JP2005507684A - 望ましくない細胞の画像形成及び抹殺のための反陽子の生産及び送達 - Google Patents

望ましくない細胞の画像形成及び抹殺のための反陽子の生産及び送達 Download PDF

Info

Publication number
JP2005507684A
JP2005507684A JP2003524510A JP2003524510A JP2005507684A JP 2005507684 A JP2005507684 A JP 2005507684A JP 2003524510 A JP2003524510 A JP 2003524510A JP 2003524510 A JP2003524510 A JP 2003524510A JP 2005507684 A JP2005507684 A JP 2005507684A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antiproton
patient
radiation
proton
antiprotons
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003524510A
Other languages
English (en)
Inventor
マジオル,カール
クバット−マーティン,キンバリー
グルン,シャルル
ジョルジョ,アンソニー
ウェルチ,ラリー
Original Assignee
トレマック,リミティド ライアビリティー カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by トレマック,リミティド ライアビリティー カンパニー filed Critical トレマック,リミティド ライアビリティー カンパニー
Publication of JP2005507684A publication Critical patent/JP2005507684A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/10X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus for radiation diagnosis, e.g. combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/02Devices for diagnosis sequentially in different planes; Stereoscopic radiation diagnosis
    • A61B6/03Computerised tomographs
    • A61B6/037Emission tomography
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus for radiation diagnosis, e.g. combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/42Apparatus for radiation diagnosis, e.g. combined with radiation therapy equipment with arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis
    • A61B6/4208Apparatus for radiation diagnosis, e.g. combined with radiation therapy equipment with arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis characterised by using a particular type of detector
    • A61B6/4258Apparatus for radiation diagnosis, e.g. combined with radiation therapy equipment with arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis characterised by using a particular type of detector for detecting non x-ray radiation, e.g. gamma radiation
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/10X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy
    • A61N5/1077Beam delivery systems
    • A61N5/1079Sharing a beam by multiple treatment stations
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K5/00Irradiation devices
    • G21K5/04Irradiation devices with beam-forming means
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05HPLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
    • H05H13/00Magnetic resonance accelerators; Cyclotrons
    • H05H13/04Synchrotrons
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus for radiation diagnosis, e.g. combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/58Testing, adjusting or calibrating apparatus or devices for radiation diagnosis
    • A61B6/582Calibration
    • A61B6/583Calibration using calibration phantoms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/10X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy
    • A61N5/1048Monitoring, verifying, controlling systems and methods
    • A61N5/1049Monitoring, verifying, controlling systems and methods for verifying the position of the patient with respect to the radiation beam
    • A61N2005/1052Monitoring, verifying, controlling systems and methods for verifying the position of the patient with respect to the radiation beam using positron emission tomography [PET] single photon emission computer tomography [SPECT] imaging
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/10X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy
    • A61N2005/1085X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy characterised by the type of particles applied to the patient
    • A61N2005/1087Ions; Protons
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/10X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy
    • A61N5/1048Monitoring, verifying, controlling systems and methods

Abstract

望ましくない細胞の存在及び/又は増殖によってひき起こされた身体条件の治療において使用することのできる、不要なつまり望ましくない細胞を抹殺させるために反陽子を使用するためのシステム及び方法。かかる身体条件には、心臓血管系疾患、パーキンソン病、湿性黄斑変性、内分泌障害、皮膚疾患及び癌が含まれる。反陽子の独特の性質及びその消滅特性のため、好ましい反陽子送達装置(1010、1015、1030)の実施形態はさらに、治療中の特徴的発出を検出する能力をもつ検出器アレイ(1050a)をさらに内蔵している。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、病状を治療するための放射線の使用、そしてより特定的には、患者の体内での癌細胞といったような望ましくない細胞に的を絞った形で抹殺するため患者の体内に反陽子を制御可能な形で送達するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
数多くの病状が、患者の体内の不要のつまり望ましくない細胞の存在及び/又は増殖によってひき起こされている。かかる病状には、心臓血管系疾患例えば心房性細動及び冠状動脈のステント内再狭窄、動静脈血管奇形(AVM)、心臓不整脈、パーキンソン病、整形外科疾患例えば術後無感覚化、変性及び炎症性関節炎及び骨棘、湿性黄斑変性、内分泌疾患例えばインスリノーマ及び下垂体腺腫、椎間板ヘルニア又は炎症、卵巣関連状態、グレーブス眼筋麻痺、皮膚疾患例えばせつ腫症、毛細血管拡張、カポージ肉腫、尿生殖器条件、及び癌が含まれる。
【0003】
より特定的に言うと、癌は、細胞増殖の調節の改変によりひき起こされ、結果として癌細胞の異常でかつ致命的な形成及び腫瘍の拡大をもたらす。細胞は、人間といった動物の基本的な構築ブロックであり根本的な機能単位である。各々の細胞は、細胞膜内に含まれる細胞質によりとり囲まれた染色体を含有する核で構成されている。大部分の細胞は、有糸分裂と呼ばれるプロセスによって分裂する。正常な細胞は、細胞分裂のタイミング及び程度を制限する機能制限を有するが、癌細胞はかかる機能制限をもたず、適正な細胞修復又は交換のために必要な程度を超えて分裂し続ける。この細胞増殖は場合によって、ここで腫瘍と呼ぶ検出可能なこぶ又は塊を産生する。うまく処置されなければ、これは動物宿主を殺してしまう可能性がある。
【0004】
単一の細胞内で開始し特定の領域内に局在化された腫瘍をひき起こす癌は、直接的な拡大によってか又は、体の腫瘍担持部域を流出しリンパ節の巣を収納している領域部位内へ収束する血流又はリンパ管を通して体の他の部分に広がる可能性がある。隣接する組織内に侵入し遠隔部位へと広がる(転移する)癌細胞の能力は血液供給にアクセスできるか否かに左右される。かくして、2mmを超える腫瘍は、その中に成長する血管網をもち、これはきわめて脆くかつ破壊しやすい可能性がある。
【0005】
癌にはいくつかの一般的なカテゴリが存在する。癌腫は、上皮(偏平上皮癌)又は分泌性表面(腺癌)から発生する癌であり;肉腫は、骨、筋肉、軟骨、脂肪又は繊維質組織といった支持構造内で発生する癌であり;血液悪性腫瘍は、白血病性リンパ腫及び骨髄腫といった血液細胞要素から発生する癌である。その他の癌には、脳腫瘍、神経癌、黒色腫及び生殖細胞癌(睾丸癌及び卵巣癌)が含まれる。癌腫は、癌の最も一般的なタイプであり、肺癌、乳癌、前立腺癌、胃腸癌、皮膚癌、子宮癌、口腔癌、腎臓癌及び膀胱癌が含まれる。男性において最も診断件数の多い癌は前立腺癌、女性では乳癌である。癌を発生させる人の生涯リスクは5人中約2人、癌による死亡のリスクは5人中1人である。
【0006】
癌の診断には往々にして、体内の異常な塊を、X線、磁気共鳴画像形成(MRI)又はコンピュータ断層撮影(CT)スキャンといったいくつかの画像形成プロセスを通して検出すること、そしてその後、その塊の供試体を外科的に取出すこと(生検)及びそれが癌であるか否か又そうであるならば癌のタイプを見極めるべくその供試体を検査する病理学者が検討すること、が関与している。組織部域内の異常に高いグルコース代謝活性を非観血的に検出しかくして一部の癌の検出を助けるために陽電子放出断層撮影(PET)を使用することができる。各々の癌は、器官別に呼称されるステージングプロトコルを有する。従来、ステージIは、癌のタイプに応じた特定されたサイズより小さい検出可能な腫瘍の存在を表わす。ステージIIは、隣接する組織1にリンパ節内に癌が広がったことを示す。ステージIIIは、癌がそれ自体の領域を超えて広がるか又は、それをステージIII状態とする最小サイズにまで成長したことを表わし、ステージIVは、癌に遠隔部位にあるその他の器官(単複)が関与していることを表わす。ステージは、標準的に、医師の診察、X線写真画像形成、臨床検査データ、又は時として試験開腹によって割当てられる。
【0007】
特徴、場所そしてステージに関してひとたび診断、同定されたならば、癌は、外科手術、化学療法及び放射線を含めた、1つの方法又は複数の方法の組合せを用いて治療される。免疫療法を含めたさほど一般的にではなく用いられる治療アプローチも実際に存在する。癌は、単数又は複数の基本的最終目的、つまり治癒、転移の予防、延命及び/又は苦痛緩和(症候の緩和)を念頭において治療される。
【0008】
外科手術は現在、癌が局在化しており、初期段階にあり、1箇所のみに存在する場合に好まれる治療アプローチである。好ましくは、癌は、正常組織の実質的余地内に存在し、受入れ難い程高い死亡率無く、又は死の危険性を冒すことなく切除され得る。さらに、外科手術に成功するためには、癌は、体の他の部分に転移している可能性がほとんどない状態にあるべきである。外科手術の後には、癌が除去されたか否かを決定するための診断的画像形成が行なわれる必要があり、その後アジュバント放射及び/又は化学療法が処方される。
【0009】
通常は癌細胞に有毒な薬剤を利用する化学療法は、血流内への注入又は丸薬によって行われる。いくつかの制限を伴って、化学療法薬は、体の全部分まで移動し、細胞分裂に干渉することによりあらゆる場所にある癌を治療できる。癌細胞に高レベルで影響を及ぼすものの、化学療法薬は正常な細胞にも実際干渉し、腎不全、重症の下痢又は呼吸障害といったような重大な副作用及び健康上の不利な結果を患者にひき起こす。いくつかの作用物質は、心臓、生殖器及び/又は神経に対するきわめて高い毒性をもつ。ほとんど全てが、白血球及び赤血球及び血小板の生産を担当する骨髄に対する毒性をもつ。顆粒球、単球及びリンパ球といった白血玉は主として感染症との戦いを担当し、血小板は血液凝固にとって必須であることから、化学療法薬は往々にして、患者をきわめて感染しやすくかつ自然発生的に出血しやすくする。その他の副作用としては、吐気及び潰瘍形成がある。化学療法の推移には、癌細胞を攻撃し、健康な細胞が回復できるようにし次に再び標的癌細胞を攻撃するという数多くの投薬サイクルが必要である。患者の応答に応じて、治療を停止するか又は或る種の維持用量で続行するかの決定が下される。
【0010】
放射線療法は、1回又は複数回の分裂サイクルにわたり癌性細胞を抹殺させる目的でこれらの細胞を電離放射線に露呈することにある。従来、放射線は、標準的にX線であるエネルギービームを、健康な組織を含む経路を通って標的癌性領域内に送り込むことによって送達される。エネルギーは、健康な組織を通って駆動されていることから、医療従事者は、隣接する正常な組織に対し、受入れられないレベルの側副損傷を生成させることなく複数の癌性細胞を殺すのに充分なエネルギーを送達するための最良の方法を決定しなければならない。例えば、1)特定のエネルギーレベルをもつ特定の放射線ビームが標的癌性細胞との関係において経路に対しどんな量のエネルギーを送達することになるかを決定するエネルギー沈積プロフィール、2)標的部位に送達される必要のあるエネルギーの閾値レベルひいてはそれを行なうためにどれほどの量の側副損傷を寛容しなければならない可能性があるかを決定する、癌性細胞を抹殺させるのに必要とされるエネルギー量、及び3)不可欠な放射線線量を計算し標的部位に放射線ビームを送達できる適切な構成を決定するのに使用される、腫瘍のサイズ、形状及び場所を含めた、複数の要因を考慮に入れなくてはならない。
【0011】
従来の放射線療法は往々にして、受容できないほど高いレベルの側副損傷を生成することなく標的領域に充分に高レベルの放射線を送達することができない。最も一般的な放射線療法であるX線(又は光子)は、深さと共に変動する線形エネルギー付与(LET)プロフィールをもつ。光子放射線のLETは、最初増大し、次に深さと共に減少し、往々にして、深く埋った標的については標的腫瘍部位内よりも介入する組織の中により多くのエネルギーを沈積させる。光子は同様に、ひとたび標的領域を通過した時点で体を通って移動し続け、健康な組織内にさらにエネルギーを沈積させる。従って光子は、周囲の正常な組織を危険にさらすことなく腫瘍領域に精確に的を絞ることができない。
【0012】
かくして、X線放射線治療は、正常な細胞に対し過度の損傷を負わせることなく癌性細胞を抹殺する能力をもつ少ない放射線線量(分量)を送達する。分裂しつつある細胞は、放射線損傷をさらに受けやすい;非分裂細胞(すなわち静止細胞)は、さほど受けない。X線放射線は、単一の健康な組織経路を致死的放射線にくり返し露呈するのを避けるのに必要とされる多門照射法を用いて送達されることが非常に多い。例えば、同じ標的領域つまりアイソセンタを共有する異なる経路を通してその被曝のいくつかが起こる場合、標準的な治療投与計画は、5週間の期間にわたり一週あたり5日、一日に200RADS(放射線吸収線量)が送達され、結果として合計5000RADSつまり50Graysの線量をもたらす20〜25回の被曝を必要とし得る。特定の癌の複製サイクルの大部分にわたり頻繁な放射線治療(線量の細分化)が発生する必要があり、このことが、光子放射線療法で癌を治療するためになぜ数週間にわたる一連の治療が必要であるかの根拠を説明している。治療を細分化し多重線量送達経路を用いた場合でも、側副損傷が、吐き気や苦痛から粘膜内層表面及び隣接する支持構造の永久的分断に至るまでの健康上の実質的に不利な結果をひき起こすということに留意すべきである。
【0013】
陽子療法は、癌を治療するために現在使用されているもう1つの形の放射線療法である。その他の従来のアプローチに比べて、陽子は、放射線源として制御しやすくかくして放射線癌専門医が患者の体内の線量分布をより精確に形作ることができるため、放射線療法の物理的特性を改善した。従って、光子ビームにより送達される線量は、側面方向及び深さの両方において従来の放射線療法に比べ空間的により良く局在化させることができ、標的部位でより多くの破壊をひき起こし、対応して側副損傷は少なくなる。
【0014】
図1に示されているように、標的腫瘍部位が25cmの深さにある場合、単一エネルギー陽子ビーム110は、標的点における光子エネルギービーム105と同じエネルギー線量を沈積させる。しかしながら、2本のそれぞれのビーム110、105のエネルギー線量(標的領域125の外側の部域内で測定されたもの)の間の曲線の下の部域内の差115、120で表わされた側副損傷は、光子ビーム105についてはるかに大きいものである。その結果、陽子ビーム110は、腫瘍部位に同じ抹殺パワーを送達し、対応する側副損傷は少ない。
【0015】
陽子療法を研究し、陽子加速器、陽子送達装置例えば陽子ガントリ及び専門医療設備を含めた陽子療法インフラストラクチャを製造し配備する上で、実質的な量の投資がなされてきた。この実質的な投資にもかかわらず、陽子療法は、なおもいくつかの有意な欠点を有している。最も有意には、陽子放射線におけるエネルギー沈積プロフィールは従来のアプローチに比べ1つの改善を表わしているものの、それはなお、それがひき起こす側副損傷に比べると腫瘍部位において充分な量の抹殺パワーを送達しない。
【0016】
もう1つの癌療法である重イオン療法は、標的領域に対し癌細胞抹殺エネルギーを送達するために、重イオンすなわち、その電子が奪われた原子(例えば炭素原子)を使用する。陽子ビーム療法と同様、重イオン療法は、重イオンビームにより送達される線量も同様に、側面方向及び深さの両方において従来の放射線療法に比べ空間的により局在化させることが可能であることから、3次元で癌性腫瘍内に直接エネルギーを沈積させる能力をもつ。重イオンは、陽子よりも多くのエネルギーを腫瘍内に沈積させ、従って陽子よりも多くの癌細胞殺傷能力を有する。重イオンは、静止細胞を殺す能力を正に有しているが、イオン療法のために腫瘍上に沈積される殺傷パワーが劇的に増大する一方で、健康な介入組織(皮膚表面と腫瘍の間の組織)に対する側副損傷も同様に一層大きく、さらには従来の放射線の場合よりも側副損傷は大きくなる。事実、重イオン療法により加えられる側副損傷は、陽子療法での腫瘍に対する直接的損傷に比べても大きいものでありうる。さらに、いくつかの重イオン療法の利用分野では、治療画像形成は、12Cといったような重イオンがビーム内の患者に近づくにつれて及び患者の体内を移動する間に細胞を打撃するにつれて、そのフラグメント化によって可能となる。重イオンは、12C重イオン療法の場合には11Cである、従来のPET検出を通して画像形成されうる同位元素の形にフラグメント化する。しかしながら、この画像形成プロセスは、放射性同位元素が崩壊するまで画像形成が遅延されるという点で実時間ではなく、腫瘍内の同位元素の遊走により実質的に複雑化される。
【発明の開示】
【0017】
放射線送達経路内で受容できないほど多くの健康な細胞を抹殺させることなく、分裂及び非分裂(静止)癌性細胞を両方共殺すのに充分である放射線を腫瘍領域に送達することによって癌を治療し、かくして必要とされる治療の回数を最小限におさえ細分化する必要性を実質的に無くすることがきわめて有益であると思われる。さらに、陽子療法も重イオン療法も、実施中の治療の実時間画像形成を全く可能にしない。癌細胞抹殺プロセスの副産物として放射線送達点で画像が生成される治療の実時間画像形成を可能にできる放射線源を配備することがきわめて有益であると思われる。
【0018】
本書で開示されている好ましい方法及びシステムは、細胞の抹殺のための反陽子の使用に向けられている。このように抹殺される細胞は好ましくは、奇形であるか又は単に不要の又は望ましくない場所に存在することを含めた多数の理由のうちのいずれかに起因して、不要であるか又は望ましくないものである。好ましい実施形態における方法及びシステムは、望ましくない細胞の存在及び/又は増殖によってひき起こされる身体条件の治療に向けられている。かかる身体条件としては、心臓血管系疾患例えば心房性細動及び冠状動脈のステント内再狭窄、動静脈血管奇形(AVM)、心臓不整脈、パーキンソン病、整形外科疾患例えば術後無感覚化、変性及び炎症性関節炎及び骨棘、湿性黄斑変性、内分泌疾患例えばインスリノーマ及び下垂体腺腫、椎間板ヘルニア又は炎症、卵巣関連状態、グレーブス眼筋麻痺、皮膚疾患例えばせつ腫症、毛細血管拡張、カポージ肉腫、尿生殖器条件、及び癌が含まれる。
【0019】
1つの実施形態においては、癌細胞といった複数の望ましくない標的細胞を有する患者を治療するための方法において:捕捉された状態で複数の反陽子を収容する段階;前記反陽子を加速器の中に挿入する段階;前記反陽子を予め定められた治療的エネルギーレベルにまで加速する段階;反陽子ビームを形成する段階;及び前記ビームに複数の望ましくない細胞のうちの少なくとも1部分を露呈する段階、を含んで成り、かくして前記細胞の単数又は複数のものを抹殺させる方法が提供されている。
【0020】
もう1つの実施形態においては、1つの部域内に癌細胞といったような複数の望ましくない標的細胞をもつ患者を治療するための方法において:該部域の画像を形成する段階;該部域に送達されるべき反陽子放射線の線量を決定する段階であって、該決定が該部域内で消滅を行なう反陽子の破壊的効果及び前記消滅から放出されたアルファ粒子の破壊的効果の1関数である、段階;及び該部域に、規定線量の反陽子を送達する段階、を含んで成る方法が提供されている。
【0021】
もう1つの実施形態においては、癌細胞といったような複数の望ましくない標的細胞をもつ患者を治療するためのシステムにおいて:反陽子を捕捉状態から予め定められた治療的エネルギーレベルまで加速する、複数の反陽子を収容するためのレセプタポートを有する加速器;患者の体内の該複数の望ましくない標的細胞にビームとして反陽子を導くための反陽子送達装置;及び該複数の望ましくない標的細胞が反陽子ビームの放射を受けることができるようにする位置に該患者を支持するための患者ステーション、を含んで成るシステムが提供されている。
【0022】
もう1つの実施形態においては、癌細胞といったような複数の望ましくない細胞をもつ患者を治療するためのシステムにおいて:複数の反陽子を予め定められたエネルギーレベルまで加速するための加速器;患者の体内の該複数の望ましくない標的細胞にビームとして反陽子を導くための反陽子送達装置;反陽子送達装置と構造的に一体化された、ビームを監視するためのビーム監視システム;及び該複数の望ましくない標的細胞が反陽子ビームの放射を受けることができるようにする位置に該患者を支持するための患者ステーション、を含んで成るシステムが提供されている。好ましい実施形態においては、該システムはさらに、前記部域に送達されるべき反陽子放射線の線量を決定する命令セットを処理するように作動するプロセッサであって、該決定が前記部域内で消滅を行なう反陽子の破壊的影響及び前記消滅から放出されたアルファ粒子の破壊的影響の1関数である、プロセッサ;及びプロセッサとデータ通信状態にある出力装置をさらに含んで成る。
【0023】
もう1つの実施形態においては、癌細胞の成長に対抗するべく患者の免疫応答を活性化するための方法において:複数の反陽子を加速器内に収容する段階;前記反陽子を予め定められた治療的エネルギーレベルにまで加速する段階;反陽子ビームを形成する段階;及び、該ビームに患者の体内の腫瘍を露呈する段階、を含み、該活性化は、腫瘍に隣接する抗原供与マクロファージ樹状細胞に対する損傷を最小限におさえ、かつ腫瘍の微環境内でリンフォカインで活性化されるキラーT細胞に対する損傷を最小限におさえることによって達成される方法が提供されている。
【0024】
もう1つの実施形態においては、癌細胞の成長に対抗するべく患者の免疫応答を活性化するための方法において:複数の反陽子を予め定められた活動的エネルギーレベルまで加速するための加速器;患者の体内の腫瘍にビームとして反陽子を導くための反陽子送達装置;及び前記腫瘍にビームの放射を受けさせるような位置に患者を支持するための患者ステーション、を含み、前記活性化は、腫瘍に隣接する抗原供与マクロファージ樹状細胞に対する損傷を最小限におさえ、かつ腫瘍の微環境内でリンフォカインで活性化されるキラーT細胞に対する損傷を最小限におさえることによって達成されるシステムが提供されている。
【0025】
いくつかのその他の実施形態は同様に、改良された陽子ガントリ及び固定型ビーム反陽子送達システムを含む反陽子送達装置の新規実施形態、及び本書に記述されているとおりの反陽子療法と共に既存の癌診断ステーションを一体化する反陽子医療設備をも内含している。反陽子の独自の性質及びその消滅特性のため、一部の好ましい反陽子送達装置実施形態はさらに、治療中に特徴的発出を検出する能力をもつ検出器アレイをさらに内蔵している。
【0026】
本発明の記述されている実施形態のこれらの及びその他の特長及び利点は、添付図面と合わせて考慮したとき、以下の詳細な説明を参照することでより良く理解される通りに認識できることだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本書に開示されている好ましい実施形態は、癌といったような存在する又は増殖する不要の又は望ましくない細胞によってひき起こされる病状の治療のための使用を含めた(ただしこれに制限されるわけではない)、細胞の抹殺を目的とする反陽子の使用のための好ましい方法及びシステム及び、かかる治療を実施するための付随する装置、システム及びプロセスに関する。かかる病状には、心臓血管系疾患例えば心房性細動及び冠状動脈のステント内再狭窄、動静脈血管奇形(AVM)、心臓不整脈、パーキンソン病、整形外科疾患例えば術後無感覚化、変性及び炎症性関節炎及び骨棘、湿性黄斑変性、内分泌疾患例えばインスリノーマ及び下垂体腺腫、椎間板ヘルニア又は炎症、卵巣関連状態、グレーブス眼筋麻痺、皮膚疾患例えばせつ腫症、毛細血管拡張、カポージ肉腫、尿生殖器条件、及び癌が含まれる。本書で提供されている詳細な説明は主として癌性細胞の抹殺に対する好ましい方法及びシステムの応用について論述しているものの、当業者であれば、該方法及びシステムが、あらゆるタイプの不要の又は望ましくない細胞の抹殺に適用できるものである、ということを認識するだろう。当該説明内の癌という特定の用途は、方法及びシステムの利用分野を癌の治療に制限するものとして解釈されるべきではない。さらに、本書に記述されているような反陽子の好ましい標的である細胞を記述するために、不要の及び望ましくないという語が互換的に使用されるものとする。
【0028】
反陽子は、いくつかの理由から癌治療のための優先的な放射線源として同定されてきた。まず第1に、本書で論述されているように、反陽子の産生及び販売は今や技術的にも経済的にも実施可能であり、反陽子を医療のための実行可能な放射線源にしている。
【0029】
第2に、人間の組織といったような物質の中を反陽子が移動するにつれて、これらの反陽子は、その他の荷電粒子と類似の要領でエネルギーを伝達する。陽子の場合と同様に、反陽子は、1つの物質の中を通過するにつれて運動エネルギーを損失し、健康な組織経路に対する側副損傷をひき起こす。荷電粒子についてのエネルギー損失の理論は、以下の等式によって記述することができ、この式中、MeV単位の阻止能(dE/dX)は、媒質の密度としてβ(g/cm3)を用いて近似されており、βは移動粒子の速度(v/c)であり、f(β)=In(2mc2β2/(1−β2))−β2であり、mは電子の質量(0.51MeV/c2)であり、Zi、Ai、Ci及びIi、(MeV)は、それぞれ、i番目の元素の原子数、重量、濃度及び励起電位である;
【0030】
【数1】
Figure 2005507684
【0031】
荷電粒子の速度が減少するにつれて、阻止能は、粒子速度(β2)に対する反比例依存のため、急速に増大する。その結果は、癌療法の場合には、腫瘍自体の中にある終点に向かってのきわめて大きいエネルギー沈積である。大きな最終エネルギー沈積は、陽子療法について図1に示されている通り、鋭いブラッグピークをひき起こす。
【0032】
しかしながら陽子とは異なり、反陽子は、非常に精力的な消滅事象を受け、標的部域内でひとたび減速し核の中に捕獲された状態になった時点で、又はそれらが標的部域を通過するにつれて、複数の荷電粒子及び中性粒子を放出し、標的K内ではるかに大量の損傷をひき起こす。図1Aを参照すると、反陽子105Aが核と共に静止することになった時点で、それは、消滅事象110Aを生み出し、この事象において、ガンマ放射線115A、中間子(荷電及び中性の両方のパイオン)120A及び重荷電粒子125Aを含めた複数の副産物が生成される。重荷電粒子は、消滅部位に隣接する核に対しきわめて破壊的であり、従って、初期反陽子消滅からこうむった損傷を隣接細胞に伝播し、かくして単一の反陽子被曝の間により多くの細胞を抹殺させる。この独特の消滅事象は、実質的に類似の量の側副損傷で大量の細胞抹殺放射線の的を絞って局在化させた送達を可能にし、かくして細分化された治療プロトコルを必要としない癌治療投与計画を可能にする。この消滅事象の性質は、以下で論述するように、線量の適切な決定において及び定時間画像形成プロセスにとって重要な要素である。
【0033】
図2を参照すると、組織内のエネルギー沈積の深さとの関係において、さまざまな放射線源の相対的線量(恣意的単位)が示されている。標的腫瘍部位203は、11〜12cmといった特定の深さが識別されている。単一エネルギー陽子ビーム210が、約0.65の相対生物学的線量を送達する光子エネルギーのビーム205に比べ、1という相対生物学的線量を送達する。反陽子ビーム220が実質的に、陽子ビーム210と重なり合うが、1.2以上のさらに大きい相対線量を有し、この差は225で表わされている。さらに大きい相対的用量にもかかわらず、反陽子ビーム220は、陽子ビーム210と比べて実質的に類似の量の側副損傷及び光子ビーム205に比べてはるかに少ない側副損傷を有し、この側副損傷は皮膚表面と腫瘍部位の間の領域230全体にわたるエネルギー沈積によりひき起こされている。その結果として、反陽子ビーム220は、腫瘍部位203でより大きな抹殺パワーを送達し、対応して側副損傷は低い(側副損傷の差は、領域230全体にわたって計算されたビーム曲線220とビーム曲線210の下の積分された面積の間の差をとり上げることによって決定される)。異なる観点から見ると、同じ側副損傷について、反陽子ビームは、陽子及び光子放射線源に比べ腫瘍部位においてはるかに大きい抹殺パワーを送達できる。
【0034】
図3に図示されている1つの好ましい実施形態は、反陽子の生産305、所望のエネルギーレベルまでの反陽子の収集とそれに続く減速310、反陽子の保存と冷却312、冷却リング又は送達シンクロトロン内の反陽子の保存313、管理可能なビームの形への反陽子の形成315、送達中の実際の数を決定するための反陽子の測定320、反陽子送達及び画像形成装置を介して、準備された患者までの該測定済みビームの送達325、任意には(ただし好ましくは)結果としての放射線事象の線量の測定及び画像形成及び標的部域の以前に記録された画像とその画像の比較330、そして任意には(ただし好ましくは)、画像形成されたとおりの衝撃を受けた部域が所望の標的部域と整列することを保証するための線量特性の調整335、を含んで成る。送達段階に先立ち、患者は、任意には(ただし好ましくは)、標的腫瘍のサイズ、場所及び構成特性を確認するべく画像形成技術を用いて標的部域を画像形成すること340及び腫瘍特性に照らして適切な治療投与計画を決定すること345によって前処理された。患者はその後、反陽子送達及び画像形成装置との関係において固定的に位置づけされる。治療投与計画データは、減速310(すなわち治療にとって有用な反陽子の予め定められた送達エネルギー)、反陽子送達方法325及び結果としての放射線事象の線量測定及び画像形成そして標的部域の以前に記録された画像に対するその画像の比較330の程度について情報を提供する。
【0035】
図4に図示されているもう1つの実施形態は、反陽子の生産405、反陽子の収集、減速及び冷却410、冷却され減速された反陽子のトラップ装置内への捕捉412、トラップ装置の医療設備への輸送413、医療設備における反陽子の受入れ及び加速(すなわち適切なエネルギーまで)414、反陽子の冷却及び管理可能なビームへの形成415、送達中の実際の数を決定するための反陽子の測定420、反陽子送達及び画像形成装置を介して、準備された患者までの該測定済みビームの送達425、任意には(ただし好ましくは)結果としての放射線事象の線量の測定及び画像形成及び標的部域の以前に記録された画像とその画像の比較430、そして任意には(ただし好ましくは)、画像形成されたとおりの衝撃を受けた部域が所望の標的部域と整列することを保証するための線量特性の調整435、を含んで成る。送達段階に先立ち、患者は、任意には(ただし好ましくは)、標的腫瘍のサイズ、場所及び構成特性を確認するべく画像形成技術を用いて標的部域を画像形成すること440及び腫瘍特性に照らして適切な治療投与計画を決定すること445によって前処理された。患者はその後、反陽子送達及び画像形成装置との関係において固定的に位置づけされる。治療投与計画データは、反陽子の加速(すなわち治療に必要とされる反陽子の予め定められた送達エネルギー)414、反陽子送達方法425及び結果としての放射線事象の線量測定及び画像形成そして標的部域の以前に記録された画像に対するその画像の比較430の程度について情報を提供する。
【0036】
これら2つの好ましい実施形態は、その他の実施形態と共に、以下の節の各々においてさらに詳細に論述されるものとする。
【0037】
反陽子の生産
本書で開示されている好ましい方法及びシステムにおいて使用するための反陽子は、あらゆる方法によって生成可能である。反陽子生成方法は、本書では、Bata via, IllinoisのFermi International Laboratoryで見られるもののような円形加速器を用いた形で記述される。しかしながら、Fermi加速器は、本書で開示されている好ましい方法及びシステムと合わせて使用するために一般に好まれるものよりもはるかに大きなエネルギーをもつ反陽子を生成するように設計されたものである、ということに留意すべきである。ただしかかる反陽子は、以下で論述するような方法に適合するように有効に改変させることができる。Fermi National Accelerator Laboratoryにより達成されるものよりも低いエネルギーまで粒子を加速する円形加速器といったような異なる加速器も又、本書で記述する方法及びシステムの情況下で有効に使用可能である。
【0038】
好ましい実施形態においては、反陽子の生産は、以下の節で論述するように、医療利用分野のための反陽子の減速又は保存及び捕捉で終わる6段プロセスを含む。ここで図5を参照すると、Cockroft-Waltonをその一実施例とする装置(図示せず)を用いて、供給源510から送達される水素原子に電子が付加され、その結果、2つの電子と1つの陽子から成る負のイオンがもたらされている。この装置は、負のイオンに正の電圧を印加し、かくしてそれらを加速する。1実施形態においては、負のイオンは約750keVのエネルギーまで加速される。
【0039】
負のイオンは、Cockroft-Walton装置から移送されて、可変的な距離だけ間隔どりされた管で満たされた複数のタンクを含むLinacと呼ばれる線形加速器(又は線形注入装置)の中に入る。管には、電界が適用され、くり返し方向が逆転させられ、印加された電界が負のイオンを減速した時点で管内に負イオンを交互に隠れさせ、電界がそれらを加速させる方向のものである場合に管の間のギャップの中に交互に出現させる。Linac505はさらにイオンのエネルギーを約400MeVまで増大させる。負のイオンは、炭素薄膜内を通過させられ、かくして、電子を除去し陽子を離れ、これらは次にブースターシンクロトロン515内へと通過させられる。ブースターシンクロトロン515は、円形加速器であり、これは、磁界を加えることにより円形経路内で正に荷電した粒子を強制的に移動させるラピッドサイクリングシンクロトロンである。各回転を通して、陽子は、加速する電界の反復的適用を受け、従って、エネルギーを増大させる、1つの実施形態においては、ブースター515は、陽子のエネルギーレベルを約8GeVまで上昇させ、高速連続で約12回循環させ、陽子をさらに約150GeVまで加速するシンクロトロンである主加速器リング520内に、約12の陽子パケット(パルス)を導入する。該実施形態においては、加速器520は、直径10フィートのトンネルを伴い陽子をベンディングさせ集束させる約1000個の銅コイル磁石を収納する、周囲約4マイルのものである。もう1つの実施形態では、ブースター515は、14GeVの主加速器リング520内に陽子パケットを導入する。
【0040】
この実施形態では、反陽子は、このシンクロトロンリング520から約120GeVの陽子のバンチを抽出し、それらをビームライン523を介して生産標的525まで輸送し、それらを標的525上に集束させることによって生産される。その他の関連する実施形態においては、陽子は、当業者によって認識されるように、その他のエネルギーにあってよい。標的525との陽子の衝突は、反陽子を含めた一定数の粒子を生産する。生産された反陽子は、図6に示されているように選択され、リング530まで輸送され、ここでデバンチされ、次に、好ましくはストカマティック冷却と呼ばれるプロセスにより冷却される。この状況下では、ビーム冷却は、冷却/保存リング内を循環する粒子ビームの物理的サイズ及びエネルギーの広がりの両方が、以下でさらに論述するように付随するビーム損失がほとんど無い状態で低減させられる技術である。その後、反陽子は、専用の反陽子トラップ540そして処理システム545まで送達するため又は蓄積及び/又は保存のために、適切なエネルギーまで減速又は加速するべくもう1つのリング535に移送される。
【0041】
反陽子は、標的部域内での核と高エネルギー陽子の相互作用によって作り出される。ここで図6を参照すると、反陽子生産の概略図が提供されている。1つのエネルギーレベルをもつ陽子605は標的610上で集束され、この標的に衝撃を与える。標的は好ましくは、銅、ニッケル又はインジウムといったような熱の除去が比較的容易な金属材料で構成されている。約100万回に1回の衝突において、反陽子−陽子対が形成される。1つの作業の中で、1分あたり約10兆の陽子が標的にぶつかり、1000万の反陽子を生成する。磁石615を用いて、反陽子は正に荷電された陽子から分離され、反陽子ビームを冷却するためのシステム及びプロセスに向かって導かれる。
【0042】
前述のように、反陽子は、数多くの異なる要領で作り出すことができる。もう1つの実施形態では、陽子が、線形加速器、ブースターそしてシンクロトロン内で最高約27GeVまで加速される。陽子は、上述の材料といったような標的上に集束され、標的核と陽子の相互作用の中で陽子−反陽子を含む数多くの粒子−反陽子対を生産する。
【0043】
当業者であれば、本発明が上述の反陽子生成方法に制限されないことを認識するだろう。例えば、Cockroft-Walton装置だけでなく負の水素イオンを生成するためのその他の方法及びシステムを使用することが可能である。さらに、特定のエネルギーレベルが記述されてきたが、なかんづく約12GeV/c、11GeV/c、10GeV/c、13GeV/cといったあらゆる適切な範囲の値まで加速された陽子から反陽子を生成することによって、好ましい方法を有効に実施することができる。好ましい実施形態では、より低いエネルギーレベルで陽子及び反陽子を生成し、かくしてより費用効果性の高い反陽子生産方法を可能にするべく、より小さい円周をもつ円形加速器が使用される。
【0044】
反陽子を生産するプロセスは、結果として、さまざまなエネルギー(エネルギーの広がりと呼ばれる)及び方向(横振動と呼ばれる)を伴って高い運動量で移動する複数の反陽子をもたらす。しかしながら反陽子を商業的に投入するためには、かかるエネルギーの広がり及び横振動は好ましくは低減される。「冷却」という語は、ビームの横方向寸法及びエネルギーの広がりの低減を意味する。
【0045】
反陽子が真空パイプリング構造内を走行するにつれて、好ましくは電界がこれらの反陽子に加えられる。無線周波数空洞の内部では、反陽子が減速するにつれて、その横振動のサイズは増大する。適切に管理されない場合、実質的数の反陽子がこのプロセス内で失なわれる可能性がある。過度の反陽子損失を回避するために使用可能な冷却方法としては、ストカマティック冷却及び電子冷却がある。電子冷却は、熱交換器として作用するべく反陽子ビームと融合された電子ビームを使用する。ストカマティック冷却では、ビームはモニターにより位置的に標本抽出され、モニター内で生成された誤差信号が補正器を介してそれを作り出したビーム標本までフィードバックされる。このプロセスは場合によって、器具を何度も通過した後、平均値に向かって標本の特性をセンタリングさせる。
【0046】
好ましい実施形態においては、生成された反陽子は、利用されている特定の医療方法に適したエネルギーレベルまで減速される。より特定的には、医療施設が反陽子生成場所の近くにある場合、生成された反陽子は好ましくは、1MeVと300MeVの間、好ましくは205MeV前後といったような医学的に有益なエネルギーレベルまでその生成エネルギーから減速され、以下で詳述するように、患者に直接送達される。そのためには、減速、冷却及び収集プロセスが実施される。反陽子は、例えば1.5〜3GeV/cの間に低いエネルギーレベルまで減速されるか又は代替的には、そのエネルギーで生成される。1つの実施形態においては、減速プロセスは、別の専用減速リングの中で上述の冷却技術を用いて実施される。もう1つの実施形態においては、低エネルギー反陽子生産方法が使用され、その結果1.5〜3GeV/cの範囲といったような低エネルギー反陽子を生成することから、この第1の減速段階は必要でない。1.5〜3GeV/cというエネルギー範囲は、低エネルギー範囲を制限することを意図したものでないということに留意すべきである。
【0047】
ひとたび1.5GeV/c範囲に入ると、反陽子は収集され、約250MeVといったような医学的に有益なエネルギーレベルまでさらに減速される。好ましい実施形態では、この収集及び第2の減速段階は、専用の冷却及び減速リング内での前記の冷却及び減速を利用して行なわれる。反陽子は、冷却用リング又は送達シンクロトロンのいずれかの中に保存できる。以下で論述するように、反陽子は、ひとたび医学的に有益なエネルギーレベルになった時点で、ビームラインを介して、数多くの代替的な反陽子送達装置を通して制御された調整可能なエネルギーレベルで、患者に導入される。
【0048】
代替的には、医療施設が、反陽子生産場所の近くにない場合、好ましくは、反陽子は生産され、保存され、設備のサイトまで輸送される。従って、反陽子は同様に適切なレベルまで減速され、その後、反陽子はバンチと呼ばれるグループの形に絞り出され、射出された反陽子を別のラインを通してアキュムレータ、コレクタ又はその他の何らかの保存装置へと導くキッカー磁石を利用して射出される。高エネルギー物理学に精通している人であれば、真空ポンプ、磁石、無線周波数空調、高圧計器及び電子回路を応用していかにして反陽子を生産、収集、冷却、減速し抽出するかを理解することだろう。反陽子は、それらが消滅させる物質との接触を避けるため、真空パイプの内部を循環する。真空は、可能なかぎり高くなくてはならず、従って、空気を抽出する複数の真空ポンプがパイプのまわりに設置される。使用される磁石には、反陽子の移動方向を変更するのに役立ち、それらが円形トラック内にとどまっていることを保証する双極子、及び、反陽子ビームサイズが真空パイプのサイズよりも小さいことを保証するべくレンズ又は集束磁石として用いられる4極子が含まれる。反陽子エネルギーレベルを修正するために電界が用いられ、これは、リングのまわりの反陽子の回転と同期化された高い電圧を生産する無線周波数空洞によって提供される。
【0049】
反陽子は、将来の使用のためリングの中に、又は反陽子医療施設への配送のためトラップの中に保存され得る。1つの実施形態においては、反陽子は、本書に参考として内含されている米国特許第6,160,263号及び5,977,554号の中で開示されているようなトラップ内に保存される。捕捉された反陽子は、線形加速器又はシンクロトロンの中に挿入され、適切なエネルギーレベルまで加速され、次に治療中に用いるためのビームの形に形成される。操作上、トラップは、Linac又はRFQとインタフェースした入口ポートに取付けられる。電圧を捕捉するために用いられる電界は低減させられ、一方、加速器内には引きつける場が生成され、反陽子を加速器構造内へとドリフトさせる。従って反陽子はトラップから約10〜20KeVという非常に低い速度でドリフトする。反陽子は、ひとたび加速器内部に位置づけされた時点で、適切なエネルギーレベルまで加速される。送達シンクロトロンは好ましくは1MeV〜300MeVのエネルギーレベルで安定するように設計され、小型Linac又はRFQを使用するまでに加速可能である或る最低エネルギーで反陽子が送達される結果となる。サイクロトロンの一例は、好ましくは、反陽子ビームの生産すなわち590MeVで1.5mAの陽子電流の生産向けに設計されることになる。
【0050】
主反陽子生産源に取付けられた減速器から反陽子を得るか又は捕捉状態から反陽子を得それらを加速するかのいずれであっても、主反陽子ビームが生成される。このビームは送達シンクロトロン内で保存され条件づけされる。保存された反陽子はこのとき、送達シンクロトロン内にある間に適切なエネルギーに調整可能である。エネルギーの調整は、例えば送達シンクロトロンのラピッドサイクリングするエネルギー特性を用いるか又は1組の炭素又は銅ディグレーダーブロックを用いて、或いは又2つの方法を組合せることによって、容易に達成できる。組合せモードでは、ビームのエネルギーは、ビームに対し可変的なディグレーダー厚みを提供するべくディグレーダーブロックの配置を変更することによって、及び適切な送達運動量にビームラインを同調させることによって調整可能である。好ましい実施形態においては、ディグレーダープロセスが望ましくない中性子といったようなスプリアス粒子発出を生成しうることから、ビームエネルギーを調整するためにいかなるディグレーダーブロックも使用されない。スプリアス粒子発出は一般に、送達シンクロトロンが所望の標的エネルギーレベルの粒子を直接提供するように調整されている場合、回避される。適正なエネルギーでの反陽子の計算上の数が、このとき、患者への送達のため静電スプリッタを用いて、保存されたビームから分離される。
【0051】
医療利用分野については、標的エネルギーレベルは、5MeV、10MeV、15MeV、20MeV、25MeV、30MeV、35MeV、40MeV、45MeV、50MeV、55MeV、60MeV、65MeV、70MeV、75MeV、80MeV、85MeV、90MeV、95MeV、100MeV、105MeV、110MeV、115MeV、120MeV、125MeV、130MeV、135MeV、140MeV、145MeV、150MeV、155MeV、160MeV、165MeV、170MeV、175MeV、180MeV、185MeV、190MeV、195MeV、200MeV、205MeV、210MeV、220MeV、225MeV、230MeV、235MeV、240MeV、245MeV、250MeV、255MeV、260MeV、265MeV、270MeV、275MeV、280MeV、285MeV、290MeV、295MeV及び300MeVを含めて、約1MeVと300MeV好ましくは約250MeVの間で変動しうる。任意の時点で使用される特定のエネルギーは、実施されつつある特定の治療のための粒子深度によって左右される。粒子ビームは、好ましくは、結果としてのビームが適切に整形されビームを送達装置内に結合させるため実質的に単色であることを保証するべく、ビームプロフィールモニターを用いて、運動量及び位相空間で分析される。送達シンクロトロンは、シンクロトロン加速プロセスの固有の性質によって直接実質的に単色の粒子を提供する。粒子ビームの形状特性は、送達ビームパイプに沿って位置づけされた一対の磁気4極子集束要素を用いて調整可能である。高い空間解像度を必要とする治療においては、ビームは、磁気4極子集束要素を用いて小さいスポットサイズに集束されることになる。その他の治療では、より幅の広い、比較的集束度の低いビームを利用することができる。広いものと鮮明に集束されたものの間の連続したビーム幾何形状範囲は、ビームの単色性に影響を及ぼすことなく磁気4極子集束要素を用いて達成できる。このとき、ビームは、反陽子放射及び画像形成装置内に導かれる真空パイプであるビームライン内へ導入される。
【0052】
反陽子放射及び画像形成装置
ビームラインは、患者に対し反陽子放射線を投与するべく、反陽子放射及び画像形成装置を通して導かれる。1つの実施形態においては、患者に反陽子を送達するためにガントリを使用するか、又は陽子ではなく反陽子を受入れ送達するべく陽子療法ガントリを改良する。図7を参照すると、反陽子ガントリが示されている。反陽子ガントリは、遮へいされた支持構造1010を通り、患者1020の体内に反陽子を導くガントリヘッド1015の中へと移行する送達パイプ1005を含んでいる。必要とはされていないものの、送達パイプ1005は、磁石1030を応用して加速器(図示せず)から構造1010を通って、ガントリヘッド1015内まで延びるにつれてベンドする。より特定的には、例示された実施形態において、反陽子ビーム(図示せず)は、真空パイプ1005を介して構造1010内に入り、ガントリヘッド1015の回転軸に対し平行である2つの35度ベンディング磁石1030によりベンドされる。ひとたびガントリヘッド1015内に入ると、ビームは、磁石1030の使用を通して、モニター及びレンジシフターシステム(図示せず)をもつノズル1035を通って、患者1020の体内に導かれる。複数の磁石1030に加えて、好ましくは集束用4極子磁石(図示せず)も存在する。
【0053】
好ましくは、支持構造1010は、ビームラインに最大限の剛性を提供するように設計されている。一般にガントリ全体の重量は、ベンディング磁石1030により支配され、ガントリが落下、傾斜又はその他の形で不安定にならないよう保証するため構造1010の中に適切な釣り合いおもりを具備すべきである。
【0054】
操作上、反陽子ビームは、一連の逐次的な有向適用として、患者の体内に堆積される。図8を参照すると、単一の有向適用において送達される反陽子の数は、ノズル1135内に位置づけされたビームモニターシステム1140によって測定される。1つの実施形態においては、このビーム監視システムは、2つの独立したビーム流測定を提供する2つの監視サブシステムを含んで成る、第1のサブシステムは、2つの平行平板型電離箱を含む。第1の電離箱は、全掃引ビームのサイズを網羅する。外部高圧平板は、好ましくは、アルミニウムでコーティングされた約25ミクロンの薄いマイラー薄膜で作られている。電離箱の中央の信号平板は、一般に外気に開放され、約2kVで作動する。信号と高圧薄膜の間のギャップは、信号平板の各々の側で約5mmであり、100マイクロセカンド未満の高速収集時間を可能にする。第2の箱は、1cmのより大きいギャップとより低い電界すなわち2kVの印加電圧を伴う類似の電離箱である。第2のモニターの反応時間は、比較的緩慢である。第2のサブシステムは、幅4mmのアルミニウムストリップでコーティングされたカプロン薄膜で作られた位置感応性モニターで構成されている。箱のギャップ内に作り出された電離荷電は、異なるストリップ上に収集され、反陽子ビームの位置及び形状についての情報を提供する。好ましい実施形態においては、この情報は、各スポットの終りでスケーラーの中味を読取ることによって、治療中に連続的に監視される。好ましくは、スウィーパーの変位に対し垂直な方向用のものとそれに対し平行なものという2つのストリップ平面が使用される。さらに、ビームを監視するためにその他の方法及びシステムも使用できるという点に留意すべきである。例えば、反陽子送達速度の測定は、パルスの前に供給源内に存在する反陽子の量と、シンクロトロンに反陽子のパルスが送達された後保存装置、冷却リング又はその他の供給源の中に残っている反陽子の量の間の差を計算することによって達成できる。
【0055】
反陽子の標的数にひとたび達した時点で、ビームは、ガントリヘッド1115の前方のビーム内にある高速キッカー磁石(図示せず)を用いてオフに切換えられる。1つの実施形態においては、高速キッカー磁石は、長さが20cmで5cmの磁極ギャップを伴う積層C磁石であり、真空チャンバは、充分に高い真空レベルの生成及び維持を可能にする材料で構成された楕円形パイプである。磁石の積層及びビームパイプの材料は、キッカー磁石の切換え中の渦電流効果を回避するように選択されている。1つの実施形態においては、渦電流を最小限におさえ超高真空環境との適合性を助けるために、キッカー磁石のヨークにFerrite Philips 8C11を使用することができる。キッカー磁石は、垂直方向にビームを偏向させるように50ampsで作動させられる。この装置を用いると、ビームは50マイクロセカンド未満でオンオフ切換えすることができる。
【0056】
線量堆積の深さは、レンジシフターシステム1145によって測定される。レンジシフターは、ノズル内で監視システムの後ろに設置され、1実施形態においては、全掃引済みビームを網羅する40のディグレーダープレートからなる。ビーム経路内に個々のプレートを移動させるのに、空気圧パルプを使用することができる。ビームの機械的な移動にはプレート1枚につき約30msがかかる。単一の指令を用いて、ビーム経路からの全てのプレートの移動は、約200msで起こり得る。40枚のプレートのうち、36がポリエチレン製であり、水中で4.7mmの反陽子範囲に等しい厚みをもつ。1枚のプレートは、低エネルギーでより精確な深さのスキャニングを可能にするため、その厚みの半分しかもたない。3枚のプレートは、薄い鉛の薄膜で作られ、望ましい場合、スポットのサイズを拡大するために使用可能である。レンジシフターシステムからの予測されるむだ時間寄与は35〜40秒であり、ビーム経路内にプレートを移動させるために30秒、全スタックを除去するために5〜10秒である、特殊設計の金属合金を含め、ビームを輪郭どりするために付加的な装置を使用することができる。これらの装置は、ノズル(図示せず)の出口で使用することができ、患者の体内の標的部域の横断面サイズ及び形状にビームを適合させることができる。
【0057】
好ましい実施形態においては、ビームは、ディグレーダー又はビームを物理的に輪郭どりするためのその他の装置を用いることなく、形成及び送達される。ビームライン内にバリヤ、構造又はその他の材料を内含させると、パイオン、中性子及びガンマ線といったような、医療上のいかなる有益な目的もなく患者に線量を与えることになる粒子の不要な生成がひき起こされる可能性がある。線量レベルを変動させるためには、必須深度まで反陽子を送達するために必要とされるようにそのエネルギーレベルを修正できる可変エネルギー型シンクロトロンを使用することが好ましい。
【0058】
図9に示されているもう1つの実施形態においては、送達パイプ940は一連の磁石919、915、917、910を通して導かれ、患者テーブル930との関係において位置づけされる。送達パイプ940は、それが加速器(図示せず)から、遮へいされた支持構造905を通り複数の送達ヘッド935内へと磁石919、910、917、915を適用することにより外へ延長するにつれてベンドする。操作上、固定された送達機構は、回転可能なガントリを必要とすることなく多数の方向から反陽子ビーム920を送達することができる。従って当該実施形態は、より複雑なガントリ構造を必要とすることなく単一のアイソセンタをターゲッティングするべく多数の反陽子ビーム920を導くことができる。当該実施形態は、患者テーブル930の方向に固定ビーム920を発出する3つの送達点をもつ状態で示されているものの、当業者であれば、適切な数及びタイプのベンディング磁石を使用することでビームラインを、患者テーブルに向かって導かれた任意の数の固定ビーム構成を導くように設計することができる、ということを認識することだろう。
【0059】
より特定的には、例示された実施形態において、反陽子ビーム(図示せず)は真空パイプ940を介して構造905の中に入る。真空パイプは、送達パイプ940の線に沿って存在する1つの135度ベンディング磁石910を通ってノズルヘッド935の中に延びている。90度ベンディング磁石915が制御システム(図示せず)により活動化される場合には、制御システム(図示せず)によって活動状態にされた時点で、ベンディング磁石910は、反陽子ビームを第2の真空パイプ区分940a内に、第1の90度ベンディング磁石915内に、そして、第2のノズルヘッド935を通して再度導くように作動する。90度ベンディング磁石915が活動化されていない場合、第1の45度ベンディング磁石917が活動化されて反陽子ビームを第3の真空パイプ区分940b内へそしてこれを通って、第2の135度ベンディング磁石919内に、そして第3のノズルヘッド935を通って再度導く。第1の45度ベンディング磁石917及び第1の90度ベンディング磁石915は、図9において、同じ部域内で同時位置設定されているものとして示されている。好ましくは、支持構造905は、ビームラインに最大の剛性を提供するように設計されている。ガントリ全体の重量は一般ベンディング磁石919、910、915、917によって支配され、ガントリが落下、傾斜又はその他の形で不安定にならないことを保証するには、構造905内に適切な釣り合いおもりを具備すべきである。
【0060】
操作上、反陽子ビームは、好ましくは、ノズル935によって規定された複数の送達点のうちの1つ又は組合せから導かれる一連の逐次的パルスとして患者の体内に堆積させられる。例えば、作動中、135度ベンディング磁石910を制御システム(図示せず)によって非活動化して反陽子ビームが、モニター及びレンジシフタシステム(図示せず)をもつノズルヘッド935内にそしてこれを通って、患者(図示せず)の体内に走行できるようにすることができる。例えば第2の送達点を通って第2のビーム衝撃経路が望まれる場合、135度ベンディング磁石910を制御システム(図示せず)によって活動化して、反陽子ビームを第1の90度ベンディング磁石内に再度導くことができ、活動化されたならば、モニター及びレンジシフタシステム(図示せず)をもつノズルヘッド935を通って患者(図示せず)の体内に導くことができる。ビーム衝撃経路は、標的領域に達するため反陽子が走行する患者の体内を通る経路である。
【0061】
前述のように、単一の有向適用で送達される反陽子の数は好ましくは、ノズル935内に位置づけされたビームモニターシステムによって測定される。1実施形態においては、ビーム監視システムは、2つの独立したビーム流測定値を提供する2つの監視用サブシステムを含む。2つの監視用サブシステムは、ガントリ構成との関係において記述されたものと実質的に類似している。同様にして、ビームを監視するためにその他の方法及びシステムを使用することができる。送達点を通って患者の体内にひとたび標的数の反陽子が送達された時点で、ビームは、好ましくはビームライン940内に位置設定された高速キッカー磁石(図示せず)を用いてオフ切換えされる。高速キッカー磁石及び付随する支持構造は、ガントリ構成との関係において記述されたものと実質的に類似している。
【0062】
ガントリ構成との関係において論述されたように、レンジシフターシステム及びその他の付加的な装置を用いてビームを制御しかつ輪郭どりすることができるものの、好ましい実施形態においては、ビームは、ディグレーダー又はビームを物理的に輪郭どりするためのその他の装置を用いることなく、形成及び送達される。ビームライン内にバリヤ、構造又はその他の材料を内含させると、パイオン、中性子及びガンマ線といったような、医療上のいかなる有益な目的もなく患者に線量を与えることになる粒子の不要な生成がひき起こされる可能性がある。線量レベルを変動させるためには、必須深度まで反陽子を送達するために必要とされるようにそのエネルギーレベルを修正できる可変エネルギー型のシンクロトロンを使用することが好ましい。
【0063】
ガントリ及び固定ビーム構成の両方において、患者テーブルは、固定型であっても又可動型であってもよい。可動型である場合、この患者テーブルは、必要に応じてx、y及びzという3つの座標平面全てに沿って線形的に、及び単数又は複数の座標平面を横断して移動可能である。好ましい実施形態においては、患者テーブルは、好ましくはそのベースで薄膜に連結された少なくとも4本の脚を有しているテーブルフレームに付加されている、好ましくは、均等な平坦表面上に患者を維持するべく充分な堅さをもつ細長い矩形の下地を含んで成る。フレームは、好ましくは、患者を同時に再位置づけする必要なく下地の平面的位置を修正するべく傾動を受ける能力をもつ金属構造である。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、本書に参考として内含されている米国特許第6,152,599号により記述されているものを含め、さまざまな実施形態の中で数多くのテーブル設計が可能であるということを認識することだろう。
【0064】
さらに以下で論述するように、患者の体内の適切な部域に適切な線量が送達されつつあることを保証するために、複数の変数が監視され修正される。各々の線量の位置及び数量は、1つの好ましい実施形態に従った反陽子治療プロトコル及び癌診断手順を応用して決定される。診断及びプロトコル手順を通して、患者上のビーム衝撃経路及び場所、送達される反陽子の数及び反陽子のエネルギーを修正することにより、均一な形から複雑な形までのさまざまな形状の線量分布を構築し、送達することができる。送達された通りの反陽子ビームは、線量分布が実質的にグラッグピーク計算により理論的に決定された分布との一致を保証するべく、三次元空間に位置づけされたきわめて有向性の高いペンシルビームの形の磁界を用いて、標的部域上で急速に集束される。
【0065】
1つの実施形態においては、ガントリヘッドは、患者のまわりのノズルの半径方向運動を可能にするため、患者との関係において円周方向に回転されうる。この半径方向運動は、好ましくは、患者テーブルより上の180度の円弧を網羅する。付加的には、患者テーブルを好ましくは垂直方向及び水平方向の両方に回転してガントリヘッドとの関係において適切なビーム送達角度を樹立することもできる。作動中、特定の組織経路を通って、特異な線量を送達し次に抹殺させることができる。必要とあらば、その後、ガントリヘッド及び/又は患者テーブルを移動させて、後続して異なる組織経路を介して反陽子ビームに露呈させるべく患者を位置づけすることが可能である。患者に対する不快感を作り出すのを避ける目的で、又そのようなテーブル調整が往々にしてはるかに多大な時間と技師による補助を用いることを理由として、患者を再度位置づけするべく治療中に患者テーブルくり返し回転させないことが好ましい。
【0066】
互いに隣接して送達される多数の線量が必要とされうる標的体積が治療対象である場合には、ビームを移動させるのにスウィーパー磁石を使用し、かくして調整時間をスピードアップし機械的再構成に関しより大きい精度を得ることが好ましい。1つの好ましいスウィーパー磁石は、渦電流効果を回避するべく絶縁体材料で作られた真空パイプをもつ5cmの磁極ギャップを伴う長さ40cmのH型積層磁石である。このタイプのスウィーパー効果を用いて、ビームスポットを約10cm移動させることができる。コイル内の電流は、+/−0.8Teslaの磁界範囲に対応する、好ましくは、+/−500ampsの範囲内の任意の望ましい値で選択可能である。スウィーパー磁石は、反陽子ビームの最も頻度の高い変位を実施するために使用される。スウィーパー磁石内のわずかな電流変化しか必要としない隣接する照射のためには、ビームをオフ切換えし位置を調整するのに必要とされる時間は、約5msより短かいものであるべきである。例えば、治療が単一の標的部域に10000の隣接するスポットを送達することを必要とする場合、合計むだ時間は、1分未満に制限することができる。
【0067】
もう1つの実施形態においては、均一から複雑までのさまざまな形状の線量分布を、空間内に固定された複数の異なる送達点から反陽子ビームを伝送することによって構築し送達することができる。図9を再び参照すると、例えば患者の脳内にある腫瘍といった単一のアイソセンタ980を、3つの送達点を用いて3つの異なるビーム経路を介してターゲティングすることができる。さらに、好ましくは患者テーブルを垂直及び水平の両方向に回転させて、送達点との関係における適切なビーム送達角度を樹立することもできる。作動中、特定の組織経路を通って、特異な線量を送達し次に抹殺させることができる。患者テーブルは好ましくは、治療の間くり返し回転させられない。
【0068】
好ましい反陽子装置構成においては、データプロセッサ、データ記憶装置及び表示装置を含むオペレータワークステーションが、ガントリヘッド及び/又は患者テーブルのベースに取付けられた動力式駆動ギヤといったような送達構造及び送達シンクロトロン、磁石とデータ通信状態にある。ワークステーションは、患者のために開発された反陽子治療プロトコルを実施するようにプログラミングされている。オペレータはワークステーションをスタートし、インタフェースを通して、患者が初期基準位置に位置づけされていることを指示する。患者を初期基準位置に位置づけすることによって、ワークステーションには、空間内で患者がすわっている場所に関する情報を受け、反陽子ビームを送達するためガントリヘッド及び/又は患者テーブルを患者との関係において適切な位置まで移動させることができる。制限的な意味なく以下のものを含めたいくつかの方法を、位置づけのために使用することができる。例えば、+/−1.7mmで患者を精確に再位置づけできるようにするべく患者の脊柱の中に移植可能な脊柱移植型X線不透過性基準点を用いてテーブルとの関係における特定の位置に患者を置くことにより、初期基準位置を確立することができる。初期基準位置は、患者テーブルとの関係における特定の位置に患者を置くか又は、各々が患者の体との関係における特定の位置に設置されている電気接点の格子から成るシートで患者をカバーすることによっても確立可能である。より特定的には、1つの実施形態において、電子接点格子は導電性材料により相互接続され、格子読取り装置の中に延びる単一のワイヤ接点内で完了する。格子読取り装置は、接点内にそしてそれを通って信号を送り、接点から応答を受取り、空間内で格子構造を再構築し、格子構成をワークステーションに伝送する。患者の体との関係においてどのように格子構造が位置づけされるかに関する仮定に基づいて作動して、ワークステーションは、患者の体の上の特定の点を識別することができる。
【0069】
患者が初期基準位置にある状態から始めて、ワークステーションは、ガントリヘッド及び/又は患者テーブルの動力式駆動ギヤに対し、初期反陽子線量を患者に送達する予定の角度及び経路に基づいて特定の位置にガントリヘッド及び患者テーブルを移動させるよう駆動ギヤに情報を与える信号を伝送する。固定型ビームライン構成が使用されている場合、初期反陽子線量を患者に送達する予定の角度及び経路に基づいて特定の位置を達成するために、患者テーブルのみが操作される。
【0070】
患者テーブルが位置づけされた状態で、ワークステーションは、ビームモニターシステムに対し、どれほどの量の反陽子を送達すべきかについての情報を与える信号を伝送すると同時にレンジシフターシステムに対して、加速(又は減速し)システムに所望のエネルギーレベルの反陽子を送達するべく送達シンクロトロンを活動化する前に線量深度についての情報を与える信号を伝送する。1つの実施形態においては、送達システムは活動化され、反陽子が、それぞれレンジシフターシステム及びビーム監視システムによって測定及び監視されるように適切な数で適切な深さまで送達される。好ましくは、線量送達の数量及び深さを監視するため並行して複数の手順が使用される。例えば、第1の手順はワークステーションがレンジシフターシステム及びビーム監視システムに対し走査パラメータを能動的に伝えることを含み得る。同時に、ワークステーションがレンジシフターシステム及びビーム監視システムの活動を受動的に監視する第2の手順が実施され得る。受動的監視は、以下でさらに論述するように患者の体内での反陽子消滅の数及び場所を検出し、送達された反陽子の付随するエネルギーレベル及び数を導出することによって達成できる。第2の手順から生成されるデータを第1の手順のパラメータと比較し、監視及び運転停止システムの精度を照合することが可能である。相違が識別された場合、自動運転停止手順を実施することができ、ここで、反陽子源がオフ切換えされ、高速キッカー磁石は活動化され、かつ/又はソリッドビームシャッタが配備される。
【0071】
第2の好ましい実施形態においては、ワークステーションは、ビーム監視用システムに対し、どれほどの量の反陽子を送達すべきかについての情報を与える信号を伝送すると同時に、送達シンクロトロンに対して、加速し特定の予め規定されたエネルギーレベルで反陽子を送達するよう信号を伝送し、かくして、パイオン、中性子及びガンマ線といった不要の粒子を生成する可能性のあるディグレーダー、レンジシフター又はその他のこのような機構に対するニーズを無くする。1つの実施形態においては、送達システムは活動化され、反陽子が、ビーム監視システムによって測定及び監視されるように適切な数で適切な深さまで送達される。好ましくは、上述のものと類似の並行手順を用いて、線量送達の数量及び深さを監視する。
【0072】
初期反陽子照射が完了した後、ビームスキャンの位置についてのパラメータは、好ましくは、標的部域全体の照射を可能にするべく修正される。ビーム再位置づけは、好ましくは、ビームがオフ切換えされた状態で実施される。前述の通り、ビーム再位置づけは、使用されている反陽子送達装置に応じて、ガントリヘッドの運動、テーブルの運動又は(スウィーパー磁石といったような)ベンディング磁石の使用によって、実施可能である。
【0073】
ガントリ構成においては、アイソセンタと呼ばれる指定された標的部域上でのビームの集束を保証するために、その方向に実質的に正確に平行である掃引ビームの変位を生み出すように及びスウィーパー磁石の設定とは独立してアイソセンタ平面にビームの集束を維持するように、90度ベンディング磁石及びスウィーパー磁石の極の形状を設計することが好ましい。走査されたビームの形状は、好ましくはスウィーパー不変的である。ビームは、(スウィーパーの位置とは独立した)走査中のビーム平行度、(スウィーパーの位置とは独立した)走査中のビーム形状の変化、(ガントリ角度とは独立した)アイソセンタ安定性及びビームエネルギーの変更後のビーム位置再現性について、1mm以上の精度で測定される。
【0074】
以上の制御に加えて、固定型ビーム及びガントリ構成の両方について、好ましい実施形態は付加的に、運転を停止するため又は患者の望ましくない反陽子照射をその他の形で遮断するため複数のバックアップ制御を有する。反陽子ビームは、高速キッカー磁石により自動的に制御される。キッカー磁石が活動化できない場合には、反陽子加速器のオフ切換えといったように、もう1つの形態のビーム運転停止が直ちに配備されるべきである。代替的に又はこれと組合わせて、患者を反陽子被曝から遮断するために機械式ビームシャッタを使用することができる。
【0075】
図10aに示されている反陽子ガントリ装置の好ましい実施形態においては、ガントリ1050aは、反陽子放射線に付された患者の或る組織の画像形成を可能にする複数の検出器1060aと組合わされる。患者(図示せず)は、患者テーブル1065a上に位置づけされる。反陽子ビーム1070aは、ガントリ1050a内に入り、標的体積1075aに向かって導かれる。前述のように、ビーム1070aを体積1075aに向かって導くためには複数の異なる構成を使用することができ、図10aに示された構成は、単なる一実施例にすぎない。検出器1060aは、以下でさらに論述するような実時間画像形成を行なうのに使用できる反陽子消滅発出に検出器アレイ1060aを同時に露呈しながら、ビーム1070aを妨害するのを避けた構成で配置される。
【0076】
同様にして、図10bに示されている固定型ビーム装置の好ましい実施形態においては、固定型ビームシステム1050bは、反陽子放射線に付された或る患者組織部域の画像形成を可能にする複数の検出器1060b、1062bと組合わされている。回転可能な患者テーブル1065b上に患者(図示せず)が位置づけされる。反陽子ビームライン(図示せず)がガントリ1050b内に入り、複数のビーム磁石の作用により標的体積1075bに向かって導かれる。以上で論述した通り、入射ビームを体積1075bに向かって導くために複数の異なる構成1070bを使用することができ、図10bに示されている構成は単なる一実施例にすぎない。検出器1060a、1062bは、以下でさらに論述するような実時間画像形成を行なうのに使用できる反陽子消滅発出に検出アレイ1060a、1062bを同時に露呈しながら、複数のビーム1070aを妨害するのを避ける実質的に球形の下部検出器構成1062bで配置される。
【0077】
検出器は、好ましくは、電磁シャワーを作り出すようにガンマ線と相互作用する能力をもつ高い原子番号の高密度材料で作られている。シャワーエネルギーは、各々モリエール半径の2倍の半径をもちかつ約20Xo放射線長という長さを有する1つの体積の内側に実質的に収納されている。1実施形態においては、検出器アセンブリは、ベンドしたほぼ半円のトラック上を走る標的軸のまわりを回転できるキャリッジによって支持されている。検出器は同様に、標的から結晶面までの規定の距離範囲までネジ配置により半径方向に移動させることもできる。
【0078】
専門化した高エネルギー物理学実験では、反陽子が陽子上で静止状態で消滅するときに生成され、その後その消滅部位から半径方向に離れるように移動する精力的な荷電粒子及びガンマ線が検出され、頂点と呼ばれる共通の点まで戻るようにトラッキングされる。精力的な荷電粒子及びガンマ線をその共通の起点に戻るようにトラッキングするプロセスは、頂点再構築と呼ばれる。頂点再構築を効果的に実施するため、使用される検出器は好ましくは、粒子及び/又は放射線がどこから由来するかの決定を複雑にしうる散乱又はその他の外乱の量を最小限にしながら、患者の体から逃散する確率の最も高い粒子及び/又は放射線を検出するように設計される。
【0079】
反陽子ビームは15センチメートル(cm)の半径をもつ水球の中心に進入して停止し消滅すると仮定すると、15cmの水の阻止範囲により与えられるよりも大きいエネルギーをもつ粒子のみが球から逃散し、検出される能力をもつことになる。荷電K中間子、中性K中間子(短)及び中性K中間子(長)に比べて、ミューオン及び荷電パイオンは、15cmの球から逃散する最大の確率を有する。中性パイオンは、パイオンにより担持されるエネルギーと共に逃散するガンマ線対内へ、消滅点から0.025ミクロン以内で崩壊する。
【0080】
材料から逃散する荷電パイオンは、実質的な量の散乱を受け、かくして頂点再構築の複雑性を増大させる。水15cmから外に発出されているとき、約160MeV/c未満の運動量をもつ荷電パイオンは水の中で停止し、検出されず、一方、約150MeV/cを超える運動量をもつ荷電パイオンは、約7ミリメートルの2乗平均平方根により線形に形成されたトラックの方向に対し側方に散乱する。方向の変化は、粒子の運動量、粒子の荷電及び粒子が中を通過する材料により左右される。
【0081】
側方変位は、粒子運動量が増大するにつれて改善するが、より高い運動量においてさえ、パイオン側方散乱は、1.5mm又はその前後にあり、かくして画像形成精度を±1.5mmに制限する。この限界は、消滅部位が表面に近づくにつれて減少する。
【0082】
好ましい一実施形態においては、頂点再構築は、中性パイオン崩壊ガンマ放射線を用いて実施される。荷電パイオンとは異なり、ガンマ線は、散乱及び歪頂点再構築計算をひき起こす実質的相互作用を受けることなく、材料本体から逃散する高い確率をもつ。さらに、発出されるガンマ線対は、中性パイオンが崩壊した点まで戻るようにトレースすることができ、中性パイオンは消滅点から0.025ミクロン以内で崩壊することから、消滅が発生した場所のさらに正確な表示を提供することができる。標準的な消滅事象では、各々の消滅事象について発出されたガンマの平均数は4(各中性パイオンについて2)であり、10という高いものでもあり得る。
【0083】
操作上、頂点再構築は、シャワー軸に沿った多数の点の検出及び共通の頂点部域を局在化させるベクトルを生成するためのこれらの多数の点の使用に依存することで実施される。ガンマ線を検出するために使用されるあらゆる重量無機シンチレータが、入エネルギーの完全な吸収の確率を最大限にするための高い阻止能、高タイミング解像度、高エネルギー解像度、最小むだ時間、光検出器のスペクトル応答と整合する発出波長、機械的耐久性、放射線固さ、通常の大気条件下での化学的安定性及び適正なコスト、を含めたいくつかの望ましい特性のうちの単数又は複数のものを有することが好ましい。既存の重量シンチレータは、光子/MeVで測定された高い発光効率(NaI(Tl)及びCsI(Tl))、高密度/高原子数(BGO)、短かいモリエール半径(BGO及びCeF3)、高タイミング解像度で光子/MeV/nsで測定された高い初期光子強度(BaF2)、及びシリコンフォトダイオードに適した高い発光効率及び波長(CsI(Tl)及びCdWO4)を含め、これらの基準のうちのいくつかを満たしている。検出器の適正な選択は、速度における、荷電粒子検出に比べたガンマ線シャワー検出のさらなる利点を提供する。シャワー検出は、15ナノセカンド未満の高速シンチレータを用いて行なうことができ、かくして荷電粒子トラッキングに比べて速い応答を可能にする。
【0084】
タングステン(W)、タリウムでドープされたヨウ化ナトリウム(NaI(Tl))及びタングステン酸鉛(PbWO4)は、好ましくはシャワー検出のために使用できる3つの材料である。タリウムで活性化されたヨウ化ナトリウムは、シンチレーションの利用分野のために用いられる周知の材料である。NaI(Tl)は、シンチレーションを受けた光の最小有意自己吸収率で高いルミネセンス効率と分光分析性能を有する。タングステン酸鉛は、既知のシンチレータの中でも最も短かい放射線長及びモリエール半径、このエネルギー範囲についての満足のいく光収量及び高い放射線安定性のうちの1つを伴うきわめて効率の高い高速シンチレータである。NaI(Tl)、CsI(Tl)、PbWO4、BGO、タングステン(W)及びイリジウム(Ir)についての放射線長は、それぞれ2.59cm、1.86cm、0.89cm、1.12cm、0.323cm及び0.27cmである。NaI(Tl)、PbWO4及びWについてのモリエール半径はそれぞれ4.5cm、2.2cm及び0.8cmである。NaI(Tl)、CsI(Tl)、PbWO4、BGO、タングステン(W)及びイリジウム(Ir)についての密度はそれぞれ3.67、4.53、8.28、7.13、19.4及び22.4である。NaI(Tl)についての崩壊時間は、250nsであり、一方PbWO4については、5〜15nsの間である。BGO及びCsI(Tl)については、崩壊時間は300ns及び0.9/7.0μsである。NaI(Tl)、CsI(Tl)、PbWO4及びBGOについての光出力はそれぞれ1.0、0.85、0.01及び0.15である。当該利用分野のために使用可能なもう1つの材料としては、必須モリエール半径及び材料密度を有するウランがある。しかしながら、それはシャワーに対し能動的感応性をもたないことから、能動的シンチレータと組合わせることが必要となる。例えば、ウランと組合わせた形でタングステンの層を用いると、満足のいく検出器装置を得ることができる。
【0085】
タングステンを使用する場合には、サンドイッチプレートの間を通るシャワーの荷電粒子を標本抽出するために、3.23×3.23×3.23nm2のマトリクスといったようなマトリクスの形でか又は交叉型3.23×3.23×200mm3のホドスコーププラスチックシンチレータアレイの形で、検知要素を利用することができる。これらの技術を用いると、およそ500ミクロンの精度で頂点を位置特定することが可能である。タングステン酸鉛を用いる場合には、9×9×9mm3のマトリクス又は交叉型9×9×200mm3ホドスコープセンサーアレイを使用することができる。タングステン酸鉛の放射線長は、タングステンよりも2.7倍長い。好ましいアプローチは、複数の技術的ならびに経済的考慮事項により左右されるが、タングステン酸鉛に比べタングステンのより小さいシャワー局在化に有利に作用する1つの考慮事項は、中性パイオン崩壊のガンマ対を分離するその能力にある。中性パイオンの運動量が増大するにつれて、タングステン酸鉛は、タングステンシャワー検出器との関係において崩壊ガンマを分離するにあたり効力を失なう。
【0086】
好ましくは、検出器は、周囲環境から検出器を隔離するための遮へい構造によりとり囲まれている。1つの実現においては、NaI(Tl)結晶は、能動的プラスチックシールド、受動的LiHシールド及び低活性の厚い鉛シールドによりとり囲まれ、これらのシールドは組合わさって、98%前後の宇宙線阻止効率をもつ。
【0087】
図10c〜10rを参照すると、使用される各々の熱量計画像形成装置材料に特定的な複数の検出器構成が示されている。NaI及びBGOについての画像形成装置(イメージャ)は、NaIがCa1に類似し、BGOがPbWO4に類似していることから示されていない。図10c及び10dは、熱量計画像形成装置材料としてPbWO4を用いる脳画像形成のための好ましい検出器構成を示す。図10c及び10dでは、ビームパイプ1083dは、患者の脳1085d内の予め指定された部域に反陽子ビームを送達する。ビームの方向及び画像形成装置1086dは互いとの関係において固定されている。患者は、テーブル1084dの上に位置づけされる。使用中、患者はまず第1に図10a及び10bの中に示されているように検出器要素の間に位置づけされることになり、次に要素は、ストラグリング及び多重ストラグリング限界を適切に説明するように消滅領域とセンタを共有する球形シェルの一部分の中に組立てられる。熱量計要素がおおよそ消滅部位を指すようにすることで充分な解像度を達成することができる。消滅が発生した場合、消滅の間に生成された中性パイオンの崩壊に起因して消滅点から測定して約30度の開放角度を伴って標的領域1085dから延びる複数のガンマ線1087dが発出される。このガンマ放射線は、30度未満の開放角度を有していてもよいが、互いとの関係において30度を超えることはない。1実施形態においては、画像形成装置の長さ(20放射線長)は17.8cmである。内部半径サイズは0.89cm×0.89cmであり、外部半径サイズは、1.8cm×1.8cmである。最大質量は約1556kgである。
【0088】
図10g及び10h、10k及び10l及び10o及び10pは、それぞれ熱量計要素としてCsI(Tl)、Ir及びWを用いた類似の検出器構成を示す。ビームパイプ1083h、1083l、1083pは、反陽子ビームを患者の脳内の予め指定された部域1085h、1085l、1085pまで送達する。ビーム方向及び画像形成装置1086h、1086l、1086pは、少なくとも検出の間、互いとの関係において固定されている。患者は、テーブル1084h、1084l、1084pの上に位置づけされる。使用中、患者はまず第1に図10a及び10bの中に示されているように検出器要素の間に位置づけされることになり、次に要素は、ストラグリンク及び多種ストラグリンク限界を適切に説明するように消滅領域とセンタを共有する球形シェルの一部分の中に組立てられる。熱量計要素がおおよそ消滅部位を指すようにすることで充分な解像度を達成することができる。消滅が発生した場合、消滅の間に生成された中性パイオンの崩壊に起因して消滅点から測定して約30度の開放角度を伴って標的領域1085h、1085l、1085pから延びる複数のガンマ線1087h、1087l、1087pが発出される。このガンマ放射線は、30度未満の開放角度を有していてもよいが、互いとの関係において30度を超えることはない。1実施形態においては、Csl(Tl)については、画像形成装置の長さ(20放射線長)は37.2cmであり、内部半径サイズは0.86cm×0.86cmであり、外部半径サイズは、5.7cm×5.7cmであり、最大質量は約3172kgである;Irについては、画像形成装置の長さ(20放射線長)は10.8cmであり、内部半径サイズは2.7cm×2.7cmであり、最大質量は約1073kgである;Wについては、画像形成装置の長さ(20放射線長)は12.92cmであり、内部半径サイズは0.32cm×0.32cmであり、外部半径サイズは、5.7cm×5.7cmである。最大質量は約1137kgである;そしてBGO(図示せず)については、画像形成装置の長さ(20放射線長)は22.4cmであり、内部半径サイズは1.12cm×1.12cmである。Ir及びWといったような非シンチレータについては、好ましくは、ホドスコープの幾何形状内のシャワーから読取られて、長さ内の空間の約50%がプラスチックシンチレータの専用となっている。
図10e及び10fは、熱量計画像形成装置材料としてPbWO4を用いる胴の画像形成のための検出器構成を示す。ビームパイプ1083fは、患者の胴1085f内の予め指定された部域に反陽子ビームを送達する。ビームの方向及び画像形成装置1086fは、好ましくは互いとの関係において固定されている。患者は、テーブル1084fの上に位置づけされる。前述の通り使用中、患者はまず第1に図10a及び10bの中に示されているように検出器要素の間に位置づけされることになり、次に要素は、ストラグリング及び多重ストラグリング限界を適切に説明するように消滅領域とセンタを共有する球形シェルの一部分の中に組立てられる。熱量計要素がおおよそ消滅部位を指している場合、充分な解像度を達成することができる。消滅が発生した場合、消滅の間に生成された中性パイオンの崩壊に起因して消滅点から測定して約30度の開放角度を伴って標的領域1085fから延びる複数のガンマ線1087fが発出される。このガンマ放射線は、30度未満の開放角度を有していてもよいが、互いとの関係において30度を超えることはない。1実施形態においては、画像形成装置の長さ(20放射線長)は17.8cmであり、内部半径サイズは0.89cm×0.89cmであり、外部半径サイズは、1.8cm×1.8cmであり、最大質量は約3618kgである。
【0089】
図10i及び10j、10m及び10nび10q及び10rは、それぞれ熱量計要素としてCsI(Tl)、Ir及びWを用いた類似の検出器構成を示す。ビームパイプ1083j、1083n、1083rは、反陽子ビームを患者の胴内の予め指定された部域1085j、1085n、1085rまで送達する。ビーム方向及び画像形成装置1086j、1086n、1086rは、互いとの関係において固定されている。患者は、テーブル1084j、1084n、1084rの上に位置づけされる。使用中、患者はまず第1に図10a及び10bの中に示されているように検出器要素の間に位置づけされることになり、次に要素は、ストラグリンク及び多種ストラグリンク限界を適切に説明するように消滅領域とセンタを共有する球形シェルの一部分の中に組立てられる。熱量計要素がおおよそ消滅部位を指している場合、充分な解像度を達成することができる。消滅が発生した場合、消滅の間に生成された中性パイオンの崩壊に起因して消滅点から測定して約30度の開放角度を伴って標的領域1085j、1085n、1085rから延びる複数のガンマ線1087j、1087n、1087rが発出される。このガンマ放射線は、30度未満の開放角度を有していてもよいが、互いとの関係において30度を超えることはない。1実施形態においては、Csl(Tl)については、画像形成装置の長さ(20放射線長)は37.2cmであり、内部半径サイズは1.86cm×1.86cmであり、外部半径サイズは、3.8cm×3.8cmであり、最大質量は約6328kgである;Irについては、画像形成装置の長さ(20放射線長)は10.8cmであり、内部半径サイズは2.7cm×2.7cmであり、最大質量は約2500kgである;Wについては、画像形成装置の長さ(20放射線長)は12.92cmであり、内部半径サイズは0.32cm×0.32cmであり、最大質量は約2618kgである。Ir及びWといったような非シンチレータについては、好ましくは、ホドスコープの幾何形状内のシャワーから読取られて、長さ内の空間の約50%がプラスチックシンチレータの専用となっている。
【0090】
性能に関しては、クリスタルバレル分光計内で達成された受容角度は約6度(100mrad)である。隣接する細胞補間がない場合、上述の脳画像形成装置及び胴画像形成装置構成内で作動する熱量計画像形成装置材料は、以下の角度的受容度をもつ;すなわち、脳画像形成装置構成については、Csl(TI)、PbWO4、BGO、W及びIrの受容角度はそれぞれ103mrad、49mrad、62mrad、18mrad、及び15mradである。胴画像形成装置構成については、Csl(TI)、PbWO4、BGO、W及びIrの受容角度は、それぞれ53mrad、25mrad、32mrad、9.2及び7.2mradである。補間が実施される場合、或る種の構成内で作動する或る種の熱量計画像形成装置材料については、300%の解像度利得を達成することができ、PbWO4といったような材料については約1000%の解像度利得が達成できる。最高の角度的解像度は、W又はIrで達成できるが、Irは、使用が高価になる可能性がある。
【0091】
診断及び治療の戦略
一部が本書で論述されているさまざまな方法を用いて、癌が診断される。癌の疑いがある患者について、X線、CT、MRI、放射線標識づけされたトレーサーの摂取、温熱療法、超音波及びPETスキャンを用いて、画像を形成することができる。癌の診断技術に精通している医療従事者であれば、異常な塊そして場合によっては癌の存在を示すことのできる画像を生成するのにこれらの技術をいかに使用すべきかを理解することだろう。
【0092】
1つの好ましい実施形態においては、患者は、反陽子放射線療法を送達できる医療施設内で治療を受けている。医療施設の一例の概略的平面配置図が図11に示されている。医療施設例1100は、診療室、メンテナンスエリア、受付エリア、待合い室、守衛室、ユーティリティ、階段室1187、エレベータ1180、ロビー1190及び職員用エリア例えば職員事務室、会議室、食堂、患者記録保管庫を含めた、標準的な医療施設の機能に専用の複数のエリアを含んで成る。好ましくは、施設1185の内部のかなり広い部屋が職員事務室及び/又は診察室のために用いられ、処理エリア1160に隣接する部屋は、患者の準備及び更衣用に使用され、大きい方の部屋1170は、打合せ又は待合せエリアとして使用され、小さい方の部屋1175は、ユーティリティ又は守衛用に使用され、その他の部屋1165は、患者の記録を保管するため、秘書機能用、食堂、小さ目の職員事務室、そして少なくとも1つの線量測定室及び保健物理室として使用される。
【0093】
例示された医療施設1100はさらに、反陽子療法の送達のために専門化されたエリアをも含んで成る。重い遮へい1135にとり囲まれた複数の治療室1103が、施設1100の裏側にある。制御室1130が各治療室1103と一体を成して具備されている。1つの部屋1003には、CTシミュレータ1155に近接してMRI1145が具備されている。1組の第2の部屋1103の中には、固定型ビーム又はガントリ装置といったような送達装置に一体を成して取付けられた送達点1115に近接して、患者テーブル1120が置かれている。さらに、治療用椅子1140及び検出器アレイ(図示せず)も同じく、送達点1115及び患者テーブル1120に近接して置くことができる。第3の部屋1103の中には、オペレータがビーム輸送システム1105及び送達シンクロトロン(図示せず)の動作を較正できるようにする較正システム1125が具備されている。操作上、反陽子ビームは、ビーム輸送システム1105を通して走行させられ、支持構造内に収納された複数のベンディング磁石1110の力によってベンドする。
【0094】
集中した運転計画に応じて、特定の治療室1103に導かれる複数のビームラインのうちの1本が活動状態となり、患者テーブル1120上に位置づけされた患者1124に予め指定された線量の反陽子を送達している状態になる。図示されているようなビームパイプは、ガントリ又は垂直/水平ビームライン内で抹殺する。図11aを参照すると、医療施設1100aと一体化されたビームライン例1105aが、固定型ビーム反陽子送達装置への反陽子ビームの送達という状況下で示されている。2本の固定型ビーム1125aが、ビームパイプ1140aを通って走行する反陽子を選択的にベンドさせる複数のベンディング磁石の作用により標的体積1130a上に集束された状態で生成される。高エネルギー物理に精通した人であれば、真空ポンプ、磁石、無線周波数空洞、高電圧計器及び電子回路の適用を通していかにして反陽子を生産し、収集し、冷却し、減速し、抽出するかを理解することだろう。反陽子は、それを消滅させる物質との接触を回避するべく、真空パイプの内部を循環する。真空は、最適でなくてはならず、従って、空気を抽出する複数の真空ポンプがパイプのまわりに設置される。使用される磁石には、反陽子の運動の方向を変更するのに役立ちそれらが円形トラック内にとどまることを保証する双極子及び反陽子ビームサイズが真空パイプサイズよりも小さいことを保証するためのレンズ又は集束用磁石として用いられる四極子が含まれる。反陽子エネルギーレベルを修正するためには電界が使用され、リングのまわりの反陽子の回転と同期化された高圧電圧を生成する無線周波数空洞により提供される。医療施設1100、1100aを特定の設計及び配置との関係において記述してきたが、当業者であれば、施設の場所及びニーズといった特定の条件に応じてその他の空間構成を使用できるということを認識することだろう。
【0095】
患者は、複数の診断装置の1つ又は組合せを有することのできる診断エリアの中に位置づけされている。1つの診断装置は、磁気共鳴画像法(MRI)スキャンを内含でき、その中で患者は、自らの体内の光子を励起しその後弛緩特性及びスピン密度に応じた振幅を伴う信号を生成する外部の均一な磁界及び無線周波数エネルギーに付される。異常は、通常予測されるものとは異なる陽子密度を特定の領域が有することを表わす普通でない信号を識別することによって検出可能である。組織構造を顕示しひいては普通でない塊を識別できるもう1つの診断装置はコンピュータ断層撮影(CT)スキャニングである。CTスキャンは、患者のまわりにX線源を回転させることにより、多数の角度で患者の体内にX線を通すことによって実施される。X線源とは反対側にある複数の検出器アレイが、さまざまなデータ点の形で伝送投影データを収集する。データ点は、患者の断層撮影画像又は画像形成されたスライスの形に合成される。伝送データの変動は、組織密度を表わし、体内の普通でない塊を識別するために使用可能である。
【0096】
第3の考えられる診断装置は、患者が、代謝活性に比例して体内の組織と反応する一形態のグルコースを含む陽電子放出放射性物質の投与を静脈内注射を通して受ける陽電子放出断層撮影(PET)スキャンである。健康な組織及び癌性組織によって放出される陽電子の異なる量を測定することにより、コンピュータは患者体内に発生する生物活性を反映する画像を作り出す。数多くの癌からの細胞が、或る種の陽電子放出放射性物質、例えばF18標識づけされたグルコースについてより高い親和性をもつことから、腫瘍部域を画像形成することが可能である。PETスキャンは、普通でない構造が事実癌性でありうることを確認するために、X線ベースのスキャン及びMRIスキャンと組合わせることができる。より特定的には、PETスキャンをMRI又はCT画像上に重ね合せるか又はこれらと組合わせて、代謝活性に付随する組織構造を示す統合画像を生成することが可能である。
【0097】
上述の診断装置のうちの単数又は複数からの出力は、技師、看護士、放射線医師、癌専門医及びその他の医療専門家を含む医療従事者によって、その患者が癌をもっているか否かを決定し、もしもっているならば、癌の場所、範囲及びステージを決定するために利用され得る。図12に示されている好ましい実施形態においては、PETスキャン1305、MRIスキャン1310、及び/又はCTスキャン1315からの診断用スキャンのうちの少なくとも1つがオペレータワークステーション1320内に記憶され、反陽子治療プロトコルステーション1325に伝送され、反陽子ベースの治療投与計画の開発を補助するために用いられる。代替的には、主要な治療パラメータを表わすデータのみを、反陽子治療プロトコルステーションに伝送することもできる。
【0098】
再び図11を参照すると、患者は、ひとたび画像形成されたならば、反陽子治療プロトコルステーションに運ばれる。このステーションは、診断用機械と同じ場所に置かれてもよいし、同じ建物内の別々の診療室に設置されても、又、完全に別の施設にあってもよい。図11内の概略的表現は、単なる一例として提供されているにすぎない。
【0099】
腫瘍の場所を識別し数量化した後、反陽子放射線を用いた治療プロトコルが展開される。好ましいアプローチでは、腫瘍のサイズ及び場所を表わすデータが、前述の通りの画像形成技術から反陽子治療プロトコルステーションまで伝送される。治療プロトコルステーションは、反陽子の量、治療に充分な反陽子エネルギー及び好ましい送達経路を決定するべく一組の分析を適用し、そのプロトコルを前述の通りの反陽子放射及び画像形成ステーションに伝達する。反陽子治療プロトコルステーションは、使用される画像形成ステーションとデータ通信状態にあるか、代替的には、ディスク又はCD−ROMなどの媒体上に記憶されたデータを受信する能力をもつ。
【0100】
図12に示されている1実施形態においては、治療プロトコルステーションは、表示装置1350、プリントアウト装置1355、記憶装置1360、モデム又はネットワーク制御カード1365及び、表示装置(あらゆるタイプのモニタ)、プリントアウト装置(あらゆるタイプのプリンタ)、記憶装置及びモデム/ネットワークコントローラーと通信し、腫瘍のサイズ及び場所がわかっている場合に反陽子の量、治療に充分な反陽子エネルギー及び好ましい送達経路を決定するための複数の命令セットを実行する能力をもつプロセッサ1370を含んで成る。1つの塊を抹殺するのに必要とされる反陽子放射線の量は、塊の深い所まで反陽子を送達するのに必要とされるエネルギーの量と共に計算される。側副組織内に沈積されたエネルギーの量及び残留エネルギーに加えてアルファ粒子のような粒子の発出によってひき起こされるような消滅事象放射線効果を決定するための等式を使用して、塊の中に沈積されたエネルギーと共に側方の広がり及びブラッグピーク周囲を決定することができる。ひとたび終了すると、腫瘍領域内部の可変的深度で複数のスポットスキャンが実施されたものと仮定して、多数のブラッグピークを合計することにより充分な反陽子誘発放射線で塊全体をカバーするエネルギー沈積プロフィールを生成することができる。照射すべき各々の場所についての反陽子の量及びエネルギーレベルは、プロトコルを定義し、これは次に、前述のように反陽子放射線及び画像形成装置まで送られる。作業中、好ましい実施形態は、ビーム監視システム及びレンジシフター又は送達シンクロトロンを通して、送達中の実際の線量を監視して、それが望ましい計算上の線量と相関していることを保証する。レンジシフターが使用されるかぎり、減損プロセスによってひき起こされる反陽子損失を計算し、全てのビーム監視計算内にそれを取込んで、患者に送達される実際の反陽子の正確な決定を保証する必要がある。
【0101】
一例として、患者は、皮膚表面下10センチメートルのところに1立方センチメートル(cc)の腫瘍があると診断される。この診断は、患者の胸腔内の高い代謝速度をもつ塊を表わすMRI及びPETスキャンの組合せを通して行なわれる。場所及び腫瘍サイズのデータを用いて、標的領域を消滅させるために使用すべき反陽子の量が決定される。必要とされる反陽子の量を決定する1つの好ましい方法は、癌性細胞を抹殺するのに500ラドが充分であると仮定し、細胞の密度が1ccあたり1グラム前後であると仮定して、標的体積内の反陽子放射線の相対生物学的効果(RBE)を30MeV反跳をもつ重イオンのもの(RBE=5)と等しくすることによるものである。これは、少なくとも1つの30MeV反跳重イオンが各々の反陽子消滅事象について生成されるという事実を反映している。500ラドが1グラムあたり30×109MeVとほぼ同等であることから、500ラドを送達するために必要とされる反陽子の合計数は109である。選択された放射線のRBEが陽子の場合と同様にさらに低いものであったとすると、癌性細胞を抹殺させるためにラド単位で測定されるさらに多量の放射線を同じ標的領域に送達としなければならないという点に留意すべきである。例えば、光子放射線は1というRBEを有し、かくして重イオンと等しくされた場合5というRBEをもつ反陽子と同じ抹殺効果をもつのに2500ラドを必要とする。
【0102】
表面より10cm下に達するために109個の反陽子がもたなくてはならないエネルギー量を決定するためには、Eeigler J.F., Biersack J.P.、及びLittmark U.、「固体内のイオンの阻止及び範囲」第1巻、1985年(Pergamon Press, NY)の中で見い出されるようなTRIM計算を使用することができる。TRIM計算を応用すると、約108MeVの反陽子ビームエネルギーが患者体内で表面から10cm下のところにあるエンドオブレンジ位置を達成することになる、ということが実証される。陽子と同様、反陽子も低線形エネルギー伝達粒子であること、そして標的領域に達する前に反陽子のわずかな部分しか消滅しないことから、108MeVのうちの約30MeVが標的領域内に沈積され、78MeVが側副組織内に沈積される。皮膚と標的部域の間の側副組織の体積が9cc(1cm×1cm×9cm)であると仮定すると、走行する反陽子によって与えられる損傷は1.2のRBE(陽子より20%大きい)により定義づけでき、損傷は側副組織を横断して均等に広がり、側副損傷は、約168ラド((1.2×78MeV/反陽子×109反陽子)/9cc)に等しいが、これは、許容可能なものであり従って多重経路線量プロフィールを必要としない(ただし望まれる場合には行なうことができる)。従って組合わせると、プロトコルは、推奨される治療計画を生み出す:108MeVのエネルギーを有する109の反陽子の1回の被曝。
【0103】
1cc以上の体積をもつ腫瘍を扱う場合、任意の単一の場所で側副組織の損傷を最小限におさえるためには、1つの領域を横断して広がった多重線量が好ましいかもしれない。例えば、一部の肺及び前立腺癌は、中間サイズの腫瘍であり、それぞれ平均12cm及び6cmの表面深度をもつ平均150cc及び35cc前後の範囲にわたる可能性がある。頭部及び首の腫瘍は、不規則な形をしている可能性があり、標的領域をカバーするのに多重線量を利用することができる。
【0104】
いずれの場合でも、反陽子放射線療法により提供される高い局在化度により、次のうちの単数又は複数のことが可能となる:(1)最小の細分化必要条件での癌細胞の抹殺;(2)数多くの2本鎖DNA切断をひき起こし膜内外表面タンパク質の細胞脂質損傷を誘発する、すなわちEGFR(表皮増殖因子レセプタ)及びVEGF(血管内皮増殖因子レセプタ)形質導入に干渉することによる腫瘍細胞損傷の生成;(3)腫瘍微環境内でのT細胞による腫瘍溶解を容易にする、マクロファージ樹状細胞に役立つ腫瘍隣接抗原に対する損傷の割愛;(4)腫瘍の成長に対する体の自然の防御を容易にする重要な免疫学的活動である、樹状細胞により腫瘍抗原と共に供与された場合に腫瘍溶解をひきおこすエフェクタ細胞となる、リンホカイン活性化キラー(LAK)T細胞に対する腫瘍微環境内での損傷の回避;(5)遠位微視的腫瘍転移性移植体の細胞溶解を、腫瘍感作されたエフェクターLAKT細胞の後代が提供できるようにすること;及び(6)骨髄は、放射線出口線量及び線量減少の効果を受けないことから、光子投与計画において一般的である造血損傷を比較的わずかしかひき起こさないこと。これは、往々にして治療の中断を必要とする血球数下降を導く、さまざまな癌における化学療法と光子放射線療法の同時使用の増加と共に、特に重要なことである。反陽子放射線はきわめて集中的な性質をもつことから、この不利な結果が避けられることになる。
【0105】
1つの好ましい実施形態においては、治療プロトコルステーションは、必須入力データすなわち腫瘍のサイズ及び場所を取り込みかつ図13に示されているように従来の療法から生成されるような患者の腫瘍の走査された画像上に重ね合わされた衝撃グラフを出力する能力をもつコンピュータ実行型ソフトウエアプログラムを有する。腫瘍本体1305が識別され、患者の解剖学的構造との関係において位置特定される。腫瘍本体1305は、患者の脳1310の中の1つの部域の中に位置づけされる。腫瘍本体1305との関係において、複数の線引きされた反陽子線量領域1315が定義される。線量領域1315は、計算上の線量の必要条件との関係における百分率線量によるか又は絶対的線量による方法を含めた数多くの方法において定義づけされ得、高い方の線量領域は一般に複数の線量領域1315内で中心に集中し、低い方の線量領域は周辺に延びている。
【0106】
大きな側副損傷を随伴すること無く1つの部域内に高いエネルギー量を正確に送達する能力を有するため、医療従事者は、反陽子放射線で塊全体をカバーする必要はなくむしろ、最小限の放射線により腫瘍の塊の破壊を達成するべく腫瘍体積内できわめて感応性の高い部域に選択的に的を絞ることができる。例えば、腫瘍はその急速な成長を増幅させるために脆い血管網に依存していることから、一次的血液供給の提供を担当する部域上で反陽子放射線を有向適用することを通して腫瘍塊全体を殺すことが可能でありうる。危険な血管に照射することにより、血管退化を誘発し、かくして、腫瘍に対する必須血液供給を中断させることができる。同様にして、腫瘍の血液供給を場合により遮断するという結果をもたらすことになるAVM(動静脈奇形)といったような血管膨潤化をひき起こすことによって、反陽子放射線を用いて、腫瘍を殺すことも可能である。又、悪性前立腺を通しての尿道進行といったように、反陽子放射線を周辺に適用して腫瘍を生物学的に隔離し腫瘍の内部の正常な構造を保存することによっても殺すことができる。周辺の反陽子放射線は同様に、腫瘍塊のまわりの線維形成をも誘発する可能性がある。
【0107】
さらに、実質的な数の反復的治療も必要とされないという点にも留意すべきである。従来の療法では、高い側副損傷をひき起こすことなく標的細胞に充分に高い放射線レベルを駆動することができないために、治療の細分化が必要とされる。分裂中の細胞を殺すには充分であるものの、比較的低い標的放射線レベルは、静止細胞を殺すには充分ではない。その結果、標的癌細胞を殺すために多数の治療を適用しなければならず、癌細胞は、その高速分裂性のため、放射線被曝後に修復する時間をもつ側副細胞に比べてより大きな衝撃を受ける。本書で開示されている好ましい方法及びシステムは、標的細胞内の高放射線レベルの送達を可能にし、かくして、健康な組織に対し受容できないレベルの損傷をひき起こすことなく、静止及び分裂中の両方の癌細胞を殺す。
【0108】
任意には、患者は同様に、反陽子放射線被曝が完了した後PETスキャンを用いて画像形成を受けることができる。標準的には、PETスキャニングを実施するために、患者には、体内で崩壊し、プロセス中に、検出された場合に1つの画像を生成するのに使用可能である陽電子を放出するグルコースでタグ付けされた放射性物質が投与される。従来のPETスキャンは、患者、PET画像形成システム及び放射性同位元素源(適切な活性をもつ放射性医薬品)を全て互いに近接した状態に置く必要性によって制限されている。
【0109】
特定的に言うと、PETの応用は、放射性医薬品中の放射性同位元素が陽電子を発出する生物学的に活性な放射性医薬品の使用に依存している。これらの同位元素は標準的に、頻繁に使用されるPET装置であるジーメンス社製のRDSサイクロトロンといったようなシンクロトロンの使用を通して生成される。それは、生産流量を制御するためのコンピュータ端末及び、放射性医薬品の化学合成を実施するための生合成装置ユニットを内蔵している。シンクロトロンを用いて、陽子又は重陽子といった荷電粒子の流れは、安定した、時として富化された同位元素の収集物を衝撃し、これらの同位元素のサブセットと相互作用する。一般的には、最も一般的なPET同位元素であるC−11及びF−18の生産のために3つの核反応が用いられる。これらの反応とはすなわち、陽子と14Nの相互作用の後にアルファ粒子の発出が続き、結果としてもたらされる14N(p,α)11C、陽子と18Oの相互作用の後に中性子の発出が続き、結果として18Fがもたらされる18O(p,n)18F、そして、重陽子と20Neの相互作用の後に、アルファ粒子の発出が続き、結果として18Fがもたらされる20Ne(d,α)18Fである。これらの放射性同位元素から作られた放射性同位元素は次に、中で同位元素の崩壊が監視される患者の体内に導入される。
【0110】
サイクロトロン内では数多くの放射性同位元素を生産することができるが、生産された同位元素は好ましくは、人用PETの用途に基づいて吟味でき、従って(1)放射性崩壊を受け不安定な同位元素から安定したものに変換した時点で陽電子を発出する能力をもつ。(2)かかる同位元素は比較的急速に陽電子を発出する傾向をもつため、同位元素の半減期は好ましくは、患者に物質を投与し患者を走査位置に置くことができるよう充分長いものである。さらに、同位元素は、化学合成により容易に有用な放射性医薬品内に取込まれることが好ましい。最も一般的に生成される同位元素には、炭素−11(半減期20分)、窒素−13(半減期10分)、酸素−15(半減期2分)、及びフッ素18(半減期110分)が含まれる。これらの短かい半減期のため、一部のPET設備は、PET機の近くにサイクロトロンを有する。例えば、アイオワ大学では、粒子に強制的にサイクロトロン内を数百回横断させ、各軌道中に約90keVのエネルギーを受けとらせることによって高エネルギー陽子又は重陽子を生成するために、小型医療用サイクロトロンが使用されている。エネルギーが充分に高い場合、粒子は静電ベンドを通して除去され、非放射性の気体又は液体が満たされた小体積の中空金属シリンダ上に衝突させられ、シリンダ内部で核反応を起こさせ、適切な同位元素を生成する。
【0111】
或る種の利用分野については、本書で開示されている好ましい方法及びシステムは、PET側副スキャンを実施するためのPET特定的サイクロトロン及び生合成ステーションの使用を補完する。従来のPETシステムは、グルコース摂取といった生物学的機能を測定し研究するために使用される。1実施形態においては、PETスキャンを行なうために、本書に開示された或る種の好ましい方法及びシステムと組合わせた状態で使用される。患者には、体内の増強されたグルコース摂取部域を識別するためにPET側副−同位元素標識づけされたグルコース分子が投与される。
【0112】
反陽子送達装置内に内蔵される検出器アレイは、結果としての崩壊を監視しかくしてPETスキャニングのための反陽子の消滅トラッキング及び測定用に用いられる検出器に再度目的を持たせるために使用可能である。反陽子で治療する場合、医療従事者はこのとき、PETスキャニングの結果を直接反陽子治療の結果と比較することができる。当業者であれば、前述の特徴に加えて、この実施形態のための反陽子送達検出器システムは、放射性医薬品の摂取部域の増大によって生成される崩壊と体全体にわたる放射性医薬品の全身的摂取により生成される崩壊を区別するために充分感受性の高いものでなくてはならない、ということを認識することだろう。
【0113】
付加的には、1つの好ましい実施形態は、PET側副同位元素の現位置生成を可能にする。反陽子放射線に対する人間の組織の被曝は、例えば放射性で崩壊産物として陽電子を発出する酸素−15を含めた複数の不安定な同位元素を生成する。さらに特定的には、標的領域内に導入したとき、反陽子相互作用は、酸素−15、窒素−13及び炭素−11を副産物として生成する。(同位元素の半減期に応じた)適切な時限の後、生成された同位元素は崩壊して陽電子を発出する。陽電子は、標的部域内を短距離走行してから電子に突き当たる。この衝突が起こった時点で、2本のガンマ線が同時に生成され、180度で互いから離れるように、中性パイオン崩壊から生成されたガンマ放射線をトラッキングするためにすでに存在する検出器アセンブリに向かって走行する。2つの検出器がガンマ線を同時に検出する毎に、消滅は記録され、頂点つまりガンマ生成点が決定される。当業者であれば、複数の頂点の場所を再構築することによって、同位元素生成の最高の濃度が発生した場所、最高の組織濃度が存在した場所そして、補外により癌性組織が位置特定された場所を、同位元素生成、組織密度及び癌性組織の間の相関関係を仮定して決定することができるということを認識するだろう。
【0114】
さらに、これらの放射性副産物は、問題の領域内で反陽子消滅を通して生成されることから、問題の領域のみをより良く画像形成する。従来のPET側副画像形成と好ましい実施形態のPET側副画像形成態様の間の差は、従来のPET画像が、増強されたグルコース摂取の領域を顕示するのに対し、好ましい実施形態における画像は、反陽子消滅が発生した領域を顕示するということにある。従来のPETスキャニングは、特定の問題の領域に限定されていてもいなくてもよい放射性タグ付けされたグルコースの組織による摂取により左右される。その結果、問題の領域の外側にあり患者体内のその他の場所の健康な組織によるタグ付けされたグルコースの摂取の結果である陽電子−電子の消滅により、実質的量のガンマ放射線が発出される。これらのさまざまな放出は、問題の部域からのガンマ発出との関係における望ましくない背景信号の形をした雑音を表わす。1つの好ましい実施形態においては、信号−雑音比は、標的領域の外側部域からの外来放射線発出の除去によって大幅に増強される。ただし、好ましい実施形態によって生成されるPET画像の解像度と従来のPET画像の固有の解像度は類似しており、陽電子を発出する放射性崩壊が起こる前に組織の中のPET側副同位元素の拡散及び移動に起因して、両方の画像共、絶対解像度において劣化されるということに留意すべきである。
【0115】
好ましい実施形態のPET側副画像形成態様のもつもう1つの利点は、画像を収集するために標準的なPETカメラを使用でき、反陽子生成されたPETを検出するために従来のPET側副画像形成用と同じ検出器を使用できる、という点にある。PET側副同位元素の放射性崩壊は、反陽子消滅に関し迅速に起こらないことから、消滅がどこで発生したかを再構築するため組織内のPET側副同位元素の拡散及び移動を行なうべきである。中性パイオンは、それが作り出された後ほぼ瞬間的に崩壊することから、反陽子消滅事象の中で作り出される中性パイオンの崩壊に結びつけられるより高エネルギーのガンマ線発生を画像形成することによって、PET側副画像に比べより高解像度の画像を得ることが可能である。前述のように、中性パイオンからのガンマ線の検出には、一般的に、標準的PETカメラ内で用いられるガンマ線検出器とは異なるタイプの検出器が使用されるという点に留意すべきである。
【0116】
好ましい実施形態のさらなる態様は、血管内又は組織を通しての流量及び/又は拡散特性を画像形成するため、放射性同位元素の短かい半減期と結合させて、反陽子により生成された放射性同位元素の特徴である低い背景雑音を使用するということにある。血液中又はその他の流体中の反陽子消滅は、血液又は流体内部で短命の放射性同位元素を作り出す。人間の体液中で産生される最も一般的な放射性同位元素は、それぞれ20、10及び2分の半減期をもつ11C、13N及び15Oである。最初に低強度で局在性の高い反陽子パルスで照射される少量の血液又は流体の拡散を追従するべく、標準的PET側副画像形成機器を用いて、血液循環の遮断又は出血を画像形成することができる。低強度の反陽子パルスが局所的領域内の血液又は流体と共に流れることになる少量の放射性同位元素を作り出す。上述のとおり背景強度は無視できるものであり、結果としての信号雑音比は高いことから、流れの経路は、発出された放射線から容易に画像形成される。放射性同位元素種の短かい半減期は結果として、低い残留効果のための短かい合計寿命及び検出を容易にするための背景レベルに比べて幅広い信号をもたらす。
【0117】
上述のさまざまな方法及びシステムは、本発明を実施するための数多くのやり方を提供する。本発明は、本書では特定的に詳述されていないものの開示されたシステム、装置及びプロセスの変形、例及び種である、開示された実施形態の数多くの変性態様を網羅することを考慮している。当然のことながら、本発明のいずれかの特定の実施形態に従って、記述された目的又は利点の全てを必ずしも達成できるわけではない、というように理解すべきである。かくして、例えば当業者であれば、本書中で教示又は示唆されているとおりのその他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、本書に教示されている通りの1つの利点又は1群の利点を達成又は最適化するような形で、方法を実施しかつ/又はシステムを構築することができる、ということを認識するだろう。
【0118】
さらに、熟練者であれば、異なる実施形態からのさまざまな特長の互換性を認識することだろう。同様に、上述のとおりのさまざまな特長及び段階ならびに、各々のかかる特長又は段階についてのその他の既知の等価物を、当業者の一人が混合し整合させて、本書に記述された原理に従って方法を実施しシステムを構築することも可能である。
【0119】
本発明は、或る種の実施形態及び例の状況下で開示されてきたが、当業者であれば、本発明が、特定的に開示された実施形態を超えてその他の代替的実施形態及び/又は使用及びその明白な修正及び等価物まで拡大されるということを理解することだろう。従って、本発明は、本書の好ましい実施形態の特定的開示によってではなく、それに添付されたクレームに対する参照により制限されることが意図されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】従来の放射線療法についての深さと比較したエネルギー沈積のグラフである。
【図1A】標準的な反陽子消滅事象のダイヤグラムである。
【図2】従来の放射線療法及び反陽子療法についての深さと比較したエネルギー沈積のグラフである。
【図3】1つの好ましい実施形態の概略的流れ図表現図である。
【図4】もう1つの好ましい実施形態の概略的流れ図表現図である。
【図5】反陽子生産施設のダイヤグラムである。
【図6】反陽子生成のダイヤグラム表現図である。
【図7】反陽子送達装置の1実施形態の概略的表現図である。
【図8】反陽子ガントリのもう1つの実施形態の概略的表現図である。
【図9】反陽子送達装置のもう1つの実施形態の概略的表現図である。
【図10A】検知器アレイと組合せた反陽子送達装置の1実施形態の概略的表現図である。
【図10B】検知器アレイと組合せた反陽子送達装置の1実施形態の概略的表現図である。
【図10C】熱量計要素としてPbWO4を用い脳の画像形成に応用された検知器アレイの、ビームパイプの観点から見た概略的表現図である。
【図10D】熱量計要素としてPbWO4を用い脳の画像形成に応用された検知器アレイの概略的側面図表現図である。
【図10E】熱量計要素としてPbWO4を用い胴の画像形成に応用された検知器アレイの、ビームパイプの観点から見た概略的表現図である。
【図10F】熱量計要素としてPbWO4を用い胴の画像形成に応用された検知器アレイの概略的側面図表現図である。
【図10G】熱量計要素としてCsl(Tl)を用い脳の画像形成に応用された検知器アレイの、ビームパイプの観点から見た概略的表現図である。
【図10H】熱量計要素としてCsl(Tl)を用い脳の画像形成に応用された検知器アレイの概略的側面図表現図である。
【図10I】熱量計要素としてCsl(Tl)を用い胴の画像形成に応用された検知器アレイの、ビームパイプの観点から見た概略的表現図である。
【図10J】熱量計要素としてCsl(Tl)を用い胴の画像形成に応用された検知器アレイの概略的側面図表現図である。
【図10K】熱量計要素としてIrを用い脳の画像形成に応用された検知器アレイの、ビームパイプの観点から見た概略的表現図である。
【図10L】熱量計要素としてIrを用い脳の画像形成に応用された検知器アレイの概略的側面図表現図である。
【図10M】熱量計要素としてIrを用い胴の画像形成に応用された検知器アレイの、ビームパイプの観点から見た概略的表現図である。
【図10N】熱量計要素としてIrを用い胴の画像形成に応用された検知器アレイの概略的側面図表現図である。
【図10O】熱量計要素としてWを用い脳の画像形成に応用された検知器アレイの、ビームパイプの観点から見た概略的表現図である。
【図10P】熱量計要素としてWを用い脳の画像形成に応用された検知器アレイの概略的側面図表現図である。
【図10Q】熱量計要素としてWを用い胴の画像形成に応用された検知器アレイの、ビームパイプの観点から見た概略的表現図である。
【図10R】熱量計要素としてWを用い胴の画像形成に応用された検知器アレイの概略的側面図表現図である。
【図11】反陽子放射線医療施設の1例の配置図である。
【図11a】医療施設に一体化されたビームラインの概略的表現図である。
【図12】反陽子治療プロトコルステーションと一体化させた既存の治療ステーションの概略的フローチャートである。
【図13】反陽子線量範囲と腫瘍の場所を組合わせた出力グラフの1例である。

Claims (35)

  1. 複数の望ましくない細胞を有する患者を治療するための方法において、
    捕捉された状態で複数の反陽子を収容する段階、
    前記反陽子を加速器の中に挿入する段階、
    前記反陽子を予め定められた治療的エネルギーレベルにまで加速する段階、
    反陽子ビームを形成する段階、及び
    前記ビームに前記複数の望ましくない細胞のうちの少なくとも1部分を露呈する段階、
    を備える方法。
  2. 前記細胞が癌細胞である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記反陽子を内部に格納する中央空洞を有するトラップの中に前記反陽子が収容される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記トラップを前記加速器と構造的に連絡した状態におき、前記中央空洞及び前記加速器に対し適用されている複数の磁界及び電界を修正することによって、前記挿入する段階が実施される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ビームを監視する段階をさらに備える、請求項1に記載の方法。
  6. 2つの独立したビーム流測定値を提供する2つの監視用サブシステムを備えるビーム監視システムを使用することによって監視する段階が実施される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記露呈する段階の後に反陽子源の中に存在する反陽子の量と、前記露呈する段階の前に反陽子源の中に存在する反陽子の量を比較することによって前記監視段階が実施される、請求項5に記載の方法。
  8. 前記細胞が発する粒子発出を検出する段階をさらに備え、前記発出が、反陽子と少なくとも1つの細胞の相互作用の結果としてもたらされる、請求項1に記載の方法。
  9. 前記検出する段階が、中性パイオン崩壊ガンマ放射線を用いて頂点を再構築することによって実施される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記ガンマ放射線が、高い阻止能をもつ無機シンチレータを用いて検出される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記シンチレータがNaI(Tl)、CsI(Tl)、BGO、CeF3、BaF2及びCdWO4のうちの1つから選択される、請求項10に記載の方法。
  12. ワークステーションと連絡状態にあるガントリ構造を備える反陽子送達装置を用いて患者を前記ビームに露呈させる、請求項1に記載の方法。
  13. ワークステーションと連絡状態にある固定梁構造を備える反陽子送達装置を用いて患者を前記ビームに露呈させる、請求項1に記載の方法。
  14. 固定梁構造が、単一のアイソセンタをターゲティングする能力をもつ複数の送達点を備える請求項13に記載の方法。
  15. 1つの部域内に複数の望ましくない細胞をもつ患者を治療するための方法において、
    該部域の画像を形成する段階、
    前記部域に送達されるべき反陽子放射線の線量を決定する段階であって、該決定が前記部域内で消滅を行なう反陽子の破壊的影響及び前記消滅から放出されたアルファ粒子の破壊的影響の1関数である段階、及び
    該部域に、規定線量の反陽子を送達する段階、
    を備える方法。
  16. 前記細胞が癌細胞である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記画像を形成する段階が、MRIスキャン、PETスキャン又はCTスキャンのうちの1つに前記患者を露呈することによって実施される、請求項16に記載の方法。
  18. 反陽子を第1のエネルギーレベルまで加速する段階、反陽子ビームを形成する段階、前記部域で前記ビームを検出する段階、該部域に向かって導かれた前記ビーム内の反陽子の第1の数量を測定する段階、該部域内における反陽子の消滅によりひき起こされる放射線の発出を検出する段階、検出された前記発出から第1の線量を計算する段階及び第1の線量に基づいて第2の線量を計算する段階をさらに備える、請求項15に記載の方法。
  19. 第1の線量を予め定められた線量に比較した後、前記比較を用いて第2の線量を決定することによって第2の線量が計算される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記検出する段階が、中性パイオン崩壊ガンマ放射線を用いて頂点を再構築することによって実施される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記ガンマ放射線が、高い阻止能をもつ無機シンチレータを用いて検出される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記シンチレータがNaI(Tl)、CsI(Tl)、BGO、CeF3、BaF2及びCdWO4のうちの1つから選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 複数の望ましくない細胞をもつ患者を治療するためのシステムにおいて、
    反陽子を捕捉状態から予め定められた治療的エネルギーレベルまで加速する、複数の前記反陽子を収容するためのレセプタポートを有する加速器、
    複数の望ましくない細胞にビームとして前記反陽子を導くための反陽子送達装置、及び
    前記複数の望ましくない細胞にビームの放射を受けさせるような位置に患者を支持するための患者ステーション、
    を備えるシステム。
  24. 複数の望ましくない細胞をもつ患者を治療するためのシステムにおいて、
    複数の反陽子を予め定められたエネルギーレベルまで加速するための加速器、
    複数の望ましくない細胞にビームとして反陽子を導くための反陽子送達装置、
    前記反陽子送達装置と構造的に一体化された、ビームを監視するためのビーム監視システム、及び
    前記複数の望ましくない細胞にビームの放射を受けさせるような位置に患者を支持するための患者ステーション、
    を備えるシステム。
  25. 前記複数の望ましくない細胞が前記ビームの放射を受けたとき、発出された放射線を検出するため前記患者ステーションの近くに位置設定された検出器アレイをさらに備える、請求項24に記載のシステム。
  26. 前記検出が、中性パイオン崩壊ガンマ放射線を用いて頂点を再構築することによって実施される、請求項25に記載のシステム。
  27. 前記ガンマ放射線が、高い阻止能をもつ無機シンチレータを用いて検出される、請求項28に記載のシステム。
  28. 前記シンチレータがNaI(Tl)、CsI(Tl)、BGO、CeF3、BaF2及びCdWO4のうちの1つから選択される、請求項27に記載のシステム。
  29. 前記反陽子送達装置が、ワークステーションと連絡状態にあるガントリ構造を備える請求項24に記載のシステム。
  30. 前記反陽子送達装置が、ワークステーションと連絡状態にある固定梁構造を備える請求項24に記載のシステム。
  31. 前記固定梁構造が、単一のアイソセンタをターゲティングする能力をもつ複数の送達点を備える請求項30に記載のシステム。
  32. 前記部域に送達されるべき反陽子放射線の線量を決定する命令セットを処理するように作動するプロセッサであって、該決定が前記部域内で消滅を行なう反陽子の破壊的影響及び前記消滅から放出されたアルファ粒子の破壊的影響の1関数であるプロセッサ、及び
    前記プロセッサとデータ通信状態にある出力装置、
    をさらに備える、請求項23に記載のシステム。
  33. 前記プロセッサが、PET機、MRI機及びCATスキャン機のうちの少なくとも1つとデータ通信状態にある、請求項32に記載のシステム。
  34. 癌細胞の成長に対抗するべく患者の免疫応答を活性化するための方法において、
    複数の反陽子を加速器内に収容する段階、
    前記反陽子を予め定められた治療的エネルギーレベルにまで加速する段階、
    反陽子ビームを形成する段階、及び
    前記ビームに腫瘍を露呈する段階、
    を備え、前記活性化は、腫瘍に隣接する抗原供与マクロファージ樹状細胞に対する損傷を最小限におさえ、かつ腫瘍の微環境内でリンフォカインで活性化されるキラーT細胞に対する損傷を最小限におさえることによって達成される方法。
  35. 癌細胞の成長に対抗するべく患者の免疫応答を活性化するための方法において、
    複数の反陽子を予め定められた活動的エネルギーレベルまで加速するための加速器、
    腫瘍にビームとして前記反陽子を導くための反陽子送達装置、及び
    前記腫瘍に前記ビームの放射を受けさせるような位置に患者を支持するための患者ステーション、
    を備え、前記活性化は、腫瘍に隣接する抗原供与マクロファージ樹状細胞に対する損傷を最小限におさえ、かつ腫瘍の微環境内でリンフォカインで活性化されるキラーT細胞に対する損傷を最小限におさえることによって達成される、システム。
JP2003524510A 2001-08-30 2002-08-29 望ましくない細胞の画像形成及び抹殺のための反陽子の生産及び送達 Pending JP2005507684A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US31671101P 2001-08-30 2001-08-30
US37060502P 2002-04-05 2002-04-05
US38204202P 2002-05-20 2002-05-20
US38842802P 2002-05-29 2002-05-29
PCT/US2002/027796 WO2003020196A2 (en) 2001-08-30 2002-08-29 Antiprotons for imaging and termination of undesirable cells

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005507684A true JP2005507684A (ja) 2005-03-24

Family

ID=45997435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003524510A Pending JP2005507684A (ja) 2001-08-30 2002-08-29 望ましくない細胞の画像形成及び抹殺のための反陽子の生産及び送達

Country Status (6)

Country Link
US (5) US20040162457A1 (ja)
EP (1) EP1421833A4 (ja)
JP (1) JP2005507684A (ja)
AU (1) AU2002332776A1 (ja)
CA (1) CA2449087A1 (ja)
WO (1) WO2003020196A2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012500036A (ja) * 2008-08-15 2012-01-05 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ モデルにより強調される画像化
JP2013046863A (ja) * 2012-12-06 2013-03-07 Mitsubishi Electric Corp 回転照射治療装置
JP2014146605A (ja) * 2008-05-22 2014-08-14 Vladimir Yegorovich Balakin 陽荷電粒子ビームを照射装置のシンクロトロンに注入する装置

Families Citing this family (117)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020177571A1 (en) * 2000-11-29 2002-11-28 Gordon Erlinda M. Targeted vectors for cancer immunotherapy
CA2449087A1 (en) 2001-08-30 2003-03-13 Tolemac, Llc Antiprotons for imaging and termination of undesirable cells
US20030226962A1 (en) * 2001-10-24 2003-12-11 Arnold Lasky Method for generating neutrally charged stable compound particles beyond the energy range of the first family of matter
DE10241178B4 (de) * 2002-09-05 2007-03-29 Mt Aerospace Ag Isokinetische Gantry-Anordnung zur isozentrischen Führung eines Teilchenstrahls und Verfahren zu deren Auslegung
WO2004029054A1 (ja) * 2002-09-27 2004-04-08 Sumitomo Pharmaceuticals Company, Limited 新規アデニン化合物及びその用途
US20050242275A1 (en) * 2002-10-24 2005-11-03 Arnold Lasky Method for generating neutrally charged stable compound particles beyond the range of the first family of matter
US20060259282A1 (en) * 2003-03-14 2006-11-16 Failla Gregory A Deterministic computation of radiation transport for radiotherapy dose calculations and scatter correction for image reconstruction
US20070178066A1 (en) 2003-04-21 2007-08-02 Hall Frederick L Pathotropic targeted gene delivery system for cancer and other disorders
ATE513471T1 (de) * 2003-04-21 2011-07-15 Epeius Biotechnologies Corp Verfahren und zusammensetzungen zur behandlung von erkrankungen
US20090123428A1 (en) * 2003-04-21 2009-05-14 Hall Frederick L Pathotropic targeted gene delivery system for cancer and other disorders
US7083611B2 (en) * 2003-12-19 2006-08-01 Marc S. Lemchen Method and apparatus for providing facial rejuvenation treatments
US20060039521A1 (en) * 2004-06-22 2006-02-23 Schaefer Daniel R Direct production of thermal antineutrons and antiprotons
US7375357B2 (en) * 2004-08-23 2008-05-20 Avi Faliks Permanent magnet radiation dose delivery enhancement
US7937131B2 (en) * 2004-09-06 2011-05-03 Gachon University Of Medicine & Science Industry-Academic Cooperation Foundation PET—MRI hybrid apparatus and method of implementing the same
DE102004062473B4 (de) * 2004-09-30 2006-11-30 Siemens Ag Medizinische Strahlentherapieanordnung
DE102005035141A1 (de) * 2005-07-22 2007-02-01 GSI Gesellschaft für Schwerionenforschung mbH Bestrahlungseinrichtung
US7516778B2 (en) * 2005-09-06 2009-04-14 Sun Microsystems, Inc. Magneto-hydrodynamic heat sink
US20110044417A1 (en) * 2005-09-26 2011-02-24 Yuly Zagyansky End of einstein-bohr and mechanisms of nuclear forces: facilitated fusion and fission
US9543052B2 (en) * 2005-10-31 2017-01-10 Hbar Technologies, Llc Containing/transporting charged particles
DE102005053719B3 (de) 2005-11-10 2007-07-05 Siemens Ag Partikeltherapieanlage, Therapieplan und Bestrahlungsverfahren für eine derartige Partikeltherapieanlage
JP4591356B2 (ja) * 2006-01-16 2010-12-01 三菱電機株式会社 粒子線照射装置及び粒子線治療装置
US20080045774A1 (en) * 2006-08-07 2008-02-21 Shi Peng Song Methods for treating drug addiction, obesity and epilepsy
US7453076B2 (en) * 2007-03-23 2008-11-18 Nanolife Sciences, Inc. Bi-polar treatment facility for treating target cells with both positive and negative ions
US7847275B2 (en) * 2007-05-24 2010-12-07 Pcure Ltd. Method and apparatus for teletherapy positioning and validation
CN101765406B (zh) * 2007-05-24 2012-04-18 P治疗有限公司 放射治疗装置和方法
US20090088625A1 (en) * 2007-10-01 2009-04-02 Kenneth Oosting Photonic Based Non-Invasive Surgery System That Includes Automated Cell Control and Eradication Via Pre-Calculated Feed-Forward Control Plus Image Feedback Control For Targeted Energy Delivery
US8017915B2 (en) 2008-03-14 2011-09-13 Reflexion Medical, Inc. Method and apparatus for emission guided radiation therapy
DE102008014406A1 (de) * 2008-03-14 2009-09-24 Siemens Aktiengesellschaft Partikeltherapieanlage und Verfahren zur Modulation eines in einem Beschleuniger erzeugten Partikelstrahls
WO2009142856A1 (en) * 2008-04-18 2009-11-26 Trustees Of Boston University Direction sensitive neutron detector
US7903781B2 (en) * 2008-05-02 2011-03-08 L-3 Communications Security And Detection Systems, Inc. Determination of heavy particle stopping power
EP2116278A1 (en) 2008-05-06 2009-11-11 Ion Beam Applications S.A. Device for 3D dose tracking in radiation therapy
EP2116277A1 (en) * 2008-05-06 2009-11-11 Ion Beam Applications S.A. Device and method for particle therapy monitoring and verification
US9058910B2 (en) 2008-05-22 2015-06-16 Vladimir Yegorovich Balakin Charged particle beam acceleration method and apparatus as part of a charged particle cancer therapy system
US10213626B2 (en) * 2010-04-16 2019-02-26 Vladimir Balakin Treatment delivery control system and method of operation thereof
AU2009249867B2 (en) 2008-05-22 2013-05-02 Vladimir Yegorovich Balakin Charged particle beam extraction method and apparatus used in conjunction with a charged particle cancer therapy system
US9155911B1 (en) 2008-05-22 2015-10-13 Vladimir Balakin Ion source method and apparatus used in conjunction with a charged particle cancer therapy system
CN102172106B (zh) 2008-05-22 2015-09-02 弗拉迪米尔·叶戈罗维奇·巴拉金 带电粒子癌症疗法束路径控制方法和装置
EP2283712B1 (en) 2008-05-22 2018-01-24 Vladimir Yegorovich Balakin X-ray apparatus used in conjunction with a charged particle cancer therapy system
US8642978B2 (en) 2008-05-22 2014-02-04 Vladimir Balakin Charged particle cancer therapy dose distribution method and apparatus
US8718231B2 (en) 2008-05-22 2014-05-06 Vladimir Balakin X-ray tomography method and apparatus used in conjunction with a charged particle cancer therapy system
WO2009142546A2 (en) 2008-05-22 2009-11-26 Vladimir Yegorovich Balakin Multi-field charged particle cancer therapy method and apparatus
US8975600B2 (en) 2008-05-22 2015-03-10 Vladimir Balakin Treatment delivery control system and method of operation thereof
US8129699B2 (en) 2008-05-22 2012-03-06 Vladimir Balakin Multi-field charged particle cancer therapy method and apparatus coordinated with patient respiration
US9177751B2 (en) 2008-05-22 2015-11-03 Vladimir Balakin Carbon ion beam injector apparatus and method of use thereof
US8896239B2 (en) 2008-05-22 2014-11-25 Vladimir Yegorovich Balakin Charged particle beam injection method and apparatus used in conjunction with a charged particle cancer therapy system
US10070831B2 (en) * 2008-05-22 2018-09-11 James P. Bennett Integrated cancer therapy—imaging apparatus and method of use thereof
US8907309B2 (en) 2009-04-17 2014-12-09 Stephen L. Spotts Treatment delivery control system and method of operation thereof
CN102113419B (zh) 2008-05-22 2015-09-02 弗拉迪米尔·叶戈罗维奇·巴拉金 多轴带电粒子癌症治疗方法和装置
US9981147B2 (en) * 2008-05-22 2018-05-29 W. Davis Lee Ion beam extraction apparatus and method of use thereof
US8188688B2 (en) 2008-05-22 2012-05-29 Vladimir Balakin Magnetic field control method and apparatus used in conjunction with a charged particle cancer therapy system
US8710462B2 (en) 2008-05-22 2014-04-29 Vladimir Balakin Charged particle cancer therapy beam path control method and apparatus
US10137316B2 (en) * 2008-05-22 2018-11-27 Vladimir Balakin Charged particle treatment, rapid patient positioning apparatus and method of use thereof
US9095040B2 (en) 2008-05-22 2015-07-28 Vladimir Balakin Charged particle beam acceleration and extraction method and apparatus used in conjunction with a charged particle cancer therapy system
US9579525B2 (en) 2008-05-22 2017-02-28 Vladimir Balakin Multi-axis charged particle cancer therapy method and apparatus
US9044600B2 (en) 2008-05-22 2015-06-02 Vladimir Balakin Proton tomography apparatus and method of operation therefor
CN102119585B (zh) * 2008-05-22 2016-02-03 弗拉迪米尔·叶戈罗维奇·巴拉金 带电粒子癌症疗法患者定位的方法和装置
US9616252B2 (en) 2008-05-22 2017-04-11 Vladimir Balakin Multi-field cancer therapy apparatus and method of use thereof
EP2288906B1 (en) * 2008-06-20 2020-04-29 Carl Zeiss Microscopy, LLC Isotope ion microscope methods and systems
EP2196241A1 (en) * 2008-12-12 2010-06-16 Koninklijke Philips Electronics N.V. Therapeutic apparatus
EP2196240A1 (en) * 2008-12-12 2010-06-16 Koninklijke Philips Electronics N.V. Therapeutic apparatus
US8632448B1 (en) 2009-02-05 2014-01-21 Loma Linda University Medical Center Proton scattering analysis system
BRPI0924903B8 (pt) * 2009-03-04 2021-06-22 Zakrytoe Aktsionernoe Obshchestvo Protom aparelho para geração de um feixe de íons negativos para uso em uma terapia por radiação de partículas carregadas e método para geração de um feixe de íons negativos para uso com terapia por radiação de partículas carregadas
WO2011028789A2 (en) * 2009-09-02 2011-03-10 Stokes John P Irradiation system and method
DE102009040389A1 (de) * 2009-09-07 2011-03-17 Siemens Aktiengesellschaft Strahlentherapievorrichtung und Verfahren zur Überwachung einer Bestrahlung
JP6034695B2 (ja) 2009-10-01 2016-11-30 ローマ リンダ ユニヴァーシティ メディカル センター イオン誘起衝突電離検出器及びその使用
EP2490765B1 (en) 2009-10-23 2016-09-21 Ion Beam Applications Gantry comprising beam analyser for use in particle therapy
US8716679B2 (en) * 2009-12-28 2014-05-06 National University Corporation Gunma University Beam irradiation apparatus and beam irradiation control method
EP2534471A4 (en) 2010-02-12 2015-03-18 Univ Loma Linda Med SYSTEMS AND METHODOLOGIES OF TOMODENSITOMETRY WITH PROTONS
JP5472731B2 (ja) * 2010-03-02 2014-04-16 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 荷電粒子線医療におけるミュオン・モニタリング・システム
US10751554B2 (en) * 2010-04-16 2020-08-25 Scott Penfold Multiple treatment beam type cancer therapy apparatus and method of use thereof
US10086214B2 (en) 2010-04-16 2018-10-02 Vladimir Balakin Integrated tomography—cancer treatment apparatus and method of use thereof
US10556126B2 (en) 2010-04-16 2020-02-11 Mark R. Amato Automated radiation treatment plan development apparatus and method of use thereof
US10349906B2 (en) 2010-04-16 2019-07-16 James P. Bennett Multiplexed proton tomography imaging apparatus and method of use thereof
US10751551B2 (en) 2010-04-16 2020-08-25 James P. Bennett Integrated imaging-cancer treatment apparatus and method of use thereof
US10625097B2 (en) 2010-04-16 2020-04-21 Jillian Reno Semi-automated cancer therapy treatment apparatus and method of use thereof
US10589128B2 (en) 2010-04-16 2020-03-17 Susan L. Michaud Treatment beam path verification in a cancer therapy apparatus and method of use thereof
US10376717B2 (en) 2010-04-16 2019-08-13 James P. Bennett Intervening object compensating automated radiation treatment plan development apparatus and method of use thereof
US10179250B2 (en) 2010-04-16 2019-01-15 Nick Ruebel Auto-updated and implemented radiation treatment plan apparatus and method of use thereof
US10518109B2 (en) 2010-04-16 2019-12-31 Jillian Reno Transformable charged particle beam path cancer therapy apparatus and method of use thereof
US9737731B2 (en) 2010-04-16 2017-08-22 Vladimir Balakin Synchrotron energy control apparatus and method of use thereof
US10555710B2 (en) 2010-04-16 2020-02-11 James P. Bennett Simultaneous multi-axes imaging apparatus and method of use thereof
US10188877B2 (en) 2010-04-16 2019-01-29 W. Davis Lee Fiducial marker/cancer imaging and treatment apparatus and method of use thereof
US11648420B2 (en) 2010-04-16 2023-05-16 Vladimir Balakin Imaging assisted integrated tomography—cancer treatment apparatus and method of use thereof
US9259595B2 (en) 2010-09-08 2016-02-16 Radinova Ab Positron emitter irradiation system
US8755489B2 (en) 2010-11-11 2014-06-17 P-Cure, Ltd. Teletherapy location and dose distribution control system and method
US9480862B2 (en) * 2011-03-07 2016-11-01 Ion Beam Applications S.A. Water equivalent depth measurement for providing a continuous calibration range based on discrete measurements
AU2012259403B2 (en) 2011-03-07 2016-08-04 Loma Linda University Medical Center Systems, devices and methods related to calibration of a proton computed tomography scanner
CN115105758A (zh) 2011-03-31 2022-09-27 反射医疗公司 用于在发射引导的放射治疗中使用的系统和方法
US8644571B1 (en) 2011-12-06 2014-02-04 Loma Linda University Medical Center Intensity-modulated proton therapy
JP5902205B2 (ja) * 2012-02-03 2016-04-13 住友重機械工業株式会社 荷電粒子線照射装置
US9180313B2 (en) * 2012-02-22 2015-11-10 Mitsubishi Electric Corporation Range shifter and particle radiotherapy device
DE102012004170B4 (de) * 2012-03-05 2013-11-07 Gsi Helmholtzzentrum Für Schwerionenforschung Gmbh Verfahren und Bestrahlungsanlage zur Bestrahlung eines Zielvolumens
ITUD20120161A1 (it) * 2012-09-20 2014-03-21 Asa S R L Apparecchiatura per emettere radiazioni terapeutiche
US9012866B2 (en) * 2013-03-15 2015-04-21 Varian Medical Systems, Inc. Compact proton therapy system with energy selection onboard a rotatable gantry
US9550077B2 (en) * 2013-06-27 2017-01-24 Brookhaven Science Associates, Llc Multi turn beam extraction from synchrotron
US20150011817A1 (en) * 2013-07-03 2015-01-08 Yuxin Feng System and Method for Delivering an Ultra-High Dose of Radiation Therapy
US9962556B2 (en) * 2014-06-27 2018-05-08 Board Of Regents, The University Of Texas System Radiation therapy with segmented beams of protons and other ions
DE102015205004B4 (de) * 2015-03-19 2020-07-09 Siemens Healthcare Gmbh Einstellen einer Tischposition eines Tomographen
US9884206B2 (en) 2015-07-23 2018-02-06 Loma Linda University Medical Center Systems and methods for intensity modulated radiation therapy
KR101677715B1 (ko) * 2015-07-31 2016-11-23 정진훈 방사선 영상화 방법 및 시스템
US9847210B2 (en) * 2015-11-11 2017-12-19 Mitsubishi Electric Corporation Particle beam irradiation apparatus for irradiating a subject with an arbitrary number of particles
EP3178522B1 (en) * 2015-12-11 2018-02-14 Ion Beam Applications S.A. Particle therapy system with parallel control of energy variation and beam position variation
US10143856B2 (en) * 2016-03-31 2018-12-04 Varian Medical Systems International Ag Method and apparatus pertaining to treating a patient using heavy particles
US10037863B2 (en) 2016-05-27 2018-07-31 Mark R. Amato Continuous ion beam kinetic energy dissipater apparatus and method of use thereof
US10362666B2 (en) * 2017-05-25 2019-07-23 Uchicago Argonne, Llc Compac carbon ion LINAC
CN114699655A (zh) 2017-07-11 2022-07-05 反射医疗公司 用于pet检测器余辉管理的方法
CN111148471B (zh) 2017-08-09 2023-08-22 反射医疗公司 用于发射引导放射治疗中的故障检测的系统和方法
US11369806B2 (en) 2017-11-14 2022-06-28 Reflexion Medical, Inc. Systems and methods for patient monitoring for radiotherapy
US10426424B2 (en) 2017-11-21 2019-10-01 General Electric Company System and method for generating and performing imaging protocol simulations
EP3752063A4 (en) 2018-02-13 2021-11-17 RefleXion Medical, Inc. RADIATION STATION TREATMENT PLANNING AND RADIATION DELIVERY PROCEDURE
EP3542859A1 (en) * 2018-03-20 2019-09-25 Koninklijke Philips N.V. Determining a medical imaging schedule
CN108828647B (zh) * 2018-05-30 2020-11-10 中国原子能科学研究院 一种用于测量低能离子束流注量率和均匀性的装置
US11614552B2 (en) 2019-04-18 2023-03-28 Decision Sciences International Corporation Charged particle scanners
US11152190B2 (en) * 2019-04-18 2021-10-19 Decision Sciences International Corporation Charged particle scanners
EP3975948A4 (en) 2019-06-03 2023-06-28 Cooler Heads Care, Inc. Cooling cap assembly and cooling unit
CN112087575B (zh) * 2020-08-24 2022-03-08 广州启量信息科技有限公司 一种虚拟相机控制方法
CN112558137B (zh) * 2020-11-19 2022-05-10 中国科学院近代物理研究所 一种基于陶瓷真空管道束流横纵向探测器装置

Family Cites Families (54)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US388428A (en) * 1888-08-28 Attachment for plows
US316711A (en) * 1885-04-28 Machine
US382042A (en) * 1888-05-01 William h
US370605A (en) * 1887-09-27 faibfield caepentee
US731971A (en) * 1902-01-16 1903-06-23 Henry C Swan Shaft-clamp.
US734126A (en) * 1902-08-22 1903-07-21 Henry M Harding Telpher.
US735108A (en) * 1902-12-01 1903-08-04 Gen Electric Means for adjusting intermediates.
DE2455447C3 (de) * 1974-11-22 1981-02-05 Siemens Ag, 1000 Berlin Und 8000 Muenchen Patientenlagerungsvorrichtung eines Röntgengerätes
US4135089A (en) * 1975-02-07 1979-01-16 Mcintyre John A Method of and apparatus for producing images for stereoscopic viewing of annihilation radiation sources
US3986026A (en) * 1975-11-14 1976-10-12 The United States Of America As Represented By The United States Energy Research And Development Administration Apparatus for proton radiography
US4657722A (en) * 1980-05-14 1987-04-14 Bennett Willard H Ion cluster acceleration
US4491948A (en) * 1981-02-13 1985-01-01 Deacon David A G Isochronous free electron laser
AR225374A1 (es) * 1981-11-18 1982-03-15 Derechinsky Victor Eduardo Unidad multihaz convergente para irradiacion
US4780683A (en) * 1986-06-05 1988-10-25 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Synchrotron apparatus
JPH0711999B2 (ja) * 1987-02-24 1995-02-08 栄胤 池上 自由ポジトロニウム放射光の発生方法及びその装置
US4870287A (en) * 1988-03-03 1989-09-26 Loma Linda University Medical Center Multi-station proton beam therapy system
US5073913A (en) * 1988-04-26 1991-12-17 Acctek Associates, Inc. Apparatus for acceleration and application of negative ions and electrons
US5001437A (en) * 1988-06-29 1991-03-19 Hitachi, Ltd. Electron storage ring
US5205289A (en) * 1988-12-23 1993-04-27 Medical Instrumentation And Diagnostics Corporation Three-dimensional computer graphics simulation and computerized numerical optimization for dose delivery and treatment planning
JP2782076B2 (ja) * 1989-02-23 1998-07-30 栄胤 池上 荷電粒子ビーム冷却方法
US5117829A (en) * 1989-03-31 1992-06-02 Loma Linda University Medical Center Patient alignment system and procedure for radiation treatment
US4939464A (en) * 1989-07-11 1990-07-03 Intermagnetics General Corporation NMR-PET scanner apparatus
US5600213A (en) * 1990-07-20 1997-02-04 Hitachi, Ltd. Circular accelerator, method of injection of charged particles thereof, and apparatus for injection of charged particles thereof
US5051600A (en) 1990-08-17 1991-09-24 Raychem Corporation Particle beam generator
US5363008A (en) * 1991-10-08 1994-11-08 Hitachi, Ltd. Circular accelerator and method and apparatus for extracting charged-particle beam in circular accelerator
US5374913A (en) * 1991-12-13 1994-12-20 Houston Advanced Research Center Twin-bore flux pipe dipole magnet
US5440133A (en) 1993-07-02 1995-08-08 Loma Linda University Medical Center Charged particle beam scattering system
JP3121017B2 (ja) * 1993-09-20 2000-12-25 株式会社日立製作所 ビーム調整方法
US5538494A (en) * 1994-03-17 1996-07-23 Hitachi, Ltd. Radioactive beam irradiation method and apparatus taking movement of the irradiation area into consideration
US5557178A (en) * 1994-11-01 1996-09-17 Cornell Research Foundation, Inc. Circular particle accelerator with mobius twist
US5585642A (en) * 1995-02-15 1996-12-17 Loma Linda University Medical Center Beamline control and security system for a radiation treatment facility
AU5486796A (en) 1995-04-18 1996-11-07 Loma Linda University Medical Center System and method for multiple particle therapy
DE69729151T2 (de) * 1996-08-30 2005-05-04 Hitachi, Ltd. Vorrichtung für einen geladenen Teilchenstrahl
JP3862798B2 (ja) * 1997-01-13 2006-12-27 株式会社日立メディコ 医療用画像診断装置
US6198957B1 (en) * 1997-12-19 2001-03-06 Varian, Inc. Radiotherapy machine including magnetic resonance imaging system
JPH11253563A (ja) * 1998-03-10 1999-09-21 Hitachi Ltd 荷電粒子ビーム照射方法及び装置
US6414331B1 (en) * 1998-03-23 2002-07-02 Gerald A. Smith Container for transporting antiprotons and reaction trap
US5977554A (en) * 1998-03-23 1999-11-02 The Penn State Research Foundation Container for transporting antiprotons
US6576916B2 (en) 1998-03-23 2003-06-10 Penn State Research Foundation Container for transporting antiprotons and reaction trap
US5977884A (en) * 1998-07-01 1999-11-02 Ultradata Systems, Inc. Radar detector responsive to vehicle speed
IL125676A (en) * 1998-08-05 2003-01-12 Moshe Ein Gal Positioner for radiation treatment
BE1012358A5 (fr) 1998-12-21 2000-10-03 Ion Beam Applic Sa Procede de variation de l'energie d'un faisceau de particules extraites d'un accelerateur et dispositif a cet effet.
US6826423B1 (en) * 1999-01-04 2004-11-30 Midco-Medical Instrumentation And Diagnostics Corporation Whole body stereotactic localization and immobilization system
US6144875A (en) * 1999-03-16 2000-11-07 Accuray Incorporated Apparatus and method for compensating for respiratory and patient motion during treatment
JP2001000562A (ja) 1999-06-25 2001-01-09 Toshiba Corp 治療装置
DE19933131A1 (de) * 1999-07-19 2001-02-01 Kasprowicz Stanislaw System zur Aufbewahrung und Transport von Antimaterie
JP3602985B2 (ja) * 1999-07-29 2004-12-15 株式会社日立製作所 円形加速器の制御方法及び制御装置
US6725078B2 (en) * 2000-01-31 2004-04-20 St. Louis University System combining proton beam irradiation and magnetic resonance imaging
JPWO2003018132A1 (ja) * 2001-08-24 2004-12-09 三菱重工業株式会社 放射線治療装置
CA2449087A1 (en) * 2001-08-30 2003-03-13 Tolemac, Llc Antiprotons for imaging and termination of undesirable cells
US6815688B2 (en) * 2002-01-09 2004-11-09 Conrad W. Schneiker Devices for guiding and manipulating electron beams
US6777700B2 (en) 2002-06-12 2004-08-17 Hitachi, Ltd. Particle beam irradiation system and method of adjusting irradiation apparatus
US7289599B2 (en) * 2002-10-04 2007-10-30 Varian Medical Systems Technologies, Inc. Radiation process and apparatus
US6838676B1 (en) 2003-07-21 2005-01-04 Hbar Technologies, Llc Particle beam processing system

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014146605A (ja) * 2008-05-22 2014-08-14 Vladimir Yegorovich Balakin 陽荷電粒子ビームを照射装置のシンクロトロンに注入する装置
JP2012500036A (ja) * 2008-08-15 2012-01-05 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ モデルにより強調される画像化
JP2013046863A (ja) * 2012-12-06 2013-03-07 Mitsubishi Electric Corp 回転照射治療装置

Also Published As

Publication number Publication date
AU2002332776A1 (en) 2003-03-18
US20070225603A1 (en) 2007-09-27
WO2003020196A8 (en) 2004-06-03
US8109865B2 (en) 2012-02-07
WO2003020196A3 (en) 2003-11-13
US6822405B2 (en) 2004-11-23
US20120108958A1 (en) 2012-05-03
WO2003020196A2 (en) 2003-03-13
EP1421833A2 (en) 2004-05-26
US20040162457A1 (en) 2004-08-19
US20030210002A1 (en) 2003-11-13
US9630021B2 (en) 2017-04-25
CA2449087A1 (en) 2003-03-13
EP1421833A4 (en) 2006-04-05
USRE46383E1 (en) 2017-05-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005507684A (ja) 望ましくない細胞の画像形成及び抹殺のための反陽子の生産及び送達
US7453076B2 (en) Bi-polar treatment facility for treating target cells with both positive and negative ions
US8712012B2 (en) Combined imaging and radiation therapy
US20180154183A1 (en) Normal Tissue Toxicity Reducing Microbeam-Broadbeam Radiotherapy, Skin's Radio-Response Immunotherapy and Mutated Molecular Apheresis Combined Cancer Treatments
AU2004220539B8 (en) Apparatus and process for dose-guided radiotherapy
US20130066135A1 (en) Neutron irradiation therapy device
US10993680B2 (en) Automated cancer therapy apparatus and method of use thereof
US20090080602A1 (en) Dedicated breast radiation imaging/therapy system
US10556126B2 (en) Automated radiation treatment plan development apparatus and method of use thereof
US10179250B2 (en) Auto-updated and implemented radiation treatment plan apparatus and method of use thereof
US7346144B2 (en) In vivo planning and treatment of cancer therapy
JPWO2010109585A1 (ja) 検出器回動型放射線治療・画像化複合装置
GB2551892A (en) Cancer treatment - proton tomography apparatus and method of use thereof
KR20200111270A (ko) 암 치료를 위한 치료 전자 방사장치
US20170197099A1 (en) Semi-automated cancer therapy apparatus and method of use thereof
US10376717B2 (en) Intervening object compensating automated radiation treatment plan development apparatus and method of use thereof
US20170197097A1 (en) Treatment beam path verification in a cancer therapy apparatus and method of use thereof
US20170189722A1 (en) Transformable charged particle beam path cancer therapy apparatus and method of use thereof
US20240085580A1 (en) Proton ct system with improved proton energy detector
US20240100365A1 (en) Method and system for monitoring a hadron beam during hadron-therapy treatment of a subject
KR101676963B1 (ko) 반양성자 치료에 이용되는 붕소 융합을 통한 실시간 타겟 모니터링 장치
Ssentongo Simulation of prompt gamma production in particle therapy and beam trajectory imaging
Spiga Monte Carlo simulation of dose distributions for synchrotron Microbeam Radiation Therapy
Rinaldi Imaging techniques in ion beam therapy: status and perspective
Sealy et al. This book is dedicated to our teachers

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071218

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080520