JP2005506090A - 一時的な不死化 - Google Patents

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Abstract

【課題】一時的な不死化
【解決手段】本発明は、外部の不死化タンパク質を細胞内へ導入して細胞を一時的に不死化する方法、並びに器官に関する細胞に不死化タンパク質の外部供給により一時的に不死化し、増殖後に再致死化させる細胞を獲得する方法に関する。更に、本発明は前記の製造方法により製造された細胞、この細胞の増殖片の製造のための使用並びにこの方法において使用すべき不死化タンパク質に関する。

Description

【発明の背景】
【0001】
本発明は、例えば器官内に移植可能である細胞を得る方法に関する。一般に、本発明は定義された細胞集団の死滅が共通している変性疾患、並びに移植およびこの種の変性疾患を治療する医薬に関する。
【0002】
工業国では、特に年齢ピラミッドが変化することにより、重度のまたは全く治療可能ではない慢性の変性疾患が存在する。
【0003】
このような疾患には、特に心筋疾患、神経変性疾患、骨疾患および肝臓疾患が属し、これらの疾患は該当する細胞集団の損失を特徴とする。
【0004】
最も重大な疾患のいくつかを挙げてみただけでも、心筋梗塞の場合に、例えば心筋細胞は不可逆に死滅し、インシュリン依存性糖尿病の場合には膵臓の島細胞が自己免疫疾患のために死滅し、パーキンソン病の場合には黒質中のドーパミン産生細胞が死滅する。
【0005】
自然の再生プロセスは、機能的に重要な細胞を置き換えることはほとんどできない。従って、変性疾患の治療の場合の大きな進歩は、このような器官に関連する細胞を体外で培養し、相応して増殖した後に損傷した器官内へ移植することにある。生体固有の細胞である場合には、器官の持続的な再生は見込みがある、それというのも組織拒絶反応が生じないためである。
【0006】
このように器官に関連する細胞は、今日は胚性幹細胞および成熟した幹細胞から得ることができる。従って、心筋細胞は骨髄の間葉系ストローマ細胞から得ることができる。しかしながらこれらの細胞は限定的に分裂できるにすぎず、器官に関連する細胞の十分な数を得るためには細胞分裂の数は十分ではない。従って、このような細胞を不死化して、この細胞を無制限な量で産生できるようにすることが試みられた。不死化は、少なくともヒトテロメラーゼ(hTRT)の触媒サブユニットについての遺伝子機能をプライマリー細胞中へ導入することにより可能である。多くの場合に、プライマリー細胞の細胞周期の抑制を克服するためにはなお他の遺伝子機能が必要であり、それによりこのプライマリー細胞は一般に初めて分裂し始める。この遺伝子機能は、たいていは形質転換性の特性もしくは発癌遺伝子の特性を有している。この遺伝子機能のプロトタイプは、SV40の大型腫瘍抗体(Large Tumor Antigen)である。
【0007】
以前から、プライマリー細胞培養は限定的な細胞分裂能力を有することは公知である。Wistar InstitutのLeonard Hayflickは1961年に、新生児の繊維芽細胞が80〜90回の細胞分裂を行うことができるが、70才の人の繊維芽細胞は20〜30回の分裂であることを発見した。この分裂回数の後でこの細胞は老化期に移行する。この複製能力は供与者の年齢により決まる。
【0008】
今日では、この複製能力は染色体末端のテロメアの長さによって規定されることは公知である。通常細胞中では細胞分裂ごとにテロメアは短くなる。このテロメアは、哺乳類の場合にヘキサマー配列のTTAGGGの繰り返しからなり、新生児の場合に約12kbの長さである。この欠失はたいていの場合に体皮細胞中に見られる。生殖系列の細胞は、この複製による欠失を再び補償することができる酵素機能を有する。このいわゆるテロメラーゼは、まず最初に単細胞のテトラヒメナ繊毛虫において、Elizabeth BlackburnおよびCarol Creiderによって発見された。これはリボ核タンパク質である。別個の遺伝子によりコードされるRNA−成分は、テロメラーゼ−反応に対する鋳型配列を含有する。この鋳型−RNAに対する遺伝子は、その間に、ヒトを含めた多くの生物からクローニングすることができた。その間に、多様な種からのテロメラーゼの他の因子もクローニングされた。このテロメラーゼは付加的になお、RNA−鋳型と結合するP80−タンパク質と、ポリメラーゼ機能を有するP95−タンパク質とからなる。テロメラーゼは、結合したRNAに基づき染色体末端にひとまとまりのDNAを作成する特別な逆転写酵素である。
【0009】
テロメア結合性タンパク質により、この場合に、染色体末端の延長が調節されて行われることが保証される。ヒトの細胞から、60kDaのサイズのテロメア−リピート因子TRFに対する遺伝子がクローニングされた。このタンパク質は、DNA結合ドメインを有し、このドメインはMYB−腫瘍性タンパク質と相同性を示し、かつ相同性の酵母−タンパク質RAP1中にも再び見つけられている。TRF並びに他のタンパク質とテロメアとの結合は、染色体末端の特別なパッケージングを引き起こす。これによりテロメラーゼは明らかに阻害される。テロメアが短くなればそれだけ、阻害が少なくなり、それによりテロメアホメオスタシスが保証される。このホメオスタシスは、しかしながら高い確率で他の重大な機能をも有している:この機能はテロメア調節を細胞周期制御系と関連づけている。このシステムは、DNA−架橋もしくはネーキッドDNA−末端が存在する場合に、p53−依存性メカニズムを介して活性化される。その他に、テロメラーゼ−ネガティブな体皮細胞中で、テロメアが次第に浸食され、それにより、TRFおよび類縁のタンパク質の結合可能性が生じる。これについては、p53依存性チェックポイント−システムの最短長さを下回った場合に活性化され、その結果、細胞周期は移行期G1/Sで停止することが実験的手がかりである。この細胞は、いわゆるハイフリック(Hayflick)−老化−リミットに達している。
【0010】
細胞が発癌ウイルスで感染されることにより、この点を乗り越えることができる。このようなウイルスは、例えばSV40である。このウイルスはいわゆる大型腫瘍抗原、TAgを発現し、この抗原は腫瘍サプレッサタンパク質p53およびpRBと結合し、これらはこの結合により不活性化される。これは、チェックポイント−システムの欠損を生じる。従って、細胞に対しては、ハイフリック−リミット(Hayflick-Limit)を越えて分裂することが可能となる。これは寿命の延長(extended life span)を示す。しかしながら、生じた細胞集団はなお不死ではなく、つまりなお不死化されていない、それというのもなお第2のコントロールポイントが存在するためである:これは危機と呼ばれ、テロメアの更なる消耗によって生じる。約2.5kbのテロメア長さから染色体末端は不安定になる。細胞の組み換え機構もこれに関与している可能性もある。遺伝子的な不安定性は、大部分の細胞に対して致死である。1000万分の1より少ない、最もまれなケースの場合には、細胞はこの危機を免れ、更に複製的な生存の段階に入る。このような細胞は不死化され、従って潜在的な癌細胞である。
【0011】
不死化された細胞および腫瘍細胞は、90%より多くの場合に、テロメラーゼの触媒サブユニットの発現を示す。これは、鋳型RNAおよびTP1がたいていの細胞内で発現していると思われる間に限られる。たいていの体皮細胞は、それに対してテロメラーゼの触媒サブユニットに対してネガティブである。この原則の例外は、活性化されたT−リンパ球およびB−リンパ球、CD34ポジティブ幹細胞、並びに分裂活性角化細胞である。しかしながら、これらの細胞中の測定可能なテロメラーゼ活性は、最もよい場合でも、テロメア損失が延長できるだけで、このテロメア損失を停止できないことが発見された。他方で、テロメラーゼ活性のないいくつかのヒトの腫瘍が発見された。この腫瘍は、しばしば特に長いテロマーを有するため、テロメア損失を補償する別の機構が存在することが予測された。
【0012】
既に分裂している細胞(例えばプライマリー繊維芽細胞)を不死化するために、テロメラーゼの触媒活性の添加で十分である。休止細胞および末端分化した細胞(例えば成熟心筋細胞、ニューロン)は、細胞周期の抑制を克服するために付加的になお遺伝子機能を必要とする。このために、ウイルス性癌遺伝子、例えばSV40 TAg、HPV E6およびE7、アデノウイルスE1AおよびE1bを使用することができる。しかしながら細胞性癌遺伝子、ras、myc、src等も、必要な成長シグナルを提供することができる。
【0013】
しかしながら、それぞれの不死化の固有の問題は、このような細胞が突然変異の蓄積によって癌細胞へと発展しかねないことである。従って、この不死化は再び取り消すことができる必要がある。
【0014】
公開前のドイツ連邦共和国特許出願第10019195号明細書には、この問題の解決のために、可逆的不死化が提案されていて、この可逆的不死化は器官に関係する細胞内への「Survive−遺伝子複合体」を導入することに基づいている。この遺伝子複合体は、特にヒトテロメアーゼの触媒サブユニットおよびTAgを含有する。この複合体はLox/P配列が末端に存在している。この細胞は、複合体の不死化特性によりex vivoで任意の期間増殖される。患者へ移植する前に、Cre−レコンビナーゼを使用し、このレコンビナーゼはLox/p−配列間のSurvive−複合体を切り出す。この技術は、ヒトに使用するために必要であり、それぞれの細胞から不死化機能を完全に除去されたことが保障される。
【0015】
ドイツ連邦共和国特許出願第10019195号明細書によると、これはHSV−チミジンキナーゼ(TK)のネガティブな選択システムとCre/Lox−システムとの組み合わせにより行われる。Survive−遺伝子複合体がなお機能している全ての細胞は、この細胞にプロドラッグのガンシクロビルを投与した場合に、TKの活性化により死滅する。この技術の欠点は、Survive−遺伝子複合体が発現可能なDNA配列の形で投与され、これがゲノム内へランダムに組み込まれてしまいかねないことにある。従って、Cre−レコンビナーゼの必要な適用な後でさえも、LoxP−位置に対して遠位のDNA配列はゲノム内に残留することは排除できない。
【発明の開示】
【0016】
このバックグラウンドから、本発明の根底をなす課題は、再生組織を作成するための細胞の不死化並びにこの細胞の完全な再致死化を可能にする方法、並びにこの新規の方法において使用するための適当な手段を提供することである。
【0017】
本発明により、前記課題は、外部不死化タンパク質を細胞内へ導入する、細胞を一時的に不死化する方法により解決される。
【0018】
不死化タンパク質とは、本発明の範囲内で、一方では、例えばSV40のTAgが引き起こすように、細胞中でのその発現の際に相当する細胞がさらに分裂するかもしくはハイフリック−リミットを越えてさらに分裂するようにする形質転換タンパク質であると解釈される。このような不死化タンパク質の適用は、末端分化した休止細胞を再び分裂させるため、器官の出発細胞からex vivoで移植用の組織を産生することができる。
【0019】
他方では、この不死化タンパク質は、本発明の範囲内で、例えばテロメアーゼの触媒サブユニットが引き起こすように、細胞中でのその発現の際に相当する細胞が、増殖の際にテロメア損失が回避されるために、無制限に複製可能な状態を維持するかまたは再び無制限に複製可能な状態になるようにするテロメアタンパク質であるとも解釈される。本出願人は、同様に本発明の対象であり、かつhTRTplusと名付けられたヒトテロメラーゼの触媒サブユニットをコードするプラスミドを、ブダペスト条約によりDSMZ(DSM14569)に2001年10月17日に寄託し、このプラスミドはpcrscript−テロメラーゼと称され、E.coli HB101中にトランスフェクションされている。このプラスミドから、不死化遺伝子のhTRTplusに対するDNA−配列が単離される。
【0020】
この形質転換タンパク質およびテロメアタンパク質は、本発明の場合に、それ自体または組み合わせて、組織に関して所望の量が産生されるまで、増殖すべき細胞に投与される。
【0021】
しかしながら、この形質転換タンパク質およびテロメアタンパク質は、in vivoでの一時的な細胞分裂を活発化させる目的で(一時的in vivo不死化)、さらになお下記する方法でも並び記載された患者に適用するための他の実施態様でも使用される。
【0022】
このバックグラウンドから、本発明は、少なくとも1種の本発明による不死化タンパク質を含有する治療用組成物にも関する。
【0023】
この新規の方法の本質的な利点は、細胞内へDNA−配列を導入しない点にあり、その結果、細胞のゲノム内への組み込みは行われることはない。この「不死化」は、不死化タンパク質が継続して外部から適用されている間だけ持続されるにすぎない。不死化タンパク質の供給を取りやめた場合に不死化の転換が生じる、それというのもこの細胞中に存在する不死化タンパク質は細胞のプロテアーゼにより継続して分解されているためである。このプロセスは、本発明の範囲内で、一時的な不死化と称されている、それというのも、不死化タンパク質が外部から提供されている限りこの不死化は持続するにすぎないためである。このタンパク質は、このために例えばフィーダー細胞から分泌させることができるかまたは例えばバキュロウイルス系を用いたまたはE.coli中で組み換えて産生することができる。
【0024】
不死化特性を有するこの遺伝子機能は、つまり、発現可能なDNA−配列としてではなく、タンパク質として直接的に不死化すべき細胞に作用する。このために、不死化すべき細胞を不死化タンパク質と混合し、この不死化タンパク質は生化学的、化学的または物理的適用を用いて細胞内へ導入される。
【0025】
不死化タンパク質の生化学的適用の場合には、この不死化タンパク質をタンパク質形質導入−ドメイン、リガンド、例えばペプチド−リガンド、または一本鎖抗体と融合する。この不死化タンパク質は、このために、例えばバキュロウイルス−系中またはE.coli−系中で組み換えにより製造され、かつ適当な融合タンパク質として目標細胞へ直接、つまり器官に関連する細胞へ直接投与されるか、または不死化タンパク質を培地中へ放出するフィーダー細胞中で発現される。このフィーダー細胞は、目標細胞と一緒に共培養されるため、この不死化タンパク質がフィーダー細胞から培地内へ達し、器官に関連する細胞によって取り込まれる。このフィーダー細胞は、この場合に、多様な融合タンパク質を発現することができるが、その際、各種のそれぞれ1種だけの融合タンパク質を発現する多様なフィーダー細胞を使用することもできる。
【0026】
不死化タンパク質の化学的適用は、例えばリポソームまたはインターナリゼーション可能なナノ粒子を介して行う。この不死化タンパク質は組み換えにより製造され、精製されかつこの化学的方法を用いて目標細胞内へ導入される。同様に、この不死化タンパク質は、非−ペプチドリガンドと化学的に結合させ、これを介して目的細胞内へ搬入することもできる。
【0027】
不死化タンパク質の物理的適用は、粒子打ち込み、エレクトロポレーションまたはマイクロインジョクションによって行う。この不死化タンパク質は組み換えにより製造され、精製されかつこの物理的方法を用いて目標細胞内へ導入される。
【0028】
生化学的適用のためには、この不死化タンパク質のアミノ末端またはカルボキシ末端に、このタンパク質を培地から天然の輸送経路を介して取り込みを行うことができる付加的なアミノ酸を設置する。これは、不死化タンパク質とタンパク質形質導入ドメインとからの融合の作成により行うことができる。このようなドメインを有するタンパク質は、「メッセンジャー」タンパク質または「トランスロケーション」タンパク質と称される(概要は:Prochiantz,Curr.Opin.Cell Biol.2000年,12、400〜406頁参照)
今日公知のメッセンジャータンパク質の多くはホメオタンパク質に所属する(例えばEngrailed、Hoxa−5、アンテナペディア)。ホメオタンパク質は転写因子であり、この因子は成長プロセスにおいて重要な役割があり、全ての後生動物並びに植物において存在する。この転写因子は60個のアミノ酸のサイズのドメイン、ホメオドメインによってDNAと結合する。このホメオドメインは3つのヘリックスを有する。ホメオタンパク質のアンテナペディアの場合には、3つのヘリックス中のアミノ酸43〜58が「細胞インポート配列」、CISであることが発見された。この配列から、Penetratin−ペプチドの種類が開発され(概要は:Derossiら著、Trends Cell Biol 1998年、8:84〜87頁参照)、この場合Penetratin−1がオリジナル配列である。
【0029】
精製されたPenetratin−1並びにPenetratin−1と異種タンパク質またはペプチドとの融合体は、エンドサイトーシス経路を含まない非典型的プロセスを介して、細胞外空間から細胞質または各内へ取り込まれる。正確なメカニズムは未だに解明されていない。Q−BIOgene社(ハイデルベルグ(Heidelberg))はPenetratinの適用の2つの可能性を提供している:
1.Penetratin−1−ペプチドをインポートすべきタンパク質またはペプチドと結合させる;この融合タンパク質を次いで細胞に投与し、細胞に取り込ませる。
【0030】
2.Q−BIOgene社のTransVectorシステムを用いて、目標タンパク質のDNA配列をPenteratinの配列と融合させ、この融合タンパク質をE.coliクテリア内へのベクターの形質転換により組み換えて製造し、HIS−Tagを用いて精製することができる。この組み換えられた融合タンパク質を細胞に投与し、細胞に取り込ませる。
【0031】
Q−BIOgene社(ハイデルベルグ)は、Penetratin−1は100アミノ酸のサイズを上回るタンパク質と一緒に使用する必要があることを記載している。従って、テロメラーゼまたはT−Agの輸送のためのタンパク質またはこのタンパク質から誘導されたペプチドの使用も本発明の対象である。
【0032】
本発明の範囲内で予定される使用方法は、不死化タンパク質とVoyager Protein VP22との融合である。この38kDaのサイズのタンパク質は、単純ヘルペスウイルス(HSV)遺伝子UL49の遺伝子産物およびHS−ビリオンの主構成タンパク質である。これは細胞間輸送の特別な特性を示す、つまり、文献(Elliot and O’Hare,Cell 1997年、88:223〜233頁)に記載されているように、細胞内で合成され、その細胞から隣接する細胞の各領域内へ輸送される。
【0033】
興味深いことに、VP22の融合タンパク質、例えば融合タンパク質VP22−GFP(緑色蛍光タンパク質;Green fluorescent protein)もその特性を維持する。
【0034】
本願明細書の発明から、VP22とSV40の大型T Agとの融合が実施され、並びにこの融合タンパク質を産生しかつ分泌するセルラインが製造された。本発明者は、タンパク質とVP22の融合が目的タンパク質の輸送をセルライン中だけでなく、プライマリー細胞内へも行えることを初めて検出することができた。
【0035】
このバックグラウンドから、本発明は、更に好ましくは有用なタンパク質のプライマリー細胞への輸送のための、VP22と有用なタンパク質、例えば不死化タンパク質とからなる融合タンパク質にも関する。
【0036】
本発明の範囲内に、VP22とテロメアーゼとからなる融合タンパク質の製造および相応するフィーダーセルラインの製造も含まれる。このフィーダー細胞は、不死化すべき細胞と一緒に培養される。この不死化タンパク質が放出され、不死化すべき細胞に取り込まれる。このフィーダー細胞は半透膜を備えた室により目標細胞と空間的に隔てられている。細胞培養シャーレからこの室を取り出すことにより、不死化タンパク質の供給は中断され、目標細胞は再び致死化され、当初の状態に戻る。
【0037】
VP22およびPenetratinの他に、目標細胞中へ侵入する能力を有する一連の他のタンパク質もしくはペプチドが存在する(表1参照)。この不死化タンパク質は、本発明の範囲を超えることなく、このタンパク質もしくはこのタンパク質からの配列の1種または数種と融合させることができる。更に、表1に記載されていない並びに今日未だに公知ではないタンパク質形質導入配列も不死化タンパク質と融合することができる。
【表1】
Figure 2005506090
【0038】
本発明の範囲内で、不死化タンパク質の適用の他の予定される可能性は、このタンパク質とレセプターリガンドまたはレセプターと結合できる組み換え一本鎖抗体との融合である。全般的に使用可能なリガンドのプロトタイプはRGD−モチーフであり、これは付着分子、例えばビトロネクチン、コラーゲンおよびラミニン中に存在し、並びに多くのウイルス、例えばコクサッキーウイルスA9およびアデノウイルスのキャプシドタンパク質中に存在する。このRGD−モチーフは、アミノ酸Arg−Gly−Aspを含有し、かつインテグリンへの結合を媒介し、このインテグリンはヘテロダイマーの膜−糖タンパク質であり、これはほとんど全ての細胞タイプから発現される。ウイルスはこのメカニズムを介して細胞内へ侵入することができる。HartはExp.Nephrol.1999年、2:193〜199頁に分子を細胞内へ輸送するためにRGD−リガンドを使用することを記載している。本発明の範囲内で、このRGD−モチーフを不死化タンパク質のテロメアーゼおよびTAgに融合させる。この適用は、共培養したフィーダー細胞から融合タンパク質が分泌される領域内で引き起こされるか、またはバキュロウイルス−システムまたはシステム内で製造された組み換え融合タンパク質として不死化すべき細胞に直接投与される。本発明の範囲内を逸脱することなく、一本鎖抗体を含めた他のリガンドも不死化タンパク質と融合させるかまたは(化学的に)連結させることができると解釈される。ファージディスプレーを介したペプチド−リガンドの同定のために、この明細書中に実施例が存在する。
【0039】
本発明の範囲内で予定される、不死化タンパク質の適用のためのストラテジーは、特異的な抗体の適用である。Arndtら著(Blood 1999年、94:2562〜2568頁)は、組み換えた特異的なモノクローナル抗体の利用を記載していて、この抗体は一方の側にナチュラルキラー細胞のCD16−抗原に結合し、かつ他方の側にヒトHodkin腫瘍のCD30−抗体が認識される。この「二重特異性抗体Diabody」の適用は、ナチュラルキラー細胞による腫瘍細胞の溶解を引き起こす。ハイデルベルグのAffimed Therpeutics AG社はサービス−機能として特別な二重特異性抗体の開発を提供する。本発明の範囲内で、一方の側で予め組み換えにより製造された不死化タンパク質のテロメアーゼまたはTAgと結合し、他方の側で細胞レセプターと結合し、かつそれにより不死化タンパク質のインターナリゼーションを生じさせるような二重特異性抗体を使用することができる。
【0040】
化学的な適用は、核酸(プラスミド、ベクター、リボザイムなど)をリポソームの形成によって細胞内へ取り込ませるために、例えば、以前から使用されたカチオン性脂質を利用する。Zelphatiら(J.Biol.Chem.2001年、37:35103〜35110)は、最初に、新規のトリフルオロアセチル化したリポポリアミンのTFA−DODAPLを、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミンDOPEと一緒に使用することを記載している。このカチオン性の調製物(この調製物は、92121、米国、カリフォルニア州、サンディエゴ、テレシス・コート10190のジーン・セラピー・システムズ社(Gene Therapy Systems Inc.,10190 Telesis Court,San Diego,CA 92121,USA)から商品名BioPorterで市販されている)を用いて、ペプチドおよびタンパク質を高い効率で細胞内へ取り込ませることが可能である。本発明の範囲内で、予め組み換えにより製造した不死化タンパク質のテロメアーゼおよびSV40 T−Agを不死化すべきプライマリー細胞内へ取り込ませるために、このBioPorter−試薬を使用することができる。同様に、本発明の範囲を逸脱することなく、他の適当なリポソーム−試薬を使用することもできると解釈される。
【0041】
この数年間に、治療物質の医学的適用のためにナノ粒子の使用が次第に進んできている。ナノ粒子は、リポソームと同様に治療物質のためのキャリアとして利用されるが、この物質をほぼ安定に封入するという利点がある。
【0042】
Soppimathら(Journal of Controlled Release 2001年、70:1〜20頁)はポリ(D,L−ラクチド)(PLA)、ポリ(D,L−グリコリド)(PLG)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリ(シアノアクリレート)(PCA)およびポリ(e−カプロラクトン)(PCL)からなる生分解可能なナノ粒子の製造および使用を記載している。ナノ粒子は、10〜1000nmのサイズを有し、DNA、RNA並びにタンパク質/ペプチドを封入するために使用することができる。
【0043】
本発明の範囲内で、細胞中で予め組み換えにより製造した不死化タンパク質のテロメラーゼおよびT−Agを次第に放出する、インターナリゼーション可能なナノ粒子が使用される。特別な適用のために、ナノ粒子の表面が、インターナリゼーション可能なレセプターとの結合を達成するように修飾されていることが重要である。これは、例えばリガンドまたは組み換え一本鎖抗体(単一または二重特異性)とナノ粒子表面との共有結合または非共有結合により達成することができる。ナノ粒子と細胞との付着を改善し、細胞内への取り込みを改善する他の修飾も、本発明の範囲内を逸脱することなく可能である。細胞内へのナノ粒子の取り込みを改善するために、エレクトロポレーションを実施することもできる。
【0044】
中に不死化タンパク質が封入されている生分解可能なナノ粒子は、特に、治療または予防の範囲内で、例えば心臓のin vivo再生を生じさせるために、患者にin vivoで投与するためにも適している。
【0045】
物理的適用は、例えばエレクトロポレーションが利用され、これは真核細胞および原核細胞において数年来極めて良好なトランスフェクション手段としてDNAの取り込みのために使用されている。この細胞は、数ミリ秒間、数100ボルトの電場にかけられ、細菌の場合には10000ボルトまでである。それによりこの細胞膜は短時間穴のあいた状態になるため、著しく極性の巨大分子、例えばDNAまたはRNAを効果的に細胞に取り込ませることができる。
【0046】
Lambertら(Biochem.Cell.Biol.1990年、4:729〜734頁)並びにMorganおよびDay(Methods Mol Biol.1995年、48:63〜71頁)は、エレクトロポレーションを用いて細胞内へタンパク質をも効果的に取り込ませることができるプロトコルを記載している。本発明の範囲内で、予め組み換えにより製造した不死化タンパク質をエレクトロポレーションによって不死化すべきプライマリー細胞内へ導入することができる。
【0047】
巨大分子、例えばDNA、RNAおよびタンパク質のマイクロインジョクションも同様に数年来使用されている。この場合、ステレオマイクロスコープおよびマイクロマニピュレーターを用いて、ガラス針を細胞に直接差し込む。ガラス針またはガラスカニューレを介して、輸送すべき分子を所望の細胞コンパートメント(細胞質または細胞核)内へ直接導入する。これは手動でまたはコンピューター制御で極めて有効に実施することができる。本発明の範囲内で、予め組み換えにより製造した不死化タンパク質をマイクロインジョクションによって不死化すべきプライマリー細胞内へ導入することができる。
【0048】
このバックグラウンドから、本発明は、器官に関係する細胞を準備し、本発明により使用される不死化タンパク質を外部から供給することによりこの器官に関係する細胞を一時的に不死化し、この不死化細胞を増殖させ、不死化タンパク質の供給を停止することにより増殖した細胞を再致死化させる工程を有する、細胞を獲得する方法に関する。器官に関係する細胞として、この場合に、器官、好ましくは心筋の多分化能の幹細胞、好ましくは間葉系ストローマ細胞または末端分化した休止出発細胞を使用することができる。
【0049】
本発明による一時的な不死化によって、こうして得られた細胞は臨床的に問題がない。この細胞は、さらに無制限な数で製造することができる。
【0050】
多分化能の幹細胞を器官に関連する細胞として使用する場合に、幹細胞が器官特異的細胞へと分化することを促進する少なくとも1種の分化誘導物質の添加の後に初めて、一時的に不死化した幹細胞の増殖を行う。この分化した細胞は、次いで本発明による方法を用いて一時的に不死化される。
【0051】
それに対して、末端分化した出発細胞を使用する場合には、一時的な形質転換との関連で、この細胞は有利に不死化されるため、この細胞はほとんど無制限に増殖することができる。
【0052】
分化しているが、なお分裂能力のある細胞、例えば新生児の心筋細胞を使用する場合には、形質転換を行わずに、テロメアタンパク質を用いた不死化だけを行うことも想定される。
【0053】
こうして製造された細胞を用いて、例えば心筋梗塞エリアへの移植を実施することができ、それにより、同時にうっ血性の心臓の拒絶の危険性並びに二次的な致死性の心筋梗塞の危険性が著しく抑制される。この方法は、再生した骨細胞および軟骨細胞を獲得するためにも適していて、この細胞は、骨および軟骨の損傷並びに慢性的な骨の変性(骨粗鬆症)の場合に使用することができる。この方法を用いて、肝臓再生のための肝臓実質細胞並びにパーキンソン病の治療のためのドーパミン作動性細胞を製造することも可能である。
【0054】
本発明による方法は、組織を体外で製造するために、任意の量のプライマリー細胞を製造することができる。この新規の方法により製造された繊維芽細胞または平滑筋細胞は、心臓弁または静脈弁を作成するために、マトリックス上に、好ましくは例えばコラーゲンまたはフィブロネクチンからなるバイオマトリックス上に定着させることができる。
【0055】
例えば筋肉細胞、好ましくは心筋細胞並びに骨細胞を製造する場合に、一時的に不死化した幹細胞の増殖の前に、分化誘導物質を添加する場合が有利であり、この分化誘導物質はデキサメタゾン、5’−アザシチジン、トリシスタチンA、オールトランス型レチン酸およびアンホテリシンBから選択される。特に有利なのは、この場合、少なくとも2種の、好ましくは4種のこの分化誘導物質を一時的な不死化の前に使用する場合である。
【0056】
幹細胞から心筋細胞への分化は5’−アザシチジンの添加により誘導されるが、少なくとも1種の他の分化誘導物質を添加することによりこの分化を改善することができる。この場合、5’−アザシチジンとトリシスタチンAとの組み合わせが特に適していて、これは本願明細書の発明者の認識によると相乗作用する。この分化は全トランス型レチン酸およびアンホテリシンBを更に添加することにより更に最適化することができる。
【0057】
複数の分化誘導物質の組み合わせにおける相乗作用の他に、他の利点は、発明者の認識による5’−アザシチジンの突然変異誘発作用が著しく減少するかまたは全く生じない点である。
【0058】
この方法により、幹細胞から得られた心筋細胞の臨床的に問題のない適用が可能である。
【0059】
分化誘導物質のデキサメタゾンの添加により、一時的不死化の前に幹細胞は骨細胞および軟骨細胞に分化する。この場合でも、分化物質の5’−アザシチジン、トリシスタチンA、オールトランス型レチン酸およびアンホテリシンBをさらに添加することにより相乗効果を達成することができる。
【0060】
この分化誘導物質のデキサメタゾンについてはなお、CongetおよびMinguell著「人骨骨髄間葉先駆細胞の表現型および機能型特性(Phenotypical and functional properties of human bone marrow mesenchymal progenitor cells)」、J.Cell Physiol.181巻、67〜73頁が、骨形成細胞が間葉系ストローマ細胞からデキサメタゾン−処理により得られることを既に記載していることに言及する。
【0061】
器官に関係する細胞として、この場合に自己細胞も同種細胞も使用することができる。
【0062】
自己細胞の利点は免疫寛容にあるが、同種細胞は、ほぼいつでも無制限な数で供給できるという利点を有する。
【0063】
従って、患者の治療のために、まず最初に同種細胞から製造した移植可能な細胞を使用し、その間に平行して患者の自己細胞から他の移植可能な細胞を製造することができる。次いで十分に移植可能な自己細胞が提供される場合に、この自己細胞をだけを移植するために、免疫寛容はもはや問題ない。
【0064】
この新規の方法を用いておよび場合により新規の手段を使用して製造した細胞も、同様に本発明の対象である。この細胞は、本発明の場合に、器官を再生するための増殖片の製造のためまたは慢性疾患の治療のために使用することができる。
【0065】
このバックグラウンドから、本発明は同様に、本発明により製造された細胞を含有する増殖片に関する。
【0066】
さらに、本発明は器官の再生のためのこの細胞の使用に関する。
【0067】
本発明は、同様に本発明により使用された不死化タンパク質並びに不死化タンパク質をコードする核酸分子および不死化タンパク質を発現するためのプラスミド、並びに不死化タンパク質の発現のために形質転換された細胞、特にフィーダー細胞にも関する。
【0068】
特に、本発明は、ブダペスト条約により2001年10月17日付でBraunschweig在のDSMZに、寄託番号DSM14570および14568として寄託した、pCMV−VP22−TAgおよびpcDNA−TAg−VP22と称されるプラスミドにも関し、このプラスミドはE.coli HB101中にトランスフェクションされかつこのプラスミドを用いて融合タンパク質を製造することができる。
【0069】
最後に、本発明は、本発明によるプラスミドおよび/または不死化タンパク質を有する、一時的に不死化するためのキットに関する。
【0070】
この本発明によるキットは、本発明によるプラスミド、核酸分子および/または不死化タンパク質の他に、生化学的、化学的または物理的に適用するためにさらに必要な物質および材料を含むことができる。
【0071】
このキットを用いて、同種のまたは自己の提供者細胞を一時的に不死化し、増殖させ、その後にこの細胞を器官再生のために移植することができる。
【0072】
他の利点は発明の詳細な説明および添付の図面に記載されている。
【実施例】
【0073】
前記した特徴および後記のなお詳説する特徴はそれぞれ記載された組み合わせだけではなく、本発明の範囲を逸脱することなしに他の組み合わせまたは単独で使用可能である。
【0074】
本発明を、実施例および添付した図面を用いて詳説する。
【0075】
例 1:SV40−TAgとVP22とからなる融合タンパク質のクローニング
VP22−T−抗原並びにT−抗原−VP22、つまりN末端融合タンパク質並びにT末端融合タンパク質の発現を可能にする発現構築物を製造した。
【0076】
a.突然変異形成
このために、最初に指定部位PCR突然変異誘発を用いて、停止コドンを有していないSV40 T−抗原を有するプラスミドを製造した(プライマーは表2参照)。このプラスミドをpIND−TAg(−Stop)と命名した。このSV40 TAgは、ハンブルク大学の実験ウイルス学および免疫学研究所(Institut fuer Experimentelle Virologie und Immunologie)のProf.W.Deppert,Heinrich Petteから入手した。「指定部位」突然変異誘発の場合に、Stratagene社のキットを使用した。
【表2】
Figure 2005506090
【0077】
b.クローニング
プラスミドpIND−TAg(−Stop)から、制限エンドヌクレアーゼのEcoRIおよびBgIIIを用いた二重消化により停止コドンフリーのT−抗原−フラグメントが得られた。
【0078】
プラスミドpCDTK49からVP22−フラグメントをNotlおよびBgIII消化によって製造し、ベクターとしてpcDNA3.1(Invitrogen社)をNotlおよびEcoRI消化により製造した。融合タンパク質TAg−VP22用の、CMV−プロモーターにより制御される発現カセットを有する発現構築物pcDNA−TAg−VP22が得られた(図7および8のpcDNA−TAg−VP22のプラスミドカセットおよび配列を参照)。このプラスミドは、ブダペスト条約に従って2001年10月17日付でDSMZに寄託番号DSM14568で寄託され、これはE.coli HB101中にトランスフェクションされている。
【0079】
ベクターpVP22(Invitrogen社)の使用下で発現プラスミドpCMV−VP22−TAgを製造した。このためにpIND−TAgからKpnlおよびEcoRIを用いた二重消化によりT−抗原−フラグメントが得られ、これを同様にKpnlおよびEcoRIを用いて開放したベクターpVP22中に挿入した(図5および6中のpcCMV−VP22−TAgのプラスミドマップおよび配列を参照)。このプラスミドは、ブダペスト条約に従って2001年10月17日付でDSMZに寄託番号DSM14570で寄託され、これはE.coli HB101中にトランスフェクションされている。
【0080】
この融合タンパク質は、VP22−タンパク質の大型T−抗原のN末端への融合を表し、この発現は同様にCMV−プロモーターによって制御される。
【0081】
例 2:SV40 TAgとVP22とからなる融合タンパク質の検出
クローニングにより実際にVP22とSV40大型T抗原とからなる融合タンパク質が生じていることの検証は、引き続くウェスタン−ブロット分析を用いたトランスフェクション試験で行われる(図1および2)。
【0082】
まず最初に新規の発現構築物を一時的トランスフェクションによりT抗原ネガティブ細胞中へ導入する。引き続き、これからタンパク質抽出液を得て、これをSDS−ポリアクリルアミドゲル中で分離し、PVDF膜にブロットし、モノクローナルアンチ−SV40T抗原抗体並びにポリクローナルアンチ−VP22抗血清を用いて分析した。
【0083】
融合タンパク質でトランスフェクションした細胞はタンパク質を発現し、このタンパク質は期待すべき融合タンパク質のサイズを示し、かつ2つの種類の抗体によっても認識されたことが判明した。
【0084】
例 3:フィーダーセルラインの作成
「融合タンパク質生産者」として機能することができるセルラインを作成するために、10SW−細胞(ヒト、アデノウイルスE1AおよびE1Bで形質転換された網膜細胞)を、融合タンパク質−発現プラスミドでトランスフェクションし、引き続きC418で選択した、それというのもこの発現構築物はネオマイシン耐性も媒介しているためである。
【0085】
数週間選択した後、C418耐性の細胞の混合集団が生じた。免疫組織化学的調査は、期待されていたように、細胞の全てが融合タンパク質を発現しないことを示した(図3参照)。in situ局在化技術(免疫蛍光法、二重染色)を用いてこの系の機能性を検出することができた。フィーダーセルラインのたいていの細胞は融合タンパク質を産生し、この融合タンパク質は隣接する細胞へ拡散した。このことは産生しかつ発現する細胞が細胞質中だけでなく細胞核にも融合タンパク質を含有し、インポートされる細胞は融合タンパク質を細胞核だけに含有することが認識できる(図3、CおよびF)。この細胞は、終点希釈によりサブクローニングすることで、次にフィーダーセルラインが存在し、これは、均質に、つまり各細胞中で不死化タンパク質を発現する。このフィーダー細胞を用いて、TAg−VP22融合タンパク質のプライマリー細胞中への輸送は、共培養試験を用いて調査することができ、同様にTAgの機能性はNIH3T3−形質転換アッセイで調査することができた。更に、共免疫沈降によりTAgのp53およびpRBとの結合を試験することができた。
【0086】
フィーダー細胞として致死化細胞並びに不死化細胞を使用することができる。
【0087】
例 4:プライマリー細胞中へのVP22−融合タンパク質のインポート
発明者は、次のように、VP22−タンパク質がそれと共に融合したタンパク質をプライマリー細胞中へ輸送することを証明した。これは今まで腫瘍セルラインにとって公知であった。VP22−融合タンパク質−インポートがヒト繊維芽細胞、ヒト平滑筋細胞およびヒト心筋細胞中へも行われるかどうかを試験した。
【0088】
このため、CO60−細胞(SV40により形質転換されたハムスターセルライン)を、組み換えアデノウイルスで感染し、このアデノウイルスはCMV−プロモーターの制御下でのVP22とGFP(green fluorescent protein)とからなる融合遺伝子を含有する。このアデノウイルスで感染された細胞を、上記のプライマリー細胞のそれぞれの種類と一緒に滅菌カバーグラス上に播種した。約48時間インキュベーションした後に、このカバーグラスをホルムアルデヒドで固定し、免疫組織化学的に調査した。このために、マウス−アンチ−SV40−T−抗原とウサギ−アンチ−VP22との抗体コンビネーションを使用した。
【0089】
当初に感染されたCO60−細胞は、つまりSV40−T−抗原に対して陽性でかつVP22−GFP−融合タンパク質に対して陽性であることにより同定することができた。VP22−GFPを細胞間輸送プロセスによって得られたプライマリー細胞は、VP22については陽性であるが、SV40−T−抗体については陽性でない。
【0090】
VP22−融合タンパク質の輸送は不死化されたプライマリーヒト心筋細胞だけでなく、試験したプライマリーヒト心筋細胞中へも可能であることが明らかである。VP22と融合したタンパク質、つまりGFPもしくは不死化遺伝子の機能はプライマリー細胞中に維持された。
【0091】
例 5:ヒトテロメラーゼの触媒サブユニットのクローニング
不死化のために最も重要な遺伝子、ヒトテロメラーゼの触媒サブユニットは、ヒト細胞からクローニングした(このテロメラーゼ−フラグメントhTRTplusのDNA−配列およびヒトテロメラーゼの触媒サブユニットを有するプラスミド−マップを図9および10に示す)。このテロメラーゼのcDNAは極めて高いG/C割合を有し、かつクローニングするのが極端に困難である。従って、固有のテロメラーゼ−cDNAを供給するグループは世界中でも極めてわずかに存在するだけである。図9および10からのテロメラーゼは公知のおよび公開されたテロメラーゼとは異なり109bpのイントロンを有する。イントロンは転写安定化作用を有する。このテロメラーゼは公知のテロメラーゼと区別するためにhTRTplusと命名される。
【0092】
このテロメラーゼは次の工程でクローニングした:
1.ヒトJurkat−細胞(T−リンパ腫−セルライン)からmRNAを得た。
【0093】
2.これを、特異的RT−プライマー(表3参照)を用いて逆転写においてcDNA−分子に書き換えた。(MMLVの逆転写酵素)。
【0094】
3.こうして得られたcDNA−プールから、個々のPCR−反応(表4参照)で、ヒトテロメラーゼ遺伝子のコードする領域のそれぞれ約500〜1000bpを含むフラグメントを得た。この場合、それぞれこのcDNAに対して唯一の制限切断部位を含有するようなテロメラーゼ−cDNAの領域において重複するフラグメントが生じるように、プライマーを選択した。
【0095】
4.最も遠くの5’にあるフラグメントは、テロメラーゼ−mRNAの逆転写によって作成されず、Hela−細胞(ヒト子宮頚癌−セルライン)からゲノムDNAのPCRによって直接得た。この場合、高G/Cの配列に対する特別なPCR−技術を使用した。
【0096】
5.得られたフラグメント(表5)をプラスミドベクター中へクローニングし(表6)、細菌中で増幅させた。全てのフラグメントを配列決定法によって調査した。テロメラーゼcDNAの位置993での塩基交換が見られた。ここでは当初から存在するCはAに交換されている。しかしながらこれは沈黙突然変異であり、つまり塩基交換はアミノ酸配列に影響しない。
【0097】
多様な3成分−リゲーションにおいて、ここのフラグメントは、ヒトテロメラーゼの完全コード領域を含む変異体に組み立てられた。生じたプラスミドは、pcrscript−テロメラーゼ(プラスミドカセットおよびhTRT9の配列、図9および10参照)と呼ばれ、ブダペスト条約により2001年10月17日付でDSMZに寄託番号DSM14569でき託され、これはE.coli HB 101中にトランスフェクションされている。
【表3】
Figure 2005506090
【表4】
Figure 2005506090
【表5】
Figure 2005506090
【表6】
Figure 2005506090
【0098】
例 6:VP22とテロメラーゼの触媒サブユニットとからなる融合タンパク質を哺乳類細胞中で発現するためのベクターのクローニング
VP22−配列がテロメラーゼ−配列の5’側にある、VP22とテロメラーゼの触媒サブユニットとからなる融合タンパク質を哺乳類細胞中で発現することができるベクターを構築した。
【0099】
a.構築物のpcrscript−テロメラーゼの突然変異誘発
発現ベクターのクローニングのために、この構築物のpcrscript−テロメラーゼ中にまず最初に、テロメラーゼ−配列中の開始コドンの前にある停止コドンを、「指定部位PCR突然変異誘発」(Stratagene社のキット)によって除去し、この代わりにKpn I−切断部位を挿入した。このために、表7に記載されたプライマー#1を使用した。相応する「リバース」プライマーを用いたPCRの後で、これから得られたプラスミドを第2の「指定部位PCR突然変異誘発」のために使用した。このプライマー#2を用いて実施した突然変異誘発は、テロメラーゼ−配列の3’末端にある停止コドンの除去と、それと同時のAgel−切断部位の挿入とのために利用し、それにより、ベクターpVP22/myc−His(Invitrogen社)中に存在する「His−tag」との「in frame」融合が可能である。
【0100】
b.構築物pCMV−VP22−Telo−Hisのクローニング
発現構築物のpCMV−VP22−Telo−Hisのクローニングのために、制限エンドヌクレアーゼKpn IおよびAge Iを用いてフラグメントを突然変異したプラスミドから切り出し、このフラグメントは5’末端にある開始コドンを有するが、3’末端には停止コドンを有していないテロメラーゼ配列を有する。このフラグメントを引き続き、Invitrogen社のKpn IおよびAge Iで開放したベクターpVP22/myc−His中に方向性を維持してクローニングし、その結果、N末端のVP22、テロメラーゼおよびC末端の「His−tag」とからなる融合遺伝子がCMV−プロモーターの制御下に存在する。
【表7】
Figure 2005506090
【0101】
例 7:VP22テロメラーゼ用のフィーダーセルラインの作成
VP22−テロメラーゼを発現するフィーダーセルラインの製造を、TAg−VP22フィーダーセルラインと同様に実施し、その際、構築物pCMV−VP22−Telo−Hisを10SW−細胞中へ安定にトランスフェクションした。この構築物はネオマイシン耐性遺伝子を有するため、G418の投与下でVP22−テロメラーゼ−タンパク質を安定して発現する細胞を選択することができた。
【0102】
例 8:プライマー細胞とフィーダー細胞との共培養
ウィースバーデン(Wiesbaden)のNunc GmbH社は、フィーダー細胞と不死化すべきプライマリー細胞との共培養を行うことができる特別な細胞培養および組織培養器具を供給している。
【0103】
この器具の膜は、付着細胞の付着および増殖のために用いられる。一方のセルタイプ(例えばフィーダー細胞)を膜上で培養することができ、他方のセルタイプ(例えばプライマリー細胞)は適合するマルチシャーレのウェル付き底部中に保持され、双方の培養は相互に直接接触しない。イオン、タンパク質および他の物質はそれに対して膜の孔を通して自由に拡散できる。多様な孔サイズの選択により、更に通り抜ける物質の大きさを決めることができる。
【0104】
本発明の範囲内で、前記の実施例中に記載されたフィーダー細胞はこのような膜器具上に播種した。工業的規模のために、細胞培養室のサイズおよびこれに適合する膜器具を相応して適合させる。
【0105】
本発明の範囲内で、フィーダー細胞並びにプライマリー細胞の大量培養用にバイオリアクターを使用することも可能である。フィーダー細胞およびプライマリー細胞は、バイオリアクターの中の2つの別個の室中に播種される。これらの室は半透膜で仕切られているため、プライマリー細胞への不死化タンパク質の拡散は可能である。
【0106】
このフィーダー細胞は、プライマリー細胞との混合培養で存在することもできる。この場合、懸濁細胞をフィーダー細胞として使用しかつ単層細胞をプライマリー細胞として使用するか、またはその逆で使用するのが有利である。それにより、不死化を行った後に、フィーダー細胞をプライマリー細胞から機械的に分離することもできる。このフィーダー細胞は、細胞毒遺伝子(例えば発現可能なHSV−チミジンキナーゼ)の安定なトランスフェクションにより、相応するプロドラッグ(この場合ガンシクロビル(Ganciclovir))の投与により選択的に殺すことも可能である。
【0107】
フィーダー細胞とプライマリー細胞とを分離する他の技術も可能である(例えば、蛍光標識式細胞分取器:Fluorescence Activated Cell Sorter[FACS]または磁気標識式細胞分取器:Magnetic Activated Cell Sorter[MACS]を用いる表面分子上での選別)。
【0108】
例 9:VP22とテロメラーゼ触媒サブユニットとからなる精製した組み換え融合タンパク質の獲得のためのバキュロウイルス構築物のクローニング
VP22−テロメラーゼ−融合タンパク質の獲得は、バキュロウイルス−発現系中で行い、この発現系は一方でタンパク質を細胞から排出することができ、従って天然のフォールディングおよびモディフィケーションが可能であり、他方でこのタンパク質のアフィニティクロマトグラフィーによる生成が可能である。
【0109】
a.プラスミドpCMV−VP22−Telo−HisおよびpMelBac(A)の突然変異誘発
このクローニングの出発構造体として、プラスミド「pCMV−VP22−Telo−His」およびバキュロウイルス発現ベクターpMelBac(A)(Invitrogen社)を使用し、この中にそれぞれ「指定部位PCR突然変異誘発」(Stratagene社のキット)を用いて付加的なHind III−制限切断部位を挿入した。プラスミドpCMV−VP22−Telo−Hisの場合には、このために表8に記載したプライマー#1を使用し、それによりCMV−プロモーターとVP22−配列との間にあるHind III−切断部位の他に、付加的にHind III−切断部位を「His−tag」の3’側にインサートした。pMelBac−ベクターの場合には、プライマー#2(表8)を用いた突然変異誘発を用いて付加的なHind III−切断部位を、分泌シグナルの直後にマルチクローニング部位中へ挿入した。
【表8】
Figure 2005506090
【0110】
b.構築物pMelBac−VP22−Telo−Hisのクローニング
分泌型バキュロウイルス−発現ベクターのクローニングのために、突然変異誘発した構築物pCMV−VP22−Telo−Hisから、テロメラーゼ含有のフラグメントをHind IIIを用いた制限消化により切り出し、単離し、同様にHind IIIで切断した突然変異誘発したベクターのpMelBac(A)中へクローニングした。pMelBac中に含まれるミツバチ−メリチン−分泌シグナルがVP22−テロメラーゼ−His−フラグメントのN末端に「in frame」で存在するクローン(pMelBac−VP22−Telo−His)を、制限切断および配列決定により同定しかつ分析した。
【0111】
例10:VP22およびSV40 T−抗原からなる精製した組み換え融合タンパク質の獲得のためのバキュロウイルス構築物のクローニング
組み換えVP22−Tag−融合タンパク質の獲得を、VP22−テロメラーゼ−融合タンパク質についてと同様に分泌型バキュロウイルス−発現系中で行った。バキュロウイルス−発現ベクターのクローニング用の出発構築物として、プラスミドpCMV−VP22−TAgおよびバキュロウイルス発現ベクターpMelBac(A)(Invitrogen社)を使用した。
【0112】
a.構築物pCMV−VP22−TAgの突然変異誘発
まず最初に、構築物pCMV−VP22−TAg中に、「指定部位PCR突然変異誘発」(Stratagene社のキット)を用いてプライマー#1(表9)によって付加的なAge I−切断部位をSV40 T−抗原の配列の後方に挿入し、同時にその部位に存在する停止コドンを除去した。引き続き、第2の「指定部位PCR突然変異誘発」を用いてプライマー#2(表9)によって付加的なBgl II−切断部位をCMV−プロモーターの配列とVP22−タンパク質の配列との間にインサートし、その際、その部位に存在するHind III−切断部位を除去した。
【表9】
Figure 2005506090
【0113】
b.ベクターpMelBac(A)のモディフィケーション
ベクターpMelBac(A)中で、ミツバチ−メリチン−分泌配列の3’側に2つの制限切断部位Bgl IIおよびPme Iをインサートし、その際に、このベクターをBam HIで開放し、2つの制限切断部位を含有する二本鎖折り後ヌクレオチドをクローニングする。pMelBac−ベクター中へインサートする前に相互にハイブリダイゼーションしたこのオリゴヌクレオチドの双方の相補的一本鎖の配列を表10に記載する。
【表10】
Figure 2005506090
【0114】
c.バキュロウイルス−発現ベクターpMelBac−VP22−Tag−Hisのクローニング
Age I−フラグメントを突然変異したpCMV−VP22−Tag−構築物から切り出し、引き続き再ライゲーションすることにより、まず最初にSV40−T−抗原の配列を構築物中に存在する「His−tag」の直近にもたらし、その結果、発現すべきVP22−Tag−融合タンパク質のC末端に「His−tag」が設けられる。引き続き、このpCMV−VP22−Tag−Hisと称される構築物から、制限エンドヌクレアーゼBgl IIおよびPme Iを用いてフラグメントを切り出し、これをモディフィケーションしかつ同じ制限酵素で切断したベクターpMelBac中に方向性を維持してクローニングし、それによりベクターpMelBac−V22−Tag−Hisが生じる。
【0115】
例11:VP22−テロメラーゼ−HisもしくはVP22−Tag−His−融合タンパク質の獲得および精製
タンパク質発現および精製をInvitrogen社の使用説明書に従って実施し、その際に新規に構築したベクターpMelBac−VP22−Tag−HisもしくはpMelBac−VP22−Telo−Hisを使用した。
【0116】
例12:不死化タンパク質を心筋細胞内へ輸送するためのペプチド−リガンドもしくは抗体−リガンドの同定
不死化すべき心筋細胞と相互作用しかつインターナリゼーションさせるペプチド−リガンドの同定を、New England Biolabs社のランダムペプチドファージディスプレーライブラリーを用いて行った。これは7merまたは12merペプチドをフィラメント状のファージのP3−タンパク質と融合した形態で含有する。このファージは細胞と一緒にクロロキンの存在でインキュベーションし、その際にクロロキンの投与は、リソソーム内へインターナリゼーションしたファージがデグラデーションすることを抑制する。結合しないファージを洗い流し、表面に会合したファージをpH変化により細胞から取り外した後に、インターナリゼーションしたファージを細胞の溶解により放出させた。このアフィニティ選択を数回繰り返した(’Panning’)。引き続き、ファージ−DNAの該当部分を配列決定し、対応するペプチド−モチーフを競合ELISAで相応して標識した合成ペプチドを用いて結合アフィニティおよびインターナリゼーション率を調査した。
【0117】
前記したタンパク質の輸送のために同じく使用した「一本鎖」−抗体の同定のために、ランダムペプチドファージディスプレーライブラリーの代わりに、一本鎖ファージミド−ライブラリーをアフィニティ選択のために使用した。
【0118】
例13:器官に関連する細胞の準備
器官に関連する細胞として、一時的な不死化および増殖の前になお器官特異的細胞へ分化させなければならない多分化能の幹細胞、または既にそれぞれの器官の分化した出発細胞を使用した。
【0119】
更に、それぞれの患者の自己細胞または提供者の同種細胞の間で区別しなければならない。
【0120】
幹細胞として、骨髄の間葉系ストローマ細胞を使用する。これは、骨芽細胞、筋芽細胞、脂肪細胞並びに他のセルタイプに分化することができる。臨床において、骨髄は同種の骨髄移植のためのOP条件下で通常操作で得られる。しかしながら、その際には造血幹細胞が必要なだけであり、他方でここで重要となる間葉系幹細胞は副産物として生じる。
【0121】
他方で、間葉系幹細胞は末梢血液から得ることもできる。
【0122】
こうして採取した幹細胞を常用の細胞培養シャーレ中に播種し、FKS10%、並びに抗生物質、例えばペニシリン、ストレプトマイシンまたはアンホテリシンBを有するアルファ−MEMまたはIDEM−培地中で培養する。
【0123】
肝臓の肝実質細胞をプライマリー培養として直接使用する。ドーパミン作動性出発細胞を、臓器提供者の範囲内で取り出す。心筋細胞を、骨髄からの幹細胞として、並びに心筋−バイオプシーの範囲内での出発細胞として不死化のために得ることができる。
【0124】
例14:増殖および分化
既に末端で分化している出発細胞は、常用の培地中で不死化タンパク質の投与下でまたはフィーダー細胞との共培養において、他の手段を必要とせずに増殖する。
【0125】
不死化すべき細胞はしかしながら複製可能な細胞であり、例えば骨髄からの間葉系幹細胞であり、まず最初に分化誘導物質の添加により器官特異的細胞へ分化させる必要があり、その後で一時的な不死化を行うことができる。
【0126】
5’−アザシチジンを用いた処理により、間葉系幹細胞を、例えば心筋細胞へ分化させることができる;Makinoら著、J.Clin.Invest.1999年、103:697〜705頁。心筋細胞の発生能力を有する幹細胞の5’−アザシチジン処理は、脱メチルにより分化プロセスが引き起こされる。この場合に、未知の必須の心筋−分化遺伝子のプロモーターが活性化されることはほぼ間違いない。
【0127】
発明者の認識によると5’−アザシチジンはしかしながら突然変異誘発能力を有する。従って、幹細胞の心筋細胞への分化は、本発明の場合に、少なくとも1種の他の分化誘導物質の添加により改善される。このために物質のトリシスタチンA(Trichstatin A; TSA)が使用される。TSAはヒストン−脱アセチルの阻害を引き起こす。このヒストン−脱アセチルは、CpG−メチル化の転写抑制と関連している。
【0128】
CpG−アイランド、つまり多くのCpG−ジヌクレオチドを有する領域が、プロモーター中に主に存在する。メチル化により、CpG濃度の高いプロモーターの活性を著しく阻害することができる。このことは、例えば5’−アザシチジンがDNAを複製する細胞内へ導入された場合、5位にあるアザ基によりそこでは細胞プロセスによるメチル化を行えないことが起こる。
【0129】
5’−アザシチジンおよびTSAの組み合わせは、腫瘍細胞中で既に示されたように、従って相乗作用を示すことができる;Cameronら著、「癌の休眠中の遺伝子の再発現における脱メチル反応およびヒストン脱アセチル化抑制の相乗作用(Synergy of demethylation and histonedeacetylase inhibition in the re-expression of genes silenced in cancer)」、Nat.Genet.21巻、103〜107頁参照。
【0130】
この相乗作用は、本発明の場合には幹細胞の分化により心筋細胞へ伝達される。全トランス型レチン酸およびアンホテリシンBを更に添加することによりこの分化は更に最適化される。レチン酸は分化誘導物質であり、これは筋芽細胞−セルラインH9C2中で骨格筋表現型に対して心筋表現型体を優先する;Menardら著、「H9C2心臓細胞のレチノイン酸誘導分化の間のL型カルシウムチャネル発現の調節作用(Modulation of L-type calcium channel expression during retinoic acid-induced differentiation of H9C2 cardiac cells)」、J.Biol.Chem.274巻、29063〜29070巻参照。
【0131】
アンホテリシンBも、心筋細胞の方向への分化に有利な影響を及ぼす;Phinneyら著「近親交配のマウスの一般的に使用される菌株の骨髄からのプラスチック付着性間質細胞:収率、成長、および分化における変化(Plastic adherent stromal cells from the bone marrow of commonly used strains of inbred mice:variations in yield,growth,and differentiation)」、J.Cell.Biochem.72巻、570〜585頁参照。
【0132】
複数の分化誘導物質からなる組み合わせを使用する利点は、5’−アザシチジンの突然変異作用を著しく減少または全く停止させる相乗効果が達成されることにある。これは、幹細胞から得られた心筋細胞の後の臨床的適用のために決定的に重要である。
【0133】
分化誘導物質のデキサメタソン(Congetら、上述の文献箇所)単独または上記した4種の分化誘導物質との組み合わせた場合に、幹細胞を骨細胞および軟骨細胞へ分化させることができる。
【0134】
こうして分化した細胞を、次いで更に増殖させるために一時的に不死化する。
【0135】
例15:移植
再致死化を行いかつ相応して品質制御した後で、細胞を通常の技術で損傷した器官内へ移植する、例えば器官内への注射により注入する。これは繰り返し行うことができる、それというのもこの不死化に基づき材料をそれぞれ所望の量で提供できるためである。
【0136】
不死化なしでは、1個の幹細胞から約5×10〜1×10個、高年齢の提供者の場合には場合により1×10個の細胞が生じるにすぎない。これは再生のためには恐らく少なすぎる。自己移植の場合に、患者は、細胞が必要な細胞数にまで増殖するまで長期間待たなければならない。同種移植の場合には、それに対して常に所望の細胞数を準備することができる。
【0137】
特に緊急の場合に、最初に同種移植を実施し、後に自己移植に切り換えることが有利である。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】融合タンパク質中のTAgのウェスタン−ブロット検出を表す。
【図2】融合タンパク質中のVP22のウェスタン−ブロット検出を表す。
【図3】VP22−TAg発現するセルラインの作成を示す、細胞染色を表す。
【図4】プライマリーヒト心筋細胞中へのVP22−インポートを示す、細胞染色を表す。
【図5】pCMV−VP22−TAgのプラスミドマップを表す。
【図6】図5からの融合タンパク質VP22−TAgの配列を表す。
【図7】pcDNA−TAg−VP22のプラスミドマップを表す。
【図8】図7からの融合タンパク質TAg−VP22の配列を表す。
【図9】pcrscript−テロメラーゼのプラスミドマップを表す。
【図10】図9からのテロメラーゼ遺伝子hTRTplusの配列を表す。

Claims (45)

  1. 外部から不死化タンパク質を細胞内へ導入する、細胞を一時的に不死化する方法。
  2. 細胞の細胞周期停止を克服するために、不死化タンパク質として形質転換タンパク質を使用する、請求項1に記載の方法。
  3. 形質転換タンパク質として、ウイルス性癌遺伝子の発現産物、好ましくはSV40 TAg、HPV E6、HPV E7、アデノウイルスE1A、アデノウイルスE1B、および/または細胞性癌遺伝子の発現産物、好ましくはras、myc、src、特に好ましくはSV40 TAgを使用する、請求項2に記載の方法。
  4. 増殖時にテロメアの損失を回避するために、不死化タンパク質としてテロメアタンパク質を使用する、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  5. テロメアタンパク質として、ヒトテロメラーゼの触媒サブユニット、好ましくはTRTplus(DSM 14569)を使用する、請求項4に記載の方法。
  6. 不死化タンパク質はメッセンジャータンパク質と、好ましくはVoyager Protein VP22と、レセプターリガンドとまたは一本鎖抗体と融合されて、融合タンパク質になっている、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
  7. 不死化タンパク質を特異的な抗体と結合させ、この抗体は第2の特異性を介して細胞性レセプターと結合し、それによりこの不死化タンパク質のインターナリゼーションが引き起こされる、請求項6に記載の方法。
  8. 不死化タンパク質を、好ましくはナノ粒子を介して、in vivoで適用する、請求項6に記載の方法。
  9. 融合タンパク質を組み換えにより製造し、精製し、次いで一時的に不死化すべき細胞に投与するか、もしくは生体内に適用する、請求項6〜8の何れか1項に記載の方法。
  10. 融合タンパク質をフィーダー細胞中で発現させ、この細胞から培地中へ放出させ、その培地内でフィーダー細胞を一時的に不死化すべき細胞と一緒に共培養する、請求項6〜8の何れか1項に記載の方法。
  11. フィーダー細胞は空間的に、好ましくは半透膜を備えた室によって、一時的に不死化すべき細胞と隔てられ、その再致死化のためにこのフィーダー細胞を培地から除去する、請求項10に記載の方法。
  12. フィーダー細胞は少なくとも1種のプラスミドで安定にトランスフェクションされていて、このプラスミドは、VP22−TAg(DSM 14570)、TAg−VP22(DSM 14568)、VP22−Telo、Telo−VP22からなる群から選択される融合タンパク質をコードし、その際、Teloはヒトテロメラーゼの触媒サブユニットhTRTplus(DSM 14569)を表す、請求項10または11に記載の方法。
  13. 少なくとも2種のフィーダー細胞を使用し、この細胞の一方は形質転換タンパク質との融合タンパク質を分泌し、他方はテロメアタンパク質との融合タンパク質を分泌する、請求項10〜12の何れか1項に記載の方法。
  14. 不死化タンパク質を、リポソームまたはナノ粒子を介して一時的に不死化すべき細胞内へ輸送する、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
  15. 不死化タンパク質を、エレクトロポレーションまたはマイクロインジョクションによって一時的に不死化すべき細胞内へ輸送する、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
  16. 器官に関係する細胞を準備し、不死化タンパク質を外部から供給することによりこの器官に関係する細胞を一時的に不死化し、この不死化細胞を増殖させ、不死化タンパク質の供給を停止することにより増殖した細胞を再致死化させる工程を有する、細胞を獲得する方法。
  17. 請求項1〜15の何れか1項に記載の方法により一時的な不死化を行う、請求項16に記載の方法。
  18. 器官に関係する細胞として、多分化能幹細胞、好ましくは骨髄の間葉系ストローマ細胞を使用することを特徴とする、請求項16または17に記載の方法。
  19. 器官に関係する細胞として、分裂するまたは休止する、末端分化した、器官の出発細胞、好ましくは心筋細胞を使用することを特徴とする、請求項16または17に記載の方法。
  20. この出発細胞は不死化との関係で形質転換されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. 器官に関係する細胞として自己の細胞を使用することを特徴とする、請求項16〜20の何れか1項に記載の方法。
  22. 器官に関係する細胞として同種の細胞を使用することを特徴とする、請求項16〜20の何れか1項に記載の方法。
  23. 請求項16〜22の何れか1項に記載の方法により製造された、細胞。
  24. 器官の再生のための増殖片を製造するための、請求項23に記載の細胞の使用。
  25. 慢性疾患の治療のための、請求項23に記載の細胞の使用。
  26. 請求項23に記載の細胞を含有する、増殖片。
  27. 器官の再生のための、請求項23に記載の細胞の使用。
  28. 請求項1〜22の何れか1項に記載の方法において有利に使用するための、不死化タンパク質。
  29. 細胞の細胞周期停止を克服するための形質転換タンパク質である、請求項28に記載の不死化タンパク質。
  30. 形質転換タンパク質が、ウイルス性癌遺伝子の発現産物、好ましくはSV40 TAg、HPV E6、HPV E7、アデノウイルスE1A、アデノウイルスE1B、および/または細胞性癌遺伝子の発現産物、好ましくはras、myc、src、特に好ましくはSV40 TAgを使用する、請求項29に記載の不死化タンパク質。
  31. 増殖時にテロメア損失を回避するためのテロメアタンパク質である、請求項28に記載の不死化タンパク質。
  32. テロメアタンパク質が触媒サブユニット、好ましくはヒトテロメラーゼのTRTplus(DSMZ3456)である、請求項31に記載の不死化タンパク質。
  33. メッセンジャータンパク質と、好ましくはVoyager Protein VP22と、レセプターリガンドとまたは単鎖抗体と融合させて、融合タンパク質になっている、請求項28〜32の何れか1項に記載の不死化タンパク質。
  34. ブダペスト条約により2001年10月17日付で寄託された、寄託番号DSM 145670、DSM 14568、DSM 14569のプラスミドによりコードされる、不死化タンパク質。
  35. VP22および有用タンパク質、好ましくは不死化タンパク質からなる、融合タンパク質。
  36. プラスミドDSM 14569によりコードされる、ヒトテロメラーゼの触媒サブユニットhTRTpuls
  37. 請求項28〜36の何れか1項に記載のタンパク質をコードする、核酸分子。
  38. 請求項37に記載の核酸分子を有するプラスミドまたは発現ベクター。
  39. プラスミドDSM 14568。
  40. プラスミドDSM 14569。
  41. プラスミドDSM 14570。
  42. 請求項38〜41の何れか1項に記載のプラスミドで形質転換された、細胞、特にフィーダー細胞。
  43. 請求項28〜36の何れか1項に記載のタンパク質を分泌する、細胞、特にフィーダー細胞。
  44. 請求項28〜36の何れか1項に記載の少なくとも1種のタンパク質、および/または請求項38〜41の何れか1項に記載の少なくとも1種のプラスミドおよび/または請求項37に記載の核酸分子を有する、キット。
  45. 請求項28〜36の何れか1項に記載の、少なくとも1種の不死化タンパク質を含有する、一時的にin vivoで不死化させるための治療用調製物。
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