JP2005503186A - 医療装置用潤滑コーティング - Google Patents

Abstract

摩擦を最小限にし、医療装置の可撓性部分の表面への付着に有用である潤滑系を開示する。そのような潤滑系は、医療装置の可撓性部分が曲がるときに移動することができ、生体適合性であり、アルコールまたは慣用の医療用滅菌剤または洗浄剤の付着によって分解しない潤滑剤を含む。該潤滑系は、医療装置の可撓性部分の表面に結合される。該潤滑系を、シリコーンゴムエラストマーのようなエラストマー性セプタムに対して用いてもよい。潤滑剤コーティングは、ジ−パラキシレン、ポリ−（ｐ−キシレン）、ポリビニルピロリドンまたはポリテトラフルオロエチレンのような、エラストマーに対して化学的に結合することができる任意の種類のコーティングであってもよい。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、医療装置のような装置の可撓性部分に付着させてもよい、摩擦を最小限にするための潤滑コーティングに関する。
【背景技術】
【０００２】
医療分野の多くの状況において、装置の一部として可撓性部分を含む装置を提供することが望ましい。たとえば、ある種の医療装置の一部を可撓性にして、患者に対する医療装置の挿入を容易にし、かつ患者の快適さを最大にしてもよい。加えて、医療装置に、エラストマー性セプタムがしばしば用いられる。なぜならそれらは弾性および可撓性を有し、通路を選択的に開閉するのに用いることができるからである。詳細には、剛体のカテーテルハブの開口基部端は、エラストマー性のセプタムを含み、それを通してガイドワイヤまたは誘導針のような別の装置が延びてもよい。ガイドワイヤまたは誘導針が除去されるとき、セプタムが閉じて、カテーテルハブの基部端を密閉し、カテーテルハブからの液体の漏れおよびカテーテルハブへの液体の浸入を防止する。加えて、セプタムは医療用バルブ中に用いてもよい。セプタムは剛体のバルブ本体またはハウジング中に配置されて、流体の流れに対してバルブを選択的に開閉する。ある種のバルブの設計において、シリンジからの針をセプタムを通して挿入してバルブにアクセスしてもよい。他のバルブの設計においては、シリンジのオスのルアー端をセプタム中にあらかじめ形成されたスリットを通して挿入すること、または何らかの方法でオスのルアー端でセプタムを移動させることのいずれかによって、流体の流れに対してバルブを開閉することができる。
【０００３】
この種の装置において遭遇する１つの問題点は、医療装置の可撓性部分と、患者または該可撓性部分を有する医療装置と組み合わせて用いられる他の医療装置との間の摩擦である。ある種の状況において、摩擦が、患者にとって非常に不快であるか、あるいは臨床医が医療装置を操作するのが極度に困難であるほどに、著しく大きくなる恐れがある。他の状況においては、摩擦が、医療装置がその意図する目的のために機能することを妨げる恐れさえある。したがって、医療装置の可撓性部分に用いて、該可撓性部分に接する摩擦を最小限にすることができる潤滑系に対する要求が存在する。そのような潤滑系は、可撓性部分が曲げられるときに移動することが可能な潤滑剤を含まなければならない。加えて、潤滑剤は生体適合性でなければならず、かつアルコールの付着または医療装置に対して典型的に用いられる慣用の医療用滅菌剤および洗浄剤の付着によって分解してはならない。潤滑剤は、エラストマー性の部品と恒久的に結合して、医療装置の寿命を通して作働するべきである。
【特許文献１】
米国特許第５，５４０，６６１号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
したがって、医療装置の可撓性部分に用いて摩擦を最小限にすることができる潤滑系を提供することが、本発明の目的である。
【０００５】
可撓性部分が曲がるときに移動する潤滑剤を含む潤滑系を提供することが、本発明の別の目的である。
【０００６】
生体適合性であり、かつアルコールまたは他の慣用の医療用滅菌材および洗浄剤の付着によって分解しない潤滑系を提供することが、本発明のさらに別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本出願は、２００１年１月２４日に出願された米国特許仮出願第６０／２６３，８８２号の利益を主張し、該仮出願の開示は参照により本明細書の一部をなすものとする。
【０００８】
本発明の潤滑系は、処理される医療装置の可撓性部分の表面上に塗布される潤滑剤を含む。潤滑剤は、好ましくは、医療装置の可撓性部分の表面上への蒸着により重合されるポリマー材料である。許容可能な潤滑剤の例は、ジーパラキシレン、ポリ（ｐ−キシレン）、ポリビニルピロリドンおよびポリテトラフルオロエチレンである。潤滑剤は、特定の範囲の間の非常に薄い層として付着される。該特定の範囲とは、医療装置の可撓性部分の適切な被覆を確実にするのに十分な厚さであるが、可撓性部分が変形した際にコーティングが剥落するほど厚くはないことを意味する。潤滑剤コーティングの厚さは変化し得るものであるが、多くの場合には約０．５ミクロンから約１．５ミクロンまでの厚さの範囲が許容可能であり、大抵の医療用とに関して約０．７５ミクロンから約１．２５ミクロンまでの厚さの範囲が、しばしばより好ましい。さらに、本明細書中で取り扱うように、ニードルレスバルブおよびルアー接続(access)ポートのセプタムにおける使用に関しては、０．５〜０．９ミクロンのコーティングが好ましい。いずれの場合においても、該コーティングは、従来医療装置に付着されてきたそのような材料のコーティングよりも非常に薄い層として付着される。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
本発明の好ましい実施形態を図面中に例示する。図面中、同様の参照符号は同様の要素を指示する。
【００１０】
本発明の潤滑コーティングは、好ましくは、医療装置の表面に対して確実に付着することが可能ないくつかのポリマー材料の任意のものである。現在、特許文献１（参照により本明細書の一部をなすものとする）に開示されるもののようなニードルレスバルブのエラストマー性セプタムに付着することを想定している。当業者に理解されるであろうように、本発明のコーティングは、図１〜３に示されるもののような他のニードルレスルアー接続コネクタに関して、および可撓性表面を有する他の医療装置に関して有利に用いることができる。
【００１１】
図１および図２を参照して、本発明のコーティング１を、ニードルレスルアー接続コネクタ１００のセプタム２０に対して付着してもよい。コネクタは、作働的に嵌合してコネクタ上の所定の位置にセプタムを固定する蓋部１２および基部１６を有するハウジング１０を含む。ハウジングを貫いて中央内腔１７が延在し、ハウジングを貫く流体の流路を形成する。以下に詳細に議論するように、この流路はセプタムによって選択的に遮断される。蓋部および基部が種々の構造を有してセプタムを固定してもよいことは理解されるであろう。さらに、接着剤または他の構造および技術を用いて、操作中にセプタムを所定の位置に維持してもよい。
【００１２】
図１に示されるように、セプタム２０は閉止位置にある。セプタムは、セプタムの上面からセプタムの底面へと完全に貫いて延在するスリット２１を含む。セプタムの構造は、ハウジングの構造、特に蓋部１２の構造と協働して、作働されるまでスリットを封止状態に維持する。したがって、血液などのような流体がハウジングの内腔１７を通過することが防止される。
【００１３】
作働時には、セプタム２０のスリット２１中に、オスのルアー継手３０が挿入される。図２を参照されたい。継手は、セプタムの上部表面１３に嵌合し、蓋部１２においてハウジングの基部１６に向かってセプタムを下方向に押し込む。ルアー継手がスリット中に入るにつれてセプタムは変形し、蓋部の内壁に接触して曲がる。ルアー継手の挿入の間、継手自身がセプタムの上部表面上を滑って、エラストマー性の上部表面を変形させて、スリット中へと送り込まれる導入部を作成しなければならない。また、セプタムの具体的構造および材料に依存して、継手自身がスリットを形成する壁に沿って滑ることが必要である可能性がある。この滑り動作中に、コーティングが所定の位置にないときには、継手とセプタムの間の摩擦は、治療者にかなりの力を要求する恐れがある。対照的に、オスのルアー継手３０は、コーティング１の表面上を容易に滑る。したがって、この力は、本発明のコーティングを付着させることにより低減される。
【００１４】
本発明の１つの実施態様において、コーティング１は、セプタム２０の上部表面１３上のみに付着される（図１を参照されたい）。しかしながら、以下に議論するように、コーティングを付着するのに用いられる製造プロセスの観点からは、本発明のコーティングを、セプタムの全外部表面に対して、実質的に連続的な層（すなわち、層中にピンホールが形成されないか、あるいは最小限のピンホールが形成される）として付着させてもよい（図３を参照されたい）。好ましくは、コーティングは、上部表面を横断して実質的に不変の厚さで付着される。同様に、コーティングをスリット２１の内壁に付着してもよいことは理解されるであろう。しかしながら、これはシールの一体性に影響する恐れがあり、したがってあまり好ましくはない。さらに、コーティングを上部表面の一部のみに付着させて、依然としてルアー継手とセプタムの間の摩擦力を低減させてもよいことは理解されるであろう。しかしながら、本発明のそのような実施は、より有効性の低い摩擦の低減、より大きな製造コスト、および治療者に対するより調和性の低い「感覚」をもたらし、したがって望ましいものではないと信じる。
【００１５】
本発明の潤滑コーティングは、好ましくは、医療装置の表面に対して確実に付着させることができるいくつかのポリマーコーティングの任意のものである。そのような潤滑性ポリマーコーティングの例は、ジ−パラキシレン、ポリ−（ｐ−キシレン）、ポリビニルピロリドンおよびポリテトラフルオロエチレンを含む。さらに、コーティングの材料がパリレン−Ｎであることが、現在最も好ましい。同様に、パリレン−Cおよびパリレン−Ｄを用いて、本発明を実施してもよい。これらの潤滑性ポリマーコーティングは、好ましくは、ポリマーコーティングを医療装置の表面に結合させる蒸着により処理して表面上の所定の位置で重合される。この方法においては、時間経過に対してより再現性の高い性能を定着させることが可能となる。さらに、所定の場所に結合されるコーティングは、単純により長持ちし、医療装置の作動中においてより剥がれにくくなる。さらに、本発明の潤滑ポリマーコーティングは、医療装置が作動するように設計されている環境に耐えることができ、かつアルコール綿の多数回の付着に耐えることができる。汚染物質が医療装置中に入ることを防止するために、医療装置の可撓性部分の表面はそれぞれの使用の前にアルコールで消毒されるので、これは重要である。これらの潤滑ポリマーコーティングは、耐油性であり、かつ一般的に、医療用途において典型的に遭遇する他の材料に対しても抵抗性を有する。
【００１６】
本発明の１つの実施態様において、シリコーンまたはラテックスのようなエラストマー材料で作製されたセプタムに対して、蒸着を用いて、ジ−パラキシレンをベースとするパリレン−Ｎを付着させる。このコーティングは、エラストマー表面の硬度を、効果的に増大させる。セプタムの形成後（しかし、スリットを形成する前、すなわち、セプタムは「スリットなし」である）に、高温においてセプタムを後硬化させて、コーティングプロセスを妨害する可能性のある全ての揮発成分を除去してもよい。次に、アルコール中ですすいで乾燥させることなどによって、セプタムを清浄にする。清浄にされたセプタムを、真空チャンバ内部の回転するワイヤバスケット内に置くことなどによって、高真空環境に配置する。該環境中に、気体状のパラキシレンのモノマーを導入する。これらのモノマーは反応し、触媒の必要なしにセプタムの外部表面上に直ちに結合する。該環境内部でセプタムを回転させて、均一で完全なコーティングを保証する。Speciality Coating System (Indianapolis, Indiana)から商業的に入手可能なパリレン−気相コーティングプロセスを用いて、コーティングを付着させてもよい。コーティング材料中でのエラストマー表面のディップコーティングまたは吹付、そして次に紫外光、放射線などの適用、またはポリマーネットワークのインターペネトレート(inter penetrating)に見られるようなインサイチューの重合を用いることなどによって、表面上へと材料を重合させるような他の技術を用いて、エラストマー表面に対してコーティングを付着させてもよい。ひとたびコーティングがセプタム上に結合したならば、ナイフの刃などを用いてセプタムに切り込みを入れることなどによって、セプタム中にスリットを形成する。
【００１７】
パリレンの付着は、非常に薄く、透明で、かつピンホールのないフィルムをもたらすことができ、該フィルムは真空チャンバ中で蒸着を用いて基板に対して付着される。液相は存在せず、およびそのプロセスは溶媒、触媒または他の環境的に制限される材料を伴わない。そのようにして、高度に機能的な表面コーティングが提供される。上部表面のみにコーティングを付着させるためには、セプタムの他の部分をマスクして、パリレンコーティングがこれらの表面に接近することを防止する必要がある。もちろん、他の技術を用いて、セプタムの全外面または上面のいずれかに、パリレンコーティングを付着させることができる。
【００１８】
セプタムが真空チャンバ内で費やす時間を増大または減少させることによって、コーティングの厚さを調整することができる。コーティングは０．２〜１．０ミクロンの間の厚さを有してもよい。好ましくは、コーティングは０．５〜０．９ミクロンの厚さを有し、約０．７９ミクロン（すなわち、０．７９ミクロン±０．０９ミクロン）が好ましい。パリレン−Ｎは潤滑コーティングとして用いられてきているが、しかし本発明における厚さにおいては用いられていない。詳細には、パリレンコーティングのいくつかの付着業者は、２．０ミクロン以上の厚さでパリレン−Ｎを付着することを推奨している。
【００１９】
潤滑ポリマーコーティングは、シリコーンから形成される可撓性部分のような医療装置の可撓性部分の表面上で用いられるべきものであるので、潤滑ポリマーコーティングの膜の弾力性および表面接着の一体性が必要である。これらの特性は、コーティングが、フィルム対基板の結合の破壊または損失なしに医療装置の下にあるシリコーン材料の伸長に順応することを可能にする。驚くべきことには、５０のショアＡ硬度を有するシリコーン上に設けられる、約０．５ミクロンから約１．０ミクロンの範囲内の厚さを有する薄い潤滑コーティングが、充分な潤滑性を提供し、かつコーティングの破壊を防止するのに充分な可撓性を有することを見出した。好ましくは、大抵の医療用途に関して、約０．５ミクロンから約０．９ミクロンまでの範囲内の厚さのコーティングが用いられる。好ましくは、パリレンを潤滑剤として用いる。なぜなら、典型的には、それは２００％の破断点伸び性能を有するからである。加えて、パリレンは潤滑性であり、かつ剛性を付加することなしに表面の触質(tact)および粘着性を排除する傾向がある。
【００２０】
本発明のいくつかの実施形態に関して、試験を行った。種々のエラストマー性セプタムに、本発明の範囲内の潤滑ポリマーコーティングを塗布した。コーティングは、約１ミクロンの厚さ、すなわち０．９ミクロンと１．１ミクロンとの間の厚さを有した。コーティングを付着させたならば、セプタムをニードルレス接続バルブ中に挿入し、試験を実施した。該装置中に、慣用のシリンジを反復して挿入した。シリンジを挿入するのに必要な力、セプタムが耐えることのできる背圧、および破損までのサイクル数の見地からの装置の耐久性を含む、種々の特性を測定した。第１表は、得られた代表的データを示す。
【００２１】
【表１】

【００２２】
第１表から、データを提供した実施形態の全てが許容可能な結果を与えたことを理解できるであろう。バルブ中に挿入される医療装置のための挿入圧力が約１０ポンド未満にとどまることが好ましい。大抵の医療用途において、バルブが少なくとも２０ｐｓｉの背圧に耐えることが望まれる。また、静注セット（IV set）などの予測寿命にわたって作働するバルブを与えることが望ましい。前述の本発明の実施形態のそれぞれは、それぞれの試験特性において必要なレベルを達成する。
【００２３】
さらなる試験を実施し、それによって、シリコン製のエラストマー性セプタムに対して付着される０．２ミクロンほどの薄さから１．０ミクロンの厚さまでのパリレン−Ｎで形成されたコーティングが、好ましい摩擦低減特性をもたらすことを明らかにした。ある種の環境において、１ミクロンより大きな厚さを有するコーティングは、セプタムの剥落の影響を受けやすかった。０．２ミクロンより薄いコーティングはセプタムの上部表面を横断する適切な堅牢性(consistency)を有するコーティングを与えないと信ずる。
【００２４】
他の材料を用いてなお、本発明を実施してもよいことは理解されるであろう。詳細には、任意の疎水性、親水性、脂肪族または芳香族のポリマーまたは炭化水素を、コーティング材料として用いてもよい。ポリエチレンおよびポリプロピレンのような、いくつかのそのような材料は、気体状態ではなく溶液状態でセプタムに付着させてもよい。加えて、コーティング材料は、ポリテトラフルオロエチレン、他のフルオロカーボン類、および完全にまたは部分的に熱分解される有機フィルムであってもよい。好ましくは、セプタム中のスリットは、依然として、コーティングが付着された後に作製される。
【００２５】
このようにして、医療装置の可撓性部分に用いて摩擦を最小限にすることができる潤滑系が提供されることは理解される。そのような潤滑系は、可撓性部分が曲がるときに移動することができ、生体適合性であり、かつアルコールまたは医療装置とともに典型的に用いられる慣用の医療用滅菌剤および洗浄剤の付着によって分解されない潤滑剤を含む。
【００２６】
以上の明細書は、例示を目的とし、特許請求の範囲により規定される本発明の範囲を制限するものと解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】コネクタへの侵入のために指示された他の医療装置（シリンジなど）のオスのルアーテーパを伴う、閉止位置にあるニードルレスルアー接続コネクタであって、本発明の塗膜が付着されているアクセスコネクタの断面図である。
【図２】コネクタ中に配置された他の医療装置のオスのテーパを有し、流体の流れに対して開口された、図１のニードルレスルアー接続コネクタを示す断面図である。
【図３】本発明の塗膜を実質的に完全に塗布された外側表面を有するエラストマー性セプタムを含むハウジングの分解組立図である。

Claims (20)

1. 可撓性表面を有する医療装置のための潤滑コーティングであって、該コーティングは、該医療装置の可撓性表面上の、ポリマー材料の実質的に連続的な層を含み、該層は０．５ミクロンと０．９ミクロンとの間の厚さを有し、前記ポリマー材料は蒸着により重合され、かつ前記ポリマー材料はパリレン−Ｎであることを特徴とする潤滑コーティング。
2. 該医療装置は、エラストマー性セプタムであり、該コーティングは前記セプタムの外部表面を完全に覆うことを特徴とする請求項１に記載の潤滑コーティング。
3. 該医療装置はセプタムであり、該コーティングは該セプタムの上表面のみを覆うことを特徴とする請求項１に記載の潤滑コーティング。
4. 可撓性表面を有する医療装置のための潤滑コーティングであって、該医療装置の可撓性表面上に、０．２ミクロンと１．０ミクロンとの間の厚さを有するポリマー材料の層を含むことを特徴とする潤滑コーティング。
5. 該ポリマー材料は、疎水性、親水性、脂肪族または芳香族であることを特徴とする請求項４に記載の潤滑コーティング。
6. 該ポリマー材料は、０．５ミクロンと０．９ミクロンとの間の厚さを有することを特徴とする請求項５に記載の潤滑コーティング。
7. 該ポリマー材料は、約０．７９ミクロンの厚さを有することを特徴とする請求項６に記載の潤滑コーティング。
8. 該ポリマー材料は、蒸着により重合されることを特徴とする請求項６に記載の潤滑コーティング。
9. 該ポリマー材料は、ジ−パラキシレン、ポリ−（ｐ−キシレン）、ポリビニルピロリドンおよびポリテトラフルオロエチレンからなる群の１つであることを特徴とする請求項８に記載の潤滑コーティング。
10. 該ポリマー材料は、パリレン−Ｎであることを特徴とする請求項４に記載の潤滑コーティング。
11. 該ポリマー材料は、パリレン−Ｃまたはパリレン−Ｄからなる群の１つであることを特徴とする請求項４に記載の潤滑コーティング。
12. 該ポリマー材料は、フルオロカーボンまたは熱分解されるポリマーフィルムからなる群の１つであることを特徴とする請求項４に記載の潤滑コーティング。
13. ニードルレス接続コネクタ中に用いられるセプタム用の潤滑コーティングであって、該セプタムは少なくとも１つの可撓性表面を有し、該コーティングは、該医療装置の該少なくとも１つの可撓性表面上のポリマー材料の実質的に連続的な層を含み、該層は０．２ミクロンと１．０ミクロンとの間の厚さを有し、および該ポリマー材料はジ−パラキシレン、ポリ−（ｐ−キシレン）、ポリビニルピロリドンおよびポリテトラフルオロエチレンからなる群の１つであることを特徴とする潤滑コーティング。
14. 該コーティングは、該セプタムの全外部表面を覆い、および該セプタムはスリットを設けられていないことを特徴とする請求項１３に記載の潤滑コーティング。
15. 該セプタムは上部表面を有し、および該コーティングは該上部表面のみを覆うことを特徴とする請求項１３に記載の潤滑コーティング。
16. 該層は、０．５ミクロンと０．９ミクロンとの間の厚さを有することを特徴とする請求項１３に記載の潤滑コーティング。
17. 該材料はパリレン−Ｎであることを特徴とする請求項１３に記載の潤滑コーティング。
18. 該材料はパリレン−Ｎであることを特徴とする請求項１６に記載の潤滑コーティング。
19. 該コーティングは、該セプタムの全外部表面を覆うことを特徴とする請求項１７に記載の潤滑コーティング。
20. 該材料はパリレン−Ｎであり、該層は約０．７９ミクロンの厚さを有し、該コーティングは該セプタムの全外部表面を覆い、および該セプタムはスリットを設けられていないことを特徴とする請求項１３に記載の潤滑コーティング。

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