しかしながら、上記特許文献1に開示の構成では、上記分割線を備えたホログラムでは、プッシュプル信号をビームの半分からしか生成していない。従って、例えば、光ディスク上に汚れや傷などがある場合には、これらの影響によって、プッシュプルパターンに強度差が生じる場合がある。これにより、元来のプッシュプル振幅が小さい場合には、小さな汚れに対しても、波形の乱れが敏感になり、トラッキングサーボ特性が悪化してしまうという問題点がある。
また、上記特許文献2に開示の構成では、光ビームの全体を使ってプッシュプル信号が生成できるのでプッシュプル振幅を増大させることができるが、多数に分割されたホログラムパターンのそれぞれに対して光ビームを検出する受光素子を設ける必要があり、このため受光素子の調整が困難になり、光ピックアップの生産性の悪化や高コストになる可能性がある。
また、プッシュプル法を用いる場合には、以下の問題点がある。以下に、プッシュル法について、図10を参照して説明する。光ディスク55の情報記録面に形成されているトラックに光ビームを照射した場合、光ビームはトラック幅よりもやや大きい領域に照射されるため、回折光が発生し、上記図10に示すような反射光と回折光が干渉した重なり領域n1、n2が形成されることとなる。また、対物レンズ54により周期構造をもつトラックに集光された光ビーム70は、0次回折光700と±1次回折光701、702に分かれて反射され、その重なり領域n1、n2で互いに干渉して対物レンズ瞳上で回折パターン(プッシュプルパターン)を生じる。
そして、光ビームがトラックの中央にある場合には重なり領域n1、n2の領域(面積)における光の強度は、左右同じ強度となるため、受光素子60cと60dとの出力信号をそれぞれSc、Sdとすると、差動信号Sc−Sd(=RES)は0となる(オントラック状態)。しかし、光ディスク55のトラックの中心からずれた状態で光ビームが照射されると、そのずれ量に応じて、重なり領域n1およびn2の領域における光の強度が異なることになる。そして、光ビームがトラックを横切ることによって、図11に示すようなプッシュプル信号(トラッキング誤差信号)が得られる。
このトラッキング誤差信号に従ってラジアル方向のサーボ(トラッキングサーボ)を行う。プッシュプル信号の振幅の大きさは、図11における重なり領域n1とn2との領域に照射される光ビームの面積に依存することとなる。そして、上記説明した従来例の場合には、プッシュプル信号の振幅の大きさは、光ビームのほぼ半分の光しかプッシュプル信号の生成に用いないため、光ビーム全体を使った場合のプッシュプル振幅の約半分になるという問題点がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、受光素子(受光素子)の数を増大させることなく、より安定したトラッキングサーボを行うことができる光ピックアップを提供することにある。
本願発明者等は、上記目的を達成するために、鋭意検討した結果、特にトラッキングエラー信号の生成に強く影響を与える上記重なり領域n1、n2をできるだけ多く含むようなホログラム素子の構成を見出し、本願発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る光ピックアップは、上記課題を解決するために、光記録媒体から反射され、集光手段を通過した光ビームから、トラッキングエラー信号を求めるためのトラッキング用ビームを少なくとも分割する分割手段と、上記トラッキング用ビームを受光する検出手段とを備えた光ピックアップであって、上記分割手段は、集光手段が中立位置にある状態で光記録媒体から反射され当該分割手段に照射された光ビームの光軸と一致する点を通る分割線Aに対して線対称である2つの領域からトラッキング用ビームを分割するトラッキング分割領域とその他の領域とを有しており、上記トラッキング分割領域とその他の領域との境界線は、上記分割線Aの少なくとも一部を含むように形成され、上記トラッキング領域は、上記分割線Aに対して直交する直交線と、上記境界線と、上記光ビームの外周とで囲まれた領域を含むことを特徴としている。
上記分割手段に照射された光ビームのうち、当該光ビームの外周付近には、反射光と回折光が干渉した重なり領域n1、n2が形成されることとなる。そして、この重なり領域n1、n2の光量は光ディスクのトラック上の位置によって変化するため、トラッキングエラー信号を生成する再に、強く影響を及ぼすこととなる。
上記の構成では、上記トラッキング領域は、上記分割線Aに対して直交する直交線と、上記境界線と、上記光ビームの外周とで囲まれた領域を含むように形成されている。つまり、上記の構成とすることで、従来の光ビームの半円部分を用いてトラッキングエラー信号を生成する構成と比べて、分割手段に照射された光ビームの外周付近に発生する重なり領域n1、n2をより多く含んだ状態でトラッキングエラー信号を生成することができる。これにより、より一層正確なトラッキングエラー信号を生成することができるので、従来よりも安定したトラッキングサーボを行うことができる。また、2つのトラッキング領域からトラッキングエラー信号を生成しているので、従来の複数のトラッキング分割領域を有する構成と比べて、トラッキングエラー信号を生成するための受光素子の数を少なくすることができる。
また、上記その他の領域は、上記光ビームの外周の一部を含む領域であることがより好ましい。つまり、2個のトラッキング分割領域とその他の領域は、それぞれ、上記光ビームの外周を含む構成であることがより好ましい。
本発明に係る光ピックアップは、上記課題を解決するために、光記録媒体から反射され、集光手段を通過した光ビームから、トラッキングエラー信号を求めるためのトラッキング用ビームを少なくとも分割する分割手段と、上記トラッキング用ビームを受光する検出手段とを備えた光ピックアップであって、上記分割手段は、集光手段が中立位置にある状態で光記録媒体から反射され当該分割手段に照射された光ビームの光軸と一致する点を通る分割線Aに対して線対称である2つの領域からトラッキング用ビームを分割するトラッキング分割領域とその他の領域とを有しており、上記トラッキング分割領域は、上記その他の領域よりも大きいことを特徴としている。
上記分割線Aを光記録媒体のトラック方向と平行になるように光ピックアップを配置して、光記録媒体から反射された光ビームをトラッキング分割領域にて分割された光ビームを検出することによりトラッキングエラー信号を求めることができる。具体的には、光記録媒体のトラック方向と平行な上記分割線Aに対して線対称な2つのトラッキング分割領域で分離されたそれぞれのトラッキング用ビームの光量に応じた電気信号の差を求めることにより、トラッキングエラー信号を算出することができる。また、例えば、その他の領域は、フォーカスエラー信号の算出に利用される。
上記の構成によれば、上記その他の領域よりも面積が大きいトラッキング分割領域によってトラッキング用ビームを分割している。これにより、分割手段に照射される光ビームの面積の半分に相当する領域を用いてトラッキング用ビームを分離する従来の構成に比べて、光量の多い光ビーム(トラッキング用ビーム)でトラッキングエラー信号を求めることができる。従って、例えば、光記録媒体に指紋や傷、汚れ等がついている場合でも、安定したトラッキングエラー信号を求めることができる。これにより、安定したトラッキングサーボ(トラッキング調整)を行うことができる。
本発明に係る光ピックアップは、上記トラッキング分割領域が、上記分割手段に照射する光ビームの面積の半分よりも大きい構成であることがより好ましい。
上記の構成によれば、上記分割手段に照射する光ビームの面積の半分よりも大きい領域で当該分割手段に照射される光ビームを分割するようになっている。
上記分割手段における、上記トラッキング分割領域とその他の領域との境界線が、集光手段が中立位置にある状態で光記録媒体から反射され当該分割手段に照射された光ビームの直径よりも短い線分であるとともに上記光ビームの光軸と一致する点を通り、かつ、上記分割線Aに対して直交する分割線Bの少なくとも一部と、上記分割線Bの両端から上記分割線Aに対して線対称となるように延びる2本の線分Cとを含むことがより好ましい。
上記の構成によれば、上記トラッキング分割領域とその他の領域との境界線が、上記分割線Aに対して直交する分割線Bを含んでいる。これにより、例えば、上記その他の領域でフォーカス用ビームを分割する場合であっても、分割線Bを含む領域でフォーカスエラー信号を得ることができる。すなわち、上記の構成とすることにより、トラッキングエラー信号とフォーカスエラー信号とを求めることができる。
また、上記の構成とすることにより、その他の領域は、上記分割線Aに対して直交する分割線Bで分割された領域となる。この場合、分割線Bで分割された領域を用いて、当該その他の領域でフォーカスエラー信号を生成することができる。つまり、上記の構成とすることにより、トラッキングエラー信号とフォーカスエラー信号との両方を良好に生成することができる。
本発明に係る光ピックアップは、上記トラッキング分割領域は、さらに、上記光ビームの光軸と一致する点を中心として上記光ビームのビーム半径よりも小さい円の領域を除く領域である構成がより好ましい。
上記集光手段から見て、複数の記録層が積層されている光記憶媒体の情報の記録/再生をおこなっている記録層(以下、目的層と称する)よりも遠い記録層で反射された光ビームは、その光路長の差により集光手段を通過すると、上記目的層で反射された光ビームよりも半径が小さい状態で、分離手段上に照射される目的層から反射された光ビームの光軸近傍に集光される。そして、上記目的層よりも遠い記録層で反射された光ビームは、目的層以外から反射された光ビームであるため、トラッキングエラー信号を求める際に誤差の原因となる。
上記の構成によれば、目的層から反射された光ビームの光軸近傍の領域である上記小さい円の領域を少なくとも除く領域(トラッキング分離領域)で、分離手段に照射される光ビームからトラッキング用ビームを分離している。これにより、目的層よりも遠い記録層から反射された光ビームは、トラッキング分離領域に照射されない。換言すると、トラッキング分離領域は、目的層よりも遠い記録層から反射された光ビームを含まない状態で、分離手段に照射される光ビームからトラッキング用ビームを分離することができる。これにより、目的層よりも遠い記録層から反射された光ビームを含んだ状態でトラッキングエラー信号を求める従来の構成と比べて、より正確に、トラッキングエラー信号を求めることができる。
また、本発明にかかる光ピックアップは、上記小さい円の領域が、上記集光手段から見て、情報の記録/再生を行っている上記記録層よりも遠い記録層で反射された光ビームが集光される領域を含む構成がより好ましい。
上記の構成によれば、小さい円の領域は、上記集光手段から見て、情報の記録/再生を行っている上記記録層よりも遠い記録層で反射された光ビームが集光される領域を含んでいるので、目的層よりも遠い記録層から反射された迷光成分である光ビームが、トラッキング分割領域に照射されることを防止することができる。
本発明に係る光ピックアップは、上記トラッキング分割領域が、光記録媒体から反射され上記分割手段に照射された光ビームのうち、光記録媒体に照射される光ビームの照射位置または照射方向に応じて光の強度が変化する部分を含むように形成されている構成がより好ましい。
さらに、本発明に係る光ピックアップは、上記トラッキング分割領域は、上記光の強度が変化する部分の70%以上を含むように形成されていることがより好ましい。
光記録媒体に照射される光ビームの照射位置または照射方向に応じて、光記録媒体から反射され上記分割手段に照射される光ビームには、明るい部分と暗い部分とが形成される。すなわち、光記録媒体上に照射された光ビームの位置によって、当該光記録媒体から反射される光ビームの強度が変化する。そして、この分割手段に照射される光ビームのうち、光の強度が変化する部分によって、トラッキングエラー信号が生成される。
上記の構成によれば、トラッキング分割領域が、光記録媒体に照射される光ビームの照射位置または照射方向に応じて光の強度が変化する部分をより多く含むように形成されているので、よりプッシュプル振幅の大きなトラッキングエラー信号を求めることができる。
なお、光記録媒体から反射され分割手段に照射される光ビームのうち、光記録媒体上に照射される光ビームの位置により明暗が変化する部分が、上記分割手段のトラッキング分割領域に、完全に含まれるように、各領域を設定する方法としては、予め、記録再生を行う光記録媒体の規格、および、光ビームのビーム径、ビーム強度、波長、集光手段のサイズ等を決定しておき、この場合における上記明暗が変化する領域を算出する。そして、算出された結果に基づいて、各分割領域(トラッキング分割領域およびその他の領域)を決定すればよい。
本発明に係る光ピックアップは、光記録媒体に対して光ビームを照射する光源と、上記光源と集光手段との間に設けられているとともに、光源から照射された光ビームを少なくとも3つの光ビームに分離するための光分離手段とを備え、上記検出手段は、トラッキング分割領域にて分離された少なくとも3つのトラッキング用ビームをそれぞれ受光する複数の受光部を有する構成がより好ましい。
上記の構成によれば、光源から照射された光ビームを少なくとも3つの光ビームに分離し、この分離された少なくとも3つの光ビームを用いてトラッキングエラー信号を求めることができる。これにより、トラッキングエラー信号を求める手法として、差動プッシュプル法を採用することができるので、より正確なトラッキングサーボを行うことができる。
本発明に係る光ピックアップは、上記分割手段が、当該分割手段を通過する光ビームの回折効率が、分割手段に入射する光ビームの偏光状態によって変化するものである構成がより好ましい。
分割手段として、当該分割手段を通過する光ビームの回折効率が、分割手段に入射する光ビームの偏光状態によって変化するものを用いた場合、例えば、光源から照射された光ビームを透過させる、一方、光記録媒体から反射した光ビームを回折させることができる。従って、例えば、光源と光記録媒体との間に上記分割手段を配置することができるので、光ビックアップ装置の小型化を図ることができる。また、上記分割手段に入射する光ビームの偏光状態によって、回折の有無を変えることができるので、光記録媒体に到達する光の光量のロスを抑えることが可能になる。このため、光記録媒体により強い光ビームを照射することができるので、光記録媒体に対して高速に情報の記録を行うことができる。
本発明に係る光ピックアップは、上記の課題を解決するために、光記録媒体から反射され、集光手段を通過した光ビームを、フォーカスエラー信号を求めるためのフォーカス用ビームと、トラッキングエラー信号を求めるためのトラッキング用ビームとに少なくとも分離する分離領域を有する分離手段と、フォーカス用ビームおよびトラッキング用ビームをそれぞれ受光する検出手段とを備えた光ピックアップであって、上記分割手段は、集光手段が中立位置にある状態で光記録媒体から反射され、当該分割手段に全体が収まるように照射された光ビームの光軸と一致する点を通る分割線Aに対して、線対称である2つの領域からトラッキング用ビームを分割するトラッキング分割領域とその他の領域とが、光ビームの照射領域内において形成され、上記トラッキング分割領域は、上記その他の領域よりも大きいことを特徴としている。
トラッキングエラー信号を得るために、集光手段が中立位置にある状態における光記録媒体から反射された光ビームの光軸が上記分割線A上にあるように、分割手段に当該光ビームを照射する。そして、上記分割線Aを光記録媒体のトラック方向と平行になるように光ピックアップを配置して、光記録媒体から反射された光ビームをトラッキング分割領域にて分割された光ビームを検出することによりトラッキングエラー信号を求めることができる。具体的には、光記録媒体のトラック方向と平行な上記分割線Aに対して線対称な2つのトラッキング分割領域で分離されたそれぞれのトラッキング用ビームの光量に応じた電気信号の差を求めることにより、トラッキングエラー信号を算出することができる。
上記の構成によれば、分割手段に全体が収まるように照射された光ビームの光軸と一致する点を通る分割線Aに対して、線対称である2つの領域からトラッキング用ビームを分割するトラッキング分割領域とその他の領域とが、光ビームの照射領域内において形成されている。つまり、例えば、分割手段に照射された光ビームの照射領域が、上記関係を満足するように分割手段の各領域が形成されている。これにより、分割手段に形成されている各領域(トラッキング分割領域、その他の領域)の大きさや形状に関係なくトラッキングエラー信号を算出することができる。
また、分割手段に照射される光ビームの面積の半分に相当する領域を用いてトラッキング用ビームを分離する従来の構成に比べて、光量の多い光ビーム(トラッキング用ビーム)でトラッキングエラー信号を求めることができる。これにより、例えば、光記録媒体に指紋や傷、汚れ等がついている場合でも、安定したトラッキングエラー信号を求めることができる。これにより、安定したトラッキングサーボ(トラッキング調整)を行うことができる。
本発明に係る情報記録/再生装置は、上記の課題を解決するために、上記光ピックアップを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記の光ピックアップを備えているので、良好なトラッキング調整を行うことができる。
本発明に係る光ピックアップは、光記録媒体から反射され、集光手段を通過した光ビームから、トラッキングエラー信号を求めるためのトラッキング用ビームを少なくとも分割する分割手段と、上記トラッキング用ビームを受光する検出手段とを備えた光ピックアップであって、上記分割手段は、集光手段が中立位置にある状態で光記録媒体から反射され当該分割手段に照射された光ビームの光軸と一致する点を通る分割線Aに対して線対称である2つの領域からトラッキング用ビームを分割するトラッキング分割領域とその他の領域とを有しており、上記トラッキング分割領域とその他の領域との境界線は、上記分割線Aの少なくとも一部を含むように形成され、上記トラッキング領域は、上記分割線Aに対して直交する直交線と、上記境界線と、上記光ビームの外周とで囲まれた領域を含む構成である。
それゆえ、上記の構成とすることで、従来の光ビームの半円部分を用いてトラッキングエラー信号を生成する構成と比べて、分割手段に照射された光ビームの外周付近に発生する重なり領域n1、n2をより多く含んだ状態でトラッキングエラー信号を生成することができる。これにより、より一層正確なトラッキングエラー信号を生成することができるので、従来よりも安定したトラッキングサーボを行うことができるという効果を奏する。
本発明に係る光ピックアップは、光記録媒体から反射され、集光手段を通過した光ビームから、トラッキングエラー信号を求めるためのトラッキング用ビームを少なくとも分割する分割手段と、上記トラッキング用ビームを受光する検出手段とを備えた光ピックアップであって、上記分割手段は、集光手段が中立位置にある状態で光記録媒体から反射され当該分割手段に照射された光ビームの光軸と一致する点を通る分割線Aに対して線対称である2つの領域からトラッキング用ビームを分割するトラッキング分割領域とその他の領域とを有しており、上記トラッキング分割領域は、上記その他の領域よりも大きい構成である。
また、本発明に係る光ピックアップは、本発明に係る光ピックアップは、光記録媒体から反射され、集光手段を通過した光ビームを、フォーカスエラー信号を求めるためのフォーカス用ビームと、トラッキングエラー信号を求めるためのトラッキング用ビームとに少なくとも分離する分離領域を有する分離手段と、フォーカス用ビームおよびトラッキング用ビームをそれぞれ受光する検出手段とを備えた光ピックアップであって、上記分離手段は、当該分離手段上の任意の一点を通る直線に対して線対称である2つの領域からトラッキング用ビームを分割するトラッキング分割領域とその他の領域とを有しており、上記トラッキング分割領域は、上記その他の領域よりも大きい構成である。
上記の構成によれば、上記その他の領域よりも面積が大きいトラッキング分割領域によってトラッキング用ビームを分割している。これにより、分割手段に照射される光ビームの面積の半分に相当する領域を用いてトラッキング用ビームを分離する従来の構成に比べて、光量の多い光ビーム(トラッキング用ビーム)でトラッキングエラー信号を求めることができる。従って、例えば、光記録媒体に指紋や傷、汚れ等がついている場合でも、安定したトラッキングエラー信号を求めることができる。これにより、安定したトラッキングサーボ(トラッキング調整)を行うことができる。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りである。
図2は、本実施の形態にかかる光ピックアップの概略の構成を示す側面図である。本実施の形態にかかる光ピックアップは、図2に示すように、半導体レーザ(光源)1、ホログラム素子(分割手段)2、コリメートレンズ3、対物レンズ(集光手段)4、受光部(検出手段)10を備えている。
半導体レーザ1は、光ディスク5に対してレーザ光を照射するものである。上記半導体レーザ1は、例えば、波長650nmのレーザビーム(光ビーム)を出射する。なお、半導体レーザ1から出射される光ビームの波長は特に限定されるものではなく、例えば、405nmであってもよい。
コリメートレンズ3は、光源から照射された光を平行光にする。また、コリメートレンズ3は、光ディスク5から反射し、対物レンズ4を通過した光を集光光にする。
対物レンズ4は、コリメートレンズ3により平行光に変換された光ビームを光ディスク5上に集光させるものである。また、光ディスク5によって反射された光ビームは、上記対物レンズ4およびコリメートレンズ3を通過して、ホログラム素子2に入射される。
そして、上記対物レンズ4は、中立位置を含む可動範囲内で、ラジアル方向、フォーカス方向に変位可能になっている。上記中立位置は、対物レンズ4に導かれたビームの光軸と、当該対物レンズの中心位置とが同軸になるように、対物レンズ4が配置された状態を示している。そして、ラジアル方向は、光ディスク5が、例えば、DVDなどの光ディスクの場合は半径方向を示し、フォーカス方向は、対物レンズ4に導かれた光ビームの光軸に対して平行な方向であって、光ディスク5の情報が記録されている記録面に対して垂直な方向である。そして、対物レンズ4の位置は、図示しない駆動手段であるアクチュエータによってラジアル方向およびフォーカス方向に変位駆動される。
ホログラム素子2は、光ディスク5で反射されて対物レンズ4、コリメートレンズ3を通過した光ビームを分割するものである。上記ホログラム素子2は、複数の領域に分割されており、上記光ディスク5から反射し対物レンズ4を通過した光ビームを各分割領域により分割して受光部10に入射させる。そして、具体的には、上記光ビームは、上記ホログラム素子2にてフォーカスサーボ信号を求めるためのフォーカス用光ビームとトラッキングサーボ信号を求めるためのトラッキング用光ビームとに少なくとも分割される。なお、上記ホログラム素子2のホログラムパターン(分割パターン)の詳細な構成については後述する。また、上記ホログラム素子2は、半導体レーザ1から照射された光ビームを通過させる。
受光部10は、複数の受光素子を有し、上記ホログラム素子2にて分離された光ビーム(フォーカス用ビーム、トラッキング用ビーム)を受光(検出)して電気信号に変換するものである。上記受光部10では、受光された光ビームの光強度を検出する。また、上記受光部10は、フォーカス用光ビームを受光するフォーカス用受光部と、トラッキング用光ビームを受光するトラッキング用受光部とを備えている。そして、フォーカス用受光部で受光した光を用いて、フォーカスサーボ信号が生成され、また、トラッキング用受光部で受光した光を用いて、トラッキングサーボ信号が生成される。この受光部10の詳細な構成については後述する。
光ディスク(光記録媒体)5には情報を記録するための記録層が積層されている。上記光ディスク5としては、例えば、CD、DVD等が挙げられる。
次に、上記半導体レーザ1から出射された光ビームについて説明する。半導体レーザ1から出射された光ビームは、ホログラム素子2により回折される。そして、回折された光ビームのうちの0次回折光は、コリメートレンズ3および対物レンズ4を介して光ディスク5上に集光される。
そして、上記光ディスク5に導かれた光ビームは、光ディスク5の記録層で反射される。そして、光ディスク5で反射された光ビームは、対物レンズ4、ついで、コリメートレンズ3を介してホログラム素子2に導かれる。
そして、上記ホログラム素子2に照射された光ビームは、当該ホログラム素子2によって、フォーカスエラー信号を求めるためのフォーカス用ビームと、トラッキングエラー信号を求めるためのトラッキング用ビームとに少なくとも分離される。
その後、フォーカス用ビームは、受光部10のフォーカス用受光部に入射され、トラッキング用ビームは受光部10のトラッキング用受光部にそれぞれ入射される。そして、フォーカス用受光部で受光した光を用いて、フォーカスサーボ信号が生成され、また、トラッキング用受光部で受光した光を用いて、トラッキングサーボ信号が生成される。
ここで、本実施の形態にかかるホログラム素子2について詳細に説明する。
本実施の形態にかかるホログラム素子2は、対物レンズ4が中立位置にある状態で光ディスク5から反射され当該ホログラム素子2に照射された光ビームの光軸と一致する点を通る線分m(分割線A)に対して線対称である2つの領域からトラッキング用ビームを分割するトラッキング分割領域とその他の領域とを有しており、上記ホログラム素子2における、上記トラッキング分割領域とその他の領域との境界線が、上記光ビームの光軸と一致する点を通るとともに、上記分割線Aに対して直交し、かつ、上記光ビームの直径よりも短い線分である線分l(分割線B)の少なくとも一部と、上記分割線Bの両端から上記分割線Aに対して線対称となるように延びる2本の線分Cとを含み、上記トラッキング領域は、上記分割線Aに対して直交する直交線pと、上記境界線と、上記光ビームの外周とで囲まれた領域を含む構成である。
そして、上記ホログラム素子2は、上記の構成に加えて、トラッキング分割領域である第一分割部2a、第二分割部2bが、対物レンズ4が中立位置にある状態で光ディスク5から反射されホログラム素子2に照射される光ビームのうち、重なり領域n1、n2の70%以上の領域を含むように形成されていることがより好ましく、全部の領域を含むように形成されていることが特に好ましい。
また、上記2つのトラッキング分割領域の合計の面積が、その他の領域よりも大きいことがより好ましい。
図1は、本実施の形態にかかるホログラム素子2のホログラムパターンと、該ホログラムパターンによって分割される光ビームの照射先の受光部を示す図面である。本実施の形態にかかるホログラム素子2は、半導体レーザ1と対物レンズ4との間に配置されている。そして、上記ホログラム素子2は、図1に示すように、光ディスク5から反射された光ビームが通過する領域に、トラッキングエラー信号を生成するための第一分割部(トラッキング分割領域)2aおよび第二分割部(トラッキング分割領域)2bならびにフォーカスエラー信号を生成するための第三分割部(フォーカス分離領域)2cの3つの分割部を備えるホログラムパターンを有している。
図1に示すようにホログラムパターンは、光ディスク5のラジアル方向に平行なx方向に沿った線分lと、その線分lの中心を一端として、そのlと垂直な方向、すなわち光ディスク5のトラック方向に平行な線分mと、線分mと平行で、線分lの端点を一端とする線分nと、同じく線分mと平行で、線分lの別の端点を一端とする線分oの4つの線分によって、3つの分割部(第一分割部2a、第二分割部2b、第三分割部2c)に分割される。
上記線分lと線分mの交点はピックアップ光学系の光軸を通り、線分lの長さは、光ビームのビーム径(直径)よりも短い長さに設定される。換言すると、対物レンズ4が中立位置にある状態で光ディスク5から反射され当該ホログラム素子2に照射された光ビームの光軸と上記線分lと線分mの交点とが一致するように、光ディスク5から反射した光ビームが照射される。
つまり、上記3つの分割部(第一分割部2a、第二分割部2b、第三分割部2c)のうち、ホログラム素子2に照射される光ビームからトラッキング用光ビームを生成するトラッキング分割領域である第一分割部2a、第二分割部2bは、上記当該ホログラム素子2に照射された光ビームの光軸を含む直線(分割線A)に対して線対称になっている。換言すると、上記トラッキング分割領域である第一分割部2a、第二分割部2bは、上記光ディスク5から反射されホログラム素子2に入射する光ビームの光軸を中心とする直線に対して左右対称の形状となっている。なお、上記直線は、光ディスク5のトラック方向と平行である。
また、フォーカスエラー信号を生成するための第三分割部2cと、上記第一分割部2aおよび第二分割部2bとの境界線は、当該ホログラム素子2上に照射される光ビームの光軸と一致する点を含み上記直線(分割線A)に対して直交している、上記光ビームの直径よりも短い線分lと、上記線分lの両端からそれぞれホログラム素子2の外周部に延びた2本の線分n、oとで構成されている。なお、上記線分lは、上記光ビームの光軸と一致する点が当該線分lの中心となっている。また、上記2本の線分n、oは、互いに平行または、上記第一分割部2aおよび第二分割部2bが左右対称になるように形成されている。
そして、第一分割部2aおよび第二分割部2bを合わせた面積は、フォーカスエラー信号を生成するための第三分割部2cよりも大きくなっている。より具体的には、上記第一分割部2aおよび第二分割部2bを合わせた面積は、光ディスク5から反射され、ホログラム素子2に入射する光ビームにおけるビームスポットの面積の半分以上となっている。
ところで、上記ホログラム素子2の第一分割部2a、第二分割部2b、第三分割部2cには、それぞれ異なる格子が形成されており、それぞれの分割部で分割された光ビームは受光部10に備えられた互いに異なる受光素子でそれぞれ検出される。
受光部10は、光ディスク5のトラック方向(図面上y方向)に配列された4つの矩形状の受光素子10a、10b、10c、10dを有している。中央の受光素子10a、10bは、光ディスク5のラジアル方向(図面上x方向)に延びる分割線により分割されている。受光素子10c、10dは、受光素子10a、10bに対してトラック方向に所定の間隔を隔てて設けられている。
そして、図1に示すようにホログラム素子2によって分割された光ビームのうち、第一分割部2aおよび第二分割部2bによって分割された光ビームは、それぞれ受光素子10c、10d上にビームスポットを形成することにより受光され、トラッキング信号用の光ビームとして用いられる。また、第三分割部2cによって分割された光ビームは、受光素子10aと10bとの境界領域(境界線上)にビームスポットを形成し、フォーカス信号用の光ビームとして用いられる。
そして、本実施の形態にかかる光ピックアップでは、上記受光素子10a、10b、10c、10dの出力信号をそれぞれI10a、I10b、I10c、I10dとすると、フォーカス誤差信号FESはシングルナイフエッジ法により(I10a−I10b)の演算で求められ、トラッキング信号はI10c−I10dの演算によって生成される。
本実施の形態のホログラムパターンにおいては、従来の3分割ホログラムに対して、トラッキング信号生成に用いる光ビームの面積が広くなる。特に、プッシュプルパターンにおいて0次光と±1次光が重なり領域n1とn2と(光記録媒体に照射される光ビームの位置に応じて光の強度が変化する部分)の領域が増加する。プッシュプル振幅の大きさは上記重なり領域n1とn2との面積で決まるため、本実施の形態のホログラムパターンでは、従来のホログラムパターンと比べて、大きな振幅のプッシュプル信号が得られることとなる。
これにより、例えば、光ディスク5に汚れ、傷等がある場合、プッシュプルパターンにはそれらに起因する強度分布が現れ、プッシュプル信号の演算を行ったとき、トラック位置情報とは関係ない強度差が生じることとなる。さらに、もともとのプッシュプル振幅が小さい場合には、汚れや傷などによる強度差による信号の乱れの影響が大きくなるが、本実施の形態のホログラムパターンを用いることによって、プッシュプル振幅を増加させることができるので、安定したトラッキングサーボが実現できる。
また、例えば、DVD−RWディスク等では、ランドプリピット信号の振幅も増大することになり、位置決め精度が上がり、記録特性の向上を図ることができる。
また、光ディスクによってはプッシュプル法ではなく、他の方法によってトラッキングサーボを行う必要がある。たとえばDVD−ROMの場合には、位相差法(DPD法:Differential Phase Detection)によってトラッキングを行う必要があり、多くの規格ディスクの検出に沿うためには、DPDによるトラッキングエラー信号(ラジアル信号)検出も行えることが望ましい。
また、本実施の形態のホログラムパターンでは、DPD法、プッシュプル法、どちらのトラッキング信号検出にも対応できる。上記DPD法では、受光素子10cの光強度I10cと、受光素子10dの光強度I10dの位相差によってトラッキングエラー信号が検出される。
すなわち、DPDによるトラッキングエラー信号I(DPD)は、下式(3)
I(DPD)=ph(I10c−I10d) …(3)
によって得られる。上記式中phはそれぞれの強度の位相の差をとることを示す。そして、光ディスク5上に形成されたピットが、光ビームのどの位置を通過するかによって発生する位相差が変化するので、この位相差を求めることによってトラック位置情報を得ることができる。そして、ちょうど光ビームが光ディスク5上のトラックの中央を通過する場合には、その位相差は0となる。つまり、本実施の形態にかかる光ピックアップでは、上記位相差が0なるように対物レンズ4を移動させることによりトラッキングサーボを行う。
なお、本実施の形態にかかるホログラムについて、上記の説明に限定されるものではなく、例えば、図3や図4、図5に示すような形状であってもよい。
図1に示すホログラムパターンでは、プッシュプル振幅を増大させるためには、線分lの長さを短くする必要があるが、一方で、フォーカス信号用の光分割部が小さくなってしまい、フォーカスサーボ特性の悪化につながる可能性がある。そこで、図3に示すようなホログラムパターンとすることで、プッシュプルに寄与する面積を増加させつつ、フォーカス信号検出部分の面積も確保することが可能である。
すなわち、上記図3に示すホログラムパターンのように、上記線分nと線分oとはトラック方向に対して平行でなく、上記線分lに対して所定の角度を有するように形成されていてもよい。この場合、線分nと線分oとは、トラック方向(線分l)に対して互いに同じ大きさの角度を有しているが、角度の向き(すなわち、角度を示す符号)は、互いに逆になっている。つまり、上記線分nと線分oとは、互いに同じ角度で、広がる方向または狭まる方向に形成されている。また、上記線分lの長さとしては、光ディスク5から反射しホログラム素子2に照射される光ビームの直径よりも小さく、当該光ビームの半径よりも小さいことがより好ましい。なお、上記所定の角度としては、20°〜90°の範囲内がより好ましい。所定の角度を上記20°以上とすることにより、トラッキング分割領域に、上記上記重なり領域n1とn2とをより多く含ませることができる。これにより、より良好にトラッキングエラー信号を生成することができる。また、上記所定の角度を90°以内とすることにより、その他の領域を用いて生成するフォーカスエラー信号を良好に生成することができる。つまり、上記所定の角度を上記範囲内とすることにより、トラッキングエラー信号とフォーカスエラー信号との両方を良好に生成することができる。
また、ホログラムパターンとしては、上記重なり領域n1とn2の領域をできるだけ広く含むようなパターンが望ましく、具体的には、図4に示すように、トラッキング分割領域である第一分割部2a、第二分割部2bは、対物レンズ4が中立位置にある状態で光ディスク5から反射されホログラム素子2に照射される光ビームのうち、重なり領域n1、n2の70%以上の領域を含むように形成されていることがより好ましく、全部の領域を含むように形成されていることが特に好ましい。このようなホログラムパターンとすることで、より一層プッシュプル振幅を増大させることができる。また、
また、ホログラム素子2のホログラムパターンとしては、例えば、図5に示すような形状であってもよい。具体的には、図5に示すように、当該ホログラム素子2に照射される光ビーム(メインビーム30)の照射領域(図5に破線にて図示)内において、第一分割部2aと第二分割部2bとが線対称であり、当該第一分割部2aと第二分割部2bとの合計の面積が、第三分割部2cよりも大きくなっているホログラム素子2であればよい。この場合、例えば、図5に示すように、第一分割部2aと第二分割部2bとの全体の大きさおよび形状については、左右対称である必要はなく、光ビームの照射領域において第一分割部2aと第二分割部2bとの大きさおよび形状が左右対称(線対称)であればよい。
また、その他の領域である第三分割部2cと、第一分割部2aおよび第二分割部2bの合計の領域との関係についても、光ビームの照射領域内において、第一分割部2aおよび第二分割部2bの合計の領域の方が上記第三分割部2cよりも大きくなっていればよい。
つまり、図5に示すように、第一分割部2aおよび第二分割部2bの全体の形状(大きさ)が線対称になっていない場合や、第一分割部2aおよび第二分割部2bの合計の面積が第三分割部2cよりも小さくなっている場合であっても、ホログラム素子2に照射される光ビームの照射領域のみが、上記の関係((1)第一分割部2aおよび第二分割部2bが線対称(2)第一分割部2aおよび第二分割部2bの合計の面積が第三分割部2cよりも大きい)を満たしていればよい。
さらに、本実施の形態にかかるホログラム素子2のホログラムパターンとしては、例えば、図6に示すような形状であってもよい。具体的には、図6に示すように、ホログラムパターンは、図3に示すトラッキング分割領域のうち、光ビームの光軸付近の領域を除く領域でトラッキングエラー信号を生成する構成である。より具体的には、上記トラッキング分割領域は、さらに、上記光ビームの光軸と一致する点を中心として上記光ビームのビーム半径よりも小さい円の領域Aを除く領域である構成がより好ましい。
光ディスク5が、複数層から形成されている場合、上記対物レンズ4から見て、情報の記録/再生をおこなっている目的層(記録層)よりも遠い記録層で反射された光ビームは、その光路長の差により対物レンズ4を通過すると、上記目的層で反射された光ビームよりも半径が小さい状態で、ホログラム素子2上に照射される目的層から反射された光ビームの光軸近傍に集光される。そして、上記目的層よりも遠い記録層で反射された光ビームは、目的層以外から反射された光ビームであるため、トラッキングエラー信号を求める際に誤差の原因となる。
そこで、上記図6に示すホログラムパターンでは、目的層から反射された光ビームの光軸近傍の領域である上記領域Aを少なくとも除く領域をトラッキング分離領域にしている。これにより、目的層よりも遠い記録層から反射された光ビームは、トラッキング分離領域に照射されない。換言すると、トラッキング分離領域は、目的層よりも遠い記録層から反射された光ビームを含まない状態で、ホログラム素子2に照射される光ビームからトラッキング用ビームを分離することができる。これにより、目的層よりも遠い記録層から反射された光ビームを含んだ状態でトラッキングエラー信号を求める従来の構成と比べて、より正確に、トラッキングエラー信号を求めることができる。
つまり、上記の構成にすることで、複数層からなる光ディスクの場合に特有に発生する、目的外層からの迷光成分をより少なくした状態でトラッキングエラー信号を生成することができる。
そして、上記円の領域Aの半径としては、情報の記録/再生を行っている記録層から反射され当該ホログラム素子2に照射された光ビームのビーム半径に対して、30〜60%の範囲内である構成がより好ましい。
上記の構成によれば、上記円の領域Aの半径を、上記光ビームのビーム半径に対して、30〜60%の範囲内とすることにより、確実に目的層よりも遠い記録層から反射された光ビームを上記領域(B)内にすることができるとともに、フォーカス分離領域で分離されるフォーカス用ビームを、フォーカスエラー信号を得るために十分な光量にすることができるので、良好なフォーカスエラー信号を得ることができる。
なお、上記トラッキング分割領域を、上記小さい円の領域Aを除く領域にすることは、上記図6の場合に限れられるものではなく、本発明の全てのホログラムパターンに有効である。
また、ホログラム素子2は偏光特性を備えていてもよい。例えば、この場合には、ホログラム素子2と対物レンズ4との間に4分の1波長板(λ/4板)などの偏光素子を挿入して、往路と復路で光の偏光を(ホログラム素子2のトラック方向(y方向)に対して)90度直交させる。この場合には、本実施の形態にかかる光ピックアップを用いて光ディスク5に情報の記録を行う場合には、往路においてホログラム素子2を通過する際の回折効率をほぼ0とすることができるため、光の利用効率が向上し、良好な記録特性が得られる。なお、ホログラム素子2と偏光素子とは一体に形成してもよい。
また、本実施の形態ではトラッキング信号用の受光素子10c、10dをフォーカス信号用の受光素子10a、10bを挟むように配置した例について説明している。しかしながら、上記トラッキング信号用の受光素子10c、10dの配置については、上記に限定されるものではなく、例えば、フォーカス信号用の受光素子10a、10bから見て同じ側に受光素子10c、10dを配置してもよい。そして、受光部10の所定の受光素子にホログラム素子2によって分離された光ビームが導かれるようにホログラム素子2において各分割領域の溝の形成方向が決められる。
以上のように、本実施の形態にかかる光ピックアップは、光ディスク5から反射され、対物レンズ4を通過した光ビームから、トラッキングエラー信号を求めるためのトラッキング用ビームを少なくとも分割するホログラム素子2と、上記トラッキング用ビームを受光する受光部10とを備えた光ピックアップであって、上記ホログラム素子2は、対物レンズ4が中立位置にある状態で光ディスク5から反射され当該ホログラム素子2に照射された光ビームの光軸と一致する点を通る分割線Aに対して線対称である2つの領域からトラッキング用ビームを分割するトラッキング分割領域とその他の領域とを有しており、上記トラッキング分割領域は、上記その他の領域よりも大きい構成である。
上記分割線Aを光ディスク5のトラック方向と平行になるように光ピックアップを配置して、光ディスク5から反射された光ビームをトラッキング分割領域にて分割された光ビームを検出することによりトラッキングエラー信号を求めることができる。具体的には、光ディスク5のトラック方向と平行な上記分割線Aに対して線対称な2つのトラッキング分割領域で分離されたそれぞれのトラッキング用ビームの光量に応じた電気信号の差を求めることにより、トラッキングエラー信号を算出することができる。
上記の構成によれば、上記その他の領域よりも面積が大きいトラッキング分割領域によってトラッキング用ビームを分割している。これにより、ホログラム素子2に照射される光ビームの面積の半分に相当する領域を用いてトラッキング用ビームを分離する従来の構成に比べて、光量の多い光ビーム(トラッキング用ビーム)でトラッキングエラー信号を求めることができる。従って、例えば、光ディスク5に指紋や傷、汚れ等がついている場合でも、安定したトラッキングエラー信号を求めることができる。これにより、安定したトラッキングサーボ(トラッキング調整)を行うことができる。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップは、上記トラッキング分割領域は、上記ホログラム素子2に照射する光ビームの面積の半分よりも大きい構成がより好ましい。
上記の構成によれば、上記ホログラム素子2に照射する光ビームの面積の半分よりも大きい領域で当該ホログラム素子2に照射される光ビームを分割するようになっている。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップは、上記光ホログラム素子2における、上記トラッキング分割領域とその他の領域との境界線が、対物レンズ4が中立位置にある状態で光ディスク5から反射され当該ホログラム素子2に照射された光ビームの直径よりも短い線分であるとともに上記光ビームの光軸と一致する点を通り上記分割線Aに対して直交する分割線Bと、上記分割線Bの両端から上記分割線Aに対して線対称となるように延びる2本の線分Cとで構成されていることがより好ましい。
上記の構成によれば、上記トラッキング分割領域とその他の領域との境界線が、上記分割線Aに対して直交する分割線Bを含んでいる。これにより、例えば、上記その他の領域でフォーカス用ビームを分割する場合であっても、分割線Bを含む領域でフォーカスエラー信号を得ることができる。すなわち、上記の構成とすることにより、トラッキングエラー信号とフォーカスエラー信号とを求めることができる。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップは、上記トラッキング分割領域は、光ディスク5から反射され上記ホログラム素子2に照射された光ビームのうち、光ディスク5に照射される光ビームの照射位置または照射方向に応じて光の強度が変化する部分を含むように形成されている構成がより好ましい。
光ディスク5に照射される光ビームの照射位置または照射方向に応じて、光ディスク5から反射され上記ホログラム素子2に照射される光ビームには、明るい部分と暗い部分とが形成される。すなわち、光ディスク5上に形成されているトラックと光ビームの照射位置によって、当該光ディスク5から反射される光ビームの強度が変化する。そして、このホログラム素子2に照射される光ビームのうち、光の強度が変化する部分によって、トラッキングエラー信号が生成される。
上記の構成によれば、トラッキング分割領域が、光ディスク5に照射される光ビームの照射位置または照射方向に応じて光の強度が変化する部分をより多く含むように形成されているので、よりプッシュプル振幅の大きなトラッキングエラー信号を求めることができる。
なお、光ディスク5から反射されホログラム素子2に照射される光ビームのうち、光ディスク5上に照射される光ビームの位置により明暗が変化する部分が、上記ホログラム素子2のトラッキング分割領域に、完全に含まれるように、ホログラムパターンを形成することがより好ましい。そして、上記のようなホログラムパターンを決定する方法としては、予め、記録再生を行う光ディスク5の規格、および、光ビームのビーム径、ビーム強度、波長、対物レンズ4のサイズ等を決定しておき、この場合における上記明暗が変化する領域を算出する。そして、算出された結果に基づいて、ホログラムパターンを決定すればよい。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップは、上記ホログラム素子2は、当該ホログラム素子2を通過する光ビームの回折効率が、ホログラム素子2に入射する光ビームの偏光状態によって変化するものである構成がより好ましい。
ホログラム素子2として、当該ホログラム素子2を通過する光ビームの回折効率が、ホログラム素子2に入射する光ビームの偏光状態によって変化するものを用いた場合、例えば、半導体レーザ1から照射された光ビームを透過させる、一方、光ディスク5から反射した光ビームを回折させることができる。従って、例えば、半導体レーザ1と光ディスク5との間に上記ホログラム素子2を配置することができるので、光ビックアップ装置の小型化を図ることができる。また、上記ホログラム素子2に入射する光ビームの偏光状態によって、回折の有無を変えることができるので、光ディスク5に到達する光の光量のロスを抑えることが可能になる。このため、光ディスク5により強い光ビームを照射することができるので、光ディスク5に対して高速に情報の記録を行うことができる。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップは、光ディスク5から反射され、対物レンズ4を通過した光ビームを、フォーカスエラー信号を求めるためのフォーカス用ビームと、トラッキングエラー信号を求めるためのトラッキング用ビームとに少なくとも分離する分離領域を有する分離手段と、フォーカス用ビームおよびトラッキング用ビームをそれぞれ受光する受光部10とを備えた光ピックアップであって、上記ホログラム素子2は、対物レンズ4が中立位置にある状態で光ディスク5から反射され、当該ホログラム素子2に全体が収まるように照射された光ビームの光軸と一致する点を通る分割線A(線分m)に対して、線対称である2つの領域からトラッキング用ビームを分割する第一分割部2aおよび第二分割部2b(トラッキング分割領域)とその他の領域である第三分割部2cとが、光ビームの照射領域内において形成され、上記トラッキング分割領域は、上記その他の領域よりも大きい構成である。
トラッキングエラー信号を得るために、対物レンズ4が中立位置にある状態における光ディスク5から反射された光ビームの光軸が上記分割線A上になるように、ホログラム素子2に当該光ビームを照射する。そして、上記分割線Aを光ディスク5のトラック方向と平行になるように光ピックアップを配置して、光ディスク5から反射された光ビームをトラッキング分割領域にて分割された光ビームを検出することによりトラッキングエラー信号を求めることができる。具体的には、光ディスク5のトラック方向と平行な上記分割線Aに対して線対称な2つのトラッキング分割領域で分離されたそれぞれのトラッキング用ビームの光量に応じた電気信号の差を求めることにより、トラッキングエラー信号を算出することができる。
上記の構成によれば、ホログラム素子2に全体が収まるように照射された光ビームの光軸と一致する点を通る分割線Aに対して、線対称である2つの領域からトラッキング用ビームを分割する第一分割部2aおよび第二分割部2b(トラッキング分割領域)とその他の領域である第三分割部2cとが、光ビームの照射領域内において形成されている。つまり、例えば、分割手段に照射された光ビームの照射領域が、上記関係を満足するようにホログラム素子2の各領域が形成されている。これにより、ホログラム素子2に形成されている各領域(トラッキング分割領域、その他の領域)の大きさや形状に関係なくトラッキングエラー信号を算出することができる。
また、上記その他の領域よりも面積が大きいトラッキング分割領域によってトラッキング用ビームを分割している。これにより、ホログラム素子2に照射される光ビームの面積の半分に相当する領域を用いてトラッキング用ビームを分離する従来の構成に比べて、光量の多い光ビーム(トラッキング用ビーム)でトラッキングエラー信号を求めることができる。従って、例えば、光ディスク5に指紋や傷、汚れ等がついている場合でも、安定したトラッキングエラー信号を求めることができる。これにより、安定したトラッキングサーボ(トラッキング調整)を行うことができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図7ないし図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
本実施の形態にかかる光ピックアップは、半導体レーザ1から出射される光ビームを3つに分けて、この3つの光ビームを用いてトラッキングエラー信号を算出する構成である。
具体的には、本実施の形態にかかる光ピックアップは、図7に示すように、ホログラム素子2と半導体レーザ1との間にグレーティング(光分離手段)6が配置されている。そして、上記グレーティング6によって、半導体レーザ1から出射される光ビームを、メインビームの他に2つのサブビームを生成し、これら3つの光ビームを光ディスク5上に集光させる。
グレーティング6は、回折格子であり、半導体レーザ1と上記光ディスク5との間に配置されている。そして、上記グレーティング6は、半導体レーザ1から出射される1つの光ビームから、1つのメインビーム(0次透過光)と2つのサブビーム(+1次回折光、−1次回折光)とを生成するものである。つまり、半導体レーザ1から出射された光ビームは、グレーティング6にて3つの光ビームになる。本実施の形態では、グレーティング6は、半導体レーザ1から対物レンズ4までの間(より詳細には半導体レーザ1からホログラム素子2までの間)に設けられている。そして、上記グレーティング6は、メインビームを、サブビームの光強度よりも大きくなるように、2種類の光ビームを生成している。より具体的には、上記グレーティング6は、2つのサブビームである+1次回折光と−1次回折光との光量の和よりもメインビームの光量が大きくなるように、上記メインビームとサブビームとを生成している。また、上記グレーティング6が回折格子で構成されている場合には、当該回折格子の溝の深さによって、0次透過光と±1次回折光との割合(互いの光量の割合)を制御することができる。なお、上記の説明では、グレーティング6は、2つのサブビームを生成する例について説明したが、生成するサブビームの数は特に限定されるものではない。
次に、上記半導体レーザ1から出射された光ビームについて説明する。半導体レーザ1から出射された光ビームは、まず、半導体レーザ1と対物レンズ4との間に設けられたグレーティング6に入射される。グレーティング6には周期的な凹凸が形成されており、出射光を回折させ、メインビーム30の他にいくつかのサブビーム(ここでは、2つのサブビーム31、32)を生成する。メインビーム30は記録媒体に記録された情報を取得するための主光束である。2つのサブビーム31、32はメインビーム30の集光位置を制御するために用いられる光である。グレーティング6に形成されている凹凸が単純な周期的な矩形形状である場合は、発生する回折光の主なものは+1次光と−1次光の光である。以下、それぞれを第一サブビーム31、第二サブビーム32とする。
そして、グレーティング6を通過した3つの光ビーム(メインビーム30、第一および第二サブビーム31、32)は、ホログラム素子2を介してコリメートレンズ3に入射する。ついで、コリメートレンズ3により平行光に変換された光ビームは対物レンズ4によって光ディスク5上に集光される。
光ディスク5に導かれたメインビーム30ならびに第一および第二サブビーム31、32は、光ディスク5で反射される。その反射光は対物レンズ4、ついで、コリメートレンズ3を介してホログラム素子2に導かれる。
本実施の形態のホログラム素子2のホログラムパターンは、上記実施の形態1と同様のパターン、すなわち、図1に示すホログラムパターンを有し、メインビーム30ならびに第一および、第二サブビーム31、32を、それぞれ分割して受光部10へと導く。受光部10は少なくとも8つの受光素子から構成される。
そして、ホログラム素子2の第一分割部2aによって分割されたメインビーム30と第一、第二サブビーム31、32は、図8に示すように、受光素子10c、10f、10eへとそれぞれ導かれ、受光される。同様にホログラムの第二分割部2bによって分割されたメインビーム30と第一、第二サブビーム31、32は受光素子10d、10h、10gへとそれぞれ導かれ、受光される。
また、ホログラムの第三分割部2cによって分割されたメインビームは受光素子10a、10bの境界線上に集光される。第三分割部2cによって分割された第一、第二サブビーム31、31は必要ないため、受光しないように、受光素子10a、10bの素子幅や10bと10e、10aと10hの間隔を設定する。
そして、各受光素子10c〜10hで受光される光強度をそれぞれI10c〜I10hとすると、例えば、トラック位置情報を示すトラッキングエラー信号を差動プッシュプル法(DPP法:Differential puch pull)によって検出する場合には、下式(4)
I(DPP)=(I10c−I10d)−k×{(I10f−I10h)+(I10e−I10g)} …(4)
の演算によって算出することができる。
ここで、トラッキング誤差信号TESの(I10c−I10d)は、メインビーム30のプッシュプル信号であり、(I10f−I10h)、(I10e−I10g)は、それぞれ±1次光のサブビーム31・32のプッシュプル信号である。サブビームのプッシュプル信号はトラッキングエラー信号にあらわれる対物レンズシフトによって発生するオフセットをキャンセルするために用いられ、(I10f−I10h)、(I10e−I10g)のプッシュプルの位相は、(I10c−I10d)の位相と180度異なるように3ビームの位置がディスクトラック上で形成されるように配置されている。
なお、上記式中、係数kは0次光メインビーム30と+1次光サブビーム31及び−1次光サブビーム32との光強度の違いを補正するためのもので、強度比が0次光:+1次光:−1次光=a:b:bならば、係数k=a/(2b)である。
このように、半導体レーザ1から出射される光ビームをグレーティング6によって3つの光ビームに分離し、これら3つの光ビームを用いることにより、差動プッシュプル法を用いて、トラッキングエラー信号を求めることができる。これにより、より一層精度良くトラッキングサーボを行うことができる。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップは、光ビームを照射する光源と、該光ビームを光記録媒体上に集光させる集光素子と、上記光記録媒体からの反射光を受光する複数の受光素子を有する光検出部と、上記検出部と集光素子との間に配置され、記録媒体からの反射光を分割する複数の分割部を有する分割手段を備えた光ピックアップにおいて、上記分割手段は3つの分割領域(A、B、C)を有しており、そのうち2つの分割領域(A、B)は、集光手段が中立位置にあるときに分割手段に導かれる反射光の光軸を通り、かつ、上記記録媒体のトラック方向と平行な直線を境界線として、上記境界線に対して対称に、またその二つの分割領域(A+B)をあわせた面積は残り一つの分割領域(C)の面積よりも大きくなるように形成され、上記2つの分割領域からの光ビームを受光することによって、トラッキング信号を生成する構成であってもよい。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップは、上記分割手段において、分割領域Cと分割領域AおよびBを分ける境界線が、集光手段が中立位置にあるときに分割手段に導かれる反射光の光軸を通り、かつ、上記記録媒体のトラック方向と垂直で、分割手段上での光記録媒体から反射した光ビームの半径よりも短い線分と、その線分に対して所定の角度傾いた線分とで構成されていてもよい。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップは、上記分割手段において、分割手段上へ光記録媒体から反射してきた光ビームのうち、記録媒体上での光の位置によって明暗が変化する部分が、分割領域AおよびBの領域に、全て含まれるように、分割領域が形成される構成であってもよい。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップは、光源と集光素子の間に、光ディスク上に少なくとも3つの光ビームスポットを形成するためのグレーティングを備え、それぞれの光ビームの記録媒体からの反射光を受光することによって、トラッキング信号を生成する構成であってもよい。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップは、上記光分割素子が、偏光特性を備えている構成であってもよい。
ここで、本実施の形態にかかる光ピックアップを備えた情報記録/再生装置について説明する。
本実施の形態に係る情報記録/再生装置40は、図9に示すように、光ディスク5を回転駆動するスピンドルモータ42、光ディスク5に情報を記録再生する光ピックアップ41、上記スピンドルモータ42および光ピックアップ41を駆動制御するための駆動制御部43を備えている。
上記駆動制御部43は、上記スピンドルモータ42の駆動制御を行うスピンドルモータ駆動回路、対物レンズ4をフォーカス方向に移動させるフォーカス・アクチュエータの駆動制御を行うフォーカス駆動回路、上記対物レンズ3をラジアル方向に移動させるトラッキング・アクチュエータの駆動制御を行うトラッキング駆動回路を有するとともに、上記光ピックアップ41から得られた信号から上記の各制御回路への制御信号を生成するための制御信号生成回路、上記光ピックアップ41から得られた信号から光ディスク5に記録されている情報を再生し、再生信号を生成するための情報再生回路を有している。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。