JP2005500851A - ビタミンb12の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明はバチルスメガテリウムを用いたビタミンB12の調製方法に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明はバチルスメガテリウム[Bacillus megaterium](巨大菌)を用いたビタミンB12の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1930年代というかなり前に、ビタミンB12はGeorge MinotとWilliam Murphy (Stryer, L., 1988, in Biochemie, fourth edition pp. 528-531, Spektrum Akademischer Verlag GmbH, Heidelberg, Berlin, New York)により人体に対するその作用から間接的に発見された。ビタミンB12は1948年に最初に精製、単離され、たったの8年後1956年にその複雑な三次元結晶構造がDorothy Hodgkin (Hodgkin, D.C. et al., 1956, Structure of Vitamin B12. Nature 176, 325-328 and Nature 178, 64-70)により解明された。天然に生成するビタミンB12の生合成の最終生成物は5'-デオキシアデノシルコバラミン(B12補酵素)およびメチルコバラミン(MeCbl)であり、他方ではビタミンB12はシアノコバラミン(CNCbl)とも呼ばれ、これは主に産業界によって製造され取り扱われている化学物質形である。本発明においては、特に断らない限り、ビタミンB12は常に三つすべての類縁分子を指す。
【0003】
バチルスメガテリウムは100年以上前(1884年)にDe Baryによって初めて報告された。土壌菌として一般分類されているが、バチルスメガテリウムは様々な他の生息地例えば海水、沈殿物、コメ、乾燥肉、牛乳または蜂蜜においても検出されることがある。バチルスメガテリウムはシュードモナス菌[pseudomonads]およびアクチノミセス菌[actinomyces]を伴うことが多い。バチルスメガテリウムはその近縁のバチルススブチリス[Bacillus subtilis](枯草菌)と同様グラム陽性菌であり、なかでも2×5 μmというその相対的に目立ったサイズ(これによりその名前が付けられている)、約38%というG+C含有量、および非常に際だった胞子形成能力を特徴としている。増殖培地に極僅かでもマンガンがあればこの種が完全なる胞子形成を行うのには十分であり、これは一部の好熱性バチルス菌の胞子形成効率とのみ匹敵する能力である。そのサイズおよびその非常に効率的な胞子形成と発生がために、バチルスメガテリウムにおけるこれらのプロセスの分子的基礎に関して広範な研究が行われ、その胞子形成と発生に関係している150超個のバチルスメガテリウム遺伝子が今までに報告されている。バチルスメガテリウムについての生理学的な研究(Priest, F.G. et al., 1988, A Numerical Classification of the Genus Bacillus, J. Gen. Microbiol. 134, 1847-1882)によりこの種は、ウレアーゼ陽性およびフォゲス‐プロスカウアー陰性であり、硝酸を還元することができない偏性好気性、胞子形成性の細菌として分類された。バチルスメガテリウムの最も際だった特性のうちの1つは、多くの炭素源を利用することができるという能力である。つまりバチルスメガテリウムは非常に数多くの糖類を消費し、例えばコーンシロップ、食肉産業からの廃棄物、さらには石油化学産業廃棄物の中にも見られる。極めて広い範囲の炭素源を代謝できるというこの能力に関して、バチルスメガテリウムは制限なしにシュードモナス菌と同じとみなすことができる(Vary, P.S., 1994, Microbiology, 40, 1001-1013, Prime time for Bacillus
megaterium)。
【0004】
広範な種類の酵素やビタミンなどの工業的生産にバチルスメガテリウムを広く用いることの利点は多数ある。これらには、先ず第1にまた当然に、バチルスメガテリウムの中に形質導入されるプラスミドが非常に安定しているということが分かっているその状況が挙げられる。このことは、この種が、例えばポリエチレングリコール処理により形質転換されるという今や確立されている可能性と直接関連づけて見なければならない。数年前までは、これは、バチルスメガテリウムを生産菌株として用いるということに対してはまだ大きな障害であった。比較的よく発達した遺伝学からの利益もこれと並行して考慮されなければならず、バチルス属のなかではバチルススブチリスによってのみ越されている。第2には、バチルスメガテリウムはアルカリ性プロテアーゼをもっていないので、異種タンパク質の生成の低下がこれまでにほとんど観察されていないということである。さらに、バチルスメガテリウムは、例えばα-およびβ-アミラーゼの生産で用いられているように、商業的に価値のある生成物を効率よく分泌することが知られている。加えて、バチルスメガテリウムのサイズは、過度の生息密度による死滅に至らしめられる前に大きなバイオマスを蓄積することが可能である。バチルスメガテリウムを用いた工業生産における非常に重要なさらなる好都合な状況は、この種は、廃棄物材料や低品質材料から高価値で非常に高品質の生成物を調製することができるという事実である。非常に広範な種類の基質を代謝するというこの可能性は、バチルスメガテリウムを、シアン化合物、除草剤および持続性殺虫剤でも分解できる土壌無害化剤として用いられているということにも反映されている。最後に、バチルスメガテリウムは完全に非病原性(apathogenic)であり全く毒素を産生しないという事実は、特に食品および化粧品の製造においては非常に重要なことである。これらの多くの利点のために、バチルスメガテリウムはすでに多数の工業用途例えばα-およびβ-アミラーゼの製造、ペニシリンアミダーゼの製造、有害廃棄物の処理、あるいは好気的なビタミンB12生成に用いられている(Vary, P.S., 1994, Microbiology, 40, 1001-1013, Prime time for Bacillus megaterium にまとめられている)。
【0005】
バチルスメガテリウムの使用は、それが、工業的価値のある各種生成物の生物工学的な生産における使用に対して多くの利点を有しているので大きな経済的関心事である。醗酵条件の最適化、およびバチルスメガテリウムの分子的な遺伝子改変はそれゆえにビタミンB12の製造にとっての大きな商業的関心事である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的はバチルスメガテリウムを用いたビタミンB12調製の最適化である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、醗酵を好気性条件下少なくともコバルトおよび/または少なくともコバルトおよび5-アミノレブリン酸を含んでいる培地中で行う、バチルスメガテリウム含有培養物を用いたビタミンB12の調製方法によりこの目的が達成されることを見いだした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
基本的には本発明の目的のためにはビタミンB12生産菌株として好適なすべての通常のバチルスメガテリウム菌株を用いることができる。ビタミンB12生産菌株とは、本発明の目的のためには、古典的手法および/または分子遺伝学的手法により、代謝フラックスがビタミンB12またはその誘導体の生合成の方向に増大されている(代謝工学)バチルスメガテリウム菌株または同族微生物を意味する。例えば、これらの生産菌株中で、極めて重要であり相応して複雑な調節を受けることになる代謝経路(ボトルネック)における鍵となる場所に位置する1つ以上の遺伝子および/またはその対応する酵素において、その調節が改変されているかあるいはそれが調節解除されている。この関連において本発明には、これまでに知られているすべてのビタミンB12生産菌株、好ましくはバチルス属の菌または同族生物の菌株が含まれる。本発明で有利である菌株としては、特にバチルスメガテリウムの菌株DSMZ 32およびDSMZ 509が挙げられる。
【0009】
ビタミンB12を調製するための本発明の方法の1つの実施形態では、コバルトが約200〜750 μM、好ましくは約250〜500 μMの濃度で加えられる。
【0010】
本発明の方法の別の実施形態では、5-アミノレブリン酸が約200〜400 μM、好ましくは約300 μMの濃度で加えられる。
【0011】
本発明では、例えばベタイン、メチオニン、グルタメート、ジメチルベンズイミダゾールまたはコリンを単独でまたは組み合せで加えることにより、バチルスメガテリウムを用いたビタミンB12の生産を有利な方向に改善することも可能である。
【0012】
本発明では醗酵を、C源としてグルコースを含有する培地中で行う。本発明方法の特に有利な実施形態では、醗酵を、C源としてグリセロールを含有する培地中で行う。
【0013】
炭素源としてグルコースよりもグリセロールを用いたバチルスメガテリウムの醗酵において、より高い細胞密度が通常達成される。この関連において、好気性醗酵条件下5-アミノレブリン酸と一緒のコバルトの添加は、添加なしの対応する培地におけるのよりもより多いビタミンB12生成に至ることは興味あるところである。
【0014】
この改良されたビタミンB12生産は本発明では、醗酵したバチルスメガテリウム細胞を好気性増殖条件から嫌気性増殖条件に替えることでさらに増加させることができる。本発明ではこの場合、グリセロール、コバルトおよび5-アミノレブリン酸を含有する培養培地を用いると特に有利であることも判明した。醗酵は好ましくは好気性条件下では約250 μMのコバルトを加えて行い;嫌気性条件下では約500 μMのコバルトを加えるのが有利である。
【0015】
培養を好気性から嫌気性増殖条件に替えることで、高ビタミンB12含有量と高細胞密度を組み合せることが可能となる。
【0016】
従って本発明はまた、醗酵を第1の段階において好気性条件下で、第2の段階で嫌気性条件下で行う方法にも関する。
【0017】
本発明の特別の実施形態では、好気性から嫌気性醗酵への変換を好気性醗酵細胞の指数増殖期に行う。本発明の別の実施形態では、好気性から嫌気性醗酵への変換を好気性醗酵細胞の指数増殖期の中央または終り、好ましくは終りに行う方法が提供される。この関連において、本発明では、好気性から嫌気性醗酵への変換を好気性培養液がその最高光学密度、または少なくとも約2〜3の光学密度に達した時点で行う方法が好ましい。
【0018】
嫌気性条件とは本発明の目的のためには、細菌を好気性培養のあと嫌気性ボトルの中に移し、そこで醗酵させる場合に生じるような条件を意味する。これは、細菌が、嫌気性ボトルの中に存在している酸素を消費し、新たな酸素は供給されないことを意味する。これらの条件は半嫌気性ともいえる。似たような方法は一般の実験室で日常行われていることであり、当業者には公知である。細菌を醗酵機の中で最初に好気的に培養し、そのあと酸素の供給を次第に減らして半嫌気性条件が最終的にできあがる場合も同様な条件が達成される。本発明の特別の実施形態では、例えば培養培地に還元剤を加えることにより厳格な嫌気性条件をつくることもできる。
【0019】
本発明では醗酵培地は炭素源としてグルコースを含有する。本発明の方法の有利な実施形態は、グリセロール含有培地でのバチルスメガテリウムの醗酵からなる。さらに有利な実施形態は、C源としてグルコースまたはグリセロールおよび追加として少なくともコバルトおよび/またはコバルトおよび5-アミノレブリン酸を含有する醗酵培地に関する。2段階法は、ビタミンB12生成を、完全なる好気性条件下での生成に比較して少なくとも2.6倍増大させる。培地がグルコース、コバルトおよび5-アミノレブリン酸を含有する場合は、2段階醗酵によりビタミンB12生成を、完全なる好気性条件下での生成と比較して少なくとも2.2倍増大させることが可能である。
【0020】
本発明では、遺伝子操作されたバチルスメガテリウム菌株を用いることにより、ビタミンB12の生成をさらにもっと増やすこともできる。そのような遺伝子的に改変された細菌株は、古典的な変異誘発または標的分子生物学的手法および適切な選抜法によりつくることができる。標的遺伝子操作のための目的開始点は特にビタミンB12を生じる生合成経路が分岐する点で、これにより代謝フラックスを最大ビタミンB12生成の方向に意図的に誘導することができる。
【0021】
代謝フラックスの調節に関与する遺伝子の標的改変には、構造遺伝子の上流および下流にある調節領域の調査と改変、例えばプロモーター、エンハンサー、ターミネーター、リボソーム結合部位などの最適化および/または交換も含まれる。本発明にはまたDNA、mRNAの安定性またはそれらがコードするタンパク質の安定性を、例えばヌクレアーゼまたはプロテアーゼによる分解を減らすまたは防ぐことにより改善することも含まれる。
【0022】
またこの関連で本発明では、例えばアミノ酸交換により、それぞれの元のタンパク質と比較して活性が弱くなっているまたは強くなっているポリペプチドも含まれる。同じことが、例えばプロテアーゼによる分解に対する感受性が増大されているまたは減少されている細胞における本発明の酵素の安定性に対しても当てはまる。
【0023】
本発明はまた、ポリペプチドが、調節活性をもつ化合物、例えばそれらの活性を調節する代謝最終生成物に対して減感化されるようにそのアミノ酸配列が改変されている(フィードバックが減感化されている)対応するポリペプチドにも関する。
【0024】
本発明はまた、cobA遺伝子が増強された発現を示すおよび/または増加したコピー数で存在するバチルスメガテリウム菌株を醗酵させるビタミンB12の調製方法にも関する。それにより少なくとも2倍の増加を達成することができる。
【0025】
遺伝子発現の増加(過剰発現)は、適切な遺伝子のコピー数を増やすことにより達成することができる。別の可能性は、プロモーター領域および/または調節領域および/または構造遺伝子の上流に位置するリボソーム結合部位を発現量が増加するように改変することである。構造遺伝子の上流に組み込まれた発現カセットは同じように作用することができる。さらに、誘導性プロモーターによってビタミンB12生成中における発現を増大させることも可能である。
【0026】
mRNAの寿命を長くする方法によっても発現は同様に向上する。遺伝子または遺伝子構築物をプラスミド中に様々なコピー数で存在させるか、またはそれらを染色体中に組み込んで増幅させることもできる。
【0027】
さらなる可能性はまた、酵素自体の活性を、酵素タンパク質の分解を防止することによって増大または増強させることである。さらなる別の可能性は、関係する遺伝子の過剰発現を、培地組成を改変し、培養を管理することにより行うことである。
【0028】
本発明には、好気性条件下で発現されるS-アデノシルメチオニン-ウロポルフィリノーゲンIIIメチルトランスフェラーゼ(SUMT)をコードするバチルスメガテリウムのcobA遺伝子のヌクレオチド配列、またはそれの一部、ならびにそれに動作可能に連結され調節機能をもつヌクレオチド配列を含む遺伝子構造が含まれる。
【0029】
動作可能連結とは、調節エレメントそれぞれが、コード配列の発現においてその適正な機能を実行することができるようなっている例えばプロモーター、コード配列、ターミネーターおよび、適切ならばさらなる調節エレメントの配列配置を意味する。これらの調節ヌクレオチド配列は天然起源のものであってもよいし、あるいは化学合成により得てもよい。好適なプロモーターは基本的には適当な宿主生物において遺伝子発現を調節することができるあらゆるプロモーターである。これに対する本発明による1つの可能性はまた、プロモーターが、宿主細胞にある特定の時間さらされた場合遺伝子の発現を調節することができるという化学的誘発可能なプロモーターである。例としてβ-ガラクトシダーゼまたはアラビノース系を挙げることができる。
【0030】
遺伝子構造は、好適なプロモーターを、少なくとも1つの本発明のヌクレオチド配列と、例えばSambrook, J. et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratury, Cold Spring Harbor, NY (1989)に書かれている通常の組み換え手法およびクローニング手法により融合することによりつくる。
【0031】
DNA断片を1つにつなぐために、その断片にアダプターまたはリンカーを付けることもできる。
【0032】
本発明にはまた、cobA遺伝子またはその一部のヌクレオチド配列または上記したタイプの遺伝子構造、ならびに、セレクション、宿主細胞中での複製、および/または宿主細胞ゲノムへの組み込みのためのさらなるヌクレオチド配列を含むベクターが含まれる。バチルスメガテリウム中の目的遺伝子を形質転換および過剰発現させるのに好適なシステムは、例えばプラスミドpWH1510およびpWH1520、ならびにプラスミドなしの過剰発現菌株バチルスメガテリウムWH320であり、これらはRygus, T. et al.(1991, Inducible High-Level Expression of heterologous Genes in Bacillus megaterium using the Regulatory Elements of the Xylose-Utilization Operon, Appl. Microbiol. Biotechnol., 35, 594-599) により報告されている。本発明ではバチルスメガテリウム菌株DSMZ509もまた有利である。しかしながら、記載したシステムは本発明にとっては限定的なものではない。
【0033】
本発明はさらに、上記したタイプの方法で用いられる形質転換バチルスメガテリウム菌株に関し、それは、S-アデノシルメチオニン-ウロポルフィリノーゲンIIIメチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子cobAのヌクレオチド配列の発現が増強されているおよび/またはそれのコピー数が増加していることを特徴とする。
【0034】
これに関連して本発明には、複製型において、好気性条件下で発現されるバチルスメガテリウムのS-アデノシルメチオニン-ウロポルフィリノーゲンIIIメチルトランスフェラーゼをコードするcobA遺伝子を含む上記したタイプの遺伝子構造またはベクターを有している形質転換バチルスメガテリウム菌株もまた含まれる。上記したタイプの遺伝子構築物またはベクターに含まれるcobA遺伝子の発現はさらに好気性条件下および嫌気性条件下のいずれにおいても起りうる。
【0035】
本発明にはビタミンB12生成に好適なすべてのバチルスメガテリウム菌株が含まれる。これらはまた、古典的変異誘発手法または標的性分子生物学的手法および適切なセレクション方法によってつくられたまたはつくられる遺伝子改変細菌株であってもよい。
【0036】
標的遺伝子操作のための目的開始点はなかでもビタミンB12に至る生合成経路が分岐する点で、これにより代謝フラックスを最大ビタミンB12生成の方向に意図的に誘導することができる。
【0037】
本発明の1つの実施形態には、非形質転換菌株、すなわちcobA遺伝子、上記したタイプの遺伝子構築物、またはベクターを備えていない菌株と比較して、好気性条件下の醗酵において本発明によるビタミンB12生成の増大を示すことを特徴とする形質転換バチルスメガテリウム菌株が含まれる。
【0038】
本発明の方法の1つの実施形態では好ましくはグルコース含有培地中で形質転換バチルスメガテリウム菌株の醗酵が行われる。C源としてグリセロールを含有する培地は特に好ましい。本発明の方法のさらなる有利な実施形態には、グルコースまたはグリセロール以外にさらに少なくともコバルトおよび/またはコバルトおよび5-アミノレブリン酸を含有する培地中での醗酵が含まれる。またビタミンB12を調製するために本発明で有利なのは、形質転換バチルスメガテリウム菌株の2段階醗酵である。
【0039】
本発明はさらに、上記したタイプの形質転換バチルスメガテリウム菌株を製造するための、バチルスメガテリウムのS-アデノシルメチオニン-ウロポルフィリノーゲンIIIメチルトランスフェラーゼをコードするcobA遺伝子のヌクレオチド配列の使用に関する。また本発明にはビタミンB12を調製するための、上記したタイプの形質転換バチルスメガテリウム菌株の使用が含まれる。
【実施例】
【0040】
以下の例示的な実施形態は本発明を説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。
【0041】
1. 細菌株およびプラスミド
この研究で使用したすべての細菌株およびプラスミドを表1および表2に掲載する。
【0042】
2. 緩衝液と溶液
2.1. 最少培地
Mopso 最少培地
Mopso (pH 7.0) 50.0 mM
Tricine (pH 7.0) 5.0 mM
MgCl2 520.0 μM
K2SO4 276.0 μM
FeSO4 50.0 μM
CaCl2 1.0 mM
MnCl2 100.0 μM
NaCl 50.0 mM
KCl 10.0 mM
K2HPO4 1.3 mM
(NH4)6Mo7O24 30.0 pM
H3BO3 4.0 nM
CoCl2 300.0 pM
CuSO4 100.0 pM
ZnSO4 100.0 pM
D-グルコース 20.2 mM
NH4Cl 37.4 mM
滴定試薬はKOH溶液であった。
【0043】
サルモネラチフィムリウム [Salmonella typhimurium]( ネズミチフス菌 ) 最少培地
NaCl 8.6 mM
Na2HPO4 33.7 mM
KH2PO4 22.0 mM
NH4Cl 18.7 mM
D-グルコース 20.2 mM
MgSO4 2.0 mM
CaCl2 0.1 mM
固体培地にはカンテン15 g/Lを加えた。
【0044】
2.2. バチルスメガテリウムのプロトプラスト形質転換用溶液
SMMP 緩衝液
Antibiotic Medium No. 3 (Difco) 17.5 g/L
スクロース 500.0 mM
マレイン酸Na (pH 6.5) 20.0 mM
MgCl2 20.0 mM
滴定試薬はNaOH溶液であった。
【0045】
PEG-P 溶液
PEG 6000 40.0 % (w/v)
スクロース 500.0 mM
マレイン酸Na (pH 6.5) 20.0 mM
MgCl2 20.0 mM
滴定試薬はNaOH溶液であった。
【0046】
cR5 上部カンテン
スクロース 300.0 mM
Mops (pH 7.3) 31.1 mM
NaOH 15.0 mM
L-プロリン 52.1 mM
D-グルコース 50.5 mM
K2SO4 1.3 mM
MgCl2×6 H2O 45.3 mM
KH2PO4 313.0 μM
CaCl2 13.8 mM
カンテン 4.0 % (w/v)
カザミノ酸 0.2 % (w/v)
酵母エキス 10.0 % (w/v)
滴定試薬はNaOH溶液であった。
【0047】
2.3. 染色体バチルスメガテリウム DNA 調製用溶液
生理食塩水 EDTA (S-EDTA)
EDTA 80.0 mM
NaCl 150.0 mM
0.1×SSC 溶液
クエン酸トリナトリウム二水和物 1.5 mM
NaCl 50.0 mM
HClでpH 7.0に調整する。
【0048】
2.3. アガロースゲル電気泳動用溶液とマーカー
TAE 緩衝液
トリス酢酸 (pH = 8.0) 40.0 mM
EDTA 1.0 mM
サンプルの緩衝液
Bromophenol blue 350 μM
Xylene cyanol FF 450 μM
Orange G 0.25 % (w/v)
水中のスクロース 115.0 mM
臭化エチジウム溶液
水中の臭化エチジウム 0.1 % (w/v)
GeneRuler DNA Ladder Mix
マーカーは以下の断片を含有する(塩基対、bp):
10000, 8000, 6000, 5000, 4000, 3500, 3000, 2500, 2000, 1500, 1200, 1031, 900,
800, 700, 600, 500, 400, 300, 200, 100
Lambda DNA/Eco91I (BstEII) Marker
水中の完全Eco91I消化λ-DNA。マーカーは以下の断片を含有する(塩基対、bp):
8453, 7242, 6369, 5687, 4822, 4324, 3675, 2323, 1929, 1371, 1264, 702, 224, 117
2.4. SDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動( SDS-PAGE )用溶液とマーカー
アクリルアミドストック溶液
アクリルアミド 39.0 % (w/v)
N,N'-メチレンビスアクリルアミド 1.0 % (w/v)
溶媒は水であった。
【0049】
スタッキングゲル緩衝液
SDS 0.4 % (w/v)
トリス-HCl (pH 6.8) 1.5 % (w/v)
溶媒は水であった。
【0050】
分離ゲル緩衝液
SDS 0.4 % (w/v)
トリス-HCl (pH 8.8) 1.5 % (w/v)
溶媒は水であった。
【0051】
APS 溶液
アンモニウムペルオキソジスルフェート (APS) 10.0 % (w/v)
溶媒は水であった。
【0052】
スタッキングゲル[ 5 ミニゲルに対して 6% (w/v)
アクリルアミドストック溶液 1.5 mL
スタッキングゲル緩衝液 2.5 mL
脱イオン水 6.0 mL
TEMED 10.0 μL
APS溶液 100.0 μL
分離ゲル[ 5 ミニゲルに対して 12% (w/v)
アクリルアミドストック溶液 6.0 mL
分離ゲル緩衝液 5.0 mL
脱イオン水 9.0 mL
TEMED 20.0 μL
APS溶液 200.0 μL
電気泳動緩衝液
グリシン 385.0 mM
SDS 0.1 %(w/v)
トリス-HCl (pH 8.8) 50.0 mM
溶媒は水であった。
【0053】
サンプル緩衝液
グリセロール 40.0 %(w/v)
β-メルカプトエタノール 2.0 mM
SDS 110.0 mM
ブロモフェノールブルー 3.0 mM
トリス-HCl (pH 6.8) 100.0 mM
染色溶液
酢酸 10.0 %(v/v)
Coomassie Brilliant Blue (G-250) 1.0 g/L
溶媒は水であった。
【0054】
脱染色溶液
エタノール 30.0 % (v/v)
氷酢酸 10.0 (v/v)
溶媒は水であった。
【0055】
Dalton Mark VII
(各場合比モル質量Mrを示す)
α-ラクトアルブミン 14200
トリプシン阻害物質 20100
トリプシノーゲン 24000
カルボニックアンヒドラーゼ 29000
グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ 36000
オバルブミン 45000
ウシ血清アルブミン 66000
2.5. タンパク質発現実験用溶液
破壊緩衝液
EDTA (pH 6.5) 20.0 mM
Na3PO4 100.0 mM
リソザイム 5 mg/mL
滴定試薬はH3PO4溶液であった。
【0056】
2.6. サザンブロット分析用溶液
変性溶液
NaOH 500.0 mM
NaCl 1.5 M
中和溶液
トリス-HCl (pH 7.2) 400.0 mM
NaCl 1.5 M
20 × SSC 溶液
クエン酸トリナトリウム二水和物 300.0 mM
NaCl 3.0 M
HClでpH 7.0に調整
10% ブロッキング試薬
緩衝液1中の粉ミルク 100 g/L
緩衝液 1 (マレイン酸緩衝液)
マレイン酸 (pH 7.5) 100.0 mM
NaCl 150.0 mM
NaOH 200.0 mM
HClでpH 7.0に調整
緩衝液 2
緩衝液1中の10%濃度ブロッキング溶液 100 g/L
緩衝液 3 (検出緩衝液)
トリス-HCl (pH 9.5) 77.0 mM
NaCl 100.0 mM
洗浄緩衝液
緩衝液1中のTween20 3 mL/L
プレハイブリダイゼーション溶液
20×SSC 250 mL/L
N-ラウロイルサルコシン 3.7 mM
10%濃度SDS 2 mL/L
20%濃度ブロッキング溶液 100 mL/L
ハイブリダイゼーション溶液
20×SSC 250 mL/L
N-N-ラウロイルサルコシン 3.7 mM
10%濃度SDS 2 mL/L
20%濃度ブロッキング溶液 100 mL/L
プローブ溶液 5 mL/L
3. 培地および培地への添加物
3.1. 培地
特に断らない限り、Sambrook, J. et al. (1989, in Molecular cloning; a laboratory manual. 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York)に書かれているLuria-Bertaniブロス完全培地(LB)を用いた。固体培地には、リットル当たりカンテン15 gをさらに加えた。
【0057】
3.2. 添加物
炭素源、アミノ酸、抗生物質または塩などの添加物は、培地に加えて一緒にオートクレーブ処理するかまたは水中の濃縮ストック溶液として作製し、適切ならば濾過により滅菌した。各物質は、オートクレーブ処理し、50℃未満に冷却しておいた培地に加えた。テトラサイクリンのような光に対して感受性のある物質に関しては、暗所でインキュベートするように注意した。通常用いた最終濃度は以下のとおりであった:
ALA 298 μM
アンピシリン 296 μM
カザミノ酸 0.025 % (w/v)
CoCl2(好気性培養液中) 250 μM
CoCl2(嫌気性培養液中) 500 μM
システイン 285 μM
グルコース 22 mM
グリセロール 217 mM
リソザイム 1 mg/mL
メチオニン 335 μM
テトラサイクリン(固体培地中) 23 μM
テトラサイクリン(液体培地中) 68 μM
キシローゼ 33 mM
4. 微生物学的手法
4.1. 滅菌
特に断らない限り、すべての培地および緩衝液は120℃およびゲージ圧1バールで20分間スチーム滅菌した。熱的に影響を受け易い物質は濾過(フィルターの細孔直径0.2 μm)により滅菌し、ガラス器具は180℃で少なくとも3時間熱滅菌した。
【0058】
4.2. 細菌の液体培養に対する共通の増殖条件
滅菌接種用ループを用いて細菌をLBカンテンプレートまたはグリセロール培地から採取し、必要な場合は抗生物質を含有している栄養培地に接種した。
【0059】
好気性細菌培養液はバッフル付フラスコ中で37℃回転スピード180rpmでインキュベートした。インキュベーション時間はその細菌培養液の所望の光学密度に応じて変えた。
【0060】
4.3. バチルスメガテリウムの増殖用条件
好気性培養液の最高の考えられうる空気混和のためにバッフル付フラスコ中で250rpm37℃でインキュベートした。嫌気性培養液は150 mL嫌気性ボトル中容量150 mLで37℃100rpmで培養した。いずれの場合も、一晩培養液から1:100の比で接種すること、その一晩培養液の同じ条件を用いることに注意した。嫌気性条件下でバイオマスのより高い収率を得るために、バチルスメガテリウム培養液を好気的に予備インキュベートし、所望の密度において嫌気性増殖条件に替えた。この目的のために、バチルスメガテリウムは最初はバッフルフラスコ中37℃250rpmでインキュベートした。指数増殖の中央でまたは静止期の開始点で、全培養液を150 mL嫌気性ボトルの中に移し、培養を37℃100rpmで続けた。
【0061】
4.4. 細菌のプレート培養
滅菌接種用ループを用いてグリセロール培養液から細菌を採取し、必要な場合は適切な抗生物質を混ぜてあるLBカンテンプレート上に筋をつけ、37℃で一晩インキュベーションしたあとに個々のコロニーがプレート上で目に見えるようにした。液体培養液からの細菌を用いる場合は、Drygalskiスパチュラを用いてLBカンテンプレート上に筋を付け、そのあと一晩37℃でインキュベートした。
【0062】
4.5. 細胞密度の決定
細菌培養液の細胞密度は578 nmで光学密度(OD)を測定することにより決定し、OD5781は1×109個の細胞の細胞数と同等であると仮定した。
【0063】
4.6. 細菌の保存
いわゆるグリセロール培養液を細菌の長期保存のために調製した。この目的のためには、細菌の一晩培養液850 μLを滅菌85%グリセロール150 μLと十分に混合し、そのあと-80℃で保存した。
【0064】
5. 分子生物学的手法
DNAの単離ならびに制限法、Klenowおよびアルカリホスファターゼ処理法、シークエンシング、PCRなどのいずれもは通常の実験であり、Sambrook, J. et al. (1989, in Molecular cloning; a laboratory manual. 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York)による分子生物学的手法の標準的な書物に書かれている。
【0065】
5.1. PWH1520 中の cobA のクローニング
用いたクローニングおよび発現ベクターはpWH1520(Rygus et al., 1991)であった。PBR322誘導体はテトラサイクリン耐性およびアンピシリン耐性を有し、このエレメントはエシェリキアコリ[E. coli](大腸菌)およびバチルス種[Bacillus ssp]中での複製にとって重要である。つまりこのシステムはエシェリキアコリで確立されているすべてのクローニング手法に従順に合わせられるもので、同時にバチルスメガテリウムにおける遺伝子発現に対しても用いることができる。ベクターはxylオペロンのバチルスメガテリウムxylAおよびxylR遺伝子を関係する調節配列と共に含有する(Rygus et al., 1991)。xylA遺伝子はキシロースイソメラーゼをコードし、xylRは、xylAプロモーターに強力な転写調節を働きかける調節タンパク質をコードする。xylA遺伝子はキシロースの不存在下ではxylRにより抑制される。キシロースを加えるとxylAの抑制解除により凡そ200倍の誘導が起る。xylAリーディングフレーム中のプラスミドのポリリンカーが標的遺伝子を、その時同様にXylRの強力な転写調節の下にあるxylAと融合することを可能とする。さらに、リーディングフレームはポリリンカーの上流においてまだ完全に無傷であるので、転写融合を生成させるかまたは翻訳融合を生成させるかという選択肢の間で選択が可能である。
【0066】
cobA過剰発現クローンを作製するには、公知の配列(Robin et al., 1991)をバチルスメガテリウムゲノムからとった。そこから、CobAとキシロースソメラーゼとの転写融合を可能とするPCRプライマーを誘導した。この結果発現ベクターpWH1520内のxylA遺伝子のリボソーム結合配列が用いられる。SpeI切断部位およびBamHI切断部位をPCRプライマーの中に組み込み、所望のcobA配列をPCRによりゲノムバチルスメガテリウムDNAから増幅した。増幅された遺伝子配列、および過剰発現ベクターpWH1520のいずれもをこのあとそれぞれSpeIおよびBamHIで切断し、このようにしてつくられた付着端を連結した。SpeIおよびBamHIによる消化のあと、所望のサイズの挿入物を示したクローンを単離することができた。クローニングされたDNAの組み込みは全DNA配列測定によりチェックした。クローニング方法を模式的に図5に示す。
【0067】
5.2. 受容能を有する細胞の生産
受容能を有するエシェリキアコリ細胞およびバチルスメガテリウム細胞を、LB培地が入った500 mL液体培養液を、OD578が0.5〜1となるまで培養することにより生産した。培養液を氷で冷し、遠心分離(4000×g; 15分; 4℃)した。細胞沈殿物を滅菌脱イオン水中に十分に再懸濁させ、遠心分離(4000×g; 8分; 4℃)し、再度滅菌脱イオン水で洗い、再遠心分離(4000×g; 8分; 4℃)した。沈殿物を10%濃度(v/v)グリセロール溶液で洗い、そのあと遠心分離(4000×g; 8分; 4℃)し、沈殿物を最小量の10%濃度(v/v)グリセロール溶液中に再懸濁させた。この受容能を有するエシェリキアコリおよびバチルスメガテリウム細胞を直ちに形質転換に用いた。
【0068】
5.3. エレクトロポレーションによる細菌の形質転換
形質転換を、パルスコントローラーの付いた遺伝子パルサー(BioRad)を用いたエレクトロポレーションにより行った。この目的のために、受容能を有するエシェリキアコリ細胞またはバチルスメガテリウム細胞それぞれ140 μLおよびプラスミドDNA 1μgを形質転換キュベットの中に移し、遺伝子パルサー中で25 μFにおける12 kV/cmの電場強度および平行抵抗200 Ωで暴露した。
【0069】
このあとの再生には、形質転換細胞を、形質転換後直ちに37℃の熱シェーカー中のLB培地1 mL中で半時間、バチルスメガテリウムの場合は1時間インキュベートした。この混合物の各種容量をこのあと、抗生物質を適切に加えてあるLBプレート上に筋状につけ、37℃で一晩インキュベートした。
【0070】
5.4. バチルスメガテリウムのプロトプラスト形質転換
プロトプラストの調製
LB培地50 mLにバチルスメガテリウムの一晩培養液1 mLを接種し、37℃でインキュベートした。OD578が1で細胞を遠心分離(10 000×g; 15分; 4℃)し、新しく調製したSMMP緩衝液5 mL中に再懸濁させた。SMMP緩衝液中のリソザイムを加えたあと、懸濁液を37℃で60分間インキュベートし、顕微鏡でプロトプラスト形成をモニターした。細胞を遠心分離(3000×; 8分; 室温)により回収し、次に細胞沈殿物を慎重にSMMP緩衝液5 mL中に再懸濁させ、2回目の遠心分離工程および洗浄工程を行った。そうして、10% (w/v)グリセロールを加えたあとプロトプラスト懸濁液を分割部分に分け、それらを-80℃で凍結させることができた。
【0071】
形質転換
プロトプラスト懸濁液500 μLをSMMP緩衝液中のDNA0.5〜1 μgと混ぜ、PEG-P溶液1.5 mLを加えた。室温で2分間インキュベートしたあと、SMMP緩衝液5 mLを加え、慎重に混合し、懸濁液を遠心分離(3000×; 5分; 室温)した。そのあと直ちに、上澄み液を取り除き、僅かに見える沈殿物をSMMP緩衝液500 μL中に再懸濁させた。懸濁液を37℃で優しく振盪しながら90分間インキュベートした。次に形質転換細胞50〜200 μLをcR5上部カンテン2.5 mLと混ぜ、セレクションに好適な抗生物質を含有するLB-カンテンプレート上に載せた。37℃で1日間インキュベートした後形質転換コロニーが目に見えた。
【0072】
5.5. 定量的ビタミン B 12 分析
ビタミンB12の定量的決定には、バチルスメガテリウム培養液からさまざまな増殖期にサンプルを採取した。OD578の測定のあと、細胞を培地から遠心分離(4000×; 15分; 4℃)により分離した。等張性NaCl溶液40 mLで洗ったあと再遠心分離(4000×; 15分; 4℃)した。得られた細胞沈殿物、および除去された培地をこのあと凍結乾燥した。
【0073】
S. typhimurium metE cysG二重変異体をメチオニン-およびシステイン-含有最小培地で一晩37℃でインキュベートし、プレートから掻き落とし、等張性NaCl溶液40 mLで洗った。遠心分離のあと、細胞沈殿物を等張性生理食塩水中に再懸濁させた。洗われた細菌培養液を慎重に47〜48℃のシステイン-含有最小培地カンテン400 mLと混ぜた。
【0074】
滅菌脱イオン水中に再懸濁させ、水浴中で15分間沸騰させたバチルスメガテリウムサンプル10 μLを冷却したプレート上に載せ、37℃で18時間インキュベートした。このとき成長するSalmonellaコロニーの直径は与えたバチルスメガテリウムサンプル中のビタミンB12含有量に比例する。調べたサンプル中のビタミンB12含有量は、ビタミンB12 0.01、0.1、1、10および40ピコモルを加えることにより作成した検定プロットと比較することにより推定した。この標準的な方法は、生物材料中におけるビタミンB12の僅かな量を迅速にかつ非常に再現性よく検出することが可能である。
【0075】
5.6. バチルスメガテリウムの染色体 DNA の調製
染色体DNAを得るために、LB培地150 mLにバチルスメガテリウムを接種し、37℃250rpmで一晩インキュベートした。培養液を遠心分離(4000×; 10分; 4℃)し、細菌沈殿物をS-EDTA 13 mL中に再懸濁させた。前以ってS-EDTA 1 mL中に溶解させてあるスパチュラチップ量のリソザイムを懸濁液に加えた。25%濃度SDS溶液800 μLもこの溶液に加え、熱シェーカー中で37℃30分間インキュベートした。65℃で1時間後、溶液を5M過塩素酸ナトリウム3.2 μLおよびクロロフォルム/イソアミルアルコール混合液(24:1)20 mLと混ぜた。混合液を0℃で30分間振盪し、次に遠心分離(12 000×; 10分; 4℃)した。上側のDNA-含有相を注意深く取り出し、50 mL目盛付シリンダーの中に移し、ゆっくりとエタノール30 mLの層でカバーした。層の境界にある染色体DNA沈殿物をガラス棒上に回転運動で巻き取り、0.1×SSC溶液5 mLの中に巻き戻して解いた。
【0076】
6. タンパク質発現
6.1. バチルスメガテリウム中での S-アデノシル -L- メチオニン - ウロポルフィリノーゲン III メチルトランスフェラーゼ (SUMT) の過剰発現
LB培地150 mLにバチルスメガテリウム一晩培養液1.5 mLを接種し、37℃で好気的にインキュベートした。発現プラスミドpWH1520-cobAを含有する細菌をテトラサイクリンを加えることによりセレクションを行った。OD578が0.3に達した後、発現プラスミドのxylプロモーターを、キシロース0.5% (w/v)を加えることで誘導した。2 OD578当量のサンプルを誘導の前および誘導の後1時間毎に採取した。取り出したサンプルを遠心分離(12 000×; 3分; 室温)し、沈殿した細胞を破壊緩衝液40 μL中に再懸濁させた。懸濁液をこのあと37℃で30分間インキュベートした。破壊された物質20 μLをSDS-PAGEサンプル緩衝液5 μLと混ぜ、水浴中で15分間沸騰させた後15 000 rpmで30分間遠心分離(8000×; 10分; 室温)した。上澄み液をSDS-PAGEにより分析した。
【0077】
図表について
表1および表2に示した細菌株およびプラスミドを用いた。
【0078】
表1:用いた細菌株
【表1】
Figure 2005500851
【0079】
表2:用いたプラスミド
【表2】
Figure 2005500851
【0080】
本発明をさらに添付の図により説明する。
【0081】
図1はMopso最小培地中での好気性増殖条件下でのバチルスメガテリウム DSM509によるビタミンB12生成を示す。細菌培養液1リットル当たりのμgで表わしたビタミンB12含有量を、添加なしのグルコース(1)、CoCl2 250 μMの添加ありのグルコース(2)、ALA 298 μMおよびCoCl2 250 μMの添加ありのグルコース(3)、添加なしのグリセロール(4)、CoCl2 250 μMの添加ありのグリセロール(5)、ALA 298 μMおよびCoCl2 250 μMの添加ありのグリセロール(6)について示す。
【0082】
図2は、好気性増殖条件下で嫌気性増殖条件への転換を伴うバチルスメガテリウム DSM509によるビタミンB12生成の比較を示し、それぞれの場合ALA 298 μMおよび、CoCl2 250 μM(好気性)またはCoCl2 500 μM(嫌気性)が添加されている。細菌培養液1リットル当たりのμgで表わしたビタミンB12含有量を、好気性条件下でのグルコース(1)、指数期の中央(OD578 = 3.0)で転換したグルコース(2)、指数期の終り(OD578 = 5.9)で転換したグルコース(3)、好気性条件下でのグリセロール (4)、指数期の中央(OD578 = 4.7)で転換したグリセロール (5)、指数期の終り (OD578 = 12.0)で転換したグリセロール (6)の入った培養液について示す。
【0083】
図3は、LB培地中好気性増殖条件下での形質転換バチルスメガテリウム菌株DSM509 pWH1520-cobAによるビタミンB12生成をバチルスメガテリウム DSM509と比較して示す。細菌培養液1リットル当たりのμgで表わしたビタミンB12含有量を以下のものについて示す:
DSM509:添加なし(1)、CoCl2 250 μMの添加あり(2)、ALA 298 μMおよびCoCl2 250 μMの添加あり(3);
DSM509-pWH1520-cobA:添加なし(4)、CoCl2 250 μMの添加あり(5)、ALA 298 μMおよびCoCl2 250 μMの添加あり(6)。
【0084】
図4はLB培地中でのバチルスメガテリウム DSM509 pWH1520-cobAによる好気性(1)および嫌気性(2)増殖条件ならびに嫌気性増殖条件への転換を伴う(3)条件下でのビタミンB12生成の比較を示す。転換はOD578が6.9の指数期の終りで行った。細菌培養液1リットル当たりのμgで表わしたビタミンB12含有量を示す。いずれの培養液もALA 298 μMおよびCoCl2 250 μMの添加が行われている。
【0085】
図5はバチルスメガテリウムから過剰発現ベクターpWH1520中へのcobA遺伝子のクローニングを模式的に表わすものである。PCRにより増幅した遺伝子、およびベクターをそれぞれSpeIおよびBamHIで切断し、得られた付着端を連結して、新しく生成した過剰発現ベクターpWH1520-cobA内にxylA-cobAの翻訳融合を得た。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】Mopso最小培地中での好気性条件下でのバチルスメガテリウム DSM509によるビタミンB12生成を示す図である。
【図2】好気性増殖条件下で嫌気性増殖条件への転換を伴うバチルスメガテリウム DSM509によるビタミンB12生成の比較を示す図である。
【図3】LB培地中好気性増殖条件下での形質転換バチルスメガテリウム菌株DSM509 pWH1520-cobAによるビタミンB12生成をバチルスメガテリウム DSM509と比較して示す図である。
【図4】LB培地中でのバチルスメガテリウム DSM509 pWH1520-cobAによる好気性(1)および嫌気性(2)増殖条件ならびに嫌気性増殖条件への転換を伴う(3)条件下でのビタミンB12生成の比較を示す図である。
【図5】バチルスメガテリウムから過剰発現ベクターpWH1520中へのcobA遺伝子のクローニングを模式的に表わす図である。

Claims (12)

  1. バチルスメガテリウムを含む培養物を用いたビタミンB12の製造方法であって、醗酵を好気性条件下に少なくともコバルトおよび/または少なくともコバルトおよび5-アミノレブリン酸を含む培地中で行うことを特徴とする上記製造方法。
  2. コバルトを約200〜750 μM、好ましくは約250〜500 μMの濃度で加える請求項1に記載の方法。
  3. 5-アミノレブリン酸を約200〜400 μM、好ましくは約300 μMの濃度で加える請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記醗酵を、C源としてグリセロールを含む培地中で行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記醗酵を、第1段階においては好気性条件下で、第2段階においては嫌気性条件下で行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記好気性から嫌気性醗酵への変換を前記好気性醗酵細胞の指数増殖期において行う請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記好気性醗酵から前記嫌気性醗酵への変換を前記好気性醗酵細胞の指数増殖期の中央または終り、好ましくは終りにおいて行う請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記好気性醗酵から前記嫌気性醗酵への変換を、前記好気性培養物がその最高光学密度または少なくとも約3〜12の光学密度に達した時点において行う請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. cobA遺伝子が増強された発現を示すおよび/または増加したコピー数で存在するバチルスメガテリウム株を醗酵させる請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. バチルスメガテリウムのS-アデノシルメチオニン-ウロポルフィリノーゲンIIIメチルトランスフェラーゼをコードするcobA遺伝子のヌクレオチド配列が増強された発現および/または増加したコピー数を示す、請求項1〜3または5〜9のいずれか1項に記載の方法で用いるための形質転換バチルスメガテリウム株。
  11. 請求項10に記載の形質転換バチルスメガテリウム株を生産するための、好気性条件下で発現されるバチルスメガテリウムのS-アデノシルメチオニン-ウロポルフィリノーゲンIIIメチルトランスフェラーゼをコードするcobA遺伝子のヌクレオチド配列の使用。
  12. ビタミンB12を製造するための請求項10に記載の形質転換バチルスメガテリウム株の使用。
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