JP2005503451A - 分割フィード水素化分解/水素化処理を用いるフィッシャー−トロプシュワックスの改質法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
世界で今日使用されている大部分の可燃性液体燃料は、原油から作られる。しかし、燃料資源として原油を使うには限界がいくつかある。例えば、原油は供給が限られているし、原油は、癌を惹起すと信じられている芳香族化合物を含有しており、環境に悪影響を及ぼす硫黄および窒素を含有する化合物を含んでいる。
【0002】
可燃性液体燃料油を開発するための代替となる原料があることが望ましい。豊富な資源は天然ガスである。天然ガスの可燃性液体燃料油への転化には、殆どがメタンである天然ガスの、一酸化炭素と水素の混合物である合成ガスへの転化が、通常包含されている。合成ガスから調製された燃料を使用する利点は、この中には通常、問題となるような量の窒素および硫黄を含まず、また、一般に芳香族化合物も含まないことである。従って、従来の石油ベースの燃料に比べ、合成ガスベースの燃料は健康および環境に及ぼす影響が少ない。フィッシャー−トロプシュ合成は、合成ガスを、より分子量の大きい炭化水素製品に転化する好ましい手段である。
【0003】
フィッシャー−トロプシュ合成は大量の C20+ ワックスを生成する条件でしばしば実施されるが、このワックスを、留出燃料油とするには、水素化精製をしなければならない。しばしば、ワックスは鎖長を短くさせるために水素化分解され、次いで酸素化物とオレフィンを還元しパラフィンにするために水素化処理される。いくつかの触媒は、長い鎖長の炭化水素に対する選択性を有するように開発されて来たとは言うものの、水素化分解は、フィード中のすべての炭化水素の鎖長を短くする傾向がある。フィードが、例えば留出燃料油の範囲のような望ましい範囲に、すでに入っている炭化水素類を含んでいるとき、これらの炭化水素類の水素化分解は望ましくない。
【0004】
留出燃料油の範囲にある炭化水素の水素化分解を最小化する、フィッシャー−トロプシュワックスを水素化精製する方法を提供することには、利点があるであろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、フィッシャー−トロプシュ生成物を水素化精製(hydroprocessing)する方法を志向している。本発明は、特に、フィッシャー−トロプシュ合成により作られた炭化水素ストリームから液体燃料を製造する統合的な方法に関する。この方法は、フィッシャー−トロプシュ生成物を、常圧での沸点が700°F未満で、主としてC5-20成分を含む軽質留分、および常圧での沸点が650°Fを超え、主としてC20+ 成分を含む重質留分に分けることを包含している。重質留分は、鎖長を短くするために、好ましくは多段触媒床を通す水素化分解(hydrocracking)条件で処理される。水素化分解反応の生成物は、最後の水素化分解触媒床の次に、水素異性化工程の後にすることも任意であるが、すべてか一部の軽質留分と組み合わされる。組み合わされた留分は水素化処理され、任意であるが、水素異性化(hydroisomerization)される。水素化処理(hydrotreatment)により、二重結合は水素化され、酸素化物はパラフィンに還元され、留分は脱硫、脱窒素される。水素異性化により少なくとも一部の直鎖状パラフィン類はイソパラフィン類に転化される。
【0006】
水素化分解反応の生成物が最後の水素化分解触媒床を通過したとき、生成物の温度は相対的に高い温度である。これらの生成物が軽質留分と組み合わされると、軽質留分は冷却流体として働き、好ましくは、水素化処理工程を実施する所望の温度に留分を冷却する。
【0007】
一つの実施態様においては、軽質留分は、反応槽中の最後の水素化分解触媒床の下でかつ水素化処理床の上方または内部のレベルに導入される。この実施態様では、水素化処理床の温度および(または)圧力は、水素化分解床の温度および(または)圧力と同じであってよく、好ましくは本質的に同じである。別の実施態様では、水素化分解反応槽からの生成物は、別の水素化処理反応槽にポンプ輸送され、ここで軽質留分と組み合わされる。この実施態様においては、水素化処理反応槽の温度および(または)圧力は、水素化分解反応槽のものと異なっていてよく、好ましくは異なっている。
【0008】
この「分割フィード」(“split-feed”)水素化精製反応の生成物は、すくなくとも水素リッチのガスストリーム、主として C5-20 範囲の留出生成物、および残油(bottoms)ストリームに分離することができる。この残油ストリームは、任意であるが、さらに軽質留分を得るため、または例えば潤滑基油原料の調製用に使用するために、再度水素化分解条件で処理されうる。
【0009】
一つの実施態様では、重質留分および(または)軽質留分は、例えば石油精製のような、他の原料由来の同じ範囲の炭化水素を含む。
【0010】
(発明の詳細な説明)
本発明は、フィッシャー−トロプシュ生成物を水素化精製する方法を志向している。本発明は、特に、フィッシャー−トロプシュ合成により作られた炭化水素ストリームから液体燃料を製造する統合的な方法に関し、このフィッシャー−トロプシュ合成は、順に、まず軽質炭化水素ストリームを合成ガスに転化し、次いでこの合成ガスを分子量のより大きい炭化水素生成物に転化することを包含する。
【0011】
この方法は、フィッシャー−トロプシュ生成物を、軽質留分および重質留分に分けること(または、これに代えてこのような留分を、適当な原料源から得ること)を包含している。重質留分は、鎖長を短くするために、1層以上の触媒床を通す水素化分解条件で処理される。水素化分解の生成物は、水素異性化工程の後にすることも任意であるが、軽質留分と組み合わされる。組み合わされた留分は水素化処理され、任意であるが、水素異性化される。
【0012】
この方法は、多くの理由で利点がある。軽質留分は高温の水素化分解生成物を冷却する。フィッシャー−トロプシュ合成からの全 C5+ 留分が同様の水素化分解条件で処理される場合と比較して、軽質留分の水素化分解は、最小化される。所望の C5-20 範囲の生成物、たとえば中間留分の分離量は、 C5-20 範囲のフィッシャー−トロプシュ生成物の水素化分解を最小化することにより、増やすことができる。さらに、水素化分解反応槽へのフィードから軽質留分を除くことにより、重質炭化水素の反応槽への流量は増加する。この方法は、相対的に高温の水素化分解生成物と相対的に冷たい軽質留分の間の熱交換を考慮に入れたものである。この熱交換は、軽質留分の温度を所望の水素化処理温度まで上げ、そしてまた水素化分解生成物の温度を所望の水素化処理温度まで下げるために用いることができる。
【0013】
ある面では、この方法により、製油所での水素化精製に必要な反応容器の数が減らされる。また、この方法により、単一の水素供給系および単一の水素回収系を用いて、二つの生成物のストリームを水素化精製することができる。この方法では、また、軽質留分と水素化分解触媒の接触を最小化することにより、水素化分解触媒の寿命を延ばすことができる。
【0014】
定義
軽質炭化水素フィード原料: これらのフィード原料はメタン、エタン、プロパン、ブタンおよびこれらの混合物を含むことができる。加えて、二酸化炭素、一酸化炭素、エチレン、プロピレンおよびブテンが存在する可能性がある。
【0015】
軽質留分はその中の少なくとも75重量%、さらに好ましくは85重量%、最も好ましくは少なくとも90重量%の成分が、50〜700°Fの範囲の沸点を有し、主として5〜20の炭素数を持つ成分、すなわちC5-20 を含む留分である。重質留分は、その中の少なくとも80重量%、さらに好ましくは85重量%、最も好ましくは少なくとも90重量%の成分が、650°Fを超える沸点を有し、主として C20+ 成分を含む留分である。一つの好ましい実施態様では、重質留分は少なくとも80重量%のパラフィンを含み、さらに好ましくは約1重量%を超えない酸素化物を含む。別の好ましい実施態様では、軽質留分は少なくとも0.1重量%の酸素化物を含む。
【0016】
650°F+ 含有製品ストリームとは、ASTM D2887 または他の適当な方法による測定で、75重量%、好ましくは、85重量%、最も好ましくは、90重量%を超える650°F+ 物質を含む製品ストリームである。650°F− 含有製品ストリームは同様に定義される。
【0017】
パラフィン: 式 CnH2n+2 の炭化水素。
オレフィン: 少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する炭化水素。
酸素化物: 少なくとも1個の酸素原子を有する炭化水素化合物。
【0018】
留出燃料油(distillate fuel): 沸点約60°〜800°F の炭化水素を含む物質。用語「留出」(“distillate”)は、この型の代表的な燃料が、原油を蒸留したときの搭頂蒸気ストリームから生成されうることを意味している。対照的に、残油燃料油は、原油を蒸留したときの搭頂蒸気ストリームからは生成されず、非揮発性の残分となる。広範な留出燃料油の範疇には、具体的には、ナフサ、ジェット燃料、ディーゼル燃料、灯油、航空機用ガソリン、燃料油およびこれらの混合物が含まれる。
【0019】
ディーゼル燃料: ディーゼルエンジンに使用するのに適しており、下記の規格の一つに適合している物質。
ASTM D 975-「ディーゼル燃料油の標準規格」
ヨーロッパ品質等級 CEN 90
日本燃料規格 JIS K 2204
米国度量衡全国会議(The United States National Conference on Weights and Measurements)(NCWM) プレミアムディーゼル燃料に関する1997 年ガイドライン
米国エンジン工業会(The United States Engine Manufacturers Association)、プレミアムディーゼル燃料 (FQP-1A) に関する推奨ガイドライン
【0020】
ジェット燃料: 航空機または他の用途のためのタービンエンジンに用いるに適した、下記の規格の一つに適合している物質:
ASTM D 1655
DEF STAN 91-91/3 (DERD 2494), タービン燃料、航空機用、ケロシン型、JET A-1, NATO DODE: F-35
国際航空運送協会(International Air Transportation Association) (IATA) 、飛行指導資料、4版、2000年3月
【0021】
天然ガス
天然ガスは軽質炭化水素フィード原料の一例である。天然ガスは、メタンの他に、数種のより重質の炭化水素(大部分は C2-5 パラフィン類)ならびに、例えば、メルカプタンおよび他の硫黄含有化合物、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、水および非炭化水素酸性ガスのような他の不純物を含む。天然ガス田にはまた、通常相当量の C5+ 物質が含まれるが、これは通常、周囲条件では、液状である。
【0022】
メタンおよび任意であるが、エタンおよび(または)他の炭化水素類は分離して、合成ガスの生成に用いることができる。種々のほかの不純物は容易に分離できる。窒素およびヘリウムのような不活性の不純物は許容できる。天然ガス中のメタンは、例えば、脱メタン搭で分離でき、次いで脱硫され、合成ガス発生器に送られる。
【0023】
合成ガス
メタン(および(または)エタンおよびより重質の炭化水素)は従来型の合成ガス発生器に送りこまれ、合成ガスを発生させることができる。合成ガスは、通常水素および一酸化炭素を含み、少量の二酸化炭素、水、未転化の軽質炭化水素フィード原料、および種々の他の不純物を含んでいる可能性がある。硫黄、窒素、ハロゲン、セレン、リンおよびヒ素の汚染物質の合成ガス中の存在は望ましくない。この理由で、硫黄および他の汚染物質を、フィードからフィッシャー−トロプシュ化学または他の炭化水素合成の実施前に除去することが好ましい。これらの汚染物質の除去手段は、当業者にはよく知られている。たとえば、ZnO 保護床が硫黄不純物を除去するのに好まれる。他の汚染物質の除去手段は、当業者にはよく知られている。
【0024】
フィッシャー−トロプシュ合成
フィッシャー−トロプシュ合成を実施する触媒および条件は、当業者にはよく知られており、例えば、EP 0 921 184 A1号明細書に記載されており、その内容は、それ自体、参照により本明細書の一部とする。フィッシャー−トロプシュ合成プロセスでは、H2 および CO の混合物を含む合成ガスを、適当な温度および圧力の反応条件下でフィッシャー−トロプシュ触媒に接触させることにより、液状あるいはガス状炭化水素が生成する。フィッシャー−トロプシュ反応は、概して、約300°〜700°F (149〜371℃)、好ましくは約400°〜550°F (204°〜228℃)の温度;約10〜600 psia (0.7〜41バール)、好ましくは30〜300 psia (2〜21バール)の圧力、および約100〜10,000 cc/g/hr 、好ましくは300〜3,000 cc/g/hr の触媒空間速度(catalyst space velocity)で進められる。
【0025】
生成物は、大部分が C5-C100+ の範囲の C1-C200+ の範囲にあってよい。この反応は、例えば、一つか、それを超える触媒床を有する固定床反応槽、スラリー反応槽、流動床反応槽、または異なる型の反応槽の組み合わせのような種々の反応槽で実施できる。このような反応プロセスおよび反応槽はよく知られており、文献に記載されている。本発明の実施にとって好ましいプロセスの一つであるスラリーフィッシャー−トロプシュプロセスは、強度に発熱性の合成反応において優れている熱(および質量)移動の特性を利用しており、コバルト触媒を用いたときに、相対的に高分子量のパラフィン系炭化水素を生成することができる。スラリープロセスでは、この反応条件で液状である合成反応の炭化水素生成物を含むスラリー液中に、分散、懸濁させた微粒状フィッシャー−トロプシュ型炭化水素合成触媒を含む反応槽内のスラリー中を、H2 および CO の混合物を含む合成ガスが、第三の相として、泡状で上昇する。一酸化炭素に対する水素のモル比は、約0.5〜4まで広い範囲にすることができるが、より一般的には約0.7〜2.75、好ましくは0.7〜2.5の範囲にある。特に好ましいフィッシャー−トロプシュプロセスが、EP0609079号明細書に開示されており、すべての目的のために、参照により、完全に本明細書の一部とする。
【0026】
適当なフィッシャー−トロプシュ触媒は、1種以上の 、Fe, Ni, Co, Ru および Re のようなVIII 族の触媒金属を含む。加えて、適当な触媒には、促進剤(promoter)を含有してもよい。従って、好ましいフィッシャー−トロプシュ触媒は、適当な、好ましくは1種以上の耐火性金属酸化物を含む無機担体物質に担持させた、効果的な量のコバルトならびに1種以上の Re, Ru, Pt, Fe, Ni, Th, Zr, Hf, U, Mg および La を含む。一般には、触媒中に存在するコバルトの量は、全触媒組成の約1〜約50重量%である。触媒はまた、 ThO2, La2O3, MgO, および TiO2 のような塩基性酸化物促進剤、ZrO2 、貴金属(Pt, Pd, Ru, Rh, Os, Ir)、貨幣用金属(Cu, Ag, Au)ならびに 例えばFe, Mn, Ni および Re といった他の遷移金属のような促進剤を含有できる。アルミナ、シリカ、マグネシア、およびチタニアまたはこれらの混合物を含む担体を使用することができる。コバルト含有触媒に好ましい担体にはチタニアが含まれる。有用な触媒とその調製法は知られており、説明のための、しかし限定するものではない例を、例えば米国特許第4,568,663号明細書に見出すことができる。
【0027】
フィッシャー−トロプシュ合成からの生成物の単離
高温(HT)の反応槽で実施されるフィッシャー−トロプシュ反応の生成物は、一般に、ガス状生成物の一部が凝縮して液体生成物を生成できるガス状生成物である。特定の条件に依存して、たとえば沸点が約700°Fまでの生成物を含むガス状の反応生成物を生ずるように、この温度は著しく変わることができる。
【0028】
スラリー床反応槽で実施されたフィッシャー−トロプシュ反応の生成物には、一般に、軽質留分(すなわち、凝縮留分)および、重質留分(すなわち、ろう分の多い留分)が含まれる。軽質液体反応生成物は、約700°F 未満(例えば、テールガスから中間留分までの、量はだんだんと減少していくが、最大 C30 までの物質を伴う)、好ましくは C5 〜650°Fの範囲の沸点の炭化水素を含む。ろう分の多い反応生成物は、約600°F を超える(例えば、減圧軽油から重質パラフィンまでで、量は減少していくが、(下限としておよそ)C10 までの物質を伴う)沸点の炭化水素を含む。
【0029】
フィッシャー−トロプシュ合成工程からのガス状の反応生成物が冷却され、種々の留分が集められるとき、集められた最初の留分は後の留分に比べ、より高い平均分子量を持つ傾向がある。
【0030】
補助的に使用される炭化水素ストリーム
上述の、軽質および重質の留分は、任意であるが、例えば石油精製からのストリームのような、他のストリームからの炭化水素と組み合わせることができる。軽質 留分は、例えば、原油の分別蒸留により得られる類似の留分と組み合わせることが出来る。重質留分は、例えば、含ろう原油、原油および(または)、脱油および脱ろう工程からのスラックワックス(slack waxes)と組み合わせることが出来る。
【0031】
水素化処理前の軽質留分の任意に選ばれる処理
軽質留分は、典型的に、モノオレフィン類およびアルコール類を含む炭化水素混合物を含む。モノオレフィン類は、典型的にその軽質留分の少なくとも約5重量%の量存在する。通常、アルコール類は典型的に少なくとも約0.5重量%以上存在する。
【0032】
この留分は、配管を経由して、約40℃を超える温度で、水素化精製反応槽中の最後の水素化分解床の下で、かつ、水素化処理床の上部または内部の位置に送りこむことができる。
【0033】
反応に先だって、加圧された留分は、好ましくは水素を含むガス流と混合される。この留分が加熱された水素化分解ストリーム(水素化分解物)と組み合わせて加熱されると、オレフィン類は、ポリマー類のような高分子量生成物を形成する可能性がある。この留分が水素化分解生成物によって加熱される前に、少量でも水素含有ガス(すなわち、約500SCFB 未満)をこの留分に加えておくことによって、望ましくない高分子量の生成物の生成を防止あるいは最小化できる。
【0034】
水素源は、水素化処理触媒に悪影響があるような不純物の有意の量を含んでいなければ、実質的には水素を含むどのようなガスであってもよい。特に、水素ガスを含むガスは、望みの効果を上げられる十分な量の水素を含み、所望の最終製品の生成に有害でなく、下流の触媒および水素化処理装置の汚染を加速したり、助けたりしないほかのガスを含んでも良い。可能性の有る、水素を含有するガスの例には、水素ガスおよび合成ガスが含まれる。水素は、水素プラント、水素化精製工程からのリサイクルガス等から得られる。これに代えて、水素含有ガスは、重質留分の水素化分解に用いられる水素の一部であってもよい。
【0035】
その留分は、水素含有ガスが導入された後に、必要ならば、熱交換器で予備加熱される。この留分を、熱交換器で加熱する方法には、当業者に知られている方法がすべて含まれる。例えば、多管式(シェルおよびチューブ(管)型)熱交換器が使用できるが、スチームあるいは別なプラントからの反応生成物のような加熱された物質が外側のシェルに供給され、内側のチューブの留分に熱を与え、その結果留分は加熱され、シェルでの加熱された物質は冷却される。これに代えては、留分は、加熱されたチューブを通過して、直接加熱されることもでき、その熱は電気、燃焼または他の当業者に知られた方法で供給されうる。
【0036】
水素化精製反応槽
水素化分解は、一般に、炭化水素フィードの高分子量成分を、他のより低分子量の生成物に分解することを意味する。水素化処理により、二重結合を水素化し、酸素化物をパラフィンに還元し、炭化水素フィードを脱硫、脱窒素する。水素異性化により、少なくとも一部の直鎖状パラフィン類をイソパラフィン類に転化する。
【0037】
水素化分解反応では、圧力および温度はしばしば、反応槽が扱える限度に近い。中間の冷却段階を持つ多段触媒床は、通常、極端に発熱型の水素化分解反応を制御するために用いられる。この反応は発熱反応であるから、混合物が触媒床を通過し、反応が進行するにつれて、反応混合物の温度は上昇し、触媒床は加熱される。温度上昇を制限し、反応速度を制御するために、触媒床の間に冷却流体が導入される。
【0038】
理想的には、それぞれの触媒床での温度上昇は100°F 未満、好ましくは触媒床あたり約50°F 未満であり、温度を扱いやすい水準に戻すための冷却段階を有する。それぞれの触媒床からの加熱された流出物は、冷却流体と、適当な混合装置(時には床間再配分器または混合器/配分器と呼ばれる)で混合され、流出物は、次の触媒床に送ることができるに十分になるように冷却される。
【0039】
一般に、水素ガスが冷却流体として用いられる。水素ガスは、一般に、150°F 付近又はそれを超える温度で導入されるが、この温度は、反応物の温度(一般に650°〜750°F )に比べて極端に低い。多段触媒床が用いられるときには、水素および(または)他の冷却流体は、中間の冷却段階で用いることができる。最終の水素化分解触媒床の後では、軽質留分は加熱された水素化分解生成物と組み合わされ、それによって水素化分解生成物を冷却するので、水素ガスによる冷却は必要としない。
【0040】
触媒床の間の反応槽内部は、反応物と冷却流体との完全な混合および、次の触媒床へ流入する気体と液体の良好分配の両方が確実になるように設計されている。反応物の分配をよくすることにより、ナフサとガスが過剰に生成することおよびホットスポットが防がれ、触媒寿命が最大化される。これは、重質留分が相当量のオレフィンを含んでいる場合、オレフィンによりこの留分が高い反応性を持つようになるので、特に重要である。分配と混合がうまくいかないと、ワックスの軽質ガスへの選択的でない分解が起こる可能性がある。適当な混合装置の例は、例えば、米国特許5,837,208号、米国特許5,690,896号、米国特許5,462,719号および米国特許5,484,578号明細書に記載されており、これらの内容は参照により本明細書の一部とする。好ましい混合装置は米国特許5,690,896号明細書に記載されている。
【0041】
反応槽には、軽質留分を、最後の水素化分解触媒床の下でかつ最初の水素化処理触媒床の上方または内部に導入する手段が具備されている。この留分は、好ましくはガスでなくむしろ液体として導入され、加熱された水素化分解生成物から熱がよく吸収される。
【0042】
好ましくは反応槽は、流下式反応槽で、少なくとも2つの触媒床を持ち、触媒床間に再配分器があるものである。最上部の(1つ又は複数の)触媒床は水素化分解触媒を具備し、そして任意であるが、1層以上の触媒床は脱ろうまたは水素異性化触媒を具備する。
【0043】
最初の実施態様においては、水素化分解触媒床(1つ又は複数)を具備する反応槽は、また、底部の1層または複数層の、水素化処理触媒を含む触媒床を具備する。この実施態様では、水素化処理触媒床の温度および(または)圧力は、水素化分解床の温度および(または)圧力と同じであってよく、一般には同じである。2番目の実施態様では、別の反応槽に水素化処理触媒が収納されており、組み合わされた留分は、この別の反応槽に送られる。この実施態様においては、水素化処理反応槽の温度および(または)圧力は、水素化分解反応槽のものと異なっていてよく、通常は異なっている。
【0044】
一つの実施態様では、水素化分解反応の生成物は、床の間で取出すことができ、残りのストリームは後続の触媒床で反応を続ける。米国特許3,172,836号明細書に、二つの触媒床の間に設けられる、最初の触媒床からガス状留分および液体留分を引抜くための、液/蒸気分離域が開示されている。生成物を分離することが望まれるならばこのような技術を使用することができる。しかし、この反応温度では、水素化分解反応の生成物は一般にガス状であるので、ガス状の生成物の触媒床での滞留時間は十分に短く、さらに生成物が水素化分解されることは最小限で済むと予想され、生成物の分離は必要とされない。
水素化分解、水素異性化および水素化処理反応を実施するための触媒および条件については、以下にさらに詳細に議論する。
【0045】
水素化分解
上述の重質留分は、当業者によく知られた条件を用いて、水素化分解できる。好ましい実施態様では、水素化分解の条件には、重質留分のようなフィードストリームを、複数の水素化分解触媒床に、昇温および(または)昇圧条件下で通すことが含まれている。複数の触媒床は、存在するかもしれない金属および金属以外の固体のどれもがそうであるような不純物を除き、および(または)フィード原料を分解し、転化するように機能することができる。水素化分解は、より長い炭素鎖の分子をより短い炭素鎖の分子に切断するプロセスである。特定の留分あるいは留分の組み合わせを、適当な水素化分解触媒の存在下で、炭化水素フィード原料を基にして約0.1〜10 hr-1 ,好ましくは、0.25〜5 hr-1 の空間速度を用いて、約600°〜900°F(316°〜482℃)、好ましくは、650〜850°F(343〜454℃)の範囲の温度、および約200〜4000 psia (13〜272気圧)、好ましくは500〜3000 psia (34〜204気圧)の範囲の圧力を含む水素化分解条件下で、水素と接触させることにより水素化分解は、達成されうる。一般に、水素化分解触媒は、酸化物担体物質または結合材上に、分解成分と水素化成分を含んでいる。分解成分は、アモルファス分解成分および(または)、Y型ゼオライト、超安定Y型ゼオライトまたは脱アルミ処理ゼオライトのようなゼオライトを含んでよい。適当なアモルファス分解成分の一つは、シリカ−アルミナである。
【0046】
触媒粒子の水素化成分は、触媒水素化活性を示すことが知られている元素類から選ばれる。VIII 族(IUPAC 命名法)元素および(または) VI 族(IUPAC 命名法)元素から選ばれた少なくとも1種の金属成分が通常選択される。V 族の元素には、クロム、モリブデンおよびタングステンが含まれる。VIII 族の元素には、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金が含まれる。水素化成分の触媒中の量は、全触媒100部中の金属酸化物として計算して、約0.5〜約10重量%の VIII 族の金属成分および約5〜約25重量%の VI 族の金属成分が適当な範囲であるが、ここで、重量パーセントは硫化前の触媒重量を基礎にしている。触媒中の水素化成分は酸化物及び(又は)硫化物の形であってよい。少なくとも VI 族および VIII 族金属成分の組み合わせが(混合された)酸化物として存在するならば、水素化分解に適切に使用するに先だって硫化処理されるであろう。使用に適している触媒は、1種以上のニッケルおよび(または)コバルト成分、1種以上のモリブデンおよび(または)タングステン成分ならびに1種以上の白金および(または)パラジウム成分を含む。ニッケルおよびモリブデン、ニッケルおよびタングステン、白金および(または)パラジウムを含有する触媒は特に好ましい。
【0047】
本発明で用いられる水素化分解粒子は、例えば、結合材とともに、水素化金属の活性な原料を混合または共粉砕(co-mulling)して調製できる。適当な結合材の例にはシリカ、アルミナ、クレー類、ジルコニア、チタニア、マグネシアおよびシリカ−アルミナが含まれる。アルミナを結合材として使用することは好ましい。リンのような他の成分も、所望により、望まれる用途に適したように触媒粒子を調整するために加えることができる。混合された成分は次いで押出し法のような方法で成形され、乾燥され、1200°F (649℃)までの温度でか焼され、完成した触媒粒子となる。これに代えて、アモルファス触媒粒子を調製する同様に適当な方法は、例えば、押出し、乾燥および焼成により、酸化物結合材粒子を調製し、次いで水素化金属を酸化物粒子上に含浸のような方法を用いて付着させることを包含している。この水素化金属を含有する触媒粒子は、好ましくは、水素化分解触媒として使用される前に、さらに乾燥され、か焼される。
好ましい触媒系には、ゼオライトY,ゼオライト超安定Y,SAPO-11, SAPO-31, SAPO-37, SAPO-41, ZSM-5, ZSM-11, ZSM-48, および SSZ-32 の1種以上が含まれる。
【0048】
水素異性化
一つの実施態様では、水素化分解された生成物および(または)軽質留分は、分岐を形成し、流動点を下げるために水素異性化される。異性化プロセスに有用な触媒は一般的に、脱水素/水素化成分、酸性成分を含む二機能の触媒である。ここで用いられる水素異性化触媒は、硫黄により損傷を受けやすいものではなく、硫黄の存在により強化されるものであることが好ましい。
【0049】
水素異性化触媒(1つ又は複数)は、例えば、塩の水溶液による含浸、すなわち初期湿潤法(incipient wetness technique)とそれに次ぐ約125℃〜150℃、1〜24時間の乾燥、約300°〜500℃、約1〜6時間のか焼、水素又は水素含有ガス処理による還元、および所望ならば、例えば H2Sのような硫黄含有ガスによる高温での処理による硫化のようなよく知られた方法を用いて調製できる。触媒は約0.01〜10重量%の硫黄分を持つことになる。金属類は、どんな順序でも、連続して、あるいは2種類以上の金属の共含浸により、触媒に、複合化あるいは添加される。水素異性化触媒の好ましい成分に関してさらに詳細は下記に示す。
【0050】
脱水素/水素化成分
脱水素/水素化成分は、好ましくはVIII 族金属、さらに好ましくはVIII 族非貴金属または VI 族金属である。好ましい金属には、ニッケル、白金、バラジウム、コバルトおよびこれらの混合物が含まれる。VIII 族の金属は通常、触媒として有効な量、すなわち、0.5〜20重量%の範囲で存在する。好ましくは、VI 族の金属は、例えばモリブデンであるが、約1〜20重量%の量で触媒中に組み込まれる。
【0051】
酸性成分
適当な酸性成分の例には、結晶性ゼオライト類、ハロゲン化アルミナ成分またはシリカ−アルミナ成分のような触媒担体、およびアモルファス金属酸化物が含まれる。このようなパラフィン異性化触媒は業界ではよく知られている。酸成分は、触媒金属または金属類が複合化される触媒担体であってもよい。酸性成分は、好ましくは、ゼオライトまたはシリカ−アルミナ担体である。
【0052】
好ましい担体には、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−アルミナ−リン酸塩、チタニア、ジルコニア、バナジアおよび他の III, IV, V または VI 族の酸化物、並びに超安定YシーブのようなYシーブ類(Y sieves)が含まれる。好ましい担体には、アルミナおよびシリカ−アルミナ、さらに好ましくは全担体中のシリカ濃度が約50重量%未満、好ましくは約35重量%未満、さらに好ましくは15〜30重量%未満であるシリカ−アルミナが含まれる。アルミナが担体として用いられるときには、少量の塩素またはフッ素が、酸性機能を与えるために、担体中に組み込まれてもよい。
【0053】
好ましい担持触媒は、約180〜400 m2/gm 、好ましくは230〜350 m2/gm の範囲の表面積、および0.3〜1.0 ml/gm 、好ましくは0.35〜0.75 ml/gm の細孔容積、約0.5〜1.0 g/ml のかさ密度および約0.8〜3.5 kg/mm の側面破砕強度(side crushing strength)を有する。
【0054】
担体として用いる、好ましいアモルファスシリカ−アルミナミクロスフェアの調製法は、Ryland, Lloyd B., Tamele, M.W., および Wilson, J.N., による Reinhold Publishing Corporation, New York (1960)、 Paul H. Emmett 編、 クラッキング触媒と触媒作用(Cracking Catalysts, Catalysis) VII 巻に記載されている。
好ましい脱ろう/水素異性化触媒には、SAPO-11, SAPO-31, SAPO-41, SSZ-32, および(または)ZSM-5 が含まれる。
【0055】
水素化処理
水素化処理の間、フィード中に存在する、酸素ならびに硫黄および窒素はいずれも還元されて低水準になる。芳香族およびオレフィン類も還元される。水素化処理触媒および反応条件は、ほとんどの脱硫燃料製品の収率を低下させる分解反応を最小化するように選ばれる。
【0056】
水素化処理条件には、400°F〜900°F (204℃〜482℃)、好ましくは650°F〜850°F (343℃〜454℃)の反応温度; 500〜5000 psig (ポンド/平方インチ、ゲージ圧)(3.5〜34.6 MPa)、好ましくは1000〜3000 psig (7.0〜20.8MPa )の圧力;フィード速度(LHSV)0.5 hr-1 〜20 hr-1 (v/v); および1バレルの液体炭化水素フィードあたり全水素消費量300〜2000scf (53.4〜356m3H2/m3 フィード)が含まれる。触媒床のための水素化処理触媒は、主として、アルミナのような多孔質の耐火物基材に担持されたVI 族金属またはその化合物および、VIII 族金属またはその化合物の複合体となるであろう。水素化処理触媒の例は、アルミナ担体のコバルト−モリブデン、硫化ニッケル、ニッケル−タングステン、コバルト−タングステンおよびニッケル−モリブデンである。このような水素化処理触媒は、通常、前硫化される。
【0057】
上述の、重質留分の水素化分解生成物は、軽質留分の少なくとも一部と組み合わされ、この組み合わされた留分は水素化処理条件で処理される。
【0058】
一つの実施態様では、軽質留分は、反応槽中の最後の水素化分解触媒床の下でかつ水素化処理床の上方または内部の位置に導入される。この実施態様では、水素化処理床の温度および(または)圧力は、水素化分解床(1つ又は複数)のものと同じでよく、また一般に同じである。再配分器は、一般に、触媒床から触媒床に通過する流体、および反応槽の外部から再配分器に加えられる流体(例えば、水素を含むガスまたは液体ストリーム)を再配分するために、触媒床の間に配置される。再配分器は当業者にはよく知られている(例えば、米国特許5,690,896号明細書)。他の実施態様では、水素化分解反応槽からの生成物が、別の水素化処理反応槽にポンプ輸送され、ここで軽質留分と組み合わされる。この実施態様では、水素化処理の反応槽の温度および(または)圧力は、水素化分解反応槽のものとは異なっていてよく、また、好ましくは異なっている。
【0059】
組み合わされた留分の水素化処理に有用な触媒は、当業者にはよく知られている。水素化処理の触媒および条件の一般的記述は、例えば、米国特許4,347,121号および4,810,357号明細書を参照されたい。適当な触媒は、アルミナまたはケイ素質母材に担持された、白金またはパラジウムのような VIIIA 族の貴金属、ならびにアルミナまたはケイ素質母材に担持されたニッケル−モリブデンまたはニッケル−錫のようなVIIIA 族および VIB 族金属を含んでいる。米国特許3,852,207号明細書は適当な貴金属触媒および穏やかな水素化処理条件について記載している。他の適当な触媒は、例えば、米国特許4,157,294号および3,904,513号明細書に記載されている。これら特許の内容は参照により本明細書の一部とする。
【0060】
(ニッケル−モリブデンのような)貴金属でない水素化金属は、通常、酸化物および硫化物が、取り入れられた特定の金属から容易に生成されるときには、最終の触媒組成物においては、酸化物または、より好ましくは、硫化物として存在する。貴金属でない好ましい金属触媒組成物は、5重量%を超える、好ましくは約5〜約40重量パーセントのモリブデンおよび(または)タングステンならびに、少なくとも約0.5、好ましくは約1〜約15重量パーセントのニッケルおよび(または)コバルトを、相当する酸化物として定量して含有する。貴金属(白金のような)触媒は約0.01パーセントを超える金属、好ましくは約0.1〜約1.0パーセントの金属を含有する。白金とパラジウムのような貴金属の組み合わせも使用できる。
【0061】
一つの好ましい実施態様では、水素化処理反応槽は複数の触媒床を有し、一つ以上の床は、存在する可能性のある金属および他の固体のいずれかのような不純物を除く機能を持つことができ、別の一つ以上の床は、フィード原料を分解または転化する機能を持つことができ、他の一つ以上の床は、軽質および(または)重質留分中の酸素化物およびオレフィン類を、水素化処理する機能を持つことができる。
【0062】
プロセスの手順
重質留分は、床間で冷却をしつつ、複数の水素化分解触媒床を通して水素化精製される。水素化分解が完了した後、最後の水素化分解床からの流出物は軽質留分と組み合わされ、その組み合わされた留分は水素化処理条件で処理される。好ましくは、軽質留分は、水素化分解床からの流出物と組み合わされる温度においては、ガスでなく液体で、その液体は加熱された流出物からより多くの熱を吸収する。
【0063】
水素化処理触媒が、水素化分解触媒床の1層かそれ以上下側に有る時は、軽質留分はその床の上方または内部に加えることができる。水素化処理触媒が別な反応槽にあるときには、最後の水素化分解床からの流出物は、軽質留分と組み合わされて、次いで水素化処理反応槽に送られる。
【0064】
水素化処理反応の生成物は、好ましくは、軽質留分および残油留分の少なくとも2つの留分に分離される。軽質留分は、当業者に知られているように、蒸留、触媒異性化、および(または)種々の付加的な方法工程にかけられ、ガソリン、ディーゼル燃料、ジェット燃料等にすることができる。
【0065】
残油成分は、任意であるが、追加的な軽質留分を作るために、水素化精製反応槽に戻してもよい。あるいは、当業者に知られているように、この留分を、蒸留、触媒異性化、脱ろうおよび(または)種々の付加的な方法工程で処理して、潤滑油基油原料にすることができる。
【0066】
好ましい脱ろう触媒には、SAPO-11, SAPO-31, SAPO-41, SSZ-32, およびZSM-5 が含まれる。当業者に知られているように、これに代えてあるいは、加えて、この留分を溶媒脱ろう条件で処理することもできる。このような条件には、通常、適当な温度で添加することにより、この残油留分からワックスの沈殿をもたらすメチルエチルケトン、およびトルエンのような溶媒または混合溶媒を用いることが包含されている。沈殿したワックスは、当業者に良く知られた方法で容易に除くことができる。
【0067】
本明細書に記載した方法は、添付の図のフローダイアグラムの特に好ましい実施態様を参照することにより容易に理解されるであろう。図において、合成ガスフィード(5)はフィッシャー−トロプシュ合成プロセス(10)に送られ、フィッシャー−トロプシュ合成の生成物は、軽質留分(15)および重質留分(20)に最低限分離される。重質留分は、再分配器(35)に支持されている複数の水素化分解触媒床(30)を持つ水素化分解反応槽(25)に送られる。この留分が最後の水素化分解触媒床を通過した後、軽質留分(15)と組み合わされて、一つ以上の水素化処理床(45)を通される。水素化処理反応の生成物(50)は、軽質留分(55)および残油留分(60)を含む種々の留分に分離される。少なくとも一部の残油留分(60)は、水素化分解反応槽にリサイクル(65)してもよい。
【0068】
当業者は、日常的な実験の域内で、本明細書で述べた本発明の特定の実施態様と等価な多くの例を認識したり、確認したりするであろう。このような等価の例は以下の請求項に包含されるよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図は、本発明の一つの好ましい実施態様を表す説明のための概略フローダイアグラムであるが、本発明はすべての適当な石油精製設備および(または)化学プロセスに適用できる。
Claims (17)
- 炭化水素ストリームから液体燃料を製造するための下記のa)〜d)を包含する方法:
a)フィッシャー−トロプシュ合成から軽質留分および重質留分を分離すること、
b)重質留分を水素化分解条件下で処理し、加熱された流出物を生成させること、
c)加熱された流出物を軽質留分と組み合わせること、ならびに
d)組み合わされた留分を水素化処理すること。 - 水素化分解の条件中に、重質留分を、昇温および(または)昇圧下で、1層以上の水素化分解触媒床に通すこと、ならびに、組み合わされた留分を、昇温および(または)昇圧下で、1層以上の水素化処理触媒床に通すことを包含している、請求項1記載の方法。
- 水素化処理が、水素化分解触媒床と同じ反応槽の中にある、1層以上の水素化処理触媒床中で実施され、その水素化処理触媒床が水素化分解触媒床の下に位置している、請求項1記載の方法。
- 水素化処理が、水素化分解触媒床を具備する反応槽と、異なる反応槽の中にある1層以上の触媒床中で実施される、請求項1記載の方法。
- 水素化処理工程の生成物を、少なくとも軽質留分および残油留分に分離することをさらに包含する、請求項1記載の方法。
- 残油留分を水素化分解反応槽にリサイクルすることをさらに包含する、請求項5記載の方法。
- 残油留分を潤滑基油原料フィード調製のために使用することをさらに包含する、請求項5記載の方法。
- 残油留分を、残油留分の流動点より低い流動点の生成物を製造するための、脱ろう条件で処理することをさらに包含する、請求項7記載の方法。
- 残油留分が、SAPO-11, SAPO-31 および SAPO-41 から成る群から選ばれる少なくとも1種のモレキュラーシーブを含む触媒系を用いて脱ろうされる、請求項8記載の方法。
- 残油留分が、SSZ-32 を含む触媒系を用いて脱ろうされる、請求項8記載の方法。
- 残油留分が、ZSM-5 を含む触媒系を用いて脱ろうされる、請求項8記載の方法。
- 水素化分解触媒系が、ゼオライトYおよびゼオライト超安定Yから成る群から選ばれるゼオライトを含む、請求項1記載の方法。
- 水素化分解触媒系が、SAPO-11, SAPO-31, SAPO-37 および SAPO-41 から成る群から選ばれるゼオライトを含む、請求項1記載の方法。
- 水素化分解触媒系が、ZSM-5, ZSM-11 および ZSM-48 から成る群から選ばれるゼオライトを含む、請求項1記載の方法。
- 水素化分解触媒系がSSZ-32 を含む、請求項1記載の方法。
- 重質留分が、少なくとも80重量%のパラフィンおよび約1重量%を超えない酸素化物を含む、請求項1記載の方法。
- 軽質留分が少なくとも0.1重量%の酸素化物を含む、請求項1記載の方法。
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