JP4744053B2 - マイコバクテリウム属(Mycobacterium)種の核酸増幅および検出 - Google Patents

マイコバクテリウム属(Mycobacterium)種の核酸増幅および検出 Download PDF

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は、病原性細菌のin vitro診断検出に関し、そして具体的には、in vitro核酸増幅および増幅された産物の検出を用いることによって、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)の多くの種を検出するための組成物およびアッセイに関する。
発明の背景
臨床種におけるマイコバクテリウム属種の検出は、臨床診断ツールとして重要である。歴史的には、ヒト型結核菌(M. tuberculosis)は、この属の唯一の臨床的に重要な病原体であると考えられていた。ヒト型結核菌の薬剤耐性株の発生が増加して、この種を検出する必要性がさらにきわだってきている。しかし、他のマイコバクテリウム属種もまた、臨床的に重要である。これらはときに、ヒト型結核菌以外のマイコバクテリウム属を表す、「MOTT」と称され、通常、臨床標本中の鳥型結核菌(M. avium)/イントラセルラレ(intracellulare)複合体生物(鳥型結核菌、M・イントラセルラレ、パラ結核菌(M. paratuberculosis)、通常、MAICと称される)、M・ゴルドネ(M. gordonae)、M・フォルツイツム(M. fortuitum)、M・ケロネ(M. chelonae)、M・ムコジェニクム(M. mucogenicum)およびマイコバクテリウム属種の混合物が含まれる。例えば、AIDSおよび他の免疫無防備状態個体において、鳥型結核菌複合体(MAC)細菌による迅速増殖日和見感染が頻繁に起こることが示されている。こうした感染した個体において、少なくとも106 MAC細胞/mlの痰沈降物が見出されている。したがって、マイコバクテリウム属の多くの種を検出し、そして最適にはこれらを区別することが可能な検出アッセイが、臨床的に重要である。
【0002】
試料中のマイコバクテリウム属種を検出しそして同定するための多くの臨床的方法は、細菌の物理的特性(例えば酸迅速染色および桿菌の顕微鏡的検出)、生理学的特性(例えば定義された培地上の増殖)または生化学的特性(例えば膜脂質組成)の解析を必要とする。これらの方法は、試料中に比較的高濃度の細菌が存在することが必要であり、臨床技術者の経験および専門技術に応じて主観的である可能性があり、そして時間がかかる。マイコバクテリウム属種は、しばしば、in vitroで増殖させるのが困難であり、そして培養中で有用な密度に到達するのに数週間かかる可能性があるため、これらの方法はまた、患者治療の遅延および診断が完了するまで感染個体を隔離するのに関連する費用も生じる可能性がある。
【0003】
より最近、アッセイの感受性および相対速度のため、試料中の細菌由来の核酸の存在を検出するアッセイが好まれている。特に、臨床試料に存在する核酸のin vitro核酸増幅を用いるアッセイは、検出の感受性の増加および特異性を提供することが可能である。しかし、こうしたアッセイは、増幅されるおよび/または検出される配列に応じ、1つまたはいくつかのマイコバクテリウム属種を検出するよう限定される可能性がある。
【0004】
マイコバクテリウム属核酸配列を検出するためのアッセイおよび試薬は、例えば、米国特許第5,554,516号、第5,766,849号、第5,795752号、第5,906,917号、第5,908,744号;欧州特許第EP 0528306号および第EP 0818465号;および公告PCT特許出願WO 9636733およびWO 9723618に、先に開示されている。
【0005】
本発明は、臨床試料に存在する可能性がある広い範囲のマイコバクテリウム属種を検出する、組成物および比較的単純な診断法を提供する。
発明の概要
本発明の1つの側面にしたがい、生物学的試料に存在するマイコバクテリウム属種を検出する方法が提供される。該方法は、マイコバクテリウム属16SリボソームRNA(rRNA)またはマイコバクテリウム属16SリボソームrRNAをコードするDNAを含む、少なくとも1つのマイコバクテリウム属種由来の核酸を含む生物学的試料を提供し;少なくとも1つのポリメラーゼ活性、並びに配列番号1から配列番号34、配列番号37および配列番号38からなる群より選択される配列を有する、少なくとも2つのプライマーを含む、in vitro核酸増幅混合物中で、マイコバクテリウム属16S rRNAまたはDNAを増幅して、増幅されたマイコバクテリウム属核酸を産生し;そして増幅されたマイコバクテリウム属核酸と関連する標識を検出することによって、増幅されたマイコバクテリウム属核酸を検出する工程を含む。1つの態様において、該方法はまた、増幅工程前に、ハイブリダイゼーション条件下で、マイコバクテリウム属16S rRNAに特異的にハイブリダイズする少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチド、および捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする固定化核酸を、生物学的試料に添加して、ハイブリダイゼーション複合体を産生し;そして生物学的試料の他の構成要素から、ハイブリダイゼーション複合体を分離する工程をさらに含む。好ましい態様において、増幅工程は、ヒト型結核菌またはヒト型結核菌以外のマイコバクテリウム属(MOTT)種の16S rRNAまたはDNAを増幅する。他の好ましい態様において、増幅工程は、カメ結核菌(M. abscessus)、アフリカ菌(M. africanum)、M・アシアティクム(M. asiaticum)、鳥型結核菌、ウシ型結核菌(M. bovis)、M・セラツム(M. celatum)、M・ケロネ、M・フラベセンス(M. flavescens)、M・フォルツイツム、M・ガストリ(M. gastri)、M・ゴルドネ、M・ヘモフィルム(M. haemophilum)、M・イントラセルラレ、M・インテルジェクツム(M. interjectum)、M・インテルメディウム(M. intermedium)、M・カンサシ(M. kansasii)、M・マルモエンセ(M. malmoense)、M・マリヌム(M. marinum)、M・ノンクロモジェニクム(M. non−chromogenicum)、パラ結核菌(M. paratuberculosis)、チモテ菌(M. phlei)、M・スクロフラセウム(M. scrofulaceum)、M・シモデイ(M. shimodei)、M・シミエ(M. simiae)、スメグマ菌(M. smegmatis)、M・ツルガイ(M. szulgai)、M・テレ(M. terrae)、M・トリビアレ(M. triviale)、ヒト型結核菌、M・ウルセランス(M. ulcerans)またはM・ゼノパイ(M. xenopi)の16S rRNAまたはDNAを増幅する。別の態様において、検出工程は、増幅されたマイコバクテリウム属核酸に特異的にハイブリダイズする、少なくとも1つのプローブを用いる。検出工程は、増幅されたマイコバクテリウム属核酸に特異的にハイブリダイズする、少なくとも1つの標識化プローブを用いることが可能であるし、または、増幅されたマイコバクテリウム属核酸に特異的にハイブリダイズする、複数のプローブを用いることが可能である。好ましい態様において、増幅工程は、少なくとも、第一のプライマーおよび第二のプライマーの組み合わせを用い、第一のプライマーは、配列番号1から配列番号12からなる群より選択され、そして第二のプライマーは、配列番号13から配列番号34、配列番号37および配列番号38からなる群より選択される。さらなる態様は、増幅工程において、少なくとも、第一のプライマーおよび第二のプライマーの組み合わせを用い、第一のプライマーが、配列番号7から配列番号12からなる群より選択され、そして第二のプライマーが、配列番号13から配列番号34、配列番号37および配列番号38からなる群より選択される。増幅工程で用いる第一および第二のプライマーの好ましい組み合わせは:第一のプライマーが配列番号7の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号13の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号7の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号14の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号7の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号15の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号7の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号16の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号8の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号13の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号8の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号14の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号8の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号15の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号9の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号13の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号9の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号14の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号9の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号15の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号10の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号16の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号11の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号13の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号11の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号16の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号11の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号17の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号11の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号18の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号11の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号19の配列を有するか;第一のプライマーが配列番号11の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号20の配列を有するか;または第一のプライマーが配列番号12の配列を有し、そして第二のプライマーが配列番号15の配列を有する。1つの態様において、増幅工程は、少なくとも、第一のプライマーおよび第二のプライマーの組み合わせを用い、第一のプライマーは配列番号11の配列を有し、そして第二のプライマーは配列番号16、配列番号30または配列番号37の配列を有する。別の態様において、増幅工程は、配列番号11の配列を有する第一のプライマー、および2つの第二のプライマーの組み合わせを用い、一方の第二のプライマーは配列番号16の配列を有し、そして他方の第二のプライマーは配列番号37の配列を有するものである。
【0006】
本発明の別の側面は、in vitro増幅反応において、マイコバクテリウム属16S rRNA配列またはマイコバクテリウム属16S rRNAをコードするDNAを増幅するための組成物であって、配列番号1から配列番号34、配列番号37および配列番号38からなる群より選択される塩基配列を有する1以上のオリゴヌクレオチドを含む、前記組成物である。好ましい態様において、組成物は、配列番号1から配列番号12のいずれか1つの配列を含む、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチド、および配列番号13から配列番号34、配列番号37または配列番号38のいずれか1つの配列を含む、少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチドを含む。別の態様において、組成物は、配列番号7から配列番号12のいずれか1つの配列を含む、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチド、および配列番号13から配列番号34、配列番号37または配列番号38のいずれか1つの配列を含む、少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチド
を含む。
【0007】
本発明の別の側面は、配列番号1から配列番号34、配列番号37および配列番号38からなる群より選択される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドのいずれかを含むキットである。好ましい態様において、該キットは、配列番号1から配列番号12のいずれか1つの配列を含む、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチド、および配列番号13から配列番号34、配列番号37または配列番号38のいずれか1つの配列を含む、少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチドを含む。別の態様において、該キットは、配列番号7から配列番号12のいずれか1つの配列を含む、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチド、および配列番号13から配列番号34、配列番号37または配列番号38のいずれか1つの配列を含む、少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチドを含む。
【0008】
詳細な説明
本発明は、ヒト由来の生物学的試料、好ましくはプロセシングされた痰試料に存在する、マイコバクテリウム属核酸、具体的には16S rRNA配列を検出する方法を含む。本発明はまた、生物学的試料に存在するマイコバクテリウム属16S rRNA配列を特異的に捕捉するのに用いられる核酸オリゴマー(「捕捉オリゴヌクレオチド」)、捕捉された16S rRNA配列の選択された部分を特異的に増幅するのに用いられる増幅核酸オリゴマー(「プライマー」)、および増幅されたマイコバクテリウム属配列を検出するための核酸オリゴマー(「プローブ」または「標識化プローブ」)も含む。
【0009】
本発明の核酸配列は、多様なマイコバクテリウム属種のいずれを含む生物学的試料に存在するマイコバクテリウム属核酸を捕捉し、増幅し、そして検出するのにも有用である。本発明の方法は、生物学的試料中のマイコバクテリウム属核酸を検出するのに価値があり、そしてしたがって、いくつかのマイコバクテリウム属種から生じる可能性がある感染の診断に重要である。これらの方法は、MOTT種による日和見感染、またはヒト型結核菌感染に関してスクリーニングするのに特に重要である。
【0010】
本発明を説明する際に用いられる用語の理解を補助するため、以下の定義が提供される。
「生物学的試料」により、マイコバクテリウム属核酸を含む可能性がある生存しているまたは死亡したヒト由来のいずれかの組織または成分を意味する。試料は、例えば、痰、呼吸組織または滲出物、末梢血、血漿または血清、子宮頚スワブ試料、生検組織、胃腸組織、尿、糞便、精液または他の体液、組織または成分を含む。試料はまた、細菌培養(液体培地中または固体培地上)および環境試料も含む。生物学的試料を処理し、物理的に組織または細胞構造を破壊し、こうして、解析用に試料を調製するのに用いられる、酵素、緩衝剤、塩、界面活性剤およびそれらに匹敵するものをさらに含んでもよい溶液中に、細胞内構成要素を遊離させることが可能である。
【0011】
「核酸」により、窒素性複素環塩基、または塩基類似体(analog)を有する、ヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体を含み、ヌクレオシドが主鎖構造を介して共有結合し、ポリヌクレオチドを形成する、多量体化合物を意味する。用語「核酸」には、慣用的なリボ核酸(RNA)およびデオキシリボ核酸(DNA)が含まれ、その類似体も同様である。核酸主鎖は、当該技術分野に知られる多様な連結を含む可能性があり、該連結には、例えば、1以上の糖−ホスホジエステル連結、ペプチド−核酸結合(「ペプチド核酸」と称される、Hydig−Hielsenら、PCT国際公報第WO 95/32305号)、ホスホロチオエート連結、メチルホスホネート連結またはそれらの組み合わせが含まれる。核酸の糖部分は、リボースまたはデオキシリボース、あるいは、例えば、2’メトキシ置換および/または2’ハロゲン化物置換などの既知の置換を有する同様の化合物であってもよい。窒素性塩基は、慣用的な塩基(A、G、C、T、U)、その既知の類似体(例えばイノシンまたは他のもの; The Biochemistry of the Nucleic Acids 5−36, Adamsら監修, 第11版, 1992を参照されたい)、あるいはプリンまたはピリミジン塩基類の既知の誘導体(Cook、PCT国際公報第WO 93/13121号を参照されたい)、および1以上の残基に関し、主鎖が窒素性塩基を含まない、「無塩基性(abasic)」残基(Arnoldら、米国特許第5,585,481号)であってもよい。核酸は、RNAおよびDNAに見られるような慣用的な糖、塩基および連結のみを含んでもよいし、または慣用的な構成要素および置換両方(例えばメトキシ主鎖を介して連結される慣用的塩基、または慣用的塩基および1以上の塩基類似体を含む核酸)を含んでもよい。
【0012】
「オリゴヌクレオチド」または「オリゴマー」により、一般的に1,000残基未満を有する核酸を意味し、約2から5ヌクレオチド残基の下限および約500から900ヌクレオチド残基の上限を有する大きさの範囲にあるポリマーが含まれる。好ましいオリゴマーは、約5から約15残基の下限および約50から600残基の上限を有する大きさの範囲にあり;より好ましくは、約10残基の下限および約100残基の上限を有する大きさの範囲にある。オリゴマーは、天然に存在する供給源から精製してもよいが、好ましくは、公知の方法を用い、合成する。
【0013】
「増幅オリゴヌクレオチド」または「増幅オリゴマー」により、標的核酸またはその相補体にハイブリダイズし、そしてin vitro核酸増幅反応に関与するオリゴヌクレオチド(例えばプライマーおよびプロモーター・プライマー)を意味する。好ましくは、増幅オリゴヌクレオチドは、標的核酸配列(またはその相補鎖)の領域に相補的である、少なくとも約10の連続する塩基、そしてより好ましくは、少なくとも約12の連続する塩基を含む。連続する塩基は、好ましくは、増幅オリゴヌクレオチドが結合する配列に、少なくとも80%、より好ましくは、少なくとも90%相補的である。増幅オリゴヌクレオチドは、好ましくは、長さ約10から約60塩基であり、そして修飾ヌクレオチドまたは塩基類似体を含んでもよい。
【0014】
増幅オリゴヌクレオチドおよびオリゴマーは、「プライマー」または「プロモーター−プライマー」と称される可能性がある。「プライマー」は、テンプレート核酸にハイブリダイズし、そして通常、酵素に仲介される重合反応において、伸長する3’端を有する、オリゴヌクレオチドを指す。プライマーの5’領域は、標的核酸に非相補的であり、そしてプロモーター配列のようなさらなる塩基を含んでもよい。こうしたプライマーは、「プロモーター・プライマー」と称される。当業者は、プライマーとして機能することが可能ないかなるオリゴマーも、5’プロモーター配列を含むよう修飾され、そしてしたがってプロモーター・プライマーとして機能することが可能であることを認識するであろう。同様に、いかなるプロモーター・プライマーも、そのプロモーター配列機能と独立にプライマーとして働くことが可能である。
【0015】
「増幅」により、標的核酸配列、またはその相補体または断片の多コピーを得るためのいかなる既知のin vitro法も意味する。in vitro増幅は、完全標的領域配列またはその相補体より短い配列を含む可能性がある増幅された核酸の産生を指す。既知の増幅法には、例えば、転写仲介増幅、レプリカーゼ仲介増幅、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、リガーゼ連鎖反応(LCR)および鎖置換増幅(SDA)が含まれる。レプリカーゼ仲介増幅は、自己複製RNA分子、およびQBレプリカーゼのようなレプリカーゼを用いる(Kramerら、米国特許第4,786,600号; PCT国際公報第WO 90/14439号)。PCR増幅は公知であり、そしてDNAポリメラーゼ、プライマーおよび熱反復を用い、多コピーのDNAまたはcDNAの2つの相補鎖を合成する(Mullisら、米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、および第4,800,159号; Methods in Enzymology, 1987, Vol. 155:335−350)。LCR増幅は、少なくとも4つの別個のオリゴヌクレオチドを用い、ハイブリダイゼーション、連結、および変性の多周期を用いることにより、標的およびその相補鎖を増幅する(欧州特許出願公報第0 320 308号)。SDAは、エンドヌクレアーゼが標的配列を含む半修飾DNA二重鎖の1つの鎖にニックを入れ、続いて、一連のプライマー伸長および鎖置換工程において増幅が起こるように、プライマーが制限エンドヌクレアーゼの認識部位を含む方法である(Walkerら, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:392−396;および米国特許第5,422,252号)。転写仲介増幅は、本発明の好ましい態様である。当業者は、本発明のオリゴヌクレオチド・プライマー配列が、ポリメラーゼによるプライマー伸長に基づくいかなるin vitro増幅法でも容易に用いることが可能であることを理解するであろう。
【0016】
「転写仲介増幅」または「転写関連増幅」により、RNAポリメラーゼを用い、核酸テンプレートから多数のRNA転写物を産生する核酸増幅のいかなる種類も意味する。転写仲介増幅(TMA)は、一般的に、RNAポリメラーゼ活性、DNAポリメラーゼ活性、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸、並びにプロモーター・プライマーおよび第二の非プロモーター・プライマーを使用し、そして所望により、1以上のさらなるオリゴヌクレオチド(ときに「ヘルパー」と称される)を含んでもよい。転写関連増幅法は、別に詳細に開示されるように、当該技術分野に公知である(Kacianら、米国特許第5,399,491号および第5,554,516号; Kacianら、PCT国際公報第WO 93/22461号; Burgら、米国特許第5,437,990号; Gingerasら、PCT国際公報第WO 88/01302号および第WO 88/10315号; Malekら、米国特許第5,130,238号; Urdeaら、米国特許第4,868,105号および第5,124,246号; McDonoughら、PCT国際公報第WO 94/03472号;およびRyderら、PCT国際公報第WO 95/03430号)。本発明の好ましい転写仲介増幅法は、Kacianら(米国特許第5,399,491号および第5,554,516号; PCT出願第WO 93/22461号)に開示されるものである。
【0017】
「プローブ」により、核酸またはその相補体、好ましくは増幅された核酸の標的配列に、ハイブリダイゼーションを促進する条件下で特異的にハイブリダイズし、それにより標的配列または増幅された核酸の検出を可能にする、核酸オリゴマーを意味する。検出は、直接(すなわち標的配列または増幅された核酸に直接ハイブリダイズするプローブから生じる)であっても、または間接的(すなわちプローブを標的配列または増幅された核酸に連結する中間分子構造にハイブリダイズするプローブから生じる)であってもよい。プローブの「標的」は、一般的に、標準的水素結合(すなわち塩基対形成)を用い、プローブ・オリゴマーの少なくとも一部に特異的にハイブリダイズする、増幅された核酸配列内の配列(すなわちサブセット)を指す。「十分に相補的な」配列は、2つの配列が完全に相補性でなくても、標的配列へのプローブ・オリゴマーの安定なハイブリダイゼーションを可能にする。プローブは、用いる検出法に応じ、標識されていても、またはされていなくてもよい。
【0018】
「十分に相補的」により、一連の相補的塩基間の水素結合により、別の塩基配列にハイブリダイズすることが可能な、連続する核酸塩基配列を意味する。相補的塩基配列は、標準的塩基対形成(例えばG:C、A:TまたはA:U対形成)を用い、配列中の各位で相補的であってもよいし、または標準的水素結合を用いて相補的ではない1以上の残基(無塩基性残基を含む)を含むが、相補的塩基配列が、適切なハイブリダイゼーション条件において、別の塩基配列と特異的にハイブリダイズすることが可能であるものであってもよい。連続する塩基は、オリゴマーが特異的にハイブリダイズする配列に、好ましくは、少なくとも約80%、より好ましくは、少なくとも約90%相補的である。当業者には、適切なハイブリダイゼーション条件が公知であり、該条件は、配列組成および条件に基づいて予測することが可能であるか、または日常的な試験を用いることにより、実験的に決定することが可能である(例えば、Sambrookら, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press, ニューヨーク州コールドスプリングハーバー, 1989)§§1.90−1.91、7.37−7.57、9.47−9.51および11.47−11.57、特に§§9.50−9.51、11.12−11.13、11.45−11.47および11.55−11.57を参照されたい)。
【0019】
「捕捉オリゴヌクレオチド」または「捕捉オリゴマー」により、塩基対ハイブリダイゼーションに基づき、標的配列および固定化オリゴマーに特異的に連結するための手段を提供する、少なくとも1つの核酸オリゴマーを意味する(PCT出願WO 98/50583を参照されたい)。一般的に、捕捉オリゴマーは、2つの結合領域:標的特異的結合領域および固定化プローブ特異的結合領域を含む。ときに、捕捉オリゴマーは、「捕捉プローブ」と称される。
【0020】
「固定化プローブ」または「固定化核酸」により、捕捉オリゴマーを、直接または間接的に固体支持体に連結する核酸を意味する。固定化プローブは、試料中の非結合成分から結合標的配列の分離を促進する、固体支持体に連結したオリゴマーである。いかなる既知の素材(例えばニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ポリアクリレート、混合ポリマー、ポリスチレン、シランポリプロピレンおよび金属粒子、好ましくは常磁性粒子)でできた、マトリックスおよび溶液中に遊離の粒子などの、いかなる既知の固体支持体を用いてもよい。好ましい支持体は、それにより、一貫した結果を提供し、固定化プローブが直接(例えば共有結合、キレート化、またはイオン性相互作用を介し)、または間接的に(例えば1以上のリンカーを介し)安定して連結され、溶液中の別の核酸へのハイブリダイゼーションを可能にする、単分散常磁性球体(すなわち大きさが±約5%で均一)である。
【0021】
「分離」または「精製」により、生物学的試料の1以上の構成要素が、該試料の1以上の他の構成要素から除去されることを意味する。試料構成要素には、他の成分(例えばタンパク質、炭水化物、脂質および/または核酸)を含む可能性がある、一般的に水性溶液中の核酸が含まれる。好ましくは、分離または精製工程は、少なくとも約70%、より好ましくは、少なくとも約90%、そしてさらに好ましくは、少なくとも約95%の、試料に存在する他の構成要素を除去する。
【0022】
「標識」により、検出することが可能であるかまたは検出可能反応を導くことが可能である分子部分または化合物を意味する。標識は、直接または間接的に、核酸プローブまたは検出しようとする核酸(例えば増幅された産物)に連結される。直接標識は、標識をプローブに連結する結合または相互作用(例えば共有結合または非共有相互作用)を通じて起こる可能性がある。間接的標識は、直接または間接的に標識される、架橋部分またはさらなるオリゴヌクレオチド(類)などの「リンカー」の使用を通じて起こる可能性がある。架橋部分を用いて、検出可能シグナルを増幅することが可能である。標識は、いかなる既知の検出可能部分(例えば、放射性核種、ビオチンまたはアビジンなどのリガンド、酵素または酵素基質、反応性基、あるいは色素または有色粒子などの発色団、生物発光剤、燐光剤または化学発光化合物などの発光化合物、および蛍光化合物)も含む。好ましくは、標識化プローブ上の標識は、均一アッセイ系において検出可能である(すなわち、混合物において、結合した標識化プローブが、非結合標識化プローブに比較し、検出可能なシグナルを示す)。均一アッセイで使用するのに好ましい標識は、化学発光化合物(米国特許第5,656,207号、第5,658,737号および第5,639,604号を参照されたい)、より好ましくは、標準的AEまたはその誘導体などのアクリジニウムエステル(「AE」)化合物である。核酸に標識を付着させ、そして標識を検出する方法は、当該技術分野に公知である(例えばSambrookら, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press, ニューヨーク州コールドスプリングハーバー, 1989), 第10章;米国特許第5,658,737号、第5,656,207号、第5,547,842号、第5,283,174号および第4,581,333号;および欧州特許出願第0 747 706号を参照されたい)。
【0023】
「均一検出可能標識」は、標識が、標的配列にハイブリダイズしているプローブ上にあるかどうかに基づき、均一な様式で、その存在を検出することが可能な標識を指す。すなわち、均一検出可能標識は、標識または標識化プローブの非ハイブリダイズ型からハイブリダイズ型を物理的に除去することなく、検出することが可能である。均一検出可能標識およびこれらを検出する方法は、先に詳細に記載されている(米国特許第5,283,174号、第5,656,207号、および第5,658,737号)。
【0024】
「本質的に、からなる」により、本発明の基本的なそして新規の特性を実質的に変化させない、さらなる構成要素(類)、組成物(類)または方法工程(類)が、本発明の組成物またはキットまたは方法に含まれていてもよいことを意味する。こうした特性には、試料あたりコピー数約100以上で、生物学的試料中のマイコバクテリウム属種rRNA配列および/または該rRNAをコードするDNA配列を検出する能力が含まれる。本発明の基本的な特性に実質的な影響を有する、いかなる構成要素(類)、組成物(類)または方法工程(類)も、この用語の外に属する。
【0025】
別に定義されない限り、本明細書に用いられるすべての科学的および技術的用語は、相当する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同一の意味を有する。本明細書に用いられる多くの用語の一般的な定義は、例えば、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology, 第2版(Singletonら, 1994, John Wiley & Sons, ニューヨーク州ニューヨーク)またはThe Harper Collins Dictionary of Biology(Hale & Marham, 1991, Harper Perennial, ニューヨーク州ニューヨーク)に見られる。別に言及されない限り、本明細書に使用されるまたは意図される技術は、一般の当業者に公知の標準的方法論である。
【0026】
本発明は、ヒト生物学的試料中のマイコバクテリウム属種核酸を検出するための組成物(核酸捕捉オリゴマー、増幅オリゴマーおよびプローブ)および方法を含む。捕捉オリゴマー、プライマーおよびプローブとして用いるのに適したDNA配列を選択するため、公共にアクセス可能なデータベース(例えばGenBank)から入手可能な、部分的または相補配列を含む、ヒト型結核菌、並びにM・セラツムおよびM・ゼノパイなどのMOTT種由来の既知のrRNAまたは対応するゲノム配列を、公知の分子生物学技術を用いて、同一のまたは類似の配列の領域をマッチさせることによって、並列した。配列比較は、アルゴリズムを用いることによって容易にすることが可能であるが、当業者は、こうした比較を、手動で、そして視覚的に、容易に行うことが可能である。比較配列間で、比較的少ない配列変動を含む配列部分を、増幅された配列の捕捉、増幅および検出に適した合成オリゴマーを設計する基礎として、選択した。オリゴマーの設計の際の他の考慮は、すべて当業者に公知である、配列の相対GC含量(約30−55%の範囲)および配列内の予測される二次構造(例えばヘアピン構造)の相対的な欠如を含んだ。これらの解析に基づき、配列番号1から配列番号35の配列を有するオリゴマーを設計し、そして合成した。
【0027】
好ましくは、方法に標的捕捉を含み、in vitro増幅前に標的核酸の濃度または純度を増加させる。好ましくは、標的捕捉は、PCT特許出願第WO 98/50583号に詳細に記載されるように、標的核酸をハイブリダイズさせそして単離する、比較的単純な方法を伴う。簡潔には、固体支持体に付着したオリゴヌクレオチドを、適切なハイブリダイゼーション条件下で、標的核酸を含む混合物と接触させ、標的核酸が固体支持体に遊離可能に付着することを可能にする。標的捕捉は、標的核酸および固体支持体に付着したオリゴヌクレオチドの間の直接ハイブリダイゼーションから生じる可能性があるし、または固体支持体に付着したオリゴヌクレオチドに標的核酸を連結させるハイブリダイゼーション複合体を形成する1以上のオリゴヌクレオチドを用いて、間接的である可能性がある。固体支持体は、好ましくは、溶液から容易に分離することが可能な粒子であり、より好ましくは、容器に磁場を適用することによって、回収することが可能な常磁性粒子である。その後、固体支持体に連結した標的核酸は洗浄され、そしてin vitro増幅反応において、適切なプライマー、基質および酵素への曝露に際して、増幅される。
【0028】
一般的に、捕捉オリゴマー配列では、該オリゴマーは、標的配列に特異的に結合する配列、および固体支持体上の固定化配列(例えばT14オリゴマー)への複合体の捕捉に用いられる「テール」配列を含む。すなわち、捕捉オリゴマーは、3’テール配列(例えば固定化配列に相補的なポリA配列)に共有結合した、マイコバクテリウム属rRNA配列に特異的に結合する配列を含む。捕捉オリゴマーの塩基配列を連結するいかなる主鎖を用いてもよいが、好ましくは、捕捉オリゴマー主鎖は、O−メトキシ連結を含む。テール配列(好ましくは長さ5−50nt)は、固定化相補配列にハイブリダイズし、他の試料構成要素から、ハイブリダイズした標的核酸を精製する。好ましい捕捉オリゴマーは、配列番号35の配列(CTAGTCTGCCCGTATTTT(A)30)を有する。
【0029】
捕捉された標的領域の、少なくとも2つのプライマーを用いた増幅は、多様な既知の核酸増幅反応を用いて達成することが可能であるが、好ましくは、転写関連増幅反応を用いる。こうしたin vitro増幅法を用いて、多くの核酸鎖が、標的核酸の単一コピーから産生され、こうして増幅された配列を1以上の検出可能プローブに特異的に結合させることにより、標的の検出が可能になる。転写関連増幅は、別の場所に詳細に記載されてきている(Kacianら、米国特許第5,399,491号および第5,554,516号)。好ましくは、転写関連増幅は、溶液中で、2種類のプライマー(1つはRNAポリメラーゼのプロモーター配列を含むため、プロモーター−プライマーと称される)、2つの酵素(逆転写酵素およびRNAポリメラーゼ)、基質(デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸)並びに適切な塩および緩衝剤を用い、核酸テンプレートから多数のRNA転写物を産生する。簡潔には、第一の工程において、プロモーター−プライマーが、標的RNA配列に特異的にハイブリダイズし、そして逆転写酵素が、プロモーター−プライマーの3’端からの伸長により、第一鎖cDNAを生成する。cDNAを第二のプライマーとのハイブリダイゼーションに利用可能にするのは、当該技術分野に公知の技術を用いることによって、例えば、二重鎖を変性させるか、またはRNアーゼH活性を用いることによって、達成可能になる。好ましくは、逆転写酵素に供給されるRNアーゼH活性が、生じたDNA:RNA二重鎖中のRNAを分解する。その後、第二のプライマーがcDNAに結合し、そしてDNAの新規鎖が逆転写酵素を用い第二のプライマーの端から合成され、機能するプロモーター配列を一端に有する二本鎖DNAが生成される。RNAポリメラーゼは、二本鎖プロモーター配列に結合し、そして転写は、多数の転写物または「単位複製配列(amplicon)」を生じる。これらの単位複製配列は、その後、転写関連増幅過程に用いられ、各々、複製の新規周期のテンプレートとして働き、こうして、多量の一本鎖増幅核酸(単一テンプレートから合成される約100から約3,000コピーのRNA転写物)が生成される。好ましくは、増幅は、実質的に一定の反応条件を用いる(例えば実質的に等温である)。
【0030】
プライマー配列(配列番号1から配列番号34、配列番号37)は、標的配列または標的配列の相補体に特異的に結合するが、標的配列またはその相補体に結合しない配列を含んでもよい。特に、T7プロモーター・プライマー(配列番号7から配列番号12)は、標的またはその相補体に結合するプライマー配列の一部に付着したT7プロモーター配列(配列番号36に別個に示される)を含む。当業者は、付着するプロモーター配列(配列番号1から配列番号6)を含むまたは含まない標的特異的プライマー配列が、多様なin vitro増幅条件において、プライマーとして有用である可能性があることを認識するであろう。
【0031】
本発明の好ましい方法が、以下の実施例に記載される。簡潔には、アッセイは、標的マイコバクテリウム属rRNAを含む生物学的試料を提供し、rRNAの標的捕捉を行い、in vitro核酸増幅を行い、増幅された核酸産物を検出する工程を含む。転写仲介増幅(TMA)を用いる好ましい態様において、最終増幅混合物は、捕捉された標的rRNA、標的特異的配列およびT7プロモーター配列を含む少なくとも1つのT7プロモーター・プライマー、T7プロモーター・プライマーを用いて標的から作成された第一鎖cDNAに特異的にハイブリダイズする少なくとも1つの第二の(非T7)プライマー、並びに混合物中の逆転写酵素およびT7 RNAポリメラーゼによる酵素的重合の基質および補因子を含む。捕捉された標的rRNAは、TMA反応に用いるために、固体支持体から分離する必要はない。T7プロモーター配列は、二重鎖になったとき、T7 RNAポリメラーゼの機能するプロモーターとして働き、多数の転写物を産生する。増幅された産物は、相補的プローブ配列への増幅された産物またはその一部のハイブリダイゼーションを含む、多様な既知の方法のいずれかを用いて検出することが可能である。プローブは、2つの増幅オリゴヌクレオチドを用いて増幅される標的領域の一部に特異的にハイブリダイズする配列を含む。ある態様では、標識化プローブを用い、増幅された産物を検出するが、他の態様では、増幅された産物を標識し、そして固定化プローブ、好ましくはアレイで存在する多くのプローブにハイブリダイズさせる。その後、プローブおよび増幅されハイブリダイズした産物の複合体を検出する。
【0032】
より具体的には、典型的なアッセイは、以下の工程および条件を用いた。
試料(例えば0.5mlの痰沈降物または細菌培養、陽性対照反応には、既知の量のrRNAを含む等体積の水または緩衝液)を、試験管中で、等量の2X溶解緩衝液(例えば20mM HEPES、0.5%(w/v)ラウリル硫酸リチウム、pH8.0)と混合した。細菌から核酸を遊離させるため、ガラスビーズの存在下で混合物を15分間ボルテックスするか、または超音波処理し、そしてその後、95℃で15分間インキュベーションすることによって、溶解されずに残った生物を熱殺した。
【0033】
新たな試験管中で、標的捕捉工程において、一般的に250μlの溶解物を用いた。標的rRNAを捕捉するため、混合物は、250μlの調製試料、5pmolの配列番号35を含む250μlの標的捕捉溶液、および固定化ポリdT14プローブが付着した50μgの常磁性粒子(0.7−1.05μ粒子、Seradyn、インディアナ州インディアナポリス)を含んだ。固定化プローブは、標準的カルボジイミド化学反応法(Lundら, 1988, Nuc. Acids Res. 16:10861−10880)を用いて、付着させた。標的捕捉混合物を、60℃で約20分間加熱し、そしてその後、室温に冷却し、ハイブリダイゼーションさせた。磁場を5分間適用し、標的RNAを含む付着複合体と共に、磁気粒子を反応容器上の位置にひきつけた(実質的に米国特許第4,895,650号に記載されるとおり)。その後、1mlの洗浄緩衝液(10mM HEPES、6.5mM NaOH、1mM EDTA、150mM NaCl、0.1%(w/v)ラウリル硫酸ナトリウム)に粒子を再懸濁し、そしてその後、磁気分離工程を反復することにより、洗浄緩衝液で2回洗浄した。
【0034】
実質的に先に記載されるように行う転写仲介増幅(Kacianら、米国特許第5,399,491号および第5,554,516号)のため、洗浄粒子を、75μlの増幅試薬溶液(1.1mM rUTP、4mM rATP、2.7mM rCTP、6.7mM rGTP、各0.67mMのdNTP、13.3mM KCl、47mM Tris、17.1mM MgCl)および少なくとも2つのプライマー・オリゴマー(少なくとも1つのプロモーター・プライマーおよび第二のプライマー、通常、0.08μM最終濃度)に懸濁し、そして不活性油の層(200μl)で覆い、蒸発を防いだ。混合物を42℃で5分間インキュベーションし、そしてその後、25μlの酵素試薬(50mM HEPES、1mM EDTA、10%(v/v)TritonTMX−100、120mM KCl、20%(v/v)グリセロールを含む緩衝液中に、反応あたり2800UのMMLV逆転写酵素および2000UのT7 RNAポリメラーゼを含む)を添加した。混合物を穏やかに震蘯し、そしてさらに、42℃で1時間インキュベーションした。陰性対照は、すべて同一の試薬からなったが、標的核酸をまったく含まない等体積の水または緩衝液を代用した。
【0035】
増幅されたマイコバクテリウム属配列は、ある場合では、実質的に先に記載されるように(米国特許第5,658,737号、第25欄、27−46行; Nelsonら, 1996, Biochem. 35:8429−8438の8432)、適切な発光測定装置(例えばLEADERTM発光測定装置、Gen−Probe Incorporated、カリフォルニア州サンディエゴ)中での化学発光によって検出されるアクリジニウムエステル(AE)標識化プローブを用いて検出し、そして相対光単位(RLU)で表した。一般的に、複製アッセイで検出されたRLUの平均を報告する。プローブは:ヒト型結核菌検出では、配列番号39(GTCTTGTGGTGGAAAGCGCTTTAG)、鳥型結核菌検出では、配列番号40(GGACCTCAAGACGCATGTC)、M・ゼノパイ検出では、配列番号41(TAGGACCATTCTGCGCATGTG)、そしてM・ガストリおよびM・カンサシでは、配列番号42(TAGGACCACTTGGCGCATGCC)であった。
【0036】
他の場合では、増幅された配列は、先に詳細に記載されるように(A. Troeschら, 1999, J. Clin. Microbiol. 37(1):49−55)、マイコバクテリウム属配列の検出に特異的なDNAプローブの固定化アレイ上で検出した。解析は、GeneChipTM機器系(Affymetrix、カリフォルニア州サンタクララ)上で行い、ハイブリダイゼーションアレイ上の蛍光シグナル(相対蛍光単位またはRFUとして表す)の強度およびパターンを検出した。この系は、GeneChipTM流体光学ステーションおよびGeneArrayTMスキャナー(Hewlett−Packard、カリフォルニア州パロアルト)、およびヌクレオチド・ベースコーリング(base calling)を決定し、そして増幅された核酸に存在する核酸配列を決定するアルゴリズムであるGeneChipTM解析ソフトウェアを含む。該系は、存在する可能性が最も高いマイコバクテリウム属種の報告を作成する。
【0037】
以下の限定されない実施例は、本発明の好ましい態様の側面を明らかにする。
【0038】
【実施例】
実施例1
異なるプライマーの組み合わせを用いたヒト型結核菌rRNAのin vitro増幅
上述の増幅および標識化プローブ検出を用いて、転写仲介増幅の効率を、T7プロモーター・プライマーおよび第二のプライマーの異なる組み合わせを用いて試験した。これらのアッセイの標的配列は、in vitro増幅反応あたり、102、103または106コピーで提供される、ヒト型結核菌rRNA配列の合成転写物であった。増幅は、検出されたRLUに基づいて評価した。表1は、提供される標的コピー量に関して、増幅オリゴヌクレオチドのこれらの組み合わせで得られる結果を示し、標的コピー量は、示される各RLU結果に関して括弧内に示される。各結果は、単一アッセイに相当する。
【0039】
表1
ヒト型結核菌rRNA(10 2 、10 3 または10 6 コピー/反応)増幅後に検 出されたRLU
【0040】
【表1】
Figure 0004744053
【0041】
5x104以上のRLUシグナルは陽性とみなす。したがって、これらの結果は、反応に存在する標的が102コピーと同程度に少なくても、プロモーター・プライマーおよびプライマーの試験した組み合わせがすべて、標的マイコバクテリウム属配列を増幅したことを示す。
【0042】
実施例2
プライマーの組み合わせを用いたマイコバクテリウム属種のin vitro増幅
上述および実施例1と同様の増幅および検出法を用いて、多様な組み合わせのT7プロモーター・プライマーおよび非T7の第二のプライマーを、多様なマイコバクテリウム属種(ヒト型結核菌、ウシ型結核菌、鳥型結核菌、M・ガストリ、M・イントラセルラレ、M・スクロフラセウム、M・ゼノパイおよびM・カンサシ)から単離された標的16S rRNAを用いて試験した。細菌は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC、バージニア州マナサス)または「DSM」カルチャー・コレクションから得て(寄託番号に関しては、表2を参照されたい)、そして標準的微生物学法を用いて、in vitroで増殖させた。
【0043】
実験の一組では、反応あたり約104の溶解細菌(反応あたり約107コピーのrRNAと均等)を用いて、標的捕捉および増幅反応を行った。増幅反応は、配列番号11のT7プロモーター・プライマーおよび配列番号16の非T7の第二のプライマーを用いた。各種の標的の増幅産物に関して得られたRLU結果を表2に示す。これらの結果は、2つのプライマー配列の単一の組み合わせが、マイコバクテリウム属の多くの種(各種の供給源参考文献番号を括弧内に示す)から16S rRNA標的配列を増幅することが可能であることを示す。5x104以上のRLU結果を陽性とみなす。
【0044】
表2
配列番号11および配列番号16を用いて増幅されるマイコバクテリウム属種標的配列に関して検出されたRLU
【0045】
【表2】
Figure 0004744053
【0046】
本発明のプライマーが、in vitroの増幅に関して種限定でないことをさらに立証するため、T7プロモーター・プライマーおよび非T7の第二のプライマーのさらなる組み合わせを、同様に、しかし反応あたり、異なる量の標的を用いて試験した。これらのアッセイでは、T7プロモーター・プライマーは、配列番号11の配列を有し、そして配列番号13、配列番号17、配列番号18、配列番号19または配列番号20の配列を有する第二のプライマーと組み合わせた。結果を表3に示す。これらの結果は、異なる組み合わせのプロモーター・プライマーおよび第二のプライマーもまた、多様なマイコバクテリウム属種から16S rRNA配列を増幅することが可能であることを示す。
【0047】
表3
配列番号11および異なる第二のプライマーを用いて増幅されたマイコバクテリウム属種標的配列に関して検出されたRLU
【0048】
【表3】
Figure 0004744053
【0049】
実施例3
異なる非T7の第二のプライマーを用いたマイコバクテリウム属種のin vitro増幅およびプローブアレイを用いた種の検出
本実施例は、配列番号11の配列を有するT7プロモーター・プライマーと組み合わせて用いた、他の非T7の第二のプライマーもまた、多様なマイコバクテリウム属種由来の16S rRNA配列を増幅することが可能であることを示す。これらの実験において、増幅効率は、実施例1および2におけるように、AE標識化プローブを用いることによって測定した。さらに、実質的にPCT国際特許出願第PCT/FR99/01469号に記載されるような方法を用いて、これらの増幅反応から増幅された核酸を切断し、そしてin vitroで蛍光標識した。その後、実質的に上述のように(Troeschら, 1999, J. Clin. Microbiol. 3791):49−55)、マイコバクテリウム属16S rRNAに存在する配列に結合する配列特異的プローブのアレイを含むGeneChipTM(Affymetrix)に、増幅され標識された核酸を接触させた。プローブアレイ上のハイブリダイズした標識化断片を洗浄し、非ハイブリダイズ核酸および混入物質を除去し、そしてハイブリダイズした核酸を、アレイ上のプローブ配列に対応するパターンの蛍光シグナルとして検出し、このシグナルを「ベースコーリング」と称した。この方法を用いて、増幅された核酸に表されるマイコバクテリウム属の種を同定した。これらのアッセイにおいて、提供される標的rRNAの供給源は既知であるため、標的種に関する正しいベースコーリングの割合を、増幅された核酸の増幅および検出の正確さの測定値として報告した。
【0050】
これらの試験の累積結果を表4に示す。これらの結果は、プライマーのさらなる組み合わせが、異なるマイコバクテリウム属種から得た16S rRNA標的を増幅することが可能であり、そしてその後、ハイブリダイゼーション複合体の累積パターンが、標的配列の供給源を決定するように、プローブアレイ上の増幅された核酸を検出することによって同定することが可能であることを示す。
【0051】
表4
【0052】
【表4】
Figure 0004744053
【0053】
別個の実験において、TMAによる増幅を、標的(0、10、100および1000コピーのヒト型結核菌16S rRNA標的配列)および増幅混合物中で用いられる酵素の量(1500UのRTに加えた2000UのT7 RNAポリメラーゼまたは各2000UのRTおよびT7 RNAポリメラーゼ)を変化させることによって試験した。増幅効率は、上述のように、AE標識化プローブの結合を検出することによって監視した。これらの条件下で、陰性対照(単位複製配列0コピー)は、バックグラウンドレベルのシグナル(約2000−3000RLU)を生じ、一方、標的含有増幅混合物はすべて、有意により高いシグナル(4x105から5x106RLU)を生じた。わずか10コピーの標的配列しか含まない試料では、各2000UのRTおよびT7 RNAポリメラーゼを含む反応混合物は、1500UのRTに加えて2000UのT7 RNAポリメラーゼを含む反応混合物で見られる(4x105RLU)より、幾分高い検出可能レベルの増幅された産物(1.3x106RLU、5反応の平均)を提供した。標的配列100または1000コピーを含む試料では、増幅された産物の検出可能レベルは、試験した酵素濃度のどちらの濃度に関しても、実質的に均等であった(4−5x106RLU)。
【0054】
実施例4
修飾プライマーを用いたマイコバクテリウム属16S rRNAの増幅
M・ゼノパイ由来の16S rRNA標的配列のin vitro核酸増幅の効率を改善するため、非T7の第二の増幅プライマーを修飾し、修飾「K塩基」(Lin & Brown, 1992, Nucleic Acids Res. 20:5149−5152)を含むようにした。最初に、用いた修飾プライマーは、25番目の残基がK塩基であるように修飾された配列番号16のもの(配列番号38)であり、そして標的は、ヒト型結核菌16S rRNAであった。この修飾された非T7プライマー・オリゴヌクレオチドは、表5の結果によって示されるように、反応中に106コピーの16S rRNA標的配列が存在する場合、M・ゼノパイ標的の増幅において有意な改善を生じた。表5は、AE標識化プローブを用いて、上述のように検出される増幅産物に関して検出される平均RLUを示す。増幅反応は、配列番号8および配列番号16または配列番号8および配列番号38のプライマーの組み合わせを用いて、異なる標的配列各々に関し、実質的に上述のように行い、後者は、上述のK塩基修飾を含むプライマーであった。結果は、ヒト型結核菌標的配列(反応あたり103コピー)では4つの増幅反応の平均であり、そしてM・ゼノパイ標的配列(反応あたり106コピー)では6つの増幅反応の平均である。陰性対照は、標的核酸の代わりに水を含んだ。
【0055】
表5の結果は、修飾K塩基残基を含むプライマーが、修飾塩基を含まない同様のプライマー配列に比較した際、標的配列のin vitro増幅効率を増加させることが可能であることを示す。
【0056】
表5
修飾または非修飾プライマーを用いて、異なる標的に関して検出された単位複製配列(平均RLU)
【0057】
【表5】
Figure 0004744053
【0058】
実施例5
マイコバクテリウム属特異的プライマーを用いたPCR増幅
本実施例は、PCR増幅および固定化プローブのアレイ(GeneChipTM)を有する固体支持体上の増幅されたDNAの検出に用いられる際の、本発明のプライマーの特異性を示す。標的調製のため、ヒト型結核菌(ATCC 27294)およびM・ゼノパイ(ATCC 19250)株を、標準的微生物学法を用いてin vitroで増殖させた。細菌ストック懸濁物を水中で作成し、そして1mlあたり約6x108細菌の濃度に調整し、そして水中の連続希釈を作成して1μlあたり104細菌の溶液(1μlあたり104コピーの細菌DNAと均等)を産生し、これをその後、95℃で15分間加熱した。増幅用に、陰性対照として滅菌水を用いた。
【0059】
50mM KCl、10mM Tris(pH8.3)、1.5mM MgCl2、0.001%(重量/体積)ゼラチン、5%(体積/体積)ジメチルスルホキシド、反応あたりのプライマー対での各0.33μMのプライマー、各200μMのdNTP、および0.75UのTaqポリメラーゼ(AmpliTaqTM;Perkin−Elmer、コネティカット州ノーウォーク)を含む個々の45μl反応を用いて、マイクロタイター96ウェルプレート中で、PCR増幅を行った。熱周期は、94℃5分間の最初の変性工程、その後、94℃1分間、55℃1分間および72℃1分間の30周期、並びに72℃10分間の最終周期で、Perkin−Elmer 9600TMサーマルサイクラー中で行った。
【0060】
PCR増幅後、増幅された産物をアガロースゲル電気泳動によって解析し、大きさ約300ntのDNAバンドの存在または非存在を検出した。プライマーのいずれの組み合わせでも、陰性対照(標的DNAの代わりに水)のゲル上には、バンドは見られなかった。配列番号11および配列番号16を有するプライマーの組み合わせでは、ヒト型結核菌が標的であるとき、増幅されたDNAのバンドが見られたが、M・ゼノパイが提供される標的DNAであるとき、バンドは見られなかった。対照的に、配列番号11および配列番号37、または配列番号11および配列番号30を有するプライマーを用いると、ヒト型結核菌が標的であるとき、増幅されたDNAのバンドは見られなかったが、M・ゼノパイが提供される標的DNAであるとき、期待されるバンドが見られた。
【0061】
次に、実質的に先に記載されるように(Troeschら, 1999, J. Clin. Microbiol., 37(1):49−55, 1999)、二次元アレイ(GeneChipTM)において、付着する配列特異的プローブを有する固体支持体上で、PCR反応の増幅産物を検出した。検出のため、各々、およそ50ngのPCR産物;20UのT7 RNAポリメラーゼ(Promega);40mM Trisアセテート(pH8.1);100mM Mg(アセテート)2;10mM ジチオスレイトール;各1.25mMのATP、CTP、およびGTP;0.5mM UTP;並びに0.25mM フルオレセイン−UTPを含むin vitro転写反応(20μl)によって標識化一本鎖RNA標的を生成するのに、プロモーター−タグ化PCR単位複製配列を用いた。転写反応を、37℃で1時間インキュベーションし、そしてその後、標識化RNAをプローブアレイにハイブリダイズさせ、そして記載されるように(Troeschら、上記)、解析した。
【0062】
ハイブリダイゼーションのため、5μlの標識化RNA標的を700μlのハイブリダイゼーション緩衝液(0.90M NaCl、60mM NaH2PO4、6mM EDTA、pH7.4、および0.05%(体積/体積)Triton X−100)中で希釈し、プローブアレイに適用し、そして45℃で30分間インキュベーションした。その後、プローブアレイを3xSSPE(0.45M NaCl、30mM NaH2PO4、3mM EDTA、pH7.4)および0.005%(体積/体積)TritonTMX−100中、30℃で2回洗浄し、そしてアレイに結合した標識化RNAによって放出される蛍光シグナルを検出した。検出されたシグナル強度(平均、中央値および最大RFU)、ヌクレオチド・ベースコーリング(ベースコーリング%)および配列決定は、アルゴリズム(GeneChipTMソフトウェア、Affymetrix)を用いて生成した。候補選択指標は、実験で得られた配列およびアレイ上に存在する参照配列間の相同性パーセントによって決定した。結果を表6に示す。
【0063】
表6
【0064】
【表6】
Figure 0004744053
【0065】
これらの結果は、増幅プライマーが、意図される標的DNAを効率的にそして特異的に増幅したことを示す。さらに、増幅された配列は、プローブハイブリダイゼーションアッセイに用いて、単位複製配列が産生される核酸の供給源を検出してそして同定することが可能であった。
【0066】
実施例6
プライマーの組み合わせを用いた、多くのマイコバクテリウム属種16S rRNA配列の増幅
本実施例は、TMA増幅および多数の固定化配列特異的プローブのアレイ(GeneChipTM)を有する固体支持体上の検出に用いた際の、本発明のプライマーの特異性を示す。試料調製のための条件は、標的捕捉溶液が、5pmolの配列番号35を含み、粒子洗浄緩衝液が、10mM HEPES、1mM EDTA、150mM NaClおよび0.1%(w/v)ラウリル硫酸ナトリウム、pH7.5であったのを除き、典型的なアッセイに関して上述されるのと実質的に同一であった。洗浄された粒子を、25μlの滅菌水に再懸濁した。
【0067】
増幅条件は以下のとおりであった。水中の粒子に50μlの増幅試薬溶液(1.6mM rUTP、4mM rCTP、6mM rATP、10mM rGTP、各1mMのdNTP、80mM Tris、35mM KClおよび25.6mM MgCl2)および反応あたり各々0.08μMの濃度の3つのプライマー(配列番号11、配列番号16、配列番号37)を添加した。溶液を混合し、そして200μlの不活性油で覆い、蒸発を防いだ。増幅混合物を60℃で10分間、その後42℃で5分間インキュベーションし、そして25μlの酵素試薬を添加した(2000Uの逆転写酵素および2000UのT7ポリメラーゼ)。混合物を穏やかに震蘯し、そして42℃で1時間、さらにインキュベーションした。
【0068】
増幅されたマイコバクテリウム属配列を切断し、そして実施例3に記載されるように蛍光標識し、そして実施例6に記載されるようなDNAプローブアレイ上で検出した。多くのマイコバクテリウム属種に関する結果を表7に要約する(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC、米国バージニア州マナサス)供給源番号は、種名の後の括弧内に示す)。試験した各種に関し、結果は、DNAプローブチップ上のベースコーリング(すなわち特定の種に関する正しいベースコーリング%)に基づいて同定された種として示され、そして検出されたシグナルの平均シグナル強度(平均相対蛍光単位またはRFU)を示す。
【0069】
表7
プライマーの単一の組み合わせを用いた、多くのマイコバクテリウム属種の増幅および検出
【0070】
【表7】
Figure 0004744053
【0071】
Figure 0004744053
【0072】
これらの結果は、単一の組み合わせのプライマーが、多くのマイコバクテリウム属種由来の16S rRNA配列を効果的に増幅し、単一のアッセイを用いて、多くの異なる種の存在を検出するのに用いられる、比較的単純な方法を可能にすることを示す。GeneChipTM上に存在するDNAプローブアレイなどの、多くの種に特異的なプローブを使用する検出法と組み合わせると、該アッセイを用いて、生物学的試料に存在する多くの異なる種を同定することが可能である。
【0073】
本発明の範囲は、本明細書中の請求項およびその均等物すべてによって定義される。
【配列表】
Figure 0004744053
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Figure 0004744053

Claims (5)

  1. 生物学的試料に存在するマイコバクテリウム属(Mycobacterium)種を検出する方法であって:
    マイコバクテリウム属16SリボソームRNA(rRNA)またはマイコバクテリウム属16SリボソームrRNAをコードするDNAを含む、少なくとも1つのマイコバクテリウム属種由来の核酸を含む生物学的試料を提供し;
    少なくとも1つのポリメラーゼ活性、並びに少なくとも1つの第一のプライマーおよび少なくとも1つの第二のプライマーの組み合わせである少なくとも2つのプライマーを含む、invitro核酸増幅混合物中で、マイコバクテリウム属16S rRNAまたはDNAを増幅して、増幅されたマイコバクテリウム属核酸を産生し、ここで第一のプライマーが、配列番号11の配列を有し、そして第二のプライマーが、配列番号16、配列番号30または配列番号37の配列を有し;そして
    増幅されたマイコバクテリウム属核酸と関連する標識を検出することによって、増幅されたマイコバクテリウム属核酸を検出する工程を含む、前記方法。
  2. 増幅工程前に:
    ハイブリダイゼーション条件下で、マイコバクテリウム属16S rRNAに特異的にハイブリダイズする少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチド、および捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする固定化核酸を、生物学的試料に添加して、ハイブリダイゼーション複合体を産生し;そして
    生物学的試料の他の構成要素から、ハイブリダイゼーション複合体を分離する工程をさらに含む、請求項1の方法。
  3. 増幅工程が、ヒト型結核菌(M. tuberculosis)および/またはヒト型結核菌以外のマイコバクテリウム属(MOTT)種の16SrRNAまたはDNAを増幅する、請求項1または請求項2の方法。
  4. 増幅工程が、カメ結核菌(M. abscessus)、アフリカ菌(M.africanum)、M・アシアティクム(M. asiaticum)、鳥型結核菌(M. avium)、ウシ型結核菌(M.bovis)、M・セラツム(M. celatum)、M・ケロネ(M.chelonae)、M・フラベセンス(M. flavescens)、M・フォルツイツム(M. fortuitum)、M・ガストリ(M.gastri)、M・ゴルドネ(M. gordonae)、M・ヘモフィルム(M.haemophilum)、M・イントラセルラレ(M. intracellulare)、M・インテルジェクツム(M. interjectum)、M・インテルメディウム(M.intermedium)、M・カンサシ(M. kansasii)、M・マルモエンセ(M. malmoense)、M・マリヌム(M.marinum)、M・ノンクロモジェニクム(M. non−chromogenicum)、パラ結核菌(M. paratuberculosis)、チモテ菌(M.phlei)、M・スクロフラセウム(M. scrofulaceum)、M・シモデイ(M. shimodei)、M・シミエ(M.simiae)、スメグマ菌(M. smegmatis)、M・ツルガイ(M.szulgai)、M・テレ(M. terrae)、M・トリビアレ(M.triviale)、ヒト型結核菌、M・ウルセランス(M. ulcerans)またはM・ゼノパイ(M. xenopi)からなる群より選ばれるMOTT種の16SrRNAまたはDNAを増幅する、請求項3の方法。
  5. 増幅工程が、配列番号11の配列を有する前記第一のプライマー、および2つの第二のプライマーの前記組み合わせを用い、一方の第二のプライマーが配列番号16の配列を有し、そして他方の第二のプライマーが配列番号37の配列を有する、請求項1の方法。
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