JP2005504021A5 - - Google Patents

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アグリカナーゼ活性を阻害するヒドロキサム酸トロンボスポンジン・ペプチド類縁物質。
(関連出願)
本出願は、2001年7月9日に出願された米国特許出願第60/303,989号の一部継続出願であり、その全体を参照して本明細書に加える。
本発明は、アグリカナーゼの生体内作用を本質的に抑えるペプチド類縁物質阻害剤に関する。これらの阻害剤は、変形性関節症及び慢性関節リウマチ等の疾患を含む様々なヒト疾患状態の治療に有用である。
アグリカナーゼ1は、インターロイキン−1で刺激したウシ鼻軟骨培養液から精製された2つの新規な軟骨分解メタロプロテアーゼのうちの1つである(非特許文献1、2)。前記酵素は、アグリカナーゼ2(ADAMTS-11/5)、ADAMTS-1(METH-1)及びADAMTS-8(METH-8)と40-50%の配列相同性を有し、トロンボスポンジン・モチーフを有するディスインテグリン及びメタロプロテアーゼ(a disintegrin and metalloprotease with a thrombosondin motif、ADAMTS)ファミリーのほかのメンバーとはより低い相同性を有する(非特許文献3−7)。ADMTSファミリーの全てのメンバーは、アミノ末端のプロペプチド・ドメイン、酵素活性に亜鉛を必要とするメタプロテイナーゼ・ドメイン及びディスインテグリン様ドメインから構成され、ディスインテグリン及びメタロプロテアーゼ(a disintegrin and metalloprotease、ADAM)並びにヘビ毒メタロプロテアーゼを含むメタロプロテアーゼのリプロリシン(reprolysin)ファミリーの構造成分と似ている(非特許文献8)。膜結合型であり、かつカルボキシ末端に膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインを有する典型的なADAM蛋白質と異なり、ADAMTS蛋白質のC末端には、様々な数の1型トロンボスポンジン(TSP-1)モチーフがあり、該モチーフの配列は、トロンボスポンジン1及び2で保存されているモチーフである(非特許文献8)。ADAMTS-4のTSP-1モチーフ内にあるGGWGPWGPWG配列(配列番号3)は、アグリカンのグリコサミノグリカン(glycosaminoglycan、GAG)に結合する。アグリカンの酵素的分解には、アグリカナーゼがTSP-1モチーフを介してアグリカンに結合すことが必要である(非特許文献9)。
アグリカンは、軟骨の乾燥重量の薬10%を占める大型のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンである(非特許文献10、11)。アグリカンは、3種の球状ドメインG1、G2及び分子のC末端にあるG3から構成され、G1を介してヒアルロナン(HA)と相互作用する。G2とG3の間にあるコア蛋白質は、グリコサミノグリカン(GAG)・ケラタン硫酸及びコンドロイチン硫酸の鎖で高度に置換されている。アグリカンは、通常HA分子当たり約100個のプロテオグリカン分子を含む巨大なHAとの凝集体の一部として見られる。前記分子は、組織内に高い浸透圧をもたらすGAG上に固定された負の荷電基を多数持ち、それ故にアグリカンが、軟骨のコラーゲン繊維の骨組みを膨張させ、水和させることが可能となり、組織に圧縮性及び弾性の性質をもたらす。G1とG2ドメインの間にあるアグリカンの球間のドメイン(interglobular domain、IGD)は、Asn341-Phe342残基間のMMP部位ではなく、Glu373-Ala374残基間のADMTS-4/ADAMTS-5による蛋白質分解性の切断に感受性があることが示されている(非特許文献12)。さらに、ヒト組換え型ADAM-TS4及びADAM-TS5は、共にアグリカンの4つの部位を優先的に切断することが示され、該4つの部位は、G2とG3の間にあるコンドロイチン硫酸に富む領域内のGlu1480-Gly1481、Glu1667-Gly1668、Glu1771-Ala1772及びGlu1871-Leu1872間の結合である(非特許文献12)。アグリカンが減少すると、変形関節症及び慢性関節リウマチ等の疾患で典型的に見られる軟骨の機能障害が起きる。従って、アグリカナーゼによるアグリカンの分解を阻害することは、関節疾患を患う患者を治療するのに有用であることが分かる。
本特許では、ADAMTS-4/ADAM-TS5を阻害して、アグリカナーゼ−1が天然のアグリカンに結合して、これを分解するのを防ぐ新規な小さい分子のヒドロキサム酸トロンボスポンジン・ペプチド類縁物質について記述する。本新規阻害剤は、軟骨破壊を特徴とする疾患を治療するのに有用であることが分かるだろう。
上記考察より、変形性関節症及び慢性関節リウマチを治療する治療薬並びに方法が求められていることは明らかである。本出願は、その解決手段を提供するものである。
米国特許第6,057,336号 米国特許第6,180,334号 米国特許第5,872,209号 欧州特許第1081137号 欧州特許第1041702号 国際公開第00/059874号 国際公開第00/059285号 国際公開第00/075108号 国際公開第00/009485号 国際公開第00/009492号 国際公開第99/65867号 国際公開第99/64406号 国際公開第99/51572号 国際公開第99/09000号 国際公開第99/05291号 国際公開第98/51665号 国際公開第97/40072号 国際公開第97/31931号 国際公開第97/18207号 国際公開第96/33166号 M.D. Tortorella, et al. Purification and cloning of aggrecanase-1: a member of the ADAMTS family of proteins. Science 1999; 284: 1664-6. I. Abbaszade, et al. Cloning and characterization of ADAMTS11, an aggrecanase from the ADAMTS family. J. Biol Chem 1999; 274: 23443-50. K. Kuno, et al. (1997) Genomics 46, 466-71. A. Colige, et al. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 94, 2374-2379. B.L. Tang, et.al. (1999) FEBS Lett. 445, 223.5. F. Vasquez, et al. (1999) J. Biol Chem 274, 23349-23357. T.L. Hurskainen, et al. (1999) J. Biol Chem 274, 25555-25563. G.P. Kaushal, et al. The new kids on the block: ADAMTSs, potentially multifunctional metalloproteinases of the ADAM family. J. Clin Invest 2000; 105: 1335-7. M. Tortorella, et al. The thrombospondin motif of aggrecanase-1 (ADAMTS-4) is critical for aggrecan substrate recognition and cleavage. J. Biol Chem 2000; 275(33): 25791-1. M. Paulsson, et al. Extended and globular protein domains in cartilage proteoglycans. Biochem J 1987; 245: 763-72. T.E. Hardingham, et al. Aggrecan, the chondroitin sulfate/keratan sulfate proteoglycan from cartilage. In Articular Cartilage and Osteoarthritis (Kuettner, K.E., Schleyerbach, R. Peyton, J.G., and Hascall, V.C.) eds. 1992; Raven Press, New York: 5-20. M.D. Tortorella, et al. Sites of aggrecan cleavage by recombinant human aggrecanase-1 (ADAMTS-4). J. Biol Chem 2000; 275: 18566-73. R.W. Farndale, et al. Improved quantitation and discrimination of sulphated glycosaminoglycans by use of dimethylmethylene blue. Biochim Biophys Acta 1986; 883: 173-7. E.C. Arner, et al. Cytokine-induced cartilage proteoglycan degradation is mediated by aggrecanase. Osteoarthritis and Cartilage 1998; 6: 214-28. N.D. Rawlings, et al. (1995) Methods Enzymol. 248, 183-228. T.G. Wolsberg, et al. (1996) Dev. Biol. 180, 389-340. P. Bornstein, et al. (1994) Methods Enzymol. 245, 62-85. V.C. Hascall, et al. (1969) J. Biol. Chem. 244, 2384-2396.
本発明は、ヒドロキサム酸トロンボスポンジン・ペプチド類縁物質化合物を、変形性関節症、慢性関節リウマチ、脊椎関節症、敗血症性関節炎などを含む軟骨の分解を特徴とする疾患を治療するために使用する方法に関する。
本発明には、またADAMTS-4/ADAMTS-5をin vivo及びin vitroにおいて阻害するためにこのような類縁物質化合物を使用する方法も含まれる。
これらの新規ペプチド類縁物質は、ヒドロキサム酸誘導体を含む構造を必要とする。類縁物質のデザインによって、単一の構造で多重結合活性及び阻害活性を提供して、効能及び選択性を向上することが可能となる。ヒドロキサム酸誘導体は、触媒ドメインの亜鉛をキレート化することによってADAMTS4/ADAMTS5を阻害し、一方でペプチド配列GGWGPWGPWP(配列番号3)の類縁物質は、アグリカン基質のグリコサミノグリカン鎖に結合することによって酵素活性を阻害する。
特異的なヒドロキサム酸類縁物質には、
H-O-NH-(C=O)-CH2-CH(CH2CH(CH3)2)-(C=O)-V-
“ -SQAGGWGPWGPWGDSSAT; (〜11'A)
(配列番号9)AS323
“ -SNISQAGGWGPWGPWGDSSAT; (〜22'A)
(配列番号10)AS324
“ -LQDSNISQAGGWGPWGPWGDSSAT; (〜33'A)
(配列番号11)AS325
“ -MDQLQDSNISQAGGWGPWGPWGDSSAT. (〜44'A)
(配列番号12)
が挙げられるが、これらに限定されることはない。
上記構造中のアミノ酸バリンは、例えばフェニルアラニン、アラニン、チロシン等の任意のアミノ酸に置換することができる。バリンの代わりに用いることが可能な好ましいアミノ酸を、図1Aから図1Jに示す。
本発明は、また治療に効果的な量のペプチドを、哺乳類、好ましくはヒトに投与することによって、変形性関節症及び慢性関節リウマチを治療する方法にも関する。
(定義)
「アミノ酸」とは、天然及び合成アミノ酸をいう。標準の記号表示であるA、D、S等、及びgly、ala、cys等を、天然アミノ酸を特定するために用いた。
化学物質、試薬等の定義は、本技術分野で慣用されているものである。
ヒドロキサム酸トロンボスポンジン・ペプチド類縁物質は、酵素とその基質間の相互作用部位へヒドロキサム酸を特異的に送達する新規システムを提供する。
一連の新しく合成したヒドロキサム酸(図1)について、組換えADAMTS-4/ADAM-TS5のみならず、いくつかのマトリックス・メタロプロテイナーゼ(matrix metalloproteinases、MMPs)も阻害する能力があるかどうか試験した。本研究では、濃度が500nMのアグリカンを、0.1から1000nMまでの範囲内の濃度である前記ヒドロキサム酸の1つが存在するか、又は存在しない条件で、それぞれ5nMであるADAMTS-4/ADAM-TS5を用いて37℃で2時間インキュベートした。続いて、その画分について、GELE1480 (配列番号17)の新しいC末端を認識する特異的な抗体を用いたウェスタンブロット分析によって、Glu1480-1481Glyの位置でアグリカンが切断されているかどうか分析した。切断の阻害を、スキャニング・デンシトメトリーによって決定して、Ki値を決定した(表1)。JWD40は、アグリカナーゼに対して最も効力を示し、Ki値は17nMであった。前記化合物は、MMP-3に対しては対数的に効力が低下し、MMP-1及びMMP-2に対しては二分の一に効力が低下した。
同じ化合物について、軟骨分解のin vitroのモデルにおいてアグリカンの分解を阻止する能力があるかどうか試験した。ブタ関節軟骨外植片を、0.1から10μMまでの範囲内の濃度で阻害剤の1つを使用して、又は使用せずにIL-αの存在下で72時間培養した。培地のグリコサミノグリカン鎖(GAG)の濃度を、ジメチルメチレンブルー(DMMB)アッセイによって評価して、軟骨破壊の程度及びIC50値を計算した(表1)。JWD40は、IL-1によって誘導されるアグリカンの分解を防ぐのに大変効果的であることが分かった。したがって、JWD40について、変形性関節症の(osteoarthritic、OA)軟骨においてアグリカンが分解されるのを防ぐ能力があるかどうか試験した。ヒトOA軟骨外植片を、0.1から10μMまでの範囲内でJWD40を使用して、又は使用せずに培養した。48時間後、培地を、アグリカナーゼによる切断によって生じ、新しいN末端374ARGSV(配列番号15)を含むアグリカン産物が存在するかどうか分析した。前記化合物は、濃度に依存してこの断片の遊離を阻害した(図2)。
アグリカナーゼ−1のトロンボスポンジン・モチーフに由来するアグリカン結合ペプチド配列について、アグリカナーゼによる分解からアグリカンを保護する能力があるかどうか試験した。5nMのアグリカナーゼ−1(ADAMTS4)の全長を、100μMのトロンボスポンジン・ペプチドGGWGPWGPWGDCSRTCGGG(配列番号14)の存在下で、500nMの天然アグリカンと37℃で5時間インキュベートした。アグリカン分解産物を、モノクロナール抗体MAB2035を用いたウェスタンブロット分析によって測定した。
高分子量のアグリカンが減少したか、又は消失して、かつ低分子量の断片が出現したことによって、アグリカナーゼ活性があることが実証された。トロンボスポンジン・モチーフ・ペプチドが含まれている培地では、高分子量のアグリカンの減少も低分子量の断片の出現も示さなかった。従って、前記ペプチドは、アグリカナーゼがアグリカンに結合するのを防ぐことによってアグリカナーゼによる分解からアグリカンを保護する(図3)。
新規ペプチド類縁物質を、図4に記載した新規アグリカン結合ペプチドのN末端にJWD40等のヒドロキサム酸誘導体を結合して製造した。
JWD40は、ADAMTS-4/ADAMTS-5の強力な、かつある程度選択性のある阻害剤であり、ブタ軟骨におけるIL-1によって誘導されるアグリカンの分解のみならず、ヒトOA軟骨における加速性のアグリカン破壊も阻害する。
1.ヒドロキサム酸の合成
ヒドロキサム酸を下記のスキーム1に記載したとおりに製造した。
Figure 2005504021

(A1及びA2は、同一又は相違するアミノ酸。場合によっては、A2はなくてもよい。)
Bocで保護した酸をメチルアミンと結合させて、N−メチルアミドを作製した。次に、Boc基を除去し、TFA塩をモノコハク酸と結合させた。tert-ブチル基を除去し、カルボン酸をO−ベンジルヒドロキシルアミンと結合させて、保護されたヒドロキサム酸を作製した。炭素と接触したPdで水素化して、対応するヒドロキサム酸を得た。
2.GAG-結合配列GGWGPWGPWG(配列番号3)を含む合成ペプチド類縁物質及びJWD40を有する新規阻害剤の製造
Figure 2005504021

ここで重要なことは、上記スキーム2に記載したものと類似した中間体を製造することによって、JWD40等のヒドロキサム酸類縁物質の合成ペプチドへの結合を達成できることである。モノコハク酸を、ValOMe.HClと結合させてアミドを作製した。ブチル基を除去して、生じた酸を、t−ブチルで保護したヒドロキシルアミン塩と結合させて、保護したヒドロキサム酸を得た。メチルエステルを加水分解して、標準固相ペプチド結合法によって合成ペプチド類縁物質に結合した対応する酸を得た。
図5は、アグリカナーゼのヒドロキサム酸トロンボスポンジン・ペプチド阻害剤の1つの構造を図示している。
実験
下記の製造及び実施例は、本発明を説明するのに用いるのであって、決して本発明を制限するもの又は本発明の範囲を限定するものではない。
本明細書に記載した出発物質の化合物、溶媒、試薬等は、市販されているか、又は参考文献から当業者によって容易に製造される。フロリダ ボカ・ラトンのDirectories Publications, Inc.によって年1回発行されているChem Sources USAを参照されたい。また、Aldrich Chemical Company Catalogue, Milwaukee, Wisconsinも参照されたい。出発物質は、特に定めがない限り、入手した状態のままで使用した。
(3−(t−ブチロキシカルボニル)−2’−(イソブチルプロピオニル)−L−バリン−O−メチルエステルの製造)
モノコハク酸(3.0g、13.0mmol)、ValOMe.HCl(17.1g、13.0mmol)、HOBT(1.76g、13.0mmol)、HBTU(4.95g、13.0mmol)をDMF(20ml)に溶解した。DIEA(6.8ml、39mmol)を加えて、1時間攪拌し、酢酸エチル(100ml)を加えた。水、飽和炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去して、残留物をシリカゲルで精製した(50%酢酸エチル・ヘキサン溶液で溶出)。収量:3.5g(87.5%)。MS(EI):MH+=307。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.56。
(3−(t−ブチロキシアミノカルボニル)−2’−(イソブチルプロピオニル)−L−バリン−O−メチルエステルの製造)
3−(t−ブチロキシカルボニル)−2’−(イソブチルプロピオニル)−L−バリン−O−メチルエステル(2.0g、6.5mmol)を95%TFA(20ml)に溶解し、1時間攪拌した。ストリッピングをし、ヘキサンで追跡し、ポンプで乾燥した。そのDMF溶液(10ml)に、tBuONH2.HCl(819mg、6.5mmol)、HOBT(877mg、6.5mmol)、HBTU(2.46g、6.5mmol)、DIEA(3.4ml、6.5mmol)を加えた。1時間攪拌し、酢酸エチル(100ml)を加えた。水、飽和炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去して、残留物をシリカゲルで精製した(50%酢酸エチル・ヘキサン溶液で溶出)。収量:1.5g(72%)。MS(EI):MH+=322。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.45。
(3−(t−ブチロキシアミノカルボニル)−2’−(イソブチルプロピオニル)−L−バリンの製造)
3−(t−ブチロキシアミノカルボニル)−2’−(イソブチルプロピオニル)−L−バリン−O−メチルエステル(1.5g、4.67mmol)をメタノール(20ml)に溶解し、水酸化ナトリウム(1N、6.5ml)を加えて、室温で1時間攪拌した。メタノールを除去し、水(20ml)を加えた。得られた水溶液を、酢酸エチル(30ml)で洗浄し、水層を1N塩酸で酸性にして、得られた混合物を酢酸エチル(2x30ml)で抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を除去して、対応する酸を得た。収量:1.2g(83%)。MS(EI):MH+=308。
(基本手順A:BOCアミノ酸N−メチルアミドの製造)
BOCで保護したアミノ酸(1.0当量)をジクロロメタンに溶解し、CDI(1.33当量)を加えた。0.5時間攪拌した後、メチルアミン.塩酸(1.33当量)を加え、続いてトリエチルアミン(1.33当量)を加えた。0℃で1時間攪拌し、室温で一晩中攪拌した。1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウムで洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、前記アミドを得た。
(基本手順B:アミノ酸N−メチルアミド−コハク酸付加体の製造)
BOCアミノ酸N−メチルアミド(1当量)を95%TFAに溶解し、1時間攪拌した。ストリッピングをし、ヘキサンで追跡し、ポンプで乾燥した。そのDMF溶液に、置換コハク酸モノt−ブチルエステル(公表されている手順に従って製造、参考文献を参照)(1当量)、HOBT(1当量)、HBTU(1当量)、DIEA(3当量)を加えた。1時間攪拌し、酢酸エチルを加えた。水、飽和炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を除去した。残留物をシリカゲルで精製した(50%酢酸エチル・ヘキサン溶液)。
(基本手順C:ヒドロキサム酸の製造)
アミノ酸N−メチルアミド−コハク酸付加体(1当量)を95%TFAに溶解し、1時間攪拌した。ストリッピングをし、ヘキサンで追跡し、ポンプで乾燥した。そのDNF溶液に、BzONH2.HCl(1当量)、HOBT(1当量)、HBTU(1当量)、DIEA(3当量)を加えた。1時間攪拌し、酢酸エチルを加えた。水、飽和炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を除去した。残留物をシリカゲルで精製した(50%酢酸エチル・ヘキサン溶液)。
ベンジルで保護したヒドロキサム酸(1当量)をメタノールに溶解した。炭素と接触した10%Pd(ベンジルで保護したヒドロキサム酸の重量の10%)を加え、水素(100Psi)で3時間水素化した。CELITEによって濾過し、濃縮して、粗固体を得た。酢酸エチルで再結晶して、純粋のヒドロキサム酸を得た。
(N−BOC−L−バリン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Aに従って製造した。収率=90%。MS(EI):MH+=231。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.42。
(N−BOC−L−ロイシン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Aに従って製造した。収率=62%。MS(EI):MH+=244。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.40。
(N−BOC−L−フェニルアラニン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Aに従って製造した。収率=95%。MS(EI):MH+=279。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.46。
(N−BOC−L−ホモフェニルアラニン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Aに従って製造した。収率=95%。MS(EI):MH+=293。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.45。
(N−BOC−L−チロシン(bzl)−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Aに従って製造した。収率=97%。MS(EI):MH+=385。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.32。
(N−BOC−L−4−フルオロフェニルアラニン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Aに従って製造した。収率=90%。MS(EI):MH+=297。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.43。
(N−BOC−L−アラニン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Aに従って製造した。収率=38%。MS(EI):MH+=203。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.42。
(3−(t−ブチロキシカルボニル)−2(R)−(イソブチルプロピオニル)−L−バリン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Bに従って製造した。収率=73%。MS(EI):MH+=343。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.31。
(3−(t−ブチロキシカルボニル)−2(R)−(イソブチルプロピオニル)−L−ロイシン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Bに従って製造した。収率=94%。MS(EI):MH+=356。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.30。
(3−(t−ブチロキシカルボニル)−2(R)−(イソブチルプロピオニル)−L−フェニルアラニン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Bに従って製造した。収率=64%。MS(EI):MH+=390。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.30。
(3−(t−ブチロキシカルボニル)−2(R)−(イソブチルプロピオニル)−L−チロシン(bzl)−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Bに従って製造した。収率=60%。MS(EI):MH+=497。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.29。
(3−(t−ブチロキシカルボニル)−2(R)−(イソブチルプロピオニル)−L−4−フルオロフェニルアラニン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Bに従って製造した。収率=73%。MS(EI):MH+=409。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.31。
(3−(t−ブチロキシカルボニル)−2(R)−(イソブチルプロピオニル)−L−アラニン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Bに従って製造した。収率=50%。MS(EI):MH+=315。TLC:Rf(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)=0.31。
(3−(t−ヒドロキシカルバモイル)−2(R)−(イソブチルプロピオニル)−L−バリン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Cに従って製造した。収率=58%。MS(EI):MH+=302。TLC:Rf(メタノール;ジクロロメタン=1:9)=0.54。
(3−(t−ヒドロキシカルバモイル)−2(R)−(イソブチルプロピオニル)−L−ロイシン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Cに従って製造した。収率=32%。MS(EI):MH+=315。TLC:Rf(メタノール;ジクロロメタン=1:9)=0.55。
(3−(t−ヒドロキシカルバモイル)−2(R)−(イソブチルプロピオニル)−L−フェニルアラニン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Cに従って製造した。収率=46%。MS(EI):MH+=350。TLC:Rf(メタノール;ジクロロメタン=1:9)=0.55。
(3−(t−ヒドロキシカルバモイル)−2(R)−(イソブチルプロピオニル)−L−ホモフェニルアラニン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Cに従って製造した。収率=62%。MS(EI):MH+=364。TLC:Rf(メタノール;ジクロロメタン=1:9)=0.55。
(3−(t−ヒドロキシカルバモイル)−2(R)−(イソブチルプロピオニル)−L−チロシン(bzl)−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Cに従って製造した。収率=37%。MS(EI):MH+=456。TLC:Rf(メタノール;ジクロロメタン=1:9)=0.54。
(3−(t−ヒドロキシカルバモイル)−2(R)−(イソブチルプロピオニル)−L−4−フルオロフェニルアラニン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Cに従って製造した。収率=45%。MS(EI):MH+=368。TLC:Rf(メタノール;ジクロロメタン=1:9)=0.55。
(3−(t−ヒドロキシカルバモイル)−2(R)−(イソブチルプロピオニル)−L−アラニン−N−メチルアミド)
本化合物を、基本手順Cに従って製造した。収率=67%。MS(EI):MH+=274。TLC:Rf(メタノール;ジクロロメタン=1:9)=0.54。
精製ウシ・アグリカン・マトリックスで測定した阻害剤活性。
100mM NaCl及び10mM CaCl2を含む100μlの50mM Tris/HClバッファー(pH7.5)で消化を行った。ヒト組換えADAMTS-4/ADAMTS-5を非特許文献1、2に記載されているように作製した。精製ウシ・アグリカン(非特許文献12)(500nM)を、0.1から100nMまでの範囲内の濃度である上記の各ヒドロキサメートの存在下又は非存在下で、5nM ADAMTS-4/ADAMTS-5と37℃で2時間インキュベートした。インキュベート後、Glu1480-1481Glyの結合におけるアグリカンの切断を、非特許文献12に既に記載されているように、新しいC末端GELE1480 (配列番号17)を認識するネオエピトープ抗体を用いたウェスタンブロット分析で観察した。
ブタ関節軟骨培養物で測定した阻害剤活性。
関節軟骨を、若年のブタの膝から切開して得た。軟骨を、10%FCS、ペニシリン(100U/ml)及びストレプトマイシン(100μg/ml)を追加したDMEM中で3日間平衡化した。続いて、軟骨を、それぞれの重量が約10-20mgである3x3mmの外植片に切って、コントロール培地(血清のないDMEM、ml)、IL-1α(100ng/ml)又はIL-1α(100ng/ml)と0.1μMから10μMの範囲内の濃度である一連のヒドロキサム酸のいずれかを用いて96ウェルのプレートで72時間インキュベートした。培養期間の終了時に、培地中のグリコサミノグリカン(GAG)の濃度を、Farndaleら(非特許文献13)の記載のとおりにジメチルメチレンブルー(DMMB)アッセイで決定した。
アグリカナーゼ活性を阻害するヒドロキサム酸トロンボスポンジン・ペプチド類縁物質。
関節軟骨を、関節置換術の際に変形性関節症の患者の股関節から切開して得た。軟骨を、ペニシリン(100U/ml)及びストレプトマイシン(100μg/ml)を追加したDMEM中で3日間平衡化した。続いて、軟骨を、それぞれの重量が約10-20mgである3x3mmの外植片に切って、0.1μMから10μMの範囲内の濃度であるJWD40の存在下又は非存在下で、96ウェルのプレートで48時間インキュベートした。培養期間の終了時に、新しいN末端1480ARGS(配列番号16)を認識するネオエピトープを用いて、アグリカナーゼによるアグリカンの分解によって生成したアグリカン断片があるかどうか分析した(非特許文献14)。
ペプチド阻害剤を用いた、ADAMTS-4によるアグリカンの分解の阻害。
ヒドロキサム酸のスペーサーの長さを変化させたいくつかの異なるトロンボスポンジン・ペプチドを製造した。得られた化合物を、ADAMTS4(アグリカナーゼ1)を阻害する能力があるかどうか分析した。図6を参照されたい。分析において、25pMのADAMTS4を、1000から1nMまでの範囲内の種々の濃度である各ヒドロキサム酸トロンボスポンジン・ペプチドの存在下又は非存在下で、500nMのウシ・アグリカン・モノマーと4時間インキュベートした。インキュベーション後、50mMのEDTAで反応を停止し、アグリカン産物を、ADAMTS4がウシ・アグリカンをGlu373残基とAla374残基の間で切断した際に生じるアミノ酸配列373ARGS(配列番号16)を含む断片があるかどうか、ELISAで分析した。図6のデータは、GAG結合モチーフとヒドロキサム酸を区分する6アミノ酸(11Å)によってトロンボスポンジン・ペプチドSNISQAGGWGPWGPWGDSSAT(AS324)(配列番号10)に結合したヒドロキサム酸は、Ki値が8.8nMである最も優れた効力を有することを示す。GAG結合モチーフとヒドロキサム酸の間にあるスペーサーを、ペプチドMDQLQDSNISQAGGWGPWGPWGDSSAT(AS325)(配列番号12)の場合のように12残基(33Å)に増加させた場合、化合物の効力は減少し、Ki値は1064nMであった。従って、このことによって、ペプチドのGAG結合部分とヒドロキサム酸を区分するアミノ酸の数は、化合物の阻害能力にとって重要であることが示された。
下記の表1では、JW化合物の効力及び選択性を比較している。
Figure 2005504021
(有用性及び投与)
本発明の化合物は、様々なin vivo及びin vitroにおける動物の標本及び組織培養物中のアグリカナーゼを阻害することが示され、従って生理的現象に影響を与えるのに有用である。これらの化合物は、動物モデルに有効であることが示され、従って哺乳類、特にヒトを治療するのに有用である。
これらの化合物は、免疫抑制剤として有用であり、特に関節炎などの自己免疫疾患の治療に有用である。
アグリカナーゼを阻害する治療薬の投与のために認められたどの様式によっても本明細書に記載した活性化合物及び塩を投与することができる。このような方法としては、経口、非経口、経皮、皮下、他の全身性の様式が挙げられる。被験者が、単独で薬剤を全く摂取できない場合を除けば、好ましい投与方法は経口である。被験者が、単独で薬剤を全く摂取できない場合、前記組成物を非経口投与する必要がある。
使用する様式によって、前記組成物は、例えば錠剤、座薬、丸剤、カプセル、散剤、液剤、懸濁剤又は皮膚用パッチ剤などの固体、半固体又は液体の剤型の形となっていてもよく、好ましくは適確な用量の単独投与に適した剤型単位である。前記組成物には、従来の製薬の賦形剤及び式Iの活性化合物又はその薬剤的に受容可能な塩が含まれ、さらに他の薬剤、医薬品、担体、補助剤、希釈剤等が含まれていてもよい。
活性化合物の投与量は、当然ながら治療を受ける被験者、苦痛の重大度、投与方法及び処方する医師の判断に左右される。しかしながら、効果的な用量は、0.1から100mg/kg/日までの範囲内であり、好ましくは0.5から5mg/kg/日までの範囲内である。平均的な70kgのヒトでは、この用量は、1日あたり7-7000mgになり、好ましくは35-350mg/日である。もう一つの方法として、L.C. Fritzらによって米国特許第6,200,969号に記載されている化合物の投与方法が知られている。当業者であれば、この開示内容を用いて効果的な薬剤処方を作成することができる。
本明細書に記載した化合物の効果は、同様の主要なメカニズム(生物系におけるアグリカナーゼの阻害)によって達成されるので、用量(及び投与形態)は、これら全ての用途において、全体として同じ範囲内にあり、かつ好ましい範囲内にある。
固体組成物のために、従来の毒性のない固形物として、例えば薬剤等級であるマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石粉、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム等があり、これらを用いてもよい。上記に記載した活性化合物を、例えばポリアルキレングリコール(例えばプロピレングリコール)を担体として用いて、座薬として製剤してもよい。薬剤的に投与可能な液体組成物を、例えば上記の活性化合物と任意の医薬補助剤を賦形剤で溶解し、分散させるなどして水剤又は懸濁剤を作製して製造することができ、該賦形剤には、例えば水、生理食塩水、水溶性のデキストロース、グリセロール、エタノール等がある。必要に応じて、投与される薬剤組成物は、少量の毒性のない補助物質も含めてよく、該補助物質には、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝化剤等があり、例えば酢酸ナトリウム、ソルビタン・モノラウレート、トリエタノールアミン・ナトリウム・アセテート、トリエタノールアミン・オレアート等がある。当該剤型を製造する実際の方法は、当業者に周知又は自明であり、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 17th Edition, 1985を参照されたい。投与される組成物又は剤型には、いずれにしても一定量の活性化合物が、治療に効果的な量、すなわち治療を受ける被験者の症状を緩和するのに効果的な量で含まれるだろう。
経口投与のために、薬剤的に受容可能な毒性のない組成物を、通常用いられる任意の賦形剤を混合して作製し、該賦形剤には、例えば薬剤等級であるマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石粉、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム等がある。当該組成物は、水剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル、散剤、徐放性製剤などの形態になる。当該組成物には、活性成分が1%-90%、好ましくは1-70%含まれてもよい。
非経口投与は、一般的に皮下、筋肉内又は静脈内のいずれかの注射を特徴とする。注射可能物質は、溶液もしくは懸濁液といった液体、注射前の液体において水剤又は懸濁剤に適した固形又はエマルジョンのような従来の形態で製造することができる。適した賦形剤には、例えば水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどがある。さらに、必要に応じて、投与される薬剤組成物は、少量の毒性のない補助物質も含めてよく、該補助物質には、湿潤又は乳化剤、pH緩衝化剤等があり、例えば酢酸ナトリウム、ソルビタン・モノラウレート、トリエタノールアミン・オレアート等がある。注射は、好ましい態様である。
非経口投与の最近のアプローチでは、一定の投薬量を維持するような緩徐な放出もしくは徐放性システム用の植込錠又は皮膚用パッチ剤が用いられる。例えば米国特許第3,710,795号を参照されたい。該文献を、参考文献として本明細書に付け加えておく。
下記の製造及び実施例は、本発明を説明するのに用いるのであって、決して本発明を制限するもの又は本発明の範囲を限定するものではない。
(結論)
これらの新規ヒドロキサム酸トロンボスポンジン・ペプチド類縁物質阻害剤をデザインすることにより、
a)該化合物が、軟骨の細胞外マトリックスに局在化し、かつ蓄積して、アグリカンに特異的に結合することが可能となり、
b)ヒドロキサム酸が、軟骨アグリカナーゼであるADAMTS-4/ADAMTS-5を効果的に阻害できるようにすることが可能となり、
c)変形性関節症、慢性関節リウマチ、脊椎関節症、敗血症性関節炎、他の軟骨分解を特徴とする疾患など、軟骨分解を特徴とする疾患を治療することが可能となり、
d)図1Aから図1Jまでのヒドロキサム酸が、1から5まで、1から10まで、1から20まで、1から30又はそれ以上のアミノ酸あるいは5から30又はそれ以上のアミノ酸と結合している場合、該ヒドロキサム酸は、c)の疾患用の有用な医薬品となる。
本明細書には、本発明の実施態様をほんのわずかしか示さず、記載していないが、アグリカナーゼ阻害剤としてのヒドロキサム酸類縁物質、その合成及びその薬剤的な使用方法において、この発明の精神と範囲に反することなく様々な修正及び変更を実行できることは、当業者に自明である。従って、そのような修正及び変更の全ては、本発明の特許請求の範囲内で実施することができるものである。
図1Aは、ヒドロキサム酸類縁物質であるJWC-95の構造を表す図である。 図1Bは、ヒドロキサム酸類縁物質であるJWD-52の構造を表す図である 図1Cは、ヒドロキサム酸類縁物質であるJWC-97の構造を表す図である。 図1Dは、ヒドロキサム酸類縁物質であるJWD-18の構造を表す図である。 図1Eは、ヒドロキサム酸類縁物質であるJWD-40の構造を表す図である。 図1Fは、ヒドロキサム酸類縁物質であるJWD-39の構造を表す図である。 図1Gは、ヒドロキサム酸類縁物質であるJWD-100の構造を表す図である。 図1Hは、ヒドロキサム酸類縁物質であるXN908の構造を表す図である。 図1Iは、ヒドロキサム酸類縁物質であるXS309の構造を表す図である。 図1Jは、ヒドロキサム酸類縁物質であるJWC-96の構造を表す図である。 図2は、ヒト変形性関節症におけるアグリカンの分解に対するJSD40の保護効果を示す図である。 図3は、アグリカナーゼによるアグリカンの分解に対するペプチドGGWGPWGPWGDCSRTCGGG(配列番号14)の保護効果を示し、レーン1は、無傷のアグリカン、レーン2は、アグリカン及びアグリカナーゼ、レーン3は、アグリカン、アグリカナーゼ及びペプチドを示す略図である。 図4は、アグリカンのグリコサミノグリカン鎖に結合するトロンボスポンジン・ペプチド類縁物質(それぞれ、配列番号9の2-19番目の残基、配列番号10の2-22番目の残基、配列番号11の2-25番目の残基及び配列番号12の2-28番目の残基)の構造を表す図である。 図5は、アグリカナーゼのヒドロキサム酸トロンボスポンジン・ペプチド阻害剤の一例であり、ペプチド部分が配列番号9の配列に相当するものの略図である。 図6は、ヒドロキサム酸トロンボスポンジン・ペプチド類縁物質化合物によるADAMTS4(アグリカナーゼ1)の阻害作用の略図である。

Claims (16)

  1. 変形性関節症、慢性関節リウマチ、脊椎関節症及び敗血症性関節炎から選択される生体内での軟骨の分解を特徴とする疾患を治療するために、ヒドロキサム酸トロンボスポンジン・ペプチド類縁物質化合物を使用する治療方法。
  2. ADMTS-4/ADAMTS-5を、生体外で又は生体内において阻害するために、ヒドロキサム酸トロンボスポンジン・ペプチド類縁物質化合物を使用する方法。
  3. 内因性の基質との特異的な相互作用によって分子が小さい酵素阻害剤を組織内へ送達するためのシステムとしてヒドロキサム酸トロンボスポンジン・ペプチド類似物質化合物を使用する方法。
  4. 以下の化合物:
    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    (ヒドロキサム酸の構造HO-NH-(C=O)-CH2-CH(CH2-CH(CH3)2)-(C=O)-V-に関して、V(バリン)は、約10又はそれ以上のアミノ酸のアミノ酸配列に結合する別のアミノ酸でもよい。)で示されるように図1Aから図1Jで見られるトロンボスポンジン・ペプチド類縁物質化合物の製造に用いるのに適した構造を有するヒドロキサム酸。
  5. 前記V(バリン)を、アラニン、アルギニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン及びチロシンから成る群より選択されるアミノ酸に置換することを特徴とする、請求項4記載のヒドロキサム酸。
  6. 以下の化合物:
    H-O-NH-(C=O)-CH2-CH(-CH2-CH(CH3)2)-(C=O)-V-
    -QAGGWGPWGPWGDSSAT(配列番号9)(〜11'A);
    H-O-NH-(C=O)-CH2-CH(-CH2-CH(CH3)2)-(C=O)-V-
    -SNISQAGGWGPWGPWGDSSAT(配列番号10)(〜22'A);
    H-O-NH-(C=O)-CH2-CH(-CH2-CH(CH3)2)-(C=O)-V-
    -LQDSNISQAGGWGPWGPWGDSSAT(配列番号11)(〜33'A);及び
    H-O-NH-(C=O)-CH2-CH(-CH2-CH(CH3)2)-(C=O)-V-
    MDQLQDSNISQAGGWGPWGPWGDSSAT(配列番号12)(〜44'A)
    から成る群より選択される化合物。
  7. 哺乳類における生体内での軟骨の分解を抑制する治療方法であり、該方法は、治療を必要とする被験者に、請求項4記載の化合物を治療に効果的な量投与することから成ることを特徴とする、前記治療方法。
  8. 哺乳類、好ましくはヒトにおける生体内での軟骨の分解を抑制する治療方法であり、該方法は、治療を必要とする被験者に、請求項4記載の化合物を治療に効果的な量投与することから成ることを特徴とする、前記治療方法。
  9. H-O-NH-(C=O)-CH2-CH(-CH2-CH(CH3)2)-(C=O)-V-
    -QAGGWGPWGPWGDSSAT(配列番号9)(〜11'A)
    である、請求項6記載の化合物。
  10. H-O-NH-(C=O)-CH2-CH(-CH2-CH(CH3)2)-(C=O)-V-
    -SNISQAGGWGPWGPWGDSSAT(配列番号10)(〜22'A)
    である、請求項6記載の化合物。
  11. 生体内での軟骨の分解を特徴とする疾患を治療するのに用いる医薬組成物であり、該組成物は、以下の化合物:
    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    Figure 2005504021

    から成る群より選択される構造及び薬剤的に受容可能な賦形剤を含むことを特徴とする、前記医薬組成物。
  12. 生体内での軟骨の分解を特徴とする疾患を治療するのに用いる医薬組成物であり、該組成物は、以下の構造:
    H-O-NH-(C=O)-CH2-CH(-CH2-CH(CH3)2)-(C=O)-V-
    -QAGGWGPWGPWGDSSAT(配列番号9)(〜11'A);
    H-O-NH-(C=O)-CH2-CH(-CH2-CH(CH3)2)-(C=O)-V-
    -SNISQAGGWGPWGPWGDSSAT(配列番号10)(〜22'A);
    H-O-NH-(C=O)-CH2-CH(-CH2-CH(CH3)2)-(C=O)-V-
    -LQDSNISQAGGWGPWGPWGDSSAT(配列番号11)(〜33'A);及び
    H-O-NH-(C=O)-CH2-CH(-CH2-CH(CH3)2)-(C=O)-V-
    MDQLQDSNISQAGGWGPWGPWGDSSAT(配列番号12)(〜44'A)
    から成る群より選択される構造並びに薬剤的に受容可能な賦形剤を含むことを特徴とする、前記医薬組成物。
  13. H-O-NH-(C=O)-CH2-CH(-CH2-CH(CH3)2)-(C=O)-V-
    -QAGGWGPWGPWGDSSAT(配列番号9)(〜11'A)
    である、請求項12記載の医薬組成物。
  14. H-O-NH-(C=O)-CH2-CH(-CH2-CH(CH3)2)-(C=O)-V-
    -SNISQAGGWGPWGPWGDSSAT(配列番号10)(〜22'A)
    である、請求項12記載の医薬組成物。
  15. H-O-NH-(C=O)-CH2-CH(-CH2-CH(CH3)2)-(C=O)-V-
    -LQDSNISQAGGWGPWGPWGDSSAT(配列番号11)(〜33'A)
    である、請求項12記載の医薬組成物。
  16. 前記群は、5から30までのアミノ酸を有するアミノ酸の鎖に共有結合していることを特徴とする、請求項11記載の医薬組成物。
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