JP2005505784A - 乾式消去ボードを備える一体化前面投影システム - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、一体型前面投影表示システムに関する。特に、本発明は、専用投影光学系と、光学系と協働して最良の表示性能を生成し必要なキーストン補正をもたらすように最適化された一体型スクリーンと、を調整する、薄型一体型前面投影システムに関する。
【0002】
電子またはビデオディスプレイシステムは、ビデオまたは電子的に生成された画像を提示することができる装置である。ホームエンターテイメント、広告、ビデオ会議、計算、データ会議またはグループプレゼンテーションのいずれに対しても、適当なビデオ表示装置が要求される。
【0003】
ビデオ表示装置を選択する際に、画質は相変わらず非常に重要な要素である。しかしながら、より大型の画像を提供する表示装置が必要とされるにしたがい、コストと装置サイズおよび重量等の要素が、きわめて重要な考慮事項となってきている。グループまたはインタラクティブプレゼンテーションには、より大型の表示システムが好ましい。表示システムキャビネットのサイズは、特に、大型のハウジングまたはキャビネットを配置する空間が利用可能でない可能性がある家庭またはオフィスで使用する場合、重要な要素であることが分かった。表示システムの重量もまた、特に携帯式または壁掛け式プレゼンテーションの場合、重要な考慮事項である。
【0004】
目下、最も一般的なビデオ表示装置は、通常テレビ受像機として認識される典型的なCRTモニタである。CRT装置は、小型から中位のサイズの画像(画像サイズは、従来、矩形スクリーンの対角線寸法に沿って測定される)を必要とする適用の場合は比較的安価である。しかしながら、画像サイズが増大するにしたがい、大型CRTモニタの大きさと重量とが厄介な問題となり、モニタの使用および配置を厳しく制限することになる。また、スクリーンサイズが増大するにしたがい、スクリーン曲率問題が発生する。最後に、大型CRTモニタは、相当量の電力を消費し電磁放射をもたらす。
【0005】
従来のCRTモニタに代る1つの選択肢は、背面投影テレビである。背面投影テレビは、概して、スクリーンの背面に投影するための大型ハウジング内に含まれる投影機構またはエンジンを備える。背面投影スクリーンは、投影機構と観察者とがスクリーンの反対側にあるように設計される。スクリーンは、透過画像を観察者に対して向ける光透過特性を有する。
【0006】
背面投影システムは、まさにその性質により、画像ビームの広がりのために必要とされる投影容積を提供するためにスクリーンの後方に空間を必要とする。背景および周囲の反射光は、背面投影画像を深刻に劣化させる可能性があるため、ハウジングまたはキャビネットは、概して、投影容積を包囲する。ハウジングは、光路を折り曲げハウジングの深さを低減するように、1つまたは複数のミラーを含んでもよい。「スクリーン後方」空間が必要であることにより、背面投影ディスプレイを壁に配置することができない。
【0007】
ビデオプレゼンテーションシステムの新たなカテゴリは、いわゆる薄型プラズマディスプレイを含む。一体型のコンパクトパッケージでの画像ディスプレイとして壁に配置することができる、比較的薄い(約75〜100mm深い)のキャビネットを提供するプラズマディスプレイの能力が、大いに注目されてきた。しかしながら、現在、プラズマディスプレイ3は、費用がかかり、低輝度(およそ200〜400cd/m2の範囲)であり修理が困難であるという不都合がある。プラズマディスプレイは重く(約80〜170lbs、約36〜77kg)、それらが配置される壁には、構造的な強化が必要となる場合がある。
【0008】
より新しい適用に対してそれほどには注目されてこなかった在来型のビデオプレゼンテーション装置は、前面投影システムである。前面投影システムは、投影機構と観察者とがスクリーンの同じ側にあるものである。前面投影システムは、画像が透過されるのではなく聴衆に対して反射されるため、背面投影システムには無い多くの異なる光学的および配置の問題を提示する。前面投影システムの例は、会議室設定かまたは飛行機の機室等の場所で使用するための、携帯型フロントプロジェクタと前面投影スクリーンの使用である。
【0009】
フロントプロジェクタの利点の1つは、投影エンジンのサイズである。電子フロントプロジェクタは、従来、プロジェクタによる「フットプリント」(テーブルまたはベンチにおいて占有する面積を説明するために使用する用語)を可能な限り最小にするように設計されてきた。約10〜20lb(約4.5〜9kg)の重量を有する携帯型フロントプロジェクタが考案された。
【0010】
それにも係らず、前面投影システムは、プロジェクタかまたはプレゼンターが画像を遮ること、画像の明るさの不足、画像歪みおよび設定が困難である等の要因により、新たなインタラクティブアプリケーションには魅力的であるとは考えられなかった。
【0011】
従来の電子フロントプロジェクタは、一般に、いかなる物理的障害も無い画像拡張のために必要な投影容積を提供することができる空間を必要とする。画像を、壁等の大型の妨げのない平面上に投影することができるが、別個のスクリーンを使用することによりより優れた画質が達成される。図1および図2は、従来の前面投影システムを示す。プロジェクタ10は、スクリーンまたは投影面20の上に画像を投影するためにテーブルかまたは他の高くなった面の上に配置される。電子プロジェクタの使用に熟知した人は、プロジェクタをスクリーンの垂直軸より下に傾けることにより、キーストン効果として知られる画像の形状の歪みをもたらす、ということを認めるであろう。ほとんどの新しい電子プロジェクタでは、程度が制限されたキーストン補正を提供する。しかしながら、図2において認めることができるように、プロジェクタの配置はまだ、聴衆の視線を妨げる可能性がある。
【0012】
より重要なのは、適当な画像サイズを達成するために、また焦点限界のため、プロジェクタ10は、スクリーン20の前方に一定の「投影ゾーン」を必要とする、ということである。表Aは、目下市場にあるいくつかの一般的な電子プロジェクタに対する公表仕様を列挙する。
【0013】
【表1】
【0014】
投影距離は、投影レンズから投影スクリーンまでの距離として定義される。投影率は、通常、投影距離のスクリーン対角線長に対する割合として定義される。列挙されたプロジェクタに対して可能な最短投影距離は、1mである。40〜60インチ(約1〜1.5m)の間の、より大型の画像を達成するために、ほとんどのプロジェクタは、壁またはスクリーンからさらに遠く、少なくとも8〜12フィート(約2.5〜3.7m)に配置しなければならない。
【0015】
このスクリーンの前方の「投影ゾーン」があることにより、観察者は、投影画像と近接して対話することができない。たとえばプレゼンターは、画像に近づきたい場合、投影を遮り、スクリーン上に影を落すことになる。
【0016】
従来型の一体型プロジェクタは、プロジェクタの位置を変える度の焦点合せ等の光学的調整と、正面支持脚の上昇等の機械的調整と、を必要とする。ラップトップコンピュータに対するもの等の電子接続は、概して、プロジェクタに対して直接行われるため、プロジェクタをプレゼンターが容易にアクセス可能であること、もしくはプレゼンターが予め必要な配線を行うことが必要となる。
【0017】
フロントプロジェクタの別の問題は、周囲光による干渉である。従来のフロントプロジェクタでは、投影光の大部分が散乱され、聴衆に対して反射されない。光の喪失により、画像の明るさが低減する結果となる。したがって、高反射スクリーンが望ましい。しかしながら、スクリーンが反射性であるほど、周囲光源による投影画像のあり得る劣化が大きくなる。35mm写真カラースライドプレゼンテーションシステム等の高品質投影システムを見ると、現ソリューションは、周囲光を無くすよう試みる。非常に重大な表示状況によっては、プロジェクタ自体から発生する光の再反射を制御する試みさえなされてきた。
【0018】
スクリーン設計者によっては、周囲光問題を「単方向反射」スクリーンで対処するよう試みた。すなわち、投影スクリーンは、プロジェクタの方向から発生している入射光の反射を最大化する一方で、プロジェクタから発生していない光を吸収しようと試みる。それにも係らず、携帯型プロジェクタは、実際には携帯型でありあらゆる投影距離および投影角度で使用されるため、すべてのあり得るプロジェクタ位置および光学特性に対してスクリーンを最適化することは非常に困難であることが分かった。
【0019】
代替態様は、専用投影機能を設計することである。かかる設計では専用会議室が必要であり、そこでは、プロジェクタおよびスクリーン位置がプロジェクタの光学特性とともに厳密に制御され較正される。選択されたプロジェクタを天井から懸吊するために、構造的要素が必要とされる場合がある。かかるシステムは、較正されると、永久的に配置される。かかる機能は、コストが高く携帯性が無い可能性がある。
【0020】
フロントプロジェクタによる最適な性能を妨げる別の問題は、キーストン効果である。プロジェクタがスクリーンから中心がずれて配置される場合、キーストン歪みが発生する。キーストン歪みは、矩形または正方形の画像の投影が、キーストン、すなわち平行の上辺と下辺とを有するがそれら辺の長さが異なる四辺形に似たスクリーン画像をもたらす、特定の画像歪みである。
【0021】
キーストン歪みを低減する方法もまた、スクリーンに関するプロジェクタの位置によって決まる。キーストン補正を、光学的方法によりおよび電子的方法により達成することができる。LCDイメージャにおける大きいキーストン補正の場合、目下光学的方法が好ましい。電子的方法では、画素の位置がずれると画素化歪みがもたらされる可能性があるためである。目下、出願人の知る限りでは、市販の携帯型電子フロントプロジェクタで利用可能な光学キーストン補正は、10°と20°との間である。
【0022】
効率的な空間利用、軽量化および魅力ある価格を提供する大型スクリーンビデオプレゼンテーションシステムは依然必要とされている。かかるシステムは、好ましくは、室内光状態で明るく高品質な画像をもたらさなければならない。さらに、画像解像度と明るさとが向上する改良されたスクリーン構成が望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、視認可能な画質を向上させる投影スクリーンのための性能が向上したスクリーン構成を提供する。
【0024】
本発明の一態様によれば、前面投影スクリーンは、背面構造化層と表面拡散層とを備える。構造化層には複数の溝が形成され、構造化層は、画定された聴衆観察領域に光を向けるように動作することができる。拡散層は、構造化層に連結され、つや消しポリエステルフィルムから形成されることによりその正面に乾式消去能力が提供される。たとえば、つや消しポリエステルフィルムは、テクラ・マーノット・エックスエルつや消しメリネックス(TEKRA Marnot XL Matte Melinex)ポリエステルフィルムであってもよい。さらに、構造化層を、光沢白色コーティングを有するアクリレート線形プリズム構造として形成してもよい。アクリレート線形プリズム構造とつや消しポリエステルフィルムとを、たとえば積層により連結してもよく、あるいは単一構造として押出し成形することによって連結してもよい。
【0025】
さらに、本発明は、関連する前面投影システムである。前面投影システムは、投影スクリーンに連結される投影装置を備えてもよい。さらに、投影装置を、移動可能に連結してもよく、閉じた非投影位置から開いた投影位置まで移動するアームであってもよい。
【0026】
さらに、本発明は、画像を所望の視認可能空間に投影する関連する方法である。この方法は、上述したようにおよび下により詳細に説明するように構造化層と拡散層とを含んでもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の好ましい実施形態は、モジュール式制御および電源電子装置を有する光学エンジンと、小型かつ軽量なビデオ表示装置を提供する専用投影スクリーンと、を一体化する前面投影システムを含む。図3〜図6は、本発明による一体化前面投影システム100の例示的な第1実施形態を示す。
【0028】
前面投影システム100は、フレーム104に取付けられた専用高ゲイン投影スクリーン102を含む。フレーム104の中心上部のヒンジユニット110に、アーム108によって投影ヘッド106が枢着されている。投影ヘッド106が閉位置すなわち収納位置から開位置すなわち投影位置まで枢動することができるように、アーム108を90°回転させることができる。
【0029】
スクリーン102は、投影ヘッドに光学的に連結されている。スクリーン102は、フレーム104に亙って延在する可撓性材料であってもよく、もしくは剛性部品であってもよい。代替実施形態では、スクリーンとフレームとはともに、材料の一体シートで作製される。スクリーン102は、消去可能ホワイトボードとしての使用を可能にするため等、多層または特殊コーティングを含んでもよい。
【0030】
フレーム104は、システムの他のコンポーネントを含み支持する。フレーム104は、内蔵スピーカ112、入出力ジャック113および制御パネル114等の追加のコンポーネントを収容してもよい。本例示的な実施形態では、投影システム100、アーム108およびフレーム104の機械的基礎構造は、アルミニウム、マグネシウムまたはプラスチック合成物等の軽量材料を含む。したがって、投影システム全体は比較的軽い(20〜25ポンド、9〜11kg)。
【0031】
本例示的な実施形態では、アーム108は剛性かつ中空である。アーム108は、硬いプラスチックシェルによって包囲された、ダイキャストアルミニウムまたはマグネシウムもしくは他の適当な材料からなる。フレーム104の上部および中心において、ヒンジユニット10は、投影アーム108およびヘッド106が閉(収納)位置と開(使用)位置との間で枢動することができるようにする。図4は、閉位置すなわち収納位置の投影システム100を示す。使用時でない場合、アーム108を、フレーム104に実質的に平行になるように閉位置に維持してもよく、それによりフレーム104の前方の空間において移動している可能性のある物体に対していかなる障害も提示しない。アームを聴衆左位置に折畳むように示すが、本システムは、アームおよび投影ヘッドの聴衆ファイト(fight)位置への収納を可能にするように適応可能であってもよい。システムの設置前に投影領域に存在する障害物を回避するために、収納位置を選択することができることは価値がある場合がある。アーム108が回転することができることにより、収納位置における投影システムの最小厚さ、およそ2〜3インチ(5〜7.5cm)が可能になる。
【0032】
システム100は、投影ヘッド106が、動作すなわち投影モードにおいて光学スクリーン102に関して正確な枢支位置合せで配置されるのを可能する。システム100では、使用位置は、スクリーンに関して垂直アーム角にあり概してスクリーンの上である。しかしながら、他の実施形態を、他の所定位置の周囲に設計してもよい。2つの位置の間の移動を、手動で支援してもモータ駆動してもよい。
【0033】
本実施形態では、ヒンジユニット110内に存在する電気モータ116が、アーム108の移動を制御する。モータ116を、ディテント、オーバーセンターカム(バネ式)または信頼性の高い繰返し可能な位置決めを提供する他の任意の適当なタイプによって、手動で駆動しても、AC駆動しても、DC駆動してもよい。モータ116は、アーム108を、したがって投影ヘッド106を、正確な繰返し可能な閉位置および開位置に正確に配置するために、2つのリミットセンサスイッチを有する、精密誘導ギアドライブモータである。
【0034】
アーム108の移動とプロジェクタシステム100の機能とを、制御パネル114、リモートコントロール(図示せず)または他の制御機構を介して制御してもよい。投影システム100のアーム108は単一点において枢着されているが、当業者は、本発明の精神の範囲内で種々の異なる連結および/または枢支機構を実現してもよい、ということを容易に認めるであろう。代替実施形態では、ヘッドおよびアームは、追加のヒンジまたは伸縮移動を含んでもよく、アームをフレームの他の部分かもしくは壁または柱に連結してもよい。
【0035】
図14〜図17に関してより詳細に説明するように、システム100は、ヘッド106をスクリーン102に関して正確に位置合せして投影エンジンの連結を最適化することにより、高コントラスト、明るさの向上、画像の均一性、最適画像位置および鮮鋭な焦点合せをもたらす。投影エンジンの光学パラメータは既知であり、互換性を考慮して選択され、使用位置におけるプロジェクタヘッド106の正確な位置は既知であって事前に確定されているため、例示的なスクリーン102を、周囲光による干渉を低減しながら聴衆に対し最大照明を提供するように設計し最適化することができる。
【0036】
稼動中、投影システム100は、複数の光線162を有する光のビームを生成する。スクリーンがz平面を定義する座標系に関して、各ファイト(fight)線162は、水平x平面と垂直y平面との両方に沿った成分を含む。各光線162のスクリーン102に対する入射の角度は、Fナンバー等のプロジェクタの光学特性と、スクリーン102に関する投影ヘッド106の位置と、によって決まる。
【0037】
図14は、垂直軸光線図の側断面であり、投影システム100によって放射されるタイト(tight)線162の反射を示す。点60は、投影ヘッド106が「使用」位置にある場合の投影レンズ140(図6に示す)に対する理想的な点光源の既知の正確な位置である。スクリーンに対する光線162の入射の角度は、正のx方向(図14の方向軸参照)に沿って増大する。
【0038】
従来のスクリーンでは、光線162は、各々入射の角度にしたがって反射される。特に、システム100の鋭い投射角度では、結果としての光パターンは散乱され、光線の一部のみが聴衆に到達する。入射角度の漸進的な増大を補償するために、スクリーン102は、スクリーン102の各点に対し予測された入射角で投影光線162を受取り垂直平面に沿っておよそ垂直角度で光線を反射するように向けられた、垂直に漸増する反射パターンを含む。光線162は、法線に垂直に近い方向で反射される。それが、聴衆の予測された位置に対応するためである。聴衆が異なる位置にいると予測される代替実施形態では、異なる反射パターンを実現してもよい。
【0039】
図15は、点60から発出されるファイト(fight)の水平分散の平面図を示す。聴衆が水平に分散しているように予期されるため、スクリーンの水平反射パターンは、水平方向のより広い照明の広がりを提供するように配置される。
【0040】
図16は、投影スクリーン104の垂直断面の拡大図を示す。図17は、スクリーンの水平断面の拡大平面図を示す。投影スクリーンは多層材料からなる。スクリーン104は、第1線形フレネルレンズ要素170と、第2線形フレネル要素172と、反射コンポーネント174と、を有する。フレネル要素170と172との間と第2フレネル要素172と反射要素174との間に、夫々第1および第2スペーサ要素171および173を配置してもよい。線形フレネルレンズ要素170および172は、夫々平面側176および178と、夫々プリズム側180および182と、を有する。第1フレネル要素170は、その平面側176に薄い等方性拡散層184を有する。拡散層184は、受像面として機能する。プラズマ側180は、段階的なパターンで水平に走る複数の線形溝186を有する。溝186は、垂直光の広がりを制御するように設計される。レンズ中心は、投影スクリーンの上部近くに配置される。
【0041】
第2線形フレネルレンズ要素172のプリズム側182は、第1フレネルレンズ要素170の複数の溝186に面する複数の垂直溝188(図17)を有する。第2線形フレネルレンズ要素172は、スクリーンの中心を経て延在する垂直線上に配置されたレンズ中心を有する。第2フレネル要素172の平面側178は、後部リフレクタ174に面し、聴衆の方向に光を反射する垂直線形構造を有する。構造後部リフレクタ174の溝は、好ましくは、レンズ状構造等の円筒形状を有し、あるいは、円柱形状に近似する微小面の繰返し溝パターンであってもよい。後部リフレクタ174の入射面175は、望ましいスクリーンゲインの量とスクリーン外観のタイプと次第で、鏡面または拡散反射であっても、金属性であっても、白色コーティングされていてもよい。第2線形フレネル要素172は、構造化後部リフレクタ174とともに、水平方向に広がる制御された配光を提供することにより、スクリーンの正面に水平方向に配置される観察者に適応する。代替的に、リフレクタ構造174を、平面178にエンボス加工して、スクリーン要素の数を低減してもよい。
【0042】
スクリーンの代替実施形態は、たとえば米国特許第6,018,419号など(3Mに譲渡された)に述べられているように、3M多層フィルムテクノロジを含んでもよい。
【0043】
図20〜図25は、たとえば、本発明による前面投影スクリーン800の別の実施形態を示す。概して、投影スクリーン800を、本一体型投影システムとともに使用することができ、したがって、短い投影距離での軸外投影に対して設計する。さらに、投影スクリーン800は、画定された聴衆観察領域804に対して、水平方向における光の広角分布と垂直方向における光の制御された非対称な分布とを有する。投影スクリーン800は、投影されたマトリクス画像に対してモアレを除去することができ、また乾式消去可能ホワイトボード能力を可能にする平面かつ耐久性のある正面を提供することも可能である。また、単一の一体型要素であってもよく、容易に製作することができる。
【0044】
図20および図21は、投影スクリーン800およびその画定された配光の側立面図と平立面図とである。図示するように、投影装置レンズ802は、投影スクリーン800に画像を投影することができ、画像は、一部は点AおよびBによって境界が画される観察領域804内で観察されるために反射される。投影スクリーン800は、正面に表面拡散層806を有し、背面に白色の反射水平マイクロプリズム構造化層808を有する。その層808は、画定された垂直聴衆観察領域804に光を向ける。正面の拡散層806は、構造化層808からの反射光を分散させることと、投影レンズ802からの光源の第1表面反射が観察領域804に向わないようにすることと、の2つの目的に役立つことができる。
【0045】
より詳細には、図20は、軸外系である投影系を表す。かかる投影系では、画像は、スクリーン800の垂直軸に位置合せされない鋭角でスクリーン800に向けられている(すなわち、軸外投影)。したがって、スクリーン800は、反射光を観察領域804に向けることが望ましい
【0046】
図21は、軸上である投影系を表す。かかる投影系では、画像は、スクリーン800の垂直軸に位置合せされてスクリーン800に向けられている(すなわち、軸上投影)。図21のスクリーン800もまた、反射光を観察領域に向けることが望ましい。しかしながら、この軸上投影構成では、スクリーン要件は、十分に視認可能な画質を提供するために軸外投影スクリーンほど厳しいものである必要はない。
【0047】
図22〜図25は、拡散層806とマイクロプリズム構造化層808とを含む、向上した視認可能な画質を提供するスクリーン800の実施形態のより詳細を示す。特に、図22〜図25は、拡散層806および構造化層808のより詳細を示す、投影スクリーン800の正立面図と、側断面図と、切取斜視図と、である。
【0048】
図示する実施形態では、反射マイクロプリズム溝のピッチを、既知のピッチのマトリクスイメージャから投影されるモアレを最小化するように選択することができる。また、水平方向かまたは垂直方向のいずれかに光を分配するためにバルクディフューザが無くてもよく、それによりスクリーンシンチレーションまたはスペックル問題が実質的に除去される。投影スクリーン800を、複数のコンポーネントを積層化することなく単一要素として複製することができる。さらに、拡散層806は、たとえば、後述するように、乾式消去コーティングが施された、テクラ・マーノット・エックスエルつや消しメリネックスポリエステルフィルムかまたはクラレックス(CLAREX)DR−IIIC光拡散フィルタから形成される場合、乾式消去ペンのための書込み面として機能することができる。
【0049】
ここで図22を参照して、投影スクリーン800例を説明する。この投影スクリーン800は、4:3アスペクト比、たとえば48インチ(122cm)幅×36インチ(91.4cm)高さを有してもよく、反射構造化層808の水平マイクロプリズム構造を提供する複数の水平溝809(水平破線で表す)を有することができる。この実施形態では、溝809は各々立上りとエッジとによって特徴付けられる。また、溝809の構造および向きは、投影スクリーン800の上部からの距離「Y」内でのそれらの位置によって変化する。
【0050】
図23は、拡散層806と構造化層808との投影スクリーン800の上部近く(たとえば、Y=0.5mm)における側断面図である。図示するように、構造化層808は、立上り810とエッジ812とを有する溝809を備える。対照的に、図24は、拡散層806と構造化層808との投影スクリーン800の下部近く(たとえば、Y=920.5mm)における側断面図である。投影スクリーン800の下部では、立上り810とエッジ812とは、投影スクリーン800の上部近くの図23に示すものとは極めて異なってもよい。なお、これらの幾何学的形状と溝809の上部から下部への変化とを、垂直配光が観察領域804内にあるように選択してもよい。
【0051】
図25は、投影スクリーン800のさらなる特徴を示す投影スクリーン800の切取斜視図である。図25は、溝809の方向に対して横切る方向の、立上り810およびエッジ812の表面に形成される波814を示す。この波814は、水平方向の光の広がりを増大させるものであり、振動式マスタカッティングツールによって形成してもよい。
【0052】
図20〜図25の実施形態では、拡散層806は好ましくは、乾式消去可能正面つや消し投影面を提供するが、代替実施形態では、拡散層806は、高ゲイン銀層または前面投影スクリーンに適した他の非乾式消去可能面を提供することができる。乾式消去能力を提供するために、拡散層806を、テクラ・マーノット・エックスエルつや消しメリネックスポリエステルフィルムから形成することができる。このポリエステルフィルムを、光沢のある白色コーティングと任意の粘着性裏材とを有するアクリレート線形プリズム構造層808に積層することができる。代替的に、テクラポリエステルフィルム拡散層806と構造化層808とを押出し成形することにより、別々の積層された層の無い単一構造を形成することができる。拡散層806とともに、構造化層808上の水平プリズム溝809は、上述したように反射光を画定された観察領域804に垂直に向けるように設計される。さらなる広がりは、拡散層806のつや消し正面と線形プリズム溝809の任意の湾曲とによって制御される。さらに、図25のもの等の線形波パターンを使用して、水平方向への光の広がりを増大させることができる。
【0053】
乾式消去可能拡散層806を形成するために使用することができる別の材料は、クラレックス(CLAREX)DR−IIIC光拡散フィルタ等のバルク白色拡散プラスチックである。この場合、乾式消去コーティングが、クラレックス(CLAREX)材料の正面とその背面に形成される線形水平プリズム溝809とに施される。そして、溝809にアルミニウムまたは同様のミラーコーティングを施すことにより、垂直方向の光の反射分布を制御することができる。ここでもまた、波パターンを使用して水平方向の光の広がりを向上させることができる。
【0054】
例示的な一実施形態では、投影スクリーン800は、高さ36インチ(91mm)と、幅48インチ(122mm)と、対角線60インチ(152mm)と、を有する本一体型前面投影システムの一体型コンポーネントである。この実施形態では、アームがその投影位置にある時、投影レンズ802は、投影スクリーン800から約752mm、投影スクリーン800の上部より約67.7mm上に配置され、水平方向から約15°下方に向けられる。さらに、この実施形態では、観察領域804は、投影スクリーン800から約1000mmで開始する。さらに、投影スクリーン800は、下の表Bに示すパラメータによって特徴付けられる。
【0055】
【表2】
【0056】
レンズ状溝809のピッチに関して、スクリーン構造と投影画素との間のモアレを抑制するために、ピッチp=0.075mmが選択される。この場合、投影画素サイズのピッチPと溝ピッチpとの割合は、次のようになる。
【数1】
ここで n=16
構造化フィルム808は、8〜10ミルの厚さを有し、36インチ(91.4cm)高さ×48インチ(122cm)幅のスクリーンサイズに亙ってシームレスであり、線形マイクロ溝の繰返しの割合は333溝/インチ(13溝/mm)で固定される。
【0057】
この例示的な実施形態では、角度に関して、溝809のエッジ角度と立上り角度とは、スクリーン面を基準とする。溝位置がスクリーンの上部から垂直距離Yとして参照されるとすると、レンズ中心(遷移)はスクリーンの上部から約Y=168mmである。この実施形態では、すべての立上り角度は82°で固定され、反射溝エッジ角度Fは、以下の多項式によって記述される(すべての角度は度である)。
0>Y<168mmの場合:
F=F0+a(168−Y)+b(168−Y)2
ここで:F0=+1.143E−2
a=+3.549E−2
b=+6.351E−6
168mm<Y<921mmの場合:
F=F0+a(Y−168)+b(Y−168)2
ここで:F0=+4.558E−2
a=+3.46E−2
b=−1.097E−5
【0058】
角度を記述するものとしてこれらの式を考慮すると、以下の表Cにより、Y=168mmのレンズ中心遷移より上および下のいくつかの選択された溝に対する角度値が得られる。
【0059】
【表3】
【0060】
さらに、上述した値および構成の詳細を、スクリーンが利用されている特定の投影環境次第で、所望に応じて修正および変更してもよい、ということが留意される。
【0061】
図5において認めることができるように、投影システム100は、投影ヘッド106をスクリーン102に向って極端な角度で近接した距離に配置することにより、プレゼンターの干渉の可能性を最小限にする。光学ヘッド106を極端に角度をなしている投影アーム108の終端部に配置することにより、一意の機械的および光学的難題が提示された。約7lb(3.2kg)の最軽量で最もコンパクトな従来の携帯型プロジェクタであっても、構造コンポーネントに対し不均衡なひずみを与える可能性があった。光学的に、一様に画像を焦点合せするために必要な投影距離は、長いアームを必要とし、さらに、構造に対し、てこ増幅された応力をもたらす。構造的に正常であっても、システムは、厳しくキーストン歪みのある比較的小さい画像を投影する。
【0062】
電子光学エンジンは、画像形成および電子部品を含む。図6においてより適切に例示するように、投影システム100において、アーム108は剛性中空構造である。アーム108の構造は、アームチャンバ122を画定し、ランプ制御モジュール118と画像形成モジュール120とのモジュール式の別個の配置を可能にする。ランプ制御モジュール118は、制御盤と、バラストと、他の電子部品と、を含む。電子要素は、内部電源のアレイとデータ接続とを介して内部的に接続される。画像形成モジュール120は、光源と、投影光学系と、カラーホイールと、イメージャと、を含む。投影システムのコンポーネントをアームおよびフレームに沿って分散することにより、ヒンジおよびアームに対する負荷が小さくなる。また、より小さいプロジェクタヘッドサイズが可能になる。当業者は、本発明の代替実施形態内で種々の異なるモジュール式構成が可能であってもよい、ということを認めるであろう。たとえば、代替的に、電子装置モジュールのコンポーネントを、フレーム104の内側に配置してもよい。
【0063】
従来のプロジェクタ設計では、ランプと電子部品の間のEMクロストークを低減し無線周波数閉じ込めを有するために、かなりの量のEMI/RFI遮蔽が必要である。アーム108内の電子部品20の別個の配置により、EMI/RFI干渉が自然に低減する。さらに、例示的なシステム100では、電源と制御電子装置モジュール118とは、複数の六角セル125を含むハニカム構造124によって封入される。ハニカム構造は、画像モジュール120を包囲し、EMI/RFI遮蔽と熱管理特性とをともに提供する。図18および図19は、ハニカム構造124の詳細を示す。「プロジェクタ用ハニカム光および熱トラップ」と題された米国特許第6,109,767号に述べられているように、六角セルの形状、向き、厚さおよびサイズを、特定の電磁周波数を減衰させるように調整してもよい。本例示的な実施形態では、六角セル125は、アーム108に沿って略長手方向に位置合せされ、高電磁周波数を減衰させるように所定の特定角度φで方向付けられる。ハニカム構造124は、0.25〜0.0625インチ(0.635〜0.159cm)セルサイズSと、0.002インチ(およそ0.005cm)ホイル厚さTと、防腐コーティングと、を有するアルミニウム六角コアである。電子部品とハニカム構造124との物理的分離により、他の従来のコーティングまたは遮蔽に対する必要を低減するために十分な減衰が提供される。
【0064】
本構成はまた、効率的な熱管理システムも提供する。ヒンジユニット110のハウジング内に、空気取入口126が配置されている。投影ヘッド106に配置されたファン130は、空気取入口126を介して中空投影アーム108の内部に空気を引込み、そこに配置された画像形成モジュール120を冷却する。空気は、空気出口129を介して投影ヘッドを出る。また、空気を投影ヘッド106内に介してもよい。また、冷却空気の流れを使用して、プロジェクタヘッド106に配置された他のコンポーネントを冷却してもよく、あるいは、別個の冷却空気流または熱管理要素を採用してもよい。
【0065】
また、ハニカム構造124の向きは、電子モジュール118によって生成される熱エネルギーを吸収する対流ヒートシンクとして作用するように設計され、対流により熱をファン130によって引込まれる冷却空気の流れに伝達する。ハニカム構造は、精密なコンポーネントに亙って空気流を向けるように方向付けられる。ハニカム構造124の異なる部分は、空気流を異なるコンポーネントに向けるために異なる傾き角を有してもよい。チャンバ122はまた、ランプと電子装置との両方の冷却のための高効率熱交換器として作用する、夫々外部または内部フィン127および128を有してもよい。ハニカム構造124により冷却空気の流れを内部フィン128に向けることができることにより、より優れた対流冷却が可能となり、それにより低CFMファン130の使用かまたは自然に生成された対流の使用さえもが可能になる。また、アームおよびハニカム構造によって提供される冷却構造により、全体の電力消費が非常に低くなり可聴雑音が低くなる。
【0066】
市販の電子フロントプロジェクタは、指定された投影距離(TD)で指定されたスクリーン対角線長(D)を投影するように設計される。i5の投影率(TR)は、投影距離のスクリーン対角線長に対する割合として定義される。スクリーン対角線長/イメージャ対角線長として倍率が測定される。光学的に、投影システム100の投影ヘッド106の邪魔にならない構成には、画像が3つの非常に厳しい要件に同時に適応することが必要である。すなわち、(1)短い投影距離と、(2)高倍率と、(3)大規模なキーストン補正と、である。画像の遮りを最小化するために、本例示的な実施形態では、プロジェクタヘッド106を約15°の投影角度で配置し、アームの寸法を約30インチ(およそ76.2cm)にする。スクリーン102は、42から60インチ(およそ107〜152cm)の間のスクリーン対角線長を有する。したがって、例示的なディスプレイシステム100の設計目標は、(1)投影距離≦800mm、(2)倍率>60×および(3)約15°の投影角度に対するキーストーン補正を含んでいた。
【0067】
図6を参照すると、投影ヘッド106は、ランプユニット132と、イメージャまたはライトバルブ134と、集光光学系136と、カラーホイール138と、集光ミラー139と、投影レンズ140と、を有する。投影ヘッドはまた、偏光変換器(偏光回転イメージャ用)と、赤外線および紫外線吸収または反射フィルタと、ランプ変更機構と恐らくは連結された代替光源と、リフレクタミラーと、他の光学部品(図示せず)と、を有してもよい。ランプユニット132は、リフレクタ131と、ランプ133と、を有する。リフレクタ131は、ランプ133によって生成される光をカラーホイール138を介して集束させる。そして、光のビームは、集光光学系136と集光ミラー139とによって集光される。ここで集光される光のビームは、集光ミラーから反射され、反射イメージャ134に向けられ、反射イメージャ134はそれによって光を投影レンズ140上に反射する。
【0068】
ランプユニット132は、長円形リフレクタ131と、オランダ、アイントホーヴェンのフィリップス(Philips(Eindhoven、The Netherlands))のPhilips UHPタイプかまたはドイツ、ベルリンのオスラム(Osram(Berlin、Germany))のOSRAM VIP−270等の高輝度アーク放電ランプ15と、を有する。メタルハライドまたはタングステンハロゲンランプ等の他の適当な電球およびランプ構成を使用してもよい。
【0069】
本例示的な実施形態では、イメージャ134は、テキサス州、ダラスのテキサス・インスツルメンツ・インコーポレイテッド(Texas Instruments,Inc.(Dallas、Texas))によって製造されるもの等、約18mm(およそ0.7インチ)対角線長を有する単一XGAデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を含む。カラーホイール138は、投影画像に1670万色をもたらすスピニング赤/緑/青(RGB)カラーシーケンシャルディスクである。代替実施形態では、カラーホイールおよびイメージャ134を、液晶RGBカラーシーケンシャルシャッタおよび反射または透過型液晶ディスプレイ(LCD)イメージャ等、異なる適当な構成によって置換えてもよい。当業者は、本発明の精神により他の光学部品および構成も可能である、ということを容易に認めるであろう。
【0070】
イメージャ134およびランプ132を、ファン130によって生成される空気流によって冷却してもよい。本実施形態の配置のさらなる熱的利点は、ランプ等のより高温のコンポーネントが、冷却空気流経路の終端部に配置されることにより、ランプからの強度な熱が繊細な電子部品に影響を与えないようにする、ということである。
【0071】
レンズ140の焦点を、スクリーン102における最適な解像度が得られるように事前設定する。完全なキーストン補正を提供するために、ライトバルブ中心を投影レンズ中心から投影角度に等しい量だけシフトさせてもよい。キーストン補正機能は、光学系にのみ限定される必要はない。適当な画像を達成するために、キーストン補正された光学系と、電子キーストン補正手段と、スクリーンの傾きと、を結合してもよい。代替実施形態では、スクリーンを、アームが開位置に配置される時に傾いた投影位置に達するように、モータ駆動してもよい。
【0072】
図7は、本発明の例示的な第2実施形態を示す。参照数字の同じ最後の2つの数字は、すべての例示的な実施形態において同様の要素を示す。光エンジンのサイズをさらに縮小しプロジェクタヘッド206およびアーム208のサイズおよび重量を低減するために、ランプ232およびファン230をヒンジユニット210内またはフレーム204内に配置する。電源および電子コンポーネント218をフレーム204内部でスクリーン202の後方に配置する。連続カラーホイール238と、投影レンズ240と、集光ミラー239を含む集光光学系236と、はまだ、プロジェクタヘッド206内にある。投影アーム208内に可撓性照明導波路242を通し、それは、ランプまたは光源232からの照明を集光光学系236に連結する。ランプ232は、光を照明導波路242の入口開口246に集束させる。光を、照明導波路242により出口開口245まで透過させ、そこでその後、カラーホイール138を通して集光光学系236および239に向ける。本実施形態では、照明導波路242は、日本の住友3M株式会社からのスポットライト(Spotlight)タイプLF90FBかまたはカリフォルニア州、アーヴィンのルメナイト・インターナショナル・コーポレイション(Lumenyte International Corp.,(Irvine、California))からのステイ・フレックス(Stay−Flex)タイプSEL400等の中実大コア径プラスチック光ファイバであってもよい。
【0073】
システム200における冷却を、システム100とは逆の方向に行う。冷却機構またはファン230は、投影ヘッド206に位置する空気取入口226から空気を引込み、ヒンジユニット210に位置する空気排出口227を介して空気を排出する。
【0074】
図8は、本発明による投影システム300の例示的な第3実施形態を示す。投影システム300は、枢動アーム308の中間スパンに沿って取付けられた投影ヘッド306を有する。投影ヘッド306は、システム100の投影ヘッド106に実質的に類似する。投影ヘッド306の投影レンズ340によって投影される画像を、ミラーまたは反射面346からスクリーン302に反射させる。光学系300の構成により、同じアーム長を維持しながら投影距離と倍率との増大が可能となり、またはより短い枢動アームによる同じ投影距離および倍率が可能となる。
【0075】
図9は、スクリーン402と、フレーム404と、投影ヘッド406と、アーム408と、を有する、本発明による投影システム400の例示的な第4実施形態を示す。投影システム400の投影ヘッド406は、透過型カラーホイール438および集光光学系436と光学的に位置合せされたランプ432を有する。光ビームは、カラーホイール438および集光光学系436を通過した後、反射イメージャ434上に集束し、それにより反射イメージャ434は、光ビームを逆焦点投影レンズ440に向ける。プロジェクタシステム400は、ランプ制御電子装置418とイメージャ434用の別個のモジュール式ドライバボード448と、を有する。
【0076】
図10は、本発明による投影システム500の例示的な第5実施形態を示す。投影システム500では、システム電源電子装置519を、フレーム504の内側に配置する。ヒンジ510が、プロジェクタヘッド506をフレーム504に保持するアーム508に連結する。電子制御盤550を、アーム508内に配置する。投影ヘッド506は、すべて直線光学経路に位置合せされた、ランプユニット532と、偏光子535と、光学系536と、透過型LCDイメージャ534と、投影レンズ540と、を有する。ファン530は換気を提供する。図11に示すように、アーム508を、右側かまたは左側に収納するために±90°回転させてもよい。
【0077】
図12および図13は、本発明の投影システムの汎用性を示す。図12は、本発明による投影システム600とスタイラス653等の入力装置とを有する対話式デジタルホワイトボードシステム601を示す。投影システム600は、LTV、Kレーザまたは他のタイプのセンサ654とともに注釈システム652のための一体型電子装置を有する。センサ654を、スクリーンの表面におけるスタイラス653の移動を追跡するように較正する。スタイラス653は同様に、追跡を支援するためおよび電子装置652によるタイミングまたは制御信号を調整するために送信機および/またはセンサを有してもよい。スクリーン602を、消去可能ホワイトボードの使用を可能にするようにコーティングしてもよい。一体型電子装置652はCPUを含んでもよい。
【0078】
図13は、本発明による投影システム700を含むビデオ会議および/またはデータ会議システム701を示す。CMOSまたはCCDカメラ等のカメラ756を、投影ヘッド706またはフレーム704に取付ける。カメラ756は、プレゼンターを取込むかまたはスクリーン702上に配置された文書を取込むように枢動してもよい。代替的に、追加のカメラをプレゼンターとスクリーンとに向けてもよい。ここでもまた、スクリーンを消去可能ホワイトボードとして作用するようにコーティングしてもよい。カメラ756を、フレーム704内に一体的に配置されたCPU758に直接連結する。また、フレーム704内にマイクロフォン760も配置する。チューナ、ネットワークカード、サウンドカード、ビデオカード、通信機器等の追加の電子モジュールをフレーム704内に配置してもよい。
【0079】
当業者は、本発明の要素を、別々にまたは1つのシステムで結合することにより、ビデオ会議、データ会議および電子ホワイトボード機能を、軽量かつ小型の表示システムが有用となり得る他の任意の機能とともに提供してもよい、ということを容易に認めるであろう。
【0080】
本発明のシステムは、所定の投影位置において投影画像を最適化するように設計されるため、光学系、機械的構造または電子装置に対していかなるセットアップ調整も不要であり、最適なオンスクリーン性能が一貫して提供される。システム100の一体構造により、より容易な収納および携帯性が可能となり、従来のプロジェクタの使用に関連する配線および位置決めが回避される。
【0081】
当業者は、本発明を種々の異なる光学部品とともに使用してもよい、ということを認めるであろう。本発明を例示的な好ましい実施形態に関して説明したが、本発明を、発明の精神から逸脱することなく他の特定の形態において具体化してもよい。したがって、本明細書において説明し例示した実施形態は単に例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものとみなされてはならない、ということは理解すべきである。本発明の精神および範囲にしたがって他の変形および変更を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】従来の投影装置およびスクリーン構成の斜視図である。
【図2】図1に示す構成の側立面図である。
【図3】使用位置すなわち投影位置における本発明による一体型前面投影システムの斜視図である。
【図4】閉位置すなわち収納位置における図3に示す一体型前面投影システムの斜視図である。
【図5】使用位置すなわち投影位置における図3に示す一体型前面投影システムの側立面図である。
【図6】図3に示す一体型前面投影システムのアームおよび投影ヘッドの第1実施形態の略側立断面図である。
【図7】図3に示す一体型前面投影システムのアームおよび投影ヘッドの第2実施形態の略側立断面図である。
【図8】使用位置すなわち投影位置における本発明による一体型前面投影システムの第3実施形態の側立面図である。
【図9】本発明による一体型前面投影システムのアームおよび投影ヘッドの第4実施形態の略側立断面図である。
【図10】本発明による一体型前面投影システムのアームおよび投影ヘッドの第5実施形態の略側立断面図である。
【図11】図10に示す一体型前面投影システムの平面図である。
【図12】本発明による一体型前面投影システムの第6実施形態の斜視図である。
【図13】本発明による一体型前面投影システムの第7実施形態の斜視図である。
【図14】本発明による配光制御された前面投影スクリーンの垂直反射パターンの側立面図である。
【図15】図14に示す前面投影システムの水平反射パターンの平面図である。
【図16】本発明による配光制御された前面投影スクリーンの垂直断面図である。
【図17】図16に示す前面投影スクリーンの水平断面図である。
【図18】図3に示す一体型前面投影システムのハニカム構造の一部の斜視図である。
【図19】図18に示すハニカム構造の部分の詳細平面図である。
【図20】本発明による投影スクリーンとその画定された配光との別の実施形態の側立面図である。
【図21】本発明による投影スクリーンとその画定された配光との別の実施形態の平立面図である。
【図22】本発明による正面拡散層と背面構造化層とのより詳細を示す図20〜図21の投影スクリーンの正立面図である。
【図23】本発明による正面拡散層と背面構造化層とのより詳細を示す図20〜図21の投影スクリーンの正立面図である。
【図24】本発明による正面拡散層と背面構造化層とのより詳細を示す図20〜図21の投影スクリーンの側断面図である。
【図25】本発明による正面拡散層と背面構造化層とのより詳細を示す図20〜図21の投影スクリーンの切取斜視図である。
Claims (21)
- 前面投影スクリーンであって、
複数の溝が形成され、画定された聴衆観察領域に光を向けるように動作可能な背面構造化層と、
該構造化層に連結され、つや消しポリエステルフィルムから形成されることにより正面に乾式消去能力が提供される正面拡散層と、
を具備する前面投影スクリーン。 - 前記つや消しポリエステルフィルムが、テクラ・マーノット・エックスエル・つや消し・メリネックス(TEKRA Marnot XL Matte Melinex)ポリエステルフィルムである、請求項1に記載の前面投影スクリーン。
- 前記構造化層が、光沢白色コーティングを有するアクリレート線形プリズム構造として形成される、請求項1に記載の前面投影スクリーン。
- 前記アクリレート線形プリズム構造とつや消しポリエステルフィルムとが積層により連結される、請求項3に記載の前面投影スクリーン。
- 前記アクリレート線形プリズム構造とつや消しポリエステルフィルムとが、単一構造として押出し成形されることにより連結される、請求項3に記載の前面投影スクリーン。
- 一体化前面投影表示システムであって、
前面投影装置と、
該前面投影装置から画像を受取るように構成される前面投影スクリーンであって、
複数の溝が形成され、画定された聴衆観察領域に光を向けるように動作可能な背面構造化層と、
該構造化層に連結され、つや消しポリエステルフィルムから形成されることにより正面に乾式消去能力が提供される正面拡散層と、
を備える前面投影スクリーンと、
を具備する一体化前面投影表示システム。 - 前記つや消しポリエステルフィルムが、テクラ・マーノット・エックスエル・つや消し・メリネックス(TEKRA Marnot XL Matte Melinex)ポリエステルフィルムである、請求項6に記載の一体化前面投影表示システム。
- 前記構造化層が、光沢白色コーティングを有するアクリレート線形プリズム構造として形成される、請求項6に記載の一体化前面投影表示システム。
- 前記アクリレート線形プリズム構造とつや消しポリエステルフィルムとが積層により連結される、請求項8に記載の一体化前面投影表示システム。
- 前記アクリレート線形プリズム構造とつや消しポリエステルフィルムとが、単一構造として押出し成形されることにより連結される、請求項9に記載の一体化前面投影表示システム。
- 前記前面投影装置が、前記前面投影スクリーンに連結される、請求項6に記載の一体化前面投影表示システム。
- 前記前面投影装置が、前記前面投影スクリーンに移動可能に連結される、請求項11に記載の一体化前面投影表示システム。
- 前記前面投影装置が、前記前面投影スクリーンに移動可能に連結されるアームを備え、該アームが非投影位置と投影位置とを有する、請求項12に記載の一体化前面投影表示システム。
- 前記投影システムが、投影率が約1未満の軸外投影システムである請求項13に記載の一体化前面投影表示システム。
- 投影表示システムから視認可能画像を提供する方法であって、
投影スクリーンの背面に対する構造化層を利用して、画定された聴衆観察領域に光を向け、該構造化層が複数の溝から形成されるものである工程と、
該構造化層に連結された正面拡散層を利用して、該拡散層の正面に乾式消去能力を提供し、該拡散層がつや消しポリエステルフィルムから形成されるものである工程と、
を含む方法。 - 前記つや消しポリエステルフィルムが、テクラ・マーノット・エックスエル・つや消し・メリネックス(TEKRA Marnot XL Matte Melinex)ポリエステルフィルムである、請求項15に記載の方法。
- 前記構造化層が、光沢白色コーティングを有するアクリレート線形プリズム構造として形成される、請求項16に記載の方法。
- 前記アクリレート線形プリズム構造とつや消しポリエステルフィルムとが積層により連結される、請求項17に記載の方法。
- 画像を、前面投影システムを備えた前記投影スクリーンに投影する工程をさらに含む請求項15に記載の方法。
- 前記前面投影システムが、前面投影装置を有し、該前面投影装置が、前記前面投影スクリーンに移動可能に連結されるアームを有する、請求項19に記載の方法。
- 前記投影システムが、投影率が約1未満である軸外投影システムである、請求項20に記載の方法。
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