JP2005345717A - 顕微鏡の照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】照明光の波長を容易に切り換え可能で小型の照明装置を提供する。
【解決手段】ランプハウス100は内部にコレクトレンズ3と電源供給部102とコネクター103と電源スイッチ105とを有している。ランプハウス100はさらに、カセット式照明ユニット106と106Aを選択的に装着するための照明ユニット装着部104を有している。カセット式照明ユニット106は、その内部に、発光ダイオード108と、発光ダイオードを点灯させる照明回路109と、ランプハウス100内のコネクター103と結合し電源を供給するためのコネクター107とを備えている。カセット式照明ユニット106Aは、カセット式照明ユニット106の発光ダイオード108と異なる発光波長を有する発光ダイオード108Aを備えている。ほかの構造はカセット式照明ユニット106と同様である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、顕微鏡の照明装置に関する。
試料に対して特定波長を有する照明光を照射し、試料から発生する蛍光を観察する装置として蛍光顕微鏡が知られている。蛍光顕微鏡は、試料自身または試料に添加した蛍光色素を発光させるための励起光を試料に照射し、発光した蛍光を観察するものである。試料に照射する励起光の波長は、試料自身もしくは蛍光色素の蛍光特性に対応させる必要がある。このため、蛍光色素の特性に応じて照明光の波長を容易に切り換えられることが求められる。
従来、蛍光顕微鏡の照明光源には水銀ランプやハロゲンランプなどが用いられてきた。これらの照明光に対して励起フィルターと呼ばれる波長選択フィルターを用いることにより、照明光から一定波長成分だけを抽出し、これを励起光として試料に照射している。
近年、それらに代替する装置として、光源に発光ダイオードを用いた蛍光顕微鏡照明装置が提案されている。発光ダイオードは、従来の光源に比べ、軽量小型、低消費電力、高速応答、長寿命など極めて良い特徴を有している。しかし、発する光の波長域が狭いことから、高い信号対バックグラウンド比(S/B比)が得られる反面、単一の素子からは狭帯域の励起光しか得られないという短所もある。そのため、異なる波長域を有する励起光を切り換えて照射する際にはランプハウス内の光源自体を付け替える必要があり、多くの手間を要する。
この問題を解決する手法として、特開2003−195177号公報は、ランプハウス内に複数の発光ダイオードを設け、それらを切り換えて光軸上に設置する手法を開示している。これによると、機械的な駆動機構によって複数の発光ダイオードの一つを光軸上に選択的に配置させることにより、異なる波長域を有する励起光を切り換えて照射することを可能にしている。
特開2003−195177号公報
しかしこの手法では、波長選択性を持たせるために、ランプハウス内に多くの発光ダイオードを配置する必要があるほか、駆動機構の構成も必然的に複雑になる。そのため、装置自体が大型化してしまう、高性能な制御系が必要となる、という不具合がある。
本発明は、このような実状を考慮して成されたものであり、その目的は、照明光の波長を容易に切り換え可能で小型の照明装置を提供することである。
本発明は顕微鏡の照明装置であり、本発明の照明装置は、内部に発光素子をそれぞれ有する複数の照明ユニットと、複数の照明ユニットの一つが選択的に装着され得る装着部とから構成されている。照明ユニットは、それぞれ、異なる発光波長を有する発光ダイオードと、発光素子への電気的接続のためのコネクターとを有している。
本発明によれば、照明光の波長を容易に切り換え可能で小型の照明装置が提供される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態が適用される顕微鏡のひとつである蛍光顕微鏡の光学系の全体構成を概略的に示している。
図1において、ランプハウス1内の光源2は発光ダイオードからなり、特定の波長成分を含む光を発する。光源2から発せられた光はコレクトレンズ3を通り、投光管4内の励起フィルター5に入射する。励起フィルター5に入射した光は、特定の波長成分(すなわち励起光)だけが選択的に波長選択フィルター5を透過する。波長選択フィルター5を透過した励起光は、ダイクロイックミラー6によって反射され、レボルバー7と対物レンズ8を通り、ステージ10上の蛍光標本9を照明する。蛍光標本9は励起光で照明されると、励起光より長い波長成分を有する蛍光を発する。蛍光標本9から発せられた蛍光(目的の蛍光のほかに励起光の反射光や散乱光やほかのノイズ光を含む)は、対物レンズ8とレボルバー7とダイクロイックミラー6を透過し、吸収フィルター11に入射する。吸収フィルター11に入射した光は、特定の波長成分(すなわち目的の蛍光)だけが選択的に吸収フィルター11を透過する。吸収フィルター11を透過した蛍光は鏡筒12内の光学系に入射し、接眼レンズ13を通して観察可能となる。また、CCDなどの撮像素子を有するデジタルカメラ14とPC15とモニター16によって撮像と観察が可能となる。
図2は、図1のランプハウスに代えて適用される本発明の第一実施形態による照明装置(ランプハウスシステム)すなわちランプハウスとこれに装着可能なカセット式照明ユニットとを示している。
図2に示されるように、ランプハウス100は、その内部に、コレクトレンズ3と電源供給部102とコネクター103と電源スイッチ105とを有している。電源供給部102は、ACアダプタ101から供給される電圧を光源用出力に変換してコネクター103へ出力する。また、電源スイッチ105をON/OFFすることにより、ACアダプタ101からの電源供給を制御できる。ランプハウス100は、例えばカセット式照明ユニット106と106Aのひとつを選択的に装着するための照明ユニット装着部104を有している。
ランプハウス100にはカセット式照明ユニットが交換可能に装着される。このため複数のカセット式照明ユニットがあらかじめ用意される。図2には、代表的に、二つのカセット式照明ユニット106と106Aが示されている。カセット式照明ユニットの個数は、これに限るものではなく、カセット式照明ユニット106と106Aのほかに任意の個数のカセット式照明ユニットが用意されてよい。
カセット式照明ユニット106は、その内部に、発光素子としての発光ダイオード108と、発光ダイオードを点灯させる照明回路109と、ランプハウス100内のコネクター103と結合し電源を供給するためのコネクター107とを備えている。カセット式照明ユニット106の光路上の側壁には、発光ダイオード108の光路を妨げないように、図示しない穴が設けられている。またカセット式照明ユニット106には、カセットの着脱を容易にするための取っ手110が設けられている。
カセット式照明ユニット106Aは、カセット式照明ユニット106の発光ダイオード108と異なる発光波長を有する発光ダイオード108Aを備えている。ほかの構造はカセット式照明ユニット106と同様である。また、図示されていないカセット式照明ユニットもまた、発光ダイオード108と異なる発光波長を有する発光ダイオードを備えている点を除けば、カセット式照明ユニット106と同様の構造をしている。
カセット式照明ユニット106をランプハウス100内の照明ユニット装着部104へ装着すると、コネクター103とコネクター107が電気的に導通する。このとき電源スイッチ105をONすることによりACアダプタ101を通じて供給された電源電圧は、電源供給部102を通じてコネクター103へ出力される。コネクター107とコネクター103は結合しているため、出力された電圧はコネクター107を介して照明回路109へ供給され、発光ダイオード108が点灯する。
また、取っ手110を用いてカセット式照明ユニット106をランプハウス100から引き抜くことにより、異なる発光波長を有する発光ダイオード108Aを備えたカセット式照明ユニット106Aを照明ユニット装着部104に装着することができる。以上の着脱操作により、二つのカセット式照明ユニット106と106Aを容易に交換してランプハウス100に装着することができる。また、図示されていない別のカセット式照明ユニットに交換してランプハウス100に装着することも容易に可能である。これにより、異なる波長の光を発する複数のカセット式照明ユニットを容易に切り換えて使用することができる。つまり、励起光の波長を容易に切り換えることが可能となる。
これまでの説明から分かるように、本実施形態によれば、カセット式照明ユニットを用いることにより、異なる波長帯域を有する複数の光源の入れ換えを容易に実現できる。これにより、ランプハウス内に複数の発光ダイオードを設置することなく、照明光の波長選択性を確保することができる。その結果として装着の小型化や構成の簡易化を実現できる。さらに、波長選択性は実質的に無限であり、観察者の使用用途に応じた柔軟な選択を可能にしている。
本実施形態では、カセット式照明ユニットとランプハウスとの結合にコネクターによる結合が適用されているが、電気的導通が得られるほかの手法による結合が適用されても一向に構わない
[第二実施形態]
本実施形態は、第一実施形態のランプハウスに装着可能なカセット式照明ユニットに向けられている。図3は、本発明の第二実施形態によるカセット式照明ユニットを示している。図3において、図2に示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
図3に示されるように、カセット式照明ユニット206は、第一実施形態と同様に発光ダイオード108と照明回路109とコネクター107と取っ手110とを備えており、さらに、光路上の側壁に設けられたフィルター取り付け溝202と、フィルター取り付け溝202に取り付けられた励起フィルター201とを備えている。励起フィルター201は、発光ダイオード108が発する光の波長帯域に対応した透過率特性を有している。また励起フィルター201は、フィルター取り付け溝202に対して着脱可能で、容易に交換することができる。
カセット式照明ユニット206Aは、発光ダイオード108Aと励起フィルター201Aを除いては、カセット式照明ユニット206と同様である。発光ダイオード108Aは第一実施形態で既に説明したように発光ダイオード108とは異なる発光波長を有しており、励起フィルター201Aは発光ダイオード108Aが発する光の波長帯域に対応した透過率特性を有している。
本実施形態において使用されるランプハウスは第一実施形態と同じであり、蛍光顕微鏡光学系は第一実施形態とほとんど同じであるが、カセット式照明ユニット206と206Aが内部にそれぞれ励起フィルター201と201Aを備えているので、投光管4内の励起フィルター5が除去される。
カセット式照明ユニット206と206Aは、第一実施形態とまったく同様にして、図2に示されるランプハウス100に交換可能に装着される。
本実施形態においても、カセット式照明ユニットの個数は、図3に示されるように2個に限るものではなく、カセット式照明ユニット206と206Aのほかに、同様の構造を有する任意の個数のカセット式照明ユニットが用意されてよい。
本実施形態によれば、あらかじめ照明光の波長帯域に応じた励起フィルターがカセット内に設置されているため、光源と励起フィルターを組み合わせて入れ換えることが可能となる。従って、複数の光源の入れ換えに応じて、励起フィルターを選定し交換する必要がない。その結果、使用時の利便性が向上する。
[第三実施形態]
本実施形態は、スライダー式照明ユニットに向けられている。図4は、本発明の第三実施形態による照明装置の主要部であるスライダー式照明ユニットを示している。図4において、図1に示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
図4に示されるように、スライダー式照明ユニット301は、その内部に、発光素子としての発光ダイオード304と、発光ダイオード304を点灯させる照明回路302と、外部から電源を供給するための入力コネクター303とを備えている。さらにスライダー式照明ユニット301は、内部に、蛍光顕微鏡光学系の一部であるコレクトレンズ3と励起フィルター5とダイクロイックミラー6と吸収フィルター11を有している。励起フィルター5とダイクロイックミラー6と吸収フィルター11は、発光ダイオード304の波長特性に応じて選ばれる。励起フィルター5は、発光ダイオード304から発せられる光から特定の波長成分(すなわち励起光)を選択的に透過する。ダイクロイックミラー6は、第一波長選択フィルターを透過した励起光を反射するとともに蛍光標本9から発せられた蛍光を透過する。吸収フィルター11は、目的の蛍光だけを選択的に透過する。スライダー式照明ユニット301の光路上の側壁には、発光ダイオード304の光路を妨げないように、図示しない穴が設けられている。またスライダー式照明ユニット301には、固定のための結合金具305と、引出しを容易にするための取っ手306が設けられている。
スライダー式照明ユニット301へ電源を供給するための電源ユニット307は内部に電源供給部308を備えている。電源供給部308は、ACアダプタ311から供給される電源電圧を光源用出力に変換してコネクター310へ出力する。また、電源スイッチ309をON/OFFすることにより、ACアダプタ311からの電源供給を制御できる。また、スライダー式照明ユニット301のコネクター310は、電源供給ケーブル312を介して、スライダー式照明ユニット301の入力コネクター303と結合される。これにより、スライダー式照明ユニット301と電源ユニット307の電気的導通をとることができる。
スライダー式照明ユニット301が適用される顕微鏡の光学系は実質的に第一実施形態と同じであるが、顕微鏡筐体313には、スライダー式照明ユニット301を装着するための照明ユニット装着部314が設けられている。照明ユニット装着部314の奥には、図示しない結合金具が設けられている。スライダー式照明ユニット301が照明ユニット装着部314に挿入され、スライダー式照明ユニット301の結合金具305が照明ユニット装着部314の奥の結合金具と結合すると、スライダー式照明ユニット301が光軸上に固定される仕組みになっている。また、力を入れて引き出すことにより、スライダー式照明ユニット301の着脱が可能となっている。
スライダー式照明ユニット301を顕微鏡筐体313に装着し、電源供給ケーブル312を電源ユニット307に接続する。このとき電源スイッチ309をONすることによりACアダプタ311を通じて供給された電源電圧は、電源供給部308を通じてコネクター310に出力される。出力された電圧は、電源供給ケーブル312と入力コネクター303を介して照明回路302に供給され、発光ダイオード304が点灯する。発光ダイオード304から発せられた光は、コレクトレンズ3と励起フィルター5を経て励起光となり、ダイクロイックミラー6によって反射され後、レボルバー7と対物レンズ8を通り、蛍光標本9に照射される。蛍光標本9から発せられた蛍光は、対物レンズ8とレボルバー7を通り、スライダー式照明ユニット301内のダイクロイックミラー6と吸収フィルター11を通り、鏡筒12内の光学系に入射し、接眼レンズ13を通して観察可能となり、またデジタルカメラ14により撮像可能となる。その詳細は第一実施形態において説明したとおりである。
スライダー式照明ユニット301は顕微鏡筐体313の照明ユニット装着部314に交換可能に装着される。このため複数のスライダー式照明ユニットがあらかじめ用意される。つまり、図4に図示されているスライダー式照明ユニット301のほかに、図示しない任意個数のスライダー式照明ユニットが用意されてよい。図示しない各スライダー式照明ユニットは、スライダー式照明ユニット301と同様の構造をしており、発光ダイオードとコレクトレンズと励起フィルターとダイクロイックミラーと吸収フィルターとを備えている。複数のスライダー式照明ユニットの発光ダイオードは、それぞれ、異なる発光波長を有し、励起フィルターとダイクロイックミラーと吸収フィルターは、それぞれ、発光ダイオードに合った特性を有している。
取っ手306を用いてスライダー式照明ユニット301を顕微鏡筐体313から引き抜くことにより、図示しない別のスライダー式照明ユニットを照明ユニット装着部314へ装着することができる。さらに、電源供給ケーブル312を別のスライダー式照明ユニットのコネクターに接続することにより、別のスライダー式照明ユニットへの電源供給が可能となる。
以上の着脱操作により、互いに異なる発光波長を有する発光ダイオードを備えた複数のスライダー式照明ユニットを容易に交換して顕微鏡筐体313に装着することができる。これにより、異なる波長の光を発するスライダー式照明ユニット301を切り換えて使用することができる。つまり、励起光の波長を容易に切り換えることが可能となる。
これまでの説明から分かるように、本実施形態によれば、スライダー式照明ユニットを用いることにより、異なる波長帯域を有する複数の光源の入れ換えを容易に実現できる。また、スライダー式照明ユニット内に発光素子とコレクトレンズが設けられているので、顕微鏡筐体313に投光管とランプハウスを設置する必要がなくなる。このため、装置の小型化に大きく貢献する。
さらにスライダー式照明ユニット内に励起フィルターとダイクロイックミラーと吸収フィルターが設けられているため、顕微鏡筐体313にいわゆる蛍光キューブ(励起フィルターとダイクロイックミラーと吸収フィルター)を設置する必要がない。また、スライダー式照明ユニット内の励起フィルターとダイクロイックミラーと吸収フィルターは発光ダイオードの波長帯域に応じて選択されているので、照明波長の切り換えとそれに伴う設定が簡単に行なえる。これにより、照明光の切り換えの度に各光学素子を一つ一つ選定し設置する必要がなくなり、利便性が向上する。
本実施形態では、スライダー式照明ユニットと顕微鏡筐体との結合に結合金具による結合が適用されているが、スライダー式照明ユニット301を固定できるほかのいかなる手法による結合が適用されてもよい。さらに、顕微鏡筐体313が電動顕微鏡である場合には、結合部にコネクターを用いた電気的結合を行なうことも可能である。この場合、コネクターを通して照明光の電源供給ができるため、スライダー式照明ユニットに電源供給ケーブルをつなぐ必要がなくなる。
本実施形態では、スライダー式照明ユニット301が顕微鏡筐体313に装着されるが、スライダー式照明ユニット301の装着位置はこれに限定されるものではなく、ほかの適当な位置に装着されてもよい。図5は、本実施形態の変形例を示している。この変形例では、照明ユニット装着部314が、顕微鏡筐体313にではなく、レボルバー7の上部の位置に設けられている。このように、スライダー式照明ユニット301は例えばレボルバー7の上部の位置に装着されてもよい。
[第四実施形態]
本実施形態は、第一実施形態〜第三実施形態で述べたカセット式またはスライダー式の照明ユニット内の発光ダイオードの種類の自動検出機構に向けられている。図6は、本発明の第四実施形態による発光ダイオードの種類の自動検出機構を概略的に示している。図6には、本実施形態の自動検出機構を図2に示される第一実施形態のカセット式照明ユニットに適用した構成が例示的に示されている。もちろん、本実施形態の自動検出機構は第三実施形態のスライダー式照明ユニットに適用されてもよい。図6において、図2に示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
本実施形態では、ランプハウス100には、輝度制御部401と、フォトインタラプター402とが設けられている。またカセット式照明ユニット106には、フォトインタラプター402の素子間を遮蔽するための遮蔽板403が設けられている。遮蔽板403の配置パターンは、発光ダイオードの種類によって異なっている。
言い換えれば、遮蔽板403の配置パターンは、カセット式照明ユニット106内の発光ダイオードの特徴を表す指標を構成している。またフォトインタラプター402は、装着されたカセット式照明ユニット106の指標を識別する指標識別部を構成している。指標と指標識別部は、発光ダイオードの種類の自動検出機構を構成している。輝度制御部401は、フォトインタラプター402で得られた情報に基づいて、装着されたカセット式照明ユニット106内の発光ダイオードの発光輝度を制御する。
カセット式照明ユニット106を照明ユニット装着部104に挿入すると、コネクター103とコネクター107とが結合されるとともに、フォトインタラプター402の溝に遮蔽板403が挿入される。カセット式照明ユニット106に設けられた遮蔽板403の配置パターンがフォトインタラプター402によって検出され、検出結果が輝度制御部401に信号送信される。これにより、輝度制御部401は、照明ユニット装着部104に装着されたカセット式照明ユニット106内の発光ダイオードの種類を検出することができる。その後、輝度制御部401は電源供給部102に対して制御信号を送り、照明ユニット装着部104に装着されたカセット式照明ユニット106内の発光ダイオードへ供給する電流を種類に応じた設定値に制御する。
本実施形態によれば、照明ユニットを装着した際に照明ユニット内の発光ダイオードの種類を自動的に識別し、種類に応じて発光ダイオードへ供給する電流を制御することが可能となる。これにより、定格電流値が大きい素子に対しては大電流を流して発光輝度を高くするなど、素子の定格に合った最適な輝度を自動的に得ることが可能となる。また、同定格の素子に対しても発光波長に応じて輝度を変えるなど、用途に応じて柔軟な設定をすることも可能となる。
本実施形態では、発光ダイオードの種類の検出にフォトインタラプターによる検出を適用した例を示したが、コネクター結合による電気的検出など、ほかの手法による検出が適用されてもよい。
[変形例]
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
例えば、実施形態では、本発明を落射照明に適用した例を示したが、本発明は透過照明に適用されても一向に構わない。
また実施形態では、本発明の照明装置を正立顕微鏡に適用した例を示したが、本発明の照明装置は、倒立顕微鏡に適用されても一向に構わない。
実施形態では、本発明の照明装置を蛍光顕微鏡に適用した例を示したが、本発明の照明装置は、ほかの顕微鏡をも含む広く一般の顕微鏡に適用されても一向に構わない。
実施形態では、発光素子に発光ダイオードが適用された例を示したが、レーザーダイオードやほかの狭帯域波長成分を有する小型発光素子が発光素子に適用されても一向に構わない。
本発明は顕微鏡の照明装置に向けられている。本発明は、以下の各項に記す照明装置を含んでいる。
1. 本発明の照明装置は、内部に発光素子をそれぞれ有する複数の照明ユニットと、複数の照明ユニットの一つが選択的に装着され得る装着部とから構成されており、照明ユニットは、それぞれ、異なる発光波長を有する発光素子と、発光素子への電気的接続のためのコネクターとを有している。
2. 本発明の別の照明装置は、第1項の照明装置において、装着部が、照明ユニットが装着されたときに、照明ユニットのコネクターと結合するコネクターを有している。
3. 本発明の別の照明装置は、第2項の照明装置において、装着部が、顕微鏡に取り付けられるランプハウスに設けられている。
4. 本発明の別の照明装置は、第3項の照明装置において、照明ユニットが、それぞれ、発光素子から発せられる光から特定の波長成分を選択的に透過する波長選択フィルターをさらに有している。
5. 本発明の別の照明装置は、第1項の照明装置において、装着部が顕微鏡筐体に設けられている。
6. 本発明の別の照明装置は、第5項の照明装置において、照明ユニットが、それぞれ、集光レンズと、発光素子から発せられる光から特定の波長成分を選択的に透過する第一波長選択フィルターと、第一波長選択フィルターを透過した光を反射するとともに標本からの蛍光を透過するダイクロイックミラーと、蛍光を選択的に透過する第二波長選択フィルターとをさらに有している。
7. 本発明の別の照明装置は、第1項の照明装置において、照明ユニットがそれぞれ発光素子の特徴を表す指標を有し、装着部が、照明ユニットの指標を識別する指標識別部を有している。
8. 本発明の別の照明装置は、第7項の照明装置において、装着部がさらに、指標識別部で得られた情報に基づいて発光素子の発光輝度を制御する輝度制御部を有している。
本発明の第一実施形態が適用される顕微鏡のひとつである蛍光顕微鏡の光学系の全体構成を概略的に示している。 図1のランプハウスに代えて適用される本発明の第一実施形態による照明装置すなわちランプハウスとこれに装着可能なカセット式照明ユニットとを示している。 本発明の第二実施形態によるカセット式照明ユニットを示している。 本発明の第三実施形態による照明装置の主要部であるスライダー式照明ユニットを示している。 本発明の第三実施形態による照明装置の変形例を示している。 本発明の第四実施形態による発光ダイオードの種類の自動検出機構を概略的に示している。
符号の説明
1…ランプハウス、2…光源、3…コレクトレンズ、4…投光管、5…励起フィルター、6…ダイクロイックミラー、7…レボルバー、8…対物レンズ、9…蛍光標本、10…ステージ、11…吸収フィルター、12…鏡筒、13…接眼レンズ、14…デジタルカメラ、16…モニター、100…ランプハウス、101…ACアダプタ、102…電源供給部、103…コネクター、104…照明ユニット装着部、105…電源スイッチ、106…カセット式照明ユニット、106A…カセット式照明ユニット、107…コネクター、108…発光ダイオード、108A…発光ダイオード、109…照明回路、110…取っ手、201…励起フィルター、201A…励起フィルター、202…フィルター取り付け溝、206…カセット式照明ユニット、206A…カセット式照明ユニット、301…スライダー式照明ユニット、302…照明回路、303…入力コネクター、304…発光ダイオード、305…結合金具、306…取っ手、307…電源ユニット、308…電源供給部、309…電源スイッチ、310…コネクター、311…ACアダプタ、312…電源供給ケーブル、313…顕微鏡筐体、314…照明ユニット装着部、401…輝度制御部、402…フォトインタラプター、403…遮蔽板。

Claims (3)

  1. 内部に発光素子をそれぞれ有する複数の照明ユニットと、
    複数の照明ユニットの一つが選択的に装着され得る装着部とから構成されており、
    照明ユニットは、それぞれ、異なる発光波長を有する発光素子と、発光素子への電気的接続のためのコネクターとを有している、顕微鏡の照明装置。
  2. 請求項1において、装着部が、照明ユニットが装着されたときに、照明ユニットのコネクターと結合するコネクターを有している、照明装置。
  3. 請求項1において、装着部が顕微鏡筐体に設けられている、照明装置。
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