まず、本発明にかかる電子書籍装置について、実施の形態1及び実施の形態2並びにそれらの変形例を用いて説明し、その後、実施の形態3〜実施の形態7を用いて説明する。
なお、本発明にかかる実施の形態1及び実施の形態2並びにそれらの変形例における電子書籍装置の特徴と効果をまとめると以下の通りである。
上記電子書籍装置は、ユーザが読書し得るように電子書籍の内容を表示する電子書籍装置であって、ユーザの読書を行う予定の読書予定時間を特定する予定時間特定手段と、ユーザの読書を行う読書速度を特定する速度特定手段と、前記電子書籍の内容の中から、前記内容の構成が区切られた区切位置を検出する位置検出手段と、前記予定時間特定手段によって特定された読書予定時間内で、ユーザが読み終えることが可能な前記電子書籍の限界読書位置を、前記速度特定手段によって特定された読書速度に基づいて導出する限界位置導出手段と、前記電子書籍が表示されているときに、前記位置検出手段によって検出された区切位置のうち、前記限界位置導出手段によって導出された限界読書位置の直前にある区切位置を、読書終了位置としてユーザに提示する終了位置提示手段とを備えることを特徴とする。例えば、前記電子書籍装置は、さらに、ユーザによって前記電子書籍が読書された読書時間及びページ数を特定する時間ページ特定手段と、前記時間ページ特定手段によって特定された読書時間及びページ数を記憶媒体に登録する時間ページ登録手段とを備え、前記速度特定手段は、前記記憶媒体に登録された読書時間及びページ数に基づいて前記読書速度を導出する。
通常、ユーザは読書予定時間で限界読書位置まで読み進み、その限界読書位置が区切位置でなければ、中途半端な位置で読書の中断を強いられるが、このように、電子書籍の内容に含まれる区切位置のうち、限界読書位置の直前にある区切位置が読書終了位置としてユーザに提示されるため、ユーザは読書予定時間を有効に活用してその読書終了位置で区切良く読書を中断することができる。また、ユーザの読書速度が特定されて、その特定された読書速度に基づいて限界読書位置が導出されるため、ユーザは無理なく区切の良い位置で読書を中断することができる。その結果、ユーザに対する利便性を向上することができる。
また、前記電子書籍装置は、さらに、ユーザによって前記電子書籍が読書される読書状況を検出する状況検出手段と、前記状況検出手段によって検出された読書状況を、前記時間ページ特定手段によって特定された読書時間及びページ数に関連付けて、前記記憶媒体に登録する状況登録手段とを備え、前記速度特定手段は、前記記憶媒体に登録された読書状況から、前記状況検出手段で検出された現在の読書状況と同一のものを検索し、前記読書状況に関連付けて前記記憶媒体に登録された読書時間及びページ数に基づいて、前記読書状況に応じた前記読書速度を導出することを特徴としても良い。
これにより、現在の読書状況に応じた読書速度が導出されため、ユーザの読書速度を正確に特定することができ、その結果、提示される読書終了位置の信頼性を高めることができる。
また、前記予定時間特定手段は、前記記憶媒体に登録された読書状況から、前記状況検出手段で検出された現在の読書状況と同一のものを検索し、前記読書状況に関連付けて前記記憶媒体に登録されている読書時間に基づいて、前記読書予定時間を特定することを特徴としても良い。
これにより、記憶媒体に登録されている過去の読書時間に基づいて、現在の読書状況に応じた読書予定時間が特定されるため、読書予定時間を適切に特定することができるとともに、ユーザが読書予定時間を電子書籍装置にわざわざ入力する必要がなく、ユーザの操作負担を低減することができる。
また、前記終了位置提示手段は、前記電子書籍に含まれる前記読書終了位置以降の内容を、網掛けされたように、又は塗り潰されたように表示することにより、前記読書終了位置をユーザに提示することを特徴としても良い。
これにより、ユーザは読書終了位置を容易に把握することができる。
また、前記電子書籍装置は、さらに、前記読書終了位置を記憶するため領域を有する終了位置記憶手段と、前記電子書籍の読書が終了されたときに、前記終了位置提示手段により提示された読書終了位置を、前記終了位置記憶手段に格納する格納手段と、前記電子書籍の読書が開始されたときに、前記終了位置記憶手段に格納されている前記読書終了位置を読み出し、前記読書終了位置を読書の開始位置としてユーザに提示する開始位置提示手段とを備えることを特徴としても良い。例えば、前記開始位置提示手段は、前記電子書籍に含まれる前記読書終了位置以前の内容を、網掛けされたように、又は塗り潰されたように表示することにより、前記開始位置をユーザに提示する。
これにより、ユーザが電子書籍の読書を開始したときには、前回に読書したときの読書終了位置が読書の開始位置として提示されるため、ユーザは電子書籍の内容から読書を開始すべき位置を把握することができ、ユーザに対する利便性をさらに向上することができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における電子書籍装置の外観を示す外観図である。
この電子書籍装置100は、ユーザの利便性を向上したものであって、図1の(a),(b)に示すように、紙材質の書籍と類似した形態に構成されている。
即ち、電子書籍装置100は、一対の略矩形の板体1,2がそれぞれの一辺側で互いに回動自在に接合するように構成されている。ユーザは、電子書籍装置100を使用しないときには、その電子書籍装置100を閉じた状態、つまり一対の板体1,2が重ね合わされた状態とし、使用するときには、図1の(b)に示すように開いた状態、つまり一対の板体1,2が広げられた状態とする。
一対の板体1,2のそれぞれには、電子書籍装置100が閉じた状態で互いに向き合う面に、液晶ディスプレイ3と、1ページごとにページを変更するための押しボタン4とが備えられている。板体1には、小説や漫画などの電子書籍が記録されたメモリカード5が差し込まれる。板体2には、押しボタン4の他、特殊なページ操作(例えば10ページごとのジャンプ)や各種設定を行うための押しボタン4aが備えられている。
即ち、ユーザが電子書籍装置100を開くと、電子書籍装置100は、メモリカード5に記録されている電子書籍のページを、各板体1,2の液晶ディスプレイ3に表示し、押しボタン4が操作されると、ページをめくるように電子書籍の次のページを表示する。ここで、2つの液晶ディスプレイ3に同時に連続して表示される2つのページを以下、組ページといい、ページ又は組ページをページ等という。
図2は、電子書籍装置100の内部構成を示すブロック図である。
電子書籍装置100は、ページめくり部101と、書籍管理部102と、速度算出部103と、区切提案部110と、状況検出部120と、終了判定部104と、読書予定時間特定部105と、区切記憶部106と、開始位置整形部107と、表示部108とを備えている。
表示部108は、上述の2つの液晶ディスプレイ3から構成されている。
書籍管理部102は、上述のメモリカード5として構成されており、電子書籍102aと、ユーザに読書された電子書籍102aに関する履歴を示す履歴データ102bとを格納している。
ページめくり部101は、上述の押しボタン4,4aを備え、その押しボタン4,4aの操作に応じて、書籍管理部102に格納されている電子書籍102aを選択して、その電子書籍102aのページ等を表示部108に表示させる。また、ページめくり部101は、選択された電子書籍102aの書籍名及びジャンル並びに読書ページ数を特定して、書籍管理部102の履歴データ102bに履歴として登録する。電子書籍102aの書籍名及びジャンルはその電子書籍102aの内容から特定される。また、読書ページ数は、電子書籍装置100が開かれて電子書籍102aが選択されている期間内に、その電子書籍102aの表示されたページ等をカウントすることによって特定される。
状況検出部120は、ユーザにより読書がされている状況を検出するものであって、ユーザが読書している読書日時を検出する日時検出部121と、読書しているユーザの読書場所を検出する場所検出部122とを備えている。
日時検出部121は、例えば書籍管理部102に管理されている幾つかの電子書籍102aから、何れかの電子書籍102aが選択されて表示が開始された日時を、その選択された電子書籍102aの読書日時として検出する。さらに、日時検出部121は、電子書籍装置100が開かれて電子書籍102aが選択されている時間、つまり電子書籍102aが継続して表示されている時間を計時して、その時間を読書時間として特定する。
そして、日時検出部121は、その読書日時及び読書時間を書籍管理部102の履歴データ102bに履歴として登録する。
なお、日時検出部121は、電子書籍装置100が開かれたときの日時や、ページめくり部101が操作されたときの日時、電子書籍装置100に電源が投入されたときの日時を、読書日時として検出しても良い。また、日時検出部121は、例えば電子書籍装置100が開かれたときから閉じられるときまでの時間や、押しボタン4,4aが継続的に操作されている時間、表示部108に電子書籍102aが表示されている時間、電子書籍装置100に電源が投入されてから停止されるまでの時間を計時して、その時間を読書時間として特定しても良い。
場所検出部122は、例えば書籍管理部102に管理されている幾つかの電子書籍102aから、何れかの電子書籍102aが選択されて表示されたときにおける自らの場所を、その選択された電子書籍102aの読書場所として検出する。
このような場所検出部122は、例えば、GPS(Global Positioning System)の機能、又はRFID(Radiofrequency Identification)タグやBluetooth(「ザ ブルートゥース エスアイジー インコーポレーテッド」の登録商標)などの局所無線技術の機能を備えるにより読書場所を検出する。また、場所検出部122は、電車やバスなどの交通機関の定期券や切符として構成される通行証用IC(Integrated Circuit)カードと通信することにより、ユーザが電車やバスに乗車しているか否かを含めた読書場所を検出する。即ち、場所検出部122は、ユーザが通行証用ICカードを改札機に近づけて改札を通過するときに通行証用ICカードと改札機との間で通信された内容をその通行証用ICカードから取得して、その内容に基づいてユーザが電車やバスに乗車しているか否かを特定する。
そして、場所検出部122は、検出した読書場所を書籍管理部102の履歴データ102bに履歴として登録する。この場合、場所検出部122は、読書場所を、緯度及び経度で表して登録したり、局所的な位置を示す識別情報で表して登録したり、経度及び緯度や識別情報で示される地図上の施設名(例えば、「自宅」や、「職場」、「○×公園」、「△□電車」など)で表して登録したり、経度及び緯度や識別情報で示される場所から特定されるユーザの状態(例えば、「移動中」や「休憩中」など)で表して登録する。なお、場所検出部122は、電子書籍装置100が開かれたときや、ページめくり部101が操作されたとき、電子書籍装置100に電源が投入されたときにおける自らの場所を、読書場所として検出しても良い。
図3は、書籍管理部102の履歴データ102bの内容を示すデータ内容表示図である。
履歴データ102bには、図3に示すように、書籍名欄A1と、ジャンル欄A2と、読書日時欄A3と、読書時間欄A4と、読書場所欄A5と、読書ページ数欄A6とがある。
書籍名欄A1には、ページめくり部101により特定された、例えば「書籍A」や「書籍B」などの電子書籍102aの書籍名が登録される。
ジャンル欄A2には、ページめくり部101により特定された、例えば「小説」や「漫画」、「新聞」、「図鑑」などの電子書籍102aのジャンルが登録される。
読書日時欄A3には、状況検出部120の日時検出部121で検出された、例えば「2003年12月14日 14時10分」などの読書日時が登録される。
読書時間欄A4には、ページめくり部101により計時された、例えば「70分」などの読書時間が登録される。
読書場所欄A5には、状況検出部120の場所検出部122で検出された、例えば「自宅」などの読書場所が登録される。
読書ページ数欄A6には、ページめくり部101により特定された、例えば「78ページ」などの読書ページ数が登録される。
速度算出部103は、書籍管理部102に格納されている履歴データ102bに基づいて、ユーザの読書状況に応じた読書速度を算出する。即ち、速度算出部103は、書籍名や、ジャンル、読書場所ごとにユーザの読書速度を算出したり、これらの読書状況が組み合わされた場合での読書速度を算出する。例えば、速度算出部103は、読書場所が「自宅」であってジャンルが「小説」である場合における読書速度を算出する。
具体的に、書籍名「書籍A」における読書速度を算出する場合、速度算出部103は、履歴データ102bに基づいて、読書ページ数(78ページ+122ページ)÷読書時間(70分+90分)の計算を行い、読書速度(1.25〔ページ/分〕)を算出する。また、書籍名「書籍B」における読書速度を算出する場合、速度算出部103は、上述と同様の計算を行い、読書速度(1.71〔ページ/分〕)を算出する。
ジャンル「小説」における読書速度を算出する場合、速度算出部103は、ジャンル「小説」に該当する書籍が「書籍A」と「書籍B」であるため、まず、「書籍A」の読書ページ数(78ページ+122ページ)と、「書籍B」の読書ページ数(54ページ+49ページ+119ページ)とを加算し、ジャンル「小説」の総読書ページ数(422ページ)を算出する。次に、速度算出部103は、「書籍A」の読書時間(70分+90分)と、「書籍B」の読書時間(40分+20分+70分)とを加算し、ジャンル「小説」の総読書時間(290分)を算出する。そして、速度算出部103は、総読書ページ数(422ページ)÷総読書時間(290分)の計算を行い、読書速度(1.46〔ページ/分〕)を算出する。
読書場所「自宅」における読書速度を算出する場合、速度算出部103は、読書場所「自宅」での各読書ページ数(78ページ,122ページ,54ページ,119ページ)を積算して総読書ページ数(373ページ)を算出するとともに、読書場所「自宅」での各読書時間(70分,90分,40分,70分)を積算して総読書時間(270分)を算出する。そして速度算出部103は、総読書ページ数(373ページ)÷総読書時間(270分)の計算を行い、読書速度(1.38〔ページ/分〕)を算出する。
また、速度算出部103は、読書状況としてカレンダー属性ごとに、つまり履歴データ102bの読書日時の属する曜日や時間帯ごとに読書速度を算出する。例えば、速度算出部103は、月曜日の読書速度を算出したり、午前中(7時から11まで)の読書速度を算出する。
読書予定時間特定部105は、ユーザが読書する予定の時間(以下、読書予定時間という)の候補を幾つか推定して、それらの候補を表示部108に表示させる。そして、読書予定時間特定部105は、表示部108に表示された候補の中からユーザによって選択された読書予定時間を特定する。
図4は、読書予定時間特定部105が表示部108に読書予定時間の候補を表示させた画面の一例を示す図である。
読書予定時間特定部105は、図4に示すように、読書予定時間として20分、30分、40分、及び50分を推定したときには、これらを表示部108に表示させて、ユーザに何れかを選択させる。ユーザによって30分が選択されたときには、ユーザは30分を読書予定時間として特定する。
具体的に、読書予定時間特定部105は、上述の定期券として構成された通行証用ICカードと通信することによって乗車区間を取得したときには、その乗車区間から読書予定時間の第1候補を算出する。例えば、通行証用ICカードは、ユーザが乗車するために改札を通過しようとすると改札機と通信し、このタイミングで読書予定時間特定部105に乗車区間を局所無線で通知する。読書予定時間特定部105は、その通知された乗車区間と、その乗車区間を走行する車両の移動速度とから読書予定時間の第1候補を算出する。そして、読書予定時間特定部105は、ユーザが乗車区間の最終駅で下車せずに途中下車することもあるため、第1候補を起点に他の候補も推定する。例えば、通行証用ICカードにより通知された乗車区間が「A駅からC駅」であっても、ユーザはA駅とC駅の途中にあるB駅で下車する可能性がある。そこで、読書予定時間特定部105は、第1候補として例えば40分を推定するとともに、他の候補として20分も推定する。
また、読書予定時間特定部105は、ユーザのスケジュール情報をメモリカード5から取得、又はインターネットを介して端末から取得したときには、そのスケジュール情報から読書予定時間の第1候補を算出する。スケジュール情報にはユーザの予定行事が時刻と関連付けて登録されている。したがって、読書予定時間特定部105は、現在時刻からスケジュール情報に登録された最近の予定行事の開始時刻までの時間を、読書予定時間の第1候補として特定する。そして、読書予定時間特定部105は、ユーザが予定を変更することもあるため、第1候補を起点に他の候補も推定する。
さらに、読書予定時間特定部105は、乗車区間及びスケジュール情報のいずれも取得できないときには、履歴データ102bに基づいて読書予定時間の第1候補を算出する。この場合、読書予定時間特定部105は、現在の読書状況と同じ過去の読書状況における平均読書時間を算出し、その算出した平均読書時間を読書予定時間の第1候補とする。即ち、現在の読書状況として読書場所が「自宅」である場合、読書予定時間特定部105は、履歴データ102bに登録された読書場所「自宅」に対応する読書時間(例えば、70分と90分)の平均を算出し、その結果(80分)を読書予定時間の第1候補とする。そして、読書予定時間特定部105は、ユーザがこれまでとは異なる行動をとる可能性があるため、第1候補を起点に他の候補も推定する。
区切提案部110は、読書予定時間特定部105で特定された読書予定時間と、速度算出部103で算出された読書速度とに基づいて、読書予定時間を有効に活用してユーザが読み終えることができる区切の良い位置(以下、終了最適位置(読書終了位置)という)をユーザに提示する。
このような区切提案部110は、速度取得部111と、ページ数算出部112と、構成解析部113と、区切判定部114とを備えている。
速度取得部111は、現在の読書状況を速度算出部103に通知してその読書状況におけるユーザの読書速度を算出させ、その算出結果をその速度算出部103から取得する。速度取得部111は、現在の読書状況として、状況検出部120で検出された読書場所や読書日時を通知したり、ページめくり部101で特定された現在の電子書籍102aの書籍名やジャンルを通知したりする。例えば、検出された読書場所が「電車」であり、検出された読書日時の時間帯が「平日」の「午前中」であり、特定された電子書籍102aのジャンルが「小説」である場合には、速度取得部111は、「電車」、「平日」、「午前中」、及び「小説」といった読書状況の組み合わせを速度算出部103に通知して、これらの読書状況の組み合わせにおけるユーザの読書速度を算出させる。又は、速度取得部111は、これらの読書状況のうちの何れか1つを速度算出部103に通知して、その読書状況におけるユーザの読書速度を算出させる。なお、速度取得部111によって通知される読書状況を組み合わせるか否かは、予め設定されていても良く、ユーザにより選択されるようにしても良い。また、複数の読書状況の組み合わせが通知された速度算出部103は、各読書状況における読書速度を算出して、それらの読書速度の平均値を求めても良い。
ページ数算出部112は、速度取得部111で取得された読書速度と、読書予定時間特定部105で特定された読書予定時間とを乗算することにより、その読書予定時間でユーザが読書可能なページ数を算出する。例えば、読書速度が1.25〔ページ/分〕であって、読書予定時間が20分である場合には、ページ数算出部112は、1.25×20を計算して25ページを読書可能ページ数として算出する。
構成解析部113は、表示部108に表示される電子書籍102aの文書構成を解析し、その電子書籍102aに示される文章中の区切の良い位置(以下、区切位置という)を検出する。
図5は、構成解析部113により検出される区切位置の一例を示す図である。
この図5に示すように、電子書籍102aに示される文章中に、章や節の転換点p1や空白行p2がある場合、構成解析部113は、このような転換点p1や空白行p2を区切位置として検出する。
また、構成解析部113は、上述のような転換点や空白行の他、見出し文字やタイトル、文字サイズの変化点などを区切位置として検出する。例えば、構成解析部113は、新聞などの電子書籍102aでは、見出し文字や文字サイズの変換点を区切位置として検出し、漫画などの電子書籍102aでは、タイトルや見出し文字を区切位置として検出する。
区切判定部114は、電子書籍102aの読書が開始された読書開始位置から、ページ数算出部112によって算出された読書可能ページ数だけ最終ページ側に進めた限界読書位置を特定する。そして、区切判定部114は、構成解析部113によって検出された幾つかの区切位置のうち、その限界読書位置の直前にあるものを終了最適位置として判定する。そして区切判定部114は、その判定した終了最適位置を表示部108に提示する。
図6は、区切提案部110が終了最適位置を表示部108に提示させる画面の一例を示す図である。
区切提案部110は、終了最適位置から後の文章を網掛け状態で表示部108に表示させることにより、その網掛けの直前に終了最適位置があることをユーザに示す。
これにより本実施の形態では、ユーザはその終了最適位置で読み終えることにより、乗車時間などの読書予定時間を有効に活用して無理なく区切の良い位置で電子書籍102aの読書を終えることができる。また、ユーザの読書速度は、読書が行われる時点での読書状況に応じて算出されるため、電子書籍のジャンルや読書の時間帯や場所などが変化しても、ユーザは無理なく区切の良い位置で読書を終えることができる。
終了判定部104は、電子書籍102aの読書が終了されたか否かを判定し、終了されたと判定したときには、その終了されたときに表示されていた電子書籍102aの書籍名と、終了されてときに表示されていた終了ページ(nページ及び(n+1)ページ)と、その終了ページの中でユーザに読書された最後の位置(以下、最後位置という)とを特定して、これらの内容を終了情報として区切記憶部106に格納する。例えば、終了判定部104は、電源供給が停止されたときや、電子書籍装置100が閉じられたとき、表示されていた電子書籍102aが消されて書籍管理部102に格納されている電子書籍102aの一覧が表示されたとき、表示されている電子書籍102aが他の電子書籍102aに切り替えられたときなどに、読書が終了されたと判定する。
また、終了判定部104は、終了ページにおいて区切提案部110で検出された区切位置が1つあれば、その区切位置を最後位置として特定し、区切位置がなければ、終了ページの先頭の位置を最後位置として特定する。さらに、終了ページにおいて区切提案部110で検出された区切位置が複数あって、何れの位置も終了最適位置でなければ、終了判定部104は、その複数の位置のうち最前にあるものを最後位置として特定し、何れかの位置が終了最適位置であれば、その終了最適位置を最後位置として特定する。
開始位置整形部107は、電子書籍102aの読書が開始されたか否かを判別し、開始されたと判別したときには、その電子書籍102aの文章の表示形態を整形する。
具体的には、開始位置整形部107は、電子書籍102aの読書が開始されたと判別すると、その電子書籍102aの終了情報を区切記憶部106から検索する。例えば、開始位置整形部107は、電子書籍の一覧から何れかの電子書籍102aが選択されたときに、その選択された電子書籍102aの読書が開始されたと判別する。そして、開始位置整形部107は、その電子書籍102aの終了情報を見つけると、その終了情報に含まれる終了ページの最後位置以降の文章をユーザが容易に見つけられるように、文章の表示形態を整形する。つまり、開始位置整形部107は、読書の開始位置をユーザに提示する。
図7は、開始位置整形部107が表示部108に表示させる画面の一例を示す図である。
この図7に示すように、開始位置整形部107は、電子書籍102aの読書が開始されたと判別すると、その電子書籍102aの終了ページを、最後位置以前の文章が網掛け状態となるように表示部108に表示させる。
これにより、ユーザは、前回ではどこまで読んだかを容易に知ることができ、迷い無く網掛けがされていない文章から読み続けることができる。例えば、従来の電子書籍装置(特開平6−231190号公報)では、読書の終了時に表示されていたページだけを記憶し、読書が再開されたときにはそのページを表示させる。しかし、このような従来の電子書籍装置では、ユーザは表示されたページの何処から読み始めれば良いかを迷ってしまうのである。ところが、本実施の形態の電子書籍装置100は、上述のように終了ページを、最後位置以前の文章が網掛け状態となるように表示するため、ユーザは続きの文章を迷い無く見つけて読書することができる。
図8は、本実施の形態の電子書籍装置100が終了最適位置を提示する動作を示すフロー図である。
まず、電子書籍装置100は、読書予定時間特定部105によってユーザの読書予定時間を特定するとともに(ステップS100)、状況検出部120及びページめくり部101によって現在の読書状況を特定する(ステップS102)。
次に電子書籍装置100は、ステップS102で特定された読書状況におけるユーザの読書速度を、履歴データ102bに基づいて算出する(ステップS104)。
読書速度を算出した電子書籍装置100は、ステップS100で特定した読書予定時間と、ステップS104で算出した読書速度に基づいて、読書可能ページ数を算出する(ステップS106)。
さらに、電子書籍装置100は、表示部108に表示されている電子書籍102aの文章構成を解析することにより(ステップS108)、電子書籍102aの区切位置を検出する。
そして、電子書籍装置100は、ステップS108での解析結果により検出された区切位置のうち、ステップS106で算出された読書可能ページ数によって示される限界読書位置の直前にあるものを、終了最適位置として特定して提示する(ステップS110)。
図9は、本実施の形態の電子書籍装置100が読書の開始時に文章の表示形態を整形する動作を示すフロー図である。
まず、電子書籍装置100は、終了判定部104により読書が終了されたことを検出する(ステップS200)。そして電子書籍装置100は、そのときの終了情報を特定して(ステップS202)、その終了情報を記憶しておく。
次に電子書籍装置100は、電子書籍102aの読書が開始されたことを検出すると(ステップS204)、ステップS202で特定した終了情報に基づいて、前回の終了ページにおける最後位置以降の文章がユーザに容易に分かるように、その終了ページを整形して表示する(ステップS206)。
(変形例1)
ここで、本実施の形態における履歴データの構成及び読書速度の算出方法に関する第1の変形例について説明する。
本変形例に係るページめくり部101は、表示部108に表示される電子書籍102aの書籍名及びジャンルと、表示部108に表示されているページ等とを特定する。そしてページめくり部101は、その特定結果を履歴として履歴データに登録する。
本変形例に係る日時検出部121は、ページ等の表示が開始された日時を、そのページ等の読書日時として検出し、さらに、そのページ等が表示されている時間を計時して、その時間をそのページ等の読書時間として特定する。そして日時検出部121は、そのページ等ごとの読書日時及び読書時間を履歴データに登録する。
図10は、本変形例に係る履歴データの構成を示す図である。
書籍管理部102に格納された本変形例に係る履歴データ102cは、電子書籍102aごとに構成されており、読書ページ欄B1と、読書日時欄B2と、読書時間欄B3と、読書場所欄B4とがある。
読書ページ欄B1には、ページめくり部101で特定されたページ等が登録され、読書日時欄B2には、日時検出部121で検出されたページ等ごとの読書日時が登録され、読書時間欄B3には、日時検出部121で特定されたページ等ごとの読書時間が登録され、読書場所欄B4には、場所検出部122で検出された読書場所が登録される。
このような履歴データ102cは、ユーザの読書速度の変化を詳細に表している。
図11は、履歴データ102cが示すユーザの読書速度の変化を説明するための図である。
ユーザの一回の読書における読書速度は、図11の(a)に示すように、読書開始からの時間経過とともに徐々に速くなる。そして、例えば読書開始から15分経過後には、読書速度は一定になり、60分経過後には、読書速度は徐々に遅くなる。このように、履歴データ102cは、ページ等ごとの読書日時及び読書時間が登録されていることにより、ユーザの一回の読書に対する慣れや疲れに応じた読書速度の変化を表している。
また、ユーザの各回ごとの読書速度は前回に比べて速くなる。図11の(b)に示すように、過去の読書時間を累積した総読書時間を横軸にとると、読書速度は電子書籍102aを読み込めば読み込むほど速くなる。つまり、読み始めには、ユーザが電子書籍の全体的な内容や登場人物といった情報を十分に把握できないため読書速度は遅いが、ある程度読み進むと、理解が深まって読書速度が速くなる。また、読書速度の変化の割合は、総読書時間が0分から40分までが最も大きく、40分経過後から小さくなり、70分経過後にはさらに小さくなる。つまり、読み始めには、その電子書籍102aの内容にユーザが慣れるため、急速に読書速度が速くなり、中盤には読書速度が徐々に速くなり、終盤ではユーザの慣れの程度がそれほど進化しないため読書速度はさらにゆっくりと速くなる。このように、履歴データ102cは、ページ等ごとの読書日時及び読書時間が登録されていることにより、ユーザの各回(総読書時間)の読書に対する慣れや疲れに応じた読書速度の変化を顕著に表している。
本変形例に係る速度算出部103は、上述のような履歴データ102cに基づいて、ユーザの読書速度を正確に算出する。
即ち、速度算出部103は、ユーザが読書場所「自宅」で書籍名「書籍A」の電子書籍102aを読み始めたときには、このような読書状況における履歴を履歴データ102cから検索する。そして、速度算出部103は、その読書状況での過去の一回の読書における、図11の(a)に示すような読書速度プロファイルを特定する。さらに、速度算出部103は、図11の(b)に示すような総読書時間に対する読書速度の変化を考慮して、その特定した読書速度プロファイルを修正する。例えば、電子書籍102aの終盤における読書の場合には、速度算出部103は、先に特定した読書速度プロファイルを全体的に速くなるように修正する。
区切提案部110は、このように速度算出部103で算出された読書速度プロファイルと、読書予定時間特定部105で特定された読書予定時間とに基づいて、読書可能ページ数を算出する。
(変形例2)
ここで、本実施の形態における開始位置整形部107の整形方法に関する第2の変形例について説明する。
本変形例に係る開始位置整形部107は、終了ページにおける最後位置以降の文章が、その終了ページの最初から表示されるように、終了ページの表示形態を整形する。
図12は、開始位置整形部107の整形方法を説明するための説明図である。
縦書きの電子書籍102aの終了情報によって示される終了ページが、図12の(a)に示すように、nページ及び(n+1)ページであって、その終了情報によって示される最後位置がコラムBとコラムCの間にある場合、開始位置整形部107は、図12の(b)に示すように、コラムCが最初(図12の(b)中、nページの右端)に表示されるように電子書籍102aの終了ページの表示形態を整形する。
なお、横書きの電子書籍102aの場合には、開始位置整形部107は、最後位置以降の文章が、終了ページ((n+1)ページ)の左上から始まるように、その終了ページの表示形態を整形する。
このように本変形例では、最後位置以降の文章が終了ページの最初から表示されるので、上記実施の形態のように最後位置以前の文章が網掛けされる場合と比べて、ユーザの使い勝手が向上する。例えば、図12の(a)に示すように、コラムBとコラムCの間に最後位置がある場合、上記実施の形態では最後位置以前の文章が網掛けされるだけであって、ユーザはコラムCを読書すると直ぐに終了ページを次のページへ変更しなければならない。しかし、本変形例では、コラムCが終了ページの最初に表示されるとともに、未読のコラムD及びコラムEも表示されるため、ユーザは読書が開始されてから余裕を持ってページの変更を行うことができる。その結果、ページの変更に伴うユーザの操作の負担を軽減して、ユーザの使い勝手を向上することができる。
(変形例3)
ここで、本実施の形態における区切提案部110の提案方法に関する第3の変形例について説明する。
本変形例に係る区切提案部110は、終了最適位置以降の文章を網掛け状態で表示するとともに、終了最適位置まで読み終わると予測される終了予測時刻を、その終了最適位置に表示させる。
これにより、ユーザはその終了予測時刻が表示された位置を終了最適位置として把握することができるとともに、その終了予測時刻を目安に、自らの読書速度を調整することができる。例えば、読書予定時間の満了時刻よりも終了予測時刻が十分前にあれば、ユーザは、少し読書速度を上げれば次の区切位置まで読み進めることができると判断することができるとともに、ゆっくり読書しても余裕で終了最適位置まで読むことができると判断することができる。なお、区切提案部110により提案される終了最適位置を有するページ等を表示するためのリンクを、表示部108に表示される各ページ等に対して表示させても良い。又は、終了最適位置を有するページ等を表示する機能を押しボタン4aに割り当てても良い。これにより、何れのページ等が表示されていても、ユーザはリンク又は押しボタン4aを選択すれば、そのページ等を終了最適位置があるページ等にジャンプさせることができ、終了予測時刻とその終了最適位置とを容易に確認することができる。
また、区切提案部110は、さらに、終了最適位置以前の各区切位置に、その区切位置まで読み終わると予測される予測時刻を表示する。これにより、ユーザは各区切位置において予定通り読書されているか否かを把握することができる。
なお、区切提案部110は、終了予測時刻の代わりに、読書開始からの時間を表示しても良い。これにより、ユーザは、終了最適位置まで読み終えるのに要する時間を容易に把握することができる。その結果、例えばその時間が5時間であれば、ユーザは自らの疲れを考慮して、終了最適位置まで読まなくても途中の区切位置で読書を終えても良いと、容易に判断することができる。さらに、区切提案部110は、上述と同様、終了最適位置以前の各区切位置に、読書開始からその区切位置まで読み終わると予測される時間を表示しても良い。また、このような終了予測時刻や読書開始からの時間などの情報を、終了最適位置だけでなく、終了最適位置以前の何れかの区切位置に表示させても良い。
(変形例4)
ここで、本実施の形態における区切提案部110の提案方法に関する第4の変形例について説明する。
本変形例に係る区切提案部110は、区切位置に優先度を付け、その優先度を考慮して終了最適位置を表示部108に提示させる。
区切提案部110の構成解析部113は、電子書籍102aの文書構成を解析して、その電子書籍102aに示される文章中の区切位置を検出し、各区切位置に優先度を付ける。例えば、検出した区切位置が、文章中の空白行、及び章の転換点である場合、構成解析部113は、章の転換点に高い優先度を付け、空白行に低い優先度を付ける。
区切提案部110の区切判定部114は、構成解析部113によって検出された優先度の最も高い区切位置(章の転換点)のうち、限界読書位置の直前にあるものを終了最適位置として判定し、その終了最適位置を表示部108に提示させる。また、区切判定部114は、ユーザからの指示があったときには、上記優先度を切り替え、優先度の低い区切位置(空白行)のうち、限界読書位置の直前にあるものを終了最適位置として判定し、その終了最適位置を表示部108に提示させる。
例えば、終了最適位置のあるページをユーザが表示させてその終了最適位置まで読み終えても、その終了最適位置が章の転換点であって、まだ読書予定時間が十分に残っているために、ユーザが次の空白行まで可能であれば読書したいと思うような場合がある。このような場合、本変形例に係る区切提案部110は、ユーザによる操作に応じて、空白行である区切位置の中から、限界読書位置の直前にあるものを終了最適位置として再判定し、その終了最適位置を表示部108に提示させる。
(実施の形態2)
ところで、従来の電子書籍装置では、電子書籍の各ページを予め定められた順序に従って表示するため、ユーザは、所定のページを読書しているときに、そのページと深く関連する他のページを参照しようとするときには、わざわざ電子書籍装置を操作して、表示されるページを変更する必要がある。このように従来の電子書籍装置では、ユーザに対する利便性が欠けているのである。
そこで、本実施の形態における電子書籍装置は、ページ等の構成をそのページ等に関連する他のページ等の内容が取り込まれるように整形することにより、ユーザの利便性を向上した点に特徴がある。
本発明の第2の実施の形態における電子書籍装置は、実施の形態1の電子書籍装置100と同様、図1の(a),(b)に示すように、紙材質の書籍と類似した形態に構成されている。
図13は、本発明の第2の実施の形態における電子書籍装置の内部構成を示すブロック図である。
この電子書籍装置200は、ページめくり部201と、書籍管理部202と、ページ特定部203と、ページ記憶部204と、関連特定部205と、整形部206と、表示部208とを備えている。
表示部208は、実施の形態1の表示部108と同様、上述の2つの液晶ディスプレイ3から構成されている。
書籍管理部202は、上述のメモリカード5として構成され、電子書籍202aを格納している。
ページめくり部201は、上述の押しボタン4,4aを備えて、その押しボタン4,4aの操作に応じて、書籍管理部202に格納されている電子書籍202aのページ等を表示部208に表示させる。
ページ特定部203は、表示部208に電子書籍202aのページ等が表示されると、表示部208に表示された電子書籍202aの書籍名と、表示部208に表示されたページ等と、そのページ等が表示された表示日時とを特定する。そして、ページ特定部203は、表示部208にページ等が表示されるごとに、その特定結果と、その特定結果を識別するためのインデックスとを順に(時系列に沿って)、ページ記憶部204のページ履歴データ204aに登録する。
ページ記憶部204は上述のページ履歴データ204aを記憶している。
図14は、ページ履歴データ204aの内容の一例を示すデータ内容表示図である。
ページ履歴データ204aには、インデックス欄C1と、書籍名欄C2と、ページ欄C3と、表示日時欄C4とがある。
ページ特定部203は、上述のように特定した書籍名を書籍名欄C2に登録し、特定したページ等をページ欄C3に登録し、特定した表示日時を表示日時欄C4に登録し、これらの特定結果を識別するためのインデックスをインデックス欄C1に登録する。なお、このインデックスは、ページ等が表示された順序を示す。
例えば、2003年12月14日の14時10分25秒に書籍名「書籍A」の電子書籍202aの57ページ及び58ページが表示されたときには、ページ特定部203は、書籍名「書籍A」を特定してページ履歴データ204aの書籍名欄C2に登録し、組ページ「57,58」を特定してページ履歴データ204aのページ欄C3に登録し、表示日時「2003/12/14 14:10:25」を特定してページ履歴データ204aの表示日時欄C4に登録する。そして、ページ特定部203は、その特定結果を識別するためのインデックス「1」をインデックス欄C1に登録する。次に、2003年12月14日の14時10分54秒に書籍名「書籍A」の電子書籍202aの59ページ及び60ページが表示されたときには、ページ特定部203は、書籍名「書籍A」を書籍名欄C2に登録し、組ページ「59,60」をページ欄C3に登録し、表示日時「2003/12/14 14:10:25」を表示日時欄C4に登録し、インデックス「2」をインデックス欄C1に登録する。
関連特定部205は、ページ記憶部204のページ履歴データ204aに基づいて、互いに関連するページ等(以下、関連ページという)を特定する。
具体的に、関連特定部205は、ページ履歴データ204aのページ欄C3に登録されたページ等のうち、ユーザに閲覧されたと推定されるページ等であって、2つのページ等の間での遷移の回数が2回以上ある場合には、この2つのページ等を関連ページとして特定する。
例えば、図14に示すページ履歴データ204aのページ欄C3には、組ページが「57,58」→「59,60」→「61,62」→「59,60」→「61,62」→「63,64」の順に登録され、これらの各組ページは、表示日時欄C4に登録された表示日時から3秒以上表示されている。関連特定部205は、上記各組ページは3秒以上表示されているため、これらの各組ページは全てユーザに閲覧されたと推定する。さらに、関連特定部205は、これら閲覧されたと推定される組ページにおいて、組ページ「59,60」及び「61,62」の間での遷移の回数が3回であるため、この連続する2つの組ページを関連ページとして特定する。
ここで、2つのページ等の間での遷移の回数が2回以上であれば、この2つのページ等が連続していなくても関連ページとして特定される。
例えば、ユーザは、表示部208に59ページ及び60ページの組ページが表示されている状態で、ページめくり部201の押しボタン4aを操作することにより、表示されるページを20ページ分だけ最終ページ側にジャンプさせ、さらに、ページめくり部201の押しボタン4aを操作することにより、表示されるページを20ページ分だけ先頭ページ側にジャンプさせる。その結果、ページ履歴データ204aのページ欄C3には、組ページが「59,60」→「79,80」→「59,60」の順で登録される。このような場合、関連特定部205は、2つの組ページ「59,60」及び「79,80」を関連ページとして特定する。
また、ユーザは、表示部208に59ページ及び60ページの組ページが表示されている状態で、ページめくり部201の押しボタン4を繰り返し操作することにより、表示されるページを20ページ分だけ最終ページ側に1ページごとに変更させて79ページ及び80ページを閲覧した後、さらに、ページめくり部201の押しボタン4を操作することにより、表示されるページを20ページ分だけ先頭ページ側に1ページごとに変更させる。その結果、ページ履歴データ204aのページ欄C3には、組ページが「59,60」→「61,62」→…「77,78」→「79,80」→「77,78」→…→「61,62」→「59,60」の順で登録される。このような場合、「61,62」と「63,64」などの組ページに対応してページ履歴データ204aの表示日時欄C4に登録されている表示日時の間隔は3秒以内であるため、関連特定部205は、組ページ「61,62」は閲覧されていないと推定する。これと同様に、関連特定部205は、組ページ「59,60」及び「79,80」以外の各組ページは閲覧されていないと推定する。その結果、関連特定部205は、上述と同様、2つの組ページ「59,60」及び「79,80」を関連ページとして特定する。
さらに、2つのページ等の間での遷移の回数が2回以上であれば、この2つのページ等がそれぞれ互いに異なる電子書籍202aであっても関連ページとして特定される。例えば、ユーザは、歴史の学習において、日本史の教科書である「書籍A」の「関が原の合戦」について記載された組ページ「11,12」を電子書籍装置200に表示させた後、それに関連する歴史資料集である「書籍B」の両軍の配置図や、東軍から西軍の武将への離反を促す手紙の内容などが記載された組ページ「31,32」を電子書籍装置200に表示させる。そして、ユーザは再び「書籍A」の組ページ「11,12」を表示させる。このような場合、電子書籍装置200の関連特定部205は、「書籍A」の組ページ「11,12」及び「書籍B」の組ページ「31,32」を関連ページとして特定する。
整形部206は、関連特定部205で特定された関連ページの一方の構成を、その一方の関連ページに他方の関連ページの一部が挿入されるように整形して表示部208に表示させる。
図15は、整形部206によって整形される様子を説明するための説明図である。
ユーザは、まず図15の(a)に示すように、電子書籍202aの(N−1)ページ及びNページを電子書籍装置200に表示させてこれらのページの文章を読書する。次に、ユーザはページめくり部201の押しボタン4を操作することにより、図15の(b)に示すように、電子書籍202aの(N+1)ページ及び(N+2)ページを電子書籍装置200に表示させてこられのページの文章を読書し始める。
ここで、ユーザは、(N+1)ページのコラムPの内容がNページのコラムLに関連していると考えてページめくり部201を操作し、図15の(a)に示すように、再び(N−1)ページ及びNページを電子書籍装置200に表示させる。
このような操作が行われると、電子書籍装置200の関連特定部205は、組ページ「(N−1),N」及び「(N+1),(N+2)」を関連ページとして特定する。
そしてユーザがページめくり部201を再び操作することにより、(N+1)ページ及び(N+2)ページを表示させようとすると、整形部206は、上述のような関連特定部205の特定結果に基づいて、組ページ「(N+1),(N+2)」の構成を、図15の(c)に示すように整形する。即ち、整形部206は、元の(N+2)ページのコラムSをNページのコラムLに置き換えて組ページ「(N+1),(N+2)」を表示させる。なお、コラムLによって置き換えられたコラムSは、(N+3)ページに表示され、他のコラムはそのページに表示されない。これにより、上記置き換えによる(N+4)ページ以降の各ページごとの構成を変更することなく、元の状態に維持しておくことができる。
また、上述のように関連ページがそれぞれ異なる電子書籍202aのページ等から成る場合には、例えば、教科書の「書籍A」の「関が原の合戦」について記載された組ページ「31,32」が、歴史資料集の「書籍B」の両軍配置図などを含む形で表示される。
なお、整形部206は、コラムL及びコラムPが(N+1)ページに位置するように、且つコラムQ及びコラムRが(N+2)ページに位置するように、組ページ「(N+1),(N+2)」の構成を整形しても良い。
図16は、上述のように整形される様子を説明するための説明図である。
この図16に示すように、コラムLとコラムPが同一のページに表示されることにより、(N+1)ページ及び(N+2)ページは本来のページ構成と異なる。そこで、図16に示すように、整形部206は、本来のページの区切り位置を、コラムLとコラムPの間と、コラムQとコラムRの間とに表示する。また、整形部206は、コラムLの挿入によって(N+2)ページに表示されなくなったコラムSを、単独で(N+3)ページに表示させる。これにより、(N+4)ページ以降の各ページごとの構成を変更することなく、元の状態に維持しておくことができる。
なおさらに、整形部206は、コラムK及びコラムLが(N+1)ページに位置するように、且つコラムP及びコラムQが(N+2)ページに位置するように、組ページ「(N+1),(N+2)」の構成を整形しても良い。
図17は、上述のように整形される様子を説明するための説明図である。
この図17に示すように、整形部206は、組ページ「(N+1),(N+2)」の整形により(N+2)ページに表示されなくなったコラムR及びコラムSを、(N+3)ページに表示させる。ここで、整形部206は、その(N+3)ページのみを表示部108に表示させる。これにより、組ページ「(N+4),(N+5)」以降の各組ページごとの構成を変更することなく、元の状態に維持しておくことができる。
図18は、本実施の形態における電子書籍装置200の動作を示すフロー図である。
電子書籍装置200は、まず、ページ等を表示部208である液晶ディスプレイ3に表示し(ステップS300)、その表示したページ等や表示日時などを特定する(ステップS302)。
次に、電子書籍装置200は、ステップS302で特定した特定結果をページ履歴データ204aに登録し(ステップS304)、そのページ履歴データ204aから関連ページがあるか否かを判別する(ステップS306)。
ここで、関連ページがないと判別したときには(ステップS306のNo)、電子書籍装置200は、さらに、表示されたページ等を変更するように促す指示がユーザからあったか否かを判別する(ステップS308)。指示があったときには(ステップS308のYes)、電子書籍装置200はステップS300からの動作を繰り返し実行し、指示がなかったときには(ステップS308のNo)、電子書籍装置200は元のページ等の表示を継続して処理を終了する。
ステップS306で関連ページがあると判別したときには(ステップS306のYes)、電子書籍装置200は、さらに、表示されたページ等を変更するように促す指示がユーザからあったか否かを判別する(ステップS310)。指示があったときには(ステップS310のYes)、電子書籍装置200は、変更後に表示されるべきページ等が関連ページであるか否かを判別する(ステップS312)。指示がなかったときには(ステップS310のNo)、電子書籍装置200は、元のページ等の表示を継続して処理を終了する。
ステップS312で関連ページであると判別したときには(ステップS312のYes)、電子書籍装置200は、その関連ページを整形して表示する(ステップS314)。一方、ステップS312で関連ページでないと判別したときには(ステップS312のNo)、電子書籍装置200はステップS300からの動作を繰り返し実行して、変更後に表示されるべきページ等を液晶ディスプレイ3に表示する。
このように本実施の形態における電子書籍装置は、ユーザが読書し得るように電子書籍の内容をページごとに表示する電子書籍装置であって、ユーザによって読書された前記電子書籍のページを特定するページ特定手段と、前記電子書籍のページを記憶するための領域を有するページ記憶手段と、前記ページ特定手段によって特定されたページを順に、前記ページ記憶手段に格納するページ格納手段と、前記ページ記憶手段に格納されたページから、互いに関連するページを関連ページ群として特定する関連特定手段と、前記関連特定手段により特定された関連ページ群に属する第1のページの構成を、前記関連ページ群に属する第2のページの内容の少なくとも一部が前記第1のページに含まれるように整形して表示する整形表示手段とを備えることを特徴とする。
これにより、ユーザによって読書された電子書籍の関連ページ群が特定され、その関連ページ群の第1のページが、関連ページ群の第2のページの内容を含んで表示されるため、ユーザはわざわざ電子書籍装置を操作することなく、その第1のページを、第2のページの内容を参照しながら容易に読書することができる。また、このような関連ページ群は、ユーザによる過去の読書結果によって特定されるため、電子書籍のページをユーザの興味や関心に適した形に構成することができる。例えば、この電子書籍が算数の問題集であれば、ユーザがその問題集の各ページの間違えた問題を繰り返し行っているうちに、その各ページの間違えの多い問題が寄せ集められた形で1つのページに表示される。これにより、ユーザは要領よく間違えの多い問題を見直すことができる。
また、前記関連特定手段は、前記ページ記憶手段に格納されたページの順序から、2つのページ間での遷移回数が所定回数以上となる2つのページを、関連ページ群として特定する。
これにより、遷移回数に基づいて関連ページ群が特定されるため、互いに関連するページを確実に特定することができる。
また、前記ページ特定手段は、さらに、ユーザによって読書された電子書籍を識別するための書籍識別情報を特定し、前記ページ格納手段は、さらに、前記ページ特定手段によって特定された書籍識別情報を前記ページに関連付けて前記ページ記憶手段に格納し、前記関連特定手段は、前記ページ記憶手段に格納された書籍識別情報及びページから、互いに関連する第1の電子書籍の第1のページ及び第2の電子書籍の第2のページを前記関連ページ群として特定し、前記整形表示手段は、前記関連ページ群に属する第1のページの構成を、前記関連ページ群に属する第2のページの内容の少なくとも一部が前記第1のページに含まれるように整形して表示する。
これにより、互いに異なる電子書籍のページが関連ページ群として特定されて、その関連ページ群の第1のページが第2のページの内容を含んで表示されるため、例えば、ユーザが歴史の教科書の50ページと、歴史資料集の20ページとを何度か表示させたときには、教科書の50ページと歴史資料集の20ページとが関連ページ群として特定され、教科書の50ページが、歴史資料集の20ページの内容を含んで表示される。その結果、ユーザは、教科書の50ページを表示させたときに、わざわざ電子書籍装置を操作して電子書籍を変更してさらにページを選択するような手間を省いて、歴史資料集の20ページの内容を参照することができる。特に、歴史の教科書を表示しているページにおいて、余白等の領域を、歴史資料を表示する位置として活用すれば、効率的な閲覧が可能になる。また、電子書籍ごとに関連付けを行っても良い。即ち、互いに関連する複数の電子書籍が、複数の押しボタン4aに割り当てられる。これにより、ユーザは、押しボタン4aの操作により、表示されている電子書籍に関連する他の電子書籍を容易に選択して、押しボタン4の操作により、その電子書籍のページを表示させることができる。
(変形例1)
ここで、本実施の形態における整形部206の整形方法に関する第1の変形例について説明する。
本変形例に係る整形部206は、一方の関連ページに他方の関連ページのリンクが表示されるように、その一方の関連ページを整形する。
図19は、整形部206によって整形された関連ページを示す図である。
例えば、図15の(a)に示す組ページ「(N−1),N」と、図15の(b)に示す組ページ「(N+1),(N+2)」とが関連ページである場合、整形部206は、組ページ「(N+1),(N+2)」に、組ページ「(N−1),N」のリンクr1を表示させる。このリンクr1が選択されたときには、電子書籍装置200は、組ページ「(N−1),N」を表示する。
このように本変形例では、一方の関連ページに他方の関連ページのリンクr1を表示させるため、ユーザは簡単にその他方の関連ページを表示させることができる。
なお、リンクr1には、図19に示すような関連ページのページ番号を表示させる代わりに、そのページの要約や、そのページの章の番号や、ページのタイトル情報を表示させても良い。これにより、ユーザは、リンク先の情報を容易に確認することができる。また、リンクr1ではなく、その要約や章の番号などを表示させるだけでも良い。さらに、異なる電子書籍の関連ページがリンク先の場合には、その電子書籍のタイトル等の情報をリンクr1に表示させても良い。
(変形例2)
ここで、本実施の形態における整形部206の整形方法に関する第2の変形例について説明する。
本変形例に係る電子書籍装置200は、実施の形態1と同様、ユーザの読書速度を特定する機能を備え、本変形例に係る整形部206は、その読書速度と、ページ等の表示時間とに基づいて、関連ページのうち最終ページ側に近いページ等の読み残し部位を特定し、その読み残し部位を、他の関連ページの部位に置き換える。
具体的に、本変形例に係る電子書籍装置200は、実施の形態1の速度算出部103と状況検出部120とを備える。本変形例に係るページ特定部203は、表示部208に表示された電子書籍202aの書籍名及びジャンルと、表示部208に表示されたページ等及び読書ページ数と、そのページ等が表示された表示日時及び表示時間とを特定する。また、ページ特定部203及び状況検出部120によって特定等された事項は、実施の形態1と同様、履歴データに登録された状態で書籍管理部202に管理される。
本変形例に係る整形部206は、現在の読書状況におけるユーザの読書速度を書籍管理部202の履歴データに基づいて速度算出部103に算出させ、その読書速度と、ページ特定部203によって特定される表示時間とに基づいて、表示部208に表示されているページ等の読み残し部位を特定する。
例えば、図15に示すように、ユーザが組ページ「(N−1),N」を読み終えて次の組ページ「(N+1),(N+2)」のコラムP及びコラムQを読書したが、その文章の内容が前の組ページの内容に関連するため、再び組ページ「(N−1),N」を表示させると、上述のように関連特定部205は、組ページ「(N−1),N」と組ページ「(N+1),(N+2)」とを関連ページとして特定する。次に、再びユーザが組ページ「(N+1),(N+2)」を表示させようとすると、整形部206は、速度算出部103に現在の読書状況におけるユーザの読書速度を算出させるとともに、先にページ特定部203によって特定された組ページ「(N+1),(N+2)」の表示時間をそのページ特定部203から取得する。そして、整形部206は、その読書速度と表示時間から、組ページ「(N+1),(N+2)」の読み残し部位がコラムR及びコラムSであると特定する。読み残し部位を特定した整形部206は、組ページ「(N+1),(N+2)」のコラムR及びコラムSを、組ページ「(N−1),N」のコラムK及びコラムLに置き換えて、その組ページ「(N+1),(N+2)」を表示部208に表示させる。
(実施の形態3)
本実施の形態における電子書籍装置の機能構成を説明するために、まず、実施の形態1の電子書籍装置の機能構成について説明する。
図20は、実施の形態1の電子書籍装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
この図20に示すように、ユーザの電子書籍の操作履歴から、読書を終了すべき場所を特定し、ユーザに提案する電子書籍装置は、電子書籍情報蓄積部2001、制御情報入力部2002、表示情報制御部2003、電子書籍情報表示部2004、日時検出部2005、場所検出部2006、制御履歴情報蓄積部2007、読書速度特定部2008、区切り位置検出部2009、読書終了予定時刻特定部2010、限界位置導出部2011、および限界位置表示制御部2012から構成されている。このような機能構成は、図2に示構成をより機能的に表したものである。
電子書籍情報蓄積部2001及び制御履歴情報蓄積部2007は、図2に示す書籍管理部102に相当し、日時検出部2005及び場所検出部2006は、図2に示す状況検出部120に相当する。また、制御情報入力部2002は、図2に示すページめくり部101に相当し、読書終了予定時刻特定部2010は、図2に示す読書予定時間特定部105に相当し、読書速度特定部2008は、図2に示す速度算出部103に相当する。また、表示情報制御部2003、電子書籍情報表示部2004、区切り位置検出部2009、限界位置導出部2011、および限界位置表示制御部2012は、図2に示す終了判定部104、区切り記憶部106、開始位置整形部107、表示部108、および区切り提案部110に相当する。
これにより、実施の形態1の電子書籍装置では、ユーザからの電子書籍の制御履歴情報を利用して、終了予定時刻までに読書を終えるべき最適な区切り位置をユーザに提案することが可能になる。
しかしながら、ユーザは、電子書籍装置の電源が入っているときは、常に、ユーザが読書を行っているとは限らない。特に、最近では、電子書籍装置に利用される表示装置は、記憶型液晶デバイスが利用され、電力なしに画面の表示が可能になっている。そのため、ユーザは、画面にページを表示した状態で、他の作業を行うことも可能である。例えば、電車の中で電子書籍装置で読書を行っていたユーザが、偶然、友人と会って話しを始めてしまった場合に、電子書籍装置の電源を切らずにいると、表示したページを長時間閲覧していた履歴が蓄積されてしまう。このように、読書を行っていないのに長時間、特定のページが表示されると、誤った読書時間を計算し、正確な読書速度を特定できない。
そこで、本実施の形態においては、電子書籍装置を保有するユーザが、電子書籍の画面表示の制御履歴を利用して実際に読書を行っていた時間を推定することにより、読書を行っていなかった時間を除いた実際の読書時間を算出し、正確な読書速度を算出するものである。特に、読書は、ある程度決まった時間間隔でページ送りを行う操作からなっている。そこで、本実施の形態では、ユーザが行う定期的な電子書籍装置に対する操作から、ユーザが読書を行っているかどうかを自動的に判断し、正確な読書時間を測定するものである。
図21は、本実施の形態の電子書籍装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図21に示す電子書籍装置は、電子書籍情報蓄積部2101、制御情報入力部2102、表示情報制御部2103、電子書籍情報表示部2104、日時検出部2105、場所検出部2106、制御履歴情報蓄積部2107、読書時間算出部2108、読書速度特定部2109、区切り位置検出部2110、読書終了予定時刻特定部2111、限界位置導出部2112、および限界位置表示制御部2113から構成されている。
次に、上記各モジュールの動作について説明する。
電子書籍情報蓄積部2101は、電子書籍のコンテンツに関する情報を蓄積している。電子書籍のコンテンツ情報には、表示を行う画像情報だけでなく、表示するテキストに関する情報も含まれている。例えば、ある特定のページを表示する指示があった場合には、コンテンツ情報からそのページの画像情報が表示される。また、書籍コンテンツのタイトル、そのジャンル、作者、ページ数、出版年、等の書籍コンテンツに関する一般的な情報が蓄積されているとともに、各ページに関して、文章の切れ目に関する情報や、目次に対応するページ数に関する情報も蓄積されている。
制御情報入力部2102は、ユーザが電子書籍装置の電源を入れたり、表示されているページを送ったり、戻したりする(ページをめくる)操作や、10ページを一度に送ったりする、電子書籍の表示に関するユーザ操作を入力するものである。
表示情報制御部2103は、電子書籍情報蓄積部2101で蓄積されている電子書籍のコンテンツに関する情報を、制御情報入力部2102から入力されたユーザの表示画面の制御情報をもとに、表示情報を制御するものである。具体的には、ユーザの操作入力やシステムからの表示指示があると、電子書籍装置のビデオメモリに所定のデータの書き込み操作を行う。
電子書籍情報表示部2104は、表示情報制御部2103の制御情報をもとに電子書籍の表示部に画像情報を表示させる。表示情報制御部2103では電子書籍装置のビデオメモリにデータが書き込まれるため、その書き込まれた内容を液晶等によって構成された画像表示装置に表示するものである。
日時検出部2105は、実施の形態1の日時検出部121と同様に電子書籍に内臓されたクロック等により時刻を検出するものである。また、外部の時計をネットワークを介して利用することで日時を検出してもよい。
場所検出部2106は、実施の形態1の場所検出部122と同様にGPSアンテナやRFタグ等により電子書籍装置が存在する場所情報を取得する。
制御履歴情報蓄積部2107は、電子書籍情報蓄積部2101で蓄積された電子書籍のコンテンツに関する情報に対して、制御情報入力部2102で入力された制御情報と、ユーザによって制御された日時に関する情報を日時検出部2105より取得し、ユーザによって制御された場所に関する情報を場所検出部2106より取得し、それらを対応させて蓄積する。ここで、このような制御履歴情報蓄積部2107に蓄積される情報の内容を具体的に説明するために、電子書籍装置がユーザの操作により表示する画面例について説明する。
図22は、電子書籍装置がユーザの操作によって表示する、オープニング画面から電子書籍のページまでの各画面例を示す図である。
例えば、図22に示すように、電子書籍装置の主電源をいれると、図22(A)に示すように電子書籍装置の立ち上げのオープニング画面が表示される。次に、図22(B)に示すように電子書籍装置がアクセス可能な電子書籍のリストが表示される。これに対して、ユーザは、右、左のカーソル移動をボタン操作で行いながら、読書を行う電子書籍のタイトルを選択する。ここで、例えば、「鎌倉物語」を選択した場合には、その書籍の目次情報が図22(C)に示すように表示される。そして、再び、ユーザは、右、左のカーソル移動をボタン操作で行うことにより、図22(D)に示すように、所望のページを表示させる。
制御履歴情報蓄積部2107には、図22に示すような(A)〜(D)の画面表示の制御に関する操作の履歴が表形式の制御履歴情報として蓄積されている。
図23は、制御履歴情報蓄積部2107に蓄積されている制御履歴情報の一例を示す図である。
図23においては、各画面操作が行われた時刻、対象となったコンテンツ、その操作内容に関する情報が操作履歴として蓄積されている。さらに、この操作履歴から、9時14分12秒、9時14分15秒では、ページを戻る操作を行っていることがわかり、この操作によって、ページを戻って、過去に読書した内容の確認を行っていることもわかる。
読書時間算出部2108は、制御情報履歴蓄積部2107で蓄積されている電子書籍装置に対するユーザの操作から、ユーザが読書を行っていたと推定される時間を計算する。ユーザの画面の操作履歴から、ページ送りを定期的に行っている時間帯には、ユーザが読書を行っていたと判断するが、操作の時間間隔が伸びている時間帯には、ユーザが読書を行っていなかったと判断する。
図24は、読書時間算出部2108がユーザの読書時間を推定する様子を説明するための説明図である。
例えば、図24に示すように、読書時間算出部2108は、定期的に「ページの送り」を行っているときに、あるとき間隔が普段より長くなった場合には、その時間帯を読書外時間として判断する。その後、図24(A)に示すように、再び、定期的なページ送りが再開されると、その時間帯を読書時間として判断する。また、図24(B)に示すように、読書外時間と判断し、その後、電源が切られた場合には、読書は中断されたものと判断する。そして読書時間算出部2108は、図23の表に示すように、各操作に対して、次の操作が行われるまでの時間を、まず、算出する。その結果、図23の右列の時間が算出される。次に、算出された時間に対して頻度の分布を調べる。
図25は、読書時間算出部2108によって導出される頻度分布を示す図である。
例えば、図25(A)に示すように、読書時間算出部2108は、「ページ送り」が行われてから、次の操作を行った時間を20秒間隔での頻度を算出する。この結果、最も頻度が高かったのが40−60秒の42回となっている。この時間を最大頻度時間とし、この時間に比べ大きく離れている時間を読書を行っていない時間として判断する。一般に、読書は、一定の時間間隔でページ送りが行われるため、同一の電子書籍であるならば、この時間から大きく異なることは少ない。そこで、読書時間算出部2108は、この最大頻度時間から大きく異なっている時間を、読書を行っていない時間として判断する。これにより、正確な読書時間が算出される。
図26は、読書時間算出部2108によって推定された読書時間を示す図である。
読書時間算出部2108の結果より、図26に示すように、読書を行っていた時間帯(表示されている文字を読んでいた時間帯)と、読書を行っていなかった時間帯(表示されている文字を読んでいなかった時間帯)とを区別ができる。さらに、読書開始ページ(61ページ)と読書終了ページ(92ページ(図示なし))とから、読書ページ数が算出され、さらに、読書時間は、読書を行っていなかった時間を引いた時間として23分が算出される。
読書速度特定部2109は、読書時間算出部2108で算出された読書時間と、制御履歴情報蓄積部2107に蓄積された、その読書時間に対応するページ数の情報とを基に、読書速度を算出する。図26に示すように読書時間が算出された場合には、読書時間23分で32ページが読書されているため、1ページを読書するのに要した時間は約45秒という結果が得られる。
なお、本実施の形態では、読書速度を一つの電子書籍に対して算出したが、実施の形態1で述べているように、書籍のジャンル毎、場所に応じた読書速度、平日または休日等、曜日に応じた読書速度を算出することも可能である。
区切り位置検出部2110は、実施の形態1の構成解析部113で行っているように、電子書籍情報蓄積部2101で蓄積されている電子書籍のテキスト情報から、見出し文字、タイトル、文字サイズの変化点等を区切り位置として検出する。
読書終了予定時刻特定部2111は、実施の形態1の読書予定時間特定部105と同様に、読書を行うことが可能な時間を入力するものである。この入力は、ユーザによる入力でも、乗車するものにおける乗車時間等の入力でもよい。
限界位置導出部2112は、読書終了予定時刻特定部2111で特定された読書終了予定時刻までに、読書速度特定部2109で特定された読書速度で読書が可能な区切り位置検出部2110で検出された区切り位置を、このユーザの読書の限界位置として導出する。限界位置導出部2112は、実施の形態1の終了判定部104で終了位置として判定された場所を決定するものでもある。
限界位置表示制御部2113は、限界位置導出部2112で導出された限界位置を表示制御部2103へ入力し、読書終了予定時刻までにユーザが読書可能な位置の表示を制御するものである。実施の形態1においては、終了位置以降の部分に対して網掛け等の表示を行うことで、ユーザに終了位置を知らせている。
以上の動作の結果、ユーザの電子書籍の操作履歴から、ページ送りを行っている操作の時間間隔の情報を基に、読書を行っている時間を算出し、その時間から読書速度を算出することで、読書を行える区切り位置をユーザに提示するものである。これにより、ユーザは、中途半端な箇所で、読書を終了することなく、快適な電子書籍による読書が可能になる。
図27は、以上の読書速度を算出する動作を示すフロー図である。読書速度を算出した後、区切り場所を決定するフローは、実施の形態1と同様の処理となるため本例では説明を省略する。
はじめに、読書時間算出部2108は、制御履歴情報蓄積部2107で蓄積されている操作履歴からページ送り操作の時間間隔を算出する(S2701)。例えば、図23に示すように、電子書籍に対する各操作に対して、次の操作が行われた時刻情報より算出する。
次に、再び読書時間算出部2108は、20秒間隔でページ送りの頻度を算出する(S2702)。例えば、図25に示すように、0から20秒では19回の操作がある。図25(B)に示すように20秒間隔で算出された頻度の中で最大となる最大頻度時間を求め、その時間を読書が行われている中心の時間とみなし読書中心時間とする(S2703)。本実施例の場合、読書中心時間は、40から60秒となる。次に、読書中心時間から40秒以上離れているページ操作があるかどうかを検索する(S2704)。本例では、100秒以上次の操作がなかった場合のものが検索される。検索されたものは、読書をしている時間とは考えず、読書時間から除外する(S2705)。その結果、140秒から160秒の操作や図26の9時14分36秒の368秒の操作は、読書外時間として判定される。
読書速度判定部2109は、読書外時間を除いた時間帯でページ送りから終了までを読書時間と判断し、ページの始まりから終わりまでのページ数と、その読書時間とに基づいて読書速度を算出する(S2706)。本例の場合には、図26に示すように、23分で31ページが読書されたと判断される。なお、S2704で40秒以上離れている時間がない場合には、すべて読書が行われていたと判断し、読書速度を算出する(S2707)。
以上の動作の結果、ユーザの電子書籍の操作履歴から、ページ送りを行っている操作の時間間隔の情報を基に、読書を行っている時間を算出し、その時間から読書速度を算出することで、読書を行える区切り位置をユーザに提示するものである。これにより、実施の形態1に比べても、正確な読書速度が算出できるため、さらに、ユーザは、中途半端な箇所で、読書を終了することなく、快適な電子書籍による読書が可能になる。
なお、本実施の形態においては、読書を行っていない時間を、操作履歴から自動的に判定したが、最終的な判定をユーザの入力によって決定してもよい。
図28は、読書を行っていない時間がユーザの入力によって決定される様子を示す図である。
例えば、電子書籍装置は、図28に示すように、各ページが表示されていた時間を提示し、読書を行っていなかったページをユーザに指定させる。ここで、37ページ及び38ページの表示時間が長いのは、これらのページが表示されていたときにユーザが読書以外の作業を行っていたためである。この図28に示すように、各ページの表示時間を提示することで、他のページに比べ、長時間表示されていたページを検出しやすく、ユーザが読書を行っていなかったページを指定しやすくなる。
さらに、本実施の形態での電子書籍情報蓄積部2101から区切り位置検出部2110において、ユーザが読書を行った際の区切り位置の場所情報を算出する方法について詳細に述べる。
一般に、電子書籍装置に表示する情報は画像情報として蓄積されている場合が多い。しかしながら、画像情報だけでは、画像認識を行わなければ区切り位置を検出することができない。そこで、電子書籍情報として画像情報とテキスト情報の両方が蓄積されているときに、区切り位置を決定する方法について述べる。
図29は、電子書籍情報蓄積部2101及び区切り位置検出部2110の詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。
電子書籍情報蓄積部2101および区切り位置検出部2112は、ページ属性情報蓄積部28A01、電子書籍画像情報蓄積部28A02、電子書籍テキスト情報蓄積部28A03、テキスト区切り箇所検出部28A04、行レイアウト情報記憶部28A05、および画像テキスト区切り位置算出部28A06から構成されている。
次に、上記各モジュールの動作内容について説明する。
ページ属性情報蓄積部28A01は、所定の電子書籍における各ページの説明に関する情報を蓄積している。
図30は、ページ属性情報蓄積部28A01に蓄積されている情報の一例を示す図である。
例えば、図30に示すように、書籍IDが00102の書籍の各ページに関して、表示ページID、章部分、テキスト情報、文字数、挿絵情報、表示画像情報が蓄積されている。表示ページIDは、電子書籍装置に表示する各ページのIDを示す。章部分は、各ページがその書籍のどの章の部分であるかを示している。また、テキスト情報は、各ページIDを電子書籍装置に表示した際のテキスト情報が蓄積されている。文字数は各ページのテキスト情報の文字数、すなわち電子書籍装置に表示した際に、各ページで表示されている文字数を示す。挿絵情報は、各ページを表示したときに挿絵の有無を示し、挿絵がある場合にはそのファイルに関する情報を示す。さらに、その挿絵ファイルの表示場所、サイズに関する情報も蓄積されている(図示なし)。各ページに対して表示画像情報もファイル名で蓄積されており、各ページを表示したときの画像情報のファイル名が蓄積されている。このように、ページ属性情報蓄積部28A01においては、従来の電子書籍のように、表示する各ページの画像情報だけでなく、さらに表示するページに関する属性情報が蓄積されている。これらの属性情報を利用して、各ページの表示を行ったときに、その表示ページに対する追加情報の内容、表示場所に関する情報が生成される。
電子書籍画像情報蓄積部28A02は、ページ属性情報蓄積部28A01の各ページで表示する画像情報の属性として指定された画像ファイルの情報を蓄積している。電子書籍装置において各ページの表示が要求されると、そのファイル名の画像情報を出力する。
電子書籍テキスト情報蓄積部28A03は、ページ属性情報蓄積部28A01の各ページで表示するテキスト情報をページ毎に蓄積している。
テキスト区切り箇所検出部28A04は、電子書籍テキスト情報蓄積部28A03で蓄積されているテキスト情報から区切り箇所を検出する。具体的には、電子書籍テキスト情報蓄積部28A03で蓄積されているテキスト情報の空白箇所、改行場所、章の区切りを検出することにより、各ページのテキスト情報における区切り箇所の抽出を行う。
行レイアウト情報記憶部28A05は、電子書籍で各ページの画像情報を表示するときに、その画像情報において、各行の表示レイアウトに関する情報を蓄積している。具体的には、各行が表示される座標(表示ページのドット数で表現)、各行の縦、横のそれぞれの幅、1ページに表示される行数、1行に入る文字数等の電子書籍装置に表示される画像のレイアウトに関する情報を蓄積している。
図31は、電子書籍画像情報蓄積部28A02、電子書籍テキスト情報蓄積部28A03、および行レイアウト情報記憶部28A05のそれぞれに蓄積されている情報の一例を示す図である。
例えば、図31(A)に示すように、電子書籍装置の表示部分においては、320×640ドットの画像情報として電子書籍画像情報蓄積部28A02で蓄積されている画像情報が表示されている。一方、図31(B)の表示されているテキスト内容は、電子書籍テキスト情報蓄積部28A03で蓄積されているテキスト情報として蓄積されている。また、図31(C)に示すように、行レイアウト情報記憶部28A05では、各行の右端からのドット数が記憶されている。
画像テキスト区切り位置算出部28A06は、テキスト区切り箇所検出部28A04で検出されたテキストの区切り箇所を、行レイアウト情報記憶部28A05で記憶されている行のレイアウト情報を利用して、電子書籍装置で表示される画像情報の対応箇所を算出する。
ここで、テキスト区切り箇所検出部28A04において、電子書籍テキスト情報蓄積部28A03で蓄積されている図31(B)に示すテキスト情報から3行目において区切り位置があると検出されたとする。そこで、画像テキスト区切り位置算出部28A06は、行レイアウト情報記憶部28A05で記憶されている各行のレイアウトを参照し、3行目の表示は電子書籍装置の表示部分におけるどの位置であるかを算出する。図31(C)の行レイアウト情報記憶部28A05のレイアウト情報を参照し、3行目は画像表示の右端から100ドットであることがわかる。その結果、区切り位置検出部2110は、区切り位置として3行目、100ドットを出力する。
このようにして、電子書籍のテキスト情報から区切り位置を検出し、それに対応する画像位置を算出することで、電子書籍装置で表示されたコンテンツの画像情報にオーバーレイする形式で、区切り位置を示す画像を提示したり、マークを行ったりすることが可能になる。
(実施の形態4)
実施の形態1および実施の形態1の変形例2で述べたように、ユーザの読書の終了位置が推定できることは、次回、ユーザが読書を開始する場所も推定できていることになる。実施の形態1においては、開始位置に対して表示内容の整形や、すでに読書を完了した部分に対して網掛け表示を行うことで、ユーザにとって読書の開始場所を容易に推定できるような表示を行った。しかしながら、読書を開始するにあたり、前回、読書を行った内容を忘れていることがある。そのために、前回、読書を行った場所を、もう一度読み直す作業が必要になることがある。一方で、前回までの読書内容を電子書籍の画面に表示すると、読書の妨げになる場所に表示されることがある。
そこで、本実施の形態においては、過去の読書箇所に関する内容を、これからユーザが読書を行う場所を避けて表示することで、過去の読書内容の確認と、これからの読書する場所を妨げないレイアウト表示方法を搭載した電子書籍装置について述べる。
図32は、本実施の形態における電子書籍装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
この電子書籍装置は、電子書籍情報蓄積部2901、制御情報入力部2902、表示情報制御部2903、電子書籍情報表示部2904、日時検出部2905、場所検出部2906、制御履歴情報蓄積部2907、読書時間算出部2908、読書速度特定部2909、区切り位置検出部2910、限界位置導出部2911、読書終了位置記憶部2912、目次情報抽出部2913、および目次情報表示場所決定部2914から構成されている。
次に、上記各モジュールの動作について説明する。ただし、モジュール2901〜2911はそれぞれ、実施の形態3のモジュール2101〜2110及びモジュール2112と同様の処理を行うため説明を省略する。
読書終了位置記憶部2912は、限界位置導出部2911で導出された限界位置を読書の終了場所かつ次回の読書の開始場所として蓄積する。なお、読書終了位置は、ユーザによって設定されてもよい。
目次情報抽出部2913は、電子書籍情報蓄積部2901で蓄積されている電子書籍のコンテンツ情報における書籍の目次に関する情報から、読書終了位置記憶部2912で記憶されている読書終了位置までの目次に関する情報を抽出する。そして、目次情報抽出部2913は、その抽出した情報などに基づいて、目次情報の表示サイズを求める。
目次情報表示場所決定部2914は、読書終了位置記憶部2912で記憶されている前回の読書終了場所(今回の読書開始場所)のページの表示情報と、その区切りに関する情報とをもとに、目次情報抽出部2913で抽出された目次情報を表示する場所を決定する。
図33は、目次情報抽出部2913及び目次情報表示場所決定部2914が求める表示サイズなどを説明するための説明図である。
目次情報抽出部2913は、目次情報の表示サイズとして図33(A)に示すように、縦横表示サイズを求める。次に、図33(B)に示すように、右から左のページへ読み進む場合に、読書開始場所が右のページにあるときには、目次情報表示場所決定部2914は、その開始場所(読書開始位置)と右端までの表示サイズを算出する。このサイズは、電子書籍情報蓄積部2901で蓄積されている区切り情報と、そのページのレイアウトに関する情報から求められるものとする。そして、読書開始位置が右ページにあるときに、読書開始位置より前の領域(すでに読書を行った領域)に目次情報が表示できる場合には、目次情報をすでに読書を行った領域に表示する。
図34は、目次情報がすでに読書を行った領域に表示される状態を示す図である。
具体的に、目次情報表示場所決定部2914は、読書開始位置を含むページを表示した場合に、読書を行った領域の横の長さ、縦の長さとも、目次情報を表示するときに必要な長さよりも大きいときには、図34に示すように、すでに読書を行った領域に目次情報を表示する。例えば、目次情報の表示サイズの横幅が170ドットである場合には、すでに読書を行った領域の横幅が170ドットよりも大きいときに、読書開始位置の右側(すでに読書を行った領域)に目次情報が表示される。
また、目次情報表示場所決定部2914は、すでに読書を行った領域のうち下部分に目次情報を表示してもよい。この場合には、目次情報により隠れる文章を少なくすることができる。また、目次情報を携帯電話などのような他の表示端末に送信してその表示端末に表示させてもよい。
図35は、目次情報が左ページに表示される状態を示す図である。
もし、目次情報の表示サイズが、すでに読書を行った領域よりも大きいときには、目次情報表示場所決定部2914は、図35に示すように、左ページに目次情報を表示する。なお、読書開始ページが左ページの場合には、右ページはすべての部分が読書を行った領域であるため、目次情報抽出部2912で抽出された目次情報は右ページに表示される。
これにより、読書開始時において、目次情報を表示することで、過去に読書を行ったときの概要を簡単に思い出すことが可能になり、スムーズに読書に入ることができる。
図36は、以上の動作を示すフロー図である。
図36において、限界位置導出部2911は、実施の形態3と同様に、読書速度特定部2909の読書速度と区切り位置検出部2910の区切り位置の情報から、前回の読書終了場所を決定する(S3301)。さらに、その読書終了位置(読書終了場所)を読書終了位置記憶部2912に記憶させる。
目次情報抽出部2913は目次情報を抽出して表示サイズを決定する(S3302)。目次情報表示場所決定部2914は、読書終了位置記憶部2912で記憶されている前回読書終了場所が右ページかどうかを判定する(S3303)。左ページの場合には、右ページはすでに読書が終わったページであるためS3306へすすみ、目次情報表示場所決定部2914は、目次情報を右ページの右隅寄せで表示するように決定する(S3306)。S3303で右ページの場合には、目次情報表示場所決定部2914は、右ページの最初から前回の読書終了場所までのサイズを算出する(S3304)。S3304で算出した読書終了場所までのサイズが、目次情報の横サイズより大きいかどうかを判定する(S3305)。S3305の結果、目次情報が右ページに入る場合には、S3306へすすみ、目次情報表示場所決定部2914は、目次情報を右隅寄せで表示するように決定する(図34参照)(S3306)。一方、目次情報が右ページに入らない場合には、目次情報表示場所決定部2914は、左ページの左隅寄せで表示する(図35参照)(S3307)。
これにより、読書開始時において、読書箇所を隠すことなく、目次情報を表示することで、過去に読書を行ったときの概要を簡単に思い出すことが可能になり、スムーズに読書に入ることができる。
なお、本実施の形態では、読書開始場所の情報だけを用いて目次情報の表示場所を決定した。しかしながら、書籍の表示情報においては、挿絵等の情報もあり、挿絵の場合には、表示ページのどこに関連した挿絵か判断することが困難である。そこで、目次情報を表示するときには、挿絵コンテンツを隠さないように表示することが望ましい。
図37は、挿絵コンテンツを隠さないように目次情報が表示される状態の一例を示す図である。
この図に示すように、挿絵と目次情報とが同一のページに表示されるときには、目次情報は、その挿絵を避ける位置に表示される。
(実施の形態5)
実施の形態4で述べたように、電子書籍に表示される情報として目次情報のような、本来、電子書籍のコンテンツ以外の付加的な情報を表示させた場合、その付加的な情報が読書を進めていく上で邪魔になる場合がある。例えば、実施の形態4の図35、図37において、まだ、読書を行っていない場所に、付加的な情報を表示した場合には、その付加的な情報によって隠された電子書籍のコンテンツを読書する場合には、妨げになってしまう。
そこで、本実施の形態においては、読書速度を算出することで、付加的な情報が表示された場合においては、ユーザが、その場所の読書を行う時刻を推定し、その時刻に自動的に付加情報を消去するようにした電子書籍装置を提供するものである。
図38は、本実施の形態における電子書籍装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
この電子書籍装置は、電子書籍情報蓄積部3501、制御情報入力部3502、表示情報制御部3503、電子書籍情報表示部3504、日時検出部3505、場所検出部3506、制御履歴情報蓄積部3507、読書時間算出部3508、読書速度特定部3509、付加情報蓄積部3510、付加情報表示場所決定部3511、および付加情報消去タイミング決定部3512から構成されている。
次に、上記各モジュールの動作について説明する。ただし、モジュール3501〜3509はそれぞれ、実施の形態3のモジュール2101〜2109と同様の処理を行うため説明を省略する。
付加情報蓄積部3510は、電子書籍情報蓄積部3501に蓄積されている目次情報や、電子書籍のページ表示の機能だけでは表示されない表示情報を蓄積している。
付加情報表示場所決定部3511は、実施の形態4の目次情報表示場所決定部2914と同様に付加情報を表示する際に、電子書籍のページの表示情報の上に付加情報を表示する位置を決定する。
付加情報消去タイミング決定部3512は、読書速度特定部3509と付加情報表示場所決定部3511で付加情報を表示した場所の情報から、ユーザが付加情報を表示したために隠された場所のテキストを読書する時刻を予測し、その予測時刻に付加情報の表示を消去する。
図39は、付加情報の表示が消去されるタイミングを説明するための説明図である。
この図39に示すように、ユーザがまだ読書を行っていない左のページに付加情報が表示されていたとする。このとき、図39の「5章」から読書を開始したときに、付加情報が表示されることによって、テキスト情報が隠されている行まで13行ある。そこで、読書速度特定部3509で読書速度が、このユーザの過去の操作履歴から1行を読書するのに3秒かかっていたと計算されていたとする。このとき、付加情報が表示されることによって隠されたテキスト情報に読書がいたる時間は3×13=39秒となる。そこで、ページが表示されてから39秒後には、付加情報を消去することにより、読書の妨げになることなく、付加情報を表示することが可能になる。
以上の動作により、電子書籍に付加情報が表示され電子書籍のテキストが隠された場合でも、過去の電子書籍の操作履歴から読書速度を算出し、テキストの隠された場所に読書が至ったときには、自動的に付加情報を消去することができ、ユーザの手間をかけることなく実現できる。特に、電子書籍は、電車に乗車しているときや、屋外で利用することが多いため、必ずしも手が空いているとは限らない。そこで、これらの自動的に付加情報の消去が制御されることにより格別の効果がある。
図40は、以上の動作を示すフロー図である。
はじめに、表示情報制御部3503は、新たなページが表示されたか(ページが送られたか)否かを判断する(S3701)。ページが表示されたときには、その時刻を日時検出部3505から取得し付加情報消去タイミング決定部3512に記憶させる(S3702)。付加情報蓄積部3510は、ページが表示されたときに付加情報があるか否かを判定する(S3703)。表示すべき付加情報があるときには、付加情報表示場所決定部3511は、付加情報の表示場所を決定し、その位置を付加情報消去タイミング決定部3512に記憶させる(S3704)。
次に、読書速度特定部3509は、制御履歴情報蓄積部3507で蓄積された過去の読書履歴から読書速度を算出する(S3705)。付加情報消去タイミング制御部3512は、読書速度特定部3509で特定された読書速度を基に、付加情報が表示されたことで隠された部分に読書が至る時間を算出する(S3706)。そして、S3706で算出された時刻になったかどうかを判定する(S3707)。S3706で算出された時刻になった場合には、付加情報消去タイミング制御部3512は付加情報を消去する(S3708)。
以上の動作により、電子書籍に付加情報が表示され電子書籍のテキストが隠された場合でも、過去の電子書籍の操作履歴から読書速度を算出し、テキストの隠された場所に読書が至ったときには、自動的に付加情報を消去することができ、ユーザの手間をかけることなく実現できる。
(実施の形態6)
実施の形態4においては、読書開始場所において、過去の読書履歴から、それに相当する目次情報を自動的に表示する電子書籍装置について記載した。しかしながら、過去に読書した内容を詳細に理解しているユーザと、詳細に理解していないユーザがいる。目次情報に表示される内容は、詳細に理解しているユーザに対しては概要だけで十分であるが、詳細に理解していないユーザに対しては概要だけでは不十分であり詳細な情報を要する。
そこで、本実施の形態では、過去の読書の履歴より、過去の読書内容の詳細度を自動的に決定する電子書籍装置について説明する。
図41は、本実施の形態における電子書籍装置の構成を示す図である。
この電子書籍装置は、電子書籍情報蓄積部3801、制御情報入力部3802、表示情報制御部3803、電子書籍情報表示部3804、日時検出部3805、場所検出部3806、制御履歴情報蓄積部3807、読書時間算出部3808、読書速度特定部3809、読書詳細度判定部3810、読書開始位置記憶部3811、読書終了位置記憶部3812、読書範囲決定部3813、および読書内容生成部3814から構成されている。
次に、上記各モジュールの動作について説明する。ただし、モジュール3801〜3809はそれぞれ、実施の形態3のモジュール2101〜2109と同様の処理を行うため説明を省略する。
読書詳細度判定部3810は、過去の読書速度の履歴より、読書内容の詳細度を決定する。
図42は、過去の読書速度の一例を示す図である。
この図42に示すように、過去の読書の履歴より読書速度が算出される。読書速度が速いことは、読書を行っている書籍の内容に十分興味があり、内容も十分に把握している可能性が高い。一方で、読書速度が遅いことは、書籍の内容が十分に理解できずに、詳細に読まなければ理解できていないことを示している。
そこで、読書詳細度判定部3810は、読書速度と、読書内容を提示するときの詳細度との関係を示す表を蓄積しておき、この表の内容に応じて読書内容を提示する。
図43は、読書速度と詳細度との関係を示す図である。
例えば、1分間に1ページしか進まないユーザに対しては、過去の読書内容について詳細に説明しなければ、内容を思い出せない可能性が高い。一方で、1分間に3ページ以上読み進むユーザに対しては、書籍の内容も十分に理解している可能性が高いため、目次だけを提示すれば内容を思い出せる。このようにして、読書速度に応じた詳細度で、過去に読書した内容を、読書開始時に提示することで、過去の内容を読み返すことなく、読書をすすめることが可能になる。
読書開始位置記憶部3811は、制御操作履歴蓄積部3807で蓄積されている操作履歴から読書開始位置を抽出する。読書終了位置記憶部3812は、同様に読書終了位置を抽出する。読書範囲決定部3813は、読書開始位置記憶部3811の読書開始位置と読書終了位置記憶部3812の読書終了位置から前回の読書範囲を決定する。
読書内容生成部3814は、読書範囲決定部3813で決定された読書範囲と、読書詳細度判定部3810で決定された読書詳細度とに基づいて、電子書籍情報蓄積部3801で蓄積されている電子書籍のコンテンツ情報から、前回の読書内容を抽出する。
図44は、読書内容生成部3814で抽出された読書内容の一例を示す図である。
例えば、ユーザは前回2.5ページ/分の読書速度で読書を行っていたため、図43より、各章の文末段落を読書の要約情報として表示すべきと判断されているとする。その結果、読書内容生成部3814は、図43に示すように、読書をすでに終了した最終章の段落を抽出して、過去の読書内容として表示している。
これにより、読書開始時に、過去の読書内容をユーザの読書のレベルに応じて表示することができ、ユーザは、すでに読んだ箇所を再び読み返すことなく、読書を行うことが可能になる。
図45は、以上の動作を示すフロー図である。
はじめに、表示情報制御部3803は、読書開始ページが表示されたか否かを判定する(S4201)。読書範囲決定部3813は、読書開始ページが表示された場合には、過去の読書操作履歴から前回の読書箇所を特定する(S4202)。次に、制御履歴情報蓄積部3807の操作履歴を基に、読書時間算出部3803での前回の読書時間から読書時間特定部3809は読書速度を算出する(S4203)。読書詳細度判定部3810は、読書速度に応じて提示する読書内容の詳細度を決定する(S4204)。読書内容生成部3814は、読書箇所と詳細度から前回の読書内容(要約内容)を決定し提示する(S4205)。
これにより、読書開始時に、過去の読書内容をユーザの読書のレベルに応じて表示することができ、ユーザは、すでに読んだ箇所を再び読み返すことなく、読書を行うことが可能になる。
なお、本実施の形態では、読書速度に応じて読書内容の詳細度を決定した。さらに、前回読書を行った日時の情報から、所定の日数(例えば10日間)より前に読書を行っていた場合には、過去に読書した内容を忘れている可能性が高いため、読書内容の詳細度を高めるようにしてもよい。
(実施の形態7)
近年、電子書籍装置もネットワーク化され、局所無線方式を利用して携帯電話等を介して外部のネットワークに接続されることがある。しかしながら、読書を行っている途中にメール等の割り込み情報が入ると、読書の妨げになることが多い。
そこで、本実施の形態では、メール等の情報を受信しても、読書速度を算出することで、ユーザが電子書籍で切りのいいところに到達するまでは、通知を行わないように制御する電子書籍装置を提供するものである。
図46は、本実施の形態における電子書籍装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
この電子書籍装置は、電子書籍情報蓄積部4301、制御情報入力部4302、表示情報制御部4303、電子書籍情報表示部4304、日時検出部4305、場所検出部4306、制御履歴情報蓄積部4307、読書時間算出部4308、読書速度特定部4309、区切り位置検出部4310、メッセージ受信部4311、およびメッセージ表示タイミング制御部4312から構成されている。
図47は、本実施の形態における電子書籍装置を含む通信システム構成の例を示す図である。この図47に示すように、電子書籍装置は、局所無線ネットワーク機能をもち、携帯電話や公共の鉄道等の乗り物に接続されている。そのため、電子書籍とは、直接関連しない情報も無線ネットワークを介して受信することが可能となる。例えば、携帯電話のメールの受信を電子書籍で確認することも可能になる。しかしながら、携帯電話で受信したメッセージを常に表示していると、電子書籍での読書を妨げられることになる。そこで、本実施の形態では、ユーザの読書速度から、区切りのいいところに読書がさしかかったときのタイミングで、メッセージの表示を行う。これにより、電子書籍の読書を妨げられることなく、外部からの情報も確認することが可能になる。
次に、電子書籍装置が備える上記各モジュールの動作について説明する。ただし、モジュール4301〜4310はそれぞれ、実施の形態3のモジュール2101〜2110と同様の処理を行うため説明を省略する。
メッセージ受信部4311は、電子メール等の電子書籍外のコンテンツから取得したメッセージを蓄積する。
メッセージ表示タイミング制御部4312は読書速度特定部4309で特定された読書速度と、区切り位置検出部4310で検出された区切り位置とを基に、各区切り位置へのユーザの到達時間を推定し、推定されたその時間にメッセージ受信部4311でユーザに通知すべきメッセージが蓄積されていた場合には、そのメッセージをユーザに提示する。
図48は、メッセージの通知のタイミングを説明するための説明図である。
例えば、図48に示すように、Aのタイミングでメッセージを受信していた場合でも、ユーザが読書を行っていて、切れ目でないときには、受信してもメッセージを通知しない。次に、ユーザの普段の読書速度より、電子書籍の区切り位置に読書位置がくる時刻(B)が予測されるため、その時刻になったときに、ユーザにメッセージを通知する。
図49は、メッセージが通知された画面の一例を示す図である。
例えば、この図49に示すように、ユーザの読書位置が電子書籍の空白部分等の区切り位置に到達するタイミングで、メールの通知が表示される。
以上の動作により、ユーザの読書を妨げることなく、メッセージの通知を行うことが可能になる。本実施の形態では、電子メールの通知の例で説明したが、鉄道等から配信される到着駅の情報等の、電子書籍装置の外部から非同期に受信した情報であれば、何でもよい。
図50は、以上の動作を示すフローチャートである。
はじめに、読書速度特定部4309は、制御履歴情報蓄積部4307で蓄積された過去の読書履歴から1行あたりの読書速度を算出する(S4701)。区切り位置検出部4310は、表示ページ中に区切り箇所があるか否かを判定する(S4702)。区切り箇所がない場合は終了する。区切り箇所がある場合には、メッセージ表示タイミング制御部4312は、各区切り箇所に読書が到達する時刻を算出する(S4703)。そして、区切り箇所に至る時刻になったか否かを判定する(S4704)。区切り箇所に至る時刻において、メッセージ受信部4311で通知するメッセージが存在するか否かを判定する(S4705)。メッセージ表示タイミング制御部4312は、通知するメッセージがあれば通知する(S4706)。通知するメッセージがない場合には、S4704にもどる。
以上の動作により、ユーザの読書を妨げることなく、メッセージの通知を行うことが可能になる。
なお、本実施の形態においては、電子書籍でのメッセージの表示の制御について述べたが、さらに、携帯電話での通知の制御を行うことも可能である。
図51は、電子書籍装置が携帯電話での通知の制御を行う様子を説明するための説明図である。
例えば、図51に示すように、ユーザの読書がちょうど区切り位置にきたと判断されるタイミングで、電子書籍装置は携帯電話によるメッセージの通知を実行させる。これにより、電子書籍の読書を妨げられることなく、メッセージの通知を受けることが可能になる。
以上、本発明に係る電子書籍装置ついて、実施の形態及び変形例を用いて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、実施の形態1及び2並びにこれらの変形例では、1ユーザを対象に説明したが、電子書籍装置100,200が複数ユーザで利用される場合には、ユーザごとに動作しても良い。即ち、実施の形態1では、電子書籍装置100はユーザを識別する手段を備え、書籍管理部102は履歴データ102bをユーザごとに管理する。そして、速度算出部103はユーザごとに読書速度を算出し、読書予定時間特定部105は読書予定時間をユーザごとに特定する。また、実施の形態2では、電子書籍装置200はユーザを識別する手段を備え、ページ記憶部204はページ履歴データ204aをユーザごとに管理する。そして、関連特定部205は関連ページをユーザごとに特定する。
また、本実施の形態1及び2並びにこれらの変形例では、液晶ディスプレイ3を2つ備えたが、1つだけ備えても良く、3つ以上備えていても良い。また、液晶ディスプレイ3を、記憶型液晶ディスプレイとして構成しても良い。これにより、消費電力の低減を図ることができる。
また、実施の形態1では、状況検出部120は読書日時及び読書場所を検出したが、その他にも、周囲の明るさや騒音レベルなどを検出しても良い。
また、実施の形態1では、速度算出部103が区切提案部110の速度取得部111による指示に応じて読書速度を算出したが、速度算出部103は様々な読書状況におけるユーザの読書速度を予め算出しておき、速度取得部111は、現在の読書状況に応じた読書速度を、その予め算出された読書速度の中から抽出しても良い。
また、実施の形態1では、読書予定時間特定部105は、通行証用ICカードとの通信や履歴データ102bに基づいて読書予定時間を特定したが、ユーザによる入力操作に応じて読書予定時間を特定しても良い。例えば、ユーザは押しボタン4aを操作することによって電子書籍装置100に対して読書予定時間を入力し、この入力に基づいて読書予定時間特定部105は読書予定時間を特定する。
また、実施の形態1では、ページ数算出部112は、読書予定時間と読書速度とを単純に乗算することによって読書可能ページ数を算出したが、図11の(a)及び(b)に示す読書速度プロファイルを利用して読書可能ページ数を算出しても良い。
また、実施の形態1では、限界読書位置の直前の区切位置を終了最適位置として提示したが、限界読書位置の後にある区切位置を終了最適位置の候補として表示しても良い。例えば、限界読書位置とその後の区切位置との差が1〜2ページ程度であれば、その区切位置が終了最適位置の候補として表示される。
また、実施の形態1の変形例1では、ページ等ごとの読書日時及び読書時間を含む履歴データ102cに基づいて読書速度を算出したが、これらの情報を含まない履歴データ102bと、図11の(a)及び(b)に示す読書速度プロファイルとに基づいて読書速度を算出しても良い。即ち、速度算出部103は、上述の読書速度プロファイルを保持している。そして、速度算出部103は、まず実施の形態1で説明したように履歴データ102bから読書速度を算出し、その読書速度に対して、保持している読書速度プロファイルに則した修正を行う。つまり、速度算出部103は、読書予定時間が長ければ読書速度が遅くなるように、総読書時間が長ければ読書速度が速くなるように、先に算出した読書速度を修正する。
また、実施の形態1の変形例3では、終了最適位置に終了予測時刻や時間を表示することにより、終了最適位置をユーザに提示したが、ユーザが終了最適位置を知得することができる態様であれば、他の態様により終了最適位置をユーザに提示しても良い。例えば、終了最適位置に記号や図形などを表示しても良い。
また、実施の形態1の変形例4では、ユーザによる指示に応じて優先度を切り替えたが、ユーザによる指示に関わらず自動で優先度を切り替えても良い。例えば、高い優先度の区切位置(例えば、章の転換点)によって特定された終了最適位置と、限界読書位置との差が5ページ以上ある場合には、区切判定部114は、優先度を切り替えて、低い優先度の区切位置(例えば、空白行)から終了最適位置を再度特定する。これによって、終了最適位置と限界読書位置との差が少なくなり、ユーザは読書予定時間を有効に活用することができるとともに、優先度の切り替えのために電子書籍装置100をわざわざ操作するといった手間を省くことができる。
また、実施の形態2では、関連特定部205は、インデックスが連続したページ等を関連ページとして特定したが、インデックスが連続していないページ等を関連ページとして特定しても良い。この場合、関連特定部205は、所定時間(例えば3分)以内に、表示順序や連続性に関わらず所定回数以上表示された複数のページ等を、関連ページとして特定する。例えば、68ページが表示されて他のページも表示された後、68ページの表示から3分以内に92ページが表示さるようなケースが、2回以上あった場合には、関連特定部205は、その68ページと92ページとを関連ページとして特定する。
また、実施の形態2では、関連ページを2つのページ等から構成したが、3つのページ等から構成しても良い。さらに、2つのページ等の間での遷移回数が2回以上ある場合に、これらのページ等を関連ページとして特定したが、遷移回数が3回以上や4回以上である場合に関連ページとして特定しても良い。
また、実施の形態1の電子書籍装置に実施の形態2の各構成要素を備えても良い。即ち、この電子書籍装置は終了最適位置及び読書の開始位置を提示するだけでなく、ユーザの操作により関連ページを特定し、一方の関連ページに他方の関連ページの内容が含まれるように、その一方の関連ページを整形して表示する。これにより、ユーザの利便性をさらに向上することができる。
また、本発明は、実施の形態1〜7及び変形例のそれぞれをどのように組み合わせてもよい。
また、本発明は、上述の電子書籍装置の方法やプログラム、そのプログラムを格納する記憶媒体としても実現することができる。