JP2005349099A - 掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置全体が大がかりなものとなることを回避するとともに、気体の他に液体や固形物を含む各種の吸入流体を処理対象として処理を行うことができるものでありながら、良好な稼働状態を長期にわたって維持できる掃除機を提供する。
【解決手段】 吸い込み口具9を介して吸い込んだ吸入流体を、内側の導風筒体2と外側の外囲筒体3との間に形成される旋回用流路に接線方向から供給し、旋回流の最外側に含まれる被除去物の旋回流外方側への飛び出しを許して脱出させる塵埃分離部31を外囲筒体3の一部に形成し、旋回中の吸入流体の一部を導風筒体2下端の導入口よりも上方位置で吸い込むための短絡用通気部23を導風筒体2に形成し、塵埃分離部31の旋回流から脱落する被除去物を処理経路から外れた集塵部A5へ案内する外部取り出し筒7を設けてある。
【選択図】 図3

Description

本発明は、工場等で発生する粉塵や一般家庭で発生する埃などの微細な塵埃や、工場等で発生する切り粉や加工屑、あるいは一般家庭で発生するゴミ等の比較的大きめの塵埃、さらには洗浄水や油類などの液体をも吸引除去できるように、これらの気体や固形物とともに吸引される洗浄水や油などの液体を含む流体(以下、本明細書中では「吸入流体」と呼称する。)を処理対象として、その吸入流体中から塵埃や液体などの被除去物を除去するための掃除機に関する。
この種の吸入流体を処理する掃除機としては、ケーシング内を、ブロワを利用した真空吸引手段によって負圧にして、液体を含む流体を吸引できるようにした構造のものがある。この構造では、吸引される流体の種類が液体策が不要な乾式のものであるか、液体を主に吸引する湿式のものであるかによって、吸引部の構造自体を選択的に変更できるようにしている。
乾式の吸引部では、単に濾過フィルターを通して気体を通過させることで塵埃を除去しているが、湿式の吸引部では、吸引ノズルから導入された液体含む流体がブロワの吸引力によって上向きの流れで衝突板に衝突し、その衝突によって運動エネルギーを失わせて落下させることと、その後、制流板の案内で僅かながら旋回流動させながら内壁に接触して落下させるようにしたものであり、タンク内に貯留される液体が所定レベル以上になると浮上するフロートとそのフロートによって吸引流路を閉塞する弁ケーシングとを備えて、液体や飛沫がブロワやモータ側へ入り込むことを避けられるようにしている(特許文献1参照)。
また、上記の構造とは別に、吸入流体として主として粉塵を含む吸入流体を処理対象とする場合には、図11に示すような周知のサイクロン式の除塵装置を利用したものも存在する。
特開2002−102120号公報(段落「0011」、段落「0014」、段落「0015」、段落「0016」、「図1」、「図2」、「図3」)
上記の特許文献1に示される技術によれば、乾式の吸引部を湿式の吸引部とを選択しなければならない煩わしさがある上に、固形の塵埃と液体とが混在する場合には、どちらの吸引部を用いても不具合が生じる。
そして、乾式のものであれば、濾過フィルターによる塵埃除去であるから、大量の塵埃を処理する必要が生じると、フィルターの寿命が簡単に縮められることに除塵性能が大きく劣化してしまう。特に液体が混在するとその劣化も著しいものとなる。湿式の吸引部を選択すると、液体のみを度吸引するには有効であるが、フロートを用いた弁構造を採用することによって液体回収容器内の容量が制限されるという不具合を有することに加えて、液体以外の塵埃の処理が殆ど行えないという不都合がある。
また、周知のサイクロン式のものでは、その処理対象物が粉塵を主体とするものに限られてしまうことと、サイクロンによる塵埃分離効果を有効に発揮させようとすると、装置自体が極端に大型化してしまう傾向がある。
つまり、通常のサイクロン式の除塵装置は、吸入流体が接線方向から吹き込まれる円筒状の円筒室の下側に下すぼまりの円錐筒を連設し、円錐筒下端の塵埃排出口から粉塵を自重落下させ、気体は円筒室の中心部に挿入された排気筒から気体を外部へ排出するように構成されているが、その寸法関係は、図11に示すように、おおむね次のように設定される。
円筒室の直径 : D
円筒室からの排気口径: d
塵埃排出口の直径 : δ
円筒室の上下高さ : L
円錐筒の上下高さ : H
とした場合、
d=D/2
δ=D/2〜D/4
L=D
H=2D
上記の関係が成り立つ寸法に近い寸法で設定される。したがって、掃除機に適用した場合でも、吸入流体の旋回流の直径に相当する円筒室の直径Dの3倍程度の寸法が必要であるが、掃除機では、そのようなサイクロンによる旋回流の消失を待つほどの空間的余裕がないので、処理対象の吸入流体が比較的強い旋回力を保って気体中に多くの塵埃が残存する状態のままで次の処理工程へ吸い込み移動させ、フィルターとの併用によって残りの塵埃の除去処理を行っている。このため、フィルターの劣化による影響を避けることができず、また液体の処理には不向きなものであった。
本発明の目的は、装置全体が大がかりなものとなることを回避するとともに、気体の他に液体や固形物を含む吸入流体をも処理できるように、各種の吸入流体を処理対象として処理を行うことができるものでありながら、良好な稼働状態を長期にわたって維持できる掃除機を提供することにある。
上記目的を達成するために講じた本発明による除塵装置では、下記の技術手段を講じたものである。
〔解決手段1〕
本発明の除塵装置は、請求項1に記載のように、吸い込み口具を介して取り入れ口から吸い込まれた吸入流体中の被除去物を除去して吸入流体は排気口から排出するように処理経路をケーシングの内部に備えた掃除機であって、
前記処理経路に、取り入れ口から吸引導入された吸入流体をケーシング内で旋回流動させる旋回除塵部を設け、
この旋回除塵部を、一端側に吸入流体の導入口を設け他端側に送出口を設けた導風筒体と、その導風筒体の外側で筒底部を前記導入口に対向する状態に位置させた有底筒状の外囲筒体とで構成し、
内側の導風筒体と外側の外囲筒体との間に形成される円環状の旋回用流路で吸入流体の旋回流が生じるように、処理対象の吸入流体の導入方向を前記導風筒体の接線に沿う方向に設定するとともに、導風筒体内部の吸入流体を処理経路の下手側へ吸引排出する起風手段を備え、
前記旋回除塵部において、前記旋回用流路の内側に位置する導風筒体の導入口よりも吸入流体流れ方向での上手側の周壁部分に、導風筒体の内部からの吸引作用で、旋回中の吸入流体の一部を前記導入口よりも上手側位置で吸い込むための短絡用通気部を形成するとともに、
旋回用流路の外側に位置して吸入流体を旋回方向に案内する外囲筒体の一部に、旋回流の最外側に含まれる被除去物の旋回流外方側への飛び出しを許して旋回流から脱出させる塵埃分離部を形成し、
この塵埃分離部で旋回流から脱出した被除去物を案内して自重落下させる外部取り出し筒を備え、外部取り出し筒から排出された被除去物を吸入流体の処理経路から外れた集塵部で貯留するように構成してある点に特徴がある。
〔作用〕
上記の技術手段を講じたことによる作用は次の通りである。
請求項1にかかる発明の構成によると、内側の導風筒体と外側の外囲筒体との間に外部から処理対象の吸入流体を導入し、内側の導風筒体の内部からの吸引作用で、導風筒体と外囲筒体との間の気体に旋回力を与えるようにした旋回除塵部を備えている。
この旋回除塵部において、旋回流の外側に位置して旋回流を案内する外囲筒体の一部に、上下方向の凹溝を設けて、旋回流の最外側に多く含まれる質量の大きな塵埃や液体を効率良く旋回流から脱落除去させることができる。
そして、塵埃の混入割合の少ない旋回流の内側(旋回中心側)では、導風筒体の下端側の導入口よりも上方の周壁部分に、導風筒体の内部からの吸引作用で、旋回流の一部を前記導入口よりも上方位置で吸い込むための短絡用通気部を形成して、旋回流が筒状体の下端の導入口に達する前から吸引導入を開始している。これは、旋回流に対する吸引面積を実質的に拡張していることになり、短絡用通気部なしで導風筒体を構成して下端の導入口のみから処理対象の吸入流体を吸引導入する場合に比べて、吸引風の風速がこの部位で比較的低速となっている。
しかも、前記導風筒体に形成される短絡用通気部は、旋回流の旋回流軸線方向での速度分布状態にも影響を与えている。例えば、このような短絡用通気部がなく導風筒体の下端にだけ小径の導入口がある下細りの筒状体を採用した場合と比べると、次のような相違がある。
つまり、旋回初期である導風筒体の上方位置付近では、導入された吸入流体の全体が、導風筒体の外周面に対する接線に沿う方向での直進方向の動慣性を持って導入され、これが旋回方向に向きを変えるように案内されて旋回流となるのであるが、前記短絡用通気部がない構造の導風筒体では、旋回内側で旋回流の速度を低減させる要素としては、導風筒体外周壁との摩擦以外に特に何も存在しない。このため、外部から処理対象の吸入流体を導入する取り入れ口流路部分の上下方向幅の中央付近で最大速度となる速度分布で、かつ導風筒体の外周面近くでも旋回速度の低下が少ない状態で全体として比較的高速での旋回が維持される傾向がある。したがって、導風筒体下端の導入口から処理経路の下手側へ吸入流体を吸引して導き出す際に、導風筒体下端の導入口付近で所定の低速度にまで旋回流の速度を低下させてから吸引導出しようとすると、導風筒体の上下長さを十分に長くして、吸入流体の旋回移動距離を十分に大きくする必要が生じる。
すなわち、旋回による遠心力では分離され難い微細な浮遊塵埃の多くが導風筒体下端の導入口から吸引導出されることを避けるように、吸引速度を極力低下させて吸引力を小さくすること、あるいは、導風筒体下端付近での旋回流の速度を極力低下させて塵埃の自重降下が効率よく生じるようにすることが望まれるのであるが、吸引速度を極端に低下させると処理能力が著しく低下し、旋回流の速度を十分に低下させるために吸入流体の旋回移動距離を十分に長くすると、装置の大型化を招くという問題がある。
本発明では、このような問題を解決するために、前述のように、導風筒体の下端側の導入口とは別に、その導入口よりも上方の周壁部分に、導風筒体の内部からの吸引作用で、旋回流の一部を前記導入口よりも上方位置で吸い込むための多数の短絡用通気部を形成して、旋回流に対する吸引面積を実質的に拡張することによって、吸引速度の低下を図り、かつ、旋回流が筒状体の下端の導入口に達する前から吸引導入を開始して、この吸引導入作用が旋回流の内側での旋回抵抗として働くことにより、旋回流の内側での旋回速度を低減し、結果的に旋回流の旋回速度の減衰を早めている。
さらに、本発明の前記請求項1にかかる発明の構成によると、塵埃分離部で旋回流から脱落させた被除去物を前記ケーシング外へ案内して自重落下させる外部取り出し筒を設けてあるので、旋回除塵部の旋回流から脱落した被除去物を貯留して回収するための空間を、旋回除塵部とは切り離して構成することができる。したがって、被除去物を収容するための手段は、使用条件に応じて除塵装置とは別に任意のものを採用することができる。
また、このように旋回流から脱落した被除去物を貯留して回収するための空間が、旋回除塵部とは切り離されて構成してあって、外囲筒体の一部に形成される塵埃分離部が、旋回除塵部での旋回流の旋回作用が伝わらない状態で被除去物を自重落下させ、かつ、導風筒体内部の吸入流体を処理経路の下手側へ吸引排出する起風手段による吸引作用も被除去物が堆積する回収空間には伝わらないので、この回収空間に堆積されている被除去物が軽い粉塵であっても、再び旋回除塵部側へ舞い上がるような自体の発生をほぼ確実に回避することができる。
〔解決手段2〕
本発明の掃除機は、請求項2に記載のように、前記請求項1にかかる発明の構成に加えて、外部取り出し筒と集塵部とを、連通用ダクトを介して互いに連通連結、及び分離自在に構成してもよい。
〔作用〕
上記の技術手段を講じたことによる作用は次の通りである。
すなわち、回収容器となる集塵部が外部取り出し筒と連結用ダクトを介して旋回除塵部などのケーシング本体に対して連通連結、及び分離自在に構成されているので、回収容器の脱着が連結用ダクトを利用して簡単に行うことができる。
また、連結用ダクトと回収容器との選択によって、回収量の設定を自由に行うことができ、他の仕様を変更することなく、回収量の変更設定が任意に行える。
本第1発明によれば、導風筒体と外囲筒体との間の吸入流体に旋回力を与えるようにした旋回除塵部において、旋回流の外側に位置して旋回流を案内する外囲筒体の一部に、上下方向の凹溝を設けて、旋回流の最外側に多く含まれている質量の大きな塵埃や液体を効率良く旋回流から脱落除去させ、塵埃等の混入割合の少ない旋回流の内側(旋回中心側)では、導風筒体の下端側の導入口よりも上方の周壁部分に、導風筒体の内部からの吸引作用で、旋回流の一部を前記導入口よりも上方位置で吸い込むための多数の短絡用通気部を形成して、旋回流に対する吸引面積を実質的に拡張することによって、吸引速度の低下を図り、かつ、旋回流が筒状体の下端の導入口に達する前から吸引導入を開始して、この吸引導入作用が旋回流の内側での旋回抵抗として働くことにより、旋回流の内側での旋回速度を低減し、結果的に旋回流の旋回速度の減衰を早めている。
これによって、旋回流の全体を考えると、旋回移動距離をあまり長くしなくても効率良く塵埃等の被除去物を除去するとともに、旋回速度の減衰を早めることができて、掃除機として可搬性にも優れた小型化された装置を得ることができる利点があり、しかも、この旋回作用を利用した塵埃の除去のためにはフィルターを用いる必要がなく、フィルターの劣化とは関係無く作業を行うことができる効果があり、その上、液体と固形物の混在状態でもその処理性能を低下させることがない。
さらに、本第1発明の構成によると、塵埃分離部で旋回流から脱落させた被除去物を前記ケーシング外へ案内して自重落下させる外部取り出し筒を設けて、旋回除塵部の旋回流から脱落した被除去物を貯留して回収するための空間を、旋回除塵部とは切り離して構成することができる。したがって、除塵部とは別に使用条件に応じて別途作成した容器や市販品の容器など、任意の形状、構造、大きさの収容手段を採用することができ、掃除機として容量を多様化した仕様のものを、除塵部の構造変更を伴わずに多様化することができ、部品点数の削減を図ることができる利点がある。
また、このように旋回流から脱落した被除去物を貯留して回収するための空間が、旋回除塵部とは切り離されて構成してあって、外囲筒体の一部に形成される塵埃分離部が、旋回除塵部での旋回流の旋回作用が伝わらない状態で被除去物を自重落下させ、かつ、導風筒体内部の吸入流体を処理経路の下手側へ吸引排出する起風手段による吸引作用も被除去物が堆積する回収空間には伝わらないので、この回収空間に堆積されている被除去物が軽い粉塵であっても、旋回除塵部側へ舞い上がるような自体の発生をほぼ確実に回避することができる。
第2発明によれば、回収容器となる集塵部が外部取り出し筒と連結用ダクトを介して旋回除塵部などのケーシング本体に対して連通連結、及び分離自在に構成されているので、回収容器の脱着が連結用ダクトを利用して簡単に行うことができる。
また、連結用ダクトと回収容器との選択によって、回収量の設定を自由に行うことができ、他の仕様を変更することなく、回収量の変更設定が任意に行える利点がある。
以下に、本発明の実施の形態を図面の記載に基づいて説明する。
〔全体構成〕
本発明の掃除機は、図1〜図3に示すように、吸い込み口具9を介して取り入れ口10からケーシング1の内部に吸入流体を吸い込み、この吸入流体から被除去物を除去した後、これを排出口11から排出するように、内部に吸入流体の気流を生じさせるための起風手段6を備え、かつ、吸入流体を通過させる途中で塵埃を除去処理する処理経路Rを備えたものである。
上記ケーシング1内における処理経路Rには、取り入れ口10から吸引導入された吸入流体をケーシング1内で旋回流動させる旋回除塵部A1と、この旋回除塵部A1で処理された後に上昇する吸入流体に衝突して、その流れ方向での上手側である下方へ向けて一時的に流れ方向を反転させることによって吸入流体中の塵埃等を除去するように処理する反転処理部A2と、さらに吸入流体の流れの下手側である上方位置で吸入流体を流路の広範囲に拡散させ、かつ拡散された塵埃を捕捉する塵埃捕捉部A3と、これらの旋回除塵部A1と反転処理部A2と塵埃捕捉部A3とに対して吸引力を作用させるように設けた排気部A4とが設けられている。
そして、処理経路Rから流下及び降下する被除去物を処理経路R外へ排出するための外部取り出し筒7がケーシング1の外へ被除去物を導き出すように底部側に設けてあり、この外部取り出し筒7を介して被除去物を集塵部A5へ貯留するように構成してある。
つまり、ケーシング1内の除塵処理部では、前記処理経路Rにおける下層の旋回除塵部A1と、中間層の反転処理部A2と、上層の塵埃捕捉部A3とのそれぞれが区画形成され、さらに最上部に排気部A4が設けられ、これらが上下方向で層状に配設され、前記処理経路Rから外れた位置である最下方の集塵部A5に被除去物を貯留するように外部取り出し筒7が設けられている。
上記の旋回除塵部A1及び反転処理部A2は金属製のもので構成され、かつ塵埃捕捉部A3も金属製フィルターからなるものであり、これらが上下方向で並べて配置されていることにより、この掃除機の運転中に吸入流体中から脱落し除去される塵埃、あるいは油分などは、上層の装置部分から順次下層の装置部分を経て下降し、旋回除塵部A1の外囲筒体3に連設された外部取り出し筒7から集塵部A5に取り出されることになる。
そして、掃除機の運転を停止した場合も、ケーシング1内の金属製フィルターや金属製の反転処理部A2、あるいは旋回除塵部A1に付着した油分等が、上層のものから順次下層の部分に流れ落ちて、前記外部取り出し筒7を経て、最下位置の集塵部A5に集められる。したがって、各フィルター部分や、反転処理部A2部分、旋回除塵部A1等の、各装置部分毎に、塵埃や油分などの収集手段を設ける必要がなく、自然落下や自然流下を利用して、外部取り出し筒7から外部へ排出することができる。
〔旋回除塵部〕
図1乃至図6に示すように、ケーシング1内における除塵処理部としての旋回除塵部A1は、ケーシング1の一側面に設けた取り入れ口10から吸い込まれた吸入流体を、ケーシング1内で旋回させるように構成してある。
つまり、ケーシング1内において、旋回除塵部A1が存在している下層と、反転処理部A2が設けられる中間層とは、中間仕切12で区画されており、この中間仕切12の下方側に、下端側に導入口を有した導風筒体2と、その導風筒体2の外側に所定間隔を隔てて配設された外囲筒体3とで構成される前記旋回除塵部A1が設けられている。
そして、ケーシング1を構成している外囲筒体3に形成される取り入れ口10は、その開口中心P1が、前記導風筒体2の付け根近くの外周面とほぼ一致する程度に、導風筒体2の中心P2からは正面視で所定距離Lだけ偏した位置に設定されている(図3及び図4参照)。
このように構成されていることにより、取り入れ口10から吸い込まれた吸入流体は、導風筒体2の周りを旋回しながら徐々に旋回半径を狭めて、サイクロン除塵構造に似た旋回流動を行いながら、導風筒体2の内側に形成されている吸入流体導入経路rを通って、吸入流体流れ方向の下手側である上層の反転処理部A2へ送り込まれる。
〔導風筒体〕
図3及び図5に示すように、導風筒体2は、前記除塵処理部A内における処理経路で、外囲筒体3とともに吸入流体の旋回を案内する筒状案内作用部20と、その内部で一端側(下端側)の導入口22から吸入流体を導入して他端側(上端側)に設けられた送出口28から上方の下手側経路に案内するための吸入流体導入経路rとを備えている。
前記筒状案内作用部20は、円筒形の第一案内作用部21Aと、これよりも導入口22側寄りに位置する先細り円錐形の第二案内作用部21Bとで構成され、この第一案内作用部21A部分の外周面に対して、筒軸心方向でほぼ重複する位置の前記取り入れ口10から接線方向に吸入流体が取り入れられるように、取り入れ口10と第一案内作用部21Aとの相対位置が設定されている。
この第一案内作用部21Aの周部には、旋回流の内側における吸入流体の一部を導風筒体2の内方側からの吸引作用によって吸入流体導入経路rに導入するように短絡用通気部23を形成してある。
短絡用通気部23は、図4及び図6に示すように、導風筒体2の外側に形成される旋回流の移動方向での上手側が半径方向の内側に向き、下手側が外側に向く状態で併設された多数の板状体24によって、旋回流の軸線方向に沿うスリット状に形成された多数の通気孔25を備えている。各板状体24の夫々は扁平板状のものでもよいが、図4に示すように、断面視で多少の曲率を有した円弧状に形成され、突曲面を外側に向けて設けたものである方が、短絡用通気部23での案内作用面の全体が円弧に近くなり、より滑らかな案内を行えるので、旋回流の乱れを抑制する上では有効である。
そして、この短絡用通気部23は、導風筒体2の周方向での全周に形成されるのではなく、処理対象の吸入流体を外部から取り入れるための取り入れ口10に対向する部位の所定範囲には、導風筒体2の無孔の周壁部分が取り込まれた吸入流体に最初に接触して旋回方向への案内を開始するように構成された初期案内壁部分26が設けられていて、短絡用通気部23は、この無孔の初期案内壁部分26を除く範囲に形成してある。
つまり、図4に示す例では、図中の領域Iの範囲が処理対象の吸入流体を外部から取り入れるための取り入れ口10に対向する部位に相当し、この所定範囲(1/4周程度)が無孔の第一案内作用部21Aを構成しているものであり、残りの領域II〜IVに相当する範囲(3/4周程度)が短絡用通気部23に構成されている。
このように構成された導風筒体2は、その上端に鍔状部分27を備えており、この鍔状部分27を、後述する外囲筒体3の上端に設けた鍔状部分33の上側に形成した凹入段部に嵌り込む状態で搭載し、外囲筒体3とともに中間仕切12に形成されている開口12Aに連通する状態で設けられるものである。
上記のように、旋回流の移動方向での上手側が半径方向の内側に向き、下手側が外側に向く状態で併設された多数の板状体24によって、導風筒体2に形成される短絡用通気部23を形成したことにより、旋回流の動慣性で吸入流体が短絡用通気部23に入り込むことを板状体24で制限しながら、導風筒体2内部からの吸引作用で、導風筒体2の外表面近くの吸入流体を吸引導出することができる。
また、旋回除塵部A1に外部から処理対象の吸入流体を供給するための吸入流体取り入れ口10に対向する部位の導風筒体2の周壁部分を、無孔の周壁に構成してあるので、吸入流体取り入れ口10から接線方向で導入される吸入流体が、導風筒体2の対向部分に多くの塵埃を含む未処理吸入流体が直接的に衝突しても、その部位からは吸入流体が取り込まれず、吸入流体が旋回方向に向きを変更してから後に導風筒体2の内部に取り込まれることになる。
したがって、外部から接線方向で導入される吸入流体の旋回方向への案内を良好に行うことができるとともに、外部から接線方向で導入される吸入流体が、動慣性を持って直接的に導風筒体2の内部に侵入し大量の塵埃が導風筒体2の内部に入り込むというような事態を避けることができる。
〔外囲筒体〕
前記導風筒体2との間に旋回用流路を形成するように所定間隔を隔てて外囲筒体3が配設されている。この外囲筒体3は、前記導風筒体2の導入口22と対向する側である底部側がやや小径となる円錐面を有した有底筒状に形成されているとともに、その周面の一部に前記取り入れ口10が一体形成され、取り込まれた気相流体が外囲筒体3の内部を旋回しながら次第に前記導風筒体2の一端側に形成されている導入口22側へ移行して、導風筒体2の下端に形成されている導入口22から吸い込まれ、その内部に形成されている気相流体導入経路rを経て、前記導入口22とは反対側である上方の送出口28から下手側流路に気相流体を導出するように構成されている。
この外囲筒体3は、前記導入筒体2とともに、旋回流の外側に位置して吸入流体を旋回方向に案内する円弧状の周方向案内面30と、その周方向の1カ所に、旋回流の最外側に含まれる質量の大きな塵埃の旋回流外方側への飛び出しを許して旋回流から脱出させるための塵埃分離部31とを形成してある。
この塵埃分離部31は、旋回流の外側に位置する外囲筒体3の内周面に形成した上下方向に長い凹溝によって構成してあり、凹溝の上端は前記筒状案内作用部20の上部側における円筒形の第一案内作用部21Aの下端部近くのレベルに位置して、上方側は閉塞され、下端は外囲筒体3の底部よりもさらに下方に延びる外部取り出し筒7と連なり、外部取り出し筒7の下端側は開放されている。
このように、塵埃分離部31を、旋回流の外側に位置する外囲筒体3の周方向での一部に形成された上下方向の凹溝によって構成したことにより、旋回流の最外側に含まれる質量の大きな塵埃や液体等の旋回流外方側への飛び出しを許して旋回流から脱落させるための構成と、その塵埃分離部31で捕捉した塵埃や液体を下方の集塵部A5に案内するための構成とを、凹溝によって兼ねることができる。
したがって、例えば、旋回流の最外側に含まれる質量の大きな塵埃や液体の旋回流外方側への飛び出しを許して旋回流から脱落させるための構成として、外囲筒体3の一部に多数の透孔、あるいは網状部分を設け、その外側にさらに大径の筒状体を套嵌して、旋回流の外部に飛び出した質量の大きな塵埃を下方に案内するようにした構造などに比べて、構成の簡素化を図ることができるとともに、比較的大きなゴミなどによる目詰まりの発生を少なくすることもできる。また、凹溝が外囲筒体3に形成されていることで、外囲筒体3にリブ状の部分が形成された状態となり、外囲筒体3の強度向上にも役立つ。
前記外囲筒体3の上端側は、ケーシング1に固定の中間仕切12に形成された開口12Aに連通されるように、その上端に連設された鍔状部分33が前記開口12Aの外側で前記中間仕切12の下面側に連結されている。
この連結構造は、図5及び図6に示すように、外囲筒体3の鍔状部分33に、同一円弧上で等間隔に複数個のダルマ孔33aを形成し、中間仕切12に前記ダルマ孔33aの小径孔部に嵌合した状態で鍔状部分33の位置を固定するための止めピン12Bが下向きに立設されている。
したがって、外囲筒体3を上下軸芯P2周りで少し回転させてダルマ孔33aの大径孔部から止めピン12Bの頭部を外すことにより外囲筒体3の固定状態を簡単に解除することができる。そして、その状態で前記外囲筒体3を内側の導風筒体2とともに前記中間仕切12に対して、上下軸芯P2周りで、例えば90°とか180°とか向き変更して、再びダルマ孔33aを止めピン12Bに係合させることができる。これによって、ケーシング1の上部側に対して取り入れ口10の向きを外囲筒体3とともに変更した状態で設置することも可能となる。
〔旋回除塵部での除塵動作〕
上記の導風筒体2と外囲筒体3とを備えてなる旋回除塵部A1では、図7に示すように、旋回流からの塵埃の除去が行われる。
この図7では、最も左側に図7(イ)として図示する側面視での旋回除塵部A1の位置に合わせて、吸入流体の速度変化の状態を示している。
図7(ロ)は、取り入れ口10から導入された直後の直進状態の吸入流体の速度分布を表す線図であり、これによれば、取り入れ口10の開口中心P1のレベルでの旋回速度が最大速度となり、その取り入れ口10の開口上縁レベルLuと、開口下縁レベルLdに至るほど、流路抵抗による速度低下を生じて、所謂管内流れの速度分布の傾向と同様の分布曲線となっている。
最も右端の図7(ニ)は、外形は本発明の導風筒体2と同様な導風筒体を用いてはいるが、短絡用通気部23を有していない導風筒体を用いた比較例の場合における吸入流体の旋回流の速度分布状態を示している。この図7(ニ)中の符号aは、旋回流の最外側付近の速度分布曲線を示し、符号bは旋回流の最内側付近の速度分布曲線を示す。
この場合は、導風筒体2の上端レベルL1近くでもある程度の吸入流体の流れが生じており、取り入れ口10の開口中心P1のレベルに近づくにつれて次第に旋回速度が増加し、やはり開口中心P1付近か、開口中心P1を少し越えた位置で最大速度となる。
その後、前記開口中心P1のレベルを越えてそこから遠ざかるに連れて次第に旋回径を縮小しながら徐々に旋回速度も低下し、導風筒体2の導入口22が存在する下端レベルL2で旋回流の最内側における吸入流体が吸引導出され、残りの吸入流体はさらに下降して、最後は速度零の状態、つまり旋回流が消滅してしまうものであるが、そのように消滅に至るまでに相当長い旋回移動距離を要する結果、旋回流の消滅までに必要とする旋回移動距離として長い上下長さを要することになる。
このため、旋回流が後述する集塵部A5における塵埃堆積部位のレベルL3にまで降下してきても収束せず、旋回を継続して、一旦降下して堆積していた塵埃が再び舞い上がるような事態を生じることがある。
これに比べて、図7(ハ)に示す本発明のものでは、スタート時点の上端レベルL1近くでの旋回流の速度は図7(ニ)の場合とほぼ同一であるが、旋回流の最内側の速度分布曲線bは、取り入れ口10の開口中心P1付近に至ってもあまり速度上昇していない。これは旋回流の内側から一部の吸入流体が吸引導出され、これが旋回流に対する旋回内側での旋回抵抗として機能する結果、この最内側における吸入流体の旋回速度はさほど上昇しない傾向にあることによるものと思われる。
そして、前記吸引導出の影響が比較的少ない最外側では、取り入れ口10の開口中心P1付近でかなりの速度上昇がみられるが、図7(ニ)の短絡用通気部23を備えていない構造と比較すると、やや少な目の速度である。これは、旋回流に対する旋回内側での旋回抵抗としての前記吸引導出の影響が、比較的少ないとはいえ旋回流の外側の旋回速度にも作用した結果によるものと思われ、これに伴って旋回流の旋回速度の減衰傾向は図7(ニ)の構造のものに比べてかなり早くなる。したがって、旋回流の旋回移動距離も比較的短くてよく、上下長さも短くてすむので、装置の小型化を図ることが可能となる。
旋回除塵部A1よりも吸入流体流れ方向での下手側の処理経路Rには、前記旋回除塵部A1から送り出された吸入流体に残存する被除去物を除去するための二次処理部を備えている。この二次処理部は、反転処理部A2と塵埃捕捉部A3とで構成されている。
〔反転処理部〕
前記反転処理部A2は、図8に示すように、旋回除塵部A1から送り出される吸入流体の流れに交差して前記吸入流体の流動方向を中央部から放射方向に向けた後、外周部で前記流れの前方向きに反転させるように案内する碗状の二次曲面で構成された凹入湾曲面を有する金属製の衝突プレート8を備えている。
前記衝突プレート8は、その衝突プレート8の凹入湾曲面80で案内されて反転する吸入流体に残存している微細な被除去物のうちで、比較的質量の大きい塵埃や、衝突プレート8との衝突に際して多少の水分を含む微細な塵埃同士が結合し粒状に肥大化した塵埃等が中間仕切12に衝突し得る程度の間隔を隔てて、凹入湾曲面80の外周端縁81と中間仕切12との距離を設定して配設してある。
〔塵埃捕捉部〕
前記旋回除塵部A1を通過した気相流体は、前記反転処理部A2を経て、さらにその流動方向の下手側であるケーシング1内の上方へ移動する。
そして、ケーシング1の気相流体を、流路の広範囲に拡散させ、かつ、気相流体中に含まれる残りの塵埃をフィルターに接触させ易くするための金属製の格子状ルーバー4と、その気相流体中の塵埃と接触してさらに除去処理するための金属製フィルター5からなる塵埃捕捉部A3を設けてある。
金属製の格子状ルーバー4は、図9(イ)、(ロ)に示すように、吸入された気相流体に衝突してその気相流体の流動方向を、水平方向での前後または左右に変化させるように、鎧板と呼ばれる多数のスリットを形成した金属製のヨロイ状板材41によって衝突面を構成している。
この鎧板は、吸入流体の流動方向を変えながら通過させる多数のスリットを備えた金属製のヨロイ状板材41の複数枚(図示の例では3枚)を、流動方向の前方から順に90度づつ向きを変えながら、これらの複数枚のヨロイ状板材41をひとまとまりのものとして支持する外枠40との組合せで構成してある。
これらのヨロイ状板材41の夫々は、図9に示すように、金属製板材の板面を所定幅で一定方向に打ち出し成形して、その板面の全体にわたって多数のスリット状の通気孔42と、傾斜した衝突面となる打ち出し突片43とを形成したものである。
これらのヨロイ状板材41のうち、最も前面側に位置する最前段のヨロイ状板材41は、これらのヨロイ状板材41を前記外枠40と一体に成形されている。そして、次段のヨロイ状板材41が、その通気孔42の長手方向を前記最前段のヨロイ状板材41の通気孔42の方向に対して直交する状態に形成され、さらに、その次の段のヨロイ状板材41の通気孔42が直前のヨロイ状板材41の通気孔42に対してやはり直交するように形成されている。
このヨロイ状板材41の衝突面は、ヨロイ状板材41の板面41aと、そのヨロイ状板材41のスリットを形成するために打ち出された打ち出し突片43が備える斜め下向き面43aとで構成されている。
吸入流体は、これらの各面41a,43aに衝突し、このとき流体中に浮遊して運ばれる溶接スパッターなどの高熱の塵埃が残存していたとしても、その各面41a,43aとの衝突で流動方向での移動速度を低減され、失速して落下する、もしくは流動方向を変化させながら移動することになる。
図3及び図10に示すように、ケーシング1内において、反転処理部A2を通過した吸入流体の流れ方向では下手側となる上方位置には、その吸入流体中の塵埃をさらに除去処理するための金属製フィルター5からなる塵埃捕捉部A3を設けてある。
この塵埃捕捉部A3で吸入流体の吸引風路内に装備される金属製フィルター5は、図10,及び図11に示すように、ステンレス、あるいは真鍮などの薄紐状の素材からなるスパイラル金属線を渦巻き状に巻回して円柱状に形成したフィルター単位体50と、そのフィルター単位体50を個々に収容する平面視矩形の凹部52を備えたフィルター枠体51とで構成されている。
前記円柱状のフィルター単位体50の軸線方向(図10における線分P4で表される方向)での一端側が面するフィルター枠体51の各凹部底面のうち、前記矩形の凹部52と円柱状のフィルター単位体50周辺との間にできる空隙部分sに対向する凹部底面52aを無孔に形成し、前記無孔の空隙部分sを除く範囲の凹部底面52bに吸入流体の通過孔53を形成してある。
このように、スパイラル金属線を渦巻き状に巻回して円柱状に形成したフィルター単位体50と、フィルター枠体51の凹部に収容された円柱状のフィルター単位体50周辺との間にできる空隙部分sを無孔部分とし、その空隙部分sを除く範囲の凹部底面に吸入流体の通過孔53を形成したフィルター枠体51とを用いることによって、耐熱性、耐食性、及び再生機能面で優れた金属線を用いながら、機能的に優れたフィルター構造を構成することができ、吸着形式の布様フィルターを用いた場合に比べて、フィルター交換の手数を皆無、もしくは極端に少なくすることができる。
〔排気部〕
前記集塵捕捉部A3よりも流路下手側(ケーシング内では上側)に相当する最上部に、処理済みの吸入流体を排出するための排気部A4を設けてある。
この排気部A4は、ケーシング1の天井部に設けられた排気流路16と前記集塵捕捉部A3との間を仕切る上部仕切13に吸気孔を形成し、この吸気孔から上向きに吸い込んだ気体を上部の排気口11から排出するように、上下軸心周りで回転駆動される吸引ファン60と、その、吸引ファン60を駆動するための電動モータ61からなる起風手段6とを設置して構成されており、除塵処理部Aの処理経路Rに備えられた各装置に対して吸引力を作用させるように構成されている。
〔外部取り出し筒〕
前記外囲筒体3に形成された塵埃分離部31の下端側に連なる外部取り出し筒7は、図2及び図3に示すように、前記塵埃分離部31を構成する凹溝部分に連設された金属製の固定側筒部70と、その固定側筒部70に対して着脱自在に外嵌装着された合成樹脂材料からなる可撓性の延長筒部71とから構成されている。
前記延長筒部71は、前記固定側筒部70と、被除去物を貯留するための集塵部A5となる集塵用の容器の上部開口を閉塞するための蓋部72に立設された蓋側筒部73とにわたって設けられた蛇腹状のフレキシブルチューブによって構成され、この蛇腹状のフレキシブルチューブが前記蓋部72の高さを変更自在に構成するための位置調節用手段として機能している。
外部取り出し筒7の延長筒部71と連結される前記蓋側筒部73は、蓋部72の中心が外囲筒体3の中心に近づいて位置するように、つまり、蓋部72で被われる容器が外囲筒体3の下方に位置して平面視でケーシング1の外郭縁内に収まるように蓋部72の中心から偏した位置に立設されており、また、この蓋部72には、被除去物を貯留するための集塵部A5となる集塵用の容器Cのエアー抜き用の開口74も一体に構成されている。このエアー抜き用の開口74は、容器C内に可燃性ガス等が滞留することを避けられるように、容器C内を大気に開放して早期のうちにガスを抜くことができるようにしてある。
〔集塵部〕
外部取り出し筒7の下端に連結される集塵部A5は、ケーシング1の下端部に設けた載置台18上に設けた容器Cで構成されている。この容器Cは有底筒状のもので前記蓋部72で開口部分を閉塞できる大きさのものであれば、市販のペール缶などの任意の容器を用いることができ、可撓性の延長筒部71を屈撓させて脱着し、容器Cに付設の取っ手75を把持して容器Cを持ち運びすることができる。
〔吸い込み口具〕
吸入流体が供給される前記取り入れ口10に対しては、吸い込み口具9が着脱自在に連結されている。この吸い込み具9は、一般の掃除機で用いられているような、蛇腹状ホース9aと使用者が把持して操作するための支持筒9b、及びその先端側の吸い込みノズル9cを備えて構成される周知の構造のものである。
〔ケーシング〕
前記ケーシング1は、旋回除塵部A1の外囲筒体3を外部空間へ露呈させるように下部側が開放されていて、その四隅の支脚部分17の下端近くを繋ぐ状態で前記載置台18を備え、各支脚部分17の下端の夫々に移動手段としてのキャスター車輪19を装備させている。
また、ケーシング1の上部には、掃除機全体を移動させる際に押し引き操作するためのループ状の取っ手15を設けてある。
〔他の実施の形態〕
[1] 本発明の上述の実施の形態では、掃除機として可動タイプのものを例示したが、これに限らず、特定の装置の傍に据え置きタイプで設置して用いるものであってもよい。この場合には、吸い込み口具9を特定の装置の周りで使いやすい形状の吸い込みノズル9cにしたり、蛇腹状ホース9aを十分長くして巻き取り式にするなどの構成を併用してもよい。
また、据え置きタイプとする場合、支脚部分17のうち、外部取り出し口7の下端よりも下方側に相当する部分と、集塵部A5に相当する部分は別部材として構成してもよく、この場合、この別部材となる部位を除く部位だけを同一仕様の掃除機として製品化し、前記別部材に相当する部位は各種仕様の異なるオプションの製品としてもよい。
[2] 二次処理部の構造としては、上述の実施の形態に示すような、反転処理部A2と塵埃処理部A3の両方を設けたものに限らず、何れか一方のみを設ける、もしくは両方とも省略するものであっても良い。あるいは、全く別の形態の処理構造を採用する、もしくは、別の構造を前記の二次処理部の構造と組み合わせて用いるなどしてもよい。
特に、一般家庭用の掃除機として用いる場合のように、多量の液体を吸い込むような使用形態を想定しない構造とする場合には、二次処理部として反転処理部A2を用いる必要性が少なく、また塵埃捕捉部A3でも金属製のフィルターではなく、通気性のある多孔質材料や網目状フィルター等の濾材を用いてもよい。
[3] 導風筒体2としては、前述の実施の形態で示したような、筒状の第一案内作用部21Aと、下細り円錐状の第二案内作用部21Bとの組み合わせによる構造に限らず、全体が下細り円錐状に形成されたものであってもよい。
また、短絡用通気部23が設けられる上下方向の範囲は、第一案内作用部21A部分のみに限らず、第二案内作用部21B部分にも設けても良い。
前記短絡用通気部23が設けられる周方向での範囲と、取り入れ口10と対向する範囲に設けられる初期案内壁部分26との周方向での割合は、図4に示すような取り入れ口10と対向する範囲の1/4程度を初期案内壁部分26とし、残りを短絡用通気部23に設定するものに限らず、これよりも少ない範囲に設定して短絡用通気部23を設けるなど、任意に設定することが可能である。
さらに、導風筒体2と外囲筒体3との間に吸入流体を供給する前から、吸入流体に予め旋回作用を与えるようにすれば、前記短絡用通気部23を導風筒体2の全周に設けても構わない。
[4] 短絡用通気部23の具体構成としては、実施の形態で示したような、板状体24とスリット状の通気孔25とを用いる構造に限らず、例えば、単なる多数の小開孔や、網などで短絡用通気部23を構成してもよい。
[5] 外囲筒体3に設けられる塵埃分離部31は、前述の実施の形態で示したように周方向の1カ所に設けるものに限らず、2カ所、または3カ所以上の複数箇所に設けてもよい。
また、その形状も凹溝によって形成されるものに限らず、外囲筒体3の内面側にスリットや小開孔、網などの、塵埃が通過可能な構造を設け、かつ、その通過塵埃を下方の外部取り出し筒7に集める手段を設けるようにしたものであってもよい。
[6] 外囲筒体3と導風筒体2との間に導入される吸入流体の流入方向は、取り入れ口10の開口中心P1線が導風筒体2の外周縁に対する接線と一致するように、導風筒体2の中心P2から所定距離Lだけ偏して設定する構造に限らず、外囲筒体3と導風筒体2との間に問題なく旋回流が生じる程度であれば、前記所定距離Lから或る程度ずれて設定されていてもよく、また、適宜ガイド板などを用いて導入する吸入流体の流れ方向を制御する場合には、取り入れ口10の位置や方向は、前記所定距離Lや方向に囚われることなく任意に定めても良い。
[7] 外部取り出し筒7は、前記塵埃分離部31を構成する凹溝部分に連設された金属製の固定側筒部70のみによって構成されるものであってもよく、この場合、集塵部A5となる容器側、もしくはその蓋部材側に固定側筒部70を挿入可能な受け入れ孔を設けるなどして構成すればよい。
また、逆に、外部取り出し筒7を塵埃分離部31に連設された固定側筒部70と、延長筒部71と蓋部72との全体を一体に構成してもよく、また、蓋部を含めて集塵部A5となる容器の全体をも一体に構成してもよい。
[8] 外部取り出し筒7を、前記塵埃分離部31を構成する凹溝部分に連設された金属製の固定側筒部70と、その固定側筒部70に対して上下相対摺動自在に外嵌装着された金属製の延長筒部71とで二重筒状に構成し、外側の延長筒部71に蓋部72を一体に設けた構造であってもよい。また、外側の延長筒部71と蓋部72とを別部材で構成しても差し支えない。
[9] 前記旋回除塵部A1の導風筒体2と外囲筒体3筒軸芯の方向は、実施の形態に示したように上下鉛直方向に沿うものに限らず、水平横方向に沿うもの、あるいは傾斜姿勢のものであってもよく、要は、旋回流の外部から被除去物を除去し得る塵埃分離部を備え、その塵埃分離部で捕捉された被除去物を自重落下させて旋回流から取り出すことができる構造のものであればよい。
掃除機の全体を示す斜視図 掃除機の全体を示す左側面視での断面図 掃除機の全体を示す正面視での断面図 旋回除塵部を示す水平方向断面図 旋回除塵部を示す上下方向断面図 導風筒体部分を示す斜視図 旋回除塵部における旋回流の速度分布状態を示す説明図 反転処理部における衝突プレートの断面図 金属製ルーバーフィルターを示し、(イ)は一部切り欠き正面図、(ロ)は断面図 金属製フィルターを示す斜視図 金属製フィルターのフィルター枠を示す平面図 分級用サイクロンの寸法比を示す説明図
符号の説明
1 ケーシング
2 導風筒体
3 外囲筒体
4 金属製ルーバー
5 金属製フィルター
6 起風手段
7 外部取り出し筒
8 衝突プレート
9 吸い込み口具
10 取り入れ口
11 排出口
12 中間仕切
15 取っ手
17 支脚部分
18 載置台
19 キャスター車輪
20 筒状案内作用部
22 導入口
30 周方向案内面
31 塵埃分離部
A1 旋回除塵部
A2 反転処理部
A3 塵埃捕捉部
A4 排気部
A5 集塵部
R 処理経路

Claims (2)

  1. 吸い込み口具を介して取り入れ口から吸い込まれた吸入流体中の被除去物を除去して吸入流体は排気口から排出するように処理経路をケーシングの内部に備えた掃除機であって、
    前記処理経路に、取り入れ口から吸引導入された吸入流体をケーシング内で旋回流動させる旋回除塵部を設け、
    この旋回除塵部を、一端側に吸入流体の導入口を設け他端側に送出口を設けた導風筒体と、その導風筒体の外側で筒底部を前記導入口に対向する状態に位置させた有底筒状の外囲筒体とで構成し、
    内側の導風筒体と外側の外囲筒体との間に形成される円環状の旋回用流路で吸入流体の旋回流が生じるように、処理対象の吸入流体の導入方向を前記導風筒体の接線に沿う方向に設定するとともに、導風筒体内部の吸入流体を処理経路の下手側へ吸引排出する起風手段を備え、
    前記旋回除塵部において、前記旋回用流路の内側に位置する導風筒体の導入口よりも吸入流体流れ方向での上手側の周壁部分に、導風筒体の内部からの吸引作用で、旋回中の吸入流体の一部を前記導入口よりも上手側位置で吸い込むための短絡用通気部を形成するとともに、
    旋回用流路の外側に位置して吸入流体を旋回方向に案内する外囲筒体の一部に、旋回流の最外側に含まれる被除去物の旋回流外方側への飛び出しを許して旋回流から脱出させる塵埃分離部を形成し、
    この塵埃分離部で旋回流から脱出した被除去物を案内して自重落下させる外部取り出し筒を備え、外部取り出し筒から排出された被除去物を吸入流体の処理経路から外れた集塵部で貯留するように構成してある掃除機。
  2. 外部取り出し筒と集塵部とは、連通用ダクトを介して互いに連通連結、及び分離自在に構成してある請求項1記載の掃除機。

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