JP2005507428A - シニドン−エチルを含有する作物保護固形製剤及び対応する分散液 - Google Patents

シニドン−エチルを含有する作物保護固形製剤及び対応する分散液 Download PDF

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Abstract

本発明は、作物保護固形製剤及びその水性分散液製剤に関し、前記作物保護固形製剤は、(a)作物保護剤としてのシニドン-エチル;(b)重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマー;及び、(c)場合によりさらに添加剤を含有し、当該作物保護固形製剤中に分散しているシニドン-エチル粒子の少なくとも50%はX線無定型状態である。本発明は、さらに、前記製剤の調製方法及び前記製剤の農業における使用に関する。本発明は、さらに、重合単位としての、(a)成分Aとして、5〜95重量%のスチレン;(b)成分Bとして、5〜95重量%のDMAPMAM(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);(c)成分Cとして、0〜98重量%のメチルアクリレート及び/又は酢酸ビニル;から本質的になるランダムラジカルコポリマーに関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ランダムラジカルコポリマー及び作物保護剤としてシニドン-エチル(ここで、シニドン-エチルは、(Z)-2-クロロ-3-[2-クロロ-5-(1,3-ジオキソ-1,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロイソインドール-2-イル)-フェニル]-アクリル酸エチルである)を含有する作物保護固形製剤、前記作物保護固形製剤から調製された分散液製剤、前記作物保護固形製剤及び前記分散液製剤の調製方法、一連の新規ランダムラジカルコポリマー、並びに、前記作物保護製剤の農業における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
水性系は植物、菌類又は昆虫などのバイオシステムと相互作用する上で有用であるという理由により、作物保護剤は、一般に、水性系の形態で投与される。水性環境中に不溶性である作物保護剤及び水に対する溶解性が不充分である作物保護剤の場合には、そのような作物保護剤の生物学的利用能が不充分であり、その結果、作物保護活性が低いものとなることから、作物保護製剤を効果的に投与するのは困難である。このような溶解性の問題は、投与についての多くのパラメーター、例えば、投与方法、投与量及び投与濃度などに影響する。
【0003】
作物保護剤などの薬物の粒子の溶解速度が、当該固体の表面積を増大させることにより、即ち、粒径を小さくすることにより増大させることができることは知られている。
【0004】
その結果、微粉化した薬物を含有する水性分散液製剤を調製する方法に関する研究がなされ、作物保護剤を含有する分散液製剤中の薬物粒子の寸法範囲を制御する努力がなされてきた。
【0005】
粒子の分散は、一般に、2種類の異なった方法で得られる。
【0006】
固体のバルク材から出発する標準的な粉砕方法では、平均直径が0.5μm未満である粒子は得られない。粒径と分布は、用いる製粉機のタイプ又は粉砕部品(例えば、シリカ)などの様々なパラメーターに依存する。さらなる問題は、製粉後に粉砕部品を除去することである。小さな寸法の粉砕分級物が必要な場合、しばしば、生成物の中に小さな粉砕部品及び粉砕ダストが残留し、その結果、不均質な系を生じることとなる。製粉された材料物質の粒径が比較的大きいため、それら粒子の分散液を凝集、フロキュレーション、沈降及び浮揚に対して安定にするための添加剤を見つけ出すのはより困難である。
【0007】
もう一方の方法は、分子溶液から出発して析出により粒子を形成させるものである。この方法は、沈降及び/又は浮揚の原因となるオストワルド成長(結晶成長)及び/又は粒子の凝集に由来する問題に再び直面することとなる。一般に、析出過程は、核生成過程において、周囲の媒体(溶媒系)との適合性が変化することにより、例えば、溶媒の変更若しくは混合、pH値、温度、圧力若しくは濃度の変更により誘発される。
【0008】
粒子系(particular system)を安定化させるためには、界面活性性の添加剤を用いてナノメーターの粒径を有する結晶成長及び凝集を阻止しなければならない。典型的な添加剤は、いわゆるミセルを生じる低分子量の界面活性剤又はオリゴマーであるが、これは、基体分子の含有量が極めて少ないという欠点を有する。溶質(solubilisate)は、粒子形成の初期に核生成過程を示さないが、界面活性剤分子による基体のミセル溶液過程を示す。都合の悪いことには、溶媒媒体を通って基体分子がよく移動するので、界面活性剤の溶媒和力により核生成と結晶成長が誘発され得る。
【0009】
高分子量の添加剤は、例えば、保護コロイド、両親媒性コポリマー及び増粘剤などである。保護コロイドは、粒子の表面を覆って粒子間に反発性の相互作用(立体的及び/又は静電的)を形成させることにより凝集に対して粒子を安定化させ、粒子表面の成長部位を遮断することにより成長を抑制するが、増粘剤は、拡散速度と粒子の衝突頻度を低下させることにより動力学的に安定化させる。
【0010】
いずれにせよ、コロイド状態における相互作用が上記のように複雑なため、理論的な計算によっても、製剤の経験にもとづいても、所与の基体物質を安定化させるための効果的な添加剤を予測することは殆ど不可能である。
【0011】
国際公開第97/13503号には、作用物質とマトリックスを混合して再水和可能な複合混合物(ナノ複合粉末)を形成させることを含むナノ粒子の合成方法が開示されている。そのナノ粒子は、約5000nm未満、好ましくは、約400nm未満、さらに好ましくは、約250nm未満である。ナノ粒子中に配合可能な適する作用物質は、とりわけ、農薬などである。噴霧乾燥ステップは、界面活性剤、糖及び安定剤を含むか又は含まないジメチルスルホキシド、1-メチル-2-ピロリジノン、エタノール又は水に溶解させた種々の濃度の薬物の噴霧乾燥を包含している。マトリックスは、炭水化物、タンパク質、無機塩、樹脂又は脂質を含むマトリックス材料から形成させる。前記樹脂は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレン、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリ[エチレン-酢酸ビニル]及びセラックから選択される。好ましくは、前記ナノ粒子は、抗生物質又は抗炎症薬又は診断薬として3,5-ジアセトアミド-2,4,6-トリヨード安息香酸エチルを含有する。
【0012】
欧州特許出願公開第0275796号には、ナノ粒子を形成させることによるコロイド分散系(colloidal dispergable system)の製造方法が開示されている。当該製造方法は、化合物、例えば、溶媒中の生物学的に活性な化合物と場合により界面活性剤からなる溶液である第一の液相と、前記化合物に対する非溶媒と場合により界面活性剤からなる第二の液相を混合すること含んでなり、その際、前記非溶媒は、第一の液相の溶媒と混和性である。前記の2種の液相を混合することにより、ナノ粒子のコロイド懸濁液が得られる。前記ナノ粒子の粒径は500nm以下である。
【0013】
国際公開第98/16105号には、高活性を有する液体製剤を調製するのに適した、固形作物保護剤のための固形ナノ粒子(nanoparticular)製剤が開示されている。前記固形製剤は、実質的に、(a)25℃での水溶解度が500mg/L未満である1種以上の主として無定型な作物保護剤及び(b)成分(a)の周囲の被覆層からなる。前記固形ナノ粒子製剤は、前記作物保護剤の液体製剤を前記被覆層の液体製剤と混合させた後、得られた被覆作物保護剤を乾燥させることにより調製する。得られた分散粒子の粒径は、0.05〜2μm(50〜2000nm)である。前記被覆層は、界面活性高分子コロイド又は界面活性オリゴマー両親媒性化合物又はそれら両方の混合物を含んでいる。好ましくは、生体高分子又は改質生体高分子を使用する。合成アニオンポリマー、合成カチオンポリマー及び合成中性ポリマーを使用することも可能であり、また、アニオン性界面活性化合物、カチオン性界面活性化合物、非イオン性界面活性化合物、両性界面活性化合物又は高分子界面活性化合物を使用することも可能である。国際公開第98/16105号には、シニドン-エチルを含有する製剤については言及されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、コポリマーと作物保護剤としてシニドン-エチルを含有する作物保護固形製剤であって、その作物保護固形製剤を水性媒体中に再分散させたときに、シニドン-エチルがナノ粒子(nanoparticular)の形態で分散する作物保護固形製剤を提供することである。本発明の別の目的は、前記再分散させた水性分散液製剤中でシニドン-エチルの前記ナノ粒子を安定化させるのに適しているコポリマーを提供することである。
【0015】
シニドン-エチル(cinidon-ethyl)とは、(Z)-2-クロロ-3-[2-クロロ-5-(1,3-ジオキソ-1,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロイソインドール-2-イル)-フェニル]-アクリル酸エチルのことであり、これは、N-置換3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミドであって、欧州特許出願公開第0240659号により公知となっている。欧州特許出願公開第0240659号には、N-置換3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミド類、それらの調製、及び、それらの除草剤としての使用が開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、新規な作物保護固形製剤、水性分散液製剤、水性媒体中に安定なナノ粒子形態(ナノ分散)でシニドン-エチル(作物保護剤)を分散させることができる製剤条件、及び、前記再分散させた水性分散液製剤中でシニドン-エチルの前記ナノ粒子を安定化させるのに適している新規コポリマーを提供する。安定な粒子とは、用途に応じて、一定期間、水性媒体から析出せず、フロキュレーションせず、凝集せず又は結晶化しない粒子として定義される。
【0017】
前記の新規な作物保護固形製剤は、
(a) 作物保護剤としてのシニドン-エチル;
(b) 重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマー;
及び
(c) 場合により、さらに、添加剤
を含有し、当該作物保護固形製剤中に分散しているシニドン-エチル粒子の少なくとも50%はX線無定型状態である。
【0018】
好ましくは、前記の新規な作物保護固形製剤中のランダムラジカルコポリマーは、重合単位として、
(a) 成分Aとして、5〜95重量%の式(I):
【化1】
Figure 2005507428
【0019】
[式中、
R1は、アルキル、アリール、アルキルアリール又はアリールアルキルからなる群から選択され;
R2は、H又はMeであり;
R7は、COO、O(CO)、C(O)NR2、O又はN(R2)COであり;及び、
wは、0又は1である]
で表されるオレフィン性不飽和モノマー ;
(b) 成分Bとして、5〜95重量%の
【化2】
Figure 2005507428
【0020】
[式中、
R3、R4、R5及びR6は、互いに独立して、H、アリール、アルキル、アリールアルキル又はアルキルアリールであり;
Yは、アルキレン鎖CnH2n(式中、nは0〜20である)であり;
X及びZは、互いに独立して、O又はN(R3)であり;
A-は、一価のアニオンであるか、又は、対応する化学量論量の二価若しくは三価のアニオンである]
からなる群から選択される1種以上のモノマー;
(c) 成分Cとして、0〜98重量%の少なくとも1種のオレフィン性不飽和モノマー;
を含有する。
【0021】
前記分散液製剤中に分散しているシニドン-エチル粒子の流体力学的半径(rH)で表した平均粒径は、10〜500nm、好ましくは、10〜300nm、さらに好ましくは、10〜150nmである。前記平均粒径は、本明細書の以下の記載でより詳細に説明されている、光散乱の測定、特に、ファイバー光学DLS測定(FODLS)によって特性決定を行うことができる。
【0022】
本発明の作物保護固形製剤は、好ましくは、
(a) 重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーを少なくとも1種の第一の有機溶媒中に溶解させた溶液と、シニドン-エチルを前記第一の有機溶媒と同一であっても異なっていてもよい少なくとも1種の第二の有機溶媒中に溶解させた溶液を混合すること、又は、重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーとシニドン-エチルの混合物を少なくとも1種の有機溶媒に溶解させこと、
ここで、場合により、前記有機溶媒にさらに添加剤を加えてもよい;
及び、
(b) 例えば、噴霧乾燥、真空乾燥若しくは凍結乾燥により、又は、流動床乾燥装置で、前記有機溶媒を除去すること
により得られる。
【0023】
本発明の別の実施形態において、本発明の作物保護固形製剤は、
(a) シニドン-エチルを水混和性の少なくとも1種の有機溶媒中に溶解させた溶液と、重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーの水溶液を混合するステップ;又は、
重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーとシニドン-エチルの混合物を少なくとも1種の有機溶媒に溶解させ、得られた溶液を水性系と混合するステップ;又は、
重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーの一部とシニドン-エチルの混合物を少なくとも1種の有機溶媒に溶解させ、得られた溶液を水及び前記少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーの第二の部分の水溶液と混合するステップ;
ここで、場合により、前記有機溶液及び/又は前記水溶液にさらに添加剤を加えてもよく、また、前記混合は高エネルギー撹拌により行い、それによって、前記作物保護製剤を分散液の形態で得る;
及び、
(b) 例えば、噴霧乾燥、真空乾燥若しくは凍結乾燥により、又は、流動床乾燥装置で、前記水及び前記有機溶媒を除去するステップ;
を含む方法により得られる。
【0024】
本発明に関連して、「水混和性」は、以下の意味を有する。前記有機溶媒は、水と少なくとも10重量%混和性であり、好ましくは、少なくとも15重量%混和性であり、さらに好ましくは、少なくとも20重量%混和性である。
【0025】
本発明の別の主題である水性分散液製剤は、好ましくは、本発明の作物保護固形製剤を水性系に分散させることにより得られる。
【0026】
本発明の別の主題は、前記再分散させた水性分散液製剤中でシニドン-エチルの前記ナノ粒子を安定化させるのに適している新規なランダムラジカルコポリマーである。そのようなランダムラジカルコポリマーは、重合単位としての、
(a) 成分Aとして、5〜95重量%のスチレン;
(b) 成分Bとして、5〜95重量%のDMAPMAM(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);
(c) 成分Cとして、0〜98重量%のメチルアクリレート及び/又は酢酸ビニル;
から本質的になる。
【0027】
前記の新規な作物保護固形製剤及び分散液製剤は、農業において、望ましくない植物の成長を制御するのに特に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
水性環境中に不溶性であるか又はシニドン-エチルのように不充分な水溶性しか示さない作物保護剤の作物保護固形製剤及び分散液製剤は以前にも作られているが、本発明の製剤は、幾つかの新規で特異的な特性を有している。第一に、本発明の製剤は、一群のランダムラジカルコポリマー類に含まれる新規な組成のコポリマーを使用する。第二に、本発明の作物保護固形製剤を水性媒体中に再分散させることにより形成させた本発明の分散液製剤(ナノ分散液)は、極めて小さな平均粒径を有しており、それにより、改善された安定性と高い活性を示す。
【0029】
本発明の新規製剤によって改善される作物保護剤としてのシニドン-エチルの特性は、例えば、
- 水性系中におけるシニドン-エチルの溶解速度及び溶解性;
- 農業において良好な結果を得るためのシニドン-エチルの施用量が低減されること;
- 分散された状態のシニドン-エチルが長期間持続すること;
などである。
【0030】
一般的な態様
本発明の明細書で使用されている下記用語は以下の意味を有する。
【0031】
作物保護剤
本発明の関連において、固形の作物保護剤(シニドン-エチル)は、水性系中における溶解性が不充分な活性成分である。
【0032】
水性系
水性系は、シニドン-エチルをナノ粒子系の形態で製剤し、使用する適用媒体である。水性系は、純水であってもよく、又は、バッファー系を含み、塩及び/又は慣用の添加剤をさらに含む水でであってもよい。水性系のpH値は、一般に、2〜13の範囲、好ましくは、3〜12の範囲、さらに好ましくは、4〜11の範囲である。
【0033】
ランダムラジカルコポリマー(ナノ分散剤)及び調製方法
ランダムラジカルコポリマー
本発明のランダムラジカルコポリマーは、ナノ分散剤として作用する。本発明に関連して、ナノ分散剤は、シニドン-エチルと水性系である適用媒体の両方に対して適合性を示す化合物である。
【0034】
本発明で使用するランダムラジカルコポリマーは、重合単位として、少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる。前記親水性モノマーは、好ましくは、カチオン性モノマー又は塩基性モノマーである。
【0035】
さらに好ましくは、前記ランダムラジカルコポリマーは、
(a) 成分Aとして、5〜95重量%、好ましくは、10〜70重量%、さらに好ましくは、15〜55重量%の式(I):
【化3】
Figure 2005507428
【0036】
[式中、
R1は、アルキル、アリール、アルキルアリール又はアリールアルキルからなる群から選択され、R1は、好ましくは、アリール、さらに好ましくは、フェニルであり;
R2は、H又はMeであり;
R7は、COO、O(CO)、C(O)NR2、O又はN(R2)CO、好ましくは、C(O)NR2であり;及び、
wは、0又は1、好ましくは、0である]
で表されるオレフィン性不飽和モノマー ;
(b) 成分Bとして、5〜95重量%、好ましくは、10〜70重量%、さらに好ましくは、25〜65重量%の
【化4】
Figure 2005507428
【0037】
[式中、
R2は、H又はMeであり;
R3、R4、R5及びR6は、互いに独立して、H、アリール、アルキル、アリールアルキル又はアルキルアリールであり、好ましくは、H又はC1-4-アルキル、さらに好ましくは、エチル又はメチルであり;
Xは、O又はN(R3)、好ましくは、NHであり;
Yは、アルキレン鎖CnH2n(式中、nは、0〜20、好ましくは、1〜10、さらに好ましくは、2〜5、最も好ましくは、3である)であり;
Zは、O又はN(R3)、好ましくは、Oであり;
A-は、一価のアニオンであるか、又は、対応する化学量論量の二価若しくは三価のアニオン、好ましくは、スルフェート、メトスルフェート(methosulfate)又はクロリドである]
からなる群から選択される1種以上のモノマー;
(c) 成分Cとして、0〜98重量%、好ましくは、10〜90重量%、さらに好ましくは、20〜75重量%の少なくとも1種のオレフィン性不飽和モノマー;
を含有している。
【0038】
前記ランダムラジカルコポリマーの成分Bは、好ましくは、
【化5】
Figure 2005507428
【0039】
[式中、R2、R3、R4、R5、X、Y及びA-は上記で定義されているとおりである]からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーである。
【0040】
最も好ましくは、前記ランダムラジカルコポリマーの成分Bは、DMAPMAM(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)である。
【0041】
成分Cは、好ましくは、不飽和エーテル類、好ましくは、ビニルエーテル類、例えば、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ブタンジオールモノビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニル-(2-エチルヘキシル)エーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビニルドデシルエーテル、ビニル-t-ブチルエーテル、ヘキサジオールジビニルエーテル、ヘキサジオールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ポリテトラヒドロフラン-290-ジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、アミノプロピルビニルエーテル;アクリレート類及びメタクリレート類、例えば、メチルアクリレート、アリルメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ブタンジオールモノメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、塩化メチルで四級化されているジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、塩化メチルで四級化されているジメチルアミノエチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルジグリコールアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、t-ブチルメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート;不飽和アセテート類、例えば、酢酸ビニル;アルケン類、例えば、エチレン、1-ブテン、1-デセン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ペンテン、イソブテン、プロピレン;ジエン類、例えば、ブタジエン、イソプレン;不飽和エステル類、好ましくは、ビニルエステル類、例えば、4-t-ブチル安息香酸ビニルエステル、プロピオン酸ビニルエステル、アクリル酸PEGエステル、メタクリル酸PEGエステル;アクリルアミド類及びメタクリルアミド類、例えば、アクリルアミド、ブトキシメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、t-ブチルアクリルアミド、N-メチル-N-ビニル酢酸アミド、ビニルホルムアミド;アクリル酸及びメタクリル酸;ビニルスルホン酸;無水物、例えば、無水マレイン酸、無水メタクリル酸;アクリルニトリル及びメタクリルニトリル;不飽和アルデヒド類、例えば、アクロレイン;スチレン及び誘導体、例えば、α-メチルスチレン;ビニルイミダゾール類、例えば、N-ビニルイミダゾール、2-メチル-N-ビニルイミダゾール;N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドン、ビニルクロリド、ビニリデンクロリドからなる群から選択される。
【0042】
最も好ましくは、
(a) 成分Aとして、5〜95重量%、好ましくは、20〜80重量%、さらに好ましくは、30〜60重量%のスチレン;
(b) 成分Bとして、5〜95重量%、好ましくは、20〜80重量%、さらに好ましくは、30〜60重量%のDMAPMAM(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);
(c) 成分Cとして、0〜98重量%、好ましくは、0〜60重量%、さらに好ましくは、0〜30重量%のメチルアクリレート及び/又は酢酸ビニル;
から本質的になる新規なランダムラジカルコポリマーを用いる。
【0043】
ランダムラジカルコポリマーの調製
前記ランダムラジカルコポリマーの調製は、好ましくは、溶液重合、塊重合、乳化重合又は懸濁重合で、フリーラジカル重合により慣用の方法で行う。
【0044】
前記ランダムラジカルコポリマーの合成で使用する重合開始剤は、ラジカルを形成することが可能な物質である。好ましくは、重合開始剤は、アゾ化合物、例えば、AIBN(アゾビスイソブチロトリル)、過酸化物、例えば、K2S2O8及びNa2S2O8からなる群から選択される。好ましくは、AIBNを用いる。
【0045】
前記重合開始剤は、当技術分野で知られている量、例えば、用いるモノマーの量に関して、0.2〜20重量%、好ましくは、1.0〜10重量%の量で使用する。
【0046】
適する溶媒は、1〜3個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸類、そのアミド類、そのモノ-C1-4-アルキルアミド類及びジ-C1-4-アルキルアミド類、脂肪族クロロ炭化水素類及び芳香族クロロ炭化水素類、1〜5個の炭素原子を有するアルコール類、例えば、イソプロパノール、3〜6個の炭素原子を有するケトン類、例えば、アセトン、芳香族炭化水素類、N-アルキル化ラクタム類、並びに、それらの混合物からなる群から選択される。優れた溶解力(solvent power)を有するという理由により、好ましい溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ギ酸、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルプロピオンアミド、N-メチルピロリドン、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン及びそれらの混合物である。
【0047】
前記コポリマーの合成における組成と変換は、好ましくは、NMR(核磁気共鳴)及びGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)などの標準的な方法を用いて確認する。
【0048】
ナノ粒子分散液製剤(nanoparticular dispersion formulations)
前記ランダムラジカルコポリマーは、安定なナノ粒子分散液製剤の形態でシニドン-エチルを分散させるのに有用な分散剤である。そのようなナノ粒子分散液製剤は、少なくとも1種の連続相(分散媒)(本発明では水性系である)及び少なくとも1種の分散相を含む系である。前記分散相(分散粒子とも称される)は、本発明に関しては、固相である。本発明の分散液製剤は、場合により、さらに添加剤を含有し得る。さらに添加される添加剤の適する例は、下記で記載する。
【0049】
作物保護固形製剤及び調製方法
作物保護固形製剤
本発明の作物保護固形製剤は、水性媒体に適用するのに特に適している。それによって、作物保護剤であるシニドン-エチルの高活性な分散液製剤が得られる。
【0050】
従って、本発明の一実施形態は、
(a) 作物保護剤としてのシニドン-エチル;
(b) 重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマー;
及び
(c) 場合により、さらに、添加剤
を含有する作物保護固形製剤であって、当該作物保護固形製剤中に分散しているシニドン-エチル粒子の少なくとも50重量%、好ましくは、少なくとも70重量%、さらに好ましくは、少なくとも90重量%はX線無定型状態である。本発明に関連して、X線無定型は、X線粉末図において結晶干渉(crystal interference)が存在しないことを意味する。
【0051】
本発明の作物保護固形製剤で好ましく用いられるランダムラジカルコポリマーは、上記で記載されている。
【0052】
本発明の作物保護固形製剤において場合により使用されてもよいさらなる添加剤については、以下に記載する。
【0053】
作物保護剤としてシニドン-エチルを含有する作物保護固形製剤の調製
本発明の作物保護固形製剤は、2種類の異なった経路:
(1) 「固体溶液経路(solid solution route)」
(2) 「析出経路(precipitation route)」
で形成させることができる。
【0054】
1. 「固体溶液経路」
本発明の一実施形態において、前記作物保護固形製剤は、
(a) 前記少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーを少なくとも1種の第一の有機溶媒中に溶解させた溶液と、シニドン-エチルを前記第一の有機溶媒と同一であっても異なっていてもよい少なくとも1種の第二の有機溶媒中に溶解させた溶液を混合するステップ;又は、前記少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーとシニドン-エチルの混合物を少なくとも1種の有機溶媒に溶解させるステップ;
ここで、場合により、前記有機溶媒にさらに添加剤(上記)を加えてもよい;
及び、
(b) 例えば、噴霧乾燥、真空乾燥若しくは凍結乾燥により、又は、流動床乾燥装置で、前記有機溶媒を除去するステップ;
を含む調製方法により形成させる。
【0055】
前記調製方法の第一のステップ(a)において、少なくとも1種の有機溶媒中に少なくとも1種の前記新規コポリマーと作物保護剤としてのシニドン-エチルを含み、さらに、場合により添加剤も含む有機溶液を調製する。当該有機溶液は、前記新規コポリマーの1種の溶液と場合によりさらに添加剤を含むシニドン-エチルの溶液を混合することにより直接調製してもよく、又は、前記ランダムラジカルコポリマーとシニドン-エチルと場合によりさらに添加剤の混合物を少なくとも1種の有機溶媒に溶解させることにより直接調製してもよい。
【0056】
前記ランダムラジカルコポリマー及びシニドン-エチルを含有し、さらに場合により添加剤を含有する前記有機溶液の固体の総含量は、0.5〜40重量%、好ましくは、1〜20重量%である。
【0057】
前記新規ランダムラジカルコポリマーの有機溶液は、必要な場合には、有機溶媒中で当該成分を約150℃まで加熱することにより、慣用の方法で得ることができる。前記ランダムラジカルコポリマーを溶液重合により得る場合、そのようなポリマーは、その調製で得られた溶液の形態で用いることができる。
【0058】
適する有機溶媒は、好ましくは、アルコール類、好ましくは、1〜5個の炭素原子を有するアルコール類、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール;エステル類;ケトン類、好ましくは、3〜6個の炭素原子を有するケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン;アセタール類;エーテル類;好ましくは、環状エーテル類、例えば、テトラヒドロフラン;1〜3個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸類、例えば、ギ酸、そのアミド類、例えば、ホルムアミド、そのモノ-C1-4-アルキルアミド類、ジ-C1-4-アルキルアミド類、例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルプロピオンアミド;脂肪族クロロ炭化水素類及び芳香族クロロ炭化水素類、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン及びクロロベンゼン;N-アルキル化ラクタム類;並びに、それらの混合物からなる群から選択される。
【0059】
優れた溶解力を有するという理由により、好ましい溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ギ酸、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルプロピオンアミド、N-メチルピロリドン、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン及びそれらの混合物である。最も好ましい溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン及びジメチルホルムアミドである。
【0060】
第二のステップ(b)において、例えば、噴霧乾燥により、好ましくは、スプレーヘッドの温度60〜180℃、さらに好ましくは、スプレーヘッドの温度70〜150℃での噴霧乾燥により、真空乾燥により、凍結乾燥により、又は、流動床乾燥装置で、前記有機溶媒を除去して、作物保護固形製剤を得る。
【0061】
2. 「析出経路」
本発明の別の実施形態においては、前記作物保護固形製剤は、
シニドン-エチルを水混和性の少なくとも1種の有機溶媒中に溶解させた溶液と、前記少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーの水溶液を混合するステップ;又は、
重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーとシニドン-エチルの混合物を少なくとも1種の有機溶媒に溶解させ、得られた溶液を水性系と混合するステップ;又は、
重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーの一部とシニドン-エチルの混合物を少なくとも1種の有機溶媒に溶解させ、得られた溶液を水及び前記少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーの第二の部分の水溶液と混合するステップ;
を含む調製方法により形成させるが、場合により、前記有機溶液及び/又は前記水溶液にさらに添加剤(上記)を加えてもよく、また、前記混合は高エネルギー撹拌により行う。
【0062】
これは、作物保護剤としてのシニドン-エチルの粒子と前記少なくとも1種のコポリマーと、場合によりさらに添加剤を含む作物保護製剤の分散液が形成されることにより完了する。
【0063】
本発明に関連して、「水混和性」は、以下の意味を有する。前記有機溶媒は、水と少なくとも10重量%混和性であり、好ましくは、少なくとも15重量%混和性であり、さらに好ましくは、少なくとも20重量%混和性である。
【0064】
第一のステップにおいて、適切な有機溶媒中のシニドン-エチルの溶液を調製する。適する有機溶媒は、水と混和し得る溶媒である。そのような溶媒は熱的に安定であり、炭素、水素、酸素及び/又は窒素からなる。10個未満の炭素原子を含むか及び/又は沸点が200℃よりも低い溶媒が好ましい。さらに好ましくは、前記溶媒は、10個未満の炭素原子を含むか及び/又は沸点が200℃よりも低いアルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、ジ-C1-4-アルキルアミド類及びアセタール類からなる群から選択される。最も好ましい溶媒は、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、2-ブタンジオール-1-メチルエーテル、1,2-プロパンジオール-1-n-プロピルエーテル、アセトン、ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフランである。
【0065】
本発明の調製方法の好ましい一実施形態においては、適切な有機溶媒中のシニドン-エチルの溶液は、20〜150℃の温度で、120秒間未満で、場合により100バールまでの圧力下、好ましくは、30バールの圧力下で得られる。
【0066】
得られたシニドン-エチルの溶液は、好ましくは、用いた溶媒1000g中に10〜500gのシニドン-エチルを含有する。
【0067】
第二のステップにおいて、シニドン-エチルの前記溶液を、前記ランダムラジカルコポリマーの水溶液と混合させる。
【0068】
前記ランダムラジカルコポリマーの水溶液をシニドン-エチルの有機溶液に添加することも可能である。
【0069】
前記水溶液中のコポリマーの濃度は、好ましくは、0.1〜200g/L、さらに好ましくは、1〜100g/Lである。場合によりさらなる添加剤を、前記有機溶液及び/又は前記水溶液に添加してもよい。
【0070】
本発明の別の実施形態においては、第一のステップにおいて、前記適切な溶媒にシニドン-エチル及び前記ランダムラジカルコポリマーを溶解させ、場合によりさらに添加剤を溶解させた溶液を調製する。第二のステップにおいて、得られた溶液を、さらに前記ランダムラジカルコポリマーの一部を含んでいてもよい水性系と混合させる。
【0071】
小さな粒径を得るために、前記有機溶液と前記水溶液を、高エネルギー撹拌により、例えば、適切な装置で強く振盪するか強く撹拌することにより混合するのが有効である。各溶液(前記有機溶液及び前記水溶液)の1本の噴流を混合器中に導入して、そこで強力に混合させることも可能である。
【0072】
前記混合は、断続的であっても連続的であってもよく、どちらも好ましい。これは、作物保護剤としてのシニドン-エチルの粒子と前記少なくとも1種のコポリマーと、場合によりさらに添加剤を含む作物保護製剤の分散液が形成されることにより完了する。
【0073】
作物保護製剤の分散液を、例えば、噴霧乾燥、真空乾燥若しくは凍結乾燥により乾燥させるか、又は、流動床乾燥装置で乾燥させて、本発明の作物保護固形製剤を得る。
【0074】
分散液製剤及び調製方法
前記ランダムラジカルコポリマーは、シニドン-エチルを、水性媒体中に安定なナノ粒子形態(ナノ分散)で分散させるのに特に有用な分散剤である。このように、水性媒体中の作物保護製剤として農業において使用するための水性分散液製剤が得られる。そのような製剤は極めて小さな平均粒径を有しており、それにより、改善された安定性と高い活性を示す。
【0075】
従って、本発明の別の実施形態は、
(a) 作物保護剤としてのシニドン-エチル;
(b) 重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマー;
(c) 場合により、さらに、添加剤
及び
(d) 水性系
を含有する分散液製剤である。
【0076】
本発明の分散液製剤で好ましく用いられるランダムラジカルコポリマーは、上記で記載されている。本発明の新規分散液製剤に添加してもよいさらなる添加剤についても上記で記載されている。
【0077】
本発明の分散液製剤中のシニドン-エチルに対する前記コポリマーの比は10:1〜1:10、好ましくは、5:1〜1:5である。
【0078】
シニドン-エチルの粒子が水性媒体から析出せず、フロキュレーションせず、凝集せず又は結晶化しない改善された安定性を有する分散液製剤を得るための重要な特質は、当該分散液製剤中のシニドン-エチルの平均粒径である。従って、前記分散液製剤中に分散している前記粒子の流体力学的半径で表した平均粒径は、好ましくは、10〜500nm、さらに好ましくは、10〜300nm、最も好ましくは、10〜150nmである。
【0079】
多分散性指数(PDI値)は、好ましくは、0.04〜0.8、さらに好ましくは、0.04〜<0.3である。
【0080】
シニドン-エチルと前記ランダムラジカルコポリマーを含む粒子の平均粒径及びPDI値は、光散乱法、特に、ファイバー光学動的光散乱測定(FODLS)によって特性決定を行った。従って、当該分散液製剤の試料を適切な担体水溶液中で固体濃度約0.005%まで希釈した。二次キュムラント解析により平均粒径と多分散性指数(PDI値)を求め、流体力学的半径(rH)で表した。
【0081】
水性系中に作物保護剤としてシニドン-エチルを含有する分散液製剤の調製
本発明の分散液製剤は、
(a) シニドン-エチルを水混和性の少なくとも1種の有機溶媒中に溶解させた溶液と、重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーの水溶液を混合するステップ
ここで、場合により、前記有機溶液及び/又は前記水溶液にさらに添加剤を加えてもよく、また、前記混合は高エネルギー撹拌により行い、それによって、前記作物保護製剤を分散液の形態で得る;
及び、
(b) 前記有機溶媒を除去するステップ;
を含む調製方法により得る。
【0082】
本発明の分散液製剤で好ましく用いられるランダムラジカルコポリマーは、上記で記載されている。本発明の新規分散液製剤に添加してもよいさらなる添加剤についても上記で記載されている。
【0083】
本発明の好ましい実施形態においては、シニドン-エチルの分散液製剤は、前記コポリマーとシニドン-エチルの前記作物保護固形製剤を水性系中に分散させることにより形成させた。
【0084】
好ましくは、水性系を前記作物保護固形製剤に添加して、得られた混合物を好ましくは撹拌して前記分散液製剤を形成させる。
【0085】
本発明の作物保護製剤における添加剤
本発明の作物保護製剤は、さらに添加剤を含有し得る。適する添加剤は、当技術分野では公知である。
【0086】
適する不活性な補助剤は、本質的に、中〜高沸点を有する鉱油画分、例えば、灯油及びディーゼル油、さらにまた、コールタール油、並びに、植物油及び動物油、脂肪族炭化水素類、環状炭化水素類及び芳香族炭化水素類、例えば、パラフィン類、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン類及びそれらの誘導体、アルキル化ベンゼン類及びそれらの誘導体、アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びシクロヘキサノール、ケトン類、例えば、シクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、アミン類、例えば、N-メチルピロリドンである。
【0087】
好ましい添加剤は、安定剤と軟化剤である。
【0088】
適する安定剤は、低分子量化合物、例えば、モノグリセリド類及びジグリセリド類、モノグリセリドのエステル類、例えば、酢酸エステル、クエン酸エステル、乳酸エステル、二酢酸酒石酸エステル、アルキルグルコシド類、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル-2-ラクチレート、レシチン、ならびにジオレイル尿素及びN-オレイルオレイルウレタンなどの尿素及びウレタンの脂肪酸誘導体であり得る。特に好ましい安定剤は、アスコルビルパルミテート及びジオレイルカルボネートなどの脂肪酸カルボネートである。
【0089】
本発明の作物保護製剤は、好ましくは、0〜90重量%、さらに好ましくは、0〜50重量%の前記安定剤を含有する。
【0090】
軟化剤は、本発明の新規作物保護固形製剤の機械的特性を改善するのに有用である。
【0091】
好ましい軟化剤は、糖及び糖アルコール、例えば、ショ糖、グルコース、ラクトース、フルクトース、転化糖、ソルビド、マンニトール又はグリセリンである。
【0092】
本発明の作物保護製剤は、好ましくは、0〜90重量%、さらに好ましくは、0〜50重量%の前記軟化剤を含有する。
【0093】
さらにまた、本発明の水性分散液製剤中の適する添加剤は、界面活性剤である。
【0094】
適する界面活性剤は、芳香族スルホン酸、例えば、リグノフェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸及びジブチルナフタレンスルホン酸などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩、脂肪酸、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルフェート、ラウリルエーテルスルフェート及び脂肪アルコールスルフェートのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩、硫酸化ヘキサデカノール、硫酸化ヘプタデカノール及び硫酸化オクタデカノールの塩、脂肪アルコールグリコールエーテルの塩、スルホン化ナフタレン及びその誘導体とホルムアルデヒドの縮合物、ナフタレン又はナフタレンスルホン酸とフェノールとホルムアルデヒドの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、エトキシル化オクチルフェノール、エトキシル化ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビトールエステル類、リグニン-亜硫酸廃液、又は、メチルセルロースである。
【0095】
前記水性作物保護製剤は、好ましくは、0〜90重量%、さらに好ましくは、0〜50重量%、最も好ましくは、0.5〜10重量%の前記界面活性剤を含有する。
【0096】
粉末、飛散(scattering)用材料及び粉剤は、活性化合物を固体担体と一緒に混合するか又は一緒に粉砕することにより調製することができる。
【0097】
粒剤、例えば、被覆粒剤、含浸粒剤及び均質粒剤は、活性化合物を固体担体に結合させることにより調製することができる。固体担体は、鉱物土壌(mineral earths)、例えば、シリカ、シリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土、黄土、粘土、ドロマイト、ケイ藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕された合成物質、肥料、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム及び尿素、並びに、植物由来の産物、例えば、穀粉(cereal meal)、樹皮粉(tree bark meal)、木粉及びナッツ殻粉、セルロース粉末又は別の固体担体である。
【0098】
本発明の水性分散液製剤中のシニドン-エチルの濃度は、広い範囲で変えることができる。一般に、前記製剤は、約0.001〜98重量%、好ましくは、0.01〜95重量%の少なくとも1種の活性化合物を含有する。シニドン-エチルは、90%〜100%、好ましくは、95%〜100%の純度のものを使用する(NMRスペクトルによる)。
【0099】
作用の範囲を拡大し、相乗効果を得るために、本発明の新規な作物保護製剤を、別の除草活性化合物又は成長調節活性化合物のグループの多くの代表的な化合物と混合して一緒に施用し得る。混用に適する成分は、例えば、1,2,4-チアジアゾール類、1,3,4-チアジアゾール類、アミド類、アミノリン酸及びその誘導体、アミノトリアゾール類、アニリド類、アリールオキシアルカン酸及びその誘導体、ヘテロアリールオキシアルカン酸及びその誘導体、安息香酸及びその誘導体、ベンゾチアジアジノン類、2-ヘテロアロイル-1,3-シクロヘキサンジオン類、2-アロイル-1,3-シクロヘキサンジオン類、ヘテロアリールアリールケトン類、ベンジルイソオキサゾリジノン類、m-CF3-フェニル誘導体、カルバメート類、キノリンカルボン酸及びその誘導体、クロロアセトアニリド類、シクロヘキサン-1,3-ジオン誘導体、ジアジン類、ジクロロプロピオン酸及びその誘導体、ジヒドロベンゾフラン類、ジヒドロフラン-3-オン類、ジニトロアニリン類、ジニトロフェノール類、ジフェニルエーテル類、ジピリジル類、ハロカルボン酸類及びその誘導体、尿素類、3-フェニルウラシル類、イミダゾール類、イミダゾリノン類、N-フェニル-3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミド類、オキサジアゾール類、オキシラン類、フェノール類、アリールオキシフェノキシプロピオン酸エステル類、ヘテロアリールオキシフェノキシプロピオン酸エステル類、フェニル酢酸及びその誘導体、2-フェニルプロピオン酸及びその誘導体、ピラゾール類、フェニルピラゾール類、ピリダジン類、ピリジンカルボン酸及びその誘導体、ピリミジルエーテル類、スルホンアミド類、スルホニル尿素類、トリアジン類、トリアジノン類、トリアゾリノン類、トリアゾールカルボキサミド類、並びに、ウラシル類などである。
【0100】
さらに、化合物(I)を単独で施用するか、又は、別の除草剤と組み合わせて一緒に施用するか、又は、別の作物保護剤との混合形態で、例えば、害虫、植物生病原性菌類若しくは細菌類を防除するための薬剤との混合形態で施用することが有利であり得る。さらに、栄養欠乏症及び微量元素欠乏症の治療に用いられるミネラル塩溶液との混和性も興味深い。植物毒性のない油及び油濃厚物も添加し得る。
【0101】
本発明の新規な作物保護固形製剤及び新規な水性分散液製剤の投与
本発明の作物保護固形製剤は、例えば、即時散布可能な水溶液、粉末、懸濁液、さらに、高濃度の水性若しくは油性又は別の懸濁液若しくは分散液、エマルション、油性分散液、ペースト、粉剤、飛散用材料、又は、粒剤の形態で、散布、噴霧、散粉、飛散又は散水により使用することができる。使用する形態は用途に依存するが、いずれの場合も、それは、本発明の活性化合物を確実に微細に分配するようなものであるべきである。
【0102】
好ましくは、本発明の新規な作物保護固形製剤は、水性分散液として使用し、本発明の水性分散液製剤は、上記のように製剤する。好ましくは、前記作物保護固形製剤を上記で記載したpH値の水性系に懸濁させて、さらに添加剤は加えないで、栽培植物、その周囲及び/又はその種子に対して投与する。
【0103】
通常散布機で散布することにより行われる前記水性分散液製剤の投与は、当技術分野では公知である。
【0104】
本発明の新規な作物保護製剤又は除草剤組成物は、発生前又は発生後に施用することができる。ある種の作物が本発明の活性化合物に対して充分な耐性を有していない場合は、散布装置を用いて、当該除草剤組成物がたとえ感受性作物の葉に接触するにしてもその接触をできるだけ少なくしながら、当該作物の下の方で成長している望ましくない植物の葉又は露出している土壌表面には活性化合物が到達するような方法で除草剤組成物を散布する施用技術を用いることができる(ポストディレクテッド、レイバイ)。
【0105】
本発明の作物保護固形製剤は、化学的に耐性を有する合成材料、例えば、高密度ポリエチレン、ポリアミド及びポリエステルなどで作られているバッグ、カン又はボトルからなる群から選択される容器に入れて使用者(通常は、農業従事者)に送達することができる。そのような容器は、例えば、ポリビニルアルコール又はポリビニルアセテートを含む合成材料で作られているバッグなどのように、水溶性の材料で作ることができる。
【0106】
一般に、本発明の作物保護固形製剤は、水性系に再分散させてから使用する。そのような再分散は、通常、農業従事者が行う。
【0107】
本発明の作物保護製剤の施用量は、防除目標、季節、標的植物及び成育段階に応じて、1ha当たりの活性物質(a.s.)として、0.001〜3.0kg、好ましくは、0.01〜1.0kgである。
【0108】
本発明の作物保護製剤の使用
本発明の作物保護製剤は、除草剤として極めて有用である。従って、本発明のさらなる実施形態は、上記で記載した新規な作物保護固形製剤又は分散液製剤を、栽培植物、その周囲(生息空間)及び/又はその種子に対して投与するステップを含む望ましくない植物の成長を制御する方法、及び、当該新規作物保護固形製剤又は分散液製剤の農業における使用である。
【0109】
本発明の作物保護製剤は、非農耕地において望ましくない植物の成長を制御するのに極めて有用である。そのような作物保護製剤は、コムギ、イネ、トウモロコシ、ダイズ及びワタなどの個体群の中の雑草に対しても極めて有効であり、作物に損傷を与えることなく、雑草に損傷を与える。
この効果は、本発明の作物保護製剤を少ない量で用いることで特に顕著である。
【0110】
本発明の作物保護製剤は、タマネギ(Allium cepa)、パイナップル(Ananas comosus)、ラッカセイ(Arachis hypogaea)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、テンサイ(Beta vulgaris spec. altissima)、ベタ・ブルガリス・spec.ラパ(Beta vulgaris spec. rapa)、ブラシカ・ナプス・var.ナプス(Brassica napus var. napus)、ブラシカ・ナプス・var.ナポブラシカ(Brassica napus var. napobrassica)、ブラシカ・ラパ・var.シルベストリス(Brassica rapa var. silvestris)、チャ(Camellia sinensis)、ベニバナ(Carthamus tinctorius)、ペカン(Carya illinoinensis)、レモン(Citrus limon)、オレンジスウィート(Citrus sinensis)、アラビアコーヒーノキ(Coffea arabica)(ロブスタコーヒーノキ(Coffea canephora)、リベリアコーヒーノキ(Coffea liberica))、キュウリ(Cucumis sativus)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、ニンジン(Daucus carota)、アブラヤシ(Elaeis guineensis)、エゾヘビイチゴ(Fragaria vesca)、ダイズ(Glycine max)、リクチメン(Gossypium hirsutum)(アジアメン(Gossypium arboreum)、アジアメン(Gossypium herbaceum)、ゴシピウム・ビチフォリウム(Gossypium vitifolium))、ヒマワリ(Helianthus annuus)、パラゴム(Hevea brasiliensis)、オオムギ(Hordeum vulgare)、ホップ(Humulus lupulus)、サツマイモ(Ipomoea batatas)、シナノグルミ(Juglans regia)、ヒラマメ(Lens culinaris)、アマ(Linum usitatissimum)、トマト(Lycopersicon lycopersicum)、リンゴ属(Malus spec.)、キャッサバ(Manihot esculenta)、アルファルファ(Medicago sativa)、バナナ属(Musa spec.)、タバコ(Nicotiana tabacum)(マルバタバコ(N.rustica))、オリーブ(Olea europaea)、イネ(Oryza sativa)、ライマメ(Phaseolus lunatus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、ドイツトウヒ(Picea abies)、マツ属(Pinus spec.)、エンドウ(Pisum sativum)、セイヨウウミザクラ(Prunus avium)、モモ(Prunus persica)、セイヨウナシ(Pyrus communis)、フサスグリ(Ribes sylvestre)、ヒマ(Ricinus communis)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ライムギ(Secale cereale)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、モロコシ(Sorghum bicolor(s.vulgare))、カカオ(Theobroma cacao)、アカツメクサ(Trifolium pratense)、コムギ(Triticum aestivum)、マカロニコムギ(Triticum durum)、ソラマメ(Vicia faba)、ブドウ(Vitis vinifera)及びトウモロコシ(Zea mays)などの別の作物の中の望ましくない植物の成長を制御するのにも有用である。
【0111】
さらに、本発明の保護製剤は、遺伝子的な方法を包含する品種改良により除草剤の作用に対して耐性を示す個体群においても有用である。
【0112】
さらに、本発明の作物保護製剤は、植物を乾燥及び/又は落葉させるのにも適している。
【0113】
乾燥剤として、本発明の作物保護製剤は、特に、ジャガイモ、アブラナ、ヒマワリ及びダイズなどの作物の地上部を乾燥させるのに適している。これにより、これら重要作物の完全な機械収穫が可能となる。
【0114】
さらに、柑橘類、オリーブ類、又は、梨状果、核果及び堅果の別の種及び品種における収穫の促進(これは、一定期間にわたって集中的に起こる裂開及び樹への付着性の低下によって可能となる)も経済的に興味深い。同じメカニズム、即ち、植物のシュートと葉の果実の間の脱離組織の形成の促進も、有用な植物(特に、ワタ)の落葉を容易に制御する上で重要である。
【0115】
さらに、ワタの個々の植物体が成熟するのに要する期間を短縮することにより、収穫後の繊維の質が改善される。
【0116】
以下の実施例により、本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0117】
コポリマーの調製
実施例(1)
ポリマーAの調製
還流冷却器を備えた反応容器(1000mL)に496.15gのジメチルホルムアミド(DMF)、2.4gのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)及び217.95gの脱塩水を入れて、窒素に30分間さらした。20.46gの酢酸ビニル、22.09gのスチレン、4.35gのメチルアクリレート、及び21.18gのDMAPMAM(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)の混合物を添加した。反応混合物を油浴中で撹拌しながら95℃に加熱した。95℃で18時間経過した後、反応混合物を70℃に冷却し、ロータバプ(rotavap)で減圧下に濃縮し、続いて、減圧下に85℃で96時間乾燥させた。34gを超える量の僅かに着色した樹脂が得られた。
【0118】
実施例(2)
ポリマーBの調製
還流冷却器を備えた反応容器(1000mL)に437.9gのジメチルホルムアミド(DMF)及び190.7gの脱塩水を入れて、窒素に30分間さらした。2.1gのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、30.11gのスチレン及び39.89gのDMAPMAM(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)の混合物を添加した。反応混合物を油浴中で撹拌しながら95℃に加熱した。95℃で18時間経過した後、反応混合物を70℃に冷却し、ロータバプ(rotavap)で減圧下に濃縮し、続いて、減圧下に85℃で96時間乾燥させた。32gを超える量の僅かに着色した樹脂が得られた。
【0119】
作物保護固形製剤及び水性分散液製剤の調製
平均粒径(ファイバー光学DLS測定による)
平均粒径は、ファイバー光学動的光散乱装置で測定した。試料を適切な担体水溶液中で固体濃度約0.005重量%まで希釈した。粒径とPDI(多分散性指数)値は、二次キュムラント解析によりを求め、流体力学的半径(rH)で表した。
【0120】
実施例(3)
(a)「固体溶液経路」による作物保護固形製剤
ジメチルホルムアミド(DMF)にポリマーA(実施例(1)で調製したもの)を溶解させた200gのコポリマー溶液を、シニドン-エチルをジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた200gの溶液(4%-wt)と混合させた。得られた溶液を均質化した後、噴霧乾燥させて、18.7gの粉末製剤を得た。
【0121】
(b)水性分散液製剤
前記粉末(18.7g)を、pH7に緩衝させた750gの水溶液中に分散させた。濁った分散液が得られた。平均粒径は71nm(rH)であった。
【0122】
実施例(4)
(a)「析出経路」による作物保護固形製剤
0.5Lのアセトン中の15gのシニドン-エチルの溶液を25℃で調製した。シニドン-エチルをナノ粒子の形態で析出させるために、前記溶液を混合器に移し、そこで、ポリマーA(実施例(1)で調製したもの)の水溶液(pH7)及び15gのラクトースと混合させた。シニドン-エチルの透明なナノ粒子分散液が得られた。平均粒径は41nm(rH)であり、分散は31%であった。
【0123】
得られた分散液を噴霧乾燥させて、ナノ粒子の作物保護固形製剤(粉末)を得た。HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)によって求めた作物保護固形製剤中のシニドン-エチルの量は24.8重量%である。
【0124】
(b)水性分散液製剤
10gの前記粉末を50gの水に分散させた。白く濁った分散液(ヒドロゾル)が得られた。平均粒径は82nm(rH)であり、分散は55%であった。
【0125】
実施例(5)
(a)「析出経路」による作物保護固形製剤
0.5Lのアセトン中の15gのシニドン-エチルの溶液を25℃で調製した。シニドン-エチルをナノ粒子の形態で析出させるために、前記溶液を混合器に移し、そこで、ポリマー2259/31(実施例(1)で調製したもの)の水溶液(pH7)及び15gの(NH4)2SO4と混合させた。シニドン-エチルの透明なナノ粒子分散液が得られた。平均粒径は46nm(rH)であり、分散は28%であった。
【0126】
得られた分散液を噴霧乾燥させて、ナノ粒子の作物保護固形製剤(粉末)を得た。HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)によって求めた作物保護固形製剤中のシニドン-エチルの量は24.8重量%である。
【0127】
(b)水性分散液製剤
前記粉末を水に分散させた。白く濁った分散液(ヒドロゾル)が得られた。平均粒径は105nm(rH)であり、分散は42%であった。
【0128】
実施例(6)
(a)「析出経路」による作物保護固形製剤
0.5Lのアセトン中の15gのシニドン-エチルの溶液を25℃で調製した。シニドン-エチルをナノ粒子の形態で析出させるために、前記溶液を混合器に移し、そこで、ポリマーB(実施例(2)で調製したもの)の水溶液(pH7)及び15gのラクトースと混合させた。シニドン-エチルの透明なナノ粒子分散液が得られた。平均粒径は39nm(rH)であり、分散は32%であった。
【0129】
得られた分散液を噴霧乾燥させて、ナノ粒子の作物保護固形製剤(粉末)を得た。HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)によって求めた作物保護固形製剤中のシニドン-エチルの量は24.8重量%である。
【0130】
(b)水性分散液製剤
前記粉末を水に分散させた。白く濁った分散液(ヒドロゾル)が得られた。平均粒径は96nm(rH)であり、分散は57%であった。
【0131】
使用実施例
本発明の新規な作物保護製剤の除草作用を、以下に示す温室実験により実証した。
【0132】
底土として約3.0%の腐植土を含むローム質砂土が入ったプラスチック製フラワーポットを栽培容器として用いた。被検植物の種子を各植物種ごとに別々に播種した。
【0133】
発生前処理については、水中に懸濁させてあるか又は乳化させてある作物保護固形製剤を、微細に分配するノズルを用いて播種直後に施用した。上記容器に穏やかに給水して発芽と成育を促進し、続いて、上記植物が根付くまで透明なプラスチックフードで覆った。このように覆ったことにより、被検植物は、作物保護剤により悪影響を及ぼされない限り均一に発芽することができた。
【0134】
発生後処理については、被検植物を、草性に応じて3cm〜15cmの草丈まで成育させ、前記草丈に達してから、水中に懸濁させてあるか又は乳化させてある作物保護剤で処理した。本実験の目的を達成するために、被検植物は、直接播種して同一の容器で成育させたか、又は、先ず実生として別々に成育させ、処理の数日前に、試験用容器に移植した。発生後処理の施用量は、1ha当たりのa.s.(活性物質)として、15.63g又は7.81gであった。
【0135】
種に応じて、上記植物は、それぞれ、10℃〜25℃、又は、20℃〜35℃に維持した。試験期間は2〜4週間に及んだ。この期間の間、上記植物を育成し、それら植物の個々の処理に対する反応を評価した。
【0136】
評価は、0〜100の尺度を用いて行った。「100」は、植物が全く発生しないか、又は、少なくとも地上部が完全に破壊されたことを意味し、「0」は、損傷が全くないか、又は、正常に成育していることを意味する。
【0137】
上記温室実験で用いた植物は、以下に示す種に属するものであった。
【0138】
(a) ヤエムグラ(GALAP)
(b) ソバカズラ(POLCO)
(c) クワガタソウ(VERSS)
発生後処理において、シニドン-エチル/ポリマー(本発明の作物保護固形製剤)は、下記表に示されているように、上記雑草に対して極めて良好な除草活性を示す。
【表1】
Figure 2005507428
【0139】
乾燥及び落葉
被検植物には、温室条件下(相対大気湿度 50〜70%;昼温/夜温 27℃/20℃)で成育させた4葉期(子葉を除く)のワタの若木を用いた。
【0140】
散布混合液を基準にして0.15重量%の脂肪アルコールアルコキシドPlurafac LF 700を添加してある本発明の作物保護固形製剤の水性調製物を用いて、ワタの若木に流れ落ちるようになるまで葉部を処理した。施用水量は1000L/ha(換算値)であった。
【0141】
未処理対照の植物では、落葉はなかった。

Claims (17)

  1. 作物保護固形製剤であって、
    (a) 作物保護剤としてのシニドン-エチル;
    (b) 重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマー;
    及び
    (c) 場合により、さらに、添加剤
    を含有し、該作物保護固形製剤中に分散しているシニドン-エチル粒子の少なくとも50%はX線無定型状態である、前記作物保護固形製剤。
  2. 前記ランダムラジカルコポリマーの親水性モノマーがカチオン性又は塩基性モノマーである、請求項1に記載の作物保護固形製剤。
  3. 前記ランダムラジカルコポリマーが、重合単位として、
    (a) 成分Aとして、5〜95重量%の式(I):
    Figure 2005507428
    [式中、
    R1は、アルキル、アリール、アルキルアリール又はアリールアルキルからなる群から選択され;
    R2は、H又はMeであり;
    R7は、COO、O(CO)、C(O)NR2、O又はN(R2)COであり;及び、
    wは、0又は1である]
    で表されるオレフィン性不飽和モノマー;
    (b) 成分Bとして、5〜95重量%の
    Figure 2005507428
    [式中、
    R3、R4、R5及びR6は、互いに独立して、H、アリール、アルキル、アリールアルキル又はアルキルアリールであり;
    Yは、アルキレン鎖CnH2n(式中、nは0〜20である)であり;
    X及びZは、O又はN(R3)であり;
    A-は、一価のアニオンであるか、又は、対応する化学量論量の二価若しくは三価のアニオンである]
    からなる群から選択される1種以上のモノマー;
    (c) 成分Cとして、0〜98重量%の少なくとも1種のオレフィン性不飽和モノマー;
    を含有している、請求項1又は2に記載の作物保護固形製剤。
  4. 前記ランダムラジカルコポリマーの成分Bが、
    Figure 2005507428
    [式中、
    R2、R3、R4及びR5は、互いに独立して、H、アリール、アルキル、アリールアルキル又はアルキルアリールであり;
    Yは、アルキレン鎖CnH2n(式中、nは0〜20である)であり;
    Xは、O又はN(R3)であり;
    A-は、一価のアニオンであるか、又は、対応する化学量論量の二価若しくは三価のアニオンである]
    からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーである、請求項3に記載の作物保護固形製剤。
  5. 前記ランダムラジカルコポリマーが、
    (a) 成分Aとして、5〜95重量%のスチレン;
    (b) 成分Bとして、5〜95重量%のDMAPMAM(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);
    (c) 成分Cとして、0〜98重量%のメチルアクリレート及び/又は酢酸ビニル;
    から本質的になる、請求項4に記載の作物保護固形製剤。
  6. 分散液製剤であって、
    (a) 作物保護剤としてのシニドン-エチル;
    (b) 重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマー;
    (c) 場合により、さらに、添加剤
    及び
    (d) 水性系
    を含有する、前記分散液製剤。
  7. 前記分散液製剤中に分散している前記シニドン-エチル粒子の流体力学的半径で表した平均粒径が10〜500nmである、請求項6に記載の分散液製剤。
  8. 前記分散液製剤中に分散している前記シニドン-エチル粒子の多分散性指数が0.04〜0.8である、請求項6又は7に記載の分散液製剤。
  9. シニドン-エチルに対する前記コポリマーの比が10:1〜1:10である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の分散液製剤。
  10. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の作物保護固形製剤を調製する方法であって、
    (a) 重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーを少なくとも1種の第一の有機溶媒中に溶解させた溶液と、シニドン-エチルを前記第一の有機溶媒と同一であっても異なっていてもよい少なくとも1種の第二の有機溶媒中に溶解させた溶液を混合するステップ;又は、重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーとシニドン-エチルの混合物を少なくとも1種の有機溶媒に溶解させるステップ;
    ここで、場合により、前記有機溶媒にさらに添加剤を加えてもよい;
    及び、
    (b) 例えば、噴霧乾燥、真空乾燥若しくは凍結乾燥により、又は、流動床乾燥装置で、前記有機溶媒を除去するステップ;
    を含む、前記方法。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の作物保護固形製剤を調製する方法であって、
    (a) シニドン-エチルを水混和性の少なくとも1種の有機溶媒中に溶解させた溶液と、重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーの水溶液を混合するステップ
    ここで、場合により、前記有機溶液及び/又は前記水溶液にさらに添加剤を加えてもよく、また、前記混合は高エネルギー撹拌により行い、それによって、前記作物保護製剤を分散液の形態で得る;
    及び、
    (b) 例えば、噴霧乾燥、真空乾燥若しくは凍結乾燥により、又は、流動床乾燥装置で、前記水及び前記有機溶媒を除去するステップ;
    を含む、前記方法。
  12. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の分散液製剤を調製する方法であって、
    (a) シニドン-エチルを水混和性の少なくとも1種の有機溶媒中に溶解させた溶液と、重合単位として少なくとも1種の親水性モノマーと少なくとも1種の疎水性モノマーを含んでいる少なくとも1種のランダムラジカルコポリマーの水溶液を混合するステップ
    ここで、場合により、前記有機溶液及び/又は前記水溶液にさらに添加剤を加えてもよく、また、前記混合は高エネルギー撹拌により行い、それによって、前記作物保護製剤を分散液の形態で得る;
    及び、
    (b) 前記有機溶媒を除去するステップ;
    を含む、前記方法。
  13. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の分散液製剤を調製する方法であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載の作物保護固形製剤を水性系中に分散させるステップを含む、前記方法。
  14. 重合単位としての、
    (a) 成分Aとして、5〜95重量%のスチレン;
    (b) 成分Bとして、5〜95重量%のDMAPMAM(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);
    (c) 成分Cとして、0〜98重量%のメチルアクリレート及び/又は酢酸ビニル;
    から本質的になるランダムラジカルコポリマー。
  15. 望ましくない植物の成長を制御する方法であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載の新規な作物保護固形製剤を、栽培植物、その周囲(生息空間)及び/又はその種子に対して投与するステップを含む、前記方法。
  16. 望ましくない植物の成長を制御する方法であって、請求項6〜9のいずれか1項に記載の新規な分散液製剤を、栽培植物、その周囲(生息空間)及び/又はその種子に対して投与するステップを含む、前記方法。
  17. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の作物保護製剤の除草剤としての使用。
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