JP2005349240A - スラッジ処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 原油タンク内のスラッジを粉砕、溶解させ、スラッジに含まれる油分を大きな設備の変更を要することなく高効率で回収すること。
【解決手段】 第1の槽内にある塊状のスラッジに対して原油を噴射して該スラッジを粉砕するスラッジ粉砕工程(St1)と、粉砕されたスラッジに対して炭化水素油を含む溶解液を供給してスラッジの少なくとも一部を溶解するスラッジ溶解工程(St2)と、第1の槽内のスラッジを、第1の槽より小容量の第2の槽へ搬出するスラッジ移送工程(St3)と、第2の槽に炭化水素油を含む溶解液を加えてスラッジを攪拌するスラッジ攪拌工程(St4)と、スラッジと溶解液との混合物を沈殿分離してスラッジの溶解油分を含む液状分を回収する油分回収工程(St5)と、を含むスラッジ処理を行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、スラッジの処理方法に関し、より詳細には、原油タンク内等に蓄積されたスラッジを処理する際に、このスラッジに含まれる油分を高効率で回収する技術に関する。
原油を貯蔵する原油タンクには、スラッジと呼ばれるペースト状の物質が蓄積される。原油タンクに蓄積されるスラッジの成分としては、「石油留分」が起因するワックス、アスファルテン、レジン、飽和分、芳香族分等と、「夾雑物」が起因する水、鉄(錆)、土砂等が挙げられ、スラッジの成分割合を見るとワックス(油分)と水分がその8割以上を占めている。このようなスラッジは、設備に対して次のような影響を及ぼすことが一般的に懸念されている。即ち、スラッジが原油タンク内に蓄積し、原油を精製する下流の工程に送り込まれた場合、原油供給ポンプの故障を招いたり、熱交換器やフィルタの目詰まり、反応器における触媒への悪影響等を誘引しかねない。また、タンク底板に蓄積したスラッジは腐食の原因にもなるため、スラッジの除去が必要である。
このような石油精製工程に悪影響を与えかねない原油タンク内部のスラッジを除去する一般的な方法としては、原油タンクの内部に噴射ノズルを設置し、原油を高圧で噴射する原油洗浄工法(Crude Oil Washing)が挙げられる。
しかし、単に原油を噴射するだけでなく、より効率的に原油タンク内部のスラッジを除去する方法が求められており、これまでに多数の提案がなされている。例えば、スラッジの除去をより効率的に行うため、原油による洗浄ではなく、流動接触分解装置において生成する分解軽油を洗浄溶剤として使用したアスファルト・黒油タンクの内部清掃工法が提案されている(特許文献1参照)。
また、原油タンク内のスラッジを除去し、この除去したスラッジから油を回収する方法として、熱媒体油を原油タンク内のスラッジに対して所定範囲の体積比で投入し、熱媒体油でスラッジを溶融した後、別途に接続された分離タンクに移送して、分離タンク内で放置させて熱媒体油及びスラッジの混合物から油を回収する方法も提案されている(特許文献2参照)。
特開平6−126262 特開2002−338969
上記特許文献1記載の内部清掃工法によれば、分解軽油自体に溶剤として機能する溶解力があるため、この溶解力によって原油による洗浄に比べてスラッジ中の油分の溶解を促進する効果が期待できる。しかし、この文献では、スラッジ中に含まれる多量の油分を如何にして効率的に回収するかは検討されていない。
また、特許文献2記載の油回収方法は、ある程度加熱された熱媒体油を用いることによりスラッジを溶融し、スラッジ中の油分を回収している。しかし特定の温度に加熱された熱媒体油を使用するため、保温等の設備が必要となる。
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、原油タンク内のスラッジを粉砕、溶解させ、スラッジに含まれる油分を大きな設備の変更を要することなく高効率で回収するこのできるスラッジ処理方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、原油タンク内のスラッジを容易に除去する方法と、除去したスラッジから高効率で油分を回収する方法を鋭意研究した結果、特定の油でスラッジを粉砕、溶解した後、特定の油とともにスラッジを攪拌することで、スラッジに含まれる油を効率良く溶解させて、油分をスラッジから回収することで、最終的に産業廃棄物扱いとするスラッジの量を削減する方法を見出して本発明に至った。
即ち、本発明は上記目的を達成するため、以下に示すスラッジ処理方法を提供するものである。
(1) スラッジに含まれる油分を回収するスラッジ処理方法であって、
(a)第1の槽内にある塊状のスラッジに対して原油を噴射して該スラッジを粉砕するスラッジ粉砕工程と、
(b)粉砕されたスラッジに対して炭化水素油を含む溶解液を供給して前記スラッジの少なくとも一部を溶解するスラッジ溶解工程と、
(c)前記第1の槽内のスラッジを、前記第1の槽より小容量の第2の槽へ搬出するスラッジ移送工程と、
(d)前記第2の槽に炭化水素油を含む溶解液を加えてスラッジを攪拌するスラッジ攪拌工程と、
(e)前記スラッジと前記溶解液との混合物を沈殿分離して前記スラッジの溶解油分を含む液状分を回収する油分回収工程と、を含むことを特徴とするスラッジ処理方法。
このスラッジ処理方法によれば、原油の噴射により第1の槽内のスラッジを粉砕した後に炭化水素油を含む溶解液によりスラッジ中の油分を溶解し、これを他の槽に移送して炭化水素油を含む溶解液を加えて撹拌することにより、原油タンク内のスラッジを容易に移送先の槽に除去することができるとともに、移送先の槽内で十分に撹拌されるため、スラッジの油分が確実に溶解液に溶け出し、最終的に残存するスラッジの量を低減することができる。さらに、常温でこの処理が行えるので、設備の変更を要することなく高効率でスラッジに含まれる油分を回収することができる。
(2) 前記(a)の工程が、前記第1の槽内のスラッジに対して原油を2〜5倍の体積比で供給することを特徴とする(1)記載のスラッジ処理方法。
このスラッジ処理方法によれば、原油をスラッジに対して2〜5倍の体積比で供給することで、最も効率のよい粉砕処理が行える。
(3) 前記(b)の工程において、前記溶解液が流動接触分解装置から得られる分解軽油、又はA重油を含むことを特徴とする(1)又は(2)記載のスラッジ処理方法。
このスラッジ処理方法によれば、流動接触分解装置によって得られる分解軽油、又はA重油が溶解液に含まれることで、これらに多く含まれる芳香族分により溶解力が高められ、スラッジ中の油分をより多く溶かし込むことができる。
(4) 前記(d)の工程において、前記溶解液が流動接触分解装置から得られる分解軽油を含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項記載のスラッジ処理方法。
このスラッジ処理方法によれば、流動接触分解装置によって得られる分解軽油、又はA重油が溶解液に含まれることで、これらに多く含まれる芳香族分により溶解力が高められ、撹拌時にスラッジ中の油分をより多く溶かし込むことができる。
(5) 前記(a)〜(e)の各工程が常温で行われることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項記載のスラッジ処理方法。
このスラッジ処理方法によれば、各工程が常温で行われることで、保温設備を必要とせずにスラッジ処理を実施できる。また、スラッジ移送工程等を人手により簡便に行うこともできる。
本発明のスラッジ処理方法によれば、原油によるスラッジ粉砕工程と炭化水素油を含む溶解液によるスラッジ溶解工程により第1の槽内のスラッジが容易に除去できるとともに、スラッジを第2の槽へ移した後に、炭化水素油を含む溶解液を加えて攪拌することで、スラッジ内の油を高効率で溶解・回収でき、最終的に産業廃棄物となるスラッジの量を削減することが可能となる。
以下、本発明に係るスラッジ処理方法の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るスラッジ処理方法の一具体例を示す概略行程図である。
概略的には、洗浄を行う原油タンク(第1の槽)1には、浮き屋根部3に原油や後述する溶解液を噴射するための複数(例えば20箇所前後)の噴射装置5,5,・・・が取り付けられており、これらの噴射装置5,5,・・・は、別の原油タンク7や溶解液タンク(分解軽油又はA重油)9に、ポンプP1,P2及びバルブB1,B2を介して接続されている。また、原油タンク1には、バブルB3、ポンプP3を介して原油タンク1内の液を回収する回収タンク11が接続されている。詳細な構成内容については、スラッジ処理の各行程を説明する際に詳述することとする。
図2に本発明に係るスラッジ処理方法のフローチャートを示した。以降はこのフローチャートに基づいて各行程を順次説明する。
まず、スラッジ処理に先立って、洗浄の対象となる原油タンク1内を窒素で充満させて空気を追い出す。これにより、原油タンク1内の可燃性蒸気濃度が爆発範囲外になる。
<スラッジ粉砕工程>
次に、洗浄の対象となる原油タンク1内へ、別の原油タンク7に貯蔵している原油、或いは原油タンク1内に存在する原油を噴射装置5から噴射供給する。このときの噴射条件としては、圧力が約0.6〜0.7MPa、流量が150〜200kl/h程度で、約150時間程度にわたって原油タンク1内のスラッジに向けて吹き付けるものとする。これにより、図3に示すように、原油タンク1内のスラッジSを粉砕し、スラッジSを細分化する(ステップ1、以降はSt1と略記する)。また、ここではスラッジSの原油への溶解も行われる。
ここで、原油タンク7からの原油を噴射供給する場合には、原油タンク7の吐出用バルブB1を開けてポンプP1を駆動することで、原油タンク7内の原油を噴射装置5に導く。スラッジSを十分に粉砕するためには、原油タンク1内に存在するスラッジSの体積に対して、原油を2〜5倍の体積比で投入することが好ましい。この範囲で投入することで、スラッジSは十分に粉砕され、次工程であるスラッジ溶解工程のスラッジ溶解が良好となる。なお、原油が2倍未満であるとスラッジSの全体を細かく粉砕することができず、5倍を超える原油を投入しても粉砕効果が上がらず、回収する原油の量が増加するばかりでなく、工程が長期化する。
また、この作業と並行して、ポンプP3の駆動と各バルブB3,B4,B5の操作により、スラッジが溶解された原油を回収タンク11へ移送する。
<スラッジ溶解行程>
次に、粉砕されたスラッジSには油分が多く含有されているので、原油の吹き付けによりスラッジSを粉砕した後に、スラッジS中の油分を溶解させる(St2)。その際、炭化水素油を含む溶解液を0.6〜0.7MPa程度の圧力で、150〜200kl/h程度の流量で、約50時間程度にわたって、図4に示すように、粉砕したスラッジSに吹き付ける。これにより、粉砕されて表面積が増加したスラッジSは効率良く溶解液に溶解される。
ここで用いる溶解液の主成分である炭化水素油は、触媒により接触分解を行う流動接触分解装置から留出される分解軽油、又はA重油が好適に用いられる。分解軽油やA重油に含有する芳香族分は、溶解力が強く、スラッジ中の油分を溶解する効果が高いため、スラッジの溶解液として好適に利用できる。
流動接触分解装置から留出される分解軽油とは、減圧留出油及び残渣油等を原料として流動接触分解法(UOP法、シェル二段式法、フレキシクラッキング法、ウルトラオルソフロー法、テキサコ法、ガルフ法、アルトラキヤットクラッキング法、RCC法、HOC法等)により、固体酸触媒(例えばシリカ・アルミナ、或いはシリカ・アルミナにゼオライトを配合したもの等)を用いて得られる留出油のことで、沸点範囲が160〜380℃の範囲にある炭化水素油である。
また重油は、JIS K 2205に規定されるように、動粘度、引火点、残留炭素分等によって、1種(A重油)、2種(B重油)、3種(C重油)に分類される。A重油とは、引火点が60℃以上、動粘度が50℃で20mm2/S以下、流動点が5℃以下、残留炭素分が4質量%以下、水分が0.3容量%以下、灰分が0.05質量%以下の炭化水素油である。A重油は更に硫黄分が0.5質量%以下の1号と、2.0質量%以下の2号に細分されており、本発明に係るスラッジ処理方法に使用するA重油としては、1号、2号のいずれであっても構わない。
<スラッジ移送工程>
前述のスラッジ溶解工程によって、炭化水素油を含む溶解液に浸された原油タンク1内のスラッジは、スラッジ中の油分が溶解液中の分解軽油又はA重油によって溶解され、軟らかくされている。このスラッジの軟化によってスラッジの取り扱い性を向上させた後に、原油タンク1内部からスラッジを他の槽(第2の槽)へ移送する(St3)。ここでは一例として粉体等の移送に用いられる移載用ポンプを使用してスラッジを手動で除去する場合を説明する。図5にスラッジを原油タンク1から他の槽へ移送する様子を示した。
まず、作業者が原油タンク1の内部に入れるように原油タンク1のマンホール13を開放し、タンク内部を十分に空気で置換させる。その後、原油タンク1内に存在するスラッジを全て別の槽(スラッジ溶解槽15)へ移送するスラッジ除去作業を行う。
ここで用いる移載用ポンプ17は、油分を含有する固形物を移送するポンプであるが、一般に市販されている粉体用ポンプを利用することができる。なお、タンク内部に存在するスラッジを簡単に移送するためには、移載用ポンプ17を台車19等の移動手段に載せ、且つスラッジの吐出される吐出ノズル21にスラッジ移送用のホース23等を取り付けた移送ユニット25を使用するとよい。この移載用ポンプ17を利用することで、タンク内部で自在に移動可能となり作業効率が向上する。なお、このスラッジ除去作業は、自動的にスラッジを汲み取り除去できる自走式ロボット等を用いれば作業の自動化が可能であり、作業コストの更なる低減が図られる。
<スラッジ撹拌工程>
次に、スラッジ溶解槽15へ移載用ポンプ17等を用いて移送したスラッジに溶解液を加えて撹拌する(St4)。
スラッジ溶解槽15は、図5に示すように、羽根27をモータMにより回転駆動してスラッジを撹拌する攪拌機29を備えており、移送されたスラッジSaに溶解液を加えて撹拌する。
スラッジ溶解槽15の大きさは、原油タンク1よりも小容量のもので任意に選べるが、大きい溶解槽には大きな攪拌機と大型の移送用ポンプが必要となり設備の増大やコストアップに繋がるため、1回に攪拌処理するスラッジSaの量としては、原油タンク1の大きさとスラッジの堆積量にもよるが、一般的には800〜1200kg程度が好ましい。また、攪拌する時間は上記スラッジSaの量に対しては20〜40分、好ましくは30分程度がよい。これ以上の時間攪拌しても、スラッジSaの溶解率に大きな変化はない。また、加える溶解液は、上記スラッジSaに対して2〜4倍の体積の炭化水素油を含むことが好ましい。そして、攪拌機29の羽根27の回転速度は200〜400rpmが好ましい。
この撹拌工程で用いる溶解液の炭化水素油は、流動接触分解装置から留出される分解軽油が好適に用いられる。分解軽油には一般的に芳香族分が60〜85容量%程度含有されており、芳香族分が多いため溶解力が強く、また、引火点が60〜75℃と比較的高いため、取り扱いも容易である。
具体的には、図1及び図6(a)に示すように、攪拌機29の設置されたスラッジ溶解槽15に移送ユニット25からスラッジを投入する一方、溶解液タンク9からポンプP4,バルブB6を通じてスラッジ溶解槽15に炭化水素油を含む溶解液を加えて、図6(b)に示すように、モータMの駆動により羽根27を回転させて攪拌する。これにより、スラッジSa中の油分が溶解液の炭化水素油に更に溶解して、最終的に残存するスラッジの量が大きく減少する。
なお、前述のスラッジ溶解工程における溶解液が撹拌工程における溶解液と同一であるときは、溶解液タンク9の液をそのまま利用できる。しかし、スラッジ溶解工程における溶解液の主成分がA重油である場合には、分解軽油を含む溶解液を貯蔵した溶解液タンク31を別途に接続して、バルブB6,B7の切り換えにより分解軽油を含む溶解液をスラッジ溶解槽15に供給する。
ここで、スラッジ溶解槽15は、底辺隅が角張った方形の槽よりも丸みを帯びた円筒形の槽の方が、攪拌動作が槽内の隅まで行われて攪拌効率が向上するため好ましい。
<油分回収工程>
スラッジSaに対して炭化水素油を含む溶解液を加えて攪拌した後、攪拌機29を停止してスラッジSaと溶解液との混合物を沈殿分離させ、得られる液状分を回収する。
即ち、攪拌機29を停止した後、スラッジ溶解槽15内を5〜10分程度静置して、残存するスラッジを沈殿させる。これにより、図6(c)に示すように、スラッジSaから溶解された油分を含む溶解液Aが、残存するスラッジと分離して、スラッジ溶解槽15の上部に溜まり、下部には、溶解しなかった油分B(ワックス、アスファルテン、レジン、飽和分、芳香族分等)や、鉄(錆)・土砂等の無機成分C等の残存したスラッジが堆積する。そこで、バルブB8を開き、スラッジ溶解槽15に接続したポンプP5を駆動して、スラッジ溶解槽15の上部に分離した油分Aのみを回収タンク11に移送する。
一方、スラッジ溶解槽15に残存したスラッジ(B+C)は、ドラム缶等に詰めて移送して産業廃棄物として処理する。この残存するスラッジ(B+C)の量は、最初にスラッジ溶解槽15に移送したスラッジSaの量から、溶解した油分に相当する分が減少している。つまり、従前のスラッジ処理後のスラッジ、即ち、原油タンクから回収タンクへ移送して撹拌することなく処理していたスラッジSaから油分が更に除去されて、最終的に残存するスラッジの量が減らされる。これにより、産業廃棄物の発生を低減できる。
以上説明した本発明に係るスラッジ処理の各工程は、いずれも常温(25±15℃)で行っている。本処理方法で使用する原油、分解軽油、A重油は常温で取り扱われ、保温設備を必要としないものであって、この常温雰囲気下でも良好なスラッジの処理結果が得られる。ここで、分解軽油は常圧残渣油よりも高価で経済的損失の原因にもなるが、本処理方法においては、この分解軽油の使用量を抑えるため、原油タンク1とは別の小容量の槽にスラッジのみを移送して、この小容量の槽内でスラッジを複数回に分けて撹拌処理している。これにより、撹拌時に必要な分解軽油の量を低減できる。
なお、原油タンク1にも原油を撹拌して温度や性状を均一にするための混合機が搭載されているが、この混合機は非常に大型のものであり、混合機を使用して撹拌処理する場合には多量の溶解液が必要となる。従って、混合機を用いて撹拌処理する方法では分解軽油の使用量を抑えることができず、また、十分な撹拌効果も期待できないため、仮にこの方法で撹拌処理しても、スラッジの油分の回収効率は高めることは困難である。
また、温度の高い油を使用する場合には、温度を低下させないために配管等に断熱処理を施さなければならず、保温設備によるコストが増大するが、本スラッジ処理方法では、常温で行うために保温設備の必要はない。そして、本スラッジ処理方法は、原油タンク1内部のスラッジSをスラッジ溶解槽15に移送する工程を含んでおり、この工程では、機械や人間がタンク内部に入ってスラッジを回収する必要がある。そのため、温度の高い油を使用してスラッジを処理する方法では、最終的に人間によるスラッジ回収作業や内部点検を行うためには(入槽するために)、タンク内部を冷却する必要があり、作業性が悪くなる。これに対し、本スラッジ処理方法によれば、設備の大幅な変更を伴うことなく、各工程の作業性も損なうことがない。
そして、原油タンク1に堆積したスラッジを固体のままスラッジ溶解槽15に移送し、このスラッジ溶解槽15内で溶解液と共に撹拌することにより、スラッジを高効率で搬送でき、スラッジ内に含まれる油分を高効率で溶解液に溶かし込むことができる。これにより、最終的に残存するスラッジの量を大幅に軽減することができ、産業廃棄物の削減に寄与できる。
なお、本発明に係るスラッジ処理方法は、上記の実施形態に限らず適宜な設計変更が可能である。例えば、回転羽根を利用した撹拌機を使用する代わりに、振動撹拌装置等の他の撹拌手段を使用しても同様の効果を得ることができる。
本発明の効果を検証するため、実際の原油タンクのスラッジ処理に本スラッジ処理方法を適用した処理結果と従来工法による処理結果との比較を以下に説明する。
比較に使用した原油タンクは13万klの容量の原油タンクであり、この原油タンクに蓄積されたスラッジの量は約4100tであった。
(本発明のスラッジ処理)
この原油タンクに対し、常温である原油を0.7MPaの圧力で、約180kl/hの流量で、約100時間吹き付けてスラッジを粉砕した。続いて、常温であるA重油を0.7MPaの圧力で、約150kl/hの流量で、約50時間吹き付けてスラッジを溶解した。スラッジを溶解した後、原油タンク内部に入り、溶解されたスラッジを粉体専用ポンプを用いてスラッジ溶解槽に移送した。スラッジ溶解槽には、一回に約1tのスラッジを移送することとし、また、分解軽油を常温で約3kl送り込み、245rpmの撹拌速度で約30分間撹拌を行った。撹拌後は5分間程度静置させ、スラッジ溶解槽内に残留するスラッジを沈殿させた。スラッジ溶解槽の上部の油は回収タンクに移送し、スラッジ溶解槽の底部に沈殿したスラッジは、スラッジ溶解槽から掻き出し、これを産業廃棄物として廃棄した。
(従来工法によるスラッジ処理)
一方、上記の原油タンクに対し、常温である原油を0.7MPaの圧力で、約180kl/hの流量で、約100時間吹き付けてスラッジを粉砕し、続いて、常温であるA重油を0.7MPaの圧力で、約150kl/hの流量で、約50時間吹き付けてスラッジを溶解した。スラッジを溶解した後、原油タンク内部に入り、溶解されたスラッジを掻き集めて回収タンクに移送し、最終的に残ったスラッジを産業廃棄物として廃棄した。
これらの方法により得られた産業破棄物の量を表1に示した。
Figure 2005349240
上記のように、本発明のスラッジ処理方法によれば、産業廃棄物となるスラッジの量を従来の1/4程度にまで削減することができた。このように、本スラッジ処理方法は、原油の噴射によるスラッジ粉砕工程と炭化水素油を含む溶解液によるスラッジ溶解工程によって、スラッジは軟らかく溶解され、この軟化したスラッジを更にスラッジ溶解槽へ移送した後に炭化水素油を含む溶解液を加えて攪拌することで、スラッジ内の油を高効率で溶解・回収することができる。そのため、スラッジからの油分の回収率は99%以上となり、産業廃棄物となるスラッジの量を大幅に削減することが可能となる。
本発明に係るスラッジ処理方法の一具体例を示す概略行程図である。 本発明に係るスラッジ処理方法のフローチャートを示した。 原油タンク内のスラッジに向けて原油を吹き付けてスラッジを粉砕する様子を示した説明図である。 スラッジに溶解液を吹き付けてスラッジ中の油分を溶解させる様子を示した説明図である。 スラッジを原油タンクから別の槽へ移送する様子を示す説明図である。 スラッジの撹拌処理を示す図で、(a)はスラッジの移送されたスラッジ溶解槽に溶解液を加えた様子、(b)はモータを駆動して撹拌している様子、(c)は静置して残存するスラッジを沈殿分離している様子を示す説明図である。
符号の説明
1 原油タンク
3 屋根部
5,5,・・・ 噴射装置
7 原油タンク
9 溶解液タンク
11 回収タンク
13 マンホール
15 スラッジ溶解槽
17 移載用ポンプ
19 台車
21 吐出ノズル
23 ホース
25 移送ユニット
27 羽根
29 攪拌機
31 溶解液タンク
B1,B2,B3,B4,B5,B6,B7,B8 バルブ
P1,P2,P3,P4,P5 ポンプ
S,Sa スラッジ

Claims (5)

  1. スラッジに含まれる油分を回収するスラッジ処理方法であって、
    (a)第1の槽内にある塊状のスラッジに対して原油を噴射して該スラッジを粉砕するスラッジ粉砕工程と、
    (b)粉砕されたスラッジに対して炭化水素油を含む溶解液を供給して前記スラッジの少なくとも一部を溶解するスラッジ溶解工程と、
    (c)前記第1の槽内のスラッジを、前記第1の槽より小容量の第2の槽へ搬出するスラッジ移送工程と、
    (d)前記第2の槽に炭化水素油を含む溶解液を加えてスラッジを攪拌するスラッジ攪拌工程と、
    (e)前記スラッジと前記溶解液との混合物を沈殿分離して前記スラッジの溶解油分を含む液状分を回収する油分回収工程と、を含むことを特徴とするスラッジ処理方法。
  2. 前記(a)の工程が、前記第1の槽内のスラッジに対して原油を2〜5倍の体積比で供給することを特徴とする請求項1記載のスラッジ処理方法。
  3. 前記(b)の工程において、前記溶解液が流動接触分解装置から得られる分解軽油、又はA重油を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスラッジ処理方法。
  4. 前記(d)の工程において、前記溶解液が流動接触分解装置から得られる分解軽油を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のスラッジ処理方法。
  5. 前記(a)〜(e)の各工程が常温で行われることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載のスラッジ処理方法。
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