JP2005348536A5 - - Google Patents

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サーボ制御装置および調整方法
本発明は、工作機械などを駆動するサーボモータのサーボ制御装置であり,特にサーボモータの移動方向反転時に生じる応答誤差の調整に関する。
従来のサーボモータの移動方向反転時に生じる応答誤差の調整装置は、工作機械などを駆動するサーボモータに対し,指定した円弧半径および送り速度にて円弧補間を行い,位置指令とサーボモータまたは,機械の位置から応答誤差を算出し,前記応答誤差と予め設定された閾値とを比較し,前記応答誤差が閾値以上であった場合は,移動方向反転時に前記サーボモータへの指令トルクに前記応答誤差が減じるように補正トルクを付加する(例えば、特許文献1参照)。
図10は,従来技術を示すサーボ調整装置と工作機械の送り軸を制御するサーボ制御装置のブロック図である。
図10において,401は,加工プログラムを解析し,円弧半径や送り速度などを分配部に指令する解析部,402は,円弧補間を行なう制御軸に対し,前記解析部から入力された円弧半径や送り速度に従って位置指令を分配する分配部,403および409は,分配部から位置指令を入力し,前記位置指令にモータ位置を追従するようにサーボモータを制御するX軸およびY軸のモータ制御部,404および410は,移動方向反転時に生じる応答誤差を低減するために付加する補正トルクを算出するX軸およびY軸のトルク補正部,405および411は,工作機械のX軸およびY軸を駆動するX軸およびY軸サーボモータ,406および412は,前記X軸およびY軸モータの位置を検出するX軸およびY軸位置検出器,407は,X軸およびY軸によって駆動されるテーブル,408および413は,X軸およびY軸モータによって駆動されるボールネジ,414はX軸およびY軸による移動軌跡を求める2軸信号合成器,415は,前記2軸信号合成器によって算出された移動軌跡を表示する軌跡表示装置である。
図11は,従来技術におけるサーボ調整のフローチャートである。まず,プログラムを解析し,指令された円弧半径および送り速度に応じてX軸およびY軸モータを駆動する(ステップ1)。次に,位置検出器によってX軸およびY軸モータの位置を検出するとともに,X軸およびY軸による移動軌跡を作成する(ステップ2)。次に,指令位置と実際のモータ位置から応答誤差および補正トルクの更新を判別する閾値(ε0)を演算する(ステップ3)。次に,応答誤差と閾値(ε0)を比較し,応答誤差が閾値より大きいか否かを判別する(ステップ4)。ここで応答誤差がマイナス値,すなわち食い込みの場合を考慮し,−ε0≦応答誤差≦ε0として判定される。−ε0≦応答誤差≦ε0と判定された場合は,処理を終了し,判別条件が不満足の場合は,ステップ5に移行する。−ε0≦応答誤差≦ε0と判定されなかった場合,応答誤差を減じるように補正トルクを演算し,モータの移動方向反転時に行なうトルク補正値を更新する(ステップ5)。そして再びテスプログラムを実行する。その再,モータの移動方向反転時にステップ5にて更新した補正トルクを各軸のモータ制御部にて指令トルクを補正する。以降,ステップ1〜ステップ5までを繰り返し実行し,−ε0≦応答誤差≦ε0となるまで補正トルクの更新が行なわれる。
特許第3478946号公報(第3−5頁、図1)
従来のサーボモータの移動方向反転時に生じる応答誤差の調整装置では、円弧半径および送り速度が固定されたテストプログラムのみで調整を行なうため,実際のプログラムの実行時において,任意の円弧半径および任意の送り速度,または,直線にて曲線形状を近似したプログラムなどでサーボモータの移動方向反転した場合の応答誤差は,−ε0≦応答誤差≦ε0となる保障がない。
そのような場合,円弧半径および,送り速度毎に調整を行ない,補正トルクをテーブル化してプログラムに応じた補正トルク選択することが必要であり,任意の円弧半径および任意の送り速度でトルク補正を行なうためには,調整に多くの時間を要するという問題があった。また,従来の発明では,基本的に円弧プログラムをトルク補正の対象としているため円弧半径情報のない直線にて曲線形状を近似したプログラムではトルク補正自体が行なえないなどの問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、任意の円弧半径および速度にて適切な応答誤差補正を行なうと共に,円弧および直線等のプログラム指令形態によらず調整することができるサーボ制御装置および調整方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明は、指定した円弧半径と送り速度の加工プログラムを解析する解析手段と,円弧補間で移動する少なくとも2軸のサーボ制御装置に対し,移動指令を出力する分配手段と,位置制御ループと積分制御手段を有した速度制御ループを有するサーボ制御手段と,サーボモータあるいは機械の位置を検出する位置検出手段とで成り、位置指令に追従して動作する工作機械の送り軸を駆動するサーボ制御装置において,上位システムから与えられる調整条件により調整パラメータを選択する調整条件判定部と、選択された前記調整パラメータに応じて積分ゲインを補正する積分ゲイン補正部と、サーボモータの移動方向反転時に生じる応答誤差を算出する応答誤差演算手段とを有し,積分ゲイン補正部は、移動方向反転に相当する補正開始時刻を発生する補正切替器と、応答誤差に応じてパラメータを調整するパラメータ調整部と、パラメータと補正開始時刻により速度制御ループの積分ゲイン補正を実行する積分ゲイン補正実行部で構成され、あらかじめ決められた複数の送り速度に対応して、円弧補間で移動させ、補正時刻から一定時間の間、速度制御ループ積分ゲインを時間関数で補正して,応答誤差の絶対値があらかじめ設定した応答誤差閾値以下になるまで時間関数の係数を変化させて繰り返し、係数を決定するようにしたものである。
請求項2記載の本発明は、請求項1記載のサーボ制御装置において、複数の送り速度は、あらかじめ決められた最高送り速度、最低送り速度、中間送り速度であるようにしたものである。
請求項3記載の本発明は、請求項1記載のサーボ制御装置において、時間関数は二次関数であるようにしたものである。
請求項4記載の本発明は、請求項3記載のサーボ制御装置において、二次関数の係数は、最低積分ゲインと最高積分ゲインと応答誤差補正ゲインで決定されるようにしたものである。
請求項5記載の本発明は、請求項4記載のサーボ制御装置において、最高積分ゲインを最高送り速度で、最低積分ゲインを最低送り速度で、応答誤差補正ゲインを中間送り速度で決定するようにしたものである。
請求項6記載の本発明は、請求項1記載のサーボ制御装置において、補正切替器は実際の位置を推定する位置推定器と移動量をカウントする移動量カウンタと位置の方向反転時刻を決定する補正判別部により構成されるようにしたものである。
請求項7記載の本発明は、請求項3記載のサーボ制御装置において、前記二次関数は、次式であることを特徴とするものである。
(t)=(K is −2・K ・K ie +K ie )t +2(K ・K is −K is )t+K is
ここで K (t)は応答誤差補正時速度ループ積分ゲイン、K is は応答誤差補正開始時積分ゲイン、K ie は応答誤差補正終了時積分ゲイン、K は応答誤差補正調整ゲインである。
請求項8記載の本発明は、位置指令に追従するサーボ制御装置の調整方法において、調整を行なう制御軸,最高送り速度と最低送る速度,円弧半径,応答誤差閾値などの条件設定を行なうステップと,プログラムを解析し,指令された円弧半径および送り速度に応じてモータを駆動するステップと,位置検出器によってモータの位置を検出し、一定期間トレースするステップと,トレースしたモータ位置データから応答誤差を演算するステップと,応答誤差が閾値範囲内か否かを判別するステップと,閾値範囲内ではないと判別された場合,応答誤差を減じるように速度ループの積分ゲイン補正演算を行なうステップと、補正演算された積分ゲインを有効にしてプログラムを実行し,応答誤差が閾値以内となるまで,積分ゲイン補正演算を繰り返し行なうステップと、閾値以内になったときの補正値を記憶するステップという手順で補正値を決定するようにしたものである。
本発明によると、複数の送り速度にて調整を行い,また,移動時間の関数で速度制御ループ積分ゲインを補正するため,任意の円弧半径および送り速度,また,プログラム形態に関係なく適切な応答誤差補正を行なうことができる。
以下、本発明のサーボ制御装置の具体的実施例について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明のサーボ制御装置の構成を示すブロック図である。図1において,101は,サーボ調整を行なう最大速度,および最低速度,円弧半径等の調整条件を設定する調整条件設定部,102は,加工プログラムを解析し,円弧半径や送り速度などを分配部に指令する解析部,103は,円弧補間を行なう制御軸に対し,前記解析部から入力された円弧半径や送り速度に従って位置指令を分配する分配部,104,および110は,分配部から位置指令を入力し,前記位置指令にモータ位置を追従するようにサーボモータを制御するX軸およびY軸のモータ制御部,105および111は,移動方向反転時に生じる応答誤差を低減するために速度ループの積分ゲインの補正を行なうX軸およびY軸の積分ゲイン補正部,106および112は,工作機械のX軸およびY軸を駆動するX軸およびY軸サーボモータ,107および113は,前記X軸およびY軸モータの位置を検出するX軸およびY軸位置検出器,108は,X軸およびY軸によって駆動されるテーブル,109および114は,X軸およびY軸モータによって駆動されるボールネジ,115はX軸およびY軸による移動軌跡を求め,サーボモータの移動方向反転時の応答誤差を演算する応答誤差演算器,116は,前記応答誤差演算器によって演算された応答誤差を表示出力することでオペレータに現在の応答誤差を明示する応答誤差表示装置である。
図2は,図1のモータ制御部および積分ゲイン補正部のブロック図である。説明を簡単にするため,図2では,X軸のみ図示しているが,Y軸についても同様のブロック図である。図2において,201は,位置指令とサーボモータに取り付けられた検出器からの位置フィードバック信号を用いて,速度指令を作成する位置制御器,202は,速度指令に対し,サーボモータに取り付けられた検出器を基に作成した速度フィードバック信号を用いてトルク指令を作成する速度制御器,203は速度指令と速度フィードバックの偏差を積算する積分器,204は前記積分器203の出力に乗算する速度ループ積分ゲイン,205は,前記積分器203に積分ゲイン204を乗算した結果と速度フィードバックの偏差に対し乗算する速度ループ比例ゲイン,206は,トルク指令に対し実際にモータを駆動する電流を制御する電流制御部,207は,サーボ制御装置によって制御されるサーボモータ,208は,サーボモータ207,または,機械に取り付けられた位置検出器,209は,移動方向切替時に積分ゲイン205の補正のON/OFFを制御する補正切替器である。
また,補正切替部209において,210は,位置制御の遅れを推定する位置制御推定器であり,前記位置制御の遅れとは,主に位置ループゲインKpの逆数として与えられる遅れである。211は,前記移動方向切替判別器で移動方向の切替を検出した後の移動距離測定を行うカウンタ,212は,位置制御推定器210の出力から,移動方向が切替ったか否かを判別し,さらに移動量カウンタ211の値を基に,積分ゲイン補正のON/OFFを制御する補正判別器である。
補正判定部では,位置制御推定器210の出力が正またはゼロから負,あるいは負またはゼロから正に切替ったことを判別したら積分ゲイン補正を開始し,移動量カウンタ211が所定値以上になった場合に積分ゲイン補正を終了する。
213は,前記補正判別部の判定結果に従って前記速度ループ積分ゲイン204の補正を行なう積分ゲイン補正実行部,214は,前記調整条件設定部によって設定された条件から調整するパラメータを選択して調整するパラメータ調整部,215は,現在のパラメータ調整値を一時的に記憶する調整パラメータ記憶部である。
次に,積分ゲイン補正実行部にて行なわれる積分ゲイン補正について説明する。
積分ゲイン補正を終了するための移動量カウンタ211の所定値を一定とした場合,移動速度が高速の場合は,移動方向切替えからの移動距離の増加が速く積分ゲイン補正を実行している時間が少ない。移動速度が低速になるほど移動距離の増加が遅くなるため,補正実行時間が長くなる。
速度ループ積分ゲインを補正実行時間の関数で上昇させることによって,高速では速度ループ積分ゲインが比較的小さく,低速では,速度ループ積分ゲインを大きくすることができる。そのため,速度に応じた応答誤差補正が可能となる。
速度ループ積分ゲインは式(1)に従って補正する。式(1)は時間についての2次関数である。
(t)=(Kis−2・K・Kie+Kie)t+2(K・Kis−Kis)t+Kis
・・・(1)
ここで K(t) :応答誤差補正時速度ループ積分ゲイン
is :応答誤差補正開始時積分ゲイン
ie :応答誤差補正終了時積分ゲイン
:応答誤差補正調整ゲイン
速度ループ積分ゲインの上昇例を図9に示す。図9および式(1)において,補正開始時点で速度ループ積分ゲインを応答誤差補正開始時積分ゲイン(Kis)に切替える。補正開始時に速度ループ積分ゲインにオフセットを与えることによって,送り速度が高い領域において,補正効果が高くなる。
また,応答誤差補正調整ゲイン(K1)は,補正区間途中の速度ループ積分ゲインを調整する効果がある。これは,送り速度が中間送り速度から低速度領域において,補正効果を調整する。なお,前記応答誤差補正調整ゲイン(K1)を大きくあるいは小さくすることによって,補正区間の途中で応答誤差補正終了時積分ゲインあるいは前記応答誤差補正開始時積分ゲインを超えてしまう場合は,前記応答誤差補正終了時積分ゲインあるいは前記応答誤差補正開始時積分ゲインにてクランプしている。
図3は,本発明のサーボ調整のフローチャートである。まず,調整を行なう制御軸,最高送り速度と最低送り速度,および円弧半径,応答誤差閾値等の調整条件設定を行なう(ステップ1)。ここで最高送り速度は,必ずしも調整条件で設定する必要はなく,機械としての動作最高速度を指定しても良い。次に,プログラムを解析し,指令された円弧半径および送り速度に応じてX軸およびY軸モータを駆動する(ステップ2)。なお,送り速度の初期値は最高送り速度として,最初に最高送り速度の調整を行なう。次に,位置検出器によってX軸およびY軸モータの位置検出を開始するとともに,X軸およびY軸も位置データを少なくとも1周円以上の一定期間トレースする(ステップ3)。次に,トレースしたモータ位置データから応答誤差を演算する(ステップ4)。応答誤差の算出方法について以下に示す。
ステップ3においてトレースされた位置データからX軸およびY軸の各軸での最大値(Xmax,Ymax)および最小値(Xmin,Ymin)を検出し,X軸およびY軸中心座標(X0,Y0)および平均半径(R)を以下の式(2)によって求める。なお,中心座標および平均半径は,必ずしも計算によって求める必要はなく,オペレータによって入力しても良い。
X0=(Xmax+Xmin)/2
Y0=(Ymax+Ymin)/2
R=((Xmax−Xmin)/2+(Ymax−Ymin)/2)/2
・・・(2)
そして,中心座標および平均半径を用いて,同一時刻にトレースされた各軸の任意の位置データ(Xr,Yr)に対し,以下の式(3)によって応答誤差(εr)を算出する。
εt=√((Xr−X0)2+(Yr−Y0)2)−R ・・・(3)
次に,応答誤差と閾値(ε0min,ε0max)を比較し,応答誤差が閾値範囲内か否かを判別する(ステップ5)。移動方向反転時の応答誤差の抽出は,X軸およびY軸位置データを基にX軸を横軸,Y軸を縦軸とした座標上の角度(θr)を式(4)によって求め,象限の切替り(0度,90度,180度,270度)を検出する。ただし,式(4)による象限切替りは,実際の位置データによる計算のため,実験的には,象限切替り角度±5度の範囲内を移動方向切替り領域としての応答誤差をモータの移動方向反転時の応答誤差とする。
θ=(360/2π)・tan−1((Yr−Y0)/(Xr−X0)) ・・・(4)
なお,式(4)は,第1象限における計算式であり,第2〜第4象限では,XrおよびYrの符号に従って以下の補正を行なう必要がある。
第2,3象限
θ=180+(360/2π)・tan−1((Yr−Y0)/(Xr−X0))
第4象限
θ=360+(360/2π)・tan−1((Yr−Y0)/(Xr−X0))
ε0min≦応答誤差≦ε0maxと判定された場合は,ステップ10に移行し,ε0min≦応答誤差≦ε0maxと判定されなかった場合,ステップ6に移行する(ステップ5)。ステップ6にて調整限界か否かを判定した後,調整限界でなかった場合は,ステップ7に移行し,調整限界と判定された場合は,ステップ9に移行する。調整限界でなかった場合は,応答誤差を減じるように積分ゲイン補正を実行するように調整パラメータ演算が行なわれ,内部に記憶する(ステップ7)。ここで,調整限界とは,調整パラメータに設定できる上下限値を超えた場合や,調整パラメータを変更しても応答誤差が変化せず,応答誤差の絶対値が最小の場合である。次に積分ゲイン補正を有効とし(ステップ8),そして再びステップ2のテストプログラムを実行する。テストプログラム実行中,モータの移動方向反転時にステップ7にて演算した調整パラメータによって各軸のモータ制御部の速度ループ積分ゲインが補正される。以降,ステップ2〜ステップ8までを繰り返し実行し,ε0min≦応答誤差≦ε0maxとなるまで積分ゲイン補正のパラメータ調整が行なわれる。なお,ステップ6にて調整限界と判定された場合は,調整パラメータを最も応答誤差の絶対値が小さいパラメータに設定する(ステップ9)。
ステップ5にてε0min≦応答誤差≦ε0maxと判定された場合や,ステップ6にて調整限界と判定された場合は,調整完了フラグをセットする(ステップ10)。調整完了フラグをセットする処理のフローチャートを図5に示す。
図5において,現在,最高送り速度で調整している場合は,高速域調整完了フラグをONし,現在,最低送り速度で調整している場合は,低速域調整完了フラグをONし,現在,最高送り速度と最低送り速度の中間速度で調整している場合は,中速域調整完了フラグをONする。
次に,全速度で調整が完了したかを判別する。判別には,ステップ10にてセットされた調整完了フラグを用いる。高速域,低速域および中速域の全ての調整完了フラグがONしている場合,全速度で調整が完了したと判別される(ステップ11)。全速度で調整が完了していない場合,テストプログラムを変更する(ステップ12)。
テストプログラム変更処理のフローチャートを示す。図4において,低速域調整完了か否かの判別を行い,低速域調整が完了している場合は,中間送り速度用テストプログラムを選択し,低速度調整が完了していない場合は,低速度用テストプログラムを選択する。ここで低速度は,ステップ1に設定された最低送り速度であり,中間送り速度とは,最高速度と最低送り速度との中間の速度である。
そして再度ステップ2から調整を実行し,高速域,低速域,中速域の順で積分ゲイン補正のためのパラメータ調整を行なう。
次に,各々の調整速度域におけるパラメータ調整について説明する。補正開始時に速度ループ積分ゲインにオフセットを与えることによって,送り速度が高い領域において,補正効果が高くなるため,高速域の調整は,式(1)の応答誤差補正開始時積分ゲイン(Kis)を調整する。応答誤差補正開始時積分ゲインは,大きくすると応答誤差がプラス値の場合,応答誤差が低減するが,大きくし過ぎると応答誤差がマイナス値となり,食い込みになってしまう。調整したパラメータによる応答誤差と前回調整値による応答誤差を比較しながら,パラメータを調整する。応答誤差補正開始時積分ゲイン調整の初期設定は,応答誤差補正を行なわない場合(移動方向切替り領域以外)の積分ゲインとし,調整は,現在の積分ゲインの10%の刻み幅で徐々に大きくしていく。
低速域の調整は,式(1)の応答誤差補正終了時積分ゲイン(Kie)を調整する。応答誤差補正終了時積分ゲインは,補正時間が長くなるほど補正効果が高くなる。したがって送り速度が低い領域において,補正効果が高くなる。応答誤差補正終了時積分ゲインを大きくすると応答誤差がプラス値の場合,応答誤差が低減し,小さくすると応答誤差の食い込み量を低減する。調整したパラメータによる応答誤差と前回調整値による応答誤差を比較しながら,パラメータを調整する。応答誤差補正終了時積分ゲイン調整の初期設定は,応答誤差補正開始時積分ゲインとし,応答誤差がプラス値の場合は,現在の積分ゲインの10%の刻み幅で徐々に大きくし,マイナス値の場合は,10%の刻み幅で徐々に小さくしていく。
中速域の調整は,式(1)の応答誤差補正調整ゲイン(K1)を調整する。前述のように応答誤差補正調整ゲインは,補正区間途中の速度ループ積分ゲインを調整する効果があり,送り速度が中間送り速度から低速度領域において,補正効果を調整する。応答誤差補正調整ゲイン大きくすると応答誤差がプラス値の場合,応答誤差が低減し,小さくすると応答誤差の食い込み量を低減する。調整したパラメータによる応答誤差と前回調整値による応答誤差を比較しながら,パラメータを調整する。応答誤差補正調整ゲイン調整の初期設定は,50%とし,応答誤差がプラス値の場合は,現在の積分ゲインの10%の刻み幅で徐々に大きくし,マイナス値の場合は,10%の刻み幅で徐々に小さくしていく。
図6は積分ゲイン補正調整パラメータを演算するフローチャートである。高速域の調整が完了していない場合は最大速度時調整プログラムを実行しKisを調整し、高速域の調整が完了したら、次に低速域の調整をする。低速域の調整では、図4のテストプログラム変更処理にて切替えられた最低速度時調整用プログラムによりKieを調整する。低速域調整が完了したら、次に中速域の調整をする。中速域の調整では、同様に図4のテストプログラム変更処理にて切替えられた中間速度時調整用プログラムによりk1を調整する。図7はKisの調整を示すフローチャートである。象限突起量が最大突起閾値よりも大きい場合は象限突起量を低減するためにKisを10%ずつアップさせる。また、象限突起量が最小突起閾値よりも小さい場合はKisを10%ずつダウンする。図8はKieの調整を示すフローチャートである。象限突起量が最大突起閾値よりも大きい場合は、象限突起量を減少させるためにKieを10%ずつアップする。また、象限突起量が最小突起閾値よりも小さい場合はKieを10%ずつダウンする。
本発明の方法を適用するサーボ調整装置の構成を示すブロック図 本発明の方法を適用するサーボ調整装置のモータ制御部および積分ゲイン補正部構成を示すブロック図 本発明の方法の処理手順を示すフローチャート 本発明のテストプログラム変更処理を示すフローチャート 本発明の調整完了フラグをセットするフローチャート 本発明の積分ゲイン補正調整パラメータを演算するフローチャート 本発明のKisの調整を示すフローチャート 本発明のKieの調整を示すフローチャート 速度ループ積分ゲインの上昇例を示す図 従来のサーボ制御装置を示すブロック図 従来のサーボ制御装置の調整を示すフローチャート
符号の説明
101 調整条件設定部
102 解析部
103 分配部
104,110 モータ制御部(X,Y軸)
105,111 積分ゲイン補正部(X,Y軸)
106,112 モータ(X,Y軸)
107,113 検出器(X,Y軸)
108:テーブル
109,114 ボールネジ(X,Y軸)
115 応答誤差演算器
116 応答誤差表示装置
201 位置制御部
202 速度制御器
203 積分器
204 積分ゲイン
205 速度制御ゲイン
206 電流制御部
207 モータ
208 検出器
209 補正切替器
210 位置推定器
211 移動量カウンタ
212 補正判別部
213 積分ゲイン補正実行部
214 パラメータ調整部
215 調整パラメータ記憶部

Claims (8)

  1. 指定した円弧半径と送り速度の加工プログラムを解析する解析手段と,円弧補間で移動する少なくとも2軸のサーボ制御装置に対し,移動指令を出力する分配手段と,位置制御ループと積分制御手段を有した速度制御ループを有するサーボ制御手段と,サーボモータあるいは機械の位置を検出する位置検出手段とで成り、位置指令に追従して動作する工作機械の送り軸を駆動するサーボ制御装置において,
    上位システムから与えられる調整条件により調整パラメータを選択する調整条件判定部と、
    選択された前記調整パラメータに応じて積分ゲインを補正する積分ゲイン補正部と
    サーボモータの移動方向反転時に生じる応答誤差を算出する応答誤差演算手段とを有し,
    前記積分ゲイン補正部は、移動方向反転に相当する補正開始時刻を発生する補正切替器と、前記応答誤差に応じてパラメータを調整するパラメータ調整部と、前記パラメータと前記補正開始時刻により速度制御ループの積分ゲイン補正を実行する積分ゲイン補正実行部で構成され、
    あらかじめ決められた複数の送り速度に対応して、円弧補間で移動させ、前記補正時刻から一定時間の間、前記速度制御ループ積分ゲインを時間関数で補正して,前記応答誤差の絶対値があらかじめ設定した応答誤差閾値以下になるまで前記時間関数の係数を変化させて繰り返し、前記係数を決定することを特徴とするサーボ制御装置。
  2. 前記複数の送り速度は、あらかじめ決められた最高送り速度、最低送り速度、中間送り速度であることを特徴とする請求項1記載のサーボ制御装置。
  3. 前記時間関数は二次関数であることを特徴とする請求項1記載のサーボ制御装置。
  4. 前記二次関数の係数は、最低積分ゲインと最高積分ゲインと応答誤差補正ゲインで決定されることを特徴とする請求項3記載のサーボ制御装置。
  5. 前記最高積分ゲインを前記最高送り速度で、前記最低積分ゲインを最低送り速度で、応答誤差補正ゲインを前記中間送り速度で決定することを特徴とする請求項3記載のサーボ制御装置。
  6. 前記補正切替器は実際の位置を推定する位置推定器と移動量をカウントする移動量カウンタと位置の方向反転時刻を決定する補正判別部により構成されることを特徴とする請求項1記載のサーボ制御装置。
  7. 前記二次関数は、次式であることを特徴とする請求項3記載のサーボ制御装置。
    (t)=(K is −2・K ・K ie +K ie )t +2(K ・K is −K is )t+K is
    ここで K (t)は応答誤差補正時速度ループ積分ゲイン、K is は応答誤差補正開始時積分ゲイン、K ie は応答誤差補正終了時積分ゲイン、K は応答誤差補正調整ゲインである。
  8. 位置指令に追従するサーボ制御装置の調整方法において、
    調整を行なう制御軸,最高送り速度と最低送る速度,円弧半径,応答誤差閾値などの条件設定を行なうステップと,
    プログラムを解析し,指令された円弧半径および送り速度に応じてモータを駆動するステップと,
    位置検出器によってモータの位置を検出し、一定期間トレースするステップと,
    トレースしたモータ位置データから応答誤差を演算するステップと,
    応答誤差が閾値範囲内か否かを判別するステップと,
    閾値範囲内ではないと判別された場合,応答誤差を減じるように速度ループの積分ゲイン補正演算を行なうステップと、
    補正演算された積分ゲインを有効にしてプログラムを実行し,応答誤差が閾値以内となるまで,積分ゲイン補正演算を繰り返し行なうステップと、
    閾値以内になったときの補正値を記憶するステップ、
    という手順で補正値を決定することを特徴とするサーボ制御装置の調整方法。
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