JP2005344542A - エンジンの補機装置 - Google Patents

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和志 山本
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Abstract

【課題】補機部分を用いてパワープラントの振動を低減する。
【解決手段】エンジンに補機2を補機用ブラケット3を介して取り付ける補機装置において、エンジンならびにエンジンに接続したトランスミッションを含むパワープラントの固有振動数をA、補機用ブラケット3を含む補機部の固有振動数をBとした場合、補機用ブラケット3に補機2を前記固有振動数Aに固有振動数Bがほぼ一致する位置に取り付ける。
【選択図】図3

Description

この発明は、エンジンの補機装置に関する。
エンジンに発電機等の補機を付設する場合、動力伝達用のベルト張力を調整可能とするために、長穴を形成したブラケットを用いて補機を取り付けるようにしている(例えば、特許文献1)。
特開2002−227656
エンジンの駆動時、パワープラント(エンジン、トランスミッションを含む)が振動すると共に、エンジンの補機も振動する。
こうした振動低減対策として、パワープラントをリブ等により補強して、パワープラントの剛性向上を図るようにしているが、重量やコストという観点から見た場合、効率的ではない。また、エンジンのレイアウト上の制約がある場合には、リブを配置できないのである。
本発明は、補機部分を用いてパワープラントの振動を低減することを目的としている。
本発明は、エンジンに補機を補機用ブラケットを介して取り付ける補機装置において、エンジンならびにエンジンに接続したトランスミッションを含むパワープラントの固有振動数をA、補機用ブラケットを含む補機部の固有振動数をBとした場合、補機用ブラケットに補機を前記固有振動数Aに固有振動数Bがほぼ一致する位置に取り付ける。
本発明によれば、加速時等のパワープラントの振動を低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、1はエンジン(エンジン本体)、2は補機(発電機)、3はエンジン1に補機2を取り付けるブラケットを示す。
エンジン1に、図示しないが、トランスミッションを接続して、パワープラントを構成している。補機2は、軸4にプーリ(図示しない)を取り付け、プーリ、ベルト(図示しない)を介して伝達されるエンジン1の動力によって駆動するようになっている。
図2のように、ブラケット3は、一対の第1、第2のアーム部5、6を持つ。
第1、第2のアーム部5、6は、エンジン1に対して離間する方向に延設すると共に、基部5A、6A近くから先端近くにかけて補機2の取付用の長穴5B、6Bを形成して、所定の間隔を空けて、基部5A、6Aをエンジン1に固定する。この場合、長穴5B、6Bを平行に、基部5A、6Aをエンジン1に固定する。
ただし、図1のブラケット3の構造は、図2のように第1、第2のアーム部5、6を直接エンジン1に固定する代わりに、第1、第2のアーム部5、6に台部10を設けて、台部10をエンジン1に固定する構造を示しており、このような構造にしても良い。
補機2には、第1、第2のアーム部5、6の長穴5B、6Bの間隔にボルトを用いる締結部15を設けており、長穴5B、6Bに沿って任意の位置に補機2を取り付けできるようになっている。
そして、エンジン1、トランスミッションを含むパワープラントの固有振動数をAとした場合、ブラケット3に補機2を、ブラケット3を含む補機部の固有振動数Bがその固有振動数Aにほぼ一致する位置に取り付ける。
このように、ブラケット3を含む補機部の固有振動数Bをパワープラントの固有振動数Aにほぼ一致させると、振動を打ち消し合い、加速時等のパワープラントの振動を低減することができる。
図3は、パワープラントの固有振動数Aとブラケット3を含む補機部の固有振動数Bの比(B/A)に対する加速時のパワープラントの振動レベルを示したもので、その固有振動数の比(B/A)をほぼ1にすると、加速時におけるパワープラントの振動レベルを1.0dB程度低減できることを確認している。
この一方、ブラケット3を、エンジン1に対して離間する方向に延設かつ平行な長穴5B、6Bを設けた一対の第1、第2のアーム部5、6によって形成したので、補機2の取付位置にしたがって補機2の慣性モーメントを調整して、補機部の固有振動数Bをパワープラントの固有振動数Aに一致させることが可能である。補機2の取付位置がエンジン1に近いとき補機部の固有振動数Bは高く、エンジン1から離間するのにしたがって補機2の慣性モーメントが増加してパワープラントの固有振動数Aに一致するようになる。そのため、補機2の慣性モーメントの増加によって、補機にダイナミックダンパ効果を持たせ、パワープラントの振動を低減することができる。
したがって、車両の快適性等を向上できる。
なお、ブラケット3のアーム部5、6は短形に形成して、補機2の締結部に図2のような長穴5B、6Bを持つアーム部5、6を形成するようにしても良い。
図4は、第2の実施形態を示す。
これは、ブラケット3の第1、第2のアーム部5、6の基部5A、6Aとエンジン1との間にゴム等の振動減衰機能を持つ弾性体20を取り付けたものである。
このように第1、第2のアーム部5、6の基部5A、6Aとエンジン1との間に振動減衰機能を持つ弾性体20を介装すれば、ダイナミックダンパ効果が高まり、パワープラントの振動を効果的に低減することができる。
図5は、第3の実施形態を示す。
これは、ブラケット30のアーム部31、32を、補機2の軸心に対してその周方向に補機2の取付角を変更し得ると共に、補機2の支持剛性を調整可能に形成したものである。
アーム部31、32は、基部31A、32Aをエンジン1に固定して、途中より、補機2の軸心に対して、等距離に位置かつその周方向に沿って周方向の一方の向きに延設している。補機2の取付用の長穴31B、32Bは、アーム部31、32の途中から先端近くにかけて円弧状に設けてある。
このようにすれば、補機2を回転して取付角位置を変えることにより、補機2の支持剛性を変更して、ブラケット30を含む補機部の固有振動数Bをパワープラントの固有振動数Aにほぼ一致させることができ、図2のように加速時等のパワープラントの振動を低減することができる。
また、補機部の固有振動数Bをパワープラントの固有振動数Aに合わせるために、補機2を駆動するベルトの位置を変更する必要はないという利点がある。
車両ならびに車両以外のエンジンの補機装置に適用できる。
本発明の実施形態の部分概略図である。 ブラケットの構成図である。 振動特性図である。 第2の実施形態の構成図である。 第3の実施形態の構成図である。
符号の説明
1 エンジン(エンジン本体)
2 補機
3 ブラケット
4 軸
5 第1のアーム部
5A 基部
5B 長穴
6 第2のアーム部
6A 基部
6B 長穴
20 弾性体
30 ブラケット
31 アーム部
31A 基部
31B 長穴
32 アーム部
32A 基部
32B 長穴

Claims (6)

  1. エンジンに補機を補機用ブラケットを介して取り付ける補機装置において、
    エンジンならびにエンジンに接続したトランスミッションを含むパワープラントの固有振動数をA、補機用ブラケットを含む補機部の固有振動数をBとした場合、
    補機用ブラケットに補機を前記固有振動数Aに固有振動数Bがほぼ一致する位置に取り付けることを特徴とするエンジンの補機装置。
  2. 前記補機用ブラケットもしくは補機に、補機の慣性モーメントを調整可能に、一対のアーム部を設け、そのアーム部を介して補機を補機用ブラケットに取り付けるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの補機装置。
  3. 前記一対のアーム部に、平行に長穴をエンジンから離間する方向に設けたことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの補機装置。
  4. 前記補機用ブラケットとエンジンとの間に弾性体を介在したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のエンジンの補機装置。
  5. 前記補機用ブラケットは、補機の軸心に対してその周方向に補機の取付角を変更し得る取付部を持ち、該取付部は補機の支持剛性を調整可能に形成してあることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの補機装置。
  6. 前記取付部は、2つのアーム部を、補機の軸心に対して、等距離に位置かつその周方向に沿って周方向の一方の向きに延設してあることを特徴とする請求項5に記載のエンジンの補機装置。
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