JP2005508613A - 潜伏中に発現されるマイコバクテリア抗原 - Google Patents

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Abstract

栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされるマイコバクテリア遺伝子を同定する方法が提供され、該条件は、接種後少なくとも20日間のマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得る。この誘導またはアップレギュレートされた遺伝子は、核酸ワクチンの主成分を形成し、またはマイコバクテリア感染に対するワクチン用の弱毒化マイコバクテリアの調製を可能にするためのターゲットを提供する。同様に、この誘導またはアップレギュレートされた遺伝子によってコードされるペプチドは、ワクチンに用いられる。さらなる実施態様では、同定された遺伝子/ペプチドは、核酸プローブまたは抗体検出によって臨床試料中のマイコバクテリア感染の存在を同定するための手段を提供する。

Description

本発明は、マイコバクテリアの潜伏中に発現が誘導またはアップレギュレートされるマイコバクテリアの遺伝子を同定する方法;単離されたペプチド産物またはその改変体、誘導体、もしくはフラグメント;該ペプチド、改変体、誘導体、またはフラグメントに結合する抗体;該ペプチド、改変体、誘導体、またはフラグメントを発現するDNAおよびRNA;該誘導またはアップレギュレートされた遺伝子の少なくとも1つの活性が改変されている弱毒化マイコバクテリア;マイコバクテリア感染に対するワクチン;およびマイコバクテリア感染の存在を検出する方法に関する。
多くの微生物は、細胞内感染を形成し得る。これらの感染としては、サルモネラ属、 エルシニア属、シゲラ属、カンピロバクター属、クラミジア属、およびマイコバクテリア属の種によって引き起こされる感染が挙げられる。これらの感染のいくつかは、もっぱら細胞内であり、他は細胞内および細胞外成分の両方を含む。しかし、疾患の進行についての主な支援因子と思われるのは、細菌感染の細胞内生存サイクルである。
一般的に、これらの微生物は、体内、例えば血流中で自由に循環せず、そしてしばしば薬物治療法に従順ではない。薬物が利用可能な場合、この問題は、多剤耐性微生物の発生によって悪化している。
多くの因子が、微生物耐性の問題に寄与している、1つは、長期にわたる変異の蓄積およびその後の変異した遺伝子の他の生物への水平および垂直移動である。したがって、所定の病原体について、全クラスの抗生物質が、不活性になっている。さらなる因子は、近年の新しいクラスの抗生物質の不在である。多剤耐性病原性細菌の出現は、公衆衛生に対して重篤な脅威を示し、そして新しい形態の治療が緊急に必要とされる。
同様の理由で、ワクチン療法は、このような細胞内微生物に対して有効性が確認されていない。また、細胞内でのバイオアベイラビリティーを改善するために抗生物質の全身濃度を上昇させることにより、重篤な副作用が生じ得る。
Mycobacterium tuberculosis(TB)および密接に関連する種は、Mycobacterium tuberculosis複合体(MTC)として知られるマイコバクテリアの小さな群を構成する。この群は、全世界中で大部分の結核(TB)症例の原因因子である4つの種M. tuberculosis、M. microti、M. bovis、およびM. africanumを含む。
M. tuberculosisは、世界的に1年に300万名以上の死亡の原因である。他のマイコバクテリアもヒトおよび動物において病原性であり、例えば、M. avium subsp. paratuberculosisは、反芻動物においてヨーネ病を引き起こし、M. bovisは、ウシにおいて結核を引き起こし、M. aviumおよびM. intracellulareは、免疫不全患者(例えば、AIDS患者、および骨髄移植患者)において結核を引き起こし、そしてM. lepraeは、ヒトにおいてハンセン病を引き起こす。他の重要なマイコバクテリア種は、M. vaccaeである。
M. tuberculosisは、体内のマクロファージ細胞に感染する。マクロファージ感染後すぐに、ほとんどのM. tuberculosis細菌は、細胞のファゴソーム小胞内に侵入しそして複製し、そこで細菌は宿主防御および細胞外因子から隔離される。
細菌感染の細胞内生存および増殖または複製は、マイコバクテリア疾患の進行のための主な支援因子と思われる。
M. tuberculosis感染と戦うための多くの薬物治療法が提案されており、そして現在、薬物イソニアジドを含む組み合わせ治療が最も有効であることが確認されている。しかし、このような治療法の1つの問題は、治療が長期にわたるものであり、そしてこのような治療を完了させなければ、多剤耐性微生物の発生が促進され得ることである。
さらなる問題は、治療すべき細胞内で薬物の適切なバイオアベイラビリティーを提供することである。薬物の全身濃度を(例えば、より高用量を投与することによって)上昇させることは可能であるが、これは、上昇した薬物濃度によって引き起こされる重篤な副作用を生じ得る。
M. tuberculosisに対するワクチン予防の有効性は、大きく異なっている。現在のM. tuberculosisワクチンであるBCGは、M. bovisの弱毒化株である。小児におけるTBの重篤な合併症に対して有効であるが、成人において、特に民族群間で、その有効性は大きく異なる。BCGワクチン接種は、結核性髄膜炎を予防するために用いられており、そして肺外の部位へのM. tuberculosisの蔓延を予防することを助けるが、感染を予防しない。
BCGの限られた有効性およびTBの全世界的な流行に対して、新しくより有効なワクチンを作り出すための国際的な努力が行われている。現在のパラダイムは、その防御がTh1免疫応答の刺激によって媒介されることである。
人間におけるBCGワクチン接種は、最初に導入されたときは経口投与であったが、その経路は、胃腸管通過中の生存BCGの損失および頻繁な頚部リンパ腺症のため中止された。実験動物種においては、BCGのエアロゾルまたは気管内送達は、有害な作用なく達成されていたが、その有効性は、霊長類、マウス、およびモルモットにおける非経口接種よりも優れた防御効果から、他の研究においては皮下経路を超える明らかな有利性がないことまで、有効性は異なっていた。
したがって、マイコバクテリア感染と戦うための改良されたおよび/または代替のワクチンまたは治療剤の必要がある。
マイコバクテリア感染、特にM. tuberculosis感染の制御に関連するさらなる主な問題は、マイコバクテリアに感染した無症候性個体が多数存在することである。休止期のマイコバクテリアは、第一線の薬物に対してさらにより抵抗性である。
マイコバクテリア(例えば、M. tuberculosis)の感染は、めったに活動性の疾患には至らず、そしてほとんどの個体は長年の間持続し得る潜伏感染にかかり、再活性化されて疾患を生じるようになる(Wayne、1994)。このような感染を制御するための現在の方策は、活動的な疾患の患者の初期検出および治療である。これは、死亡を回避しそして伝染を制御するために必須であるが、感染者を排除すること、または再活性化による疾患の新しい症例を予防するには有効ではない。
BCGを含む従来のマイコバクテリアワクチンは、疾患に対して防御し、そして感染に対しては防御しない。理想的には、新しいマイコバクテリアワクチンは、無菌免疫を与え、そして免疫系をブーストし得る曝露後ワクチンはまた、潜伏性マイコバクテリアを殺すかまたは活動性の疾患を引き起こす微生物の再活性化を抑制するため、潜伏性感染に対して有効であり得る。
皮膚テストによる潜伏性マイコバクテリア感染の従来の検出には、疑いがあり得る。例えば、ツベルクリン皮膚テストに基づく現在のTB検出方法は、BCGワクチンによって、および環境中のマイコバクテリアへの曝露によって、疑いを招く。
したがって、マイコバクテリアの潜伏性感染をより有効に診断、治療、および予防するための新しい方策が必要とされる。
潜伏性マイコバクテリア感染の検出に向けた特異的な方策を開発するために、これらの微生物の生理学的、生化学的、および分子特性を明らかにすることが必要である。
現在、マイコバクテリア潜伏性感染を研究するために適切なインビボモデルはなく、そしてこのようなモデルは、生じる生理学的変化および分子変化の詳細な分析を可能にするために十分な微生物材料を提供しそうにもない。
今までの研究では、酸素枯渇グラジエントを生じそして沈殿層で非複製持続性状態に入らせる静置培養、または攪拌密封液体培養のいずれかの結核菌が用いられてきた(WayneおよびLin、1982;CunninghamおよびSpreadbury、1998;WayneおよびHayes、1996)。これらのモデルにおける非複製持続性状態への移行は、グリオキシル酸代謝へのシフトダウン、イソニアジドおよびリファンピシンに対する耐性、およびメトロニダゾールの嫌気性殺菌作用に対する感受性と一致する(WayneおよびHayes、1996)。
例えば、多くの刊行物は、マイコバクテリアが種々の環境刺激に曝露された後のマイコバクテリア遺伝子およびタンパク質発現プロファイルの分析を記載している。これらとしては、Sherman, D.R.ら (2001) PNAS, 98巻, 13号, 7534-7539頁;Hutter, B. (2000) FEMS Microbiol. Letts. 188, 141-146頁;Michele, T.M.ら (1999) Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 43巻, 2号, 216-225頁;Yuan, Y.ら (1998) PNAS, 95巻, 9578-9583頁;Boon, C.ら (2001) J. Bacteriol., 183巻, 8号, 2672-2676頁;Cunningham, A.F.ら (1998) J. Bacteriol., 180巻, 4号, 801-808頁;Murugasu-Oei, B.ら (1999) Mol. Gen. Genet., 262巻, 677-682頁;およびWO99/24067、WO99/04005、WO97/35611、およびWO92/08484などの多くの特許公開公報が挙げられる。これらの分析に用いられるマイコバクテリアは、粗製のバッチシステムで増殖されており、その結果、マイコバクテリアが曝露されている環境刺激がほとんどまたは全く制御されていない。したがって、細菌は多くの複雑な相互作用する環境刺激を受け、そのいくつかは、遺伝子およびタンパク質発現の点で迅速かつ一時的な影響を有し得る。
このような研究は、ほとんど定義および制御されず、そして自己生成酸素枯渇グラジエントによる実験により、一貫しない結果が得られる。さらに、記載された研究は、接種後増殖の点で比較的短期間、多くの場合は接種後約2週まで行われており、その結果、培養した細菌は、対数期の中期から後期および/または定常期の初期に関連する環境刺激に曝露される。
上記の点で、インビボ環境の重要な特徴をシミュレートする、マイコバクテリア(例えば、TB)持続性を研究するための規定および制御されたモデルの必要がある。
本発明の第1の局面によれば、単離されたマイコバクテリアペプチド、または該ペプチドのフラグメントもしくは誘導体もしくは改変体が提供され、該ペプチドは、マイコバクテリア遺伝子によってコードされ、該ペプチドの発現は、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされ、該条件は、接種後少なくとも20日間のマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得る。
潜伏性は、持続性と同義である。これらの用語は、マイコバクテリア細胞が細胞分割せずに長期間生存し得る低代謝活性の可逆的状態をいう。
種々の従来技術の分析とは逆に、本発明は、潜伏の開始(すなわち、対数増殖期の後期、または初期定常期)中よりも長期潜伏条件中の、マイコバクテリア遺伝子(および対応する遺伝子産物)の誘導またはアップレギュレーションに関する。
本発明の好適な培養方法は、バッチファーメンター培養の方法である。この方法は、pH、温度、利用可能な栄養、および溶存酸素圧(DOT)などの増殖培養パラメータの注意深いモニタリングおよび制御を可能にする。特に、温度およびDOTは、厳格に制御され得る。逆に、注意深いモニタリングおよび制御は、従来の粗製のバッチ培養システムでは可能ではなく、その結果、このようなシステムによって培養されるマイコバクテリアは、多重の複雑な相互作用する環境刺激に曝露され、そのいくつかは、遺伝子およびタンパク質発現の点で迅速かつ一時的な影響を有し得る。したがって、本発明のバッチファーメンターシステムは、環境刺激の比較的注意深い制御を可能にし、そのため特定の刺激(例えば、栄養飢餓)に対するマイコバクテリアの応答は、目的の特定のマイコバクテリア応答を隠すまたは改変し得る他の環境刺激から比較的分離されて分析され得る。
本発明の方法を使用して、用いられる主な潜伏性誘導パラメータが、炭素の飢餓、および好ましくは炭素およびエネルギーの飢餓であることを確実にすることが可能である。これは、他の環境スイッチにもっぱら応答性である遺伝子の偶発的誘導またはアップレギュレーションが、実質的に抑制され得ることを意味する。したがって、炭素飢餓および/またはエネルギー制限に関連しない条件下で誘導またはアップレギュレートされる遺伝子の偽陽性同定は、実質的に回避され得る。
本発明において用語「栄養飢餓」とは、主要な炭素源、および好ましくは主要なエネルギー源の濃度が、マイコバクテリアの増殖を支持するためには不十分であることを意味する。「栄養飢餓」は、バッチ培養増殖曲線の樹立された定常期の中期〜後期に関連する用語である。このような条件下、マイコバクテリアは、増殖速度の単純な低下よりもむしろ、代謝的に抑圧される。
より詳細には、対数増殖は、マイコバクテリア細胞量の対数的な増加に関連する増殖期間であり(「log」期としても知られる)、そこでは、細菌は通常の培養条件について最大の比増殖速度で増加している。この増殖期間中、必須栄養濃度は最小になり、そして最終産物の濃度が上昇するしかし、一旦主要な炭素および/または主要なエネルギー源が臨界レベルまで低下すると、培養液内のすべてのマイコバクテリア細胞は、最適細胞機能および細胞分割を維持するために必要な十分な炭素および/またはエネルギーを得ることが、もはや不可能である。一旦これが生じると、対数増殖は遅くなり、そしてマイコバクテリアは定常期に入る。その後、マイコバクテリアは栄養飢餓になり、潜伏に入る。後期対数増殖期または初期定常期よりも、本発明が関連するのは、増殖期におけるこの潜伏状態である。
炭素飢餓とは、外因性炭素濃度が、細菌が増殖および/または複製できるには不十分である増殖状態をいう。しかし、この状態の場合、増殖を支持することなく必須の細胞機能および生存性を維持するために利用可能な他のエネルギー源(例えば、内因性の予備物、二次代謝物)があり得る。したがって、炭素飢餓は、定常期の中期または後期条件に関連し、そこでは、外因性炭素源が枯渇し、そして細菌増殖が実質的に中止される。マイコバクテリアのバッチファーメンター培養の点で、これは、代表的には、接種後20日目(またはそれ以後)に生じる。
接種の時間に対する定常期の開始は、特定のマイコバクテリア種/株、培養培地の組成(例えば、特定の主要な炭素およびエネルギー源)、および用いられる物理学的培養パラメータなどの多くの因子に依存する。
しかし、指針として、対数期の終了および定常期の開始は、一般的に、マイコバクテリアの最大数の生存カウントに関連する増殖期の時点に対応する。
本発明での使用において、対数増殖期マイコバクテリア細胞は、最大数の総生存カウントが達成される前の増殖期のある時点で、培養容器から採取される。増殖期におけるこの時点を模倣して、ほぼμmaxに近い定常増殖速度を用いそして約18〜24時間の世代時間を提供する連続培養条件下で培養され得る。好適な実施態様では、対数増殖期マイコバクテリア細胞は、培養培地1mlあたりの最大数の生存カウントよりも低い培養培地1ml当たりのlog単位での2〜0.5(より好ましくは1〜0.5)の値の生存カウントが達成された場合に、採取される。したがって、「対数」増殖期細胞は、一般的に、log中期に採取される。
例えば、最大生存カウント値が1ml当たり1×1010である場合、「対数」増殖期細胞は、好ましくは、1ml当たり1×10〜1×109.5(より好ましくは1×10〜1×109.5)の生存カウントの値が達成されたときに採取される。M. tuberculosisの場合、これは、接種後約3〜10、好ましくは4〜7日である。
本発明の使用において、栄養飢餓のバッチファーメンター培養したマイコバクテリア細胞は、最大数の総生存カウントが達成された後の増殖期のある時点で培養容器から採取される。増殖期におけるこの時点は、少なくとも3日の生成時間を支持する連続培養条件下で模倣され得る。好ましい実施態様では、定常期マイコバクテリア細胞は、1mlの培養培地当たり生存カウントが、培養培地1mlあたりの最大数の生存カウントよりも、少なくとも0.5、好ましくは少なくとも1、より好ましくは少なくとも2 log単位まで低下している場合に、採取される。したがって、栄養飢餓細胞は、一般的に、定常期の中〜後期に採取される。
例えば、最大生存カウントが、1ml当たり1×1010である場合、定常期細胞は、好ましくは、生存カウント数が、1ml当たり少なくとも1×109.5、好ましくは少なくとも1×10、より好ましくは少なくとも1×10の生存細胞の値まで低下した場合に採取される。M. tuberculosisの場合、これは、接種後少なくとも約20日、好ましくは少なくとも30日、代表的には40〜50日である。少なくとも100日、さらには少なくとも150日もの、より長い接種後採取時間が用いられ得る。マイコバクテリアについては、一般的には、定常期の中〜後期細胞は、好ましくは、接種後少なくとも20日、好ましくは少なくとも30日、より好ましくは少なくとも40日に採取される。
マイコバクテリア培養に適切な培地は、Wayne, L.G. (1994)[Tuberculosis: Pathogenesis, Protection, and Control、the American Society for Microbiology発行, 73-83頁]に記載される。これらとしては、Middlebrook 7H9培地[Barker, L.P.ら (1998) Molec. Microbiol., 29巻(5), 1167-1177頁を参照のこと]および本出願人のWO00/52139が挙げられる。
バッチファーメンター培養方法の使用において、主要な炭素源(および好ましくは、主要なエネルギー源)の開始濃度は、少なくとも0.5g/l培養培地、好ましくは少なくとも1g/l培養培地である。このような濃度は、栄養飢餓ではないと考えられる。逆に、「栄養飢餓」条件は、0.5g/l培養培地未満、好ましくは0.2g/l培養培地未満、およびより好ましくは0.1g/l培養培地未満の主要な炭素およびエネルギー濃度に関連する。好ましい炭素およびエネルギー源は、グリセロールである。
好ましい実施態様では、グリセロールの培養開始濃度は、少なくとも1g/l培養培地、好ましくは1〜3g/l培養培地、より好ましくは約2g/l培養培地である。「栄養飢餓」条件の開始は、0.2g/l培養培地未満、好ましくは0.1g/l培養培地未満の濃度に関連する。
グルコース、ピルビン酸、および脂肪酸(例えば、パルミチン酸、および酪酸)などの他の主要な炭素およびエネルギー源が用いられ得る。これらの源は、グリセロールと実質的に同じ濃度で用いられ得る。
培養培地のpHは、好ましくはpH6〜8、より好ましくはpH6.5〜7.5、最も好ましくは約pH6.9に維持される。
1つの実施態様では、溶存酸素圧(DOT)は、培養プロセスを通して、少なくとも40%空気飽和、より好ましくは50〜70%空気飽和、最も好ましくは50%空気飽和に維持される。
溶存酸素圧パラメータは、酸素電極および従来の研究室技法によって算出される。したがって、100%空気飽和は、空気で飽和される溶液に対応するが、0%は、窒素のような不活性ガスで徹底的にパージされている溶液に対応する。較正は、標準大気圧条件下で行われ、37℃にて測定され、そして通常の空気は、約21%酸素を含む。
本発明の他の実施態様では、潜伏は、炭素および/またはエネルギー源飢餓と低DOTとの組み合わせによって誘導され得る。
好ましい実施態様では、DOTは、微生物培養がlog期の初〜中期に入るまで、少なくとも40%空気飽和、より好ましくは50〜70%空気飽和に維持される。次いで、DOTは、例えば、5または6日の期間にわたる増加が制限されるように、低下され得、そして培養物は、定常期細胞が採取されるまで、0〜10のDOT、好ましくは約5%のDOTに維持される。
本発明の炭素およびエネルギー飢餓ならびに最適低酸素圧潜伏誘導条件は、マイコバクテリアの天然のターゲットの生存環境において、潜伏期中に、インビボで通常発現される少なくとも1つの遺伝子の発現をマイコバクテリアに促す培養条件であり、この環境は、低炭素およびエネルギーならびに低酸素環境を含むと考えられる。
マイコバクテリアは、M. phlei、M. smegmatis、M. africanum、M. caneti、M. fortuitum、M. marinum、M. ulcerans、M. tuberculosis、M. bovis、M. microti、M. avium、M. paratuberculosis、M. leprae、M. lepraemurium、M. intracellulare、M. scrofulaceum、M. xenopi、M. genavense、M. kansasii、M. simiae、M. szulgai、M. haemophilum、M. asiaticum、M. malmoense、M. vaccae、およびM. shimoideiの種から選択される。MTCのメンバー、好ましくはM. tuberculosisが、特に重要である。
使用において、対数期条件に対して定常期条件下で少なくとも1.5倍までアップレギュレートされる遺伝子(すなわち、検出アッセイにおいてcDNAで表される遺伝子)を選択することが好ましい。より好ましい実施態様では、対応するアップレギュレーション選択基準は、少なくとも2倍、より好ましくは3倍、最も好ましくは4倍である。さらなる実施態様では、少なくとも10倍、好ましく50倍のアップレギュレーションレベルが用いられ得る。
本明細書全体を通して、用語ペプチドは、タンパク質と同義である。
ペプチドがマイコバクテリア潜伏に関連する、マイコバクテリアペプチド組成物の使用は、マイコバクテリアに感染した無症候性患者において潜伏マイコバクテリアをターゲティングするための優れたワクチン候補物を提供する。
用語「単離された」、「実質的に純粋」、および「実質的に均一」は、天然に随伴する成分から分離されているペプチドを記載するために交換可能に使用される。少なくとも約60〜75%の試料が単一ペプチド配列を示す場合、ペプチドは実質的に純粋である。実質的に純粋なペプチドは、代表的には約60〜90%w/wのタンパク質試料、より通常には約95%であり、そして好ましくは約99%以上純粋である。ペプチドの純度または均一性は、例えば、タンパク質試料のポリアクリルアミドゲル電気泳動、次いでゲルの染色での単一のポリペプチドバンドの可視化によって示され得る。あるいは、より高い分解能が、例えば、HPLCを用いることによって提供され得る。
ペプチドは、その天然の状態で随伴する夾雑物から分離される場合に、単離されたと考えられる。したがって、化学的に合成されるかまたは天然由来の細胞とは異なる細胞系で合成されるペプチドは、天然に随伴する成分を実質的に含まない。
本発明は、マイコバクテリアから精製され得るペプチド、ならびにこれらのペプチドをコードする組換え核酸で形質転換した他のタイプの細胞から精製され得るペプチドを提供する。
所望であれば、本発明のタンパク質のアミノ酸配列は、タンパク質配列決定法によって決定され得る。
用語「ペプチド」、「オリゴペプチド」、「ポリペプチド」、および「タンパク質」は、交換可能に使用され、そして特定の長さの産物をいうわけではない。これらの用語は、グリコシル化、アセチル化、およびリン酸化などの翻訳後改変を包含する。
用語「フラグメント」とは、誘導またはアップレギュレートされた問題の遺伝子の遺伝子産物であるペプチドの、少なくとも5、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも20、および最も好ましくは少なくとも35のアミノ酸残基を有するペプチドを意味する。フラグメントは、好ましくは、問題の遺伝子産物のエピトープを含む。
用語「改変体」とは、誘導またはアップレギュレートされた問題の遺伝子の遺伝子産物であるペプチドと、少なくとも70、好ましくは少なくとも80、より好ましくは少なくとも90パーセントのアミノ酸配列相同性を有するペプチドまたはペプチド「フラグメント」を意味する。「改変体」の例は、アミノ酸の1以上のアナログ(例えば、非天然アミノ酸)または置換された連結を含む、誘導/アップレギュレートされた遺伝子のペプチドまたはペプチドフラグメントである。用語「相同性」および「同一性」は、本明細書において同義と考えられる。さらなる実施態様では、「改変体」は、ペプチドまたはペプチドフラグメントの模倣物であり得、この模倣物は、ペプチドまたはペプチドフラグメントの少なくとも1つのエピトープを再生する。この模倣物は、例えば、核酸模倣物、好ましくはDNA模倣物であり得る。
配列比較について、代表的には、1つの配列は、参照配列として作用し、これに対してテスト配列が比較され得る。配列比較アルゴリズムを用いる場合、テストおよび参照配列は、コンピュータに入力され、次の座標が指定され、必要であれば、そして配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメータに基づいて、参照配列に対するテスト配列についての配列同一性のパーセンテージを算出する。
比較のための配列の最適アラインメントは、例えば、SmithおよびWaterman[Adv. Appl. Math. 2: 484 (1981)]の局所相同性アラインメントアルゴリズムによって、NeedlemanおよびWunsch[J. Mol. Biol. 48: 443 (1970)]のアルゴリズムによって、PearsonおよびLipman[Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85: 2444 (1988)]の類似性方法についての検索によって、これらのアルゴリズム(GAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA - Sequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology Center, 1710 University Avenue, Madison, Wis. 53705)のコンピュータ実行によって、または目視検査によって行われ得る[Current Protocols;Molecular Biology,F.M. Ausbelら編,Current Protocols, a joint venture between Greene Publishing Associates, Inc.およびJohn Wiley & Sons, Inc. (1995 Supplement) Ausbubelを参照のこと]。
配列類似性のパーセントを決定するために適切なアルゴリズムの例は、BLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズム[Altschul (1990) J. Mol. Biol. 215: 403-410頁;およびthe National Center for Biotechnology Informationの「http://www.ncbi.nlm.nih.gov/」を参照のこと]。
好ましい相同性比較において、同一性は、少なくとも10アミノ酸残基長である配列の領域にわたり存在する。
用語「誘導体」とは、誘導またはアップレギュレートされた問題の遺伝子の遺伝子産物であるペプチド(またはそのフラグメントもしくは改変体)を含むペプチドを意味する。したがって、誘導体は、問題のペプチド、および1以上の追加のエピトープを導入し得るさらなるペプチド配列を含み得る。
さらなるペプチド配列は、好ましくは、問題のペプチドの基本的なフォールディングおよびこのようなコンホメーション構造を妨害するべきではない。「誘導体」の例は、融合タンパク質、結合体、およびグラフトである。したがって、2以上のペプチド(またはフラグメントもしくは改変体)は、誘導体を形成するために一緒に連結され得る。あるいは、ペプチド(またはフラグメントもしくは改変体)は、関連のない分子(例えば、あるペプチド)に連結され得る。誘導体は、化学的に合成され得るが、代表的には組換え核酸方法によって調製される。脂質、および/または多糖、および/またはポリケチド成分などの追加の成分が含まれ得る。
すべての分子「フラグメント」、「改変体」、および「誘導体」は、共通の抗原性交差反応性、および/またはそれらが由来する誘導またはアップレギュレートされた問題の遺伝子の遺伝子産物と実質的に同じインビボ生物学的活性を有する。例えば、フラグメント、改変体、または誘導体に結合し得る抗体もまた、誘導またはアップレギュレートされた問題の遺伝子の遺伝子産物に結合し得る。フラグメント、改変体、または誘導体がそれぞれ、誘導またはアップレギュレートされた問題のペプチドであるペプチドの活性部位を有することが、好ましい特徴である。あるいは、本発明のペプチドの上記の実施態様のすべては、マイコバクテリア感染の抗原性成分に既に曝露されているTリンパ球の「再現応答(recall response)」を誘導する共通の能力を有する。
好ましい実施態様では、ペプチドは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、261、263、265、267、269、271、273、275、277、279、および281からなる群より選択される。
本発明の第2の局面によれば、発現がマイコバクテリア潜伏中に誘導またはアップレギュレートされるマイコバクテリア遺伝子を同定する方法が提供され、この方法は、
栄養飢餓でありそしてマイコバクテリア潜伏性を維持する培養条件下で、第1のマイコバクテリアを培養する工程であって、該条件が、接種後少なくとも20日間該第1のマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得る、工程;
栄養飢餓ではなくそして第2のマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件下で、第2のマイコバクテリアを培養する工程;
該第1および第2のマイコバクテリアから、第1および第2のmRNA集団をそれぞれ得る工程であって、該第1のmRNA集団が、接種後少なくとも20日間該第1のマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得る栄養飢餓条件下で培養された該第1のマイコバクテリアから得られ、そして該第2のmRNA集団が、栄養飢餓ではなくそして該第2のマイコバクテリアの対数増殖を支持する条件下で培養された該第2のマイコバクテリアから得られる、工程;
該第1および第2のmRNA集団から、第1および第2のcDNA集団をそれぞれ調製する工程であって、該cDNA調製中に、検出可能な標識が、該第1および第2のcDNA集団のcDNA分子に導入される、工程;
該第1および第2のcDNA集団から、対応する第1および第2のcDNA分子をそれぞれ単離する工程;
該単離された第1および第2のcDNA分子に存在する標識から放出される標識または対応するシグナルの相対量を比較する工程;
該単離された第2のcDNA分子によって提供されるよりも多い量の該単離された第1のcDNA分子によって提供される標識またはシグナルを同定する工程;および
該第1のcDNA、およびマイコバクテリア潜伏中に誘導またはアップレギュレートされる該対応するマイコバクテリア遺伝子を同定する工程、を含む。
本明細書全体を通して、遺伝子をいう場合、オープンリーディングフレーム(ORF)を包含する。
本発明の第1の局面について記載された種々の実施態様は、本発明の第2およびそれに続く局面に等しく適用する。
用語「第1および第2のcDNA集団からの対応する第1および第2のcDNA分子」とは、実質的に同じヌクレオチド配列を有するcDNAをいう。したがって、各培養条件(すなわち、対数期、および定常期)下で所定の遺伝子に関するcDNAコピーを単離することによって、各培養条件についての遺伝子のcDNAの相対コピー数を定量することが可能である。各cDNAコピーは、mRNA分子から生成されているので、cDNAコピー数は各培養条件についての対応するmRNAコピー数を反映し、したがって、誘導またはアップレギュレートされた遺伝子を同定することが可能である。
1つの実施態様では、第1および第2のcDNA分子は、特定のマイコバクテリア種のゲノム内の各公知の遺伝子(またはORF)を代表する固定化DNA配列を含むアレイとのハイブリダイゼーションによって、対応する第1および第2のcDNA集団から単離される。したがって、第1のcDNAは、両方のcDNAが同じ固定化DNA配列とハイブリダイズするならば、第2のcDNAに「対応する」と考えられる。
他の実施態様では、第1および第2のcDNAは、蛍光標識の組込みによって調製される。第1および第2のcDNAは、異なる波長で蛍光を発する標識を組み込み得、それによって2つのcDNA試料の二重蛍光および同時検出を可能にする。
天然に用いられる標識のタイプは、検出方法の出力が読まれる手段を決定する。蛍光標識を用いる場合、好ましくは、共焦点レーザースキャナーが用いられる。
1つの実施態様によれば、定常および対数期培養したシステムからの蛍光標識したcDNA配列は、マイコバクテリアゲノムアレイ全体とハイブリダイズすることが可能であった。第1のcDNA集団を、蛍光標識Aで標識し、そして第2のcDNA集団を、蛍光標識Bで標識した。アレイを、各染料の励起可能な極大に対応する2つの異なる波長でスキャンし、そして発光の強度を記録した。好ましくは、各cDNAについて複数のアレイを調製し、そして平均強度値を、各染料での各スポットについての2つのcDNA集団にわたって算出し、それに対する相対誘導またはアップレギュレーションを定量した。
上記mRNA単離およびcDNA調製および標識付けの他に、ゲノムDNAは、第1および第2のマイコバクテリアから単離され得る。したがって、好ましい実施態様では、標識されたDNAはまた、単離されたDNAから調製される。標識されたDNAは、次いで、コントロールとして各アレイ上に含まれ得る。
本発明の第3の局面によれば、マイコバクテリアペプチドのインヒビターが提供され、該ペプチドは、発現が、栄養飢餓ではなくそして該マイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされる遺伝子によってコードされ、該条件は、接種後少なくとも20日間のマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、該インヒビターは、該マイコバクテリアペプチドが本来有する生物学的効果を発揮することを抑制または阻害し得る。
このようなインヒビターは、マイコバクテリア潜伏の開始を抑制、またはその期間において急変を引き起こす(すなわち、再活性化を誘導する)ために用いられ得る。これに関して、マイコバクテリアは、非潜伏状態である場合には、治療法に対してより感受性であり、そして潜伏マイコバクテリア(例えば、TB)を殺すための薬物の組み合わせの使用は、新しい疾患の保有者をターゲティングすることによってマイコバクテリアの発生率を顕著に減少させ、それによって薬物耐性株の出現の問題を減少させる助けになる。
インヒビターは、ペプチド、炭化水素、合成分子、またはそのアナログであり得る。マイコバクテリアペプチドの阻害は、核酸レベル(すなわち、DNA、またはRNA)、またはペプチドレベルで行われ得る。したがって、インヒビターは、ペプチドに直接作用し得る。あるいは、インヒビターは、例えば、誘導またはアップレギュレートされたマイコバクテリア遺伝子の不活性化を引き起こすることによって、ペプチドに間接的に作用し得る。
好ましい実施態様では、インヒビターは、以下の1つ以上を阻害し得る:2−ニトロプロパンジオキシゲナーゼ、アセチルトランスフェラーゼ、酸化還元酵素、転写レギュレーター、アシルトランスフェラーゼ、UDP−グルコースデヒドロゲナーゼ、ホスホリボシルグリシンアミドホルミルトランスフェラーゼ、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエートオクタプレニル、gmc型酸化還元酵素、3−ヒドロキシイソ酪酸デヒドロゲナーゼ、メチルマロン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、デヒドロゲナーゼ、水銀レダクターゼ、グルタチオンレダクターゼ、ジヒドロリポアミド、トランスポゼース、プロリンイミノペプチダーゼ、プロリルアミノペプチダーゼ、キノロン流出ポンプ、グリシンベタイントランスポーター、ホスファチジルエタノールアミンN−メチルトランスフェラーゼ、カルコンシンターゼ2、スルホトランスフェラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、フマル酸レダクターゼフラビンタンパク質、8−アミノ−7−オキソノナン酸シンターゼ、アミノトランスフェラーゼクラスIIピリドキサールリン酸、バクテリオファージHK97プロヘッドプロテアーゼ、ペニシリン結合タンパク質、脂肪アシル−CoAラセマーゼ、ニトリロトリアセテートモノオキシゲナーゼ、ヒスチジンキナーゼ応答レギュレーター、ペプチダーゼ、LysR転写レギュレーター、除去酵素、オルニチンアミノトランスフェラーゼ、リンゴ酸酸化還元酵素、チオ硫酸結合タンパク質、エノイル−CoAヒドラターゼ、アシル−CoAシンセターゼ、メチルトランスフェラーゼ、シロヘムシンターゼ、透過酵素、グルタリル7−acaアシラーゼ、sn−グリセロール−3−リン酸輸送系透過酵素、エノイル−CoAヒドラターゼ/イソメラーゼ、アシル−CoAデヒドロゲナーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、シチジンデアミナーゼ、クロトナーゼ、脂質輸送タンパク質、アセチル−CoA C−アセチルトランスフェラーゼ、アミノトランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、および2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−ヒドロキシメチルジヒドロプテリンピロホスホキナーゼ。
さらなる実施態様では、インヒビターは、本発明によって同定可能な誘導またはアップレギュレートされたマイコバクテリア遺伝子、またはその遺伝子産物をターゲティングし得る抗生物質であり得る。抗生物質は、好ましくは、遺伝子および/または遺伝子産物に特異的である。
さらなる実施態様では、インヒビターは、遺伝子または遺伝子産物に作用し得、後者は、誘導またはアップレギュレートされた遺伝子と相互作用する。あるいは、インヒビターは、遺伝子またはその遺伝子産物に作用し得、そのとき、誘導またはアップレギュレートされた遺伝子の遺伝子産物が作用する。
本発明のインヒビターは、本明細書で提供される配列情報を利用して調製され得る。例えば、これは、ペプチドを過剰発現させ、ペプチドを精製し、次いで精製されたペプチドにおけるX線結晶解析を行うことによって、その分子構造が得られ得る。次に、ポリペプチドのすべてまたは一部あるいはその基質に類似する分子構造を有する化合物が生成される。次いで、この化合物は、ペプチドと組み合わされ、そしてペプチドに付着して1以上のその生物学的活性をブロックし得る。
低酸素圧下での誘導/アップレギュレーション(すなわち、ビルレンス)に関連する配列を含有するマイコバクテリア染色体の領域に結合する単離されたポリヌクレオチドまたは組換えポリヌクレオチドも、本発明の範囲に包含され、アンチセンスおよび三重鎖形成ポリヌクレオチドが挙げられる。本明細書で使用する場合、用語「結合」とは、水素結合または他の分子力によって媒介される、オリゴヌクレオチドとターゲットヌクレオチド配列との間の相互作用または複合体生成をいう。用語「結合」とは、より詳細には、塩基−塩基水素結合によって媒介される2つのタイプのヌクレオチド間結合をいう。第1のタイプの結合は、「ワトソン−クリック−タイプ」結合相互作用であり、これは、アデニン−チミン(またはアデニン−ウラシル)およびグアニン−シトシンの塩基対が、塩基間の水素結合によって形成される。このタイプの結合の例は、DNA二重らせんおよびRNA−DNAハイブリッドに伝統的に関連する結合であり;このタイプの結合は、通常は、ハイブリダイゼーション手順によって検出される。
第2のタイプの結合は、「三重鎖結合」である。一般的に、三重鎖結合とは、第3のポリヌクレオチド鎖と、ワトソン−クリック様式で既に対となっている二重鎖DNA(またはDNA−RNAハイブリッド)との、任意のタイプの塩基−塩基水素結合をいう。
好ましい実施態様では、インヒビターは、誘導可能またはアップレギュレート可能な遺伝子の少なくとも一部に相補的であるアンチセンス核酸配列であり得る。
使用するインヒビターは、核酸配列の形態である場合、少なくとも15ヌクレオチド、好ましくは少なくとも20ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも30ヌクレオチド、および最も好ましくは少なくとも50ヌクレオチドを含む。
本発明の第4の局面によれば、遺伝子によってコードされるペプチドに、または該ペプチドのフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体に結合する抗体が提供され、該遺伝子の発現は、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下でマイコバクテリアの培養中に誘導またはアップレギュレートされ、該条件は、接種後少なくとも20日間のマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得る。
抗体は、好ましくは、問題のペプチドに特異性を有し、そしてそこへの結合によって、マイコバクテリアのコーティングを開始し得る。細菌のコーティングは、好ましくは、そのオプソニン化を導く。これは、次には、細菌の破壊に至る。抗体が、ターゲティングされるマイコバクテリア(例えば、種および/または株)に特異的であることが好ましい。
使用する場合、抗体は、好ましくは、単離された形態で行われる。
抗体によるオプソニン化は、マクロファージにおけるレセプター媒介侵入および複製を抑制または調節することによって、食細胞および非食細胞におけるマイコバクテリアの細胞侵入および蔓延に影響し得る。
本発明のペプチド、フラグメント、改変体、または誘導体は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を含む抗体を産生するために使用され得る。ポリクローナル抗体が所望である場合は、選択された哺乳動物(例えば、マウス、ウサギ、ヤギ、ウマなど)に、免疫原性ポリペプチドを免疫する。免疫した動物からの血清を収集し、そして公知の手順に従って処理する。所望のマイコバクテリアエピトープに対するポリクローナル抗体を含む血清が、他の抗原に対する抗体を含む場合、ポリクローナル抗体は、イムノアフィニティークロマトグラフィーによって精製され得る。
あるいは、ハイブリドーマによってモノクローナル抗体を作成するための一般的方法論(例えば、細胞融合による不死化抗体産生細胞株の調製)、または他の技法(例えば、発癌性DNAでのBリンパ球の直接形質転換、またはエプスタイン−バーウイルスでのトランスフェクション)が用いられ得る。
本発明のこの局面に用いられる抗体は、任意の抗体イソタイプファミリーに属し得るか、あるいはその誘導体または模倣物であり得る。本明細書全体を通して抗体というときは、組換え産生抗体、およびマイコバクテリア抗原に結合し得る抗体の任意の部分を包含する。
1つの実施態様では、抗体は、IgG、IgM、またはIgAイソタイプファミリーに属する。
好ましい実施態様では、抗体は、IgAイソタイプファミリーに属する。本明細書全体を通してIgAイソタイプというときは、この抗体の分泌形態(すなわち、sIgA)を包含する。sIgAの分泌コンポーネント(SC)は、インビトロまたはインビボで付加され得る。後者の場合、患者の天然のSC標識機構の使用が用いられ得る。
1つの実施態様では、抗体は、MTCのメンバー由来のペプチド、好ましくはM. tuberculosisに対して惹起され得る。
好ましい実施態様では、抗体は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、261、263、265、267、269、271、273、275、277、279、281、ならびに該配列番号のフラグメント、改変体、および誘導体からなる群より選択されるペプチドに結合し得る。
さらなる実施態様では、抗原は、マイコバクテリア病原菌の露出したコンポーネントである。他の実施態様では、抗原は、マイコバクテリア病原菌の細胞表面コンポーネントである。
本発明の抗体は、ポリクローナル抗体であってもよいが、好ましくはモノクローナル抗体である。
いかなる理論にも縛られることはないが、マイコバクテリアがマクロファージに感染した後、マクロファージは殺され、そして病原菌が放出されることが可能である。この段階では、マイコバクテリアは、抗体攻撃に対して最も脆弱であると考えられる。したがって、本発明の抗体は、マクロファージの死後に放出された病原菌に作用し、そしてそれによって感染後効果を発揮することが可能である。
感染したマクロファージに潜伏しているマイコバクテリア病原菌上の抗原に対して本発明の抗体の接近性が増強されていることによって、本発明の受動防御局面(すなわち、抗体の送達)は容易になる。実際、acr発現は対数増殖中は低いが、定常期または酸素制限状態で増加し、特にマクロファージ内で複製する生物において増加する。acr発現はマイコバクテリア感染性に必要と考えられ、抗体結合は、そのオリゴマー構造の立体障害または破壊によってマクロファージへの感染をブロックし得ることが可能である。したがって、感染したマクロファージが殺され、放出されたマイコバクテリア病原菌に作用する抗体は、新鮮なマクロファージへの再感染の蔓延を妨害し得る。この仮説は、抗体と、感染後早期に作用する細胞傷害性T細胞(例えば、γδおよびNKT細胞)との間の相乗作用を含むが、後者は、CD8およびCD4細胞傷害性T細胞もまた含み得る。
本発明の第5の局面によれば、遺伝子が改変されてマイコバクテリアが実質的に非病原性になる弱毒化マイコバクテリアが提供される。この遺伝子は、栄養飢餓ではなくそして該マイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で、発現が誘導またはアップレギュレートされる遺伝子であり、該条件は、接種後少なくとも20日間のマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得る。
改変は、好ましくは、問題の遺伝子を不活性化し、そして好ましくは、マイコバクテリアを実質的に非病原性にする。
用語「改変された」とは、マイコバクテリアが潜伏状態で持続する能力を実質的に低下させる核酸または核酸配列の置換、欠失、または挿入などの任意の遺伝子操作をいう。1つの実施態様では、誘導可能またはアップレギュレート可能な遺伝子全体が欠失され得る。
好ましい実施態様では、改変されるべき遺伝子は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、262、264、266、268、270、272、274、276、278、280、および282からなる群より選択される野生型コード配列を有する。
上記野生型配列が、用いられるデータベースに依存してマイナーな改変を含み得ることが理解される。用語「野生型」は、問題の配列が天然にコード配列として存在することを示す。
本発明の第6の局面によれば、弱毒化微生物キャリアが提供され、これは、遺伝子によってコードされるペプチド、または該ペプチドのフラグメント、改変体、もしくは誘導体を含み、この遺伝子の発現は、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされ、該条件は、接種後少なくとも20日間のマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得る。
使用する場合、ペプチド(またはフラグメント、改変体、もしくは誘導体)は、このキャリアの表面に少なくとも部分的に露出するか、またはキャリアがインビボで分解されてペプチド(またはフラグメント、改変体、もしくは誘導体)の少なくとも一部が宿主の免疫系に曝露されるかのいずれかである。
好ましい実施態様では、弱毒化微生物キャリアは、弱毒化サルモネラ、弱毒化ワクシニアウイルス、弱毒化鶏痘ウイルス、または弱毒化M. bovis(例えば、BCG株)である。
好ましい実施態様では、ペプチドは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、261、263、265、267、269、271、273、275、277、279、および281からなる群より選択される。
本発明の第7の局面によれば、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、およびマイコバクテリア遺伝子のコード配列または該コード配列のフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体であるDNA配列を含むDNAプラスミドが提供され、この遺伝子の発現は、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされ、該条件は、接種後少なくとも20日間のマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、該プロモーターおよびポリアデニル化シグナルは、該DNA配列に作動可能に連結される。
本発明で使用される用語DNA「フラグメント」は、通常、少なくとも約5コドン(15ヌクレオチド)、より通常には少なくとも約7〜15コドン、および最も好ましくは少なくとも約35コドンを含む。このヌクレオチド数は、通常、このような配列と特異的にハイブリダイズする好ましいプローブに必要とされるほぼ最小長である。
好ましい実施態様では、DNA「フラグメント」は、対応する誘導/アップレギュレートされた遺伝子のコード配列の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、およびより好ましくは少なくとも80%であるヌクレオチド長を有する。
用語DNA「改変体」とは、誘導/アップレギュレートされた遺伝子のコード配列(またはそのフラグメント)と実質的に相同なまたは実質的に類似するDNA配列を意味する。核酸またはそのフラグメントは、他の核酸(またはその相補鎖)と(適切なヌクレオチド挿入または欠失とともに)最適にアラインした場合に、少なくとも約60%のヌクレオチド塩基、通常は少なくとも約70%、より通常には少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%、およびより好ましくは少なくとも約95〜98%のヌクレオチド塩基にヌクレオチド配列同一性があるならば、もう一方に「実質的に相同」(または「実質的に類似」)である。相同性決定は、ペプチドについて上記のように行われる。
あるいは、DNA「改変体」は、選択的ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし得る場合、誘導/アップレギュレートされた遺伝子のコード配列(またはそのフラグメント)と、実質的に相同(または実質的に類似)である。ハイブリダイゼーションの選択性は、ハイブリダイゼーションが生じる場合に存在し、全体的に特異性がない場合よりも実質的により選択的である。代表的には、少なくとも約14ヌクレオチドの長さにわたって少なくとも約65%、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約75%、および最も好ましくは少なくとも約90%の相同性がある場合に、選択的ハイブリダイゼーションが生じる。Kanehisa (1984) Nuc. Acids Res. 12: 203-213を参照のこと。上記のように、相同性比較の長さは、より長い長さにわたるものであり得、そしてある実施態様では、しばしば、少なくとも約17ヌクレオチド、通常は少なくとも約20ヌクレオチド、より通常には少なくとも約24ヌクレオチド、代表的には少なくとも約28ヌクレオチド、より代表的には少なくとも約32ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも約36以上のヌクレオチドの長さにわたる。
核酸ハイブリダイゼーションが、塩基組成、相補鎖の長さ、およびハイブリダイズしている核酸間のヌクレオチド塩基ミスマッチの数に加えて、塩濃度(例えば、NaCl)、温度、または有機溶媒のような条件によって影響を受けることは、当業者には容易に理解される。好ましくは、ストリンジェントな温度条件が用いられ、そして一般的には30℃超える、代表的には37℃を超える、および好ましくは45℃を超える温度を含む。ストリンジェントな塩条件は、普通には1000mM以下、代表的には500mM以下、および好ましくは200mM以下である。pHは、代表的には7.0〜8.3である。しかし、パラメータの組み合わせは、任意の単一のパラメータの基準よりも非常に重要である。例えば、WetmurおよびDavidson (1968) J. Mol. Biol. 31: 349-370を参照のこと。
用語DNA「誘導体」とは、誘導/アップレギュレートされた遺伝子のコード配列に対応するDNA配列(またはそのフラグメントもしくは改変体)およびコード配列に対応するDNA配列とは天然には随伴しない追加のDNA配列を含む、DNAポリヌクレオチドを意味する。上記のペプチド誘導体についてのコメントもまた、DNA「誘導体」に適用される。「誘導体」は、例えば、栄養飢餓中に誘導されるマイコバクテリアオペロンの2以上のコード配列を含み得る。したがって、コード配列間の非コード領域の存在または不在に依存して、このような「誘導体」の発現産物は、融合タンパク質、または個々のコード領域によってコードされる別々のペプチド産物であり得る。
上記の用語DNA「フラグメント」、「改変体」、および「誘導体」は、互いに共通して、得られるペプチド産物が対応する野生型ペプチドと実質的に同じ交差反応性抗原性特性を有する。好ましくは、本発明の上記DNA分子実施態様のペプチド産物のすべては、野生型ペプチドにも結合する抗体と結合する。あるいは、上記のペプチド産物のすべては、マイコバクテリア感染の抗原性成分に既に曝露されているTリンパ球の「再現応答」を誘導し得る。
プロモーターおよびポリアデニル化シグナルは、好ましくは、遺伝子が真核生物細胞中で発現されることを確実にするように選択される。強力なプロモーターおよびポリアデニル化シグナルが好ましい。
関連の局面では、本発明は、本発明のDNA配列または該DNA配列のフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体によってコードされる単離されたRNA分子を提供する。
「単離された」RNAは、目的の配列と天然に随伴する他のマイコバクテリア成分(例えば、リボソーム、ポリメラーゼ、ならびにDNAおよび他の染色体配列のような他のマイコバクテリアポリヌクレオチド)から実質的に分離されるRNAである。
上記RNA分子は、例えば、ワクチン成分のような宿主細胞に直接導入され得る。
あるいは、RNA分子は、投与前にRNAベクターに組込まれ得る。
本発明のポリヌクレオチド配列(DNAおよびRNA)としては、その天然に存在する環境から取り出されている核酸配列、および組換えまたはクローン化DNA単離物、および化学的に合成されたアナログまたは異種系によって生物学的に合成されたアナログが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「組換え体」とは、その起源または操作によって、(1)天然に随伴するポリヌクレオチドのすべてまたは一部と随伴しない;または、(2)天然に連結される以外のポリヌクレオチドに連結される;および(3)天然に存在しない、ゲノム、cDNA、半合成、または合成起源のポリヌクレオチドを意図する。この人工的な組み合わせは、しばしば、化学合成手段、あるいは核酸の単離されたセグメントの人工的な操作(例えば、遺伝子操作技法)のいずれかによって達成される。通常この操作は、コドンを、同じまたは保存的アミノ酸をコードする重複コドンで置換することが行われるが、代表的には、配列認識部位を導入または除去する。あるいは、機能の所望の組み合わせを生成するために所望の機能の核酸セグメントを一緒に連結することが行われる。
本発明の実施態様では、ポリヌクレオチドは、栄養飢餓条件下で誘導またはアップレギュレートされるペプチド(またはそのフラグメント、改変体、もしくは誘導体)をコードし得る。核酸は、その天然の状態でまたは操作された場合に、転写および/または翻訳されて、ペプチド(またはそのフラグメント、改変体、もしくは誘導体)を生成し得るならば、ペプチドを「コードする」という。このような核酸のアンチセンス鎖も、ペプチド(またはそのフラグメント、改変体、もしくは誘導体)をコードするという。
目的のポリヌクレオチドを含む発現ベクターも、本発明の範囲内に意図される。発現ベクターは、一般的には、適切な転写および翻訳調節エレメントに作動可能に連結されるペプチドをコードする、複製可能なポリヌクレオチド構築物である。発現ベクターに通常含まれる調節エレメントの例は、プロモーター、エンハンサー、リボソーム結合部位、ならびに転写および翻訳開始および終止配列である。これらの調節エレメントは、翻訳される配列に作動可能に連結される。核酸配列は、他の核酸配列と機能的関連に配置される場合、作動可能に連結される。例えば、プロモーターがその転写または発現に影響を及ぼすならば、プロモーターは、コード配列に作動可能に連結される。一般的に、作動可能に連結されるとは、連結されているDNA配列が連続的であり、そして2つのタンパク質のコード領域を連結することが必要な場合、連続的かつリーディングフレーム内であることを意味する。ビルレンス因子をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターに用いられる調節エレメントは、発現に用いられる宿主細胞において機能的である。
本発明のポリヌクレオチドは、当該技術分野で公知の任意の手段によって調製され得る。例えば、大量のポリヌクレオチドは、適切な宿主細胞中で複製によって産生され得る。所望のフラグメントをコードする天然または合成DNAフラグメントは、原核生物または真核生物細胞に導入およびそこで複製し得る、組換え核酸構築物、代表的には、DNA構築物に組込まれる。通常は、DNA構築物は、単細胞宿主(例えば、酵母または細菌)中での自律複製に適切であるが、培養された昆虫、哺乳動物、植物、または他の真核生物の細胞株のゲノム内への導入および組込みも意図され得る。
本発明のポリヌクレオチドはまた、例えば、ホスホルアミダイト法またはトリエステル法によって、化学合成によって生成され得、そして市販の自動オリゴヌクレオチド合成機で合成され得る。二本鎖フラグメントは、相補鎖を合成しそして適切な条件下でこの鎖を一緒にアニールすること、または適切なプライマー配列とともにDNAポリメラーゼを用いて相補鎖を加えることのいずれかによって、化学合成の一本鎖産物から得られ得る。
原核生物または真核生物宿主ヘの導入のために調製されるDNA構築物は、代表的には、宿主によって認識される複製システムを含み、これは、所望のペプチドをコードする目的のDNAフラグメントを含み、そして好ましくは、ポリペプチドコードセグメントに作動可能に連結される転写および翻訳開始調節配列も含む。発現ベクターは、例えば、複製起点または自律複製配列(ARS)および発現調節配列、プロモーター、エンハンサー、ならびに必要なプロセシング情報部位、例えば、リボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、転写終止配列、およびmRNA安定化配列を含み得る。選択した宿主細胞から分泌されるポリペプチド由来の分泌シグナルも、適切である場合、含まれ得、したがって細胞膜にタンパク質を交差および/または留まらせ、したがって、その機能的トポロジーを獲得しまたは細胞から分泌される。
適切なプロモーターおよび他の必要なベクター配列は、宿主中で機能的であるように選択され、そして、適切である場合、マイコバクテリア遺伝子と天然に随伴する配列を含み得る。trp、lac、およびファージプロモーターのようなプロモーター、tRNAプロモーター、ならびに解糖系酵素プロモーターは、原核生物宿主で使用され得る。有用な酵母プロモーターとしては、メタロチオネイン、3−ホスホグリセレートキナーゼ、または他の解糖系酵素(例えば、エノラーゼまたはグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ)、マルトースおよびガラクトース利用に寄与し得る酵素などについてのプロモーター領域が挙げられる。
適切な非天然哺乳動物プロモーターとしては、SV40由来の初期および後期プロモーター、またはマウスモロニー白血病ウイルス、マウス乳癌ウイルス、トリ肉種ウイルス、アデノウイルスII、ウシパピローマウイルス、またはポリオーマ由来のプロモーターが挙げられ得る。さらに、構築物は、増幅可能な遺伝子(例えば、DHFR)に連結され得、そのため遺伝子の複数のコピーが作成され得る。
このような発現ベクターは自律複製し得るが、これらは、好ましくは、宿主細胞のゲノムに挿入されることによってはあまり複製され得ない。
発現およびクローニングベクターは、好ましくは、選択可能マーカー、すなわち、ベクターで形質転換される宿主細胞の生存または増殖に必要なタンパク質をコードする遺伝子を含む。この遺伝子の存在は、挿入物を発現する宿主細胞のみの増殖を確実にする。代表的な選択遺伝子は、(a)抗生物質または他の毒性物質、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセートなどに耐性を与える;(b)栄養欠失を補う;または(c)複合培地から利用可能でない重要な栄養を供給する、タンパク質をコードする(例えば、バシラス属についてのD−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子)。適切な選択可能マーカーの選択は、宿主細胞に依存する。
目的の核酸を含むベクターは、インビトロで転写され得、そして得られるRNAは宿主細胞に(例えば、注入によって)導入され得るか、あるいは、ベクターは、細胞宿主のタイプに依存して異なる方法によって宿主細胞に直接導入され得、これらの方法としては、エレクトロポレーション;塩化カルシウム、塩化ルビジウム、リン酸カルシウム、DEAE−デキストラン、または他の物質を用いるトランスフェクション;マイクロインジェクタイルボンバードメント;リポフェクション;感染(ここではベクターは、レトロウイルスゲノムのような感染性因子である)が挙げられる。上記の核酸が導入されている細胞は、このような細胞の子孫も包含することを意味する。
本発明の大量の核酸およびペプチドは、適合可能な原核生物または真核生物宿主細胞においてベクターまたは他の発現ベヒクル中で核酸またはその一部を発現させることによって調製され得る。最も一般的に用いられる原核生物宿主は、Escherichia coliの株であるが、Bacillus subtilisまたはシュードモナス属のような他の真核生物も使用され得る。
哺乳動物または他の真核生物宿主細胞、例えば、酵母、糸状菌、植物、昆虫、両生類、鳥類の種の細胞もまた、本発明のタンパク質の産生に有用であり得る。培養物中における哺乳動物細胞の増殖は、それ自体周知である。通常用いられる哺乳動物宿主細胞株の例は、VEROおよびHeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、およびWI38、BHK、およびCOS細胞株であるが、例えば、より高発現、所望のグリコシル化パターンを提供するために、他の細胞株が適切であり得る。
クローンは、ベクター構築物の態様に依存してマーカーを使用することによって選択される。マーカーは、同じまたは異なるDNA分子、好ましくは同じDNA分子上にあり得る。形質転換体は、スクリーニングされ、あるいは、好ましくは、当業者に周知の任意の手段によって、例えば、アンピシリン、テトラサイクリンのような抗生物質への耐性によって、選択され得る。
本発明のポリヌクレオチドは、例えば、形質転換、形質導入、およびエレクトロポレーションを含む、当該技術分野で公知の任意の手段によって、宿主細胞に挿入され得る。本明細書で使用する場合、「組換え宿主細胞」、「宿主細胞」、「細胞」、「細胞株」、「細胞培養物」、および微生物または単細胞体として培養された高等真核生物細胞株を示す他のこのような用語は、組換えベクターまたは他のトランスファーDNAについてのレシピエントとして使用され得るまたは使用されている細胞をいい、そして形質転換されている元の細胞の子孫を包含する。単一の親細胞の子孫は、天然、偶然、または意図的な変異のため、形態学的にまたはゲノムもしくはDNA相補物全体において、元の親と必ずしも完全に同一でなくてもよいことが理解される。本明細書で使用する場合、「形質転換」とは、挿入に使用される方法、例えば、直接取り込み、形質導入、f−接合、またはエレクトロポレーションにかかわらず、宿主細胞への外因性ポリヌクレオチドの挿入をいう。外因性ポリヌクレオチドは、非組込みベクター、例えば、プラスミドとして維持され得るか、あるいは、宿主細胞ゲノム中に組込まれ得る。
1つの実施態様では、DNAプラスミドまたはRNAベクターは、ペプチドでのチャレンジ後に免疫応答に特異的である免疫系の成分をコードし得、該ペプチドは、栄養飢餓中に、および必要に応じて酸素飢餓中に誘導またはアップレギュレートされるマイコバクテリア遺伝子によってコードされる。
このような成分の例は、誘導またはアップレギュレートされる遺伝子のペプチド産物に対する抗体である。したがって、1つの実施態様では、核酸配列(例えば、DNAプラスミドまたはRNAベクター)は、問題の抗体をコードする。
第8の局面は、マイコバクテリア感染を治療または予防するための医薬品の製造における、本発明の上記の局面、すなわち、ペプチドまたはそのフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体、インヒビター、抗体、弱毒化マイコバクテリア、弱毒化微生物キャリア、誘導またはアップレギュレートされたマイコバクテリア遺伝子のコード配列であるDNA配列または該コード配列のフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体、該DNA配列を含むDNAプラスミド、該DNA配列(DNAフラグメント、改変体、誘導体を含む)によってコードされるRNA配列、および/または該RNA配列を含むRNAベクターの使用を提供する。
用語「予防する」とは、マイコバクテリア感染の重篤度/強度、またはその開始を減少させることを包含する。
用語「治療する」とは、マイコバクテリア感染の感染後治療および改善を包含する。
関連の局面では、マイコバクテリア感染の治療または予防方法が提供され、この方法は、ペプチドまたはそのフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体、インヒビター、抗体、弱毒化マイコバクテリア、弱毒化微生物キャリア、誘導またはアップレギュレートされたマイコバクテリア遺伝子のコード配列であるDNA配列または該コード配列のフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体、該DNA配列を含むDNAプラスミド、該DNA配列によってコードされるRNA配列、および/または該RNA配列を含むRNAベクターからなる群より選択される医薬品(すなわち、本発明の上記の局面)を患者に投与する工程を包含する。
本発明のペプチドのエピトープの免疫原性は、例えば、B型肝炎表面抗原と結合されるような粒子形成タンパク質と融合または会合される、哺乳動物または酵母系においてペプチドを調製することによって増強され得る。ワクチンは、本発明の1以上の免疫原性ペプチドから調製され得る。
代表的には、このようなワクチンは、溶液または懸濁液のいずれかとして注射可能薬物として調製され;注射前に溶液または懸濁液とするのに適切な固体形態も調製され得る。調製物はまた、乳化され得、あるいはペプチドはリポソーム中にカプセル化される。活性な免疫原性成分は、しばしば、薬学的に受容可能でありそして活性成分と適合可能な賦形剤と混合される。適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩液、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、およびそれらの組み合わせである。さらに、所望であれば、ワクチンは、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、および/またはワクチンの効果を増強するアジュバントなどの少量の補助物質を含み得る。効果的であり得るアジュバントの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:水酸化アルミニウム、N−アセチル−ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(CGP 11637、nor−MDPという)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(CGP 19835A、MTP−PEという)、およびRIBI(これは、2%スクワレン/Tween(登録商標)80エマルジョン中に、細菌から抽出された3つの成分、モノホスホリルリピドA、トレハロースジミコール酸、および細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS)を含む)。
ワクチンは、従来どおり、注射によって、例えば、皮下または筋肉内のいずれかに、非経口投与される。他の態様の投与に適切であるさらなる処方物としては、坐剤、およびある場合には、経口処方物、またはエアロゾルのような分布に適切な処方物が挙げられる。坐剤については、伝統的な結合剤およびキャリアとして、例えば、ポリアルキレングリコールまたはトリグリセリドが挙げられ得;このような坐剤は、0.5%〜10%、好ましくは1%〜2%の範囲で活性成分を含む混合物から形成され得る。経口処方物は、例えば、医薬品用のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどのような通常用いられる賦形剤を含む。これらの組成物は、液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、徐放性処方物、または粉剤の形態をとり、そして10%〜95%、好ましくは25%〜70%の活性成分を含む。
ペプチドは、中性または塩形態としてワクチン中に処方され得る。薬学的に受容可能な塩としては、酸付加塩(ペプチドの遊離アミノ基とともに形成される)が挙げられ、そしてこれは、例えば、塩酸またはリン酸のような無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸などのような有機酸とともに形成される。遊離のカルボキシル基と形成される塩も、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または水酸化第二鉄のような無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどのような有機塩基から誘導され得る。
ワクチンは、投与処方物と適合可能な様式で、および予防的および/または治療的に有効な量で投与される。投与されるべき量は、一般的には、用量あたり5μgから250μg抗原の範囲であるが、治療されるべき被験者、被験者の免疫系が抗体を合成する能力、および所望の防御の程度に依存する。投与に必要とされる活性成分の正確な量は、主治医の判断に依存し、そして各被験者に特有であり得る。
ワクチンは、単回投与スケジュールで、好ましくは多回投与スケジュールで投与され得る。多回投与スケジュールは、ワクチン接種の初回のコースは1〜10の別々の投与量であり得、次いで免疫応答を維持およびまたは再強化するために必要なその後の時間間隔で他の投与が行われ、例えば、2回目の投与については1〜4カ月目であり、必要ならば、数カ月後にその後の1または複数回の投与が行われる。投与方法はまた、少なくとも一部は、個体の必要性によって決定され、そして主治医の判断に依存する。
さらに、1または複数の免疫原性マイコバクテリア抗原を含むワクチンは、他の免疫調節剤(例えば、免疫グロブリン)および抗生物質とともに投与され得る。
医薬品は、従来の経路、例えば、静脈内、腹腔内、鼻内経路によって投与され得る。
抗体含有組成物を投与する結果は、感染の部位への抗体の伝搬の効率に依存し得る。マイコバクテリア呼吸器感染(例えば、M. tuberculosis感染)の場合、これは、肺への抗体の効率的な伝搬によって容易にされ得る。
1つの実施態様では、医薬品は、鼻内(i.n.)に投与され得る。この送達の態様は、M. tuberculosis感染の送達の経路に対応し、そして、抗体送達の場合、抗体が感染部位に存在して、細菌が細胞内に入る前および細胞間に広がる期間中にも、細菌と戦うことを確実にする。
鼻内組成物は、100〜5000μm、好ましくは500〜4000μm、より好ましくは1000〜3000μmの範囲のおおよその直径を有する液滴形態で投与され得る。あるいは、容量では、液滴は、0.001〜100μl、好ましくは0.1〜50μl、より好ましくは1.0〜25μlのおおよその範囲である。
鼻内投与は、鼻液滴を塗布することによって、または鼻噴霧によって達成され得る。
鼻液滴の場合、液滴は、代表的には、約1000〜3000μmの直径および/または1〜25μlの容量を有し得る。
鼻噴霧の場合、液滴は、代表的には、約100〜1000μmの直径および/または0.001〜1μlの容量を有し得る。
抗体のi.n.送達後、肺への通過は、粘膜分泌の逆流によって容易にすることが可能であるが、気道における粘膜繊毛作用は、粘液内の粒子を肺から取り除くと考えられる。肺洗浄における比較的長い持続、胆汁からの速いクリアランス、およびいくつかの抗体の唾液ヘの輸送の欠損は、粘膜部位特異的なメカニズムの役割を示唆する。
異なる実施態様では、医薬品は、エアロゾル処方物で送達され得る。エアロゾル処方物は、粉剤、懸濁剤、または液剤の形態をとり得る。
エアロゾル粒子のサイズは、エアロゾルの送達能力に関連する1つの因子である。したがって、より小さい粒子は、より大きな粒子よりも、肺胞に向かって気道をさらに下方へ移動し得る。1つの実施態様では、エアロゾル粒子は、気管支、細気管支、および肺胞の全長に沿った送達を容易にするための直径分布を有する。あるいは、粒子サイズ分布は、気道の特定の部分、例えば、肺胞をターゲティングするために選択され得る。
エアロゾル粒子は、噴霧吸入器または鼻噴霧によって送達され得る。
医薬品のエアロゾル送達の場合、粒子は、0.1〜50μm、好ましくは1〜25μm、より好ましくは1〜5μmのおおよその範囲の直径を有し得る。
本発明の医薬品のエアロゾル処方物は、必要に応じて、噴射剤および/または界面活性剤を含み得る。
患者に投与されるべき液滴のサイズを本発明の所定の範囲に制御することによって、肺胞への不用意な抗原送達を回避/最小化し、したがって、肺の炎症および線維形成瘢痕化のような肺胞に関連する病理学的問題を回避できる。
i.n.ワクチン接種は、鼻および気管支関連粘膜組織におけるTおよびB細胞の両方が媒介するエフェクターメカニズムに適合し、これは、他の粘膜関連リンパ様組織とは異なる。
鼻内経路の投与によって誘起される防御メカニズムとしては、優先的な肺ホーミングを有するTリンパ球の活性化;共刺激性分子、例えば、B7.2のアップレギュレーション;および/またはマクロファージまたは分泌性IgA抗体の活性化が挙げられ得る。
抗原の鼻内送達によって、粘膜抗体応答が容易に誘起され得るが、これは、T細胞応答における抗体産生を助けるTh2表現型へのシフトによる。粘膜応答は、増強されたIgA産生によって特徴づけられ、そしてTh2応答は、増強されたIL−4産生によって特徴づけられる。
マイコバクテリア抗原の鼻内送達は、抗原を呼吸器系の粘膜下B細胞にターゲティングさせる。これらのB細胞は、哺乳動物において主要な局所IgA産生細胞であり、そして鼻内送達は、マイコバクテリア抗原に対するこれらの細胞によるIgA産生の迅速な増加を容易にする。
1つの実施態様では、マイコバクテリア抗原を含む医薬品の投与は、IgA抗体産生を刺激し、そしてIgA抗体は、マイコバクテリア抗原に結合する。他の実施態様では、粘膜および/またはTh2免疫応答が刺激される。
他の実施態様では、モノクローナル抗体は、特に、抗イディオタイプ抗体を惹起するために使用され得る。抗イディオタイプ抗体は、防御が所望される感染性因子の抗原の「内部イメージ」を有する免疫グロブリンである。これらの抗イディオタイプ抗体も、マイコバクテリア感染の治療、ワクチン接種、および/または診断に有用であり得る。
本発明の第9の局面によれば、本発明のペプチド(そのフラグメント、改変体、および誘導体を含む)およびそれに結合する抗体は、生物学的試料において、マイコバクテリアに対する抗体の存在、またはビルレンスに関連する抗原の存在を検出するためのイムノアッセイに有用である。イムノアッセイの設計は、非常に多くのバリエーションがあり、そして多くの形式が当該技術分野で知られている。イムノアッセイは、本発明のペプチドに由来する少なくとも1つのエピトープを利用し得る。1つの実施態様では、イムノアッセイは、このようなエピトープの組み合わせを使用する。これらのエピトープは、同じまたは異なる細菌のペプチドに由来し得、そして別々の組換えまたは天然のペプチド中に、あるいは同じ組換えペプチド中に一緒に存在し得る。
イムノアッセイは、例えば、1または複数のビルレンス関連ペプチドエピトープに対する1つのモノクローナル抗体、1つのマイコバクテリア抗原の複数のエピトープに対するモノクローナル抗体の組み合わせ、複数の異なるマイコバクテリア抗原のエピトープに対する複数のモノクローナル抗体、同じ抗原に対する複数のポリクローナル抗体、または複数の異なる抗原に対する複数のポリクローナル抗体を使用し得る。プロトコルは、例えば、競合、または直接反応、またはサンドイッチタイプアッセイに基づき得る。プロトコルはまた、例えば、固体支持体を使用し得、あるいは免疫沈降によるものであり得る。ほとんどのアッセイは、標識された抗体またはポリペプチドの使用を包含し;標識は、例えば、酵素、蛍光、化学発光、放射活性、または染料分子であり得る。プローブからのシグナルを増幅するアッセイも公知であり;その例は、ビオチンおよびアビジン、ならびにELISAアッセイのような酵素で標識および媒介されるイムノアッセイを利用するアッセイである。
代表的には、ペプチドに対する1または複数の抗体についてのイムノアッセイは、生物学的試料のような抗体を含むと思われるテスト試料を選択および調製する工程、次いで抗原−抗体複合体を形成することが可能な条件下で1または複数の抗原性(すなわち、エピトープ含有)ペプチドと共に試料をインキュベートする工程、およびこのような複合体の形成を検出する工程を包含する。イムノアッセイは、標準または競合タイプであり得る。
ペプチドは、代表的には、インキュベーション後に試料とペプチドとの分離を容易にするために固体支持体に結合されている。使用され得る固体支持体の例は、ニトロセルロース(例えば、メンブランまたはマイクロタイターウェル形態で)、ポリ塩化ビニル(例えば、シートまたはマイクロタイターウェルで)、ポリスチレンラテックス(例えば、ビーズまたはマイクロタイタープレートで)、ポリフッ化ビニリデン(Immulonとして公知)、ジアゾ化紙、ナイロンメンブラン、活性化ビーズ、およびプロテインAビーズである。例えば、Dynatech Immulonマイクロタイタープレートまたは60mm直径のポリスチレンビーズ(Precision Plastic Ball)が使用され得る。抗原性ペプチドを含む固体支持体は、代表的には、テスト試料からの分離後、および結合した抗体の検出の前に、洗浄される。
抗体を含む形成された複合体(または、競合アッセイの場合は、競合抗体の量)は、形式に応じて、公知の多くの技法のいずれかによって検出される。例えば、複合体中の非標識抗体は、標識(例えば、酵素標識)と複合体化した抗異種Igの結合体を用いて検出され得る。
ペプチドが被分析物であるイムノアッセイでは、テスト試料、代表的には生物学的試料は、抗原−抗体複合体の形成を可能にする条件下でペプチドに対する抗体と共にインキュベートされる。テスト前に生物学的試料を処理して、推定される細菌成分を放出させることが望ましい。種々の形式が用いられ得る。例えば、「サンドイッチアッセイ」が用いられ得、ここでは、固体支持体に結合された抗体は、テスト試料とともにインキュベートされ;洗浄され;被分析物に対する第2の標識された抗体とともにインキュベートされ、そして支持体は再度洗浄される。被分析物は、第2の抗体が支持体に結合されるかどうかを測定することによって検出される。競合形式では、テスト試料は、通常、抗体とともにインキュベートされ、そして標識された競合抗原も、連続的にまたは同時にインキュベートされる。
適切な容器にパッケージされた、本発明の1以上のペプチド、または該ペプチドに対する1以上の抗体、および緩衝液を含むイムノアッセイキットも、本発明の実施態様として包含される。
本発明で使用する場合、「生物学的試料」とは、個体から単離された組織または液体の試料をいい、例えば、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚、呼吸器管、腸管、および泌尿生殖器管の外切片、涙液、唾液、乳汁、血液細胞、腫瘍、器官、ならびにインビトロ細胞培養構成物の試料(細胞培養培地中の細胞の増殖から得られる馴化培地、推定ウイルス感染細胞、組換え細胞、および細胞構成成分が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。
関連の診断アッセイにおいて、本発明は、マイコバクテリア感染を検出するための核酸プローブを提供する。
主剤として本発明のポリヌクレオチドを使用して、約8ヌクレオチド以上のオリゴマーが、組換えポリヌクレオチドからの切り出しによってまたは合成によってのいずれかで調製され得、これは、マイコバクテリア配列とハイブリダイズし、そしてマイコバクテリアの同定に有用である。プローブは、誘導またはアップレギュレートされた配列のハイブリダイゼーションによる検出を可能にする長さである。6〜8ヌクレオチドは活用可能な長さであり得るが、10〜12ヌクレオチドの配列が好ましく、そして少なくとも約20ヌクレオチドが最適なようである。これらのプローブは、自動化オリゴヌクレオチド合成方法を含むルーチンの方法を用いて調製され得る。プローブとしての使用には、完全な相補性が望ましいが、フラグメントの長さが増加するにつれて、必ずしも必要であり得ない。
このようなプローブの診断剤としての使用について、血液または血清のような分析されるべき生物学的試料は、所望であれば、それが含まれる核酸を抽出するために処理され得る。試料から得られた核酸は、ゲル電気泳動または他のサイズ分離技法に供せられ得;あるいは、核酸試料はサイズ分離せずにドットブロットされ得る。プローブは通常標識される。適切な標識、およびプローブを標識するための方法は、当該技術分野で公知であり、そして例えば、ニックトランスレーションまたはキナーゼ操作によって組込まれる放射性標識、ビオチン、蛍光プローブ、および化学発光プローブが挙げられる。次いで、試料から抽出された核酸は、適切なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下で、標識されたプローブで処理される。
プローブは、ビルレンスをコードするポリヌクレオチドに完全に相補的になり得る。したがって、通常の高ストリンジェンシーの条件は、偽陽性を防止するために所望される。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、ハイブリダイゼーション中および洗浄手順中の、温度、イオン強度、時間の長さ、およびホルムアミドの濃度を含む多くの因子によって決定される。
ハイブリダイゼーションアッセイにおいて増幅技法を使用することが所望であり得る。このような技法は当該技術分野で公知であり、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技法が挙げられる。
プローブは、診断キット中にパッケージングされ得る。診断キットは、標識され得るプローブDNAを含み;あるいは、プローブDNAは非標識であり得、そして標識用の成分が別々の容器でキットに含まれ得る。キットはまた、特定のハイブリダイゼーションプロトコルに必要な他の適切なパッケージングされた試薬および材料、例えば、標準薬、ならびにテストを行うための指示書を含み得る。
好ましい実施態様では、本発明のペプチド(またはフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体)は、患者においてTリンパ球がマイコバクテリア感染の抗原性成分に既に曝露されているTリンパ球の存在を検出するための診断アッセイに使用される。
より詳細には、特定の抗原に既に曝露されているTリンパ球は、同じ抗原によるその後のチャレンジで活性化される。この活性化は、マイコバクテリア感染の陽性診断を同定するための手段を提供する。逆に、同じ活性化は、特定の抗原にまだ曝露されていないTリンパ球によっては達成されない。
Tリンパ球の上記の「活性化」は、時々、「再現応答」といい、そして例えば、活性化したTリンパ球からのインターフェロン(例えば、IFN−γ)の放出を測定することによって測定され得る。したがって、患者におけるマイコバクテリア感染の存在は、本発明のペプチド(またはフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体)でのTリンパ球のインビトロチャレンジ後の所定の時間後の、Tリンパ球からの最小濃度のインターフェロンの放出によって決定され得る。
使用する場合、Tリンパ球を含む生物学的試料は患者から採取され、次いで本発明のペプチド(またはそのフラグメント、改変体、または誘導体)でチャレンジされる。
上記Tリンパ球診断アッセイは、問題の患者によって発現される少なくとも1つの主要組織適合複合体(MHC)クラスII分子を発現する抗原提示細胞(APC)を含み得る。APCは、生物学的試料中に元から提供され得、または外因的に添加され得る。1つの実施態様では、Tリンパ球は、CD4 Tリンパ球である。
実施例1−マイコバクテリアの培養
2つの別のマイコバクテリア培養方法を用いて、マイコバクテリア潜伏中にアップレギュレートまたは誘導される遺伝子を研究した。
モデル1−好気の栄養飢餓条件下でのマイコバクテリア持続性のインビトロモデル
材料および方法

M. tuberculosisの代表的な株である、M. tuberculosis H37Rv株(NCTCカタログ番号7416)を用いて研究を行った。ストック培養物を、Middlebrook 7H10+OADC中で37±2℃にて3週間増殖させた。
培養培地
持続性培養を、Middlebrook ADC富化、0.2%Tween(登録商標)80、および0.2%グリセロールを追加したMiddlebrook 7H9培地中で樹立した(表1)。Millepore水精製システムで得た高品質水を用いて培地を調製し、そして0.1μm孔サイズの酢酸セルロースメンブランフィルターカプセル(Sartorius Ltd.)の通過によって濾過滅菌した。pHを、濃塩酸で6.6に調整した。
Middlebrook 7H10+OADC寒天を用いて、接種培養物を調製し、試料中の培養可能な細菌の数を計数し、そして培養純度を評価した。
培養システム
発明者らは、これまでに、制御および規定された条件下でのマイコバクテリアの培養のためのプロセスを開発した(特許出願番号PCT/GB00/00760(WO00/52139))。発明者らは、マイコバクテリア持続性の以下の研究のために、バッチファーメンターとして操作されるこの培養システムを使用した。
培養実験を、1リットルのガラス容器中で行い、750mlの使用容量で操作した。容器の下に配置したマグネチックスターラーに連動する培養容器中に入れたマグネチックバーによって培養液を攪拌した。トッププレート中の密封部分を通して培養液中に挿入したセンサープローブを連結したAnglicon Microlab Fermentation System(Brighton Systems, Newhaven)を用いて、培養条件を連続的にモニターした。酸素濃度を、ガルバーニ酸素電極(Uniprobe, Cardiff)によってモニターし、そして空気と酸素を含まない窒素との混合物を培養液に吹き込むことによって制御した。温度を、Anglicon温度プローブによってモニターし、そして培養容器の下に配置した加熱パッドによって維持した。培養pHを、Ingold pH電極(Mettler-Toledo, Leicester)を用いて測定した。
接種および培養
容器を750mlの滅菌培養培地で満たし、そしてパラメータを、37℃±2℃、pH6.9±0.3、および約70%空気飽和の溶存酸素圧で安定化させた。37±2℃にて3週間増殖させたMiddlebrook寒天培地培養物を滅菌脱イオン水に再懸濁させることによって高密度接種懸濁液を調製した。種菌を、培養容器に無菌的に植菌して、540nmで約0.25の初期培養濁度とした。
培養物を、500〜750rpmの攪拌速度で37℃にて維持した。溶存酸素圧を、培養液へのスパージングによって50〜70%空気飽和に維持した。初期培養pHを、約6.7にセットし、そして実験全体を通してモニターした。
培養を50日間維持し、そして試料を規則的に取り出して、増殖および生存、栄養利用、ならびに遺伝子発現をモニターした。
増殖および生存
細菌増殖および生存を、特定の時点で培養システム中の生存細胞の数を測定することによって評価した。これを、滅菌水で10分の1希釈系列の試料を調製し、そしてMiddlebrook 7H10+OADCプレート上に100μlアリコートをプレーティングすることによって行った。4週間まで、プレートを37℃にてインキュベートし、形成されたコロニー数を計数した。
栄養利用
グリセロールは、主要な炭素およびエネルギー源であり、ADC、0.2%Tween、および0.2%グリセロールを含むMiddlebrook 7H9培地に存在する。グリセロールが利用される割合は、Glycerol Determination Kit、カタログ番号148 270、Boehringer Mannheimを用いて測定した。
マイクロアレイ実験
RNAを、実験期間中の種々の時点で採取した培養試料から抽出した。次いで、蛍光標識したcDNAを、RNAの各試料から転写した。cDNAを、Cy3またはCy5のいずれかで標識したdCTP(染料は、Amersham Pharmacia Biotechにより供給される)の組込みによって標識した。
M. tuberculosisゲノム全体のアレイを、ORF特異的プライマーを用いてM. tuberculosisゲノムDNAから調製した。各ORFに対応するPCR産物を、標準顕微鏡ガラススライド上のグリッドに、BioRobotics microgridロボット(MWG Biotech)を用いて4000スポット/cmより高い分解能でスポットした。
各マイクロアレイ実験において、全ゲノムのアレイを、1つの培養試料からの標識したcDNAとハイブリダイズした(テスト試料)。各アレイをまた、異なるCy染料を組込んでいるコントロールDNAとハイブリダイズし、そしてM. tuberculosis H37Rv株から抽出したDNAから調製した(コントロール試料)。
各アレイを、各染料の励起極大に対応する2つの異なる波長でスキャンし、そして発光強度を記録した。テストおよびコントロール試料についての強度値の割合を、各アレイについて決定した。
スライドを、Affymetrix 428スキャナーを用いてスキャンした。最初に、生データをImaGeneソフトウエアによって分析した。次いで、スキャンしたイメージをGeneSpringとして公知の他のソフトウエアパッケージに移して、各遺伝子の発現を分析した。
結果
接種後、培養物は、対数増殖に入り、そして接種後10日目まで指数関数的に増殖し続けた(図1を参照のこと)。対数増殖の停止は、主要な炭素およびエネルギー源であるグリセロールの枯渇と一致した(図2を参照のこと)。培養が定常期に入ると、生存力が下降し始め、そして研究期間にわたり絶えず下降し続けた。定常期の40日後、約1%の培養物が、Middlebrook寒天上でなお培養可能であった。
5日目および50日目に採集した試料についての遺伝子発現プロファイルを比較した。各試料について3つのアレイを調製し、テストおよびコントロール試料についての強度値の割合を、各アレイについて決定した。
2つの異なるアプローチを用いて、データを分析した:
1.各試料について調製した3つのアレイについての値の割合を平均化しそして比較した。5日目よりも50日目において3倍高い強度割合を生じた遺伝子を選択した;
2.各アレイからのデータを、別々のデータセットとして処理し、そして自己組織化マップを用いて、5日目に対して50日目に3つのアレイすべてにおいて一貫してアップレギュレートされたすべての遺伝子を選択した。
次いで、2つのデータセットを比較して、そして対数増殖の5日目に対して、50日目に少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも3倍アップレギュレートされ、そして3つのアレイ(実験)すべてにおいて一貫してアップレギュレートされる遺伝子を、選択した。同定した配列(タンパク質、次いで核酸)を表2に示す。
モデル2−低酸素および栄養飢餓条件下でのマイコバクテリア持続性のインビトロモデル
低酸素アベイラビリティーおよび栄養飢餓を刺激した第2のモデルも開発した。このモデルは、上記のモデル1に沿うように組み立てたが、以下の改変を有する。
接種後、培養物の溶存酸素圧(DOT)を、培養物が初期対数増殖に入るまで37℃にて約40%空気飽和に維持した。次いで、DOTを、6日間かけて1%空気飽和まで低下させた。次いで、培養物を、接種後50日まで0〜5%のDOTで維持した。試料を、分析用に採集し、そして同定した配列(タンパク質、次いで核酸)を表2に示す。
Figure 2005508613
実施例2−マイクロアレイ分析のためのM. tuberculosisからのRNA抽出
材料および方法
Trizol(Life Technologies)−これは、フェノールおよびチオシアン酸グアニジンの処方物である。
GTC溶解溶液−これは、5Mのチオシアン酸グアニジン、0.5%のN−ラウリルサルコシン、25mMのクエン酸三ナトリウム、0.1Mの2−メルカプトエタノール、および0.5%のTween(登録商標)80を含む。
クロロホルム
イソプロパノール
3M 酢酸ナトリウム
70% エタノール
マイクロ遠心機
リボライザー(ribolyser)。
滅菌プラスチック製品−Falconチューブ、スクリューキャップ付きエッペンドルフ、ギルソンチップ−これらはすべてRNaseを含まない。
ガラス製品−これは、160℃にて少なくとも16時間焼いた。
方法
封じ込めレベル3で行われる工程;クラスIIIの微生物安全キャビネット内である。
10または20mlの培養物(109/ml)を取り出し、そしてこれをすぐにプラスチック試料ポット中の4容量のGTC溶解緩衝液に添加する。ポットを堅く密封する。
GTC溶解緩衝液中の細胞を室温にて1時間インキュベートする。5%のHycolinで5分間プラスチックポットの表面の汚染を除去する。試料をパスボックスに移し、そして密封可能な蓋を有するプラスチックの運搬用容器に入れる。容器を確実に閉じ、そしてこれを非毒性キャビネットであるCL3キャビネットに移す。
溶解混合物をFalconチューブに等しく分配する。これらのチューブを遠心分離バケットに入れ、そしてバケットを堅く密封する。5%のHycolinで5分間バケットの表面の汚染を除去する。次いで、これらを遠心分離機(Baird and Tatlock Mark IV冷却ベンチトップ遠心分離機)に移す。チューブを3,000rpmにて30分間回転させる。
未開封のバケットをキャビネットに戻す。遠心チューブを取り出し、そして上清をGTC溶解緩衝液用の廃棄瓶に注ぐ。
各ペレットを1mlのTrizol(フェノールおよびGTCの処方物、カタログ番号15596-026)に再懸濁する。製造業者のガイドラインは、繰り返しのピペット操作によって細胞を溶解することを推奨する。この動作のみではM. tuberculosisを溶解しないが、Trizol中にペレットを完全に再懸濁させるためには重要である。
1mlの細胞をFastRNAチューブに移し、そしてパワーセッティング6.5にて45秒間、細胞をリボライズ(ribolyse)する。
チューブを室温にて5分間インキュベートさせる。
チューブから水層を取り出し、そしてこれをスクリューキャップ付きのエッペンドルフチューブ中の200μlのクロロホルムに添加する。各チューブを約15秒間激しく振盪する。室温にて2〜3分間インキュベートする。
チューブを13,000rpmにて15分間回転させる。遠心分離後、液体は、赤いフェノール/クロロホルム相、界面、および澄明な水相に分離する。
水相を注意深く取り出し、そしてこれを500μlのクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を含む新鮮なエッペンドルフチューブに移す。このチューブを、13,000rpmにて15分間回転させる。
水相を、50μlの酢酸ナトリウムおよび500μlのイソプロパノールを含むエッペンドルフチューブに移す。
エッペンドルフチューブを5%のHycolinで5分間表面の汚染を除去する。チューブをCL3研究室か取り出し、そして研究室157で手順を続ける。
封じ込めレベル2で行われる工程:
RNAを−70℃にて少なくとも30分間沈殿させる−この工程は一晩行われ得る。
沈殿したRNAを13,000rpmにて10分間回転させて落とす。上清を除去し、そしてペレットを70%エタノールで洗浄する。遠心分離を繰り返す。
70%エタノールを除去し、そしてペレットを空気乾燥させる。ペレットを、RNAseを含まない水に溶解させる。
RNAを−70℃にて凍結させて保存する。
実施例3−ケモスタット培養で増殖したMycobacterium tuberculosisからのゲノムDNAの単離。次いで、Cy3またはCy5標識したDNAを生成し、マイクロアレイ実験におけるコントロールとして使用する。
材料および方法
0.5mmの直径のビーズ
ビーズビーター
ベンチトップ遠心分離機
プラットホームロッカー
熱ブロック
Falcon 50ml遠心チューブ
Sorvall RC-5C遠心分離機
250mlポリプロピレン遠心分離ポット
スクリューキャップ付きのエッペンドルフチューブ
1ml、200μl、10ml、5mlのピペット。
破壊緩衝液
50mM Tris HCl pH8.0
10mM EDTA
100mM NaCl。
手順
M. tuberculosis細胞の機械的破壊
150mlのケモスタット細胞(540nmで2.5のO.D.)を、遠心分離機Sorvall RC-5Cを用いて250mlポリプロピレンポット中で15,000rpmにて15分間回転させて落とす。
上清を捨てる。
細胞を、50ml Falconチューブ中の5mlの破壊緩衝液に再懸濁し、そして15,000rpmにてさらに15分間遠心分離する。
上清を除去し、そしてさらなる破壊緩衝液を5mlの容量で添加する。ビーズを用いて細胞を破砕する。これらは、1mlの細胞に対して1mlのビーズの量で使用される。試料を適切なサイズのチャンバー中に置く。ビーズビーター中に置き、そして(氷を含む)外側のユニットを確実にし、そして所望のスピードで30秒間処理する。
ビーズを10分間沈殿させ、そして細胞ライセートを50mlのFalcon遠心チューブに移す。
ビーズ上で洗浄緩衝液をピペットで上下させることによって、2〜5mlの破壊緩衝液でビーズを洗浄する。
この洗浄溶液を、Falconチューブ中のライセートに添加する。
タンパク質および細胞成分の除去
0.1容量の10%SDSおよび0.01容量のプロテイナーゼKを添加する。
反転によって混合し、そして熱ブロック中で55℃にて2〜3時間加熱する。
得られる混合物は均一かつ粘性であるべきである。そうでないならば、0.2%までの濃度になるようにさらにSDSを添加する。
25/24/1の比のフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールの等容量を添加する。
プラットホームロッカー上で均一になるまで穏やかに混合する。
3,000rpmにて20分間回転して落とす。
水相を取り出し、そして新鮮なチューブに入れる。
水相を等容量のクロロホルムで抽出して、ごく少量の細胞破砕物およびフェノールを除去する。クロロホルム抽出は、すべての破砕物を除去するまで繰り返す必要があり得る。
0.3M酢酸ナトリウムおよび等容量のイソプロパノールでDNAを沈殿させる。
ガラス棒でできるだけ多くのDNAを巻き取る。
巻き取ったDNAを70%エタノール、次いで100%エタノールで洗浄する。
空気乾燥させる。
滅菌脱イオン水(500μl)にDNAを溶解する。
DNAを4℃にて約16時間溶解させる。
溶解したDNAにRNase1(500U)を添加する。
37℃にて1時間インキュベートする。
等容量のフェノール/クロロホルムで再抽出し、次いでクロロホルム抽出し、上記のように沈殿させる。
13,000rpmにてDNAを回転して落とす。
上清を除去し、そして70%エタノールでペレットを洗浄する。
空気乾燥させる。
200〜500μlの滅菌水に溶解する。
実施例4−DNAからのCy3またはCy5で標識されたDNAの調製
a)マイクロアレイスライド当たり1つのCy3または1つのCy5で標識されたDNA試料を調製する。
各試料:
DNA 2〜5μg
ランダムプライマー(3μg/μl) 1μl
水 41.5μlにする。
95℃にて5分間加熱し、氷上で急激に冷却し、そして短時間遠心分離する。
それぞれに以下のものを加える:
10×REact 2緩衝液....................5μl
dNTP(5mM dA/G/TTP、2mM dCTP).......... 1μl
Cy3またはCy5 dCTP...............1.5μl
クレノウ(5U/μl)...................1μl
暗所で37℃にて90分間インキュベートする。
b)スライドをプレハイブリダイズする
コプリンジャー(Coplin jar)中でプレハイブリダイゼーション溶液を混合し、そして標識付け反応が平衡化する間、65℃にてインキュベートする。
プレハイブリダイゼーション:20×SSC....8.75ml(3.5×SSC)
20%SDS..................250μl(0.1%SDS)
BSA(100mg/ml)..............5ml(10mg/ml)
水......................50mlにする。
マイクロアレイスライドを、予め加熱したプレハイブリダイゼーション溶液中で65℃にて20分間インキュベートする。スライドを、400mlの水中で1分間全体的にリンスし、次いで400mlのプロパン−2−オール中で1分間リンスし、そしてスライドを、50mlの遠心チューブ中で1,500rpmにて5分間遠心分離して乾燥させる。スライドを暗所の無塵ボックスでハイブリダイゼーションまで保存する(1時間未満)。
c)Cy3/Cy5標識したDNAを精製する−Qiagen MinElute Purification
Cy3およびCy5で標識したDNA試料を1つのチューブに合わせ、そして500μlの緩衝液PBを添加する。
コレクションチューブ中でMinEluteカラムにかけ、そして13,000rpmにて1分間遠心分離する。
フロースルーを捨て、そして同じコレクションチューブ中にMinEluteカラムを戻して配置する。
MinEluteカラムに500μlの緩衝液PEを添加し、そして13,000rpmにて1分間遠心分離する。
フロースルーを捨て、そして同じコレクションチューブ中にMinEluteカラムを戻して配置する。
MinEluteカラムに250μlの緩衝液PEを添加し、そして13,000rpmにて1分間遠心分離する。
フロースルーを捨て、そして同じコレクションチューブ中にMinEluteカラムを戻して配置する。
13,000rpmにてさらに1分間遠心分離して、残りのエタノールを取り出す。
新鮮な1.5mlチューブ中にMinEluteカラムを配置する。
メンブランの中心に10.5μlの水を添加し、そして1分間放置する。
13,000rpmにて1分間遠心分離する。
実施例5−RNAからのCy3またはCy5で標識されたcDNAの調製
a)マイクロアレイスライド当たり1つのCy3および1つのCy5で標識されたcDNA試料を調製する
各試料:
RNA 2〜10μg
ランダムプライマー(3μg/μl) 1μl
水 11μlにする。
95℃にて5分間加熱し、氷上で急激に冷却し、そして短時間遠心分離する。
それぞれに以下のものを加える:5IFirst Strand Buffer..5μl
DTT(100mM).....................2.5μl
dNTP(5mM dA/G/TTP、2mM dCTP)....2.3μl
Cy3またはCy5 dCTP...............1.7μl
SuperScript II(200U/μl)............... 2.5μl。
暗所で25℃にて10分間、次いで暗所で42℃にて90分間インキュベートする。
b)スライドをプレハイブリダイズする
コプリンジャー(Coplin jar)中でプレハイブリダイゼーション溶液を混合し、そして標識付け反応が平衡化する間、65℃にてインキュベートする。
プレハイブリダイゼーション:
20×SSC..................8.75ml(3.5×SSC)
20%SDS..................250μl(0.1%SDS)
BSA(100mg/ml)..............5ml(10mg/ml)
水......................50mlにする。
マイクロアレイスライドを、予め加熱したプレハイブリダイゼーション溶液中で65℃にて20分間インキュベートする。スライドを、400mlの水中で1分間全体的にリンスし、次いで400mlのプロパン−2−オール中で1分間リンスし、そしてスライドを、50mlの遠心チューブ中で1500rpmにて5分間遠心分離して乾燥させる。スライドを暗所の無塵ボックスでハイブリダイゼーションまで保存する(1時間未満)。
c)Cy3/Cy5標識したcDNAを精製する−Qiagen MinElute Purification
Cy3およびCy5で標識したDNA試料を1つのチューブに合わせ、そして250μlの緩衝液PBを添加する。
コレクションチューブ中でMinEluteカラムにかけ、そして13,000rpmにて1分間遠心分離する。
フロースルーを捨て、そして同じコレクションチューブ中にMinEluteカラムを戻して配置する。
MinEluteカラムに500μlの緩衝液PEを添加し、そして13,000rpmにて1分間遠心分離する。
フロースルーを捨て、そして同じコレクションチューブ中にMinEluteカラムを戻して配置する。
MinEluteカラムに250μlの緩衝液PEを添加し、そして13,000rpmにて1分間遠心分離する。
フロースルーを捨て、そして同じコレクションチューブ中にMinEluteカラムを戻して配置する。
13,000rpmにてさらに1分間遠心分離して、残りのエタノールを取り出す。
新鮮な1.5mlチューブ中にMinEluteカラムを配置する。
メンブランの中心に10.5μlの水を添加し、そして1分間放置する。
13,000rpmにて1分間遠心分離する。
実施例6−スライドをCy3/Cy5で標識されたcDNAとハイブリダイズする
プレハイブリダイズしたマイクロアレイスライドをハイブリダイゼーションカセット中に置き、そしてカセット中のウェルに水の15mlアリコートを2回添加する。再懸濁したCy3/Cy5標識したcDNA試料を、ハイブリダイゼーション溶液と混合する。
ハイブリダイゼーション:Cy3/Cy5標識したcDNA試料..10.5ml
20×SSC.......................3.2ml(4×SSC)
2%SDS.......................2.3ml(0.3%SDS)。
ハイブリダイゼーション溶液を95℃にて2分間加熱する。氷上で急激に冷却しないが、徐々に冷却し、そして短時間遠心分離する。気泡形成を避けながらスライド上のアレイされた領域の端にハイブリダイゼーション溶液をピペットで載せる。ピンセットを用いて、カバーグラスの端をスライドの表面に沿って、アレイされた領域の方へ、およびアレイの端のハイブリダイゼーション溶液中に、注意深くドラッグする。一旦決まった位置に置くとさらなる移動を避けながら、カバーグラスをアレイ上に注意深く下げる。ハイブリダイゼーションカセットを密封し、そして60℃の水浴中に16〜20時間沈める。
スライドを洗浄する。
ハイブリダイゼーションカセットからマイクロアレイスライドを取り出し、そして最初に、Wash Aの染色トラフ中でスライドを注意深く洗浄して、カバーグラスを除去する。一旦カバーグラスをスライドラック中のスライドの位置に移動し、そしてWash A中でさらに2分間攪拌を続ける。
Wash A:
20×SSC........20ml(1×SSC)
20%SDS........1ml(0.05%SDS)
水............400mlにする。
スライドをクリーンなスライドラックに移し、そしてWash Bの第1のトラフ中で2分間攪拌する。Wash Bの第2のトラフ中で2分間攪拌しながら洗浄する。
Wash B(×2):20×SSC.......1.2ml(0.06×SSC)
水...........400mlにする。
スライドを50mlの遠心チューブに入れ、そして1500rpmにて5分間遠心分離して、スライドを乾燥させ、次いでScanArray 3000二重レーザー共焦点スキャナーを用いて蛍光をスキャンし、データを分析した。
実施例7−アレイの調製
ORF特異的プライマーを用いて、PCR増幅した産物を、M. tuberculosisゲノムDNAから調製した。ゲノムの各遺伝子を示す。これらを、標準的な顕微鏡ガラススライド上のグリッドに、BioRobotics microgridロボット(MWG Biotech)を用いて4000スポット/cmより高い分解能でスポットした。
実施例8−スキャンニングおよびデータの分析
スライドを、Affymetrix 428スキャナーを用いてスキャンした。
2つのcDNA試料の同時検出を可能にする二重蛍光を用いる。アレイの出力を、共焦点レーザースキャナー(MWG Biotech製のAffymetrix 428スキャナー)を用いて読み取る。より詳細な情報は、ウェブサイトwww.sghms.ac.uk/depts/medmicro/bugs;Mujumdar, R.B. (1993) Bioconjugate Chemistry, 4(2), 105-111頁;Yu, H. (1994) Nucl. Acids Res. 22, 3226-3232頁;およびZhu, Z. (1994) Nucl. Acids Res. 22, 3418-3422頁で見られ得る。
生データを、最初に、スキャナーとともに供給されるImaGeneとして公知のソフトウエアで分析した。次いで、スキャンしたイメージを、GeneSpringとして公知の他のソフトウエアパッケージに移した。これは、非常に強力なツールであり、多くのデータベースから情報を引き出して、各遺伝子の発現の完全な分析を可能にする。
実施例9−免疫原性を保持しながらビルレンスを減弱させるためにM. tuberculosis由来の1以上の遺伝子を欠失させる
同定されている1以上の遺伝子は、対立遺伝子交換を用いて破壊され得る。簡単に言えば、目的の遺伝子を、いずれかの側に隣接する1〜2kbのDNAを用いてクローニングし、そしてコード領域の一部の欠失およびハイグロマイシンなどの抗生物質耐性マーカーの挿入によって不活性化する。
次いで、操作したフラグメントを、適切な自殺ベクター(例えば、pPR23)に移し、そしてM. tuberculosisの野生型親株を形質転換する。抗生物質耐性株について選択することによって、変異体を回収する。遺伝子型分析(目的の遺伝子に特異的なフラグメントとのサザンブロッティング)を、選択した株で行って、遺伝子が破壊されていることを確認する。
次いで、変異株を研究して、表現型における遺伝子破壊の影響を決定する。これをワクチン候補物として使用するために、弱毒化されたビルレンスを証明することが必要である。これは、モルモットまたはマウスのいずれかの感染モデルを用いて行われ得る。動物に、変異体株を感染させ、そして疾患の進行を、種々の器官、特に、肺および脾臓において、感染後の、代表的には16週までの特定の時点で、細菌負荷を測定することによりモニターする。
種々の器官において非常に高い細菌負荷を有すべき野生型株に感染した動物に対して比較を行う。長期生存研究および組織病理学も、ビルレンスおよび病原性を評価するために使用し得る。
一旦弱毒化したビルレンスが樹立すると、防御および免疫原性研究を行って、この株のワクチンとしての可能性を評価し得る。対立遺伝子交換およびTB変異体の調製に適切な参考文献は、McKinneyら、2000およびPelicicら、1997[1、2]である。
実施例10−本発明により同定可能な、免疫原性であるタンパク質をコードする1以上の遺伝子を選択し、そしてその全体の免疫原性を増強するためにBCGまたはM. tuberculosisの弱毒化株にそれらの遺伝子を導入する
目的の遺伝子を、PCRによってM. tuberculosisゲノムから増幅する。増幅した産物を精製し、そしてプラスミド(pMV306)にクローニングする。このプラスミドは、マイコバクテリアゲノム中のマイコバクテリオファージL5の付着部位(attB)に部位特異的に組込まれる[3]。
BCGを、エレクトロポレーションによってプラスミドに形質転換する。この方法は、高電圧電気パルスで細胞エンベロープを傷害し、その結果、DNAの取り込みを生じさせる工程を含む。プラスミドは、attB部位でBCG染色体中に組込まれ、安定な組換え体を生成する。組換え体を選択し、そしてPCRまたはサザンブロッティングによってチェックして、遺伝子が組込まれていることを確認する。次いで、組換え体株を、防御研究に用いる。
実施例11−TB遺伝子を発現および提示させるための、弱毒化サルモネラ菌およびワクシニアウイルスなどの組換えキャリアの使用
このタイプのアプローチの最良の例の1つは、改変ワクシニアウイルスAnkara(MVA)の使用である[4]。目的の遺伝子を、ワクシニアウイルスシャトルベクター、例えば、pSC11にクローニングする。次いで、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞を、野生型MVAで感染させ、そして組換えシャトルベクターで形質転換する。次いで、組換えウイルスを、適切な選択マーカーおよびウイルスプラークを用いて選択し、そして選択および精製する。
組換えウイルスは、通常、初回ブースト方法の一部として送達され、そこでは動物を、最初に、構成的プロモーターの制御下で目的のTB遺伝子をコードするDNAワクチンでワクチン接種する。目的の遺伝子を有する組換えMVAを少なくとも2週間後に動物に投与することによって、免疫応答をブーストする。
実施例12−単一ペプチド/タンパク質またはタンパク質の組み合わせを含むサブユニットワクチン
1以上のペプチドまたはタンパク質を有するサブユニットワクチンを調製するために、まず第1に、ワクチンを調製するためのタンパク質またはペプチドの供給を得ることが必要である。現在まで、マイコバクテリア研究において、これは、主として、TB培養物から目的のタンパク質を精製することによって行われてきた。しかし、目的の遺伝子をクローニングしそして組換えタンパク質を産生することがより一般的になっている。
目的の遺伝子のコード配列を、N末端およびC末端に挿入した制限部位を用いてPCRによって増幅して、pET-15bのようなタンパク質発現ベクター中へのインフレームでのクローニングを可能にする。遺伝子を、lacZのような誘導性プロモーターの下流に挿入する。次いで、ベクターを、培養により増殖するE. coliに形質転換する。組換えタンパク質を過剰発現させ、そして精製する。
普通の精製方法の1つは、N末端のHisタグを有する組換えタンパク質を産生することである。次いで、タンパク質をNi-NTAカラム上で金属イオンに対するHisタグの親和性に基づいて精製し得、その後Hisタグを切断する。次いで、適切なアジュバント中の精製したタンパク質を、動物に投与する[5]。
実施例13−1以上の同定された遺伝子を有するプラスミドDNAワクチン
特定の遺伝子をコードするDNAを、PCRによって増幅し、精製し、そしてpVAX1のようなワクチン開発のために開発された特殊ベクターに挿入する。これらのベクターは、真核生物細胞において導入されたDNA(候補抗原をコードする)の強力な発現を指示するプロモーター配列(例えば、CMVまたはSV40プロモーター)、およびmRNA転写物を安定化するためのポリアデニル化シグナル(例えば、SV40またはウシ成長ホルモン)を含む。
ベクターをE. coliに形質転換し、そして形質転換体を、プラスミドによってコードされるカナマイシン耐性のようなマーカーを用いて選択する。次いで、プラスミドを、形質転換したコロニーから回収し、そして配列決定して、目的の遺伝子が存在しそしてPCRで生じた変異なく正確にコードされることをチェックする。
次いで、大量のプラスミドをE. coliで産生し、そしてプラスミドを回収しそして市販のキット(例えば、Qiagen Endofree-plasmid preparation)を用いて精製する。次いで、ワクチンを、アジュバントの存在または不在下で、例えば、筋肉内注射によって、動物に投与する。
実施例14−DNA発現ベクターの調製
DNAワクチンは、細菌プラスミドにクローニングした本発明の核酸配列からなる。DNAワクチンの調製には、通常、プラスミドベクターpVAX1を使用する。このベクターは、E. coliにおける高コピー数複製、およびほとんどの哺乳動物細胞における目的のペプチドの高レベル一過性発現を容易にするように設計される(詳細については、pVAX1についての製造業者のプロトコルを参照のこと(カタログ番号V260-20、www.invitrogen.com))。
ベクターは、以下のエレメントを含む:
種々の哺乳動物細胞における高レベル発現のためのヒトサイトメガロウイルス前初期(CMV)プロモーター
センス配向でのインビトロ転写および挿入物全体の配列決定を可能にするT7プロモーター/プライミング部位
有効な転写終止およびmRNAのポリアデニル化のためのウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナル
E. coliにおける選択のためのカナマイシン耐性遺伝子
マルチクローニング部位
E. coliにおける高コピー数複製および増殖のためのpUC起点
挿入物全体の配列決定を可能にするためのBGH逆プライミング部位。
ベクターは、標準的な組換え技法を用いて調製し得、これは当該技術分野で公知であり、例えば、Sambrookら(1989)である。ワクチンの調製において重要な段階は、以下のとおりである。
目的の遺伝子をマルチクローニング部位の1つによってpVAX1にライゲートする。
次いで、ライゲーション混合物をコンピテントE. coli株(例えば、TOP10)に形質転換し、そして50μg/mlのカナマイシンを含むLBプレートを用いて形質転換体を選択する。
クローンを選択し、そして配列決定して目的の遺伝子の存在および配向を確認し得る。
一旦遺伝子の存在が確認されると、ベクターを用いて、タンパク質発現についてチェックするために哺乳動物細胞株をトランスフェクトし得る。トランスフェクションのための方法は当該技術分野で公知であり、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム法、およびリポフェクションが挙げられる。
一旦ペプチド発現が確認されると、適切な細胞宿主、例えば、E. coliで大量のベクターを産生し、そして精製し得る。
pVAX1は、宿主染色体に組込まれない。組込みの可能性を最小にするためにすべての非必須配列が除去されている。特定のベクターを構築する場合、真核生物細胞内で発現される場合にコードされたタンパク質の分泌を指示するために、リーダー配列が含まれ得る。
使用されている他のベクターの例は、V1Jns.tPAおよびpCMV4である(Lefevreら、2000およびVordermeierら、2000)。
宿主のゲノムに組込まれる発現ベクターが使用され得るが、組み込まれないベクターを使用することが、より通常でありそしてより好ましい。pVAX1の例は組込まれない。組込みは、他の問題を生じる遺伝学的に改変された宿主を生成する。
実施例15−RNAワクチン
米国特許第5,783,386号の15頁で議論されるように、1つのアプローチは、宿主に直接RNAを導入することである。
したがって、ベクター構築物(実施例10)は、インビトロでRNAを生成し、次いで精製されたRNAを宿主に注入するために使用され得る。次いで、RNAは、宿主細胞における翻訳のテンプレートとして用いる。組込みは起こらない。
他の選択肢は、目的の遺伝子に対応するRNAを有するレトロウイルスゲノムのような感染性因子を使用することである。ここでは、宿主ゲノムへの組込みが起こる。
他の選択肢は、シンドビスウイルスまたはセムリキ森林熱ウイルスのようなウイルスベクターに由来し得るRNAレプリコンワクチンの使用である。これらのワクチンは、自己複製および自己制限しており、そしてRNAまたはDNAのいずれかとして投与されて、次いでインビボでRNAレプリコンに転写され得る。ベクターは、最終的には、トランスフェクトされた細胞の溶解を引き起こし、それによって宿主ゲノムへの組込みの可能性を減少させる。RNAワクチン構築についてのプロトコルは、Chengら(2001)に詳述される。
実施例16−T細胞応答を評価することに基づく診断アッセイ
T細胞応答を評価することに基づく診断アッセイのために、患者からの血液の試料を得ることが必要である。単核細胞(単球、TおよびBリンパ球)は、Ficollグラジエントのような密度グラジエントを用いて血液から分離され得る。
単球およびBリンパ球は両方とも、抗原を提示し得るが、樹状細胞のような専門の抗原提示細胞(APC)よりも効率が劣る。後者は、リンパ様組織により局在する。
最も単純なアプローチは、分離した単核細胞に抗原を添加し、そして1週間インキュベートし、次いで増殖の量を評価することである。個体が感染によって既に抗原に曝露されているならば、抗原に特異的なT細胞クローズは、試料中により広がっているべきであり、そして応答すべきである。
異なる細胞集団を分離することも可能であり、T細胞対APCの比を制御することが所望されるべきである。
このタイプのアッセイの他のバリエーションは、応答の尺度として応答しているリンパ球によるサイトカインの産生を測定することである。以下の実施例17に記載のELISPOTアッセイは、このバリエーションの適切な例である。
実施例17−潜伏性マイコバクテリアの検出
結核の制御についての主な問題は、結核菌に感染した無症候性個体が多数存在することである。停止期桿菌は、第一線の薬物に対してより抵抗性である。
潜伏性マイコバクテリア関連抗原の存在は、血液試料中の抗原特異的抗体またはT細胞のいずれかを検出することによって間接的に検出され得る。
以下の方法は、Lalvaniら(2001)に記載の方法に基づき、ここでは、分泌された抗原ESAT-6を、M. tuberculosis複合体のメンバーによって発現されると同定したがM. Bovis BCGワクチン株およびほとんどの環境中のマイコバクテリアには不在である。60〜80%の患者も、EAST-6に対して強力な細胞免疫応答を有する。エクスビボELISPOTアッセイを用いて、ESAT-6特異的T細胞を検出した。
本発明に適用した場合:
96ウェルプレートを、サイトカイン(例えば、インターフェロン−γ、IL-2)特異的抗体でコーティングする。次いで、末梢血単球を患者の全血から単離し、そしてウェルに塗布する。
抗原(すなわち、本発明のペプチド、フラグメント、誘導体、または改変体の1つ)を添加して、存在し得る特異的T細胞を刺激し、そしてプレートを24時間インキュベートする。抗原は、サイトカイン産生を刺激し、次いで特異的抗体に結合する。
プレートを洗浄して、抗原特異的T細胞が存在するフットプリントを残した。
次いで、適切な検出システム(例えば、酵素)とカップリングさせた第2抗体を添加し、そして適切な基質を添加した後スポットの数を計数する。
単一の抗原特異的なT細胞にそれぞれ対応するスポットの数は、最初に添加された細胞の総数に関連する。
上記の実施例も、TB感染した個体をBCGワクチン接種した個体と区別するために使用され得る抗原の使用を記載する。これは、より区別的な診断アッセイで使用され得る。
実施例18−炭素飢餓および酸素制限の合同条件下でのマイコバクテリア持続性のインビトロモデル(実施例1〜7のバリエーション)
材料および方法

研究を、M. tuberculosisの代表的な株である、M. tuberculosis H37Rv株(NCTCカタログ番号7416)を用いて行った。ストック培養物を、Middlebrook 7H10+OADC中で37±2℃にて3週間増殖させた。
培養培地
持続性培養を、Middlebrook ADC富化、0.2%Tween(登録商標)80、および0.2%グリセロールを追加したMiddlebrook 7H9培地中で樹立した(以下を参照のこと)。Millepore水精製システムで得た高品質水を用いて培地を調製し、そして0.1μm孔サイズの酢酸セルロースメンブランフィルターカプセル(Sartorius Ltd.)を通過させて濾過滅菌した。pHを、濃塩酸で6.6に調節した。
Middlebrook 7H10+OADC寒天を用いて、接種培養物を調製し、試料中の培養可能な細菌の数を計数し、そして培養純度を評価した。
培養システム
バッチファーメンターとして操作される、WO00/52139に記載の培養システムを、本実施例に使用した。
培養実験を、1リットルのガラス容器中で行い、750mlの使用容量で操作した。容器の下に配置したマグネチックスターラーに連動する培養容器中に入れたマグネチックバーによって、培養液を攪拌した。トッププレート中の密封部分を通して培養液中に挿入したセンサープローブと連結したAnglicon Microlab Fermentation System(Brighton Systems, Newhaven)を用いて、培養条件を連続的にモニターした。酸素濃度を、ガルバーニ酸素電極(Uniprobe, Cardiff)によってモニターし、そして空気と酸素を含まない窒素との混合物を培養液に吹き込むことによって制御した。温度を、Anglicon温度プローブによってモニターし、そして培養容器の下に配置した加熱パッドによって維持した。培養pHを、Ingold pH電極(Mettler-Toledo, Leicester)を用いて測定した。
接種および培養
容器を750mlの滅菌培養培地で満たし、そしてパラメータを、37℃±2℃、pH6.9±0.3、および約70%空気飽和の溶存酸素圧で安定化させた。37±2℃にて3週間増殖させたMiddlebrook寒天培地培養物を滅菌脱イオン水に再懸濁させることによって、高密度接種懸濁液を調製した。接種物を、培養容器に無菌的に移して、540nmで約0.25の初期培養濁度を提供した。培養液を、500〜750rpmの攪拌速度で37℃にて維持した。
接種後、培養液の溶存酸素圧(DOT)を、培養物が対数増殖初期に入るまで37℃にて約40%空気飽和で維持した。次いで、DOTを、6日間かけて1%空気飽和まで低下させた(図3)。次いで、培養液を、接種後50日まで0〜5%のDOTで維持し、そして試料を規則的に取り出して、増殖および生存、栄養利用、ならびに遺伝子発現をモニターした。
増殖および生存
細菌増殖および生存を、特定の時点で培養システム中の生存細胞の数を測定することによって評価した。これを、滅菌水で10分の1希釈系列の試料を調製し、そしてMiddlebrook 7H10+OADCプレート上に100μlアリコートをプレーティングすることによって行った。形成されたコロニー数を計数する前に4週間まで、プレートを37℃にてインキュベートした。
栄養利用
グリセロールは、主要な炭素およびエネルギー源であり、ADC、0.2%Tween、および0.2%グリセロールを含むMiddlebrook 7H9培地に存在する。グリセロールが利用される割合は、Glycerol Determination Kitカタログ番号148 270、Boehringer Mannheimを用いて測定した。
マイクロアレイ実験
RNAを、実験期間中の種々の時点で採取した培養試料から抽出した。次いで、蛍光標識したcDNAを、RNAの各試料から転写した。cDNAを、Cy3またはCy5のいずれかで標識したdCTP(染料は、Amersham Pharmacia Biotechにより供給される)の組込みによって標識した。
M. tuberculosisゲノム全体のアレイを、ORF特異的プライマーを用いてM. tuberculosisゲノムDNAから調製した。各ORFに対応するPCR産物を、標準顕微鏡ガラススライド上のグリッドに、BioRobotics microgridロボット(MWG Biotech)を用いて4000スポット/cmより高い分解能でスポットした。アレイは、Dr P Butcher、St George's Hospital Medical School Londonによって供給された。
各マイクロアレイ実験において、全ゲノムアレイを、1つの培養試料からの標識したcDNAとハイブリダイズした(テスト試料)。各アレイをまた、異なるCy染料を組込んでおりそしてM. tuberculosis H37Rv株から抽出したDNAから調製したコントロールDNAとハイブリダイズした(コントロール試料)。各アレイを、Affymetrix 428スキャナーを用いて、各染料の励起極大に対応する2つの異なる波長でスキャンし、そして発光強度を記録した。生データをImaGeneソフトウエアによって加工し、次いで、GeneSpringを用いて比較分析を行った。
結果
生存カウントデータの分析は、培養物が感染後10〜12日目まで指数的に増殖したことを示した(図4)。培養物が定常期に入ると、生存力は下降し始め、そして研究期間にわたり絶え間なく下降し続けた。定常期の40日後、約0.1%の培養物が、Middlebrook寒天上でなお培養可能であった。グリセロール利用速度は、好気条件下で樹立された培養物で観察したよりも遅く、これは、低酸素培養物の代謝活性が、制限された酸素アベイラビリティーによって制限されたことを示す。それにもかかわらず、主要な炭素およびエネルギー源は、接種後15日以内に枯渇した(図2)。
試料を、概説したようにマイクロアレイ分析用に収集した。5および50日目に収集した試料についての遺伝子発現プロファイルを比較した。各試料について3つのアレイを調製し、各チップ上のコントロールデータに対して、テストデータを標準化した。次いで、各セットのアレイについて標準化したデータを平均化し、そして2つのデータセットを比較した。5日目に対して50日目に少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも5倍高く発現した遺伝子を選択した。次いで、遺伝子リストを、「栄養飢餓」条件下で同定した遺伝子に追加し、そして完全なセットを、表2に挙げる。
持続性培養物用の液体培地処方−ADC、0.2%Tween(登録商標)80、および0.2%グリセロールを追加したMiddlebrook 7H9培地
1リットル当たりの組成:
Na2HPO4 2.5 g
KH2PO4 1.0 g
グルタミン酸一ナトリウム 0.5 g
(NH4)2SO4 0.5 g
クエン酸ナトリウム 0.1 g
MgSO4・7H2O 0.05 g
クエン酸第二鉄アンモニウム 0.04 g
CuSO4・5H2O 1.0 mg
ピリドキシン 1.0 mg
ZnSO4・7H2O 1.0 mg
ビオチン 0.5 mg
CaCl2・2H20 0.5 mg

Middlebrook ADC富化 100 ml
グリセロール 2.0 ml
Tween 80 2.0 ml

Middlebrook ADC富化−100 ml当たり

ウシ血清アルブミン 5.0 g
グルコース 2.0 g
カタラーゼ 3.0 mg。
マイクロアレイプロトコル
1.マイクロアレイ分析用のM. tuberculosisからのRNA抽出
材料および方法
Trizol(Life Technologies)−フェノールおよびチオシアン酸グアニジンの処方物
GTC溶解溶液−5Mのチオシアン酸グアニジン、0.5%のN−ラウリルサルコシン、25mMのクエン酸三ナトリウム、0.1Mの2−メルカプトエタノール、および0.5%のTween(登録商標)80を含む。
クロロホルム
イソプロパノール
3M 酢酸ナトリウム
70% エタノール
マイクロ遠心機
リボライザー(ribolyser)。
滅菌プラスチック製品−Falconチューブ、スクリューキャップ付きエッペンドルフ、ギルソンチップ−これらはすべてRNaseを含まない
ガラス製品−これは、160℃にて少なくとも16時間焼いた。
方法
封じ込めレベル3で行われる工程;クラスIIIの微生物安全キャビネット内である。
10または20mlの培養物(109/ml)を取り出し、そしてこれをすぐにプラスチック試料ポット中の4容量のGTC溶解緩衝液に添加する。ポットを堅く密封する。
GTC溶解緩衝液中の細胞を室温にて1時間インキュベートする。5%のHycolinで5分間プラスチックポットの表面の汚染を除去する。試料をパスボックスに移し、そして密封可能な蓋を有するプラスチックの運搬用容器に入れる。容器を確実に閉じ、そしてこれを非毒性キャビネットであるCL3キャビネットに移す。
溶解混合物をFalconチューブに等しく分配する。これらのチューブを遠心分離バケットに入れ、そしてバケットを堅く密封する。5%のHycolinで5分間バケットの表面の汚染を除去する。次いで、これらを遠心分離機(Baird and Tatlock Mark IV冷却ベンチトップ遠心分離機)に移す。チューブを3,000rpmにて30分間回転させる。
未開封のバケットをキャビネットに戻す。遠心チューブを取り出し、そして上清をGTC溶解緩衝液用の廃棄瓶に注ぐ。
各ペレットを5mlのTrizol(フェノールおよびGTCの処方物、カタログ番号15596-026)に再懸濁する。製造業者のガイドラインは、繰り返しのピペット操作によって細胞を溶解することを推奨する。この動作のみではM. tuberculosisを溶解しないが、Trizol中にペレットを完全に再懸濁させるためには重要である。
1mlの細胞を各FastRNAチューブに移し、そしてパワーセッティング6.5にて45秒間、細胞をリボライズ(ribolyse)する。
チューブを室温にて5分間インキュベートする。
各チューブから水層を取り出し、そしてこれをスクリューキャップ付きのエッペンドルフチューブ中の200μlのクロロホルムに添加する。各チューブを約15秒間激しく振盪する。室温にて2〜3分間インキュベートする。
チューブを13,000rpmにて15分間回転させる。遠心分離後、液体は、赤いフェノール/クロロホルム相、界面、および澄明な水相に分離する。
水相を注意深く取り出し、そしてこれを500μlのクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を含む新鮮なエッペンドルフチューブに移す。このチューブを、13,000rpmにて15分間回転させる。
水相を、50μlの酢酸ナトリウムおよび500μlのイソプロパノールを含むエッペンドルフチューブに移す。
エッペンドルフチューブを5%のHycolinで5分間表面の汚染を除去する。チューブをCL3研究室から取り出し、そして研究室157で手順を続ける。
封じ込めレベル2で行われる工程:
RNAを−70℃にて少なくとも30分間沈殿させる(必要に応じて、一晩)。
沈殿したRNAを13,000rpmにて10分間回転させて落とす。上清を除去し、そしてペレットを70%エタノールで洗浄する。遠心分離を繰り返す。
70%エタノールを除去し、そしてペレットを空気乾燥させる。ペレットを、RNAseを含まない水に溶解させる。
RNAを−70℃にて凍結させて保存する。
2.ケモスタット培養で増殖したMycobacterium tuberculosisからのゲノムDNAの単離。次いでDNAを用いて、Cy3またはCy5標識したDNAを生成し、マイクロアレイ実験においてコントロールとして使用する。
材料および方法
0.5mmの直径のビーズ
ビーズビーター
ベンチトップ遠心分離機
プラットホームロッカー
熱ブロック
Falcon 50ml遠心チューブ
Sorvall RC-5C遠心分離機
250mlポリプロピレン遠心分離ポット
スクリューキャップ付きのエッペンドルフチューブ
1ml、200μl、10ml、5mlのピペット。
破壊緩衝液
50mM Tris HCL pH8.0
10mM EDTA
100mM NaCl。
手順
Mtb細胞の機械的破壊
150mlのケモスタット細胞(540nmで2.5のO.D.)を、遠心分離機Sorvall RC-5Cを用いて250mlポリプロピレンポット中で15,000rpmにて15分間回転させて落とす。
上清を捨てる。
細胞を、50ml Falconチューブ中の5mlの破壊緩衝液に再懸濁し、そして15,000rpmにてさらに15分間遠心分離する。
上清を除去し、そしてさらなる破壊緩衝液を5mlの容量で添加する。ビーズを用いて細胞を破砕する。これらは、1mlの細胞に対して1mlのビーズ量で使用される。試料を適切なサイズのチャンバー中に置く。ビーズビーター中に置き、そして(氷を含む)外側のユニットを確実にし、そして所望のスピードで30秒間処理する。
ビーズを10分間沈殿させ、そして細胞ライセートを50mlのFalcon遠心チューブに移す。
ビーズ上で洗浄緩衝液をピペットで上下させることによって、2〜5mlの破壊緩衝液でビーズを洗浄する。
この洗浄溶液を、falconチューブ中のライセートに添加する。
タンパク質および細胞成分の除去
0.1容量の10%SDSおよび0.01容量のプロテイナーゼKを添加する。
反転によって混合し、そして熱ブロック中で55℃にて2〜3時間加熱する。
得られる混合物は均一かつ粘性であるべきである。そうでないならば、0.2%までの濃度になるようにさらにSDSを添加する。
25/24/1の比のフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールの等容量を添加する。
プラットホームロッカー上で均一になるまで穏やかに混合する。
3,000rpmにて20分間回転して落とす。
水相を取り出し、そして新鮮なチューブに入れる。
水相を等容量のクロロホルムで抽出して、ごく少量の細胞破砕物およびフェノールを除去する。クロロホルム抽出は、すべての破砕物を除去するまで繰り返す必要があり得る。
0.3M酢酸ナトリウムおよび等容量のイソプロパノールでDNAを沈殿させる。
ガラス棒でできるだけ多くのDNAを巻き取る。
巻き取ったDNAを70%エタノール、次いで100%エタノールで洗浄する。
空気乾燥させる。
滅菌脱イオン水(500μl)にDNAを溶解する。
DNAを4℃にて約16時間溶解させる。
溶解したDNAにRNase1(500U)を添加する。
37℃にて1時間インキュベートする。
等容量のフェノール/クロロホルムで再抽出し、次いでクロロホルム抽出し、上記のように沈殿させる。
13,000rpmにてDNAを回転して落とす。
上清を除去し、そして70%エタノールでペレットを洗浄する。
空気乾燥させる。
200〜500μlの滅菌水に溶解する。
3.DNAからのCy3またはCy5標識したDNAの調製
a)マイクロアレイスライド当たり1つのCy3または1つのCy5で標識されたDNAを調製する。
各試料:DNA 2〜5μg
ランダムプライマー(3μg/μl) 1μl
水 41.5μlにする。
95℃にて5分間加熱し、氷上で急激に冷却し、そして短時間遠心分離する。
それぞれに以下のものを加える:10×REact 2緩衝液.....5μl
dNTP(5mM dA/G/TTP、2mM dCTP).......... 1μl
Cy3またはCy5 dCTP..................1.5μl
クレノウ(5U/μl)...................1μl
暗所で37℃にて90分間インキュベートする。
b)スライドをプレハイブリダイズする
コプリンジャー(Coplin jar)中でプレハイブリダイゼーション溶液を混合し、そして標識付け反応が平衡化する間、65℃にてインキュベートする。
プレハイブリダイゼーション:20×SSC....8.75ml(3.5×SSC)
20%SDS..................250μl(0.1%SDS)
BSA(100mg/ml)..............5ml(10mg/ml)
水......................50mlにする。
マイクロアレイスライドを、予め加熱したプレハイブリダイゼーション溶液中で65℃にて20分間インキュベートする。スライドを、400mlの水中で1分間全体的にリンスし、次いで400mlのプロパン−2−オール中で1分間リンスし、そしてスライドを、50mlの遠心チューブ中で1,500rpmにて5分間遠心分離して乾燥させる。スライドを暗所の無塵ボックス中でハイブリダイゼーションまで保存する(1時間未満)。
c)Cy3/Cy5標識したDNAを精製する−Qiagen MinElute Purification
Cy3およびCy5で標識したDNA試料を1つのチューブに合わせ、そして500μlの緩衝液PBを添加する。
コレクションチューブ中でMinEluteカラムにかけ、そして13,000rpmにて1分間遠心分離する。
フロースルーを捨て、そして同じコレクションチューブ中にMinEluteカラムを戻して配置する。
MinEluteカラムに500μlの緩衝液PEを添加し、そして13,000rpmにて1分間遠心分離する。
フロースルーを捨て、そして同じコレクションチューブ中にMinEluteカラムを戻して配置する。
MinEluteカラムに250μlの緩衝液PEを添加し、そして13,000rpmにて1分間遠心分離する。
フロースルーを捨て、そして同じコレクションチューブ中にMinEluteカラムを戻して配置する。
13,000rpmにてさらに1分間遠心分離して、残りのエタノールを取り出す。
新鮮な1.5mlチューブ中にMinEluteカラムを配置する。
メンブランの中心に10.5μlの水を添加し、そして1分間放置する。
13,000rpmにて1分間遠心分離する。
4.RNAからのCy3またはCy5で標識されたcDNAの調製
a)マイクロアレイスライド当たり1つのCy3または1つのCy5で標識されたcDNA試料を調製する。
各試料:RNA............. 2〜10μg
ランダムプライマー(3μg/μl).....1μl
水................... 11μlにする。
95℃にて5分間加熱し、氷上で急激に冷却し、そして短時間遠心分離する。
それぞれに以下のものを加える:5×First Strand Buffer..5μl
DTT(100mM).....................2.5μl
dNTP(5mM dA/G/TTP、2mM dCTP)....2.3μl
Cy3またはCy5 dCTP..................1.7μl
SuperScript II(200U/μl)............... 2.5μl。
暗所で25℃にて10分間、次いで暗所で42℃にて90分間インキュベートする。
b)スライドをプレハイブリダイズする
コプリンジャー(Coplin jar)中でプレハイブリダイゼーション溶液を混合し、そして標識付け反応が平衡化する間、65℃にてインキュベートする。
プレハイブリダイゼーション:
20×SSC..................8.75ml(3.5×SSC)
20%SDS..................250μl(0.1%SDS)
BSA(100mg/ml)..............5ml(10mg/ml)
水......................50mlにする。
マイクロアレイスライドを、予め加熱したプレハイブリダイゼーション溶液中で65℃にて20分間インキュベートする。スライドを、400mlの水中で1分間全体的にリンスし、次いで400mlのプロパン−2−オール中で1分間リンスし、そしてスライドを、50mlの遠心チューブ中で1500rpmにて5分間遠心分離して乾燥させる。スライドを暗所の無塵ボックス中でハイブリダイゼーションまで保存する(1時間未満)。
c)Cy3/Cy5標識したcDNAを精製する−Qiagen MinElute Purification
Cy3およびCy5で標識したDNA試料を1つのチューブに合わせ、そして250μlの緩衝液PBを添加する。
コレクションチューブ中でMinEluteカラムにかけ、そして13,000rpmにて1分間遠心分離する。
フロースルーを捨て、そして同じコレクションチューブ中にMinEluteカラムを戻して配置する。
MinEluteカラムに500μlの緩衝液PEを添加し、そして13,000rpmにて1分間遠心分離する。
フロースルーを捨て、そして同じコレクションチューブ中にMinEluteカラムを戻して配置する。
MinEluteカラムに250μlの緩衝液PEを添加し、そして13,000rpmにて1分間遠心分離する。
フロースルーを捨て、そして同じコレクションチューブ中にMinEluteカラムを戻して配置する。
13,000rpmにてさらに1分間遠心分離して、残りのエタノールを取り出す。
新鮮な1.5mlチューブ中にMinEluteカラムを配置する。
メンブランの中心に10.5μlの水を添加し、そして1分間放置する。
13,000rpmにて1分間遠心分離する。
5.スライドをCy3/Cy5で標識されたcDNA/DNAとハイブリダイズする
プレハイブリダイズしたマイクロアレイスライドをハイブリダイゼーションカセット中に置き、そしてカセット中のウェルに15μlアリコートの水を2回添加する。再懸濁したCy3/Cy5標識したcDNA試料を、ハイブリダイゼーション溶液と混合する。
ハイブリダイゼーション:Cy3/Cy5標識したcDNA試料..10.5μl
20×SSC.......................3.2μl(4×SSC)
2%SDS.......................2.3μl(0.3%SDS)。
ハイブリダイゼーション溶液を95℃にて2分間加熱する。氷上で急激に冷却しないが、徐々に冷却し、そして短時間遠心分離する。気泡形成を避けながらスライド上のアレイされた領域の端にハイブリダイゼーション溶液をピペットで載せる。ピンセットを用いて、カバーグラスの端をスライドの表面に沿って、アレイされた領域の方へ、およびアレイの端のハイブリダイゼーション溶液中に、注意深くドラッグする。一旦決まった位置に置くとさらなる移動を避けながら、カバーグラスをアレイ上に注意深く下げる。ハイブリダイゼーションカセットを密封し、そして65℃の水浴中に16〜20時間沈める。
スライドを洗浄する。
ハイブリダイゼーションカセットからマイクロアレイスライドを取り出し、そして最初に、65℃まで予め加熱したWash Aの染色トラフ中でスライドを注意深く洗浄して、カバーグラスを除去する。一旦カバーグラスをスライドラック中のスライドの位置に移動し、そしてWash A中でさらに2分間攪拌を続ける。
Wash A: 20×SSC........20ml(1×SSC)
20%SDS........1ml(0.05%SDS)
水............400mlにする。
スライドをクリーンなスライドラックに移し、そしてWash Bの第1のトラフ中で2分間攪拌する。Wash Bの第2のトラフ中で2分間攪拌しながら洗浄する。
Wash B(×2):20×SSC.......1.2ml(0.06×SSC)
水...........400mlにする。
スライドを50mlの遠心チューブに入れ、そして1500rpmにて5分間遠心分離して、スライドを乾燥させ、次いで蛍光をスキャンする。
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参考文献:
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50%空気飽和のDOT(37℃)でのバッチ発酵条件下で培養中のM. tuberculosisについての生存カウントを示す。 50%空気飽和のDOT(37℃)でのバッチ発酵条件下で培養中のM. tuberculosisの、グリセロール(主要な炭素およびエネルギー源として)の濃度を示す。 実施例18に記載のマイコバクテリア培養物の培地内のDOTを示す。 実施例18のバッチ発酵条件(すなわち、炭素飢餓、および酸素制限条件)中のM. tuberculosisについての生存カウントを示す。
【配列表】
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Claims (22)

  1. M. tuberculosisペプチド、または該ペプチドのフラグメントもしくは誘導体もしくは改変体を含む、マイコバクテリア感染の治療剤であって、該ペプチドが、M. tuberculosis遺伝子によってコードされ、該遺伝子の発現が、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされ、該条件が、接種後少なくとも40日間のM. tuberculosisマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、そして該ペプチドが、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、261、263、265、267、269、271、273、275、277、279、および281からなる群より選択される、治療剤。
  2. マイコバクテリア潜伏中に発現が誘導またはアップレギュレートされるマイコバクテリア遺伝子を同定する方法であって、該方法が、
    栄養飢餓でありそしてマイコバクテリア潜伏性を維持する培養条件下で第1のマイコバクテリアを培養する工程であって、該条件が、接種後少なくとも40日間該第1のマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得る、工程;
    栄養飢餓ではなくそして第2のマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件下で、該第2のマイコバクテリアを培養する工程;
    該第1および第2のマイコバクテリアから、第1および第2のmRNA集団をそれぞれ得る工程であって、該第1のmRNA集団が、接種後少なくとも20日間該第1のマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得る栄養飢餓条件下で培養された該第1のマイコバクテリアから得られ、そして該第2のmRNA集団が、栄養飢餓ではなくそして該第2のマイコバクテリアの対数増殖を支持する条件下で培養された該第2のマイコバクテリアから得られる、工程;
    該第1および第2のmRNA集団から、第1および第2のcDNA集団をそれぞれ調製する工程であって、該cDNA調製中に、検出可能な標識が、該第1および第2のcDNA集団のcDNA分子に導入される、工程;
    該第1および第2のcDNA集団から、対応する第1および第2のcDNA分子をそれぞれ単離する工程;
    該単離された第1および第2のcDNA分子に存在する標識から放出される標識または対応するシグナルの相対量を比較する工程;
    該単離された第2のcDNA分子によって提供されるよりも多い量の該単離された第1のcDNA分子によって提供される標識またはシグナルを同定する工程;および
    該第1のcDNA、および潜伏条件下でのマイコバクテリアの培養中に誘導またはアップレギュレートされる該対応するマイコバクテリア遺伝子を同定する工程、
    を含む、方法。
  3. 前記対応する第1および第2のcDNA分子が、マイコバクテリアゲノムDNAから生成され、増幅して固定化されたDNA配列を含むアレイプレートへのハイブリダイゼーションによって、前記第1および第2のcDNA集団からそれぞれ単離され、該固定化された配列が、該マイコバクテリアゲノムの各公知の遺伝子の代表であり、そして各代表的配列が、該プレート上の同定された位置に固定化されている、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1のマイコバクテリアが、接種後少なくとも30日、好ましくは少なくとも40日で採取される、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記培養条件が、前記マイコバクテリアの増殖に対して炭素飢餓である、請求項2から4のいずれかの項に記載の方法。
  6. 前記第1のマイコバクテリアが、37℃で測定した場合に10%空気飽和以下、好ましくは7%空気飽和以下、より好ましくは5%空気飽和以下の溶存酸素圧によって規定される培養条件下で培養され、そして該第1のマイコバクテリアが、該培養条件下で採取される、請求項2から5のいずれかの項に記載の方法。
  7. 相対誘導またはアップレギュレーションが、前記単離された第2のcDNA分子によって提供される標識またはシグナルの量よりも、前記単離された第1のcDNA分子によって提供される標識またはシグナルの量が、相対的に3倍、好ましくは相対的に4倍の増加によって同定される、請求項2から6のいずれかの項に記載の方法。
  8. M. tuberculosisペプチドのインヒビターであって、該ペプチドが、M. tuberculosis遺伝子によってコードされ、該遺伝子の発現が、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされ、該条件が、接種後少なくとも40日間のM. tuberculosisマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、該ペプチドが、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、261、263、265、267、269、271、273、275、277、279、および281からなる群より選択され、該インヒビターが、M. tuberculosisペプチドが有する本来の生物学的効果を発揮することを抑制または阻害し得る、インヒビター。
  9. 前記インヒビターが、2−ニトロプロパンジオキシゲナーゼ、アセチルトランスフェラーゼ、酸化還元酵素、転写レギュレーター、アシルトランスフェラーゼ、UDP−グルコースデヒドロゲナーゼ、ホスホリボシルグリシンアミドホルミルトランスフェラーゼ、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエートオクタプレニル、gmc型酸化還元酵素、3−ヒドロキシイソ酪酸デヒドロゲナーゼ、メチルマロン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、デヒドロゲナーゼ、水銀レダクターゼ、グルタチオンレダクターゼ、ジヒドロリポアミド、トランスポゼース、プロリンイミノペプチダーゼ、プロリルアミノペプチダーゼ、キノロン流出ポンプ、グリシンベタイントランスポーター、ホスファチジルエタノールアミンN−メチルトランスフェラーゼ、カルコンシンターゼ2、スルホトランスフェラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、フマル酸レダクターゼフラビンタンパク質、8−アミノ−7−オキソノナン酸シンターゼ、アミノトランスフェラーゼクラスIIピリドキサールリン酸、バクテリオファージHK97プロヘッドプロテアーゼ、ペニシリン結合タンパク質、脂肪アシル−CoAラセマーゼ、ニトリロトリアセテートモノオキシゲナーゼ、ヒスチジンキナーゼ応答レギュレーター、ペプチダーゼ、LysR転写レギュレーター、除去酵素、オルニチンアミノトランスフェラーゼ、リンゴ酸酸化還元酵素、チオ硫酸結合タンパク質、エノイル−CoAヒドラターゼ、アシル−CoAシンセターゼ、メチルトランスフェラーゼ、シロヘムシンターゼ、透過酵素、グルタリル7−acaアシラーゼ、sn−グリセロール−3−リン酸輸送系透過酵素、エノイル−CoAヒドラターゼ/イソメラーゼ、アシル−CoAデヒドロゲナーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、シチジンデアミナーゼ、クロトナーゼ、脂質輸送タンパク質、アセチル−CoA C−アセチルトランスフェラーゼ、アミノトランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、および2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−ヒドロキシメチルジヒドロプテリンピロホスホキナーゼからなる群より選択されるタンパク質を阻害し得る、請求項8に記載のインヒビター。
  10. 前記誘導またはアップレギュレートされたマイコバクテリア遺伝子あるいはその遺伝子産物をターゲティングし得る抗生物質;および該誘導可能またはアップレギュレート可能な遺伝子の少なくとも一部に相補的であるアンチセンスまたは三重鎖形成核酸配列からなる群より選択される、請求項8または9に記載のインヒビター。
  11. M. tuberculosis遺伝子によってコードされるペプチドに、または該ペプチドのフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体に結合する抗体であって、該遺伝子の発現が、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされ、該条件が、接種後少なくとも40日間のM. tuberculosisマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、該M. tuberculosisペプチドが、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、261、263、265、267、269、271、273、275、277、279、および281からなる群より選択される、抗体。
  12. 遺伝子が改変されてマイコバクテリアが実質的に非病原性になる弱毒化M. tuberculosisマイコバクテリアであって、該遺伝子が、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で、発現が誘導またはアップレギュレートされる遺伝子であり、該条件が、接種後少なくとも40日間のM. tuberculosisマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、該改変されるべきM. tuberculosis遺伝子が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、262、264、266、268、270、272、274、276、278、280、および282からなる群の1つに対応する野生型コード配列を有する、弱毒化M. tuberculosisマイコバクテリア。
  13. M. tuberculosis遺伝子によってコードされるM. tuberculosisペプチド、または該ペプチドのフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体を含む、弱毒化微生物キャリアであって、該M. tuberculosis遺伝子の発現が、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされ、該条件が、接種後少なくとも40日間のM. tuberculosisマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、該M. tuberculosisペプチドが、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、261、263、265、267、269、271、273、275、277、279、および281からなる群より選択される、弱毒化微生物キャリア。
  14. 前記弱毒化微生物キャリアが、弱毒化サルモネラ菌、弱毒化ワクシニアウイルス、弱毒化鶏痘ウイルス、または弱毒化M. bovis(例えば、BCG株)である、請求項13に記載の弱毒化微生物キャリア。
  15. プロモーター、ポリアデニル化シグナル、およびM. tuberculosis遺伝子のコード配列または該コード配列のフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体であるDNA配列を含むDNAプラスミドであって、該遺伝子の発現が、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされ、該条件が、接種後少なくとも40日間のM. tuberculosisマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、該プロモーターおよびポリアデニル化シグナルが、該DNA配列に作動可能に連結され、該DNA配列が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、262、264、266、268、270、272、274、276、278、280、および282からなる群より選択される、DNAプラスミド。
  16. 前記プロモーターが、CMVプロモーターおよびSV40プロモーターからなる群より選択され、および/または前記ポリアデニル化シグナルが、SV40ポリアデニル化シグナルおよびウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナルから選択される、請求項15に記載のDNAプラスミド。
  17. DNA配列によってコードされる単離されたRNA配列であって、該DNA配列が、M. tuberculosis遺伝子のコード配列、または該DNAコード配列のフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体であり、該M. tuberculosis遺伝子が、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下でのM. tuberculosisマイコバクテリアの培養中に誘導またはアップレギュレートされ、該条件が、接種後少なくとも40日間のM. tuberculosisマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、該DNA配列が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、262、264、266、268、270、272、274、276、278、280、および282からなる群より選択される、単離されたRNA配列。
  18. 請求項17に記載のRNA配列および宿主細胞の染色体への組込み部位を含む、RNAベクター。
  19. マイコバクテリア感染を治療または予防するための医薬品の製造における、
    M. tuberculosisペプチドまたは該ペプチドのフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体であって、該ペプチドが、M. tuberculosis遺伝子によってコードされ、該遺伝子の発現が、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされ、該条件が、接種後少なくとも40日間のM. tuberculosisマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、該ペプチドが、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、261、263、265、267、269、271、273、275、277、279、および281からなる群より選択される、M. tuberculosisペプチドまたは該ペプチドのフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体;
    請求項8から10のいずれかに記載のインヒビター;
    請求項11に記載の抗体;
    請求項12に記載の弱毒化M. tuberculosisマイコバクテリア;
    請求項13または14に記載の弱毒化微生物キャリア;
    M. tuberculosis遺伝子のコード配列または該コード配列のフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体であるDNA配列であって、該M. tuberculosis遺伝子が、栄養飢餓ではなくそして該マイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされ、該条件が、接種後少なくとも40日間のM. tuberculosisマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、該DNA配列が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、262、264、266、268、270、272、274、276、278、280、および282からなる群より選択される、DNA配列;
    請求項15または16に記載のDNAプラスミド;
    請求項17に記載のRNA配列;および/または
    請求項18に記載のRNAベクター;
    の使用。
  20. マイコバクテリア感染の治療または予防方法であって、
    M. tuberculosisペプチドまたは該ペプチドのフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体であって、該ペプチドが、M. tuberculosis遺伝子によってコードされ、該遺伝子の発現が、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされ、該条件が、接種後少なくとも40日間のM. tuberculosisマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、該ペプチドが、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、261、263、265、267、269、271、273、275、277、279、および281からなる群より選択される、M. tuberculosisペプチドまたは該ペプチドのフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体;
    請求項8から10のいずれかに記載のインヒビター;
    請求項11に記載の抗体;
    請求項12に記載の弱毒化M. tuberculosisマイコバクテリア;
    請求項13または14に記載の弱毒化微生物キャリア;
    M. tuberculosis遺伝子のコード配列または該コード配列のフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体であるDNA配列であって、該M. tuberculosis遺伝子が、栄養飢餓ではなくそして該マイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされ、該条件が、接種後少なくとも40日間のM. tuberculosisマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、該DNA配列が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、262、264、266、268、270、272、274、276、278、280、および282からなる群より選択される、DNA配列;
    請求項15または16に記載のDNAプラスミド;
    請求項17に記載のRNA配列;および/または
    請求項18に記載のRNAベクター
    を患者に投与する工程、を包含する、方法。
  21. マイコバクテリア感染を同定するための診断試薬の製造における、
    M. tuberculosisペプチドまたは該ペプチドのフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体であって、該ペプチドが、M. tuberculosis遺伝子によってコードされ、該遺伝子の発現が、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされ、該条件が、接種後少なくとも40日間のM. tuberculosisマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、該ペプチドが、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、261、263、265、267、269、271、273、275、277、279、および281からなる群より選択される、M. tuberculosisペプチドまたは該ペプチドのフラグメントもしくは改変体もしくは誘導体;
    請求項11に記載の抗体;または
    少なくとも8ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドプローブであって、該プローブが、M. tuberculosis遺伝子の少なくとも一部に結合し、該遺伝子が、栄養飢餓ではなくそしてマイコバクテリアの対数増殖を支持する培養条件と比較した場合に、栄養飢餓でありそしてマイコバクテリアの潜伏性を維持する培養条件下で誘導またはアップレギュレートされ、該条件が、接種後少なくとも40日間のM. tuberculosisマイコバクテリアのバッチ発酵によって得られ得、該遺伝子が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、262、264、266、268、270、272、274、276、278、280、および282からなる群より選択されるDNA配列によってコードされる、プローブ;
    の使用。
  22. 実施例に実質的に記載される、マイコバクテリア感染の治療剤、インヒビター、抗体、弱毒化M. tuberculosisマイコバクテリア、弱毒化微生物キャリア、単離されたRNA分子、RNAベクター、またはDNAプラスミド。
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