JP2005502798A - 繊維ウェブ、特に板紙ウェブの作製方法及び概念 - Google Patents

Abstract

本発明は、繊維のウェブ、特に板紙のウェブを作製するための方法に関する。繊維のウェブ（Ｗ）は、ヤンキーシリンダに取って代わるロングニップカレンダ（１１；２１）で前カレンダ処理される。本発明は、また、繊維のウェブ、特に板紙のウェブを作製するための概念に関する。本概念は、繊維のウェブ、特に板紙のウェブを作製するための概念であって、繊維のウェブの前カレンダ処理するロングニップカレンダ（１１；２１）を含んで、ヤンキーシリンダを代替する。

Description

【０００１】
本発明は、繊維のウェブ（紙匹）、特に板紙のウェブを作製するための方法に関する。
【０００２】
本発明は、また、繊維のウェブ、特に板紙のウェブを作製するための概念に関する。
【０００３】
繊維のウェブ、特に板紙のウェブを作製するための種々の方法が、繊維のウェブ、特に板紙のウェブを作製するための種々の概念と同様に、技術状態では知られている。ヤンキーシリンダは、板紙作製の際に問題点を有しており、当該シリンダは、板紙を乾燥させるために使用されており、それに対する代替が求められている、というのは、ヤンキーシリンダは、限られた乾燥能力しか有さず、これにより、板紙抄紙機の速度が制限されるからである。板紙のウェブの表面は、ヤンキー乾燥に関連して平滑になる。平滑な表面は、コーティングに適する。
【０００４】
本発明の目的は、ヤンキーシリンダが必要とされない、繊維のウェブ、特に板紙のウェブを作製するための方法及び概念を提供することである。
【０００５】
本発明は、知られているようなロングニップカレンダ処理の利用を基本とする。ロングニップカレンダ処理では、シュー−プレス技術若しくはローラ／ベルト技術を使用することが可能である。シューカレンダ処理では、プレス部から知られている、知られたシュープレス技術が利用され、この場合、シューローラは、シュー、負荷部材、潤滑油システム及びベルトを含む。熱ローラは、ソフトカレンダ処理から知られている技術であり、それは、水、蒸気、油若しくはインダクションにより加熱されるローラであることができる。ニップ幅は、シューの幅により決定され、シューニップは、負荷、ローラ径及びベルト特性から独立した標準幅のニップを生成することを可能とする。これにより、カレンダ処理における重要な変数の滞留時間の最適化、及び、互いに独立したニップ圧の最適化が可能となる。
【０００６】
ベルトカレンダ処理では、同様に、水、蒸気、油若しくはインダクション加熱型のローラが、ベルト循環、及び、ハードローラ若しくはソフトローラであってよいバッキングローラと共に使用される。ベルトは、バッキングローラ及びガイド／引張（テンショニング）ローラにより循環し、ベルト循環の簡易な構造は、古いマシンカレンダ及びベルトカレンダ処理用ソフトカレンダの近代化も可能とする。
【０００７】
板紙を作製する際にヤンキーシリンダを置換するためにロングニップカレンダ処理を用いる時、ロングニップカレンダ処理ではあまり良好でない厚さをプロファイル（調整）する能力も必要とされ、従って、カレンダ処理の準備に関連して実行される前カレンダ処理（プリカレンダリング）で良好な厚さプロファイリングがもたらされる一の効果的なアプリケーションにおいては、方法及び概念を提供することは本発明の必要な追加の目的でない。
【０００８】
本発明による概念は、主に、概念が、繊維のウェブの前カレンダ処理のためのロングニップカレンダを含み、ヤンキーシリンダを置換することを特徴とする。
【０００９】
本発明による繊維のウェブ、特に板紙のウェブを作製するための方法及び概念は、２つのカレンダ処理ステップ、即ち、ロングニップカレンダによる前カレンダ処理、及び、プロファイリングカレンダ、例えばソフトカレンダ若しくはマシンカレンダによる実際のカレンダ処理により形成される。本発明によれば、ヤンキーシリンダが、かくして、ロングニップカレンダにより実行される前カレンダ処理により取って代わられ、これにより、板紙は、例えば通常の乾燥シリンダにより乾燥させられ、板紙の表面は、ロングニップカレンダにより平滑にされる。
【００１０】
本発明の効果的な適用によれば、生産ラインは、先ず、プリカレンダとして機能するロングニップカレンダを含み、そこから、繊維ウェブの表面サイズ処理が実行され、その後、繊維ウェブの乾燥、プロファイリングカレンダによるカレンダ処理、及び、コーティングがなされる。本発明のその他の効果的な適用によれば、ロングニップカレンダによる前カレンダ処理が使用され、次いで、プロファイリングカレンダ及び次のコーティングが実行される。
【００１１】
本発明による方法及び概念によれば、繊維ウェブのプロファイリングがＣＤ方向で達成される。均一なＣＤプロファイルは、例えば板紙／紙の巻取りにとって、重要である。
【００１２】
本発明の追加的な効果的特徴によれば、プリカレンダとして機能するロングニップカレンダは、インダクション加熱装置によりプロファイルされ、繊維ウェブの垂直プロファイリングが達成される。ロングニップカレンダは、熱ローラと、例えばウレタン若しくはゴムベルトのエラストマーのベルトを含むシムベルトローラとを含んでよい。望まれる場合、メタルベルトは、エラストマーのベルトの上に若しくはそれに代わって配置されてよい。シムベルトローラの代わりに、ベルトは、また、所謂ベルトカレンダを形成するため、シムローラ及び幾つかのチューブローラのまわりに搭載されてよい。繊維ウェブを、最も熱い点からプロファイリング・インダクションを用いることによってプロファイリングするとき、紙はより大きくカレンダ処理され、これにより、ウェブの厚さが低減されるが、光沢及び円滑度は増大される。ＣＤ方向での最終の光沢変動は、ウェブが塗工されるときに被覆される。プロファイリング・インダクションを備える本発明によるカレンダは、また、ＣＤ方向での光沢変動が有害とならないグレードに対して最終カレンダとして機能することもできる。熱ローラの径はロングニップカレンダでは常に大きいので、温度の小さな差異さえもローラ径を拡大し、それに伴い、長い滞留時間及びより高い表面温度が、効果的に繊維を垂直方向でプロファイルすることになる。
【００１３】
次に、本発明は、添付図面を参照して詳説されるが、本発明は、その詳細部に如何なる方法によっても限定されない。
【００１４】
図１による適用例では、繊維ウェブは、矢印Ｓ１で示す前の処理ステップから、プリカレンダとして機能するロングニップカレンダ１１に送られ、ウェブは、更に、矢印Ｓ２で示すように、表面サイズ処理ユニット１２に送られ、次いで、矢印Ｓ３で示すように、乾燥ユニット１３が後続し、矢印Ｓ４で示すように、ＣＤ方向でプロファイルするカレンダ１４が後続する。プロファイリングカレンダ１４の後、繊維ウェブは、矢印Ｓ５で示すように、コーティングユニット１５に送られ、そこから更に、矢印Ｓ６で示すように、後続の処理ステップへと送られる。
【００１５】
図２に示す概念（コンセプト）の概略的な適用例では、繊維ウェブは、矢印Ｔ１で示す前の処理ステップから、プリカレンダとして機能するロングニップカレンダ２１に送られ、そこから、矢印Ｔ２で示すように、ＣＤ方向でプロファイルするカレンダ２４に送られ、カレンダ２４には、矢印Ｔ３で示すように、コーティングユニット２５が後続し、そこからさらに、繊維ウェブは、矢印Ｔ４で示すように、後続の処理ステップへと送られる。
【００１６】
図３Ａに示す適用例では、繊維ウェブは、垂直方向でプロファイルするロングニップカレンダ１１；２１に送られ、そこでは、カレンダ処理用のニップが、熱ローラ３１と、そのバッキングローラ３２（例えば、シムベルト（ｓｙｍｂｅｌｔ）シューローラ）との間に形成される。繊維ウェブＷを垂直方向でプロファイルするインダクション加熱ユニット３３は、熱ローラ３１に関連して配置される。代替的には、インダクション加熱ユニットは、例えば、同様に熱ローラ３１の近くとなる点線で示す位置３３Ａに配置されてよく、若しくは、バッキングローラ３２と関連した位置３３Ｂに配置されてもよい。
【００１７】
図３Ｂは、繊維Ｗを垂直方向でプロファイルするロングニップカレンダ１１；２１のその他の適用例の概略図であり、カレンダリングニップＮが、熱ローラ４１とそのバッキングローラ４２（例えば、シムベルト（ｓｙｍｂｅｌｔ）シューローラ）との間に形成され、シムベルトシューローラ４２まわりには、走行するベルト４４が配置され、当該ベルトは、エラストマーのベルト若しくは金属製のベルトであってよい。ベルト４４のテンショニング・ガイドローラが、参照番号４５で示されている。繊維ウェブＷを垂直方向でプロファイルするインダクション加熱ユニット４３は、熱ローラに関連して配置される。代替的には、インダクション加熱ユニットは、点線で示す位置４３Ａ、４３Ｂに配置されてもよい。
【００１８】
インダクション加熱ユニット３３，４３（３３Ａ，３３Ｂ；４３Ａ，４３Ｂ）は、繊維ウェブＷのクロス方向略全幅に亘り延在し、ウェブＷが加熱されるとき、ウェブは、その媒介作用でより大きくカレンダ処理され、これにより、ウェブの厚みが低減される。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】ロングニップカレンダ、表面サイズ処理ユニット、乾燥ユニット及びコーティングユニットを有する本発明の一適用例の概略図である。
【図２】ロングニップカレンダ、プロファイリングカレンダ及びコーティングユニットを有する本発明のその他の適用例の概略図である。
【図３Ａ】繊維ウェブを垂直方向にプロファイルするために使用できるロングニップカレンダの適用例を示す図である。
【図３Ｂ】繊維ウェブを垂直方向にプロファイルするために使用できるロングニップカレンダの適用例を示す図である。

Claims (18)

1. 繊維のウェブ、特に板紙のウェブを作製するための方法であって、
   繊維のウェブは、ロングニップカレンダで前カレンダ処理され、ヤンキーシリンダが取って代えられることを特徴とする、方法。
2. 前記ロングニップカレンダでの前カレンダ処理後に、繊維のウェブは、表面サイズ処理され、乾燥ユニットで乾燥させられ、プロファイリングカレンダでカレンダ処理され、コーティングユニットで塗工される、請求項１記載の方法。
3. 前記ロングニップカレンダでの前カレンダ処理後に、繊維のウェブは、プロファイリングカレンダでカレンダ処理され、コーティングユニットで塗工される、請求項１記載の方法。
4. 繊維のウェブは、プロファイリングカレンダによりＣＤ方向でプロファイルされる、請求項１乃至３の何れかに記載の方法。
5. プリカレンダとして機能する前記ロングニップカレンダは、繊維のウェブを垂直方向でプロファイルするためにプロファイリング・インダクション加熱装置によりプロファイルされる、請求項１乃至４の何れかに記載の方法。
6. 繊維のウェブは、熱ローラとエラストマーのベルトを含むローラとにより形成されるロングニップカレンダで前カレンダ処理される、請求項１乃至５の何れかに記載の方法。
7. 繊維のウェブは、熱ローラと金属製ベルトを含むローラとにより形成されるロングニップカレンダで前カレンダ処理される、請求項１乃至５の何れかに記載の方法。
8. 繊維のウェブは、熱ローラと複数のチューブローラまわりに形成されるベルトとにより形成されるロングニップカレンダで前カレンダ処理される、請求項１乃至５の何れかに記載の方法。
9. 繊維のウェブは、繊維のウェブが、選択された点でより大きく加熱されるように、プロファイリング・インダクション加熱装置により垂直方向でプロファイルされ、これにより、繊維のウェブがより大きくカレンダ処理され、繊維のウェブの厚さが減少される、請求項５記載の方法。
10. 前記熱ローラの径は、温度差が熱ローラの径を拡大させるように、プロファイリング・インダクション加熱装置によりプロファイルされる、請求項９記載の方法。
11. 繊維のウェブ、特に板紙のウェブを作製するための概念であって、繊維のウェブの前カレンダ処理用のロングニップカレンダを含んで、ヤンキーシリンダを代替することを特徴とする、概念。
12. 表面サイズ処理装置、乾燥ユニット、プロファイリングカレンダ、及び、コーティングユニットを更に含む、請求項１１の概念。
13. プロファイリングカレンダ、及び、コーティングユニットを更に含む、請求項１１の概念。
14. ロングニップカレンダは、熱ローラとエラストマーのベルトを含むローラとにより形成される、請求項１１の概念。
15. ロングニップカレンダは、熱ローラと金属製ベルトを含むローラとにより形成される、請求項１１の概念。
16. ロングニップカレンダは、熱ローラと複数のチューブローラまわりに形成されるベルトとにより形成される、請求項１１の概念。
17. ロングニップカレンダは、繊維のウェブを垂直方向でプロファイルするプロファイリング・インダクション加熱装置を含む、請求項１１乃至１６の何れかに記載の概念。
18. プロファイリングカレンダは、繊維のウェブのＣＤ方向でプロファイルする、請求項１１乃至１３の何れかに記載の概念。