることができる。
FRET標識付け分析物結合リガンド対が皮膚内、皮膚上、皮膚下に位置決めされる実施態様の場合、ドナー励起波長で皮膚を照射し、ドナー及びアクセプタの特性を示す波長で蛍光発光をモニターすることにより、分析物を検出することができる。例えば、蛍光材料がフルオレセイン及びローダミンである場合、520nM及び596nM(すなわちそれぞれの発光最大波長)で蛍光強度がモニターされる。この場合、蛍光光度計によって検出されるようなエネルギー転移の尺度は、2つの発光波長(例えば520nm及び596nm)における蛍光強度の比、又はドナー及びアクセプタの蛍光の相対量の他の尺度(例えばドナー蛍光寿命)、又は、分析物濃度の関数としての、発光最大値におけるドナー(例えばフルオロセイン)蛍光の消光である。
FRET標識付け分析物−リガンド結合対を皮膚上に入れ墨することもでき、又は経皮パッチ内に含有することもできる。或いは、皮下注射すると細胞構造に結合され、皮膚下にin situで固定されたままになるように、FRET標識付け分析物−リガンド結合対を改質することもできる。
或いは、FRET標識付け分析物−リガンド結合対は、当該分析物を含有し、身体から除去された体液の試料と連通させることもできる。例えば、FRET標識付け分析物−リガンド結合対を含有するセンサを使用して、FRET標識付け分析物−リガンド結合対を含有するセンサを蛍光光度計内で分析物含有体液と連通させることにより、当該分析物を検出して定量化することができる。
或いは、FRET標識付け分析物−リガンド結合対を固形支持体(例えばスティック)に接着させることもでき、又は、チャンバ(例えばマイクロ透析容器)内に含有することもできる。FRET標識付け分析物−リガンド結合対をペン・カートリッジ内に含有することもできる。このペン・カートリッジは、適切な容積のFRET標識付け分析物−リガンド結合対を、分析物を含有する試料中、例えば血液又はその他の体液中に計量分配する。
他の実施態様は特許請求の範囲内にある。本明細書中では、FRETについて、分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されるとFRETが生じるものとして説明してきたが、別の実施態様の場合、分析物アナログが分析物結合リガンドに結合されていることを、FRETの不存在が示すこともできる。
ドナー分子及びアクセプタ分子の吸光スペクトル及び発光スペクトルを示すグラフである。 非放射性エネルギー転移を示す図である。 変化しつつある環境に配置された、FRETに基づくセンサの化合物を含むシステムを示す図である。 変化しつつある環境に配置された、FRETに基づくセンサの化合物を含むシステムを示す図である。 変化しつつある環境に配置された、FRETに基づくセンサの化合物を含むシステムを示す図である。 組み合わせライブラリのスクリーニング方法の一例を示す図である。 組み合わせライブラリのスクリーニング方法の一例を示す図である。 組み合わせライブラリのスクリーニング方法の一例を示す図である。 組み合わせライブラリのスクリーニング方法の一例を示す図である。 組み合わせライブラリのスクリーニング方法の一例を示す図である。

Claims (55)

  1. 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対の同定方法であって、該方法が、以下のステップ:
    a) リガンドを含む組み合わせライブラリと、第1分析物アナログとを接触させ、そして該第1分析物アナログが結合するリガンドを選択することにより予め決定された所定の分析物結合リガンドを、該組み合わせライブラリから獲得し;そして
    b) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分の少なくとも一方を含む標識を、上記分析物結合リガンド及び第2分析物アナログの少なくとも一方に取り付け、これにより、
    上記第2分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合した場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移が発生し、そして
    上記第2分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合しなかった場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移に変化が生じるようにする、
    を含む前記同定方法。
  2. 前記所定の分析物結合リガンドを獲得する前に、前記所定の分析物結合リガンドが、前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分を含む標識を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第2成分を、前記第2分析物アナログに取り付けることを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分を、前記分析物結合リガンドに取り付け、そして、前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第2成分を、前記第2分析物アナログに取り付けることを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記標識が、前記分析物結合リガンドと、前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分及び前記第2成分のうちの少なくとも一方とに取り付けられたリンク部分をさらに含み、該リンク部分を、前記分析物結合リガンドと、前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分及び前記第2成分のうちの少なくとも一方とに結合させることができる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記分析物結合リガンドの少なくとも1つと、前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分及び前記第2成分のうちの少なくとも一方とに、リンク部分を取り付けることをさらに含み、該リンク部分を、前記分析物結合リガンドと、前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分及び前記第2成分のうちの少なくとも一方とに結合させることができる、請求項1に記載の方法。
  7. 前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分と、前記第2成分とを、前記分析物結合リガンドに取り付けることを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分と、前記第2成分とを、前記第2分析物アナログに取り付けることを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記組み合わせライブラリが、ペプチド・ライブラリ、抗体ライブラリ、抗体フラグメント・ライブラリ、核酸ライブラリ、アパタマー・ライブラリ、ポリマー・ライブラリ、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるライブラリを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記リガンドが、ポリマー、抗体、抗体フラグメント、ヌクレオチド、ペプチド、アパタマー及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記第2分析物アナログが、前記第1分析物アナログと同じ化学構造を有する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記第2分析物アナログが、前記第1分析物アナログとは異なる化学構造を有する、請求項1に記載の方法。
  13. 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対の同定方法であって、該方法が、以下のステップ:
    a) リガンドを含む組み合わせライブラリと、分析物アナログとを接触させ;
    b) 上記分析物アナログが結合する、前記分析物結合リガンドである少なくとも1つのリガンドを同定し;そして
    c) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分の少なくとも一方を含む標識を、上記分析物結合リガンド及び上記分析物アナログの少なくとも一方に取り付け、これにより、
    上記分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合した場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移が発生し、そして
    上記分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合しなかった場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移に変化が生じるようにする、
    を含む前記同定方法。
  14. 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を、前記分析物結合リガンドに取り付けることを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記組み合わせライブラリと、前記分析物アナログとを接触させる前に、上記組み合わせライブラリの前記リガンドに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を取り付けることを含む、請求項13に記載の方法。
  16. 前記組み合わせライブラリと、前記分析物アナログとを接触させる前に、上記分析物アナログに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を取り付けることを含む、請求項13に記載の方法。
  17. 前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分と前記第2成分とを、前記分析物結合リガンドに取り付けることを含む、請求項13に記載の方法。
  18. 前記組み合わせライブラリと、前記分析物アナログとを接触させる前に、上記組み合わせライブラリの前記リガンドに、前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分と前記第2成分とを取り付けることを含む、請求項13に記載の方法。
  19. 前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分と前記第2成分とを、前記分析物アナログに取り付けることを含む、請求項13に記載の方法。
  20. 前記組み合わせライブラリと、前記分析物アナログとを接触させる前に、前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分と前記第2成分とを、上記分析物アナログに取り付けることを含む、請求項13に記載の方法。
  21. 前記分析物アナログが可逆結合を示す分析物結合リガンドを選択することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  22. 前記分析物がグルコースを含む、請求項13に記載の方法。
  23. 前記組み合わせライブラリが、ペプチド・ライブラリ、抗体ライブラリ、抗体フラグメント・ライブラリ、核酸ライブラリ、アパタマー・ライブラリ、ポリマー・ライブラリ、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるライブラリを含む、請求項13に記載の方法。
  24. 前記リガンドが、ポリマー、抗体、抗体フラグメント、ヌクレオチド、ペプチド、アパタマー及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項13に記載の方法。
  25. 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対の同定方法であって、該方法が、以下のステップ:
    a) 複数のリガンドを含む組み合わせライブラリと、分析物アナログとを接触させ、これにより、上記分析物アナログが上記リガンドの少なくとも1つに結合して分析物−リガンド結合対を形成するようにし、上記リガンドが、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を含む第1標識を含み、上記分析物アナログ及び上記リガンドの少なくとも1つが、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第2成分を含む第2標識を含み;そして
    b) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対を検出する、
    を含む前記同定方法。
  26. 前記分析物−リガンド結合対を同定することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記同定及び前記検出が同時又は実質的に同時に生じる、請求項25に記載の方法。
  28. 分析物の存在下、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移の変化を示す分析物アナログ−リガンド結合対を同定することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
  29. 前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分の少なくとも一方が、緑色蛍光タンパク質ファミリーから選択される、請求項25に記載の方法。
  30. 前記分析物アナログが可逆結合を示す分析物結合リガンドを選択することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
  31. 前記検出が、(a)発光ピークの出現又は消失を測定すること、(b)2つ以上の発光波長で観察された信号の比を測定すること、(c)励起ピークの出現又は消失を測定すること、(d)2つ以上の励起波長で観察された信号の比を測定すること、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項25に記載の方法。
  32. 前記検出が、前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分の励起状態寿命の変化を測定することを含む、請求項25に記載の方法。
  33. 前記検出が、前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分の励起に対する蛍光の偏光解消を測定することを含む、請求項25に記載の方法。
  34. 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対の同定方法であって、該方法が、以下のステップ:
    a) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の1つ以上の成分を取り付けるべきリガンド上の定常領域を決定し;
    b) リガンドを含む組み合わせライブラリと、第1分析物アナログとを接触させ、そして上記第1分析物アナログと結合することができる分析物結合リガンドを選択することにより予め決定された所定の分析物結合リガンドを、上記組み合わせライブラリから獲得し;そして
    c) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分の少なくとも一方を含む標識を、上記分析物結合リガンド及び第2分析物アナログの少なくとも一方に取り付け、これにより、上記第2分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合した場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移が発生し、そして上記第2分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合しなかった場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移に変化が生じるようにする、
    を含む前記同定方法。
  35. 以下のステップ:
    前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分を含む標識を、上記分析物結合リガンド上の前記所定の定常領域で、前記分析物結合リガンドに取り付け;そして
    上記分析物結合リガンド及び第2分析物アナログの少なくとも一方に、上記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第2成分を含む標識を取り付ける、
    を含む、請求項34に記載の方法。
  36. 以下のステップ:
    前記定常領域を含むリガンドを含む組み合わせライブラリを準備し;
    前記組み合わせライブラリと第1分析物アナログとを接触させ;そして
    該第1分析物アナログが結合する、該分析物結合リガンドであるリガンドを同定する
    をさらに含む、請求項34に記載の方法。
  37. 前記準備が、前記組み合わせライブラリの前記リガンドの前記定常領域に、前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の少なくとも1つの成分を含む標識を取り付けることを含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記リガンドの前記定常領域が、前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の少なくとも1つの成分を含む、請求項34に記載の方法。
  39. 前記第2分析物アナログが、前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の少なくとも1つの成分と結合することができる所定の定常領域を含む、請求項34に記載の方法。
  40. 以下のステップ:
    前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第1成分を含む標識を、前記分析物結合リガンドの前記定常領域に取り付け、そして
    上記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の前記第2成分を含む標識を、前記第2分析物アナログの前記定常領域に取り付ける、
    をさらに含む、請求項39に記載の方法。
  41. 前記第2分析物アナログが可逆結合を示す分析物結合リガンドを選択することをさらに含む、請求項39に記載の方法。
  42. 前記第2分析物アナログが可逆結合を示す分析物結合リガンドを選択することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
  43. 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対の同定方法であって、該方法が、以下のステップ:
    a) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の成分を取り付けるべき分析物アナログ上の領域を決定し;
    b) 上記所定の領域を含む分析物アナログを準備し;
    c) リガンドを含む組み合わせライブラリと、上記分析物アナログとを接触させ;
    d) 上記分析物アナログが結合する、分析物結合リガンドであるリガンドを同定し;そして
    e) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分の少なくとも一方を含む標識を、上記分析物結合リガンド及び上記分析物アナログの少なくとも一方に取り付け、これにより、上記分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合した場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移が発生し、そして上記分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合しなかった場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移に変化が生じるようにする、
    を含む前記同定方法。
  44. 前記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の少なくとも1つの成分を、前記分析物アナログの前記定常領域に取り付けることを含む、請求項43に記載の方法。
  45. 前記分析物アナログが可逆結合を示す分析物結合リガンドを選択することをさらに含む、請求項43に記載の方法。
  46. 前記同定及び前記検出が同時又は実質的に同時に生じる、請求項43に記載の方法。
  47. 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対の同定方法であって、該方法が、以下のステップ:
    a) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の少なくとも1つの成分が結合するリンク部分を同定し;
    b) リガンドを含む組み合わせライブラリと、第1分析物アナログとを接触させ、そして該第1分析物アナログと結合することができる分析物結合リガンドを選択することにより予め決定された所定の分析物結合リガンドを、該組み合わせライブラリから獲得し;そして
    c) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を含む標識を、前記リンク部分に取り付け;
    d) 上記非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第2成分を含む標識を、上記分析物結合リガンド及び第2分析物アナログの少なくとも一方に取り付け;そして
    e) 上記リンク部分を上記分析物結合リガンドに取り付け、上記第2分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合した場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移が発生し、そして上記第2分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合しなかった場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移に変化が生じるようにする
    を含む前記同定方法。
  48. 前記分析物結合リガンドに前記リンク部分を取り付ける前に、前記標識を上記リンク部分に取り付けることを含む、請求項47に記載の方法。
  49. 組み合わせライブラリのスクリーニング方法であって、該方法が、以下のステップ:
    a) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を含むリガンドを含む組み合わせライブラリを準備し;
    b) 上記組み合わせライブラリと、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第2成分を含む分析物アナログとを接触させ;そして
    c) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す分析物−リガンド結合対を同定する、
    を含む前記スクリーニング方法。
  50. 分析物−リガンド結合対を含むセンサであって、該分析物−リガンド結合対が、以下の:
    a) 第1分析物アナログ、
    b) 組み合わせライブラリと、第2分析物アナログとを接触させ、そして該第2分析物アナログが結合するリガンドを選択することにより予め決定された所定の分析物結合リガンド、及び
    c) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分及び第2成分を含む標識、
    を含み、上記分析物−リガンド結合対が、上記第1分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合した場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示し、そして上記第1分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合しなかった場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移の変化を示す前記センサ。
  51. 前記分析物結合リガンドと、前記分析物アナログとが互いに可逆的に結合される、請求項50に記載のセンサ。
  52. 前記センサが、前記分析物リガンド結合対を取り囲むマトリックスをさらに含む、請求項50に記載のセンサ。
  53. 前記センサが、前記分析物リガンド結合対を取り囲む半透膜をさらに含む、請求項50に記載のセンサ。
  54. 請求項50に記載のセンサを含むキット。
  55. センサの製造方法であって、該方法が、以下のステップ:
    a) 分析物アナログを選択し;
    b) 非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第1成分を含む標識を、分析物アナログに取り付け;
    c) 上記分析物アナログと結合することができる分析物結合リガンドを、組み合わせライブラリから選択し;
    d) 上記分析物結合リガンドに、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移ドナー−アクセプタ対の第2成分を含む標識を取り付け;そして
    e) 上記標識付け分析物結合リガンドと、上記の標識された分析物アナログとをカプセル化する、
    を含み、前記センサが、
    上記第1分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合した場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示し、そして上記第1分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合しなかった場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移の変化を示すか、或いは、
    上記第1分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合した場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を免れ、そして上記第1分析物アナログが上記分析物結合リガンドに結合しなかった場合には、非放射性蛍光共鳴エネルギー転移を示す前記製造方法。
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