JP2016156823A - 荷電粒子顕微鏡用のサンプルの調製 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷電粒子顕微鏡における研究のため、サンプルを調製する方法。【解決手段】実質的に相互に平行な対向する面を有する、実質的に平坦なサンプルホルダを提供するステップであって、サンプルホルダは、2つの面を接続する少なくとも一つの開口を有し、開口にわたって膜が組み込まれ、該膜は、少なくとも一つの穴を有する、ステップと、穴にわたって、水性液体のフィルム膜を広げるステップであって、水性液体は、穴に保持された少なくとも一つの研究試料を有する、ステップと、を有し、前記広げるステップの前に、サンプルホルダからの側先端に、膜の第1の表面と親和的に接触する、吸い取り材料の吸い取りシートを配置するステップと、開口を介して、第1の表面とは反対の膜の第2の表面に、水性液体を堆積させるステップと、その後、膜から、吸い取りシートを除去するステップと、を有する、方法。【選択図】図2C

Description

本発明は、荷電粒子顕微鏡における研究のため、サンプルを調製する方法であって、
実質的に相互に平行な対向する面を有する、実質的に平坦なサンプルホルダを提供するステップであって、前記サンプルホルダは、前記2つの面を接続する少なくとも一つの開口を有し、前記開口にわたって膜が組み込まれ、該膜は、少なくとも一つの穴を有する、ステップと、
前記穴にわたって、水性液体のフィルム膜を広げるステップであって、前記水性液体は、前記穴に保持された少なくとも一つの研究試料を有する、ステップと、
を有する方法に関する。
また、本発明は、荷電粒子顕微鏡(CPM)においてサンプルを検査する方法であって、
前記顕微鏡は、
サンプルが取り込まれるサンプルホルダを支持する、支持装置と、
荷電粒子のビームを形成する荷電粒子源と、
前記サンプルが照射されるように、前記ビームを誘導する照射器と、
前記照射に応じて、前記サンプルから放射される出力放射線の流束を検出する検出器と、
を有する方法に関する。
通常、サンプルの調製後であって、CPMにおける調査前に、前述の種類のサンプルは、例えば、これを極低温槽中に浸漬させることにより、固化/急速冷凍/ガラス化され、その後、これは槽から取り出され、輸送/貯蔵の間、極低温に維持される。
本願において使用される用語は、以下の説明を満足させるものと解釈される:
−実質的に平坦なサンプルホルダは、1または2以上の前述の開口を有する。特に、これは、そのような開口のマトリクス配置を有するグリッド状構造であっても良い。同様に、所与の開口にわたって広がる膜は、2以上の前述の穴を有しても良い。特に、これは、そのような穴の(ランダムなまたは規則的な)有しても良い。穴自体は、(例えば、開口技術、孔明け技術、パンチ技術、またはエッチング技術を用いて)意図的に形成され、あるいはこれらは、膜内に最初から存在しても良い。本願において、サンプルホルダは、「足場」と称され、これは、取り付けられた(伸張された)薄膜の支持を支援する。本願に記載の予備製造された使い捨てのグリッド状サンプルホルダは、例えば、いわゆる「TEMグリッド」または「オートグリッド」の形態で市販されている。同様に、穴あき膜は、例えば、いわゆる「含穴炭素」または「Quantifoil」(登録商標)膜の形態で、市販されている。
−「水性液体」と言う用語は、純粋な液体水を包含するのみならず、水系溶液または懸濁液をも意図する。従って、この用語は、電解液、さらに、細胞質、血漿、生物学的液体、リンパ液または羊膜流のような生物学的液体を含む。この水性液体膜は、表面張力の影響により、前記穴に実質的に「広げられる」。
−「極低温」という用語は、極低温の液体、すなわち、-150℃以下の液体を表すことを意図することに留意する必要がある。
−本願における「サンプル」は、保持された研究試料を含む、(固化/ガラス化)水性液体の前記広げられたフィルム膜と見なされ得る。実際、そのようなサンプルにおいて実施されるCPMの研究は、通常、それらが包囲される(固化)液体よりも、前記試料に集中される傾向にある。
荷電粒子顕微鏡は、良く知られており、特に電子顕微鏡検査の形態において、微細対象物の画像化のため重要な技術になっている。歴史的に、電子顕微鏡の基本形態は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、および走査透過型電子顕微鏡(STEM)のような、多くの良く知られた機器に展開され、追加で「機械化」焦点化イオンビーム(FIB)を使用する、いわゆる「ジュアルビーム」ツール(例えばFIB-SEM)のような、各種サブ種に進化している。これは、例えば、イオンビームミリングまたはイオンビーム誘導成膜(IBID)のような支援方法を可能にする。より具体的には、
−SEMにおいて、走査電子ビームによるサンプルの照射は、例えば、二次電子、後方散乱電子、X線、およびフォトルミネッセンス(赤外、可視光および/または紫外光子)の形態の、サンプルからの「予備」放射線の放出を促進する。次に、放出放射線のこの流束の1または2以上の成分が検出され、画像蓄積のため使用される。
−TEMでは、サンプルへの照射に使用される電子ビームは、サンプルに進入する、十分に高エネルギーのものが選定される(このため、通常、これはSEMサンプルよりも薄い)。次に、サンプルから放射される透過電子の流束を用いて、画像が形成される。そのようなTEMが走査モードにある(すなわちSTEMとなる)場合、関心対象の画像は、照射電子ビームの(例えばラスタまたはサーペンタイン)走査中に蓄積される。
ここに示された話題のさらなる情報は、例えば、以下のウィキペディアのリンクから収集される:
http://en.wikipedia.org/wiki/Electron_microscope
http://en.wikipedia.org/wiki/Scanning_electron_microscope
http://en.wikipedia.org/wiki/Transmission_electron_microscopy
http://en.wikipedia.org/wiki/Scanning_transmission_electron_microscopy
照射ビームとして電子を使用する代わりに、他の荷電粒子を使用する荷電粒子顕微鏡も可能である。これに関し、「荷電粒子」という用語は、例えば、電子、正イオン(例えば、GaまたはHeイオン)、負イオン、プロトン、およびポジトロンが含まれるよう、広く解釈するべきである。イオン系顕微鏡に関し、例えば、以下のような情報源から、さらに別の情報が収集されても良い:
http://en.wikipedia.org/wiki/Scanning_Helium_Ion_Microscope
−W.H.Escovitz,T.R.Fox and R.Levi-Setti,フィールドイオン源を用いた走査透過型イオン顕微鏡,Proc,Nat.Acad.Sci.米国72(5),pp.1826-1828 (1975)。
荷電粒子顕微鏡は、画像化に加えて、例えば分光測定の実施、ディフラクトグラムの検査、(局部的)表面変質(例えばミリング、エッチング、成膜)の実施など、他の機能を有しても良いことに留意する必要がある。
全ての場合において、荷電粒子顕微鏡(CPM)は、少なくとも以下の部材を有する:
−ショットキー電子源またはイオン銃のような放射線源、
−放射線源からの「生」放射線ビームの操作を支援し、集光、収差緩和、(開口を用いた)トリミング、フィルタ化のようなある動作を実行する照射器。これは、通常、1または2以上の(荷電粒子)レンズを有し、さらに他の種類の(粒子)光学部材を有しても良い。必要な場合、照射器には、偏向器システムが設けられ、これは、その出力ビームが被検査サンプルにわたって走査の動きを実施するようにしても良い。
−調査対象のサンプルホルダ/サンプルが保持され、配置される(例えば傾斜または回転される)支持装置。必要な場合、この支持装置は、サンプルへのビームの走査の動きを実行するように、移動しても良い。通常、そのような支持装置は、例えば、機械的ステージのような位置合わせシステムに接続される。
−通常、統一された、または合成/分配された検出器。これは、被検出放射線(サンプルの放射線に対する応答)に応じて、多くの異なる形態を取り得る。一例には、光電子増倍管(半導体光電子増倍管SSPMを含む)、光ダイオード、CMOS検出器、CCD検出器、光起電力セルなどが含まれ、例えば、これらは、シンチレータ膜とともに使用されても良い。X線検出の場合、通常、いわゆるシリコンドリフト検出器(SDD)、またはシリコンリチウム検出器(Si(Li))が使用される。通常、CPMは、各種形態の、いくつかの検出器を有する。
透過型顕微鏡(例えば(S)TEMなど)の場合、CPMは、以下を有する:
−結像システム。これは、実質的にサンプル(面)を透過した荷電粒子を取り入れ、これらを、検出/結像装置、分光機器(EELSモジュール;EELS=電子エネルギーロス分光測定)等のような解析機器に誘導(集束)する。前記照射器で示したように、結像システムは、収差軽減、トリミング、フィルタ化等のような、他の機能を実施しても良い。これは、通常、1または2以上の荷電粒子レンズおよび/または他の種類の粒子光学部材を有する。
本発明は、時折、一例として、電子顕微鏡の特定の形態として記載される。しかしながら、そのような簡略化は、明確化/一例を示すことが目的であり、本発明を限定するものと解してはならない。
CPMにおけるある種のサンプルの検査は、その調製、輸送、およびハンドリングに関し、大きな問題に直面する。特に、水性液体本体(例えば水、電解質、細胞流体、血漿等)中に保管され、ここで研究する必要がある生物学的試料(細胞、細胞成分、単細胞組織等)は、以下の理由により取り扱いが難しい:
−CPMの(準)真空環境に導入される水性液体は、気体放出/沸騰を開始し、このためサンプルが劣化する傾向にある。
−これを防ぐため、サンプルは、通常、前記真空に導入する前に、冷凍/固化される。
−しかしながら、(鋭い)氷結晶の形成により生じるサンプルへの損傷を防ぐため、そのような冷凍化は、通常、顕著な氷結晶が生じないように、サンプルのガラス化(アモルファス、ガラス状相への固化)を達成するため、極めて急速に実施される必要がある。そのようなガラス化は、通常、サンプルを極低温槽に急速浸漬することにより達成される。
−許容できるガラス化を容易に行うため、サンプルは、比較的大きな表面積対体積比を有することが好ましい。また、サンプルがその後、透過式のCPM(例えば(S)TEM)で検査される場合、次に、荷電粒子ビームの照射は、サンプルを透過し、サンプルの下流の結像システムに入る必要がある。これらを満たすには、サンプルが比較的薄いこと、および前記ビームの公称経路を検知できるほど妨害する(塞ぐ)ことなく、サンプルホルダに組み込まれることが要求される。このため、サンプルは、その端部により/端部に沿って、支持できることが実質的に必要となる。
これらの要求に合致させるため、この種の水性サンプルは、通常、薄いフィルム膜として調製され、これは、滑りやすいフィルム膜自身が気泡ブロワーのリングにわたって広がるように、幾分アナログ的な方法により、薄い膜の小さな穴(開口)にわたって/内部に、広げられる。そのような広がりを実施する既知の方法は、ある水性液体でサンプルホルダを濡らすことである。これは、例えばそれを、そのような液体の皿に浸漬させ、あるいはピペットを用いて、その上に液体を滴下し、次に、サンプルホルダの面に対して、吸い取り紙のシートを軽く押し付けることにより、実施される。そのような吸い取りは、サンプルホルダから余分な液体を除去することを支援し、吸い取り紙が除去された際に、サンプルホルダ上に、より均一な液体の層が残るようになる。この方法は、例えば、Dario Anselmett監修、
単細胞の解析:Technologies and Applications,Wiley VCH 出版社,2009,ISBN 978-3-527-31864-3,特に第3.2章,第44 and 45頁
https://books.google.nl/books?isbn=3527626654
に記載されている。
前述の段落に記載された技術では、今のところ許容可能な結果が得られるが、本願発明者らは、従来の対応を大きく改善するため鋭意調査を行ってきた。この研究の結果が、本発明の主題である。
本発明の目的は、改善されたサンプルの調製の方法を提供することである。特に、本発明の目的は、この改善された方法を、従来の方法に比べて、より汎用性が高く効果的な方法とすることであり、従来の方法に比べてより良い品質のサンプルを調製することである。
これらのおよび他の目的は、前述の最初に記載した方法において達成され、
この方法は、
前記広げるステップの前に、前記サンプルホルダからの側先端に、前記膜の第1の表面と親和的に接触する、吸い取り材料の吸い取りシートを配置するステップと、
前記開口を介して、前記第1の表面とは反対の前記膜の第2の表面に、前記水性液体を堆積させるステップと、
その後、前記膜から、前記吸い取りシートを除去するステップと、
を有するという特徴を有する。
この方法は、従来の方法とは特に、以下の点で異なる:
−吸い取りシートは、堆積させるステップの(後ではなく)前に、サンプルホルダに適用される;
−堆積させるステップは、膜の吸い取りシートが設置される側(第1の表面)とは反対の側(第2の表面)から行われる;
−堆積させるステップは、開口(グリッド)を介して行われ、これは、「前面堆積」ではなく、「裏面堆積」と称される。
以下、これらの(および他の)差異について、より詳しく説明する。
本発明による実験では、本願発明者らは、以下の多くの重要な観測を行っている:
−既に水性液体の堆積物が受領された膜に、吸い取り紙を事後設置すると、液体中に存在する感受性の高い試料(生物学的細胞など)に対して、機械的損傷が生じる。
−事後堆積吸い取りの後にサンプルホルダ上に残る液体層は、比較的不規則な厚さを有し、これにより、膜の穴に存在するこの層の部分(すなわち、その後CPMの研究のために広げられたフィルム膜)の厚さ均一性が比較的悪くなる。
−(吸い取り紙の設置前の)サンプルホルダ上の液体の「ブランケット」堆積は、液体の大部分が膜の穴の内側ではなく、外側に配置されてしまうため、あまり有効なプロセスではない。水性液体中の浮遊試料の濃度が比較的小さい場合、そのような非効率性は、高価値の/希少な試料のロスにつながる。
一方、本発明における、(例えば紙または布を有する)吸い取りシートの予備設置の適用は、前述のような機械的な損傷の問題を軽減する。また、本発明の方法は、膜の片側から、堆積を実施し、反対の側から吸い取りを実施するため、膜の穴は、液体でより均一に満たされ、これにより、より均一に広がったフィルム膜が形成される。本願発明者らは、穴内の水性液体が予備配置された吸い取りシートに触れると、直ちに吸い取りシートの上に、液体の薄い表面フィルム膜が形成されることを観測している。これは、大きな親水性を有し、従って、膜の堆積側から穴内に、液体を「引き抜く」ように機能する。
本発明の特定の実施例では、
前記膜は、複数の穴を有し、複数の前記開口に組み込まれ、前記複数の各開口内に、少なくとも一つの穴が生じ、
前記堆積させるステップは、局所的に行われ、前記サンプルホルダの特定のゾーンに閉じ込められ、
前記ゾーンは、前記複数の開口のサブセットを有する。
本発明の大きな利点は、従来技術において生じるような「ブランケット」または「グローバル」堆積とは逆に、水性液体のサンプルホルダ上の局部的な堆積が可能となることである。この点の議論を容易にするため、開口(セル)のマトリクス配置を有するグリッド状サンプルホルダの(非限定的な)例を考える。この開口は、薄いワイヤ「保持壁」として定められ、このグリッドの一つの側/面(「前面」)には、穴あき膜が広げられ、これにより、いかなる所与の開口の範囲の内にも、少なくとも一つ(通常いくつか)の穴が存在する。本発明の方法では、グリッドの開口を介する「背面」液体堆積が実施されるため、各開口の保持壁は、液体に対する横方向の流れのバリアとして機能し、その近接開口への広がりが抑制される。その結果、比較的狭小の好適に定められたソース(以下参照)から、液体が堆積されると、その後、堆積物は、サンプルホルダの所与の「ゾーン」に閉じ込められる。この「ゾーン」(選定による)は、サンプルホルダ内に1または2以上の(ただし全てではない)開口を有する。これにより、従来の「ブランケット」堆積の場合に比べて、少ない水性液体を用いて、サンプルを調製することが可能となる。また、これは、次の記載に示すような、一実施例を可能にする。
前述の実施例の特定の場合、本発明の方法は、前記吸い取りシートを除去する前に、サンプルホルダの少なくとも2つの異なるゾーンにおいて、前記堆積ステップが実施される。これにより、
前記ゾーンの第1に、第1の開口を介して、第1の水性液体が堆積され、
前記ゾーンの第2に、第2の開口を介して、前記第1の水性液体とは異なる第2の水性液体が堆積される。
前述の横方向の制限により、サンプルホルダの開口の保持壁は、堆積された液体を所与のゾーンに閉じ込め、サンプルホルダに、各々が異なる水性液体を有する、複数の(相互に排他的であり、および/または一部が重複する)ゾーンが形成される。この方法では、単一のサンプルホルダに複数のサンプルが堆積され、これにより、サンプルのハンドリングが極めて容易となり、ロード/アンロード、および各異なる種類の被調査サンプルに対する、別個のサンプルホルダの位置的な校正が不要となる。これにより、動作が合理化され、時間が節約され、汚染のリスクが低減され、必要なサンプル貯蔵空間が抑制される。これは、(これに限られるものではないが)特に、サンプルの比較研究において有意である。この場合、例えば、所与のタイプの研究試料(例えば特定のウィルス)を、異なる影響に晒すことができ(例えば異なる種類の抗ウィルス物質、放射線、成長条件等への暴露)、これらが試料に及ぼす効果を比較することができる。本実施例では、そのようなサンプルは、単一のサンプルホルダにおいて、異なる座標位置(を有するゾーン)に堆積され、観測を比較しながら、一つの座標位置から別の座標位置に容易に移動することができ、異なるサンプルホルダへの継続的な切り替え(およびロードのための待機)も不要となる。
本発明の特定の実施例では、前記堆積ステップは、非接触式分配器およびタッチオフ分配器を含む群から選定された分配装置を用いて実施される。そのような分配器は、必要な場合、水性液体の(極めて)局所的な堆積ができると言う利点を有する。ただし、これらを用いて、例えば、それらの分配「ヘッド」の、サンプルホルダに対する走査的な動きを利用することにより、比較的大きな領域に液体を堆積しても良い。従って、以下のことに留意する必要がある:
−本願における非接触式分配器の一例は、インクジェット式の分配器であり、これを用いることにより、小さな液滴の所定の列を、対象位置に制御可能に噴射することができる。別の例は、いわゆる「連続フロー分配器」(または「容量分配器」)であり、これは、液滴を個別に噴射する代わりに、(極めて狭小のノズルから)液体の連続噴射ストリームを形成する。
−タッチオフ分配器の場合、ピンの先端における液体の液滴は、粘性/吸着/表面張力効果を用いることにより、サンプルホルダに接触され、「擦り落とされ」、液滴がソース源から目的場所に移動される(「引き寄せられる」)。異なる水性液体をサンプルホルダの異なるゾーンに堆積させる場合(前述の記載参照)、例えば:
−各々異なる液体用の異なる分配器が使用され、または
−各種異なる液体用の異なるリザーバ/貯蔵容器とともに、同じ分散器ヘッド/ノズル/キャピラリ/ピンが使用される。あるいは一連の/連続した液体本体の間の、(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)の少量の「プラグ」のような)好適な「セパレータ」を用い、単一の供給ライン/管を介した、一連の異なる液体の供給が使用される。
当業者には、所与の状況における要求により、特定の分配技術を選択/適合することができる。
本発明の別の実施例では、少なくとも前記堆積ステップは、少なくとも95%の相対湿度(RH)を有する空間(囲い/チャンバ/部屋)で実施される。比較的高い空気湿度により、特に、サンプルホルダの異なるゾーンに異なる水性液体が提供される状況において、(ガラス化前の)サンプル調製中のサンプルの乾燥が防止される。この状況では、通常、単に一つの種類の水性液体を堆積する場合に比べて、より多くの時間が必要となる。このような比較的高いRHレベル、好ましくは95%を超えるRHレベルは、例えば、加湿器を用いて達成/維持されても良い。
本発明の好適実施例では、吸い取りシートは、前記堆積ステップの前に予備的に濡らしておいても良い。既に述べたように、吸い取りシートが湿っている場合、その親水性により、堆積(裏面)側から、穴を介して、堆積水性液体が引き寄せられる。吸い取りシートが堆積水性液体自体により湿潤化するまで待つ代わりに、堆積ステップ前に吸い取りシートを予め湿潤化しておくことにより、このプロセスを「促進」させることができる。そのような予備湿潤化は、膜に吸い取りシートを設置する前または後に生じても良い。後者の場合、例えば、スプレーを使用して、吸い取りシートの膜から遠い方の露出表面を湿潤させても良い。予備湿潤化は、純水で実施しても、その後堆積される水性液体に悪影響を及ぼさない、水系の溶液/懸濁液で実施しても良い。これに関し、必要な場合、予備湿潤化は、その後堆積されるものと同じ種類の水性液体で実施されても良い。この方法での吸い取りシートの予備湿潤化により、サンプルホルダの近傍において、高いRHが維持される(前述の段落参照)。
本発明の方法における堆積ステップが完了すると、吸い取りシートは、サンプルホルダから除去され(例えば剥離または剥がされ)、膜の穴内に、水性液体の薄いフィルム膜が残留する。次に、通常、サンプルホルダ(+水性液体サンプル)は、液体エタンのような凍結剤中に浸漬され(例えば-160℃から-183℃の範囲)、急速冷却される。そのような急速冷却プロセスは、例えば、(本願の参照により取り込まれている)欧州特許文献EP 13186632(FNL1320)に記載されている。この方法で、一旦サンプルホルダが急速冷凍されると、これは、極低温で保管/輸送され、サンプルがガラス化状態に維持される。本願の使用に適した、いわゆる極低温輸送ホルダは、例えば、(本願の参照により取り込まれている)欧州特許文献EP 14197422(FNL1423)に記載されている。
一般に、当業者は、原理的に、本発明により調製されたサンプルを、CPM以外の機器、例えばX線回折装置で調査できることを理解する(例えば結晶構造研究)。
以下、実施例および添付の概略図に基づいて、本発明についてより詳しく説明する。
サンプルホルダの特定の実施態様の正面図(上)、横断面図(中央)、および拡大詳細図(下)である。サンプルホルダは、水性液体の膜を有するサンプルを支持するために使用され、本発明による方法を用いて調製される。 本発明による方法の実施例における各種ステップの実行中の、図1に示したサンプルホルダを示した図である。 本発明による方法の実施例における各種ステップの実行中の、図1に示したサンプルホルダを示した図である。 本発明による方法の実施例における各種ステップの実行中の、図1に示したサンプルホルダを示した図である。 本発明による方法の実施例における各種ステップの実行中の、図1に示したサンプルホルダを示した図である。 本発明による方法の実施例における各種ステップの実行中の、図1に示したサンプルホルダを示した図である。 本発明の使用に役立つ荷電粒子顕微鏡の正面図である。
図において、関連の対応する部材は、対応する参照符号を用いて表される。通常、図面には、スケールは示されていないことに留意する必要がある。
(実施例1)
図1(必ずしもスケールは示されていない)には、サンプルホルダSの特定の実施態様の各種図面を示す。サンプルホルダSは、本発明とともに使用される。この特定の種類のサンプルホルダSは、しばしば、「グリッド」または「オートグリッド」と称される物を有する。これは、Cu(または他の金属)線の環状リング21aを有し、リングの直径は、約3mmであり、ワイヤの直径は、(通常)約50〜100μmのオーダである。リング21a内には、直線ワイヤ部分21bが配置され/組み込まれ、これらは、直交グリッドパターンを形成するように配置される。これにより、(実質的に正方形状の)絞り(開口/孔/窓)23のマトリクス状のアレイが定められる。図1の中央には、図の上部のA−A’線に沿った側断面図を示す。この図に示すように、サンプルホルダSは、実質的に平坦な(平面的な/板状の)形態であり、対向する「表(Sf)」面および「裏(Sb)」面は、相互に実質的に平行である。所与の開口23は、これらの面Sb、Sfを「接続」し、これらの間の接続経路として機能する。
示された例では、表面Sfに、膜25が組み込まれ(配置され、広げられ)る。(必要に応じて、例えば接着剤を用いて、または溶融結合法により、ワイヤ21bに固定される。)この膜25は、例えば、ナイロンまたはグラフェンのような炭素材料を含み、通常、約0.3nmから数百nmの範囲の厚さ(Z方向)を有する。膜25は、穴27の分布を有し、これらは、図の底部の詳細図から明確に視認できる。これらの穴27は、通常、約2μmのオーダの直径/幅(XY平面に平行)を有する。膜25は、
−グリッド21a、21bから遠い側の第1の表面S1、
−グリッド21a、21bに向かって対面する第2の表面S2
を有することに留意する必要がある。
すなわち、グリッド構造21a、21bは、膜25の足場として機能し、膜25は、穴27の支持構造として機能する(従って、しばしば、「含穴炭素支持」と称される)。穴27の内部には、(1または2以上の研究試料が保持された)水性液体の薄膜29の形態の、最終的な「サンプル」が提供され、これは、各所与の穴27にわたって広げられ、表面張力の影響により(特に)所定の位置に残留する。
前述のように図1に示されたサンプルホルダS(グリッド21a、21b+穴あき膜25、27)は、市販されており、例えば、米国カリフォルニアReddingのTed Pella社から入手できることに留意する必要がある。また、例えば、独国Jena 、Quantifoil Micro Tools GmbHから、予備製造された(各種)含穴炭素膜(穴あき部材25、27に対応する)を購入することも可能である。原理上、本発明での使用の際に、サンプルホルダSは、基本的に、一つの開口23および一つの穴27しか必要ではないことに留意する必要がある。ただし、本発明では、これらの複数の構造23、27も可能であり、通常、こちらは、サンプルホルダSの所与の領域に、より多くのサンプル材料を存在させることができるため、有意である。
(実施例2)
図2A〜2Eには、本発明による方法の実施例の各種ステップを実行中の、図1に示したようなサンプルホルダSを示す。特に、以下のことが示されている:
−図2A:膜25上に水性液体を設置する前に、膜25の第1の表面S1と親和的に接触するようにして、吸い取り材料(例えばWhatman Paper No.1)の吸い取りシート31が配置される(この表面S1は、グリッドワイヤ21bからの先端である)。この吸い取りシート31は、必要な場合、乾燥状態でも、予め湿潤状態であっても良い。
−図2B:分配装置33(インクジェットタイプのノズルなど)を用いて、水性液体35の液滴のストリーム/列が、膜25の第2の表面S2に局部的に設置され、液体の「プール」37が形成される。これは、ホルダSの裏面Sb側から、開口23を介して行われる。開口23の周囲に沿ったグリッドワイヤ21bは、横方向にプール37を含有し、これによりXY平面での広がりが拘束される。通常、この方法により、開口23には、(例えば)約20ナノリットルのオーダの液が設置される。
−図2C:ここでは、異なる開口23’において、図2Bにおける手順が繰り返される。図に示すように、これは、異なる分配装置33’から適用される、異なる水性液体35’を用いて行われる。ただし、必要な場合、前述の図2Bと同じ装置33を使用することも可能である。最初、開口23(図2B)に存在するプール37については、吸い取りシート31への染み込みが始まり、吸い取りパッチ39が形成されることに留意する必要がある。必要な場合、図2Bおよび図2Cに示したような操作は、他の開口で繰り返されても良い。また、必要な場合、所与の開口での堆積を実施後、次の主要ステップ(吸い取りシート除去ステップ)に移行する前に、他の開口への予備堆積を、「継ぎ足し」しても良い。通常、必要な場合、1または2以上の開口において、堆積手順をマルチステップ処理としても良い。
−図2D:堆積ステップが完遂され、膜25から吸い取りシート31が除去される(例えば、剥がされ、ずらされ、剥離される)。開口23’のプール37’の吸い取りの結果、吸い取りパッチ39’が形成されることに留意する必要がある。
−図2E:吸い取りシート31の除去後、水性液体35、35’の薄膜29、29’は、(それぞれ)開口23、23’の(それぞれの)穴27、27’に残される。
吸い取りシート31の除去後、サンプルホルダSは、ガラス化冷凍槽に浸漬される。
(実施例3)
図3には、本発明が適用され得るCPMの実施形態の概略図を示す。より具体的には、図には、透過型の顕微鏡Mの実施例を示す。ここでは、これは、TEM/STEMである(ただし、本発明の記載において、これは、イオン系の顕微鏡、および/または例えばSEMのような非透過型の顕微鏡であっても有効である)。図において、真空容器E内で、電子源4(例えばショットキーエミッタ)は、電子ビーム(B)を形成し、このビームは、光電子照射器6を通り、調査対象Sの選択部分に誘導/焦点化される。多様な異なる種類の調査対象Sを(S)TEMで調査しても良いが、ここでは、調査対象Sは、例えば(ガラス状水性膜29を有する)実施例2に記載されているような、本発明により調製されたサンプルホルダSであると仮定する。この照射器6は、光電子軸B’を有し、通常、各種静電/磁気レンズ、(走査)偏向器D、収集器(例えばスティグメータ)等を有する。通常、これは、コンデンサシステムを有しても良い(実際、部材6全体は、しばしば、「コンデンサシステム」と称される)。
サンプルホルダSは、(棒状)支持装置Hに保持され、この装置は、位置決め装置(ステージ、アクチュエータ)Aに接続された、クレードルA’(FEIのCompuStageなど)に配置される。このクレードルA’は、通常、X、Y、Zに移動/位置決めされ、しばしば、Xおよび/またはYに沿って回転できる(示されたデカルト座標系参照)。そのような位置決めにより、サンプルホルダSの異なる部分は、軸B’に沿って移動する電子ビームによって照射/画像化/検査される。また、サンプルホルダSは、例えば、断層撮像測定(サイノグラム取得)の一部として傾斜される。原理上、ビーム走査に替えて、走査的な動きを実行することも可能である。
軸B’に沿って移動する(集束)電子ビームBは、サンプルホルダS上の膜29(に保持された試料)(図1の2E参照)と相互作用し、膜29から、(例えば)二次電子、後方散乱電子、X線、および光放射線(カソードルミネッセンス)を含む、各種「刺激」放射線流束が放射される。必要な場合、1または2以上のこれらの放射線種は、検出器22を用いて検出される。しかしながら、これに加えて/これに代えて、膜29から移動(通過)する電子であって、それから放射(放出)され、軸B’に沿って伝播を続ける(ただし、通常、実質的にその一部は偏向/散乱する)電子を調査しても良い。そのような透過電子流束は、(対物/映写レンズと組み合わされた)結像システム24に導入される。通常、これは、各種静電/磁気レンズ、偏光器、収集器(例えばスティグメータ)等を有する。通常の(非走査型)TEMモードでは、この結像システム24は、透過電子流束を蛍光スクリーン26に集束し、必要な場合、これは(矢印26’により概略的に示されているように)収縮/回収され、軸B’の方向から外れるようになる。膜29(に保持された試料)の(一部の)画像(またはディフラクトグラム)は、結像システム24によってスクリーン26に形成され、これは、容器Eの壁の好適位置に配置されたポート28を介して視認される。スクリーン26の収縮機構は、例えば、通常の方法で、機械的および/または電気的に行われ、ここには示されていない。
スクリーン26上の画像を視認する代わりに、結像システム24から放射される電子流束の焦点深さは、通常、極めて大きい(例えば1mのオーダ)という事実を利用しても良い。その結果、以下に示すような、各種他の解析機器を、スクリーン26の下流に使用することができる:
−TEMカメラ30。カメラ30において、電子流束は、静止画像(またはディフラクトグラム)を形成し、これは、制御器Cにより処理され、例えばフラットパネルディスプレイのようなディスプレイ装置(図示されていない)上に表示される。不要な場合、カメラ30は、収縮/回収され(概略的に矢印30’で示されている)、軸B’の方向から外れるようにされる。
−STEMレコーダ32。レコーダ32からの出力は、フィルム29上のビームBの走査位置(X,Y)の関数として記録され、画像が構築される。これは、X、Yの関数としてのレコーダ32からの出力の「マップ」である。レコーダ32は、カメラ30に特徴的に存在する画素のマトリクスに対向するように、直径が例えば20mmの単一の画素を有する。また、レコーダ32は、通常、カメラ30の取得速度(例えば102画像/秒)に比べて、大きな取得速度(例えば106点/秒)を有する。また、不要な場合、レコーダ32は、収縮/回収され(矢印32’で概略的に示されている)、軸B‘の方向から外れるようにされる(ただし、例えばドーナツ状の環状暗視野レコーダ32の場合、そのような収縮は、必要ではない。そのようなレコーダでは、レコーダが使用されない際に、中心穴でのビーム通過が可能となる)。
−カメラ30またはレコーダ32を用いた結像の代わりに、例えば、EELSモジュールとなる分光機器34を使用しても良い。部材30、32、34の順番/配置は、厳密なものではなく、多くの変更が想定され得ることに留意する必要がある。例えば、分光機器34は、結像システム24に統合されても良い。
制御器(コンピュータプロセッサ)C(これは、必要な場合、統一のまたは複合型の構造を有しても良い)は、制御ライン(バス)C’を介して、示された各種部材に接続されることに留意する必要がある。この制御器Cは、動作の同期、設定点の提供、信号の処理、計算の実行、および表示装置(図示されていない)へのメッセージ/情報の表示など、各種機能を提供しても良い。当業者には、容器Eの内部は、厳密な真空に維持される必要はないことが理解される。例えば、いわゆる「環境TEM/STEM」では、容器E内に、所与の気体のバックグラウンド雰囲気が意図的に導入/維持される。また、当業者には、実際には、容器Eの堆積を制限することが有意であることが理解される。可能な場合、これは、使用電子ビームが通るような小さな管の形態(例えば直径1cmのオーダ)を取るように、軸B’を実質的に包囲する。ただし、これは、ソース4、支持装置H、スクリーン26、カメラ30、レコーダ32、分光機器34等のような構造を収容するために広げられる。
21a グリッド構造
21b グリッド構造
23 開口
25 膜
27 穴
29 薄膜
31 吸い取りシート
33 分配装置
35 水性液体
37 プール
39 吸い取りパッチ

Claims (9)

  1. 荷電粒子顕微鏡における研究のため、サンプルを調製する方法であって、
    実質的に相互に平行な対向する面を有する、実質的に平坦なサンプルホルダを提供するステップであって、前記サンプルホルダは、前記2つの面を接続する少なくとも一つの開口を有し、前記開口にわたって膜が組み込まれ、該膜は、少なくとも一つの穴を有する、ステップと、
    前記穴にわたって、水性液体のフィルム膜を広げるステップであって、前記水性液体は、前記穴に保持された少なくとも一つの研究試料を有する、ステップと、
    を有し、
    前記広げるステップの前に、前記サンプルホルダからの側先端に、前記膜の第1の表面と親和的に接触する、吸い取り材料の吸い取りシートを配置するステップと、
    前記開口を介して、前記第1の表面とは反対の前記膜の第2の表面に、前記水性液体を堆積させるステップと、
    その後、前記膜から、前記吸い取りシートを除去するステップと、
    を有する、方法。
  2. 前記膜は、複数の穴を有し、複数の前記開口に組み込まれ、前記複数の各開口内に、少なくとも一つの穴が生じ、
    前記堆積させるステップは、局所的に行われ、前記サンプルホルダの特定のゾーンに閉じ込められ、
    前記ゾーンは、前記複数の開口のサブセットを有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記吸い取りシートを除去する前に、
    前記堆積させるステップは、前記サンプルホルダの少なくとも2つの異なるゾーンで実施され、これにより、
    前記ゾーンの第1に、第1の開口を介して、第1の水性液体が堆積され、
    前記ゾーンの第2に、第2の開口を介して、前記第1の水性液体とは異なる第2の水性液体が堆積される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記堆積させるステップは、非接触式分散器およびタッチオフ分散器を有する群から選択された分配装置を用いて実施される、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 少なくとも前記堆積させるステップは、相対湿度が少なくとも95%の空間で実施される、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 前記吸い取りシートは、前記堆積させるステップの前に、予備湿潤化される、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 前記吸い取りシートの除去後に、前記サンプルホルダは、極低温冷却剤に浸漬される、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の方法。
  8. 荷電粒子顕微鏡においてサンプルを検査する方法であって、
    前記顕微鏡は、
    サンプルが取り込まれるサンプルホルダを支持する、支持装置と、
    荷電粒子のビームを形成する荷電粒子源と、
    前記サンプルが照射されるように、前記ビームを誘導する照射器と、
    前記照射に応じて、前記サンプルから放射される出力放射線の流束を検出する検出器配置と、
    を有し、
    前記サンプルは、前記支持装置の上に配置する前に、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の方法を用いて調製される、方法。
  9. 前記顕微鏡には、前記サンプルホルダが前記支持装置の上にある間、前記サンプルホルダを極低温に維持する冷却装置が提供される、請求項8に記載の方法。
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