JP2005345422A - 試料物質の観察方法および観察装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶媒とマイクロカプセルとを含む組成物の製造工程中のマイクロカプセルを評価する観察方法及び観察装置を提供する。
【解決手段】本発明の試料物質の観察装置は、複数の試料物質を含む所定の体積の液体を単位として、前記液体を試料台の所定の位置に吐出するための吐出手段、前記吐出手段により吐出される前記液体の吐出位置を観察に適した所定の位置とするために前記吐出手段の吐出時の位置決めを行うための位置決め手段、前記吐出された液体中の複数の試料物質の位置を前記試料台上の前記所定の位置に固定化するための固定化手段、及び前記固定化された複数の試料物質を観察するための観察手段を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の試料物質の観察装置は、複数の試料物質を含む所定の体積の液体を単位として、前記液体を試料台の所定の位置に吐出するための吐出手段、前記吐出手段により吐出される前記液体の吐出位置を観察に適した所定の位置とするために前記吐出手段の吐出時の位置決めを行うための位置決め手段、前記吐出された液体中の複数の試料物質の位置を前記試料台上の前記所定の位置に固定化するための固定化手段、及び前記固定化された複数の試料物質を観察するための観察手段を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、溶媒とマイクロカプセルとを含む組成物の製造工程中のマイクロカプセルを評価する観察方法及び観察装置に関するものである。
近年、デジタル印刷技術は非常な勢いで進歩している。このデジタル印刷技術は、電子写真技術、インクジェット技術と言われるものがその代表例であるが、近年、オフィス、家庭等における画像形成技術としてその存在感をますます高めてきている。
しかし、まだ改善すべき点が数多く存在し、特にインクでは発色性や耐侯性に関して改善すべき点が多く、研究開発が盛んに行われている。その中で、機能性物質をマイクロカプセル化したものをインクの中に含むことによって、上述の発色性や耐侯性を向上させる試みがなされている。この場合、マイクロカプセルの形態、組成等の評価分析をすることがインクの特性を知る上で非常に重要になってくる。
従来の評価方法としては、走査型電子顕微鏡による評価方法がある。一般的な走査型電子顕微鏡でのマイクロカプセルの内包物の分析としては、揮発性物質内包マイクロカプセルおよびその分散液(特許文献1)、揮発性物質内包マイクロカプセル分散液の製法(特許文献2)および揮発性物質内包マイクロカプセルの製法でマイクロカプセルを壊し、断面部を通常の走査型電子顕微鏡で観察するという方法がなされている。
内包物を含む物質を観察評価する場合には透過型の電子顕微鏡を用いるのが有効である。その場合電子顕微鏡内にサンプルを入れる場合、余分な水分を除去する必要がある。
この従来法を図2で説明する。
(a)まずピペットでインクをメッシュ上に滴下する。
(b)これによりインクがメッシュ上に広がる。
(c)断面からみると、インクがメッシュ上にもりあがっており、余分な溶媒(水分)が多く残っている。
(d)そこでろ紙を用いて余分な溶媒(水分)を吸い取る。
(e)これによりメッシュ網目内に溶媒(水分)とインクが若干残る。
(a)まずピペットでインクをメッシュ上に滴下する。
(b)これによりインクがメッシュ上に広がる。
(c)断面からみると、インクがメッシュ上にもりあがっており、余分な溶媒(水分)が多く残っている。
(d)そこでろ紙を用いて余分な溶媒(水分)を吸い取る。
(e)これによりメッシュ網目内に溶媒(水分)とインクが若干残る。
ろ紙等で水分を吸い取るが、これによって目的のマイクロカプセルの一部、もしくは大半もしくは全量は水と一緒にメッシュ上から損失してしまうという問題点があった。
また、メッシュに残ってもメッシュ穴の中心部からはずれてメッシュ格子近傍に偏って残存してしまい、顕微鏡で観察した場合試料物質が重なってしまい、それぞれの形態が見えないことがあった。この場合、定性分析、定量分析をする場合、正確な分析が行えずまた形態観察の際にもメッシュの強度が低下する等の問題が生じていた。
従来使われてきた、ピペットによる液滴の滴下はμリットル単位であり、メッシュの孔に収まるような液滴の供給は不可能であり、どのように過剰な溶媒を除去するかといった方法にのみ着目されてきた。その一方でメッシュ(試料台)への液体の供給方法については検討がされてこなかった。
特開平09−057091号公報
特開平09−12447号公報
上述のことを踏まえ、本発明は水などの溶媒中にマイクロカプセルなどの試料が含まれる液体を観察、組成分析する際の組成物の製造工程で生じる観察方法、及び観察装置を提供する。
本発明者らは試料台への試料物質を含有する液の供給方法に着目し、液滴の濃度と大きさを選択することで、試料台に供給した過剰な液体を除去する必要がなく、定量評価、定性評価が可能な評価方法を見出した。特にpl単位の液滴を試料物質が重ならない体積だけ吐出することにより、過剰な液を除去するといった工程を不要にすると共に均一な状態の試料を観察することが可能となった。
上述のことを改善するために、本発明の試料物質の観察装置は、
複数の試料物質を含む所定の体積の液体を単位として、前記液体を試料台の所定の位置に吐出するための吐出手段、
前記吐出手段により吐出される前記液体の吐出位置を観察に適した所定の位置とするために前記吐出手段の吐出時の位置決めを行うための位置決め手段、
前記吐出された液体中の複数の試料物質の位置を前記試料台上の前記所定の位置に固定化するための固定化手段、及び
前記固定化された複数の試料物質を観察するための観察手段
を備えたことを特徴とする。
複数の試料物質を含む所定の体積の液体を単位として、前記液体を試料台の所定の位置に吐出するための吐出手段、
前記吐出手段により吐出される前記液体の吐出位置を観察に適した所定の位置とするために前記吐出手段の吐出時の位置決めを行うための位置決め手段、
前記吐出された液体中の複数の試料物質の位置を前記試料台上の前記所定の位置に固定化するための固定化手段、及び
前記固定化された複数の試料物質を観察するための観察手段
を備えたことを特徴とする。
本発明の試料物質の観察方法は、
複数の試料物質を観察するための方法であって、
前記複数の試料物質を含む所定の体積の液体を単位として、前記液体を観察に適した試料台の所定の位置に吐出する工程、
前記試料台に吐出された前記液体中の複数の試料物質の位置を固定化する工程、及び
前記位置が固定化された前記試料物質を観察する工程
を有することを特徴とする。
複数の試料物質を観察するための方法であって、
前記複数の試料物質を含む所定の体積の液体を単位として、前記液体を観察に適した試料台の所定の位置に吐出する工程、
前記試料台に吐出された前記液体中の複数の試料物質の位置を固定化する工程、及び
前記位置が固定化された前記試料物質を観察する工程
を有することを特徴とする。
本発明の試料物質の観察方法は、
複数の試料物質を観察するための方法であって、
前記試料物質を所定の濃度で含有する液体を、所定の体積で試料台上に吐出する工程と、
前記試料台上の試料を顕微鏡で観察する工程とを有し、
前記所定の体積は、前記顕微鏡で観察するときに前記試料物質を個々に観察することができる大きさであることを特徴とする。
複数の試料物質を観察するための方法であって、
前記試料物質を所定の濃度で含有する液体を、所定の体積で試料台上に吐出する工程と、
前記試料台上の試料を顕微鏡で観察する工程とを有し、
前記所定の体積は、前記顕微鏡で観察するときに前記試料物質を個々に観察することができる大きさであることを特徴とする。
本発明の試料物質の観察装置は、
試料物質の観察装置であって、
前記試料物質を配置するための試料台と、
前記試料物質を所定の濃度で含有する液体を、所定の体積の液滴として、前記試料台上に吐出するための手段と、および
前記試料台上に配置された前記試料物質を観察するための顕微鏡と
を有することを特徴とする。
試料物質の観察装置であって、
前記試料物質を配置するための試料台と、
前記試料物質を所定の濃度で含有する液体を、所定の体積の液滴として、前記試料台上に吐出するための手段と、および
前記試料台上に配置された前記試料物質を観察するための顕微鏡と
を有することを特徴とする。
本発明は、溶媒とマイクロカプセルとを含んだ組成物を製造する製造工程中の評価工程として、インクジェット法を用いて電子顕微鏡用のメッシュに塗布することによって、適量のマイクロカプセルがメッシュ上の所定の部位に効率よく、サンプリングすることが可能となり、マイクロカプセルの形態や内部の定量や内部の定性がダメージなく効率的に可能となる。
本発明は、溶媒とマイクロカプセルとを含む組成物の製造工程のなかでマイクロカプセルを評価し、マイクロカプセルの形態や内包された物質の定性的および定量的な分析方法を提供するものである。
本発明の実施形態を説明する。
インクジェットプリンター装置の、本来メディアを設置する部位にメッシュを取り付けるのと同じ構造で、インクジェットのヘッドの下部にメッシュを置く。
図1に本発明の最も簡単な方式を記す。
(a) 溶媒とマイクロカプセルとを含む組成物12の濃度をマイクロカプセルが相互にメッシュ上で重ならない程度に調整し、インクタンクの中に入れる。
(b) 1ドットがメッシュ孔の1つ分内に収まるほど小さくなるように装置を設定し、透過電子顕微鏡用メッシュの中央部に向けて液滴を噴射する。液の1ドットがメッシュの中心に当たるように噴射するためにはCCD等を用いてメッシュの位置を確認し、ヘッドを制御するなどの方法を取ることができる。
(c) これによりメッシュ孔(通常、数ミクロンΦ)のひとつ内のみにとどまり厚さ方向にもはみ出すこと無く、無駄な溶媒成分もなく、そのまま観察できる状態になっている。
(a) 溶媒とマイクロカプセルとを含む組成物12の濃度をマイクロカプセルが相互にメッシュ上で重ならない程度に調整し、インクタンクの中に入れる。
(b) 1ドットがメッシュ孔の1つ分内に収まるほど小さくなるように装置を設定し、透過電子顕微鏡用メッシュの中央部に向けて液滴を噴射する。液の1ドットがメッシュの中心に当たるように噴射するためにはCCD等を用いてメッシュの位置を確認し、ヘッドを制御するなどの方法を取ることができる。
(c) これによりメッシュ孔(通常、数ミクロンΦ)のひとつ内のみにとどまり厚さ方向にもはみ出すこと無く、無駄な溶媒成分もなく、そのまま観察できる状態になっている。
その後、この溶媒とマイクロカプセルとを含む組成物は乾燥させた状態で電子顕微鏡内に挿入、または溶媒成分を閉じ込めた状態での評価法へと展開していく。
まず、前記物質として、種々の機能性材料が考えられる。たとえば、インクやトナーに使われる顔料や染料などの色材、さらには、発色性を示すα−ナフトール等や、触媒機能を示すアルミナ、シリカ等などがある。さらに、真菌(かび)やボツリヌス菌等の菌類も使用可能である。当然これらに限定されものでないことは言うまでもない。
また、前記物質をマイクロカプセル化すると言うのは、見かけ上前記物質が覆われていればよく、たとえば、前記材料がカプセルの外に飛び出していてもよい。
また、前記溶媒としては、水や水溶性をしめす溶媒、有機溶剤としては、エタノール、メタノール、トルエン等が考えられる。分析をする前に溶媒を非晶質の状態にするとさらに好ましい。この場合の非晶質な状態では、溶媒がほぼ非晶質な固体になることが好ましい。当然、結晶質なものや非晶質なゲルなどが含まれていてもよいことは言うまでもない。本発明ではさらに液滴が小さいため、非晶質な状態にする場合より短時間で処理が完了するため、試料の形態を歪める可能性が小さい。
溶媒を非晶質な状態にする手段として急速凍結又は急速凍結固定がある。まず、一般的な凍結固定法について言及すると、生物の分野では、水分、油分を含む細胞、組織の微細構造を分析する為の試料作製法として、凍結技法と呼ばれる一連の試料処理法が注目されている。これは大量の水を含む細胞や組織を生の状態のまま瞬時に冷凍して細胞や組織の構成要素とそこに含まれる種々の物質を氷の中に閉じ込めてしまい、その状態を維持したまま形態分析や含有物質の所在を証明できるサンプルをつくろうとするもので「細胞が生きている状態を保持して分析する」という思想から生まれてきた。しかし、上記の凍結法の最大の難点は、水の成分が凍結の際に氷になり、その結晶(氷結晶)が時間の経過と共に次第に成長し、試料の組織の構造を歪めてしまうことである。特に高分解能の分析、観察の際に十分な解像度が得られない。
急速凍結固定法は、凍結装置の改良によって氷晶(氷の結晶)形成(液相中の水分子が結晶膜となる分子を中心として一定の秩序ある方向をもった配列を示すこと)による構造破壊を最小限に抑え、微細形態分析に十分耐えうる試料を作ることができるようになったものである。
すなわち凍結法ではいかに冷却速度の速い凍結法を考えるかが重要である。このため、できるだけ融点の低い冷却剤を用いることが好ましく、また試料と冷却剤の間の熱伝導性を高めることが好ましい。
上述のように水分、油分等を含んだ試料を電子顕微鏡で観察する際に試料を急速冷凍し、固定しそのままの状態に保った試料を、同環境下(温度、湿度)でそのままの状態で電子顕微鏡内に導入していく方法をクライオトランスファー法と言うこともある。
マイクロカプセルの形態や内包された物質の定性分析や定量分析を行う手法としては、エネルギー型電子顕微鏡を用いるのが好ましい。エネルギー型電子顕微鏡とは、エネルギーフィルター(EF)を透過型電子顕微鏡(TEM)に組み込むことによって、好まれて用いられる。エネルギーフィルターを透過型電子顕微鏡に組み込むことにより、試料を透過した電子線を分光し、イメージとしての2次元情報と非弾性散乱電子の損失エネルギー(EELS)情報を加えた3次元情報をTEMの空間分解能で得ることが可能となる。EFTEM−EELSにより特定のエネルギーを損失した電子のみを選択してTEM像をつくることによりEF像ができ、いままでコントラストのつきにくかった有機物等を高コントラストで観察することが可能となる。また組成分析を行うことができ、点分析、線分析、マッピングを行うことも可能となる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<ブロックポリマーの合成>
2−エトキシエチルビニルエーテル(EOVE)、2−メトキシエチルビニルエーテル(MOVE)とHO(CH2)5COOHとからなる、片末端カルボン酸ブロックポリマーの合成。
2−エトキシエチルビニルエーテル(EOVE)、2−メトキシエチルビニルエーテル(MOVE)とHO(CH2)5COOHとからなる、片末端カルボン酸ブロックポリマーの合成。
ポリ[EOVE(2−エトキシエチルビニルエーテル)−b−MOVE(メトキエチルビニルエーテル)]−O(CH2)5COOH(ここで、bはブロックポリマーであることを示す記号である)を、以下の手順により合成した。
三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃に加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、EOVE12mmol(ミリモル)、酢酸エチル16mmol、1−イソブトキシエチルアセテート0.1mmol、及びトルエン11mlを加え、反応系を冷却した。系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロリド(ジエチルアルミニウムクロリドとエチルアルミニウムジクロリドとの等モル混合物)を0.2mmol加え重合を開始した。分子量を分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、A成分(EOVE)の重合の完了を確認した。
次いで、B成分(MOVE)を12mmol添加し、重合を行った。GPCを用いるモニタリングによって、B成分の重合の完了を確認した後、HO(CH2)5COOEtを30mmol添加して、重合反応を停止した。反応混合物溶液をジクロロメタンにて希釈し、0.6M塩酸で3回、次いで蒸留水で3回洗浄した。得られた有機相をエバポレーターで濃縮・乾固して、ポリ[EOVE−b−MOVE]−O(CH2)5COOEtのブロクポリマーを得た。
合成した化合物の同定は、GPCとNMRで行った。特に末端に結合している部分の同定にはNMRのDOSY法による測定により、高分子量体のスペクトル中に末端部位の存在することを確認することによって行った。Mn=2.1×104、Mn/Mw=1.4であった。Mnは数平均分子量であり、Mwは重量平均分子量である。
得られたポリ[EOVE−b−MOVE]−O(CH2)5COOEtの末端のエステル部位を加水分解し、NMRにて同定を行ったところ、目的物であるポリ[EOVE−b−MOVE]−O(CH2)5COOHが得られた。
得たカルボン酸末端のブロックポリマー26質量部をpH11の水酸化ナトリウム水溶液200質量部ともに0℃で3日間攪拌し、完全にポリマーが溶解したカルボン酸ナトリウム塩ポリマー溶液とした。これから塩化メチレンでこのポリマーを抽出し、乾燥し、溶媒を留去してポリマーを単離した。
このポリマー25質量部を塩化メチレン80質量部に溶解させた後、フタロシアニンブルー(東洋インキ社製)10質量部を添加し分散した。これを800質量部の蒸留水に攪拌しながら滴下し、さらにエチレングリコール200質量部を加えた。この状態から40℃で3時間開口状態で放置し、塩化メチレンを完全に留去し、インクを作製した。
<クライオ型透過型電子顕微鏡による評価>
以上のように作製したインクの溶液をインクジェット装置(本実施例ではCANON製BJ950i型、液滴のサイズ2pl)のインクタンクに導入した。
以上のように作製したインクの溶液をインクジェット装置(本実施例ではCANON製BJ950i型、液滴のサイズ2pl)のインクタンクに導入した。
本実施例では試料物質であるマイクロカプセルの個々の形態を正確に観察する為に濃度を2倍に希釈し、ポリマー濃度0.05wt%にした。
この状態でドットが1ドット打てるようにソフトを改良した。
ここで用いたメッシュは通常用いる3mmΦ、200メッシュで一つの孔は約10ミクロンΦである。
通常インク(水分)が多すぎないようにろ紙で軽く抑え、余分な水分を吸い取る作業があり、このときあまり強く押しすぎるとインクがすべて吸い取られてしまったり、マイクロカプセルがダメージをうけたり、壊れてしまったり等があるので注意深く行うことが重要であるが、本実施例では、バブルジェット(登録商標)法でインクを噴射し、余分な水分が残存していないので、このまま次の作業へと進めることができる。
そしてこのメッシュを急速凍結装置(ライカ社CM−10)にセットする。本実施例では冷媒として液体窒素、その液体窒素を冷却する冷媒として液体プロパンを選んだ。そしてこのメッシュ上のインクを急速凍結した。
このままの状態でクライオトランスファー(GATAN社)に搭載し、透過電子顕微鏡のホルダーに変換する。この作業は液体窒素中にサンプルが入ったままの状態で行うことが重要である。また、液体窒素のバブリングによるサンプルダメージにも注意しなくてはいけない。
このようにしてサンプルののったホルダーをクライオ型透過電子顕微鏡に導入して観察を行った。本実施例で使用した透過型電子顕微鏡は日本FEI社のTECNAI20である。観察条件として、加速電圧は200kVで、エネルギーフィルター幅は5eVとした。観察温度は−180℃であった。
この観察で得られたZero Loss像のイメージを図3に示す。約100nmの粒子径がとらえられている。
[比較例1]
実施例1と同じ型のメッシュに、実施例1と同じ組成のポリマー溶液をマイクロピペットで10μリットル滴下した。水分が多いため、ろ紙で注意深く水分を吸い取った。
実施例1と同じ型のメッシュに、実施例1と同じ組成のポリマー溶液をマイクロピペットで10μリットル滴下した。水分が多いため、ろ紙で注意深く水分を吸い取った。
実施例1と同様に急速凍結装置にて急速凍結後、クライオトランスファーに搭載し、実施例1と同じ条件において透過型顕微鏡で観察を行った。
メッシュの中央部などには目的とする粒子は観察できなかった。これはろ紙によって水分を除去する際に試料も吸い取られたためと考えられる。一方メッシュの周辺部には粒子が重なって観察され、粒子の形態をはっきりとらえることはできなかった。
<ブロックポリマーの合成>
実施例1と同様の方法で作製した。
実施例1と同様の方法で作製した。
<クライオ型走査型電子顕微鏡による観察>
上記インクをSi基板上にインクジェット法で実際に印字する場合と同様に、印字した。
上記インクをSi基板上にインクジェット法で実際に印字する場合と同様に、印字した。
その後クライオトランスファーによってインクを−80℃まで冷却した。そのままの状態でフィールドエミッション型の走査電子顕微鏡(HITACHI社製、S−5000H)に導入し、液体窒素で冷やしつづけ−100℃の状態で観察した。
この時の観察条件は加速電圧0.8kVであった。
この観察によって得られた走査型電子顕微鏡のイメージを図4に示す。この走査型電子顕微鏡像より、約80nmのマイクロカプセルの形態が直接観察できた。
<評価効率(確立)アップ>
1. 確実にメッシュの所定の場所にサンプリングすることができる。
2. BJの吐出量(条件)を調整することにより、マイクロカプセルの形態構造解析に適した量のインクをサンプリングできる。
3. クライオTEMへの展開も容易である。
1. 確実にメッシュの所定の場所にサンプリングすることができる。
2. BJの吐出量(条件)を調整することにより、マイクロカプセルの形態構造解析に適した量のインクをサンプリングできる。
3. クライオTEMへの展開も容易である。
<インク特性評価との対応がとれる>
4. BJインクとしてインクの特性と形態構造解析を行う際に印字特性の直接評価ができる。
5. この装置に温度制御をつければ温度によるインク耐久評価等も容易にできる。
4. BJインクとしてインクの特性と形態構造解析を行う際に印字特性の直接評価ができる。
5. この装置に温度制御をつければ温度によるインク耐久評価等も容易にできる。
本発明はマイクロカプセルインクの製造過程での抜き取り評価装置として用いるのが効果的であるが、その他の生物組織等への応用も考えられる。
11:メッシュ
12:溶媒とマイクロカプセルとを含む組成物
13:ピペット
14:メッシュ孔に固定された溶媒とマイクロカプセルとを含む組成物
12:溶媒とマイクロカプセルとを含む組成物
13:ピペット
14:メッシュ孔に固定された溶媒とマイクロカプセルとを含む組成物
Claims (10)
- 複数の試料物質を含む所定の体積の液体を単位として、前記液体を試料台の所定の位置に吐出するための吐出手段、
前記吐出手段により吐出される前記液体の吐出位置を観察に適した所定の位置とするために前記吐出手段の吐出時の位置決めを行うための位置決め手段、
前記吐出された液体中の複数の試料物質の位置を前記試料台上の前記所定の位置に固定化するための固定化手段、及び
前記固定化された複数の試料物質を観察するための観察手段
を備えたことを特徴とする試料物質の観察装置。 - 複数の試料物質を観察するための方法であって、
前記複数の試料物質を含む所定の体積の液体を単位として、前記液体を観察に適した試料台の所定の位置に吐出する工程、
前記試料台に吐出された前記液体中の複数の試料物質の位置を固定化する工程、及び
前記位置が固定化された前記試料物質を観察する工程
を有することを特徴とする前記観察方法。 - 複数の試料物質を観察するための方法であって、
前記試料物質を所定の濃度で含有する液体を、所定の体積で試料台上に吐出する工程と、
前記試料台上の試料を顕微鏡で観察する工程とを有し、
前記所定の体積は、前記顕微鏡で観察するときに前記試料物質を個々に観察することができる大きさであることを特徴とする前記観察方法。 - 前記試料台は透過型顕微鏡に用いるメッシュであることを特徴とする請求項3に記載の観察方法。
- 前記試料物質がマイクロカプセルインクであることを特徴とする請求項3に記載の観察方法。
- 前記試料物質が生体関連物質であることを特徴とする請求項3記載の観察方法。
- 試料物質の観察装置であって、
前記試料物質を配置するための試料台と、
前記試料物質を所定の濃度で含有する液体を、所定の体積の液滴として、前記試料台上に吐出するための手段と、および
前記試料台上に配置された前記試料物質を観察するための顕微鏡と
を有することを特徴とする前記観察装置。 - 温度制御機構をさらに有する請求項7に記載の観察装置。
- 前記顕微鏡がエネルギーフィルターのついた透過型電子顕微鏡である請求項7に記載の観察装置。
- 前記透過型電子顕微鏡はクライオシステムをさらに有する請求項9に記載の観察装置。
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