JP2005169347A - 除塵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置全体が大がかりなものとなることを回避しながら、効率の良い除塵を行うことのできる除塵装置を提供する。
【解決手段】 ケーシング1の内部に、吸い込んだ気相流体中の塵埃を除去処理するための処理経路Rを備えるとともに、この処理経路における気相流体の気流を生じさせる起風手段6を備え、気相流体の取り入れ口10及び排出口11よりも上方箇所における処理経路Rの途中から気相流体を自然排気状態で取り出し可能な排気通路と、この排気通路を除塵装置の運転中は閉じ運転終了状態で開放する開閉手段84と、前記排気通路を通って自然排気される気相流体中の残存処理物を除去するための除去手段80とから構成される自然排気処理装置8を備えた。
【選択図】 図12

Description

本発明は、工場で発生する微細粉塵やミスト、あるいは溶接ブースで発生する溶接ヒュームなど、各種作業機器周りで発生するオイルミストや油煙、溶接ヒュームのように、気体や蒸気中に何等かの微細混合物(以下、塵埃と総称する)を含んで、全体としては気相を呈する流体(以下、本明細書中では「気相流体」と呼称する。)を処理対象として、その気相流体中から塵埃を除去するための除塵装置において、運転終了後における排気を処理する排気処理装置を備えた除塵装置に関する。
この種の気相流体を処理する除塵装置としては、ケーシング内に気相流体の処理経路を形成し、その処理経路に、気相流体と衝突するバフラーや、気相流体と接触して気相流体中に含まれるオイルミストや溶接ヒュームなどを布様濾材からなるフィルターで捕捉するものは、下記の特許文献1に示されるように従来より知られている(例えば、特許文献1参照)が、除塵装置の運転終了後において気相流体の処理経路に残存する気相流体を処理する技術については何等示されていない。
登録実用新案第3006924号公報
このような特許文献1に示される技術によれば、気相流体がバフラーと衝突したり、ラビリンス状の流路を流れる際の布様濾材との接触によって、気相流体中の塵埃が捕集除去されるものであるが、気相流体中に多くの塵埃や油分が含まれる場合などには、次の問題がある。
つまり、気相流体の衝突ならびに接触による捕集では、気相流体中の塵埃除去精度を高めようとすると、早期のうちに濾材の目詰まりが生じやすくなるため、気相流体からの目標除去精度に達するまでに、長い経路で多段のバフラーや濾材を多数設ける必要が生じる。このため、装置の大型化を招く不都合や、濾材の交換に多くの手数を要するというメンテナンスの煩雑化を招き易いものであった。 また、この種の除塵装置では、起風手段によってケーシング内における処理対象の気相流体を強制流動させているものであるが、除塵装置の運転が終了するとケーシング内における気相流体も流動しなくなるので、その気相流体の一部が除塵装置のケーシング内に残存する可能性がある。
運転終了後の処理経路に多くの気相流体が残存していると、それが引火性の気体である場合には、次に運転を再開した際に溶接の火の粉を含む粉塵と接触して暴発し装置を損傷する原因となったり、また、残存気相流体が有害ガスや臭気の強いものである場合には、未処理のまま漏れ出すことによって周辺環境を劣化させるおそれがあって望ましくない。
このような問題を解決するには、除塵装置の運転終了後に残存気相流体を強制的に吸引排出する装置を別途設ければよいが、そのような専用装置を設けるためのコスト、スペースが必要となる問題がある。
本発明の目的は、除塵装置の気相流体処理経路における残存気体の処理を、強制的に吸引排出する大がかりな専用の装置を用いずに効率良く行うことができる除塵装置を提供することである。
上記目的を達成するために講じた本発明による除塵装置では、下記の技術手段を講じたものである。
〔請求項1にかかる発明〕
請求項1にかかる発明では、気相流体を吸い込む取り入れ口と処理済みの気相流体を排出する排出口とを備えたケーシングの内部に、吸い込んだ気相流体中の塵埃を除去処理するための処理経路を備えるとともに、この処理経路における気相流体の気流を生じさせる起風手段を備えた除塵装置において、
前記取り入れ口及び排出口よりも上方箇所における前記処理経路の途中から気相流体を自然排気状態で取り出し可能な排気通路と、この排気通路を除塵装置の運転中は閉じ運転終了状態で開放する開閉手段と、前記排気通路を通って自然排気される気相流体中の残存処理物を除去するための除去手段とから構成される自然排気処理装置を備えた点に特徴がある。
上記の技術手段を講じたことによる作用は次の通りである。
取り入れ口及び排出口よりも上方箇所における前記処理経路の途中から気相流体を自然排気状態で取り出し可能な排気通路と、この排気通路を除塵装置の運転中は閉じ運転終了状態で開放する開閉手段と、前記排気通路を通って自然排気される気相流体中の残存処理物を除去するための除去手段とから構成される自然排気処理装置を備えたものであるから、気相流体の処理経路を閉流路状態に維持し、運転終了後に処理経路を自然排気処理装置を介して開放する。
その結果、運転中には処理途中の気相流体が外部に漏れ出ることなく除塵装置内の処理経路で適切に処理され、運転終了後に、処理経路に残存する気相流体を外部へ自然排気し、自然排気中の気相流体から除去対象成分を活性炭などの処理剤を介して吸着除去することができる。
〔請求項2にかかる発明〕
請求項2にかかる発明では、請求項1にかかる発明の構成に加えて、気相流体の処理経路に、気相流体中の塵埃を除去する除塵処理部と、除塵処理部で塵埃を除去された気相流体を脱臭処理する脱臭処理部とを設けるとともに、
除塵処理部に対して吸引作用を付与し脱臭処理部に対しては除塵処理部での吸引風を送風する起風手段を設け、
前記起風手段が設けられた箇所よりも気相流体の流動方向での下手側箇所における処理経路の最上部から自然排気することが可能な自然排気処理装置を設けてあるという構成を備えた点に特徴がある。
上記の技術手段を講じたことによる作用は次の通りである。
運転中は、除塵部の上部出口から供給される除塵処理後の気相流体を、さらに脱臭処理して、脱臭部終端である下部から外部へ排出される。したがって、除塵作用とともに脱臭作用をも備えた脱臭機能付き除塵装置を得ることができる。
そして、運転終了後は、処理経路の最上部から自然排気して、請求項1の場合と同様な適切な排気処理を行うことができるものであるとともに、前記自然排気処理装置が、起風手段が設けられた箇所よりも気相流体の流動方向での下手側箇所における処理経路の最上部から自然排気するように設けられている。したがって、多くの脱臭処理剤が充填されていて通気抵抗も大きいことから、運転終了時点でより多くの気相流体が残存する可能性が高い脱臭部側の残存気相流体を効率よく自然排気することができる。
〔請求項3にかかる発明〕
請求項3にかかる発明では、請求項1にかかる発明の構成に加えて、除塵処理部に、取り入れ口から吸引導入された気相流体をケーシング内で旋回流動させる旋回除塵部を設け、
この旋回除塵部を、下端側に気相流体の導入口を有した導風筒体と、その導風筒体の外側に所定間隔を隔てて配設した円筒状の案内面を有する外囲筒体とから構成し、
内側の導風筒体と外側の外囲筒体との間に形成される円環状の旋回用流路に、前記導風筒体の接線に沿う方向で外部から処理対象の気相流体を供給するとともに、前記導風筒体の下端の導入口から処理経路の下手側へ吸引排出するようにして、導風筒体と外周壁との間で気相流体の旋回流が生じるように構成し、
前記旋回除塵部において、旋回流の外側に位置して気相流体を旋回方向に案内する外囲筒体の一部に、旋回流の最外側に含まれる質量の大きな塵埃の旋回流外方側への飛び出しを許して旋回流から脱落させる塵埃分離部を形成し、
旋回流の内側に位置する導風筒体の前記下端側の導入口よりも上方の周壁部分に、導風筒体の内部からの吸引作用で、旋回中の気相流体の一部を前記導入口よりも上方位置で吸い込むための短絡用通気部を形成してあるという構成を備えたことに特徴がある。
上記の技術手段を講じたことによる作用は次の通りである。
内側の導風筒体と外側の外囲筒体との間に外部から処理対象の気相流体を導入し、内側の導風筒体の内部からの吸引作用で、導風筒体と外囲筒体との間の気体に旋回力を与えるようにした旋回除塵部を備えている。
この旋回除塵部において、旋回流の外側に位置して旋回流を案内する外囲筒体の一部に、上下方向の凹溝を設けて、旋回流の最外側に多く含まれる質量の大きな塵埃を効率良く旋回流から脱落除去させることができる。
そして、塵埃の混入割合の少ない旋回流の内側(旋回中心側)では、導風筒体の下端側の導入口よりも上方の周壁部分に、導風筒体の内部からの吸引作用で、旋回流の一部を前記導入口よりも上方位置で吸い込むための短絡用通気部を形成して、旋回流が筒状体の下端の導入口に達する前から吸引導入を開始している。これは、旋回流に対する吸引面積を実質的に拡張していることになり、短絡用通気部なしで導風筒体を構成して下端の導入口のみから処理対象の気相流体を吸引導入する場合に比べて、吸引風の風速がこの部位で比較的低速となっている。
しかも、前記導風筒体に形成される短絡用通気部は、旋回流の旋回流軸線方向での速度分布状態にも影響を与えている。例えば、このような短絡用通気部がなく導風筒体の下端にだけ導入口がある下細りの筒状体を採用した場合と比べると、次のような相違がある。
つまり、旋回初期である導風筒体の上方位置付近では、導入された気相流体の全体が、導風筒体の外周面に対する接線に沿う方向での直進方向の動慣性を持って導入され、これが旋回方向に向きを変えるように案内されて旋回流となるのであるが、前記短絡用通気部がない構造の導風筒体では、旋回内側で旋回流の速度を低減させる要素としては、導風筒体外周壁との摩擦以外に特に何も存在しない。このため、外部から処理対象の気相流体を導入する取り入れ口流路部分の上下方向幅の中央付近で最大速度となる速度分布で、かつ導風筒体の外周面近くでも旋回速度の低下が少ない状態で全体として比較的高速での旋回が維持される傾向がある。したがって、導風筒体下端の導入口から処理経路の下手側へ気相流体を吸引して導き出す際に、導風筒体下端の導入口付近で所定の低速度にまで旋回流の速度を低下させてから吸引導出しようとすると、導風筒体の上下長さを十分に長くして、気相流体の旋回移動距離を十分に大きくする必要が生じる。
すなわち、旋回による遠心力では分離され難い微細な浮遊塵埃の多くが導風筒体下端の導入口から吸引導出されることを避けるように、吸引速度を極力低下させて吸引力を小さくすること、あるいは、導風筒体下端付近での旋回流の速度を極力低下させて塵埃の自重降下が効率よく生じるようにすることが望まれるのであるが、吸引速度を極端に低下させると処理能力が著しく低下し、旋回流の速度を十分に低下させるために気相流体の旋回移動距離を十分に長くすると、装置の大型化を招くという問題がある。
本発明では、このような問題を解決するために、前述のように、導風筒体の下端側の導入口とは別に、その導入口よりも上方の周壁部分に、導風筒体の内部からの吸引作用で、旋回流の一部を前記導入口よりも上方位置で吸い込むための多数の短絡用通気部を形成して、旋回流に対する吸引面積を実質的に拡張することによって、吸引速度の低下を図り、かつ、旋回流が筒状体の下端の導入口に達する前から吸引導入を開始して、この吸引導入作用が旋回流の内側での旋回抵抗として働くことにより、旋回流の内側での旋回速度を低減し、結果的に旋回流の旋回速度の減衰を早めている。
第1発明によれば、処理経路の途中から気相流体を自然排気状態で取り出し可能な排気通路と、この排気通路を除塵装置の運転中は閉じ運転終了状態で開放する開閉手段と、前記排気通路を通って自然排気される気相流体中の残存処理物を除去するための除去手段とから構成される自然排気処理装置を備えて、運転中は気相流体の処理経路を閉流路状態に維持し、運転終了後に処理経路を自然排気処理装置を介して開放することにより、運転中には処理途中の気相流体が外部に漏れ出ることなく除塵装置内の処理経路で適切に処理され、運転終了後に、処理経路に残存する気相流体を外部へ自然排気し、自然排気中の気相流体から除去対象成分を活性炭などの処理剤を介して吸着除去することができるので、残存気相流体の処理を、強制的に吸引排出する大がかりな専用の装置を用いずに効率良く行うことができる利点がある。
第2発明によれば、自然排気処理装置が、起風手段が設けられた箇所よりも気相流体の流動方向での下手側箇所における処理経路の最上部から自然排気するように設けられていることにより、多くの脱臭処理剤が充填されていて通気抵抗も大きいことから、運転終了時点でより多くの気相流体が残存する可能性が高い脱臭部側の残存気相流体を効率よく自然排気することができる利点がある。
第3発明によれば、導風筒体と外囲筒体との間の気相流体に旋回力を与えるようにした旋回除塵部において、旋回流の外側に位置して旋回流を案内する外囲筒体の一部に、上下方向の凹溝を設けて、旋回流の最外側に多く含まれている質量の大きな塵埃を効率良く旋回流から脱落除去させ、塵埃の混入割合の少ない旋回流の内側(旋回中心側)では、導風筒体の下端側の導入口よりも上方の周壁部分に、導風筒体の内部からの吸引作用で、旋回流の一部を前記導入口よりも上方位置で吸い込むための多数の短絡用通気部を形成して、旋回流に対する吸引面積を実質的に拡張することによって、吸引速度の低下を図り、かつ、旋回流が筒状体の下端の導入口に達する前から吸引導入を開始して、この吸引導入作用が旋回流の内側での旋回抵抗として働くことにより、旋回流の内側での旋回速度を低減し、結果的に旋回流の旋回速度の減衰を早めている。
これによって、旋回流の全体を考えると、旋回移動距離をあまり長くしなくても効率良く塵埃を除去するとともに、旋回速度の減衰を早めることができて、装置全体の小型化を図ることができる利点があり、このような小型化された除塵装置に好適な簡易な自然排気処理装置を提供することができるものである。
以下に、本発明の実施の形態を図面の記載に基づいて説明する。
〔除塵装置の全体構成〕
本発明の排気処理装置を備える除塵装置は、図1乃至図3に示すように、ケーシング1の内部に、取り入れ口10から気相流体を吸い込み、これを排出口11から排出するように、内部に気相流体の気流を生じさせるための起風手段6を備え、かつ、気相流体を通過させる途中で塵埃を除去処理する処理経路Rを備えたものである。
この除塵装置は、除塵処理部Aと脱臭処理部Bとの二種の処理部を組合せて脱臭機能付きの除塵装置に構成されている。
上記処理経路のうち、除塵処理部A内における処理経路R1には、取り入れ口10から吸引導入された気相流体をケーシング1内で旋回流動させる旋回除塵部A1と、この旋回除塵部A1での処理後の気相流体を、下方から上方の、気相流体流れ方向での下手側に送り、ここで気相流体を流路の広範囲に拡散させる拡散部A2と、さらに下手側で拡散された塵埃を捕捉する塵埃捕捉部A3と、これらの旋回除塵部A1と拡散部A2と塵埃捕捉部A3とに対して吸引力を作用させるように設けた排気部A4とが設けられている。そして、処理経路R1からの流下及び降下除去物を集める集塵部A5が除塵処理部Aにおけるケーシング1の底部に設けてある。
つまり、ケーシング1内の除塵処理部Aでは、最下層に前記処理経路R1で処理された気相流体から除去された塵埃、あるいは油分などを収集する集塵部A5が設けられており、この集塵部A5の上側に、前記処理経路R1における中間下層の旋回除塵部A1と、中間上層の拡散部A2と、上層の塵埃捕捉部A3とのそれぞれが区画形成され、さらに最上部に排気部A4が設けられ、これらが上下方向で層状に配設されている。
また、ケーシング1内の脱臭処理部Bでは、その処理経路R2内に、除塵処理部A側の排気部A4に設けた起風手段6を経て送出された除塵処理済みの気体を脱臭処理する脱臭剤収容部B1を備え、この脱臭剤収容部B1を通過した脱臭処理済みの気体をケーシング1外に排出する排出口11を設けてある。
上記の旋回除塵部A1及び拡散部A2は金属製のもので構成され、かつ塵埃捕捉部A3も金属製フィルターからなるものであり、これらが旋回除塵部A1の下方に配置した集塵部A5の上方に上下方向で並べて配置されていることにより、この除塵装置の運転中に気相流体中から脱落し除去される塵埃は、上層の装置部分から順次下層の装置部分を経て下降し、最下層の集塵部A5に捕捉される。
そして、除塵装置の運転を停止した場合も、ケーシング1内の金属製フィルターや金属製の拡散部A2、あるいは旋回除塵部A1に付着した油分等が、上層のものから順次下層の部分に流れ落ちて、最下層の集塵部A5に集められる。したがって、各フィルター部分や、拡散部A2部分、旋回除塵部A1等の、各装置部分毎に、塵埃や油分などの収集手段を設ける必要がなく、自然落下や自然流下を利用して、単一の集塵部A5に集めることができて、スペースの有効利用や、メンテナンス面でも簡便化を図ることができる。
〔旋回除塵部〕
図1乃至6に示すように、ケーシング1内の除塵処理部Aに設けられる旋回除塵部A1は、ケーシング1の一側面に設けた取り入れ口10から吸い込まれた気相流体を、ケーシング1内で旋回させるように構成してある。
つまり、ケーシング1内において、旋回除塵部A1が設けられる中間下層と、拡散部A2が設けられる中間上層とは、中間仕切12で区画されており、この中間仕切12の下方側空間に、下端側に導入口を有した導風筒体2と、その導風筒体2の外側に所定間隔を隔てて配設された外囲筒体3とで構成される前記旋回除塵部A1が設けられている。
そして、ケーシング1に形成される取り入れ口10は、その開口中心P1が、前記導風筒体2の付け根近くの外周面とほぼ一致する程度に、導風筒体2の中心P2からは正面視で所定距離Lだけ偏した位置に設定されている(図2及び図4参照)。
このように構成されていることにより、取り入れ口10から吸い込まれた気相流体は、導風筒体2の周りを旋回しながら徐々に旋回半径を狭めて、サイクロン除塵構造に似た旋回流動を行いながら、導風筒体2の内側に形成されている気相流体導入経路rを通って上層の拡散部A2へ送り込まれる。
〔導風筒体〕
図2及び図6に示すように、導風筒体2は、前記除塵処理部A内における処理経路で、外囲筒体3とともに気相流体の旋回を案内する筒状案内作用部20と、その内部で下端側の導入口22から気相流体を導入して上方の下手側経路に案内する気相流体導入経路rとを備えている。
前記筒状案内作用部20は、上部側に円筒形の上部案内作用部21Aを備え、下部側に下細り円錐形の下部案内作用部21Bを備えて構成され、この上部案内作用部21A部分の外周面に対して、ほぼ同レベルに位置する前記取り入れ口10から接線方向に気相流体が取り入れられるように、取り入れ口10と上部案内作用部21Aとの相対位置が設定されている。
この上部案内作用部21Aの周部には、旋回流の内側における気相流体の一部を導風筒体2の内方側から吸引して気相流体導入経路rに導入するように短絡用通気部23を形成してある。
短絡用通気部23は、導風筒体2の外側に形成される旋回流の移動方向での上手側が半径方向の内側に向き、下手側が外側に向く状態で併設された多数の板状体24によって、旋回流の軸線方向に沿うスリット状に形成された多数の通気孔25を備えている。各板状体24の夫々は扁平板状のものでもよいが、図4に示すように、断面視で多少の曲率を有した円弧状に形成され、突曲面を外側に向けて設けたものである方が、短絡用通気部23での案内作用面の全体が円弧に近くなり、より滑らかな案内を行えるので、旋回流の乱れを抑制する上では有効である。
そして、この短絡用通気部23は、導風筒体2の周方向での全周に形成されるのではなく、処理対象の気相流体を外部から取り入れるための取り入れ口10に対向する部位の所定範囲には、導風筒体2の無孔の周壁部分が取り込まれた気相流体に最初に接触して旋回方向への案内を開始するように構成された初期案内壁部分26が設けられていて、短絡用通気部23は、この無孔の初期案内壁部分26を除く範囲に形成してある。
つまり、図4に示す例では、図中の領域Iの範囲が処理対象の気相流体を外部から取り入れるための取り入れ口10に対向する部位に相当し、この所定範囲(1/4周程度)が無孔の上部案内作用部21Aを構成しているものであり、残りの領域II〜IVに相当する範囲(3/4周程度)が短絡用通気部23に構成されている。
このように構成された導風筒体2は、その上端に矩形の鍔状部分27を備えており、後述する外囲筒体3の上端に形成された中間仕切12に形成されている開口12Aに套嵌された状態で設けられるものである。
上記のように、旋回流の移動方向での上手側が半径方向の内側に向き、下手側が外側に向く状態で併設された多数の板状体24によって、導風筒体2に形成される短絡用通気部23を形成したことにより、旋回流の動慣性で気相流体が短絡用通気部23に入り込むことを板状体24で制限しながら、導風筒体2内部からの吸引作用で、導風筒体2の外表面近くの気相流体を吸引導出することができる。
また、旋回除塵部A1に外部から処理対象の気相流体を供給するための気相流体取り入れ口10に対向する部位の導風筒体2の周壁部分を、無孔の周壁に構成してあるので、気相流体取り入れ口10から接線方向で導入される気相流体が、導風筒体2の対向部分に多くの塵埃を含む未処理気相流体が直接的に衝突しても、その部位からは気相流体が取り込まれず、気相流体が旋回方向に向きを変更してから後に導風筒体2の内部に取り込まれることになる。
したがって、外部から接線方向で導入される気相流体の旋回方向への案内を良好に行うことができるとともに、外部から接線方向で導入される気相流体が、動慣性を持って直接的に導風筒体2の内部に侵入し大量の塵埃が導風筒体2の内部に入り込むというような事態を避けることができる。
〔外囲筒体〕
前記導風筒体2との間に旋回用流路を形成するように間隔を隔てて外囲筒体3が配設され、この外囲筒体3の一部に前記取り入れ口10が一体形成され、取り込まれた気相流体が外囲筒体3の内部を旋回しながら次第に下降して、前記導風筒体2の下端に形成されている導入口22から上方に吸い込まれ、その内部に形成されている気相流体導入経路rを経て、下手側流路に気相流体を導出するように構成されている。
この外囲筒体3は、前記導入筒体2とともに、旋回流の外側に位置して気相流体を旋回方向に案内する円弧状の周方向案内面30と、その周方向の2カ所に、旋回流の最外側に含まれる質量の大きな塵埃の旋回流外方側への飛び出しを許して旋回流から脱落させるための塵埃分離部31とを形成してある。
この塵埃分離部31は、旋回流の外側に位置する外囲筒体3の内周面に形成した上下方向に長い凹溝によって構成してあり、凹溝の上端は取り入れ口10の上縁近くのレベルに位置して、上方側は閉塞され、下端は外囲筒体3の底部よりもさらに下方に延びて、下端側が開放されている。
このように、塵埃分離部31を、旋回流の外側に位置する外囲筒体3の周方向での一部に形成された上下方向の凹溝によって構成したことにより、旋回流の最外側に含まれる質量の大きな塵埃の旋回流外方側への飛び出しを許して旋回流から脱落させるための構成と、その塵埃分離部31で捕捉した塵埃を下方の集塵部に案内するための構成とを、凹溝によって兼ねることができる。
したがって、例えば、旋回流の最外側に含まれる質量の大きな塵埃の旋回流外方側への飛び出しを許して旋回流から脱落させるための構成として、外囲筒体3の一部に多数の透孔、あるいは網状部分を設け、その外側にさらに大径の筒状体を套嵌して、旋回流の外部に飛び出した質量の大きな塵埃を下方に案内するようにした構造などに比べて、構成の簡素化を図ることができる。また、凹溝が外囲筒体3に形成されていることで、外囲筒体3にリブ状の部分が形成された状態となり、外囲筒体3の強度向上にも役立つ。
前記外囲筒体3の底部中央には、導風筒体2の下端の導入口22よりも少し大きい落下口32が形成され、導風筒体2側からの降下塵埃の通過を妨げないように構成されている。
外囲筒体3の上端側は、ケーシング1に固定の中間仕切12と一体連結され、この中間仕切12に形成された開口12Aに前記導風筒体2が上下方向で挿抜自在に内嵌されている。
〔旋回除塵部での除塵動作〕
上記の導風筒体2と外囲筒体3とを備えてなる旋回除塵部A1では、図7に示すように、旋回流からの塵埃の除去が行われる。
この図7では、最も左側に図7(イ)として図示する側面視での旋回除塵部A1の高さレベルに合わせて、気相流体の速度変化の状態を示している。
図7(ロ)は、取り入れ口10から導入された直後の直進状態の気相流体の速度分布を表す線図であり、これによれば、取り入れ口10の開口中心P1のレベルでの旋回速度が最大速度となり、その取り入れ口10の開口上縁レベルLuと、開口下縁レベルLdに至るほど、流路抵抗による速度低下を生じて、所謂管内流れの速度分布の傾向と同様の分布曲線となっている。
最も右端の図7(ニ)は、外形は本発明の導風筒体2と同様な導風筒体を用いてはいるが、短絡用通気部23を有していない導風筒体を用いた比較例の場合における気相流体の旋回流の速度分布状態を示している。この図7(ニ)中の符号aは、旋回流の最外側付近の速度分布曲線を示し、符号bは旋回流の最内側付近の速度分布曲線を示す。
この場合は、導風筒体2の上端レベルL1近くでもある程度の気相流体の流れが生じており、取り入れ口10の開口中心P1のレベルに近づくにつれて次第に旋回速度が増加し、やはり開口中心P1付近で最大速度となる。
その後、前記開口中心P1のレベルを越えてそこから遠ざかるに連れて次第に旋回径を縮小しながら徐々に旋回速度も低下し、導風筒体2の導入口22が存在する下端レベルL2で旋回流の最内側における気相流体が吸引導出され、残りの気相流体はさらに下降して、最後は速度零の状態、つまり旋回流が消滅してしまうものであるが、そのように消滅に至るまでに相当長い旋回移動距離を要する結果、旋回流の消滅までに必要とする旋回移動距離として長い上下長さを要することになる。
このため、旋回流が後述する集塵部A5の集塵受け皿14の受け面レベルL3にまで降下してきても収束せず、受け面上でも旋回を継続して、降下してきた塵埃が再び舞い上がるような事態が生じることがある。
これに比べて、図7(ハ)に示す本発明の構造では、スタート時点の上端レベルL1近くでの旋回流の速度は図7(ニ)の場合とほぼ同一であるが、旋回流の最内側の速度分布曲線bは、取り入れ口10の開口中心P1付近に至ってもあまり速度上昇していない。これは旋回流の内側から一部の気相流体が吸引導出され、これが旋回流に対する旋回内側での旋回抵抗として機能する結果、この最内側における気相流体の旋回速度はさほど上昇しない傾向にあることによるものと思われる。
そして、前記吸引導出の影響が比較的少ない最外側では、取り入れ口10の開口中心P1付近でかなりの速度上昇がみられるが、図7(ニ)の短絡用通気部23を備えていない構造と比較すると、やや少な目の速度である。これは、旋回流に対する旋回内側での旋回抵抗としての前記吸引導出の影響が、比較的少ないとはいえ旋回流の外側の旋回速度にも作用した結果によるものと思われ、これに伴って旋回流の旋回速度の減衰傾向は図7(ニ)の構造のものに比べてかなり早くなる。したがって、旋回流の旋回移動距離も比較的短くてよく、上下長さも短くてすむので、装置の小型化を図ることが可能となる。
〔拡散部〕
前記旋回除塵部A1を通過した気相流体は、さらにその流動方向の下手側であるケーシング1内の上方へ移動する。
そして、前記中間仕切12よりも上方位置に、導風筒体2で一旦ケーシング1の中央付近に寄せられた気相流体を、再度流路の広範囲に拡散させ、かつ、上昇移動する気相流体中に含まれる残りの塵埃を除去するための金属製ルーバー4からなる拡散部A2が設けられている。
この金属製ルーバー4は、図8(イ)、(ロ)に示すように、吸入された気相流体に衝突してその気相流体の流動方向を、水平方向での前後または左右に変化させるように、鎧板と呼ばれる多数のスリットを形成した金属製のヨロイ状板材41によって衝突面を構成している。
この鎧板は、気相流体の流動方向を変えながら通過させる多数のスリットを備えた金属製のヨロイ状板材41の複数枚(図示の例では3枚)を、流動方向の前方から順に90度づつ向きを変えながら、これらの複数枚のヨロイ状板材41をひとまとまりのものとして支持する外枠40との組合せで構成してある。
これらのヨロイ状板材41の夫々は、図8に示すように、金属製板材の板面を所定幅で一定方向に打ち出し成形して、その板面の全体にわたって多数のスリット状の通気孔42と、傾斜した衝突面となる打ち出し突片43とを形成したものである。
これらのヨロイ状板材41のうち、最も前面側に位置する最前段のヨロイ状板材41は、これらのヨロイ状板材41を前記外枠40と一体に成形されている。そして、次段のヨロイ状板材41が、その通気孔42の長手方向を前記最前段のヨロイ状板材41の通気孔42の方向に対して直交する状態に形成され、さらに、その次の段のヨロイ状板材41の通気孔42が直前のヨロイ状板材41の通気孔42に対してやはり直交するように形成されている。
このヨロイ状板材41の衝突面は、ヨロイ状板材41の板面41aと、そのヨロイ状板材41のスリットを形成するために打ち出された打ち出し突片43が備える斜め下向き面43aとで構成されている。
吸入気相流体は、これらの各面41a,43aに衝突し、このとき流体中に浮遊して運ばれる溶接スパッターなどの火の粉が残存していたとしても、その各面41a,43aとの衝突で流動方向での移動速度を低減され、失速して落下する、もしくは流動方向を変化させながら移動することになる。
〔塵埃捕捉部〕
図1,2及び図9に示すように、ケーシング1内において、拡散部A2を通過した気相流体の流れ方向では下手側となる上方位置には、その気相流体中の塵埃をさらに除去処理するための金属製フィルター5からなる塵埃捕捉部A3を設けてある。
この塵埃捕捉部A3で気相流体の吸引風路内に装備される金属製フィルター5は、図9,及び図10に示すように、ステンレス、あるいは真鍮などの薄紐状の素材からなるスパイラル金属線を渦巻き状に巻回して円柱状に形成したフィルター単位体50と、そのフィルター単位体50を個々に収容する平面視矩形の凹部52を備えたフィルター枠体51とで構成されている。
前記円柱状のフィルター単位体50の軸線方向(図9における線分P4で表される方向)での一端側が面するフィルター枠体51の各凹部底面のうち、前記矩形の凹部52と円柱状のフィルター単位体50周辺との間にできる空隙部分sに対向する凹部底面52aを無孔に形成し、前記無孔の空隙部分sを除く範囲の凹部底面52bに気相流体の通過孔53を形成してある。
このように、スパイラル金属線を渦巻き状に巻回して円柱状に形成したフィルター単位体50と、フィルター枠体51の凹部に収容された円柱状のフィルター単位体50周辺との間にできる空隙部分sを無孔部分とし、その空隙部分sを除く範囲の凹部底面に気相流体の通過孔53を形成したフィルター枠体51とを用いることによって、耐熱性、耐食性、及び再生機能面で優れた金属線を用いながら、機能的に優れたフィルター構造を構成することができ、吸着形式の布様フィルターを用いた場合に比べて、フィルター交換の手数を皆無、もしくは極端に少なくすることができる。
〔排気部〕
前記集塵捕捉部A3よりも流路下手側(ケーシング内では上側)に相当する最上部に、処理済みの気相流体を排出するための排気部A4を設けてある。
この排気部A4は、ケーシング1の天井部に設けられた排気兼送風流路16と前記集塵捕捉部A3との間を仕切る上部仕切13に吸気孔を形成し、この吸気孔から上向きに吸い込んだ気体を水平横方向へ排出するように、上下軸心周りで回転駆動される吸引ファン60と、その、吸引ファン60を駆動するための電動モータ61からなる起風手段6とを設置して構成されており、除塵処理部Aの処理経路R1に備えられた各装置に対して吸引力を作用させ、かつ、脱臭処理部Bの処理経路R2に備えられる各装置に対して送風作用を与えるように構成されている。
〔集塵部〕
図1,2に示すように、ケーシング1内の除塵処理部Aにおける最下層には、処理経路R1からの流下及び降下除去物を集める集塵部A5が設けられている。
この集塵部A5は、下部仕切を兼ねてケーシング1の底部近くに設けられた集塵受け皿14と、その集塵受け皿14の下側に配設される回収容器7とから構成されている。
前記集塵受け皿14は、ケーシング1の内壁部分に案内されて抜き差し自在に装着された枠付きの箱状体の底部に網状部14aを設けて液体の通過を許すように構成され、気相流体から分離された塵埃を受け止め、導風筒体2や外囲筒体3、ならびにケーシング内壁を伝って流下する油分などの液体が通過することを許すようにしてある。
前記回収容器7は、集塵受け皿14の下側で、通過した微細な塵埃や油分を貯留することのできる上部開放の箱状に形成されている。そして、この回収容器7の全体を、開閉自在に構成されたケーシング1の側部壁15を開放することで簡単に引き出すことができるように、ケーシング1の底部近くでスライド移動自在にケーシング1の内壁に支持させている。
このように構成された集塵部A5には、前記処理経路R1で処理された気相流体から除去された塵埃の降下除去物、あるいは、除塵装置の運転休止状態で、前記旋回除塵部A1、拡散部A2、塵埃捕捉部A3、及びケーシング内壁を伝って自然流下する油分などを収集するように構成されている。
〔脱臭処理部〕
脱臭処理部Bは、図1及び図2に示されるように、除塵処理部A内における処理経路R1の終端側に設けられた排気部A4の排気兼送風流路16の出口側に接続され、排出口11に至る処理経路R2に、脱臭剤を装備した脱臭剤収容部B1が設けられている。
この脱臭剤収容部B1は、すべての区画に単一種の脱臭剤を装填してもよいものではあるが、千差万別の臭いにも対応させられるように、各種の脱臭剤を装填可能な複数の脱臭剤収容区画室b1を備えており、前記導入口から入り込む気相流体が、上方から順に第1脱臭剤区画室b1、第2脱臭剤区画室b2、第3脱臭剤区画室b3、第4脱臭剤区画室b4を経て、下方の排出口11から排出されるように構成されている。
前記脱臭剤としては、ゼオライトや活性炭等、物理的吸着、化学的吸着、化学反応、生物分解等、各種の脱臭作用を発揮できる物質を用いることが考えられる。また、脱臭対象の気相流体の種類、あるいは特に脱臭したい臭気など、使用目的に応じて適宜選択すればよい。
〔自然排気処理装置〕
本発明の自然排気処理装置8は、上記のように構成された除塵装置に装備されるものであり、次のように構成されている。
自然排気処理装置8は、活性炭などの処理剤を収容する筒状本体80(除去手段の一例)と、その筒状本体80に除塵装置からの排気を導く排気管81と、排気管81の経路途中に設けた開閉弁84(開閉手段の一例)と、その開閉弁84よりも排気方向下流側箇所で排気管81部分を上流側と下流側とに分離及び接続自在な継ぎ手部87とを備えて構成されている。
筒状本体80は、図12に示すように、円筒状の筒部分80aと、上端の開口部に設けられた通気孔付きの蓋体80bと、筒部分の内底部に設けたフィルタ80cとで構成されており、筒部分80aに充填された粒状の活性炭Cで排気中の臭気や引火性物質などを吸着除去するように構成されている。
排気管81は、除塵装置の処理経路の最上部近く位置に接続した上流側管部分82と、その上流側管部分82に対して継ぎ手部87を介して着脱自在に接続される下流側管部分83とで構成されている。また、継ぎ手部87よりも上流側に位置する上流側管部分82には、排気管81内の排気通路を開閉することが可能な前記開閉弁84が設けてある。
前記開閉弁84は、図12に示すように、排気管81の上流側管部分82に位置して排気通路を開閉する弁体部分85とその弁体部分85を開閉操作するソレノイド86を用いた周知の電磁弁によって構成されていて、前記継ぎ手部87よりも排気通路の上流側に位置する上流側管部分82に配設されている。
そして、この開閉弁84は、除塵装置の作動を制御する制御装置によってその作動が制御されるように構成されている。
すなわち、除塵装置の運転が開始されると、これと同時に前記開閉弁84のソレノイド86が励磁され弁体部分85を閉塞側に操作し、排気管81を閉じて除塵装置内の気相流体の逃げ出しを抑止し、除塵装置の運転が終了すると開閉弁84のソレノイド86が弁体部分85を開放側に励磁して排気管81内の流路を開放し、除塵装置からの排気が、送風圧の作用していない自然排気状態で排出されるように構成されている。
ここでいう、除塵装置の運転とは、除塵装置に対する電源の断接、あるいは、送風装置の回転による気相流体処理経路の内部圧の高まりを検出するセンサ−からの検出信号の有無で判断するなど、適宜の手段によって判断すればよく、要は、除塵装置の稼動中における処理対象の気相流体の逃げ出しを抑止し、除塵装置が稼動していない時に気相流体の処理経路に残存する気相流体が自然排気状態で排気されるようにしたものであればよい。
継ぎ手部87は、図12乃至図14に示すように、上流側管部分82の上端部に設けたボールデテント部88と、下流側管部分83の下端部に設けた差し込み部89とで構成されている。
ボールデテント部88は、上流側管部分82に、その上端側に向けてコイルスプリング88Cにより弾性付勢して上下方向に相対移動移動自在に構成された環状操作体88Aを外嵌してあり、下流側管部分83の差し込み部89に設けた接続用凹入部89Aに前記ボールデテント部88の金属ボール88Bが入り込む状態で環状操作体88Aを位置させることによって、抜け止め状態に上下の管部分を接続することができ、環状操作体88Aをコイルスプリング88Cの付勢力に抗して下方に押し下げると、金属ボール88Bが上流側管部分82の半径方向外方側へ移行して下流側管部分83の接続用凹部89Aから抜け出すことを許すように構成してある。
〔他の実施の形態〕
[1] 本発明の上述の実施の形態では、除塵装置として、除塵処理部Aと脱臭処理部Bとの二種の処理部を組合せて構成した脱臭機能付きの除塵装置を示したが、除塵装置としては、このような脱臭機能付きのものである必要はなく、除塵機能だけを有したものであってもよい。また、脱臭処理部Bに代えて、除湿や加湿のように湿度調節機能などの他の機能を付加したものであってもよい。
[2] 導風筒体2としては、前述の実施の形態で示したような、筒状の上部案内作用部21Aと、下細り円錐状の下部案内作用部21Bとの組み合わせによる構造に限らず、全体が下細り円錐状に形成されたものであってもよい。
また、短絡用通気部23が設けられる上下方向の範囲は、上部案内作用部21A部分のみに限らず、下部案内作用部21B部分にも設けても良い。
前記短絡用通気部23が設けられる周方向での範囲と、取り入れ口10と対向する範囲に設けられる初期案内壁部分26との周方向での割合は、図4に示すような取り入れ口10と対向する範囲の1/4程度を初期案内壁部分26とし、残りを短絡用通気部23に設定するものに限らず、これよりも少ない範囲に設定して短絡用通気部23を設けるなど、任意に設定することが可能である。
さらに、導風筒体2と外囲筒体3との間に気相流体を供給する前から、気相流体に予め旋回作用を与えるようにすれば、前記短絡用通気部23を導風筒体2の全周に設けても構わない。
[3] 短絡用通気部23の具体構成としては、実施の形態で示したような、板状体24とスリット状の通気孔25とを用いる構造に限らず、例えば、単なる多数の小開孔や、網などで短絡用通気部23を構成してもよい。
[4] 外囲筒体3に設けられる塵埃分離部31は、前述の実施の形態で示したように周方向の2カ所に設けるものに限らず、1カ所、または3カ所以上の複数箇所に設けてもよい。
また、その形状も凹溝によって形成されるものに限らず、外囲筒体3の内面側にスリットや小開孔、網などの、塵埃が通過可能な構造を設け、かつ、その通過塵埃を下方の集塵部A5に集める手段を設けるようにしたものであってもよい。
[5] 図11に示すように、旋回除塵部A1では次のように構成してもよい。
すなわち、前述した実施の形態で示したように、導風筒体2と外囲筒体3との間で旋回流を生じさせる構成に加えて、外囲筒体3の内周壁面に水膜を形成するように、水を供給する給水手段を設けてもよい。
給水のための手段としては、適宜の構造を採用することが可能であるが、図11に示すように、円環状の給水管33を導風筒体2の上端部周囲に配置し、その給水管33に外部から導水管34を介して取り入れた水を、給水管33の下部に形成した多数の通水孔33aから、中間仕切12に形成の通水孔12aを通して、外囲筒体3の内周壁面側に水を供給できるように構成するとよい。この例では、旋回除塵部A1箇所を除く他の部位は前述した実施の形態と同様の構造なので、説明は省略する。
このような構成を採用して給水管33から供給された水は、導風筒体2と外囲筒体3との間で旋回する気相流体の旋回流の風圧を受けて、流下途中の水が旋回流の旋回方向に引きずられて旋回方向に移動しながら拡散され、外囲筒体3の内周壁面に水膜を形成することになる。
給水管33に形成する通水孔33a及び中間仕切12に形成される通水孔12aは、取り入れ口10の直上部や塵埃分離部31を構成する凹溝部分の直上部を避けて、周方向の多数箇所に、所望の水膜を形成するに適した量の水を供給できるように形成すればよく、特に水圧を掛けて供給する必要はなく、自然流下水の状態で供給するように構成すれば、無用な動力ロスを回避する上でも有効である。勿論、給水構造としては上述の構造に限らず、適宜任意の構成を採用することが可能である。
[6] 除塵装置に対する排気管81の接続位置は、除塵装置の気相流体処理経路の最上部であるのが望ましいが、必ずしも最上部であることにこだわらず、或る程度最上部よりも低い位置であっても差し支えない。
また、設置箇所も一箇所のみ限らず、複数箇所に設けてもよく、その際、除塵装置の高さの異なる箇所から排出するように構成してもよい。
[7] 自然排気処理装置8の筒状本体80に充填される処理用の充填剤としては、粒状の活性炭Cに限らず、排気中の臭気や引火性物質などを自然排気中に除去することが可能な適宜のものを採用することができ、各種のものを混在させて使用することも可能である。
[8] 開閉弁84としては、ソレノイド86を用いた電磁弁に限らず、電動モータや油圧、空気圧などで作動する任意の構成のものを採用することができる。継ぎ手部87としても、ボールデテント構造を採用したワンタッチ形式のものに限らず、単なるネジ接続などによる継ぎ手構造を採用してもよく、また、筒状本体80内の充填材をカセット式に交換できるように構成して、継ぎ手部87そのものを省略することも可能である。
除塵装置の全体を示す左側面視での断面図 除塵装置の全体を示す正面視での断面図 除塵装置の全体を示す背面視での断面図 旋回除塵部を示す水平方向断面図 旋回除塵部を示す上下方向断面図 導風筒体部分を示す斜視図 旋回除塵部における旋回流の速度分布状態を示す説明図 金属製ルーバーフィルターを示し、(イ)は一部切り欠き正面図、(ロ)は断面図 金属製フィルターを示す斜視図 金属製フィルターのフィルター枠を示す平面図 旋回除塵部の他の実施形態を示す上下方向断面図 自然排気処理装置を示す断面図 継ぎ手部の分離状態を示す斜視図 継ぎ手部の構造を示す断面図
符号の説明
1 ケーシング
2 導風筒体
3 外囲筒体
4 金属製ルーバー
5 金属製フィルター
6 起風手段
7 回収容器
8 自然排気処理装置
10 取り入れ口
11 排出口
12 中間仕切
13 上部仕切
14 下部仕切(集塵受け皿)
20 筒状案内作用部
22 導入口
30 周方向案内面
31 塵埃分離部
50 フィルター単位体
51 フィルター枠体
52 凹部
80 筒状本体
81 排気管
84 開閉弁
85 継ぎ手部
A 除塵処理部
B 脱臭処理部
A1 旋回除塵部
A2 拡散部
A3 塵埃捕捉部
A4 排気部
A5 集塵部
R1,R2 処理経路

Claims (3)

  1. 気相流体を吸い込む取り入れ口10と処理済みの気相流体を排出する排出口とを備えたケーシング1の内部に、吸い込んだ気相流体中の塵埃を除去処理するための処理経路Rを備えるとともに、この処理経路における気相流体の気流を生じさせる起風手段6を備えた除塵装置であって、
    前記取り入れ口及び排出口よりも上方箇所における前記処理経路の途中から気相流体を自然排気状態で取り出し可能な排気通路と、この排気通路を除塵装置の運転中は閉じ運転終了状態で開放する開閉手段と、前記排気通路を通って自然排気される気相流体中の残存処理物を除去するための除去手段とから構成される自然排気処理装置を備えた除塵装置。
  2. 気相流体の処理経路に、気相流体中の塵埃を除去する除塵処理部と、除塵処理部で塵埃を除去された気相流体を脱臭処理する脱臭処理部とを設けるとともに、
    除塵処理部に対して吸引作用を付与し脱臭処理部に対しては除塵処理部での吸引風を送風する起風手段を設け、
    前記起風手段が設けられた箇所よりも気相流体の流動方向での下手側箇所における処理経路の最上部から自然排気することが可能な自然排気処理装置を設けてある請求項1記載の除塵装置。
  3. 除塵処理部に、取り入れ口から吸引導入された気相流体をケーシング内で旋回流動させる旋回除塵部を設け、
    この旋回除塵部を、下端側に気相流体の導入口を有した導風筒体と、その導風筒体の外側に所定間隔を隔てて配設した円筒状の案内面を有する外囲筒体とから構成し、
    内側の導風筒体と外側の外囲筒体との間に形成される円環状の旋回用流路に、前記導風筒体の接線に沿う方向で外部から処理対象の気相流体を供給するとともに、前記導風筒体の下端の導入口から処理経路の下手側へ吸引排出するようにして、導風筒体と外周壁との間で気相流体の旋回流が生じるように構成し、
    前記旋回除塵部において、旋回流の外側に位置して気相流体を旋回方向に案内する外囲筒体の一部に、旋回流の最外側に含まれる質量の大きな塵埃の旋回流外方側への飛び出しを許して旋回流から脱落させる塵埃分離部を形成し、
    旋回流の内側に位置する導風筒体の前記下端側の導入口よりも上方の周壁部分に、導風筒体の内部からの吸引作用で、旋回中の気相流体の一部を前記導入口よりも上方位置で吸い込むための短絡用通気部を形成してある請求項1または2記載の除塵装置。

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DE112007000871B4 (de) * 2006-04-26 2017-01-05 Korea Institute Of Energy Research Modularisierter Hybrid-Staubabscheider

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