JP2005507247A - コナジラミエクジソン受容体核酸、ポリペプチド、およびそれらの使用 - Google Patents

コナジラミエクジソン受容体核酸、ポリペプチド、およびそれらの使用 Download PDF

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    • G01N2333/723Steroid/thyroid hormone superfamily, e.g. GR, EcR, androgen receptor, oestrogen receptor

Abstract

本発明は、新規の単離コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドに関する。本発明はさらに、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードする核酸、それらを含むベクター、ならびに特にエクジソン受容体に基づく遺伝子発現変調系において遺伝子発現を変調させる方法およびコナジラミエクジソン受容体活性を変調する分子を同定する方法におけるそれらの使用に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオテクノロジーの分野に関する。詳細には、本発明は、単離核酸、それらを含むベクター、およびそれらによってコードされるポリペプチド、ならびに遺伝子発現および殺虫剤発見の分野におけるそれらの使用に関する。より詳細には、本発明は同翅目コナジラミ(Bamecia argentifoli, 「BaEcR」)からのエクジソン受容体ポリペプチドをコードする新規核酸、ならびにBaEcRを使用して宿主細胞内の遺伝子発現を変調する方法およびBaEcRの活性を変調する分子を同定する方法におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ここでは様々な出版物について言及するが、それらの開示はその全体が参照して組み込まれる。しかし、ここでの参考文献についての言及は、そのような参考文献を本出願に対する「先行技術」として利用できると承認したものと解釈すべきではない。
【0003】
農業は、世界中の食料生産の効率を大きく増加させてきた。しかし、様々な害虫は彼らに有利なように餌の栽培源を探し出して利用するのが好都合であることに気付いている。これらの害虫は、典型的にはそれらの目に特徴的な時間的事象順序にしたがって発達する。多くの昆虫は、最初は毛虫もしくは蛆虫様の幼生形で発達する。その後、彼らは著しい変態を経験し、そこから独特の解剖学的特徴を有する成体が出現する。解剖学的類似性は、これらの生物が共有する発生学的、生理学的および生化学的類似性の反映である。特別には、Ashburnerら(Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 38:655−662, 1974)によって記載されたような昆虫エクジステロイドホルモン受容体および発達の原理は、おそらく多数の様々なタイプの昆虫が共有しているであろう。
【0004】
昆虫による農作物の破壊を防止もしくは減少させるためには、昆虫集団を排除または減少させる目的で殺虫剤特性を備える有機分子が一般に使用されている。しかし、一部にはそれらが広範囲の活性を有して特異性が欠如するため、そして一部にはこれらの殺虫剤には生物易分解性ではないものがあるという事実のため、これらの殺虫剤の生態学的副作用は昆虫と他の動物種の両方の集団に重大な影響を及ぼす。これらの生物の一部は、生態学的またはその他の観点から有益なことがある。さらに、昆虫集団は適用される殺虫剤の作用を最小限に抑える方向に進化するので、適用される殺虫剤の量はたいてい、殺虫剤の適用によって直接的または間接的な影響を受けるヒトを含む他の動物に重大な作用を引き起こすほど高度に増加させられる。そこで、殺虫剤が標的とする動物種にのみ生物学的作用を有し、そして生物分解性である高度に特異的な殺虫剤または高度に活性な殺虫剤のどちらに対しても重要な必要が存在する。エクジステロイドと同様に、ステロイド受容体スーパーファミリーの昆虫メンバーと複合することによって作用し、昆虫の発達を制御する新規昆虫ホルモンは、これらの望ましい特性を備える殺虫剤の有望な候補である。
【0005】
昆虫の成長、脱皮、および発達は、エクジソンステロイドホルモン(脱皮ホルモン)および幼若ホルモンによって調節される(Dhadiallaら, 1998, Annu. Rev. Entomol. 43:545−569)。昆虫におけるエクジソンに対する分子標的は、少なくともエクジソン受容体(EcR)およびウルトラスピラクルタンパク質(USP)から構成される。EcRはシグネチャーDNAおよびリガンド結合ドメインならびに活性化ドメインを特徴とする核ステロイド受容体スーパーファミリーのメンバーである(Koelleら, 1991, Cell, 67:59−77)。EcR受容体は、ポナステロンAおよびムリステロンAのような多数のステロイド化合物に応答性である。近年、市販で入手できる殺虫剤であるテブフェノジドおよびメトキシフェノジドを含む、エクジステロイドアゴニスト活性を備える非ステロイド化合物について記載されている(国際特許出願第PCT/EP96/00686号および米国特許第5,530,028号を参照)。どちらのアナログも他の生物にとって特別に優れた安全プロフィールを有する。
【0006】
エクジソン受容体をコードするポリヌクレオチドは、全部が節足動物綱に含まれる双翅目(米国特許第5,514,578号および米国特許出願第6,245,531号B1)、鱗翅目、直翅目、半翅目、および1同翅目のアブラムシを含む様々な昆虫種からクローン化されている。特別には、EcRはハマキガ科のガの幼虫であるChoristoneura fumiferana EcR(「CfEcR」;Kothapalliら, 1995 Dev Genet. 17:319−30)、ゴミムシダマシの幼虫のTenebrio molitor EcR(「TmEcR」;Mouilletら, 1997, Eur. J. biochem. 248:856−863)、スズメガの1種の幼虫のManduca sexta EcR(「MsEcR」;Fujiwaraら, 1995, Insect Biochem. Molec. Biol. 25,845−856)、タバコガの幼虫のHeliothies virescens EcR(「HvEcR」;Martinezら, 1999, Insect Biochem Mol Biol. 29:915−30)、ユスリカの幼虫のChironomus tentans EcR(「CtEcR」;Imhofら, 1993, Insect Biochem. Molec. Biol. 23, 115−124)、カイコガの幼虫のBombyx mori EcR(「BmEcR」;Sweversら, 1995, Insect Biochem. Molec. Biol. 25, 857−866)、squinting bush brownのBicyclus anynana EcR(「BanEcR」)、トチノキのJunonia coenia EcR(「JcEcR」)、ショウジョウバエのDrosophila melanogaster EcR(「DmEcR」;Koelleら, 1991, Cell 67,59−77)、ネッタイシマカのAedes aegypti EcR(「AaEcR」;Choら, 1995, Insect Biochem. Molec. Biol. 25, 19−27)、クロバエのLucilia capitata(「LcEcR」)、ヒツジクロバエのLucilia cuprina EcR(「LucEcR」;Hannan and Hill, 1997, Insect Biochem. Molec. Biol. 27, 479−488)、クロバエのCalliphora vicinia EcR(「CvEcR」)、チチュウカイミバエのCeratitis capitata EcR(「CcEcR」;Verrasら, 1999, Eur J Biochem. 265:798−808)、バッタのLocusta migratoria EcR(「LmEcR」;Salehら, 1998, Mol Cell Endocrinol. 143:91−9)、アブラムシのMyzus persicae EcR(「MpEcR」;国際特許出願公開第WO99/36520号)、シオマネキのCeluca pugilator EcR(「CpEcR」;Chungら, 1998, Mol Cell Endocrinol 139:209−27)およびマダニのAmblyomma americanum EcR(「AmaEcR」;Guoら, 1997, Insect Biochem. Molec. Biol. 27:945−962)からクローン化されている。これらのエクジソン受容体のヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列は決定されており、公的に入手できる。
【0007】
エクジソン受容体複合体は、典型的には核受容体スーパーファミリーのメンバーであるタンパク質を含んでおり、このとき全メンバーは一般にアミノ末端トランス活性化ドメイン、DNA結合ドメイン(「DBD」)、およびヒンジ領域によってDBDから分離されたリガンド結合ドメイン(「LBD」)の存在を特徴とする。ここで使用する用語「DNA結合ドメイン」は、DNA結合ドメインが特定応答エレメントと結合するように機能する限り、DNA結合タンパク質の全長に至るまでのDNA結合タンパク質の最小ポリペプチド配列を含む。核受容体スーパーファミリーのメンバーは、さらにまた4もしくは5つのドメイン;A/B、C、D、E、および一部のメンバーではFの存在を特徴とする(米国特許第4,981,784号およびEvans, Science 240:889−895(1988)を参照)。「A/B」ドメインはトランス活性化ドメインに対応し、「C」はDNA結合ドメインに対応し、「D」はヒンジ領域に対応し、そして「E」はリガンド結合ドメインに対応する。このファミリーの一部のメンバーは、さらにまたLBDのカルボキシ末端部位上で「F」に対応する別のトランス活性化ドメインを有することがある。
【0008】
DBDは、それらの間の2つのアミノ酸モチーフであるP−boxおよびD−boxの2つのシステイン亜鉛フィンガーの存在を特徴とするが、それらはエクジソン応答エレメントに対する特異性を付与する。これらのドメインは、非相同受容体タンパク質の様々なドメインの天然、修飾、またはキメラであってよい。EcR受容体は、ステロイド受容体ファミリーのサブセットと同様に、さらにヘテロダイマー化特性に対して応答性である、余り明確には定義されていない領域も有する。核受容体のドメインは本質的にモジュール式であり、LBD、DBD、およびトランス活性化ドメインは相互交換することができる。
【0009】
エクジソン受容体複合体からの構成要素を組み込んでいる遺伝子スイッチ系は知られている。しかし、これらの既知の系では、EcRが使用される場合は常に、EcRは同一分子上の天然もしくは修飾DNA結合ドメインおよびトランス活性化ドメインと結び付いている。USPもしくはRXRは典型的にはサイレントパートナーとして使用される。本出願人らは以前に、DNA結合ドメインおよびトランス活性化ドメインが同一分子上にある場合はリガンドの不在下でのバックグラウンド活性が高いが、DNA結合ドメインおよびトランス活性化ドメインが相違する分子上、すなわちヘテロダイマーまたはホモダイマー複合体の2つのパートナー各々の上に存在する場合にはそのような活性が劇的に低下することを証明した(第PCT/US01/09050号を参照)。
【0010】
昆虫エクジソン受容体(EcR)は、哺乳動物RXRの昆虫ホモログであるウルトラスピラクル(USP)とともにヘテロダイマー化し、そしてエクジステロイドとエクジソン受容体応答エレメントとを結合させ、エクジソン応答遺伝子の転写を活性化する(Riddifordら, 2000, Vitam Horm,60:1−73)。EcR/USP/リガンド複合体は、昆虫の発達および生殖中に重要な役割を果たす。EcRはステロイドホルモン受容体スーパーファミリーのメンバーであり、A/B(トランス活性化)、C(DNA結合、ヘテロダイマー化)、D(ヒンジ、ヘテロダイマー化)、E(リガンド結合、ヘテロダイマー化およびトランス活性化)および一部の場合にはF(トランス活性化)ドメインの5つのモジュラードメインを有する。A/B、CおよびCのようなこれらのドメインの一部は、他のタンパク質に融合したときにそれらの機能を保持している。
【0011】
近年、エクジソン受容体に基づく遺伝子発現系は開発されている。厳密に調節された誘導性遺伝子発現系もしくは「遺伝子スイッチ」は、例えば遺伝子療法、細胞内タンパク質の大規模生産、細胞に基づく高スループット・スクリーニングアッセイ、機能的ゲノミックスならびにトランスジェニック植物および動物における形質の調節のような様々な用途にとって有用である。米国特許出願第6,265,173号B1は、受容体のステロイド/甲状腺スーパーファミリーの様々なメンバーは、遺伝子発現系において使用するためにキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)ウルトラスピラクル受容体(USP)または少なくともUSPのダイマー化ドメインを含むそのフラグメントと結合できることを開示している。米国特許第5,880,333号は、トランス活性化ドメインとDNA結合ドメインが2つの相違するハイブリッドタンパク質上に配置されている植物で使用されるキイロショウジョウバエEcRおよびウルトラスピラクル(USP)ヘテロダイマー系を開示している。
【0012】
EcRに基づく遺伝子スイッチの第1バージョンはキイロショウジョウバエEcRおよびハツカネズミ(Mus musculus)RXR(MmRXR)を使用しており、これらの受容体が哺乳動物細胞系およびトランスジェニックマウスにおいてステロイドのポナステロンAの存在下で、トランス活性化レポーター遺伝子を発現することを証明した(Christophersonら, 1992, PNAS 89:6314−6318;Noら, 1996, PNAS 93:3346−3351)。この後に、Suhrら(1998, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 95:7999−8004)は、非ステロイドエクジソンアゴニストであるテブフェノジドは外因性ヘテロダイマーパートナーの不在下でBombyx mori EcR(BmEcR)を介して哺乳動物細胞内でレポーター遺伝子の高レベルのトランス活性化を誘導することを証明した。
【0013】
国際特許出願第PCT/US97/05330(第WO97/38117)号および第PCT/US99/08381(WO99/58155)号は、外因性遺伝子およびエクジソン応答エレメントを含むDNA構築物が、そのためのリガンドの存在下で、そして場合によってサイレントパートナーとして機能することのできる受容体の存在下でエクジソン応答エレメントに結合して遺伝子発現を誘導するエクジソン受容体を含む第2DNA構築物によって活性化される外因性遺伝子の発現を変調する方法を開示している。最適なエクジソン受容体はキイロショウジョウバエから単離された。典型的には、このような系は最適な活性化を提供するためにサイレントパートナー、好ましくはレチノイドX受容体(RXR)の存在を必要とする。哺乳動物細胞内では、昆虫エクジソン受容体(EcR)はレチノイドX受容体(RXR)とともにヘテロダイマー化し、リガンド依存性方法で標的遺伝子の発現を調節する。国際特許出願第PCT/US98/14215(WO99/02683)号は、カイコガBombyx moriから単離されたエクジソン受容体が外因性ダイマーパートナーを必要とせずに哺乳動物系において機能的であることを開示している。
【0014】
あいにくなことに、これらのUSPに基づく系は動物細胞内で構成性であるので、このためレポーター遺伝子発現を調節するためには有効ではない。上述のEcRに基づく遺伝子調節系の欠点には、リガンドの不在下での相当に大きなバックグラウンド活性ならびに植物および動物両方において使用するためのこれらの系の不適合性が含まれる(米国特許第5,880,333号を参照)。
【0015】
近年、トランス活性化およびDNA結合ドメインがそれらを2つの相違するタンパク質上に置くことによって相互から分離され、リガンドの不在下ではバックグラウンド活性を大きく低下させ、そしてリガンドの存在下ではバックグラウンドに比較して活性を大きく上昇させる、改良されたエクジソン受容体に基づく誘導性遺伝子発現系が開発されてきた(参照してその全体がここに組み込まれる係属特許出願第PCT/US01/09050号)。このツーハイブリッド系は、特許出願第PCT/US97/05330号および第PCT/US98/14215号に開示された2つの系と比較して大きく改良された誘導性遺伝子発現変調系である。このツーハイブリッド系は、DNA結合ドメインがその遺伝子上のDNA結合部位へ結合したときにトランス活性化ドメインがプロモーターをより効果的に活性化するように、相互作用タンパク質の対が転写活性化ドメインをDNA結合ドメインに対してより好ましい位置へ持ち込む能力を利用する(例えば、米国特許第5,283,173号を参照)。手短には、ツーハイブリッド遺伝子発現系は2つの遺伝子発現カセットを含む:第1は核受容体ポリペプチドに融合したDNA結合ドメインをコードする、そして第2は相違する核受容体ポリペプチドに融合したトランス活性化ドメインをコードする。リガンドの存在下では、第1ポリペプチドと第2ポリペプチドとの相互作用は、DNA結合ドメインをトランス活性化ドメインへ効果的に取り付ける。DNA結合ドメインおよびトランス活性化ドメインは2つの相違する分子上に存在するので、リガンドの不在下ではバックグラウンド活性は大きく減少する。
【0016】
ツーハイブリッド系はさらにまた、例えばポナステロンA(「PonA」)またはムリステロンA(「MurA」)のようなステロイドリガンドと比較した場合に、例えばジアシルヒドラジンのような非ステロイドリガンドに対する改良された感受性を提供する。すなわち、ステロイドと比較すると、非ステロイドリガンドは低濃度でより高度の活性を提供する。さらに、EcR遺伝子スイッチに基づくトランス活性化は多くの場合細胞系依存性であるので、各適用のために最高トランス活性化能力を得るためにスイッチ系をより容易に仕立てることができる。さらに、ツーハイブリッド系は非修飾RXRをスイッチパートナーとして使用したときに頻回に発生するRXRの過剰発現に起因する一部の副作用を回避する。好ましいツーハイブリッド系では、EcRもしくはRXRの天然DNA結合およびトランス活性化ドメインは排除され、その結果としてこれらのハイブリッド分子は細胞内に存在する他のステロイドホルモン受容体と相互作用する機会が減少し、その結果として副作用が減少する。
【0017】
本出願人らは今では、宿主細胞内での遺伝子発現を変調する方法およびコナジラミEcRの活性を変調する分子を同定する方法において使用するためのコナジラミから追加の同翅目EcRポリヌクレオチドの全長コード配列を入手して決定した。ここで記載するように、本出願人らの発明は、宿主細胞中の組み換えタンパク質の高度に特異的調節のための遺伝子発現系の構成要素として有用な、または同翅目昆虫エクジソン受容体のアゴニストまたはアンタゴニストとして機能することのできる新規分子を同定するために有用な、新規コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドをコードする新規ポリヌクレオチドを提供する。
【0018】
【特許文献1】
国際特許出願第PCT/EP96/00686号パンフレット
【特許文献2】
米国特許第5,530,028号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,514,578号明細書
【特許文献4】
米国特許出願第6,245,531号B1明細書
【特許文献5】
国際特許出願公開第WO99/36520号パンフレット
【特許文献6】
米国特許第4,981,784号明細書
【特許文献7】
第PCT/US01/09050号パンフレット
【特許文献8】
米国特許出願第6,265,173号B1明細書
【特許文献9】
米国特許第5,880,333号明細書
【特許文献10】
国際特許出願第PCT/US97/05330(第WO97/38117)号パンフレット
【特許文献11】
国際特許出願第PCT/US99/08381(WO99/58155)号パンフレット
【特許文献12】
国際特許出願第PCT/US98/14215(WO99/02683)号パンフレット
【特許文献13】
米国特許第5,283,173号
【非特許文献1】
Ashburnerら、Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 38:655−662, 1974
【非特許文献2】
Dhadiallaら, 1998, Annu. Rev. Entomol. 43:545−569
【非特許文献3】
Koelleら, 1991, Cell, 67:59−77
【非特許文献4】
Evans, Science 240:889−895(1988)
【非特許文献5】
Riddifordら, 2000, Vitam Horm,60:1−73
【非特許文献6】
Christophersonら, 1992, PNAS 89:6314−6318;
【非特許文献7】
Noら, 1996, PNAS 93:3346−3351
【非特許文献8】
Suhrら、1998, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 95:7999−8004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、有益にも新規コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、宿主細胞内の当該ポリペプチドの遺伝子発現を調節する方法およびコナジラミEcRの活性を変調する新規分子を同定する際に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の様々な態様については、本発明の核酸、ポリペプチド、ベクター、抗体、組成物および使用方法に目を向けて、以下のセクションで極めて詳細に説明する。様々なセクションに分けて体系化したのは、本発明についての理解を容易にすることを意図したもので、決して本発明を限定することは意図していない。
【0021】
用語の定義
以下に定義した用語は本明細書を通して使用されており、本発明の範囲および実践を理解する際に役立つはずである。
特定実施形態では、用語「約」もしくは「およそ」は、表示した数値もしくは範囲の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内、およびいっそうより好ましくは1%以内を意味する。
【0022】
用語「実質的に含まない」は、「A」(「A」が単一タンパク質、DNA分子、ベクター、組み換え宿主細胞等である場合)が、組成物中のタンパク質、DNA、ベクター(AおよびBに属する種のカテゴリーに依存して)の重量で少なくとも約75%が「A」であるときに、実質的に「B」(「B」が1つ以上の汚染タンパク質、DNA分子、ベクター等を含む場合)を含まないことを意味する。好ましくは、「A」は組成物中にA+B種を重量で少なくとも約90%、最も好ましくは重量で少なくとも約99%を含む。さらにまた、実質的に汚染物を含まない組成物は当該種の活性または特徴を有する単一分子量種しか含有していないのが好ましい。
【0023】
本発明の目的での用語「単離(された)」は、生物学的物質(核酸またはタンパク質)がその本来の環境(それが自然に存在する環境)から取出されていることを表している。例えば、植物または動物において自然状態で存在するポリヌクレオチドは単離されていないが、それがその中に自然に存在する隣接核酸から分離された同一ポリヌクレオチドは「単離(された)」と見なされる。用語「精製(された)」は、他の化合物の存在を除いて、物質が絶対的純粋さを示す形状で存在することを必要としない。それはむしろ相対的定義である。
【0024】
ポリヌクレオチドは、少なくとも1オーダー、好ましくは2もしくは3オーダー、および好ましくは4もしくは5オーダーまで出発物質または天然物質が精製された後には「精製」状態にある。
【0025】
ここで使用する用語「実質的純粋」は、その天然汚染物から分離されているポリペプチドもしくはその他の物質を説明する。典型的には、モノマーポリペプチドは、サンプルの少なくとも約60〜75%が単一ポリペプチドバックボーンを示す場合に実質的純粋である。典型的には同一ポリペプチド配列は小さな変異体もしくは化学修飾を共有する。通常は、実質的純粋ポリペプチドは約85超〜90%のポリペプチドサンプルを含んでおり、そして好ましくは約99%超純粋であろう。通常は、純度は染色により均質性を決定されるとともに、ポリアクリルアミドゲル上で測定される。あるいはまた、一定の目的では高分解能が必要になり、そして精製のためのHPLCまたは類似手段が使用されるであろう。ほとんどの目的には、純度を決定するためには単純なクロマトグラフィーカラムまたはポリアクリルアミドゲルが使用されるであろう。
【0026】
用語「天然で関連する宿主細胞成分を実質的に含まない」とは、その天然宿主細胞状態でそれに付随する天然汚染物から分離されているポリペプチドもしくはその他の物質を説明する。そこで、化学合成またはそれが自然に由来する宿主細胞とは相違する細胞系中で合成されているポリペプチドは、その天然で関連する宿主細胞成分を含まないであろう。
【0027】
用語「核酸」または「ポリヌクレオチド」は、ここでヌクレオチドと呼ばれる共有結合サブユニットを含んでなるポリマー化合物を意味するために交換可能に使用する。核酸には、ポリリボ核酸(RNA)およびポリデオキシリボ核酸(DNA)が含まれるが、それらはどちらも一本鎖であっても二本鎖であってもよい。DNAにはcDNA、ゲノムDNA、プラスミドDNA、合成DNA、および半合成DNAが含まれるが、それらに限定されない。DNAは線状、環状、または超らせん状であってよい。
【0028】
「核酸分子」は、一本鎖形または二本鎖ヘリックスのいずれかでの、リボヌクレオシド(アデノシン、グアノシン、ウリジンもしくはシチジン;「RNA分子」)またはデオキシリボヌクレオシド(デオキシアデノシン、デオキシグアノシン、デオキシチミジン、もしくはデオキシシチジン;「DNA分子」)、または例えばホスホロチオエートおよびチオエステルのようなそれらのいずれかのホスホエステルアナログのホスフェートエステルポリマー形を意味する。二本鎖DNA−DNA、DNA−RNAおよびRNA−RNAヘリックスが考えられる。用語「核酸分子」、および特に「DNAもしくはRNA分子」は、該分子の一次および二次構造だけを意味しており、そしていずれか特定の三次形態へは限定されていない。そこで、この用語には、特に線状もしくは環状DNA分子(例、制限フラグメント)、プラスミド、および染色体中で見いだされる二本鎖DNAが含まれる。特定の二本鎖DNA分子の構造を検討する際には、配列はDNAの非転写鎖(すなわち、mRNAと相同である配列を有する鎖)に沿って5’〜3’方向における配列だけを提供する正規規則にしたがって記載されうる。「組み換えDNA分子」は、分子生物学的操作を受けたDNA分子である。
【0029】
用語「フラグメント」は、標準核酸と比較して長さが短く、そして共通部分にわたって標準核酸と同一のヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を意味すると理解されるであろう。このような本発明による核酸フラグメントは、適切な場合はそれが構成成分であるより大きなポリヌクレオチド内に含まれていてよい。このようなフラグメントは、本発明による核酸の少なくとも6〜1100連続ヌクレオチドの範囲内の長さのオリゴヌクレオチドを含む、またはそれらからなる。
【0030】
ここで使用する「単離核酸フラグメント」とは、一本鎖または二本鎖の、場合によっては合成、非天然もしくは改変ヌクレオチド塩基を含有するRNAもしくはDNAのポリマーである。DNAのポリマー形における単離核酸フラグメントはcDNA、ゲノムDNAもしくは合成DNAの1つ以上のセグメントから構成されてよい。
【0031】
「遺伝子」とは、ポリペプチドをコードするヌクレオチドのアッセンブリーを意味しており、そしてcDNAおよびゲノムDNA核酸を含む。「遺伝子」とは、さらにまたコード配列に先行する(5’非コード配列)および続く(3’非コード配列)調節配列を含む特定タンパク質もしくはポリペプチドを発現する核酸フラグメントを意味する。「天然遺伝子」とは、自然に見いだされる固有の調節配列を備える遺伝子を意味する。「キメラ遺伝子」とは、自然には一緒に見いだされない調節および/またはコード配列を含む、天然遺伝子ではないいずれかの遺伝子を意味する。したがって、キメラ遺伝子は相違する起源に由来する調節配列およびコード配列、または同一起源に由来するが自然に見いだされるのとは相違する方法で配列されている調節配列およびコード配列を含んでいてよい。キメラ遺伝子は、相違する起源に由来するコード配列および/または相違する起源に由来する調節配列を含んでいてよい。「内因性遺伝子」とは、生物のゲノム内におけるその自然位置にある天然遺伝子を意味する。「「外来」遺伝子もしくは「非相同」遺伝子とは、通常は該宿主生物において見いだされないが、遺伝子導入によって宿主生物内に導入されている遺伝子を意味する。外来遺伝子は、非自然生物内へ挿入された天然遺伝子、またはキメラ遺伝子を含むことができる。「導入遺伝子」は、形質転換方法によってゲノム内に導入されている遺伝子である。
【0032】
「非相同」DNAとは、自然には細胞内、または細胞の染色体部位内に位置しないDNAを意味する。好ましくは、非相同DNAには該細胞に対する外来の遺伝子が含まれる。
【0033】
用語「ゲノム」には染色体、ならびにミトコンドリア、葉緑体およびウイルスDNAまたはRNAが含まれる。
【0034】
核酸分子は、該核酸分子の一本鎖形が温度および溶液イオン強度に関する適切な条件下で他の核酸分子へアニーリングできる場合には、例えばcDNA、ゲノムDNA、またはRNAのような他の核酸分子に「ハイブリダイズすることができる」(Sambrookら, 1989,下記を参照)。ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件はよく知られており、Sambrook J., Fritsch E.F. and Maniatis, T.,「分子クローニング:実験マニュアル第2版(Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Second Edition)」, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor(1989)の特に第11章および表11.1に例示されている(その全体が参照してここに組み込まれる)。温度およびイオン強度の条件がハイブリダイゼーションの「ストリンジェンシー」を決定する。
【0035】
ストリンジェンシー条件は、例えば遠縁に当たる生物からの相同配列のような中等度に類似するフラグメントから近縁生物からの機能性酵素を複製する遺伝子のような高度に類似する遺伝子についてスクリーニングするために調整できる。相同核酸についての予備スクリーニングのためには、例えば5×SSC、0.1% SDS、0.25%ミルク、およびホルムアミドなし;または30%ホルムアミド、5×SSC、0.5% SDSのような55℃のTmに対応する低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件を使用できる。中ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、例えば5×もしくは6×SSCとともに40%ホルムアミドのようなより高いTmに対応する。高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、例えば50%ホルムアミド、5×もしくは6×SCCのような最高Tmに対応する。
【0036】
ハイブリダイゼーションには、2つの核酸が相補的配列を含有することが必要であるが、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに依存して、塩基間のミスマッチも可能である。用語「相補的」は、相互にハイブリダイズすることのできるヌクレオチド塩基間の関係を説明するために使用される。例えば、DNAに関して、アデノシンはチミンに相補的であり、シトシンはグアニンに相補的である。したがって、本発明にはここに開示した、または使用した完全配列に相補的である単離核酸フラグメントならびにそれらの実質的に類似の核酸配列が含まれる。
【0037】
本発明の特定実施形態では、ポリヌクレオチドは55℃のTmでのハイブリダイゼーションステップを含むハイブリダイゼーション条件を使用する、そして上述に記載した条件を利用することによって検出される。好ましい実施形態ではTmは、60℃である;より好ましい実施形態では、Tmは63℃である;さらにいっそうより好ましい実施形態では、Tmは65℃である。
【0038】
ハイブリダイゼーション後の洗浄もまたストリンジェンシー条件を決定する。1組の好ましい条件は、室温で15分間(min)かけて6×SSC、0.5%SDSで開始し、その後45℃で30分間かけて2×SSC、0.5%SDSで繰り返し、さらに50℃で30分間かけて0.2×SSC、0.5%SDSにより2回繰り返す一連の洗浄を使用する。より好ましい1組のストリンジェンシー条件は、より高温を使用するが、その場合の洗浄は0.2×SSC、0.5%SDS中での最終2回の30分間の洗浄の温度を60℃へ上昇させたこと以外は上述と同一である。また別の1組の好ましい高ストリンジェンシー条件は、65℃での0.1×SSC、0.1%SDS中での最終2回の洗浄を使用する。
【0039】
核酸をハイブリダイズするための適切なストリンジェンシーは、当技術分野において知られている変数である核酸の長さおよび相補性の程度に左右される。2つのヌクレオチド配列間の類似性または相同性の程度が大きいほど、それらの配列を有する核酸のハイブリッドに対するTmの価値が大きくなる。核酸ハイブリダイゼーションの相対安定度(より高いTmに対応する)は以下の順序で低下する:RNA:RNA、DNA:RNA、DNA:DNA。長さが100ヌクレオチドを超えるハイブリッドに対して、Tmを計算する方程式が引き出されている(Sambrookら, 上記参照, 9.50〜0.51)。もっと短い核酸、すなわちオリゴヌクレオチドを用いたハイブリダイゼーションのためには、ミスマッチの位置がより重要になり、オリゴヌクレオチドの長さがその特異性を決定する(Sambrookら, 上記参照,11.7−11.8)。
【0040】
ハイブリダイゼーションの選択性は、特異性の完全欠如より選択的であるハイブリダイゼーションが発生する場合に存在する。典型的には、選択的ハイブリダイゼーションは、少なくとも約14/25ヌクレオチドの区間に渡って少なくとも約55%、好ましくは少なくとも約65%、より好ましくは少なくとも約75%、および最も好ましくは少なくとも約90%の相同性がある場合に発生する。参照してここに組み込まれるKanehisa, M.(1984), Nucleic Acids Res. 12:203−213を参照されたい。ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件には、典型的には約1M未満、より通常は約500mM未満および好ましくは約200mM未満の塩濃度が含まれる。温度条件は、典型的には20℃超、より通常は約30℃超、および好ましくは約37℃を超えているであろう。特に塩基組成および相補的鎖のサイズ、有機溶媒の存在および塩基ミスマッチの程度を含む他の要素はハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに大きな影響を及ぼす可能性があるので、パラメーターの組み合わせはいずれか1つの絶対尺度より重要である。
【0041】
本発明の特定実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは500mM未満の塩および少なくとも37℃でのハイブリダイゼーションステップ、および少なくとも63℃での2×SSPE中での洗浄ステップを含むハイブリダイゼーション条件を使用することによって検出される。好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーション条件はハイブリダイゼーションステップのために200mM未満の塩および少なくとも37℃を含む。より好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーション条件はハイブリダイゼーションステップおよび洗浄ステップどちらについても2×SSPEおよび63℃を含む。
【0042】
1つの実施形態では、ハイブリダイズ可能な核酸のための長さは少なくとも約10ヌクレオチドである。ハイブリダイズ可能な核酸のための好ましい最小長さは、少なくとも約15ヌクレオチドである;より好ましくは少なくとも約20ヌクレオチドである;およびいっそうより好ましくはその長さは約30ヌクレオチドである。さらに、当業者であれば温度および洗浄溶液塩濃度をプローブの長さのような要素によって必要に応じて調整できることを認識するであろう。
【0043】
用語「プローブ」とは、二本鎖分子を形成するために相補的一本鎖標的核酸との塩基対を形成できる一本鎖核酸分子を意味する。
【0044】
ここで使用する用語「オリゴヌクレオチド」とは、ゲノムDNA分子、cDNA分子、プラスミドDNAまたはmRNA分子へハイブリダイズ可能な、一般には少なくとも18ヌクレオチドの核酸を意味する。オリゴヌクレオチドは、例えば32Pヌクレオチドまたは例えばビオチンのような標識が共有結合されているヌクレオチドを用いて標識できる。標識されたオリゴヌクレオチドは、核酸の存在を検出するためのプローブとして使用できる。オリゴヌクレオチド(それらの一方または両方を標識できる)は、全長核酸もしくは核酸のフラグメントをクローニングするため、または核酸の存在を検出するためのどちらかにおいてPCRプライマーとして使用できる。オリゴヌクレオチドはさらにまたDNA分子との三重らせんを形成するために使用することもできる。一般に、オリゴヌクレオチドは、好ましくは核酸合成装置上で合成的に調製される。したがって、オリゴヌクレオチドはチオエステル結合等のような自然には発生しないホスホエステルアナログ結合を用いて調製できる。
【0045】
「プライマー」は、適切な条件下でDNA合成のための開始点として機能できる二本鎖核酸領域を作製するために標的核酸配列へハイブリダイズするオリゴヌクレオチドである。このようなプライマーは、ポリメラーゼ連鎖反応において使用できる。
【0046】
「ポリメラーゼ連鎖反応」はPCRと略記され、特定核酸配列を酵素的に増幅させるためのインビトロ方法を意味する。PCRは標的分子の鎖を分離するためのテンプレート核酸の変性、一本鎖PCRオリゴヌクレオチドプライマーのテンプレート核酸へのアニーリング、およびDNAポリメラーゼによるアニール化プライマーの伸長の3段階を含む各周期を備える反復した一連の温度サイクルを含む。PCRは、標的分子の存在を検出するための、および定量的もしくは判定量的条件下で核酸の出発プール内の標的分子の相対量を決定するための手段を提供する。
【0047】
「逆転写ポリメラーゼ連鎖反応」は、RT−PCRと略記され、1つ以上のRNA分子から1つ以上の標的cDNA分子を酵素的に生成し、それに続いて上述のように1つ以上の標的cDNA分子内の1つ以上の特定核酸配列の酵素的増幅を実施するためのインビトロ方法を意味する。RT−PCRもまた、標的分子の存在を検出するための、および定量的もしくは半定量的条件下で核酸の出発プール内の標的分子の相対量を決定するための手段を提供する。
【0048】
DNA「コード配列」は、適切な調節配列の制御下に置かれると、インビトロもしくはインビボで細胞内で転写されてポリペプチドへ翻訳される二本鎖DNA配列である。「適切な調節配列」は、コード配列の上流(5’非コード配列)、内部、または下流(3’非コード配列)に配置された、そして関連コード配列の転写、RNAプロセッシングもしくは安定性、または翻訳に影響を及ぼすヌクレオチド配列を意味する。調節配列は、プロモーター、翻訳リーダー配列、イントロン、ポリアデニル化認識配列、RNAプロセッシング部位、エフェクター結合部位およびステムループ構造を含むことがある。コード配列の境界は、5’(アミノ)末端での開始コドンおよび3’(カルボキシル)末端での翻訳終止コドンによって決定される。コード配列には、原核生物配列、mRNAからのcDNA、ゲノムDNA配列、および合成DNA配列さえ含むことができるが、それらに限定されない。コード配列が真核細胞内での発現を目的とする場合は、ポリアデニル化シグナルおよび転写終結配列は通常はコード配列の3’に配置される。
【0049】
「オープンリーディングフレーム」は、ORFと略記され、例えばATGもしくはAUGのような翻訳開始シグナルもしくは開始コドン、および終結コドンを含み、ポリペプチド配列内に翻訳できる可能性があるDNA、cDNAもしくはRNAいずれかの核酸配列の長さを意味する。
【0050】
用語「頭−頭」は、ここでは相互の関係において2つのポリヌクレオチド配列の方向を説明するために使用する。2つのポリヌクレオチドは、1つのポリヌクレオチドのコード鎖の5’端が他方のポリヌクレオチドのコード鎖の5’端に隣接しているときに頭−頭方向に配置されており、それにより各ポリヌクレオチドの転写の方向は他方のポリヌクレオチドの5’端から離れて進行する。用語「頭−頭」は(5’)−(5’)と略記することができ、さらにまた記号(←→)または(3’←5’5’→3’)と表示することもできる。
【0051】
用語「尾−尾」は、ここでは相互の関係において2つのポリヌクレオチド配列の方向を説明するために使用する。2つのポリヌクレオチドは、1つのポリヌクレオチドのコード鎖の3’端が他方のポリヌクレオチドのコード鎖の3’端に隣接しているときに尾−尾方向に配置されており、それにより各ポリヌクレオチドの転写の方向は他方のポリヌクレオチドに向かって進行する。用語「尾−尾」は(3’)−(3’)と略記することができ、さらにまた記号(→←)または(5’→3’3’←5’)と表示することもできる。
【0052】
用語「頭−尾」は、ここでは相互の関係において2つのポリヌクレオチド配列の方向を説明するために使用する。2つのポリヌクレオチドは、1つのポリヌクレオチドのコード鎖の5’端が他方のポリヌクレオチドのコード鎖の3’端に隣接しているときに頭−尾方向に配置されており、それにより各ポリヌクレオチドの転写の方向は他方のポリヌクレオチド方向と同一方向に進行する。用語「頭−尾」は(5’)−(3’)と略記することができ、さらにまた記号(→→)または(5’→3’5’→3’)と表示することもできる。
【0053】
用語「下流」とは、参照ヌクレオチド配列に対する3’端に位置するヌクレオチド配列を意味する。特別には、下流ヌクレオチド配列は一般に転写の開始点に続く配列のことを述べている。例えば、遺伝子の転写開始コドンは転写の開始部位の下流に位置する。
【0054】
用語「上流」とは、参照ヌクレオチド配列に対する5’端に位置するヌクレオチド配列を意味する。特別には、上流ヌクレオチド配列は一般にコード配列または転写の開始点の5’側に位置する配列のことを述べている。例えば、大多数のプロモーターは転写の開始部位の上流に位置する。
【0055】
用語「制限エンドヌクレアーゼ」および「制限酵素」とは、二本鎖DNA内の特定ヌクレオチド配列内で結合および切断する酵素を意味する。
【0056】
「相同組み換え」とは、例えば染色体内へのベクターの挿入のような、外来DNA配列を他のDNA分子内へ挿入することを意味する。好ましくは、ベクターは相同組換えのために特定染色体部位を標的とする。特定の相同組み換えのためには、ベクターは相補的結合および染色体内への取り込みを可能にするために、ベクターは染色体の配列に相同性である十分に長い領域を含む。相同性の領域が長いほど、そして配列類似性の程度が大きいほど、相同組み換えの有効性は増加する可能性がある。
【0057】
本発明によるポリヌクレオチドを増殖させるためには、当技術分野において知られている数種の方法を使用できる。適切な宿主系および増殖条件が確立されると、組み換え発現ベクターを大量に増幅かつ調製することができる。ここで記載するように、使用できる発現ベクターには以下のベクターまたはそれらの誘導体が含まれるが、それらに限定されない:ほんの数例を挙げると、ワクシニアウイルスもしくはアデノウイルスのようなヒトもしくは動物ウイルス;バキュロウイルスのような昆虫ウイルス;酵母ベクター;バクテリオファージベクター(例、ラムダ)、およびプラスミドおよびコスミドDNAベクター。
【0058】
「ベクター」は、宿主細胞内へ核酸をクローニングする、および/または導入するための手段である。ベクターは、付着セグメントの複製を引き起こすことができるように、それに別のDNAセグメントを付着させることのできるレプリコンであってよい。「レプリコン」は、インビボでDNA複製の自律ユニットとして機能する、すなわちその自己制御下で複製することのできるいずれかの遺伝要素(例、プラスミド、ファージ、コスミド、染色体、ウイルス)である。用語「ベクター」には、インビトロ、エックスビボまたはインビボで細胞内へ核酸を導入するためのウイルスおよび非ウイルス手段の両方が含まれる。当技術分野において知られている多数のベクターを使用すると、核酸を操作し、応答エレメントやプロモーターを遺伝子等内へ組み込むことができる。考えられるベクターには、例えばラムダ誘導体のようなバクテリオファージ、またはpBR322もしくはpUCプラスミド誘導体のようなプラスミド、またはブルースクリプトベクターを含む例えばプラスミドもしくは修飾ウイルスが含まれる。例えば、応答エレメントおよびプロモーターに対応するDNAフラグメントの適切なベクター内への挿入は、適切なDNAフラグメントを相補的付着末端を有する選択されたベクター内へライゲートすることによって遂行できる。あるいはまた、DNA分子の末端を酵素的に修飾できる、またはヌクレオチド配列(リンカー)をDNA末端内へライゲートすることによっていずれかの部位を生成することができる。このようなベクターは、細胞ゲノム内へマーカーを組み込んでいる細胞の選択を提供する選択可能なマーカー遺伝子を含有するように人工的に作り出されてよい。このようなマーカーは、マーカーによってコードされたタンパク質を組み込んで発現する宿主細胞の同定および/または選択を可能にする。
【0059】
ウイルスベクター、および特別にはレトロウイルスベクターは、細胞、ならびに生きている動物対象中での極めて様々な遺伝子送達用途において使用されてきた。使用できるウイルスベクターには、レトロウイルス、アデノ随伴ウイルス、ポックスウイルス、バキュロウイルス、ワクシニアウイルス、単純ヘルペスウイルス、エプスタイン−バーウイルス、アデノウイルス、ジェミニウイルスおよびカリモウイルスベクターが含まれるが、それらに限定されない。非ウイルスベクターには、プラスミド、リポソーム、帯電脂質(サイトフェクチン)、DNAタンパク質複合体、およびバイオポリマーが含まれる。核酸に加えて、ベクターはさらにまた核酸導入結果(導入先の組織、発現の期間等)の選択、測定および監視において有用である1つ以上の調節領域、および/または選択可能なマーカーも含むことができる。
【0060】
用語「プラスミド」とは、多くの場合に細胞の中心代謝の一部ではない、および通常は環状二本鎖DNA分子の形状にある遺伝子を有する染色体外エレメントを意味する。このようなエレメントは、多数のヌクレオチド配列が選択された遺伝子産物のためのプロモーターフラグメントおよびDNA配列を適切な3’未翻訳配列と一緒に細胞内へ導入することのできる独自構造内へ結合もしくは組み換えられている、いずれかの起源由来の一本鎖もしくは二本鎖DNAもしくはRNAの線状、環状、もしくはスーパーコイル状の自己複製配列、ゲノム統合配列、ファージもしくはヌクレオチド配列であってよい。
【0061】
「クローニングベクター」は、連続的に複製し、付着セグメントの複製を惹起するようにそれに他の核酸セグメントを付着させることのできるプラスミド、ファージもしくはコスミドのような複製起点を含む1ユニット長の核酸、好ましくはDNAである「レプリコン」である。クローニングベクターは、1つの細胞タイプでの複製および他の細胞タイプでの発現をすることができる可能性がある(「シャトルベクター」)。
【0062】
ベクターは、例えばトランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、形質導入、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈降、リポフェクション(リソソーム融合)、粒子衝撃、遺伝子銃の使用、またはDNAベクタートランスポーターのような当技術分野において知られている方法によって所望の宿主細胞内へ導入することができる(例えばWuら, 1992, J. Biol. Chem. 267:963−967;Wu and Wu, 1988, J. Biol. Chem. 263:14621−14624;および1990年3月15日に出願されたHartmutらのカナダ国特許出願第2,012,311号等を参照)。
【0063】
本発明によるポリヌクレオチドは、さらにまたリポフェクションによってインビボで導入することもできる。ここ10年間に、インビトロで核酸をカプセル封入およびトランスフェクションするためのリポソームの使用が増加してきている。リポソーム媒介トランスフェクションに伴って遭遇する困難や危険を制限するために設計された合成カチオン性脂質を使用すると、マーカーをコードする遺伝子をインビボでトランスフェクションするためのリポソームを調製することができる(Felgnerら, 1987, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84:7413;Mackeyら, 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:8027−8031;およびUlmerら, 1993, Science 259:1745−1748)。カチオン性脂質を使用すると、負荷電核酸のカプセル封入を促進することができ、そしてさらに負荷電細胞膜との融合を促進することもできる(Felgner and Ringold, 1989, Science 337:387−388)。核酸を導入するために特に有用な脂質化合物および組成物は、国際特許出願第WO95/18863号および第WO96/17823号、ならびに米国特許第5,459,127号に記載されている。インビボで特定器官内に外因性遺伝子を導入するためのリポフェクションの使用にはある種の実用的利点がある。特定細胞へのリポソームの分子ターゲティングは、1つの有益な領域を表している。トランスフェクションを特定細胞タイプへ方向付けることが、膵臓、肝臓、腎臓、および脳のような細胞異質性を備える組織中で特に好ましいことは明白である。脂質は、ターゲティングのために他の分子へ化学結合させることができる(Mackeyら, 1988,上記)。標的とされる例えばホルモンや神経伝達物資のようなペプチド、および例えば抗体のようなタンパク質、または非ペプチド分子はリポソームへ化学的に結合させることができよう。
【0064】
例えばカチオン性オリゴペプチド(例、国際特許出願第WO95/21931号)、DNA結合タンパク質由来のペプチド(例、国際特許出願第WO96/25508号)またはカチオン性ポリマー(例、国際特許出願第WO95/21931号)のような他の分子もまた、インビボでの核酸のトランスフェクションを容易にするために有用である。
【0065】
そのままのDNAプラスミドのようなベクターをインビボで導入することもまた可能である(米国特許第5,693,622号、第5,589,466号および第5,580,859号を参照)。受容体媒介性DNA送達アプローチもまた使用できる(Curielら, 1992, Hum. Gene Ther. 3:147−154;およびWu and Wu, 1987, J. Biol. Chem. 262:4429−4432)。
【0066】
用語「トランスフェクション」とは、細胞による外因性もしくは非相同RNAまたはDNAの取り込みを意味する。細胞は、外因性もしくは非相同RNAまたはDNAが細胞の内側に導入されている場合には、そのようなRNAまたはDNAによって「トランスフェクト」されている。細胞は、トランスフェクトされたRNAまたはDNAが表現型変化に影響を及ぼす場合に、外因性もしくは非相同RNAまたはDNAによって「形質転換」されている。形質転換RNAまたはDNAは、該細胞のゲノムを構成する染色体DNA内へ統合(共有結合)させることができる。
【0067】
「形質転換」とは、核酸フラグメントを宿主生物のゲノム内へ導入して遺伝的に安定性の遺伝形質を生じさせることを意味する。形質転換核酸フラグメントを含有する宿主生物は、「トランスジェニック」もしくは「組み換え」もしくは「形質転換」生物と呼ばれる。
【0068】
用語「遺伝領域」とは、ポリペプチドをコードする遺伝子を含む核酸分子もしくはヌクレオチド配列の領域を意味する。
【0069】
さらに、本発明によるポリヌクレオチドを含む組み換えベクターは、それらの増幅またはそれらの発現が模索される細胞宿主内に1つ以上の複製起点、マーカーもしくは選択可能なマーカーを含有することができる。
【0070】
用語「選択可能なマーカー」とは、マーカー遺伝子の作用、すなわち抗生物質に対する耐性、除草剤に対する耐性に基づいて選択することのできる通常は抗生物質もしくは化学薬品耐性遺伝子、比色マーカー、酵素、蛍光マーカー等のような同定因子を意味しており、このときその作用を使用すると当該核酸の遺伝形質を追跡する、および/または当該核酸を継承している細胞または生物を同定することができる。当技術分野において知られていて使用されている選択可能なマーカーの例には以下のものが含まれる:アンピシリン、ステレプトマイシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ヒグロマイシン、ビアラフォス除草剤、スルホンアミド等に対する耐性を提供する遺伝子;および表現型マーカーとして使用される遺伝子、すなわちアントシアニン調節遺伝子、イソペンタニルトランスフェラーゼ遺伝子等。選択可能なマーカー遺伝子は、さらにまたレポーター遺伝子と見なすこともできる。
【0071】
用語「レポーター遺伝子」とは、レポーター遺伝子の作用に基づいて同定できる同定因子をコードする核酸を意味するが、このときその作用を使用すると、当該核酸の遺伝形質を追跡する、当該核酸を継承している細胞または生物を同定する、および/または遺伝子発現導入もしくは転写を測定することができる。当技術分野において知られていて使用されているレポーター遺伝子の例には以下のものが含まれる:ルシフェラーゼ(Luc)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β−ガラクトシダーゼ(LacZ)、β−グルクロニダーゼ(Gus)等。
【0072】
「プロモーター」とは、コード配列もしくは機能的RNAの発現を制御することのできるDNA配列を意味する。一般に、コード配列はプロモーター配列の3’に位置する。プロモーターは、その全体を天然遺伝子に由来することができる、または自然に見いだされる相違するプロモーターから引き出された相違するエレメントから構成することができる、または合成DNAフラグメントを含むことさえできる。様々なプロモーターが様々な組織または細胞タイプにおける、または様々な発達段階で、または様々な環境的もしくは生理的条件に反応して遺伝子の発現を指示することができることは当業者に理解されている。多くの場合に大多数の細胞タイプにおいて遺伝子の発現を引き起こすプロモーターは、一般に「構成的プロモーター」と呼ばれている。特定細胞タイプにおいて遺伝子の発現を引き起こすプロモーターは、一般に「細胞特異的プロモーター」または「組織特異的プロモーター」と呼ばれている。特定の発達段階または細胞分化段階での遺伝子の発現を引き起こすプロモーターは、一般に「発達段階特異的プロモーター」または「細胞分化特異的プロモーター」と呼ばれている。導入されて、該プロモーターを誘導する物質、生物学的分子、化学薬品、リガンド、光線等による細胞の曝露または処理に引き続いて遺伝子が発現させられることを引き起こすプロモーターは、「誘導性プロモーター」または「調節可能プロモーター」と呼ばれる。さらにまた、多くの場合に調節配列の正確な境界は完全には定義されていないので、様々な長さのDNAフラグメントが同一プロモーター活性を有する可能性があることも認識されている。
【0073】
「プロモーター配列」は、細胞内でRNAポリメラーゼに結合して下流(3’方向)コード配列の転写を開始させることのできるDNA調節領域である。本発明を定義するために、プロモーター配列はその3’末端で転写開始部位に結合されていて、バックグラウンドを超える検出可能なレベルで転写を開始させるために必要な最小数の塩基もしくはエレメントを含むように上流(5’)へ伸長している。プロモーター配列内では、転写開始部位(例えば便宜的にヌクレアーゼS1を用いてマッピングすることにより定義される)、ならびにRNAポリメラーゼの結合について役割を担っているタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)が見いだされるであろう。
【0074】
コード配列は、RNAポリメラーゼがコード配列をmRNA内へ転写させ、次にコード配列がイントロンを含む場合には、コード配列がトランス−RNAスプライシングされ、さらに該コード配列によりコードされたタンパク質へ翻訳される場合は、細胞内の転写および翻訳制御配列の「制御下」にある。
【0075】
「転写および翻訳制御配列」は、宿主細胞内でコード配列を発現させるプロモーター、エンハンサー、ターミネーター等のDNA調節配列である。真核細胞では、ポリアデニル化シグナルは制御配列である。
【0076】
用語「応答エレメント」とは、第1キメラ遺伝子のDNA結合ドメインとの相互作用を通して媒介されるプロモーター上の応答性を付与する1つ以上のシス作用性DNAエレメントを意味する。このDNAエレメントはその配列内でパリンドローム(完全もしくは不完全)であるか、または配列モチーフもしくは様々な多数のヌクレオチドによって分離されたハーフサイト(half site)から構成されてもよい。ハーフサイトは類似もしくは同一であってよく、そして直接繰り返しもしくは逆繰り返しのいずれか、または単一ハーフサイトもしくはタンデム配列での隣接ハーフサイトのマルチダイマーとして配列されてよい。応答エレメントは、その中に応答エレメントが組み込まれる細胞もしくは生物の性質に依存して、様々な生物から単離された最小プロモーターを含んでいてよい。第1ハイブリッドタンパク質のDNA結合ドメインは、リガンドの存在下または不在下で、応答エレメントのDNA配列に結合し、この応答エレメントの調節下で1つ以上の下流遺伝子の転写を開始または抑制する。天然エクジソンレポーターの応答エレメントのためのDNA配列の例には以下のものが含まれる:RRGG/TTCANTGAC/ACYY(Cherbas L.ら, (1991), Genes Dev. 5, 120−131を参照);AGGTCAN(n)AGGTCA(式中、N(n)は1つ以上のスペーサーヌクレオチドであってよい(D’Avino PPら, (1995), Mol. Cell. Endocrinol, 113,1−9);およびGGGTTGAATGAATTT(Antoniewski C.ら(1994), Mol. Cell Biol. 14, 4465−4474を参照)。
【0077】
用語「機能的に連結した」とは、1つの核酸の機能が他の核酸機能によって影響を受けるような単一核酸フラグメント上での核酸配列の関連を意味する。例えば、プロモーターはそのコード配列の発現に影響を及ぼすことができる(すなわち、コード配列が該プロモーターの転写制御下にある)場合にコード配列と機能的に連結している。コード配列は、センスまたはアンチセンス配向で調節配列へ機能的に連結させることができる。
【0078】
ここで使用する用語「発現」は、核酸もしくはポリヌクレオチドから引き出されたセンス(mRNA)もしくはアンチセンスRNAの転写および安定性蓄積を意味する。発現は、タンパク質もしくはポリペプチドへのmRNAの翻訳を意味することもある。
【0079】
用語「カセット」、「発現カセット」および「遺伝子発現カセット」とは、特定制限部位で、または相同組み換えによって核酸もしくはポリヌクレオチド内に挿入できるDNAのセグメントを意味する。DNAのセグメントは、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでおり、そしてカセットおよび制限部位は転写および翻訳のために適正なリーディングフレーム内へのカセットの挿入を保証するように設計される。「形質転換カセット」とは、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、さらに特定宿主細胞の形質転換を容易にするポリヌクレオチドに加えたエレメントを有する特異的ベクターを意味する。本発明のカセット、発現カセット、遺伝子発現カセットおよび形質転換カセットはさらにまた、宿主細胞内の当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現を強化できるエレメントも含むことができる。これらのエレメントには、プロモーター、最小プロモーター、エンハンサー、応答エレメント、ターミネータ配列、ポリアデニル化配列等が含まれてよいが、それらに限定されない。
【0080】
本発明のために、用語「遺伝子スイッチ」とはプロモーターと結び付いている応答エレメントと、そして1つ以上のリガンドの存在下で、その中に応答エレメントおよびプロモーターが組み込まれている遺伝子の発現を変調させる、EcRに基づく遺伝子発現系との組み合わせを意味する。
【0081】
用語「変調する」とは、核酸もしくは遺伝子発現を誘導、減少もしくは阻害し、その結果としてタンパク質またはポリペプチド生成の各々の誘導、減少もしくは阻害を生じさせることを意味する。
【0082】
本発明によるプラスミドもしくはベクターは、さらにまた宿主細胞内での遺伝子の発現を駆動するために適切な少なくとも1つのプロモーターを含んでいてよい。用語「発現ベクター」とは、宿主への形質転換の後に、挿入された核酸配列の発現を可能にするために設計されたベクター、プラスミドもしくはビヒクルを意味する。クローン化遺伝子、すなわち挿入された核酸配列は、通常はプロモーター、最小プロモーター、エンハンサー等の制御エレメントの制御下に置かれる。所望の宿主細胞内の核酸の発現を駆動させるために有用である開始制御領域またはプロモーターは多数あり、当業者にはよく知られている。本発明のためには以下のものを含むがそれらに限定されないこれらの遺伝子を駆動させることのできる実質的に任意のプロモーターが適切である:ウイルスプロモーター、細菌プロモーター、動物プロモーター、哺乳動物プロモーター、合成プロモーター、構成性プロモーター、組織特異的プロモーター、発達特異的プロモーター、誘導性プロモーター、光調節プロモーター;CYC1、HIS3、GAL1、GAL4、GAL10、ADH1、PGK、PHO5、GAPDH、ADC1、TRP1、URA3、LEU2、ENO、TPI、アルカリホスファターゼプロモーター(サッカロミセス(Saccharomyces)内での発現のために有用);AOX1プロモーター(ピチア(Pichia)属内での発現のために有用;β−ラクタマーゼ、lac、ara、tet、trp、IP、IP、T7、tac、およびtrcプロモーター(大腸菌(Escherichia coli)内での発現のために有用);光調節−、種特異的−、花粉特異的−、子房特異的、病原もしくは疾患関連性、カリフラワーモザイクウイルス35S、CMV 35S最小、カサバ葉脈モザイクウイルス(CsVMV)、クロロフィルa/b結合タンパク質、リブロース1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ、シュート(苗条)特異的、根特異的、キチナーゼ、ストレス誘導性、イネツングロ杵状ウイルス、植物スーパープロモーター、ジャガイモロイシンアミノペプチダーゼ、ナイトレートリダクターゼ、マンノピンシンターゼ、ノパリンシンターゼ、ユビキチン、ゼインタンパク質、およびアントシアニンプロモーター(植物細胞内での発現のために有用);当技術分野において知られている動物および哺乳動物プロモーターには、SV40初期(SV40e)プロモーター領域、ラウス肉腫ウイルス(RSV)の3’ロングターミナルリピート(LTR)内に含まれるプロモーター、アデノウイルス(Ad)のE1Aもしくは主要後期プロモーター(MLP)遺伝子のプロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)初期プロモーター、単純ヘルペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ(TK)プロモーター、バキュロウイルスIE1プロモーター、伸長因子1α(EF1)プロモーター、ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)プロモーター、ユビキチン(Ubc)プロモーター、アルブミンプロモーター、マウスメタロチオネイン−Lプロモーターおよび転写制御領域の調節配列、ユビキタスプロモーター(HPRT、ビメンチン、α−アクチン、ツブリン等)、中間フィラメントのプロモーター(デスミン、神経フィラメント、ケラチン、GFAP等)、治療用遺伝子のプロモーター(MDR、CFTRもしくは第VIII因子タイプ等の)、病原もしくは疾患関連プロモーター、および例えば膵臓腺房細胞において活性なエラスターゼI遺伝子制御領域、膵臓β細胞において活性なインスリン遺伝子制御領域、リンパ球において活性な免疫グロブリン遺伝子制御領域、精巣、乳房、リンパ球および肥満細胞内で活性なマウス乳腺癌ウイルス制御領域;アルブミン遺伝子、肝臓において活性なApo AIおよびApo AII制御領域、肝臓において活性なα−フェトタンパク質遺伝子制御領域、肝臓において活性なα1−アンチトリプシン遺伝子制御領域、骨髄性細胞において活性なβ−グロビン遺伝子制御領域、脳内の乏突起膠細胞胞中で活性なミエリン塩基性タンパク質遺伝子制御領域、骨格筋において活性なミオシン軽鎖−2遺伝子制御領域、および視床下部において活性なゴナドトロピン放出ホルモン遺伝子制御領域のような組織特異性を示しトランスジェニック動物において利用されてきたプロモーター、ピルビン酸キナーゼプロモーター、ビリンプロモーター、脂肪酸結合腸タンパク質のプロモーター、平滑筋細胞α−アクチンのプロモーター等が含まれるがそれらに限定されない。さらに、これらの発現配列はエンハンサーもしくは調節配列等を付加することによって修飾することができる。
【0083】
本発明の実施形態において使用できるエンハンサーには、以下のものが含まれるがそれらに限定されない:SV40エンハンサー、サイトメガロウイルス(CMV)エンハンサー、伸長因子1(EF1)エンハンサー、酵母エンハンサー、ウイルス遺伝子エンハンサー等。
【0084】
終結制御領域、すなわちターミネーター配列もしくはポリアデニル化配列は、さらにまた好ましい宿主にとって自然な様々な遺伝子に由来することもできる。場合によっては、終結部位が不要になることがあるが、しかし含まれていれば最も好ましい。本発明の好ましい実施形態では、終結制御領域は合成配列、合成ポリアデニル化シグナル、SV40後期ポリアデニル化シグナル、SV40ポリアデニル化シグナル、ウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナル、ウイルスターミネーター配列等を含むことができる、またはそれらに由来することができる。
【0085】
用語「3’非コード配列」または「3’非翻訳領域(UTR)」とは、コード配列の下流(3’)に位置するDNA配列を意味しており、ポリアデニル化「ポリ(A)」認識配列およびmRNAプロセッシングまたは遺伝子発現に影響を及ぼすことのできる調節シグナルをコードするその他の配列を含んでいてよい。ポリアデニル化シグナルは、通常はmRNA前駆体の3’末端へのポリアデニル酸領域の付加に影響を及ぼすことによって特徴付けられる。
【0086】
「調節領域」は、第2核酸配列の発現を調節する核酸配列を意味する。調節領域は、特定核酸を発現することについて、天然でその役割を担っている配列(相同領域)を含んでいてよい、または異なるタンパク質もしくは合成タンパク質さえの発現についてその役割を担っている相違する起源の配列(非相同領域)を含んでいてよい。特に、これらの配列は原核生物、真核生物、またはウイルス遺伝子の配列であってよい、または特異的方法で、若しくは非特異的方法で、そして誘導性もしくは非誘導性方法で遺伝子の転写を刺激もしくは抑制する配列に由来することができる。調節領域は、複製起点、RNAスプライス部位、プロモーター、エンハンサー、転写終結配列、および標的細胞の分泌経路へ該ポリペプチドを方向付けるシグナル配列を含有している。
【0087】
「非相同起源」からの調節領域は、発現した核酸と自然には結び付いていない調節領域である。特に非相同調節領域に含まれるのは、相違する種からの調節領域、相違する遺伝子からの調節領域、ハイブリッド調節配列、および自然には発生しないが当業者によって設計された調節配列が含まれる。
【0088】
「RNA転写体」とは、DNA配列のRNAポリメラーゼ触媒転写の結果として発生する産物を意味する。RNA転写体がDNA配列の完全相補的コピーである場合、RNA転写対は一次転写体と呼ばれる、または一次転写体の転写後プロセッシングから引き出されたRNA配列であってよく、成熟RNAと呼ばれる。「メッセンジャーRNA(mRNA)」とは、イントロンを備えていない、そして細胞によってタンパク質内に翻訳できるRNAを意味する。「cDNA」とは、mRNAに対して相補的でそれから引き出された二本鎖DNAを意味する。「センス」RNAとは、mRNAを含む、そして細胞によってタンパク質に翻訳できるRNA転写体を意味する。「アンチセンスRNA」とは、標的一次転写体もしくはmRNAの全部もしくは一部に対して相補的であり、標的遺伝子の発現を遮断するRNA転写体を意味する。アンチセンスRNAの相補性は、特異的遺伝子転写体、すなわち5’非コード配列、3’非コード配列、またはコード配列のいずれかの一部であることができる。「機能的RNA」とは、アンチセンスRNA、リボザイムRNA、または翻訳はされていないがまだ細胞プロセスに影響を及ぼすその他のRNAを意味する。
【0089】
「ポリペプチド」は共有結合したアミノ酸残基を含んでなるポリマー化合物である。アミノ酸は以下の一般構造を有する:
【0090】
【化1】
Figure 2005507247
【0091】
アミノ酸は、側鎖Rに基づいて7群に分類される:(1)脂肪族側鎖、(2)ヒドロキシル(OH)基を含有する側鎖、(3)硫黄原子を含有する側鎖、(4)酸性もしくはアミド基を含有する側鎖、(5)塩基性基を含有する側鎖、(6)芳香族環を含有する側鎖、および(7)側鎖がアミノ基に融合しているイミノ酸であるプロリン。本発明のポリペプチドは、好ましくは少なくとも約14アミノ酸を含む。
【0092】
「タンパク質」は、生きている細胞内で構造的もしくは機能的役割を実施するポリペプチドである。
【0093】
「単離ポリペプチド」もしくは「単離タンパク質」は、通常はその自然状態においてそれらと結び付いているそれらの化合物(例えば、他のタンパク質もしくはポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質)を実質的に含まないポリペプチドもしくはタンパク質である。「単離(された)」は、他の化合物との人工もしくは合成混合物、または生物学的活性を妨害しない、そして例えば不完全な精製、安定剤の添加、または医薬上許容される調製物内への複合を原因として存在することがある不純物の存在を排除することは意図されていない。
【0094】
本発明によるポリペプチドの「フラグメント」は、それのアミノ酸配列が参照ポリペプチドのアミノ酸配列より短い、そしてこれらの参照ポリペプチドを含む全部分に渡って同一アミノ酸配列を含むポリペプチドを意味すると理解される。このようなフラグメントは、適切な場合はそれらが一部である、より大きなポリペプチドに含まれていてよい。本発明によるポリペプチドのこのようなフラグメントは、少なくとも2〜300アミノ酸の長さを有していてよい。
【0095】
「非相同タンパク質」とは、細胞内で自然には生成しないタンパク質を意味する。
【0096】
「成熟タンパク質」とは、翻訳後プロセシングされたポリペプチド、すなわち、一次翻訳産物中に存在するあらゆるプレペプチドもしくはプロペプチドが取り除かれているポリペプチドを意味する。「前駆体」タンパク質とは、mRNAの一次翻訳産物を意味する、すなわちまだプレペプチドおよびプロペプチドが存在する。プレペプチドおよびプロペプチドは細胞内局在化シグナルであってよいが、それらに限定されない。
【0097】
用語「シグナルペプチド」は、分泌成熟タンパク質に先行するアミノ末端ポリペプチドを意味する。シグナルペプチドは成熟タンパク質から開裂されるので、このため成熟タンパク質内には存在しない。シグナルペプチドは細胞膜を横断して分泌タンパク質を方向付けて移動させる機能を有する。シグナルペプチドは、シグナルタンパク質とも呼ばれる。
【0098】
「シグナル配列」は、細胞の表面上で発現するタンパク質のコード配列の先頭に含まれる。この配列は、宿主細胞にポリペプチドを移動させるように指示する、成熟ポリペプチドへのN−末端にあるシグナルペプチドをコードする。用語「転位(translocation)シグナル配列」は、ここではこの種のシグナル配列を意味するために使用する。転位シグナル配列は、真核生物および原核生物にとって自然である様々なタンパク質と結び付いて見いだされ、多くの場合に両方のタイプの生物において機能的である。
【0099】
用語「相同性」とは、2つのポリヌクレオチド間または2つのポリペプチド部分間の同一性パーセントを意味する。1つの部分からの配列と、他の成分との配列間の対応は、当技術分野において知られている方法によって決定できる。例えば、相同性は配列情報をアラインメントし、そして容易に利用できるコンピュータープログラムを使用することによって、2つのポリペプチド分子間の配列情報の直接比較によって決定できる。あるいはまた、相同性は相同領域間で安定な二本鎖を形成する条件下でのポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション、その後の一本鎖特異的ヌクレアーゼを用いた消化および消化されたフラグメントのサイズ決定によって決定できる。
【0100】
ここで使用するあらゆるその文法的な形および綴り上の変形を含む用語「相同の」とは、スーパーファミリー(例、免疫グロブリンスーパーファミリー)からのタンパク質および相違する種からの相同タンパク質(例、ミオシン軽鎖等)をはじめとする、「共通進化起源」を有するタンパク質間の関係を意味する(Reeckら, 1987, Cell 50:667)。このようなタンパク質(およびそれらがコードする遺伝子)は、それらの高度の配列類似性によって反映されるような配列相同性を有する。しかし、一般的使用および本出願では、用語「相同」は、「高度に」のような副詞を用いて修飾される場合は、配列類似性を意味して、共通進化起源を意味しなくてもよい。
【0101】
したがって、すべてのその文法的な形での「配列類似性」は、共通進化起源を共有する、または共有しないタンパク質の核酸もしくはアミノ酸配列間の同一性または対応の程度を意味する(Reeckら, 1987, Cell 50:667を参照)。
【0102】
特定実施形態では、2つのDNA配列は、ヌクレオチドの少なくとも約50%(好ましくは少なくとも約75%、および最も好ましくは少なくとも約90もしくは95%)がDNA配列の規定長に渡って一致する場合に「実質的相同」または「実質的類似」である。実質的相同である配列は、例えば特定系について定義されたストリンジェンシー条件下で、配列データバンクまたはサザンハイブリダイゼーション実験で利用できる標準ソフトウエアを使用して配列を比較することによって同定できる。適切なハイブリダイゼーション条件を規定することは、当技術分野の技能の範囲内である。例えば、Sambrookら, 1989, 上記を参照。
【0103】
ここで使用する「実質的類似」とは、1つ以上のヌクレオチド塩基における変化は1つ以上のアミノ酸の置換を生じさせるが、DNA配列によってコードされたタンパク質の機能的特性には影響を及ぼさないような、核酸フラグメントに関する。「実質的類似」は、1つ以上のヌクレオチド塩基における変化はアンチセンスもしくは共抑制テクノロジーによる遺伝子発現の変化を媒介する核酸フラグメントの能力には影響を及ぼさないような、核酸フラグメントにも関する。「実質的類似」は、結果として生じる転写体の機能的特性へ実質的に影響を及ぼさない1つ以上のヌクレオチド塩基の欠失もしくは挿入のような本発明の核酸フラグメントの修飾にも関する。このため、本発明は特定の代表的配列より多くのものを含むと理解されている。提案された修飾の各々は、コードされた産物の生物学的活性の保持の決定のような当技術分野における日常的技術の範囲内である。
【0104】
さらに、当業者は、本発明に含まれる実質的類似配列はさらにまたそれらが、ここに例示した配列を用いてストリンジェンシー条件(0.1×SSC、0.1% SDS、65℃でのハイブリダイゼーションおよび2×SSC、0.1% SDS、その後に0.1×SSC、0.1% SDSによる洗浄)下で、ハイブリダイズする能力によって規定されることを認識している。本発明の実質的類似核酸フラグメントは、それらのDNA配列がここに報告した核酸フラグメントのDNA配列と少なくとも70%同一である核酸フラグメントである。本発明の好ましい実質的核酸フラグメントは、それらのDNA配列がここに報告した核酸フラグメントのDNA配列と少なくとも80%同一である核酸フラグメントである。より好ましい核酸フラグメントは、ここに報告した核酸フラグメントのDNA配列に少なくとも90%同一である。さらにより好ましい核酸フラグメントは、ここに報告した核酸フラグメントのDNA配列に少なくとも95%同一である。
【0105】
2つのアミノ酸配列は、アミノ酸配列の約40%超が同一である、または60%超が類似(機能的に同一)である場合に「実質的相同」または「実質的類似」である。好ましくは、類似もしくは相同配列は、例えばGCG(Genetics Computer Group、GCGパッケージのためのプログラムマニュアル、バージョン7、マディソン、ウィスコンシン州)パイルアッププログラムを使用したアラインメントによって同定される。
【0106】
用語「〜に対応する」は、それに対する類似性もしくは相同性が測定される分子と正確な位置が同一であるか、または相違するかにかかわらず、ここでは類似もしくは相同配列を言及するために使用する。核酸もしくはアミノ酸配列アラインメントはスペースを含有することがある。そこで、用語「〜に対応する」は、配列類似性に関するものでアミノ酸残基またはヌクレオチド塩基の数には関連しない。
【0107】
アミノ酸もしくはヌクレオチド配列の「実質的部分」は、当業者による配列の手動評価、またはコンピュータによる自動配列比較および例えばBLAST(Basic Local Alignment Search Tool;Altschul, S.F.ら, (1993) J Mol. Biol. 215:403−410;さらにwww.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/も参照されたい)のようなアルゴリズムを使用する同定のいずれかによってそのポリペプチドもしくは遺伝子を推定上同定するために十分なポリペプチドのアミノ酸配列または遺伝子のヌクレオチド配列を含む。一般に、ポリペプチドもしくは核酸配列を既知のタンパク質もしくは遺伝子と相同であると推定上同定するためには10個以上の連続アミノ酸または30個以上のヌクレオチドの配列が必要である。さらに、ヌクレオチド配列に関して、20〜30連続ヌクレオチドを含む遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブは遺伝子同定(例、サザンハイブリダイゼーション)および単離(例、細菌コロニーもしくはバクテリオファージプラークのインサイチューハイブリダイゼーション)の配列依存方法において使用できる。さらに、12〜15塩基の短いオリゴヌクレオチドは、プライマーを含む特定核酸フラグメントを入手するためにPCRにおける増幅プライマーとして使用できる。したがって、ヌクレオチド配列の「実質的部分」は該配列を含む核酸フラグメントを特別に同定および/または単離するために十分な配列を含む。
【0108】
当技術分野において知られている用語「同一性パーセント」とは、配列を比較することによって決定されるような2つ以上のポリペプチド配列間または2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関係である。当技術分野では、「同一性」はさらにまた、場合によっては、このような配列の鎖間の一致によって決定されるような、ポリペプチドもしくはポリヌクレオチド配列間の配列関連度も意味する。「同一性」および「類似性」は、以下に記載されているものを含むがそれらに限定されないよく知られた方法によって容易に計算できる:「計算分子生物学(Computational Molecular Biology)」(Lesk, A.M.編集),Oxford University Press、ニューヨーク(1988);「生物計算:インフォーマティクスおよびゲノムプロジェクト(Biocomputing:Informatics and Genome Projects)」(Smith, D.W.編集),Academic Press、ニューヨーク(1993);「配列データのコンピューター解析、第I部(Computer Analysis of Sequence Data, Part I)」(Griffin, A.M., and Griffin, H.G.編集),Humana Press、ニュージャージー(1994);「分子生物学における配列解析(Sequence Analysis in Molecular Biology)」(von Heinje, G.編集),Academic Press(1987);および「配列解析プライマー(Sequence Analysis Primer)」(Gribslcov, M. and Devereux, J.編集),Stockton Press、ニューヨーク(1991)。同一性を決定するための好ましい方法は、試験される配列間の最高の一致を与えるように設計される。同一性および類似性を決定する方法は、公然と入手できるコンピュータプログラムに体系化されている。配列アラインメントおよび同一性パーセント計算は、LASERGENE bioinformatics computing suite(DNASTAR 社、マディソン、ウィスコンシン州)のMegalignプログラムを使用して実施できる。配列のマルチプルアラインメントはデフォルトパラメーター(ギャップペナルティ=10、ギャップ長ペナルティー=10)を用いるClustalアライメント法(Higgins and Sharp(1989)CABIOS. 5:151−153)を使用して実施できる。Clustal法を使用したペアワイズアラインメントのためのデフォルトパラメーターを選択できる:KTUPLE 1、ギャップペナルティ=3、ウィンドウ=5およびダイアゴナルズ セイブド=5。
【0109】
用語「配列解析ソフトウエア」は、ヌクレオチドまたはアミノ酸配列の解析のために有用であるあらゆるコンピューターアルゴリズムまたはソフトウエアプログラムを意味している。「配列解析ソフトウエア」は、市販で入手できる、または独立して開発できる。典型的な配列解析ソフトウエアは、GCGプログラム一式(ウィスコンシンパッケージバージョン9.0, Genetics Computer Group(GCG)、マディソン、ウィスコンシン州)、 BLASTP、BLASTN、BLASTX(Altschulら, J.Mol. Biol. 215:403−410(1990)、およびDNASTAR(DNASTAR, Inc. 1228 S. Park St.、マディソン、ウィスコンシン州53715、米国)を含むが、それらに限定されない。本出願の状況内では、解析のために配列解析ソフトウエアが使用される場合は、他に規定されていない限り、解析の結果は参照されたプログラムの「デフォルト値」に基づくと理解される。ここで使用する「デフォルト値」は、最初に初期化されるときに最初にソフトウエアを用いてロードされる数値もしくはパラメータのセットを意味する。
【0110】
「合成遺伝子」は、当業者に知られている方法を使用して化学合成されているオリゴヌクレオチド構築ブロックから組み立てることができる。これらの構築ブロックは、全遺伝子を構築する目的で酵素的に組み立てられる遺伝子セグメントを形成するようにライゲーションおよびアニール化される。DNA配列に関連した「化学合成(された)」は、構成要素ヌクレオチドがインビトロで組み立てられたことを意味する。DNAの手動化学合成は、明確に確立された方法を使用して遂行できる、または自動化学合成は多数の市販で入手できる機械の1つを使用して実施できる。したがって、遺伝子は宿主細胞のコドンバイアスを反映させるためにヌクレオチド配列の最適化に基づく最適遺伝子発現のために仕立てることができる。当業者であれば、コドン使用が宿主の好むコドンに向かって偏っていれば遺伝子発現が成功する可能性を理解する。好ましいコドンの決定は、配列情報を入手できる宿主細胞から引き出された遺伝子の調査に基づくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0111】
コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
本発明は、全長コナジラミエクジソン受容体タンパク質、およびそれらのいずれかのコナジラミエクジソン受容体特異的フラグメントを含む、本発明のコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードする新規ポリヌクレオチドを提供する。
【0112】
本発明の特定実施形態によると、新規エクジソン受容体ポリペプチドの部分をコードする核酸配列が解明され、特徴付けられている。詳細には、コナジラミからの同翅目エクジソン受容体BaEcRをコードするポリヌクレオチドが特徴付けられている。全長コード配列が決定され、ここでは配列番号:1のヌクレオチド102〜1349として提示されている。さらに、全長BaEcRポリペプチドをコードするこのポリヌクレオチド内のドメインが画定され、ここでは表1に記載したように提示されている。
【0113】
表1.コナジラミエクジソン受容体(「BaEcR」)の様々なドメインおよびヘリックスに対応するヌクレオチドおよびアミノ酸配列。
【0114】
【表1】
Figure 2005507247
【0115】
そこで、本発明の第1主題は、新規エクジソン受容体ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドに関する。より詳細には、本発明は、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドに関する。特定実施形態では、単離ポリヌクレオチドは、配列番号:1、配列番号:1のヌクレオチド102〜1349、配列番号:1のヌクレオチド102〜258、配列番号:1のヌクレオチド259〜457、配列番号:1のヌクレオチド458〜677、配列番号:1のヌクレオチド678〜1349、配列番号:1のヌクレオチド259〜1349、配列番号:1のヌクレオチド458〜1349、および配列番号:1のヌクレオチド648〜1349からなる群から選択された核酸配列を含む。また別の特定実施形態では、単離ポリヌクレオチドは配列番号:1に記載の核酸配列を含む。また別の特定実施形態では、単離ポリヌクレオチドは配列番号:1のヌクレオチド102〜1349に記載の核酸配列を含む。また別の特定実施形態では、単離ポリヌクレオチドは宿主細胞内のポリペプチドの発現を許容する領域をさらに含む。
【0116】
本発明はさらにまた、配列番号:2、配列番号:2のアミノ酸1〜52、配列番号:2のアミノ酸53〜118、配列番号:2のアミノ酸119〜192、配列番号:2のアミノ酸193〜416、配列番号:2のアミノ酸53〜416、配列番号:2のアミノ酸119〜416、および配列番号:2のアミノ酸183〜416からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドに関する。特定実施形態では、単離ポリヌクレオチドは配列番号:2に記載のアミノ酸配列を含むコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードする。
【0117】
本発明は、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードする新規単離ポリヌクレオチドを提供する。このエクジソン受容体の配列および構造が解明されたので、リガンド結合ドメインを含むコナジラミ受容体ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドを個別に、または組み合わせて使用すると、このリガンド結合ドメインに結合する新規リガンドについてスクリーニングすることができる。そこで、例えば本発明によるエクジソン受容体ポリペプチドを使用すると、それに対して感受性アッセイが存在するレポーター遺伝子の発現を制御することができる。リガンド結合ドメインは、コナジラミエクジソン受容体のアゴニストまたはアンタゴニストのどちらかとして有用である新規分子をスクリーニングするための試薬として機能することができる。新規クラスの分子をスクリーニングできる、または既知のリガンドからの選択された修飾を使用できる。これらの新規リガンドは高度に特異的かつ高度に活性な天然由来殺虫剤として利用される。そこで、本発明は新規リガンド分子に対するスクリーニングを提供する。
【0118】
本発明のポリヌクレオチドは、Bameciaおよびその他の遺伝的起源の両方での相同核酸配列に対するスクリーニング用プローブも提供する。このスクリーニングは、脊椎動物および無脊椎動物両方からの相同遺伝子の単離を許容する。
【0119】
したがって、いずれかのコナジラミ細胞はコナジラミエクジソン受容体ポリヌクレオチドの分子クローニングのための核酸起源として潜在的に役立つことができる。ポリヌクレオチドは、当技術分野において知られている標準方法によってクローン化DNA(例、DNA「ライブラリー」)から入手でき、そして好ましくはタンパク質の高レベル発現を備える組織から調製されたcDNAライブラリーから化学合成、cDNAクローニング、または所望の細胞から精製されたゲノムDNAもしくはそのフラグメントのクローニングによって入手される(例えばSambrookら, 1989,上記;Glover, D.M.(編集), 1985,「DNAクローニング:実用的アプローチ(DNA Cloning:A Practical Approach)」,MRL Press, Ltd.,オックスフォード、英国、第I、II巻)。ゲノムDNAから引き出されたクローンは、コード領域に加えて調節およびイントロンDNA領域を含んでいてよい;cDNAから引き出されたクローンはイントロン配列を備えていない。起源が何であっても、ポリヌクレオチドは該ポリヌクレオチドを増幅させるために適切なベクター内へ分子クローン化されなければならない。
【0120】
DNAフラグメントが生成されると、所望のコナジラミエクジソン受容体ポリヌクレオチドを含有する特定DNAフラグメントの同定は多数の方法で遂行できる。例えば、DNAフラグメントは標識されたプローブへの核酸ハイブリダイゼーションによってスクリーニングできる(Benton and Davis, 1977, Science 196:180;Grunstein and Hogness, 1975, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 72:3961)。プローブへの実質的相同性を備えるそれらのDNAフラグメントはハイブリダイズするであろう。上述のように、相同性の程度が大きければ大きいほど、よりストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を使用できる。
【0121】
より詳細な選択は、該ポリヌクレオチドが等電性かつ電気泳動性のアミノ酸組成を有するポリペプチド、またはここに開示したようにコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドの部分アミノ酸配列をコードする場合は、該ポリヌクレオチドの特性に基づいて実施できる。そこで、該ポリヌクレオチドの存在はその発現産物の物理的、化学的、または免疫学的特性に基づいたアッセイによって検出できる。例えば、cDNAクローン、または適正なmRNAをハイブリッド選択するDNAクローンは、例えばコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドに対して知られているような、類似もしくは同一の電気泳動、等電点電気泳動もしくは非平衡pHゲル電気泳動挙動、タンパク質分解マップ、または抗原特性を有するポリペプチドを生成するように選択できる。特定実施形態では、発現したポリペプチドは、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドに対して特異的なエピトープに対して生成されるポリクローナル抗体によって認識される。
【0122】
ヌクレオチドコード配列の縮退のために、単一アミノ酸変異を含有するアミノ酸配列を含むここに開示したコナジラミエクジソン受容体ポリヌクレオチドと実質的同一なアミノ酸配列をコードする他のポリヌクレオチドは、本発明の実践において使用できる。これらには、配列内の同一アミノ酸残基をコードする異なるコドンの置換によって変化させられる、したがってサイレント変化を生じさせるコナジラミエクジソン受容体ポリヌクレオチドの全部もしくは部分を含む対立遺伝子、他の種からの相同遺伝子、およびヌクレオチド配列が含まれるがそれらに限定されない。同様に、本発明のコナジラミエクジソン受容体誘導体には、一次アミノ酸配列として、その中で機能的同等のアミノ酸残基が配列内の残基と置換されて結果として保存的アミノ酸置換が生じている変化した配列を含むコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドのアミノ酸配列の全部もしくは部分を含むものが含まれるがそれらに限定されない。例えば、配列内の1つ以上のアミノ酸残基は類似のポラリティーの別のアミノ酸によって置換され得るが、これは機能的等価物として機能し、サイレント変化を生じさせる。配列内のアミノ酸に対する置換基は、該アミノ酸が属するクラスの他のメンバーから選択されてよい。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸にはアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびメチオニンが含まれる。芳香族環構造を含有するアミノ酸は、フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンである。極性中性アミノ酸には、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、およびグルタミンが含まれる。正荷電(塩基性)アミノ酸にはアルギニン、リシンおよびヒスチジンが含まれる。負荷電(酸性)アミノ酸にはアスパラギン酸およびグルタミン酸が含まれる。このような変化は、当技術分野において知られている様々な方法によって作り出すことができ(Sambrookら, 1989,下記)、そしてポリアクリルアミドゲル電気泳動、または等電点によって測定されるような見かけの分子量に影響を及ぼさないと予想される。
【0123】
本発明は、さらにまた本発明によるポリヌクレオチドによってコードされる単離コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドに関する。
【0124】
コナジラミエクジソン受容体ポリペプチド
本発明は、全長コナジラミエクジソン受容体タンパク質、およびそれらのいずれかのコナジラミエクジソン受容体特異的ポリペプチドフラグメントを含む、新規単離コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドを提供する。
【0125】
そこで、本発明は、単離エクジソン受容体ポリペプチドに関する。より詳細には、本発明は、単離コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドに関する。特定実施形態では、該単離エクジソン受容体ポリペプチドは配列番号:2、配列番号:2のアミノ酸1〜52、配列番号:2のアミノ酸53〜118、配列番号:2のアミノ酸119〜192、配列番号:2のアミノ酸193〜416、配列番号:2のアミノ酸53〜416、配列番号:2のアミノ酸119〜416、および配列番号:2のアミノ酸183〜416からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。また別の特定実施形態では、該単離エクジソン受容体ポリペプチドは配列番号:2に記載のアミノ酸配列を含む。
【0126】
また別の特定実施形態では、該単離エクジソン受容体ポリペプチドは、配列番号:1、配列番号:1のヌクレオチド102〜1349、配列番号:1のヌクレオチド102〜258、配列番号:1のヌクレオチド259〜457、配列番号:1のヌクレオチド458〜677、配列番号:1のヌクレオチド678〜1349、配列番号:1のヌクレオチド259〜1349、配列番号:1のヌクレオチド458〜1349、および配列番号:1のヌクレオチド648〜1349からなる群から選択された核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。また別の特定実施形態では、該単離エクジソン受容体ポリペプチドは配列番号:1に記載の核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。また別の特定実施形態では、該単離エクジソン受容体ポリペプチドは配列番号:1のヌクレオチド102〜1349に記載の核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。
【0127】
当業者であれば、本発明およびここに記載された遺伝子コードの縮退もしくは非普遍性を利用することによって、本発明のポリペプチドをコードするために他のポリヌクレオチドを生成することができる。
【0128】
本発明の追加実施形態には本発明によるエクジソン受容体ポリペプチドが含まれるが、このとき該エクジソン受容体ポリペプチドは天然で関連する細胞成分を実質的に含まない。このようなポリペプチドは、典型的には非相同、もしくは通常は非隣接のタンパク質ドメインへ融合した本発明のエクジソン受容体ポリペプチドからのセグメントを含む全長タンパク質、機能的フラグメント、または融合タンパク質のいずれかであってよい。好ましくは、該エクジソン受容体ポリペプチドは、トランス活性化ドメイン、DNA結合ドメイン、リガンド結合ドメイン、ヒンジ領域、またはヘテロダイマー化ドメインを含む。より好ましくは、該エクジソン受容体ポリペプチドは、ステロイドリガンドおよび非ステロイドリガンドからなる群から選択されたリガンドへ結合することのできるリガンド結合ドメインを含む。所望であれば、該エクジソン受容体ポリペプチドはハイブリッドポリペプチドを生成させるために第2ポリペプチドへ融合させてよい。好ましくは、第2ポリペプチドはステロイドホルモン核受容体スーパーファミリーからの非相同ポリペプチドである。
【0129】
実質的全長ポリペプチドの他に、本発明は該ポリペプチドの生物学的活性フラグメントを提供する。重大な生物学的活性には、トランス活性化活性、リガンド結合、DNA結合、ヘテロダイマー化活性、免疫学的活性およびその他のステロイド受容体スーパーファミリーメンバーに特徴的な生物学的活性が含まれる。免疫学的活性には、標的免疫系中での免疫学的機能、ならびにエクジソン受容体エピトープにとってのコンペティターまたは代替抗原のいずれかとして機能する結合のための免疫学的エピトープの共有の両方が含まれる。
【0130】
例えば、トランス活性化、リガンド結合、またはDNA結合ドメインは、異なる新規融合ポリペプチドまたはフラグメントの間で「スワッピング」されてよい。そこで、新規の特異性の組み合わせを示す新規ハイブリッドポリペプチドは、トランス活性化、リガンド結合特異性、またはDNA結合ドメインの機能的連結の結果として生じる。これは、誘導性発現系の設計において特別に有用である。
【0131】
免疫学的目的では、免疫原はポリペプチドセグメントをタンデムに繰返素ことにより生成でき、それによって高度に抗原性のタンパク質を生成する。あるいはまた、そのようなポリペプチドは特異的結合のための高度に効率的なコンペティターとして機能するであろう。BaEcRに対する抗体の生成については以下で記載する。
【0132】
本発明は、さらにまたBaEcRのフラグメントを含む他のポリペプチドも提供する。そこで、BaEcRセグメントと他の相同もしくは非相同タンパク質の間の融合ポリペプチドが提供される。相同ポリペプチドは、例えば1メンバーのリガンド特異性および他のメンバーのDNA結合特異性を示すハイブリッドタンパク質を生じさせるような相違するステロイド受容体スーパーファミリーメンバー間の融合であってよい。同様に、誘導タンパク質の特性または活性の組み合わせを示すような非相同融合が構築されてもよい。典型的な例は、所望のリガンドの存在もしくは位置を容易に決定できるように、例えばルシフェラーゼのようなレポーターポリペプチドと例えばDNA結合ドメインのような受容体の他のドメインとの融合である。例えば、参照してここに組み込まれるDullらの米国特許第4,859,609号を参照されたい。その他の典型的遺伝子融合パートナーには、DNA結合タンパク質間の「亜鉛フィンガー」セグメントスワッピング、細菌β−ガラクトシダーゼ、trpEタンパク質A、β−ラクタマーゼ、α−アミラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼおよび酵母α交配因子が含まれる。例えば、Godowskiら(1988), Science 241:812−816を参照。
【0133】
そこで、本発明はさらにまたa)トランス活性化ドメイン、DNA結合ドメイン、およびコナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインを含む単離ポリペプチドと;b)DNA結合ドメインおよびコナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインを含む単離ポリペプチドと;およびc)トランス活性化ドメインおよびコナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインを含む単離ポリペプチドとからなる群から選択された単離ポリペプチドを提供する。好ましくは、該コナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインは、配列番号:2、配列番号:2のアミノ酸193〜416、配列番号:2のアミノ酸53〜416、配列番号:2のアミノ酸119〜416、および配列番号:2のアミノ酸183〜416からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。また別の好ましい実施形態では、該コナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインは、配列番号:1、配列番号:1のヌクレオチド102〜1349、配列番号:1のヌクレオチド678〜1349、配列番号:1のヌクレオチド259〜1349、配列番号:1のヌクレオチド458〜1349、および配列番号:1のヌクレオチド648〜1349からなる群から選択された核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。
【0134】
そこで、本発明はさらにまたa)トランス活性化ドメイン、DNA結合ドメイン、およびコナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインを含む単離ハイブリッドポリペプチドと;b)DNA結合ドメインおよびコナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインを含む単離ハイブリッドポリペプチドと;およびc)トランス活性化ドメインおよびコナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインを含む単離ハイブリッドポリペプチドとからなる群から選択された単離ハイブリッドポリペプチドを提供する。好ましくは、該コナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインは、配列番号:2、配列番号:2のアミノ酸193〜416、配列番号:2のアミノ酸53〜416、配列番号:2のアミノ酸119〜416、および配列番号:2のアミノ酸183〜416からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。また別の好ましい実施形態では、該コナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインは、配列番号:1、配列番号:1のヌクレオチド102〜1349、配列番号:1のヌクレオチド678〜1349、配列番号:1のヌクレオチド259〜1349、配列番号:1のヌクレオチド458〜1349、および配列番号:1のヌクレオチド648〜1349からなる群から選択された核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。
【0135】
本発明は、さらにまた本発明による単離ポリペプチドを含む組成物に関する。
【0136】
組成物
本発明は、さらにまた本発明による単離ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを含む組成物に関する。このような組成物は、上記に定義したようなコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドまたはポリヌクレオチド、および許容される担体もしくはビヒクルを含むことができる。本発明の組成物は、遺伝子発現変調系または本発明によるリガンドスクリーニングアッセイにおいて使用するための生物学的物質を調製するために特に適合する。そこで、好ましい実施形態では、該組成物はコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。また別の好ましい実施形態では、該組成物は本発明によるコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドを含む。
【0137】
語句「許容される」とは、投与されたときに細胞または生物が生理学的に忍容できる分子実体および組成物に関連する。用語「担体」は、それと一緒に該組成物が投与される希釈剤、アジュバント、付形剤、またはビヒクルを意味する。このような担体は、水、および例えばピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油等のような石油、動物、植物または合成起源のものを含む油のような滅菌液であってよい。許容される担体の例は、食塩液、緩衝食塩液、等張食塩液(例、リン酸一ナトリウムもしくは二ナトリウム、塩化ナトリウム、カリウム、カルシウムもしくはマグネシウム、またはそのような塩の混合物)、リンゲル液、デキストロース、水、滅菌水、グリセロール、エタノール、およびそれらの組み合わせである。1,3−ブタンジオールおよび滅菌不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として便宜的に使用される。合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意のブランドの不揮発性油を使用できる。オレイン酸のような脂肪酸は、注射可能な調製物においても利用される。水もしくは水溶液、食塩水およびデキストロース水溶液およびグリセロール溶液は、好ましくは特に注射溶液のための担体として使用される。適切な医薬用担体は、E.W. Martinによる「レミントンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」に記載されている。本発明の医薬組成物は、局所、経口、非経口、鼻腔内、静脈内、筋肉内、皮下、眼内等への投与のために調製できる。
【0138】
好ましくは、該組成物は注射用調製物のための許容されるビヒクルを含む。このビヒクルは、詳細には、滅菌、等張性食塩溶液(リン酸一ナトリウムもしくは二ナトリウム、塩化ナトリウム、カリウム、カルシウムもしくはマグネシウム等またはそのような塩の混合物)、または適切に滅菌水もしくは生理的食塩液を加えると注射溶液が形成されることを可能にする無水の、特別には凍結乾燥組成物であってよい。好ましい滅菌注射用調製物は、非毒性の非経口的に許容される溶剤もしくは希釈剤中の溶液または懸濁液であってよい。
【0139】
さらにまた別の実施形態では、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチド、または該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組成物は、除放系で送達することができる。例えば、該ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、静脈内注射、埋込型浸透圧ポンプ、経皮的パッチ、リポソーム、またはその他の投与様式を使用して投与することができる。その他の除放系はLangerによるレビュー[Science 249:1527−1533(1990)]の中で考察されている。
【0140】
コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドの発現
受容体ポリペプチドの配列およびそれらをコードするポリヌクレオチドを用いると、大量のコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドを調製できる。細胞内でのベクターの適切な発現によって、高度に効率的な生成を達成することができる。その後、例えば硫酸アンモニウム沈降法、カラムクロマトグラフィー、電気泳動法、遠心分離、結晶化およびその他のような標準精製方法を使用できる。タンパク質精製のために典型的に使用される方法については「酵素学における方法(Methods in Enzymology)」の種々の巻を参照されたい。あるいはまた、一部の実施形態では高度に効率的な生成は必要ではないが、注意深く工学的に作り出された発現系内での既知の誘導タンパク質の存在は極めて貴重である。例えば、発現系内で(3)対応するコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドと一緒に(2)所望の遺伝子配列へ機能的に連結した(1)リガンド応答性エンハンサーまたは応答エレメントの組み合わせは、特に誘導発現系を提供する。典型的には、該発現系は細胞であるが、インビトロ発現系もまた構築することができる。
【0141】
コナジラミエクジソン受容体をコードするポリヌクレオチド、またはそのフラグメント、誘導体もしくはアナログ、またはそれらのキメラタンパク質を含む機能的活性誘導体は、適切な発現ベクター、すなわち挿入されたタンパク質コード配列の転写および翻訳のために必要なエレメントを含むベクターに挿入できる。そこで、本発明のポリヌクレオチドは本発明の発現ベクター内の転写制御配列と機能的に連結している。cDNAおよびゲノム配列のどちらもクローン化して、そのような調節配列の制御下で発現させることができる。発現ベクターは、さらに好ましくは複製起点を含む。
【0142】
本発明の単離ポリヌクレオチドは、いずれか適切なクローニングベクター内に挿入できる。当技術分野において知られている多数のベクター−宿主系を使用できる。考えられるベクターには、プラスミドもしくは修飾ウイルスが含まれるがそれらに限定されず、該ベクター系は使用される宿主細胞と適合しなければならない。ベクターの例には、大腸菌、例えばラムダ誘導体のようなバクテリオファージ、または例えばpGEXベクター、pmal−c、pFLAG等のようなpBR322誘導体もしくはpUCプラスミド誘導体のようなプラスミドが含まれるが、それらに限定されない。クローニングベクター内への挿入は、例えば相補的粘着末端を有するクローニングベクター内へ該ポリヌクレオチドをライゲートすることによって遂行できる。しかし、該ポリヌクレオチドをフラグメント化するために使用する相補的制限部位が該クローニングベクター内に存在しない場合、該ポリヌクレオチドの末端は酵素修飾することができる。あるいはまた、所望の部位はヌクレオチド配列(リンカー)をDNA末端上にライゲートすることによって生成できる;これらのライゲートされたリンカーは制限エンドヌクレアーゼ認識配列をコードする特定の化学合成オリゴヌクレオチドを含んでいてよい。好ましくは、クローン化遺伝子は、クローニング細胞内での増幅、および引き続いてそれが所望の場合には適切な発現細胞系内へ挿入するための精製を提供するシャトルベクタープラスミド上に含有されている。例えば、1つ以上の生物のタイプ内で複製できるベクターであるシャトルベクターが、E. coliプラスミドからの配列を酵母2μプラスミドからの配列と連結することによって大腸菌およびサッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)のどちらでも複製のために調製できる。
【0143】
さらに、本発明は転写調節エレメントへ機能的に連結した本発明によるポリヌクレオチドを含む発現ベクターに関する。好ましくは、該ポリヌクレオチドは発現コンピテント宿主細胞内での核受容体リガンド結合ドメインの発現を許容する発現制御配列と機能的に連結している。発現制御配列は、その中での発現が所望である宿主細胞内で機能的であるプロモーターを含むことができる。該ベクターは、プラスミドDNA分子またはウイルスベクターであってよい。好ましいウイルスベクターには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、およびワクシニアウイルスが含まれる。本発明は、さらにそのゲノム内に本発明によるポリヌクレオチドを含む複製欠損組み換えウイルスに関する。そこで、本発明はさらにまたそのような発現ベクターを含む単離宿主細胞に関するが、このとき転写調節エレメントは宿主細胞内で機能性である。
【0144】
所望の遺伝子は、広い選択範囲内の発現ベクターのいずれかの中に挿入される。適切なベクターおよび細胞系の選択は、所望の産物の制約条件に依存する。典型的な発現ベクターはSambrookら(1989)に記載されている。適切な細胞系は、ATCCのような受託機関から選択できる。その各々が参照してここに組み込まれる「細胞系およびハイブリドーマのATCCカタログ(ATCC Catalogue of Cell Lines and Hybridomas)」(第6版)(1988);「ATCC細胞系、ウイルス、および抗血清(ATCC Cell Lines, Viruses, and Antisera)」を参照されたい。ベクターは、例えばSambrookら(1989)に記載されているような標準形質転換法またはトランスフェクション法によって所望の細胞へ導入される。
【0145】
融合タンパク質は、典型的には組み換え核酸法または合成ポリペプチド法のいずれかによって作製される。核酸操作の技術は、一般には例えば参照してここに組み込まれるSambrookら(1989),「分子クローニング:実験マニュアル(第2版、第1〜3巻)(Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.), Vols. 1−3)」,Cold Spring Harbor Laboratoryに記載されている。ポリペプチドの合成方法は、例えばMerrifield, J. Amer. Chem. Soc. 85:2149−2156(1963)に記載されている。
【0146】
本発明の融合タンパク質を生成するために使用されるヌクレオチド配列は、天然もしくは合成配列に由来することができる。多くの天然遺伝子配列は、適切なプローブを使用してゲノムライブラリーからの様々なcDNAから入手できる。GenBank(商標)、国立衛生研究所を参照されたい。コナジラミエクジソン受容体のための典型的プローブは、標準方法によって表1の配列から選択できる。適切な合成DNAフラグメントは、Beaucage and Carruthers, Tetra. Letts. 22:1859−1862(1981)によって記載されたホスホアミダイト法によって調製できる。二本鎖フラグメントは、その後相補的鎖を合成し、該鎖を適切な条件下で一緒にアニール化することによって、または適切なプライマー配列を備えるDNAポリメラーゼを使用して相補的鎖を付加することによってのいずれかで入手されてよい。
【0147】
所望のコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドフラグメントをコードする天然もしくは合成ポリヌクレオチドフラグメントは、インビトロで細胞培養において導入できる、またはインビトロで細胞培養において発現できる核酸構築体内に組み込まれるであろう。通常は、核酸構築体は酵母もしくは細菌のような単細胞宿主内での複製のために適切であろうが、さらにまたゲノムを用いて、および用いずに、並びにゲノム内に組み入れて、培養された哺乳動物もしくは植物またはその他の真核細胞系へ導入することも意図されてよい。細菌もしくは酵母内へ導入するために調製される核酸構築体には、典型的には宿主によって認識される複製系、所望の受容体ポリペプチドをコードする所定のDNAフラグメント、該ポリペプチドコードセグメントへ機能的に連結した転写および翻訳開始調節配列ならびに該ポリペプチドコードセグメントへ機能的に連結した転写および翻訳終結調節配列が含まれる。転写調節配列には、典型的には該宿主によって認識される非相同エンハンサー、応答エレメント、またはプロモーターが含まれるであろう。適切なプロモーターの選択は宿主に依存するが、trp、lacおよびファージプロモーター、tRNAプロモーターおよびグリコリティック酵素プロモーターのようなプロモーターが知られている。例えば、Sambrookら(1989)を参照。複製系ならびに転写および翻訳調節配列をステロイド受容体DNA配列のための挿入部位と一緒に含む、簡便に入手できる発現ベクターを使用できる。細胞系と発現ベクターとの実行可能な組み合わせの例は、Sambrookら(1989)に記載されている;さらにMetzgerら(1988), Nature 334:31−36も参照されたい。
【0148】
特定の組み換えDNA分子が同定および単離されると、当技術分野において知られている数種の方法を使用して増殖させることができる。適切な宿主系および増殖条件が確立されると、組み換え発現ベクターを大量に増殖かつ調製することができる。上記で説明したように、使用できる発現ベクターには以下のベクターまたはそれらの誘導体が含まれるが、それらに限定されない:ほんの数例を挙げると、ワクシニアウイルスもしくはアデノウイルスのようなヒトもしくは動物ウイルス;バキュロウイルスのような昆虫ウイルス;酵母ベクター;バクテリオファージベクター(例、ラムダ)、およびプラスミドおよびコスミドDNAベクター。
【0149】
さらに、挿入された配列の発現を変調する、または所望の特定方法で遺伝子産物を修飾および処理する宿主細胞株を選択することができる。様々な宿主細胞は、タンパク質の翻訳および翻訳後プロセシングならびに修飾のための特徴的および特異的機構を有している。発現した外来タンパク質の所望の修飾および処理を保証するために、適切な細胞系または宿主系を選択することができる。酵母内での発現は、生物学的活性産物を生成することができる。真核細胞内での発現は、「天然」折りたたみの可能性を増加させることができる。さらに、哺乳動物細胞内での発現は、コナジラミエクジソン受容体活性を再構成するため、または構成するためのツールを提供できる。さらに、様々なベクター/宿主発現系は、様々な程度にタンパク質分解開裂のようなプロセシング反応に影響を及ぼすことができる。
【0150】
ベクターは、例えばトランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、形質導入、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈降、リポフェクション(リソソーム融合)、粒子衝撃、遺伝子銃の使用、またはDNAベクタートランスポーターのような当技術分野において知られている方法によって所望の宿主細胞内へ導入される(例えばWuら, 1992, J. Biol. Chem. 267:963−967;Wu and Wu, 1988, J. Biol. Chem. 263:14621−14624;および1990年3月15日に出願されたHartmutらのカナダ国特許出願第2,012,311号等を参照)。
【0151】
タンパク質の可溶性形態は、培養液を収集する、または洗剤を用いた処理によるように封入体を可溶化することによって、そして所望であれば超音波処理または上述したような他の機械的処理によって入手できる。可溶化もしくは可溶性タンパク質は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE)、等電点電気泳動、二次元ゲル電気泳動、クロマトグラフィー(例、イオン交換、アフィニティ、イムノアフィニティ、およびサイズ排除カラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差(differential solubility)、免疫沈降のような様々な方法を使用して、またはタンパク質精製のための他の標準方法によって単離できる。
【0152】
コナジラミエクジソン受容体ポリヌクレオチドを含むベクターおよび遺伝子発現カセット
そこで、本発明はさらにまた本発明によるコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターに関する。本発明はさらにまた、本発明によるコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子発現カセットに関する。ベクターまたは遺伝子発現カセットに適切に組み込まれている場合の本発明のポリヌクレオチド、およびそれらを含む組成物は、エクジソン受容体に基づく遺伝子発現系における遺伝子発現を調節するために有用である。それらは、いずれかのタイプの細胞もしくは組織中でインビトロまたはインビボでの遺伝子の導入および発現のために使用できる。形質転換は、さらにまた標的とすることができる(特定組織への導入は、特別にはベクターの選択、および特定プロモーターの選択による発現によって決定できる)。本発明のポリヌクレオチドおよびベクターは、有益にも当該ポリペプチドをインビボおよび細胞内で生成するために使用される。
【0153】
本発明のコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、典型的にはプラスミドベクター内で使用される。好ましくは、発現制御配列は、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドを発現させるためにコナジラミエクジソン受容体ポリヌクレオチドコード配列へ機能的に連結されている。発現制御配列は、宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトさせることのできるベクター内のいずれかのエンハンサー、応答エレメント、プロモーター系であってよい。ベクターが適切な宿主内に組み込まれていると、宿主は、用途に依存して、該ポリヌクレオチドの高レベル発現のために適切な条件下で維持される。
【0154】
ポリヌクレオチドは、通常は該配列が発現制御配列へ機能的に連結(すなわち、機能を保証するように配置)された後に宿主内で発現する。これらの発現ベクターは、典型的には宿主染色体DNAのエピソームまたは組み込まれた部分としてのどちらかで宿主生物内で複製可能である。一般に、発現ベクターは、例えばテトラサイクリンもしくはネオマイシンのような、所望のDNA配列で形質転換されたそれらの細胞の検出を許容する選択マーカーを含む(例えば、参照してここに組み込まれる米国特許第4,704,362号を参照)。
【0155】
大腸菌は、本発明のポリヌクレオチドをクローン化するために有用な1つの原核細胞宿主である。その他の使用するために適切な微生物宿主には、枯草菌(Bacillus subtilis)のようなバシラス菌、およびサルモネラ菌(Salmonella)、セラチア菌(Serratia)のような腸内細菌、および様々なシュードモナス菌(Pseudomonas)が含まれる。
【0156】
酵母細胞、昆虫組織培養細胞、鳥細胞等のようなその他の真核細胞を使用できる。好ましくは、本発明のポリペプチドを生成するためには哺乳動物組織細胞培養が使用される(例えば、これにより参照して組み込まれるWinnacker,「遺伝子からクローンへ(From Genes to Clones), VCH Publishers,ニューヨーク(1987)を参照)。酵母および哺乳動物細胞は、エクジソン受容体に対するリガンドへの応答性を付与する分子を自然状態では欠如しているため、コナジラミエクジソン受容体に基づく誘導遺伝子発現系を使用するために好ましい細胞である。
【0157】
発現ベクターは、さらにまた複製起点、プロモーター、エンハンサー、応答エレメント、ならびにリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位および転写終結配列のような必要なプロセシング情報部位のような発現制御配列を含んでいてよい。好ましくは、エンハンサーもしくはプロモーターは、ステロイド受容体をコードする遺伝子と自然に結び付いているものであるが、多くの場合に他のものが同等以上に適切であることが理解されるであろう。その他の好ましい発現制御配列は、SV40、アデノウイルス、ウシ乳頭腫ウイルス等のようなウイルス由来のエンハンサーもしくはプロモーターである。
【0158】
本発明のポリヌクレオチドを含むベクターは、細胞宿主のタイプに依存して変動するよく知られた方法によって宿主細胞内へ導入することができる。例えば、原核細胞のためには一般に塩化カルシウムトランスフェクションが利用されるが、他方他の細胞宿主のためにはリン酸カルシウム処理を使用できる。(例えば、参照してここに組み込まれるSambrookら(1989),「分子クローニング:実験マニュアル(第2版)(Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.)」, Cold Spring Harbor Laboratoryを参照。)用語「形質転換細胞」は、形質転換細胞の子孫も含むことが意図されている。
【0159】
必要な転写および翻訳シグナルは組み換え発現ベクター上に提供できる、またはそれらはコナジラミエクジソン受容体をコードする天然遺伝子および/またはそのフランキング領域によって提供されてもよい。潜在的宿主−ベクター系には、ウイルス(例、ワクシニアウイルス、アデノウイルス等)により感染された哺乳動物細胞系;ウイルス(例、バキュロウイルス)により感染された昆虫細胞系;酵母ベクターを含有する酵母のような微生物;またはバクテリオファージ、DNA、プラスミドDNA、もしくはコスミドDNAを用いて形質転換された細菌が含まれるがそれらに限定されない。ベクターの発現エレメントは、それらの強度および特異性が様々である。利用された宿主−ベクター系に依存して、多数の適切な転写および翻訳エレメントのいずれか1つを使用できる。
【0160】
本発明の組み換えコナジラミエクジソン受容体タンパク質、またはその機能的フラグメント、誘導体、キメラ構築物、もしくはアナログは、組み換えによるコード配列の組み込み後に染色体上で発現できる。これに関連して、高レベルの安定な遺伝子発現を達成するためには多数の増幅系のいずれかを使用できる(Sambrookら, 1989,上記を参照)。
【0161】
コナジラミエクジソン受容体をコードするポリヌクレオチドを含む組み換えベクターが導入された細胞は、該細胞によるコナジラミエクジソン受容体の発現を提供する条件下の適切な細胞培養培地中で培養される。クローニングベクター内へのDNAフラグメントの挿入について以前に記載されたいずれかの方法を使用すると、適切な転写/翻訳制御シグナルおよびタンパク質コード配列からなる遺伝子を含有する発現ベクターを構築することができる。これらの方法には、インビトロ組み換えDNAおよび合成法ならびにインビボ組み換え法(遺伝的組み換え)が含まれてよい。
【0162】
コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、いずれかの調節領域、すなわち当技術分野において知られているプロモーター/エンハンサーエレメントへ機能的に連結して制御されてよいが、これらの調節エレメントは発現のために選択された宿主細胞内で機能的でなければならない。調節領域は、宿主細胞内での機能的転写のためのプロモーター領域、ならびに当該遺伝子の3’に位置し、そして転写終結のためのシグナルおよびポリアデニル化部位を規定する領域を含んでいてよい。これらのエレメント全部が発現カセットを構成する。
【0163】
本発明のコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターは、5種の一般的アプローチによって同定できる:(a)所望のプラスミドDNAもしくは特異的mRNAのPCR増幅、(b)核酸ハイブリダイゼーション、(c)選択マーカー遺伝子機能の存在もしくは不在、(d)適切な制限エンドヌクレアーゼを用いた分析、および(e)挿入配列の発現。第1アプローチでは、核酸は増幅産物の検出を提供するためにPCRによって増幅させることができる。第2アプローチでは、発現ベクター内に挿入された外来遺伝子の存在は、挿入マーカー遺伝子に相同である配列を含むプローブを使用した核酸ハイブリダイゼーションによって検出できる。第3アプローチでは、ベクター内の外来遺伝子の挿入によって惹起された組み換えベクター/宿主系は一定の「選択マーカー」遺伝子機能(例、β−ガラクトシダーゼ活性、チミジンキナーゼ活性、抗生物質に対する耐性、形質転換表現型、バキュロウイルス内での閉塞体形成等)の存在もしくは不在に基づいて同定および選択することができる。別の例では、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードする核酸がベクターの「選択マーカー」遺伝子配列内に挿入されると、コナジラミエクジソン受容体核酸インサートを含む組み換え体を該遺伝子機能の不在によって同定できる。第4アプローチでは、組み換え発現ベクターは適切な制限酵素を用いた消化によって同定される。第5アプローチでは、組み換え発現ベクターは、発現タンパク質が機能的活性な立体配座を保証することを条件に、組み換え体によって発現した遺伝子産物の活性、生化学的または免疫学的特徴をアッセイすることにより同定できる。
【0164】
本発明のDNA配列を発現させる際には、極めて様々な宿主/発現ベクターの組み合わせを使用できる。有用な発現ベクターは、例えば染色体、非染色体および合成DNA配列のセグメントから構成されてよい。適切なベクターには、SV40の誘導体および細菌プラスミド、例えば大腸菌プラスミドのcol E1、pCR1、pBR322、pMa1−C2、pET、pGEX(Smithら, 1988, Gene 67:31−40)、pMB9並びにそれらの誘導体、RP4の様なプラスミド;例えばNM989のような極めて多数のファージ1のようなファージDNA、ならびに例えばM13および線維状一本鎖ファージDNAのような他のファージDNA;2mプラスミドのような酵母プラスミドまたはそれらの誘導体;昆虫もしくは哺乳動物細胞内で有用なベクターのような真核細胞内で有用なベクター;ファージDNAもしくはその他の発現制御配列を使用するために修飾されているプラスミドのようなプラスミドとファージDNAとの組み合わせ由来のベクター等が含まれるがそれらに限定されない。
【0165】
本発明はさらにまた、宿主細胞内で発現することのできる遺伝子発現カセットに関するが、このとき該遺伝子発現カセットは本発明によるコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。そこで、本出願人らの発明はさらにまたエクジソン受容体に基づく遺伝子発現系において有用な新規遺伝子発現カセットを提供する。
【0166】
特定実施形態では、宿主細胞内で発現することのできる遺伝子発現カセットは、a)トランス活性化ドメイン、DNA結合ドメイン、およびコナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインを含むポリペプチド;b)DNA結合ドメインおよびコナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインを含むポリペプチド;およびc)トランス活性化ドメインおよびコナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインを含むポリペプチドからなる群から選択されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0167】
また別の特定実施形態では、本発明は、宿主細胞内で発現することのできる遺伝子発現カセットを提供するが、このとき該遺伝子発現カセットは、a)トランス活性化ドメイン、DNA結合ドメイン、およびコナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインを含むポリペプチド;b)DNA結合ドメインおよびコナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインを含むハイブリッドポリペプチド;およびc)トランス活性化ドメインおよびコナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインを含むポリペプチドからなる群から選択されたハイブリッドポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。本発明によるハイブリッドポリペプチドは少なくとも2つのポリペプチドフラグメントを含むが、このとき各ポリペプチドフラグメントは相違する起源、すなわち相違するポリペプチド、相違する核受容体、相違する種等からである。本発明によるハイブリッドポリペプチドは少なくとも2つのポリペプチドドメインを含んでいてよいが、このとき各ポリペプチドドメインは相違する起源からのものである。
【0168】
好ましくは、コナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインはコナジラミBamecia argentifoli EcR(「BaEcR」)からのものである。
【0169】
特定実施形態では、該コナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインは、配列番号:1、配列番号:1のヌクレオチド102〜1349、配列番号:1のヌクレオチド678〜1349、配列番号:1のヌクレオチド259〜1349、配列番号:1のヌクレオチド458〜1349、および配列番号:1のヌクレオチド648〜1349からなる群から選択された核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。
【0170】
特定実施形態では、該コナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインは、配列番号:2、配列番号:2のアミノ酸193〜416、配列番号:2のアミノ酸53〜416、配列番号:2のアミノ酸119〜416、および配列番号:2のアミノ酸183〜416からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。
【0171】
DNA結合ドメインは、合成およびキメラDNA結合ドメイン、またはそれらのアナログ、組み合わせもしくは修飾を含む、知られている応答エレメントを備えるいずれかのDNA結合ドメインであってよい。このましくは、DBDは、GAL4 DBD、LexA DBD、転写因子DBD、EcR DBDのようなステロイド/甲状腺ホルモン核受容体スーパーファミリーメンバーDBDまたは細菌LacZ DBDである。
【0172】
トランス活性化ドメイン(「AD」もしくは「TA」と略記)は、いずれかのステロイド/甲状腺ホルモン核受容体AD、合成もしくはキメラAD、ポリグルタミンAD、塩基性もしくは酸性アミノ酸AD、VP16 AD、GAL4 AD、NF−κB AD、BP64 AD、B42酸性活性化ドメイン(B42AD)、p65トランス活性化ドメイン(p65AD)、またはそれらのアナログ、組み合わせ、もしくは修飾であってよい。特定実施形態では、ADは合成もしくはキメラADである、またはEcR、グルココルチコイド受容体、VP16、GAL4、NF−κB、またはB42酸性活性化ドメインADから入手される。
【0173】
特定実施形態では、該遺伝子発現カセットはa)DNA結合ドメイン、またはb)トランス活性化ドメインのどちらかと;および本発明によるBaEcRリガンド結合ドメインとを含むハイブリッドポリペプチドをコードする。
【0174】
本発明は、さらにまた:i)DNA結合ドメインを含むポリペプチドによって認識されるドメインを含む応答エレメントと;ii)トランス活性化ドメインを含むポリペプチドによって活性化されるプロモーターと;およびiii)その発現が変調されるべき遺伝子と、を含む遺伝子発現カセットも提供する。
【0175】
応答エレメント(「RE」)は、知られているDNA結合ドメイン、またはそれらのアナログ、組み合わせ、もしくは修飾を備えるいずれかの応答エレメントであってよい。本発明では単一REを使用できる、または同一REの多重コピーまたは2つ以上の相違するREのいずれかである多重REを使用できる。特定実施形態では、REはGAL4(「GAL4RE」)、LexA、エクジソン応答エレメント(EcRE)のようなステロイド/甲状腺ホルモン核受容体RE、または合成DNA結合ドメインを認識する合成REである。
【0176】
本発明によるステロイド/甲状腺ホルモン核受容体DNA結合ドメイン、活性化ドメインまたは応答エレメントは、エクジソン受容体(EcR)、ユビキタス受容体(UR)、オーファン受容体1(OR−1)、ステロイドホルモン核受容体1(NER−1)、RXR相互作用タンパク質−15(RIP−15)、肝臓x受容体β(LXRβ)、ステロイドホルモン受容体様タンパク質(RLD−1)、肝臓x受容体(LXR)、肝臓x受容体α(LXRα)、ファルネソイドx受容体(FXR)、受容体相互作用タンパク質14(RIP−14)、ファルネソール受容体(HRR−1)、甲状腺ホルモン受容体α(TRα)、甲状腺ホルモン受容体1(c−erbA−1)、甲状腺ホルモン受容体β(TRβ)、レチノイン酸受容体α(RARα)、レチノイン酸受容体β(RARβ,HAP)、レチノイン酸受容体γ(RARγ)、レチノイン酸受容体γ様(RARD)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPARα)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体β(PPARβ)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体δ(PPARδ,NUC−1)、ペルオキシソーム増殖因子活性化因子関連受容体(FFAR)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)、甲状腺ホルモン受容体αの非コード鎖によってコードされたオーファン受容体(REVERBα)、v−erb A関連受容体(EAR−1)、v−erb関連受容体(EAR−lA),γ)、甲状腺ホルモン受容体βの非コード鎖によってコードされたオーファン受容体(REVERBβ)、v−erb関連受容体(EAR−1β)、オーファン核受容体BD73(BD73)、rev−erbA関連受容体(RVR)、亜鉛フィンガータンパク質126(HZF2)、エクジソン誘導タンパク質E75(E75)、エクジソン誘導タンパク質E78(E78)、ショウジョウバエ受容体78(DR−78)、レチノイド関連オーファン受容体α(RORα)、レチノイドZ受容体α(RZRα)、レチノイド関連オーファン受容体β(RORβ)、レチノイドZ受容体β(RZRβ)、レチノイド関連オーファン受容体γ(RORγ)、レチノイドZ受容体γ(RZRγ)、レチノイド関連オーファン受容体(TOR)、ホルモン受容体3(HR−3)、ショウジョウバエホルモン受容体3(DHR−3)、スズメガホルモン受容体3(MHR−3)、Gallariaホルモン受容体3(GHR−3)、C.elegans核受容体3(CNR−3)、ハマキガホルモン受容体3(CHR−3)、C.elegans核受容体14(CNR−14)、ビタミンD受容体(VDR)、オーファン核受容体(ONR−1)、プレグナンX受容体(PXR)、ステロイドおよび生体異物受容体(SXR)、安息香酸塩X受容体(BXR)、核受容体(MB−67)、構成性アンドロスタン受容体1(CAR−1)、構成性アンドロスタン受容体α(CARα)、構成性アンドロスタン受容体2(CAR−2)、構成性アンドロスタン受容体β(CARβ)、ショウジョウバエホルモン受容体96(DHR−96)、核ホルモン受容体1(NHR−1)、肝細胞核因子4(HNF−4)、肝細胞核因子4G(HNF−4G)、肝細胞核因子4B(HNF−4B)、肝細胞核因子4D(HNF−4D,DHNF−4)、レチノイドX受容体α(RXRα)、レチノイドX受容体β(RXRβ)、H−2領域II結合タンパク質(H−2RIIBP)、核受容体コレギュレーター−1(RCoR−1)、レチノイドX受容体γ(RXRγ)、ウルトラスピラクル(USP)、2C1核受容体、絨毛膜因子1(CF−1)、精巣受容体2(TR−2)、精巣受容体2−11(TR2−11)、精巣受容体4(TR4)、TAK−1、ショウジョウバエホルモン受容体(DHR78)、Tailless(TLL)、taillessホモログ(TLX)、XTLL、ニワトリオボアルブミン上流プロモーター転写因子I(COUP−TFI)、ニワトリオボアルブミン上流プロモーター転写因子A(COUP−TFA)、EAR−3、SVP−44、ニワトリオボアルブミン上流プロモーター転写因子II(COUP−TFII)、ニワトリオボアルブミン上流プロモーター転写因子B(COUP−TFB)、ARP−1、SVP−40、SVP、ニワトリオボアルブミン上流プロモーター転写因子III(COUP−TFIII)、ニワトリオボアルブミン上流プロモーター転写因子G(COUP−TFG)、SVP−46、EAR−2、エストロゲン受容体α(ERα)、エストロゲン受容体β(ERβ)、エストロゲン関連受容体1(ERR1)、エストロゲン関連受容体α(ERRα)、エストロゲン関連受容体2(ERR2)、エストロゲン関連受容体β(ERRβ)、グルココルチコイド受容体(GR)、ミネラルコルチコイド受容体(MR)、プロゲステロン受容体(PR)、アンドロゲン受容体(AR)、神経成長因子誘発遺伝子B(NGFI−B)、Nur−77に類似する核受容体(TRS)、N10、オーファン受容体(NUR−77)、ヒト初期応答遺伝子(NAK−1)、Nurr関連因子1(NURR−1)、ヒト前初期応答遺伝子(NOT)、再生肝核受容体1(RNR−1)、造血性亜鉛フィンガー3(HZF−3)、Nur関連タンパク質−1(TINOR)、核オーファン受容体1(NOR−1)、NOR1関連受容体(MINOR)、ショウジョウバエホルモン受容体38(DHR−38)、C.elegans核受容体8(CNR−8)、C48D5、ステロイド産生因子1(SF1)、エンドゼピン様ペプチド(ELP)、fushi tarazu因子1(FTZ−F1)、副腎4結合タンパク質(AD4BP)、肝受容体ホモログ(LRH−1)、Ftz−Fl−関連オーファン受容体A(xFFrA)、Ftz−Fl−関連オーファン受容体B(xFFrB)、LRH−1関連核受容体(FFLR)、LRH−1関連核受容体(PHR)、フェトプロテイン転写因子(FTF)、生殖細胞核因子(GCNFM)、レチノイド受容体関連精巣関連受容体(RTR)、クニルプス(knirps)(KNI)、クニルプス関連性(KNRL)、胚性腺(EGON)、リガンド依存性核受容体のためのショウジョウバエ遺伝子(EAGLE)、トリソラックス(trithorax)に類似する核受容体(ODR7)、トリソラックス、用量感受性性転換副腎形成不全性先天性危険域染色体X遺伝子(DAX−1)、先天性副腎形成不全性および下垂体性機能不全性腺機能低下症(AHCH)、および短ヘテロダイマーパートナー(SHP)からなる群から選択されたステロイド/甲状腺ホルモン核受容体から入手できる。
【0177】
本発明のために、核受容体およびコナジラミエクジソン受容体にはさらに合成およびキメラ核受容体ならびにコナジラミエクジソン受容体およびそれらのホモログが含まれる。
【0178】
コナジラミエクジソン受容体に対する抗体
本発明によると、組み換えまたは化学合成によって生成したコナジラミエクジソン受容体ポリペプチド、およびそのフラグメントまたは融合タンパク質を含むその他の誘導体もしくはアナログは、抗体を生成するための抗原もしくは免疫原として使用できる。好ましくは、該抗体は詳細には同翅目エクジソン受容体ポリペプチドには結合するが、他のエクジソン受容体ポリペプチドには結合しない。より好ましくは、該抗体は詳細にはコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドには結合するが、他のエクジソン受容体ポリペプチドには結合しない。
【0179】
本発明はさらにまた、抗原性ペプチドおよびそれらに対する抗体に関する。より特別には、本発明は本発明によるコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドのフラグメントを含む抗原性ペプチドに関するが、このとき該フラグメントは:
(a)配列番号:1のヌクレオチド102〜258、配列番号:1のヌクレオチド259〜457、配列番号:1のヌクレオチド458〜677、配列番号:1のヌクレオチド678〜1349、配列番号:1のヌクレオチド259〜1349、配列番号:1のヌクレオチド458〜1349、および配列番号:1のヌクレオチド648〜1349からなる群から選択された核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる;
(b)配列番号:2のアミノ酸1〜52、配列番号:2のアミノ酸53〜118、配列番号:2のアミノ酸119〜192、配列番号:2のアミノ酸193〜416、配列番号:2のアミノ酸53〜416、配列番号:2のアミノ酸119〜416、および配列番号:2のアミノ酸183〜416からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む;および、
(c)詳細には、配列番号:2、配列番号:2のアミノ酸1〜52、配列番号:2のアミノ酸53〜118、配列番号:2のアミノ酸119〜192、配列番号:2のアミノ酸193〜416、配列番号:2のアミノ酸53〜416、配列番号:2のアミノ酸119〜416、および配列番号:2のアミノ酸183〜416からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチド内のエピトープに対して生成された抗体に結合する、からなる群から選択された特性を有する。
【0180】
また別の実施形態では、本発明は詳細には上記のような本発明によるコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドのフラグメントを含む抗原性ペプチドに結合する抗体に関する。該抗体はポリクローナルまたはモノクローナルであってよく、インビトロまたはインビボ法で生成することができる。
【0181】
本発明の抗体は、特定の同翅目エクジソン受容体へ結合するための特異性を有する。そこで、これらもしくは相同ポリペプチドの定性的もしくは定量的存在を決定するための試薬を生成することができる。あるいはまた、これらの抗体を使用すると受容体ポリペプチドを分離または精製することができる。
【0182】
ポリクローナル抗体を生成するためには、適切な標的免疫系、典型的にはマウスまたはウサギが選択される。実質的精製抗原は、該動物に適した方法および免疫学者にはよく知られている他のパラメーターによって決定される方法で免疫系に提示される。典型的な注射部位は、足蹠内、筋肉内、腹腔内、または皮内である。当然ながら、マウスまたはウサギを他の種と取り換えてもよい。
【0183】
免疫学的応答は、通常はイムノアッセイを用いてアッセイされる。通常は、そのようなイムノアッセイは例えば該抗原が生成した場合と同一細胞によって、そして同一方法で生成した抗原源の精製を含んでいる。イムノアッセイは、ラジオイムノアッセイ、酵素結合アッセイ(ELISA)、蛍光アッセイ、または多数のその他の選択のいずれかであってよく、それらの大多数は機能的に同等であるが、特異的条件下では長所を示す可能性がある。
【0184】
高親和性を備えるモノクローナル抗体は、典型的には参照してここに組み込まれる例えばHarlow and Lane(1988),「抗体:実験マニュアル(Antibodies:A Laboratory Manual)」,Cold Spring Harbor Laboratory;またはGoding(1986),「モノクローナル抗体:原理および実践第2版(Monoclonal Antibodies:Principles and Practice(2d ed))、Academic Press,ニューヨークに記載されているような標準方法によって作製される。手短には、適切な動物が選択され、所望の免疫プロトコールに従われる。適切な期間後、このような動物の脾臓が切除され、個々の脾臓細胞は、典型的には適切な選択条件下で不死化骨髄腫細胞へ融合させられる。その後、細胞はクローン的に分離され、各クローンの上清は該抗原の所望領域に対して特異的である適切な抗体の生成について試験される。
【0185】
その他の適切な方法には、抗原性ポリペプチドへの、またはファージもしくは類似ベクターにおける広範囲の抗体ライブラリーへのリンパ球のインビトロ曝露が含まれる。参照してここに組み込まれるHuseら(1989)「ファージラムダにおける免疫グロブリンレパートリーの大規模コンビナトリアルライブラリーの生成(Generation of a Large Combinatorial Library of the Immunoglobulin Repertoire in Phage Lambda)」, Science 246:1275−1281を参照。
【0186】
本発明のポリペプチドおよび抗体は、修飾して、または修飾せずに使用できる。多くの場合、該ポリペプチドおよび抗体は検出可能なシグナルを提供する物質を共有的または非共有的に結合することによって標識される。極めて様々な標識および共役結合法は知られており、科学文献および特許文献の両方に広く報告されている。適切な標識には、放射性核種、酵素、基質、補因子、阻害剤、蛍光剤、化学ルミネセンス、磁性粒子等が含まれる。このような標識の使用を教示している特許には、米国特許第3,817,837号;第3,850,752号;第3,939,350号;第3,996,345号;第4,277,437号;第4,275,149号;および第4,366,241号が含まれる。さらに、組み換え免疫グロブリンを生成できるが、Cabillyの米国特許第4,816,567号を参照されたい。
【0187】
分子は、特別には例えば免疫グロブリン(抗体)もしくはT細胞抗原受容体のような免疫系の抗原認識分子と相互作用できる場合は「抗原性」である。抗原性ポリペプチドは、少なくとも約5、および好ましくは少なくとも約10アミノ酸を含有している。分子の抗原性部分は抗体もしくはT細胞受容体認識に対して免疫優性である部分であってよく、または該抗原性部分を免疫のための担体分子へ結合させることによって該分子に対する抗体を生成するために使用される部分であってよい。抗原性である分子は、それ自体が免疫原性である、すなわち、担体を使用せずに免疫応答を引き出すことができる必要はない。
【0188】
このような抗体には、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、一本鎖、FabフラグメントおよびFab発現ライブラリーが含まれるがそれらに限定されない。本発明の抗コナジラミエクジソン受容体抗体は、例えば相違する種からのコナジラミエクジソン受容体を認識できるように、交差反応性であってよい。ポリクローナル抗体は、より大きな交差反応性の可能性を有する。あるいはまた、本発明の抗体は例えばコナジラミエクジソン受容体のような単一形のコナジラミエクジソン受容体に対して特異的であってよい。好ましくは、このような抗体はコナジラミエクジソン受容体に対して特異的である。
【0189】
当技術において知られている様々な方法を使用すると、ポリクローナル抗体を生成することができる。抗体を生成するために、ウサギ、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ等を含むがそれらに限定されない様々な宿主動物は、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチド、またはその誘導体(フラグメント、若しくは融合タンパク質)を用いた注射によって免役することができる。1つの実施形態では、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドまたはそのフラグメントは、例えばウシ血清アルブミン(BSA)またはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)のような免疫原性担体へ結合させることができる。免疫応答を増加させるためには、宿主種に依存して、フロインド(完全および不完全)、水酸化アルミニウムのようなミネラルゲル、リゾレシチンのような界面活性物質、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳濁液、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノールのようなアジュバント、ならびに例えばBCG(カルメット−ゲラン桿菌:bacille Calmette−Guerin)およびコリネバクテリウム・パルブム(Corynebacterium parvum)のような潜在的に有用なヒトアジュバントを使用できる。
【0190】
コナジラミエクジソン受容体ポリペプチド、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは誘導体に向けられたモノクローナル抗体を調製するためには、培養中で連続細胞系による抗体分子の生成を提供するいずれかの方法を使用できる。これらには最初にKohler and Milsteinによって開発されたハイブリドーマ法[Nature 256:495−497(1975)]、ならびにトリオーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法[Kozborら, Immnunology Today4:72 1983);Coteら, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80:2026−2030(1983)]、およびヒトモノクローナル抗体を生成するためのEBV−ハイブリドーマ法[Coleら in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77−96(1985)]が含まれるがそれらに限定されない。本発明の追加の実施形態では、モノクローナル抗体は無菌動物中で生成することができる[1989年12月28日に公表された国際特許公開第WO89/12690号]。実際に、本発明によると、適切な生物学的活性を有するヒト抗体分子からの遺伝子と一緒にコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドに対して特異的であるマウス抗体分子からの遺伝子をスプライシングすることによる「キメラ抗体」の生成のために開発された方法[Morrisonら, J. Bacteriol. 159:870(1984);Neubergerら, Nature 312:604−608(1984);Takedaら, Nature 314:452−454(1985)]を使用できる;このような抗体は本発明の範囲内に含まれる。このようなヒトもしくはヒト化キメラ抗体はヒトの疾患もしくは障害(以下で記載する)の治療に使用するために好ましいが、それはヒトもしくはヒト化抗体は、外因性抗体に比較して免疫応答、特にアレルギー反応を誘発することがはるかに少ないと思われるからである。
【0191】
本発明によると、一本鎖Fv(scFv)抗体の生成のために記載された方法[Hustonへの米国特許第5,476,786号および第5,132,405号;米国特許第4,946,778号]は、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチド特異的一本鎖抗体を生成するために適合させることができる。本発明の追加の実施形態は、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチド、またはその誘導体もしくはアナログに対して所望の特異性を備えるモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ容易な同定を許容するFab発現ライブラリーを構築するために記載された方法[Huseら, Science 246:1275−1281(1989)]を利用する。
【0192】
該抗体分子のイディオタイプを含有する抗体フラグメントは、知られている方法によって生成できる。例えば、そのようなフラグメントには以下のものが含まれるがそれらに限定されない:該抗体分子のペプシン消化によって生成できるF(ab’)フラグメント;F(ab’)フラグメントのジスルフィド架橋を還元させることによって生成できるFab’フラグメント、および該抗体分子をパパインおよび還元剤により処理することによって生成できるFabフラグメント。
【0193】
抗体の生成においては、所望の抗体のスクリーニングは、例えばラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着剤アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、イムノラジオメトリックアッセイ、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、インサイチューイムノアッセイ(例えばコロイド状金、酵素もしくは放射性同位体標識)、ウェスタンブロット、沈降反応、凝集アッセイ(例、ゲル凝集アッセイ、赤血球凝集アッセイ)、補体結合アッセイ、免疫蛍光アッセイ、タンパク質Aアッセイ、および免疫電気泳動アッセイ等のような当技術分野において知られている方法によって遂行できる。1つの実施形態では、抗体結合は一次抗体上の標識を検出することによって検出される。別の実施形態では、一次抗体は一次抗体への二次抗体または試薬の結合を検出することによって検出される。さらに別の実施形態では、二次抗体が標識される。イムノアッセイにおける結合を検出するためには多数の手段が当技術分野において知られており、本発明の範囲内に含まれる。例えば、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドの特異的エピトープを認識する抗体を選択するためには、そのようなエピトープを含有するコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドフラグメントに結合する産物に対して生成したハイブリドーマをアッセイすることができる。特定種の動物からのコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドに対して特異的である抗体を選択するためには、その動物種の細胞により発現した、またはそれから単離されたコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドとの陽性結合に基づいて選択できる。
【0194】
上記の抗体は、例えばウェスタンブロット、インサイチューでのコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドのイメージング、適切な生理学的サンプル中でのそれらのレベルの測定等のようなコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドの局在位置および活性に関連する当技術分野において知られている方法で、上記または当技術分野において知られている検出方法のいずれかを使用して使用できる。
【0195】
特定実施形態では、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドの活性を作動または拮抗する抗体を生成することができる。このような抗体は、リガンドを同定するために下記に記載するアッセイを使用して試験できる。特別には、このような抗体は細胞内で発現したscFv抗体であってよい。
【0196】
本発明の新規ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの使用
本発明はさらに、本発明のコナジラミエクジソン受容体ポリヌクレオチドおよびそれらがコードするポリペプチドに対する多数の使用を提供する。
【0197】
本発明のコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドには様々な有用性がある。例えば、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、エクジソン受容体に基づく遺伝子発現系における遺伝子発現を変調する方法において有用である。さらにまた、本発明のポリペプチドのリガンド結合ドメインへの結合に対して特異的であるリガンドを同定および選択するための方法、リガンド結合ドメインへの特異的結合を示す化合物を同定および選択するための方法、および昆虫生理または発達を変調(例、殺滅)するための方法が含まれる。
【0198】
遺伝子発現を変調する方法
ここに提示したように、本出願人らの新規ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、原核および真核宿主細胞の両方において調節可能な遺伝子発現系を提供するためのエクジソン受容体に基づく遺伝子発現系において有用である。そこで、本発明はさらにまたエクジソン受容体に基づく遺伝子発現系における本発明の新規コナジラミエクジソン受容体ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの使用、およびそのようなエクジソン受容体に基づく遺伝子発現系を使用して宿主細胞内の遺伝子発現を変調する方法に関する。
【0199】
この遺伝子発現系は、その中でトランス活性化ドメイン、DNA結合ドメインおよびリガンド結合ドメインが1つのコードされたポリペプチド上にある「シングルスイッチ」に基づく遺伝子発現系であってよい。あるいはまた、該遺伝子発現変調系は、その中でトランス活性化ドメインおよびDNA結合ドメインが2つの相違するコードされたポリペプチド上にある「デュアルスイッチ」または「ツーハイブリッド」に基づく遺伝子発現変調系であってよい。本出願人らは、本発明のコナジラミエクジソン受容体ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは宿主細胞内での遺伝子発現を変調するためにエクジソン受容体に基づく遺伝子発現系の構成要素として使用できることを初めて証明した。
【0200】
特別には、本発明は、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞内で発現することのできる少なくとも1つの遺伝子発現カセットを含む遺伝子発現変調系に関する。好ましくは、該コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドは、配列番号:2、配列番号:2のアミノ酸1〜52、配列番号:2のアミノ酸53〜118、配列番号:2のアミノ酸119〜192、配列番号:2のアミノ酸193〜416、配列番号:2のアミノ酸53〜416、配列番号:2のアミノ酸119〜416、および配列番号:2のアミノ酸183〜416からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。より好ましくは、該コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドは配列番号:2のアミノ酸193〜416、配列番号:2のアミノ酸53〜416、配列番号:2のアミノ酸119〜416、または配列番号:2のアミノ酸183〜416を含む。
【0201】
特定実施形態では、該遺伝子発現変調系は、トランス活性化ドメイン、その発現が変調されるべき遺伝子と関連する応答エレメントを認識するDNA結合ドメイン、およびコナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメイン(ここでは「BaEcR LBD」と称する)を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子発現カセットを含む。該遺伝子発現変調系はさらにまた:i)第1遺伝子発現カセットのコードされたポリペプチドのDNA結合ドメインによって認識される応答エレメントと;ii)第1遺伝子発現カセットのコードされたポリペプチドのトランス活性化ドメインによって活性化されるプロモーターと;およびiii)その発現が変調されるべき遺伝子と、を含む第2遺伝子発現カセットを含んでいてよい。
【0202】
別の特定実施形態では、該遺伝子発現変調系は、a)トランス活性化ドメイン、その発現が変調されるべき遺伝子と関連する応答エレメントを認識するDNA結合ドメイン、およびBaEcR LBDを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと、およびb)脊椎動物レチノイドX受容体リガンド結合ドメイン、無脊椎動物レチノイドX受容体リガンド結合ドメイン、ウルトラスピラクルタンパク質リガンド結合ドメイン、および2つのポリペプチドフラグメントを含むキメラリガンド結合ドメインからなる群から選択された第2核受容体リガンド結合ドメインとを含む遺伝子発現カセットを含むが、このとき第1ポリペプチドフラグメントは脊椎動物レチノイドX受容体リガンド結合ドメイン、無脊椎動物レチノイドX受容体リガンド結合ドメインまたはウルトラスピラクルタンパク質リガンド結合ドメインからであり、そして第2ポリペプチドフラグメントは相違する脊椎動物レチノイドX受容体リガンド結合ドメイン、無脊椎動物レチノイドX受容体リガンド結合ドメインまたはウルトラスピラクルタンパク質リガンド結合ドメインからである。該遺伝子発現変調系はさらにまた:i)第1遺伝子発現カセットのコードされたポリペプチドのDNA結合ドメインによって認識される応答エレメントと;ii)第1遺伝子発現カセットのコードされたポリペプチドのトランス活性化ドメインによって活性化されるプロモーターと;およびiii)その発現が変調されるべき遺伝子と、を含む第2遺伝子発現カセットを含んでいてよい。
【0203】
また別の特定実施形態では、該遺伝子発現変調系は、その発現が変調されるべき遺伝子と関連する応答エレメントを認識するDNA結合ドメインおよび核受容体リガンド結合ドメインを含む第1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む第1遺伝子発現カセットと、およびトランス活性化ドメインおよび核受容体リガンド結合ドメインを含む第2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む第2遺伝子発現カセットとを含むが、このとき該核受容体リガンド結合ドメインの1つはBaEcR LBDである。好ましい実施形態では、第1ポリペプチドはトランス活性化ドメインを実質的に含んでおらず、第2ポリペプチドはDNA結合ドメインを実質的に含まない。本発明のために、「DNA結合ドメインを実質的に含まない」とは、問題のタンパク質が活性化もしくは結合活性を提供するために十分な問題のドメインの配列を含有していないことを意味する。該遺伝子発現変調系はさらにまた:i)第1遺伝子発現カセットの第1ポリペプチドのDNA結合ドメインによって認識される応答エレメントと;ii)第2遺伝子発現カセットの第2ポリペプチドのトランス活性化ドメインによって活性化されるプロモーターと;およびiii)その発現が変調されるべき遺伝子と、を含む第3遺伝子発現カセットを含んでいてよい。
【0204】
このとき1つの核受容体リガンド結合ドメインだけがBaEcR LBDである場合は、もう1つの核受容体リガンド結合ドメインはBaEcR LBDと一緒にダイマーを形成するいずれか他の核受容体からのものであってよい。例えば、他方の核受容体リガンド結合ドメイン(「パートナー」)は他のエクジソン受容体、脊椎動物レチノイドX受容体(RXR)、無脊椎動物RXR、ウルトラスピラクルタンパク質(USP)、または脊椎動物RXR、無脊椎動物RXR、およびUSPからなる群から選択される少なくとも2つの相違する核受容体リガンド結合ドメインポリペプチドフラグメントを含むキメラ核受容体からのものであってよい(これにより参照してその全体が組み込まれる同時係属出願の国際公開特許第PCT/US01/09050号、米国特許第60/294,814号、および米国特許第60/294,819号を参照)。「パートナー」核受容体リガンド結合ドメインは、さらにトランケーション突然変異、欠失突然変異、置換突然変異、または他の修飾を含んでいてよい。
【0205】
特定実施形態では、該コナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインは、配列番号:2、配列番号:2のアミノ酸193〜416、配列番号:2のアミノ酸53〜416、配列番号:2のアミノ酸119〜416、および配列番号:2のアミノ酸183〜416からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。また別の実施形態では、該コナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメインは、配列番号:1、配列番号:1のヌクレオチド102〜1349、配列番号:1のヌクレオチド678〜1349、配列番号:1のヌクレオチド259〜1349、配列番号:1のヌクレオチド458〜1349、および配列番号:1のヌクレオチド648〜1349からなる群から選択された核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。
【0206】
特定実施形態では、その発現が変調されるべき遺伝子は宿主細胞に関して相同遺伝子である。また別の特定実施形態では、その発現が変調されるべき遺伝子は宿主細胞に関して非相同遺伝子である。
【0207】
遺伝子発現を変調させる方法で使用するためのリガンドは下記に記載されており、1つ以上の核受容体のリガンド結合ドメインと結合されると、これは次に遺伝子に連結した応答エレメントに結合され、該遺伝子の発現を外部から時間的に調節するための手段を提供する。本発明の様々な構成要素が相互に結合する、すなわち例えばリガンドとリガンド結合ドメイン、DNA結合ドメインと応答エレメント、トランス活性化ドメインとプロモーター等の結合機構または順序は、決定的に重要ではない。
【0208】
そこで、本出願人らの発明は、本発明によるコナジラミエクジソン受容体を使用して宿主細胞内の遺伝子発現を変調する方法において有用である。詳細には、本出願人らの発明は、宿主細胞内の遺伝子発現を変調する方法であって:a)宿主細胞内へ本発明によるコナジラミエクジソン受容体を含むエクジソン受容体に基づく遺伝子発現系を導入するステップと;およびb)宿主細胞内へリガンドを導入するステップと、を含む方法を提供するが、このとき変調されるべき遺伝子は:i)該遺伝子発現系のDNA結合ドメインによって認識されるドメインを含む応答エレメントと;ii)該遺伝子発現系のトランス活性化ドメインによって活性化されるプロモーターと;およびiii)その発現が変調されるべき遺伝子であって、リガンドが宿主細胞内へ導入されると該遺伝子の発現が変調される遺伝子と、を含む遺伝子発現カセットの構成要素である。
【0209】
本発明は、宿主細胞内の遺伝子発現を変調するための方法であって:a)宿主細胞内へ本発明によるコナジラミエクジソン受容体を含むエクジソン受容体に基づく遺伝子発現変調系を導入するステップと;b)宿主細胞内へ遺伝子発現カセットを導入するステップであって、このとき該遺伝子発現カセットは、i)該遺伝子発現系のDNA結合ドメインによって認識されるドメインを含む応答エレメントと;ii)該遺伝子発現系のトランス活性化ドメインによって活性化されるプロモーターと;およびiii)その発現が変調されるべき遺伝子と、を含むステップと;およびc)宿主細胞内へリガンドを導入するステップであって;このとき該リガンドが宿主細胞内へ導入されると、該遺伝子の発現が変調されるステップと、を含む方法を提供する。
【0210】
本出願人らの方法を使用して宿主細胞内で発現するための当該遺伝子は、内因性遺伝子または非相同遺伝子であってよい。所望の遺伝子もしくはタンパク質についての核酸もしくはアミノ酸配列情報は、例えばGENBANK、EMBL、Swiss Prot、およびPIRのような多数のパブリックアクセスデータベースの1つ、または多数の生物学関連雑誌出版物で検索することができる。そこで、当業者は実質的にすべての知られている遺伝子についての核酸配列情報を入手できる。その後このような情報を使用すると、ここに記載した方法で使用される遺伝子発現カセット内に当該遺伝子を挿入するための所望の構築物を構築することができる。
【0211】
これらの方法を使用して宿主細胞内で発現するための当該遺伝子の例には、以下のものが含まれるがそれらに限定されない:ワクチンとして植物内で生成した抗原、α−アミラーゼ、フィターゼ、グルカン、キシラーゼおよびキシラナーゼのような酵素、昆虫、線虫、真菌、細菌、ウイルス、および非生物ストレス、栄養補助食品、医薬品、ビタミンに対する耐性についての遺伝子、アミノ酸含量、除草剤耐性、耐寒性、耐乾燥性および耐熱性、工業製品、石油、タンパク質、炭水化物、抗酸化剤、雄性不稔性の植物、花、燃料、その他の産出物形質を修飾する遺伝子、例えばモノクローナル抗体、酵素、プロテアーゼ、サイトカイン、インターフェロン、インスリン、エリスロポイエチン、凝固因子、その他の血液因子もしくは成分、遺伝子療法用のウイルスベクター、ワクチン用ウイルス、創薬のターゲト、機能的ゲノミクス、ならびにプロテオミクス解析および適用等のようなある状態、疾患、障害、機能不全、遺伝的欠陥を治療するために使用できる治療的に望ましいポリペプチドもしくは産物をコードする遺伝子。
【0212】
用語「リガンド」は、ここでは「リガンド結合ドメイン」として記載されるドメインに結合する分子に関することが意図されている。同様に、コナジラミエクジソン受容体に対するリガンドは、それにエクジソン受容体が結合する天然リガンド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストとして機能できる可能性がある機能的アナログのどちらかとして機能するリガンドである。
【0213】
容認できるリガンドは、該リガンドの存在下で本発明による遺伝子発現系のDNA結合ドメインの応答エレメントへの結合が該遺伝子の発現の活性化または抑制を生じさせる場合に該遺伝子の発現を変調するあらゆるリガンドである。好ましいリガンドには、その各々が参照してここに組み込まれるエクジソン、20−ヒドロキシエクジソン、ポナステロンA、ムリステロンA等のようなエクジステロイド、9−シス−レチノイン酸、レチノイン酸の合成アナログ、米国特許第6,013,836号;第5,117,057号;第5,530,028号;および第5,378,726号に開示されているようなN,N’−ジアシルヒドラジン;欧州特許出願第461,809号に開示されているようなジベンゾイルアルキルシアノヒドラジン;米国特許第5,225,443号に開示されているようなN−アルキル−N,N’−ジアロイルヒドラジン;欧州特許出願第234,994号に開示されているようなN−アシル−N−アルキルカルボニルヒドラジン;米国特許第4,985,461号に開示されているようなN−アロイル−N−アルキル−N’−アロイルヒドラジン;および3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−N−イソブチル−ベンズアミド、8−O−アセチルハルパガイド等を含むその他の類似材料が含まれる。
【0214】
好ましい実施形態では、遺伝子の発現を変調する方法で使用するためのリガンドは式:
【0215】
【化2】
Figure 2005507247
【0216】
(式中:
Eは、第3級炭素を含有する(C−C)アルキルまたは第3級炭素を含有するシアノ(C−C)アルキルである。
は、H、Me、Et、i−Pr、F、ホルミル、CF、CHF、CHCl、CHF、CHCl、CHOH、CHOMe、CHCN、CN、COCH、1−プロピニル、2−プロピニル、ビニル、OH、OMe、OEt、シクロプロピル、CFCF、CH=CHCN、アリル、アジド、SCNもしくはSCHFである;
は、H、Me、Et、n−Pr、i−Pr、ホルミル、CF、CHF、CHCl、CHF、CHCl、CHOH、CHOMe、CHCN、CN、COCH、1−プロピニル、2−プロピニル、ビニル、Ac、F、Cl、OH、OMe、OEt、O−n−Pr、OAc、NMe、NEt、SMe、SEt、SOCF、OCFCFH、COEt、シクロプロピル、CFCF、CH=CHCN、アリル、アジド、OCF、OCHF、O−i−Pr、SCN、SCHF、SOMe、NH−CNであるか、またはRと、並びにRおよびRが結合しているフェニル炭素と一緒になって、エチレンジオキシ、フェニル炭素に隣接する酸素と一緒にジヒドロフリル環、もしくはフェニル炭素に隣接する酸素と一緒にジヒドロピリル環を形成する;
は、H、Etであるか、またはRと、並びにRおよびRが結合しているフェニル炭素と一緒になって、エチレンジオキシ、フェニル炭素に隣接している酸素と一緒にジヒドロフリル環、またはフェニル炭素に隣接している酸素と一緒にジヒドロピリル環を形成する;
、R、およびRは、独立してH、Me、Et、F、Cl、Br、ホルミル、CF、CHF、CHCl、CHF、CHCl、CHOH、CN、COCH、1−プロピニル、2−プロピニル、ビニル、OMe、OEt、SMeもしくはSEtである)の化合物である。
【0217】
また別の好ましい実施形態では、遺伝子の発現を変調する方法で使用するためのリガンドはエクジソン、20−ヒドロキシエクジソン、ポナステロンA、もしくはムリステロンAである。
【0218】
また別の好ましい実施形態では、遺伝子の発現を変調する方法において上記で考察した第1リガンドに加えて第2リガンドを使用できる。好ましくは、この第2リガンドは9−シス−レチノイン酸またはレチノイン酸の合成アナログである。
【0219】
スクリーニングアッセイ
本発明のコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの同定および単離は、自然源から単離できるより多い量で、または細胞のトランスフェクションもしくは形質転換後に発現したコナジラミエクジソン受容体の活性を示すように特別に操作されている指標細胞内でコナジラミエクジソン受容体の発現を提供する。したがって、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドの構造に基づいたアゴニストおよびアンタゴニストの合理的設計に加えて、本発明は当技術分野において知られている様々なスクリーニングアッセイを使用してコナジラミエクジソン受容体の特異的リガンドを同定するための代替方法を予想している。
【0220】
そこで、本発明はさらにまたコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドを候補分子と接触させ、そして該リガンドの存在下でレポーター遺伝子活性を検出することによる、細胞内のコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドのトランス活性化を誘導もしくは抑制する化合物のスクリーニング方法に関する。候補化合物は、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドのアゴニストもしくはアンタゴニストのいずれであってもよい。好ましい実施形態では、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドは細胞内のポリヌクレオチドから発現させられ、トランス活性化活性(すなわち、レポーター遺伝子の発現もしくは抑制)または化合物結合活性が測定される。
【0221】
特定実施形態では、本発明はコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドを候補分子と接触させ、そして該分子の存在下でコナジラミエクジソン受容体活性を検出することによる、細胞内のコナジラミエクジソン受容体活性を刺激もしくは阻害する分子についてのスクリーニング方法に関する。候補分子は、コナジラミエクジソン受容体のアゴニストもしくはアンタゴニストのいずれであってもよい。好ましい実施形態では、コナジラミエクジソン受容体は細胞内のポリヌクレオチドから発現させられ、該コナジラミエクジソン受容体活性はレポーター遺伝子の発現もしくはトランス活性化の誘導によって測定される。レポーター遺伝子発現の誘導はここに記載したように測定できる。
【0222】
そこで、本発明の1つの態様は、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドの活性を変調する分子もしくはリガンドを選択する方法である。特定実施形態では、本発明はコナジラミエクジソン受容体のリガンド結合ドメインへの結合に対して特異的なリガンドを同定する方法であって
(a)(i)コナジラミエクジソン受容体リガンド結合ドメイン、およびステロイドホルモン核受容体スーパーファミリーからのDNA結合ドメインを含むハイブリッドポリペプチドと;および(ii)第2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとを組合わせるステップであって、このとき該ポリヌクレオチドは該ハイブリッドポリペプチドのDNA結合ドメインに応答性である転写制御エレメントへ機能的に連結している前記ステップと;
(b)(a)のハイブリッドポリペプチドおよびポリヌクレオチドを1つの化合物へ曝露させるステップと;
(c)第2ポリペプチドの発現の誘導を決定することによって(b)の化合物のリガンド活性を決定するステップと;および
(d)第2ポリペプチドの発現の誘導を生じさせる化合物を同定するステップと、を含む方法を提供する。
【0223】
本発明はさらにまた、これによりその全体が参照して組み込まれる係属出願中の米国特許出願第60/237,446号のような直交(orthogonal)リガンドおよび直交受容体に基づく遺伝子発現系について検索するためにも有用である。
【0224】
エクジソン受容体のリガンド結合ドメイン(「LBD」)は、ステロイドおよび非ステロイドアゴニストリガンドへ特異的に結合し、それによって該リガンド結合ドメインへの高親和性を備える結合特性を有する新規分子についてスクリーニングするための手段を提供する。そこで、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドのリガンド結合ドメインは結合アッセイを開発するための試薬として使用できる。1つのレベルでは、LBDは、それが結合するリガンドを選択的に保持するために、バッチもしくはカラム選択方法のための親和性試薬として使用できる。あるいはまた、リガンド結合への大きな感受性があるために機能的アッセイが好ましい。結合のための直接アッセイを通して、または発現、もしくは発現と他の機能とのその他の機能的連結を通してのどちらかで結合のためのレポーター分子を使用することによって、結合についてのアッセイを開発できる。例えば、容易にアッセイできるレポーター遺伝子とエクジソン受容体による結合に応答性の制御エレメントへの機能的連結によって、そしてリガンド結合がタンパク質誘導と機能的に連結している場合は、リガンドもしくは受容体の存在についての極めて高感受性アッセイが生じる。このような構築物は下記で説明するように20−ヒドロキシエクジソンの存在をアッセイするために有用である。この構築物は、同翅目エクジソン受容体、特にコナジラミエクジソン受容体のアゴニストもしくはアンタゴニストについてスクリーニングするために有用である。
【0225】
ここに提示したように、コナジラミエクジソン受容体はエクジソン受容体に基づく遺伝子発現変調系の遺伝子発現をトランス活性化することができる。このため、遺伝子発現をトランス活性化する能力を増強するコナジラミエクジソン受容体のアゴニストは、エクジソン受容体に基づく遺伝子発現変調系における活性を向上させると期待される。コナジラミエクジソン受容体活性の阻害剤(アンタゴニスト)は、エクジソン受容体に基づく遺伝子発現変調系をトランス活性化する能力を減少させるために有用である。
【0226】
コナジラミエクジソン受容体アゴニストもしくはアンタゴニストについてスクリーニングするためは、当技術分野において知られているいずれかのスクリーニング技術を使用できる。例えば、コナジラミエクジソン受容体およびエクジソン受容体に基づく遺伝子発現変調系の両方を発現する適切な細胞系は、例えばβ−ガラクトシダーゼのようなマーカー遺伝子をコードする核酸を用いてトランスフェクトすることができる。細胞はその後、アゴニストもしくはアンタゴニストを含む試験溶液に曝露させられ、そしてβ−ガラクトシダーゼ活性について染色される。試験溶液に曝露していない対照細胞と比較してより多数のβ−gal陽性細胞の存在は、試験溶液中にコナジラミエクジソン受容体アゴニストが存在する指標である。これとは逆に、試験溶液に曝露していない対照細胞と比較してより少数のβ−gal陽性細胞の存在は、試験溶液中にコナジラミエクジソン受容体アンタゴニストが存在する指標である。
【0227】
本発明は、小分子リガンドもしくはリガンドアナログおよび模擬体についてのスクリーニング、ならびにインビボでコナジラミエクジソン受容体に結合して作動化もしくは拮抗する天然リガンドについてのスクリーニングを予想している。例えば、天然産物ライブラリーは、本発明のアッセイを使用してコナジラミエクジソン受容体活性を作動化もしくは拮抗する分子についてスクリーニングすることができる。
【0228】
コナジラミエクジソン受容体の1次配列、およびその配列と機能が分かっているタンパク質との類似性についての知識は、該タンパク質の阻害剤もしくはアンタゴニストとしての最初の手掛かりを提供できる。アンタゴニストの同定およびスクリーニングはさらに、例えばX線結晶学、中性子回折、核磁気共鳴分光法、および構造決定のためのその他の方法を使用して該タンパク質の構造的特徴を決定することによって容易になる。これらの方法は、アゴニストおよびアンタゴニストの合理的設計または同定を提供する。
【0229】
また別のアプローチは、大規模ライブラリーを作製するために組み換えバクテリオファージを使用する。「ファージ法」[Scott and Smith, 1990, Science 249:386−390(1990);Cwirlaら, Proc. Natl. Acad. Sci., 87:6378−6382(1990);Devlinら, Science, 249:404−406(1990)]を使用すると、極めて大規模なライブラリーを構築できる(10−10の化学実体)。第2のアプローチは主として化学的方法を使用するが、その例はGeysen法[Geysenら, Molecular Immunology 23:709−715(1986);Geysenら, J. Immunolologic Method 102:259−274(1987)]およびFodorら[Science 251:767−773(1991)]である。Furkaら[14th International Congress of Biochemistry, Volume 5, Abstract FR:013(1988);Furka, Int. J. Peptide Protein Res. 37:487−493(1991)]、Houghton[1986年12月に発行された米国特許第4,631,211号]およびRutterら[1991年4月23日に発行された米国特許第5,010,175号]は、アゴニストもしくはアンタゴニストとして試験できるペプチド混合物を作製する方法を記載している。
【0230】
また別の態様では、合成ライブラリー[その全体が参照してここに組み込まれるNeedelsら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10700−4(1993);Ohlmeyerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10922−10926(1993);Lamら, 国際特許出願第WO92/00252号;Kocisら, 国際特許出願第WO9428028号]等を使用すると、本発明によるコナジラミエクジソン受容体リガンドについてスクリーニングすることができる。
【0231】
スクリーニングは、コナジラミエクジソン受容体を発現する組み換え細胞を用いて、あるいはまた例えば上述のように組み換え作製された精製タンパク質を使用して実施できる。例えば、標識した可溶性コナジラミエクジソン受容体を使用すると、上記の参考文献に記載されたようなライブラリーをスクリーニングすることができる。
【0232】
1つの実施形態では、コナジラミエクジソン受容体は直接に標識することができる。また別の実施形態では、標識した第2試薬を使用するとコナジラミエクジソン受容体の例えば固相支持体に付着した分子のような当該分子への結合を検出することができる。結合は、酵素標識による発色団のインサイチュー形成によって検出できる。適切な酵素には、アルカリホスファターゼおよびホースラディッシュペルオキシダーゼが含まれるがそれらに限定されない。また別の実施形態では、相違する当該アクセプター分子上に2種の酵素標識を備える2つの色素産生基質を使用する2色アッセイを使用できる。2色アッセイを使用すると、交差反応性および単独反応性リガンドを同定できる。
【0233】
本発明で使用するための他の標識には、着色ラテックスビーズ、磁性ビーズ、蛍光標識(例えば、小数の蛍光体を挙げると、蛍光イソチオシアネート(FITC)、フィコエリトリン(PE)、テキサスレッド(TR)、ローダミン、遊離もしくはキレート化ランタン系列塩、詳細にはEu3+)、化学ルミネセンス分子、放射性同位体、または磁気共鳴イメージング標識が含まれる。2色アッセイは、2つ以上の着色ラテックスビーズ、または相違する波長で発光する蛍光体を用いて実施できる。標識は、視覚的に、または機械的/光学的手段によって検出できる。機械的/光学的手段には、すなわちFACSに類似する蛍光活性化ソーティング、およびマイクロマニピュレーター除去手段が含まれる。
【0234】
ここに例示したように、コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドの濃度はタンパク質の代謝標識によって評価できる。代謝標識化は[35S]−メチオニンを補給した培地の存在下で組織生検のインビトロ培養中に発生するので、検出されたマーカーの各々のレベルはインビトロ条件によって影響を受けることがある。[35S]−メチオニンを用いた代謝(もしくは生合成)標識に加えて、本発明はさらに[14C]−アミノ酸および[H]−アミノ酸(安定性位置で置換されたトリチウムを備える)を用いた標識を予想している。そこで、化合物のサンプルもしくはライブラリーは、例えば小数の方法を挙げると銀、金、クマジーブルー、もしくはアミドシュワルツを使用した比色染色;例えば「32P」−オルトリン酸、[125I]、[131I]を用いた同位体標識;蛍光もしくは化学ルミネセンスタグ;およびマーカーの標識抗体もしくは特異的結合パートナーを用いての免疫学的検出によって、タンパク質の標識後に直接分析できる。
【0235】
昆虫の生理または発達を変調する
コナジラミエクジソン受容体の単離は、受容体結合についての新規リガンドの単離またはスクリーニングを提供する。これらの一部は、正常な昆虫発達を妨害または中断するであろう。ときには、例えば放出するための無菌成体を作製する際に、昆虫発達を加速または減速するのが重要なことがある。あるいはまた、一定の状況では、発達の時期の遅延または変化は致死性なことがある、または農作物に影響を及ぼす昆虫の能力を劇的に修飾することがある。そこで、昆虫発達の時期を中断させる天然型の生物分解性かつ高度に活性の分子が生じるであろう。
【0236】
本発明は、新規リガンドアゴニストもしくはアンタゴニストが発見されている昆虫発達を中断させる手段を提供する。これらの化合物は、正常昆虫発達を妨害するためのアゴニストもしくはアンタゴニストとしての主要な候補である。コナジラミエクジソン受容体に対するリガンドの新規アナログを適用することによって、発達事象の正常時間順序を修飾することが可能である。例えば、昆虫発達の加速は世代時間を最小限に抑えるであろう。これは、最終的に例えば不妊雄性を生成する際に極めて多数の昆虫が望ましい状況においては極めて重要なことがある。あるいはまた、商品作物が感受性段階を通過した後に昆虫が発達の破壊性段階に到達するように、害虫侵入における発達を緩徐化することが有用なことがある。別の商業的適用では、本発明によって提供された方法により発見されたリガンドを使用して、昆虫を人工的に特定発達段階で保持することができる。幼虫の発達は、さらに自然より速い生活環で特定発達段階に到達するように加速することもできる。
【0237】
適用すると正常発達を完全に破壊して致死性結果および害虫駆除を生じさせることのできる、コナジラミエクジソン受容体に対するリガンドの他のアナログを選択できる。実際に、種特異的である、または特別に有用な有効性スペクトルを示すコナジラミエクジソン受容体に対する新規リガンドがある可能性がある。リガンドの特異性が大きいほど、望ましくない有害な環境的副作用を有する非特異的殺虫剤の使用を回避できるであろう。さらに、天然化合物に密接に類似する構造を有する化合物は、生物学的分解の自然機序を受け易い可能性がある。
【0238】
そこで、本発明はさらに昆虫の生理もしくは発達を変調(例、殺滅)するリガンド結合ドメインへの特異的結合を示す化合物を同定かつ選択する方法であって、同翅目エクジソン受容体への結合について化合物をスクリーニングするステップと、前記結合を示す化合物を選択するステップと、および同翅目昆虫へ該リガンドを投与するステップと、を含む方法を提供する。特定実施形態では、昆虫の生理もしくは発達を変調する方法は、コナジラミエクジソン受容体への結合について化合物をスクリーニングするステップと、前記結合を示す化合物を選択するステップと、および該リガンドをコナジラミへ投与するステップと、を含む。
【0239】
ポリペプチド生成
本発明の精製コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドは、さらに精製コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドの構造的および生合成的特徴を決定する方法において有用である。リガンド結合ドメインと選択したリガンドとの相互作用についての構造試験は、様々な方法によって実施できる。構造決定のための好ましい方法は、X線結晶学であるが、様々な他の形の分光法またはクロマトグラフィーを含むことができる。例えば、参照してここに組み込まれるConnolly, M.L., J. Appl. Crystall. 16:548(1983);およびConnolly, M.L., Science 221:709(1983)を参照。例えば、リガンドとリガンド結合ドメインとの相互作用の構造は、高分解能で決定できる。
【0240】
実質的純粋ポリペプチド、その生物学的活性フラグメントおよびそれらをコードする組み換えポリヌクレオチドを提供したが、本発明はさらにまたそれらの各々を含む細胞も提供する。当技術分野においてよく知られている適切な導入方法によって、それらを含む細胞を作製できる。例えば、Sambrookら(1989)を参照。
【0241】
宿主細胞および非ヒト生物
本発明のまた別の態様には、本発明のコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドを含む細胞が含まれる。特定実施形態では、本発明は本発明のコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含む単離宿主細胞に関する。本発明は、さらにまた本発明による発現ベクターを含む単離宿主細胞に関する。また別の特定実施形態では、本発明は本発明のコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子発現カセットを含む単離宿主細胞に関する。また別の特定実施形態では、本発明は本発明のコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子発現変調系を用いてトランスフェクトされた単離宿主細胞に関する。また別の特定実施形態では、本発明はさらに本発明によるコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドを含むエクジソン受容体に基づく遺伝子発現系を含む単離宿主細胞を提供する。また別の特定実施形態では、本発明は本発明のコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドを含む単離宿主細胞に関する。さらにまた別の実施形態では、本発明はコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドを生成する方法に関するが、このとき該方法は本発明のコナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む単離宿主細胞を、培地中での該コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現を許容する条件下で培養するステップと、および該培地から該コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドを単離するステップと、を含む。
【0242】
上記に記載したように、本発明のポリペプチドおよびそれらをコードするポリヌクレオチドを使用すると、宿主細胞内の遺伝子発現を変調させることができる。トランスジェニック宿主細胞内の発現は、様々な当該遺伝子を発現させるために有用なことがある。本出願人らの発明は、原核および真核宿主細胞内での遺伝子発現の変調を提供する。トランスジェニック宿主細胞内での発現は、ワクチンとして植物内で生成した抗原、α−アミラーゼ、フィターゼ、グルカナーゼ、キシラーゼおよびキシラナーゼのような酵素、昆虫、線虫、真菌、細菌、ウイルス、および非生物ストレス、抗原、栄養補助食品、医薬品、ビタミンに対する耐性についての遺伝子、アミノ酸含量、除草剤耐性、耐寒性、耐乾燥性および耐熱性、工業製品、石油、タンパク質、炭水化物、抗酸化剤、雄性不稔性の植物、花、燃料、その他の産出物形質、治療用ポリペプチド、経路中間体を修飾する遺伝子;該宿主を使用してこれまでは不可能であった新規産物を合成するための該宿主内にすでに存在する経路を変調するため;細胞に基づくアッセイ;機能的ゲノミクス、生物療法的タンパク質生成、プロテオミクスアッセイ等を含むがそれらに限定されない様々な当該ポリペプチドの発現のために有用である。さらに、遺伝子産物は、宿主のより高度の増殖収率を付与するため、または代替成長様式を利用することを可能にするために有用なことがある。
【0243】
特定実施形態では、単離宿主細胞は原核宿主細胞または真核宿主細胞である。また別の特定実施形態では、単離宿主細胞は無脊椎動物宿主細胞または脊椎動物宿主細胞である。好ましくは、単離宿主細胞は細菌細胞、真菌細胞、酵母細胞、線虫細胞、昆虫細胞、魚細胞、植物細胞、鳥細胞、動物細胞、および哺乳動物細胞からなる群から選択される。より好ましくは、単離宿主細胞は酵母細胞、線虫細胞、昆虫細胞、植物細胞、ゼブラフィッシュ細胞、ニワトリ細胞、ハムスター細胞、マウス細胞、ラット細胞、ウサギ細胞、ネコ細胞、イヌ細胞、ウシ細胞、ヤギ細胞、雌牛細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、ヒツジ細胞、類人猿細胞、サル細胞、チンパンジー細胞、またはヒト細胞である。
【0244】
好ましい宿主細胞の例にはアスペルギルス(Aspergillus)、トリコデルマ(Trichoderma)、サッカロミセス(Saccharomyces)、ピチア(Pichia)、カンジダ(Candida)、ハンゼヌラ(Hansenula)のような真菌もしくは酵母種、またはシネコシストシス(Synechocystis)、シネココッカス(Synechococcus)、サルモネラ(Salmonella)、バシラス(Bacillus)、アシネトバクター(Acinetobacter)、ロードコッカス(Rhodococcus)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、エシェリキア(Escherichia)、シュードモナス(Pseudomonas)、メチロモナス(Methylomonas)、メチロバクター(Methylobacter)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、シネコシストシス(Synechocystis)、アナベナ(Anabaena)、チオバシラス(Thiobacillus)、メタノバクテリウム(Methanobacterium)およびクレブシエラ(Klebsiella)属のような細菌種;リンゴ、シロイヌナズナ、トウジンビエ、バナナ、オオムギ、マメ、テンサイ、ブラックグラム、ヒヨコマメ、トウガラシ、キュウリ、ナス、ソラマメ、トウモロコシ、メロン、アワ、緑豆、オートムギ、オクラ、キビ、パパイヤ、ピーナッツ、エンドウマメ、コショウ、キマメ、パイナップル、インゲンマメ、ジャガイモ、カボチャ、イネ、モロコシ、ダイズ、スカッシュ、サトウキビ、サトウダイコン、ヒマワリ、サツマイモ、茶、トマト、タバコ、スイカおよびコムギからなる群から選択される植物種;動物;および哺乳動物の宿主細胞が含まれるがそれらに限定されない。
【0245】
特定実施形態では、単離宿主細胞はサッカロミセス、ピチア、およびカンジダ宿主細胞からなる群から選択された酵母細胞である。
【0246】
また別の特定実施形態では、単離宿主細胞はCaenorhabdus elegans線虫細胞である。
【0247】
また別の特定実施形態では、単離宿主細胞はリンゴ、シロイヌナズナ、トウジンビエ、バナナ、オオムギ、マメ、テンサイ、ブラックグラム、ヒヨコマメ、トウガラシ、キュウリ、ナス、ソラマメ、トウモロコシ、メロン、アワ、緑豆、オートムギ、オクラ、キビ、パパイヤ、ピーナッツ、エンドウマメ、コショウ、キマメ、パイナップル、インゲンマメ、ジャガイモ、カボチャ、イネ、モロコシ、ダイズ、スカッシュ、サトウキビ、サトウダイコン、ヒマワリ、サツマイモ、茶、トマト、タバコ、スイカおよびコムギからなる群から選択される植物細胞である。
【0248】
また別の特定実施形態では、単離宿主細胞はゼブラフィッシュ細胞である。
【0249】
また別の特定実施形態では、単離宿主細胞はニワトリ細胞である。
【0250】
また別の特定実施形態では、単離宿主細胞は、ハムスター細胞、マウス細胞、ラット細胞、ウサギ細胞、ネコ細胞、イヌ細胞、ウシ細胞、ヤギ細胞、雌牛細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、ヒツジ細胞、サル細胞、チンパンジー細胞、またはヒト細胞からなる群から選択された哺乳動物細胞である。
【0251】
宿主細胞形質転換は当技術分野においてよく知られており、電気泳動、ウイルス感染、プラスミド/ベクタートランスフェクション、非ウイルスベクター媒介性トランスフェクション、アグロバクテリウム媒介性形質転換、粒子衝撃等を含むがそれらに限定されない様々な方法によって達成できる。所望の遺伝子産物の発現には、適切な条件下で形質転換宿主細胞を培養するステップと、および形質転換遺伝子の発現を誘導するステップと、が含まれる。原核および真核細胞内での培養条件および遺伝子発現プロトコールは、当技術分野においてよく知られている(実施例の一般的方法のセクションを参照)。細胞を採取し、遺伝子産物は該遺伝子産物に特定のプロトコールによって単離できる。
【0252】
さらに、トランスフェクトされたポリヌクレオチドの発現を変調する、または所望の特定様式でポリペプチド産物を修飾およびプロセシングする宿主細胞を選択することができる。様々な宿主細胞は、タンパク質の翻訳および翻訳後プロセシングならびに修飾[例、グリコシル化、開裂(例、シグナル配列の)]のための特徴的および特異的機構を有している。発現した外来タンパク質の所望の修飾およびプロセシングを保証するために、適切な細胞系または宿主系を選択することができる。例えば、細菌系中での発現を使用すると非グリコシル化コアタンパク質産物を作製することができる。しかし、細菌中で発現したポリペプチドは適正に折りたたまれないことがある。酵母内での発現は、グリコシル化産物を生成することができる。真核細胞内での発現は、非相同タンパク質の「天然」グリコシル化および折りたたみの可能性を増加させることができる。さらに、哺乳動物細胞内での発現は、ポリペプチドの活性を再構成するため、または構成するためのツールを提供できる。さらに、様々なベクター/宿主発現系は、様々な程度にタンパク質分解開裂のようなプロセシング反応に影響を及ぼすことができる。
【0253】
本出願人らの発明は、さらにまた本発明による単離宿主細胞を含む非ヒト生物に関する。特定実施形態では、非ヒト生物は原核生物または真核生物である。また別の特定実施形態では、非ヒト生物は無脊椎生物または脊椎生物である。
【0254】
好ましくは、非ヒト生物は細菌、真菌、酵母、線虫、昆虫、魚、植物、鳥、動物、および哺乳動物からなる群から選択される。より好ましくは、非ヒト生物は酵母、線虫、昆虫、植物、ゼブラフィッシュ、ニワトリ、ハムスター、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヤギ、雌牛、ブタ、ウマ、ヒツジ、類人猿、サル、またはチンパンジーである。
【0255】
特定実施形態では、非ヒト生物はサッカロミセス、ピチア、およびカンジダからなる群から選択された酵母である。
【0256】
また別の特定実施形態では、非ヒト生物はCaenorhabdus elegans線虫である。
【0257】
また別の特定実施形態では、非ヒト生物は、リンゴ、シロイヌナズナ、トウジンビエ、バナナ、オオムギ、マメ、テンサイ、ブラックグラム、ヒヨコマメ、トウガラシ、キュウリ、ナス、ソラマメ、トウモロコシ、メロン、アワ、緑豆、オートムギ、オクラ、キビ、パパイヤ、ピーナッツ、エンドウマメ、コショウ、キマメ、パイナップル、インゲンマメ、ジャガイモ、カボチャ、イネ、モロコシ、ダイズ、スカッシュ、サトウキビ、サトウダイコン、ヒマワリ、サツマイモ、茶、トマト、タバコ、スイカおよびコムギからなる群から選択される植物である。
【0258】
また別の特定実施形態では、非ヒト生物はMus musculusマウスである。
【0259】
遺伝子発現/転写の測定
本発明の新規ポリヌクレオチド、ポリペプチド、ベクター、および/または遺伝子カセットを使用して遺伝子発現を変調する方法の1つの有用な測定は、RNA、好ましくはmRNA種の同一度および存在度を含む細胞の転写状態の測定である。このような測定は、便利にも数種の現行遺伝子発現テクノロジーのいずれかによってcDNA存在度を測定することによって実施される。
【0260】
核酸アレイテクノロジーは、示差的mRNA発現を決定するための有用な技術である。このようなテクノロジーには、例えばオリゴヌクレオチドチップおよびDNAマイクロアレイが含まれる。これらの技術は、固相支持体上に固定化され、細胞、組織、もしくは生物全体から抽出された全mRNAプールから調製されたプローブヘハイブリダイズされてcDNAへ転化される様々な遺伝子もしくはcDNAに一致するDNAフラグメントまたはオリゴヌクレオチドに依存している。オリゴヌクレオチドチップは光リソグラフィー法を使用して基体上で合成されたオリゴヌクレオチドのアレイである。1700個までの遺伝子を解析できるチップが製造されている。DNAマイクロアレイは、顕微鏡スライド上にロボットにより印刷されるDNAサンプル、典型的にはPCR産物のアレイである。各遺伝子は、全長、または部分長の標的DNA配列によって解析される。10,000個までの遺伝子を備えるマイクロアレイは、現在日常的に商業生産されている。これら2種の技術の主要な相違は、オリゴヌクレオチドチップは典型的には短いDNA分子の分別を許容する25−merオリゴヌクレオチドを利用するが、他方約1000塩基対のマイクロアレイのより大きなDNA標的は、複雑なDNA混合物を分別する際により高度の感受性を提供できることにある。
【0261】
本発明の出願人らの方法のまた別の有用な測定は、当技術分野においてよく知られている方法を使用して細胞内に存在する構成タンパク質種の存在度を測定することにより細胞の翻訳状態を決定する測定である。
【0262】
様々な生理学的機能に関連する遺伝子の同定が所望である場合は、細胞増殖、アポトーシス、老化、分化、接着、特定分子への結合、別の細胞への結合、細胞組織化、器官発生、細胞内輸送、輸送促進、エネルギー転換、代謝、筋形成、神経形成、および/または造血のような機能における変化が測定されるアッセイを使用できる。
【0263】
さらに、選択可能なマーカーもしくはレポーター遺伝子発現を使用すると本出願人らの発明を使用した遺伝子発現変調を測定できる。
【0264】
遺伝子発現の産物を検出するためのその他の方法は当技術分野においてよく知られており、サザンブロット(DNA検出)、ドットもしくはスロットブロット(DNA、RNA)、ノーザンブロット(RNA)、RT−PCR(RNA)、ウェスタンブロット(ポリペプチド検出)、およびELISA(ポリペプチド)解析が含まれる。好ましさは小さいが、標識タンパク質を使用するとそれにハイブリダイズする特定核酸配列を検出することができる。
【0265】
一部の場合には、核酸配列の量を増幅させことが必要である。これは、例えばポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)、リガーゼ連鎖反応(「LCR」)、ストランド置換増幅法(「SDA」)、転写に基づく増幅法等を含む多数の適切な方法の1つ以上を使用して実行されてよい。PCRは、例えば核酸サンプルが耐熱性DNAポリメラーゼの存在下で、ハイブリダイゼーション条件下で、1つのプライマーは検出される特定配列の1本の鎖(テンプレート)へハイブリダイズする1対のオリゴヌクレオチドプライマーを用いて処理される知られている技術によって実施される。これらのプライマーは、それらとハイブリダイズする特定配列の各テンプレートストランドに対して十分に相補的である。各プライマーの伸長産物が合成されるが、それはそれにハイブリダイズする核酸テンプレートストランドに対して相補的である。各プライマーから合成される伸長産物は、同一プライマーを使用した伸長産物のその後の合成のためのテンプレートとして機能することもできる。伸長産物の合成の十分なラウンド数後、サンプルは検出される1つ以上の配列が存在するかどうかを判定するために上述の通り解析することができる。
【0266】
本発明は、本発明の例示として提供されている以下の非限定的実施例を参照するとより明確に理解できる。
【実施例】
【0267】
一般的分子生物学技術
本発明によると、当技術の範囲内の従来型分子生物学、微生物学、および組み換えDNA技術を使用できる。このような技術は文献において十分に説明されている。例えば、Sambrook, Fritsch & Maniatis,「分子クローニング:実験マニュアル、第2版(Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Second Edition)(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor,ニューヨーク(ここでは「Sambrookら, 1989」と記す);「DNAクローニング:実用的アプローチ、第IおよびII巻(DNA Cloning:A Practical Approach, Volumes I and II)(D.N. Glover編集,1985);オリゴヌクレオチド合成(M.J. Gait編集1984);「核酸ハイブリダイゼーション(Nucleic Acid Hybridization)」[B.D. Hames & S.J. Higgins eds.(1985)];「転写および翻訳(Transcription And Translation)」[B.D. Hames & S.J. Higgins編集(1984)];「動物細胞培養(Animal Cell Culture)」[R.I. Freshney編集(1986)];「固定化細胞および酵素(Immobilized Cells And Enzymes)」[IRL Press,(1986)];B. Perbal,「分子クローニングの実用ガイド(A Practical Guide To Molecular Cloning)」(1984);F.M. Ausubelら(編集),「分子生物学における最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」, John Wiley & Sons, Inc.(1994)を参照。
【0268】
従来型クローニングビヒクルには、pBR322およびpUCタイプのプラスミドおよびM13シリーズのファージが含まれる。これらは市販で入手できる(Bethesda Research Laboratories製)。
【0269】
ライゲーションのためには、DNAフラグメントはアガロースもしくはアクリルアミドゲル電気泳動によってそれらのサイズにしたがって分離し、フェノールもしくはフェノール/クロロホルム混合液を用いて抽出し、エタノールを用いて沈降させ、さらに供給業者の推奨にしたがってファージT4 DNAリガーゼ(Biolabs製)の存在下でインキュベートできる。
【0270】
5’の突出端への充填は、供給業者の仕様書にしたがって、E. coliDNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント(Biolabs製)を用いて実施できる。3’突出端の破壊は、製造業者の推奨にしたがって使用されるファージT4 DNAポリメラーゼ(Biolabs製)の存在下で実施される。5’の突出端の破壊は、S1ヌクレアーゼを用いた制御された処理によって実施される。
【0271】
合成オリゴデオキシヌクレオチドによりインビトロで方向付けられる突然変異誘発は、Amersham社が流通させているキットを使用してTaylorら[Nucleic Acids Res. 13(1985)8749−8764]によって開発された方法によって実施できる。
【0272】
PCRによるDNAフラグメントの酵素増幅技術[「ポリメラーゼ触媒連鎖反応(Polymerase−catalyzed Chain Reaction)」,Saiki R.K.ら, Science 230(1985) 1350−1354;Mullis K.B. and Faloona F.A., Meth. Enzym. 155(1987)335−350]は、製造業者の仕様書にしたがって「DNAサーマルサイクラー(Perkin Elmer Cetus製)を使用して実施できる。
【0273】
ヌクレオチド配列の検証は、Amersham社が流通させているキットを使用してSangerら[Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74:5463−5467(1977)]によって開発された方法によって実施できる。
【0274】
プラスミドDNAは製造業者の取扱説明書にしたがってQiagen製プラスミド精製システムによって精製できる。
【0275】
実施例1
この実施例では、コナジラミBamecia argentifoliエクジソン受容体ポリペプチドをコードする全長cDNAのクローニングについて説明する。この以前には知られていないコナジラミエクジソン受容体アイソフォーム(ここでは「BaEcR」と称する)の全長コード配列を単離するために、混合段階のコナジラミ若虫(第1〜4齢)および蛹から入手した全RNAから調製したコナジラミcDNAライブラリーを使用した。手短には、製造業者の取扱説明書にしたがってZap Express cDNA Gigapack II Gold(商標)クローニングキット(Stratagene製、ラ・ホーヤ、カリフォルニア州)を使用してcDNAライブラリーをUNI−ZAP XR(商標)ベクター内へ構築した。本出願人らは、RT−PCRを使用してコナジラミ全RNAから441塩基対(bp)cDNAフラグメント(配列番号:7)を増幅かつ入手するために、エクジソン受容体C(KKCLSVGM;配列番号:5)およびE(KLIREDQI;配列番号:6)ドメインの保存領域に基づいて設計された縮退オリゴヌクレオチド(表2を参照;配列番号:3および4)を使用した。
【0276】
【表2】
Figure 2005507247
【0277】
逆転写は、THERMOSCRIPT RT−PCRシステム(Life Technologies製)によって実施された。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅は、TaqPlusポリメラーゼ(Stratagene)を使用して実施し、反応条件およびサイクルパラメーターは以下の通りであった。PCRは、最終反応液量を50μlとする1×反応バッファー(Stratagene製)、50ngのdsDNAテンプレート、125ngのフォワードプライマー(プライマー1)、125ngのリバース相補的プライマー(プライマー2)、および1μlのdNTPミックス(Life Technologies)を使用して実施した。使用したサイクルパラメーターは、95℃、1分間での変性、55℃、50秒間でのアニーリング、および72℃、50秒間での伸長の35サイクル、およびその後に72℃、10分間での最終伸長1サイクルから構成した。
【0278】
生じた441bp cDNAフラグメント(配列番号:7)をプローブとして使用して、全長BaEcR cDNAクローンについての、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーションおよび洗浄プロトコールの後にコナジラミcDNAライブラリーをスクリーニングした。ハイブリダイゼーション条件およびファージ感染法はZap Express cDNA Gigapack II Gold(商標)クローニングキット(Stratagene、ラ・ホーヤ、カリフォルニア州)に添付の製造業者の取扱説明書および上記のManiatisらの推奨にしたがって実施した。1個の陽性クローンを単離し、精製し、インビボ切除し、そして標準プロトコール(上記のManiatisらを参照)を使用してその対応するコナジラミcDNAインサートの両方の鎖についてシーケンシングした。
【0279】
全長BaEcRをコードするこの単離cDNAクローンのポリヌクレオチド配列は、配列番号:1として提示した。全長BaEcRの推定アミノ酸配列はここでは配列番号:2として提示したが、これは他のEcRの推定アミノ酸配列と高度の類似性を示した(データは示していない)。
【0280】
実施例2
この実施例では、コナジラミエクジソン受容体遺伝子発現カセットの構築およびエクジソン受容体に基づく遺伝子発現変調系におけるそれらの使用について説明する。ここに提示した結果は、コナジラミエクジソン受容体が昆虫細胞および哺乳動物細胞の両方においてエクジソン受容体に基づく遺伝子発現変調系で機能的であることを証明している。
【0281】
A)昆虫細胞:
手短には、BaEcR CDEドメイン(配列番号:2のアミノ酸53〜416)を次のようにVP16トランス活性化ドメイン(配列番号:8)へ融合させた。BaEcR−CDEポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(配列番号:1のヌクレオチド259〜1349)をNH末端でVP16活性化ドメインをコードするポリヌクレオチド(配列番号:9)へ融合させることによって、1つの構築物を作製した。このVP16BaEcR融合体は、その後バキュロウイルスIE1プロモーター(配列番号:10)の制御下にクローン化させた。VP16BaEcR遺伝子発現カセットは、6X ECRE応答エレメントを含むレポーター構築物EcRELaCZ(1X EcREは配列番号:11に示した)、ADH遠位プロモーター(Heberleinら, 1985, Cell 41:965−977およびKoelleら, 1991, Cell 67:59−77を参照)およびLacZレポーター遺伝子(配列番号:12)と一緒にL57細胞系(内因性EcRが欠損するショウジョウバエ細胞系)およびメキシコワタノミゾウムシ(cotton boll weevil)(「CBW」;Anthonomus grandis) BRL−AG−2細胞系(寛容にもUSDA, ARS, Bioscience Research Laboratory、ファーゴ、ノースダコタ州から提供された)内へトランスフェクトした。レポーター遺伝子活性は、0、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10、および100μmの20−ヒドロキシエクジソン(20E)リガンドまたはN−(2−エチル−3−メトキシベンゾイル)−N’−(3,5−ジメチルベンゾイル)−N’−tert−ブチルヒドラジン(GS(商標)−E)リガンドの存在下で定量した。
【0282】
リガンド:ステロイドリガンド20−ヒドロキシエクジソン(20E)はシグマ・ケミカル社から購入した。非ステロイドリガンドのN−(2−エチル−3−メトキシベンゾイル)−N’−(3,5−ジメチルベンゾイル)−N’−tert−ブチルヒドラジン(GS(商標)−E)は、Rohm and Haas社で合成された合成安定性エクジステロイドリガンドである。これらのリガンドはDMSO中に溶解させ、対照群および処理群のどちらにおいてもDMSOの最終濃度は0.1%で維持した。
【0283】
トランスフェクション:上述した遺伝子構築物に対応するDNAを以下の通りにL57またはCBW細胞内へトランスフェクトした。L57または細胞はHyQ−CCM3培地(Hyclone Labs製)中で増殖させ、リポフェクトミン(Life Technologies製)を用いてトランスフェクトした。CBW細胞は、Ex−Cell 401(JRH Sciences製)中で増殖させ、セルフェクチン(Invitrogen製)を用いてトランスフェクトした。細胞の培養および維持のための標準方法に従った。細胞は、それらが50%コンフルエンシーに達したときに採取し、6ウェル、12ウェルまたは24ウェルプレート中で、各々2.5、1.0、または0.5mLの増殖培地中の125,000、50,000または25,000細胞でプレーティングした。翌日、増殖培地で細胞をすすぎ洗いし、4時間トランスフェクトした。12ウェルプレートについては、4μlの適切なトランスフェクション試薬を100μlの増殖培地と混合した。1μgのレポーター構築物および解析されるべき受容体対の各受容体構築物0.25μgをトランスフェクション混合物へ添加した。チミジンキナーゼ(TK)構成性プロモーターと機能的に連結していてその制御下に置かれたウミシイタケ(Renilla)ルシフェラーゼ遺伝子を含む第2レポーター構築物[pTKRL(Promega), 0.1 μg/トランスフェクション混合物]を添加し、標準化のために使用した。トランスフェクション混合物の内容物をボルテックス・ミキサーで混合し、室温に30分間静置した。インキュベーションの終了時に、400μlの増殖培地中に維持した細胞へトランスフェクション混合物を添加した。細胞は37℃および5% COで4時間維持した。インキュベーションの終了時に、増殖培地500μlおよびジメチルスルホキシド(DMSO;対照)またはステロイドリガンドもしくは非ステロイドリガンドのDMSO溶液のどちらかを加え、細胞を37℃および5% COで48時間維持した。細胞を採取し、レポーター活性をアッセイした。6ウェルプレートについては全試薬の量を2倍にし、24ウェルプレートについては半量にすることを除いて、6および24ウェルプレートについても同一方法を実施した。
【0284】
レポーターアッセイ:細胞は、リガンドの添加48時間後に採取した。受動溶解バッファー125μl(Promega Corporation製のデュアル−ルシフェラーゼ(商標)レポーターアッセイシステムの一部)を24ウェルプレートの各ウェルに添加した。プレートはロータリーシェーカー上に15分間置いた。20μlの溶解産物をアッセイした。ルシフェラーゼ活性は、Promega Corporation製のデュアル−ルシフェラーゼ(商標)レポーターアッセイシステムを使用して製造業者の取扱説明書にしたがって測定した。β−ガラクトシダーゼは、TROPIX製のGalacto Star(商標)アッセイキットを使用して製造業者の取扱説明書にしたがって測定した。全ルシフェラーゼおよびガラクトシダーゼ活性は、標準物質としてウミシイタケルシフェラーゼを使用して標準化した。活性倍率は、リガンド処理された細胞における標準化された相対光単位(「RLU」)をDMSOでの処理細胞(未処理対照)における標準化RLUで割ることによって計算した。結果は図1に提示したが、各バーの頂部の数字はその群の最大誘導倍率を示している。
【0285】
図1に示したように、BaEcR構築物は、CBW細胞において試験した両方のリガンドを用いて用量依存性様式でレポーター遺伝子活性をトランス活性化することができた。しかし、L57細胞内では、いずれのリガンドの存在下でもほんのわずかなトランス活性化しか生じなかった。本出願人らの以前の試験は、CFEcRおよびDmEcRがどちらもL57において良好なトランス活性化を引き起こすが、BaEcRはこれらの細胞内では不良なトランス活性化因子であることを証明している。
【0286】
B)哺乳動物細胞:
手短には、BaEcR DEドメイン(配列番号:2のアミノ酸119〜416)を次のようにGAL4 DNA結合ドメイン(配列番号:13)に融合させた。BaEcR−DEポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(配列番号:1のヌクレオチド458〜1349)をNH末端でGAL4 DNA結合ドメインをコードするポリヌクレオチド(配列番号:14)へ融合させることによって、1つの構築物を作製した。このGAL4/BaEcR融合は、その後サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター/エンハンサー(配列番号:15)の制御下でクローン化させた。さらに、ガChoristoneura fumiferanaウルトラスピラクルタンパク質(「CfUSP」,配列番号:16)、ミバエDrosophila melanogasterウルトラスピラクルタンパク質(「DmUSP」;配列番号:17)、バッタLocusta migratoriaウルトラスピラクルタンパク質(LmUSP;配列番号:18)、マウスMus musculusレチノイドX受容体アイソフォームα(MmRXRα;配列番号:19)、MmRXRαとLmUSPの間のキメラRXR/USP(Chimera;配列番号:20)、マダニAmblyonmma americanumレチノイドX受容体ホモログ1(AmaRXR1;配列番号:21)、およびマダニAmblyomma americanumレチノイドX受容体ホモログ2(AmaRXR2;配列番号:22)からの7種のRXR/USPのEFドメインをコードするポリヌクレオチドを各々VP16トランス活性化ドメインをコードするポリヌクレオチド(配列番号:9)へ融合させた。
【0287】
GAL4/BaEcR遺伝子発現カセットは、細胞を10%ウシ胎児血清(FBS)を含む増殖培地中で培養し、トランスフェクション試薬としてSuperfect(商標)(Qiagen製)を使用し、そしてインキュベーション/トランスフェクションの終了時に20% FBSを含有する500μlの増殖培地を細胞に添加したことを除いて、上述の通りに7つのVP16RXR/USP遺伝子発現カセット各々と、並びに5XGAL4RE(1X GAL4REは配列番号:23に示した)、合成TATA(配列番号:24)およびルシフェラーゼレポーター遺伝子(配列番号:25)を含むレポーター構築物pFRLucと一緒にNIH3T3細胞(ATCC)内へトランスフェクトした。
【0288】
受容体の組み合わせを、0、0.2、1.0もしくは10μmのステロイドポナステロンA(PonA;Invitrogen製)または0、0.04、0.2、1.0、もしくは10μmのGS(商標)−Eの存在下でそれらがNIH3T3細胞内でpFRLucをトランス活性化する能力について比較した。これらのリガンドはDMSO中に溶解させ、対照群および処理群のどちらにおいてもDMSOの最終濃度は0.1%で維持した。結果は図2に提示したが、各バーの頂部の数字はその群の最大誘導倍率を示している。
【0289】
図2に示したように、BaEcRは試験したRXR/USPレポーター構築物のいずれと組み合わせてもレポーター遺伝子活性を誘導したので、これはBaEcRが哺乳動物細胞内で機能的であることを指示している。
【0290】
本発明は、ここに記載した特定実施形態によって範囲が限定されてはならない。実際に、当業者にはここに記載した実施形態に加えて上記の説明から本発明の様々な変形が明白になるであろう。そのような変形は添付の請求項の範囲内に含まれることが意図されている。
【0291】
さらにまた、すべての塩基のサイズまたはアミノ酸のサイズ、および核酸もしくはポリペプチドについて示したすべての分子量または分子質量値は近似値であり、説明のために提供されている。
【0292】
ここでは様々な出版物について言及するが、それらの開示はその全体が参照して組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0293】
【図1】5XEcRELacZおよびpFREcREと一緒にL57細胞またはCBW細胞内へトランスフェクトされたVP16/BaEcR−CDE構築物を介しての、20EまたはGS(商標)−Eによるレポーター遺伝子のトランス活性化。バーの頂部の数字はDMSOでのレベルに対する増加倍率を示している。
【図2】VP16/CfUSP−EF、VP16/DmUSP−EF、VP16/MmRXRα−EF、VP16/MmRXRα/LmUSP−EFキメラ、VP16/AmaRXRl−EF、またはVP16/AmaRXR2−EF、およびpFRLucと一緒にNIH3T3細胞内へトランスフェクトされたGAL4/BaEcR−DE構築物を介しての、PonAまたはGS(商標)−Eによるレポーター遺伝子のトランス活性化。バーの頂部の数字はその群の最大誘導倍率を示している。

Claims (19)

  1. 配列番号:1、配列番号:1のヌクレオチド102〜1349、配列番号:1のヌクレオチド102〜258、配列番号:1のヌクレオチド259〜457、配列番号:1のヌクレオチド458〜677、配列番号:1のヌクレオチド678〜1349、配列番号:1のヌクレオチド259〜1349、配列番号:1のヌクレオチド458〜1349、および配列番号:1のヌクレオチド648〜1349からなる群から選択された核酸配列を含む単離ポリヌクレオチド。
  2. 配列番号:2、配列番号:2のアミノ酸1〜52、配列番号:2のアミノ酸53〜118、配列番号:2のアミノ酸119〜192、配列番号:2のアミノ酸193〜416、配列番号:2のアミノ酸53〜416、配列番号:2のアミノ酸119〜416、および配列番号:2のアミノ酸183〜416からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチド。
  3. 請求項1または2記載の単離ポリヌクレオチドを含むベクター。
  4. 該単離ポリヌクレオチドは発現コンピテント宿主細胞内での該単離ポリヌクレオチドの発現を許容する発現制御配列と機能的に連結している請求項3記載のベクター。
  5. 該発現制御配列は哺乳動物細胞内で機能的であるプロモーターを含む請求項4記載のベクター。
  6. 該ベクターはRNA分子、プラスミド、およびウイルスベクターからなる群から選択される請求項4記載のベクター。
  7. 該ベクターはプラスミドである請求項6記載のベクター。
  8. 請求項3記載のベクターを用いてトランスフェクトされた単離宿主細胞。
  9. 該宿主細胞は、細菌細胞、真菌細胞、酵母細胞、線虫細胞、昆虫細胞、魚細胞、植物細胞、鳥細胞、動物細胞、および哺乳動物細胞からなる群から選択される請求項8記載の単離宿主細胞。
  10. 配列番号:2、配列番号:2のアミノ酸1〜52、配列番号:2のアミノ酸53〜118、配列番号:2のアミノ酸119〜192、配列番号:2のアミノ酸193〜416、配列番号:2のアミノ酸53〜416、配列番号:2のアミノ酸119〜416、および配列番号:2のアミノ酸183〜416からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド。
  11. コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドを生成するための方法であって:
    a)コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドの発現を許容する条件下で培地中の請求項8記載の宿主細胞を培養するステップと;および
    b)該培地から該コナジラミエクジソン受容体ポリペプチドを単離するステップと、を含む方法。
  12. 請求項10の単離ポリペプチドに特異的に結合する抗体。
  13. 該抗体はモノクローナル抗体である請求項12記載の抗体。
  14. 請求項1または2記載の単離ポリヌクレオチドおよび許容される担体を含む組成物。
  15. 請求項3記載のベクターおよび許容される担体を含む組成物。
  16. 請求項10記載の単離ポリペプチドおよび許容される担体を含む組成物。
  17. 細胞内のコナジラミエクジソン受容体活性を変調する分子についてスクリーニングする方法であって:
    (a)請求項10に記載の単離ポリペプチドを含む細胞を候補分子と接触させるステップと;および
    (b)該分子の存在下でコナジラミエクジソン受容体活性を検出するステップと、を含む方法。
  18. 該分子がコナジラミエクジソン受容体のアゴニストである請求項17記載の方法。
  19. 該分子がコナジラミエクジソン受容体のアンタゴニストである請求項17記載の方法。
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