JP2005347378A - ナノカーボン材料のパターン形成方法、並びに、半導体デバイス及びその製造方法 - Google Patents

ナノカーボン材料のパターン形成方法、並びに、半導体デバイス及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ナノカーボン材料を応用した電界効果トランジスタやFEDなどのデバイスの作製のための、ナノカーボン材料のパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 基板上にナノカーボン材料層を形成する工程、前記ナノカーボン材料層の上に、少なくとも、亜鉛、スズ、インジウム、アルミニウム、チタンからなる群から選択される金属からなる第一の金属層の所望パターンを形成する工程、前記第一の金属層のパターンをポジティブパターンとするマスクとして、酸素プラズマを照射してナノカーボン材料層をエッチングする工程、を少なくとも含む工程でナノカーボン材料のパターンを形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ナノカーボン材料のパターン形成方法、並びに、ナノカーボン材料パターンを有する半導体デバイス及びその製造方法に関する。
1985年に炭素原子60個から成るサッカーボール状分子のフラーレンがH.W.Kroto,R.E.Smallry,R.F.Curlによって発見され、また、1991年に飯島によりグラフェンシートが捲かれてチューブ状になったカーボンナノチューブが発見されて以来、数々の応用研究が活発になされて来ている。
上記カーボンナノチューブは、電界放出の性能に優れていること、電気化学反応でリチウムを貯蔵放出すること、ねじれ方(カイラリティ)で金属にも半導体にもなること、大電流密度で電流を流せること、熱伝導率が極めて高いこと、軽量高密度であることから、FED(Field Emission Display)などの表示デバイスの電極材料、リチウム二次電池の電極材料、電界効果トランジスタ等の半導体デバイス、機械部品などへの応用が研究されている。
カーボンナノチューブを電界効果トランジスタ等の半導体デバイスのチャンネル層もしくは配線層として用いる場合に、カーボンナノチューブのパターンを形成する方法としては、(i)選択的にカーボンナノチューブが生成される、遷移金属元素から成る触媒層のパターンを基板上に形成し、その触媒層パターン上にプラズマCVD法や熱CVD法に代表されるCVD(Chemical Vapor Deposition)法にて炭化水素等の原料ガスを分解してカーボンナノチューブのパターンを形成する、(ii)基板上にフォトレジスト等の材料のネガパターン(ネガティブパターン)を形成した後、その上にカーボンナノチューブ層を形成し、ついでリフトオフによりネガパターンとその上に形成されたカーボンナノチューブ層を除去する、手法が用いられていている。
しかしながら、上記(i)の手法では、カーボンナノチューブが選択的に形成される条件を見出すことが必要であり、また、カーボンナノチューブ層が触媒層の上に形成されるので、触媒層の除去は困難であり、デバイス構成が制限されるという問題点を有していた。上記(ii)の手法では、カーボンナノチューブ層の形成温度が、リフトオフに使用するネガパターンの材料の耐熱温度範囲に制約されるという問題点を有していた。
特許文献1にはダイヤモンド状炭素、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラファイト、等の炭素材料のエッチング方法として、シリコン酸化膜等の酸化物から成る酸素プラズマ耐性材料をマスクに炭素材料をエッチングする方法が提案されている。しかし、上記提案では、マスク材料の酸化物の形成方法はスパッタリングや有機金属化合物を用いたCVDに限定され、ナノカーボン材料に損傷を与えずに酸化物膜を形成することが容易ではなく、また、マスク材料の酸化物のエッチングはナノカーボン材料に変質あるいは損傷を与えやすいという問題点を有していた。例えば、スパッタリングにて酸化物をナノカーボン上に形成する場合には、アルゴンイオンによる損傷、ナノカーボン表面の酸化、均一な酸化物層が形成されにくい、といった問題が起きる。テトラエトキシシラン等の化合物を用いてCVD法でシリコン酸化膜を形成する場合には、炭素を含んだシリコン酸化物層を形成しやすく、酸素プラズマに均一な耐性を有するマスク材料を形成しにくい。さらには、酸化物マスクをハロゲン元素含有のプラズマによるドライエッチングで除去する場合には、ナノカーボン材料の表面にハロゲン元素が結合した絶縁層が形成されやすい。
したがって、ナノカーボン材料に変質あるいは損傷を与えにくい、ナノカーボンのパターニング方法、が望まれている。変質あるいは損傷を与えにくいナノカーボン材料のパターン形成方法が提供されることによって、カーボンナノチューブを代表とするナノカーボン材料を応用した電界効果トランジスタやFEDなどの高性能なデバイスの実現が期待できることになる。
特開2002−75960号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ナノカーボン材料を応用した電界効果トランジスタやFEDなどのデバイスの製造を容易にする、ナノカーボン材料のパターン形成方法を提供することを目的とする。
また本発明は、ナノカーボン材料を応用した電界効果トランジスタやFEDなどの高性能な半導体デバイスを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、ナノカーボン材料層のパターン形成方法において、
基板上にナノカーボン材料層を形成する工程、
前記ナノカーボン材料層の上に、少なくとも、亜鉛、スズ、インジウム、アルミニウム、チタンからなる群から選択される金属からなる第一の金属層の所望パターンを形成する工程、
前記第一の金属層のパターンをポジパターン(ポジティブパターン)とするマスクとして、酸素プラズマに曝してナノカーボン材料層をエッチングする工程、
を含むことを特徴とするナノカーボン材料のパターン形成方法を提供するものである。
上記本発明は、
前記ナノカーボン材料層の形成工程が、ナノカーボン材料の分散溶液を塗布し熱処理する工程を含むこと、
前記ナノカーボン材料の分散溶液が、界面活性剤、カリックスアレーン、シクロデキストリン、シクロファンからなる群から選択される一種類以上の物質とナノカーボン材料と溶媒とを高温高圧処理して得られる溶液であること、
前記高温高圧処理条件が前記溶媒の臨界点を超える超臨界条件であること、
前記酸素プラズマ処理後の第一の金属層のパターンを酸または/及びアルカリでエッチング除去すること、
前記ナノカーボン材料がカーボンナノチューブであること、
をその好ましい態様として含むものである。
また、本発明は、ナノカーボン材料を半導体層または配線もしくは電極の導体層に用いる半導体デバイスの製造方法において、上記本発明の方法にてナノカーボン材料のパターン形成を行なうことを特徴とする半導体デバイスの製造方法を提供するものである。
さらに、本発明は、ナノカーボン材料を半導体層または配線もしくは電極の導体層に用いた半導体デバイスにおいて、前記半導体層または配線もしくは電極の導体層が、上記本発明の方法にてパターン形成されたナノカーボン材料層を有することを特徴とする半導体デバイスを提供するものであり、その好ましい態様として、前記配線もしくは電極が、前記ナノカーボン材料層と、銅またはアルミニウムからなる第二の金属層との二層以上の多層構造から成ること、を含むものである。
本発明のナノカーボン材料のパターン形成方法によれば、ナノカーボン材料の変質あるいは損傷を与えることなく、ナノカーボン材料の所望のパターンを形成することができ、ナノカーボン材料を応用した電界効果トランジスタやFEDなどの高性能な半導体デバイス等を提供することができる。
本発明のナノカーボン材料のパターン形成方法は、基板上にナノカーボン材料層を形成する工程、前記ナノカーボン材料層の上に、少なくとも、亜鉛、スズ、インジウム、アルミニウム、チタンからなる群から選択される金属からなる第一の金属層の所望パターンを形成する工程、前記第一の金属層のパターンをポジパターンとするマスクとして、酸素プラズマに曝してナノカーボン材料層をエッチングする工程、を少なくとも含むことを特徴としている。
本発明者は、ナノカーボン材料層を酸素プラズマでエッチングしてパターンを形成するためのマスク材料を検討した結果、亜鉛、スズ、インジウム、アルミニウム、チタンからなる群から選択される金属をマスク材料に用いるのがよいことを見出した。上記亜鉛、スズ、インジウム、アルミニウム、チタンの金属は電子ビーム蒸着等の方法で容易に均一な膜を形成することができる。また、カーボンナノチューブ等のナノカーボン材料の上に形成した、亜鉛、スズ、インジウム、アルミニウム、チタンは酸素プラズマとの接触によって一部が酸化されたとしても、酸やアルカリに容易に溶解し除去できることがわかった。特に、上記金属のうちで亜鉛を用いた場合には、酸でもアルカリでも容易に溶解除去できた。アルミニウムに関しては、金属アルミニウム表面に薄い酸化アルミニウム層が形成されており、さらに酸素プラズマを接触させても大きく酸化が進まず、酸素プラズマ処理後でも酸あるいはアルカリで除去することができることがわかった。チタンに関しては、金属チタン表面に薄い酸化チタン層が形成されており、さらに酸素プラズマを接触させても大きく酸化が進まず、酸素プラズマ処理後でもフッ化水素酸等で除去することができることがわかった。
一方、マスク材料に、銅やニッケルを用いた場合には、酸素プラズマと接触させると酸化が進み、酸化銅、酸化ニッケルを形成する。酸化銅、酸化ニッケルは酸・アルカリに溶解しにくい。また、マスク材料に、タングステンやモリブデンを用いた場合には、酸素プラズマと接触させると表面に酸化タングステン、酸化モリブデンを形成し、過酸化水素水で溶解除去することができたが、ナノカーボン材料が非晶質部分を有している場合には、ナノカーボン材料のパターンにいびつな部分が形成されることがあり、精度の高いナノカーボン材料のパターンが形成されない場合も生じることがわかった。
〔ナノカーボン材料〕
本発明で用いられるナノカーボン材料とは、粒子径が数ナノメートルから数百ナノメートルのカーボン材料を指し、その代表例としては、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノコイル、フラーレン及びその誘導体、ダイヤモンド、ダイヤモンド状カーボン、グラファイト、が挙げられる。
〔カーボンナノチューブ〕
ナノカーボン材料の代表例であるカーボンナノチューブのカイラリティは、アームチェア型、ジグザグ型、カイラル型が存在し、アームチェア型は金属的に、ジグザグ型は半導体として振舞うことが知られている。
ジグザグ型カーボンナノチューブは炭化ケイ素単結晶ウェハー表面に熱分解反応で形成されることがすでに知られている。
また、DNAコーティングしたカーボンナノチューブからイオン交換液体クロマトグラフィーで金属的なカーボンナノチューブと半導体的なカーボンナノチューブに分離する方法もすでに知られている。
また、界面活性剤溶液に分散したカーボンナノチューブに交流を印加することによる電気泳動で、金属的なカーボンナノチューブを分離する方法も知られている。
〔ナノカーボン材料層の形成方法〕
本発明において、ナノカーボン材料層の形成方法としては、基板上にナノカーボンの原料となる、グラファイトあるいは炭化水素を原料に各種CVD法にて形成する方法、別途製造されたナノカーボン材料の分散溶液を基板上に塗布し熱処理することによって形成する方法が挙げられる。別途製造されたナノカーボン材料の分散溶液を基板上に塗布し熱処理することによって形成する方法は、低い温度で行なうことが可能であるために、より好ましい方法である。
上記ナノカーボン材料の代表例であるカーボンナノチューブの分散溶液を得る方法としては、具体的には以下の方法が例として挙げられる。
(i)硝酸等の強酸中でカーボンナノチューブを超音波処理して、カルボン酸で末端基を修飾する。ついで、チオニルクロライドで処理し、オクタドデシルアミン等のアルキルアミンを反応させて、化学修飾することによって、ベンゼン、トルエン等の有機溶媒に溶解させて分散溶液を調製する。
(ii)水溶性ポリマーであるポリビニルアルコール、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)等の水溶液にカーボンナノチューブを分散して溶液を調製する方法。より具体的には、水等の溶媒にカーボンナノチューブを界面活性剤と分散し、超音波処理後に、ポリビニルピロリドン等のポリマーを溶解させ、ポリマーでカーボンナノチューブを包んだ、カーボンナノチューブ分散溶液を得ることができる。
(iii)DNA(デオキシリボ核酸)の水溶液にカーボンナノチューブを分散した後、超音波を照射することによってDNA被覆のカーボンナノチューブ分散溶液を得ることができる。
(iv)カーボンナノチューブを水に超音波で分散させた後、DMSO(ジメチルサルフォキサイド)に溶解したアミロースを混合後、超音波処理を施して、カーボンナノチューブ分散溶液を得ることができる。
(v)カーボンナノチューブを、炭素数15〜40の炭化水素(パラフィン)もしくは炭素数15〜40のアルコールに分散させた後、超音波処理を施して、カーボンナノチューブ分散溶液を得ることができる。
(vi)カーボンナノチューブを、チタネート系カップリング剤,アルミニウム系カップリング剤,シランカップリング剤から選択されるカップリング剤を(カップリング剤の)溶媒に溶解した溶液に分散し、好ましくは超音波処理を施して、カーボンナノチューブ分散溶液を得ることができる。上記カップリング剤としては、チタネート系カップリング剤,アルミニウム系カップリング剤が好ましく、チタネート系カップリング剤がより好ましい。
(vii)水等の溶媒に界面活性剤、カリックスアレーン、シクロデキストリン、シクロファンから成る群から選択される一種類以上の物質とカーボンナノチューブを分散させた後、耐圧容器内に密封し、高温高圧処理(この高温高圧処理条件は、水等の溶媒の臨界点を越える超臨界条件が好ましい。)をして溶液を調製する方法。この方法は、他のナノカーボン材料の分散溶液を得る場合にも使用できる。
上記カーボンナノチューブの分散溶液の調製方法としては、安価で、容易な点で、(v),(vi),(vii)の方法が好ましく、(vi),(vii)の方法がより好ましい方法である。
また、上記カーボンナノチューブの均一な分散溶液を調製するためには、予め、カーボンナノチューブは精製しておくのが好ましい。
また、上記ナノカーボン材料を代表するフラーレンの溶液の調製方法は、フラーレンの溶媒であるトルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、四塩化炭素にフラーレンを溶解することで調製することができる。
基板へのナノカーボン材料溶液の塗布後の熱処理温度は、溶液の溶媒の沸点以上でナノカーボン材料の分解温度未満の温度範囲が好ましく、上記(ii)で調製された溶液を用いた場合にはポリマーの熱分解温度以上でナノカーボン材料の分解温度未満の温度範囲が好ましい。具体的な熱処理温度としては、ナノカーボン材料が高分子量の場合は100℃以上800℃未満の温度範囲が好ましく、200℃以上600℃未満の温度範囲がより好ましい。ナノカーボン材料がフラーレンあるいはフラーレン誘導体のような低分子量である場合は100℃以上400℃未満の温度範囲が好ましく、200℃以上300℃未満の温度範囲がより好ましい。上記熱処理は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行なわれるのが好ましい。ただし、上記(ii)で調製された溶液を用いた場合にはポリマーの熱分解を積極的に行なうために酸素ガスを含有する雰囲気下で熱処理を行なうのが好ましい。
〔マスク材料としての第一の金属層の形成方法〕
上記亜鉛、スズ、インジウム、アルミニウム、チタンからなる群から選択される金属からなる第一の金属層は、真空下で金属原料に電子ビームを照射して対向して設けた基板上に金属層を形成する電子ビーム蒸着法等で、形成することができる。ナノカーボン材料を電極もしくは配線材料に使用する場合、ナノカーボン材料層と第一の金属層の間に銅もしくはアルミニウムの第二の金属層を設けてもよい。ナノカーボン材料層の上に銅もしくはアルミニウムの第二の金属層を設けた多層構造にすることによって、平坦で耐久性の高い配線を構築することができる。
〔第一の金属層のパターン形成方法〕
上記第一の金属層のパターニングは、パターンの線幅が大きい場合には、金属層の蒸着時にマスクをナノカーボン材料層に密着させて金属層を形成することでなされる。細かいパターンを形成する場合は、金属層の上にポジ型フォトレジストを塗布しマスクアライナーにて所望のパターンを露光し、現像して形成したフォトレジストのポジパターンをマスクに、金属層を酸あるいはアルカリ水溶液にてエッチングするか、CF4,CCl22等のハロゲン化合物ガスをエッチングガスとしてリアクティブエッチング装置等を用いてドライエッチングした後、フォトレジストのポジパターンをフォトレジスト剥離液にて除去して、第一の金属層の(酸素プラズマエッチング用)ポジパターンを形成する。上記フォトレジストの除去には、酸素プラズマによるエッチングを使用してもよい。
〔ナノカーボン材料層のパターン形成方法〕
上記ナノカーボン材料層のパターニングは、ドライエッチング装置内で、上記第一の金属層のポジパターンをマスクに、酸素プラズマを照射して、第一の金属層のポジパターンで被覆されず露出しているナノカーボン材料層をエッチング除去することによって実施される。酸素プラズマは、ドライエッチング装置チャンバー内で減圧下、酸素ガスを流し、ラジオ波等の高周波もしくはマイクロ波を用いて放電を起こして発生させる。酸素プラズマの発生を助長させるために、アルゴンガスを酸素ガスに混合してもよい。上記、亜鉛、スズ、インジウム、アルミニウム、チタンからなる群から選択される金属からなる第一の金属層のポジパターンは酸素プラズマとの反応で酸化物が形成されても、酸あるいはアルカリによって容易に除去できるので、必要に応じて酸あるいはアルカリによって除去して、ナノカーボン材料からなるパターンを形成することができる。上記第一の金属層の材料としては、除去が容易であることから、亜鉛、アルミニウムがより好ましく、亜鉛がもっとも好ましい。
上述の方法にて形成されたナノカーボン材料層のパターンを半導体あるいは電気配線に用いることで、ナノカーボン材料の性能を活かしたデバイスを作製することができる。
以上説明した本発明の一例に係るナノカーボン材料のパターン形成方法のフローチャートを図1に示す。
図1におけるステップ1は、シリコン基板やガラス基板等の基板に前述のナノカーボン材料分散溶液をコーター等で塗布して、熱処理をして、ナノカーボン材料層を基板上に形成する工程である。上記熱処理温度は、100℃〜600℃の温度範囲が好ましく、熱処理雰囲気は窒素ガス、あるいはアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気が好ましい。
上述のステップ1にて、ナノカーボン材料分散溶液に、液晶、両親媒性の界面活性剤、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体、等の配向を促進させるため物質(配向促進物質)を添加して、塗布後、熱処理等で配向促進物質を除去することによって、配向したナノカーボン材料の層を得ることが可能である。上記手法は、配向したナノカーボン材料層の方が無配向のものに比較してナノカーボン材料の性能が引き出される場合には、有効である。
ステップ2は、上記ナノカーボン材料層上に、第一の金属層のパターンを形成する工程である。第一の金属層の形成方法は、電子ビーム蒸着、抵抗加熱蒸着、スパッタリング等が使用できる。また、そのパターン形成は、(a)得たいパターンのネガパターンが形成されているマスクを密着させて第一の金属を蒸着して形成する方法、(b)第一の金属層上にフォトレジストでポジパターンを形成した後、フォトレジストをマスクに、酸あるいはフッ素ラジカル等でエッチングして、形成する方法が使用できる。
ステップ3は、ステップ2で得られた第一の金属層のパターンをマスクに、酸素プラズマでナノカーボン材料層をエッチングする工程である。
ステップ4は、必要に応じて、酸素プラズマエッチングのマスクとして使用した第一の金属層を酸あるいはアルカリ溶液で除去して、ナノカーボン材料層のパターンを形成する工程である。
上記ナノカーボン材料のパターン形成方法のより具体的な二例を、図2の(1)と(2)に示した。図2において、(1)と(2)の違いは、(2)が、ナノカーボン材料と同一のパターンの第二の金属層をナノカーボン材料層上に設ける構造を作製している点である。
図2において、(a)では、基板200上に、ナノカーボン材料分散溶液を塗布し、熱処理して、基板200上にナノカーボン材料層201を形成する。
図2の(1)の(b)では、(a)で形成したナノカーボン材料層201上に、真空蒸着により、第一の金属層202を形成する。ついで、第一の金属層上にポジ型フォトレジスト溶液を塗布し乾燥して、フォトレジスト層204を形成する。ここで、図2の(2)の(b)では、第一の金属層202の形成の前に、第二の金属層203を蒸着形成している。第一の金属層202は、亜鉛、スズ、インジウム、アルミニウム、チタンから選択される少なくとも一種類の材料からなる金属層であり、第二の金属層203は、銅、アルミニウムから選択される少なくとも一種類の材料からなる金属層である。
図2の(c)では、マスクアライナーを用いてフォトレジスト層204を露光し、現像液を用いて現像して、フォトレジストのポジパターンを得る。
図2の(d)では、上記(c)で得られたフォトレジストパターンをマスクとして、酸溶液で第一の金属層又は第一の金属層と第二の金属層をエッチングする。
図2の(e)では、ドライエッチング装置内で、高周波又はマイクロ波による放電で酸素ガスから生じた酸素プラズマ205でナノカーボン材料層をエッチングする。
図2の(f)では、第一の金属層を酸あるいはアルカリ溶液でエッチング除去してナノカーボン材料層のパターンあるいは第二の金属層/ナノカーボン材料層のパターンが得られる。図2の(2)の(f)において、第一の金属層に亜鉛あるいはスズを用い、第二の金属層に銅を用いた場合、アルカリ溶液でエッチングすると第一の金属層のみ選択エッチングされ、銅/ナノカーボン材料層のパターンが得られる。
なお、図2の(d)では、もちろん第一の金属層又は第一の金属層と第二の金属層をドライエッチング装置内で、高周波又はマイクロ波による放電でCF4等のフッ化カーボンから生じたフッ素ラジカルやフッ化カーボンイオンによってエッチングしてもよい。また、フォトレジストは酸素プラズマによってエッチング除去されるが、酸素プラズマによるエッチング処理の前に予めはく離液でフォトレジスト層を除去しておいてもよい。
〔カーボンナノチューブの電界効果トランジスタ〕
上述の図2の(1)のナノカーボン材料層のパターン形成法を応用することで、カーボンナノチューブを半導体層に用いた電界効果トランジスタも容易に作製することができる。
図3の(A),(B),(C)は、本発明のナノカーボン材料層のパターン形成法を用いて形成したカーボンナノチューブを半導体層に用いた電界効果トランジスタの三例を示す概略断面構成図である。図3において、300は基板、301はカーボンナノチューブ層、302はゲート絶縁膜、303はソース電極、304はドレイン電極、305はゲート電極、306は絶縁層、307はオーミックコンタクト層である。なお、図3の(A)では、高ドーピングのシリコン基板等をゲート電極として用いた場合である。
本発明のナノカーボン材料層のパターン形成法を用いて形成した場合、カーボンナノチューブは予め製造したものを用いるので、従来の形成方法のように、ニッケル等の触媒層を形成する必要やカーボンナノチューブの生成温度等の条件に合わせて、モリブデンやタングステン等の高融点の電極材料を選択しなければならないといった制約がなくなる。
図3のゲート電極305、ソース電極303、ドレイン電極304に用いる金属材料としては、モリブデンやタングステンといった高融点金属のほかに、アルミニウム、銅、ニッケル等の金属を使用することができる。
ゲート絶縁膜302としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化タリウム等の絶縁膜が使用でき、熱CVD,プラズマCVDといった各種CVD法によって作製することができる。基板300の材料としては、シリコン、ガラス、石英、サファイヤ等が使用できる。絶縁層306の材料としては、酸化シリコン等が挙げられる。基板300にシリコン基板を用いる場合には、熱酸化反応により酸化シリコンの絶縁層306を形成することができる。カーボンナノチューブとのオーミックコンタクト層307の材料としては、パラジウム等が挙げられる。
〔フィールドエミッションディスプレイ〕
図5は、フィールドエミッションディスプレイ(FED)の部分断面構成図である。図5において、500は絶縁基板(ガラス基板)、501は裏面電極(陰極電極)、502はカーボンナノチューブ層(陰極)、503は絶縁スペーサー(隔壁)、504は蛍光体層、505は透明電極(陽極)、506は表面マスク、507は透明表面材(ガラス板)、である。
図5のFEDは、ガラス基板500上に裏面電極501のパターンを配し、その裏面電極501のパターン上に上述のナノカーボン材料のパターン形成方法にて、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバー等のナノカーボン材料の陰極502を形成し、ガラス基板507上に透明電極505パターンを形成し、その透明電極パターン(陽極)505上に蛍光体層504を蒸着やインクジェットプリンターによる印刷などの手法で塗布し、上記陽極505と陰極502を対向させ、その間にスペーサー(隔壁)503を配し、真空に排気した後に密閉して形成することができる。
以上のように、本発明のナノカーボン材料のパターン形成方法は、カーボンナノチューブを半導体層に用いたトランジスタ、カーボンナノチューブを電気配線に用いた回路、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバーを電子放出源に用いたフィールドエミッションディスプレイ等のナノカーボン材料の特徴を活かしたデバイスの作製に利用できる。
また、上述した本発明のナノカーボン材料のパターン形成方法によれば、容易に安価に、ナノカーボン材料の特徴を活かしたデバイスを製造できることもわかる。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(カーボンナノチューブの分散溶液の調製)
まず、以下の実施例及び比較例において用いたカーボンナノチューブの分散溶液の調製方法を説明する。
カーボンナノチューブの分散溶液の調製に図4に示す概略断面構造を有する反応装置を用いた。図4において、400は高温高圧反応容器、401はナノカーボン材料、402は溶媒と界面活性剤、403は加熱装置、404は圧力計、405は安全弁、406は(必要に応じて設ける)攪拌機構、である。
内容積95mlのハステロイ(Ni−Mo合金)製耐圧容器400に、0.2gの単層カーボンナノチューブ、0.8gのラウリル硫酸アンモニウム25%水溶液(界面活性剤)、イオン交換水22.5gを混合させた後、密封し、温度450℃、圧力28MPaで6時間反応させた。ついで、室温まで冷却して、反応容器を開封し、イソプロピルアルコール中に反応物を添加し超音波を照射して分散した後、遠心分離機で固形分と溶液部分を分離して、液相の単層カーボンナノチューブのイソプロピルアルコール溶液を得た。
上記操作で得られた単層カーボンナノチューブのイソプロピルアルコール溶液を、シリコン基板上にコーティングし、乾燥の後、走査電子顕微鏡で観察したところ、カーボンナノチューブ層を確認することができた。
(実施例1)
本発明のナノカーボン材料のパターン形成方法を用いて配線パターンを作成した。図6の(1)〜(5)は、ナノカーボン材料を用いた配線パターンの抵抗を計測するための素子を作製する手順を説明する図である。図6において、600はガラス等の絶縁基板、601は計測端子である電極パッド、602はカーボンナノチューブ等のナノカーボン材料層、603はカーボンナノチューブをパターニングするためのマスク材料層(第一の金属層)、604はフォトレジスト層である。
(1) 先ず、基板600としてコーニング社製#7059ガラス基板を用い、基板600の裏側に磁石を配置し、基板600の表面に電極パッドのネガパターンのパーマロイマスクを配置し、電子ビーム蒸着装置にて、Cr(膜厚50nm)/Al(膜厚100nm)/Cr(膜厚50nm)の三層構造の電極パッド601を形成した。
(2) ついで、前述のように調製した単層カーボンナノチューブの分散液をスピンナーで塗布後、アルゴンガス雰囲気下300℃で熱処理を行なった。再度、単層カーボンナノチューブの分散液をスピンナーで塗布後、アルゴンガス雰囲気下300℃で熱処理を行ない、単層カーボンナノチューブのナノカーボン材料層602を形成した。
その後、ナノカーボン材料層602上に、銅Cu(膜厚100nm)をスパッタリング装置にて形成し、ついで、亜鉛Zn(膜厚100nm)を電子ビーム蒸着装置にて形成し、二層構造のマスク材料層603を形成した。
(3) つぎに、ポジ型フォトレジストをマスク材料層603上に、スピンナーで塗布した後、露光装置にて露光し、現像して、二つの電極パッド上にまたがる棒状の配線のフォトレジストパターン604を形成した。
(4) ついで、フォトレジストパターン604をマスクに、塩化第二鉄(FeCl3)水溶液をエッチャントとして用いて、マスク材料層603のパターニングを行なった。水洗後、さらに、フォトレジストパターン604をフォトレジストはく離液で除去し、水洗、乾燥した。
(5) 次に、リアクティブエッチング装置で、酸素とアルゴンガスの混合ガスをエッチングガスとして使用し、棒状パターンのマスク材料層603をマスクに、ナノカーボン材料層を酸素プラズマでエッチングし、二つの電極パッドにまたがるナノカーボン配線パターンを得た。
(実施例2−1)
実施例1において、マスク材料層をCu/Znから電子ビーム蒸着装置で形成した亜鉛Zn(膜厚200nm)のみに変更し、実施例1と同様の操作にて、図6の(5)の素子構造のナノカーボン配線パターンを得た。
(実施例2−2)
実施例2−1で得られた図6の(5)に示された素子構造のナノカーボン配線パターンのマスク材料層603をアンモニア水にてエッチング除去し、マスク材料層が除去されたナノカーボン配線パターンを得た。
(実施例3)
実施例2−1におけるマスク材料層を電子ビーム蒸着装置にて形成したスズSn(膜厚200nm)のみに変更し、マスク材料層603のエッチング液としてアンモニア水から塩化第二鉄FeCl3水溶液に替えて、その他は、実施例2−2と同様にして、二つの電極パッドにまたがるナノカーボン配線パターンを得た。
(実施例4)
実施例3におけるマスク材料層を電子ビーム蒸着装置にて形成したインジウムIn(膜厚200nm)のみに変更して、その他は、実施例3と同様にして、二つの電極パッドにまたがるナノカーボン配線パターンを得た。
(実施例5)
実施例3におけるマスク材料層を電子ビーム蒸着装置にて形成したアルミニウムAl(膜厚200nm)のみに変更して、アルミニウムのパターニングのためのエッチャントにはリン酸−硝酸−酢酸の混合水溶液を用いた。その他は、実施例3と同様にして、二つの電極パッドにまたがるナノカーボン配線パターンを得た。
(比較例1)
従来のナノカーボン材料のパターン形成方法を用いて、先の実施例と同様の配線パターンを作成した。
(1) 先ず、基板600としてコーニング社製#7059ガラス基板を用い、基板600の裏側に磁石を配置し、基板600の表面に電極パッドのネガパターンのパーマロイマスクを配置し、電子ビーム蒸着装置にて、Cr(膜厚50nm)/Al(膜厚100nm)/Cr(膜厚50nm)の三層構造の電極パッド601を形成した。
(2) ついで、前述のように調製した単層カーボンナノチューブの分散液をスピンナーで塗布後、アルゴンガス雰囲気下300℃で熱処理を行なった。再度、単層カーボンナノチューブの分散液をスピンナーで塗布後、アルゴンガス雰囲気下300℃で熱処理を行ない、単層カーボンナノチューブのナノカーボン材料層602を形成した。
その後、ナノカーボン材料層602上に、銅Cu(膜厚100nm)をスパッタリング装置にて形成し、ついで、二酸化ケイ素SiO2(膜厚200nm)をスパッタリング装置にて形成し、マスク材料層603を形成した。
(3) つぎに、ポジ型フォトレジストをマスク材料層603上に、スピンナーで塗布した後、露光装置にて露光し、現像して、二つの電極パッド上にまたがる棒状の配線のフォトレジストパターン604を形成した。
(4) ついで、フォトレジストパターン604をマスクに、フッ化水素(HF)酸をエッチャントとして用いて、マスク材料層603のパターニングを行なった。さらに、塩化第二鉄(FeCl3)水溶液でCu層をエッチングし、水洗後、乾燥した。
(5) 次に、リアクティブエッチング装置で、酸素とアルゴンガスの混合ガスをエッチングガスとして使用し、棒状パターンのマスク材料層603をマスクに、ナノカーボン材料層を酸素プラズマでエッチングした。さらに、フォトレジストパターン604をフォトレジストはく離液で除去し、水洗、乾燥の後、二つの電極パッドにまたがるナノカーボン配線パターンを得た。
(比較例2-1)
比較例1におけるマスク材料層603をスパッタリング装置にて形成した二酸化ケイ素SiO2(膜厚200nm)のみに変更して、その他は、比較例1と同様にして、二つの電極パッドにまたがるナノカーボン配線パターンを得た。
(比較例2-2)
比較例2−1で得られた図6の(5)に示された素子構造のナノカーボン配線パターン上の酸化ケイ素SiO2のマスク材料層603をフッ化水素(HF)酸でエッチング除去し、水洗、乾燥して、マスク材料層603のないナノカーボン配線パターンを得た。
(比較例3−1)
比較例1におけるマスク材料層603をスパッタリング装置にて形成した銅Cu(膜厚200nm)のみに変更して、その他は、比較例1と同様にして、二つの電極パッドにまたがるナノカーボン配線パターンを得た。
(比較例3−2)
比較例3−1で得られた図6の(5)に示された素子構造のナノカーボン配線パターンのCuのマスク材料層603を塩化第二鉄(FeCl3)水溶液でエッチング除去し、水洗、乾燥して、マスク材料層603のないナノカーボン配線パターンを得た。
〔顕微鏡観察による外観評価〕
実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例3−2で得られた素子を光学顕微鏡にて観察し、外観を評価した。
その結果、実施例1〜実施例5では、いずれにおいても、はがれ等は観察されなかった。
比較例1〜比較例3−2では、比較例2−2において、ナノカーボン層のはがれが観察された。
また、比較例3−2においては、酸化銅と思われる残留物がナノカーボン層表面に観察された。比較例3−2のようにナノカーボン層の酸素プラズマによるパターニング後に容易に除去できない材料を、マスク材料層に用いた場合には、形成されたナノカーボンパターン上にさらなる材料層を形成して目的の素子を作製する場合の(均一な素子が作製できない、あるいは欠陥が発生するといった)障害が発生する恐れがあり、好ましい方法とはいえない。
〔配線抵抗の評価〕
実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例3−2で得られた、カーボンナノチューブの配線抵抗を、二つの電極パッド601間に直流電流を流し、二つの電極パッド601間の電圧を計測することによって、配線抵抗を評価した。
その結果、実施例1と比較例1で得られたカーボンナノチューブの配線抵抗の比較から、比較例1の方が、配線抵抗が高いことがわかった。
実施例2−1と比較例2−1で得られたカーボンナノチューブの配線抵抗の比較から、比較例2−1の方が、配線抵抗が高いことがわかった。
実施例2−2と比較例2−2で得られたカーボンナノチューブの配線抵抗の比較から、比較例2−2の方が、配線抵抗が高いことがわかった。比較例2−2のカーボンナノチューブの配線抵抗が高い要因としては、マスク材料層のSiO2層形成時にカーボンナノチューブの一部がスパッタリング雰囲気に含まれるSiO2由来の酸素プラズマでエッチングされた点、マスク材料層のSiO2層のHF水溶液によるエッチング時にカーボンナノチューブ層とガラス基板界面のガラスが同時にエッチングされ、カーボンナノチューブ層の一部にはがれが発生した点が考えられる。
実施例2−1と比較例3−1で得られたカーボンナノチューブの配線抵抗の比較から、比較例3−1の方が、配線抵抗が高いことがわかった。この結果の要因は、カーボンナノチューブ層の酸素プラズマによるエッチング時に、マスク材料層のCuが酸化されやすく、マスク材料層の抵抗が高くなったためだと考えられる。
比較例1〜比較例3−2で得られたカーボンナノチューブの配線抵抗の測定値は、素子形成工程で大部分のカーボンナノチューブ層がはがれた場合を除き、実施例1〜実施例5で得られたカーボンナノチューブの配線抵抗の、いずれも3〜10倍の範囲であった。
(実施例6)
図3の(A)の断面構造の電界効果トランジスタ素子を、以下のようにして作製した。
ゲート電極305として、高ドープのp型シリコン結晶ウエハを用い、ゲート絶縁膜302として200nmの膜厚のSiO2をLPCVD(Low−pressure Chemical Vapor Deposition)法によって作製し、前記実施例2−2類似の方法にて、カーボンナノチューブ層301をカーボンナノチューブの分散溶液の塗布とアルゴンガス雰囲気600℃の熱処理によって形成し、マスク材料層として、20nmの膜厚のパラジウムPd、100nmの膜厚のモリブデンMo、100nmの膜厚の亜鉛Znを順次電子ビーム蒸着で金属層を形成し、Zn/Mo/Pdをマスクとして、酸素プラズマでカーボンナノチューブ層をパターニングした。その後、Zn層をアンモニア水でエッチング除去し、Mo/Pd層をフォトリソ工程でパターニングしてソース電極303とドレイン電極304を形成し、トランジスタを作製した。作製したトランジスタの測定から、基本的な電界効果トランジスタ特性を示すことを確認することができた。
(比較例4)
実施例6におけるマスク材料層の形成を以下のように変更した。即ち、20nmの膜厚のパラジウムPd、100nmの膜厚のモリブデンMoを順次電子ビーム蒸着で金属層を形成し、ついで、100nmの膜厚のSiO2をLPCVD法によって形成して、マスク材料層を形成した。
そして、このSiO2/Mo/Pdをマスクとして、酸素プラズマでカーボンナノチューブ層をパターニングした。その後、SiO2層をHF水溶液にて除去し、それ以降は実施例6と同様の手順で、図3の(A)の断面構造の電界効果トランジスタ素子を作製した。
しかしながら、比較例4では、HF溶液でのSiO2のエッチング工程中に、ゲート絶縁膜の一部がエッチングされ、満足のゆくトランジスタ特性の得られるトランジスタ素子を作製することができなかった。
以上説明してきたように、本発明によれば、各種用途への可能性のあるナノカーボン材料を用いた各種デバイスの作製を容易にする、ナノカーボン材料層のパターン形成方法を提供できる。
本発明のナノカーボン材料層のパターン形成方法の一例を示すフローチャートである。 本発明のナノカーボン材料層のパターン形成プロセスの二例を説明するための図である。 本発明の方法により作製した電界効果トランジスタの概略断面図の三例である。 本発明のナノカーボン材料の分散溶液を調製するために用いた、反応装置の断面構成図の一例である。 本発明の方法により、ナノカーボン材料から形成したFEDの部分断面構成図の一例である。 本発明の方法により、ナノカーボン材料を配線材料として用いた場合の配線抵抗を評価するための素子を作製するための手順を説明するための図の一例である。
符号の説明
200 基板
201 ナノカーボン材料層
202 第一の金属層
203 第二の金属層
204 フォトレジスト層
205 酸素プラズマ
300 基板
301 カーボンナノチューブ層
302 ゲート絶縁膜
303 ソース電極
304 ドレイン電極
305 ゲート電極
306 絶縁層
307 オーミックコンタクト層
400 高温高圧反応容器
401 ナノカーボン材料
402 溶媒と界面活性剤
403 加熱装置
404 圧力計
405 安全弁
406 攪拌機構
500 絶縁基板
501 裏面電極(陰極電極)
502 ナノカーボン材料層(陰極)
503 絶縁スペーサー(隔壁)
504 蛍光体層
505 透明電極(陽極)
506 表面マスク
507 透明表面材(ガラス板)
600 絶縁基板
601 電極パッド
602 ナノカーボン層
603 マスク材料層
604 フォトレジスト層

Claims (11)

  1. ナノカーボン材料層のパターン形成方法において、
    基板上にナノカーボン材料層を形成する工程、
    前記ナノカーボン材料層の上に、少なくとも、亜鉛、スズ、インジウム、アルミニウム、チタンからなる群から選択される金属からなる第一の金属層の所望パターンを形成する工程、
    前記第一の金属層のパターンをポジパターンとするマスクとして、酸素プラズマに曝してナノカーボン材料層をエッチングする工程、
    を含むことを特徴とするナノカーボン材料のパターン形成方法。
  2. 前記ナノカーボン材料層の形成工程が、ナノカーボン材料の分散溶液を塗布し熱処理する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のナノカーボン材料のパターン形成方法。
  3. 前記ナノカーボン材料の分散溶液が、界面活性剤、カリックスアレーン、シクロデキストリン、シクロファンからなる群から選択される一種類以上の物質とナノカーボン材料と溶媒とを高温高圧処理して得られる溶液であることを特徴とする請求項2に記載のナノカーボン材料のパターン形成方法。
  4. 前記高温高圧処理条件が前記溶媒の臨界点を超える超臨界条件であることを特徴とする請求項3に記載のナノカーボン材料のパターン形成方法。
  5. 前記酸素プラズマ処理後の第一の金属層のパターンを酸または/及びアルカリでエッチング除去することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のナノカーボン材料のパターン形成方法。
  6. 前記ナノカーボン材料がカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のナノカーボン材料のパターン形成方法。
  7. ナノカーボン材料を半導体層に用いる半導体デバイスの製造方法において、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法にてナノカーボン材料のパターン形成を行なうことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  8. ナノカーボン材料を配線もしくは電極の導体層に用いる半導体デバイスの製造方法において、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法にてナノカーボン材料のパターン形成を行なうことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  9. ナノカーボン材料を半導体層に用いた半導体デバイスにおいて、前記半導体層が、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法にてパターン形成されたナノカーボン材料層を有することを特徴とする半導体デバイス。
  10. ナノカーボン材料を配線もしくは電極の導体層に用いた半導体デバイスにおいて、前記配線もしくは電極が、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法にてパターン形成されたナノカーボン材料層を有することを特徴とする半導体デバイス。
  11. 前記配線もしくは電極が、前記ナノカーボン材料層と、銅またはアルミニウムからなる第二の金属層との二層以上の多層構造から成ることを特徴とする請求項10に記載の半導体デバイス。
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