JP4465434B2 - イオン排除分離を用いたリン酸イオン及びケイ酸イオンの高感度計測装置及び方法 - Google Patents

イオン排除分離を用いたリン酸イオン及びケイ酸イオンの高感度計測装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、リン酸イオンとケイ酸イオンのイオン排除型イオンクロマトグラフィーを分離原理とし、それらを0.01〜100ppmの広い濃度範囲において高精度に分離計測するものであり、更に詳しくは、溶離液として水あるいは1mM以下の希酸(好適には、硫酸か塩酸)を用い、リン酸イオンとケイ酸イオンを弱酸性陽イオン交換樹脂カラムでのイオン排除作用により相互分離した後、反応コイル中において反応液ポンプから送液されたモリブデン酸あるいはモリブデン酸ナトリウム/硫酸等との錯生成反応によりモリブドリン酸及びモリブドケイ酸に変換し、UV吸収波長300〜500nmにおいて選択的かつ高感度に同時計測する方法及びその装置に関するものである。
本発明は、例えば、水素イオン型弱酸性陽イオン交換樹脂カラムにより、リン酸イオンとケイ酸イオンをイオン排除作用により相互に分離した後、それらに高いモル吸光度係数を持たせるため、反応溶液ポンプから送液されたモリブデン酸ナトリウムと硫酸の混合溶液により反応コイル中で選択的に反応させ、約300〜500nmの検出波長において高い吸光度係数を示すモリブドリン酸とモリブドケイ酸に各々変換し、共存陰イオン種の排除前処理を行うこと無しに、選択的・特異的に高感度検出するものである。
従来、ケイ酸イオンのイオンクロマトグラフィー(IC)における検出器は、導電率検出器が一般的であるが、ケイ酸イオンは、炭酸イオンよりも更に弱い弱酸(ケイ酸イオンのpKa=9.86)であることから、極限当量イオン導電率が低く、それに伴い検出応答もかなり低くなることから、ppbオーダーの定量が困難であった。更に、陰イオン交換型ICを用いた場合は、溶存する炭酸及びホウ酸の影響を大きく受けるため、ピーク形状の再現性が低い。一方、ケイ酸の計測で最も汎用されている、モリブデン酸アンモニウムを用いる比色法の場合(L.S. Clesceri, A.E.Greenberg, R.R. Trussell, Standard Medods, 17th edition, 1989, pp. 4−184 − 4−187参照)は、対象となる実際試料中に共存するリン酸イオンの妨害があることから、複雑かつ熟練を要する前処理工程が要求されてきた。本発明は、ケイ酸イオンだけでなく、環境水及び生体試料水において重要な栄養塩であるリン酸イオンも同時に計測可能にする方法であり、他の金属イオンや高濃度な塩化物、硫酸及び硝酸イオン、そして炭酸水素イオン等に対する特別な除去前処理を必要とせずに選択的な検出を可能にするものであり、0.01〜100ppmの注入試料濃度における広範囲な検量線の直線性を示す方法である。更に、短時間で高分解能な計測が可能であることから、環境及び生体関連物質中のオンサイト型水質モニターへの応用が可能であると強く示唆される。
ケイ酸イオン及びリン酸イオンは、自然界に金属・炭素・ハロゲン等の種々な元素と、物理的あるいは化学的に結合し、海水、雨水、河川水、湖沼水等の環境水の重要な栄養塩として、また、水道水、ビール、ミネラルウォーター等の飲料水、あるいは、土壌、粘土、岩石の主成分として、あらゆる環境条件に存在する重要なイオンである。特に、ケイ酸イオンの計測は、水質管理において重要な項目とされているが、多量の炭酸、ホウ酸、フッ素及びリン酸等と共存していることから、単独での計測は非常に難しいことが、以前から知られている。試料水中のケイ酸イオンの計測は、モリブデン酸アンモニウムを用いた比色法(非特許文献1参照)、塩酸あるいは過塩素酸を用いる重量測定法(非特許文献2参照)等が挙げられるが、この計測方法は、種々な環境水中に含まれるリン酸並びに強酸等の妨害を受けやすく、複雑な前処理を必要とする。また、導電率検出ノンサプレッサー型イオン排除型ICあるいは陰イオン交換型ICでは、炭酸水素イオンと検出ピークが重なり、酸による前処理が必要となる。加えて、その検出感度は、低い極限当量イオン導電率のために、導電率検出に対する応答が低く、検出限界が高いという問題点があった。
既に、ケイ酸イオンの計測における検出感度化及び共存陰イオン、特にリン酸の除去を目的とした方法が数多く報告されている [非特許文献3−8]。とりわけ陰イオン交換型ICを用いてリン酸イオンとケイ酸イオンを相互分離した後、フローインジェクション法(FIA)を接続することによりモリブドリン酸及びモリブドケイ酸に変換し、UV検出する方法は、試料導入までの前処理が簡便であることから、効率的な方法であると考えられる[非特許文献5,6]。しかし、陰イオン交換型ICで用いられる溶離液はpH10近くの強アルカリ条件である一方、モリブドケイ酸法は、強酸性条件下(pH2以下)で反応を完遂することから、この反応を効率よく達成せるためには、高濃度の酸(少なくとも50mM以上)を必要としていた。また、この方法は、60℃以上の比較的高温下での反応が必要とされるため、反応経路中に気泡が発生することが問題となっていた。気泡の発生を未然に防ぐためには、検出器の前後に背反コイルを接続することによって解決されるが、これにより反応経路が複雑になるという欠点があった。それ故、ケイ酸イオンの計測は、現在まで、煩雑な操作であるにも関わらずバッチ式の比色法が最も汎用されてきた。以上より、ケイ酸及びリン酸イオンとの分離原理をイオン排除作用に基づいたシステムを用い、可能な限り簡便な反応経路の構築と、計測後の環境に負荷を与えない計測装置を開発することが重要な課題であった。
Standard Medods, 17th edition, Edited by L.S. Clesceri, A.E. Greenberg, R.R. Trussell, eds., American Publish Health Association, Washington DC, 1989, pp. 4−184 − 187. Standard Medods, 17th edition, Edited by L.S. Clesceri, A.E. Greenberg, R.R. Trussell, eds., American Publish Health Association, Washington DC, 1989, pp. 4−183 − 184. 本水昌二,是近勝彦,分析化学,37,pp. T115 − T119 (1988). J. Floch, S. Blain, D. Birot, P. Tregure, Anal. Chim. Acta, 377 pp. 157 − 166 (1998). P. Jones, R. Stanley, Anal. Chim. Acta, 249, pp. 539 − 544 (1991). Y. Narusawa, Anal. Chim. Acta, 204, pp. 53 − 62 (1988). T. Okada, T. Kuwamoto, Anal. Chem., 57, pp. 258 − 262 (1985). H. Sakai, T. Fujiwara, T. Kumamaru, Bull. Chem. Soc. Jpn., 66, pp. 3401 − 3406 (1993).
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上述の諸問題を抜本的に解決することを可能とする新しい計測方法及び装置を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、はじめに共存する強酸あるいは弱酸イオンからケイ酸イオンを選択的に分離するため、イオン排除型イオンクロマトグラフィーを分離原理として、共存陰イオンからの検出妨害を前処理操作無しで達成し、更に分離カラムの後に接続される反応コイルでのモリブデン酸あるいはモリブデン酸ナトリウム/硫酸等との錯生成反応により、検出波長300〜500nm、例えば、370nmにおいて高い吸光度係数を有するモリブドケイ酸に変換し、高感度かつ迅速な方法を採用することにより所期の目的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、バッチ式でのモリブドケイ酸法において問題となっていたリン酸イオンも、同時に高感度計測できる方法及び装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための、本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)被験試料中に含まれるリン酸イオン及びケイ酸イオンを計測する装置であって、リン酸イオンとケイ酸イオンをイオン排除作用により分離する水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラム、分離したこれらのイオンをモリブデン酸あるいはモリブデン酸ナトリウム/希酸溶液との錯生成反応を行う反応により、モリブドリン酸及びモリブドケイ酸に変換する手段、及びこれらをUV吸光度で検出するUV検出器を具備し、溶離液が、水又は希酸であることを特徴とするリン酸イオン及びケイ酸イオンの計測装置。
)溶離液、水、0.01〜1mMの硫酸又は塩酸である前記()に記載の装置。
)被験試料が、水道水、ミネラルウォーター、海水、又は湖沼水である前記(1)に記載の装置。
)被験試料が、高純度水、超純水、又は高純度試薬である前記(1)に記載の装置。
)被験試料が、血液、又は尿の体液である前記(1)に記載の装置。
)被験試料中に含まれるリン酸イオン及びケイ酸イオンを計測する装置であって、リン酸イオン及びケイ酸イオンをイオン排除作用により分離する水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラム、分離したこれらのイオンをモリブデン酸あるいはモリブデン酸ナトリウム/希酸溶液との錯生成反応により、モリブドリン酸及びモリブドケイ酸に変換する反応コイル、及びこれらを検出するUV検出器を具備し、溶離液が、水又は希酸であり、イオン排除分離溶離液の送液ポンプ、及び反応試料溶液の送液ポンプを有することを特徴とするリン酸イオン及びケイ酸イオンモニタリング装置。
)被験試料水中に含まれるリン酸イオン及びケイ酸イオンを、計測する方法において、溶離液として水又は希酸を用い、分離カラムとして水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を用いるイオン排除型イオンクロマトグラフィーにより、上記試料水中のリン酸イオン及びケイ酸イオンをイオン排除作用により分離し、次いで、これらのイオンを、モリブデン酸あるいはモリブデン酸ナトリウム/希酸溶液との錯生成反応により、モリブドリン酸及びモリブドケイ酸に変換した後、これらをUV吸光度検出によって計測することを特徴とするリン酸イオン及びケイ酸イオンの計測方法。
)溶離液として、0.01〜1mMの硫酸又は塩酸を用いる前記()に記載の方法。
)UV吸光度検出による計測を、検出波長300〜500nmの範囲で行う前記()に記載の方法。
10)血液又は尿の体液中に含まれるリン酸イオン及びケイ酸イオンを高感度に計測する前記()に記載の方法。
11)高純度水又は高純度試薬中に含まれるリン酸イオン及びケイ酸イオンを高感度に計測する前記()に記載の方法。
12)飲料水又は環境試料中に含まれるリン酸イオン及びケイ酸イオンをモニターする前記()に記載の方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、例えば、環境試料中のケイ酸イオン及びリン酸イオンを対象とし、これを選択的、かつ高感度に同時計測することを特徴としている。本発明は、例えば、水道水、ミネラルウォーター等の飲料水、河川水、海水及び湖沼水等の環境試料中のリン酸及びケイ酸イオンモニターとして、その増減をモニタリングすること、医薬品製造工程において用いられる超純水の品質管理や骨粗しょう症の診断を行う項目の一つとして、血液・尿・髄液等の体液中のリン酸イオン濃度を計測すること、半導体や精密機器に使用される超純水中のリン酸イオン及びケイ酸イオンを高感度に計測すること、火力発電や工場などで用いられるボイラー水の品質管理を行う項目の一つとして、ボイラー水中のケイ酸イオンを高感度に計測すること、等を目的として適用される。しかし、本発明は、これらに限定されるものではない。
本発明において、リン酸及びケイ酸イオンの計測用に用いられるカラムとしては、水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムが例示され、また、分離されたそれらのイオンを接続された反応コイル中で反応させ、高い吸光度係数を有するモリブドリン酸及びモリブドケイ酸に変化させるための試薬として、モリブデン酸アンモニウム/硫酸、モリブデン酸アンモニウム/塩酸、モリブデン酸ナトリウム/硫酸、モリブデン酸ナトリウム/塩酸、あるいはモリブデン酸が例示される。しかし、本発明は、これらに限定されるものではなく、上記カラムと反応試薬に対し同等もしくは類似のもので、同効果の機能を有するものであれば同様に使用することができる。
更に、本発明では、リン酸及びケイ酸イオンとモリブデン酸塩/希酸及びモリブデン酸との反応効率を上昇させるため、反応コイルの長さ(好適には、2m〜8m)、配管の種類(好適にはポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、テフロン(登録商標)、ポリエーテル、あるいはエポキシ樹脂製等)、そして温度(好適には、50度未満)等の条件設定を例示し、(1)イオン排除分離、(2)反応コイルでの錯生成反応、そして(3)UV検出の順序に組み合わせたリン酸イオン及びケイ酸イオンの同時分離計測装置が使用される。上記カラムとして、陰イオン種のイオン排除分離をもたらすイオン交換樹脂カラムを適宜選択して使用することができる。また、UV検出を手段として、適宜の反応溶液を組み合わせて使用することができる。これらの手段により、被験試料水中のリン酸イオン及びケイ酸イオンを対象とし、イオン排除分離用溶離液を水あるいは1mM以下の希酸溶離液とし、分離カラムである水素イオン型弱酸性陽イオン交換樹脂カラムにより、リン酸イオン及びケイ酸イオンをリン酸及びケイ酸に変換し、これらを高感度に検出するため、反応コイル中において、モリブデン酸塩/希酸あるいはモリブデン酸との反応により、広い検出波長領域において高い吸光度係数を有するモリブドリン酸及びモリブドケイ酸に変換してUV検出が行われる。
本発明では、被検試料水中のリン酸イオン及びケイ酸イオン以外の強酸・弱酸イオンに対する特別な前処理除去工程を必要とせず、できる限り単純な反応経路による迅速な計測、かつ計測機器に対する負荷の軽減を考慮し、リン酸及びケイ酸イオンの同時計測を効率よく達成するための課題を解決するために、好適には、分離カラムとして、親水性ポリマーであるポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリヒドロキシアクリレート、及びポリビニルアルコール等を担体とする水素イオンを吸着させた弱酸性陽イオン交換樹脂カラムを使用する。これにより、溶離液が純水であってもイオン排除作用によりリン酸イオンとケイ酸イオンの分離が達成される。
次に、本発明では、イオン排除分離後のリン酸及びケイ酸イオンの選択的かつ高感度なUV吸光度検出の課題を解決するため、分離カラムの後に、反応試薬であるモリブデン酸塩/希酸あるいはモリブデン酸を送液するための反応コイルを接続する。これは、分離カラムを通過したリン酸とケイ酸を特異的・選択的にモリブドリン酸及びモリブドケイ酸に変換することによって、速やかに高感度なUV検出を可能とする特徴を有する。
例えば、反応溶液として10mMモリブデン酸ナトリウム/10mM硫酸を用い、リン酸とケイ酸イオンを計測する場合、初めに、イオン排除用分離カラムによりリン酸及びケイ酸イオンに分離された後、接続された反応コイル中において、上記の反応溶液との十分な錯生成反応により、最終的に約300〜500nmの極大吸光度波長において非常に高い吸光度係数を示すモリブドリン酸及びモリブドケイ酸に特異的に変換され、劇的な検出器応答の増大が可能となる。
更に、イオン排除分離に用いられる弱酸性陽イオン交換樹脂分離カラムは、充填されたゲルのサイズが10μM以下であり、好適には3〜5μMであり、例えば、長さが各々4cm以上のものであれば、水溶離液あるいは1mM以下の希酸溶離液において流速が1.5mL/min以下の場合、リン酸イオンとケイ酸イオンの相互分離が達成できる。また、反応コイルに関しては、耐圧・耐熱かつ柔軟性の高い配管を1m以上の長さ、好適には2〜8mの長さ(内径0.1−0.25mm)であれば、分離されたリン酸及びケイ酸を短時間で効率よくモリブドリン酸及びモリブドケイ酸に変換することができる。これにより、ケイ酸イオンの広範囲な検量線の直線性(0.01〜10ppm)と、検出限界の拡大(約5 ppb以下)が示され、海水、雨水、湖沼水、河川水、水道水、海水、飲料水、ボイラー水あるいは超純水等に存在する、リン酸イオンとケイ酸イオンの同時計測を、目的に応じて4〜8分以内に達成する方法として、幅広い分野での応用が可能になる。
本発明の実施例において用いられた、イオン排除分離用カラム(水素型弱酸性陽イオン交換樹脂)は、水あるいは希酸を溶離液として用いられており、カラム寿命は、かなり長いものと考えられる。一方、反応液であるモリブデン酸塩及び酸の濃度はそれぞれ最大10mM及び25mMであることから、脱気器、送液ポンプ、そして配管に至るまでの測定機器に対する汚染に伴うダメージを極力抑えるシステムとなっている。これより対象試料の検量線作成、ピーク面積並びに溶出時間の再現性、そして、例えば、水道水、湖水、河川水、及び海水の実際試料を合わせると合計121回を数えるが、これらの操作は、特別な再生処理を行うことなく連続で使用することが可能である。再生処理について、分離カラムは、0.1M硫酸、塩酸、あるいは硝酸のいずれかの強酸を10分間通液することによって再生が可能になる。一方、反応経路を繋ぐ配管の洗浄は、0.1M硝酸あるいは硫酸、又はメタノールを1時間流通することによって達成される。
本発明において計測されたリン酸及びケイ酸イオンの検出限界は、いずれも5ppb以下であるため、環境から生体関連まで幅広い分野での実際試料に適用することが可能である。今後、更に、分離カラムに充填されるイオン交換樹脂の粒径を小さくするか、又は前記とは異なった種類のポリマーを充填し、現状よりも高効率なイオン排除分離ができれば、カラムの長さを短く(例えば、1cm)することができる。また、反応コイル内表面の構造が乱流を発生しやすい構造(例えば、コイルの内壁に多くの溝をつける)と組み合わせることによって、これも1m以下までに、短くすることができる。これにより、省スペースでコンパクトなサイズのポータブル型イオンクロマトグラフィー装置が構築でき、秒単位での被検試料中のリン酸イオンとケイ酸イオンの同時計測が可能になる。
本発明により、(1)リン酸イオン及びケイ酸イオンに対し、分離カラムのみを用いるときに比べ、極めて広範囲な検量線の直線性と、検出感度の増大が示されることから、体液、血液、雨水、河川水、海水、水道水、土壌水、地下水そして飲料水といった、様々な実際試料への応用が可能である、(2)リン酸イオンとケイ酸イオンの数ppbオーダーの微少濃度から100 ppmオーダーまで幅広く、他の陰イオンの妨害を受けずに特異的かつ選択的に検出することができる、(3)複雑な実験操作過程を必要としない簡便・迅速なリン酸イオン・ケイ酸イオンの高感度計測装置を提供できる、(4)ケイ酸イオンとリン酸イオンが共存する溶液中の両イオンを、同時に高感度で計測することができる、(5)共存する、塩化物、硫酸、硝酸及び炭酸水素イオン等のイオンに対する除去前処理を必要としないでケイ酸イオン及びリン酸イオンを選択的に検出することができる、(6)このシステムで用いられる、分離カラム、反応コイル、送液機器及び検出装置は、いずれも具体的なダウンサイジング化が進められており、軽量かつコンパクトなポータブル型水質モニタリング装置になり得る高いポテンシャルを有している、という効果が奏される。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例では、分離カラムとして水素イオン型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムを用い、反応溶液としてモリブデン酸ナトリウムと硫酸の混合溶液を用い、それらを反応させるコイルとしてポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂製(PEEK)のものを用いた。
(1)実験条件
用いたイオンクロマトグラフは、UV−8020型吸光度検出器1台、DP−8020型送液ポンプ2台、CO−8020型カラム恒温槽及びSD−8022型オンラインデガッサー各1台で構成され、全て東ソー製のものである。また、得られたデータの解析・管理は、専用のLC−8020−Model−IIデータプロセッサーを用いて行った。試料注入量は全て0.1mLとし、カラム温度、溶離液及び反応液の流速は、実験の目的に応じ適宜調整した。
分離カラムは、親水性ポリマーであるポリメタクリレートを担体とする弱酸性陽イオン交換樹脂TSKgelSuper−IC−A/C(長さ6cm、内径4.6mm)を水素イオン型として用いた。反応コイルは、PEEK製のものを長さ1から10m(内径0.25mm)のものを用いた。このシステムのフローシートは図1に示す。
図1のフローシートにおいて、Eはイオン排除分離溶離液 (水、または希酸)、Rは 反応試料溶液 (モリブデン酸又はモリブデン酸ナトリウム+硫酸)、P1とP2は溶離液と反応液の送液ポンプ、SCはイオン排除用分離カラム (TSKgel−Super−IC−A/C,6mm i.d.×150mm)、RCは反応コイル(0.2 mm i.d.×6m)、そしてDは、UV検出器 370nm)を示したものである。
標準試料として用いた試薬(全て和光純薬製)は、目的に応じて適宜希釈して調製した。即ち、標準試薬として、ケイ酸ナトリウムとリン酸一水素ナトリウムを使用し、それぞれ、0.1M水溶液に調製し、適宜希釈して使用した。なお、溶離液及び標準試料に用いた水は、イオン交換後の蒸留水である。海水は、内洋として名古屋港と常滑市の沿岸、そして外洋として沖縄石垣島沿岸から採取し、固形物を孔径0.2μMのメンブランフィルターによって除去後、イオン交換後の蒸留水に20倍希釈したものを用いた。貯水は愛知池(愛知県東郷町)、河川水は矢田川及び庄内川(愛知県名古屋市)、水道水は本研究所(瀬戸市)及び名古屋市の家庭水、そして温泉水は長野県伊那郡阿智村の昼神温泉と長野県南木曾町の南木曽温泉の各源泉から採取した、それらは、直ちに孔径0.2μMのメンブランフィルターによってろ過した後、本発明が使用するカラムに注入した。
(2)実験方法及び結果
はじめに、イオン排除に用いられる溶離液を水とし、反応液として7.5mMモリブデン酸ナトリウムを用い、この反応液に硫酸を5mM〜75mMまで添加することによって得られるリン酸イオン及びケイ酸イオンのピーク面積を調べた。反応溶液に硫酸を加える理由としては、リン酸あるいはケイ酸に対するモリブデン酸塩との錯生成反応がpH2以下の酸性領域で達成することに基づいており、錯生成の反応速度にも影響を及ぼすためである。図2において示されるように、リン酸イオンのピーク面積は、反応液に添加された硫酸濃度にさほど依存せず、ほぼ一定の値を示している。一方、ケイ酸イオンのピーク面積は、添加された硫酸濃度の増加に伴い、急激に上昇していることがわかる。このとき、ケイ酸イオンのピーク面積の最大は、50mM硫酸を添加したときであり、それ以上の添加では、モリブデン酸とケイ酸との反応がほぼ飽和していると考えられ、次第に減少していくことが分った。本発明の目的の一つとして、できる限り計測機器への負荷を軽減させることと、リン酸イオンのピーク形状を考慮して、反応溶液に加える硫酸の最適濃度を25mMとした。
このときの実験条件は、分離カラム: TSKgel−Super−IC−A/C(6 mm i.d.×150mm)、反応コイル:PEEK管(0.25mm i.d.×6m)、分離溶離液:水、試料濃度:[HPO ]=2ppm;[HSiO ]=1ppm、温度:45℃、試料注入量:100μl、流量:ポンプ1(水)=0.4ml/min;ポンプ2(HSO +7.5mM NaMoO)=0.2ml/minであり、図2において、HPO =◇;HSiO =■で示した。
次に、イオン排除に用いられる溶離液を水とし、反応液は25mM硫酸を用い、この反応液にモリブデン酸ナトリウムを5mM〜20mMまで添加することによって得られるリン酸イオン及びケイ酸イオンのピーク面積を調べた。図3において示されるように、リン酸イオンのピーク面積は、反応液に添加されたモリブデン酸ナトリウムの濃度にさほど依存せずほぼ一定の値を示している。一方、ケイ酸イオンのピーク面積は、添加されたモリブデン酸ナトリウムの濃度の増加に伴い、急激に上昇していることがわかる。このときケイ酸イオンのピーク面積の最大値は、15mMモリブデン酸ナトリウムを添加したときに示され、それ以上の添加では、モリブデン酸とケイ酸との反応がほぼ飽和していると考えられ、次第に減少していくことが分った。結果的に上記同様の目的を考慮した上で、反応溶液に加えるモリブデン酸ナトリウムの最適濃度を10mMとした。
このときの実験条件は、流量:ポンプ1(水)=0.4ml/min;ポンプ2(25 mM HSO+NaMoO)=0.2ml/minであり、図3において、HPO =◇;HSiO =■で示した。他の実験条件は上記図2の説明と同じであった。
次に、最適化された反応溶液25mM硫酸/10mMモリブデン酸ナトリウムを用い、イオン排除分離に用いられる硫酸溶離液の濃度について検討した。イオン排除分離では、対象試料のピーク形状や溶出時間等を改善するため、酸を溶離液として用いることが一般的である。また、発明者の研究結果から、反応溶液側だけでなくイオン排除分離側からも酸溶離液を流すことによって、ケイ酸及びリン酸とモリブデン酸塩との反応速度が促進されることが明らかとなっている。図4で示されるように、ケイ酸イオンとリン酸イオンのピーク面積は、共に1mM硫酸において最大値を示した。また、ケイ酸イオンの溶出時間は、硫酸濃度の増加と共に減少し、一方リン酸イオンの溶出時間は硫酸濃度の増加と共に増加した。以上の計測結果を考慮した結果、イオン排除分離用の硫酸溶離液の最適濃度は1mMとした。
このときの実験条件は、反応溶液:25mM HSO+10mM NaMoOであり、図4において、HPO のピーク面積=◇、HSiO のピーク面積=■、HPO の溶出時間=△、HSiO の溶出時間=●で示した。他の実験条件は上記図2の説明と同じであった。
次に、最適化されたイオン排除分離用溶離液1mM硫酸と反応溶液25mM硫酸/10mMモリブデン酸ナトリウムを用い、反応コイルの長さの影響について検討した。反応コイルの長さは、試料陰イオンとモリブデン酸との反応効率に影響をもたらす。図5で示されるイオンクロマトグラムように、反応コイルの長さが長くなるにつれて、ケイ酸イオンのピーク高さ及び面積が増大し、リン酸イオンのピーク高さ及び面積が減少することがわかった。これは、リン酸イオンとモリブデン酸との錯形成に要する反応時間と、ケイ酸イオンとモリブデン酸との反応時間が明らかに異なっていることが原因であると考えられる。以上の検討結果と本実施例での応用研究を考慮した上で、反応コイル長さは6mとした。
このときの実験条件は、反応コイルの長さ:A=2m、B=4m、C=6m、D=8m、イオン排除分離溶離液:1mM HSO(流速0.4ml/min)、反応溶液:25 mM HSO+10mM NaMoO(流速0.2ml/min)、試料濃度:[HPO ]=0.5ppm;[HSiO ]=0.5ppmであり、図5において、ピーク番号:1=HPO 、2=HSiO で示した。他の実験条件は、上記図2の説明と同じであった。
反応溶液と試料陰イオンとの反応効率を上昇させるためには、反応コイルの長さと共に送液する流量の大きさにも影響する。これより上記で最適化された計測条件を用い、溶離液及び反応溶液の流量について検討した。このとき、横軸は溶離液の流量を示しており、反応溶液の流量はその半分で行っている。図6で示されるように、流量を上昇させるに従い、溶出時間がかなり短くなる(最短3分以内)ことがわかった。また、流量が減少するに従い、溶出時間は長期化するもののピーク面積が上昇した。これらの結果は、流量の増減によって試料と反応溶液との反応効率が変化することを示した。ただし、流量が大きい条件でもppmオーダーの試料を計測することは十分可能であるが、本実施例では高感度の計測も考慮していることから、酸溶離液の流量は0.4mL/minそして反応溶液の流量は0.2mL/minとした。
このときの実験条件は、反応コイル:0.25mm i.d.×6m、イオン排除用溶離液:1mM HSO、反応溶液:25mM HSO+10mM NaMoO、試料濃度:[HPO ]=2ppm;[HSiO ]=1ppm、温度:45℃、試料注入量:100μl、ポンプ2の流量:ポンプ1の各流量の1/2であり、図6において、ピーク面積はHPO =◇;HSiO =■で示し、溶出時間はHPO =△;HSiO =●で示した。他の実験条件は、上記図2の説明と同じであった。
以上、得られた最適条件下において示されたリン酸イオンとケイ酸イオンのイオンクロマトグラムを図7に示す。このときの実験条件は、反応コイル:0.25mm i.d.×6m、イオン排除用溶離液:1 mM HSO、反応溶液:25mM HSO+ 10mM NaMoO、試料濃度:[HPO ]=2ppm;[HSiO ]=1ppm、温度:45℃、試料注入量:100μl、流量:ポンプ1(1mM HSO)= 0.4ml/min;ポンプ2(25mM HSO+7.5mM NaMoO)= 0.2ml/minであり、図7において、ピーク番号:1= H;2=HSiO で示した。他の実験条件は、上記図2の説明と同じであった。
次に、リン酸イオン及びケイ酸イオンの注入濃度増大に伴うピークの増加をプロットし、得られた検量線の直線性を調べた。これより、両方のイオンとも370nmの検出波長において0.01〜100ppmの濃度範囲で直線性が示された。なお、本システムにおけるピーク検出における再現性及び検出限界は、以下の表1にまとめた。
Figure 0004465434
本発明おいて得られたリン酸及びケイ酸イオンのピーク面積及び溶出時間の相対標準偏差(RSD)と検出限界を示す(注1、2)。
注1:表1に示された値は、連続7回の測定で得られた結果を示している。注2:検出限界及び再現性を検討する際に注入されたリン酸及びケイ酸イオンの濃度は0.01ppmである。注3:検出限界は、シグナル/ノイズ比3で行っている。注4:他の実験条件は図2と同じである。
本発明の実際試料への応用として、種々な試料中のリン酸イオン及びケイ酸イオンの定量に適用することを検討した。本発明では、湖沼水、河川水、海水及び水道水中に含まれているリン酸イオン及びケイ酸イオンが、他の陰イオンにより妨害を受けることなく選択的に検出された。さらに、本発明で得られた計測結果を同定するため、モリブデン酸ナトリウムを用いるバッチ式の比色法を用いた。その結果、表2に示されるように、リン酸イオン及びケイ酸イオンの計測結果がかなり一致していることがわかった。
Figure 0004465434
表2に種々な水試料中に含まれるリン酸イオン及びケイ酸イオンの濃度を示す。
注1:比色法においては、HACH社製リン及びシリカ計測用キットを用い試料中のリン酸イオン及びケイ酸イオンを呈色させ、HACH社製の分光光度計DR4000型を用い、各々リンとケイ素として定量を行い、それに伴い、本発明による定量結果もリン及びケイ素として算出した。注2:貯水池の水と河川水は10倍、そして海水は20倍に蒸留後の脱イオン水により希釈したものを注入試料として用いた。その他の試料は、固形物除去を行った後、そのまま本システムに導入した。
以上詳述したように、本発明は、環境関連あるいは生体関連試料水中のリン酸イオン及びケイ酸イオンの選択的なイオン排除分離とモリブデン酸との錯生成反応により、これらのイオンを、特異的にモリブドリン酸及びモリブドケイ酸に変換させUV検出する装置及び方法に係るものであり、次のような特徴と展開が挙げられる。
このシステムにおける大きな特徴は、複雑な反応経路及び計測機器に負荷を与えず簡便に計測できることである。従来のイオンクロマトグラフィーでは、ケイ酸イオンに対し、炭酸水素イオンのピークが近傍あるいは重なって検出されるため、硫酸あるいは塩酸によって試料溶液をpH3以下に調整した後、窒素ガスを封入するか、イオン交換電極膜を充填したサプレッサーを接続することにより、炭酸水素イオンの除去を行ってきた。本発明では、そのような処理工程は一切必要とせずに、目的の試料であるケイ酸イオンだけでなく、種々な計測分野において重要視されているリン酸イオンも同時に計測する簡便かつ高精度な計測が可能である。実際試料の前処理に関しても、特別な化学薬品を用いることなく、水による希釈や固形物除去による前処理のみで分離カラムに注入でき、分離及び高感度検出が達成される。また、分離カラムの充填剤が親水性ポリマー系の弱酸性陽イオン交換樹脂であるため、脂肪族カルボン酸のような不純物が共存しても、カラム内樹脂相とそれらとの疎水吸着を効果的に抑制でき、再現性のある実験及びカラムの長寿命化が期待できる。
本発明では、イオン排除用分離カラム、反応コイル及びUV検出器の組合せで非常に単純な機器構成であることから、カラムの充填剤、反応コイルの高機能化、計測に関わる機器のダウンサイジング化が進めば、軽量でコンパクトなサイズのポータブル型リン酸・ケイ酸モニターの開発がかなり高い確率で達成することができる。これにより、環境分野であれば、雨水、貯水、河川水そして海水等の環境水質モニターとして、工業分野であれば、半導体工業に用いられる超純水の品質管理モニターとして、あるいは生化学分野であれば、骨粗しょう症や筋ジストロフィー症に関連する体液中のケイ酸及びリン酸の医療診断モニターとして幅広い分野での展開が十分に期待できる。
本発明の分離計測システムの概略を示す。 反応溶液として用いる7.5mMモリブデン酸ナトリウム中に添加した硫酸濃度によるピーク面積への影響を示す。 反応溶液として用いる25mM硫酸に添加したモリブデン酸ナトリウム濃度によるピーク面積への影響を示す。 イオン排除分離溶離液中の硫酸濃度によるピーク面積への影響を示す。 リン酸イオン及びケイ酸イオンのピーク形状に対する反応コイルの長さの影響を示す。 リン酸イオン及びケイ酸イオンのピーク面積に対するイオン排除用溶離液の流量の影響を示す。 最適実験条件下でのリン酸イオン及びケイ酸イオンのイオンクロマトグラムを示す。
符号の説明
(図1の符号)
E: イオン排除分離溶離液
R: 反応試料溶液
P1 、 P2: 送液ポンプ
SC: イオン排除用分離カラム
RC: 反応コイル
D: UV検出器
(図5及び図7の符号)
1:リン酸イオン
2:ケイ酸イオン

Claims (12)

  1. 被験試料中に含まれるリン酸イオン及びケイ酸イオンを計測する装置であって、リン酸イオンとケイ酸イオンをイオン排除作用により分離する水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラム、分離したこれらのイオンをモリブデン酸あるいはモリブデン酸ナトリウム/希酸溶液との錯生成反応を行う反応により、モリブドリン酸及びモリブドケイ酸に変換する手段、及びこれらをUV吸光度で検出するUV検出器を具備し、溶離液が、水又は希酸であることを特徴とするリン酸イオン及びケイ酸イオンの計測装置。
  2. 溶離液、水、0.01〜1mMの硫酸又は塩酸である請求項に記載の装置。
  3. 被験試料が、水道水、ミネラルウォーター、海水、又は湖沼水である請求項1に記載の装置。
  4. 被験試料が、高純度水、超純水、又は高純度試薬である請求項1に記載の装置。
  5. 被験試料が、血液、又は尿の体液である請求項1に記載の装置。
  6. 被験試料中に含まれるリン酸イオン及びケイ酸イオンを計測する装置であって、リン酸イオン及びケイ酸イオンをイオン排除作用により分離する水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラム、分離したこれらのイオンをモリブデン酸あるいはモリブデン酸ナトリウム/希酸溶液との錯生成反応により、モリブドリン酸及びモリブドケイ酸に変換する反応コイル、及びこれらを検出するUV検出器を具備し、溶離液が、水又は希酸であり、イオン排除分離溶離液の送液ポンプ、及び反応試料溶液の送液ポンプを有することを特徴とするリン酸イオン及びケイ酸イオンモニタリング装置。
  7. 被験試料水中に含まれるリン酸イオン及びケイ酸イオンを、計測する方法において、溶離液として水又は希酸を用い、分離カラムとして水素型弱酸性陽イオン交換樹脂を用いるイオン排除型イオンクロマトグラフィーにより、上記試料水中のリン酸イオン及びケイ酸イオンをイオン排除作用により分離し、次いで、これらのイオンを、モリブデン酸あるいはモリブデン酸ナトリウム/希酸溶液との錯生成反応により、モリブドリン酸及びモリブドケイ酸に変換した後、これらをUV吸光度検出によって計測することを特徴とするリン酸イオン及びケイ酸イオンの計測方法。
  8. 溶離液として、0.01〜1mMの硫酸又は塩酸を用いる請求項に記載の方法。
  9. UV吸光度検出による計測を、検出波長300〜500nmの範囲で行う請求項に記載の方法。
  10. 血液又は尿の体液中に含まれるリン酸イオン及びケイ酸イオンを高感度に計測する請求項に記載の方法。
  11. 高純度水又は高純度試薬中に含まれるリン酸イオン及びケイ酸イオンを高感度に計測する請求項に記載の方法。
  12. 飲料水又は環境試料中に含まれるリン酸イオン及びケイ酸イオンをモニターする請求項に記載の方法。
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