JP5634396B2 - 同位体イオン顕微鏡方法およびシステム - Google Patents

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Description

本明細書で開示する本発明は、イオン顕微鏡方法およびシステムに関し、特に、比較的軽い同位体、少数同位体、またはその両方に関するものである。
イオンを用いて、試料を精査および/または改変することができる。
本発明の一実施態様により包括的に開示する方法は、希ガスの同位体イオンを用いて試料を精査および/または改変することに関する。その同位体は、比較的軽い同位体、少数同位体、またはその両方とすることができる。そのような同位体の例としては、He−3が挙げられる。
いくつかの実施形態において、試料を形成する原子よりも重量の小さいイオンを用いて試料を精査/改変する場合、比較的重い同位体(例えば、He−4)のイオンを用いたときに試料に生じる損傷と比較して、比較的軽い同位体(例えば、He−3)のイオンを用いる方が、そのイオンと試料との相互作用により生じる試料への損傷の可能性を減少することができると考えられている。なぜなら、比較的軽いイオンから試料原子へのエネルギー伝達の効率は、比較的重いイオンから試料原子へのエネルギー伝達効率よりも低いからである。
一般に、イオンはイオン光学系を通過した後、試料と相互作用する。多くの場合、イオン光学系は1つまたはそれ以上のビーム形成開口を備える。いくつかの実施形態において、この(これらの)ビーム形成開口を形成する原子よりも重量の小さいイオンを用いて試料を精査/改変する場合、比較的重い同位体(例えば、He−4)のイオンを用いたときにこの(これらの)ビーム形成開口に生じる損傷と比較して、比較的軽い同位体(例えば、He−3)のイオンを用いる方が、そのイオンとこの(これらの)ビーム形成開口との相互作用により生じるこの(これらの)ビーム形成開口への損傷の可能性を減少することができると考えられている。なぜなら、比較的軽いイオンからこの(これらの)ビーム形成開口原子へのエネルギー伝達の効率は、比較的重いイオンからこの(これらの)ビーム形成開口原子へのエネルギー伝達効率よりも低いからである。
いくつかの実施形態において、イオン源先端部を形成する原子よりも重量の小さいイオンを用いて試料を精査/改変する場合、比較的重い同位体(例えば、He−4)のイオンを用いたときにイオン源先端部に生じる損傷と比較して、比較的軽い同位体(例えば、He−3)のイオンを用いる方が、そのイオンとイオン源先端部との相互作用により生じるイオン源先端部への損傷の可能性を減少することができると考えられている。なぜなら、比較的軽いイオンからイオン源先端部の原子へのエネルギー伝達の効率は、比較的重いイオンからイオン源先端部の原子へのエネルギー伝達効率よりも低いからである。
いくつかの実施形態において、例えば、著しく高い線量および/または著しく高いビーム電圧を用いるような場合、イオンが試料の表面下またはバルク領域に侵入することがあり、それにより表面下またはバルク領域でガスが発生する可能性がある。所与の温度において、試料から拡散するより軽いガス(例えば、He−3)の拡散率は、試料から拡散するより重いガス(例えば、He−4)の拡散率よりも高いことがある。代案として、または、付加的に、より軽いガス(例えば、He−3)は、より重いガス(例えば、He−4)よりも低い温度で試料から拡散することがある。
イオン源先端部と試料との間の電位が一定に保たれると仮定すると、より軽い同位体のイオンおよびより重い同位体のイオンは、通常、イオン光学系を通過する際は同程度のエネルギーを持つことになる。しかし、イオン光学系内の各イオンの速度はそのイオンの質量の平方根に反比例するため、一般に、軽いイオンは重いイオンよりも速い速度で移動する。結果として、通常、イオン光学系内における軽いイオンの密集度は、重いイオンと比べ、低いことになる。重いイオンのイオンビームと比べ、軽いイオンの密集度が低いことにより、イオン光学系内の各イオン間の空間電荷効果が減少し、結果として、試料表面の面において測定されるビーム幅よりもビーム幅が拡大するのを抑制することができる。
本発明の一実施態様により開示する方法は、イオンを用いて試料を精査するステップを含む方法であって、このイオンの少なくとも0.01%はHe−3イオンである。
本発明の他の実施態様により開示する方法は、イオンを用いて試料を精査することを含む方法であって、このイオンの少なくとも0.1%はHeイオンであり、そのイオンの少なくとも99.9%はHe−4イオンである。
本発明のさらなる実施態様により開示する方法は、ガス電界電離型イオン源を使用してイオンを生成するステップを含む方法であって、このイオンの少なくとも0.01%はHe−3イオンである。
本発明の付加的な実施態様により開示する方法は、希ガスの同位体イオンを用いて試料を精査するステップを含む方法である。この同位体は、He−3、Ne−21、Ne−22、Ar−36、Ar−38、Kr−78、Kr−80、Kr−82、Kr−83、Xe−124、Xe−126、Xe−128、Xe−129、Xe−130、Xe−131、Xe−132、Xe−134、および/またはXe−136から選択される。このイオンのパーセンテージは、その同位体の天然存在比より大きい。
本発明の一実施態様により開示する方法は、イオンを用いて試料を改変するステップを含む方法であって、このイオンの少なくとも0.01%はHe−3イオンである。
本発明の他の実施態様により開示する方法は、イオンを用いて試料を改変するステップを含む方法であって、このイオンの少なくとも0.1%はHeイオンであり、このイオンの少なくとも99.9%はHe−4イオンである。
本発明のさらなる実施態様により開示する方法は、希ガスの同位体イオンを用いて試料を改変するステップを含む方法である。この同位体は、He−3、Ne−21、Ne−22、Ar−36、Ar−38、Kr−78、Kr−80、Kr−82、Kr−83、Xe−124、Xe−126、Xe−128、Xe−129、Xe−130、Xe−131、Xe−132、Xe−134、および/またはXe−136から選択される。このイオンのパーセンテージは、その同位体の天然存在比より大きい。
本発明の付加的な実施態様により開示する方法は、イオンを用いて試料を精査するステップを含む方法である。このイオンの少なくとも0.01%は、Ne−21イオン、Ne−22イオン、Ar−36イオン、Ar−38イオン、Kr−78イオン、Kr−80イオン、Kr−82イオン、Kr−83イオン、Xe−124イオン、Xe−126イオン、Xe−128イオン、Xe−129イオン、Xe−130イオン、Xe−131イオン、Xe−132イオン、Xe−134イオン、および/またはXe−136イオンである。
本発明の一実施態様により開示する方法は、ガス電界電離型イオン源を使用してイオンを含有するイオンビームを生成するステップを含む方法である。このイオンビーム中のイオンの少なくとも0.01%はNe−21イオン、Ne−22イオン、Ar−36イオン、Ar−38イオン、Kr−78イオン、Kr−80イオン、Kr−82イオン、Kr−83イオン、Xe−124イオン、Xe−126イオン、Xe−128イオン、Xe−129イオン、Xe−130イオン、Xe−131イオン、Xe−132イオン、Xe−134イオン、および/またはXe−136イオンである。
本発明の他の実施態様により開示する方法は、イオンを用いて試料を改変するステップを含む方法である。このイオンの少なくとも0.01%は、Ne−21イオン、Ne−22イオン、Ar−36イオン、Ar−38イオン、Kr−78イオン、Kr−80イオン、Kr−82イオン、Kr−83イオン、Xe−124イオン、Xe−126イオン、Xe−128イオン、Xe−129イオン、Xe−130イオン、Xe−131イオン、Xe−132イオン、Xe−134イオン、および/またはXe−136イオンである。
本発明のさらなる実施態様により開示する方法は、He−3イオンであるイオンを第1パーセンテージで有する第1のイオンビームを形成するステップ、および界を用いて第1のイオンビームを改変し、He−3イオンであるイオンを第2パーセンテージで有する第2のイオンビームを形成するステップ、を含む方法である。第1パーセンテージは第2パーセンテージとは異なる。
本発明の付加的な実施態様により開示する方法は、希ガスの同位体を第1パーセンテージで有する第1のイオンビームを形成するステップ、および界を用いて第1のイオンビームを改変し、希ガスの同位体を第2パーセンテージで有する第2のイオンビームを形成するステップ、を含む方法である。第1パーセンテージは第2パーセンテージとは異なる。同位体はNe−21、Ne−22、Ar−36、Ar−38、Kr−78、Kr−80、Kr−82、Kr−83、Xe−124、Xe−126、Xe−128、Xe−129、Xe−130、Xe−131、Xe−132、Xe−134、および/またはXe−136から選択される。
本発明の一実施態様により開示する方法は、イオンビームを用いて試料を精査するステップを含む方法である。イオンビームは、Heイオンを少なくとも0.1%含み、このHeイオンの99.9%未満はHe−4イオンである。
本発明の他の実施態様により開示する方法は、イオンビームを用いて試料を改変するステップを含む方法である。イオンビームはHeイオンを少なくとも0.1%含み、このHeイオンの99.9%未満はHe−4イオンである。
本発明のさらなる実施態様により開示する方法は、イオンビームを用いて試料を精査するステップを含む方法である。イオンビームはNeイオンを少なくとも0.1%含み、このNeイオンの90%未満はNe−20イオンである。
本発明の付加的な実施態様により開示する方法は、イオンビームを用いて試料を精査するステップを含む方法である。イオンビームはArイオンを少なくとも0.1%含み、該Arイオンの99.5%未満はAr−40イオンである。
本発明の一実施態様により開示する方法は、イオンビームを用いて試料を精査するステップを含む方法である。イオンビームはKrイオンを少なくとも0.1%含み、このKrイオンの55%未満はKr−84イオンである。
本発明の他の実施態様により開示する方法は、イオンビームを用いて試料を精査するステップを含む方法である。イオンビームはXeイオンを少なくとも0.1%含み、このXeイオンの25%未満はXe−132イオンである。
本発明のさらなる実施態様により開示する方法は、イオンビームを用いて試料を改変するステップを含む方法である。イオンビームはNeイオンを少なくとも0.1%含み、このNeイオンの90%未満はNe−20イオンである。
本発明の付加的な実施態様により開示する方法は、イオンビームを用いて試料を改変するステップを含む方法である。イオンビームはArイオンを少なくとも0.1%含み、このArイオンの99.5%未満はAr−40イオンである。
本発明の一実施態様により開示する方法は、イオンビームを用いて試料を精査するステップを含む方法である。イオンビームはKrイオンを少なくとも0.1%含み、このKrイオンの55%未満はKr−84イオンである。
本発明の他の実施態様により開示する方法は、イオンビームを用いて試料を改変するステップを含む方法である。イオンビームはXeイオンを少なくとも0.1%含み、このXeイオンの25%未満はXe−132イオンである。
その他の特徴および利点は以下の説明、図面、および請求の範囲により明らかになるであろう。
イオン顕微鏡の概略を示す図である。 試料の平面図である。 試料の断面図である。
異なる図面における同一参照符号は同一要素を示す。
[イオン顕微鏡]
図1は、試料の精査および/または改変に使用することのできるイオン顕微鏡100の概略を示す図である。イオン顕微鏡100は、筐体110、ガス電界電離型イオン源120、イオン光学系130、試料140、および検出器150を備える。使用の際は、気体(例えば、He−3)を筐体110内に注入し、イオン源120の一部である先端部(例えば、導電性の先端部)に比較的高い陽電位を印加する。その気体(例えば、He−3)がイオン化して、イオンがイオン光学系130に入射する。イオン光学系により、そのイオンを試料130に向ける。そのイオン(例えば、He−3イオン)は試料140と相互作用して、電子および/または散乱イオン等の粒子を生成し、その粒子を検出器150により検出する。この検出情報に基づいて、試料140の1つまたはそれ以上の特徴、例えば、試料140のトポグラフィおよび/または試料140の構成材料情報等を測定する。代案として、または、付加的に、イオン(例えば、He−3イオン)を用いて試料を改変することができる。例えば、イオン(例えば、He−3イオン)を用いてガスアシスト化学処理を行い、試料140の表面に材料形成することができる。
イオン顕微鏡は、例えば、米国特許出願公開第2007/0158558号明細書に開示され、その開示を参照することにより本明細書に完全に援用される。
[同位体]
いくつかの実施形態において、同位体はHe−3である。通常、He−3のイオン源として任意のものを使用することができる。いくつかの実施形態において、市販のHe−3ガスを使用することができる。あるいくつかの実施形態において、市販の(例えば、He−3を天然存在比で含有する)Heガスを使用することができる。そのような実施形態においては、一つまたはそれ以上の工程を用いて、そのガスおよび/またはそのガスにより生成されたイオンを改変し、He−3含有率がその天然存在比より大きいガスおよび/またはイオンを生成することができる。一例として、1つまたはそれ以上の界(例えば、1つまたはそれ以上の電界、1つまたはそれ以上の磁界、1つまたはそれ以上の電界および1つまたはそれ以上の磁界の組み合わせ)を用いて、He−3の存在比を変更することができる。それら界は、例えば、イオン光学系内の1つまたはそれ以上の部品を使用して生成することができる。いくつかの実施形態においては、本発明の方法は、He−3イオンを含有する第1のイオンビームを形成し、1つまたはそれ以上の界を用いてその第1のイオンビームを改変して、He−3イオンを含有する第2のイオンビームを形成することに関する。第1のイオンビームのHe−3イオン含有率は、第2のイオンビームのHe−3イオン含有率とは異なる。必要に応じて、第2のイオンビームを用いて試料を精査および/または改変することができる。第2のイオンビームのイオンすなわちHe−3イオン含有率は、例えば、第1のイオンビームのHe−3イオン含有率の少なくとも2倍(例えば、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも75倍、少なくとも90倍、少なくとも95倍)とすることができる。第2イオンビームのイオンすなわちHe−3イオン含有率は、例えば、第1イオンビームのHe−3イオン含有率の少なくとも0.01%(例えば、少なくとも0.1%、少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%)とすることができる。
同位体の例として、He−3を挙げたが、より一般的には、任意の同位体を使用することができる。一般に、この同位体として、比較的軽い同位体、少数同位体、またはその両方を用いることができる。通常、この同位体は希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe)の同位体である。同位体の例としては、Ne−21、Ne−22、Ar−36、Ar−38、Kr−78、Kr−80、Kr−82、Kr−83、Xe−124、Xe−126、Xe−128、Xe−129、Xe−130、Xe−131、Xe−132、Xe−134、およびXe−136が挙げられる。表1に、いくつかの同位体とそれぞれに対応する天然存在比(丸めによる近似値)を示す。
Figure 0005634396
あるいくつかの実施形態において、同位体から形成されるイオンビーム中のイオン含有率(例えば、同位体から形成されるイオンビーム中のイオン含有率として測定される)は、その同位体の天然存在比よりも大きい。例えば、いくつかの実施形態において、同位体から形成されるイオンビーム中のイオン含有率は、その同位体の天然存在比の少なくとも2倍(例えば、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも1000倍)である。
いくつかの実施形態において、イオンビーム中に含まれるイオンの少なくとも0.01%(例えば、少なくとも0.1%、少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%)は同位体イオンである。
あるいくつかの実施形態において、イオンビームを生成するのに用いたガスの少なくとも0.01%(例えば、少なくとも0.1%、少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%)は同位体である。
いくつかの実施形態において、イオンビームを生成するのに用いたガスの少なくとも0.1%(例えば、少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%)は同位体であり、および/またはイオンビームを生成するのに用いたガスの多くとも99.9%(例えば、多くとも99%、多くとも90%、多くとも85%、多くとも80%、多くとも75%、多くとも70%、多くとも65%、多くとも60%、多くとも55%、多くとも50%、多くとも45%、多くとも40%、多くとも35%、多くとも30%、多くとも25%、多くとも20%、多くとも15%、多くとも10%、多くとも5%、多くとも1%)は同位体である。例として、いくつかの実施形態において、同位体の1つはHe−3であり、もう一方の同位体はHe−4である。
あるいくつかの実施形態において、イオンビーム中のイオンの少なくとも0.1%(例えば、少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%)は同位体イオンであり、および/またはイオンビーム中のイオンの多くとも99.9%(例えば、多くとも99%、多くとも90%、多くとも85%、多くとも80%、多くとも75%、多くとも70%、多くとも65%、多くとも60%、多くとも55%、多くとも50%、多くとも45%、多くとも40%、多くとも35%、多くとも30%、多くとも25%、多くとも20%、多くとも15%、多くとも10%、多くとも5%、多くとも1%)は同位体である。一例として、いくつかの実施形態において、同位体の1つはHe−3であり、もう一方の同位体はHe−4である。
[粒子および粒子検出]
検出器150により様々な種類の粒子を検出することができる。粒子の例としては、二次電子、オージェ電子、二次イオン、二次中性粒子、一次中性粒子、散乱イオン、および光子等が挙げられる。本明細書中において、イオンビームから発生したイオン(例えば、Heイオン)が試料と相互作用し、その試料に当たってイオン(例えば、Heイオン)状態のまま散乱した際に、散乱イオンが発生する。散乱イオンが試料の表面下領域から試料の表面に伝播してその試料から出射する可能性は極めて低いため、通常、散乱イオンからはその試料の表面の情報を得ることができる。以下に詳述するが、散乱イオンを検出する際には、通常、入手したい情報の種類により、1つまたはそれ以上の検出器の特定の配置を決定する。本明細書中において、二次電子とは、試料種等から出射した電子であり、50電子ボルト(eV)未満のエネルギーを持つ電子である。通常、二次電子は一定範囲の角度とエネルギーで試料表面から出射する。しかしながら、最も重要な情報は、(エネルギー分解された二次電子情報または角度分解された二次電子の情報ではなく)二次電子の全存在量である。なぜなら、後述するように、試料表面の情報は、二次電子の全存在量に基づいて得ることができるからである。
いくつかの実施形態において、二次電子の全存在量を検出することにより、試料のトポグラフィに関する情報を得ることができる。試料上の所与の位置における二次電子の全存在量は、その地点のイオンビームに対する表面傾斜により決定される。一般に、イオンビームに対する表面傾斜が大きくなる(すなわち、表面法線から測定されるイオンビームの入射角が増加する)と、二次電子の全存在量が増加する。したがって、試料の表面上のイオンビームの位置に応じた二次電子の全存在量の変化を、その表面傾斜の変化と相関させることにより、その試料表面のトポグラフィに関する情報を得ることができる。
二次電子の全存在量を検出することにより、試料の材料構成情報(例えば、元素情報、化学環境情報)を得ることもできる。そのような実施形態において、材料構成情報は主に試料表面に関連付けられる。通常、所与の化学環境における各元素または材料は、それぞれ固有の二次電子収率を有することになる。その結果、表面上の所与の位置における二次電子の全存在量は、概して、その位置に存在する材料によって決まる。したがって、試料の表面上のイオンビームの位置に応じた二次電子の全存在量の変化を、その試料の表面上に存在する元素および/または材料の変化と相関させることにより、その試料表面の材料構成情報を得ることができる。
あるいくつかの実施形態においては、散乱イオンの全存在量を用いて定性的材料構成情報を測定することができる。なぜなら、一般に、Heイオン等のイオンの散乱確率(すなわち、試料表面の局所的変化等その他の因子は影響しないと仮定した場合の散乱イオンの全存在量)は、そのイオンを散乱させる表面原子の原子番号(Z値)の二乗にほぼ比例する。したがって、一例として、Heイオンを用いて、半導体製品内でケイ素(原子番号14)と銅線(原子番号29)とを識別する場合、その半導体製品表面において銅原子から散乱したHeイオンの全存在量は、その半導体製品表面においてケイ素原子から散乱したイオンの全存在量の約4倍となる。別の例として、Heイオンを用いて、半導体製品内でタングステン(原子番号74)とケイ素(原子番号14)とを識別する場合、その半導体製品表面においてタングステン原子から散乱したHeイオンの全存在量は、その半導体製品表面においてケイ素原子から散乱したイオンの全存在量の約25倍となる。さらなる例として、Heイオンを用いて、半導体製品内で金(原子番号79)領域とケイ素(原子番号14)とを識別する場合、その半導体製品表面において金原子から散乱したHeイオンの全存在量は、その半導体製品表面においてケイ素原子から散乱したイオンの全存在量の約25倍となる。付加的な例として、半導体製品内でインジウム(原子番号49)領域とケイ素(原子番号14)とを識別する場合、その半導体製品表面においてインジウム原子から散乱したHeイオンの全存在量は、その半導体製品表面においてケイ素原子から散乱したイオンの全存在量の約10倍となる。
散乱イオンの全存在量の検出には、単独の検出器(例えば、半球型検出器)を使用して試料の表面から出射した散乱イオンを検出するように構成することができる。または、複数の検出器(例えば、試料の表面に対し、様々な立体角をなして配置した検出器)を使用して試料の表面から出射した散乱イオンを検出するように構成することができる。
いくつかの実施形態において、エネルギー分解検出および角度分解検出を使用して、試料表面の定量的材料組成情報の測定を行うことができる。検出器は、検出器の取り込み角範囲内のそれぞれの角度について検出散乱イオンそれぞれの角度およびエネルギーがわかるように構成する。Heイオンを例にとると、散乱Heイオンのエネルギーと散乱角を測定することにより、試料表面においてその散乱Heイオンを散乱させる原子の質量は、以下の関係式に基づき計算することができる。
Figure 0005634396
ここで、Eは散乱Heイオンのエネルギー、EはそのHeイオンの入射エネルギー、MHeはHeイオンの質量、θは散乱角、およびMはHeイオンを散乱させる原子の質量を表す。
検出器は、例えば、エネルギー分解リン系検出器、エネルギー分解シンチレータ系検出器、ソリッドステート(半導体)検出器、エネルギー分解静電プリズム系検出器、静電プリズム、エネルギー分解ET検出器、またはエネルギー分解マイクロチャネルとして構成することができる。一般に、検出器の取り込み角は十分に広いほうが望ましい。あるいくつかの実施形態において、検出器を固定型(例えば、環状検出器)とする。あるいくつかの実施形態において、検出器は、立体角の全範囲にわたり動かすことができるようにする。以上、単独の検出器を使用してエネルギー分解散乱イオンおよび角度分解散乱イオンを検出するシステムを説明したが、そのようなシステムにおいて、検出器を複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8)設けることができる。多くの場合、複数の検出器を使用することが望ましい。なぜなら、散乱イオン検出の取り込み角を大きくすることができるからである。
粒子および粒子検出については、例えば、米国特許出願公開第2007/0158558号明細書に記載されている。
[検出器]
検出器の例としては、エバーハート−ソーンリー(ET)(Everhart−Thornley)検出器、マイクロチャネルプレート検出器、コンバージョンプレート、チャネトロン検出器、リン検出器、およびソリッドステート検出器が挙げられる。これら検出器を使用して、1つまたはそれ以上の上記の粒子を検出することができる。いくつかの実施形態において、検出器(例えば、プリズム検出器、ソリッドステート検出器)を使用して、粒子(例えば、電子、散乱イオン)のエネルギーを検出することができる。
検出器については、例えば、米国特許出願公開第2007/0158558号明細書に記載されている。
[試料、試料検査、および試料改変]
試料の例としては、半導体製品が挙げられる。半導体を製造する際には、一般に、複数の材料を順に堆積および処理することで製品(半導体製品)を作成し、集積電子回路、集積回路素子、および/またはその他のマイクロ電子デバイスとして構成する。そのような製品は、一般に、様々な構成(例えば、導電性材料で形成した回路線、非導電性材料を充填したウエル、半導体材料で形成した領域等)を有し、それらの構成は互いに正確に(例えば、通常、数ナノメータ単位で)位置決めされる。所与の構成の位置、サイズ(長さ、幅、奥行き)、組成(化学組成)、および関連特性(導電性、結晶の配向性、磁気特性)は、その製品の性能に重要な影響を及ぼすことがある。例えば、あるいくつかの例において、それらのパラメータうち1つまたはそれ以上が適切な範囲を逸脱すると、その製品は所望の機能を果たすことができないとして廃棄されることがある。結果として、一般に、半導体の各製造工程全てを良好に制御できることが望ましいとされ、また、半導体の様々な製造工程においてその製造を監視できる手段を使用することが有用であり、そうすれば、その半導体製造工程の様々なステージにおける1つまたはそれ以上の構成の位置、サイズ、組成、および関連特性についての検査を行うことが可能である。本明細書中で用いられる用語「半導体製品」として、集積電子回路、集積回路素子、集積電子回路、マイクロ電子デバイス、または、集積電子回路、集積回路素子、およびマイクロ電子デバイスの製造過程で形成される製品が挙げられる。いくつかの実施形態においては、半導体製品は平面ディスプレイまたは太陽電池の一部を構成することができる。半導体製品の各領域は、異なるタイプ(導電性、非導電性、半導電性)の材料で形成する。導電性材料の例としては、例えば、アルミニウム、クロミウム、ニッケル、タンタル、チタン、タングステン、および1つまたはそれ以上のそれらの金属を含む合金(例えば、アルミニウム・銅合金類)等が挙げられる。金属シリサイド類(例えば、ニッケルシリサイド類、タンタルシリサイド類)も導電性とすることができる。非導電性材料の例としては、例えば、1つまたはそれ以上の上記金属類のホウ化物類、炭化物類、窒化物類、酸化物類、リン化物類、および硫化物類(例えば、ホウ化タンタル類、ゲルマニウムタンタル合金、窒化タンタル類、窒化ケイ素タンタル類、および窒化チタン類)等が挙げられる。半導電性材料の例としては、ケイ素、ゲルマニウム、およびヒ化ガリウム等が挙げられる。必要に応じて、半導体材料をドープ(リン(P)ドープ、窒素(N)ドープ)して、その材料の導電性を向上させることができる。所与の材料からなる層を堆積/加工する一般的なステップとしては、その製品を画像化する(それにより、例えば、所望の構造を形成する位置を決定する)ステップ、適切な材料(例えば、導電性材料、半導電性材料、非導電性材料)を堆積するステップ、およびエッチングにより不要な材料をその製品内の所定の箇所から除去するステップ、がある。多くの場合、例えばフォトレジスト高分子等のフォトレジストを堆積し、適切な照射を施し、選択的にエッチングして、所与の構造の形成位置とサイズの制御を支援する。一般に、それ以降の1つまたはそれ以上の工程段階にてフォトレジストを除去し、通常、最終的な半導体製品はフォトレジストをほとんど含まないことが望ましい。
図2Aおよび図2Bはそれぞれ、半導体製品200の部分頂面図および部分断面図である。図2Bに示すように、製品200を切断し、側壁210A、210Bおよび底壁210Cを有する断面210を露出する。図2Aおよび図2Bには図示していないが、半導体製品200は異なる材料で形成した多数の層を有し、また、いくつかの例においては、同じ層の中に複数の異なる層を有する。
上述した検査の一例としては、ボイドを検出することが挙げられる。半導体製品の製造過程において、あるいくつかの構造または層にボイドが不用意に発生してしまうことがある。いくつかの実施形態においては、ボイドがデバイスの構造および/またはデバイス全体の性能(例えば、電気的性能、機械的性能)に望ましくない影響を及ぼすことがある。後続の加工段階で、そのボイドが開放されることがあり、例えば、液体および/またはガス状成分によりボイドが充填されてしまうことがある。そうすると、下部層の腐食、および/または粒子欠陥および/または残渣欠陥の原因となることがある。最終的に、ボイドの存在により、電気的および/または機械的特性が所望の値(例えば、設計値)から逸脱してしまうことがある。
半導体製品の欠陥検出の別の例として、オーバーレイシフトレジストレーションが挙げられる。用語「オーバーレイシフトレジストレーション」とは、一般に、半導体製品の所与の層内の構造と別の層内の構造の位置を合わせる(アラインメントする)ことである。上述したように、半導体製品の製造においては、多くの層を適切に形成することが必要である。一般に、1つの半導体製品が含む層の数は20を大幅に上回る。多くの場合、各層は複数の異なる構造を含むことがあり、それぞれの構造を高精度で配置し、半導体製品が適切に機能するようにすることが望ましい。一例として、半導体製品は、例えば導電配線(ワイヤ)等の平面構造を複数備え、それらの構造は異なる層に配置され、ビアにて互いに接続される。通常、半導体製品内の構造は互いに適切に位置合わせされていることが望ましい。
半導体製品の欠陥検出の付加的な例として、限界寸法計測が挙げられる。用語「限界寸法計測」とは、半導体製品内の構造であって、デバイスの性能に決定的な影響を及ぼす可能性のある構造の線寸法を計測することである。そのような構造の例としては、例えばライン(例えば、導電性材料のライン、半導電性材料のライン、非導電性材料のライン)が挙げられる。1つの半導体製品は、1つまたは複数の構造を備え、その規模寸法は20nm以下(例えば、10nm以下、5nm以下、4nm以下、3nm以下、2nm以下、1nm以下)である。いくつかの実施形態において、構造の寸法を複数回計測して、構造のサイズに関する統計情報を得る。限界寸法計測においては、多くの場合、例えば、ウエハ上のパターン化構造の長さを測定することを必要とする。複数のウエハ(複数のダイスを含み、各ダイスが半導体製品を形成するウエハ)を製造ラインからランダムに選択して検査すること、またはラインの全てのウエハを検査することができる。選択した限界寸法の計測には、画像化器機を用いると比較的ハイスループット率で計測を行うことができる。計測した限界寸法が許容範囲外であれば、そのウエハを廃棄する。ある特定の製造機により製造される試料のうち複数が限界寸法の許容範囲外であった場合、その製造機の稼動を停止する、または、その製造機の稼動パラメータを変更する。
欠陥検出のさらなる例として、ラインエッジラフネスおよび/またはライン幅ラフネスの計測が挙げられる。用語「ラインエッジラフネス」は、一般に、半導体製品内の材料のラインエッジ粗さのことであり、用語「ライン幅ラフネス」は、一般に、半導体製品内の材料のライン幅粗さのことである。望ましくは、これらの値を検出して、所与の半導体製品に実際にまたは潜在的に問題が内在するかを究明する。例えば、導電性材料からなる隣接するラインのエッジが互いに外側へ突出していると、そのラインが互いに接触し、短絡することがある。望ましくは、ラインエッジラフネスおよび/またはライン幅ラフネスが5nm以下(例えば、4nm以下、3nm以下、2nm以下、1nm以下、0.9nm以下、0.8nm以下、0.7nm以下、0.6nm以下、0.5nm以下)の範囲にあることを確かめる。試料検査の例については、例えば、米国特許出願公開第2007/0158558号明細書に開示される。
いくつかの実施形態において、上記のシステムおよび方法を用いて、試料を改変(例えば、修復)する(例えば、断面を露出した製品した部分またはその周辺のある領域を修復する)ことができる。そのような改変としては、ガスアシスト化学処理を用いるものがあり、それにより材料を試料(試料の所与の層)に対して追加および/または回収することができる。一例として、ガスアシスト化学処理により、半導体回路編集を行うことができ、それにより半導製品内の損傷回路または誤って製造した回路を修理する。一般に、回路編集とは、回路に材料を追加する(例えば、開いている回路を閉じる)こと、および/または回路から材料を回収する(例えば、閉じている回路を開く)ことを含む。ガスアシスト化学処理により、フォトリソグラフィーマスクの修復をすることもできる。マスクの欠陥としては、通常、マスク材料が存在すべきでない領域にマスク材料が余剰して付着すること、および/またはマスク材料が存在すべき領域で材料が欠如することが挙げられる。したがって、ガスアシスト化学処理によりマスク修復を行い、所望により、マスクに対し材料を追加および/または回収することができる。一般に、ガスアシスト化学処理においては、荷電粒子ビーム(例えば、イオンビーム、電子ビーム、またはその両方)を用い、荷電粒子ビームを適切なガス(例えば、Cl、O、I、XeF、F、CF、HO、XeF、F、CF、WF)と相互作用させる。別の例として、試料の改変としては、スパッタリングがある。いくつかの例において、製品を製造する際、いくつかの段階(例えば、回路から不要な材料を除去してその回路を編集する際、マスクを改変する際)において材料を除去するのが望ましいことがある。材料を除去するにはイオンビームを使用することができ、それにより試料から材料をスパッタする。特に、本明細書に記載のように、ガス原子とガス電界電離型イオン源との相互作用により生成されたイオンビームを用いて試料をスパッタすることができる。Heガスイオンを用いることもできるが、一般に、好ましくは、より重いイオン類(例えば、Neガスイオン類、Arガスイオン類、Krガスイオン類、Xeガスイオン類)を用いて材料を除去する。材料を除去する間は、試料上の除去対象の材料が位置する領域にイオンビームを合焦する。そのような検査の例については、例えば、米国特許出願公開第2007/0158558号明細書に開示される。
以上、半導体製品を試料として構成した実施形態について説明したが、より一般的には、任意のタイプの試料を用いることができる。試料の例としては、生物学的試料(例えば、組織、核酸、タンパク質、炭水化物、脂質、および細胞膜)、薬剤試料(例えば、小分子薬)、凍結水(例えば、氷)、磁気記憶デバイスに用いるリード/ライトヘッド、ならびに金属試料類および合金試料類が挙げられる。
試料、試料の検査、および試料の改変については、例えば、米国特許出願公開第2007/0158558号明細書に開示される。
[その他の実施例]
いくつかの実施形態について説明したが、その他の実施形態も可能である。
1つの例として、上記の実施形態では一つの同位体(少数同位体、軽同位体)を用いたが、いくつかの実施形態においては、複数の同位体(例えば、2つの同位体、3つの同位体、4つの同位体、5つの同位体等)を用いることができる。
別の例として、上記の実施形態では用いる検出器の数を1つとしたが、必要に応じ、検出器の数を複数(例えば、2、3、4、5、6等)とすることができる。
さらなる例として、上記の実施形態では検出器と荷電粒子源を試料に対し同じ側に配置したが、いくつかのある実施形態においては、検出器と荷電粒子源を試料をはさんで互いに反対側に配置することもできる。そのような実施形態は、例えば、試料から発信された(例えば、試料を通じて伝播した)Heイオンにより発生した電子を検出するのに利することができる。そのような電子は通常試料の背面から発生する。必要に応じ、システムに1つまたはそれ以上の検出器と、荷電粒子源を試料に対し同じ側に設けること、および、1つまたはそれ以上の検出器を、荷電粒子源に対し、試料の反対側に配置することもできる。
付加的な例として、いくつかの実施形態において、検出した電子はイオン光学系の少なくとも一部を通過(例えば、最終レンズを通過)する。イオン光学系は通常1つまたはそれ以上のレンズを有するため、そのような検出構成は多くの場合TTL(Through The Lens)検出器と呼ばれる。
上述した実施形態の様々な態様は、概して、所望により組み合わせることができる。
その他の実施形態は特許請求の範囲に包含される。

Claims (20)

  1. ガス電界電離型イオン源(120)を用いて希ガスの同位体イオンビームを形成するステップ、および
    前記同位体イオンビーム中の前記希ガスの同位体イオンを用いて試料(140)を精査又は改変するステップ、を含む方法であって、
    前記同位体イオンは、Ne−21、Ne−22、Ar−36、Ar−38、Kr−78、Kr−80、Kr−82、Kr−83、Xe−124、Xe−126、Xe−128、Xe−129、Xe−130、Xe−131、Xe−132、Xe−134、およびXe−136からなる群から選択され、
    前記同位体イオンの存在比は該同位体の天然存在比よりも大きい、方法。
  2. 前記同位体イオンの少なくとも0.01%は、Ne−21、Ne−22、Ar−36、Ar−38、Kr−78、Kr−80、Kr−82、Kr−83、Xe−124、Xe−126、Xe−128、Xe−129、Xe−130、Xe−131、Xe−132、Xe−134、又はXe−136イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記同位体イオンビームは、希ガスの同位体イオンを第1パーセンテージで含む第1のイオンビームであり、
    磁界又は電界を用いて前記第1のイオンビームを改変し、前記希ガスの同位体イオンを第2パーセンテージで含む第2のイオンビームを形成するステップ、を含み、
    前記第1パーセンテージは前記第2パーセンテージとは異なり、
    前記同位体イオンは、Ne−21、Ne−22、Ar−36、Ar−38、Kr−78、Kr−80、Kr−82、Kr−83、Xe−124、Xe−126、Xe−128、Xe−129、Xe−130、Xe−131、Xe−132、Xe−134、およびXe−136からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第2パーセンテージは前記第1パーセンテージよりも大きいことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第2のイオンビームを形成するステップは、複数の磁界又は電界を用いて前記第1のイオンビームを改変することを含むことを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記同位体イオンの存在比は、該同位体の天然存在比の少なくとも2倍であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 前記同位体イオンの存在比は、該同位体の天然存在比の少なくとも10倍であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記同位体イオンの存在比は、該同位体の天然存在比の少なくとも1000倍であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 前記同位体イオンビームはNeイオンを少なくとも0.1%含み、該Neイオンの90%未満はNe−20イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  10. 前記同位体イオンビームはArイオンを少なくとも0.1%含み、該Arイオンの99.5%未満はAr−40イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  11. 前記同位体イオンビームはKrイオンを少なくとも0.1%含み、該Krイオンの55%未満はKr−84イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  12. 前記同位体イオンビームはXeイオンを少なくとも0.1%含み、該Xeイオンの25%未満はXe−132イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  13. イオン源にガスを作用させて前記同位体イオンを生成するステップを含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記試料は、半導体製品、生物学的試料、薬剤試料、凍結水、リード/ライトヘッド、金属試料類、および合金試料類を含む群から選択される試料を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記同位体イオンを前記試料に作用させて該試料から粒子を離脱させ、前記粒子を検出して該試料に関する情報を測定するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記同位体イオンを用いてガス支援化学処理を行い前記試料を改変するステップを含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記同位体イオンは前記試料をスパッタすることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記試料はマスクを備え、前記方法は前記マスクを修復することを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記試料は半導体製品を含み、前記方法は前記試料に対して材料を添加するステップ、又は前記試料から材料を除去するステップにより、回路を修復することを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記希ガス中における前記同位体イオンの存在比を調整して前記同位体イオンの存在比を前記同位体の天然存在比よりも高くするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
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