JP2005348707A - 寒天、及びそれを製造する方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】 2〜5℃の保管状態で、酸化還元電位を−400mVに60日間以上維持するゼリー状寒天の提供。
【解決手段】 浄化水20リットルに、水素ガス(純度99.97%)を、水素注入圧0.9MPa、放出圧0.02MPaで2.5分間吹き込んで製造した酸化還元電位が−615mV、pHが7.23、溶存水素量が1.20ppm、水温が10.3℃の加水素水495mLを、予めアルミパウチに注入しておいた粉寒天5gに注入し、シェイクし、口栓をして、アルミパウチを密封し、密封状態のまま、85℃で30分間温浴加熱して寒天を完全に溶解させる。
【選択図】 なし
【解決手段】 浄化水20リットルに、水素ガス(純度99.97%)を、水素注入圧0.9MPa、放出圧0.02MPaで2.5分間吹き込んで製造した酸化還元電位が−615mV、pHが7.23、溶存水素量が1.20ppm、水温が10.3℃の加水素水495mLを、予めアルミパウチに注入しておいた粉寒天5gに注入し、シェイクし、口栓をして、アルミパウチを密封し、密封状態のまま、85℃で30分間温浴加熱して寒天を完全に溶解させる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、酸化還元電位が少なくとも−400mVである水を構成成分として含有するゼリー状寒天、及びそれを製造する方法に関する。
本発明者は、酸化還元電位が−400mV以下の水を製造する方法、およびその酸化還元電位を維持する方法を開発し、一連の技術を特許出願した。さらに、食物繊維を含有する炭水化物の高次分子構造の空隙に、酸化還元電位が低い水を包摂したゲル状の機能性食品を開発し特許出願した。本発明は、本発明者が出願した前記技術のさらなる展開である。
これらの技術を開発した背景は、最近飲用水に対する関心が頓に高まってきているからである。この理由は、殺菌だけを第一義的に考えて処理されている水道水がまずいということと、人々の健康に対する志向が高くなっていることである。
これらの技術を開発した背景は、最近飲用水に対する関心が頓に高まってきているからである。この理由は、殺菌だけを第一義的に考えて処理されている水道水がまずいということと、人々の健康に対する志向が高くなっていることである。
それと共に水に関する科学的な研究も盛んになってきた。従来、水は、分子式H2Oで表される無色、無味、無臭、中性で、安定した物質であると考えられ、且つ、取り扱われてきた。然しながら、近年研究が深まるにつれて、水は単なるH2Oで表される単純な物質ではなく、水分子が幾つか集まった(H2O)nのような塊(クラスター)を形成しているのではないかと考えられるようになってきた。
そして、多種多様な手段で水を活性化してクラスターを小さくすることが考えられてきた。また、水の活性化の1つとして、水の酸化還元電位と、生体内反応も研究されるようになってきた。
生体内には種々の酸化還元系が存在し、またその中の多くは相互に共役して生体内酸化還元反応に関与している。生体内酸化還元系の酸化還元電位は、反応の自由エネルギー変化および平衡定数と直接に関係しており、これらの反応の方向を予言するのに役立つものである。
人体の臓器、或いは生体内反応の酸化還元反応は電位が低く、通常−100mV〜−400mVの範囲であり、そのpHは、3〜7の範囲である。体液の酸化還元電位が高くなると活性酸素が滞留し易く、器官に障害が出てくると云われている。特に、腸内微生物が活発に活動して栄養成分を消化吸収する腸内は、嫌気性の還元雰囲気に維持されている必要がある。
たとえば、生体内における、(酢酸+CO2+2H+/α−ケトグルタル酸反応)の酸化還元電位は−673mV、(酢酸+CO2/ピルビンル酸反応)の酸化還元電位は−699mV、(酢酸+2H+/アセトアルデヒド酸反応)の酸化還元電位は−581mV、フェレドキシンの酸化還元電位は−413mV、(キサンチン+H+/ヒポキサンチン+H2O)の酸化還元電位は−371mV、(尿酸+H+/キサンチン+H2O)の酸化還元電位は−360mV、(アセト酢酸+2H+/β−ヒドロキシ酪酸反応)の酸化還元電位は−346mV(シスチン+2H+/2システイン反応)の酸化還元電位は−340mVである。
このように生体内における酵素、補酵素、代謝関連物質の反応は、酸化還元電位が低い環境下にある。また、酸化還元電位が低い水、または食品は、身体を酸化させる活性酸素や、1個又はそれ以上の不対電子を有する分子或いは原子、即ち、フリーラジカルを分離、消去する作用があって、SOD(スーパーオキシドジムスターゼ)という活性酸素消去酵素の反応を促進させると云われている。
酸化還元反応を始めとする体内の代謝反応の場を提供しているのが、体液である。体液は生体のほぼ60%を占めている。体液は、水を中心として、電解質、タンパク質等を重要な構成要素としている。これが、酸化還元電位が低い水が生体内にとって有効な理由である。
ところで、水道水の酸化還元電位は+400〜+800mV、天然のミネラルウオーターや環境庁名水百撰に選定されているような湧水の酸化還元電位は+200mV〜0の範囲、pHが6.5〜8の範囲である。これらの水が、酸化還元電位において、酸化還元電位が−100mV〜−400mVの範囲の生体臓器とバランスがとれないと考えられる。
現在、酸化体と還元体の混合状態にある水、たとえば水道水の酸化還元電位をマイナスにする方法として、たとえば電気分解法、高周波電流印加法等幾つか提案されている。然しながら、いずれも酸化還元電位の値とpHのバランスが、生体内酸化還元反応の観点から、理想的な方法ではなかった。
本発明者が開発し、すでに特許出願した基本的な方法は、酸化体と還元体の混合状態にある水、たとえば水道水の酸化還元電位を、生体の臓器のそれ、すなわち、−400mV以下にする方法として、原料水を、シリカ系石英斑岩に金属を担持させた還元触媒と接触させながら、水素を吹き込む方法である。さらに、このような方法で製造した水をアルミパウチに充填することにより、酸化還元電位を少なくとも−400mV以下に、ほぼ30日間維持することができるとするものである。
しかしながら、本発明者が開発した製品の形態は水であるので、価格設定、流通、品質、酸化還元電位の長期間の維持等商品経済学、あるいはマーチャンダイジングの観点からは商品としての形態を改良する余地があった。
本発明が解決しようとする課題は、本発明者が開発した酸化還元電位が低い水に、価格設定、流通、品質、酸化還元電位の長期間の維持等商品経済学、あるいはマーチャンダイジングの観点から商品として有利な食品の形態にすることである。
本発明が解決しようとするより具体的な課題は、本発明者が開発した水の酸化還元電位を低く維持した状態で、高次分子構造の空隙に大量に包摂し、栄養や機能を備え、且つ価格設定、流通、品質等商品経済学、あるいはマーチャンダイジングの観点から有利な商品として商品の形態にすることである。
本発明者は、課題を解決する手段を策定するに当たって、以下のことを重点的に検討した。(1)開発すべき食品が、本発明者が開発した水の酸化還元電位を長期間低電位に維持するものであること。(2)外部加熱や、電子レンジにより加熱調理せずに、開封後直ちに食用に供することができるものであること。即ち、冷たいままで食べられること。同じく、(3)食品として何らかの機能をもつものであること。及び(4)新規に開発した食品ではなく、食品として各種法令を満足し、且つ日常常用されていて評価が定まった食品に応用すること。
本発明者が種々の観点から検討した結果、上記(1)を満足させるものとしては、食品が水溶液、即ち、分散媒体としての水に分散質としての食品を均一に分散したジュースや清涼飲料水ではなく、巨大分子構造の中にできるだけ大量の水を包摂したものでなければならないこと。同じく、上記(2)を満足させるには、いわゆる冷菓あるいはデザートとしても食用に供せられること。同じく、上記(3)を満足させるには、栄養はなくても、何らかの機能、たとえば食物繊維を豊富に含有する食品が好ましいこと。そして上記(4)を満足させるには、食材として煩雑な調理を必要とするものではなく、必要に応じて簡単な食味付け、香味付け、着色をしただけで、ほぼそのまま食用に供せられることが好ましいことが解明された。
そこで、本発明者は、上記(1)〜(4)のすべての要件を満足させる食品として、食物繊維を豊富に含有する寒天を検討した。
食物繊維とは、「人の消化酵素では消化されない、糖質の分子が大きな難消化性成分」である。日本では「五訂日本食品標準成分表」(1994年に改訂作業が始まり1997年3月に公表)において、従来は単に炭水化物のうちの「繊維」としていたものを「食物繊維」として独立させ、その「総量」「水溶性」「不溶性」を食物ごとに明示することになった。
食物繊維の主要成分は、炭水化物であり、その性質から植物ガム、粘質物(マンナン)、海藻多糖類・ペクチン・ヘミセルロースの一部などの「水溶性食物繊維」と、同じく海藻多糖類・ペクチン・ヘミセルロースの一部などの「不溶性食物繊維」とに大別される。
近年、食物繊維に関する研究が盛んになり、その機能性が解明されて、コレステロールの吸収抑制、摂取ナトリウムの体外排泄、糖質の消化吸収抑制、腸内有用細菌の増殖効果、便秘の改善、血圧の正常化等が報告されている。
なお、1989年に旧厚生省が発表したデータ「日本人の食物繊維摂取量の経年変化」によると、1960年は1日平均22g、1985年は17.3g、その後16gにまで減少しており、新たに「五訂日本人の栄養所要量」で策定した目標摂取量の1日20〜25gには相当不足している。従って、多様な食品形態にして積極的に摂取することが望まれている。
食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に大別されることは前述した通りである。不溶性食物繊維は、食物の精製過程で廃棄される部分に大量に含まれるので、それを大量に集めて加工、製品化することが行われている。主として、緬類やスナック菓子、クッキーやパンに添加されたり、蒲鉾などの練り製品にも利用されている。
本発明が解決しようとする課題は、前述したように、本発明者が開発した水の酸化還元電位を低く維持した状態で、高次分子構造の空隙に大量に包摂し、栄養や機能を備え、且つ価格設定、流通、品質、等商品経済学、あるいはマーチャンダイジングの観点から有利な商品として商品の形態にすることである。従って、本発明での使用に適した食物繊維は、水溶性食物繊維が好ましい。
水溶性食物繊維は、植物の分泌物や細胞質の中に水に溶解した状態で含まれる難消化性の物質で、ヌルヌルしたゲル状を呈し、有害成分などを包摂する吸着力が強い。食物の消化・吸収を緩慢にして血糖値の急な上昇を抑えたり、胆汁酸を吸着してコレステロールの産生を抑制したり、便秘を防止する機能がある。
寒天の原料は主にテングサ科(テングサ、オオブサ、オニクサ、オバクサなど)の海藻で、その粘性物質を浸出、冷却し、ゼリー状に固めたものを天然の寒気で凍結乾燥したものである。栄養成分としてはカルシウムと食物繊維が多いほかは期待できないが、この食物繊維が100グラム中80.9グラムと食品中最大含量である。
この食物繊維は、ナトリウムと結合して血圧を降下させる機能がある。また、腸内でコレステロールや胆汁酸の吸収を阻害するので、血液中や肝臓内のコレステロールを減少させ、動脈硬化、高コレステロール血症、虚血性、心臓病などの病気に対する予防効果もあることが報告されている。
本発明によりと、次のような効果が奏功される。
(1)請求項1に記載した発明により、本発明者が開発した酸化還元電位が−400mV以下の水を寒天の分散媒として使用することにより、冷菓あるいはデザート用食品形態にすることができるので、本発明者が開発した酸化還元電位が低い水を、価格設定、流通、品質、長期間の維持等商品経済学、あるいはマーチャンダイジングの観点から商品として有利な食品の形態にすることができる。
(1)請求項1に記載した発明により、本発明者が開発した酸化還元電位が−400mV以下の水を寒天の分散媒として使用することにより、冷菓あるいはデザート用食品形態にすることができるので、本発明者が開発した酸化還元電位が低い水を、価格設定、流通、品質、長期間の維持等商品経済学、あるいはマーチャンダイジングの観点から商品として有利な食品の形態にすることができる。
(2)請求項2に記載した発明により、寒天を、水との混合状態における標準使用量である1%使用することにより、−400mVの酸化還元電位を60日以上維持することができる。
(3)請求項3に記載した発明により、寒天を、水との混合状態における標準使用量である1%より30〜70%低くしても、−400mVの酸化還元電位を60日以上維持することができる。
(4)請求項4に記載した発明により、寒天を、水との混合状態における標準使用量である1%より50%高くしても、−400mVの酸化還元電位を60日以上維持することができる。
(5)請求項5に記載した発明により、本発明者が開発した酸化還元電位が−400mV以下の水を寒天の分散媒として使用することにより、0.3〜1.5%の寒天の使用量で、2〜5℃の冷蔵庫で保管し、酸化還元電位を60日以上維持できるゼリー状寒天にすることができるので、本発明者が開発した酸化還元電位が低い水を、価格設定、流通、品質、長期間の維持等商品経済学、あるいはマーチャンダイジングの観点から商品として有利な食品の形態にすることができる。
(6)請求項6に記載した発明により、所定の方法で処理した浄化水に寒天を溶解したゲル状生成物に、所定量の水素ガスを吹き込んで、ゲル状生成物の酸化還元電位を−400mV以下にするので、酸化還元電位を60日間以上維持できるゼリー状寒天を簡便に製造することができるので、価格設定、流通、品質、長期間の維持等商品経済学、あるいはマーチャンダイジングの観点から商品として有利な食品の形態にすることができる。
以下、発明の好ましい実施の形態を実施例及び比較例により具体的に説明する。
水と寒天とから成り、−400mVの酸化還元電位を2〜5℃の保管温度で少なくとも60日間以上維持するゼリー状寒天を製造する方法は2通りある。即ち、第1の方法は、本発明者が開発し特許出願した方法によって、酸化還元電位が−400mV以下の水を予め製造しておき、その水に寒天を溶解する方法である。(以下、この方法を「加水素水使用法」という)。第2の方法は、浄化水に寒天を溶解させておいてから所定の条件下で所定量の水素を吹き込む方法である(以下、この方法を「後水素注入法」という)。以下、加水素水使用法と、後水素注入法の利害得失を検証する。
[実施例1]
1.使用した測定装置
酸化還元電位測定:東亜ディーケーケー工業(株)製「ポータブルORP計RM−2」(商品名)単位:mV
PH測定:東亜ディーケーケー工業(株)「ポータブルpH計HM−2OP」(商品名)
粘度測定:RION製粘度計「VT−04F」(商品名)単位:ps
溶存水素量測定:東亜ディーケーケー工業(株)「DHD1−1型溶存水素計」単位:ppm、ppb
1.使用した測定装置
酸化還元電位測定:東亜ディーケーケー工業(株)製「ポータブルORP計RM−2」(商品名)単位:mV
PH測定:東亜ディーケーケー工業(株)「ポータブルpH計HM−2OP」(商品名)
粘度測定:RION製粘度計「VT−04F」(商品名)単位:ps
溶存水素量測定:東亜ディーケーケー工業(株)「DHD1−1型溶存水素計」単位:ppm、ppb
2.使用した寒天:
粉末寒天:井上清助商店販売 商品名「粉末かんてん」、標準分量:粉末かんてん4 gに対して水400g(1質量%)。
3.使用した水素ガス:岩谷ガス株式会社製の水素ガス(純度99.97%)
4.使用したアルミパウチ:ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/ナイロン/ポリエチレン(PET/AL/NY/PE)ラミネート製、130(幅)×180mm(高さ)、容量500mL、センターに口栓付きのもの。
粉末寒天:井上清助商店販売 商品名「粉末かんてん」、標準分量:粉末かんてん4 gに対して水400g(1質量%)。
3.使用した水素ガス:岩谷ガス株式会社製の水素ガス(純度99.97%)
4.使用したアルミパウチ:ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/ナイロン/ポリエチレン(PET/AL/NY/PE)ラミネート製、130(幅)×180mm(高さ)、容量500mL、センターに口栓付きのもの。
加水素水の製造
水温10.2℃の水道水20リットルを殺菌、脱塩素処理を施し、さらに精密濾過処理を施して不純物を除去して無味、無臭の浄化水を製造した。この浄化水を測定した結果、酸化還元電位が+250mV、pHが7.12、溶存水素量が2.1ppbであった。この浄化水20リットルに、水素ガス(純度99.97%)を、水素注入圧0.9MPa、放出圧0.02MPaで2.5分間吹き込んで、酸化還元電位が−615mV、pHが7.23、溶存水素量が1.20ppm、水温が10.3℃の加水素水を製造した。
水温10.2℃の水道水20リットルを殺菌、脱塩素処理を施し、さらに精密濾過処理を施して不純物を除去して無味、無臭の浄化水を製造した。この浄化水を測定した結果、酸化還元電位が+250mV、pHが7.12、溶存水素量が2.1ppbであった。この浄化水20リットルに、水素ガス(純度99.97%)を、水素注入圧0.9MPa、放出圧0.02MPaで2.5分間吹き込んで、酸化還元電位が−615mV、pHが7.23、溶存水素量が1.20ppm、水温が10.3℃の加水素水を製造した。
この加水素水を500mLアルミパウチに充填、口栓をして密封し、パウチの上部全幅(130mm幅)を切断して、パウチを完全に開放状態にして、2〜5℃の冷蔵庫に保管した。開放直後から酸化還元電位、pH、及び温度の経時変化を測定した。得た結果を表−1に記載した。
表−1の結果から、加水素水だけの場合は、開放後1日で−400mV以上になり、6日後には原料水の酸化還元電位に戻ることが明らかである。
次いで、粉末寒天5gを秤量し、予めアルミパウチに注入した。次いで、加水素水495mLを注入し、軽く5回シェイクし、口栓をして、アルミパウチを密封した密封状態のまま、85℃で30分間温浴加熱して寒天を完全に溶解させて、寒天1%溶液を製造した。次いで、15℃の水道水で30分間水冷した後、15℃の室温で24時間冷却して試料を製造した。同じ手法で3個の試料を作成した。
上述した方法によって製造した試料のパウチの上部全幅(130mm幅)を切断して、パウチを完全に開放状態にして、2〜5℃の冷蔵庫に保管した。開放直後の酸化還元電位は−593mV、pHは7.32、粘度は100ps、温度は8.0℃であった。
表−1に示したように、加水素水だけの場合は、開放後1日で−400mV以上になり、6日後には原料水の酸化還元電位に戻った。然しながら、この加水素水を媒体とした1%の寒天溶液の酸化還元電位が、60日経過後も−579mVを維持していることが理解される。
[実施例2〜9]
寒天の濃度を、0.30%(実施例2)、0.40%(実施例3)、0.50%(実施例4)、0.60%(実施例5)、0.70%(実施例6)、1.50%(実施例7)に変化させた以外には、実施例1と同じ手法を繰り返し、2〜5℃の冷蔵庫内て、それぞれの酸化還元電位が−400mV以上になるまでの時間(日)を測定した。その結果を表−3に記載する。
寒天の濃度を、0.30%(実施例2)、0.40%(実施例3)、0.50%(実施例4)、0.60%(実施例5)、0.70%(実施例6)、1.50%(実施例7)に変化させた以外には、実施例1と同じ手法を繰り返し、2〜5℃の冷蔵庫内て、それぞれの酸化還元電位が−400mV以上になるまでの時間(日)を測定した。その結果を表−3に記載する。
表−3の結果から、寒天の標準分量である1質量%より70%低い場合は、所要の酸化還元電位を60日間以上維持すること、60%低い場合は、所要の酸化還元電位を60日間以上維持すること、50%低い場合は、所要の酸化還元電位を60日間以上維持すること、40%低い場合は、所要の酸化還元電位を60日間以上維持すること、30%低い場合は、所要の酸化還元電位を60日間以上維持すること、逆に50%高くしても、酸化還元電位を60日間以上維持することが理解される。
[比較例1〜9]
寒天の濃度を、0.40%(比較例1)、0.60%(比較例2)、0.80%(比較例3)、1.00%(比較例4)、1.50%(比較例5)に変化させて、20℃の恒温室内で、実施例1と同じ手法を繰り返し、それぞれの酸化還元電位が−400mV以上になるまでの時間(日)を測定した。その結果を表−4に記載する。
寒天の濃度を、0.40%(比較例1)、0.60%(比較例2)、0.80%(比較例3)、1.00%(比較例4)、1.50%(比較例5)に変化させて、20℃の恒温室内で、実施例1と同じ手法を繰り返し、それぞれの酸化還元電位が−400mV以上になるまでの時間(日)を測定した。その結果を表−4に記載する。
表−4の結果から、保管は2〜5℃における低温環境下での保管が好ましいことが理解される。
[実施例10]
水温10.2℃の水道水20リットルを殺菌、脱塩素処理を施し、さらに精密濾過処理を施して不純物を除去して無味、無臭の浄化水を製造した。この浄化水を測定した結果、酸化還元電位が+250mV、pHが7.12、溶存水素量が2.1ppbであった。
次いで、この浄化水を500mLアルミパウチに注入した。
水温10.2℃の水道水20リットルを殺菌、脱塩素処理を施し、さらに精密濾過処理を施して不純物を除去して無味、無臭の浄化水を製造した。この浄化水を測定した結果、酸化還元電位が+250mV、pHが7.12、溶存水素量が2.1ppbであった。
次いで、この浄化水を500mLアルミパウチに注入した。
寒天の標準使用量は、1質量%である。従って、寒天5.05gを秤量し、前記500mLの浄化水が充填されているアルミパウチに注入して、よく攪拌して寒天エマルションを製造した。次いで、口栓をして、アルミパウチを5回シェイクし、アルミパウチを密封した。密封状態のまま、85℃で30分間温浴加熱して寒天を完全に溶解させて、寒天の1%溶液を製造した。次いで、15℃の水道水で30分間水冷した後、開封し水素ガス(純度99.97%)を、水素注入圧0.9MPa、放出圧0.02MPaで2.5分間吹き込こみ、密封後、15℃の室温で24時間冷却して試料を製造した。同じ手法で3個の試料を作成した。
上述した方法によって製造した試料のパウチの上部全幅(130mm幅)を切断して、パウチを完全に開放状態にして、2〜5℃の冷蔵庫に保管した。開放直後の酸化還元電位は−565mV、pHは6.88、粘度は110ps、温度は9.2℃であった。
次いで、この試料の酸化還元電位、pH及び温度の経時変化を測定したところ、表−2に記載したとほぼ同じ結果を得た。
[実施例11〜18]
さらに、寒天の濃度を、0.30%(実施例11)、0.40%(実施例12)、0.60%(実施例13)、0.80%(実施例14)、1.00%(実施例15)、1.25%(実施例16)、1.50%(実施例17)、2.00%(実施例18)に変化させた以外には、実施例2〜9と同じ手法を繰り返し、2〜5℃の冷蔵庫内で、それぞれの酸化還元電位が−400mV以上になるまでの時間(日)を測定したところ、表−3に記載したとほぼ同じ結果を得た。
さらに、寒天の濃度を、0.30%(実施例11)、0.40%(実施例12)、0.60%(実施例13)、0.80%(実施例14)、1.00%(実施例15)、1.25%(実施例16)、1.50%(実施例17)、2.00%(実施例18)に変化させた以外には、実施例2〜9と同じ手法を繰り返し、2〜5℃の冷蔵庫内で、それぞれの酸化還元電位が−400mV以上になるまでの時間(日)を測定したところ、表−3に記載したとほぼ同じ結果を得た。
考察
以上の結果から、下記の事実が推断される。
1.製造した加水素水を2〜5℃の冷蔵庫に保管し開放した場合は1日で−400mVを切り、6日後には+200mV以上になる。
以上の結果から、下記の事実が推断される。
1.製造した加水素水を2〜5℃の冷蔵庫に保管し開放した場合は1日で−400mVを切り、6日後には+200mV以上になる。
2.寒天の常水に対する標準使用量は1%である。然しながら、常水に代え、酸化還元電位が約−600mV以下の加水素水を使用した場合、寒天の標準分量である1.0%より70%低くしても所要の酸化還元電位を60日間以上維持する。逆に50%高くしても、酸化還元電位を60日間以上維持することが理解される。
3.酸化還元電位が−615mVの加水素水単独で、2〜5℃の冷蔵庫に保管した場合、−400mVを切るまでの時間は1日である。
4.酸化還元電位が−615mVの加水素水495gに寒天5gを溶解させ、2〜5℃の冷蔵庫に保管した場合、−400mVを切るまでの時間は60日以上である。
5.加水素水単独、或いは加水素水に溶解させた寒天の場合でも、酸化還元電位を所要の値に維持するには、2〜5℃の冷蔵庫による保管が有利である。
6.酸化還元電位が−400mV以下の水を予め製造しておき、その水に寒天を溶解する方法、即ち、「加水素水使用法」も、浄化水に寒天を溶解させておいてから所定の条件下で所定量の水素を吹き込む、いわゆる「後水素注入法」も、ほぼ同じ効果を得ることができる。従って、製造しようとする商品の種類、販売方法、貯蔵期間、消費サイクル等具体的なマーチャンダイジングによりいずれかを選択することが有利である。
Claims (6)
- 水を構成成分として含有し、酸化還元電位が少なくとも−400mVである寒天。
- 寒天の使用量が、水との混合状態における標準使用量である1%である請求項1に記載した寒天。
- 寒天の使用量が、水との混合状態における標準使用量である1%より30〜70%低い請求項1に記載した寒天。
- 寒天の使用量が、水との混合状態における標準使用量である1%より50%高い請求項1に記載した寒天。
- (1)還元体と酸化体とから成る原料水を所定の方法で処理して浄化水とし、所定量の水素ガスを吹き込んで酸化還元電位が約−600mV以下の加水素水を予め製造する工程と、
(2)前記工程で製造した加水素水に寒天を溶解してゲル状生成物を製造する工程と、
(3)前記工程で製造したゲル状生成物をアルミパウチに充填する工程とを含むゼリー状寒天を製造する方法。 - (1)所定の方法で処理した浄化水に寒天を溶解してゲル状生成物を製造する工程と、
(2)前記工程で製造したゲル状生成物に、所定量の水素ガスを吹き込んで酸化還元電位を約−600mV以下のゲル状生成物を製造する工程と、
(3)前記工程で製造した酸化還元電位が約−600mV以下のゲル状生成物をアルミパウチに充填する工程とを含むゼリー状寒天を製造する方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009165459A (ja) * | 2007-12-19 | 2009-07-30 | Shinwa Kogyo Kk | 水素ガス及び窒素ガスの混合体を食品に溶存させる方法及びその装置並びに水素ガスと窒素ガスを溶存させて成る食品 |
JP2019098235A (ja) * | 2017-11-30 | 2019-06-24 | 株式会社 伊藤園 | 水素ガス保持剤、水素ガス含有組成物およびその製造方法 |
JP2020138201A (ja) * | 2017-11-30 | 2020-09-03 | 株式会社 伊藤園 | 水素ガス保持剤、水素ガス含有組成物およびその製造方法 |
-
2004
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