JP2005502666A - 高血糖症を有する被験体を処置するための組成物および方法 - Google Patents

高血糖症を有する被験体を処置するための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

高血糖症である被験体を処置するための部分的に精製された植物抽出物が提供される。この部分的に精製された植物抽出物は、800g/moleよりも大きく1500g/moleよりも小さい分子量を有する、複数の水溶性化合物を含む。部分的に精製された植物抽出物中の化合物の1つは、ペンタ−O−ガロイル−D−グルコースとして知られている加水分解可能なガロタニンである。部分的に精製された植物抽出物は、トリテルペノイド(コロゾール酸および高分子量のエラジタニンを含む)を実質的に含まない(すなわち、エラジタニンは、1500g/moleよりも大きい分子量を有する)。非常に好ましい実施形態では、部分的に精製された植物抽出物は、バナバとしても知られている熱帯植物Lagerstroemia Speciosa.Lに由来する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、本明細書中でその全体が参考として援用される、2002年8月31に出願された、米国仮特許第60/316,624号に対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、高血糖症である被験体(具体的には、II型糖尿病を有する被験体、より具体的には、太り過ぎの糖尿病被験体)を処置するための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に糖尿病と呼ばれる、真性糖尿病は、複数の原因因子に由来する疾患プロセスをいい、そして血漿グルコースの上昇したレベル(高血糖症と呼ばれる状態)により特徴付けられる。米国糖尿病学会(American Diabetes Association)によれば、真性糖尿病に、世界人口の約6%が罹患していると見積もられている。制御不能な高血糖症は、微小血管疾患および大血管疾患(ネフロパシー、ニューロパシー、網膜症、高血圧症、脳血管疾患および冠状動脈性心臓病を含む)の増大した危険性に起因して、増加した死亡率および早期の死亡率に関係する。従って、高血糖症の制御は、糖尿病の処置のために重要なアプローチである。
【0004】
糖尿病の2つの主用な形態が存在する:1型糖尿病(以前は、インスリン依存型糖尿病またはIDDMと呼ばれた);および2型糖尿病(以前は、非インスリン依存型糖尿病またはNIDDMと呼ばれた)。1型糖尿病は、インスリン(グルコース利用を調節するホルモン)の完全な不足の結果である。このような完全なインスリンの不足は、通常、膵臓の中のランゲルハンス島内のβ細胞破壊により特徴付けられる。2型糖尿病は、完全というよりはむしろ相対的なインスリンの不足に付随して起こるインスリン耐性により特徴付けられる疾患である。2型糖尿病は、相対的なインスリンの不足を伴う優性なインスリン耐性からいくらかのインスリン耐性を伴う優性なインスリンの不足までの範囲にわたり得る。インスリン耐性とは、インスリンが広範囲の濃度にわたって生物学的作用を発揮する能力の低下である。インスリン耐性の個体において、身体は、この欠陥を補うために異常に高い量のインスリンを分泌する。不適切な量のインスリンが、インスリン耐性を補うため、およびグルコースを適切に制御するために存在する場合、正常に機能しないグルコース耐性の状態が発生する。有意な数の個体において、インスリン分泌は、さらに低下し、そして血漿グルコースレベルは上昇し、その結果、糖尿病の臨床的状態を生じる。
【0005】
2型糖尿病患者の殆どは、β細胞からのインスリンの放出を刺激することにより作用する血糖降下剤か、またはインスリンに対する患者の組織感受性を増大させる薬剤、またはインスリンのいずれかを用いて処置される。スルホニル尿素は、β細胞からのインスリンの放出を刺激する薬剤の例である。インスリンに対する組織感受性を増大させるために適用される薬剤の中では、メトホルミンが代表的な例である。スルホニル尿素は、II型糖尿病の処置において広範に用いられるが、この治療は、殆どの場合、十分ではない。多数のII型糖尿病患者において、スルホニル尿素は、血糖レベルを正常化するのには不十分であり、従って、患者は、糖尿病の合併症を獲得する高い危険性がある。また、多くの患者は、徐々に、スルホニル尿素を用いる処置に対して応答する能力を失い、そして、その結果、徐々に、インスリン処置を強いられる。経口血糖降下剤からインスリン治療へのこの患者のシフトは、通常、II型糖尿病患者における膵臓のβ細胞の消耗に起因する。
【0006】
インスリンは、細胞表面の細胞内貯蔵部位からのグルコース輸送体4(GLUT4)のトランスロケーションを主に通じて、骨格筋および脂肪組織による、グルコース取り込みを刺激する(Saltiel,A.R.およびKahn,C.R.(2001)Nature 414:799−806;Saltiel,A.およびPessin,J.E.(2002)Trends in Cell Biol.12:65−71;White,M.F.(1998)Mol.Cell.Biochem.182:3−11)。インスリンに応答して、細胞内膜内に存在するGLUT4の画分は、形質膜へと再分配され、その結果、細胞表面上でのGLUT4の増加、およびこれらの細胞によるグルコース取り込みの増加が生じる。GLUT4トランスロケーションは、インスリンレセプター(IR)を通して主に媒介される。
【0007】
グルコース輸送に加えて、インスリンは、脂質生成に深く関与する。この脂質生成は、脂肪細胞中の脂肪の蓄積を伴う、前脂肪細胞(pre−fat細胞)の増殖および前脂肪細胞の脂肪細胞(fat細胞)への分化に関与するプロセスである。脂肪細胞株3T3−L1を用いる研究は、脂質生成においてインスリンが果たす役割は、主に有糸分裂であることを示唆する。分化の前に、3T3−L1細胞は、IRよりも多くのIGF−1レセプターを含む、線維芽細胞様の前脂肪細胞である。インビトロでは、前脂肪細胞の脂質生成は、一般的に用いられる分化誘導カクテルであるMDIによりトリガーされ得、このMDIは、cAmpを上昇する薬剤であるメチルイソブチルキサンチン(MIX);糖質コルチコイドである、デキサメタゾン(DEX);および前脂肪細胞上のIGF−1レセプターと相互作用するインスリン(またはIGF−1)からなる(Tong,Q.,Hotamisligil,G.S.(2001)Rev.in Endoc.& Metabolic Disorders.2:349−355;Rosen,E.D.ら(2000)Genes Dev.14:1293−1307)。MDIを用いて処理した場合、コンフルーエントな前脂肪細胞は、細胞周期に再び入り、そして約2回の有糸分裂を受ける(Modan−Moses,D.,ら、Biochem.J.333:825−831;Tong,Q.,Hotamisligil,G.S.(2001)Rev.in Endoc.& Metabolic Disorders.2:349−355;Rosen,E.D.ら(2000)Genes Dev.14:1293−1307)(クローン増殖と一般に呼ばれるプロセス)。クローン増殖の後、前脂肪細胞は、細胞周期を出て、そしてC/EBP−α、C/EBP−β、C/EBP−δ、およびPPAR−γを含む脂肪細胞遺伝子を発現することによって、脂肪細胞への分化を始める。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
脂肪生成(adiopogenic)効果の結果として、インスリンは、2型糖尿病を有する患者における肥満を促進する望ましくない効果を有する。(Moller,D.E.(2001)Nature 414:821−827を参照のこと)残念なことに、2型糖尿病を有する患者におけるグルコース輸送を刺激するために現在用いられている、他の抗糖尿病薬物もまた、脂肪生成活性を保有する。従って、現在の薬物療法は、血糖の低下を提供し得る一方で、これは、頻繁に、肥満を促進する。従って、高血糖症を処置するための新しい組成物および方法が、所望される。付随的な脂質生成副作用を発生させることなく、グルコース取り込みを刺激する組成物は、特に好適である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
高血糖症である被験体を処置するための部分的に精製された植物抽出物を提供する。この部分的に精製された植物抽出物は、800g/moleよりも大きく1500g/moleよりも小さい分子量を有する、複数の水溶性化合物を含む。部分的に精製された植物抽出物中の化合物の1つは、ペンタ−O−ガロイル−D−グルコースとして知られている加水分解可能なガロタニンである。部分的に精製された植物抽出物は、トリテルペノイド(コロゾール酸および高分子量のエラジタニンを含む)を実質的に含まない(すなわち、エラジタニンは、1500g/moleよりも大きい分子量を有する)。非常に好ましい実施形態では、部分的に精製された植物抽出物は、バナバ(banaba)としても知られている熱帯植物Lagerstroemia Speciosa.Lに由来する。
【0010】
本発明はまた、高血糖症である被検体における血糖値を減少させるための方法を提供する。この方法は、部分的に精製した植物抽出物を被験体に投与する工程を包含する。この部分的に精製された抽出物を、被験体に注入により投与することも可能であるが、投与の好ましい方法としては、経口投与が挙げられる。この方法は、高血糖症である被験体、および真性糖尿病を有する被験体を処置するために有用である。この方法は、特に、II型糖尿病を有する太り過ぎの被験体を処置するために有用である。
【0011】
(発明の詳細な説明)
(定義)
用語「真性糖尿病」または「糖尿病」は、体内の適切な血糖レベルを維持することの失敗を生じるグルコースの産生および利用における代謝欠陥により一般的に特徴付けられる、疾患または状態を意味する。これらの欠陥の結果は、上昇した血中グルコースである(「高血糖症」と呼ばれる)。糖尿病の2つの主要な形態は、1型糖尿病および2型糖尿病である。上で議論されるように、1型糖尿病は、一般的に、インスリン(グルコース利用を調節するホルモン)の完全な欠乏の結果である。2型糖尿病は、頻繁に、正常にもかかわらず、または上昇したインスリンレベルでさえ生じ、そしてインスリンに対して適切に応答する組織の能力が失われるという結果を生じる。殆どの2型糖尿病患者は、インスリン耐性であり、そしてインスリンの相対的な欠乏を有する、すなわち、インスリン分泌は、インスリンに応答する末梢組織の耐性を補償し得ない。さらに、多くの2型糖尿病は、肥満である。グルコース恒常性の障害の他の型としては、低下したグルコース耐性が挙げられ、これは、正常なグルコース恒常性と糖尿病との間の中間の代謝段階である。2型糖尿病および低下したグルコース耐性についての診断のガイドラインは、米国糖尿病学会により概略が示されている(例えば、The Expert Committee on the Diagnosis and Classification of Diabates Mellitus,Diabetes Care,(1999)第2巻(補遺1):S5−19を参照のこと)。
【0012】
用語、糖尿病の「症状」としては、本明細書中で用いられる場合、多尿症、多渇症、多食症、高インスリン血症、および高血糖症(それらの語法を包含する)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、「多尿症」は、所定の期間の間の大量の排尿を意味し;「多渇症」は、慢性の口渇を意味し;「多食症」は、過剰な飲食を意味し;そして高インスリン血症は、インスリンの血中レベルの上昇を意味する。糖尿病の他の症状としては、例えば、特定の感染(特に、真菌感染およびstaphylococcal感染)に対する感受性の増大、悪心、およびケトアシドーシス(血中のケトン体の産生増大)が挙げられる。
【0013】
「加水分解可能なガロタニン」は、本明細書中で用いられる場合、1つ以上のトリヒドロキシベンゼンカルボン酸を有するグルコースのエステルであるガロイルグルコース化合物をいう。
【0014】
「トリテルペノイド」は、本明細書中で用いられる場合、トリテルペンまたはトリテルペンの誘導体である化合物をいう。植物において見出されるトリテルペノイド化合物の1つの例は、コロゾール酸である。「トリテルペノイド化合物を実質的に含まない」とは、本明細書中で用いられる場合、1重量%未満の1つ以上のトリテルペノイド化合物を含む、部分的に精製された植物をいう。好ましくは、本発明の部分的に精製された植物抽出物は、0.5重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満の1つ以上のトリテルペノイドを含む。
【0015】
1つの局面では、本発明は、高血糖症、非インスリン依存II型糖尿病または肥満を有する被験体を処置するために、部分的に精製された植物抽出物(以下「TE」といわれる)を提供する。1つの実施形態では、TEは、熱帯植物であるLagerstroemia Speciosa.L(これは、バナバとしても知られている)の葉の部分的に精製された熱水抽出物である。TEは、複数の水溶性化合物、親水性化合物、熱安定性化合物、非タンパク質化合物、非DNA化合物、非脂質化合物を含む。TE中の化合物の1つは、ペンタ−O−ガロイル−D−グルコースとして知られている加水分解可能なガロタニンである。TEは、さらに、800g/moleと1500g/moleとの間の分子量を有する1つ以上のさならる化合物を含む。本発明に従って、バナバの熱水抽出物(以下、「BE」として知られている)およびTEの両方は、脂肪細胞の分化を誘導することなく、3T3−L1脂肪細胞中へのグルコース取り込みを刺激することが決定されている。BEのグルコース取り込み刺激活性は、時間依存および濃度依存の両方である。本発明に従って、グルコースを与えた正常なマウスの血中グルコースレベルは、BEが同時に投与される場合、低下することもまた決定されている。本発明に従って、トリテルペノイドが、有意に低下した量のTEで、存在しないか、存在するかもまた決定されている。
【0016】
1つの実施形態では、TEは、以下の手順に従ってバナバ植物の葉から単離される:
1.熱水抽出物(HWE)を、好ましくは、少なくとも30分間、水中でバナバ茶を沸騰することにより作製する。
【0017】
2.熱水抽出物(HWE)を、好ましくは、加熱エバポレーションし、粒子物質を取除くためにろ過および遠心分離し、そして、好ましくは、凍結乾燥して粉末を形成する、
3.次いで、この粉末を、水に溶解して、10%(w/v)の抽出液を得、そしてC−18逆相カラムの高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によって画分に分ける。HPLCの条件は以下である:
バナバ熱水抽出物の個別の画分への分離のためのHPLC法。
HPLCシステムは、125溶媒モジュール、168 PDA検出器、および508自動サンプラーからなるBeckman System Goldである。Beckman Ultrasphere C−18逆相カラム(10.0mm×250mm I.D.、5μm)を用いた。検出波長を210nm、300nmおよび370nmに設定した。溶離液Aは、水および0.1%トリフルオロ酢酸の混合物であり、溶離液Bは、アセトニトリルおよび0.1%トリフルオロ酢酸の混合物であった。ISCO製のFoxy Jr.画分コレクターを用いて、指定時刻に作用するウィンドウ(timed window)で個別の画分を収集した。分離を、2mL/分の流速で250分でAからBへの以下の直線勾配を用いて達成した:
無勾配Aで25分、30分で100:0〜95:5、無勾配で25分間、2分間で95:5〜91.8:8.2、無勾配で18分間、35分間で91.8:8.2〜90:10、無勾配で20分間、15分間で90:10〜88.5:11.5、3分間で88.5:11.5〜85:15、無勾配で27分間、15分間で85:15〜80:20、無勾配で5分間、10分間で80:20〜50:50、次いで、無勾配で0分間。
【0018】
各実施(run)において、100μlの熱水バナバ抽出液を、自動サンプラーを用いてインジェクションする。フラクション収集ウィンドウを、インジェクションの40分後に開始し、そして250分で終了する。収集ウィンドウ内で、画分を、HPLCプロフィールにおける波長300nm(青のスペクトル)でのピークの高さおよび幅に従って収集するが、このウィンドウ内で、波長300nmで示されるピープは、210nm(黒のスペクトル)で示されるピークと一致する。グルコース取り込みアッセイでにおいてポジティブな結果を示す各画分(ピーク)の保持時間は、以下である:
【0019】
【表1】
Figure 2005502666
上に示されない、ウィンドの外側の画分およびウィンド内のピークは、収集されず、廃液に向かう。
【0020】
別の局面では、本発明は、高血糖症を有する被験体を処置するための方法を提供する。このような被験体としては、II型糖尿病を有する患者が挙げられる。この方法は、治療的に有効量のTEを含む組成物を、被験体に投与する工程を包含する。本発明の方法は、特に、太り過ぎの糖尿病患者を処置するために特に有用である。
【0021】
(投薬量)
TEは、治療有効量で被験体に投与される。本明細書中で使用される場合、用語「治療有効量」は、有意義な利益(すなわち、被験体の血中グルコースレベルの低減)を示すのに十分であるその総量を意味する。有意義な結果を得るために必要なTEの投薬量は、本開示を鑑みて、適切なコントロールを用いて慣用的な試験を行うことによって、当業者に決定され得る。コントロールに対する適切な処置群の比較は、被験体の血中グルコースレベルの低減において、特定の投薬量が有効であるか否かを示す。
【0022】
必要なTEの量は、処置される状態の性質および重篤度、ならびに被験体が以前に受けた先行処置の性質に依存する。最終的に、投薬量は、臨床試験を用いて決定される。最初に、医師は、動物研究から誘導された用量を投与する。有効量は、組成物の1回の投与によって達成され得る。あるいは、有効量は、被験体への組成物の複数回の投与によって達成される。インビトロの生物学的有効量(すなわち、グルコース取り込みを誘導するのに十分な量)は、活性の完全な範囲を決定するために、2倍の増分で投与される。経口投与、皮下投与および静脈内投与の効力は、臨床試験によって決定される。1回のTEの投与は、有益であり得るが、複数回の投与が好ましいと予測される。
【0023】
(送達)
TEの投与は、好ましくは、経口投与による。あまり好ましくないものの、TEは、注射によっても投与され得る。
【0024】
経口投与に適切な本発明の処方物は、各々が所定量の活性化合物を含む別個の単位(例えば、カプセル、カシェ剤、錠剤、ボーラスまたはロゼンジ)として;粉末もしくは顆粒として;または液体形態(例えば、水溶液、懸濁液、シロップ、エリキシル剤、エマルジョン、分散物など)で、提示され得る。TEは、丸剤の形態(カプセル中の粉末または濃縮液)で、または(乾燥粉末であるが、(お茶やコーヒーを飲むのと同じように)水中に配置した後に摂取され得る粒子へと圧縮されている)粉末形態で、投与され得る。
【0025】
非経口投与に適切な処方物は、好都合に、例えば、注射用の水、生理食塩水、ポリエチレングリコール溶液など(これは、好ましくは、レシピエントの血液と等張である)中に、活性化合物の滅菌調製物を含む。有用な処方物は、適切な溶媒での希釈の際に、非経口投与に適切な溶液を与える、TEを含む濃縮溶液または固体を含む。
【0026】
上記成分に加えて、本発明の処方物は、薬学的処方の分野で利用される1つ以上の任意の付属的成分(すなわち、希釈剤、緩衝剤、香料、色素、結合剤、界面活性剤、増粘剤、潤沢剤、懸濁剤、防腐剤(抗酸化剤を含む)など)を、さらに含み得る。
【0027】
任意の示された状態に対して有効であるために必要なTEの量は、もちろん、処置される個々の哺乳動物によって変化し、そして最終的には医師または獣医師の裁量である。考慮されるべき因子としては、処置される状態、投与経路、処方物の性質、哺乳動物の体重、表面積、年齢および一般的状態、ならびに投与されるべき特定の抽出物が挙げられる。合計の一日用量は、単回用量、複数回用量(例えば、一日当たり2〜6回)としてか、または選択された持続時間にわたる静脈内注入によって、与えられ得る。上記で列挙された範囲を超えるかまたは下回る投薬量が、本発明の範囲内であり、そして所望かつ必要な場合、個々の患者に投与され得る。
【0028】
組成物は、生物学的有効量のTE、および必要に応じて比較的不活性なキャリアを含む。多くのこのようなキャリアが慣用的に使用され、そして薬学の教科書を参照して同定され得る。受容可能なキャリアは、生理学的に受容可能な希釈剤またはアジュバントである。用語、薬学的に受容可能とは、そのアナログの有効性を妨害しない非毒性物質を意味する。このキャリアの特徴は、投与経路、および組成物中の特定の化合物または化合物の組み合わせに依存する。このような処方物の調製は、当業者の技術範囲内である。この組成物は、アナログの活性を増強するか、またはその活性を補完するかのいずれかである、他の因子をさらに含み得る。この組成物は、充填剤、塩、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤および当該分野で周知の他の物質をさらに含み得る。
【実施例】
【0029】
以下の実施例は、例示のみの目的のためであり、本明細書に添付される特許請求の範囲を限定することを意図しない。本明細書中で引用される全ての参考文献は、その全体が本明細書中で参考として具体的に援用される。
【0030】
(実施例1:バナバの熱水抽出物の、グルコース取り込みおよび脂肪生成に対する効果)
(A.材料および方法)
(材料)3T3−L1繊維芽細胞を、American Type Culture Collection(ATCC、Rockville、MD)から購入した。バナバの葉を、Huagen Pharmaceuticals(Hong Kong)からの贈与として得た。ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)およびダルベッコPBS(DPBS)は、Gibco Life Technologies(Grand Island,NY)からであった。胎仔ウシ血清(FBS)は、Atlanta Biologicals,Inc(Norcross,GA)からであった。ウシインスリン(IS)、3−イソブチル−1−メチル−キサンチン(IBMX)およびデキサメタゾン(DEX)は、Sigma Chemical(St.Louis,MO)からであった。2−デオキシ−D−[H]グルコースは、Amersham Pharmacia Biotech(Piscataway,NJ)からであった。Dianion HP−20樹脂は、Mitsubishi Chemical Corporation(Tokyo,Japan)からであった。抗マウスGLUT4モノクローナル抗体は、Biogenesis(Brentwood,NH)からであった。
【0031】
(バナバ抽出物調製)バナバ抽出物を、以前に記載された方法(Kakuda,T.ら、(1996)Biosci.Biotechnol.Biochem.60:204−208)によって、改変を加えて調製した。バナバ熱水抽出物(BE)を、50gのバナバ葉を1Lの蒸留水中で30分間沸騰させ、加熱エバポレーションによって濃縮して総量を減少させ、その後、30,000gで30分間超遠心し、0.45μmのフィルタで濾過し、そして凍結乾燥することによって、単離した。このBEを、Dianion HP−20樹脂カラムを通過させることによって、さらに分離した。このBEを、Dianion HP−20樹脂を充填したカラムにロードし、次いで蒸留水で洗浄し(BWE)、そして吸着された画分を、メタノールで溶出した(BME)。これら2つの、カラムから溶出した画分を、個々に濃縮し、そして凍結乾燥した。バナバ抽出物(BEおよびBME)の粉末を、滅菌dHO中に溶解し、次いで、脂肪細胞分化研究のために、0.2μmフィルタでさらに滅菌した。他に示されない限り、この研究においてBEを使用した。
【0032】
(細胞培養および脂肪細胞分化)3T3−L1細胞を、DMEM中で維持し、そして10%CO細胞インキュベータ中で、37℃にて10% FBSを補充した。前脂肪細胞(preadipocyte)である3T3−L1細胞を、コンフルエンス後、2日目まで、12ウェルのプレートで増殖させた。分化を、1mg/L IS、0.5mmol/L IBMXおよび0.25μmol/L DEX(IS−IBMX−DEX)の添加によって、以前に記載されたとおりに誘導した(20)。誘導の2日後に、IS−IBMX−DEX含有培地を、1mg/L IS単独を含む培地で置換した。この培地を、引き続いて、最初の2日間の後に新鮮な培養培地(10% FBSを補充したDMEM)で再び置換し、次いで、その後一日おきに置換した。脂肪細胞分化におけるバナバ抽出物の役割を決定するために、BEを、インスリンを置換するか(BE−IBMX−DEX)、またはIS−IBMX−DEXを補充する(BE−IS−IBMX−DEX)かのいずれかのために、培地に添加した。差示的に誘導された細胞を、誘導の開始の9〜12日後に、グルコース取り込み活性について評価した。
【0033】
(グルコース取り込み活性アッセイ)グルコース取り込み活性を、2−デオキシ−D−[H]グルコースの取り込みを、以前に記載されたように(Sakoda,H,ら、(1999)Diabetes 48:1365−1371;Garcia de Herreros,A.&Birnbaum,M.J.(1989)J.Biol.Chem.264:19994−19999)測定することによって、分析した。簡潔には、12ウェルプレート中で増殖したコンフルエントな3T3−L1脂肪細胞を、無血清DMEMで2回洗浄し、そして同じ培地1mlと共に、37℃で2時間インキュベートした。これらの細胞を、Krebs−Ringer−Hepes(KRP)緩衝液で3回洗浄し、そして0.9mLのKRP緩衝液と共に、37℃で30分間インキュベートした。次いで、インスリンおよび/またはBEを添加し、そして脂肪細胞を、37℃で15分間インキュベートした。グルコース取り込みを、0.1mlのKRP緩衝液および3.7×10Bq/Lの2−デオキシ−D−[H]グルコース、ならびに最終濃度1mmol/Lのグルコースの添加によって、開始した。10分後、グルコース取り込みを、細胞を、冷PBSで3回洗浄することによって終了させた。これらの細胞を、0.7mLの1% Triton X−100で、37℃で20分間溶解した。細胞溶解物によって保持された放射活性を、シンチレーションカウンターによって決定した。非特異的グルコース取り込みを、100mmol/Lのグルコース濃度で測定した。アッセイデータを、対応(paired)Student t検定を使用して、統計的に分析し、P<0.05を、有意な差異レベルとして設定した。
【0034】
(脂肪細胞分化アッセイ)未分化3T3−L1前脂肪細胞を、上記のように、脂肪細胞へと分化するように誘導した。異なる薬剤によって誘導したこれらの細胞の分化の程度を、脂質蓄積の顕微鏡観察、ならびにこれらの細胞が、上記の誘導の最後に示すグルコース取り込み活性によって、評価した。グルコース取り込みアッセイを、分化した脂肪細胞がインスリンによって誘導されて、グルコースを取り込み得るが、前脂肪細胞は取り込め得ないという観察に基づいて、脂肪細胞分化の程度の決定のために、本明細書中で選択し、そして実施した。
【0035】
(ノーザンブロット分析およびウエスタンブロット分析)総RNAまたは総タンパク質を、インスリン、IBMXおよびDEX、ならびにBEの異なる組み合わせによって誘導した3T3−L1細胞から、標準的な手順を用いて単離した。PPARγ2 mRNA発現の検出のために、32P標識した308塩基対のフラグメント(PPARγ2 cDNAのコード領域の+29〜+336のヌクレオチドに対応する)を、プローブとして使用し、そしてサンプル当たり10〜tgの総RNA(誘導の144時間後に単離した)を、使用した。ウエスタンブロット分析について、抗マウスGLUT4モノクローナル抗体を使用し、そしてレーン当たり100Etgの総タンパク質(誘導の10日後に単離した)を、ロードした。
【0036】
(B.結果および考察)
インスリンのように、バナバの熱水抽出物およびバナバHP−20メタノール溶出物(それぞれ、BEおよびBME)の両方は、3T3−L1脂肪細胞においてグルコース取り込みを刺激し得るが、一方、バナバHP−20水溶出物(BWE)は、刺激し得ず(P<0.05、図1)、このことは、バナバ抽出物中のグルコース輸送誘導活性を有する有効成分が、水溶性であるが比較的非極性であることを示唆する。また、抽出物調製の間の沸騰および加熱エバポレーションを経た活性の維持は、この有効成分が熱安定性であり、そしておそらくタンパク質ではないことを示す。
【0037】
次いで、グルコース取り込みに対するBE濃度の影響を、インスリン濃度の影響と比較した。BEのグルコース取り込み活性の濃度依存曲線(図2a)は、インスリンの濃度依存曲線(図2b)と非常に類似する。最も高いグルコース取り込みを刺激するBEの濃度範囲は、約0.1g/L〜0.25g/Lである(図2a)。2つの用量応答曲線間の類似、およびグルコース取り込み活性を刺激するためにBEが要する誘導時間が、インスリンが要する誘導時間(15分以下)(材料および方法中の、グルコース取り込み活性アッセイを参照のこと)と類似したという観察は、BEが、インスリンの機構と類似の機構によって、グルコース取り込みを刺激し得(Flores−Riveros,J.R.ら、(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:512−516;Fong,J.C.ら、(1999).Cell.Signal.11:53−58;Baldwin,S.A.ら、(1995)Biosci.Reports 15:419−426)、そして他の公知の化学物質によって利用される機構(Flores−Riveros,ら、(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:512−516;Baldwin,S.A.ら、(1995)Biosci.Reports 15:419−426;Szalkowski,D.ら、(1995)Endocrinol.136:1474−1481;Murakami,N.、Inoueら、(1997)Life Sci.60:1821−1831)とは異なることを示唆する。
【0038】
BEが、インスリンのグルコース取り込み活性をさらに増強し得るかどうかを試験するために、0.1g/LのBEを、種々の濃度(0〜1000nmol/L)でインスリンに添加した。インスリン単独の場合と比較して、グルコース取り込みの増加は観察されなかった(図3a)。このことは、BEとインスリンとの間に相加的影響も相乗的影響もないことを示す。対照的に、インスリンに対するBEの添加によるグルコース取り込み活性の減少(P<0.05)が観察された(図3b)。BEのグルコース取り込み誘導活性およびインスリン誘導性グルコース取り込みに対するBEの阻害活性の観察に基づいて、BEの作用機構の仮説が立てられる。BEは、インスリン媒介性グルコース輸送シグナル伝達経路(これは、インスリンレセプターで始まり、GLUT4で終わる)に直接関与するタンパク質因子と相互作用し得、結果として、グルコース取り込みを活性化する。他方、BEとタンパク質因子との間の相互作用は、この因子のコンフォメーションを構造的に変更し得、この因子がインスリン−インスリンレセプター結合から始まるグルコース取り込みシグナルを適切に受容することを防止する。BEは、他の一般的な抗糖尿病薬物(例えば、チアゾリジンジオン(TZD)によって使用される機構とは非常に異なる機構を介して、グルコース取り込みを適切に刺激する(Stevenson,R.W.ら、1996)Diabetes 45:60−66,30)。TZDは、PPARγ(これは、次に、GLUT4遺伝子の発現をアップレギュレートする)を活性化することによって、遅く間接的な機構を使用して、グルコース取り込みを刺激する(Stevenson,R.W.ら、(1996)Diabetes 45:60−66、Park,K.S.ら、(1998)J.Clinical Endocrinol.Metab.83:1636−1643;Kerstein,S.ら、(2000)Nature 405:421−424)。対照的に、BEのグルコース取り込み刺激活性は、かなり速く、かつより直接的であるようである。BE中の有効化合物は、TZDに対する代替物として使用されて、細胞および動物の両方においてグルコース取り込みを誘導し得る新規群の化学物質を示し得る。
【0039】
未分化3T3−L1前脂肪細胞は、インスリン、IBMXおよびDEXを含むカクテルの添加によって、脂肪細胞に転換され得る(20)。しかし、1mg/L〜100mg/LのBEがインスリンを置換し、そしてIBMXおよびDEXの存在下で前脂肪細胞に添加される場合、グルコース取り込みアッセイによって明らかにされるような、3T3−L1細胞の脂肪細胞分化は、観察されなかった(図4)。この結果は、BEが、3T3−L1細胞において脂肪細胞分化を誘導しないことを示す。興味深いことに、BEおよびBMEは共に、IS−IBMX−DEXと同時インキュベートされる場合、脂肪生成を阻害し得たが、一方でBWEは阻害し得なかった(図5)。このことは、脂肪細胞分化阻害活性およびグルコース取り込み活性の両方が、BMEに起源することを示す(図1)。BEによる脂肪細胞分化の阻害が、時間依存的(図6a)かつ濃度依存的(図6b)であることが、さらに示された。これらの結果は、脂肪蓄積の顕微鏡的観察と一致する(図5)。3T3−L1前脂肪細胞(これの分化は、BEおよびIS−IBMX−DEXの同時インキュベーションによってブロックされる)は、このIS−IBMX−DEX誘導カクテルが、細胞に再導入された場合に、分化プロセスに再突入する能力を保持することが見出された(データ示さず)。BEは、脂肪細胞においてインスリン様のグルコース取り込み誘導活性を示したが、前脂肪細胞においてインスリン様の分化誘導活性を示さなかったことに留意することは、興味深い。この差異は、これら2つの活性が、2つの別個のシグナル伝達経路に由来し、そしてインスリンレセプターが、脂肪細胞においてグルコース輸送プロセスに関与するが、一方で、インスリン様増殖因子1レセプター(これは、インスリンレセプターと相同である)が、分化の誘導のために、前脂肪細胞においてインスリンによって使用されるという事実によって、説明され得る(Cowherd,R.M.ら、(1999)Cell Dev.Biol.10:3−10;Tang,Q.−Q.&Lane,M.D.(1999)Genes Dev.13:2231−2241;Lane,M.D.ら、(1999)Biochem.Biophy.Res.Comm.266:677−683)。
【0040】
BEがIN−IBMX−DEXによって誘導される脂肪細胞分化をどのように阻害するかを調査するために、2つの重要な分化マーカー(PPARγ2およびGULT4)を使用して、BEの存在下または非存在下で、IBMX−DEXまたはIS−IBMX−DEXのいずれかによって誘導された前脂肪細胞における分化の進行をモニタリングした。ノーザンブロット分析により、BEは、用量依存的な様式で、IBMX−DEXまたはIS−IBMX−DEXのいずれかによって誘導されたPPARγ2のmRNA発現をおおいに阻害したことが示された(図7A)。さらに、ウエスタンブロット分析によって示されるように、GLUT4(約65kDa)のタンパク質産生は、BEの非存在下で誘導された細胞よりも、BEの存在下でIS−IBMX−DEXによって誘導された細胞において、大きく阻害された(図7B)。これらの結果は、グルコース取り込みアッセイを用いて研究した本発明者らの他の分化阻害結果と一致し(図4および6)、そして他のグルコース取り込みアッセイとは一致しない(図1〜3)。なぜなら、BEのグルコース取り込み誘導活性は、完全に分化した脂肪細胞において試験したが(図1〜3)、一方でBEのGLUT4阻害効果は、未分化細胞で観察したからである(図7B)。GLUT4発現を、この研究において分化の指標として使用して、BEの、前脂肪細胞において分化を誘導するが、脂肪細胞においてグルコース輸送を誘導しない能力をモニタリングした。これらの結果全てが、BEによってもたらされる分化阻害の特異的標的が、PPARγ2またはPPARγ2の発現を直接的もしくは間接的に調節する因子であることを示唆する。この阻害の作用部位を決定するためのさらなる実験が必要である。43kDaタンパク質の同定および機能(図7B)は、この時点では不明である。ウエスタンブロットにおけるこのようなタンパク質バンドの存在は、おそらく、特異的モノクローナル抗体に起因し、そしておそらくはこの研究で使用した細胞に起因するものであった。
【0041】
抗糖尿病薬物(例えば、インスリンまたはTZD)は、脂肪細胞におけるグルコース輸送および脂質生合成の両方をアップレギュレートする(Stevenson,R.W.ら、(1996)Diabetes 45:60−66;Park,K.S.ら、(1998)J.Clinical Endocrinol.Metab.83:1636−1643)。体重増加は、II型糖尿病患者におけるインスリン治療の、頻発する副作用である(Laville,M.&Andreelli,F.(2000)Diabetes Metab.26(補遺3):42−5)。従って、グルコース低下活性を有するが、脂肪生成活性を欠く薬物が、非常に所望される。BEの有効成分は、このような利点の組み合わせを有するようである。
【0042】
(実施例2:バナバのメタノール抽出物および水抽出物の特徴付け)
バナバ葉を、37℃で、500mLのヘキサンで2回抽出し、500mLのメタノールで2回抽出し(MeOH抽出物)、次いで、500mLのHOで2回抽出した(HO抽出物)。24ウェルプレート中の脂肪細胞を、MeOH抽出物またはHO抽出物と共にか、またはポジティブコントロールとしてインスリンおよびバナバ熱水抽出物(BE)共にか、あるいはネガティブコントロールとして処理なしで、15分間インキュベートした。処理後、細胞を、2−デオキシ−D−[H]グルコース取り込みについてアッセイした。図7に示されるように、バナバHO抽出物は、3T3−L1脂肪細胞においてグルコース取り込みを刺激したが、MeOH抽出物は刺激しなかった。
【0043】
未分化3T3−L1前脂肪細胞を、デキサメタゾン(DEX)および3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)の存在下で、インスリン、バナバ熱水抽出物(BE)または異なる濃度のバナバHO抽出物のいずれかと共に、インキュベートした。処理の10日後、脂肪細胞分化の程度を、細胞のグルコース取り込み活性によってアッセイした。図8に示されるように、バナバHO抽出物は、インスリンならびにIBMXおよびDEXによって誘導される3T3−L1細胞の脂肪細胞分化を阻害した。
【0044】
24ウェルプレート中の分化した3T3−L1細胞を、異なる濃度のバナバHO抽出物と共に15分間インキュベートし、次いで、2−デオキシ−D−[H]グルコース取り込みについてアッセイした。図9に示されるように、バナバHO抽出物のグルコース取り込み活性の濃度依存曲線は、インスリンおよびバナバ熱水抽出物(BE)の濃度依存曲線と非常に類似する。
【0045】
これらの結果は、グルコース取り込み刺激活性(図7)および脂肪細胞分化阻害活性(図8)が両方とも、バナバ水抽出物中には存在するが、バナバのメタノール抽出物中には存在しないことを示す。トリテルペノイドコロソリン酸(corosolic acid)は、疎水性であり、そしてバナバのメタノール抽出物中に存在することが予測され、このことは、コロソリン酸が、バナバ水抽出物中の活性因子の1つではないことを示唆する。
【0046】
バナバのメタノール抽出物およびHO抽出物中の化合物の薄層クロマトグラフィー(TLC)同定を、5〜10%のMeOH−CHCl溶媒中でシリカゲルで実施し、65%硫酸中の硫酸セリウムの飽和溶液またはFeClエタノール溶液を噴霧することによる検出で、決定した。純粋なウルソル酸を、トリテルペノイドコントロールとして使用し、そして市販のタンニン酸混合物を、タンニン酸コントロールとして使用した。これらの結果は、トリテルペノイドが、バナバのメタノール抽出物中に存在するが、バナバ水抽出物中には存在しないことを示した。これらの結果はまた、バナバの水抽出物が、タンニン酸を含むことを示した。
【0047】
バナバのメタノール抽出物および水抽出物をまた、Q−TOFエレクトロスプレー質量スペクトル分析に供した。これらの結果は、バナバのメタノール抽出物が、コロソリン酸を含むことを確認した。しかし、バナバ葉のメタノール抽出物は、グルコース取り込み活性を示さず、このことは、コロソリン酸が、有効画分ではないことを示す。
【0048】
バナバ葉熱水抽出物(BE)をまた、BSAおよびゼラチン(タンニン酸を沈殿させることが公知の試薬)と反応させた。BEのBSAおよびゼラチン沈殿の後の残りの抽出物において、グルコース取り込み刺激活性は観察されなかった。まとめると、これらの結果は、BE中の活性成分のうち1つ以上が、タンニン酸であることを示唆する。
【0049】
(実施例3:BEを用いた正常なマウスの処置)
3月齢の正常マウス(平均体重24グラム)を使用して、インビボでのグルコース取り込みに対するBEの効果を評価した。マウスに、BEでの処置の前に、通常の食餌および水を与えた。0時点で、これらのマウスに、グルコース溶液またはグルコースおよびバナバ抽出物(BE)の溶液を与えた。マウスに与えたグルコースまたはグルコース+BE溶液の総容量は、100μLであった。処置後の種々の間隔で、血液を、尾部静脈を介して収集した。6μlの総血液を、血中グルコース試験のために使用した。One Touch Basic完全糖尿病モニタリングシステム(Johnson&Johnson company)を、血中グルコースレベルを測定するために使用した。実験群およびコントロール群を、ランダムに選択し、そして4匹のマウスを、1群当たり使用した。実験データを、Microsoft Excelプログラムを用いてプロットした。図15に示されるように、50mgのグルコースと同時にBEを与えた正常マウスは、マウスにグルコース単独(すなわち、BEなし)が与えられる場合に生じる、ピーク血中グルコースレベルを低下させる。
【0050】
(実施例4:バナバの部分的精製抽出物の調製)
バナバ葉の熱水抽出物を、実施例1に上記したように調製した。この抽出物を、以下に記載されるHPLC方法を使用して、活性画分へとさらに精製した。第一のHPLC分離の条件は、以下の通りであった:
HPLCシステムは、125個の溶媒モジュール、168個のPDA検出器および508オートサンプラーから構成される、Beckman System Goldである。Beckman Ultrasphere C−18逆相カラム(4.6mm×250mm I.D.、5m)を使用した。検出波長を、210nm、260nmおよび370nmに設定した。溶出液Aは、水および0.1%トリフルオロ酢酸の混合物であり、溶出液Bは、アセトニトリルおよび0.1%トリフルオロ酢酸の混合物であった。分離を、1mL/分の流速で、60分間で、AからBへの以下の直線的勾配を用いて、達成した:
無勾配Aで5分間、10分間で100:0〜90:10、無勾配で10分間、10分間で90:10〜80:20、イソクラチックで10分間、5分間で80:20〜50:50、無勾配で10分間。
【0051】
HPLC実施法1によって生成される画分のプロフィールを、図17に示す。HPLC画分1〜6を、この抽出物から単離し、そしてグルコース取り込み刺激活性について試験した。12ウェルプレート中の脂肪細胞を、0.1g/Lの画分1〜6と共にか、またはポジティブコントロールとしてインスリンおよびバナバ熱水抽出物(BE)共にか、あるいはネガティブコントロールとして処理なしで、インキュベートした。次いで、これらの細胞を、2−デオキシ−D−[H]グルコース取り込みについてアッセイした。図18に示されるように、HPLC画分2および3(F2およびF3)は、有意な生物学的活性を含んだ。
【0052】
バナバ熱水抽出物についてのHPLCの実施条件を、HPLC実施法1の実施に由来する画分F2およびF3が、図19に示されるような細画分へとさらに分離され得るように、HPLC実施法1から以下に記載されるHPLC実施法2に変更した。図17に示される画分F2を、細画分(SF)SF1およびSF2へとさらに分離し、一方で画分F3を、細画分SF3へとさらに分離した。
【0053】
HPLCシステムは、125個の溶媒モジュール、168個のPDA検出器および508オートサンプラーから構成される、Beckman System Goldである。Beckman Ultrasphere C−18逆相カラム(4.6mm×250mm I.D.、5μm)を使用した。検出波長を、210nm、260nmおよび370nmに設定した。溶出液Aは、水および0.1%トリフルオロ酢酸の混合物であり、溶出液Bは、アセトニトリルおよび0.1%トリフルオロ酢酸の混合物であった。分離を、1mL/分の流速で、115分間で、AからBへの以下の直線的勾配を用いて、達成した:
無勾配Aで10分間、15分間で100:0〜95:5、無勾配で15分間、7分間で95:5〜92.5:7.5、無勾配で10分間、8分間で92.5:7.5〜90:10、無勾配で10分間、10分間で90:10〜80:20、無勾配で20分間、5分間で80:20〜50:50、そして次いで、無勾配で5分間。
【0054】
HPLC実施法2によって生成される細画分SF1、SF2およびSF3を、単離して、そしてそのグルコース取り込み刺激活性についてアッセイした。12ウェルプレート中の脂肪細胞を、1g/LのHPLC細画分SF1、SF2、SF3と共にか、またはポジティブコントロールとしてインスリンおよびバナバ熱水抽出物(BE)共にか、あるいはネガティブコントロールとして処理なしで、15分間インキュベートし、次いでこれらの細胞を、2−デオキシ−D−[H]グルコース取り込みについてアッセイした。図20に示されるように、HPLS実施法2によって生成された3つ全ての細画分が活性であり、細画分SF2およびSF3が、最も活性であった。
【0055】
熱水抽出物についてのHPLCの実施条件を、細画分SF1、SF2およびSF3が、図21に示されるような細細画分へとさらに分離され得るように、以下に記載されるHPLC実施法3に変更した。
【0056】
HPLCシステムは、125個の溶媒モジュール、168個のPDA検出器および508オートサンプラーから構成される、Beckman System Goldである。Beckman Ultrasphere C−18逆相カラム(10.0mm×250mm I.D.、5 μm)を使用した。検出波長を、210nm、300nmおよび370nmに設定した。溶出液Aは、水および0.1%トリフルオロ酢酸の混合物であり、溶出液Bは、アセトニトリルおよび0.1%トリフルオロ酢酸の混合物であった。ISCOのFoxy Jr.画分コレクターを使用して、時間指定されたウインドウにおいて個々のピークを収集した。分離を、2mL/分の流速で、250分間で、AからBへの以下の直線的勾配を用いて、達成した:
無勾配Aで25分間、30分間で100:0〜95:5、無勾配で25分間、2分間で95:5〜91.8:8.2、無勾配で18分間、35分間で91.8:8.2〜90:10、無勾配で20分間、15分間で90:10〜88.5:11.5、3分間で88.5:11.5〜85:15、無勾配で27分間、15分間で85:15〜80:20、無勾配で15分間、10分間で80:20〜50:50、そして次いで、無勾配で10分間。
【0057】
図20に示される26個の細細画分のうち、9個が、生物学的アッセイに十分な量まで収集された。12ウェルプレート中の脂肪細胞を、1g/Lの単離されたHPLC細細画分と共にか、またはポジティブコントロールとしてインスリンおよびバナバ熱水抽出物(BE)共にか、あるいはネガティブコントロールとして処理なしで、15分間インキュベートし、次いで、2−デオキシ−D−[H]グルコース取り込みについてアッセイした。図21に示されるように、9個全ての細細画分(すなわち、細画分8、9、12、13、14、15、16、18および19)が活性であり、そして細細画分SSF15、SSF16およびSSF19は、他の細細画分よりも活性であり、そして細細画分SSF16は、他のいずれよりも有意に活性であった。従って、HPLC実施法3によって生成された細細画分SSF16が、3T3−L1細胞においてグルコース輸送活性を刺激する、最も強力な化合物である。
【0058】
Q−TOFエレクトロスプレースペクトル質量分析を、HPLC実施法3によって生成された細細画分に対して実施した。これらの結果は、最も活性な細細画分が、939g/モルおよび935g/モルの分子量を有することを示した。これらの値は、ペンタ−O−ガロイル−D−グルコース(これは、940g/モルの算出された分子量を有する)およびエラグタンニンカジュアリクチン(ellagitannin casuarictin)(これは、936g/モルの算出された分子量を有する)の分子量に匹敵する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、3T3−L1脂肪細胞におけるグルコース取り込みに対する、バナバの熱水抽出物(BE)の効果を示す。12ウェルプレート中の脂肪細胞を、バナバの熱水抽出物(BE)、バナバHP−20メタノール抽出溶離液(BME)およびバナバHP−20カラム水溶離液(BWE)と共に、またはポジティブコントロールとしてインシュリンと共に、またはネガティブコントロールとして処置なしで、15分間インキュベートし、次いで、2−デオキシ−D−[H]グルコース取り込みについてアッセイした。データは、平均±SD、n=8である。異なる文字を有する平均は異なる、P<0.01。
【図2】図2は、3T3−L1脂肪細胞におけるグルコース取り込みに対する、バナバの熱水抽出物(BEパネルA)またはインスリン(パネルB)の濃度の効果を示す。12ウェルプレートにおける分化した3T3−L1細胞を、異なる濃度のBEまたはインスリンと共に、15分間インキュベートし、次いで、2−デオキシ−D−[H]グルコース取り込みについてアッセイした。データは、平均±SEM、n=6である。
【図3】図3は、3T3−L1脂肪細胞におけるグルコース取り込みに対する、インスリンおよびバナバの熱水抽出物(BE)の効果を示す。分化した3T3−L1細胞を、0.1g/l BEの存在下または非存在下で、インスリンと共に15分間インキュベートする(A)か、または1μmol/L インスリンの存在下または非存在下で、BEと共に15分間インキュベートし(B)、次いで、グルコース取り込み活性についてアッセイした。データは、平均±SEM、n=6である。
【図4】図4は、3T3−L1細胞におけるインスリンの非存在下での脂肪細胞分化に対するバナバの熱水抽出物(BE)の効果を示す。未分化の3T3−L1前脂肪細胞を、デキサメタゾン(DEX)および3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)の存在下でインスリンまたはBEと共にインキュベートした。インキュベーションの10日後、脂肪細胞分化の程度を、細胞のグルコース取り込み活性によってアッセイした。データは、平均±SD、n=6である。異なる文字を有する平均は異なる、P<0.01。
【図5】図5は、3T3−L1細胞におけるインスリン(IS)の存在下での脂肪細胞分化に対する、BE、BWE、およびBMEの効果を示す。デキサメタゾン(DEX)および3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBXM)の存在下で、未分化の3T3−L1前脂肪細胞を、インスリン、(BE+IS)、(BME+IS)または(BWE+IS)のいずれかにより誘導した。インキュベーションの10日後、細胞を、200倍で写真撮影した。(A)誘導なし;(B)IS;(C)BE(0.5g/L)およびIS;(D)BME(0.5g/L)およびIS;(E)BWE(0.5g/L)およびIS。示される図は、4つのうちの1つの独立した実験を表す。4つの実験の全てが、類似の結果を示した。
【図6】図6は、3T3−L1細胞におけるインスリン(IS)の存在下での脂肪細胞の分化に対する、バナバ熱水抽出物(BE)の誘導の時間および濃度の影響を示す。前脂肪細胞3T3−L1細胞を、0日目にデキサメタゾン(DEX)および3−イソブチル−1−メチル−キサンチン(IBMX)の存在下で、ISを用いて誘導した。BEを、最初の誘導(A)の後の種々の時間、または最初の誘導時に種々の濃度(B)のいずれかで培地に添加した。異なる処理をした3T3−L1細胞の分化の程度を、細胞のグルコース取り込み活性によりアッセイした。データは、平均±SD、n=6である。異なる文字を有する平均は異なる、P<0.01。
【図7】図7は、3T3−L1脂肪細胞におけるグルコース取り込みに対する、バナバのメタノール(MeOH)抽出物およびバナバの水(HO)抽出物の効果を示す。
【図8】図8は、3T3−L1細胞における脂肪細胞分化に対する、バナバの水抽出物の効果を示す。
【図9】図9は、3T3−L1脂肪細胞におけるグルコース取り込みに対する、異なる濃度のバナバの水抽出物の効果を示す。
【図10】図10は、グルコース取り込みにより測定した場合の、3T3−L1細胞における脂肪細胞分化に対する、デキサメタゾン(DXMS)および3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)の効果を示す。
【図11】図11は、グルコース取り込みにより測定した場合の、3T3−L1細胞の脂肪細胞分化に対する、インスリンまたはバナバの水抽出物の効果を示す。
【図12】図12は、バナバの水抽出物による、3T3−L1における脂質生成の阻害を示す。
【図13】図13は、グルコース取り込みにより測定した場合の、バナバの水抽出物の異なる濃度での3T3−L1細胞の脂肪細胞分化の非誘導を示す。
【図14】図14は、バナバの水抽出物による3T3−L1細胞におけるインスリン刺激脂肪細胞分化の阻害が、グルコース取り込みにより測定した場合、時間依存性であることを示す。
【図15】図15は、バナバの水抽出物による3T3−L1細胞におけるインスリン刺激脂肪細胞分化の阻害が、濃度依存性であることを示す。
【図16】図16は、バナバの熱水抽出物(BE)の有りまたは無しでの、50mgのグルコースを与えた通常のマウスの血中グルコースレベルの変化を示す。
【図17】図17は、HPLC実施法1により分画されたバナバの熱水抽出物のHPLCプロフィールを示す。このプロフィールにおいて標識された画分1〜6を分離し、引き続いて、それらのグルコース取り込み刺激活性についてアッセイした。
【図18】図18は、HPLC実施法1からの画分1〜6のグルコース輸送刺激活性を示す。
【図19】図19は、HPLC実施法2により分画されたバナバの熱水抽出物のHPLCプロフィールを示す。このプロフィールにおいて標識された部分画分1〜3を分離し、引き続いて、それらのグルコース取り込み刺激活性についてアッセイした。
【図20】図20は、HPLC実施法2により作製された場合の、部分分画1〜3のグルコース輸送刺激活性を示す。
【図21】図21は、HPLC実施法3により分画されたバナバの熱水抽出物のHPLCプロフィールを示す。HPLC実施法2により作製したF2およびF3画分を、さらに、HPLC実施法3により単一のピークへと分けた。個別のピークのいくつかを、引き続いてのグルコース刺激活性のために分離(収集)した。
【図22】図22は、HPLC実施法3により作製される場合の、サブフラクションSSF12、SSF13、SSF14、SSF15、SSF16、SSF18およびSSF19のグルコース輸送刺激活性を示す。

Claims (23)

  1. 高血糖症を有する被験体を処置するための、部分的に精製された植物抽出物であって;
    ここで、該抽出物は、加水分解可能なガロタニンを含む、植物の部分的に精製された抽出物であり;
    ここで、該抽出物は、800〜1500g/moleの分子量を有する、複数の水溶性化合物を含み;そして
    ここで、該抽出物は、トリテルペノイドを実質的に含まない、
    部分的に精製された植物抽出物。
  2. 前記抽出物が、1,2,3,4,6−ペンタ−O−ガロイル−D−グルコースを含む、請求項1に記載の部分的に精製された植物抽出物。
  3. 前記抽出物が、バナバの部分的に精製された抽出物である、請求項2に記載の部分的に精製された植物抽出物。
  4. 前記抽出物が、バナバの部分的に精製された水抽出物である、請求項3に記載の部分的に精製された植物抽出物。
  5. 前記抽出物が、936g/moleの分子量を有する化合物をさらに含む、請求項3に記載の部分的に精製された植物抽出物。
  6. 被験体において高血糖症を処置するための、部分的に精製されたバナバ抽出物を調製するための方法であって、該方法は、以下:
    バナバの水抽出物を調製する工程;
    該水抽出物を複数の画分に分画する工程;
    該複数の画分から1つ以上の活性な画分を分離して、該部分的に精製されたバナバ抽出物を提供する工程;
    を包含し、
    ここで、該1つ以上の活性な画分は、800〜1500g/moleの分子量を有する複数の化合物を含み;そして
    ここで、該1つ以上の活性な画分は、トリテルペノイドを実質的に含まず;そして
    ここで、該1つ以上の活性な画分は、脂肪細胞によるグルコース取り込みを刺激する、
    方法。
  7. 前記水抽出物が、バナバ葉の水抽出物である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記部分的に精製されたバナバ抽出物が、1,2,3,4,6−ペンタ−O−ガロイル−D−グルコースを含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記バナバの水抽出物が、HPLCにより複数の画分へと分画される、請求項6に記載の方法。
  10. 前期抽出物が、請求項6の方法により調製される、高血糖症を有する被験体を処置するための部分的に精製された抽出物。
  11. 哺乳動物被験体における糖尿病を処置または予防するための方法であって、該方法は、以下:
    請求項1の部分的に精製された植物抽出物の治療的有効量を、これを必要とする被験体に投与する工程、
    を包含する、方法。
  12. 前記部分的に精製された植物抽出物が、部分的に精製されたバナバの水抽出物である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記部分的に精製された植物抽出物が、1,2,3,4,6−ペンタ−O−ガロイル−D−グルコースを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記部分的に精製された植物抽出物が、被験体に経口的または注射により投与される、請求項11に記載の方法。
  15. 上昇した血糖レベルを低下させる必要のある患者において上昇した血糖レベルを低下させる方法であって、該方法は、以下:
    請求項1に記載の部分的に精製された植物抽出物を、被験体に投与する工程、
    を包含する、方法。
  16. 前記部分的に精製された植物抽出物が、バナバの部分的に精製された水抽出物である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記部分的に精製された植物抽出物が、1,2,3,4,6−ペンタ−O−ガロイル−D−グルコースを含む、請求項15に記載の方法。
  18. 前記部分的に精製された植物抽出物が、被験体に経口的または注射により投与される、請求項15に記載の方法。
  19. 肥満、II型糖尿病、グルコース不耐性、または高血糖症の1つ以上を示す被験体を処置する方法であって、該方法は、
    請求項1に記載の部分的に精製された植物抽出物を被験体に投与する工程、
    を包含する、方法。
  20. 前記部分的に精製された植物抽出物が、バナバの抽出物である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記部分的に精製された植物抽出物が、1,2,3,4,6−ペンタ−O−ガロイル−D−グルコースを含む、請求項19に記載の方法。
  22. 前記部分的に精製された植物抽出物が、被験体に経口的または注射により投与される、請求項19に記載の方法。
  23. 前記部分的に精製された抽出物が、脂肪細胞への前脂肪細胞の分化を阻害する、請求項19に記載の方法。
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