JP2005503274A - シャンクに個別スクリーンを射出成形して成る複合絶縁体の製造方法 - Google Patents

シャンクに個別スクリーンを射出成形して成る複合絶縁体の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、ロッド若しくは管の形状のシャンクから成る複合絶縁体の製造のための手段を改善して、複合絶縁体が外装で被覆されていて互いに離間された皿状のスクリーンを備えており、外装及びスクリーンが絶縁性の高いエラストマ材料から成っているものにおいて、絶縁体毎に若しくは同一の絶縁体でスクリーンの数、間隔、形及び大きさを変えることができるようにする。このために本発明では、シャンクを外装で被覆するための装置の後に、スクリーン(2,3,4,5,19,20,21,22)の射出成形のための射出成形型(10a,10b,11a,11b,12a,12b,13a,13b)を配置してあり、該射出成形用型がスクリーンの射出成形のためにシャンクに当て付け可能であり、かつスクリーンからの型外しのために型開きされるようになっており、シャンク(1)若しくはスクリーン成形型の移動(16)のために送り装置が設けられており、シャンク(1)若しくはスクリーン成形型の移動(17)の後にスクリーン成形型が、シャンク上の、スクリーンの射出成形の位置に相対している。

Description

【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の形式の、複合絶縁体の製造のための方法及び、請求項17の上位概念に記載の形式の、複合絶縁体の製造のための装置に関する。
【0002】
セラミック若しくはガラスの材料から製造された均質な従来の絶縁体に対して、複合絶縁体(composite insulator)は異なる材料の2つの成分から成っている。複合絶縁体のシャンクはロッド若しくは管から、一般的にガラス繊維で強化されたエポキシド樹脂から成っている。シャンクは完全に外装(カバー)で被覆されていてよく、外装上に皿状の複数のスクリーンが互いに離間して嵌められている。皿状のスクリーンの代わりに、コイル状の単数若しくは複数のスクリーンをシャンクに巻き付けることも可能である。外装及びスクリーンは高絶縁性の材料から成っている。このような材料はエラストマ材料、例えばポリマー樹脂であり、これにはHTV−シリコン(HTV: Hoch−Temperatur−Vernetzend[ HTC: high−temperature crosslinking])も属する。
【0003】
複合絶縁体においては通常は、スクリーンが個別に成形され、次いで押し出し機で被覆されたシャンク上に被せ嵌められて、かつドイツ連邦共和国特許出願第3507509A1号明細書により公知であるように、被覆と一緒に加硫され、若しくは二部構造の型内でロッドに所定の数のスクリーンを一緒に射出成形される。ドイツ連邦共和国特許出願第4202653A1号明細書により公知の最後に述べた製造方法においては欠点として、該製造方法の型を用いてはスクリーンの数の一定でかつ形状及び間隔の一定な1つの絶縁体しか製造できない。ドイツ連邦共和国特許出願第19858215A1号明細書に記載の方法及び装置では、コア、即ちシャンクに外装及びスクリーンスリーブを1つの作業過程で装着するようになっている。
【0004】
本発明の課題は、スクリーンの数、相互間隔並びに形状及び大きさを絶縁体毎に若しくは1つの絶縁体自体内で変化可能(変更可能)である複合絶縁体製造方法を提供することである。
【0005】
前記課題を解決するために本発明に基づく手段では、複合絶縁体の、ロッド若しくは管の形状のシャンクに外装を装着し、次いで各スクリーンの射出成形のためにシャンクに射出成形型、若しくはスクリーン成形型を当て付ける。シャンクへのスクリーンの射出成形の後に、かつ材料の固化の後にスクリーンからの型外しのためにスクリーン成形型を開いて、再びシャンクから離れる方向へ運動させる。次の、即ち後続のスクリーンの射出成形のためにシャンクを、既に射出成形されたスクリーンと一緒に移動させて、シャンクの所定の位置、即ち次のスクリーンを射出成形すべき箇所でシャンクにスクリーン成形型を当て付ける。別の実施態様では、スクリーン成形型をシャンクの軸線方向に所定の位置、即ち次のスクリーンを射出成形すべき箇所まで移動させてよい。
【0006】
大きな数のスクリーンを有する複合絶縁体の製造のために、複数のスクリーン成形型を前後に配置しておくことも可能である。スクリーン成形型がすべてのスクリーンの射出成形のために同時にシャンクに向けて送られ、即ちシャンクに当て付けられ若しくは装着される。スクリーンをシャンクに射出成形のために、スクリーン成形型を順次に若しくは時間的に任意にずらして送ることも可能である。
【0007】
本発明の別の実施態様では、複数の複数のスクリーン成形型が所定の間隔で互いに前後に配置されており、該間隔が製造すべき1つの複合絶縁体の長さにほぼ相当している。複数のスクリーン成形型がシャンクに同時に当て付けられてよい。
【0008】
本発明に基づく前述の手段によって、公知の方法に比べて複合絶縁体の著しく合理的かつ迅速な製造が行われる。スクリーン成形型の数は、使用目的に応じて有利には2乃至10である。スクリーン成形型の大きさ及び数に応じて、スクリーン成形型がそれぞれ個別に1つの射出成形機に接続されるか、若しくは複数のスクリーン成形型が共通の1つの射出成形機に同時に接続される。
【0009】
本発明に基づく手段では、全く異なる複合絶縁体を順次にかつ簡単に製造することができる。スクリーン間の間隔の変化のためには、個別の1つのスクリーン成形型においては、シャンクの送り量を変化させることによって、シャンク上でのスクリーン間の間隔が変化されてよい。複数のスクリーン成形型を設けてある場合には、スクリーン成形型間相互の間隔が変化されてよい。このような変化は各噴射サイクル毎に行われてよい。これによって各1つの絶縁体において、スクリーン間の間隔を完全に異なって調節することができる。
【0010】
さらに本発明に基づく手段では、異なる形状のスクリーンを有する、例えば平滑なスクリーン下面を備えた若しくは下面に沿面距離延長のための溝を備えた複合絶縁体を製造することが可能である。
【0011】
スクリーン成形型の交換によってスクリーンの直径を変化させることができる。このような交換は、同じく射出サイクル毎に行われてよく、これによって1つの絶縁体が種々の大きさのスクリーンを有するようになる。特定の使用例にとって、例えば氷結の防止のために有利には、直径の大きなスクリーンと直径の小さなスクリーンが同一の絶縁体に配置されている。
【0012】
さらにスクリーン成形型の交換によって、スクリーンの直径並びにスクリーンの形状を変化させることも可能である。
【0013】
本発明に基づく手段では、スクリーン成形型がスクリーン成形型・半割部に分割されており、スクリーン成形型・半割部がさらにシャンクの中心線を通って延びる分割平面で分割されていて、左側及び右側でシャンクの横に配置され、スクリーンの射出成形のためにシャンクに当て付けられて該シャンクを取り囲むようになっている。スクリーンの固化の後に、スクリーン成形型・半割部がまずシャンクの軸線に沿って互いに離され、次いでシャンク軸線に対して垂直にシャンクから離される。
【0014】
シャンクがスクリーンの射出成形の前に、スクリーンと同一の材料若しくは類似の材料から成る被覆、若しくは外装を施されている。これによって、外装とスクリーンとがシャンク上に、有利には1つの材料から成る均質な被覆を形成する。
【0015】
シャンク上でのスクリーンの付着性の改善のために、シャンクの被覆が機械的に前処理されていてよい。機械的な処理に加えて若しくは機械的な処理の代わりに、粘着剤、有利にはシランが塗布されてよい。
【0016】
スクリーン成形型が本発明に基づく別の実施態様ではシャンクの送り行程中に該シャンクと一緒に移動する。シャンクは、例えば押し出し機によって周期的に若しくは連続的に送られてよい。押し出し機内において、外装若しくは被覆が施されてよい。スクリーン成形型・半割部がそれぞれ、循環する無端のチェーンに配置されており、該チェーンによって成形区域に送られたスクリーン成形型・半割部が閉じられ、即ち型締めされる。
【0017】
本発明は、種々の大きさ、種々の形状及び種々の相互間隔のスクリーンを備えた絶縁体の製造を、スクリーン成形型の費用のかかるストックの必要なしに可能にするものである。さらにスクリーンの材料を射出成形機の交換によって変えることができ、その結果、材料をスクリーンに設定された要求に最適に適合させることができる。複数の射出成形機を設けてある場合には、各射出成形機からそれぞれ異なる材料を射出することによって、材料の異なるスクリーンを同一のシャンクに交互に射出成形することができる。
【0018】
本発明に基づく手段の実施態様にとって次のようなパラメータが用いられ:GFK(Glasfaser verstaerkter Kunststoff ガラス繊維強化プラスチック)から成る16mmのロッド状のシャンク上にスクリーン材料に匹敵するHTV−シリコンを押し出し成形された3mmの外装を備えてある場合に、180°の型温度で直径152mmのスクリーンが射出成形される。80°の材料温度では、射出時間は材料に依存して20秒までである。橋かけ時間は同じく材料に依存して30乃至270秒の間である。
【0019】
次に実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
【0020】
図1のa)乃至d)は、定位置の4つのスクリーン成形型を用いて複合絶縁体を製造する実施例を示す概略図であり、
図2は、送りサイクルでシャンクと一緒に移動するスクリーン成形型を用いて複合絶縁体を製造する実施例を示す概略図である。
【0021】
シャンク1(絶縁体の芯若しくはコアとも呼ばれる)は、図1aでは4つのスクリーン(遮蔽)2,3,4,5を保持しており、該スクリーン(screen)が互いに離間して配置された4つのスクリーン成形型6乃至9によって成形される。図示の実施例では、4つの複合絶縁体が同時に形成される。この場合には各スクリーン成形型6乃至9が、それぞれ1つの複合絶縁体を形成する。複合絶縁体の長さが、スクリーン成形型間の間隔によって規定されている。スクリーン2,3,4,5がシャンク1に射出成形されており、該シャンクが予め、ここには図示してない装置内でHTV−シリコン製の外装(カバー[cover])を被せられている。スクリーン成形型6;7;8;9の各型半部10a,10b;11a,11b;12a,12b;13a,13bが、それぞれ矢印14若しくは15の方向に各スクリーン平面に沿ってシャンク1から離反運動させられ、従ってスクリーンから離されて、スクリーンを解放する。4つのスクリーン成形型6乃至9が、成形すべきスクリーンの大きさ及び間隔に応じて、同一の射出成形機に配置され、若しくはそれぞれ各固有の射出成形機に配置されていてよい。
【0022】
スクリーンからの型外しの後に、シャンク1が矢印16の方向に所定の距離(行程)17、即ち隣接の2つのスクリーン間の間隔にわたって送られて、次のスクリーンを射出成形すべき各位置18がそれぞれスクリーン成形型6,7,8,9に相対する。図1bはシャンク1、各二番目のスクリーン19,20,21,22の射出成形された後、かつスクリーンからの型外しの後の状態で示している。
【0023】
三番目のスクリーンの射出成形のために、シャンクが、さらに矢印16の方向に所定の距離17にわたって送られて、各射出成形点18がそれぞれ各スクリーン成形型に相対する。図1cが各三番目のスクリーン23,24,25,26の射出成形の後の状態を示している。
【0024】
四番目のスクリーンの射出成形の後に、シャンクが次の各五番目のスクリーンの射出成形のためにさらに矢印16の方向に所定の距離17にわたって送られる。
【0025】
図1dが、シャンク1によって互いにつながって完成した4つの複合絶縁体27,28,29,30を示している。各複合絶縁体がそれぞれ5つのスクリーンSを有しており、これらのスクリーンはすべて互いに同じ間隔17を有している。矢印31が、既に完成しているもののまだ互いにつながっている複合絶縁体27乃至30を、スクリーン成形の領域から搬出したことを示している。分離工具(図示せず)によって、シャンク1が分離箇所32で切断され、その結果、同じ数のスクリーンSを備えた同じ長さの4つの複合絶縁体27,28,29,30が生じる。
【0026】
新たなシャンクを4つのスクリーン成形型内へ押し込むことによって、次の4つの複合絶縁体が同時に形成される。スクリーン成形型の本発明に基づく配置によって、スクリーン成形型を交換することができ、その結果、スクリーンを大きな直径若しくは小さな直径で、或いは別の形状で射出成形することができる。寸法の異なる、かつ形状、特に下面の輪郭の異なるスクリーンのための4つの射出成形金型を装備することも可能である。さらに、スクリーンの間隔を変えることも可能であり、このために送り16が変えられる。
【0027】
スクリーンのための複数の射出成形金型を並べて配置することによって、互いに直径、形状及び間隔の異なる任意の数のスクリーンを備えた複合絶縁体が、連続的な射出サイクルで同時に成形できる。
【0028】
図2は、複合絶縁体の製造のための装置40の別の実施例を概略的に示している。該装置においては、スクリーン成形型は定位置ではなく、スクリーンの射出成形のためにシャンクに向けて連続的に送られて、次いでスクリーンの固化中のシャンクの送りに伴って一緒に移動させられ、型開きされる。
【0029】
シャンク41が送り装置42によって、シャンクに接触する2つの駆動ローラ43を用いて装置40内へ押し込まれ、このことは矢印44で示してある。シャンク41の送り45の制御のために、長さ測定装置46を設けてあり、長さ測定装置が検出用ホイール47で以てシャンク41の表面に接触している。スクリーンの射出成形の前に、シャンク41が装置48内で、スクリーンのための材料と同じ若しくは類似の材料から成る加硫成形された被覆、即ち外装を施される。
【0030】
シャンク41に対するスクリーンの付着性を改善するために、装置48内でシャンク41に施された被覆が機械的に前処理され、例えばブラシによって粗面化される。機械的な前処理に加えて、若しくは該前処理の代わりに、粘着剤が塗布されてよい。このような前処理が装置49内で行われる。
【0031】
複合絶縁体の製造が全自動で行われ、個別の装置内でのプロセスが制御装置50を用いて相互に調節される。複合絶縁体の製造のための装置40に所属して配置された各個別の装置が、信号及び制御ライン51を介して制御装置50に接続されている。制御装置が送り装置42を介して装置40における走行速度を制御し、走行速度がスクリーンの射出成形に合わせて調節される。さらに、装置48内での外装の装着及び加硫、並びに装置49内での前処理若しくは粘着剤の塗布が、シャンク41の走行速度(移動速度)に依存して制御される。長さ測定装置46からの情報を用いて、スクリーン間の間隔及び各絶縁体の長さが規定される。
【0032】
装置40は、スクリーン54の射出成形のための多数のスクリーン成形型52,53を備えている。ここではスクリーン成形型52,53で暗示してあるように、大きさの異なるスクリーンの成形のために適当な型が設けられていてよい。スクリーン54からの型外しの改善のために、スクリーン成形型52,53がシャンク41の中心線56に対して垂直な平面55及び該平面に対して垂直にかつ中心線56を通って延びる平面57で分割されている。即ち平面57が、スクリーン成形型52,53を、型部分58aと58b並びに型部分59aと59bから成る2つの半割部に分割している。該両方の半割部を、平面55がそれぞれ、一緒にスクリーン54の上側部分を形成する型部分58a若しくは59aと、一緒にスクリーン54の下側部分を形成する型部分58b若しくは59bとに分割している。各型部分58a,58b;59a,59bがそれぞれ保持装置60a,60b内に取り付けられており、保持装置が無端のチェーン61,62に配置されている。両方のチェーン61,62がシャンク41に対して平行に右側及び左側に配置されている。チェーンが、シャンク41に向けられた側でスクリーン成形型と一緒に成形区域Fを形成している。チェーン61が駆動車63及び転向車64を介して案内されている。チェーン62が駆動車65及び転向車66を介して案内されている。駆動車63の駆動部67並びに駆動車65の駆動部68が同期的に互いに同じ回転速度で作動する。これによって両方のチェーン61,62が互いに同じ速度で運動するようになっており、該速度がシャンク41の送りに合わせられている。駆動車63が矢印69で示すように時計回り方向に回転するのに対して、駆動車65が矢印70で示すように逆時計回り方向に回転する。
【0033】
チェーン61,62の、成形区域Fと逆の側では、スクリーン成形型の自由にアクセス可能な型部分58a,58b;59a,59bが交換されてよい。ここではスクリーン成形型がスクリーンから型外しした状態、即ち開かれた状態で示してある。保持装置60a,60b間相互の間隔が調節できるようになっており、これによってスクリーンからの型外しがスクリーンの厚さ及び形状に左右されることなく可能である。スクリーン間相互の間隔の調節のために、各所属の保持装置60a,60bが二重矢印71で示してあるように、チェーンにそって隣接の保持装置60a,60bに対して移動可能である。
【0034】
複合絶縁体の製造のための、シャンクへのスクリーンの射出成形が本発明に基づく装置によって次のように行われる:
両方のチェーン61,62の、シャンク41と逆の側の領域に離間して設けられた保持装置60a,60b内に、スクリーン成形型の半割部の型部分58a,58b,59a,59bが配置されている。隣接する2つのスクリーン間の間隔が、隣接の2つの分離平面55(該分離平面が、スクリーン成形型の、型部分58a,59aから成る上側部分と、スクリーン成形型の、型部分58b,59bから成る下側部分とに分割している)間の間隔である。該間隔が実施例の図面には符号72で示してある。
【0035】
シャンク41が送り装置42によって送り方向45へ装置4内に押し込まれるのに対して、転向車64,66がそれぞれ矢印73,74に回転して、チェーン61上のスクリーン成形型の半割部の型部分58a,58b及び、チェーン62上のスクリーン成形型の半割部の型部分59a,59bを、シャンク41と逆の側からシャンクに向けて搬送する。チェーン61,62がシャンク41に対して平行に走行する時点で、即ち成形区域Fの始端で、型部分58aと型部分59aとが互いに当接する。該両方の型部分が一緒にスクリーン54の上側部分を形成する。型部分58bと型部分59bとが互いに当接して、一緒にスクリーンの下側部分を形成する。まだスクリーン成形型52は平面55で開かれている。スクリーンを射出成形するために、スクリーン成形型52が、互いに向き合わされた矢印75,76で示してあるように、スクリーン成形型の半割部の型部分を互いに押し合わせることによって閉じられる。
【0036】
スクリーン成形型のうちの1つ、図面ではスクリーン成形型52の型締めを終了すると直ちに、該スクリーン成形型が射出成形装置に接続される。このために、チェーン62に取り付けられたスクリーン成形型・半割部の型部分59aが充填開口77を有している。1つのスクリーン成形型、ここではスクリーン成形型52をシャンク41の周囲に設置して完全に閉じると、充填開口77に射出成形機78が接続されて、スクリーンのための材料がスクリーン成形型52内に加圧注入される。このことが図示の実施例では接続管79によって示してある。スクリーン成形型52の充填の後に、射出成形機78の接続管79がスクリーン成形型52から外され、かつスクリーン成形型52が送り方向45へ1つのスクリーン間間隔72にわたって移動させられる。その際に、次のスクリーン成形型がまだ開かれた状態でシャンク41の周囲に設置されて、同様に、互いに向き合わされた矢印75,76で示すように、閉じられる。
【0037】
図示の実施例では、閉じた6つのスクリーン成形型52が装置40内に存在している。閉じたそれぞれ3つのスクリーン成形型間に、ここではスクリーン間間隔72の二倍の値の間隔が設けられている。位置80の保持装置60a,60bにはスクリーン成形型を取り付けてなく、それというのは位置80でシャンク41を完成した複合絶縁体81の切り離しのために切断するからである。送り方向で見て位置80の前方にある3つのスクリーン成形型52を開いてスクリーン54から型外しすることによって、新たな複合絶縁体81が生じる。該新たな複合絶縁体81の切り取りが、装置40の後に接続してある切断装置82を用いて位置80で行われる。制御装置50からの指令によって、切断装置82がシャンク41に当て付けられて、切断工具83で以て完成の複合絶縁体81を切り離す。切断装置82の当て付け運動及び後退運動が二重矢印84で示してある。図面では、完成の一部分のみを示す1つの複合絶縁体85が切断装置82によって既に切断されている。
【0038】
閉じたスクリーン成形型がチェーン61,62によって成形区域Fを通して搬送される間に、スクリーン成形型内の射出成形されたスクリーンが十分に冷却される。スクリーンからの型外しが駆動車63,65の領域で自動的に行われる。スクリーン成形型が、成形区域Fの終端(該終端でチェーン61,62が駆動車63,65によってチェーンの平行走行から転向される)を規定する平面86に達すると、保持装置60a,60bが互いに離反移動させられ、このことは二重矢印87,88によって示してある。この場合、型部分58b,59bがスクリーン下側89から離され、かつ型部分58a,59aがスクリーン上側90から離される。このようにして、新たな1つのスクリーン54が型外しされる。
【0039】
転向されたチェーン61,62によってスクリーン成形型・半割部の型部分58a,58b,59a,59bを引き続き搬送する際に、スクリーン成形型・半割部がスクリーンの相応の直径及び小さい間隔ではスクリーンに衝突することになる。このような場合には、スクリーン成形型・半割部の型部分58a,58b,59a,59bが搬送方向45から側方へ90°旋回させられるようになっており、このことは矢印91,92で示してある。スクリーン成形型・半割部のそれぞれ旋回させられた型部分が符号58ak,58bk,59ak,59bkを付けてある。旋回が例えば機械的な強制案内によって行われ、強制案内は図示してないものの、公知技術のものである。
【0040】
スクリーン成形型・半割部の型部分がスクリーンとの衝突領域を通過する、例えば駆動車のほぼ四分の一回転の後に、該型部分は再びチェーン61,62に対して垂直に、もとの位置へ戻し旋回させられ、このことは矢印93,94によって示してある。
【0041】
チェーン61,62の、シャンク41と逆の側では、スクリーン成形型を交換し、またさらにスクリーン間間隔の変化に対応してスクリーン成形型間の間隔を変化させることもできる。スクリーン成形型のこのような交換が、図面に矢印95,96,97,98によって象徴的に示してある。図示の実施例では、スクリーン成形型52が直径の大きなスクリーンのためのスクリーン成形型53と交換されている。このために、矢印95,96によって示唆してあるように、スクリーン成形型・半割部の型部分58a,58b,59a,59bがそれぞれの保持装置60a,60bから外される。次いで、直径の大きなスクリーンのためのスクリーン成形型53の型部分58a,58b,59a,59bが、矢印97,98によって示すようにそれぞれの保持装置内に差し込まれる。スクリーン間間隔の変化が、保持装置対60a,60b間の間隔の変化によって二重矢印71で示すように行われる。図示の実施例では型を開いた状態で交換するので、スクリーン間の間隔72は、保持装置60aと60bとの間の各中心点間の間隔によって規定される。
【0042】
直径の大きなスクリーンのためのスクリーン成形型53を設ける場合には、チェーン61,62とシャンク41との間の間隔が増大される。このような間隔変化(間隔増大)は、直径の小さいスクリーンのためのすべてのスクリーン成形型52を成形区域Fから外した後に行われてよい。新たなスクリーン成形型を装備した保持装置を成形区域F内へ進入させる前に、まずチェーン61,62が予めスクリーン成形型なしに成形区域F内へ走行させられる。次いで、チェーンとシャンク41との間の間隔が、新たな型寸法に合わせて調節される。両方のチェーン61,62が、駆動車及び転向車をシャンク41からの所定の距離へ互いに押し離すことによって、スクリーン成形型・半割部の型部分を、閉じたスクリーン成形型53、即ち直径の大きなスクリーンのためのスクリーン成形型に組み合わせできる程度に離間される。直径の小さいスクリーンのためのスクリーン成形型を用いる場合には、チェーン61,62が相応にシャンク41に近づけられる。チェーン61,62のこのようは調節が二重矢印99,100によって象徴的に示してある。
【0043】
スクリーン直径のある限度内ではチェーン61,62とシャンク41との間の間隔の変化は、スクリーン成形型が単一の大きさ、即ち単一サイズであり、スクリーン成形型・半割部の各型部分内のスクリーン成形のために必要な切欠きのみがスクリーン直径に合わせて規定されている場合に不要である。この場合にも、同一のシャンクに直径の異なるスクリーンを射出成形することが可能である。
【0044】
スクリーン成形型の前述の交換によって形状の異なるスクリーンを同一の複合絶縁体に射出成形することができる。同一の絶縁体のスクリーンのスクリーン下側部分を、下側の沿面距離の延長のための輪郭で若しくは該輪郭なしに形成することも可能である。
【0045】
さらに、スクリーン成形型を型締めの後にそれぞれ充填する代わりに、まず複数のスクリーン成形型を成形区域F内へ進入させて、次いで該スクリーン成形型を同時に充填することも可能である。この場合には必要に応じて、充填すべき型の数に相当する数の射出成形機が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
定位置の4つのスクリーン成形型を用いて複合絶縁体を製造する実施例を示す概略図。
【図2】
送りサイクルでシャンクと一緒に移動するスクリーン成形型を用いて複合絶縁体を製造する実施例を示す概略図。
【符号の説明】
1 シャンク、 2,3,4,5 スクリーン、 6乃至9 スクリーン成形型、 16 送り(矢印)、 27,28,29,30 複合絶縁体、 31 矢印、 32 分離箇所、 40 装置、 41 シャンク、 42 送り装置、 43 駆動ローラ、 45 送り(送り方向)、 46 長さ測定装置、 47 検出用ホイール、 48,49 装置、 50 制御装置、 51 信号及び制御ライン、 52,53 スクリーン成形型、 54 スクリーン、 55 平面、 56 中心線、 57 平面、 58a,58b,59a,59b 型部分、 60a,60b 保持装置、 61,62 チェーン、 63 駆動車、 64 転向車、 65 駆動車、 66 転向車、 72 間隔、 77 充填開口、 78 射出成形機、 79 接続管、 81 複合絶縁体、 82 切断装置、 83 切断工具、 84 二重矢印(当て付け運動及び後退運動)、 86 平面、 87,88 二重矢印、 89 スクリーン下側、 90 スクリーン上側、 91,92 矢印、 F 成形区域、 S スクリーン

Claims (35)

  1. ロッド若しくは管の形状のシャンクから成る複合絶縁体の製造のための方法であって、複合絶縁体が外装で被覆されていて互いに離間された皿状のスクリーンを備えており、外装及びスクリーンが絶縁性の高いエラストマ材料から成っている形式のものにおいて、シャンクにまず外装を装着し、次いでスクリーンの射出成形のためにシャンクに射出成形型、即ちスクリーン成形型を当て付けて、スクリーンのための材料をスクリーン成形型内に注入し、材料の固化の後にスクリーンからの型外しのためにスクリーン成形型を開いて、シャンクから離れる方向へ運動させ、かつ次のスクリーンの射出成形のためにシャンクを既に射出成形されたスクリーンと一緒にスクリーン成形型に対して所定の距離だけ送り、若しくはスクリーン成形型をシャンクに対して所定の距離だけ送り、送られた位置でシャンクにスクリーン成形型を当て付けて次のスクリーンを射出成形することを特徴とする、シャンクに個別スクリーンを射出成形して成る複合絶縁体の製造方法。
  2. 複数の複合絶縁体の製造のために、1つの複合絶縁体の長さの間隔でスクリーン成形型を配置して、該スクリーン成形型によって複数の各複合絶縁体のそれぞれ1つのスクリーンを、同時に製造すべき複数の複合絶縁体の合計の長さに相当する長さのシャンクに同時に射出成形し、かつ複数の各複合絶縁体のそれぞれ最後のスクリーンの射出成形の後にシャンクを各個別の複合絶縁体に切断する請求項1記載の方法。
  3. 複合絶縁体の製造のために、互いに前後に配置された複数のスクリーン成形型をシャンクに当て付ける請求項1又は2記載の方法。
  4. スクリーン成形型を同時に送って、スクリーンを同時に射出成形する請求項3記載の方法。
  5. スクリーンをシャンクに射出成形のためにスクリーン成形型を順次に若しくは時間的に任意にずらして送る請求項3記載の方法。
  6. スクリーン間の間隔の変化のためにスクリーン成形型間の間隔を変化させる請求項3から5のいずれか1項記載の方法。
  7. 種々の複合絶縁体の製造のためにスクリーン成形型の数を変化させる請求項2から6のいずれか1項記載の方法。
  8. 種々の複合絶縁体の製造のためにスクリーン成形型を、スクリーンの大きさ及び/又は形状に関連して交換する請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記変化を互いに個別に若しくは互いに組み合わせて行う請求項6から8のいずれか1項記載の方法。
  10. シャンクをスクリーンの射出成形の前に高絶縁性のエラストマ材料、有利にはHTV−シリコンから成る外装で被覆する請求項1から9のいずれか1項記載の方法。
  11. 外装をスクリーンの射出成形の前に前処理する請求項10記載の方法。
  12. 外装を粗面化する請求項11記載の方法。
  13. 外装を粘着剤、有に利はシランと一緒に装着する請求項11記載の方法。
  14. 両方の前処理を組み合わせて行う請求項12及び13記載の方法。
  15. スクリーンの材料としてエラストマ材料、有利にはHTV−シリコンを用いる請求項1から14のいずれか1項記載の方法。
  16. 種々の材料から成るスクリーンを同一のシャンクに射出成形する請求項1から15のいずれか1項記載の方法。
  17. ロッド若しくは管の形状のシャンクから成る複合絶縁体の製造のため、特に請求項1から16のいずれか1項記載の方法の実施のための装置であって、複合絶縁体が外装で被覆されていて互いに離間された皿状のスクリーンを備えており、外装及びスクリーンが絶縁性の高いエラストマ材料から成っている形式のものにおいて、シャンクを外装で被覆するための装置(48)の後に、スクリーン(2,3,4,5,19,20,21,22,23,24,25,26,S;54)の射出成形のための射出成形用金型若しくはスクリーン成形型(10a,10b,11a,11b,12a,12b,13a,13b;52,53)を配置してあり、該射出成形用金型若しくはスクリーン成形型がスクリーンの射出成形のためにシャンクに当て付け可能であり、かつスクリーンからの型外しのために型開きされるようになっており、シャンク(1,41)若しくはスクリーン成形型の移動(16;45)のために送り装置(42)が設けられており、シャンク(1,41)若しくはスクリーン成形型の移動(17;72)の後にスクリーン成形型が、シャンク上の、スクリーンの射出成形の位置に相対していることを特徴とする、複合絶縁体の製造のための装置。
  18. 複数の複合絶縁体(27,28,29,30)の製造のために、ほぼ1つの複合絶縁体の長さの間隔でスクリーン成形型(10a,10b,11a,11b,12a,12b,13a,13b)が配置されており、該スクリーン成形型で以てシャンク(1)への複合絶縁体のスクリーン(2,3,4,5,19,20,21,22,23,24,25,26,S)が同時に射出成形可能であり、シャンクが、少なくとも同時に製造すべき複合絶縁体(27,28,29,30)の数の一貫した長さを有しており、シャンク(1)の先行の複合絶縁体の最後のスクリーンと次の複合絶縁体の最初のスクリーンとの間に切断のための位置(32)が規定されている請求項17記載の装置。
  19. 複数のスクリーン(54)を備えた複合絶縁体(81,85)の製造のために、複数のスクリーン成形型(52,53)を互いに前後に配置してあり、該スクリーン成形型(52,53)がスクリーン(54)の射出成形のためにシャンク(41)に当て付けられるようになっている請求項17又は18記載の装置。
  20. スクリーン成形型がシャンクに同時に当て付けられるようになっている請求項19記載の装置。
  21. スクリーン成形型(52,53)がシャンク(41)に順次に若しくは時間的に任意にずらして当て付けられるようになっている請求項19記載の装置。
  22. スクリーン(54)間の間隔(72)の変化のために、スクリーン成形型(52,53)間の間隔が変化可能である請求項19から21のいずれか1項記載の装置。
  23. 種々の数のスクリーン(54)を備えた複合絶縁体(81,85)の製造のために、スクリーン成形型の数が変化可能である請求項19から22のいずれか1項記載の装置。
  24. スクリーン成形型(10a,10b,11a,11b,12a,12b,13a,13b;52,53)が種々の複合絶縁体(27,28,29,30;81,85)の製造のためにスクリーン(2,3,4,5,19,20,21,22,23,24,25,26,S;54)の大きさ及び/又は形状に関連して交換可能である請求項17から23のいずれか1項記載の装置。
  25. 前記変化が互いに個別に若しくは互いに組み合わせて行われるようになっている請求項22から24のいずれか1項記載の装置。
  26. 複合絶縁体(81,85)の連続的な製造のために、前後に並べて配置された複数のスクリーン成形型(52,53)を設けてあり、該スクリーン成形型(52,53)がスクリーン成形型・半割部(58a,58b,59a,59b)に分割されており、スクリーン成形型・半割部(58a,58b,59a,59b)がそれぞれ、循環する無端のチェーン(61,62)に配置されており、送り方向(45)で見て右側の一方のチェーン(61)と左側の他方のチェーン(62)とが、シャンク(41)の中心線(56)に対して平行にシャンクに沿って配置されており、該配置によってチェーン(61,62)が成形区域(F)を形成しており、該成形区域内ではスクリーン成形型(52)がスクリーン(54)の射出成形のためにシャンク(41)を取り囲むように閉じられており、スクリーン成形型・半割部(58a,58b,59a,59b)の分割平面(57)がシャンク(41)の中心線(56)を通って延びており、チェーン(61,62)とシャンク(41)とが同じ送り速度(45)で成形区域(F)内を移動させられるようになっており、スクリーン成形型・半割部(58a,58b,59a,59b)がチェーン(61,62)によって、閉じたスクリーン成形型(52,53)の形成のために成形区域(F)に供給され、かつスクリーン(54)からの型外しのために搬出されるようになっており、成形区域(F)で閉じたスクリーン成形型(52)に、スクリーン(54)の射出成形のための射出成形機(78)が接続可能である請求項17、19又は21から25のいずれか1項記載の装置。
  27. スクリーン成形型・半割部がシャンク(41)の中心線(56)に対して垂直な平面(55)で型部分(58a,58b,59a,59b)に分割可能であり、該型部分が、スクリーン成形型(52)の型締め(75,76)、即ちスクリーン(54)の射出成形のため及びスクリーン成形型(52)の型開き(78,88)、即ちスクリーン(54)からの型外しのために前記中心線(56)に対して移動可能に各チェーン(61,62)に配置されている請求項26記載の装置。
  28. スクリーン(54)間の間隔(72)が各チェーン(61,62)上でのスクリーン成形型・半割部(58a,58b,59a,59b)の移動(71)によって調節可能である請求項26又は27記載の装置。
  29. チェーン(61,62)の、シャンク(41)と逆の側で、スクリーン成形型・半割部の型部分(58a,58b,59a,59b)が交換可能に配置されている請求項26から28のいずれか1項記載の装置。
  30. チェーン(61,62)の、シャンク(41)と逆の側で、スクリーン成形型(52,53)の数が調節可能である請求項29記載の装置。
  31. チェーン(61,62)の、シャンク(41)と逆の側で、スクリーン成形型(52,53)がスクリーン(54)の大きさ及び/形状に関連して交換可能である請求項29又は30記載の装置。
  32. チェーン(61,62)とシャンク(41)との間の間隔(99,100)がスクリーン(54)の大きさ、即ちスクリーン直径の変化に対応して変化可能である請求項31記載の装置。
  33. 前記変化が互いに個別に若しくは互いに組み合わせて行われるようになっている請求項28から32のいずれか1項記載の装置。
  34. スクリーン(54)の射出成形の前にシャンク(41)の外装を粗面化及び/又は粘着剤の塗布によって前処理するための装置(49)が設けられている請求項17から33のいずれか1項記載の装置。
  35. 完成した複合絶縁体(85)をシャンク(41)上に設定された位置(80)で切り取るための装置が設けられている請求項17から34のいずれか1項記載の装置。
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