JP2005351303A - クランプ用スペーサ及びクランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2つの対向する半割クランプ材10、11に設けられた各挟持面10a、11a間で2本の並行する棒部30を挟持可能にしたクランプに対し両半割クランプ材10、11の間に設けるスペーサであって、前記一方の半割クランプ材10の挟持面10aに当接する背圧用外面20と、この背圧用外面20の反対側に位置して前記棒部30より小径の棒部7を他方の半割クランプ材11の挟持面11aとの間で挟持する小径挟持面21とを有する。
【選択図】図1
Description
なお、角トラスの一辺寸法は300mmとされているのが普通であり、また支柱や枠材には、いずれも外径32mmのパイプ材が用いられているのが普通であった。
このように枠材と枠材、或いは支柱と枠材といった具合に、互いに所定間隔をおいて並行して設けられるパイプ材を連結するためのものとして、2連式のパイプクランプが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
ところで、最近では前記した汎用サイズの角トラスに比べ、一辺の寸法が200mmという一回り小さい小型サイズの角トラスが製作されるようになっており、これの支柱や枠材で用いられている棒部はその外径が25mmとなっている。また、この小型サイズの角トラスを連結する場合、それぞれの角トラスに含まれる枠材同士の軸間距離は45mmになる。
構築物には汎用サイズと小型サイズの角トラスを混在させるものもあり、その場合には、パイプクランプも2種類必要とし、作業能率を低下させ、コスト高になることもあり、また、汎用サイズの角トラスと小型サイズの角トラスとを連結する場合は、専用のパイプクランプでは対応仕切れないこともある。
本発明は、スペーサを用いることにより他の小径の棒部を挟持できるようにしたクランプを提供することを目的とする。
第1に、2つの対向する半割クランプ材10、11に設けられた各挟持面10a、11a間で2本の並行する棒部30を挟持可能にしたクランプに対し両半割クランプ材10、11の間に設けるスペーサであって、前記一方の半割クランプ材10の挟持面10aに当接する背圧用外面20と、この背圧用外面20の反対側に位置して前記棒部30より小径の棒部7を他方の半割クランプ材11の挟持面11aとの間で挟持する小径挟持面21とを有している。
第2に、前記背圧用外面20aの曲率中心に対して小径挟持面21の曲率中心が略同心又はずれて位置している。
これによって、両面の曲率中心を略同心にするとスペーサ1の製作が簡単かつ正確になり、曲率中心をずらすと、半割クランプ材10、11の各挟持面10a、11aで挟持する2本の棒部30の間隔に対して、スペーサ1を使用したときに挟持する2本の棒部7の間隔を異ならせることができる。
これによって、半割クランプ材10に対してスペーサ1を取付けておくことができ、スペーサ1の脱落、紛失を防止できる。
第4に、対外面に前記背圧用外面20及び小径挟持面21を有する弯曲部23を前記半割クランプ材10の一対の挟持面10aに対応して一対有し、かつこの一対の弯曲部23を連結していて一方の半割クランプ材10に対して装着するための取付部24を有している。
第5に、前記弯曲部23の取付部24側の内側部23aは外側部23bより薄い肉厚に形成されている。
これによって、取付部24を半割クランプ材10に対して取付けても、弯曲部23の薄い肉厚の内側部23aが変形容易であるので、弯曲部23の外側部23bは半割クランプ材10の挟持面10aに確実に当接し、挟持力を加えたときの挟持面10a及び小径棒部外周面に対する馴染みが良好になり、小径棒部7に対する挟持性能が向上できる。
これによって、スペーサ1を押出成形で製作する際に、一対の弯曲部23の形状を正確に形成でき、成形型も容易に製作できるようになる。
前記目的を達成するために、本発明のクランプは次の手段を講じた。
第1に、前記一対の半割クランプ材10、11間に前記スペーサ1を備えている。
第2に、前記一対の半割クランプ材10、11間に前記請求項3〜6のいずれかに記載のスペーサ1を備えており、一方の半割クランプ材10にそれの両挟持面10aの隣接間で一対の半割クランプ材10、11を貫通する締結ボルト13を設け、他方の半割クランプ材11にはそれの両挟持面11aの隣接間で前記締結ボルト13に螺合するナット15を設けており、前記締結ボルト13はスペーサ1の取付部24を貫通している。
第3に、前記締結ボルト13にスペーサ1の取付部24の抜け止めをするための軸止め輪14を設けている。
これによって、スペーサ1の脱落、紛失をより簡単かつ確実に防止でき、両方の半割クランプ材10、11とスペーサ1との3者を組み付けた状態に保持でき、両半割クランプ材10、11の間からスペーサ1が外れない状態となる。
図2及び図3は、本発明に係るクランプ用スペーサ1Aの第1実施形態を示しており、図1はこのスペーサ1Aを具備させることによって構成した本発明に係るクランプ2を示している。
なおこのクランプ2は、図5に示すように角トラス5を一軸配置で連結する場合には、それぞれの角トラス5において互いに向かい合う端部に設けられた枠材6間で、それらを形成している棒部7を並行状態のまま抱き合わせるように使用するものであり、また図6に示すように一方の角トラス5(図6中左側)の側面へ他方の角トラス5(図6中右側)の一端部を突き当てて直交配置で連結する場合には、一方の角トラス5の支柱8と他方の角トラス5の端部枠材6との間で、それらを形成している棒部7を並行状態のまま抱き合わせるように使用するものである。
図1に示すように本発明のクランプ2は、2つの対向する半割クランプ材10、11と、これら両半割クランプ材10、11の間に設けられる本発明のスペーサ1Aとを有している。
一方の半割クランプ材10では、両挟持面10aの隣接間に対応して締結ボルト13が設けられている。この締結ボルト13は、両挟持面10aが設けられた向きとは逆向きとなる外面側へボルト頭部13aを露出させ、ボルト端部13bを両挟持面10aの隣接間から他方の半割クランプ材11へ向けて突出させる状態とされている。
これに対して他方の半割クランプ材11には、両挟持面11aの隣接間に対応した位置付けで、前記した締結ボルト13のボルト端部13bに螺合するナット15が設けられている。
させる構造としてある。前記T溝16の両端側には、溝内方へ突出した突起で抜け止め手段を形成しており、T溝16からの六角ナット17の抜け落ちを防止している。また、半割クランプ材11には、両挟持面11aの隣接間からT溝16内へ向けて締結ボルト13を挿通させるための縦貫通孔18が形成されている。このような構造のため、タップ加工の不要化による加工コストの低コスト化が図られている。
背圧用外面20をいずれの挟持面10a、11aに当接させるかは、任意に選択可能である。要は、スペーサ1Aを半割クランプ材10に沿わせた状態にして、スペーサ1Aと半割クランプ材11との間で小径の棒部7を挟持するように使用するか、或いはこれとは反対に、スペーサ1Aを半割クランプ材11に沿わせた状態にして、スペーサ1Aと半割クランプ材10との間で小径の棒部7を挟持するように使用するかである。
そのため、背圧用外面20は半割クランプ材10の挟持面10a又は半割クランプ材11の挟持面11aに対して面接触状に当接可能であり、小径挟持面21は小径棒部7の外面に対して面接触状に当接可能になっている。
ボルト通孔26は、一方の半割クランプ材10に設けられた締結ボルト13を挿通可能にさせる部分である。またザグリ部27は、半割クランプ材10から締結ボルト13を抜け止めさせるうえでこの締結ボルト13に嵌め付けられている軸止め輪14との接触干渉を逃がすためのものである。
これに対して2つの小径挟持面21を2本の小径棒部7に当接させたとき、これら2本の小径棒部7を拘束するときの軸間距離は、前記(P+n)よりも小さいP寸法として設定されている。このP寸法は、図5に示した一辺寸法Wが200mmの小型サイズの角トラス5においてその枠材6同士を向かい合わせるときの棒部7の軸間距離であり、それは即ち45mmである。
結果として、半割クランプ材10、11の間にスペーサ1Aを設けて本発明のクランプ2を構成させたときには、スペーサ1Aと半割クランプ材11(又は10)との間で外径25mmの小径棒部7を挟持することができ、そのときの軸間距離Pは45mmに設定でき、これに対してスペーサ1Aを用いなければ、両半割クランプ材10、11間で外径32mmの棒部を挟持することができ、そのときの軸間距離(P+n)は50mmに設定できるものである。
本発明のクランプ2は、例えば半割クランプ材10の挟持面10aにスペーサ1Aの背圧用外面20を向けて、このスペーサ1Aのボルト挿通孔26へ締結ボルト13を挿通させるたうえでこの締結ボルト13を他方の半割クランプ材11のナット15へ適当量だけ螺合させることにより、両方の半割クランプ材10、11とスペーサ1Aとの3者を組み付けておき、この状態で使用に待機させるようにするのがよい。すなわち、両半割クランプ材10、11の間からスペーサ1Aが外れない状態としておく。
図7、8はスペーサ1Bの第2実施形態を示しており、このスペーサ1Bは、背圧用外面20及び小径挟持面21を有する左右一対の弯曲部23と、左右両弯曲部23を連結していてボルト通孔26及びザグリ部27を有する取付部24とを有し、前記各弯曲部23の取付部24側の内側部23aの肉厚T1は外側部23bの肉厚T2より薄く形成されている。
従って、前記各弯曲部23の内側部23aと外側部23bとは、棒部7より若干大径の小径挟持面21を共通にしているが、背圧用外面20aと背圧用外面20bとは、間に段差部20cが形成されることになる。この段差部20cは実施形態においては弯曲部23の内外(左右)方向の中央に位置している。
前記スペーサ1Bはアルミ合金、鉄等の金属で押出成形により製作するものであり、内側部23a及び外側部23bがそれぞれ各部の範囲内で均一肉厚になっていると、第1実施形態のように内側部23aから外側部23bへ次第に厚肉になっている場合よりも、押出材料の流動が均一化し、ひずみ等を減少して、より正確な形状に形成することが可能になる。また、背圧用外面20aと背圧用外面20bとを同心円とすることにより、押出ダイの製作も正確かつ容易になる。
前記第3実施形態のスペーサ1Cを、半割クランプ材10、11間に挿入して半割クランプ材10の一方の挟持面10aに当接させ、このスペーサ1Cと半割クランプ材11との間で小径の棒部7を挟持し、スペーサ1Cを配置していない半割クランプ材10、11間で大径の棒部30を挟持すると、大径棒部30と小径棒部7との連結ができ、両棒部共に強固で堅牢な締結が確保される。
図10、11はスペーサ1Dの第4実施形態を示しており、このスペーサ1Dは、背圧用外面20及び小径挟持面21を有するひとつの弯曲部23と、このひとつの弯曲部23から延設されていて半割クランプ材10に抱きつく取付部24とを有する。
前記第4実施形態のスペーサ1Dは、半割クランプ材10の挟持面10aに沿わせて取付部24で装着することにより、スペーサ1Dと半割クランプ材11との間で小径の棒部7を挟持し、スペーサ1Dを配置していない半割クランプ材10、11間で大径の棒部30を挟持すると、大径棒部30と小径棒部7との連結ができ、両棒部共に強固で堅牢な締結が確保される。
例えば、半割クランプ材10の挟持面10aや半割クランプ材11の挟持面11aにおいて、それらの面形状は特に限定されるものではなく、三角形状又は四角形状等の角形凹部としたり、いずれか一方をフラット面としたりすることができる。
またスペーサ1においても同じことが言え、背圧用外面20を三角形状又は四角形状等の角形凸面にしたり、小径挟持面21を三角形状又は四角形状等の角形凹面やフラット面
としたりすることができる。
半割クランプ材10、11の材質や外形状は何ら限定されるものではない。例えば一方の半割クランプ材をトラス5等に一体的に設けておくようなこともできる。
前記した棒部7、30の外径や軸間距離、トラス5の一辺長さなどの具体的数字は一例であり、また、挟持面10a、11aの曲率半径及び小径挟持面21の曲率半径は、棒部30、7のそれぞれの半径より若干大きくてもよい。
2 クランプ
5 トラス
7 小径棒部
10 半割クランプ材
10a 挟持面
11 半割クランプ材
11a 挟持面
13 締結ボルト
13b ボルト端部
14 軸止め輪
15 ナット
20 背圧用外面
21 小径挟持面
25 ボルト通孔
30 大径棒部
Claims (9)
- 2つの対向する半割クランプ材(10、11)に設けられた各挟持面(10a、11a)間で2本の並行する棒部(30)を挟持可能にしたクランプに対し両半割クランプ材(10、11)の間に設けるスペーサであって、
前記一方の半割クランプ材(10)の挟持面(10a)に当接する背圧用外面(20)と、この背圧用外面(20)の反対側に位置して前記棒部(30)より小径の棒部(7)を他方の半割クランプ材(11)の挟持面(11a)との間で挟持する小径挟持面(21)とを有していることを特徴とするクランプ用スペーサ。 - 前記背圧用外面(20a)の曲率中心に対して小径挟持面(21)の曲率中心が略同心又はずれて位置していることを特徴とする請求項1に記載のクランプ用スペーサ。
- 対外面に前記背圧用外面(20)及び小径挟持面(21)を有する弯曲部(23)と、この弯曲部(23)から延設されていて一方の半割クランプ材(10)に対して装着するための取付部(24)とを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のクランプ用スペーサ。
- 対外面に前記背圧用外面(20)及び小径挟持面(21)を有する弯曲部(23)を前記半割クランプ材(10)の一対の挟持面(10a)に対応して一対有し、かつこの一対の弯曲部(23)を連結していて一方の半割クランプ材(10)に対して装着するための取付部(24)を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のクランプ用スペーサ。
- 前記弯曲部(23)の取付部(24)側の内側部(23a)は外側部(23b)より薄い肉厚に形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のクランプ用スペーサ。
- 前記各弯曲部(23)の内側部(23a)の背圧用外面(20a)は、外側部(23b)の背圧用外面(20b)より曲率半径が小さく設定され、両背圧用外面(20a、20b)の曲率中心は略同心でかつ小径挟持面(21)の曲率中心と略同心に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のクランプ用スペーサ。
- 前記一対の半割クランプ材(10、11)間に前記請求項1〜6のいずれかに記載のスペーサ(1)を備えていることを特徴とするクランプ。
- 前記一対の半割クランプ材(10、11)間に前記請求項3〜6のいずれかに記載のスペーサ(1)を備えており、一方の半割クランプ材(10)にそれの両挟持面(10a)の隣接間で一対の半割クランプ材(10、11)を貫通する締結ボルト(13)を設け、他方の半割クランプ材(11)にはそれの両挟持面(11a)の隣接間で前記締結ボルト(13)に螺合するナット(15)を設けており、前記締結ボルト(13)はスペーサ(1)の取付部(24)を貫通していることを特徴とするクランプ。
- 前記締結ボルト(13)にスペーサ(1)の取付部(24)の抜け止めをするための軸止め輪(14)を設けていることを特徴とする請求項8に記載のクランプ。
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