JP2005503165A - 結核菌(Mycobacteriumtuberculosis)のrpoB配列の検出 - Google Patents

結核菌(Mycobacteriumtuberculosis)のrpoB配列の検出 Download PDF

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Abstract

生物学的試料に存在する結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のrpoB配列を検出する方法であって、特異的プライマー配列を含む核酸増幅混合物において、結核菌rpoB配列をin vitroで増幅することを含む、前記方法を開示する。試料中の結核菌のrpoB配列をin vitroで検出するための組成物を開示する。

Description

【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、病原性細菌のin vitro診断検出に関し、そして特に、rpoB遺伝子のin vitro核酸増幅および増幅された産物の検出を用いることによって、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のリファンピン耐性と関連する核酸配列を検出するための組成物およびアッセイに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
リファンピン(RIF)はリファマイシンBから合成された抗生物質であり、結核菌に対する薬剤療法の重要な構成要素である。リファンピンは、原核RNAポリメラーゼのベータサブユニット上に、特有の作用部位を有する。大腸菌(Escherichia coli)において、RNAポリメラーゼサブユニット遺伝子(rpoB)の中央領域にミスセンス突然変異および短い欠失が起こると、リファンピンに耐性な株が生じる(Lisitynら, 1984, Mol. Gen. Genet. 196:173−174)。同様に、結核菌において、リファンピン耐性を与える、rpoB遺伝子中の非常に多様な突然変異が同定されてきている(Telentiら, 1993, Lancet 341:647−650)。90%を超えるリファンピン耐性結核菌単離体はまた、イソニアジドにも耐性であり、そしてしたがって、リファンピン耐性は、多剤耐性の有用な代理マーカーである。したがって、感染個体の適切な治療につながる診断のため、リファンピン耐性の遺伝的基礎を迅速に検出可能な試験に関する必要性がある。
【0003】
適切な治療には、そして耐性株の蔓延を防ぐには、臨床的結核菌単離体の薬剤耐性を早期に検出することが重要である。固形培地上の結核菌の増殖によって薬剤耐性を検出する慣用法、およびより最近の、液体培地中の増殖に頼る方法は、3日〜4週間以上掛けて、感受性結果を提供してきた(Rusch−Gerdesら, 1999, J. Clin. Microbiol. 37:45−48)。
【0004】
リファンピン耐性を検出するため、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に頼る遺伝的技術が考案されてきている。こうした技術には、PCR産物の直接配列決定、一本鎖コンホメーション多型解析、ヘテロ二重鎖形成およびジデオキシ・フィンガープリンティングが含まれる(Telentiら, 1993, Lancet 342:841−844;Williamsら, 1994, Antimicrobial Agents Chemotherapy 38:2380−2386;De Beenhouwer, 1995, Tubercle and lung disease 76:425−430)。結核菌単離体におけるリファンピン耐性を検出するか、またはrpoB遺伝子を用いてミコバクテリウム属種を同定するための他のアッセイおよび試薬が先に開示されてきており、例えば米国特許第5,643,723号(Persingら)、第5,851,763号(Heymら)、第6,228,575号(Gingerasら)、および第6,242,584号(Kookら)に開示されてきている。
【0005】
本発明は、臨床試料に存在する可能性がある結核菌中のリファンピン耐性を検出する組成物および単純な診断法を提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の概要
本発明の1つの側面にしたがって、生物学的試料に存在する結核菌のrpoB配列を検出する方法を提供する。該方法は、rpoB DNA配列を含んでなる結核菌由来の核酸を含有する生物学的試料を提供し;少なくとも1つのポリメラーゼ活性、並びに配列番号1〜配列番号3、配列番号8、配列番号10および配列番号11からなる群より選択される配列を有する少なくとも2つのプライマーを含んでなる、in vitro核酸増幅混合物において、結核菌rpoB DNA配列を増幅して、増幅された結核菌核酸を産生し;そして増幅された結核菌核酸と関連する標識を検出することによって、増幅された結核菌核酸を検出する工程を含む。1つの態様において、該方法はまた、結核菌DNA配列に特異的にハイブリダイズする、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチド、および捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする固定核酸を、ハイブリダイズ条件下で、生物学的試料に添加して、結核菌DNA配列、捕捉オリゴヌクレオチドおよび固定核酸を含んでなるハイブリダイゼーション複合体を産生し;そして増幅工程前に、生物学的試料の他の構成要素からハイブリダイゼーション複合体を分離する工程も含む。いくつかの態様において、検出工程は、増幅された結核菌核酸に特異的にハイブリダイズする、少なくとも1つの検出プローブを用いる。1つの態様において、検出工程は、増幅された結核菌核酸に特異的にハイブリダイズする、少なくとも1つの標識検出プローブを用い、一方、別の態様は、増幅された結核菌核酸に特異的にハイブリダイズする、複数の検出プローブを用いる。1つの態様において、増幅工程は、少なくとも第一のプライマーおよび第二のプライマーの組み合わせを用い、ここで第一のプライマーは配列番号2の配列を有し、そして第二のプライマーは配列番号3の配列を有するか;第一のプライマーは配列番号2の配列を有し、そして第二のプライマーは配列番号8の配列を有するか;または第一のプライマーは配列番号10の配列を有し、そして第二のプライマーは配列番号11の配列を有する。
【0007】
本発明の別の側面は、結核菌のrpoB配列を検出するための組成物であって、配列番号1〜配列番号6および配列番号8〜配列番号12からなる群より選択される配列を有する、1以上のオリゴヌクレオチドを含んでなる、前記組成物を提供する。1つの態様において、組成物は、配列番号1〜配列番号3および配列番号8のいずれか1つの配列を含有する、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチド、並びに配列番号4〜配列番号6および配列番号9のいずれか1つの配列を含有する、少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチドを含んでなる。別の態様において、組成物は、配列番号1〜配列番号3および配列番号8のいずれか1つの配列を含有する、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチド、配列番号4の配列を含有する、少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチド、並びに配列番号5、配列番号6および配列番号9のいずれか1つの配列を含有する、少なくとも1つの第三のオリゴヌクレオチドを含んでなる。組成物の1つの態様は、配列番号10および配列番号11のいずれか1つの配列を含有する、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチド、並びに配列番号12の配列を含有する、少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチドを含んでなる。本発明の別の態様は、前述のオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドの組み合わせのいずれかを含有するキットである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
詳細な説明
本発明は、ヒト由来の生物学的試料、好ましくはプロセシングした痰試料に存在する結核菌のrpoB配列を検出する方法を含む。本発明はまた、生物学的試料に存在する結核菌配列に特異的にハイブリダイズし、それによって試料構成要素から標的配列を捕捉する手段を提供する核酸捕捉オリゴマー、rpoB DNA配列の選択した部分を特異的に増幅する核酸増幅オリゴマー(またはプライマー)、およびこうした増幅された配列を検出する核酸プローブオリゴマー(または検出プローブ)を含む組成物も含む。
【0009】
本発明の核酸配列は、生物学的試料に存在する結核菌のrpoB遺伝子を捕捉し、増幅し、そして該遺伝子の突然変異を検出するのに有用である。本発明の方法は、結核菌感染患者の適切な治療を決定するのに有用な情報を臨床医に提供することによって、結核菌の薬剤耐性表現型の診断に重要である。
【0010】
以下の定義は、記載する発明の理解を補助するために提供する。
「生物学的試料」によって、結核菌核酸を含有する可能性がある、生存しているまたは死亡したヒト由来の組織または材料いずれかを意味する。試料には、例えば、痰、呼吸組織または滲出物、末梢血、血漿または血清、子宮頚スワブ試料、生検組織、胃腸組織、尿、糞便、精液または他の体液、組織または材料が含まれる。試料にはまた、細菌培養(液体または固形培地由来)および環境試料も含まれる。生物学的試料を処理して、物理的に組織または細胞構造を破壊し、こうして、酵素、緩衝剤、塩、界面活性剤等を含有可能な溶液中に、細胞内構成要素を遊離させて、解析用の試料を調製するのに用いることが可能である。
【0011】
「核酸」によって、窒素性複素環塩基、または塩基類似体(analog)を有し、主鎖構造を介して共有結合されて、ポリヌクレオチドを形成する、ヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体を含んでなる多量体化合物を意味する。この用語には、慣用的なRNA、DNA、並びにRNAおよびDNAの類似体が含まれる。核酸の主鎖は、既知の多様な連結を含んでなることが可能であり、該連結には、1以上の糖−ホスホジエステル連結、ペプチド核酸結合(「ペプチド核酸」;PCT第WO 95/32305号(Hydig−Hielsenら))、ホスホロチオエート連結、メチルホスホネート連結、または既知の連結の組み合わせが含まれる。核酸の糖部分は、リボースまたはデオキシリボース、あるいは既知の置換、例えば2’メトキシおよび/または2’ハロゲン化物置換を有する類似の化合物であることが可能である。窒素性塩基は、慣用的な塩基(A、G、C、T、U)、既知の塩基類似体(例えばイノシン;The Biochemistry of the Nucleic Acids 5−36, Adamsら監修, 第11版, 1992を参照されたい)、あるいはプリンまたはピリミジン塩基類の既知の誘導体(PCT第WO 93/13121号(Cook))および1以上の残基に関して、主鎖に窒素性塩基が含まれない、「無塩基性(abasic)」残基(米国特許第5,585,481号(Arnoldら))であることが可能である。核酸は、RNAおよびDNAに見られるような慣用的な糖、塩基および連結のみを含んでなることが可能であるし、あるいは慣用的な構成要素および置換両方(例えばメトキシ主鎖を介して連結される慣用的塩基、または慣用的塩基および1以上の類似体を含む核酸)を含むことが可能である。
【0012】
「オリゴヌクレオチド」または「オリゴマー」によって、一般的に1,000残基未満を有する核酸を意味し、約2〜5ヌクレオチド残基の下限および約500〜900ヌクレオチド残基の上限を有するサイズ範囲にある核酸が含まれる。オリゴマーは、約5〜約15残基の下限および約50〜600残基の上限を有するサイズ範囲に;そして好ましくは、約10残基の下限および約100残基の上限を有するサイズ範囲にあることが可能である。オリゴマーは、天然供給源から精製可能であるが、一般的には、公知の方法を用いて、in vitroで合成する。
【0013】
「増幅オリゴヌクレオチド」または「増幅オリゴマー」によって、標的核酸またはその相補体にハイブリダイズし、そしてin vitro核酸増幅反応に関与するオリゴヌクレオチドまたはオリゴマーを意味する。これらは、3’端にヌクレオチド単量体を付加する酵素活性によって、テンプレートからの重合を開始するため、「プライマー」と称することが可能である。増幅オリゴヌクレオチドは、一般的に、標的核酸配列(またはその相補鎖)のある領域に相補的である、少なくとも10〜12の隣接塩基を含有する。隣接塩基は、増幅オリゴヌクレオチドが結合する配列に、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%相補的である。増幅オリゴヌクレオチドは、好ましくは、長さ約10〜約60塩基であり、そして修飾ヌクレオチド、塩基類似体またはさらなる機能配列、例えばRNAポリメラーゼに認識される5’プロモーター配列を含む(こうした増幅オリゴヌクレオチドは「プロモーター・プライマー」と称することが可能である)ことが可能である。
【0014】
当業者は、プライマーとして機能可能なオリゴマーはいずれも、5’プロモーター配列を含み、そしてしたがってプロモーター・プライマーとして機能するよう修飾することが可能であると認識するであろう。同様に、いかなるプロモーター・プライマーも、そのプロモーター配列と独立に、プライマーとして作用することが可能である。
【0015】
「増幅」によって、多コピーの標的核酸配列あるいはその相補体または断片を得るためのin vitro法を意味する。in vitro増幅は、完全標的領域配列またはその相補体より少ない配列を含有することが可能な、増幅された核酸の産生を指す。既知の増幅法には、例えば、転写仲介増幅(TMA)、レプリカーゼ仲介増幅、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、リガーゼ連鎖反応(LCR)増幅および鎖置換増幅(SDA)が含まれる。レプリカーゼ仲介増幅は、自己複製RNA分子、およびQベータ−レプリカーゼなどのレプリカーゼを用いる(米国特許第4,786,600号(Kramerら)および第5,112,734号(Lizardiら))。PCR増幅は、DNAポリメラーゼおよび通常、2以上のプライマーと共に、熱反復を用いて、多コピーの2つの相補DNA鎖を合成する(Mullisら, 1987, Methods in Enzymology 155:335−350;米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、および第4,800,159号(Mullisら))。LCR増幅は、少なくとも4つの別個のオリゴヌクレオチドを用いて、ハイブリダイゼーション、連結、および変性の多数の周期を用いることにより、標的およびその相補鎖を増幅する(EP特許第0320308号(Wangら))。SDAは、標的配列が含まれる半修飾DNA二重鎖の一方の鎖にニックを形成するであろう制限エンドヌクレアーゼの認識部位を含有するプライマーを用い、その後、一連のプライマー伸長および鎖置換工程が続いてDNAを増幅する(米国特許第5,422,252号(Walkerら))。本発明の好ましい態様では、転写仲介増幅(TMA)を用いる。当業者は、プライマー伸長に基づくin vitro増幅法いずれでも、本発明のオリゴヌクレオチド配列を容易に使用可能であることを理解するであろう。
【0016】
「転写仲介増幅」または「転写関連増幅」によって、RNAポリメラーゼを用いて、核酸テンプレートから多数のRNA転写物を産生する、核酸増幅を意味する。TMAは、一般的に、RNAポリメラーゼ活性、DNAポリメラーゼ活性、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸、並びにプロモーター・プライマーおよび第二のプライマーを用い、そして場合によって、1以上のさらなるオリゴヌクレオチド(ときに「ヘルパー」または「置換体(displacer)」オリゴヌクレオチドと呼ばれる)を含むことが可能である。これらの増幅法は、別の箇所に詳細に記載されるように、当該技術分野に公知である(米国特許第5,399,491号および第5,554,516号(Kacianら)、米国特許第5,786,183号(Ryderら)、PCT第WO 93/22461号(Kacianら);米国特許第5,437,990号(Burgら);PCT第WO 88/01302号および第WO 88/10315号(Gingerasら);米国特許第5,130,238号(Malekら);米国特許第4,868,105号および第5,124,246号(Urdeaら);PCT第WO 94/03472号(McDonoughら);およびPCT第WO 95/03430号(Ryderら))。好ましいTMA法が、米国特許第5,399,491号、第5,554,516号および第5,786,183号、およびPCT第WO 93/22461号に開示されている。
【0017】
「プローブ」によって、ハイブリダイゼーションを促進する条件下で、核酸またはその相補体において、好ましくは増幅された核酸において、標的配列に特異的にハイブリダイズし、それによって、標的または増幅された核酸の検出を可能にする、核酸オリゴマーを意味する。検出は、直接(すなわち標的配列または増幅された核酸に直接ハイブリダイズしているプローブから生じる)であっても、または間接的(すなわちプローブを標的配列または増幅された核酸に連結する中間分子構造にハイブリダイズしているプローブから生じる)であってもよい。プローブの「標的」は、一般的に、標準的水素結合形成(すなわち塩基対形成)によって、プローブ配列の少なくとも一部に特異的にハイブリダイズする、より大きい核酸配列中の配列(すなわちサブセット)を指す。「十分に相補的な」配列は、2つの配列が完全に相補的でなくても、標的配列へのプローブオリゴマーの安定なハイブリダイゼーションを可能にする。プローブは、当該技術分野に公知の、使用する検出法にしたがって、標識されていても、標識されていなくてもよい。
【0018】
「十分に相補的な」によって、ハイブリダイゼーション条件下で、一連の相補塩基間の水素結合形成により、別の塩基配列とハイブリダイズする、隣接核酸塩基配列を意味する。配列は、標準的塩基対形成(すなわちG:C、A:TまたはA:U対形成)を用いて、配列中の各位で相補的であることが可能であるし、または標準的水素結合形成によっては相補的でない1以上の残基(無塩基性残基が含まれる)を含有することが可能であるが、この場合、適切なハイブリダイゼーション条件下で、塩基配列全体が別の塩基配列と特異的にハイブリダイズ可能である。隣接塩基は、オリゴマーが特異的にハイブリダイズする配列に、好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%相補的である。適切なハイブリダイゼーション条件は、当業者に公知であり、配列組成および条件に基づいて、容易に予測可能であるか、または日常的な試験を用いることによって、実験的に決定することが可能である(Sambrookら, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press, ニューヨーク州コールドスプリングハーバー, 1989)§§1.90−1.91、7.37−7.57、9.47−9.51および11.47−11.57、特に§§9.50−9.51、11.12−11.13、11.45−11.47および11.55−11.57)。
【0019】
「捕捉オリゴヌクレオチド」または「捕捉オリゴマー」または「捕捉プローブ」によって、塩基対ハイブリダイゼーションに基づいて、標的配列および固定オリゴマーを特異的に連結する手段を提供する、少なくとも1つの核酸オリゴマーを意味する(米国特許第6,110,678号(Weisburgら))。一般的に、捕捉オリゴマーには2つの結合領域:標的特異的結合領域および固定プローブ特異的結合領域が含まれる。
【0020】
「固定プローブ」または「固定オリゴマー」によって、捕捉オリゴマーを固体支持体に直接または間接的に連結する核酸を意味する。固定プローブは、固体支持体に連結されたオリゴヌクレオチドであり、結合した標的配列を他の試料構成要素から分離する手段を提供する。適切な固体支持体には、既知の材料いずれか(例えばニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ポリアクリレート、混合ポリマー、ポリスチレン、シランポリプロピレンおよび金属粒子、好ましくは常磁性粒子)で作成したマトリックスおよび溶液中の粒子が含まれる。好ましい支持体は、固定プローブが直接(例えば直接共有結合、キレート化、またはイオン性相互作用を介して)、または間接的に(例えば1以上のリンカーとのハイブリダイゼーションを介して)安定して連結され、こうして溶液中の別の核酸へのハイブリダイゼーションを可能にする、単分散常磁性球体(すなわち±約5%でサイズが均一)である。
【0021】
「分離」または「精製」によって、生物学的試料の1以上の構成要素を他の試料構成要素から取り除くことを意味する。試料構成要素は、一般的に、核酸および他の成分(例えばタンパク質、炭水化物、脂質および/または核酸)を含む、水性溶液である。分離または精製工程は、少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約90%、そしてより好ましくは少なくとも約95%の他の試料構成要素を取り除く。
【0022】
「標識」によって、検出可能であるか、または検出可能な反応を導くことが可能な分子部分または化合物を意味する。標識は、核酸プローブに、または検出しようとする核酸(例えば増幅された核酸)に直接または間接的に連結する。直接標識は、標識をプローブに連結する結合または相互作用を通じて(例えば共有結合または非共有相互作用を介して)生じることが可能である。間接的標識は、直接または間接的いずれかで標識されている、さらなるオリゴヌクレオチド(類)などの、架橋部分またはリンカーの使用を通じて生じることが可能である。架橋部分を用いて、検出可能シグナルを増幅することが可能である。標識は、既知の検出可能部分いずれか(例えば放射性核種、ビオチンまたはアビジンなどのリガンド、酵素、酵素基質、反応性基、発色団、例えば色素または有色粒子、生物発光、燐光、化学発光および蛍光化合物を含む発光化合物)であることが可能である。好ましくは、標識プローブ上の標識は、均質アッセイ系で検出可能である(すなわち、混合物において、非結合標識プローブに比較して、結合した標識プローブが検出可能な変化を示す)。均質検出アッセイにおいて好ましい化学発光標識およびその使用が詳細に記載されてきている(米国特許第5,283,174号(Arnold Jr.ら)、第5,656,207号(Woodheadら)、第5,658,737号(Nelsonら)、および第5,639,604号(Arnold, Jr.ら))である。こうした標識にはアクリジニウムエステル(「AE」)化合物、例えば標準的AEまたはその誘導体が含まれる。均質検出可能標識は、非ハイブリダイズ標識または標識プローブから、ハイブリダイズした標識を物理的に分離することなく検出可能であるという利点を有する。核酸に標識を付着させ、そして標識を検出する方法は、当該技術分野に公知である(Sambrookら, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press, ニューヨーク州コールドスプリングハーバー, 1989), 第10章;米国特許第5,731,148号(Beckerら)、第5,658,737号(Nelsonら)、第5,656,207号(Woodheadら)、第5,547,842号(Hoganら)、第5,283,174号(Arnold, Jr.ら)、および第4,581,333号(Kourilskyら))。
【0023】
「DNAプローブアレイ」によって、少なくとも2、そして好ましくは10以上の異なる捕捉オリゴヌクレオチドが固定されている、固体支持体を意味する。こうしたDNAプローブアレイの例は、当該技術分野に公知である(Ramsay, 1998, Nature Biotech. 16:40−44;Chengら, 1996, Molec. diagnosis 1(3):183−200;Livacheら, 1994, Nucl. Acids Res. 22(15):2915−2921;Chengら, 1998, Nature Biotech. 16:541−546;米国特許第4,981,783号(Augenlicht)、第5,700,637号(Southern)、第5,445,934号および第5,744,305号(Fodor)、および第5,807,522号(Brown))。
【0024】
「本質的にからなる」によって、本発明の基本的なそして新規の特性を実質的に変化させない、さらなる構成要素(類)、組成物(類)または方法工程(類)が、本発明の組成物、キットまたは方法に含まれていてもよいことを意味する。こうした特性には、生物学的試料において、試料あたり約20〜200コピー以上で、結核菌のrpoB配列を検出する能力が含まれる。本発明の基本的な特性に実質的な影響を有する、いかなる構成要素、組成物または方法工程も、この用語の外に属するであろう。
【0025】
別に定義しない限り、本明細書に用いるすべての科学的および技術的用語は、相当する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同一の意味を有する。一般的な定義は、例えば、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology, 第2版(Singletonら, 1994, John Wiley & Sons, ニューヨーク州ニューヨーク)またはThe Harper Collins Dictionary of Biology(Hale & Marham, 1991, Harper Perennial, ニューヨーク州ニューヨーク)に提供される。別に言及しない限り、本明細書に使用されるかまたは意図される技術は、当該技術分野で公知の標準法である。
【0026】
本発明には、ヒト生物学的試料中の結核菌rpoB核酸を検出するための組成物(核酸捕捉オリゴマー、増幅オリゴマーおよびプローブ)および方法が含まれる。こうした使用に適したDNA配列を選択するため、同一または同様の配列領域をマッチングすることによって、公的にアクセス可能なデータベース(例えばGenBank)から入手可能な、既知の突然変異を含む、異なるミコバクテリウム属単離体由来の既知のrpoB配列を並列させ、そして公知の分子生物学的技術を用いて比較した。アルゴリズムの使用は、配列比較を容易にすることが可能であるが、当業者は、手で、そして視覚的に、容易にこうした比較を行うことが可能である。一般的に、rpoB領域の結核菌核酸配列の捕捉および増幅、並びに増幅された配列の検出に使用するのに適した合成オリゴマーを設計する基礎として、比較配列間で、相対的に少数の変動を含有する配列部分を選択した。オリゴマーを設計する際の他の検討材料には、配列のTmに影響を与える相対的GC含量および配列内の予測される二次構造の相対的欠如が含まれ、これらはすべて当該技術分野に公知であった。これらの解析に基づいて、配列番号1〜配列番号6および配列番号8〜配列番号12の配列を有するオリゴマーを設計し、そして合成した。
【0027】
標的捕捉を含んで、in vitro増幅前に標的核酸の濃度または純度を増加させることが可能である。好ましくは、標的捕捉は、別の箇所に詳細に記載されるように(米国特許第6,110,678号およびPCT第WO 98/50583号(Weisburgら))、標的核酸にハイブリダイズし、そして該核酸を単離する、比較的単純な方法を伴う。簡潔には、結核菌DNAを含有する可能性がある試料を、結核菌DNAに特異的にハイブリダイズする配列を含有する捕捉オリゴマー、および捕捉オリゴマーの別の部分にハイブリダイズ可能な、固体支持体に付着する固定オリゴヌクレオチドと、適切なハイブリダイゼーション条件下で接触させる。結核菌DNAに、そしてその後、固定オリゴヌクレオチドに、捕捉オリゴマーをハイブリダイズさせた後、固体支持体に付着したハイブリダイゼーション複合体を他の試料構成要素から分離する。その後、固体支持体に連結された結核菌標的核酸を洗浄し、そしてin vitro増幅反応において、rpoB配列を増幅する。
【0028】
捕捉オリゴマー配列には、結核菌DNA標的配列に特異的に結合する5’標的結合配列、および固体支持体上の相補固定配列(例えばポリdT)に結合する3’テール配列(例えばポリdA)が含まれる。捕捉オリゴマーは、標準的デオキシリボース−リン酸連結およびO−メトキシ連結を含めて、塩基配列を連結する、いかなる主鎖を用いることも可能である。好ましい捕捉オリゴマーは:GGCCACCATCGAATATCTGGTCCGCTTGCACTTT(A)30(配列番号5)、CATGTCGCGGATGGAGCGGGTGGTC(A)30(配列番号6)、およびCATCGAATATCTGGTCCGCTTGCAC(A)30(配列番号9)の配列を有する。
【0029】
捕捉されたrpoB領域の増幅は、多様な既知の核酸増幅反応を用いて達成可能であるが、好ましくは転写仲介増幅(TMA)を用いる。こうしたin vitro増幅法を用いると、標的核酸の単一コピーから多数の核酸鎖が産生され、したがって、増幅されたrpoB配列を1以上の検出プローブに特異的に結合させることによって、標的の検出が可能になる。TMAは先に詳細に記載されている(米国特許第5,399,491号および第5,554,516号(Kacianら))。簡潔には、この増幅法は、溶液中で、2種類のプライマー(1つはRNAポリメラーゼのプロモーター配列を含有する「プロモーター・プライマー」)、2つの酵素(逆転写酵素およびRNAポリメラーゼ)、基質(デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸)、並びに適切な塩および緩衝剤を使用して、核酸テンプレートから多数のRNA転写物を産生する。まず、プロモーター・プライマーがその標的核酸配列に特異的にハイブリダイズし、そして逆転写酵素がプロモーター・プライマーの3’端からの伸長によって、第一鎖DNAを生成する。cDNAは、相補鎖を分解する酵素活性(例えば逆転写酵素のRNアーゼH活性)によって、または二重鎖の局所もしくは完全変性によって、第二のプライマーとのハイブリダイゼーションに利用可能になる。第二のプライマーがcDNAに結合し、そして逆転写酵素を用いて、第二のプライマーの3’端からDNAの新規鎖が合成されて、一端に機能するプロモーター配列を有する二本鎖DNAが生成される。RNAポリメラーゼが二本鎖プロモーター配列に結合し、そして転写によって、多数の転写物または「単位複製配列(amplicon)」が生じる。単位複製配列は、方法のさらなる工程で用いられ、各々、上述のような複製の新規周期のテンプレートとして働き、こうして、実質的に等温の方法で、多量の増幅された一本鎖核酸を生成する。例えば、単一テンプレートから、約100〜約3,000コピーのRNA転写物が合成される。
【0030】
プライマー配列(例えば配列番号1〜配列番号3および配列番号8、配列番号10および配列番号11)は、rpoB標的配列またはその相補体に特異的に結合するが、こうしたプライマー配列は、標的配列またはその相補体に結合しない配列を含有することが可能である。例えば、プロモーター・プライマー(例えば配列番号2、配列番号10)は、配列の5’部分として、T7 RNAポリメラーゼ・プロモーター配列(配列番号7)を含むことが可能である。
【0031】
本発明の態様を、以下の実施例に記載する。簡潔には、方法は、標的結核菌rpoB遺伝子を含有する可能性がある生物学的試料を提供し、rpoB配列を含有するDNAを標的捕捉し、in vitroで核酸を増幅し、そして増幅された核酸産物を検出して、増幅された核酸中にrpoB突然変異が存在するかどうかを決定する工程を含む。rpoB突然変異が検出されたら、これはアッセイした試料がRIF耐性結核菌を含有したことを示す。転写仲介増幅(TMA)を用いる好ましい態様において、増幅混合物には、捕捉された標的DNA、標的特異的配列およびT7プロモーター配列を含む少なくとも1つのT7プロモーター・プライマー、T7プロモーター・プライマーを用いて標的から作成された第一鎖cDNAに特異的にハイブリダイズする少なくとも1つの第二のプライマー、並びに逆転写酵素およびT7 RNAポリメラーゼによる酵素重合の基質および補助因子が含まれる。捕捉された標的は、TMA反応に使用するために固体支持体から分離する必要はない。機能するT7プロモーター配列をT7 RNAポリメラーゼと組み合わせると、多数の転写物が生じ、1以上の相補プローブ配列に、増幅された産物またはその一部を特異的にハイブリダイズさせることを含む、多様な既知の方法のいずれかを用いて、この転写物を検出することが可能である。いくつかの態様において、標識プローブを用いて増幅された産物を検出し、一方、他の態様においては、増幅された産物を標識し、そして固定プローブに、好ましくは多くのプローブのアレイにハイブリダイズさせる。プローブおよび増幅された産物のハイブリダイゼーション複合体を検出する。異なるプローブのアレイを用いる場合、アレイ上のハイブリダイゼーションパターンは、増幅されたrpoB遺伝子の配列を示し、これは、結核菌のrpoB突然変異がアッセイした試料に存在するかどうかに関する情報を提供する。
【0032】
試料調製。試料(例えば0.5mlの痰沈降物または細菌培養)を、等体積の2x溶解緩衝液(例えば20mM HEPES、0.5%(w/v)ラウリル硫酸リチウム(LLS)、pH8)と混合した。細菌から核酸を遊離させるため、ガラスビーズの存在下で混合物を15分間ボルテックスするか、または超音波処理し、そしてその後、混合物を95℃で15分間加熱した。陽性対照反応では、痰沈降物または細菌培養の代わりに、既知の量の結核菌ゲノムDNA(gDNA)を含有する等体積の水または緩衝液を用いた。先に詳細に記載されている標準法の組み合わせを用いて、gDNAを調製した。簡潔には、ブロス中で後期対数期まで細胞を増殖させ、そして1mg/mlアンピシリンおよび0.1mg/ml D−シクロセリンで18時間処理した(Crawfordら, 1979, Infect. Immun. 24:979−81)。その後、細胞を収集し、そしてSDSで溶解し、そしてプロテイナーゼKで処理して水性溶液中にDNAを遊離させ、これを過塩素酸ナトリウムおよびフェノール/クロロホルム混合物で2回抽出し、そして約2体積のエタノールを添加した後、溶液からDNAを巻き取った(Maniatisら, Molecular Cloning, A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, ニューヨーク州コールドスプリングハーバー, 1982), pp.280−81および458−59;並びにMarmur, 1961, J. Mol. Biol. 3:209−18)。
【0033】
標的捕捉。一般的に、標的捕捉工程には、試料から調製した溶解物を用いた(米国特許第6,110,678号(Weisburgら))。標的結核菌DNAを捕捉するため、混合物は、250μlの調製した試料溶解物、3pmolの配列番号5および3pmolの配列番号6または3pmolの配列番号9を含有する250μlの標的捕捉溶液、並びに固定ポリdT14オリゴマーが付着した40μgの常磁性粒子(0.7〜1.05μ、Seradyn、インディアナ州インディアナポリス)を含んだ(Lundら, 1988, Nuc. Acids Res. 16:10861−10880)。標的捕捉混合物を60℃で約20分間加熱し、そしてその後、室温に冷却した。磁場を5分間適用し、反応容器上のある部位に、標的DNAを含有する付着した複合体と共に、磁気粒子を誘引した(実質的に米国特許第4,895,650号(Wang)に記載されるとおり)。洗浄緩衝液(10mM HEPES、6.5mM NaOH、1mM EDTA、150mM NaCl、0.1%(w/v)ラウリル硫酸ナトリウム)1mlに、ハイブリダイゼーション複合体が付着した粒子を再懸濁し、そしてその後、磁気分離工程を反復することによって、粒子を洗浄緩衝液で2回洗浄した。
【0034】
増幅。転写仲介増幅は、実質的に先に記載されるように行った(米国特許第5,399,491号および第5,554,516号(Kacianら))。標的捕捉工程由来の洗浄粒子を75μlの増幅試薬溶液(0.08mM rUTP、1.3mM rATP、4mM rCTP、6mM rGTP、各1.3mM dNTP、66mM Tris、17.3mM MgCl2)に懸濁した。rUTPが比較的低濃度であることが、rpoB標的DNAの効率よい増幅には重要である。増幅反応には、少なくとも2つの増幅オリゴマー、すなわち少なくとも1つのプロモーター・プライマーおよび第二のプライマーを、通常、最終濃度0.08μMで含んだ(増幅オリゴマーはまた、ヘルパーまたは置換体オリゴマーを含むことも可能であり、そして他の増幅試薬を混合物に添加する前に、標的にハイブリダイズさせることが可能である)。反応混合物を不活性油の層(200μl)で覆い、蒸発を防止し、そして42℃で5分間インキュベーションした。その後、25μlの酵素試薬(50mM HEPES、1mM EDTA、10%(v/v)t−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(TRITONTMX−100)、120mM KCl、20%(v/v)グリセロールを含有する緩衝液中、反応あたり約1750UのMMLV逆転写酵素および400UのT7 RNAポリメラーゼ)を添加した(1単位のMMLV逆転写酵素は、200〜400μMオリゴ(dT)でプライミングされるポリAテンプレートを用いて、37℃で10分間に1nmolのdTTPを取り込み;そして1単位のT7 RNAポリメラーゼは、T7プロモーター配列を含有するDNAテンプレートを用いて、37℃で1時間に1nmolのATPをRNAに取り込む)。穏やかに混合した後、反応を42℃で1時間インキュベーションした。陰性対照は、すべて同一の試薬からなったが、試料の代わりに、標的核酸をまったく含有しない、等体積の水または緩衝液を用いた。
【0035】
検出。いくつかの場合、増幅された結核菌配列は、発光測定装置(例えばLEADERTM発光測定装置、Gen−Probe Incorporated、カリフォルニア州サンディエゴ)中で化学発光によって検出する、アクリジニウムエステル(AE)標識プローブ(例えば5’−GTTGTTCTGGTCCATGAA(配列番号4))を用いて検出し、そして実質的に先に記載されるように(米国特許第5,658,737号(Nelsonら)第25欄第27−46行;Nelsonら, 1996, Biochem. 35:8429−8438、8432ページ)、相対光単位(RLU)でシグナルを表す。一般的に、反復アッセイで検出されたRLUの平均を報告する。好ましい態様において、標識検出プローブは、2’−O−メトキシ主鎖に連結される配列番号4の塩基配列を有する。
【0036】
他の場合、先に詳細に記載されるように(Troeschら, 1999, J. Clin. Microbiol. 37:49−55)、結核菌rpoB配列の検出に特異的なDNAプローブの固定アレイ上で、増幅された配列を検出した。増幅反応で生成された単位複製配列を蛍光標識で標識し、その後、実質的に別の箇所に詳細に記載されるような方法を用いて、アレイにハイブリダイズさせた(PCT第WO 99/65926号および第WO 01/44507号(Laayounら))。簡潔には、50μlの単位複製配列を、30mM MnCl2、30mMイミダゾール、2mMの5−(ブロモメチル)フルオレセインおよび水(最終体積150μl)と混合した。65℃で30分間インキュベーションした後、カラムクロマトグラフィーによって(例えば、製造者の指示にしたがって、6S QIAVAC(登録商標)カラム、Qiagen GmbHを使用して)、遊離標識を除去した。
【0037】
プローブアレイのハイブリダイゼーションは、実質的に先に記載されるように(Troeschら, 1999, J. Clin. Microbiol. 37:49−55)、GENECHIPTM液体ステーション(Affimetrix、カリフォルニア州サンタクララ)を用いて行った。別の箇所に記載されるように(PCT第WO 01/44506(Laayounら))、さらなる工程、抗体染色によって、シグナル増幅が可能になる。簡潔には、Troeschらのプロトコルを用いて、DNACHIPTM上でハイブリダイゼーションを行った後、DNACHIPTMを洗い流し(flush)、そして300μlの2M MES、2.4μlのウシ血清アルブミン(BSA)、6μlの正常ヤギIgG、1.2μlの抗フルオレセイン抗体、および水(最終体積600μl)を含有する染色溶液を用いて、染色の第二の工程を行った。抗フルオレセイン、ウサギIgG分画、ビオチン−XXコンジュゲートは、Molecular Probes(オレゴン州ユージーン)に供給され;アセチル化BSA溶液は、GibcoBRL Life Technologies(メリーランド州ロックビル)に供給され;そしてヤギIgG(試薬等級)は、Sigma Chemical(ミズーリ州セントルイス)に供給された。10分間のハイブリダイゼーション後、チップを洗い流し、6xSSPE、0.01%ポリオキシエチレンソルビタン(TWEENTM20)を含有する洗浄緩衝液で洗浄し、そして300μlの2M MES、6μlのBSAおよび6μlのストレプトアビジン、R−フィコエリトリン・コンジュゲート、並びに水(最終体積600μl)の第二の染色溶液を用いて、第三のハイブリダイゼーション工程を行った。ストレプトアビジンおよびR−フィコエリトリン・コンジュゲートはMolecular Probes(オレゴン州ユージーン)に供給された。10分間のハイブリダイゼーション後、チップを洗い流し、そして上述の洗浄緩衝液を用いて洗浄した。GENECHIPTM計測系(Affymetrix、カリフォルニア州サンタクララ)上で、ハイブリダイゼーションアレイ上の蛍光シグナル(相対蛍光単位またはRFUとして表す)の強度およびパターンを検出する解析を行った。この系は、GENECHIPTM液体ステーション、GENEARRAYTMスキャナー(Hewlett−Packard、カリフォルニア州パロアルト)およびGENECHIPTM解析ソフトウェア、すなわち、ヌクレオチド・ベースコーリングを決定し、そして増幅された核酸に存在する核酸配列を決定するアルゴリズムを含んでなる。この系は、チップに適用された、増幅された核酸配列に存在するrpoB突然変異のレポートを生成する。
【0038】
以下の実施例は、本発明の態様を示す。
【実施例1】
【0039】
実施例1: 結核菌特異的オリゴヌクレオチドを用いた転写仲介増幅の感度
本実施例は、TMA反応で用いた際の、本発明の増幅オリゴヌクレオチドの感度を示す。結核菌を特異的に増幅し、そして他のミコバクテリウム属種を増幅しないように、プライマーを設計した。上述の標的捕捉および増幅法を用い、以下の組み合わせの増幅オリゴヌクレオチドを用いて、転写仲介増幅の効率を試験した:ヘルパーオリゴマーとして配列番号1(GACCACCCAGGACGTG)、プロモーター・プライマーとして配列番号2(AATTTAATACGACTCACTATAGGGAGACGATCACACCGCAGACGTTG)、およびプライマーとして配列番号3(GCTCGCGCTCACGTG)。このアッセイの標的配列は、結核菌の溶解細菌培養から抽出し、そしてin vitro増幅反応あたり、20、200または103コピーで提供した、精製gDNAであった。陰性対照として、陽性試料でのようにプロセシングした別個の増幅反応において、結核菌DNAをまったく含有しない等体積の水をgDNA試料の代わりに用いた。増幅は、実質的に別の箇所に詳細に記載されるように行った均質検出アッセイ(米国特許第5,283,174号(Arnold Jr.ら)、第5,658,737号(Nelsonら)および第5,639,604号(Arnold Jr.ら))を用いて、検出された化学発光(RLU)に基づいて評価した。配列番号4(GTTGTTCTGGTCCATGAA)のAE標識検出プローブを同一配列の非標識プローブと混合し(標識プローブ/非標識プローブの比は1/5000であった)、LEADERTM発光測定装置(Gen−Probe Incorporated、カリフォルニア州サンディエゴ)によって検出可能な直線範囲内のシグナルを提供した。2x104以上のRLUシグナルを陽性とみなした。RLU結果(各アッセイ条件に関して10アッセイの平均)を表1に示す。
【0040】
表1に示す結果は、増幅反応がgDNA20コピー程度に少なくても感受性であり、通常は少なくとも1000細菌を含有する臨床塗沫陽性標本の望ましい感度より感度が高いレベルであったことを立証する。
【0041】
表1
【0042】
【表1】
Figure 2005503165
【0043】
他の実験において、同様に、しかしヘルパーオリゴマーとして配列番号1、プロモーター・プライマーとして配列番号2、およびプライマーとして配列番号8(CGGCACGCTCACGTG)の増幅オリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、rpoB領域を増幅した。これらの実験におけるアッセイ感度は、AE標識プローブとのハイブリダイゼーションによって検出すると、反応あたり、少なくとも標的約200コピーであった。これらの実験では、反応あたり800、500および200コピーで標的を提供した(各条件に関して5反応)。すべての反応は、反応中に結核菌DNAがない陰性対照(2反応に関して、1.93x103平均RLUを生じた)に比較して、陽性結果(7.88x105〜2.66x106平均RLU)を生じた。
【実施例2】
【0044】
実施例2: 増幅の特異性
本実施例は、実質的に実施例1および上記に記載するような増幅オリゴマーおよび方法を用いて行うTMA反応を用いて立証されるような、本発明の増幅オリゴマーの特異性を示す。このアッセイの標的配列は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(「ATCC」、バージニア州マナサス)またはDeutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbHカルチャー・コレクション(「DSM」、ドイツ・ブラウンシュワイク)から得て、そして標準的微生物学的方法を用いてin vitroで増殖させた細菌から抽出した、精製ミコバクテリウムgDNAであった。試験した種には:結核菌(ATCC寄託番号27294)、M.カンサシ(M. kansasii)(DSM寄託番号43224)、鳥型結核菌(M. avium)(ATCC寄託番号25291)、およびM.ゴルドネ(M. gordonae)(ATCC寄託番号14470)が含まれた。増幅反応において、アッセイあたり200、103、104、105、および106コピーの標的DNAを提供した。陰性対照反応は、ミコバクテリウムDNAをまったく含有しなかった(すなわち試料体積の代わりに等体積の水を用いた)。
【0045】
増幅された核酸を検出するため、未希釈の標識プローブを用いたことを除いて、実施例1に記載するように、標識プローブを用いた均質検出アッセイを用いた。これらのアッセイから得た平均RLU結果(種DNAあたり4アッセイ)を表2に示す。これらに関しては、5x104RLU以上のシグナルを陽性とみなした。
【0046】
表2
【0047】
【表2】
Figure 2005503165
【0048】
表2の結果によって示されるように、該アッセイは、反応において200コピーの結核菌DNAを増幅し、そして検出した。アッセイした他のミコバクテリウム属種のすべてに関しては、はるかにより多くの標的DNA(反応あたり103〜105コピー)を用いた場合でさえ、結果は陰性であった。したがって、これらの増幅オリゴマーおよびプローブを用いた際の結核菌に対する特異性は、より多くのDNAを提供した場合でさえ、他のミコバクテリウム属種に関して、最小限の検出可能シグナルしか得られないことによって立証された。
【0049】
直前に記載するのと同一の増幅法を用いて、DNAプローブアレイ上でも単位複製配列を検出した。実質的に先に記載されるような方法(PCT第WO 01/44507号(Laayounら))を用いて、単位複製配列を化学的に断片化し、そして蛍光的に標識した。上述のように、結核菌配列を検出するため、GENECHIPTM系を用いて、DNAプローブアレイ上で標識断片を検出した。
【0050】
試験した各種に関して、表3に示す結果は、結核菌の診断に用いる、あらかじめ決定した配列を同定するのに用いた、正しいベースコーリングの割合を示す。すなわち、表3に列挙されるミコバクテリウム属種の各々由来の試料DNAから得た単位複製配列に関して、結核菌特異的DNAプローブチップ上の正しいベースコーリングの相対量と、検出されたシグナルの平均シグナル強度(平均相対蛍光単位またはRFU)を示す。85%を超えるベースコーリング結果を、結核菌配列の陽性同定とみなす。
【0051】
このプローブアレイ検出系で得た結果によって、上で論じた均質検出アッセイで得た標識プローブ検出結果が確認され、そして増幅が結核菌に特異的であることがさらに確認された。
【0052】
表3
【0053】
【表3】
Figure 2005503165
【実施例3】
【0054】
実施例3: 突然変異体クローンの検出
本実施例は、標的捕捉、増幅および検出後のrpoB配列の検出を示す。均質検出アッセイにおいて標識プローブ結合を用いることによって、そして実質的に実施例2に記載するように、DNAプローブアレイに標識単位複製配列を結合させることによって、検出を行った。検出のため、各クローンに関する同一増幅反応を2つの部分に分けた。
【0055】
Troeschら(J. Clin. Microbiol., 1999, 37:49−55)に記載される方法を用いて、PCRによって増幅され、そしてプラスミドベクター(pGEMTM−T EASY、Promega、ウィスコンシン州マディソン)に連結された、約700bpの断片に含有される、クローニングされたrpoB配列から、検出しようとする細菌rpoBクローンを生成した。DNA配列決定によって、挿入配列を性質決定した。既知の突然変異を含有するこれらのクローンを、次に、上述の方法を用いた標的捕捉、増幅および検出のための結核菌標的配列として利用した。
【0056】
表4に示した結果では、クローニングしたrpoB配列中で検出される突然変異は、Troeschら(J. Clin. Microbiol., 1999, 37:49−55)に記載されるように、アミノ酸置換(1文字暗号)およびコドンの位置によって特定される。例えば、「Q513L」は、突然変異が、最初のコドンから513の位に影響を与え、この位は野生型株ではグルタミン(Q)を有するが、この突然変異体ではロイシン(L)置換を有することを意味する。表4の第1列は、クローニングされた挿入物の独立した配列決定に基づく、予期される配列を示し、そして第2列は、DNAプローブアレイへの単位複製配列のハイブリダイゼーションによって決定された結果を示す。各クローンのプローブアレイに関して観察された、ベースコーリングの割合(BC%)およびシグナル強度(RFU)を、それぞれ第3列および第4列に示す。表4の最終列は、上述のように、AE標識プローブへのハイブリダイゼーションによって決定され、そして相対光単位(RLU)として検出されるような、1つのアッセイにおいて各クローンに関して得られる結核菌単位複製配列の相対量を示す。表4の結果は、増幅および検出法の結果、結核菌突然変異体のrpoB配列で生じる、異なる変動が、正しく同定されることを示す。
【0057】
表4
【0058】
【表4】
Figure 2005503165
【実施例4】
【0059】
実施例4: 臨床標本における結核菌の検出
本実施例は、野生型結核菌を含有する臨床試料のTMA増幅および増幅されたRNAの検出に用いた際の、本発明のプライマーの感度を示す。実質的に実施例1に記載されるように、増幅を行った。均質検出アッセイにおいて、固定プローブのアレイを有する固体支持体(GENECHIPTM)上で、そして標識プローブを用いることによって、実質的に実施例2に記載するように、単位複製配列を検出した。
【0060】
試料を消化し、そして汚染除去した後、痰(すなわち臨床標本)から結核菌(野生型)の陽性沈降物を得た。ミコバクテリウム培養のため受け取った標本は大部分、多様な量の有機破片および多様な汚染、正常、または一過性細菌フロラを含有する。化学的汚染除去法は、汚染菌を殺し、一方、ミコバクテリウムの回復を可能にする。用いた消化および汚染除去法は、標準的N−アセチル−L−システイン−2%水酸化ナトリウム(NALC−NaOH)法であった(Kentら, 1985, Public health mycobacteriology:a guide for level III laboratory. 米国保険社会福祉省、疾病対策予防センター、ジョージア州アトランタ)。NALCは、粘液溶解(mucolytic)剤として作用して、標本の液化を確実にし、そして水酸化ナトリウムは汚染除去剤である。ミコバクテリウム培養の通常の臨床的分類に基づいて、塗沫強度を決定し、ここで「1+」は低陽性を意味し、そして「4+」は高陽性を意味する。
【0061】
12標本に関して得た結果を表5に要約する。結果は、標識プローブを用いた均質検出アッセイで得たプローブ検出結果(単一アッセイRLU結果、第3列)およびDNAプローブアレイへのハイブリダイゼーション後に得た結果(第4列、BC%、および第5列、シグナル強度)と比較した、各標本の塗沫強度(第2列)を示す。
【0062】
表5
【0063】
【表5】
Figure 2005503165
【0064】
表5に示す結果は、臨床標本を用いた増幅の効率を立証する。試験したすべての沈降物に関して、標識プローブ検出結果(RLU)は、陰性対照(未提示)に比較して、すべて陽性であり、そしてDNAプローブアレイ検出結果は、同様に陽性であった。プローブアレイ解析において、試験した沈降物はすべて、野生型結核菌として検出された。
【実施例5】
【0065】
実施例5: PCR増幅および単位複製配列の検出
本実施例は、別の増幅法、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で用いた際の、本発明のプライマーの感度を示す。固定プローブのアレイを有する固体支持体(すなわちGENECHIPTM)上で、増幅後に得たDNAを検出した。標的調製のため、標準的微生物学的方法を用いて、野生型結核菌(ATCC寄託番号27177)をin vitroで増殖させた。水中で細菌ストック懸濁物を作成し、そしてmlあたり約6x108細菌の濃度に調整した。水中の連続希釈を作成して、μlあたり104細菌(μlあたり104コピーの細菌DNAと同等)の濃度を産生し、これをその後、95℃で15分間加熱することによって不活性化した。
【0066】
サーマス・アクアティクス(Thermus aquaticus)から単離した熱安定性DNAポリメラーゼ(FAST STARTTM Taq DNAポリメラーゼ、Roche Molecular Biochemicals)を用いて、プラスチック試験管中で、PCR増幅を行った。簡潔には、増幅混合物(最終体積50μl)は、5μlの10x amp緩衝液、0.4μlのdNTP混合物(各25mMのATP、CTP、UTPおよびGTP)、各1.5μlの配列番号2および配列番号3のプライマー(10μM)、0.4μlのDNAポリメラーゼ(2U)、5μlの標的(または陰性対照では水)を含有した。自動化サーマルサイクラー(PERKIN−ELMER 9600TM)を用いて、熱サイクリングを行い、これは、最初に95℃4分間の変性工程、次に、各々、95℃30秒間、50℃30秒間および72℃45秒間からなる35周期、そして72℃7分間の最終周期であった。
【0067】
PCR増幅後、アガロースゲル電気泳動およびエチジウムブロミドでの染色によって増幅産物を解析して、増幅されたDNAの168ntバンドの存在または欠如を検出した。陰性対照(すなわち標的DNAなし)では、ゲル上に見えるバンドはなかった。反応に104コピー以上の標的を用いた際、DNAバンドが見られた。
【0068】
次に、実質的に先に記載されるように(Troeschら, 1999, J. Clin. Microbiol. 37(1):49−55)、DNAプローブアレイ(GENECHIPTM)上で増幅産物を検出した。プロモーターでタグ付けしたPCR単位複製配列を用いて、各々、およそ50ngのPCR産物、20UのT7 RNAポリメラーゼ(Promega)、40mM Tris酢酸(pH8.1)、100mM Mg(アセテート)2、10mMジチオスレイトール、各1.25mMのATP、CTP、UTPおよびGTPを含有し、そして37℃で1時間インキュベーションする、in vitro転写反応(20μl)によって、一本鎖RNA標的を生成した。
【0069】
実質的に記載されるように(PCT第WO 01/44507号)、RNAを蛍光標識し、そして標識RNAをプローブアレイにハイブリダイズさせ、そして解析した(Troeschら、上記)。ハイブリダイゼーションには、5μl標識RNAを700μlのハイブリダイゼーション緩衝液(0.90M NaCl、60mM NaH2PO4、6mM EDTA、pH7.4、および0.05%(v/v)TRITON(登録商標)X−100)で希釈し、プローブアレイに適用し、そして45℃で30分間インキュベーションした。その後、3xSSPE(0.45M NaCl、30mM NaH2PO4、3mM EDTA、pH7.4)および0.005%(v/v)TRITON(登録商標)X−100で、プローブアレイを30℃で2回洗浄し、そしてアレイに結合した蛍光シグナルを検出した。システムアルゴリズム(GENECHIPTMソフトウェア、Affymetrix)を用いることによって、検出されるシグナル強度(平均、中央値および最大RFU)、ヌクレオチド・ベースコーリング%および配列決定を生成した。実験に由来する配列およびアレイ上に存在する参照配列間の相同性パーセントによって、候補選択指数を決定した。この実験から得た結果は、標的104コピーでは、91.9%のベースコーリング、および101RFUのバックグラウンドシグナルに比較される1312RFUのシグナル強度に基づいて、プローブアレイ上で決定される配列が野生型結核菌のものであることを示した。
【実施例6】
【0070】
実施例6: rpoB(+)鎖標的の増幅
本実施例は、該アッセイがrpoB領域から作成した単位複製配列を増幅し、そして検出することが可能であるが、実施例1に記載した(−)DNA鎖増幅と対照的に、(+)DNA鎖から単位複製配列が作成されることを示す。実施例1におけるのと実質的に同一の増幅条件を用いて、(+)鎖増幅反応で用いた増幅オリゴヌクレオチドは:プロモーター・プライマーとして配列番号10(AATTTAATACGACTCACTATAGGGAGAACGCTCACGTGACAGAC)、およびプライマーとして配列番号11(GGTCGCCGCGATCAAG)であった。このアッセイの標的配列は、結核菌の溶解細菌培養から抽出し、そして増幅反応あたり5x103コピーで提供する精製gDNA、またはブロス培養で増殖させ、増幅反応あたり約5x103コピーで提供する超音波処理結核菌細胞の未精製溶解物であった。陰性対照として、陽性試料でのようにプロセシングした別個の増幅反応において、結核菌DNAをまったく含有しない等体積の水をDNA含有試料の代わりに用いた。実質的に上述のように行うが、配列番号12(CATGAATTGGCTCAGCTG)のAE標識検出プローブを用いる、均質検出アッセイ後に検出された化学発光(RLU)に基づいて、増幅を評価した。精製gDNAおよび未精製溶解試料両方に関して、陽性シグナルを検出した。精製gDNA標的を用いた2回の反復アッセイでは、検出された平均シグナルは5.66x106RLUであり、そして未精製溶解物DNA標的を用いた5回の反復アッセイでは、検出された平均シグナルは5.25x106RLUであった。陰性対照(2回の反復アッセイ)は6.15x102RLUを生じた。これらの結果は、アッセイが、増幅される結核菌DNAの鎖と独立にrpoB配列を特異的に検出可能であることを示す。

Claims (11)

  1. 生物学的試料に存在する結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のrpoB配列を検出する方法であって:
    rpoB DNA配列を含んでなる結核菌由来の核酸を含有する生物学的試料を提供し;
    少なくとも1つのポリメラーゼ活性、並びに配列番号1〜配列番号3、配列番号8、配列番号10および配列番号11からなる群より選択される配列を有する少なくとも2つのプライマーを含んでなる、in vitro核酸増幅混合物において、結核菌rpoB DNA配列を増幅して、増幅された結核菌核酸を産生し;そして
    増幅された結核菌核酸と関連する標識を検出することによって、増幅された結核菌核酸を検出する
    工程を含んでなる、前記方法。
  2. 結核菌DNA配列に特異的にハイブリダイズする、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチド、および捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする固定核酸を、ハイブリダイズ条件下で、生物学的試料に添加して、結核菌DNA配列、捕捉オリゴヌクレオチドおよび固定核酸を含んでなるハイブリダイゼーション複合体を産生し;そして
    増幅工程前に、生物学的試料の他の構成要素からハイブリダイゼーション複合体を分離する
    工程をさらに含んでなる、請求項1の方法。
  3. 検出工程が、増幅された結核菌核酸に特異的にハイブリダイズする、少なくとも1つの検出プローブを用いる、請求項1または請求項2の方法。
  4. 検出工程が、増幅された結核菌核酸に特異的にハイブリダイズする、少なくとも1つの標識検出プローブを用いる、請求項3の方法。
  5. 検出工程が、増幅された結核菌核酸に特異的にハイブリダイズする、複数の検出プローブを用いる、請求項3の方法。
  6. 増幅工程が、少なくとも第一のプライマーおよび第二のプライマーの組み合わせを用いる、請求項1の方法であって
    第一のプライマーが配列番号2の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号3の配列を有するか;
    第一のプライマーが配列番号2の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号8の配列を有するか;または
    第一のプライマーが配列番号10の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号11の配列を有する
    前記方法。
  7. 結核菌のrpoB配列を検出するための組成物であって、配列番号1〜配列番号6および配列番号8〜配列番号12からなる群より選択される配列を有する、1以上のオリゴヌクレオチドを含んでなる、前記組成物。
  8. 組成物が:
    配列番号1〜配列番号3および配列番号8のいずれか1つの配列を含有する、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチド、並びに
    配列番号4〜配列番号6および配列番号9のいずれか1つの配列を含有する、少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチド
    を含んでなる、請求項7の組成物。
  9. 組成物が:
    配列番号1〜配列番号3および配列番号8のいずれか1つの配列を含有する、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチド、
    配列番号4の配列を含有する、少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチド、並びに
    配列番号5、配列番号6および配列番号9のいずれか1つの配列を含有する、少なくとも1つの第三のオリゴヌクレオチド
    を含んでなる、請求項7の組成物。
  10. 組成物が:
    配列番号10および配列番号11のいずれか1つの配列を含有する、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチド、並びに
    配列番号12の配列を含有する、少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチド
    を含んでなる、請求項7の組成物。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドのいずれかを含有するキット。
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