JP2005348509A - 海底長尺体の固定金具及び海底長尺体の布設方法 - Google Patents

海底長尺体の固定金具及び海底長尺体の布設方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 主海底長尺体と従海底長尺体の結束に要する作業時間を短縮できると共に、結束力の均一化を図ることが可能な海底長尺体の固定金具及び海底長尺体の布設方法を提する。
【解決手段】 布設の主体を成す主海底長尺体101に従海底長尺体102を結束して海底に布設するために用いられる固定金具1は、大径部14A、小径部14B及び連結部を有する1本の連続したS字状線状体14と、大径部11A、小径部11B及び連結部を有し、S字状線状体14とは左右対称な形状を有する逆S字状線状体11とを有しており、これらのS字状線状体14と逆S字状線状体11が連結部で結合され、連結部を支点として開閉自在に設けられている。S字状線状体14の大径部14A、逆S字状線状体11の大径部11A、及びスプリングバンド15は、主海底長尺体101を保持する本体保持部31を形成する一方、S字状線状体14の小径部14B及び逆S字状線状体11の小径部11Bは、従海底長尺体102を保持する保持部32を形成するようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、海底長尺体の固定金具及び海底長尺体の布設方法に関し、特に、主海底長尺体と従海底長尺体の結束に要する作業時間を短縮できると共に、結束力の均一化を図ることが可能な海底長尺体の固定金具及び海底長尺体の布設方法に関する。
例えば、離島で人が生活する場合、電気と水の確保が重要であると共に、外部との通信手段も不可欠である。そこで、通信や送電のためのケーブル等と送水管等の布設工事を同時に実施し、工事期間の短縮及び工事費の低減を図ることが考えられている。
従来、海底送水管等の主海底長尺体と光複合海底ケーブル等の従海底長尺体を同時に布設する場合、主海底長尺体と従海底長尺体をあるインターバル(例えば、15m)でクリート等の固定金具や、ロープ等の結束材を用いて固縛する等の方法により固定していた。
図8は、従来の海底長尺体の布設方法を示す。同図中、(a)は、固定治具を用いた固定方法を示し、(b)は、結束材を用いた固定方法を示し、(c)は、サポート材と結束材を用いた固定方法を示す。
図8の(a)は、主海底長尺体101と従海底長尺体102とを、クリート等の固定治具103で一定距離毎に固定し、主海底長尺体101と従海底長尺体102を同時に沈降させながら海底に布設していた。クリート固定治具103は、両側にボルト孔があるフランジを設けた円弧状クリートを、半割で、上下対称からなる一対の金具であり、従海底長尺体102用の小さいサイズの103a,103bと主海底長尺体101用の大きいサイズの103c,103dである。金具103bと金具103cは溶接などで一体化され固定される。
固定治具103の装着方法は、まず、主海底長尺体101に金具103c,103dを両側から取り付け、両端をボルト107で締結する。次に、金具103bの内側に従海底長尺体102を載せ、従海底長尺体102を覆うように金具103aを被せ、金具103a,103bをボルト107で締結する。主海底長尺体101と従海底長尺体102を固定金具103に装着したら、金具103bと金具103c同士を溶接で一体化し固定する。
固定金具103a,103dは、所定距離毎に取り付けられる。
図8の(b)は、主海底長尺体101に従海底長尺体102を添わせた後、結束材としてのロープ104により主海底長尺体101と従海底長尺体102を結束し固縛する方法である。
図8の(c)は、鋼材等のサポート材105に主海底長尺体101を結束材のロープ106で結束すると共に、従海底長尺体102を別のロープ106で同じサポート材105に結束し固縛する方法である。
そして、ラッシングワイヤの結束材を、両海底長尺体の海底ケーブル及び送水管にラッシングマシンによって巻き付け、海底ケーブルと送水管を一括結束して布設する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
更に、浮体と海中体の間のロープにケーブル類を添わせ、ケーブル類を固定具のクリップでロープに固定すると共に、ロープには常に張力が一定に保たれるようにし、浮体が波により上下動するのをテイクアップ装置によって吸収する構成の海中支持装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特公昭63−62970号公報(図1、図2) 実公昭50−2393号公報(図1、図2)
しかし、従来の海底長尺体の布設方法及び固定金具によれば、取り付けはボルトで固定する多数の固定治具や、ロープ等の多数の結束材で固縛する方法であるため、主海底長尺体と従海底長尺体を結束する結束作業に多くの時間がかかり、効率が悪かった。また、結束作業は、人手により行われるため、結束箇所の全てにおいて均一で同程度の結束力を得ることは困難であり、結束力が弱い場合には緩んで海底長尺体が脱落したり、逆に結束力が強すぎると布設対象の海底長尺体に損傷を与えるなどの可能性があった。更に、特許文献1のようにラッシングマシンを用いた場合、設備費、工事費及び材料費が増大する。
本発明の目的は、主海底長尺体と従海底長尺体の結束に要する作業時間を短縮できると共に、結束力の均一化を図ることが可能な海底長尺体の固定金具及び海底長尺体の布設方法を提供することにある。
本発明は、上記の目的を達成するため、第1の特徴として、大径部、小径部及び連結部を有する1本の連続したS字状線状体と、大径部、小径部及び連結部を有し、前記S字状線状体とは左右対称な形状を有する逆S字状線状体と、前記S字状線状体及び前記逆S字状線状体の連結部に設けられる弾性部材と、前記S字状線状体及び前記逆S字状線状体の大径部の端部に接続される円弧状のロック用バンドとを備え、前記S字状線状体と前記逆S字状線状体はそれぞれ連結部で結合されると共に、連結部を支点として開閉自在に設けられ、かつ前記弾性部材により定常態では閉方向に附勢されており、前記S字状線状体の大径部、前記逆S字状線状体の大径部、及び前記ロック用バンドにより主海底長尺体を保持する本体保持部を形成する一方、前記S字状線状体の小径部及び前記逆S字状線状体の小径部により従海底長尺体を保持する保持部を形成することを特徴とする海底長尺体の固定金具を提供する。
本発明は、上記の目的を達成するため、第2の特徴として、大径部、小径部及び連結部を有する1本の連続したS字状線状体と、大径部、小径部及び連結部を有し、前記S字状線状体とは左右対称な形状を有する逆S字状線状体と、小径部及び連結部をそれぞれ2個づつ有する1本の連続した略U字状線状体と、前記S字状線状体、前記逆S字状線状体及び前記略U字状線状体の連結部に設けられる弾性部材と、前記S字状線状体及び前記逆S字状線状体の大径部の端部に接続される円弧状のロック用バンドとを備え、
少なくとも前記S字状線状体と前記略U字状線状体、及び前記略U字状線状体と前記逆S字状線状体はそれぞれ連結部で結合されると共に、連結部を支点として開閉自在に設けられ、かつ前記弾性部材により定常態では閉方向に附勢されており、前記S字状線状体の大径部、前記逆S字状線状体の大径部、及び前記ロック用バンドにより主海底長尺体を保持する本体保持部を形成する一方、少なくとも前記S字状線状体の小径部及び前記略U字状線状体の小径部、並びに前記略U字状線状体の小径部及び前記逆S字状線状体の小径部により従海底長尺体を保持する保持部を形成することを特徴とする海底長尺体の固定金具を提供する。
本発明は、上記の目的を達成するため、第3の特徴として、前記海底長尺体の固定金具を用い、前記保持部には従海底長尺体、前記本体保持部には前記主海底長尺体を夫々振り分けて装着し、該装着された前記主海底長尺体を前記弾性部材と前記ロック用バンドにて緊締しながら、前記主海底長尺体のみならず前記従海底長尺体も同時に固定金具にて結束し海底に布設することを特徴とする海底長尺体の布設方法を提供する。
本発明の海底長尺体の固定金具及び海底長尺体の布設方法によれば、主海底長尺体と従海底長尺体の結束に要する作業時間を短縮することが可能になる。更に、結束力を均一にできるため、従海底長尺体が主海底長尺体から脱落したりすることがなく、また、海底長尺体に過度な力が加わらなくなるので、損傷事故をなくすことが可能になる。
[第1の実施の形態]
(固定金具の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る海底長尺体の固定金具を示す。同図中、(a)は正面図、(b)は側面図である。なお、(a)の鎖線位置は、装着前の固定金具の位置を示す。
治具としての固定金具1は、大径部14A、小径部14B及び連結部を有する1本の連続したS字状線状体14と、大径部11A、小径部11B及び連結部を有し、S字状線状体14とは左右対称な形状を有する逆S字状線状体11とを有しており、これらのS字状線状体14と逆S字状線状体11が連結部で結合され、連結部を支点として開閉自在に設けられている。S字状線状体14及び逆S字状線状体11の連結部にはコイルスプリング16が設けられ、定常態では閉方向に附勢されている。また、S字状線状体14の大径部14Aの先端には、ロック用バックル13を介して所定角度内で回動自在な円弧状のスプリングバンド15が設けられ、逆S字状線状体11の大径部11Aの先端部に設けられた突起部12と係止可能とされている。スプリングバンド15は、両端がU字形を成すように金属棒材を曲げ加工して作られている。更に、S字状線状体14の大径部14A、逆S字状線状体11の大径部11A、及びスプリングバンド15は、主海底長尺体101を保持する本体保持部31を形成する一方、S字状線状体14の小径部14B及び逆S字状線状体11の小径部11Bは、従海底長尺体102を保持する保持部32を形成するようになっている。
図2は、固定金具1のS字状線状体14と逆S字状線状体11との結合部の詳細を示す。また、図3は、固定金具1に従海底長尺体102を装着した状態を示す。なお、図3においては、主要部のみを図示し、他は省略している。
図2に示すように、結合部においては、逆S字状線状体11及びS字状線状体14にそれぞれホルダ17a、17bが対向配置に設けられ、これらのホルダ17a,17b間には、コイルスプリング16が配設されている。このコイルスプリング16は、ホルダ17a,17b間に挿通されたビス18に外嵌されている。コイルスプリング16の両端は、コイル軸に対して直角な方向に延伸しており、この延伸部分は、ホルダ17a,17bまたは逆S字状線状体11及びS字状線状体14に溶接により固定されている。なお、ビス18は、ホルダ17a,17bからの抜け落ちを防止するため、端部にナット19が取り付けられている。
S字状線状体14の大径部14A及び逆S字状線状体11の大径部11Aの合計長さは、主海底長尺体101の円周の約1/2に及ぶ長さにし、また、S字状線状体14の小径部14B及び逆S字状線状体11の小径部11Bの合計長さは、従海底長尺体102の円周の約1/2を越える長さにする。これにより、S字状線状体14及び逆S字状線状体11への主海底長尺体101の装着が容易になり、また、S字状線状体14及び逆S字状線状体11から従海底長尺体102が抜け出るのを防止できる。
S字状線状体14及び逆S字状線状体11は、主海底長尺体101の引き入れ時に、海底トレンチ内にある障害物に接した場合でも容易に外れない様に、幅W(cm)を次式で求めた値にするのが望ましい。
P=F/S(MPa) ・・・(1)
W=F/πDP(cm) ・・・(2)
ただし、
P:主海底長尺体の許容面圧(MPa)
F:布設張力管理値(kN)
S:金具表面積(cm)S=πDW
D:主海底長尺体の外径(cm)
π:円周率
幅W及び上記各部の数値の一例を示すと、表1及び表2のようになる。表1は、主海底長尺体101に直径200mmの海底送水管を用い、表2は、主海底長尺体101に直径250mmの海底送水管を用いた場合である。S字状線状体14及び逆S字状線状体11の材料には、ステンレスを用いている。幅Wは、作業性を考慮すると、15cm以下が適している。
Figure 2005348509
Figure 2005348509
なお、ロック用のスプリングバンド15の強度は、上記(1)式より、許容面圧Pを保持できるものを選択する。
(固定金具の組み付け)
図4は、固定金具1の組み付け手順を示す。同図中、(a)は組み付け前の状態を示し、(b)は固定金具を従海底長尺体に装着した状態を示し、(c)は固定金具を従海底長尺体の後に主海底長尺体に装着した状態を示す。図1〜図4を参照して、固定金具1の組み付け手順を、以下に説明する。
固定金具1は、主海底長尺体101及び従海底長尺体102に末装着のときには、コイルスプリング16の附勢力によって、大径部11A及び大径部14Aで形成される略半円の直径は、主海底長尺体101の直径より小さくなっている。大径部11A及び大径部14Aを外側に開くと、図1の(a)に示す1点鎖線の状態及び図4の(a)に示す状態になり、大径部11A及び大径部14Aで形成される略半円部分の直径が主海底長尺体101の直径よりも大きくなる。また、小径部11B及び小径部14Bで形成される部分の直径も従海底長尺体102の直径よりも大きくなっている。
なおこのとき、スプリングバンド15はロック用バックル13から垂れ下がっている。
まず、固定金具1を手に持ち、図4の(a)に示すように、保持部32に従海底長尺体102を被せる。次に、図4の(b)に示すように、開いた状態にある本体保持部31に主海底長尺体101を挿入する。次に、ロック用バックル13を下側に回転させ、スプリングバンド15を図1及び図4の(b)の矢印A方向に回動させ、スプリングバンド15の先端部を突起部12に係着させる。次に、ロック用バックル13を図1の(b)及び図4の(b)に示す矢印B方向に回転させ、ロックをする。これにより、S字状線状体14及び逆S字状線状体11はスプリングバンド15によって締め付けられ、主海底長尺体101が固定金具1に固定される。更に、S字状線状体14及び逆S字状線状体11の線状体による作用により、同時に、従海底長尺体102を締め付ける。この結果、主海底長尺体101と主海底長尺体101は、図4の(c)に示すように、固定金具1によって結束される。
(第1の実施の形態の効果)
この第1の実施の形態によれば、固定金具1の本体保持部31に主海底長尺体101を装着し、保持部32に従海底長尺体102を装着した後、スプリングバンド15を突起部12に係着し、ロック用バックル13をロックするのみで固定金具1の装着が完了するので、主海底長尺体と従海底長尺体の結束を短時間で終了させることができる。更に、結束力を一定にでき、結束力の不均一が発生しないので、従海底長尺体の脱落防止及び長尺体の損傷防止が可能になる。
[第2の実施の形態]
(海底長尺体の布設方法)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る海底長尺体の布設方法を示す。また、図6は、海底送水管に光海底ケーブルを添架し、同時に布設する布設設備の構成を示す。なお、図5におけるSは、ステップを表している。
図6において、布設しながら海上移動する布設台船21には、従海底長尺体102としての光海底ケーブル22が巻回された光海底ケーブルドラム23と、主海底長尺体101としての海底送水管24とが設置されている。また、固定金具1により結束された主海底長尺体101と従海底長尺体102を海27の中へ円滑に送り出すために、布設台25が布設台船21上に傾斜状態に設置されている。なお、26は、主海底長尺体101を海底へ導くための布設用ワイヤである。
次に、上記した固定金具1を用いた海底長尺体の布設方法について説明する。まず、光海底ケーブル22と海底送水管24が布設台25に引き出される(S201、S202)。ついで、作業者は、海底送水管24に固定金具1の取り付け位置をマーキングする(S203)。次に、図4の(a)で説明したように、固定金具1のS字状線状体14及び逆S字状線状体11を開いた後(S204)、図4の(b)で説明した手順により、固定金具1の本体保持部31に海底送水管24を装着すると共に保持部32に光海底ケーブル22を装着する(S205、S206)。次に、コイルスプリング16を図4の(c)のように取り付ければ、固定金具1の装着が完了し、海底送水管24と光海底ケーブル22が結束される。
以上の固定金具1を装着する作業は、図6に示すように、布設台25上の海底送水管24及び光海底ケーブル22に対して所定間隔に行われる。
(第2の実施の形態の効果)
この第2の実施の形態によれば、固定金具1の本体保持部31に海底送水管24を装着し、保持部32に光海底ケーブル22を装着した後、コイルスプリング16を金具本体11Bに係着し、ロック用バックル13をロックするのみで固定金具1の装着が完了するので、海底送水管24と光海底ケーブル22の結束を短時間で終了させることができる。更に、結束力の不均一が発生しないので、結束の脱落防止及び長尺体の損傷防止が可能になる。
[第3の実施の形態]
(固定金具の構成)
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る固定金具を示す。この固定金具1は、大径部14A、小径部14B及び連結部を有する1本の連続したS字状線状体14と、大径部11A、小径部11B及び連結部を有し、S字状線状体14とは左右対称な形状を有する逆S字状線状体11と、それぞれ2つの小径部10A及び2つの小径部10Bを有する連続した2本の略U字状線状体10とを有している。なお、2本の略U字状線状体10にはそれぞれ2個の連結部を有している。逆S字状線状体11と略U字状線状体10、2本の略U字状線状体10同士、及び略U字状線状体10とS字状線状体14はそれぞれ連結部で結合され、連結部を支点として開閉自在に設けられている。それぞれの連結部にはコイルスプリング16が設けられ、定常態では閉方向に附勢されている。また、S字状線状体14の大径部14Aの先端には、ロック用バックル13を介して所定角度内で回動自在な円弧状のスプリングバンド15が設けられ、逆S字状線状体11の大径部11Aの先端部に設けられた突起部12と係止可能とされている。スプリングバンド15は、両端がU字形を成すように金属棒材を曲げ加工して作られている。更に、S字状線状体14の大径部14A、逆S字状線状体11の大径部11A、及びスプリングバンド15は、主海底長尺体101を保持する本体保持部31を形成している。一方、逆S字状線状体11の小径部11B及び略U字状線状体10の小径部10A、略U字状線状体10の小径部A及び略U字状線状体10の小径部B、S字状線状体14の小径部14B及び略U字状線状体10の小径部10Bは、従海底長尺体102を保持する3組の保持部32を形成するようになっている。
(固定金具の組み付け)
第1の実施の形態と同様に、3組の保持部32に3本の従海底長尺体102を被せた後、本体保持部31に主海底長尺体101を挿入し、最後に、スプリングバンド15を取り付けることにより、1本の主海底長尺体101と3本の従海底長尺体102を固定金具1に固定することが可能となる。なお、本実施の形態では、保持部32を3組設けたが、任意の数にすることができる。
(第3の実施の形態の効果)
この第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られるほか、同時に複数の従海底長尺体102を主海底長尺体101に結束して布線することが可能になる。
[他の実施の形態]
上記実施の形態において、面圧を上げ、長尺体の保護及び摩擦力の向上を目的として、固定金具1の内面にゴム等の弾性力を有するパッキングを設けることができる。
また、主海底長尺体101及び従海底長尺体102と固定金具1の摩擦力及び接触面積を上げるために、固定金具1の内面に微細な凹凸等を設けることができる。
更に、コイルスプリング16は、これに代えて他の構造のスプリングを用いることができ、また、コイルスプリング16にはねじりバネを用いたが、これに代えて他のスプリングバネの使用も可能である。
また、図6においては、布設設備を布設台船21に設置するものとしたが、海上や湖上に限定されるものではなく、陸上に設置されていてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る海底長尺体の固定金具を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 図1の固定金具の金具本体と保持部との結合部の詳細を示す底面図である。 図1の保持部を従海底長尺体に装着した状態を示す正面図である。 第1の実施の形態における固定金具の組み付け手順を示し、(a)は、組み付け前の状態を示す断面図、(b)は固定金具を従海底長尺体に装着した状態を示す断面図、(c)は固定金具を従海底長尺体の後に主海底長尺体に装着した状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る布設方法を示すフローチャートである。 海底送水管に光海底ケーブルを添架し、同時に布設する布設設備の構成を示す模式図である。 本発明の第3の実施の形態に係る固定金具を示す正面図である。 従来の海底長尺体の布設方法を示し、(a)は固定治具を用いた固定方法を示す断面図、(b)は結束材を用いた固定方法を示す断面図、(c)はサポート材と結束材を用いた固定方法を示す断面図である。
符号の説明
1 固定金具
11A,11B 金具本体
12 突起部
13 ロック用バックル
14A,14B 保持部
15 スプリングバンド
16 コイルスプリング
17a,17b ホルダ
18 ビス
19 ナット
21 布設台船
22 光海底ケーブル
23 光海底ケーブルドラム
24 海底送水管
25 布設台
26 布設用ワイヤ
101 主海底長尺体
102 従海底長尺体
103 固定治具
103a,103b 金具
103c,103d 金具
104 ロープ
105 サポート材
106 ロープ
107 ボルト

Claims (6)

  1. 大径部、小径部及び連結部を有する1本の連続したS字状線状体と、
    大径部、小径部及び連結部を有し、前記S字状線状体とは左右対称な形状を有する逆S字状線状体と、
    前記S字状線状体及び前記逆S字状線状体の連結部に設けられる弾性部材と、
    前記S字状線状体及び前記逆S字状線状体の大径部の端部に接続される円弧状のロック用バンドとを備え、
    前記S字状線状体と前記逆S字状線状体はそれぞれ連結部で結合されると共に、連結部を支点として開閉自在に設けられ、かつ前記弾性部材により定常態では閉方向に附勢されており、
    前記S字状線状体の大径部、前記逆S字状線状体の大径部、及び前記ロック用バンドにより主海底長尺体を保持する本体保持部を形成する一方、前記S字状線状体の小径部及び
    前記逆S字状線状体の小径部により従海底長尺体を保持する保持部を形成することを特徴とする海底長尺体の固定金具。
  2. 大径部、小径部及び連結部を有する1本の連続したS字状線状体と、
    大径部、小径部及び連結部を有し、前記S字状線状体とは左右対称な形状を有する逆S字状線状体と、
    小径部及び連結部をそれぞれ2個づつ有する1本の連続した略U字状線状体と、
    前記S字状線状体、前記逆S字状線状体及び前記略U字状線状体の連結部に設けられる弾性部材と、
    前記S字状線状体及び前記逆S字状線状体の大径部の端部に接続される円弧状のロック用バンドとを備え、
    少なくとも前記S字状線状体と前記略U字状線状体、及び前記略U字状線状体と前記逆S字状線状体はそれぞれ連結部で結合されると共に、連結部を支点として開閉自在に設けられ、かつ前記弾性部材により定常態では閉方向に附勢されており、
    前記S字状線状体の大径部、前記逆S字状線状体の大径部、及び前記ロック用バンドにより主海底長尺体を保持する本体保持部を形成する一方、少なくとも前記S字状線状体の小径部及び前記略U字状線状体の小径部、並びに前記略U字状線状体の小径部及び前記逆S字状線状体の小径部により従海底長尺体を保持する保持部を形成することを特徴とする海底長尺体の固定金具。
  3. 前記ロック用バンドは、その一端がロック用バックルを介して前記S字状線状体又は前記逆S字状線状体の大径部の端部に結合され、他端が前記逆S字状線状体又は前記S字状線状体の大径部の端部に着脱自在に係着されることを特徴とする請求項1又は2記載の海底長尺体の固定金具。
  4. 前記S字状線状体及び前記逆S字状線状体は、その幅(W)が、
    W=F/πDP(cm)
    (ただし、Pは主海底長尺体の許容面圧(MPa)、Fは布設張力管理値(kN)、Sは金具表面積(cm)、Dは主海底長尺体の外径(cm)、πは円周率)であることを特徴とする請求項1又は2記載の海底長尺体の固定金具。
  5. 前記本体保持部のうち前記ロック用バンドを除く部分の長さは、前記主海底長尺体の円周の約1/2に及ぶ長さを有し、
    前記保持部の長さは、前記従海底長尺体の円周の1/2を越えることを特徴とする請求項1又は2記載の海底長尺体の固定金具。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の海底長尺体の固定金具を用い、前記保持部には従海底長尺体、前記本体保持部には前記主海底長尺体を夫々振り分けて装着し、該装着された前記主海底長尺体を前記弾性部材と前記ロック用バンドにて緊締しながら、前記主海底長尺体のみならず前記従海底長尺体も同時に固定金具にて結束し海底に布設することを特徴とする海底長尺体の布設方法。
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