JP2005351881A - 共存陰イオンの処理装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 炭酸よりも弱い酸を溶存する被験体試料水中に共存する、強酸性及び弱酸性陰イオンを、除去する処理方法を提供する。
【解決手段】 被験試料水中に共存する強酸性あるいは弱酸性の陰イオンを処理する方法であって、(1)上記試料水を水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、共存する陰イオンを強電解質の水酸化物型に変換する、(2)次いで、これを水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、イオン交換反応を原理として水に変換する、ことを特徴とする共存陰イオンの処理方法。
【効果】 本発明の方法は、例えば、海水のような高塩濃度試料中の極めて弱い酸を分離計測する際の、塩類除去に有用であり、また、水を溶離液とするため、無(低)公害な計測を可能にする処理方法を提供できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、被処理試料中に共存する強酸性あるいは弱酸性の陰イオンを高効率に除去するための処理装置及び方法に関するものであり、更に詳しくは、例えば、環境試料水中に溶存するホウ酸やケイ酸、環境ホルモン物質に関連するビスフェノールAやノニルフェノール等のフェノール類、あるいは、メタノールやエタノール等のアルコール類のような炭酸よりも弱い酸を対象として、水素型陽イオン交換樹脂カラムによって分離検出を行う際に、妨害となる、高濃度の強酸(硫酸、塩化物、硝酸、あるいはリン酸等)や弱酸(フッ化水素、脂肪族カルボン酸等)を除去するために、プレカラムとして水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂カラムを試料導入部と分離カラムの間に接続することによって、これらをイオン交換反応により水に変換し、分析対象物質である炭酸よりも弱い酸を効率的に検出することを行うための処理装置及び方法に関するものである。
本発明は、例えば、自然環境、生活環境の保全、環境変動の解明、将来予測や影響評価等を行うために不可欠な環境化学物質の基礎的データを得るために必要な、極微量の環境化学物質を計測する計測方法及びその装置の技術分野において、複雑な手法を必要としないで、水に溶存する微量成分を、高感度で計測することを可能とするとともに、2次汚染を生じない、無(低)公害かつ簡便な計測方法及び装置を提供するものであり、例えば、環境水、排水・飲料水、食品、薬品等の技術分野における管理・分析に係る新技術の開発を推進するものとして有用である。
例えば、ケイ酸イオンは、自然界に金属・炭素・ハロゲン等の種々な元素と、物理的あるいは化学的に結合し、海水、雨水、河川水、湖沼水等の環境水、水道水、ビール、ミネラルウォーター等の飲料水、あるいは、土壌、粘土、岩石の主成分として、あらゆる環境条件に存在する重要なイオンである。そのため、ケイ酸イオンの計測は、当然のことながら重要とされているが、多量の炭酸、ホウ酸、フッ素及びリン酸等と共存していることから、単独での計測は非常に難しいことが、以前から知られている。試料水中のケイ酸イオンの計測は、モリブデン酸アンモニウムを用いた比色法(非特許文献1参照)、塩酸あるいは過塩素酸を用いる重量測定法等が挙げられるが、この計測方法は、種々な環境水中に含まれるリン酸並びに強酸等の妨害を受けやすく、複雑な前処理を必要とする。また、導電率検出ノンサプレッサー型イオン排除型クロマトグラフィーあるいはイオン交換型イオンクロマトグラフィー(非特許文献2参照)では、炭酸水素イオンと検出ピークが重なり、酸による前処理が必要となり、加えて、その検出感度は、低い極限モル当量伝導度のために、導電率検出に対する応答が低く、検出限界が高いという問題点があった。
既に、炭酸水素イオンや脂肪族有機カルボン酸類等の、弱酸性イオンの計測における検出感度を上昇させるために、強酸性陽イオン交換樹脂を充填した分離カラムを用い、溶離液を水として、イオン排除作用により、共存する強酸イオンから分離した後、カリウム型強酸性陽イオン交換樹脂カラムと、水酸化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂カラムの順に、分離された炭酸水素イオンを通過させることによって、極めて高い導電率検出応答を有する水酸化カリウムに変換し、通常の10倍の検出応答の増大に成功した例が報告されている(非特許文献3参照)。また、本発明者らは、溶離液を水とし、弱酸性陽イオン交換樹脂を充填した分離カラムとして用い、共存イオン陰イオンから炭酸水素イオンを分離した後、分離カラムの後に接続されている、カリウム型強酸性陽イオン交換樹脂カラムと、ヨウ化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂カラムの順に炭酸水素イオンを通過させることによって、吸光度係数の高いヨウ化カリウムに変換し、200〜240nmの波長領域において高感度に検出する装置の開発に成功している(特許文献1参照)。
しかし、ケイ酸イオンを対象物質として適用した場合、酸解離定数がpKa=9.86であり、そのため、検出応答に用いられたイオン交換カラム中での変換効率がかなり低いため、高感度検出を達成することができないという問題があった。更に、ケイ酸イオンを単独で検出するためには、試料を、強酸(塩酸あるいは硫酸)によりpHを3以下にし、窒素ガスを封入することにより、溶存する炭酸ガスを排除する必要があった。以前から、ケイ酸イオンの定量に対し、イオンクロマトグラフィーを計測手段とした、報告例はいくつかあるが、共存する炭酸イオン、リン酸イオン及びフッ化物イオン等の妨害を考慮しているものは少ない状況であった(非特許文献4〜7参照)。それゆえに、当技術分野においては、前処理工程を最小限に抑えつつ、他のイオン種の妨害を避けながら、高精度にケイ酸イオンを分離検出する方法を構築し、更に広範囲の試料濃度において、高感度かつ高精度に定量が可能な計測装置の開発が必要とされていた。
特願2004−10261号 "Standard Medods, 17th edition", Edited by L.S. Clesceri, A.E. Greenberg, R.R. Trussell, eds., American Publish Health Association, Washington DC, 1989, pp. 4-184 - 187 "Standard Medods, 17th edition", Edited by L.S. Clesceri, A.E. Greenberg, R.R. Trussell, eds., American Publish Health Association, Washington DC, 1989, pp. 4-183 - 184 K. Tanaka, J.S. Fritz, Anal. Chem., 59, pp. 708 - 712 (1987) H.-B. Li, F. Chen, J. Chromatogr. A, 874, pp. 143 - 147 (2000) P. Jones, R. Stanley, Anal. Chim. Acta, 249, pp. 539 - 544 (1991) T. Okada, T. Kuwamoto, Anal. Chem., 57, pp. 258 - 262 (1985) H. Sakai, T. Fujiwara, T. Kumamaru, Bull. Chem. Soc. Jpn., 66, pp. 3401 - 3406 (1993)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上述の諸問題を抜本的に解決することを可能とする新しい計測手段を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、炭酸よりも弱い酸を溶存する被験試料水を、水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させて強酸あるいは弱酸性の陰イオンを除去することが可能であること、それにより、共存する陰イオンの妨害を受けずに、高感度で、検出濃度範囲が広く、再現性が良く、極めて弱い酸の分離計測方法及びその装置を構築することが可能となること、を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、共存する陰イオンの妨害を受けずに、高感度で、検出濃度範囲が広く、再現性が良く、極めて弱い酸(炭酸よりも弱い酸)の分離計測方法及びその装置を構築することを可能とする、被験試料水の処理装置及び方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、被験試料水中に共存する強酸あるいは弱酸イオンを除去するための、水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂をプレカラムとして用い、次いで、分離カラムを選択することにより、共存するイオン種から、イオン排除作用により、選択的に、極めて弱い酸を分離し、検出ピークの良好な再現性を達成することを目的とするものである。
また、本発明は、例えば、環境試料水中のホウ酸、ケイ酸及びフェノール類あるいはアルコール類等のような炭酸よりも弱い酸を対象として、水素型陽イオン交換樹脂分離カラムによって分離検出を行うに際し、水酸化物型陰イオン交換樹脂カラムを、試料導入部と分離カラムの間に接続することによって、妨害となる高濃度の強酸や弱酸を除去して、計測対象物質である極めて弱い酸の効率的な検出を行うための予備的処理装置及び方法を提供することを目的とするものである。更に、本発明は、湖沼水、河川水、水道水、海水、飲料水、ボイラー水、超純水等に存在する微量の物質、あるいは医薬品、食品中の、ホウ酸、フェノール類あるいはアルコール類の計測等に幅広く適用することができ、自然環境、生活環境に存在する、環境化学物質である、極めて弱い酸の分離計測に有用な共存陰イオンの処理装置及び方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、被処理試料水中に共存する強酸性及び/又は弱酸性の陰イオンを処理する装置において、共存する陰イオンを強電解質の水酸化物型に変換する手段、及び上記強電解質をイオン交換反応を原理として水に変換する手段を具備したことを特徴とする共存陰イオン処理装置である。本装置は、上記水酸化物型に変換する手段が、水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムからなること、上記水に変換する手段が、水素型弱酸性陰イオン交換樹脂を充填したカラムからなること、被処理試料が、炭酸よりも弱い酸を溶存する水であること、炭酸よりも弱い酸が、ケイ酸、ホウ酸、ヒ素酸、シアン化水素、アルコール類、フェノール類又は糖アルコールであること、溶離液として、水又は水と有機溶媒の混合溶媒を用いること、被処理試料が、生活排水あるいは工場廃水、アルコール類を溶存する嫌気的活性汚泥処理水、ホウ酸、フェノール類あるいはアルコール類を含む医薬品又は食品、又は脱イオン水に変換する高塩濃度水であること、を特徴としている。また、本発明は、被処理試料中に共存する強酸性及び/又は弱酸性の陰イオンを処理する装置において、水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂カラム、水素型弱酸性陽イオン交換樹脂カラム、溶離液を送液する送液ポンプ、試料導入部、及び検出器を具備したことを特徴とする水質モニタリング装置である。また、本発明は、被処理試料水中に共存する強酸性及び/又は弱酸性の陰イオンを処理する方法において、上記試料水を水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、共存する陰イオンを強電解質の水酸化物型に変換し、次いで、これを水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、イオン交換反応を原理として水に変換することを特徴とする共存陰イオンの処理方法である。本方法は、炭酸よりも弱い酸を溶存する被験試料水から、共存する強酸性及び/又は弱酸性の陰イオンを除去する予備的処理方法であって、該試料水を、水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、強電解質の水酸化物型に変換し、次いで、これを水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、イオン交換反応を原理として水に変換すること、炭酸よりも弱い酸が、ケイ酸、ホウ酸、ヒ素酸、シアン化水素、アルコール類、フェノール類又は糖アルコールであること、溶離液として、水又は水と有機溶媒の混合溶媒を用いること、生活排水あるいは工場廃水を処理すること、アルコール類を溶存する、嫌気的活性汚泥処理水を処理すること、医薬品あるいは食品中のホウ酸、フェノール類あるいはアルコール類の含量を計測するための試料水を処理すること、高塩濃度の試料水を、脱イオン水に変換する前処理として、それらを水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、強電解質の水酸化物型に変換した後、これを水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、イオン交換反応を原理として水に変換すること、を特徴としている。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、炭酸よりも弱い酸、例えば、ケイ酸(pKa=9.86)、ホウ酸(pKa=9.23)、ヒ素酸(pKa=9.10)、シアン化水素等の酸、あるいは、メタノール、エタノール、プロパノール、糖アルコール等のアルコール類、ビスフェノールA、ノニルフェノール、オクチルフェノール等のフェノール類等を被験対象とする被験試料水の処理装置及び方法において、これらの酸と共に、高濃度で共存する強酸性あるいは弱酸性の陰イオンを高効率に除去するものであり、水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したイオン排除分離カラムの前に、水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを接続することにより、イオン交換反応により、共存する陰イオンを水に変換することを特徴とするものである。本発明は、例えば、水道水、ミネラルウォーター、及び湖沼水中のケイ酸をモニターして、その増減をモニタリングすること、医薬品、工業用水あるいは食品中に含まれるホウ酸、アルコールやフェノール類等の品質管理を行う項目の一つとして、それらを高感度に計測すること、を可能とするものであり、例えば、共存する強酸性及び弱酸性の陰イオンを、水に変換し、確実に被験対象物質のみを計測する方法として適用されるものである。しかし、本発明は、これらに限定されるものではない。
次に、本発明の一例として、計測対象をケイ酸イオンとした場合における、実際試料中の強酸性の陰イオンの処理方法並びにケイ酸イオンの分離計測について説明するが、本発明では、ケイ酸イオンよりも弱い酸である、例えば、ホウ酸、ヒ素酸、シアン化水素等についても、ケイ酸イオンと同様にして分離計測することが可能である。
本発明の処理装置及び方法は、例えば、共存陰イオンを除去するプレカラム、ケイ酸イオンを分離する分離カラム、ケイ酸イオンを強電解質に変換する強電解質変換カラム、及び、検出感度を増大するための検出応答増大カラムより構成される分離計測システムにおいて、そのプレカラムによる予備的処理として使用される。共存陰イオンを除去するためのプレカラムとしては、水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムが例示される。また、強電解質変換カラムとしては、アルカリ金属イオン型強酸性陽イオン交換樹脂、具体的には、例えば、リチウムイオン型強酸性陽イオン交換樹脂、ナトリウムイオン型強酸性陽イオン交換樹脂、カリウムイオン型強酸性陽イオン交換樹脂等を充填したカラムが例示される。更に、検出応答増大カラムとしては、陰イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂、具体的には、UV吸光度を増大する場合には、例えば、硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂、亜硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂、ヨウ化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂、臭化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂、モリブデン酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂等の、約200〜300nmの範囲に吸光度を有するイオンを吸着させた強塩基性陰イオン交換樹脂が例示され、導電率を増大する場合には、例えば、水酸化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂、硫酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂、塩化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂、臭化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂、硝酸イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂等の高い極限モル当量導電率を有するイオンを吸着させた、強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムが例示される。しかし、本発明は、これらに限定されるものではなく、上記カラムと同等もしくは類似のもので、同様の機能を有するものであれば同様に使用することができる。
本発明は、例えば、試料水中のケイ酸イオンを対象として、これを選択的、かつ高感度に計測するイオン排除型イオンクロマトグラフィーに使用する装置の構築に有用な予備的処理方法として使用される。この場合は、ケイ酸イオンと共存する陰イオン、特に、炭酸水素イオン等を、水酸化物イオン型弱塩基性イオン交換樹脂プレカラムによって、一旦、強塩基である水酸化物にした後、水素イオン型弱酸性陽イオン交換樹脂分離カラムによって、それらを水に変換する。それによって、共存する陰イオンを除去すると同時に、弱電解質であるケイ酸を強電解質であるケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウムあるいはケイ酸カリウム等に変換するためのアルカリ金属イオン型強酸性陽イオン交換樹脂カラム、更に、導電率あるいはUV吸光度検出器の応答を増大させる陰イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を、この順序に組み合わせた、ケイ酸イオンの分離計測装置が構築されるが、上記カラムとしては、上述の各種カラムから適宜選択して使用することができ、また、UV検出あるいは導電率検出を手段としては、適宜の検出器を組み合わせて使用することができる。本発明では、これらの手段により、試料水中のケイ酸イオンを対象とし、溶離液を、水あるいは水−メタノールの混合溶液として、水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂により、ケイ酸イオンと共存している強酸イオン及び炭酸水素イオンを、水酸化物型に変換し、分離カラムである水素イオン型弱酸性陽イオン交換樹脂カラムにより、ケイ酸イオン以外の炭酸よりも強い酸の陰イオンを水に変換する。更に、ケイ酸イオンを高感度に検出するために、アルカリ金属イオン型強酸性陽イオン交換樹脂カラムにより、強電解質化合物、具体的には、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、あるいはケイ酸カリウム等に予め変換した後、導電率により検出する場合は、陰イオン強塩基性陰イオン交換樹脂カラムにより、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、硝酸カリウム等の、高い極限モル当量導電率を有する化合物に変換して導電率検出が行われ、UV吸光度により検出する場合は、陰イオン強塩基性陰イオン交換樹脂カラムにより、例えば、ヨウ化リチウム、臭化ナトリウム、硝酸カリウム等の、広い検出波長領域において、高い吸光度係数を有する化合物に変換してUV検出が行われる。
本発明では、例えば、被験試料水中に多く共存する、強酸・弱酸イオンを可能な限り除去し、ケイ酸イオンを効率よく検出するために、好適には、分離カラムの前に、親水性ポリマーであるポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリヒドロキシアクリレート、及びポリビニルアルコール等を担体とする水酸化物イオンを吸着させた弱塩基性陰イオン交換樹脂カラムをプレカラムとして使用する。これにより、酸解離定数(pKa)5〜6以下の試料は、水溶離液中で電離し、速やかに強電解質である水酸化物イオン型に変換される。その際、ケイ酸イオンのような極めて弱い酸(pKa=8以上)は、ほとんど解離せず分子状態でプレカラムを通過する。次に、ケイ酸イオンのみを単独で分離検出するために、親水性ポリマーである、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリヒドロキシアクリレート、及びポリビニルアルコール等を担体とする水素イオンを吸着させた弱酸性陽イオン交換樹脂カラムを分離カラムとして使用する。これより、水酸化物イオン型の強電解質を、導電率検出及びUV吸光度検出にほとんど応答しない水に変換し、最終的に分離カラムによって上述の目的対象物のみを単独に検出することが可能になる。
図1に示す装置を用いて、実際に、例えば、水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂カラム(例えば、東ソー製TSKgel DEAE−5PW)をプレカラムとし、水素イオン型弱酸性陽イオン交換樹脂カラム(例えば、東ソー製TSKgel Super−IC−A/C)を分離カラムとして用い、いくつかの代表的な、陰イオン及びケイ酸イオンの水への変換効率を調べた。その結果を、表1に示す。これらの結果から、ケイ酸イオンを除く、強酸性陰イオンあるいは炭酸水素イオンを含めた弱酸性陰イオンが、分離カラムの前にプレカラムを接続することによって、ケイ酸イオン及び高濃度の炭酸水素イオンを除く試料は、ほぼ100%水に変換されていることが分かった。
Figure 2005351881
表1は、水溶離液を用いた際の、導電率イオン排除型イオンクロマトグラフィーにより得られた、プレカラムの接続前と接続後の、陰イオンのピーク面積を示し、図2は、そのクロマトグラムを示す。なお、この試験では、溶離液は水を用い、流速0.5mL/minで行い、導電率検出により各イオンを検出した。また、注入された陰イオン試料の濃度は全て5mMであり、注入量は100μLである。プレカラムは、東ソー製TSKgel DEAE−5PWの水酸化物イオン型 (4.0cm × 4.6mmID)を使用し、分離カラムは、TSKGEL Super IC−A/Cの水素イオン型 (15cm×7.8 mmID)を使用した。図2において、上図は、強酸イオン(1mM硫酸イオン+1mM塩化物イオン+1mM硝酸イオン)、下図は、弱酸イオン(1:0.1mMギ酸、2:0.1mM酢酸、3:0.1mMプロピオン酸、4:0.1mM酪酸、5:1mM炭酸、6:0.1mM吉草酸)であり、カラムの組み合わせについては、Aは、分離カラムのみ、Bは、プレカラム+分離カラムである。
共存する陰イオンを除去するためのプレカラムである弱塩基性陰イオン交換樹脂カラム、及び弱酸性陽イオン交換樹脂分離カラムは、充填されたゲルのサイズが10μM以下であり、好適には3〜5μMであり、例えば、長さが各々4cm以上のものであれば、水溶離液あるいは水−メタノール混合溶離液において、流速が1mL/min以下の場合、ケイ酸イオンの分離及び酸解離定数pKa=6以下の陰イオンを効率よく水に変換することができる。そして、計測終了後の2次汚染の発生を最小限に抑えることについても、計測過程において、水のみによって実施することができることから、100μLの注入試料以外はほとんど無(低)公害である。これにより、pKa=8以上の弱酸の検出と、溶離液中の溶存炭酸も効率よく除去されるため、ベースラインの減少と検出限界の拡大が示され、幅広い分野での有効な予備的処理方法としての適用が可能になる。
本発明では、フェノール類、アルコール類等の分離計測については、フェノール類、アルコール類等を含有する水溶液を、水素型陽イオン交換樹脂カラムによって分離検出を行う際に、妨害となる高濃度の強酸(硫酸、塩化物、硝酸、あるいはリン酸)や弱酸(フッ化水素、脂肪族カルボン酸等)を除去するために、プレカラムとして、水酸化物型陰イオン交換樹脂カラムを、試料導入部と分離カラムの間に接続する。これによって、妨害イオンを交換反応により水に変換し、分析対象物質であるフェノール類、アルコール類等を効率的に検出することが可能となる。更に、陰イオンのイオン排除用分離カラムである水素型弱酸性陽イオン交換樹脂カラムにおいて、陰イオンが水に変換される結果、それらのイオン交換反応を受けない物質のみが、イオン排除作用により選択的に分離される。
本発明の処理方法を適用することにより、分離計測できるフェノール類やアルコール類の具体例としては、例えば、ビスフェノールA、ノニルフェノール、メタノール、エタノール、プロパノール、オクチルフェノール、ブチルフェノール等が挙げられる。また、本発明により分離された、例えば、フェノール類は、具体的には、アセトニトリル−水溶離液を用いるUV検出吸着型クロマトグラフィーにより、アルコール類は、具体的には、水溶離液を用いるUV検出逆相高速液体クロマトグラフィーにより、高感度で計測することが可能である。
本発明では、例えば、ケイ酸イオンを分析対象物質とした場合、分離カラムの前に、試料水中に共存する陰イオンを効率よく除去するための水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂カラムを接続し、分離カラムと検出器との間に、ケイ酸イオンを強電解質に変換するアルカリ金属イオン型強酸性陽イオン交換樹脂カラム、及び極限モル伝導率の大きい化合物に変換するための陰イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂カラムを検出応答増大カラムとして接続することによって、通常のケイ酸イオンの検出に使用される電気伝導度検出器で得られた結果の300倍以上の検出感度の増大を示すことができる。
本発明において用いられた予備処理用カラムの寿命は、例えば、検量線作成において、0.01〜2.0mMまでのケイ酸イオンの標準試料8種類を各3回、ピーク面積並びに溶出時間の再現性を算出するため、1mMケイ酸イオンの標準試料を6回、そして、水道水、湖水、河川水、及び海水の実際試料を各3回、計42回を導電率検出及びUV吸光度検出各々においてカラムに注入した場合、いずれも再生処理することなく連続使用が可能であることから、かなり長いものと考えられる。再生処理について、分離カラムは、0.1M硫酸、塩酸、硝酸のいずれかの強酸を10分間通液することによって再生が可能になる。一方、本システムに用いられるプレカラムは、0.1〜1M水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのいずれかの強塩基を10分間流通することによって再生することができる。なお、カラムの再生処理の際の溶離液流速は、カラム圧を考慮し、1min/mL以下が望ましい。
本発明を、医薬品あるいは食品中の、ホウ酸、フェノール類あるいはアルコール類の含有量を計測する場合に適用するにあたっては、例えば、目薬中のホウ酸を計測するには、そのほとんどが2%以下の濃度で調製されているため(薬発第755号、医療用医薬品再評価結果−その24、1985.7.30参照)、希釈及び固形物除去等の前処理工程を必要とはせず、目薬を、直接、本システムに導入することにより、他のイオン成分(マレイン酸やクエン酸等)を除去しながら計測することが可能である。また、食品に関しては、pH緩衝剤として、ホウ酸(実際には、四ホウ酸ナトリウム)が用いられていることがあり、対象となる試料の形態や温度に応じて、予め、固形物除去及び10倍以上の希釈前処理を施し、その後に、本発明のシステムに導入してホウ酸を計測する。また、フェノールの場合は、フェノール水や中水準消毒薬として、高濃度に添加されることがあり(例えば、(1)小林寛伊、大久保憲、尾家重治:消毒薬、厚生省保健医療局結核感染課監修、小林寛伊編集、消毒と滅菌のガイドライン、第1版、ヘルス出版、東京、1999;81−100、(2)石塚紀元、小林寛伊、尾家重治:消毒薬、小林寛伊編集、感染制御学、第1版、ヘルス出版、東京、1996;125−156、(3)日本医薬情報センター:医療薬日本医薬品集、医薬時報社、東京、2001、参照)、この場合には、水で希釈した後、色素等の難水性成分を、メンブランフィルターによってろ過した後、本発明のシステムに導入することにより計測される。
本発明により、(1)分離カラムのみを用いた場合に生じる、被験試料中に多く含まれる強酸性及び弱酸性の陰イオンの妨害を、水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したプレカラムによって、それらをイオン交換作用により水に変換することができる、(2)それにより、電離の小さい弱酸を、イオンクロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィーによって分離検出することができる、(3)溶離液中に溶存する炭酸も水に変換できることから、特に、導電率検出において生じるベースラインの上昇を抑え、分離後の検出感度の拡大を増幅することができる、(4)更に、上述の弱酸の検出応答を増大させたい場合は、それらを強電解質に変換するアルカリ金属イオン型強酸性陽イオン交換樹脂カラムと、検出応答の増大を助長させることができる陰イオン型強塩基製陰イオン交換樹脂カラムを接続することによって、格段に検出応答を増大させることが可能である、(5)本発明は、複雑な実験操作過程を必要としない簡便な共存陰イオン除去のための予備的処理を提供することができる、(6)特別な薬品を一切使用することなく、種々な試料中の極めて弱い酸の高感度な計測に対応する無(低)公害な水質モニタリングが可能となる、という格別の効果が奏される。
次に、本発明を、実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)実験条件
本実施例では、1)プレカラム(予備的処理)として、水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを用い、2)分離カラムとして、水素イオン型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムを用い、3)強電解質変換カラムとして、カリウムイオン型強酸性陽イオン交換樹脂を用い、4)検出応答増大カラムとして、導電率増大カラムとしての水酸化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂又はUV吸光度増大カラムとしてのヨウ化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したものを用いた。
イオンクロマトグラフの周辺装置としては、UV−8020型吸光度検出器、CM−8020型導電率検出器、DP−8020型送液ポンプ、CO−8020型カラム恒温槽及びSD−8022型オンラインデガッサー(全て東ソー製)を用いた。また、得られたデータの解析・管理は、専用のLC−8020−MODEL−IIデータプロセッサーを用いて行った。試料注入量は0.1mLとし、カラム温度は、40℃、溶離液流速は、0.5mL/minとした。
プレカラムには、ポリメタクリレートを担体とする弱塩基性陰イオン交換樹脂TSKgel DEAE−5PW (長さ4cm、内径4.6mm)を水酸化物イオン型として用いた。分離カラムには、親水性ポリマーである、ポリメタクリレートを担体とする弱酸性陽イオン交換樹脂TSKgel Super−IC−A/C (長15cm、内径7.8mm)を水素イオン型として用いた。強電解質変換カラムには、ポリスチレンジビニルベンゼンを担体とする強酸性陽イオン交換樹脂TSKgel SCX (長さ7.5cm、内径6mm)をカリウムイオン型として用いた。導電率増大カラムには、ポリスチレンジビニルベンゼンを担体とする強塩基性陰イオン交換樹脂TSKgel SAX(長さ5cm,内径4.8mm)を水酸化物イオン型として用い、UV吸光度増大カラムには、前記のものを、ヨウ化物イオン型として用いた。溶離液として水を用いた。
図3に、この分離システムの構成を示す。図に示されるように、プレカラム(水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂)1、分離カラム(水素イオン型弱酸性陽イオン交換樹脂)2、強電解質変換カラム(カリウムイオン型強酸性陽イオン交換樹脂)3、及び検出応答増大カラム(導電率の検出には水酸化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂、UVの検出にはヨウ化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂)4をおの順序で接続した。
標準試料として用いた試薬(全て和光純薬製)は、目的に応じて適宜希釈して調製した。即ち、標準試薬として、ケイ酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウムを使用し、各々の0.1M水溶液を調製し、適宜希釈して使用した。なお、溶離液及び標準試料に用いた水は、イオン交換後の蒸留水であり、水溶離液は、それらに含まれる溶存炭酸を除去するため、予め、超音波により30分間脱気処理した後、窒素ガス封入を10分間したものを用いた。海水は、名古屋港で採取し、固形物を、孔径0.2μMのメンブランフィルターによって除去した後、イオン交換後の蒸留水で100倍希釈したものを用いた。湖水は愛知池(愛知県東郷町)、河川水は庄内川(愛知県名古屋市)、水道水は本研究所(瀬戸市)から採取した。それらは、直ちに孔径0.2μMのメンブランフィルターによってろ過した後、上記プレカラムに注入した。なお、これらの実際試料は、溶存する炭酸(炭酸水素イオンとして1mM以上)が多く含まれており、ケイ酸イオンの検出を妨害する恐れがあるため、1mM硫酸水溶液により10から100倍に希釈し、窒素ガス封入を10分間したものを用いた。
(2)実験方法
分離カラムの前後に接続されるイオン交換樹脂カラムによる、ケイ酸イオンの導電率増大検出及び共存する陰イオンの除去効果を検討するために、試料として、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム及びケイ酸ナトリウム各1mMを混合した標準試料を分離カラムに注入し、各々のカラム条件における導電率応答をモニターし、得られたクロマトグラムを比較した。カラムの組み合わせは、Aは分離カラムのみ、Bは分離カラム+強電解質変換カラム、Cは分離カラム+強電解質変換カラム+導電率増大カラム、Dはプレカラム+分離カラム+強電解質変換カラム+導電率増大カラム、Eはプレカラム+分離カラム+強電解質変換カラム+UV吸光度増大カラムとした。
(3)結果
図4(A)に示されるように、分離カラムのみでの陰イオン、特に、強酸性陰イオン1は、高い極限モル伝導率を有するために、かなり大きなピークとして検出されるが、ケイ酸イオン2のピークは、かなり弱い弱酸であるために、検出応答の小さいピークのみが検出された。図4(B)に示されるように、分離カラムの後に強電解質変換カラムを接続した場合は、弱酸イオンであるケイ酸イオンが、強電解質であるケイ酸カリウムに変換され、若干のピークの増大が見られた。
更に、図4(C)に示されるように、導電率増大カラムを、強電解質変換カラムと検出器の間に接続した場合は、直後でモニターされたクロマトグラムは、ケイ酸イオンが強電解質である水酸化カリウムに変換されることによって、検出応答の増大が期待されたが、ケイ酸イオンの酸解離が十分なされていなかったと考えられ、この段階での検出感度の増大は見られなかった。
これを解決するために、前述の表1に示されるように、水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂をプレカラムとして、分離カラムをプレカラムと接続した場合、殆どの陰イオン試料が水に変換され、ケイ酸イオンのみがその影響を殆ど受けなかった事実に基づき、上記の検出応答増大システムにある分離カラムの前に、プレカラムを接続し、ケイ酸イオンのピーク増大を試みた結果、図4(D)に示されるように、強酸の陰イオンは、ほとんど検出されなくなり、ケイ酸イオンのみの検出応答増大に関与するイオン交換作用が生じ、高い極限イオン当量伝導率を有する水酸化カリウムに効率よく変換されることによって、そのピークが劇的に増大し、検出応答(ピーク面積)が、分離カラムのみの340倍まで増大していることが分かった。これにより、ケイ酸イオンのみを検出することが可能となったが、仮に1mM以上の炭酸水素イオンが含まれているような実際試料を用いる場合、その検出を妨害することが予想されるため、予め、1mM硫酸水溶液によりpH3以下に保ち、窒素ガス封入を10分間して、炭酸を完全に除去したものを使用することが好ましい。
図4(E)に、前記と同様のシステムを用い、導電率増大カラムの代わりに、ヨウ化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したUV吸光度増大カラムを接続した場合のケイ酸イオンのクロマトグラムを示す。この図に示されるように、前記の導電率増大の場合と同様の効果が得られ、UV吸光度を検出器とした場合でも、有効であることが実証された。
本発明では、上述のシステムにおいて、水溶離液のみでのイオン排除分離及び検出応答の増大が可能であるが、溶離液流速が1mL/min以上になると、カラム圧は上昇し、カラム内に充填されたイオン交換樹脂に大きなダメージを与えるため、短時間内(例えば、10分以内)に検出することは、通常困難である。そのため、一般的に、メタノールやアセトニトリル等の有機溶媒を水溶離液に添加することがあり、また、有機溶媒の添加は、純水よりも粘性が低いことから、カラム内抵抗が減少し、イオン交換樹脂に対する負担が軽減される利点がある。ただし、ケイ酸試料の解離状態が水溶離液よりも更に抑制されることから、検出感度は減少するが、感度よりもカラム寿命を考慮したい場合は、10%以下の有機溶媒を溶離液に添加することによって、長期間保存することができる。なお、これによって、ケイ酸イオンの溶出挙動(溶出時間並びにピーク形状等)が大きく変化することはない。
図5に、ケイ酸イオンの注入濃度の増大に伴うピークの増加をプロットした結果を示す(試料注入量100μL)。図に示されるように、導電率及びUV吸光度検出の両方において、0.01〜2.0mMの濃度範囲で直線性が示された。表2に、ケイ酸イオンの検出応答の検出限界及びピーク面積の再現性及び溶出時間の再現性を示す。
Figure 2005351881
表2に示された値は、連続6回の測定で得られた結果を示す。検出限界及び再現性を検討する際に注入されたケイ酸イオンの濃度は1mMであり、検出限界は、シグナル/ノイズ比3で行った場合の値である。他の計測条件は、図2の場合と同じである。
本発明の実際試料への応用として、種々な試料中のケイ酸イオンの定量に適用することを検討した。図6に示されるように、湖沼水、河川水、海水及び水道水中に含まれているケイ酸イオンが、他の陰イオンの妨害を受けることなく、良好に検出されることが分かった。更に、本発明で得られた計測結果を検証するために、モリブデン酸ナトリウム、スルファミン酸及びクエン酸を用いる比色法により同様にケイ酸イオンの定量を行った。表3に、種々の水試料中に含まれるケイ酸イオンの濃度を示す。比色においては、HACH社製シリカ計測用キットを用い、試料中のケイ酸イオンを呈色させ、HACH社製の分光光度計DR4000型を用い、本発明による結果と同様にケイ素として定量した。
Figure 2005351881
実際の試料水は、10倍に蒸留後の脱イオン水により希釈したものを用いた。その結果、表3に示されるように、両者によるケイ酸イオンの計測結果がかなり一致していることが分かった。
本実施例において、分離カラム後に接続される2本のカラムは、1meq/mL以上の高交換容量を有するものであり、これらのカラムの寿命は、かなり長いものと考えられる。例えば、検量線の作成において、0.01〜2.0mMまでのケイ酸イオンの標準試料8種類を各3回、ピーク面積並びに溶出時間の再現性を算出するため、1mMケイ酸イオンの標準試料を6回、そして、海水及び河川水の実際試料を各3回、計42回カラムに注入した場合、いずれも再生処理することなく、連続使用が可能であった。再生処理については、分離カラムは、0.1M硫酸、塩酸、硝酸のいずれかの強酸を10分間通液することによって再生が可能になる。検出器が導電率の場合、プレカラム、強電解質変換カラム及び検出器応答増大カラムを直列に接続し、0.1〜1M水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのいずれかの強塩基を10分間流通することによって、同時に再生することができる。なお、カラムの再生処理の際の溶離液の流速は、カラム圧を考慮し、1min/mL以下で行うことが好ましい。
本実施例では、脂肪族アルコール類である、メタノール、エタノール及び2-プロパノールの逆相型高速液体クロマトグラフィーにおける、共存陰イオンの予備的処理について実験を行った。
(1)実験条件
プレカラムである、水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂カラム(TSKgel DEAE-5PW)とイオン排除分離カラムである、水素型弱酸性陽イオン交換樹脂カラム(TSKgel Super-IC-A/C)を用い、アルコール類の分離システムを構築し、溶離液として水を用い、UV検出波長190nmによりアルコール類の分離行った。標準試料として、アルコール類のメタノール、エタノール、2−プロパノールの各々1%溶液を調製し、共存する陰イオンの高濃度の硝酸及びヨウ化物イオン(各10mM)を調製し、これらを混合したものを使用した。溶離液流速は1mL/minとし、その他の条件は前記実施例1と同様とした。
(2)実験方法及び結果
標準試料を上記分離システムに導入し、プレカラム及びイオン排除分離カラムで分離処理した。その結果、共存しているUV吸収を持つ陰イオン(硝酸及びヨウ化物イオン)は、ほぼ100%水に変換され、水溶離液中のアルコール類のみが通過し、この段階でアルコール類のイオン排除分離カラム内の固定相への吸着作用によって、高濃度の共存陰イオンに妨害されることなく分離検出が達成された(図7)。更に、イオン排除分離カラムの代わりに逆相HPLCカラムをプレカラムの後に接続したとき、プレカラムを通過した共存陰イオンである硝酸イオン及びヨウ化物イオンは、UV吸収を持たない、水酸化物イオンに変換され、アルコール類のみのUV検出が可能であることがわかった。なお、本実施例では、UV検出器を用いてアルコール類を検出したが、示差屈折率検出(例えば、昭和電工製)を用いることによっても、高感度に検出できることがわかった。
本実施例では、フェノールの吸着クロマトグラフィーにおける、共存陰イオンの予備的処理について実験を行った。
(1)実験条件
プレカラムである水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂カラム(TSKgel DEAE-5PW)と、イオン排除分離カラムである水素型弱酸性陽イオン交換樹脂カラム(TSKgel Super-IC-A/C)を用いて、フェノールの分離システムを構築し、溶離液としては、40%アセトニトリル-60%水混合溶離液を使用し、検出波長215nmのUV検出によりフェノールを分離計測した。添加された標準試料は、1mMフェノールに、UV吸収を有する10mM硝酸及び10mMヨウ化物イオンを混合したものを用いた。溶離液流速は1.2mL/minとし、その他の条件は実施例1と同様とした。
(2)実験方法及び結果
前記実施例2での記載と同じシステムを導入し、フェノールを分離した。その結果、共存しているUV吸収を持つ陰イオン(硝酸及びヨウ化物イオン)は、215nmの検出波長において、約98%水に変換され、フェノールは、それらの影響を受けずに高感度にUV検出することができた(図8)。更に、イオン排除分離カラムの代わりに逆相HPLCカラムをプレカラムの後に接続し場合、プレカラムを通過した共存陰イオンである硝酸イオン及びヨウ化物イオンは、UV吸収を持たない、水酸化物イオンに変換され、フェノールのみのUV検出が可能であることがわかった。なお、本実施例では、UV検出器を用いてフェノールを検出したが、電気化学検出(例えば、東亜DKK製)を用いることによっても、高感度に検出できることがわかった。
以上詳述したように、本発明は、種々な被験試料中のホウ酸やケイ酸等の弱酸や、フェノールやメタノール等の極めて弱い酸を分離計測するに当たり、多量に共存する、炭酸よりも強い酸性の陰イオンを、水酸化物型陰イオン性交換樹脂カラムと分離カラムである水素型陽イオン交換カラムの組み合わせにより、それらのイオン交換作用を利用し、共存する陰イオンを水に変換し、上述の分析対象試料のみの分離検出を達成する処理装置及び方法に係るものであり、例えば、次のような、更なる展開が期待される有用なものである。本発明は、環境試料中や生体試料中の、ホウ酸やケイ酸等の非常に弱い酸を分離計測する際に、多量に共存する陰イオンを、水酸化物イオンを吸着させた弱塩基性陰イオン交換樹脂カラムと水素イオンを吸着させた弱酸性陽イオン交換樹脂カラムにより、それらのイオン交換樹脂でのイオン交換反応を利用して水に変換し、水中で、極弱い電離状態にあるホウ酸やケイ酸等の弱酸、加えてフェノール類やアルコール類等を効率よく計測することを可能とする。実際の環境試料や生体試料を計測するにあたり、特別な化学薬品を用いることなく、水による希釈や固形物除去による前処理のみで分離カラムに注入でき、容易に分離検出が可能である。また、共存陰イオンの予備的処理に用いられるプレカラム及び分離カラムはいずれの充填剤も親水性ポリマーであるため、脂肪族カルボン酸のような不純物が共存していても、カラム内樹脂相とそれらとの疎水吸着を効果的に抑制でき、再現性のある実験及びカラムの長寿命化が期待される。
また、本発明は、高塩濃度を含む試料水を、水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、強電解質の水酸化物型に変換後、水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、水に変換することができることから、イオン交換水を製造する処理装置及び方法として有用である。更に、本発明を使用したシステムは、弱酸を分離する際に用いられる溶離液が、脱イオン化した蒸留水のみであることから、2次汚染を極力低減させた計測法として有用であるばかりか、本発明の、微量成分を迅速、高感度に分離計測可能な特徴を生かし、環境計測システムの分野だけでなく、無(低)公害なものつくりを目指す新しい分野(グリーンケミストリー)における「2次汚染防止のための安全管理システム」へ展開することによって、一層の利用拡大が期待される。
共存陰イオンの除去を目的とした予備処理システムの概略図を示す。 プレカラムと分離カラムの組み合わせによる強酸・弱酸イオンの除去効果を示す。 ケイ酸イオンに対する導電率検出増大システムの概要を示す。 強電解変換カラム、検出応答増大カラムによるケイ酸イオンの溶出挙動、並びに、更にプレカラムを設置した場合のケイ酸イオンの溶出挙動を示す。 ケイ酸イオンの試料注入濃度の変化に伴うピーク面積の変化を示す。(◆)は導電率検出による値、(○)はUV吸光度検出による値、である。 海水及び河川水中のケイ酸イオンの測定結果を示す。Aは海水(100倍希釈)、Bは河川水(10倍希釈)であり、ケイ酸イオンのピークを矢印で示す。 プレカラムと分離カラムの組合せによる硝酸及びヨウ化物イオンの除去効果と脂肪族アルコール類の分離検出を示す(プレカラム:弱塩基性陰イオン効果樹脂TSKgel DEAE-5PW (水酸化物イオン型);分離カラム:弱酸性陽イオン交換樹脂TSKgel Super-IC-A/C (水素イオン型); クロマトグラム:左図:プレカラムなし、右図:プレカラムあり)。 プレカラムと分離カラムの組合せによる硝酸及びヨウ化物イオンの除去効果とフェノールの分離検出を示す(プレカラム:弱塩基性陰イオン効果樹脂TSKgel DEAE-5PW (水酸化物イオン型);分離カラム:弱酸性陽イオン交換樹脂TSKgel Super-IC-A/C (水素イオン型); クロマトグラム:左図:プレカラムなし、右図:プレカラムあり)。
符号の説明
(図2の符号)
1:ギ酸
2:酢酸
3:プロピオン酸
4:酪酸
5:炭酸
6:吉草酸
(図3の符号)
1:プレカラム(水酸化物イオン型弱塩基性陰イオン交換樹脂カラム)
2:分離カラム(水素イオン型弱酸性陽イオン交換樹脂カラム)
3:強電解質変換カラム(強酸性陽イオン交換樹脂カラム)
4:検出応答増大カラム(強塩基性陰イオン交換樹脂カラム)
(図4の符号)
1:強酸性陰イオン
2:ケイ酸イオン

Claims (16)

  1. 被処理試料水中に共存する強酸性及び/又は弱酸性の陰イオンを処理する装置において、共存する陰イオンを強電解質の水酸化物型に変換する手段、及び上記強電解質をイオン交換反応を原理として水に変換する手段を具備したことを特徴とする共存陰イオン処理装置。
  2. 上記水酸化物型に変換する手段が、水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムからなる請求項1に記載の装置。
  3. 上記水に変換する手段が、水素型弱酸性陰イオン交換樹脂を充填したカラムからなる請求項1に記載の装置。
  4. 被処理試料が、炭酸よりも弱い酸を溶存する水である請求項1に記載の装置。
  5. 炭酸よりも弱い酸が、ケイ酸、ホウ酸、ヒ素酸、シアン化水素、アルコール類、フェノール類又は糖アルコールである請求項4に記載の装置。
  6. 溶離液として、水又は水と有機溶媒の混合溶媒を用いる請求項1に記載の装置。
  7. 被処理試料が、生活排水あるいは工場廃水、アルコール類を溶存する嫌気的活性汚泥処理水、ホウ酸、フェノール類あるいはアルコール類を含む医薬品又は食品、又は脱イオン水に変換する高塩濃度水である請求項1に記載の装置。
  8. 被処理試料中に共存する強酸性及び/又は弱酸性の陰イオンを処理する装置において、水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂カラム、水素型弱酸性陽イオン交換樹脂カラム、溶離液を送液する送液ポンプ、試料導入部、及び検出器を具備したことを特徴とする水質モニタリング装置。
  9. 被処理試料水中に共存する強酸性及び/又は弱酸性の陰イオンを処理する方法において、上記試料水を水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、共存する陰イオンを強電解質の水酸化物型に変換し、次いで、これを水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、イオン交換反応を原理として水に変換することを特徴とする共存陰イオンの処理方法。
  10. 炭酸よりも弱い酸を溶存する被験試料水から、共存する強酸性及び/又は弱酸性の陰イオンを除去する予備的処理方法であって、該試料水を、水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、強電解質の水酸化物型に変換し、次いで、これを水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、イオン交換反応を原理として水に変換する請求項9に記載の方法。
  11. 炭酸よりも弱い酸が、ケイ酸、ホウ酸、ヒ素酸、シアン化水素、アルコール類、フェノール類又は糖アルコールである請求項10に記載の方法。
  12. 溶離液として、水又は水と有機溶媒の混合溶媒を用いる請求項9又は10に記載の方法。
  13. 生活排水あるいは工場廃水を処理する請求項10に記載の方法。
  14. アルコール類を溶存する、嫌気的活性汚泥処理水を処理する請求項10に記載の方法。
  15. 医薬品あるいは食品中のホウ酸、フェノール類あるいはアルコール類の含量を計測するための試料水を処理する請求項10に記載の方法。
  16. 高塩濃度の試料水を、脱イオン水に変換する前処理として、それらを水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、強電解質の水酸化物型に変換した後、これを水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムを通過させることにより、イオン交換反応を原理として水に変換する請求項9に記載の方法。
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